JP6983707B2 - 作業機の油圧システム - Google Patents

Description

本発明は、スキッドステアローダ、コンパクトトラックローダ等の作業機の油圧システム及び制御弁に関する。

従来、作業機の油圧システムとして特許文献１が知られている。特許文献１の作業機は、ブームと、バケットと、ブームを作動させるブームシリンダと、バケットを作動させるバケットシリンダと、予備アタッチメントを作動させる予備アクチュエータと、ブームシリンダの伸縮を制御する第１制御弁と、バケットシリンダの伸縮を制御する第２制御弁と、予備アクチュエータを作動させる第３制御弁を備えている。

特開２０１０−２７０５２７号公報

特許文献１の作業機では、第１制御弁のスプールを操作していない場合には、ポンプから吐出した作動油は、第１制御弁の内部を通過して第２制御弁及び第３制御弁に供給することが可能である。一方、第１制御弁のスプールを操作した場合では、ブームシリンダから第１制御弁に戻ってきた作動油（戻り油）を、第２制御弁及び第３制御弁に供給することが可能である。即ち、特許文献１の作業機の油圧回路では、上流側の制御弁（第１制御弁）から戻って来た戻り油を下流側の制御弁（第２制御弁、第３制御弁）に供給するシリーズ回路を採用している。しかしながら、シリーズ回路では、上流側の制御弁の作動時などに、下流側の第２制御弁や第３制御弁等を作動させることが難しくなる場合があった。

本発明は、上記したような従来技術の問題点を解決すべくなされたものであって、シリーズ回路において、複数の制御弁（油圧アクチュエータ）を容易に作動させることができる作業機の油圧システムを提供することを目的とする。

この技術的課題を解決するための本発明の技術的手段は、以下の通りである。
本発明の作業機の油圧システムは、作動油を吐出する油圧ポンプと、第１油圧アクチュエータと、第２油圧アクチュエータと、前記第１油圧アクチュエータを制御する第１制御弁と、前記第１制御弁の下流側に設けられ、且つ、前記第２油圧アクチュエータを制御する第２制御弁と、前記第１制御弁に接続され、前記第１制御弁を通過した作動油を排出可能な排出油路と、前記第１油圧アクチュエータから前記第１制御弁に戻る作動油である戻り油を、前記第２制御弁に供給する第１油路と、前記戻り油を前記排出油路に排出する第２油路と、前記戻り油とは別に前記油圧ポンプ側から前記第１制御弁に供給された作動油である供給油を、前記第１油路に供給する第３油路と、を備え、前記第１制御弁は、前記第１油圧アクチュエータを作動させる第１作動位置と、当該第１作動位置に切り換えられたときとは異なる状態に前記第１油圧アクチュエータを作動させる第２作動位置とに切り換え可能であり、前記第１制御弁が前記第１作動位置に切り換えられると、前記戻り油が前記第１油路により前記第２制御弁に供給され、前記第１制御弁が前記第２作動位置に切り換えられると、前記戻り油が前記第２油路により前記第１制御弁から前記排出油路に排出され、且つ前記供給油が前記第３油路により前記第１油路に供給される。

前記第１油路は、前記第１制御弁と前記第１油圧アクチュエータとを接続し且つ前記戻り油が流れる連通油路と、前記第１制御弁の内部に設けられ且つ前記第１制御弁が前記第１作動位置に切り換えられたときに前記連通油路に連通する第１内部油路と、前記第１制御弁と前記第２制御弁とを接続し、且つ前記第１制御弁が前記第１作動位置に切り換えられたときに前記第１内部油路に連通し、且つ前記第１制御弁が前記第１油圧アクチュエータを作動させない中立位置であるときに前記第１制御弁から前記供給油が供給される外部油路とを有し、前記第２油路は、前記第１制御弁の内部に設けられ且つ前記第１制御弁が前記第２作動位置に切り換えられたときに前記排出油路に連通する油路であり、前記第３油路は、前記第１制御弁の内部に設けられ且つ前記第１制御弁が前記第２作動位置に切り換えられたときに前記外部油路に連通する油路である。

