JP2004257405A - 油圧方向切換装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】3位置油圧方向切換装置のコストを低減する。
【解決手段】車載トラックの荷台用シリンダ装置6を運転する第一油圧方向切換弁30、ウインチ用油圧モータ7を運転する第二油圧方向切換弁40および道板用シリンダ装置8を運転する第三油圧方向切換弁50を備えた遠隔操作可能な3位置油圧方向切換装置の油圧回路11において、各切換弁の複動シリンダ装置31、41、51の第一ポート35、45、55には第一切換位置30b、40b、50bに切り換える各電磁弁37、47、57が接続され、各複動シリンダ装置の第二ポート36、46、56には第二切換位置30c、40c、50cに切り換える共用電磁弁28が各切換弁に共通に接続されている。
【効果】第二切換位置に切り換える電磁弁を共用することで電磁弁の総数を減らしつつ各アクチュエータの往復動を確保できるので、コストを低減できる。
【選択図】 図2
【解決手段】車載トラックの荷台用シリンダ装置6を運転する第一油圧方向切換弁30、ウインチ用油圧モータ7を運転する第二油圧方向切換弁40および道板用シリンダ装置8を運転する第三油圧方向切換弁50を備えた遠隔操作可能な3位置油圧方向切換装置の油圧回路11において、各切換弁の複動シリンダ装置31、41、51の第一ポート35、45、55には第一切換位置30b、40b、50bに切り換える各電磁弁37、47、57が接続され、各複動シリンダ装置の第二ポート36、46、56には第二切換位置30c、40c、50cに切り換える共用電磁弁28が各切換弁に共通に接続されている。
【効果】第二切換位置に切り換える電磁弁を共用することで電磁弁の総数を減らしつつ各アクチュエータの往復動を確保できるので、コストを低減できる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、油圧方向切換装置に関し、特に、複数台の油圧アクチュエータを運転する技術に係り、例えば、トラックに搭載される油圧モータやシリンダ装置を制御するのに利用して有効な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
トラックの一種として、自動車を荷台に積載して搬送するトラック(以下、車載トラックという。)、がある。車載トラックにおいては、荷台に自動車を積み下ろしするために油圧モータで駆動されるウインチや複数台のシリンダ装置が搭載されており、これらの油圧アクチュエータを運転する油圧方向切換装置には複数の3位置油圧方向切換弁が使用されている。従来のこの種の切換弁において遠隔操作を実現するためには、電磁切換弁(以下、電磁弁という。)が一般的に使用されている(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−20082号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記した遠隔操作可能な従来の3位置油圧方向切換弁においては、一台の油圧方向切換弁毎に二個の電磁弁が使用されるために、例えば、一台の油圧モータと二台のシリンダ装置が搭載された車載トラックにおいては、少なくとも六個の電磁弁が必要になり、コストが増加するという問題点がある。
【0005】
本発明の目的は、電磁弁の使用個数を減少することができる3位置の油圧方向切換装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決するための第一の手段は、複数の油圧アクチュエータと、これらのアクチュエータに圧油を供給しまたは排出する複数の3位置油圧方向切換弁と、これらの油圧方向切換弁を切り換えるための油圧パイロット操作部とを備えており、
前記各油圧パイロット操作部の第一のポートには対応する電磁切換弁がそれぞれ接続されているとともに、これらの電磁切換弁が共に共用電磁弁に接続されており、前記各油圧パイロット操作部の第二のポートは共に前記共用電磁弁に接続されており、
前記3位置油圧方向切換弁を第一の切り換え位置に切り換えるときには、切り換えを必要とする油圧方向切換弁の前記油圧パイロット操作部の前記電磁切換弁に通電し、前記油圧方向切換弁を第二の切り換え位置に切り換えるときには、切り換えを必要とする油圧方向切換弁の前記油圧パイロット操作部の前記電磁切換弁に通電するとともに、前記共用電磁弁にも通電することを特徴とする。
【0007】
前記した第一の手段によれば、切り換えを必要とする油圧方向切換弁の油圧パイロット操作部の電磁切換弁に通電することにより、第一の切り換え位置に切り換えることができ、さらに、共用電磁弁に通電することにより、第二の切り換え位置に切り換えることができる。したがって、従来は油圧パイロット操作部毎に2個の電磁切換弁を必要としたが、第一の手段によれば、油圧パイロット操作部の数プラス1個の電磁切換弁で従来と同じ切り換え操作が可能である。
【0008】
第二の手段は、前記第一の手段を前提として、第一の油圧アクチュエータが荷台用シリンダ装置であり、第二の油圧アクチュエータがウインチ用油圧モータであり、第三の油圧アクチュエータが道板用シリンダ装置である車載トラック用の油圧方向切換装置であることを特徴とする。
【0009】
車載トラック用の油圧方向切換装置において、従来の電磁切換弁は6個必要であったが、第二の手段によれば、4個で済むので、2個低減できる。
【0010】
第三の手段は、前記複数の油圧方向切換弁にはそれぞれ手動切換レバーが装着されていることを特徴とする。
【0011】
前記複数の油圧方向切換弁は、通常は電磁切換弁に通電することによって切り換えられるが、電磁切換弁が故障したり、電気系統に故障が生じた場合であっても手動切換レバーの操作により油圧方向切換装置を操作することが可能である。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面に即して本発明の実施の形態を説明する。
【0013】
