JP2004257410A - 車輪用軸受ユニットの品質検査方法 - Google Patents

車輪用軸受ユニットの品質検査方法 Download PDF

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Nobuyuki Hagiwara
信行 萩原
Yasuhiro Morichika
靖弘 森近
Shoko Yasumura
昌紘 安村
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Abstract

【課題】かしめ部12及びその周辺部分が適切に形成されているか否か正確に検査できる方法を実現する。
【解決手段】上記かしめ部12及びその周辺部分の表面形状を、レーザー装置24を使用して測定する。そして、この測定した表面形状を評価する事に基づいて、上記かしめ部12及びその周辺部分が適切に形成されているか否かを検査する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、自動車の車輪を懸架装置に対して回転自在に支持する為に使用する車輪用軸受ユニットの品質検査方法に関する。特に、本発明は、軸部材の一端部に形成したかしめ部及びその周辺部分が適切に形成されているか否かを検査する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車の車輪を懸架装置に対して回転自在に支持する為に従来から、車輪用軸受ユニットが使用されている。図18〜19は、駆動輪(FF車の前輪、FR車及びRR車の後輪、4WD車の全車輪)を支持する為に使用する車輪用軸受ユニットの1例を示している。この車輪用軸受ユニットは、軸部材であるハブ1と、内輪2と、外輪3と、複数個の転動体4、4とを備える。
【0003】
このうちのハブ1は、外周面の外端(軸方向に関して外とは、自動車への組み付け状態で車両の幅方向外側を言い、図18、21、22の左側、図1、6、7、11、14、15の下側。反対に、自動車への組み付け状態で車両の幅方向中央側となる、図18、21、22の右側、図1、6、7、11、14、15の上側を内と言う。本明細書全体で同じ。)寄り部分に車輪を支持固定する為の取付フランジ5を、同じく中間部に第一内輪軌道6aを、同じく内端部に小径段部7を、それぞれ設けると共に、中心部にスプライン孔8を設けている。尚、上記第一内輪軌道6aは、図示の様に上記ハブ1の中間部外周面に直接形成する他、このハブ1の中間部に外嵌した別体の内輪の外周面に形成する場合もある。又、上記内輪2は、外周面に第二内輪軌道6bを設けており、上記小径段部7に外嵌している。尚、上記第一内輪軌道6aを別体の内輪の外周面に形成した場合には、ハブの内端部でこの別体の内輪よりも突出した部分が小径段部であり、この別体の内輪の内端面が、下述する段差面となる。
【0004】
又、上記外輪3は、外周面に結合フランジ9を、内周面に1対の外輪軌道10a、10bを、それぞれ設けている。そして、これら各外輪軌道10a、10bと上記各内輪軌道6a、6bとの間にそれぞれ複数個ずつの転動体4、4を、転動自在に設けている。尚、図示の例では、これら各転動体4、4として玉を使用しているが、重量の嵩む自動車用の軸受ユニットの場合には、これら各転動体4、4としてテーパころを使用する場合もある。又、上記小径段部7に外嵌した内輪2は、上記ハブ1の内端部に設けた円筒部11のうち、この小径段部7に外嵌した内輪2よりも軸方向内方に突出した部分を径方向外方にかしめ広げて形成したかしめ部12により、上記小径段部7の段差面13に向け抑え付けている。そして、このかしめ部12による抑え付け力により、上記各転動体4、4に予圧を付与している。
【0005】
上述の様に構成する車輪用軸受ユニットの使用時には、図18に示す様に、等速ジョイント用外輪14の外端面に固設したスプライン軸15を、上記ハブ1の中心部に設けたスプライン孔8の内側に、軸方向内方から軸方向外方に向けて挿入する。そして、上記等速ジョイント用外輪14の外端面を上記かしめ部12の内端面に、上記スプライン軸15の先端部に螺合したナット16の側面を上記ハブ1の外端面に、それぞれ当接させた状態で、このナット16を緊締する。これにより、上記ハブ1と上記スプライン軸15及び等速ジョイント用外輪14とを、トルクの伝達を可能とした状態で結合する。又、上記外輪3の結合フランジ9を図示しない懸架装置を構成するナックルに結合固定すると共に、上記ハブ1の取付フランジ5に図示しない車輪を支持固定する。そして、自動車の走行時には、デファレンシャル側から上記スプライン軸15に伝達された回転駆動力により、上記ハブ1及び車輪を回転駆動する。
【0006】
ところで、上述した様な駆動輪用の車輪用軸受ユニットは、運転時にしばしばバッキン音と呼ばれる異音を発生する事がある。この異音は、デファレンシャル側から上記ハブ1に伝達されるトルクが変動する(上記スプライン軸15の捩じり方向の弾性変形量が変化する)事に伴い、上記等速ジョイント用外輪14の外端面と上記かしめ部12の内端面とが周方向に擦れ合う事に基づいて発生する。又、この様にして発生する異音は、上記等速ジョイント用外輪14の外端面と上記かしめ部12の内端面との当接部に作用する摩擦力が大きい程、大きくなる。これに対し、特許文献1には、上記当接部の面圧の平均値を、1.5×10 Pa以下にする発明が記載されている。この発明の場合には、上記当接部の面圧を低く抑えている為、この当接部に作用する摩擦力を小さくする事ができる。従って、この当接部で耳障りな程大きな異音が発生する事を防止できる。尚、上記面圧の調整は、スプライン軸15の先端部に螺合したナット16(図18)の緊締力を調節する事に基づいて行なう。
【0007】
又、上述の図18〜19に示した車輪用軸受ユニットの場合、かしめ部12の内端面は、凸曲面状に形成している。この為、この凸曲面状に形成したかしめ部12の内端面と、平面である等速ジョイント用外輪14の外端面との当接部は、線接触に近い状態となる。これに対し、特許文献1及び特許文献2には、図20に示す様に、かしめ部12aの内端面に平面部17を設け、この平面部17と等速ジョイント用外輪14の外端面とを面接触させる発明が記載されている。この発明の場合には、上記かしめ部12aの内端面と上記等速ジョイント用外輪14の外端面との接触面積を、上述の図18〜19に示した構造に比べて十分に広くする事ができる。従って、スプライン軸15の先端部に螺合したナット16(図18)の緊締力を大きくしつつ、上記かしめ部12aの内端面と上記等速ジョイント用外輪14の外端面との当接部の面圧を低く抑える事ができる。この結果、上記スプライン軸15及び等速ジョイント用外輪14と車輪用軸受ユニットとの結合部の剛性を十分に確保しつつ、上記当接部に作用する摩擦力を低減して、この当接部で耳障りな異音が発生する事を防止できる。尚、上記平面部17は、内端面が凸曲面状であるかしめ部を形成した後、このかしめ部の内端面にコイニング、或は機械加工等を施す事により形成する。
【0008】
次に、図21は、従動輪(FF車の後輪、FR車及びRR車の前輪)を支持する為に使用する車輪用軸受ユニットの第1例を示している。この従動輪用の車輪用軸受ユニットの場合には、ハブ1aをスプライン軸15(図18参照)により回転駆動する必要がない為、このハブ1aの中心部にこのスプライン軸15を係合させる為のスプライン孔を設けていない。その他の部分の構造及び作用は、前述の図18に示した駆動輪用の車輪用軸受ユニットと同様である。
【0009】
次に、図22は、従動輪用の車輪用軸受ユニットの第2例を示している。この図22に示した構造の場合には、外輪3aの外端寄り部外周面に車輪を支持固定する為の取付フランジ5を設けると共に、この外輪3aの内径側に設けた軸部材27の内端部に、懸架装置を構成するナックルに結合固定する為の結合フランジ9を設けている。又、第二内輪軌道6bを上記軸部材27の中間部外周面に直接形成すると共に、第一内輪軌道6aをこの軸部材27の外端部に設けた小径段部7に外嵌した内輪2の外周面に形成している。又、この小径段部7に外嵌した内輪2は、上記軸部材27の外端部に設けた円筒部11のうち、この小径段部7に外嵌した内輪2よりも軸方向外方に突出した部分を径方向外方に塑性変形させて形成したかしめ部12により、上記小径段部7の段差面13に向け抑え付けている。そして、このかしめ部12による抑え付け力により、複数個の転動体4、4に予圧を付与している。
【0010】
【特許文献1】