前記第１油路は、前記第１制御弁の内部に設けられ且つ記第１制御弁が前記第２作動位置に切り換えられたときに前記第２油路と前記第３油路とを接続する第２内部油路を有している。
前記作業機の油圧システムは、バケットと、前記バケットとは別にブームに設けられた作業具と、を備え、前記第１油圧アクチュエータは、前記バケットを作動させるバケットシリンダであり、前記第２油圧アクチュエータは、前記作業具を作動させる油圧機器である。
前記作業機の油圧システムは、バケットと、前記バケットとは別にブームに設けられた作業具と、を備え、前記第１油圧アクチュエータは、前記バケットを作動させるバケットシリンダであり、前記第２油圧アクチュエータは、前記作業具を作動させる油圧機器であり、前記第１制御弁の前記第２作動位置は、前記バケットを掬い動作させるべく前記バケットシリンダを作動させる掬い位置であり、前記第１作動位置は、前記バケットをダンプ動作させるべく前記バケットシリンダを作動させるダンプ位置である。

前記作業機の油圧システムは、ブームと、前記ブームに設けられたバケットと、を備え、前記第１油圧アクチュエータは、前記ブームを作動させるブームシリンダであり、前記第２油圧アクチュエータは、前記バケットを作動させるバケットシリンダである。
前記作業機の油圧システムは、ブームと、前記ブームに設けられたバケットと、を備え、前記第１油圧アクチュエータは、前記ブームを作動させるブームシリンダであり、前記第２油圧アクチュエータは、前記バケットを作動させるバケットシリンダであり、前記第１制御弁の前記第１作動位置は、前記ブームを上昇させるべく前記ブームシリンダを作動させる上昇位置であり、前記第２作動位置は、前記ブームを下降させるべく前記ブームシリンダを作動させる下降位置である。

作業機の油圧システムは、作動油を吐出する油圧ポンプと、第１油圧アクチュエータと、第２油圧アクチュエータと、前記第１油圧アクチュエータを制御する第１制御弁と、前記第１制御弁の下流側に設けられ、且つ、前記第２油圧アクチュエータを制御する第２制御弁と、を備え、前記第１制御弁は、前記第１油圧アクチュエータから前記第１制御弁に戻る作動油である戻り油を前記第２制御弁に供給する第１作動位置と、前記第１制御弁を通過した戻り油を排出油路に排出し且つ前記戻り油とは別に前記油圧ポンプ側から前記第１制御弁に供給された作動油である供給油を前記第２制御弁に供給する第２作動位置とに切換可能である。

作業機の油圧システムは、バケットと、前記バケットとは別にブームに設けられた作業具と、を備え、前記第１油圧アクチュエータは、前記バケットを作動させるバケットシリンダであり、前記第２油圧アクチュエータは、前記作業具を作動させる油圧機器であり、
前記第１作動位置は、前記バケットをダンプ動作させるべく前記バケットシリンダを作動させるダンプ位置であり、前記第２作動位置は、前記バケットを掬い動作させるべく前記バケットシリンダを作動させる掬い位置である。

作業機の油圧システムは、ブームと、前記ブームに設けられたバケットと、を備え、前記第１油圧アクチュエータは、前記ブームを作動させるブームシリンダであり、前記第２油圧アクチュエータは、前記バケットを作動させるバケットシリンダであり、前記第１作動位置は、前記ブームを上昇させるべく前記ブームシリンダを作動させる上昇位置であり、
前記第２作動位置は、前記ブームを下降させるべく前記ブームシリンダを作動させる下降位置である。

本発明によれば、シリーズ回路において、複数の制御弁（油圧アクチュエータ）を容易に作動させることができる。

作業機の油圧システム（油圧回路）を示す図である。 作業機の油圧システムの第１変形例における第１制御弁を拡大図である。 作業機の油圧システムの第２変形例を示す図である。 作業機の油圧システムの第３変形例における第１制御弁を拡大図である。 第１制御弁の変形例を示す図である。 作業機として例示するスキッドステアローダの全体図である。

以下、本発明に係る作業機の油圧システムの好適な実施形態について、適宜図面を参照しながら説明する。
まず、作業機から説明する。
図５は、本発明に係る作業機の側面図を示している。図５では、作業機の一例として、スキッドステアローダを示している。但し、本発明に係る作業機はスキッドステローダに限定されず、例えば、コンパクトトラックローダ等の他の種類のローダ作業機であってもよい。また、ローダ作業機以外の作業機であってもよい。

