JP6537962B2 - 作業機の油圧システム及び作業機 - Google Patents

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Description

本発明は、スキッドステアローダ、コンパクトトラックローダ等の作業機の油圧システム及び作業機に関する。
従来、作業機の油圧システムとして特許文献1が知られている。特許文献1の作業機は、ブームと、バケットと、ブームを動かすブームシリンダと、バケットを動かすバケットシリンダと、ブームシリンダの伸縮を制御する第1制御弁と、バケットシリンダの伸縮を制御する第2制御弁とを備えている。ポンプから吐出した作動油は第1制御弁及び第2制御弁に供給される。また、特許文献1の油圧システムでは、フロート制御装置が備えられているため、ブームのフロート動作を行うことができる。
特開2010−84784号公報
さて、バケットの水平動作を行う油圧システムが知られている。バケットの水平動作を行うには、ブームを上昇させた場合に第1制御弁に戻る作動油(戻り油)をバケットシリンダに供給することによって、バケットを水平動作させることができる。バケットの水平動作とブームのフロート動作との両方を備える油圧システムにおいては、両者を適正に作動させることは困難であった。
本発明は、上記したような従来技術の問題点を解決すべくなされたものであって、フロート動作及び水平動作が可能な油圧システムにおいて、両者を適正に作動させることができる作業機の油圧システム及び作業機を提供することを目的とする。
この技術的課題を解決するための本発明の技術的手段は、以下の通りである。
本発明の作業機の油圧システムは、第1油圧アクチュエータと、前記第1油圧アクチュエータとは異なる第2油圧アクチュエータと、前記第1油圧アクチュエータのフロート動作を行うフロート部を有し、且つ、前記第1油圧アクチュエータを制御する第1制御弁と、前記第2油圧アクチュエータを制御する第2制御弁と、前記第1制御弁と前記第1油圧アクチュエータとを接続する第1油路と、前記第2制御弁と前記第2油圧アクチュエータとを接続する第2油路と、前記第1油路及び第2油路に接続され、且つ、前記第2油圧アクチュエータの水平動作を行う水平制御部と、前記フロート動作時に前記水平動作を停止する制御装置と、を備え、前記第1油圧アクチュエータは、ブームシリンダであり、前記第2油圧アクチュエータは、バケットシリンダであり、前記第1油路は、前記ブームシリンダにおいてロッド側と反対側に設けられた第1ポートに接続された第1供給路と、前記ブームシリンダにおいてロッド側に設けられた第2ポートに接続された第2供給路と、を有し、前記水平制御部は、前記水平動作のオン又はオフする第1切換部を有し、且つ、前記第1供給路及び第2供給路のうち前記第2供給路に接続され、前記第1切換部は、前記第2供給路に接続されている
記フロート部は、当該フロート部のオン又はオフする第2切換部を有し、前記制御装置は、前記第2切換部によって前記フロート部をオンした場合は前記第1切換部を切り換えて前記水平動作をオフする。
記第1油圧アクチュエータは、ブームシリンダであり、前記第2油圧アクチュエータは、バケットシリンダである。
本発明によれば、フロート動作及び水平動作が可能な油圧システムにおいて、両者を適正に作動させることができる。
第1実施形態における油圧システム(油圧回路)を示す図である。 第2実施形態における油圧システム(油圧回路)を示す図である。 作業機として例示するスキッドステアローダの全体図である。
以下、本発明に係る作業機の油圧システム及びこの油圧システムを備えた作業機の好適な実施形態について、適宜図面を参照しながら説明する。
[第1実施形態]
まず、作業機から説明する。
図3は、本発明に係る作業機の側面図を示している。図3では、作業機の一例として、スキッドステアローダを示している。但し、本発明に係る作業機はスキッドステローダに限定されず、例えば、コンパクトトラックローダ等の他の種類のローダ作業機であってもよい。また、ローダ作業機以外の作業機であってもよい。
作業機1は、機体(車体)2と、キャビン3と、作業装置4と、走行装置5A、5Bとを備えている。