本実施の形態において、本発明に係る3位置油圧方向切換装置は、図1に示された車載トラック1に装備されている。車載トラック1はシャーシー2に前後方向に摺動自在かつ上下方向に回動自在に支持された荷台3を備えており、荷台3の前端部にはウインチ4が設備され、荷台3の後端部には道板5が回動自在に枢支されている。荷台3はシャーシー2に設備された荷台用シリンダ装置6によってシャーシー2に対して前後動されるように、ウインチ4は油圧モータ7によって駆動されるように、道板5は道板用シリンダ装置8によって回動されるようにそれぞれ構成されている。
【0014】
図1の車載トラック1に搭載された荷台用シリンダ装置6とウインチ用油圧モータ7と道板用シリンダ装置8とを操作するための油圧方向切換装置の油圧回路11は、図2に示されているように構成されている。すなわち、油圧方向切換装置の油圧回路11はポンプ12から圧油を供給されるポンプ通路13と、タンク14に接続されたタンク通路15とを備えている。ポンプ通路13とタンク通路15との間には荷台用シリンダ装置6の伸縮を切り換える油圧方向切換弁(以下、第一切換弁という。)30、ウインチ用油圧モータ7の回転方向を切り換える油圧方向切換弁(以下、第二切換弁という。)40、道板用シリンダ装置8の伸縮を切り換える油圧方向切換弁(以下、第三切換弁という。)50がそれぞれ並列に介装されており、これらの切換弁30、40、50の二つの負荷ポートA、Bには荷台用シリンダ装置6、ウインチ用油圧モータ7、道板用シリンダ装置8に圧油を供給し排出する給排通路6Aおよび6B、7Aおよび7B、8Aおよび8Bがそれぞれ接続されている。
【0015】
ポンプ通路13の第一切換弁30よりも上流側には第一切換弁30を迂回してタンク通路15に連絡したバイパス通路16が接続されており、バイパス通路16にはポンプ通路13の最高圧力を決定するパイロット圧力によって作動するリリーフ弁17が介設されている。リリーフ弁17のベント通路18はタンク通路15に接続されており、ベント通路18には2ポート・2位置・電磁切換弁によって構成された電磁弁19がコック弁20を介して介設されている。電磁弁19は機構的にはシート弁やスライドスプール弁、またはシート弁とスライドスプール弁を組み合わせたもの(以下、シート弁等という)によって構成されており、通常時に開放で、油圧アクチュエータ作動時は閉じており、異常作動時の指令時に開放するようになっている。ポンプ通路13のバイパス通路16の接続点と第一切換弁30との間には、一定の油圧を発生させるための背圧弁21が介設されている。ポンプ通路13にはバイパス通路16と並列に切換弁30、40、50を駆動するための油圧パイロット操作部31、41、51に圧油を供給するパイロット回路22の他端はタンク通路15に接続されている。パイロット回路22の最上流には減圧弁23が介設されており、減圧弁23の下流側にはフィルタ24およびフィルタ24が詰まった時のためのフィルタ用リリーフ弁25が介設されている。パイロット回路22の減圧弁23の下流側にはバイパス通路26が分岐されており、バイパス通路26にはリリーフ弁27が介設されている。
【0016】
パイロット回路22には4ポート・2位置・PARB接続・スプリングオフセット・電磁切換弁によって構成された電磁弁(以下、共用電磁弁という。)28が介設されている。共用電磁弁28のポンプポートPはパイロット回路22のポンプ通路側に接続されており、タンクポートRはパイロット回路22のタンク通路側に接続されている。共用電磁弁28は機構的にはシート弁等によって構成されており、通常位置においてはポンプポートPをパイロット回路22のポンプ通路側の負荷ポート(以下、ポンプ側負荷ポートという。)Aに接続させるとともに、タンクポートRをパイロット回路22のタンク通路側の負荷ポート(以下、タンク側負荷ポートという。)Bに接続させ、切換位置においてはポンプポートPをタンク側負荷ポートBに接続させるとともに、タンクポートRをポンプ側負荷ポートAに接続させるように構成されている。
【0017】
図2に示されているように、第一切換弁30は6ポート・3位置・クローズドセンタ・スプリングセンタ・レバー兼用油圧方向切換弁であり、中立位置30aと、その両脇の切換位置30b、30cとがそれぞれ設定されている。第一切換弁30のポンプポートPにはポンプ通路13が接続され、タンクポートRにはタンク通路15が接続され、二つの負荷ポートA、Bには荷台用シリンダ装置6の給排通路6Aおよび6Bがそれぞれ接続されている。そして、荷台用シリンダ装置6は第一切換弁30の第一切換位置30bで荷台3を押し出す方向に伸長し、第二切換位置30cで荷台3を引き戻す方向に短縮するように構成されている。
【0018】
第一切換弁30を操作する油圧パイロット操作部は複動シリンダ装置31を備えており、複動シリンダ装置31のシリンダ室32にはピストン33が摺動自在に嵌入されている。第一切換弁30のスプールに連結されたピストンロッド34はシリンダ室32の軸心線に沿って挿通されて、摺動自在に支承されている。なお、図2においては、第一切換弁30と複動シリンダ装置31とはピストンロッド34を介して連結されているが、このピストンロッド34を省略して第一切換弁30と複動シリンダ装置31とを一体に形成してもよい。シリンダ室32の第一切換弁30側の端部に開設された第一ポートとしての往行側ポート35には、3ポート・2位置・AR接続・スプリングオフセット・電磁切換弁(以下、第一電磁弁という。)37の負荷ポートAが接続されており、シリンダ室32の第一切換弁30と反対側の端部に開設された第二ポートとしての復行側ポート36には共用電磁弁28のタンク側負荷ポートBが接続されている。第一電磁弁37のポンプポートPはパイロット回路22のポンプ通路側に接続されており、第一電磁弁37のタンクポートRは共用電磁弁28のタンク側負荷ポートBに接続されている。第一電磁弁37は機構的にはシート弁等によって構成されており、通常位置においては負荷ポートAをタンクポートRに接続させ、切換位置においては負荷ポートAをポンプポートPに接続させるように構成されている。なお、第一切換弁30にはハンドレバー30eが装着されており、第一電磁弁37または共用電磁弁28が故障した際に第一切換弁30を手動で切り換えられるようになっている。また、第一切換弁30の両端にはリターンスプリング30s、30sが装着されており、第一切換弁30を中立位置に戻すように作用している。
【0019】
