JP3917980B2 - 自動二・三輪車 - Google Patents
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Description
さらにまた、上記従来の技術は、同公報の第2図及び第4図に示される通り、側面視において吸気系の一部であるキャブレタ39やコンチューブ42を、防振リンクLに重なるようにして配置したものである。
自動二輪車10は、車体フレーム11と、車体フレーム11のヘッドパイプ12に取付けたフロントフォーク13と、フロントフォーク13に取付けた前輪14と、フロントフォーク13に連結したハンドル15と、車体フレーム11の後上部に取付けたスイング式パワーユニット16と、パワーユニット16の後部に取付けた後輪17と、車体フレーム11の後部上部にパワーユニット16を懸架するリヤサスペンション18と、車体フレーム11の後部上部に取付けた物品収納部21と、物品収納部21の上部に取付けたシート22と、物品収納部21の後方で車体フレーム11の後部上部に取付けた燃料タンク23と、車体フレーム11を覆うボディカバー30とを、主要構成としたスクータ型車両である。
ボディカバー30は、ヘッドパイプ12の前部を覆うフロントカバー31と、運転者の脚部を覆うためのレッグシールド32と、運転者の足載せのためのステップフロア33と、ステップフロア33の下方に配置して車体フレーム11の下部を覆うアンダカバー34と、車体フレーム11の後半部を覆うリヤサイドカバー35とからなる。
図中、41はフロントサスペンション、42はヘッドランプ、43はメータ、44はフロントフェンダ、45はハンドルカバー、46はメインスタンド、47はリヤフェンダである。
車体フレーム11は、ステップフロア33の下方で、前部の前フレーム60と後部の後フレーム70とに前後二分割した分割フレームである。後フレーム70は後端部にサブフレーム80を、ボルト止めしたものである。
この図は、後輪17の左側方にエアクリーナ131を配置し、このエアクリーナ131をパワーユニット16の後部上部に取付けたことを示す。51はエンジン用排気管、52はマフラである。
サブフレーム80は、左右の起立した物品収納部用ポスト81,81と、物品収納部用ポスト81,81間を繋いだ連結ステー82とからなる。54は点火プラグである。
前フレーム60は、ヘッドパイプ12と、ヘッドパイプ12から下方へ延びたダウンフレーム部61と、ダウンフレーム部61の下端から後方へ二股状に延びた左右一対のフロア支持フレーム部62,62と、これらのフロア支持フレーム部62,62の後端間に掛け渡したクロスメンバ63とからなる、平面視略ロ字状枠の一体鋳造フレームである。
左右のフロア支持フレーム部62,62は、上方を開放して一直線状に延びた溝形フレームである。左右のフロア支持フレーム部62,62の各後端部は、前下がりに傾斜した傾斜面に形成し、これらの傾斜面を前部結合面64,64とし、これらの前部結合面64,64に、前後2個ずつのボルト孔64a・・・を形成したものである。さらに、左の前部結合面64には1個の嵌合凹部64bを形成し、右の前部結合面64には前後2個の嵌合凹部64b,64bを形成した。
クロスメンバ63は、正面視上開放コ字状部材であり、その車幅中央部の高さをフロア支持フレーム部62,62よりも下位に設定したものである。
左右の主フレーム部71,71は、前端部が略水平で、その後端から上方へ延び、その上端からさらに後上方へ延びることによって、全体的に後上がりに傾斜した部材である。これらの主フレーム部71,71の前端部は、前下がりに傾斜した傾斜面に形成し、これらの傾斜面を後部結合面74,74とし、これらの後部結合面74,74に、前後2個ずつのボルト孔74a・・・を形成したものである。さらに、後部結合面74,74に、上記嵌合凹部64b・・・に嵌合する3個の嵌合凸部74b・・・を形成した。
前フレーム60及び後フレーム70は、例えば、アルミニウム合金の鋳造品である。
図中、76はリヤサスペンション取付部、77・・・はサブフレーム取付部である。