機体2上にはキャビン3が搭載されている。キャビン3内の後部には運転席8が設けられている。本発明の実施形態において、作業機1の運転席8に着座した運転者の前側(図3の左側)を前方、運転者の後側(図3の右側)を後方、運転者の左側(図3の手前側)を左方、運転者の右側(図3の奥側)を右方として説明する。また、前後の方向に直交する方向である水平方向を機体幅方向として説明する。機体2の中央部から右部或いは左部へ向かう方向を機体外方として説明する。言い換えれば、機体外方とは、機体幅方向であって、機体2から離れる方向である。機体外方とは反対の方向を、機体内方として説明する。言い換えれば、機体内方とは、機体幅方向であって、機体2に近づく方向である。
キャビン3は、機体2に搭載されている。作業装置4は、作業を行う装置で、機体2に装備されている。走行装置5Aは、機体2を走行させる装置であって、機体2の左側に設けられている。走行装置5Bは、機体2を走行させる装置であって、機体2の右側に設けられている。機体2内の後部には原動機7が設けられている。原動機7は、ディーゼルエンジン(エンジン)である。なお、原動機7は、エンジンに限定されず、電動モータ等であってもよい。
運転席8の左側には、走行レバー9Lが設けられている。運転席8の右側には、走行レバー9Rが設けられている。左側の走行レバー9Lは、左側の走行装置5Aを操作するものであり、右側の走行レバー9Rは、右側の走行装置5Bを操作するものである。
作業装置4は、ブーム10と、バケット11と、リフトリンク12、制御リンク13と、ブームシリンダ14と、バケットシリンダ17とを有する。ブーム10は、機体2の側方に設けられている。バケット11は、ブーム10の先端(前端)に設けられている。リフトリンク12及び制御リンク13は、ブーム10の基部(後部)を支持する。ブームシリンダ14は、ブーム10を上又は下に駆動する。
詳しくは、リフトリンク12、制御リンク13及びブームシリンダ14は、機体2の側方に設けられている。リフトリンク12の上部は、ブーム10の基部の上部に枢支されている。リフトリンク12の下部は、機体2の後部の側部に枢支されている。制御リンク13は、リフトリンク12の前方に配置されている。制御リンク13の一端は、ブーム10の基部の下部に枢支され、他端が機体2に枢支されている。
ブームシリンダ14は、ブーム10を昇降する油圧シリンダである。ブームシリンダ14の上部は、ブーム10の基部の前部に枢支されている。ブームシリンダ14の下部は、機体2の後部の側部に枢支されている。ブームシリンダ14を伸縮すれば、リフトリンク12及び制御リンク13によってブーム10が上下に揺動する。バケットシリンダ17は、バケット11を揺動する油圧シリンダである。バケットシリンダ17は、バケット11の左部と左のブームとの間を連結すると共に、バケット11の右部と右のブームとの間を連結する。なお、ブーム10の先端(前部)には、バケット11の代わりに、油圧圧砕機,油圧ブレーカ,アングルブルーム,オーガー,パレットフォーク,スイーパー,モア,スノウブロア等の予備アタッチメントが装着可能とされている。
走行装置5A,5Bは、本実施形態では前輪5F及び後輪5Rを有する車輪型の走行装置5A,5Bが採用されている。なお、走行装置5A,5Bとしてクローラ型(セミクローラ型を含む)の走行装置5A,5Bを採用してもよい。
次に、スキッドステアローダ1に設けられた作業系油圧回路(作業系油圧システム)について説明する。
作業系油圧システムは、ブーム10、バケット11、予備アタッチメント等を作動させるシステムであって、図1に示すように、複数の制御弁20と、作業系の油圧ポンプ(第1油圧ポンプ)P1を備えている。また、第1油圧ポンプP1とは異なる第2油圧ポンプP2を備えている。
第1油圧ポンプP1は、原動機7の動力によって作動するポンプであって、定容量型のギヤポンプによって構成されている。第1油圧ポンプP1は、タンク(作動油タンク)15に貯留された作動油を吐出可能である。第2油圧ポンプP2は、原動機7の動力によって作動するポンプであって、定容量型のギヤポンプによって構成されている。第2油圧ポンプP2は、タンク(作動油タンク)15に貯留された作動油を吐出可能である。なお、第2油圧ポンプP2は、油圧システムにおいて、信号用の作動油、制御用の作動油を吐出する。信号用の作動油及び制御用の作動油のことをパイロット油という。