第二切換弁40も6ポート・3位置・クローズドセンタ・スプリングセンタ・レバー兼用油圧パイロット切換弁によって構成されており、中立位置40aと、その両脇の切換位置40b、40cとがそれぞれ設定されている。第二切換弁40のポンプポートPにはポンプ通路13が接続され、タンクポートRにはタンク通路15が接続され、二つの負荷ポートA、Bにはウインチ用油圧モータ7の給排通路7Aおよび7Bがそれぞれ接続されている。ウインチ用油圧モータ7は第二切換弁40の第一切換位置40bで正方向に回転し、第二切換位置40cで逆方向に回転するように構成されている。
【0020】
第二切換弁40を操作する油圧パイロット操作部も複動シリンダ装置41を備えており、複動シリンダ装置41のシリンダ室42にはピストン43が摺動自在に嵌入されている。第二切換弁40のスプールに連結されたピストンロッド44はシリンダ室42の軸心線に沿って挿通されて摺動自在に支承されている。シリンダ室42の第二切換弁40側の端部に開設された第一ポートとしての正回転側ポート45には、3ポート・2位置・AR接続・スプリングオフセット・電磁切換弁(以下、第二電磁弁という。)47の負荷ポートAが接続されており、シリンダ室42の第二切換弁40と反対側の端部に開設された第二ポートとしての逆回転側ポート46には共用電磁弁28のタンク側負荷ポートBが接続されている。第二電磁弁47のポンプポートPはパイロット回路22のポンプ通路側に接続されており、タンクポートRは共用電磁弁28のタンク側負荷ポートBに接続されている。第二電磁弁47は機構的にはシート弁等によって構成されており、通常位置においては負荷ポートAをタンクポートRに接続させ、切換位置においては負荷ポートAをポンプポートPに接続させるように構成されている。なお、第二切換弁40にもハンドレバー40eが装着されており、第一電磁弁47または共用電磁弁28が故障した際に第二切換弁40を手動で切り換えられるようになっている。また、第二切換弁40の両端にはリターンスプリング40s、40sが装着されており、第二切換弁40を中立位置に戻すように作用している。
【0021】
第三切換弁50も6ポート・3位置・クローズドセンタ・スプリングセンタ・レバー兼用油圧パイロット切換弁によって構成されており、中立位置50aと、その両脇の切換位置50b、50cとがそれぞれ設定されている。第三切換弁50のポンプポートPにはポンプ通路13が接続され、タンクポートRにはタンク通路15が接続され、二つの負荷ポートA、Bには道板用シリンダ装置8の給排通路8Aおよび8Bがそれぞれ接続されている。そして、道板用シリンダ装置8は第三切換弁50の第一切換位置50bで道板5を倒す方向に伸長し、第二切換位置50cで道板5を起立させる方向に短縮するように構成されている。
【0022】
第三切換弁50を操作する油圧パイロット操作部も複動シリンダ装置51を備えており、複動シリンダ装置51のシリンダ室52にはピストン53が摺動自在に嵌入されている。第三切換弁50のスプールに連結されたピストンロッド54はシリンダ室52の軸心線に沿って挿通されて、摺動自在に支承されている。シリンダ室52の第三切換弁50側の端部に開設された第一ポートとしての往行側ポート55には、3ポート・2位置・AR接続・スプリングオフセット・電磁切換弁(以下、第三電磁弁という。)57の負荷ポートが接続されており、シリンダ室52の第三切換弁50と反対側の端部に開設された第二ポートとしての復行側ポート56には共用電磁弁28のタンク側負荷ポートBが接続されている。第三電磁弁57のポンプポートPはパイロット回路22のポンプ通路側に接続されており、第三電磁弁57のタンクポートRは共用電磁弁28のタンク側負荷ポートBに接続されている。第三電磁弁57は機構的にはシート弁等によって構成されており、通常位置においては負荷ポートAをタンクポートRに接続させ、切換位置においては負荷ポートAをポンプポートPに接続させるように構成されている。なお、第三切換弁50にもハンドレバー50eが装着されており、第三電磁弁57または共用電磁弁28が故障した際に第三切換弁50を手動で切り換えられるようになっている。また、第三切換弁50の両端にもリターンスプリング50s、50sが装着されており、第三切換弁50を中立位置に戻すように作用している。
【0023】
第一電磁弁37、第二電磁弁47、第三電磁弁57および共用電磁弁28の各ソレノイド部は、荷台操作スイッチ、ウインチ操作スイッチおよび道板操作スイッチ(いずれも図示せず)によって後述する作用の説明のようにそれぞれ制御される。なお、各スイッチは有線リモコンまたはラジコンによって遠隔操作されるようになっている。
【0024】
以上の構成に係る油圧方向切換装置の油圧回路11の作用を、荷台3の出し入れ時の第一切換弁30の作用について説明する。
【0025】
トラック1の走行時等の通常時においては、共用電磁弁28や第一電磁弁37は図3(a)に示されている状態に維持されており、油圧ポンプもPTO(パワーテイクオフ)のクラッチが切れて停止しているため、複動シリンダ装置31は中立を維持する。すなわち、複動シリンダ装置31のシリンダ室32のピストン33の両側の往行側ポート35および復行側ポート36はいずれもパイロット回路22のタンク側通路に接続されているために、複動シリンダ装置31のピストン33は図2に示す第一切換弁30に装着されたリターンスプリング30s、30sによって中立を維持する状態になる。
【0026】
車両のエンジンを運転している状態で運転室内のPTOレバーまたはスイッチを操作すると、PTOのクラッチが接になり、油圧ポンプが回転して圧油を油圧方向切換弁や電磁切換弁に供給する。荷台操作スイッチから荷台押し出し信号が有線やリモコンによって送信されると、図3(b)に示されているように、第一電磁弁37は切換位置に切り換わる。第一電磁弁37が切り換わると、パイロット回路22のポンプ側通路の圧油が複動シリンダ装置31の往行側ポート35へ第一電磁弁37のポンプポートPから負荷ポートAを通じて供給される複動シリンダ装置31の復行側室の油は復行側ポート36からパイロット回路22を通じてRポートから排出されることにより、複動シリンダ装置31が往行するので、第一切換弁30は第一切換位置30bに切り換えられる。第一切換弁30が第一切換位置30bに切り換わると、図2において、ポンプ通路13の圧油が荷台用シリンダ装置6へ第一切換弁30のポンプポートP、負荷ポートAおよび給排通路6Aを通じて供給されるとともに、荷台用シリンダ装置6の戻り油がタンク通路15へ給排通路6B、第一切換弁30の負荷ポートBおよびタンクポートRを通じて排出されるために、荷台用シリンダ装置6が荷台3をシャーシー2に対して後方に押し出す。