特開2002−106557号公報
【特許文献2】
特開平11−5404号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上述の様な、かしめ部12、12aを設けた車輪用軸受ユニットの場合、このかしめ部12、12a及びその周辺部分は、それぞれ適切に形成されている必要がある。
具体的には、先ず、上記かしめ部12、12aは、前記内輪2の抑え付け力を十分に確保した状態で形成されている必要がある。即ち、この抑え付け力が十分に確保されていないと、上記内輪2に大きなスラスト荷重が加わった場合に、この内輪2が軸方向に変位して、前記各転動体4、4に付与した予圧が減少し、車輪用軸受ユニットの剛性が低下する可能性がある。従って、上記かしめ部12、12aを形成した後に、このかしめ部12、12aによる抑え付け力が十分に確保されているか否かを検査する必要がある。
【0012】
又、上記かしめ部12、12aを形成する為に設けた円筒部11の内周面18と、この内周面18の基端部に存在する段差面19(図18)若しくは底面20(図21〜22)との連続部21は、曲率半径が大きい凹曲面となっている事が好ましい。この理由は、この連続部21の曲率半径が小さいと、大きなモーメント荷重が加わった場合に、この連続部21に応力が集中し、内輪2を抑え付ける力が低下し易くなる他、この連続部21に割れが入る可能性がある為である。従って、この様な不都合が生じない様にすべく、上記連続部21の曲率半径は大きくなっている事が好ましい。
【0013】
ところで、一般に、上記連続部21の曲率半径は、上記かしめ部12、12aを形成する事に伴って減少する傾向がある。この為、実際の設計では、この様な事情を考慮し、上記かしめ部12、12aを形成した後にも上記連続部21の曲率半径が十分に確保される様に、このかしめ部12、12aを形成する前の上記連続部21の曲率半径を決定する。ところが、この様な設計を行なっても、製造誤差に基づき、上記かしめ部12、12aを形成した後の曲率半径が、所望値よりも小さくなる可能性がある。従って、上記かしめ部12、12aを形成した後に、上記連続部21の曲率半径が(上述した様な不都合を生じる程度に)小さくなっていないかどうかを検査する必要がある。
【0014】
又、上記かしめ部12、12aを形成する事に伴い、上記連続部21には、材料中の不純物や鍛造によるフローの不良等が原因となって割れが入ったり、或はかしめ治具との間に硬質の異物が噛み込まれて傷が付く可能性がある。この様な割れや傷も、上記かしめ部12、12aによる抑え付け力を低下させる原因となる為、このかしめ部12、12aを形成した後に、これらの割れや傷が生じていないかどうかを検査する必要がある。
【0015】
又、図18〜20に示した駆動輪用の車輪用軸受ユニットの場合には、前記ハブ1の中心軸(このハブ1の中心部に設けたスプライン孔8の中心軸)に対する上記かしめ部12、12aの内端面の直角度が、良好になっている必要がある。この理由は、この直角度が良好になっていないと、上記かしめ部12、12aの内端面が等速ジョイント用外輪14の外端面に対し、円周方向の一部分でのみ当接する様になり、結果としてこの当接部の面圧が過大となる為である。この様に当接部の面圧が過大になると、この当接部に作用する摩擦力が大きくなって、前述したバッキン音と呼ばれる異音が発生し易くなる。これと共に、上記過大な面圧によって上記かしめ部12、12aが変形し易くなり、変形した場合には、このかしめ部12、12aと上記等速ジョイント用外輪14の外端面との間に、がたつきの原因となる隙間が生じる為、好ましくない。従って、上記かしめ部12、12aを形成した後に、上記中心軸に対するこのかしめ部12、12aの内端面の直角度が良好になっているか否かを検査する必要がある。
【0016】
又、図20に示した構造の場合には、上記かしめ部12aの内端面に設ける平面部17の平面度(平面の精度)が良好になっている必要がある。この理由は、この平面部17の平面度が良好になっていない(この平面部17が歪んでいる)と、この平面部17のうち、周囲の部分よりも比較的軸方向に出っ張った部分が、上記等速ジョイント用外輪14の外端面に対し、過大な面圧で当接する様になる為である。即ち、この様に当接部の面圧が過大になると、上述した場合と同様、この当接部でバッキン音と呼ばれる異音が発生し易くなると共に、上記平面部17と上記等速ジョイント用外輪14の外端面との間にがたつきの原因となる隙間が生じ易くなる為、好ましくない。従って、上記かしめ部12、12aを形成した後に、上記中心軸に対するこのかしめ部12、12aの内端面の平面度が良好になっているか否かを検査する必要がある。
本発明の車輪用軸受ユニットの品質検査方法は、上述の様な事情に鑑みて発明したものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明の車輪用軸受ユニットの品質検査方法の対象となる、車輪用軸受ユニットは、内周面に複列の外輪軌道を有する外輪と、外周面に複列の内輪軌道を有する内輪相当部材と、これら各外輪軌道と各内輪軌道との間にそれぞれ複数個ずつ設けた転動体とを備える。
又、このうちの内輪相当部材は、その外周面に上記複列の内輪軌道のうちの何れか一方の内輪軌道を直接又は別体の部材を介して形成した軸部材と、その外周面に他方の内輪軌道を形成した内輪とを備える。そして、上記軸部材の一端部に設けた小径段部に、この内輪を外嵌している。更にこの小径段部に外嵌した内輪を、上記軸部材の一端部に設けた円筒部のうちこの内輪の一端面から突出した部分を径方向外方に塑性変形させて形成したかしめ部により、上記小径段部の基端部に存在する段差面に向け抑え付け、且つ上記各転動体に予圧を付与した状態で、上記軸部材に結合固定している。
そして、使用時には、上記外輪と上記内輪相当部材とのうちの何れか一方の部材を懸架装置を構成するナックルに結合固定すると共に、他方の部材に車輪を支持固定する。
【0018】
これに加え、請求項9〜11に記載した品質検査方法の対象となる車輪用軸受ユニットの場合には、上記軸部材の中心部にスプライン孔を設けている。又、請求項12〜14に記載した品質検査方法の対象となる車輪用軸受ユニットの場合には、上記かしめ部の一端面に全周に亙り平面部を設けている。
【0019】
そして、上述の様な車輪用軸受ユニットを対象として実施する、本発明の車輪用軸受ユニットの品質検査方法のうち、請求項1に記載したものの場合には、上記内輪の一端面を押圧してこの内輪の軸方向寸法を弾性的に縮小させる事に基づき、上記かしめ部を自身の弾性によりこの内輪の一端面に追従して軸方向変位させる。そして、この際にこのかしめ部が自由状態となるまでのこのかしめ部の軸方向変位量を測定する(更には、この軸方向変位量に基づいて上記内輪に対する上記かしめ部の抑え付け力を求める)。そして、この軸方向変位量(又は抑え付け力)が所定値以上であるか否かを判定する事によって、上記かしめ部が適切に形成されているか否かを検査する。
尚、上記かしめ部の軸方向変位量は、各種の方法により測定する事が可能であるが、請求項2に記載した発明の場合には、上記かしめ部の軸方向変位量を、このかしめ部及び上記内輪の内端面に当てたレーザーの反射光を利用して測定する。
【0020】
又、請求項3に記載した発明の場合には、上記内輪の一端面を押圧する事により、この内輪の軸方向寸法を弾性的に縮小させながら、この内輪の一端面を押圧する力とこの内輪の一端面の軸方向変位量とを測定する作業を、上記かしめ部が自由状態となる前後に亙って行なう。更に、この作業により測定した上記押圧する力と上記軸方向変位量とに基づいて、上記内輪に対する上記かしめ部の抑え付け力を求める。そして、この抑え付け力が所定値以上であるか否かを判定する事によって、上記かしめ部が適切に形成されているか否かを検査する。
尚、上記内輪の一端面の軸方向変位量は、各種の方法により測定する事が可能であるが、請求項4に記載した発明の場合には、上記内輪の一端面の軸方向変位量を、この内輪の一端面に当てたレーザーの反射光を利用して測定する。
【0021】
又、請求項5に記載した発明の場合には、上記かしめ部を形成してから所定時間内(好ましくは、形成した直後)に、このかしめ部の温度を測定し、この温度が所定温度以下になっているか否かを判定する事で、上記かしめ部が適切に形成されているか否かを検査する。
尚、上記かしめ部の温度は、熱伝対等の接触式の温度センサを使用して測定する事もできるが、請求項6に記載した発明の場合には、上記かしめ部の温度を、赤外放射温度計等の非接触式のセンサを使用して測定する。
