JPH05139358A - 自動二輪車のフレーム - Google Patents

自動二輪車のフレーム

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JPH05139358A
JPH05139358A JP30444691A JP30444691A JPH05139358A JP H05139358 A JPH05139358 A JP H05139358A JP 30444691 A JP30444691 A JP 30444691A JP 30444691 A JP30444691 A JP 30444691A JP H05139358 A JPH05139358 A JP H05139358A
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JP
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shock absorber
air cleaner
main pipe
rear arm
frame
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Takayoshi Fukuda
高義 福田
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Yamaha Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、エアクリーナの容量を十分に確保す
ることができ、吸気抵抗を低減できるとともに、緩衝器
の取り付け部の剛性も十分に得られる自動二輪車のフレ
ームの提供を目的とする。 【構成】ステアリングヘッドパイプ3から後方に延びる
メインパイプ6の後端部を、エアクリーナ28の上方を
通してリヤアーム16の枢支部19よりも後方に延長
し、このメインパイプの延長部の後端に、緩衝器32の
上端が連結される受け部31を設けたことを特徴として
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、リヤアームの前端枢支
部と後輪との間に、一本の緩衝器を配置した自動二輪車
に係り、特にそのフレームの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】最近の自動二輪車は、マスの集中化や大
きなホイールトラベルを得るために、一本の緩衝器を後
輪の前方に配置することが行われている。
【0003】この種の自動二輪車では、緩衝器がリヤア
ームの枢支部の直後に位置するため、従来では、この緩
衝器の上端を、ステアリングヘッドパイプから後方に延
びるメインパイプの後端に連結する構成が採用されてい
る。
【0004】また、この緩衝器が配置される場所は、丁
度シートの下方に位置し、ここには気化器に連なるエア
クリーナが配置されるために、このエアクリーナには、
緩衝器との干渉を避けるための凹状の逃げ部が設けられ
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この従来の
構成によると、緩衝器とリヤアームとの連結部は、リヤ
アームの枢支部よりも後方に位置するのに対し、緩衝器
の上端が連結されるメインパイプの後端部は、リヤアー
ムの枢支部よりも前方に位置されていることが多い。
【0006】このため、緩衝器は、前傾した姿勢でリヤ
アームとシートとの間に配置されることになり、これら
リヤアームとシートとの間において、上記緩衝器が占め
る前後方向のスペースが多くなる。このことから、エア
クリーナに緩衝器の逃げ部を設ける場合に、この逃げ部
は、緩衝器の前傾に伴ってエアクリーナの後部から前部
上面にかけての広い範囲に亘って形成せざるを得なくな
り、緩衝器がエアクリーナを貫通するような状態となっ
てしまう。したがって、エアクリーナの容量が少なくな
り、吸気抵抗が増大するといった不具合が生じてくる。
【0007】本発明は、このような事情にもとづいてな
されたもので、エアクリーナの容量を十分に確保するこ
とができ、吸気抵抗を低減できるとともに、緩衝器の取
り付け部の剛性も十分に得られる自動二輪車のフレーム
の提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明に係る自