【0027】
第一電磁弁37への通電が停止すると、第一電磁弁37がスプリングオフセット機能によって通常位置に戻るために、図3(a)に示されているように、複動シリンダ装置31のシリンダ室32のピストン33の両側の往行側ポート35および復行側ポート36はいずれもパイロット回路22のタンク側通路に接続された状態に戻り、複動シリンダ装置31のピストン33は中立を維持する状態になる。このために、第一切換弁30はリターンスプリング30s、30sによって中立位置30aに戻り、荷台用シリンダ装置6は停止し、荷台3も停止する。
【0028】
荷台3を元の格納位置に戻すために、荷台格納操作スイッチがオンされると、図3(c)に示されているように、第一電磁弁37が切換位置に切り換わるとともに、共用電磁弁28が切換位置に切り換わる。第一電磁弁37および共用電磁弁28がいずれも切換位置に切り換わると、パイロット回路22のポンプ側通路の圧油が複動シリンダ装置31の復行側ポート36へ共用電磁弁28のポンプポートPから第二負荷ポートBを通じて供給されるとともに、複動シリンダ装置31の戻り油が往行側ポート35からパイロット回路22のタンク側通路へ第一電磁弁37の負荷ポートA、ポンプポートPおよび共用電磁弁28の第一負荷ポートA、タンクポートRを通じて排出されるために、第一切換弁30は第二切換位置30cに切り換えられる。第一切換弁30が第二切換位置30cに切り換わると、図2において、ポンプ通路13の圧油が荷台用シリンダ装置6へ第一切換弁30のポンプポートP、負荷ポートBおよび給排通路6Bを通じて供給されるとともに、荷台用シリンダ装置6の戻り油がタンク通路15へ給排通路6A、第一切換弁30の負荷ポートAおよびタンクポートRを通じて排出されるために、荷台用シリンダ装置6が荷台3をシャーシー2に対して前方へ引き戻す。
【0029】
第一電磁弁37および共用電磁弁28への通電が停止すると、第一電磁弁37および共用電磁弁28がいずれもスプリングオフセット機能によって通常位置に戻るために、図3(a)に示されているように、複動シリンダ装置31のシリンダ室32のピストン33の両側の往行側ポート35および復行側ポート36はいずれもパイロット回路22のタンク側通路に接続された状態に戻り、複動シリンダ装置31のピストン33は中立を維持する状態になる。このために、第一切換弁30はリターンスプリング30s、30sによって中立位置30aに戻り、荷台用シリンダ装置6は停止し、荷台3も停止する。
【0030】
以上説明したように、本実施の形態に係る操作装置によれば、第一切換弁30、第二切換弁40および第三切換弁50に第一電磁弁37、第二電磁弁47および第三電磁弁57をそれぞれ一個ずつ装備し、第一切換弁30、第二切換弁40および第三切換弁50で共用する共用電磁弁28を一個だけ追加することにより、第一切換弁30、第二切換弁40および第三切換弁50の中立位置、二つの切換位置を確保することができるので、切換弁の連数に対する電磁弁の個数を大幅に低減することができ、その結果、車載トラックの製造コストを低減することができる。
【0031】
第一切換弁30、第二切換弁40および第三切換弁50はハンドレバー30e、40e、50eによっても操作可能に構成されているので、手動操作も可能であるし、万一、共用電磁弁28や第一電磁弁37、第二電磁弁47および第三電磁弁57等の電気系統に故障が起きたとしても、荷台用シリンダ装置6、ウインチ用油圧モータ7および道板用シリンダ装置8を手動操作によって運転することができる。
【0032】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々に変更が可能であることはいうまでもない。
【0033】
例えば、油圧アクチュエータはシリンダ装置や油圧モータに限らない。
【0034】
車載トラックの荷台用シリンダ装置やウインチ用油圧モータおよび道板用シリンダ装置の運転に使用するに限らず、本発明はトラックに搭載されたクレーンのシリンダ装置や油圧モータ等の油圧アクチュエータ群、さらには、据え置き形の油圧アクチュエータ群等の複数台の油圧アクチュエータを運転する場合全般に適用することができる。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、電磁弁の使用個数を減少することができるので、油圧方向切換装置のコストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態である車載用トラックを示しており、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【図2】3位置油圧方向切換装置の油圧回路を示す回路図である。
【図3】作用を説明するための主要部の回路図であり、(a)は中立位置の場合、(b)は第一切換位置の場合、(c)は第二切換位置の場合をそれぞれ示している。
【符号の説明】
1…トラック、2…シャーシー、3…荷台、4…ウインチ、5…道板、6…荷台用シリンダ装置、6A、6B…給排通路、7…油圧モータ、7A、7B…給排通路、8…道板用シリンダ装置、8A、8B…給排通路、11…油圧方向切換装置の油圧回路、12…ポンプ、12C…PTOクラッチ、12E…エンジン、13…ポンプ通路、14…タンク、15…タンク通路、16…バイパス通路、17…リリーフ弁、18…ベント通路、19…電磁弁、20…コック弁、21…背圧弁、22…パイロット回路、23…減圧弁、24…フィルタ、25…フィルタ用リリーフ弁、26…バイパス通路、27…リリーフ弁、28…共用電磁弁、30…第一切換弁(荷台用シリンダ装置伸縮切換弁)、31…複動シリンダ装置(油圧パイロット操作部)、32…シリンダ室、33…ピストン、34…ピストンロッド、35…往行側ポート(第一ポート)、36…復行側ポート(第二ポート)、37…第一電磁弁、40…第二切換弁(ウインチ用油圧モータ回転方向切換弁)、41…複動シリンダ装置(油圧パイロット操作部)、42…シリンダ室、43…ピストン、44…ピストンロッド、45…正回転側ポート(第一ポート)、46…逆回転側ポート(第二ポート)、47…第二電磁弁、50…第三切換弁(道板用シリンダ装置伸縮切換弁)、51…複動シリンダ装置(油圧パイロット操作部)、52…シリンダ室、53…ピストン、54…ピストンロッド、55…往行側ポート(第一ポート)、56…復行側ポート(第二ポート)、57…第三電磁弁。