【0022】
又、請求項7に記載した発明の場合には、前記円筒部の内周面の基端部に存在する段差面若しくは底面の硬さを測定する。そして、この硬さが所定範囲内に収まっているか否かを判定する事で、上記かしめ部が適切に形成されているか否かを検査する。
【0023】
又、請求項8に記載した発明の場合には、前記軸部材の中心軸を含む仮想平面に関する、この軸部材の一端部の断面形状を測定する。そして、この断面形状が所定の形状範囲内に収まっているか否かを判定する事で、上記かしめ部が適切に形成されているか否かを検査する。
【0024】
又、請求項9に記載した発明の場合には、前記スプライン孔にスプライン軸をがたつきなく係合させた状態で、このスプライン軸の中心軸に対する上記かしめ部の一端面の直角度を測定する。そして、この直角度が良好であるか否かを判定する事で、上記かしめ部が適切に形成されているか否かを検査する。
【0025】
特に、請求項10に記載した発明の場合には、上記スプライン軸の中心軸を含む仮想平面に関する軸部材の一端部の断面形状を測定する。これと共に、それぞれが上記スプライン軸の中心軸に対して直交し且つ互いに所定間隔をあけて平行に近接配置した1対の基準直線のうち、上記スプライン軸の軸方向に関して一端側に存在する一方の基準直線を、このスプライン軸の軸方向に関する上記断面形状の一端縁に接しさせる。そして、この状態で、この断面形状のうちそれぞれが上記かしめ部に対応する2つの部分毎に、これら各かしめ部に対応する部分と他方の基準直線とが交わる2点間の距離を測定する。そして、これら各かしめ部に対応する部分毎の2点間の距離がそれぞれ所定値以上であるか否かを調べる事で、上記スプライン軸の中心軸に対する上記かしめ部の内端面の直角度が良好であるか否かを判定する。
【0026】
又、請求項11に記載した発明の場合には、上記請求項9に記載した発明を実施する場合に、上記スプライン軸の中心軸と直交する基準平面から上記かしめ部の一端面の円周方向複数個所までの軸方向距離を、これら各個所毎に測定する。そして、これら各個所毎に測定した軸方向距離のばらつきが所定範囲内に収まっているか否かを調べる事に基づいて、上記スプライン軸の中心軸に対する上記かしめ部の内端面の直角度が良好であるか否かを判定する。
【0027】
又、請求項12に記載した発明の場合には、上記かしめ部の一端面に設けた平面部の平面度を測定し、この平面度が良好であるか否かを判定する事によって、上記かしめ部が適切に形成されているか否かを検査する。
特に、請求項13に記載した発明の場合には、前記軸部材の中心軸を含む仮想平面に関するこの軸部材及び内輪の一端部の断面形状を測定する。これと共に、それぞれがこの断面形状のうち上記内輪の一端面に対応する2つの直線部分に対して平行で且つ互いに所定間隔をあけて近接配置した1対の基準直線のうちの、上記軸部材の軸方向に関して一端側に存在する一方の基準直線を、上記断面形状のうちそれぞれが上記平面部に対応する2つの直線部分に接しさせる。そして、この状態で、この断面形状のうちそれぞれが上記かしめ部に対応する2つの部分毎に、これら各かしめ部に対応する部分と他方の基準直線とが交わる2点間の距離を測定する。そして、これら各かしめ部に対応する部分毎の2点間の距離がそれぞれ所定値以上であるか否かを調べる事に基づいて、上記平面部の平面度が良好であるか否かを判定する。
【0028】
又、請求項14に記載した発明の場合には、上記請求項12に記載した発明を実施する場合に、上記軸部材の中心軸と直交する基準平面から上記かしめ部の一端面に設けた平面部の円周方向複数個所までの軸方向距離を、これら各個所毎に測定する。これと共に、これら各個所毎に測定した軸方向距離の値から最小二乗法による平均直線を求める。そして、この平均直線を中心とする上記各個所毎に測定した軸方向距離の値のばらつきが所定範囲内に収まっているか否かを調べる事に基づいて、上記平面部の平面度が良好であるか否かを判定する。
【0029】
尚、上述の請求項8、10、13に記載した発明を実施する場合、上記断面形状は、各種の方法により測定する事が可能であるが、請求項15に記載した発明の場合には、上記断面形状を、測定部位に当てたレーザーの反射光を利用して測定する。
【0030】
【作用】
上述した様な本発明の車輪用軸受ユニットの品質検査方法によれば、ハブの内端部に設けたかしめ部及びその周辺部分が、それぞれ適切に形成されているか否かを検査する事ができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
図1〜3は、請求項1〜2に対応する、本発明の実施の形態の第1例を示している。尚、本例の特徴は、かしめ部12が適切に形成されているか否か、具体的には、このかしめ部12が十分な抑え付け力を有する状態で形成されているか否かを検査する方法にある。検査の対象となる車輪用軸受ユニットの構造及び作用に就いては、前述の図21に示した車輪用軸受ユニットと同様である。この為、同等部分には同一符号を付して重複する説明を省略若しくは簡略にし、以下、本例の特徴部分を中心に説明する。
【0032】
本例の場合には、上記かしめ部12が十分な抑え付け力を有する状態で形成されているか否かを検査する為に、このかしめ部12の抑え付け力を測定する作業を行なう。そこで、本例による具体的な検査手順を説明する前に、上記かしめ部12の抑え付け力の測定原理に就いて説明する。このかしめ部12の抑え付け力とは、このかしめ部12が内輪2の内端面(図1の上端面)を軸方向に押圧する力の事である。ところで、この様にかしめ部12が内輪2の内端面を軸方向に押圧していると言う事は、逆に言うと、このかしめ部12が上記内輪2の内端面に押圧されて軸方向に弾性変形している事を意味する。従って、上記内輪2の内端面を押圧する事により、この内輪2の軸方向寸法を弾性的に縮小させると{この内輪2の内端面を、軸方向(図1の上下方向)に関して上記かしめ部12から離れる方向に弾性的に変位させると}、このかしめ12は、自身の弾力に基づき、上記内輪2の内端面に追従して軸方向に変位(弾性復元)する。但し、この様にかしめ部12が軸方向に変位するのは、このかしめ部12が自由状態(弾性変形量がゼロ)となるまでの間だけである。従って、このかしめ部12が自由状態となるまでの、このかしめ部12の軸方向変位量を測定すれば、この軸方向変位量から(予め実験又は計算により求めておいた「抑え付け力と軸方向変位量との関係」を利用して)当該かしめ部12の抑え付け力を求める事ができる。
【0033】
次に、本例による具体的な検査手順に就いて説明する。先ず、図1に示す様に、ハブ1aの内端部にかしめ部12を形成した車輪用軸受ユニットを、図示しない基盤に固定したワーク受け22にセットする。具体的には、この車輪用軸受ユニットの中心軸を鉛直方向(図1の上下方向)に配置した状態で、上記ハブ1aの外端部(図1の下端部)を上記ワーク受け22の上端部にがたつきなく外嵌する。そして、この様なセットが確実に行なわれたかどうかを、図示しない近接センサにより確認する。セットが確実に行なわれた事を確認したならば、次いで、上記内輪2の内端面に、押圧治具23の先端部を軽く当接させる。
【0034】
上記押圧治具23は、図示しない油圧シリンダ等の力に基づいて、上記内輪2の内端面を軸方向に押圧自在である。本例の場合には、この押圧治具23で上記内輪2の内端面を押圧する事により、軸方向に関してこの内輪2の内端面を、上記かしめ部12から離れる方向に弾性的に変位させる。これにより、このかしめ部12を、自身の弾性に基づき、上記内輪2の内端面に追従して軸方向に変位(弾性復元)させる。そして、このかしめ部12が自由状態となるまでの、このかしめ部12の軸方向変位量を測定する。本例の場合には、この様な測定を、次の様にして行なう。
【0035】
先ず、上述の様に内輪2の内端面に上記押圧治具23の先端部を軽く当接させた状態で、上記かしめ部12及び上記内輪2の内端面の断面形状を、上記車輪用軸受ユニットの上方に配置したレーザー装置24により測定する。このレーザー装置24は、上記基盤に取り付けた図示しない電動スライダに支持する事により、水平方向(上記車輪用軸受ユニットの径方向。図1の左右方向。)に関する移動を自在としている。本例の場合、このレーザー装置24の水平方向に関する移動速度は、3〜600mm/secの範囲で切り換えられるが、次述する測定時の移動速度は、200〜600mm/secとして、測定を短時間で行なえる様にしている。このレーザー装置24は、上記車輪用軸受ユニットが上記ワーク受け22にセットされるまでの間は、このワーク受け22の真上から側方に外れた部分に待機している。