動二輪車では、ステアリングヘッドパイプから後方に延
びるメインパイプの後端部を、エアクリーナの上方を通
してリヤアームの枢支部よりも後方に延長し、このメイ
ンパイプの延長部の後端に、緩衝器の上端が連結される
受け部を設けたことを特徴としている。
【0009】
【作用】この構成によれば、メインパイプの後端を後方
に延長した分だけ、緩衝器の上端とメインパイプとの連
結部が後方にずれるので、従来に比べて緩衝器の前傾度
合いが少なくなり、緩衝器の姿勢が略直立に近くなる。
このため、エアクリーナに緩衝器の逃げ部を設けるにし
ても、この逃げ部は、エアクリーナの後部の極狭い範囲
に設けるだけで良く、その分、エアクリーナの容量が大
幅に減じられずに済むことになる。
【0010】しかも、緩衝器の上端は、ステアリングヘ
ッドパイプに連なる本来的に高剛性なメインパイプで受
けられるので、この緩衝器の上端をしっかりと支えるこ
とができ、緩衝器の取り付け部分の剛性も十分に確保で
きる。
【0011】
【実施例】以下本発明の第1実施例を、図1ないし図4
にもとづいて説明する。
【0012】図中符号1で示すクレードル形のフレーム
は、その基本骨格をなすメインフレーム部2を備えてい
る。メインフレーム部2の前端には、ステアリングヘッ
ドパイプ3が設けられている。ステアリングヘッドパイ
プ3は、フロントフォーク4を枢支しており、このフロ
ントフォーク4の下端部には、前輪5が支持されてい
る。
【0013】ステアリングヘッドパイプ3の後面には、
後方斜め下向きに延びる一本のメインパイプ6と、下向
きに延びる一本の第1ダウンチューブ7が溶接されてい
る。メインパイプ6の前端部と第1ダウンチューブ7の
上端部との間には、ヘッドパイプガセット8が溶接され
ており、このヘッドパイプガセット8とメインパイプ6
の後端部との間には、テンションパイプ9が架設されて
いる。
【0014】第1ダウンチューブ7の下端部には、左右
一対の第2ダウンチューブ10(一方のみを図示)が溶
接されている。第2ダウンチューブ10は、第1ダウン
チューブ7に連続して下向きに延びるとともに、その途
中から後方に向って導かれている。
【0015】メインパイプ6の後端部には、中空箱状を
なすメインパイプガセット12が溶接されている。メイ
ンパイプガセット12は、図2に示すように、左右方向
に二又状に分岐されており、これら分岐部13a,13
bには、左右一対のシートピラーチューブ14a,14
bが接合されている。シートピラーチューブ14a,1
4bは、メインパイプ6の後端部から第1ダウンチュー
ブ7と平行をなすように後方斜め下向きに延びており、
これらシートピラーチューブ14a,14bの下端部と
第2ダウンチューブ10の後端部との間には、左右一対
のリヤアームブラケット15(一方のみを図示)が設け
られている。そして、これらリヤアームブラケット15
の間に、リヤアーム16の前端部が介装され、かつピボ
ット軸17を介して上下方向に揺動可能に枢支されてい
る。リヤアーム16は、メインフレーム部2の後方に向
って延びており、このリヤアーム16の後端部には、後
輪18が支持されている。
【0016】したがって、本実施例の場合は、シートピ
ラーチューブ14a,14bとリヤアームブラケット1
5が、メインパイプ6の後端部から下向きに延びるフレ
ーム部材を構成していることになり、このリヤアームブ
ラケット15にリヤアーム16の枢支部19が設けられ
ている。
【0017】メインパイプ6、ダウンチューブ7,1
0、シートピラーチューブ14a,14bおよびリヤア
ームブラケット15によって囲まれる空間部分には、2
サイクルエンジン20が支持されている。このエンジン
20は、クランクケース21が第2ダウンチューブ10
およびリヤアームブラケット15に支持されているとと
もに、シリンダヘッド22がメインパイプ6から下向き
に延びるエンジンブラケット23に支持されている。こ
のため、エンジン20はメインフレーム部2に支持され
ている。
【0018】エンジン20のクランクケース21には、
燃料供給装置としての気化器24が接続されている。気
化器24は、シリンダ25の後方に位置されており、こ
の気化器24の吸気上流端は、ラッパ状のファンネル2
6を介してエアクリーナ28に接続されている。エアク