作業機１は、機体（車体）２と、キャビン３と、作業装置４と、走行装置５Ａ、５Ｂとを備えている。
機体２上にはキャビン３が搭載されている。キャビン３内の後部には運転席８が設けられている。本発明の実施形態において、作業機１の運転席８に着座した運転者の前側（図５の左側）を前方、運転者の後側（図５の右側）を後方、運転者の左側（図５の手前側）を左方、運転者の右側（図５の奥側）を右方として説明する。また、前後の方向に直交する方向である水平方向を機体幅方向として説明する。機体２の中央部から右部或いは左部へ向かう方向を機体外方として説明する。言い換えれば、機体外方とは、機体幅方向であって、機体２から離れる方向である。機体外方とは反対の方向を、機体内方として説明する。言い換えれば、機体内方とは、機体幅方向であって、機体２に近づく方向である。

キャビン３は、機体２に搭載されている。作業装置４は、作業を行う装置で、機体２に装備されている。走行装置５Ａは、機体２を走行させる装置であって、機体２の左側に設けられている。走行装置５Ｂは、機体２を走行させる装置であって、機体２の右側に設けられている。機体２内の後部には原動機７が設けられている。原動機７は、ディーゼルエンジン（エンジン）である。なお、原動機７は、エンジンに限定されず、電動モータ等であってもよい。

運転席８の左側には、走行レバー９Ｌが設けられている。運転席８の右側には、走行レバー９Ｒが設けられている。左側の走行レバー９Ｌは、左側の走行装置５Ａを操作するものであり、右側の走行レバー９Ｒは、右側の走行装置５Ｂを操作するものである。
作業装置４は、ブーム１０と、バケット１１と、リフトリンク１２と、制御リンク１３と、ブームシリンダ１４と、バケットシリンダ１７とを有する。ブーム１０は、機体２の側方に設けられている。バケット１１は、ブーム１０の先端（前端）に設けられている。リフトリンク１２及び制御リンク１３は、ブーム１０の基部（後部）を支持する。ブームシリンダ１４は、ブーム１０を上又は下に駆動する。

詳しくは、リフトリンク１２、制御リンク１３及びブームシリンダ１４は、機体２の側方に設けられている。リフトリンク１２の上部は、ブーム１０の基部の上部に枢支されている。リフトリンク１２の下部は、機体２の後部の側部に枢支されている。制御リンク１３は、リフトリンク１２の前方に配置されている。制御リンク１３の一端は、ブーム１０の基部の下部に枢支され、他端が機体２に枢支されている。

ブームシリンダ１４は、ブーム１０を昇降する油圧シリンダである。ブームシリンダ１４の上部は、ブーム１０の基部の前部に枢支されている。ブームシリンダ１４の下部は、機体２の後部の側部に枢支されている。ブームシリンダ１４を伸縮すれば、リフトリンク１２及び制御リンク１３によってブーム１０が上下に揺動する。バケットシリンダ１７は、バケット１１を揺動する油圧シリンダである。バケットシリンダ１７は、バケット１１の左部と左のブームとの間を連結すると共に、バケット１１の右部と右のブームとの間を連結する。なお、ブーム１０の先端（前部）には、バケット１１の代わりに、油圧圧砕機，油圧ブレーカ，アングルブルーム，オーガー，パレットフォーク，スイーパー，モア，スノウブロア等の予備アタッチメントが装着可能とされている。

走行装置５Ａ，５Ｂは、本実施形態では前輪５Ｆ及び後輪５Ｒを有する車輪型の走行装置５Ａ，５Ｂが採用されている。なお、走行装置５Ａ，５Ｂとしてクローラ型（セミクローラ型を含む）の走行装置５Ａ，５Ｂを採用してもよい。
次に、スキッドステアローダ１に設けられた作業系油圧回路（作業系油圧システム）について説明する。