【0036】
上述の様なレーザー装置24により、上記かしめ部12及び内輪2の内端面の断面形状を測定する場合には、このレーザー装置24から赤外線レーザーを下方に向けて放射しつつ、このレーザー装置24を上記車輪用軸受ユニットの上方で水平移動させる。これにより、上記レーザーの照射位置を、上記かしめ部12及び内輪2の内端面が存在する範囲(図1の矢印Wの範囲)で移動させる。又、これと同時に、上記かしめ部12及び内輪2の内端面に当たって反射した上記レーザーの反射光を、上記レーザー装置24に組み込んだCCDにより検出する。そして、この様にCCDにより上記反射光を検出する事に基づき、上記かしめ部12及び内輪2の内端面の断面形状(表面形状)を測定する。尚、この様にレーザーを使用して行なう断面形状の測定原理に就いては、従来から周知である。又、本例の場合、上記押圧治具23に上記レーザー及びその反射光が干渉しない様にすべく、この押圧治具23の一部に、このレーザー及びその反射光を通過させる為の隙間を設けている。上述の様にして測定した断面形状は、図2に実線αで表す様になる。
【0037】
上述の様にしてかしめ部12及び内輪2の内端面の断面形状を測定したならば、次いで、上記押圧治具23により、この内輪2の内端面を押圧し、この内輪2及びハブ1aの軸方向寸法を弾性的に少しだけ縮める。これにより、この内輪2の内端面を、軸方向に関して上記かしめ部12から離れる方向に少しだけ変位させる。そして、この状態で再び、上記かしめ部12及び内輪2の内端面の断面形状を、上記レーザー装置24により測定する。測定した断面形状は、図2に鎖線βで表す様になる。そして、この様に測定した断面形状(図2の鎖線β)と、1つ前に測定した断面形状(図2の実線α)とを比較する。これにより、上記内輪2の内端面を押圧する事により生じた、この内輪2の内端面の軸方向変位量△Xと、上記かしめ部12の内端面の軸方向変位量△Yとを測定する。
【0038】
そして、これら各軸方向変位量△X、△Yを測定した後、更に上記内輪2の内端面を押圧する。これにより、この内輪2の内端面を、軸方向に関して上記かしめ部12から離れる方向に更に少しだけ変位させる。そして、この状態で再び上記かしめ部12及び内輪2の内端面の断面形状を、上記レーザー装置24により測定する。そして、測定した断面形状(図示せず)と、1つ前に測定した断面形状(図2の鎖線β)とを比較し、上記内輪2の内端面を押圧する事により生じた、この内輪2の内端面の軸方向変位量△Xと、上記かしめ部12の内端面の軸方向変位量△Yとを測定する。
【0039】
そして、上述の様に内輪2の内端面を押圧する作業と、上記各軸方向変位量△X、△Yを測定する作業とを、この軸方向変位量△Yが実質的にゼロになる(上記かしめ部12が自由状態となる)まで、繰り返し行なう。そして、この軸方向変位量△Yが実質的にゼロになる直前までの、上記軸方向変位量△Xの総和Σ△Xを求める。この総和Σ△Xは、上記かしめ部12が自由状態となるまでの、上記内輪2の内端面の軸方向変位量であると同時に、上記かしめ部12のうち、このかしめ部12が上記内輪2の内端面を押圧する部分の軸方向変位量でもある。そこで、本例の場合には、この軸方向変位量Σ△Xに基づいて、上記かしめ部12の抑え付け力を求める。具体的には、図3に示す様な「抑え付け力と軸方向変位量Σ△Xとの関係」を、予め実験又は計算により求めておく。そして、この図3に示した関係を利用して、実際に測定した軸方向変位量Σ△Xから、上記かしめ部12の抑え付け力を求める。
【0040】
上述の様にして本例の場合には、上記かしめ部12の抑え付け力を正確に測定する事ができる。この為、このかしめ部12が十分な抑え付け力を有する状態で形成されているか否かを検査する事ができる。
尚、本例では、前述の図21に示した従動輪用の車輪用軸受ユニットを対象として説明を行なった。但し、本例の品質検査方法は、軸部材の端部に内輪を抑え付ける為のかしめ部を形成した車輪用軸受ユニットであれば、駆動輪用、従動輪用を問わず、前述の図18〜19、20、22に示した構造を含む、各種の構造のものに対して実施可能である。
【0041】
次に、図4〜5は、請求項3〜4に対応する、本発明の実施の形態の第2例を示している。尚、本例の特徴は、上述した第1例の場合と同様、かしめ部が十分な抑え付け力を有する状態で形成されているか否かを検査する方法にある。測定対象となる車輪用軸受ユニットの構造、並びに、測定装置の構造に就いては、上述の図1に示した第1例の場合とほぼ同様である為、以下、図4〜5に加えて、この図1を参照しつつ、本例の品質検査方法に就いて説明する。
【0042】
本例の場合も、先ず、図1に示す様に、上記車輪用軸受ユニットを測定装置にセットする。そして、この状態で、押圧治具23を用いて内輪2の内端面を押圧する事により、この内輪2の軸方向寸法を弾性的に縮小させながら、この押圧治具23によりこの内輪2の内端面を押圧する力Fと、この内輪2の内端面の軸方向変位量Xとを測定する。本例の場合、このうちの押圧力Fは、上記押圧治具23を含んで構成する押圧装置に付属の荷重センサにより測定する。一方、上記軸方向変位量Xは、レーザー装置24により、或は上記押圧装置に付属の変位センサにより測定する。何れにしても、本例の場合には、上述の様に内輪2の軸方向寸法を弾性的に縮小させる作業、並びに、上記押圧力F及び軸方向変位量Xを測定する作業を、この内輪2の内端面に追従して軸方向変位(弾性復元)するかしめ部12が自由状態となる前後に亙って行なう。即ち、上記各作業を、このかしめ部12が自由状態となった後も、しばらく継続して行なう。尚、この作業中、上記かしめ部12が自由状態となった事は、例えばこのかしめ部12の変位状態を上記レーザー装置24により測定する事に基づいて知る事ができる。
【0043】
図4は、上述の様にして測定した、押圧力Fと軸方向変位量Xとの関係を示している。これら押圧力Fと軸方向変位量Xとの関係を表す直線の傾きは、上記かしめ部12が自由状態となった時点P を境に、K からK に変化している。この理由は、次の通りである。即ち、上述した様な作業を行なう場合、上記かしめ部12が自由状態となるまでの間は、このかしめ部12と上記押圧治具23とが共同で、上記内輪2の内端面を押圧する事になる。これに対し、上記かしめ部12が自由状態となった後は、上記押圧治具23が単独で、上記内輪2の内端面を押圧する事になる。この為、上記内輪2の軸方向寸法を弾性的に縮小させる為に必要となる、上記押圧治具23による押圧力Fの増加率(図4に示した直線の傾き)は、上記かしめ部12が自由状態となる前後で(図4の点P を境に、図示の如く)変化する。
【0044】
又、上述した様な理由によって図4に示した直線の傾きが変化する事から、上記かしめ部12による抑え付け力と、このかしめ部12が自由状態となる前後に於ける上記直線の傾きK 、K と、このかしめ部12が自由状態となるまでの間の上記内輪2の内端面の軸方向変位量X との間には、関係式「(かしめ部12による抑え付け力)=(K −K )・X 」が成立する。従って、この関係式を計算すれば、上記かしめ部12による抑え付け力を求める事ができる。但し、この様な計算で求めた抑え付け力は、実際の抑え付け力に対する近似値である。この為、本例の場合には、図5に示す様な「(実際の抑え付け力)と(計算で求めた抑え付け力)との関係」を、予め実験により求めておく。そして、この図5の関係を利用して、上述の様に計算で求めた抑え付け力から、実際の抑え付け力を求める。
【0045】
上述の様に、本例の場合も、上記かしめ部12の(実際の)抑え付け力を正確に測定する事ができる。この為、このかしめ部12が十分な抑え付け力を有する状態で形成されているか否かを検査する事ができる。
尚、本例では、前述の図21に示した従動輪用の車輪用軸受ユニットを対象として説明を行なった。但し、本例の品質検査方法は、軸部材の端部に内輪を抑え付ける為のかしめ部を形成した車輪用軸受ユニットであれば、駆動輪用、従動輪用を問わず、前述の図18〜19、20、22に示した構造を含む、各種の構造のものに対して実施可能である。
【0046】