リーナ28は、エレメントを収容した箱形のエアクリー
ナケース29を備えている。エアクリーナケース29
は、シートピラーチューブ14a,14bおよびリヤア
ームブラケット15の間から後方に向けて突出してい
る。
【0019】なお、気化器24の吸気上流端に連なるフ
ァンネル26は、気化器24に交換可能に取り付けられ
ている。すなわち、ファンネル26を形状の異なるもの
に交換することで、エンジン20の性能や出力特性が変
化するので、本実施例では、図4の(b)(c)に示す
ように、一つの気化器24に対し全長L、最大口径D、
曲率Rが異なる複数のファンネル26が用意されてお
り、このファンネル26を選択することで、走行条件や
運転者の好みに応じたエンジン性能を簡単に得られるよ
うになっている。
【0020】メインパイプ6の後端部に連なるメインパ
イプガセット12には、後方に向って略水平に延びるブ
ラケット30が溶接されている。ブラケット30は、図
2や図3に示すように、メインパイプ6と同等の太さを
有する中空箱状をなしている。ブラケット30は、メイ
ンパイプ6の後端部に対し一直線状に連なっており、こ
のブラケット30が、メインパイプ6の後端の延長部分
を構成している。ブラケット30は、エアクリーナケー
ス29の上方に位置されており、このブラケット30の
後端部は、リヤアーム16の枢支部19やエアクリーナ
ケース29よりも後方に突出されている。そして、この
ブラケット30の後端部に、二又状をなす緩衝器取り付
け用の受け部31が形成されている。
【0021】この受け部31とリヤアーム16との間に
は、一本の緩衝器32が掛け渡されている。緩衝器32
は、エアクリーナケース29と後輪18との間を通って
上下方向に沿って縦置きに配置されている。この緩衝器
32は、円筒状のダンパ33を備えており、このダンパ
33の上下端部には、夫々取り付け部34a,34bが
設けられている。ダンパ33の下側の取り付け部34a
は、リヤアーム16に連結されており、この取り付け部
34aのリヤアーム16への連結部分は、上記枢支部1
9よりも後輪18側にずれて位置されている。ダンパ3
3の上側の取り付け部34bは、ブラケット30の受け
部31にボルト35を介して連結されている。この取り
付け部34bのブラケット30への連結部分は、リヤア
ーム16の枢支部19よりも後方に位置されており、こ
のことにより、緩衝器32は、略直立に近い姿勢で縦置
きされている。
【0022】なお、本実施例の緩衝器32は、ダンパ3
3とは別体のリザーバタンク36を備えており、このリ
ザーバタンク36は、ダンパ33の一側に平行に配置さ
れている。
【0023】図3および図4に示すように、緩衝器32
の直前に位置するエアクリーナケース29の後面29a
には、緩衝器32との干渉を避けるための逃げ部38が
形成されている。逃げ部38は、エアクリーナケース2
9の後面29aを円弧状に凹ませることで構成され、こ
の逃げ部38の存在により、エアクリーナケース29の
左右両側部は、緩衝器32を側方から覆う位置にまで延
びている。
【0024】ブラケット30の後部は、サブフレーム部
材40を介してメインフレーム部2に支持されている。
サブフレーム部材40は、ブラケット30の後部とリヤ
アームブラケット15との間を結ぶ左右一対の縦パイプ
41a,41bを備えている。縦パイプ41a,41b
は、リヤアームブラケット15から上方に向って略垂直
に延びるとともに、上方に進む程、その離間幅が狭めら
れており、上記緩衝器32を支持する受け部31の直前
でブラケット30の左右両側面に溶接されている。した
がって、図3に示すように、ブラケット30、縦パイプ
41a,41bおよびシートピラーチューブ14a,1
4bは、側面視略三角形状に枠組みされており、この三
角形の頂部で緩衝器32の上端の取り付け部34bを支
持するようになっている。
【0025】ブラケット30の前端両側面には、後方に
向かって略水平に延びる左右一対のシートレール43
a,43bが溶接されている。シートレール43a,4
3bの後端部は、リヤアームブラケット15との間に架
設した左右一対のバックステー44(一方のみを図示)
によって支えられている。これらシートレール43a,
43b上には、シート45が支持されており、このシー
ト45の前端部は、メインパイプ6上に設置した燃料タ