【発明の属する技術分野】
本発明は、油圧方向切換装置に関し、特に、複数台の油圧アクチュエータを運転する技術に係り、例えば、トラックに搭載される油圧モータやシリンダ装置を制御するのに利用して有効な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
トラックの一種として、自動車を荷台に積載して搬送するトラック(以下、車載トラックという。)、がある。車載トラックにおいては、荷台に自動車を積み下ろしするために油圧モータで駆動されるウインチや複数台のシリンダ装置が搭載されており、これらの油圧アクチュエータを運転する油圧方向切換装置には複数の3位置油圧方向切換弁が使用されている。従来のこの種の切換弁において遠隔操作を実現するためには、電磁切換弁(以下、電磁弁という。)が一般的に使用されている(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−20082号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記した遠隔操作可能な従来の3位置油圧方向切換弁においては、一台の油圧方向切換弁毎に二個の電磁弁が使用されるために、例えば、一台の油圧モータと二台のシリンダ装置が搭載された車載トラックにおいては、少なくとも六個の電磁弁が必要になり、コストが増加するという問題点がある。
【0005】
本発明の目的は、電磁弁の使用個数を減少することができる3位置の油圧方向切換装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決するための第一の手段は、複数の油圧アクチュエータと、これらのアクチュエータに圧油を供給しまたは排出する複数の3位置油圧方向切換弁と、これらの油圧方向切換弁を切り換えるための油圧パイロット操作部とを備えており、
前記各油圧パイロット操作部の第一のポートには対応する電磁切換弁がそれぞれ接続されているとともに、これらの電磁切換弁が共に共用電磁弁に接続されており、前記各油圧パイロット操作部の第二のポートは共に前記共用電磁弁に接続されており、
前記3位置油圧方向切換弁を第一の切り換え位置に切り換えるときには、切り換えを必要とする油圧方向切換弁の前記油圧パイロット操作部の前記電磁切換弁に通電し、前記油圧方向切換弁を第二の切り換え位置に切り換えるときには、切り換えを必要とする油圧方向切換弁の前記油圧パイロット操作部の前記電磁切換弁に通電するとともに、前記共用電磁弁にも通電することを特徴とする。
【0007】
前記した第一の手段によれば、切り換えを必要とする油圧方向切換弁の油圧パイロット操作部の電磁切換弁に通電することにより、第一の切り換え位置に切り換えることができ、さらに、共用電磁弁に通電することにより、第二の切り換え位置に切り換えることができる。したがって、従来は油圧パイロット操作部毎に2個の電磁切換弁を必要としたが、第一の手段によれば、油圧パイロット操作部の数プラス1個の電磁切換弁で従来と同じ切り換え操作が可能である。
【0008】
第二の手段は、前記第一の手段を前提として、第一の油圧アクチュエータが荷台用シリンダ装置であり、第二の油圧アクチュエータがウインチ用油圧モータであり、第三の油圧アクチュエータが道板用シリンダ装置である車載トラック用の油圧方向切換装置であることを特徴とする。
【0009】
車載トラック用の油圧方向切換装置において、従来の電磁切換弁は6個必要であったが、第二の手段によれば、4個で済むので、2個低減できる。
【0010】
第三の手段は、前記複数の油圧方向切換弁にはそれぞれ手動切換レバーが装着されていることを特徴とする。
【0011】
前記複数の油圧方向切換弁は、通常は電磁切換弁に通電することによって切り換えられるが、電磁切換弁が故障したり、電気系統に故障が生じた場合であっても手動切換レバーの操作により油圧方向切換装置を操作することが可能である。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面に即して本発明の実施の形態を説明する。
【0013】
本実施の形態において、本発明に係る3位置油圧方向切換装置は、図1に示された車載トラック1に装備されている。車載トラック1はシャーシー2に前後方向に摺動自在かつ上下方向に回動自在に支持された荷台3を備えており、荷台3の前端部にはウインチ4が設備され、荷台3の後端部には道板5が回動自在に枢支されている。荷台3はシャーシー2に設備された荷台用シリンダ装置6によってシャーシー2に対して前後動されるように、ウインチ4は油圧モータ7によって駆動されるように、道板5は道板用シリンダ装置8によって回動されるようにそれぞれ構成されている。
【0014】
図1の車載トラック1に搭載された荷台用シリンダ装置6とウインチ用油圧モータ7と道板用シリンダ装置8とを操作するための油圧方向切換装置の油圧回路11は、図2に示されているように構成されている。すなわち、油圧方向切換装置の油圧回路11はポンプ12から圧油を供給されるポンプ通路13と、タンク14に接続されたタンク通路15とを備えている。ポンプ通路13とタンク通路15との間には荷台用シリンダ装置6の伸縮を切り換える油圧方向切換弁(以下、第一切換弁という。)30、ウインチ用油圧モータ7の回転方向を切り換える油圧方向切換弁(以下、第二切換弁という。)40、道板用シリンダ装置8の伸縮を切り換える油圧方向切換弁(以下、第三切換弁という。)50がそれぞれ並列に介装されており、これらの切換弁30、40、50の二つの負荷ポートA、Bには荷台用シリンダ装置6、ウインチ用油圧モータ7、道板用シリンダ装置8に圧油を供給し排出する給排通路6Aおよび6B、7Aおよび7B、8Aおよび8Bがそれぞれ接続されている。
【0015】