次に、請求項5〜6に対応する、本発明の実施の形態の第3例に就いて説明する。本例の場合には、車輪用軸受ユニットを構成するハブの内端部にかしめ部を形成した直後(例えば、形成してから数秒乃至十数秒の一定時間後)に、このかしめ部の温度を、非接触式の温度センサである赤外放射温度計により測定する。そして、この様に測定したかしめ部の温度が「所定温度」を越えている場合に、このかしめ部が適切に形成されていないと判定する。即ち、形成した直後のかしめ部の温度があまりに高温であると、このかしめ部の剛性が低下し、形成に伴ってこのかしめ部に付与した抑え付け力が不足する。この為、形成した直後のかしめ部の温度を測定する事に基づいて、上述した様な判定を行なう。尚、判定の目安となる上記「所定温度」は、上述した様な不都合が生じない程度の値、即ち、形成に伴ってかしめ部に付与された抑え付け力が不足しない程度の値とする。
【0047】
上述した様に、本例の場合には、上記かしめ部の温度を、赤外放射温度計を使用して測定する。この為、このかしめ部全体の温度(更には、温度分布)を瞬時に測定する事ができる。従って、上述した様な品質検査を短時間で行なえる。尚、形成した直後のかしめ部の温度が高温になる主な原因として、かしめ治具の摩耗が挙げられる。この為、形成した直後のかしめ部の温度が所定温度を越える割合が多くなった場合には、かしめ治具の摩耗状態を確認し、この摩耗状態が悪化している場合には、かしめ治具を交換する。又、かしめ治具の表面に鉄粉、鉄屑等の硬質の異物が付着していると、形成したかしめ部の表面に傷が付き、この傷の部分で局所的に高温となり易い。従って、形成したかしめ部の表面に傷が付いた場合には、上記かしめ治具の表面をクリーニングする。
尚、本例の品質検査方法は、軸部材の端部に内輪を抑え付ける為のかしめ部を形成した車輪用軸受ユニットであれば、駆動輪用、従動輪用を問わず、前述の図18〜19に示した構造を含む、各種の構造のものに対して実施可能である。
【0048】
次に、図6は、請求項7に対応する、本発明の実施の形態の第4例を示している。本例の場合には、前述した第1例の場合と同様、先ず、図示の様に、ハブ1aの内端部にかしめ部12を形成した車輪用軸受ユニットを、ワーク受け22にセットする。本例の場合、この車輪用軸受ユニットは、上記かしめ部12を形成する為に上記ハブ1aの内端部に設けた円筒部11の内周面18の基端部(図6の下端部)に存在する底面20aを、上記ハブ1aの中心軸と直交する仮想平面内に存在する平面としている。この様な底面20aは、当該部分に切削加工を施す事により形成している。
【0049】
本例の場合には、上述の様に車輪用軸受ユニットをワーク受け22にセットした状態で、上記底面20aの硬さを、この底面20aを傷付けない方法により測定する。この為に、本例の場合には、上記底面20aに図示しない筒の下端面を突き当てると共に、この筒内でボールを落下させ、このボールが上記底面20aに当たって上方に跳ね返った高さ(跳ね返りの速度)を測定する事で、この底面20aの硬さを測定する。この為に、上記高さ(速度)と硬さ(ロックウェル硬さ、ビッカース硬さ等)との関係を、予め調べておく。そして、上記測定した硬さが「所定範囲」内に収まっているか否かを判定する事で、上記かしめ部12が適切に形成されているか否かを検査する。
【0050】
具体的には、上記かしめ部12を形成する前の上記底面20aの硬さとの関係で、上記「所定範囲」を決定する。例えば、上記ハブ1aを構成する材料がS45C〜S55Cである場合、上記かしめ部12を形成する前の上記底面20aの硬さは、ビッカース硬さで220H 〜290H 程度となる。そこで、この場合には、上記「所定範囲」を、ビッカース硬さで220H 〜360H の範囲とする。尚、本例を実施する場合、上記かしめ部12を形成する前の上記底面20aの硬さは、必ずしも実際に測定しておく必要はないが、品質検査の信頼性を確保する面からは、測定しておくのが好ましい。又、上記かしめ部12を形成する前の上記底面20aの硬さを、例えば上述した場合と同様の方法により測定しておけば、この測定した硬さに基づいて、上記かしめ部12を形成する機械の運転条件(かしめ治具の揺動角度及び揺動速度、ラムの速度等)を調節する事により、上記かしめ部12の品質を一定に近づける事ができる。
【0051】
尚、本例の品質検査方法は、上述した様な車輪用軸受ユニットに限らず、軸部材の端部に内輪を抑え付ける為のかしめ部を形成した車輪用軸受ユニットであれば、駆動輪用、従動輪用を問わず、前述の図18〜22に示した構造を含む、各種の構造のものに対して実施可能である。又、駆動輪用のものを対象とする場合、硬さの測定は、円筒部11の内周面18の基端部に存在する段差面19(図18参照)に就いて行なう。又、硬さを測定する部位である、段差面又は底面の形状は、軸部材の中心軸に対して直交する仮想平面内に存在する平面に限らず、円すい凹面や凹曲面等の非平面であっても良い。
【0052】
次に、図7〜8は、請求項9、10、15に対応する、本発明の実施の形態の第5例を示している。本例では、ハブ1の中心軸(このハブ1の中心部に設けたスプライン孔8の中心軸)に対するかしめ部12aの内端面の直角度が良好になっているか否かを検査する。本例の品質検査方法は、前述の図20に示したものと同様、上記かしめ部12aの内端面に平面部17を設けた、駆動輪用の車輪用軸受ユニットに対して行なう。本例の場合には、先ず、上記ハブ1の内端部に上記かしめ部12aを形成した車輪用軸受ユニットを、ワーク受け22aにセットする。このワーク受け22aは、台座25と、この台座25の上面に固定したスプライン軸26とを備える。このうちのスプライン軸26の中心軸の方向(図7の上下方向)は、上記台座25の上面の接線方向及びこの台座25の上方に配置したレーザー装置24の移動方向(図7の左右方向)に対して、厳密に直交させている。
【0053】
この様なワーク受け22aに対し、上記車輪用軸受ユニットをセットする場合には、図7に示す様に、上記スプライン軸26を上記ハブ1の中心部に設けたスプライン孔8に、このスプライン孔8の外端側(図7の下端側)から挿入する(がたつきなくスプライン係合させる)。これと共に、上記ハブ1の外端面(図7の下端面)を、上記台座25の上面に当接させる。これにより、上記スプライン孔8の中心軸(上記ハブ1の中心軸)の方向を、上記レーザー装置24の移動方向に対して、厳密に直交させる。更に、この状態で、上記車輪用軸受ユニットの姿勢を安定させる為に、上記ハブ1の一部(次述する断面形状を測定する個所から外れた部分)を、図示しない抑え治具により上方から軽く抑え付ける。
【0054】
上述の様にして車輪用軸受ユニットをワーク受け22aにセットしたならば、次いで、上記スプライン軸26の中心軸を含む仮想平面に関する(この仮想平面により上記ハブ1を切断したと仮定した場合の)上記かしめ部12aの内端部表面の断面形状を、上記レーザー装置24により測定する。尚、この様にレーザー装置24を使用して上記断面形状を測定する際の作用は、前述した第1例の場合と同様である。
【0055】
上述の様に測定した断面形状(上記かしめ部12aの直径方向両側部分の断面形状)は、それぞれ図8(A)に太線B 、B で示す様に表される。この図8(A)の枠内には、左右方向の中央部に、上下方向の基準線Tを設定している。この基準線Tは、上記スプライン孔8の中心軸(上記スプライン軸26の中心軸)を示している。更に、上記図8(A)の枠内で、上記各断面形状B 、B の上方部分に、それぞれが上記基準線Tと直交し、且つ、互いに所定間隔をあけて平行に近接配置した1対の基準直線P、Qを設定している。本例の場合には、図8(B)に示す様に、これら1対の基準直線P、Qを、このうちの上側の基準直線Pが何れか一方の断面形状B (B )と接するまで、下方に平行移動させる。そして、この状態で、上記各断面形状B 、B 毎に、これら各断面形状B 、B と下側の基準直線Qとが交わる2点間の距離W 、W を測定する。
【0056】
そして、これら各断面形状B 、B 毎に測定した2点間の距離W 、W が、それぞれ「所定値」以上である場合に、上記スプライン孔8の中心軸に対する上記かしめ部12aの内端面の直角度が良好になっていると判定する。これに対し、上記各距離W 、W のうちの少なくとも一方の距離が上記「所定値」よりも小さくなっている場合には、上記かしめ部12aの直角度が悪く、このかしめ部12aが適切に形成されていないと判定する。尚、上記1対の基準直線P、Q同士の間隔、並びに、判定の基準となる上記「所定値」は、必要とする直角度に応じて設定する。
尚、本例の品質検査方法は、かしめ部の内端面に平面部を設けていない駆動輪用の車輪用軸受ユニットに対しても、実施する事ができる。
【0057】