ンク46に連なっている。
【0026】また、バックステー44の途中には、下向
きに延びるマッドガード48が取り付けられている。マ
ッドガード48は、後輪18と緩衝器32との間に介在
されており、緩衝器32を後輪18が巻き上げた泥や小
石などから保護している。
【0027】このように構成された自動二輪車では、メ
インパイプ6の後端部に、エアクリーナ28やリヤアー
ム16の枢支部19よりも後方に延長されたブラケット
30が設けられ、このブラケット30の後端部に、緩衝
器32の上端の取り付け部34bが連結される受け部3
1が設けられている。
【0028】したがって、この構成によれば、ブラケッ
ト30の長さ分だけ、緩衝器32の上端の取り付け部3
4bの位置が後方にずれるので、従来に比べて緩衝器3
2の前傾度合いが少なくなり、緩衝器32をエアクリー
ナ28の後方において略直立した姿勢で配置することが
できる。このため、緩衝器32が前方のエアクリーナ2
8を貫通することもないので、このエアクリーナ28に
緩衝器32を避けるための逃げ部38を設けるにして
も、この逃げ部38は、エアクリーナケース29の後面
29aに設けるだけで良いことになる。よって、エアク
リーナ28の容量が大幅に減じられずに済み、吸気抵抗
を少なく抑えることができる。
【0029】しかも、ブラケット30が結合されたメイ
ンパイプ6は、エンジン20を支持するばかりでなく、
ステアリングヘッドパイプ8とリヤアーム16の枢支部
19との間を結び、フレーム1にかかる主な荷重を受け
るために、本来的に剛性が高く設定されている。このこ
とから、緩衝器32を通じてブラケット30に加わる衝
撃や荷重を、剛性の高いメインパイプ6によって受け止
めることができ、緩衝器32の上端をしっかりと支える
ことができる。
【0030】したがって、緩衝器32の上端の取り付け
部34bが、メインパイプ6の後端部よりも後方に位置
していても、緩衝器32の連結部分のフレーム剛性を十
分に確保することができる。なお、本発明は上記第1実
施例に特定されるものではなく、図5および図6に本発
明の第2実施例を示す。
【0031】この第2実施例において、上記第1実施例
と相違する点は、エアクリーナケース29の後面29a
が、緩衝器32の左右両側方にまで延びることなく、こ
の緩衝器32の直前に位置されており、このエアクリー
ナケース29の後面29aに、下向きに延びる他のマッ
ドガード51が取り付けられている点にある。
【0032】マッドガード51は、緩衝器32とエアク
リーナケース29との間に介在されるとともに、その下
端部がリヤアーム16の上面にまで達しており、このマ
ッドガード51の左右両側部51a,51bは、緩衝器
32の左右外側に向って延長されている。
【0033】このような構成によれば、マッドガード5
1は、緩衝器32の前方から側方にかけての範囲を覆う
ので、自動二輪車の走行中、前輪5が巻き上げた泥や小
石などの異物が緩衝器32に向って飛散するのを防止で
き、この緩衝器32を前方からも保護することができ
る。また、図7および図8には、本発明の第3実施例が
示されている。
【0034】この第3実施例では、緩衝器32のリザー
バタンク36が、ダンパ33の上端部から後方に延びる
ように配置されており、このリザーバタンク36がシー
トレール43a,43bに沿うようにして後輪18の上
方に配置されている。そして、リザーバタンク36がダ
ンパ33の側方から後輪18の上方に移されたことによ
り、このダンパ33の側方が広く開放されるので、エア
クリーナケース29の左右両側部が後方に向けて延長さ
れており、この左右の延長部分61a,61bで緩衝器
32の上半分が側方から覆い隠されている。
【0035】このような構成の第3実施例によれば、エ
アクリーナケース29の左右両側部を、緩衝器32の左
右両側を通して後方に無理なく延長することができ、こ
の延長部分61a,61bの分だけ、エアクリーナケー
ス29の容量を大きく確保することができる。また、図
9および図10には、本発明の第4実施例が示されてい
る。
【0036】この第4実施例では、リヤアーム16を懸
架する緩衝器71として、リザーバタンクを持たない単
筒式あるいは複筒式が採用されている。そして、エアク
リーナケース29は、上記第3実施例と同様に、その左
右両側部が後方に向けて延長されており、この左右の延