物品収納部21は、底部21aを車体左から右へ傾斜させ、底部21aから下方へ膨出した左右の前部脚部21b,21bを一体に形成したものである。
前部クロスメンバ72に左右の前部脚部21b,21bを載せて、ボルト・ナット78,78で止めることにより、後フレーム70に物品収納部21の前部下部を取付けることができる。
左右の防振リンク93,93は、フレーム側ピボット92,92の軸心と直交する方向に延びたリンクプレート(板材)である。
エンジン側ピボット95は、フレーム側ピボット92,92に並行に配置したボルト・ナットである。
詳しくは、左右一方の防振リンク93は、フレーム側ピボット92とエンジン側ピボット95とを通る直線A1よりも前部に、ボックス状の前部ラバー装着部101を取付け、この前部ラバー装着部101に弾発部材からなる前部ストッパラバー102を取付け、また、直線A1よりも後部に、ボックス状の後部ラバー装着部103を取付け、この後部ラバー装着部103に弾発部材からなる後部ストッパラバー104を取付けたものである。
エンジン110は、クランクケース111から車体前方へ向って、シリンダブロック112並びにその内部のシリンダ(図示せず)を前方略水平に延出し、シリンダブロック112の前端にシリンダヘッド115をボルト止めにて接合し、シリンダヘッド115の前端にヘッドカバー117をボルト止めにて接合したものである。
このような吸気系130のうち、エアクリーナ131とコネクティングチューブ132とスロットルボディ133とインレットパイプ134とを、車体後方から前方へ向けて略水平な状態で、エンジン110の上方に配置し、さらに、インレットパイプ134の下流端をエンジン110の吸気通路122に接続した。
図7で明らかなように、燃料噴射装置140と吸気管を構成するインレットパイプ134とスロットルボディ133からなる吸気系部材は、車両側面視において、吸気系部材の少なくとも一つをフレーム側ピボットとオーバーラップするように構成されている。
インレットパイプ134は、シリンダ軸線Oと略平行に並べて、その上流端を車体後方に向けた吸気管である。
エンジン110は、クランクケース111(図2参照)から車体前方へ向って、シリンダブロック112内のシリンダ113を略水平に延出し、シリンダ113にピストン114を挿通し、シリンダヘッド115に燃焼室116を設け、シリンダヘッド115とヘッドカバー117とで動弁室118を形成し、この動弁室118に動弁機構150を収納したものである。
動弁機構150は、カムシャフト151と、2個のロッカシャフト152,152と、2個のロッカアーム153,153と、吸気弁121のバルブステム121aと、排気弁125のバルブステム125aとからなる。154,154はバルブスプリング、155,155はリテーナである。
このような形状の吸気通路122は上流端122aを、シリンダ113とシリンダヘッド115との接合面Bの延長線Cの近傍に配置したものである。ここで、延長線Cの近傍とは、延長線C上を包含する。上流端122aは、シリンダヘッド115の上部に車体後方(この図の右側)に向って開口し、その開口部に形成したフランジ122bを、インレットパイプ134の下流端にボルト止めにて接続したものである。
燃料噴射装置140は、前上方から後下方へ向けた状態でエンジン110に取付けたものであり、その取付け位置は、エンジン110とインレットパイプ134との接合部、すなわち、吸気通路122のフランジ122bとインレットパイプ134の下流端との接続部よりも車体前方位置である。
燃料噴射装置140は上端の燃料入口部141にフィードパイプ142を嵌合にて取付け、このフィードパイプ142を介して燃料ホース146(図7参照)を接続するようにしたものである。
燃料噴射装置140は、図示せぬ電子制御ユニットで演算された噴射信号に基づいて、燃料を噴射するインジェクタであり、例えば、ソレノイドバルブ式ノズルからなる。143は噴射ノズル、144は端子、145はカプラである。