ポンプ通路13の第一切換弁30よりも上流側には第一切換弁30を迂回してタンク通路15に連絡したバイパス通路16が接続されており、バイパス通路16にはポンプ通路13の最高圧力を決定するパイロット圧力によって作動するリリーフ弁17が介設されている。リリーフ弁17のベント通路18はタンク通路15に接続されており、ベント通路18には2ポート・2位置・電磁切換弁によって構成された電磁弁19がコック弁20を介して介設されている。電磁弁19は機構的にはシート弁やスライドスプール弁、またはシート弁とスライドスプール弁を組み合わせたもの(以下、シート弁等という)によって構成されており、通常時に開放で、油圧アクチュエータ作動時は閉じており、異常作動時の指令時に開放するようになっている。ポンプ通路13のバイパス通路16の接続点と第一切換弁30との間には、一定の油圧を発生させるための背圧弁21が介設されている。ポンプ通路13にはバイパス通路16と並列に切換弁30、40、50を駆動するための油圧パイロット操作部31、41、51に圧油を供給するパイロット回路22の他端はタンク通路15に接続されている。パイロット回路22の最上流には減圧弁23が介設されており、減圧弁23の下流側にはフィルタ24およびフィルタ24が詰まった時のためのフィルタ用リリーフ弁25が介設されている。パイロット回路22の減圧弁23の下流側にはバイパス通路26が分岐されており、バイパス通路26にはリリーフ弁27が介設されている。
【0016】
パイロット回路22には4ポート・2位置・PARB接続・スプリングオフセット・電磁切換弁によって構成された電磁弁(以下、共用電磁弁という。)28が介設されている。共用電磁弁28のポンプポートPはパイロット回路22のポンプ通路側に接続されており、タンクポートRはパイロット回路22のタンク通路側に接続されている。共用電磁弁28は機構的にはシート弁等によって構成されており、通常位置においてはポンプポートPをパイロット回路22のポンプ通路側の負荷ポート(以下、ポンプ側負荷ポートという。)Aに接続させるとともに、タンクポートRをパイロット回路22のタンク通路側の負荷ポート(以下、タンク側負荷ポートという。)Bに接続させ、切換位置においてはポンプポートPをタンク側負荷ポートBに接続させるとともに、タンクポートRをポンプ側負荷ポートAに接続させるように構成されている。
【0017】
図2に示されているように、第一切換弁30は6ポート・3位置・クローズドセンタ・スプリングセンタ・レバー兼用油圧方向切換弁であり、中立位置30aと、その両脇の切換位置30b、30cとがそれぞれ設定されている。第一切換弁30のポンプポートPにはポンプ通路13が接続され、タンクポートRにはタンク通路15が接続され、二つの負荷ポートA、Bには荷台用シリンダ装置6の給排通路6Aおよび6Bがそれぞれ接続されている。そして、荷台用シリンダ装置6は第一切換弁30の第一切換位置30bで荷台3を押し出す方向に伸長し、第二切換位置30cで荷台3を引き戻す方向に短縮するように構成されている。
【0018】
第一切換弁30を操作する油圧パイロット操作部は複動シリンダ装置31を備えており、複動シリンダ装置31のシリンダ室32にはピストン33が摺動自在に嵌入されている。第一切換弁30のスプールに連結されたピストンロッド34はシリンダ室32の軸心線に沿って挿通されて、摺動自在に支承されている。なお、図2においては、第一切換弁30と複動シリンダ装置31とはピストンロッド34を介して連結されているが、このピストンロッド34を省略して第一切換弁30と複動シリンダ装置31とを一体に形成してもよい。シリンダ室32の第一切換弁30側の端部に開設された第一ポートとしての往行側ポート35には、3ポート・2位置・AR接続・スプリングオフセット・電磁切換弁(以下、第一電磁弁という。)37の負荷ポートAが接続されており、シリンダ室32の第一切換弁30と反対側の端部に開設された第二ポートとしての復行側ポート36には共用電磁弁28のタンク側負荷ポートBが接続されている。第一電磁弁37のポンプポートPはパイロット回路22のポンプ通路側に接続されており、第一電磁弁37のタンクポートRは共用電磁弁28のタンク側負荷ポートBに接続されている。第一電磁弁37は機構的にはシート弁等によって構成されており、通常位置においては負荷ポートAをタンクポートRに接続させ、切換位置においては負荷ポートAをポンプポートPに接続させるように構成されている。なお、第一切換弁30にはハンドレバー30eが装着されており、第一電磁弁37または共用電磁弁28が故障した際に第一切換弁30を手動で切り換えられるようになっている。また、第一切換弁30の両端にはリターンスプリング30s、30sが装着されており、第一切換弁30を中立位置に戻すように作用している。
【0019】
第二切換弁40も6ポート・3位置・クローズドセンタ・スプリングセンタ・レバー兼用油圧パイロット切換弁によって構成されており、中立位置40aと、その両脇の切換位置40b、40cとがそれぞれ設定されている。第二切換弁40のポンプポートPにはポンプ通路13が接続され、タンクポートRにはタンク通路15が接続され、二つの負荷ポートA、Bにはウインチ用油圧モータ7の給排通路7Aおよび7Bがそれぞれ接続されている。ウインチ用油圧モータ7は第二切換弁40の第一切換位置40bで正方向に回転し、第二切換位置40cで逆方向に回転するように構成されている。
【0020】
第二切換弁40を操作する油圧パイロット操作部も複動シリンダ装置41を備えており、複動シリンダ装置41のシリンダ室42にはピストン43が摺動自在に嵌入されている。第二切換弁40のスプールに連結されたピストンロッド44はシリンダ室42の軸心線に沿って挿通されて摺動自在に支承されている。シリンダ室42の第二切換弁40側の端部に開設された第一ポートとしての正回転側ポート45には、3ポート・2位置・AR接続・スプリングオフセット・電磁切換弁(以下、第二電磁弁という。)47の負荷ポートAが接続されており、シリンダ室42の第二切換弁40と反対側の端部に開設された第二ポートとしての逆回転側ポート46には共用電磁弁28のタンク側負荷ポートBが接続されている。第二電磁弁47のポンプポートPはパイロット回路22のポンプ通路側に接続されており、タンクポートRは共用電磁弁28のタンク側負荷ポートBに接続されている。第二電磁弁47は機構的にはシート弁等によって構成されており、通常位置においては負荷ポートAをタンクポートRに接続させ、切換位置においては負荷ポートAをポンプポートPに接続させるように構成されている。なお、第二切換弁40にもハンドレバー40eが装着されており、第一電磁弁47または共用電磁弁28が故障した際に第二切換弁40を手動で切り換えられるようになっている。また、第二切換弁40の両端にはリターンスプリング40s、40sが装着されており、第二切換弁40を中立位置に戻すように作用している。