長部分61a,61bによって緩衝器32の上半分が側
方から覆い隠されている。エアクリーナケース29の延
長部分61a,61bの後端部は、緩衝器71よりも後
方に突出しており、これら延長部分61a,61bの後
面に、下向きに延びる板状のマッドガード72が取り付
けられている。マッドガード72の上半分は、延長部分
61a,61bの間の空間を後方から閉塞しており、こ
れら延長部分61a,61bと協同して緩衝器32の上
半分の外周位を取り囲んでいる。また、マッドガード7
2の下半分は、後輪18と緩衝器32との間に介在され
ており、緩衝器32を略全長に亘って後方から覆ってい
る。
【0037】この構成によれば、緩衝器71が後方から
マッドガード72によって覆われるので、緩衝器71を
後輪18が巻き上げた泥や小石などから保護することが
できる。特に、緩衝器71の上半分は、エアクリーナケ
ース29とマッドガード72とによって全周に亘って包
み込まれているので、緩衝器71の後方ばかりでなく、
側方からの泥などの侵入を阻止することができ、緩衝器
71の汚損を効果的に防ぐことができる。さらに、図1
1には、本発明の第5実施例が示されている。
【0038】この第5実施例では、箱状をなすエアクリ
ーナケース29の前部が、前方に向けて延長されてお
り、このエアクリーナケース29の延長部分82が気化
器24の周囲を取り囲んでいる。したがって、エアクリ
ーナケース29の前面には、気化器24が入り込む凹部
83が形成されている。
【0039】この構成によれば、気化器24の周囲に存
在するデッドスペースを利用して、エアクリーナケース
29を前方に延長することができ、その分、エアクリー
ナケース29の容量を無理なく増やすことができる。ま
た、図12および図13は、本発明の第6実施例におけ
る自動二輪車のフレーム1を示している。
【0040】この第6実施例は、主にシート45と緩衝
器71の上端を支持するフレーム構成が上記第1実施例
と相違しており、メインフレーム部2を含むその他の構
成は、上記第1実施例と同一である。
【0041】図12に示すように、メインフレーム部2
の後部には、シート45を支持して後方に延びるリヤフ
レーム部91が連結されている。リヤフレーム部91
は、ボックス部92と、このボックス部92の後端から
後方に向って向って延びる左右一対のシートレール部9
3a,93bとを備えており、これらボックス部92と
シートレール部93a,93bとは、例えばアルミ合金
によって一体に鋳造成形されている。そして、このリヤ
フレーム部91は、ボックス部92の前端が、メインパ
イプガセット12やリヤアームブラケット15に溶接し
たフレームブラケット94にボルト締めされている。
【0042】図13に示すように、ボックス部92は、
上面が開口された中空箱状をなしており、緩衝器71と
気化器24との間に位置されている。ボックス部92の
上面開口部92aは、外気を吸入する吸入ダクト95を
備えた蓋板96によって閉塞されている。このため、ボ
ックス部92の内部空間は、図示しないエレメントを収
容するエアクリーナ室97となっており、このエアクリ
ーナ室97は、ボックス部92の前面に連なるジョイン
ト98を介して気化器24に接続されている。なお、図
12に示すように、吸入ダクト95は、燃料タンク46
の後端下部に位置されている。
【0043】図13に示すように、ボックス部92の後
輪18と対向し合う後面92bには、緩衝器71との干
渉を避けるように円弧状に凹む逃げ部99が形成されて
いる。逃げ部99の上端には、緩衝器71の上端の取り
付け部34bを支持する受け部100が一体に形成され
ている。受け部100は、リヤアーム16の枢支部19
よりも後方に位置されている。この受け部100は、ボ
ックス部92の後面92bから後方に延びる左右一対の
支持片101a,101bを備えており、これら支持片
101a,101bの間に、緩衝器71の上端の取り付
け部34bが介在され、かつボルト102を介して連結
されている。
【0044】リヤフレーム部91のシートレール部93
a,93bは、緩衝器71の上端の左右両側を通って後
方に延びている。シートレール部93a,93bの前半
部の下面は、下向きに張り出すカバー部103をなして
いる。カバー部103の下縁部は、下方に進むに従い前