次に、図9〜10は、請求項9、11に対応する、本発明の実施の形態の第6例を示している。本例の場合も、上述した第5例の場合と同様、図7に示す様に、車輪用軸受ユニットをワーク受け22aにセットした状態で、ハブ1の中心軸(このワーク受け22aを構成するスプライン軸26の中心軸)に対するかしめ部12aの内端面の直角度が良好になっているか否かを検査する。従って、以下、図9〜10に加えて、図7を参照しつつ、本例の品質検査方法に就いて説明する。
【0058】
本例の場合には、図7に示す様に、車輪用軸受ユニットをワーク受け22aにセットした状態で、この車輪用軸受ユニットの真上に、図9に示す様な、複数(少なくとも3本。図示の例では8本。)の変位センサ28、28を備えた検出装置29を配置する。これら各変位センサ28、28はそれぞれ、シリンダ30の内側に嵌装した検出ロッド31の先端側部分を、このシリンダ30の下端開口から所定長さだけ突出させている。そして、この検出ロッド31の先端部を軸方向に押圧してこの検出ロッド31の先端側部分を上記シリンダ30内に押し込んだ場合に、この押し込んだ量を検出できる様にしている。
【0059】
この様な複数の変位センサ28、28は、互いに平行に、且つ、それぞれの軸方向(図9の上下方向)に関する位相を互いに一致させた状態で、同一円周上に互いに等間隔に配置している。又、これら各変位センサ28、28を構成する検出ロッド4、4の先端部のピッチ円直径は、測定対象であるかしめ部12aの内端面に設けた平面部17のピッチ円直径と等しくしている。又、上記各変位センサ28、28を配置した円周の中心軸と、上記ワーク受け22aを構成するスプライン軸26の中心軸とを、互いに一致させている。従って、この様な検出装置29を車輪用軸受ユニットの真上に配置した状態で、上記各変位センサ28、28を構成する検出ロッド4、4の先端部は、それぞれ上記スプライン軸26の中心軸(前記ハブ1の中心軸)と直交する仮想平面(基準平面)内に配置され、且つ、それぞれ上記かしめ部12の内端面に設けた平面部17に、軸方向に関して対向する。
【0060】
上記ハブ1の中心軸に対する上記かしめ部12の内端面の直角度を調べる場合には、上記検出装置29を軸方向に降下させて、この検出装置29を構成する総ての変位センサ28、28の検出ロッド31、31の先端部を、それぞれ上記かしめ部12の内端面である平面部17に押し付ける。そして、これに伴ってこれら各検出ロッド31、31が各シリンダ30、30内に押し込まれた量を、それぞれ検出する。そして、これら各検出値のばらつきが所定範囲内に収まっているか否かを調べる事に基づいて、上記ハブ1の中心軸に対する上記かしめ部12の内端面の直角度が良好であるか否かを判定する。
【0061】
この為に、本例の場合には、上記各検出値を、図10(A)に示す様に表示する。この図10の横軸は、円周方向に関する上記各変位センサ28、28の位置を、同じく縦軸は、上記各検出値の大きさを、それぞれ示している。又、この図10(A)には、上記ハブ1の中心軸(上記スプライン軸26の中心軸)を示す基準線Tと、それぞれがこの基準線Tに直交し且つ互いに所定間隔をあけて平行に配置した1対の基準直線P、Qとを設定している。そして、本例の場合には、図10(B)に示す様に、上記各検出値を示す複数の点が、それぞれ上記1対の基準直線P、Q同士の間に収まった場合に、上記ハブ1の中心軸に対する上記かしめ部12の内端面の直角度が良好であると判定する。尚、上記1対の基準直線P、Q同士の間隔は、必要とする直角度に応じて設定する。
又、本例の品質検査方法は、かしめ部の内端面に平面部を設けていない駆動輪用の車輪用軸受ユニットに対しても、実施する事ができる。
【0062】
次に、図11〜12は、請求項12、13、15に対応する、本発明の実施の形態の第7例を示している。本例では、かしめ部12aの内端面に形成した平面部17の平面度が良好になっているか否かを検査する。従って、本例の品質検査方法の対象となる車輪用軸受ユニットは、上記かしめ部12aの内端面に平面部17を設けた、駆動輪用のものである。本例の場合には、先ず、ハブ1の内端部に上記かしめ部12aを形成した車輪用軸受ユニットを、ワーク受け22bにセットする。具体的には、このワーク受け22bの上面に、上記ハブ1を構成する取付フランジ5の外側面(図11の下側面)を当接させる。本例の場合、上記ワーク受け22bの上面の接線方向は、このワーク受け22bの上方に配置したレーザー装置24の移動方向(図11の左右方向)に対し平行にしている。
【0063】
上述の様にして車輪用軸受ユニットをワーク受け22bにセットしたならば、次いで、上記ハブ1の中心軸を含む仮想平面に関する上記かしめ部12a及び内輪2の内端部表面の断面形状を、上記レーザー装置24により測定する。尚、この様なレーザー装置24を使用して上記断面形状を測定する際の作用は、前述した第1例の場合と同様である。
【0064】
上述の様に測定した断面形状(上記かしめ部12a及び内輪2の直径方向両側部分の断面形状)は、それぞれ図12(A)に太線B 、B で示す様に表される。この図12(A)に示す枠内には、左右方向の中央部に、上下方向の基準線Tを、上下方向のほぼ中央部に、左右方向の基準線Sを、それぞれ設定している。そして、このうちの基準線Tが、上記ハブ1の中心部に設けたスプライン孔8の中心軸を、上記基準線Sが、上記レーザー装置24の移動方向と平行な直線を、それぞれ示している。又、上記1対の断面形状B 、B の上方部分には、それぞれが上記基準線Sと平行で、且つ、互いに所定間隔をあけて近接配置した1対の基準直線P、Qを設定している。
【0065】
上記図12(A)に示した状態で、上記1対の断面形状B 、B は、車輪用軸受ユニットの各部の形状誤差に基づき、上記各基準線S、Tに対して、上下方向にδだけ、傾斜方向にθだけ、それぞれずれている。そこで、本例の場合には、先ず、図12(B)に示す様に、上記各断面形状B 、B を、上下方向にδだけ、傾斜方向にθだけ、それぞれ変位させて、これら各断面形状B 、B のうち、前記内輪2の内端面に対応する直線部分L 、L と、上記基準線Sとを、互いに一致させる。次いで、図12(C)に示す様に、上記1対の基準直線P、Qを、このうちの上側の基準直線Pが上記各断面形状B 、B のうち前記平面部17に対応する直線部分L17、L17と接するまで、下方に平行移動させる。そして、この状態で、上記各断面形状B 、B 毎に、これら各断面形状B 、B と下側の基準直線Qとが交わる2点間の距離W 、W を測定する。
【0066】
そして、これら各断面形状B 、B 毎に測定した2点間の距離W 、W が、それぞれ「所定値」以上である場合に、上記平面部17の平面度が良好であると判定する。これに対し、上記各距離W 、W のうちの少なくとも一方の距離が上記「所定値」よりも小さくなっている場合には、上記平面部17の平面度が良好になっておらず、前記かしめ部12aが適切に形成されていないと判定する。尚、上記1対の基準直線P、Q同士の間隔、並びに、判定の基準となる上記「所定値」は、必要とする上記平面部17の平面度に応じて設定する。
【0067】
次に、図13は、請求項12及び14に対応する、本発明の実施の形態の第8例を示している。本例の場合も、上述した第7例の場合と同様、図11に示す様に、車輪用軸受ユニットをワーク受け22bにセットした状態で、かしめ部12aの内端面に形成した平面部17の平面度が良好になっているか否かを検査する。従って、以下、図13に加えて、図11を参照しつつ、本例の品質検査方法に就いて説明する。
【0068】
本例の場合には、図11に示す様に、車輪用軸受ユニットをワーク受け22bにセットした状態で、この車輪用軸受ユニットの真上に、前述の図9に示した検出装置29を配置する。又、配置した状態で、この検出装置29の中心軸をハブ1の中心軸に一致させる。上記平面部17の平面度が良好になっているか否かを検査する場合には、上記検出装置29を軸方向に降下させて、この検出装置29を構成する総ての変位センサ28、28の検出ロッド31、31の先端部を、それぞれ上記平面部17に押し付ける。そして、これに伴ってこれら各検出ロッド31、31が各シリンダ30、30内に押し込まれた量を、それぞれ検出する。
【0069】
そして、これら各検出値を、前述の図10に示した第6例の場合と同様、図13(A)に示す様に表示する。そして、最小二乗法により、これら各検出値を表す複数の点から、平均直線L を求める。そして、これら各検出値を表す複数の点と共にこの平均直線L の角度及び上下方向位置を変化させて、図13(B)に示す様に、この平均直線L を、1対の基準直線P、Q同士の間の中央部に、これら各基準直線P、Qと平行に配置する。そして、この図13(B)に示す様に、上記各検出値を表す複数の点が、それぞれ上記1対の基準直線P、Q同士の間に収まった場合に、上記平面部17の平面度が良好であると判定する。尚、上記1対の基準直線P、Q同士の間隔は、必要とする平面度に応じて設定する。