【0021】
第三切換弁50も6ポート・3位置・クローズドセンタ・スプリングセンタ・レバー兼用油圧パイロット切換弁によって構成されており、中立位置50aと、その両脇の切換位置50b、50cとがそれぞれ設定されている。第三切換弁50のポンプポートPにはポンプ通路13が接続され、タンクポートRにはタンク通路15が接続され、二つの負荷ポートA、Bには道板用シリンダ装置8の給排通路8Aおよび8Bがそれぞれ接続されている。そして、道板用シリンダ装置8は第三切換弁50の第一切換位置50bで道板5を倒す方向に伸長し、第二切換位置50cで道板5を起立させる方向に短縮するように構成されている。
【0022】
第三切換弁50を操作する油圧パイロット操作部も複動シリンダ装置51を備えており、複動シリンダ装置51のシリンダ室52にはピストン53が摺動自在に嵌入されている。第三切換弁50のスプールに連結されたピストンロッド54はシリンダ室52の軸心線に沿って挿通されて、摺動自在に支承されている。シリンダ室52の第三切換弁50側の端部に開設された第一ポートとしての往行側ポート55には、3ポート・2位置・AR接続・スプリングオフセット・電磁切換弁(以下、第三電磁弁という。)57の負荷ポートが接続されており、シリンダ室52の第三切換弁50と反対側の端部に開設された第二ポートとしての復行側ポート56には共用電磁弁28のタンク側負荷ポートBが接続されている。第三電磁弁57のポンプポートPはパイロット回路22のポンプ通路側に接続されており、第三電磁弁57のタンクポートRは共用電磁弁28のタンク側負荷ポートBに接続されている。第三電磁弁57は機構的にはシート弁等によって構成されており、通常位置においては負荷ポートAをタンクポートRに接続させ、切換位置においては負荷ポートAをポンプポートPに接続させるように構成されている。なお、第三切換弁50にもハンドレバー50eが装着されており、第三電磁弁57または共用電磁弁28が故障した際に第三切換弁50を手動で切り換えられるようになっている。また、第三切換弁50の両端にもリターンスプリング50s、50sが装着されており、第三切換弁50を中立位置に戻すように作用している。
【0023】
第一電磁弁37、第二電磁弁47、第三電磁弁57および共用電磁弁28の各ソレノイド部は、荷台操作スイッチ、ウインチ操作スイッチおよび道板操作スイッチ(いずれも図示せず)によって後述する作用の説明のようにそれぞれ制御される。なお、各スイッチは有線リモコンまたはラジコンによって遠隔操作されるようになっている。
【0024】
以上の構成に係る油圧方向切換装置の油圧回路11の作用を、荷台3の出し入れ時の第一切換弁30の作用について説明する。
【0025】
トラック1の走行時等の通常時においては、共用電磁弁28や第一電磁弁37は図3(a)に示されている状態に維持されており、油圧ポンプもPTO(パワーテイクオフ)のクラッチが切れて停止しているため、複動シリンダ装置31は中立を維持する。すなわち、複動シリンダ装置31のシリンダ室32のピストン33の両側の往行側ポート35および復行側ポート36はいずれもパイロット回路22のタンク側通路に接続されているために、複動シリンダ装置31のピストン33は図2に示す第一切換弁30に装着されたリターンスプリング30s、30sによって中立を維持する状態になる。
【0026】
車両のエンジンを運転している状態で運転室内のPTOレバーまたはスイッチを操作すると、PTOのクラッチが接になり、油圧ポンプが回転して圧油を油圧方向切換弁や電磁切換弁に供給する。荷台操作スイッチから荷台押し出し信号が有線やリモコンによって送信されると、図3(b)に示されているように、第一電磁弁37は切換位置に切り換わる。第一電磁弁37が切り換わると、パイロット回路22のポンプ側通路の圧油が複動シリンダ装置31の往行側ポート35へ第一電磁弁37のポンプポートPから負荷ポートAを通じて供給される複動シリンダ装置31の復行側室の油は復行側ポート36からパイロット回路22を通じてRポートから排出されることにより、複動シリンダ装置31が往行するので、第一切換弁30は第一切換位置30bに切り換えられる。第一切換弁30が第一切換位置30bに切り換わると、図2において、ポンプ通路13の圧油が荷台用シリンダ装置6へ第一切換弁30のポンプポートP、負荷ポートAおよび給排通路6Aを通じて供給されるとともに、荷台用シリンダ装置6の戻り油がタンク通路15へ給排通路6B、第一切換弁30の負荷ポートBおよびタンクポートRを通じて排出されるために、荷台用シリンダ装置6が荷台3をシャーシー2に対して後方に押し出す。
【0027】
第一電磁弁37への通電が停止すると、第一電磁弁37がスプリングオフセット機能によって通常位置に戻るために、図3(a)に示されているように、複動シリンダ装置31のシリンダ室32のピストン33の両側の往行側ポート35および復行側ポート36はいずれもパイロット回路22のタンク側通路に接続された状態に戻り、複動シリンダ装置31のピストン33は中立を維持する状態になる。このために、第一切換弁30はリターンスプリング30s、30sによって中立位置30aに戻り、荷台用シリンダ装置6は停止し、荷台3も停止する。
【0028】
荷台3を元の格納位置に戻すために、荷台格納操作スイッチがオンされると、図3(c)に示されているように、第一電磁弁37が切換位置に切り換わるとともに、共用電磁弁28が切換位置に切り換わる。第一電磁弁37および共用電磁弁28がいずれも切換位置に切り換わると、パイロット回路22のポンプ側通路の圧油が複動シリンダ装置31の復行側ポート36へ共用電磁弁28のポンプポートPから第二負荷ポートBを通じて供給されるとともに、複動シリンダ装置31の戻り油が往行側ポート35からパイロット回路22のタンク側通路へ第一電磁弁37の負荷ポートA、ポンプポートPおよび共用電磁弁28の第一負荷ポートA、タンクポートRを通じて排出されるために、第一切換弁30は第二切換位置30cに切り換えられる。第一切換弁30が第二切換位置30cに切り換わると、図2において、ポンプ通路13の圧油が荷台用シリンダ装置6へ第一切換弁30のポンプポートP、負荷ポートBおよび給排通路6Bを通じて供給されるとともに、荷台用シリンダ装置6の戻り油がタンク通路15へ給排通路6A、第一切換弁30の負荷ポートAおよびタンクポートRを通じて排出されるために、荷台用シリンダ装置6が荷台3をシャーシー2に対して前方へ引き戻す。