複数の制御弁20は、作業機1に設けられた様々な油圧アクチュエータを制御する弁である。油圧アクチュエータとは、作動油によって作動する装置で、油圧シリンダ、油圧モータ等である。この実施形態では、複数の制御弁20は、第1制御弁20A、第2制御弁20B、第3制御弁20Cである。
第1制御弁20Aは、ブーム10を作動する油圧アクチュエータ(ブームシリンダ)14を制御する弁である。第1制御弁20Aは、直動スプール形4位置切換弁である。第1制御弁20Aは、中立位置20a3、中立位置20a3とは異なる第1位置20a1、中立位置20a3及び第1位置20a1とは異なる第2位置20a2、第3位置20a4に切り換わる。第1制御弁20Aにおいて、中立位置20a3、第1位置20a1、第2位置20a2及び第3位置20a4の切換は、操作部材の操作によりスプールを動かすことによって行う。なお、第1制御弁20Aの切換は、操作部材を手動操作することによってスプールを直接移動させることにより行っているが、スプールを油圧操作(パイロットバルブによる油圧操作、比例弁による油圧操作)で移動させてもよいし、電気操作(ソレノイドを励磁することによる電気操作)で移動させてもよいし、その他の方法で移動させてもよい。説明の便宜上、油圧アクチュエータ(ブームシリンダ)14のことを第1油圧アクチュエータ14ということがある。
第1制御弁20Aと、第1油圧ポンプP1とは吐出油路27により接続されている。第1油圧ポンプP1から吐出した作動油は、吐出油路27を通過して第1制御弁20Aに供給される。また、第1制御弁20Aと、第1油圧アクチュエータ14とは、第1油路21で接続されている。
詳しくは、第1油圧アクチュエータ(ブームシリンダ)14は、筒体14aと、筒体14aに移動自在に設けられたロッド14bと、ロッド14に設けられたピストン14cとを備えている。筒体14aの基端部(ロッド14b側とは反対側)には、作動油を給排する第1ポート14dが設けられている。筒体14aの先端(ロッド14b側)には、作動油を給排する第2ポート14eが設けられている。
第1油路21は、第1制御弁20Aの第1ポート31と第1ポート14dとを接続する第1供給路21aと、第1制御弁20Aの第2ポート32と第2ポート14eとを接続する第2供給路21bとを有している。
したがって、第1制御弁20Aを第1位置20a1にすれば、第1供給路21aからブームシリンダ14の第1ポート14dに作動油を供給することができると共に、ブームシリンダ14の第2ポート14eから第2供給路21bに作動油を排出することができる。これによって、ブームシリンダ14は伸長し、ブーム10は上昇する。第1制御弁20Aを第2位置20a2にすれば、第2供給路21bからブームシリンダ14の第2ポート14eに作動油を供給することができると共に、ブームシリンダ14の第1ポート14dから第1供給路21aに作動油を排出することができる。これによって、ブームシリンダ14は収縮し、ブーム10は下降する。
また、第1制御弁20Aは、ブームシリンダ14をフロート動作させるフロート部40を有している。フロート部40は、第1制御弁20Aのスプールに設けられている。フロート部40は、第1ポート31と第1排出ポート33とを連通する通路40aと、第2ポート32と第2排出ポート34とを連通する通路40bとを含んでいる。第1排出ポート33及び第2排出ポート34は、作動油タンク15に繋がる排出油路24に接続されている。
したがって、第1制御弁20Aを第3位置20a4にすれば、第1ポート31と第1排出ポート33とが連通し、且つ、第2ポート32と第2排出ポート34とが連通する。ブームシリンダ14の筒体14a内の作動油は、第1油路21、第1ポート31、第2ポート32、通路40a、通路40b、第1排出ポート33、第2排出ポート34を通じて排出油路24に排出される。したがって、ブームシリンダ14は、フロート動作を行う。
ブームシリンダ14のフロート動作、即ち、第1制御弁20Aの第3位置20a4の切換は、例えば、運転席8の周囲に設けられたスイッチ50で行うことが可能である。スイッチ50を入れると、第1制御弁20Aが第3位置20a4に切り換わり、フロート動作を開始することができる。