方に向って斜めに延びており、このカバー部103の前
端部は、ボックス部92の左右両側面に連なっている。
そして、カバー部103は、ボックス部92の後面92
aと協同して緩衝器71の前方から左右側方にかけてを
連続して取り囲んでおり、このカバー部103の下縁に
は、緩衝器71を後方から覆うマッドガード48が取り
付けられている。
【0045】このような構成の第6実施例では、シート
45を支持するリヤフレーム部91に、中空箱状のボッ
クス部92を一体成形し、このボックス部92の内部空
間をエアクリーナ室97としたので、格別なエアクリー
ナが不要となり、その分、部品点数が少なくなって、組
み立て性の向上やコストの低減が可能となる。
【0046】また、リヤフレーム部91がエアクリーナ
室97を兼ねているので、エアクリーナ室97にフレー
ム1との当りを避けるための逃げを設ける必要もなく、
エアクリーナ室97の容量を十分に確保することができ
る。
【0047】その上、シートレール部93a,93bの
カバー部103は、ボックス部92の後面92aと協同
して緩衝器71の周囲を取り囲んでいるから、リヤフレ
ーム部91に緩衝器71を泥などの異物から保護するマ
ッドガードとしての機能も兼用させることができる。そ
れとともに、カバー部103は、自動二輪車を側方から
見た場合に、上下および前後方向に所定の広がりを有す
る面状をなしているので、このカバー部103にサイド
カバーとしての機能を兼用させることもできる。また、
図14には、本発明の第7実施例が示されている。この
第7実施例では、主にエンジン20を支持するメインフ
レーム部110の構成が上記第1実施例と相違してい
る。
【0048】図14に示すように、メインフレーム部1
10を構成するメインパイプ111の後端部は、リヤア
ーム16の枢支部19よりも後方に延びており、このメ
インパイプ111の後端部111aに、緩衝器32の上
端の取り付け部34bを支持するための二又状の受け部
112が設けられている。
【0049】メインパイプ111の後端部とリヤアーム
ブラケット115との間には、上下方向に延びる左右一
対のシートピラーチューブ113(一方のみを図示)が
架設されている。シートピラーチューブ113とメイン
パイプ111との溶接部は、リヤアーム16の枢支部1
9よりも後方に位置されており、このシートピラーチュ
ーブ113は、上方に進むに従い後方に向って傾斜され
ている。このため、シートピラーチューブ113は、第
1ダウンチューブ7や第2ダウンチューブ10と平行を
なすことなく、これらダウンチューブ7,10とは逆向
きに傾斜されており、メインパイプ111、ダウンチュ
ーブ7,10およびシートピラーチューブ113で囲ま
れる空間部分が、上方に進む程広くなっている。
【0050】したがって、シートピラーチューブ113
は、気化器24から後方に遠ざかった位置において上下
方向に延びており、このシートピラーチューブ113と
気化器24との間にエアクリーナ28が収められてい
る。なお、シートピラーチューブ113の上端部には、
シートレール43a,43bの前端部が溶接されてい
る。
【0051】このような構成の第7実施例によると、緩
衝器32の上端の取り付け部34bを、直接メインパイ
プ111で受けることができ、この緩衝器32の取り付
け部分の剛性を十分に確保できる。
【0052】しかも、シートピラーチューブ113は、
メインパイプ111との連結部に向ってダウンチューブ
7,10から遠ざかる方向に傾斜され、この傾斜によ
り、メインパイプ111、ダウンチューブ7,10およ
びシートピラーチューブ113で囲まれる空間部分が、
上方に進む程広くなっているので、従来一般的なクレー
ドル形のフレームに比べて、エンジン20の周囲が広く
開放される。
【0053】このため、エンジン20の積み降ろしを容
易に行えるとともに、シートピラーチューブ113が気
化器24の後方に遠ざかることから、気化器24やエア
クリーナ28の脱着および保守点検あるいは気化器24
のセッテイング作業を容易に行うことができる。また、
図15には、本発明の第8実施例が示されている。
【0054】この第8実施例では、シートピラーチュー
ブ121がエアクリーナ28の後方に回り込むように途
中で屈曲されており、この屈曲部121aを含めたシー
トピラーチューブ121全体が、エアクリーナ28と緩