作業系油圧システムは、ブーム１０、バケット１１、予備アタッチメント等を作動させるシステムであって、図１に示すように、複数の制御弁２０と、作業系の油圧ポンプ（第１油圧ポンプ）Ｐ１を備えている。また、第１油圧ポンプＰ１とは異なる第２油圧ポンプＰ２を備えている。
第１油圧ポンプＰ１は、原動機７の動力によって作動するポンプであって、定容量型のギヤポンプによって構成されている。第１油圧ポンプＰ１は、タンク（作動油タンク）１５に貯留された作動油を吐出可能である。第２油圧ポンプＰ２は、原動機７の動力によって作動するポンプであって、定容量型のギヤポンプによって構成されている。第２油圧ポンプＰ２は、タンク（作動油タンク）１５に貯留された作動油を吐出可能である。なお、第２油圧ポンプＰ２は、油圧システムにおいて、信号用の作動油、制御用の作動油を吐出する。信号用の作動油及び制御用の作動油のことをパイロット油という。

複数の制御弁２０は、作業機１に設けられた様々な油圧アクチュエータを制御する弁である。油圧アクチュエータとは、作動油によって作動する装置で、油圧シリンダ、油圧モータ等である。この実施形態では、複数の制御弁２０は、ブーム制御弁２０Ａ、バケット制御弁２０Ｂ、予備制御弁２０Ｃである。
ブーム制御弁２０Ａは、ブーム１０を作動する油圧アクチュエータ（ブームシリンダ）１４を制御する弁である。ブーム制御弁２０Ａは、直動スプール形３位置切換弁である。ブーム制御弁２０Ａは、中立位置２０ａ３、中立位置２０ａ３とは異なる第１位置２０ａ１、中立位置２０ａ３及び第１位置２０ａ１とは異なる第２位置２０ａ２に切り換わる。ブーム制御弁２０Ａにおいて、中立位置２０ａ３、第１位置２０ａ１、第２位置２０ａ２の切換は、操作部材の操作によりスプールを動かすことによって行う。なお、ブーム制御弁２０Ａの切換は、操作部材を手動操作することによってスプールを直接移動させることにより行っているが、スプールを油圧操作（パイロットバルブによる油圧操作、比例弁による油圧操作）で移動させてもよいし、電気操作（ソレノイドを励磁することによる電気操作）で移動させてもよいし、その他の方法で移動させてもよい。

ブーム制御弁２０Ａと、第１油圧ポンプＰ１とは吐出油路２７により接続されている。吐出油路２７であって、ブーム制御弁２０Ａと第１油圧ポンプＰ１との間の区間には、作動油タンク１５に繋がる排出油路２４ａが接続されている。排出油路２４ａの中途部にリリーフ弁（メインリリーフ弁）２５が設けられている。第１油圧ポンプＰ１から吐出した作動油は、吐出油路２７を通過してブーム制御弁２０Ａに供給される。また、ブーム制御弁２０Ａと、ブームシリンダ１４とは、油路２１で接続されている。

詳しくは、ブームシリンダ１４は、筒体１４ａと、筒体１４ａに移動自在に設けられたロッド１４ｂと、ロッド１４ｂに設けられたピストン１４ｃとを備えている。筒体１４ａの基端部（ロッド１４ｂ側とは反対側）には、作動油を給排する第１ポート１４ｄが設けられている。筒体１４ａの先端（ロッド１４ｂ側）には、作動油を給排する第２ポート１４ｅが設けられている。

油路２１は、ブーム制御弁２０Ａの第１ポート３１とブームシリンダ１４の第１ポート１４ｄとを接続する連通油路２１ａと、ブーム制御弁２０Ａの第２ポート３２とブームシリンダ１４の第２ポート１４ｅとを接続する連通油路２１ｂとを有している。
したがって、ブーム制御弁２０Ａを第１位置（上昇位置）２０ａ１にすれば、連通油路２１ａからブームシリンダ１４の第１ポート１４ｄに作動油を供給することができると共に、ブームシリンダ１４の第２ポート１４ｅから連通油路２１ｂに作動油を排出することができる。これによって、ブームシリンダ１４は伸長し、ブーム１０は上昇する。ブーム制御弁２０Ａを第２位置（下降位置）２０ａ２にすれば、連通油路２１ｂからブームシリンダ１４の第２ポート１４ｅに作動油を供給することができると共に、ブームシリンダ１４の第１ポート１４ｄから連通油路２１ａに作動油を排出することができる。これによって、ブームシリンダ１４は収縮し、ブーム１０は下降する。