第2制御弁20Bは、バケット11を制御する油圧シリンダ(バケットシリンダ)17を制御する弁である。第2制御弁20Bは、パイロット方式の直動スプール形3位置切換弁である。第2制御弁20Bは、中立位置20b3、中立位置20b3とは異なる第1位置20b1、中立位置20b3及び第1位置20b1とは異なる第2位置20b2に切り換わる。第2制御弁20Bにおいて、中立位置20b3、第1位置20b1及び第2位置20b2の切換は、操作部材の操作によりスプールを動かすことによって行う。なお、第2制御弁20Bの切換は、操作部材を手動操作することによってスプールを直接移動させることにより行っているが、スプールを油圧操作(パイロットバルブによる油圧操作、比例弁による油圧操作)で移動させてもよいし、電気操作(ソレノイドを励磁することによる電気操作)で移動させてもよいし、その他の方法で移動させてもよい。説明の便宜上、油圧アクチュエータ(バケットシリンダ)17のことを第2油圧アクチュエータ17ということがある。
第2制御弁20Bと第1制御弁20Aとは、第1給排油路28a及び第2給排油路28bで接続されている。第1制御弁20Aが中立位置20a3又は第3位置20a4であるときは、第1給排油路28aを介して第2制御弁20Bに作動油が供給される。また、第1制御弁20Aが第1位置20a1又は第2位置20a2であるときは、第2給排油路28bを介して第2制御弁20Bに作動油が供給される。
第2制御弁20Bと、第2油圧アクチュエータ17とは、第2油路22で接続されている。詳しくは、第2油圧アクチュエータ(バケットシリンダ)17は、筒体17aと、筒体17aに移動自在に設けられたロッド17bと、ロッド17に設けられたピストン17cとを備えている。筒体17aの基端部(ロッド17b側とは反対側)には、作動油を給排する第1ポート17dが設けられている。筒体17aの先端(ロッド17b側)には、作動油を給排する第2ポート17eが設けられている。
第2油路22は、第2制御弁20Bの第1ポート35と第2ポート17eとを接続する第1供給路22aと、第2制御弁20Bの第2ポート36と第1ポート17dとを接続する第2供給路22bとを有している。
したがって、第2制御弁20Bを第1位置20b1にすれば、第1供給路22aからバケットシリンダ17の第2ポート17eに作動油を供給することができると共に、バケットシリンダ17の第1ポート17dから第2供給路22bに作動油を排出することができる。これによって、バケットシリンダ17は収縮し、バケット11はスクイ動作する。第1制御弁20Aを第2位置20a2にすれば、第2供給路22bからバケットシリンダ17の第1ポート17dに作動油を供給することができると共に、バケットシリンダ17の第2ポート17eから第1供給路22aに作動油を排出することができる。これによって、バケットシリンダ17は伸長し、ダンプ動作する。
第3制御弁20Cは、予備アタッチメントに装着された油圧アクチュエータ(油圧シリンダ、油圧モータ等)16を制御する弁である。第3制御弁20Cは、パイロット方式の直動スプール形3位置切換弁である。第3制御弁20Cは、中立位置20c3、中立位置20c3とは異なる第1位置20c1、中立位置20c3及び第1位置20c1とは異なる第2位置20c2に切り換わる。第3制御弁20Cにおいて、中立位置20c3、第1位置20c1及び第2位置20c2の切換は、パイロット油の圧力によってスプールを動かすことによって行う。第3制御弁20Cには、給排油路83a、83bを介して接続部材18が接続されている。接続部材18には、予備アタッチメントの油圧アクチュエータ16に接続された油路が接続される。
したがって、第3制御弁20Cを第1位置20c1にすれば、給排油路83aから予備アタッチメントの油圧アクチュエータ16に作動油を供給することができる。第3制御弁20Cを第2位置20c2にすれば、給排油路83bから予備アタッチメントの油圧アクチュエータ16に作動油を供給することができる。このように、給排油路83a又は給排油路83bから油圧アクチュエータ16に作動油を供給することにより、当該油圧アクチュエータ16(予備アタッチメント)を作動させることができる。
さて、油圧システムは、水平制御部41と、制御装置42とを有している。水平制御部41は、第2油圧アクチュエータ(バケットシリンダ)17の水平動作を行う水平制御弁である。水平制御部41は、第1切換部43と、第1制御部44と、第2制御部45とを有している。