衝器32との間に位置されている。
【0055】このため、エンジン20の気化器24およ
びエアクリーナ28が、メインパイプ111、ダウンチ
ューブ7,10およびシートピラーチューブ121とで
囲まれる空間の内側に完全に収められている。
【0056】このような構成によれば、自動二輪車を側
方から見た場合に、エアクリーナ28がシートピラーチ
ューブ121と重なり合うことがないので、エアクリー
ナ28を脱着する際に、シートピラーチューブ121が
邪魔とならず、エアクリーナ28の脱着作業を容易に行
うことができる。
【0057】なお、本発明に係るフレームは、ダウンチ
ューブがエンジンを抱え込むクレードル形に特定される
ものではなく、例えばエンジンのクランクケースをフレ
ーム構造の一部として兼用するダイヤモンド形のフレー
ムでも同様に実施することができる。
【0058】
【発明の効果】以上詳述した本発明によれば、緩衝器の
前傾度合いが少なくなり、緩衝器の姿勢が略直立に近く
なるので、緩衝器がエアクリーナを貫通して前後に延び
るようなことはなく、このエアクリーナに設ける緩衝器
の逃げ部は、エアクリーナの後部の極狭い範囲に設ける
だけで良いことになる。このため、エアクリーナの容量
が大幅に減じられずに済み、吸気抵抗を少なく抑えるこ
とができる。
【0059】しかも、緩衝器の上端は、本来的に剛性の
高いメインパイプで受けられるので、この緩衝器の上端
をしっかりと支えることができ、緩衝器の取り付け部分
の剛性も十分に確保できるといった利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例における自動二輪車の側面
図。
【図2】緩衝器とフレームとの連結部分を示す平面図。
【図3】フレーム単体の側面図。
【図4】(a)は、エアクリーナと緩衝器との位置関係
を示す平面図。(b)および(c)は、夫々気化器に連
なるファンネルの形状を示す図。
【図5】本発明の第2実施例における自動二輪車の側面
図。
【図6】エアクリーナと緩衝器およびマッドガードとの
位置関係を示す平面図。
【図7】本発明の第3実施例における自動二輪車の側面
図。
【図8】緩衝器とフレームとの連結部分を示す平面図。
【図9】本発明の第4実施例における自動二輪車の側面
図。
【図10】エアクリーナと緩衝器およびマッドガードと
の位置関係を示す平面図。
【図11】本発明の第5実施例におけるエアクリーナと
気化器および緩衝器との位置関係を、一部断面して示す
平面図。
【図12】本発明の第6実施例における自動二輪車の側
面図。
【図13】リヤフレーム部と緩衝器およびメインフレー
ム部との位置関係を示す平面図。
【図14】本発明の第7実施例における自動二輪車の側
面図。
【図15】本発明の第8実施例における自動二輪車の側
面図。
【符号の説明】
3…ステアリングヘッドパイプ、6…メインパイプ、1
4a,14b,15,113,121…フレーム部材
(シートピラーチューブ、リヤアームブラケット)、1
6…リヤアーム、19…枢支部、20…エンジン、24
…燃料供給装置(気化器)、28…エアクリーナ、30
…延長部(ブラケット)、31,100,112…受け
部、32,71…緩衝器。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステアリングヘッドパイプからエンジン
    の上方を通って後方に延びる一本のメインパイプと、 このメインパイプの後部から下向きに延びており、その
    下部に、後輪を支持して後方に延びるリヤアームの前端
    部を上下方向に揺動可能に枢支するための枢支部を有す
    る左右一対のフレーム部材とを備え、 上記リヤアームの枢支部の上方に、エンジンの燃料供給
    装置に連なるエアクリーナを配置するとともに、 このエアクリーナと後輪との間に、上記リヤアームを懸
    架する一本の緩衝器を縦置きに配置した自動二輪車にお
    いて、 上記メインパイプの後端部を、エアクリーナの上方を通
    して上記リヤアームの枢支部よりも後方に延長し、 このメインパイプの延長部の後端に、上記緩衝器の上端
    が連結される受け部を設けたことを特徴とする自動二輪
    車のフレーム。
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