【0070】
次に、図14〜17は、請求項8及び15に対応する、本発明の実施の形態の第9例を示している。本例では、ハブ1aの内端部の表面形状が適切に形成されているか否かを検査する。この為に本例の場合、先ず、上記ハブ1aの内端部にかしめ部12を形成した状態で、このハブ1a及び内輪2の内端部表面の断面形状を、前述の図11に示した第7例の場合と同様の方法で測定する。測定した断面形状は、例えば、図16又は図17に太線Bで示す様に表される。そして、やはり前述した第7例の場合と同様、上記断面形状Bのうち、上記内輪2の内端面に対応する直線部分L 、L を、それぞれ基準線Sに一致させる。これと共に、上記断面形状Bの中心を、基準線Tに一致させる。そして、この状態で、この断面形状Bのうち、上記ハブ1aの内端部表面に対応する略M字形の曲線部分Cが、1対の略M字形の曲線U、D同士の間に挟まれた、所定の形状範囲内に収まっているか否かを調べる。
【0071】
上記1対の曲線UとDとは、それぞれ適切なハブ1aの内端部の断面形状として許容される上限と下限とを示している。この様な上限(曲線U)と下限(曲線D)との形状は、予め、実験により求めておく。この実験は、4種類の試料(体積が製造誤差の範囲で最大又は最小になっており、且つ、硬さが製造誤差の範囲で最大又は最小になっている、4種類のハブ1a)を用いて行ない、これら各試料に就いて上記かしめ部12を形成した内端部の断面形状を測定する。そして、測定した断面形状のうち、形状が最大となるものを上記上限(曲線U)とし、形状が最小となるものを上記下限(曲線D)とする。
【0072】
そして、図16に示す様に、上記断面形状Bのうちの曲線部分Cが、上記1対の曲線U、D同士の間に挟まれた所定の形状範囲内に収まっている場合に、上記ハブ1aの内端部が適切な形状に形成されていると判定する。但し、この様に曲線部分Cが所定の形状範囲内に収まっている場合でも、仮にこの曲線部分Cの形状が粗くなっている場合には、このハブ1aの内端部が適切な形状に形成されていないと判定する。この様に曲線部分Cの形状が粗くなる主な原因として、かしめ治具の摩耗が挙げられる。この為、この様に曲線部分Cの形状が粗くなる割合が増えた場合には、上記かしめ治具を交換するか、或は摩耗した部分を再研磨等して修理する。これに対し、図17に示す様に、上記断面形状Bのうちの曲線部分Cが、上記1対の曲線U、D同士の間に挟まれた所定の形状範囲内に収まっていない(一部がこの所定の形状範囲から飛び出している)場合には、上記ハブ1aの内端部が適切な形状に形成されていないと判定する。
【0073】
上述の様な本例の品質検査方法によれば、上記かしめ部12の内端面の形状の良否を検査できる事は勿論、このかしめ部12を形成する為に設けた円筒部11の内周面18と、この内周面18の基端部に存在する底面20aとの連続部21が、曲率半径の大きい凹曲面となっているか否かも、容易に検査できる。即ち、前述した様に、上記連続部21の曲率半径は、上記かしめ部12を形成するのに伴って減少する傾向がある。しかし、例えば、図14の左半部(γ 部)に示す様に、上記かしめ部12を形成する前の状態で、上記連続部21の曲率半径が十分に確保されている場合には、通常、同図の右半部(γ 部)に示す様に、上記かしめ部12を形成した後の状態でも、上記連続部21の曲率半径が十分に保持される。そして、この様な場合には、図16に示す様に、測定した断面形状Bに就いても、上記連続部21に対応する各部分E、Eが曲率半径の大きい曲線となり、これら各部分E、Eが上述した所定の形状範囲から外れる事はない。従って、この様な場合には、上記連続部21が曲率半径の大きい凹曲面となっていると判定できる。
【0074】
これに対し、製造誤差等によって、図15の左半部(γ ′部)に示す様に、上記かしめ部12を形成する前の状態で、上記連続部21の曲率半径が十分に確保されていない場合には、上記かしめ部12を形成した後に、上記連続部21の曲率半径が極端に小さくなったり、或いは同図の右半部(γ ′部)に示す様に、この連続部21部分が上記ハブ1aの内部に凹入した状態となる場合がある。又、上記かしめ部12を形成する事に伴い、上記連続部21には、このハブ1aの材料中の不純物や鍛造によるフローの不良等が原因となって割れが入ったり、或はかしめ治具との間に硬質の異物が噛み込まれて傷が付く場合がある。これらの場合には、例えば図17に誇張して示す様に、測定した断面形状Bのうち上記連続部21に対応する各部分E、Eが尖った形状となり、これら各部分E、Eが上述した所定の形状範囲から外れる事が多くなる。従って、この様な場合には、上記連続部21が曲率半径の大きい凹曲面となっていない、或は、この連続部21に割れや傷が生じていると判定する。
【0075】
尚、上記かしめ部12を形成するのに先立って、上記ハブ1aの内端部の表面の断面形状を測定し、この測定した形状に基づいて、上記かしめ部12を形成する機械の運転条件(かしめ治具の揺動角度及び揺動速度、ラムの速度等)を調節する事により、上記かしめ部12の品質を一定に近づける事ができる。尚、上記機械の運転条件を調節する際に参考とするデータとして、上記断面形状に加えて、上記底面20aの硬さを利用すれば、上記かしめ部12の品質を、より一定に近づける事ができる。
尚、本例の品質検査方法は、従動輪用の車輪用軸受ユニットに限らず、駆動輪用の車輪用軸受ユニットに対して実施する事もできる。
【0076】
尚、上述した各実施の形態を実施する場合に、測定したデータの処理及び各種の判定は、計算機を利用して瞬時に行なえる為、車輪用軸受ユニットの品質検査を能率的に行なう事ができる。又、特に品質の安定した車輪用軸受ユニットを得る為には、以上に述べた各検査方法を、適宜組み合わせて実施する事もできる。
【0077】
【発明の効果】
本発明の車輪用軸受ユニットの品質検査方法は、以上に述べた様に作用する為、ハブの内端部に設けたかしめ部及びその周辺部分が適切に形成されているか否かを効率良く検査して、高品質な車輪用軸受ユニットを安定して提供する事ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の第1例を示す断面図。
【図2】レーザーの反射光を利用して測定した、かしめ部及び内輪の断面形状を、この内輪の内端面を押圧する前後の状態で示した図。
【図3】かしめ部の抑え付け力と軸方向変位量との関係を示す線図。
【図4】本発明の実施の形態の第2例を示す、押圧治具による押圧力Fと内輪の内端面の軸方向変位量Xとの関係を示す線図。
【図5】計算により求めた抑え付け力と実際の抑え付け力との関係を示す線図。
【図6】本発明の実施の形態の第4例を示す断面図。
【図7】同第5例を示す断面図。
【図8】レーザーの反射光を利用して測定した、かしめ部及び内輪の断面形状を示す図。
【図9】本発明の実施の形態の第6例に使用する、検出装置を示す斜視図。
【図10】検出装置による検出結果、及び直角度の良否の判定方法を示す図。
【図11】本発明の実施の形態の第7例を示す断面図。
【図12】レーザーの反射光を利用して測定した、かしめ部の断面形状を示す図。
【図13】本発明の実施の形態の第8例に関する、検出装置による検出結果及び平面度の良否の判定方法を示す図。
【図14】本発明の実施の形態の第9例を実施する際の対象となる、車輪用軸受ユニットの第1例を示す要部断面図。
【図15】同第2例を示す、要部断面図。
【図16】レーザーの反射光を利用して測定した、図14に示す構造のハブの内端部及び内輪の断面形状を示す図。
【図17】同じく、図15に示す構造のハブの内端部及び内輪の断面形状を示す図。
【図18】従来から知られている駆動輪用の車輪用軸受ユニットの第1例を示す断面図。
【図19】図18のA部拡大図。
【図20】従来から知られている駆動輪用の車輪用軸受ユニットの第2例を示す、図19と同様の図。
【図21】従来から知られている従動輪用の車輪用軸受ユニットの第1例を示す断面図。
【図22】同第2例を示す断面図。
【符号の説明】
1、1a ハブ
2 内輪
3、3a 外輪
4 転動体
5 取付フランジ
6a、6b 内輪軌道
7 小径段部
8 スプライン孔
9 結合フランジ
10a、10b 外輪軌道