第1切換部43は、水平動作を切り換える弁(オン-オフ弁)であって、例えば、第1位置43aと第2位置43bとに切換可能な二位置切換弁である。第1切換部43は、第1油路21(第2供給路21b)の中途部に設けられている。第1切換部43は第1位置43aである場合に、第1油路21(第2供給路21b)において、第1油圧アクチュエータ14から第1制御弁20Aに向けて戻る作動油の流れを許容し、且つ、第1制御弁20Aから第1油圧アクチュエータ14へ向けて流れる作動油の流れを許容する。即ち、第1切換部43は、第1位置43aである場合に第1油路21(第2供給路21b)の中途部を開放する。第1切換部43が第1位置43aである場合は、水平動作は行われない。
また、第1切換部43は第2位置43bである場合に、第1油路21(第2供給路21b)において、第1油圧アクチュエータ14から第1制御弁20Aに向けて戻る作動油(戻り油)の流れを遮断し、且つ、第1制御弁20Aから第1油圧アクチュエータ14へ向けて流れる作動油の流れを許容する。第1切換部43が第2位置43bである場合は、水平動作はオンである。
第1制御部44は、第1位置44aと第2位置44bとに切換可能な二位置切換弁である。第1制御部44と第1切換部43の下流側(第1油圧アクチュエータ14側)と、第1制御部44とは、第1流路46で接続されており、第1流路46の作動油の圧力は、第1制御部44の受圧部44cに作用する。第2制御部45は、第1位置45aと第2位置45bと第3位置45cとに切換可能な三位置切換弁である。第1制御部44と第2制御部45とは、第2流路47で接続されており、第2流路47の作動油の圧力は、第2制御部45の受圧部45dに作用する。なお、第2流路47は、第1油路21(第2供給路21b)であって、第1切換部43の上流側(第1制御弁20A側)に接続されている。また、第2制御部45と第2油路22(第1供給路22a)とは、第3流路48により接続されている。
したがって、第1位置43aである場合(水平動作オフの場合)には、第1制御弁20Aの切換によって、第1油圧アクチュエータ(ブームシリンダ)14を伸縮することができ、第2制御弁20Bの切換によって、第2油圧アクチュエータ(バケットシリンダ)17を伸縮することができる。第2位置43bである場合(水平動作オンの場合)にすると、第1油圧アクチュエータ(ブームシリンダ)14の伸長時、即ち、ブーム10の上昇時における第1油圧アクチュエータ(ブームシリンダ)14からの戻り油(ブーム戻り油という)が、第1切換部43によって遮断される。ブーム戻り油は、第1制御部44の受圧部44cに作用し、且つ、第2制御部45の受圧部45dに作用する。そして、第1制御部44及び第2制御部45の切換によって、ブーム戻り油は、第3流路48を介して第2油路22(第1供給路22a)に作用する。その結果、ブーム戻り油によって、第2油圧アクチュエータ(バケットシリンダ)17はダンプする、即ち、水平動作をする。
制御装置42は、CPU等から構成されていて、水平制御部41に対する水平制御の指令を行う。制御装置42は、少なくともフロート動作時に水平動作を停止する指令を水平制御部41に出力する。具体的には、制御装置42にはスイッチ50が接続され、フロート動作を行うか否かの信号(スイッチ50のオン又はオフ)が入力される。また、制御装置42にはスイッチ51等の操作部材が接続され、水平動作を行うか否かの信号(スイッチ51のオン又はオフ)が入力される。
制御装置42は、スイッチ50がオフである場合(フロート動作が行われていない場合)において、スイッチ51のオン(水平動作の作動指令)が当該制御装置42に入力されると、第1切換部43のソレノイド43cを励磁する。第1切換部43のソレノイド43cが励磁されると、第1切換部43は第2位置43bに切り換わる。制御装置42は、スイッチ50がオフである場合において、スイッチ51のオフ(水平動作の停止指令)が当該制御装置42に入力されると、第1切換部43のソレノイド43cを消磁する。第1切換部43のソレノイド43cが消磁されると、第1切換部43は第1位置43aに切り換わる。