【0029】
第一電磁弁37および共用電磁弁28への通電が停止すると、第一電磁弁37および共用電磁弁28がいずれもスプリングオフセット機能によって通常位置に戻るために、図3(a)に示されているように、複動シリンダ装置31のシリンダ室32のピストン33の両側の往行側ポート35および復行側ポート36はいずれもパイロット回路22のタンク側通路に接続された状態に戻り、複動シリンダ装置31のピストン33は中立を維持する状態になる。このために、第一切換弁30はリターンスプリング30s、30sによって中立位置30aに戻り、荷台用シリンダ装置6は停止し、荷台3も停止する。
【0030】
以上説明したように、本実施の形態に係る操作装置によれば、第一切換弁30、第二切換弁40および第三切換弁50に第一電磁弁37、第二電磁弁47および第三電磁弁57をそれぞれ一個ずつ装備し、第一切換弁30、第二切換弁40および第三切換弁50で共用する共用電磁弁28を一個だけ追加することにより、第一切換弁30、第二切換弁40および第三切換弁50の中立位置、二つの切換位置を確保することができるので、切換弁の連数に対する電磁弁の個数を大幅に低減することができ、その結果、車載トラックの製造コストを低減することができる。
【0031】
第一切換弁30、第二切換弁40および第三切換弁50はハンドレバー30e、40e、50eによっても操作可能に構成されているので、手動操作も可能であるし、万一、共用電磁弁28や第一電磁弁37、第二電磁弁47および第三電磁弁57等の電気系統に故障が起きたとしても、荷台用シリンダ装置6、ウインチ用油圧モータ7および道板用シリンダ装置8を手動操作によって運転することができる。
【0032】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々に変更が可能であることはいうまでもない。
【0033】
例えば、油圧アクチュエータはシリンダ装置や油圧モータに限らない。
【0034】
車載トラックの荷台用シリンダ装置やウインチ用油圧モータおよび道板用シリンダ装置の運転に使用するに限らず、本発明はトラックに搭載されたクレーンのシリンダ装置や油圧モータ等の油圧アクチュエータ群、さらには、据え置き形の油圧アクチュエータ群等の複数台の油圧アクチュエータを運転する場合全般に適用することができる。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、電磁弁の使用個数を減少することができるので、油圧方向切換装置のコストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態である車載用トラックを示しており、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【図2】3位置油圧方向切換装置の油圧回路を示す回路図である。
【図3】作用を説明するための主要部の回路図であり、(a)は中立位置の場合、(b)は第一切換位置の場合、(c)は第二切換位置の場合をそれぞれ示している。
【符号の説明】
1…トラック、2…シャーシー、3…荷台、4…ウインチ、5…道板、6…荷台用シリンダ装置、6A、6B…給排通路、7…油圧モータ、7A、7B…給排通路、8…道板用シリンダ装置、8A、8B…給排通路、11…油圧方向切換装置の油圧回路、12…ポンプ、12C…PTOクラッチ、12E…エンジン、13…ポンプ通路、14…タンク、15…タンク通路、16…バイパス通路、17…リリーフ弁、18…ベント通路、19…電磁弁、20…コック弁、21…背圧弁、22…パイロット回路、23…減圧弁、24…フィルタ、25…フィルタ用リリーフ弁、26…バイパス通路、27…リリーフ弁、28…共用電磁弁、30…第一切換弁(荷台用シリンダ装置伸縮切換弁)、31…複動シリンダ装置(油圧パイロット操作部)、32…シリンダ室、33…ピストン、34…ピストンロッド、35…往行側ポート(第一ポート)、36…復行側ポート(第二ポート)、37…第一電磁弁、40…第二切換弁(ウインチ用油圧モータ回転方向切換弁)、41…複動シリンダ装置(油圧パイロット操作部)、42…シリンダ室、43…ピストン、44…ピストンロッド、45…正回転側ポート(第一ポート)、46…逆回転側ポート(第二ポート)、47…第二電磁弁、50…第三切換弁(道板用シリンダ装置伸縮切換弁)、51…複動シリンダ装置(油圧パイロット操作部)、52…シリンダ室、53…ピストン、54…ピストンロッド、55…往行側ポート(第一ポート)、56…復行側ポート(第二ポート)、57…第三電磁弁。
Claims (3)
- 複数の油圧アクチュエータと、これらのアクチュエータに圧油を供給しまたは排出する複数の3位置油圧方向切換弁と、これらの油圧方向切換弁を切り換えるための油圧パイロット操作部とを備えており、
前記各油圧パイロット操作部の第一のポートには対応する電磁切換弁がそれぞれ接続されているとともに、これらの電磁切換弁が共に共用電磁弁に接続されており、前記各油圧パイロット操作部の第二のポートは共に前記共用電磁弁に接続されており、
前記3位置油圧方向切換弁を第一の切り換え位置に切り換えるときには、切り換えを必要とする油圧方向切換弁の前記油圧パイロット操作部の前記電磁切換弁に通電し、前記油圧方向切換弁を第二の切り換え位置に切り換えるときには、切り換えを必要とする油圧方向切換弁の前記油圧パイロット操作部の前記電磁切換弁に通電するとともに、前記共用電磁弁にも通電することを特徴とする油圧方向切換装置。 - 第一の油圧アクチュエータが荷台用シリンダ装置であり、第二の油圧アクチュエータがウインチ用油圧モータであり、第三の油圧アクチュエータが道板用シリンダ装置であることを特徴とする請求項1に記載の車載トラック用の油圧方向切換装置。
- 前記複数の油圧方向切換弁には手動切換レバーがそれぞれ装着されていることを特徴とする請求項1または2に記載の油圧方向切換装置。
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