11 円筒部
12、12a かしめ部
13 段差面
14 等速ジョイント用外輪
15 スプライン軸
16 ナット
17 平面部
18 内周面
19 段差面
20、20a 底面
21 連続部
22、22a、22b ワーク受け
23 押圧治具
24 レーザー装置
25 台座
26 スプライン軸
27 軸部材
28 変位センサ
29 検出装置
30 シリンダ
31 検出ロッド

Claims (15)

  1. 軸部材の一端部に設けた小径段部に内輪を外嵌し、更にこの内輪を、この軸部材の一端部に設けた円筒部のうちこの内輪の一端面から突出した部分を径方向外方に塑性変形させて形成したかしめ部により、上記小径段部の基端部に存在する段差面に向け抑え付けている車輪用軸受ユニットの品質検査方法であって、上記内輪の一端面を押圧してこの内輪の軸方向寸法を弾性的に縮小させる事に基づき、上記かしめ部を自身の弾性によりこの内輪の一端面に追従して軸方向変位させ、この際にこのかしめ部が自由状態となるまでのこのかしめ部の軸方向変位量を測定し、この軸方向変位量が所定値以上であるか否かを判定する事によって上記かしめ部が適切に形成されているか否かを検査する車輪用軸受ユニットの品質検査方法。
  2. かしめ部の軸方向変位量を、このかしめ部及び内輪の一端面に当てたレーザーの反射光を利用して測定する、請求項1に記載した車輪用軸受ユニットの品質検査方法。
  3. 軸部材の一端部に設けた小径段部に内輪を外嵌し、更にこの内輪を、この軸部材の一端部に設けた円筒部のうちこの内輪の一端面から突出した部分を径方向外方に塑性変形させて形成したかしめ部により、上記小径段部の基端部に存在する段差面に向け抑え付けている車輪用軸受ユニットの品質検査方法であって、上記内輪の一端面を押圧する事によりこの内輪の軸方向寸法を弾性的に縮小させながら、この内輪の一端面を押圧する力とこの内輪の一端面の軸方向変位量とを測定する作業を、上記かしめ部が自由状態となる前後に亙って行ない、更にこの作業により測定した上記押圧する力と上記軸方向変位量とに基づいて上記内輪に対する上記かしめ部の抑え付け力を求め、この抑え付け力が所定値以上であるか否かを判定する事によって上記かしめ部が適切に形成されているか否かを検査する車輪用軸受ユニットの品質検査方法。
  4. 内輪の一端面の軸方向変位量を、この内輪の一端面に当てたレーザーの反射光を利用して測定する、請求項3に記載した車輪用軸受ユニットの品質検査方法。
  5. 軸部材の一端部に設けた小径段部に内輪を外嵌し、更にこの内輪を、この軸部材の一端部に設けた円筒部のうちこの内輪の一端面から突出した部分を径方向外方に塑性変形させて形成したかしめ部により、上記小径段部の基端部に存在する段差面に向け抑え付けている車輪用軸受ユニットの品質検査方法であって、上記かしめ部を形成してから所定時間内に、このかしめ部の温度を測定し、この温度が所定温度以下になっているか否かを判定する事によって上記かしめ部が適切に形成されているか否かを検査する車輪用軸受ユニットの品質検査方法。
  6. かしめ部の温度を、非接触式の温度センサを使用して測定する、請求項5に記載した車輪用軸受ユニットの品質検査方法。
  7. 軸部材の一端部に設けた小径段部に内輪を外嵌し、更にこの内輪を、この軸部材の一端部に設けた円筒部のうちこの内輪の一端面から突出した部分を径方向外方に塑性変形させて形成したかしめ部により、上記小径段部の基端部に存在する段差面に向け抑え付けている車輪用軸受ユニットの品質検査方法であって、上記円筒部の内周面の基端部に存在する段差面若しくは底面の硬さを測定し、この硬さが所定範囲内に収まっているか否かを判定する事によって上記かしめ部が適切に形成されているか否かを検査する車輪用軸受ユニットの品質検査方法。
  8. 軸部材の一端部に設けた小径段部に内輪を外嵌し、更にこの内輪を、この軸部材の一端部に設けた円筒部のうちこの内輪の一端面から突出した部分を径方向外方に塑性変形させて形成したかしめ部により、上記小径段部の基端部に存在する段差面に向け抑え付けている車輪用軸受ユニットの品質検査方法であって、上記軸部材の中心軸を含む仮想平面に関するこの軸部材の一端部の断面形状を測定し、この断面形状が所定の形状範囲内に収まっているか否かを判定する事によって上記かしめ部が適切に形成されているか否かを検査する車輪用軸受ユニットの品質検査方法。
  9. 中心部にスプライン孔を有する軸部材の一端部に設けた小径段部に内輪を外嵌し、更にこの内輪を、この軸部材の一端部に設けた円筒部のうちこの内輪の一端面から突出した部分を径方向外方に塑性変形させて形成したかしめ部により、上記小径段部の基端部に存在する段差面に向け抑え付けている車輪用軸受ユニットの品質検査方法であって、上記スプライン孔にスプライン軸をがたつきなく係合させた状態で、このスプライン軸の中心軸に対する上記かしめ部の一端面の直角度を測定し、この直角度が良好であるか否かを判定する事によって上記かしめ部が適切に形成されているか否かを検査する車輪用軸受ユニットの品質検査方法。
  10. スプライン軸の中心軸を含む仮想平面に関する軸部材の一端部の断面形状を測定すると共に、それぞれが上記スプライン軸の中心軸に対して直交し且つ互いに所定間隔をあけて平行に近接配置した1対の基準直線のうち、上記スプライン軸の軸方向に関して一端側に存在する一方の基準直線を、このスプライン軸の軸方向に関する上記断面形状の一端縁に接しさせた状態で、この断面形状のうちそれぞれがかしめ部に対応する2つの部分毎に、これら各かしめ部に対応する部分と他方の基準直線とが交わる2点間の距離を測定し、これら各かしめ部に対応する部分毎の2点間の距離がそれぞれ所定値以上であるか否かを調べる事に基づいて、上記スプライン軸の中心軸に対する上記かしめ部の一端面の直角度が良好であるか否かを判定する、請求項9に記載した車輪用軸受ユニットの品質検査方法。
  11. スプライン軸の中心軸と直交する基準平面からかしめ部の一端面の円周方向複数個所までの軸方向距離を、これら各個所毎に測定し、これら各個所毎に測定した軸方向距離のばらつきが所定範囲内に収まっているか否かを調べる事に基づいて、上記スプライン軸の中心軸に対する上記かしめ部の内端面の直角度が良好であるか否かを判定する、請求項9に記載した車輪用軸受ユニットの品質検査方法。
  12. 軸部材の一端部に設けた小径段部に内輪を外嵌し、更にこの内輪を、この軸部材の一端部に設けた円筒部のうちこの内輪の一端面から突出した部分を径方向外方に塑性変形させて形成したかしめ部により、上記小径段部の基端部に存在する段差面に向け抑え付けており、且つ、このかしめ部の一端面に全周に亙り平面部を設けている車輪用軸受ユニットの品質検査方法であって、この平面部の平面度を測定し、この平面度が良好であるか否かを判定する事によって上記かしめ部が適切に形成されているか否かを検査する車輪用軸受ユニットの品質検査方法。
  13. 軸部材の中心軸を含む仮想平面に関するこの軸部材及び内輪の一端部の断面形状を測定すると共に、それぞれがこの断面形状のうち上記内輪の一端面に対応する2つの直線部分に対して平行で且つ互いに所定間隔をあけて近接配置した1対の基準直線のうち、上記軸部材の軸方向に関して一端側に存在する一方の基準直線を、上記断面形状のうちそれぞれが上記平面部に対応する2つの直線部分に接しさせた状態で、この断面形状のうちそれぞれが上記かしめ部に対応する2つの部分毎に、これら各かしめ部に対応する部分と他方の基準直線とが交わる2点間の距離を測定し、これら各かしめ部に対応する部分毎の2点間の距離がそれぞれ所定値以上であるか否かを調べる事に基づいて、上記平面部の平面度が良好であるか否かを判定する、請求項12に記載した車輪用軸受ユニットの品質検査方法。
  14. 軸部材の中心軸と直交する基準平面からかしめ部の一端面に設けた平面部の円周方向複数個所までの軸方向距離を、これら各個所毎に測定すると共に、これら各個所毎に測定した軸方向距離の値から最小二乗法による平均直線を求め、この平均直線を中心とする上記各個所毎に測定した軸方向距離の値のばらつきが所定範囲内に収まっているか否かを調べる事に基づいて、上記平面部の平面度が良好であるか否かを判定する、請求項12に記載した車輪用軸受ユニットの品質検査方法。
  15. 断面形状を、測定部位に当てたレーザーの反射光を利用して測定する、請求項8、10、13の何れかに記載した車輪用軸受ユニットの品質検査方法。
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