本発明は、自動二輪車10(図2参照)を側方から見たときに、フレーム側ピボット92よりも車体前方側でエンジン110に燃料噴射装置140を取付け、この燃料噴射装置140の軸線A2を、フレーム側ピボット92とエンジン側ピボット95とを通る直線A1に対し略平行に配置したことを特徴とする。
ここで、燃料噴射装置140の軸線A2とは、燃料噴射装置140における弁149の中心を通る直線である。弁149は軸線A2の方向に作動するものである。
図7に示すように、スロットルボディ133よりも下流側にあるシリンダヘッド115に、車体前方に向って凸となる略U字形状の吸気通路122を設け、この吸気通路122の前端部に燃料噴射装置140を配置した。すなわち、スロットルボディ133から離れた位置で、エンジン110に燃料噴射装置140を取付けた。一般に、スロットルボディ133の単品の高さ寸法は、気化器の単品の高さ寸法よりも小さい。吸気系130に組込んだスロットルボディ133の最上部位U3の高さを、従来の気化器を配置した場合に比べて、抑制することができる。
これに対して本発明は、パワーユニット16から燃料噴射装置140へ伝わる振動の方向を、軸線A2に対して略直交させたので、パワーユニット16の振動が燃料噴射装置140の弁149の作動に影響を及ぼすことはないと言える。従って、燃料噴射装置140を確実に作動させることができる。
さらにまた、シリンダが前方略水平に延びるエンジンとインレットパイプとの接合部よりも車体前方位置で、前上方から後下方へ向けてエンジンに燃料噴射装置を取付けたので、燃料噴射装置の取付け高さを、抑制することができる。
このようなことから、スロットルボディや燃料噴射装置とその上方に配置した物品収納部の底部との間のスペースを確保することは容易である。従って、シートの高さを下げつつ、物品収納部の収納容量を確保することができる。
仮に、パワーユニットから燃料噴射装置へ伝わる振動の方向が、燃料噴射装置の軸線の方向に一致する場合には、振動が燃料噴射装置に増幅して伝わったり干渉することにより、燃料噴射装置の作動に影響を及ぼし得る。
これに対して上記構成では、パワーユニットから燃料噴射装置へ伝わる振動の方向を、燃料噴射装置の軸線に対して略直交させたので、パワーユニットの振動が燃料噴射装置の作動に影響を及ぼすことはないと言える。従って、燃料噴射装置を確実に作動させることができる。
(2)車体フレーム11は前後二分割フレームに限定されるものではなく、一体フレームであってもよい。
(3)防振リンク機構90は、車体フレーム11に少なくとも1個のフレーム側ピボット92を設け、エンジン110に少なくとも1個のエンジン側ピボット95を設け、フレーム側ピボット92に、少なくとも1個の防振リンク93を介して、エンジン側ピボット95を揺動自在に支持するものであればよい。
Claims (2)
- シート及び物品収納部の下方に、シリンダが前方略水平に延びるエンジンを備えたスイング式パワーユニットを配置し、防振リンクで車体フレームに支持させた自動二・三輪車において、
前記車体フレームは、左右一対のフレームと、該左右のフレーム間に架け渡され、該左右のフレームと一体のクロスメンバからなり、
前記パワーユニットを車体フレームに支持する防振リンクの車体フレーム側ピボットを、前記クロスメンバの下方で左右のフレームに設け、
前記パワーユニットのエンジンは、燃料噴射装置及びインレットパイプと該インレットパイプに接続されるスロットルボディとを含む吸気系部材を備え、
車両側面視において、前記吸気系部材の少なくとも一つを左右のフレーム側ピボット間に配置し、
前記スロットルボディ前方の吸気系部材に前記燃料噴射装置を配置し、前記フレーム側ピボットの後方にエンジン側ピボットを配置し、
前記燃料噴射装置はインレットパイプの上側に取り付けられている、
ことを特徴とする自動二・三輪車。 - 前記車体フレームは、左右のフレームとクロスメンバーからなる一体鋳造フレームであることを特徴とする請求項1記載の自動二・三輪車。
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