また、制御装置42は、スイッチ50がオンである場合(フロート動作が行われている場合)において、スイッチ51のオン(水平動作の作動指令)が当該制御装置42に入力されると、第1切換部43のソレノイド43cを励磁しない(第1切換部43をオフする)。即ち、制御装置42は、スイッチ50,51によってフロート動作及び水平動作がオンに設定された場合、水平動作を作動させず、水平動作を停止する(第1切換部43のソレノイド43cを励磁する)。言い換えれば、制御装置42は、スイッチ50,51によってフロート動作がオンに設定され、且つ、水平動作がオンに設定された場合、水平動作の実行を禁止する。
例えば、フロート動作が行われている場合で、水平動作を設定するスイッチ51がオフからオンに設定された場合は、制御装置42は、水平動作の開始指令を水平制御部41に行わない。また、水平動作を設定するスイッチ51がオンである状態で水平動作が行われている場合で、フロート動作を設定するスイッチ50がオフからオンに設定された場合は、制御装置42は、水平動作を禁止(停止)する指令を水平制御部41に行う(第1切換部43のソレノイド43cを励磁する)。
以上によれば、スイッチ50によるフロート動作の設定がオフになっている状態では、スイッチ51による水平動作の設定をオンにすることにより、ブーム10を上昇させながらバケット11を水平に保つことができる。即ち、水平動作を適正に行うことができる。また、スイッチ50によるフロート動作の設定がオンで且つ、スイッチ51による水平動作の設定をオンにしたとしても、制御装置42によって第1切換部43を第2位置43bにしない。そのため、ブームシリンダ14からの戻り油を作動油タンク15に排出することができるため、フロート動作を適正に行うことができる。
[第2実施形態]
第2実施形態は、油圧システムの変形例である。図2は、第2実施形態における油圧システムの変形箇所を示している。その他の構成は、第1実施形態と同様である。第2実施形態では、第1実施形態と異なる構造について説明する。
図2に示すように、第2実施形態の第1制御弁20Aは、スプール以外に設けられたフロート部50を有している。第1制御弁20Aは、フロート部50と、パイロット方式の直動スプール形3位置切換弁(切換弁)51とを含んでいる。切換弁51は、第1位置20a1、第2位置20a2、中立位置20a3とに切換可能である。切換弁51は、上述したフロート部40を除き、上述した第1制御弁20Aと同様であるため、符号を付して説明を省略する(上述した第1制御弁20Aの説明を切換弁50に読み替えればよい)。フロート部50は、複数のフロート流路52と、複数の第2切換部53とを有している。
複数のフロート流路52は、第1供給路21aと排出油路24とを接続する第1フロート流路52aと、第2供給路21bと排出油路24とを接続する第2フロート流路52bとを含む。
複数の第2切換部53は、第1フロート流路52aの中途部に接続された第2切換部53aと、第2フロート流路52bの中途部に接続された第2切換部53bとを含む。第2切換部53aは、第1位置53a1と、第2位置53a2とに切換可能な二位置切換弁である。第2切換部53aは、第1位置53a1である場合に、作動油が第1フロート流路52aを通過して、第1供給路21aから排出油路24に作動油が排出することを阻止する。第2切換部53aは、第2位置53a2である場合に、作動油が第1フロート流路52aを通過して、第1供給路21aから排出油路24に作動油が排出することを許容する。即ち、第2切換部53aは、第2位置53a2である場合に開放する。
第2切換部53bは、第1位置53b1と、第2位置53b2とに切換可能な二位置切換弁である。第2切換部53bは、第1位置53b1である場合に、作動油が第2フロート流路52bを通過して、第2供給路21bから排出油路24に作動油が排出することを阻止する。第2切換部53bは、第2位置53b2である場合に、作動油が第2フロート流路52bを通過して、第2供給路21bから排出油路24に作動油が排出することを許容する。即ち、第2切換部53bは、第2位置53b2である場合に開放する。
したがって、第2切換部53aが第2位置53a2で且つ第2切換部53bが第2位置53b2である場合、第1供給路21a及び第2供給路21bの作動油は、第1フロート流路52a及び第2フロート流路52bを通って排出油路24に排出される。そのため、フロート動作はオンになる。また、第2切換部53aが第1位置53a1で且つ第2切換部53bが第1位置53b1である場合、第1供給路21a及び第2供給路21bの作動油は、第1フロート流路52a及び第2フロート流路52bを通って、排出油路24に排出されない。そのため、フロート動作オフになる。
第2切換部53(53a、53b)の切換は、制御装置42で行う。制御装置42は、スイッチ50がオンに設定されると、第2切換部53aのソレノイド53a3及び第2切換部53bのソレノイド53b3を励磁する。制御装置42は、スイッチ50がオフに設定されると、第2切換部53aのソレノイド53a3及び第2切換部53bのソレノイド53b3を消磁する。
したがって、制御装置42は、第2切換部53aのソレノイド53a3及び第2切換部53bのソレノイド53b3を励磁した状態では、第1切換部43のソレノイド43cを消磁する。
以上によれば、スイッチ50によるフロート動作の設定がオンで且つ、スイッチ51による水平動作の設定をオンにしたとしても、制御装置42によって第1切換部43を第2位置43bにしない。そのため、ブームシリンダ14からの戻り油を作動油タンク15に排出することができるため、フロート動作を適正に行うことができる。
上述した実施形態では、複数の第2切換部53で複数のフロート流路52を接続していたが、第2切換部53は1つであってもよい。例えば、複数のフロート流路52を途中で合流して、合流後のフロート流路を1つの第2切換部53で接続してもよい。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。なお、上述した実施形態では、作動油の排出は、作動油タンクにしていたが、その他の場所であってもよい。即ち、作動油を排出するための油路は、作動油タンク以外に接続されていてもよく、例えば、油圧ポンプの吸込部(作動油を吸い込む部分)に接続してもよいし、その他の個所に接続してもよい。
1 作業機
20 制御弁
20A 第1制御弁
20B 第2制御弁
21 第1油路
21a 第1供給路
21b 第2供給路
22 第2油路
22a 第1供給路
22b 第2供給路
24 排出油路
27 吐出油路
28a 第1給排油路
28b 第2給排油路
31 第1ポート
32 第2ポート
35 第1ポート
36 第2ポート
40 フロート部
41 水平制御部
42 制御装置
43 第1切換部
50 フロート部
51 切換弁
52 フロート流路
52a 第1フロート流路
52b 第2フロート流路
53 第2切換部
53a 第2切換部
53b 第2切換部
P1 第1油圧ポンプ
P2 第2油圧ポンプ

Claims (3)

  1. 第1油圧アクチュエータと、
    前記第1油圧アクチュエータとは異なる第2油圧アクチュエータと、
    前記第1油圧アクチュエータのフロート動作を行うフロート部を有し、且つ、前記第1油圧アクチュエータを制御する第1制御弁と、
    前記第2油圧アクチュエータを制御する第2制御弁と、
    前記第1制御弁と前記第1油圧アクチュエータとを接続する第1油路と、
    前記第2制御弁と前記第2油圧アクチュエータとを接続する第2油路と、
    前記第1油路及び第2油路に接続され、且つ、前記第2油圧アクチュエータの水平動作を行う水平制御部と、
    前記フロート動作時に前記水平動作を停止する制御装置と、
    を備え、
    前記第1油圧アクチュエータは、ブームシリンダであり、前記第2油圧アクチュエータは、バケットシリンダであり、
    前記第1油路は、前記ブームシリンダにおいてロッド側と反対側に設けられた第1ポートに接続された第1供給路と、前記ブームシリンダにおいてロッド側に設けられた第2ポートに接続された第2供給路と、を有し、
    前記水平制御部は、前記水平動作のオン又はオフする第1切換部を有し、且つ、前記第1供給路及び第2供給路のうち前記第2供給路に接続され、
    前記第1切換部は、前記第2供給路に接続されている作業機の油圧システム。
  2. 前記フロート部は、当該フロート部のオン又はオフする第2切換部を有し、
    前記制御装置は、前記第2切換部によって前記フロート部をオンした場合は前記第1切換部を切り換えて前記水平動作をオフする請求項1に記載の作業機の油圧システム。
  3. 請求項1又は2に記載の作業機の油圧システムを備えている作業機。
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