バケット制御弁２０Ｂは、バケット１１を制御する油圧シリンダ（バケットシリンダ）１７を制御する弁である。バケット制御弁２０Ｂは、パイロット方式の直動スプール形３位置切換弁である。バケット制御弁２０Ｂは、中立位置２０ｂ３、中立位置２０ｂ３とは異なる第１位置２０ｂ１、中立位置２０ｂ３及び第１位置２０ｂ１とは異なる第２位置２０ｂ２に切り換わる。バケット制御弁２０Ｂにおいて、中立位置２０ｂ３、第１位置２０ｂ１及び第２位置２０ｂ２の切換は、操作部材の操作によりスプールを動かすことによって行う。なお、バケット制御弁２０Ｂの切換は、操作部材を手動操作することによってスプールを直接移動させることにより行っているが、スプールを油圧操作（パイロットバルブによる油圧操作、比例弁による油圧操作）で移動させてもよいし、電気操作（ソレノイドを励磁することによる電気操作）で移動させてもよいし、その他の方法で移動させてもよい。

バケット制御弁２０Ｂと、バケットシリンダ１７とは、油路２２で接続されている。詳しくは、バケットシリンダ１７は、筒体１７ａと、筒体１７ａに移動自在に設けられたロッド１７ｂと、ロッド１７ｂに設けられたピストン１７ｃとを備えている。筒体１７ａの基端部（ロッド１７ｂ側とは反対側）には、作動油を給排する第１ポート１７ｄが設けられている。筒体１７ａの先端（ロッド１７ｂ側）には、作動油を給排する第２ポート１７ｅが設けられている。

油路２２は、バケット制御弁２０Ｂの第１ポート３５とバケットシリンダ１７の第２ポート１７ｅとを接続する連通油路２２ａと、バケット制御弁２０Ｂの第２ポート３６とバケットシリンダ１７の第１ポート１７ｄとを接続する連通油路２２ｂとを有している。
したがって、バケット制御弁２０Ｂを第１位置（掬い位置）２０ｂ１にすれば、連通油路２２ａからバケットシリンダ１７の第２ポート１７ｅに作動油を供給することができると共に、バケットシリンダ１７の第１ポート１７ｄから連通油路２２ｂに作動油を排出することができる。これによって、バケットシリンダ１７は収縮し、バケット１１はスクイ動作する。バケット制御弁２０Ｂを第２位置（ダンプ位置）２０ｂ２にすれば、連通油路２２ｂからバケットシリンダ１７の第１ポート１７ｄに作動油を供給することができると共に、バケットシリンダ１７の第２ポート１７ｅから連通油路２２ａに作動油を排出することができる。これによって、バケットシリンダ１７は伸長し、ダンプ動作する。

予備制御弁２０Ｃは、予備アタッチメントに装着された油圧アクチュエータ（油圧シリンダ、油圧モータ等）１６を制御する弁である。予備制御弁２０Ｃは、パイロット方式の直動スプール形３位置切換弁である。予備制御弁２０Ｃは、中立位置２０ｃ３、中立位置２０ｃ３とは異なる第１位置２０ｃ１、中立位置２０ｃ３及び第１位置２０ｃ１とは異なる第２位置２０ｃ２に切り換わる。予備制御弁２０Ｃにおいて、中立位置２０ｃ３、第１位置２０ｃ１及び第２位置２０ｃ２の切換は、パイロット油の圧力によってスプールを動かすことによって行う。予備制御弁２０Ｃには、給排油路８３ａ、８３ｂを介して接続部材１８が接続されている。接続部材１８には、予備アタッチメントの油圧アクチュエータ１６に接続された油路が接続される。

したがって、予備制御弁２０Ｃを第１位置２０ｃ１にすれば、給排油路８３ａから予備アタッチメントの油圧アクチュエータ１６に作動油を供給することができる。予備制御弁２０Ｃを第２位置２０ｃ２にすれば、給排油路８３ｂから予備アタッチメントの油圧アクチュエータ１６に作動油を供給することができる。このように、給排油路８３ａ又は給排油路８３ｂから油圧アクチュエータ１６に作動油を供給することにより、当該油圧アクチュエータ１６（予備アタッチメント）を作動させることができる。

さて、油圧システムにおいては、シリーズ回路（シリーズ油路）が適用されている。シリーズ回路では、油圧アクチュエータから上流側の制御弁に戻った作動油が、下流側の制御弁に供給可能である。例えば、バケット制御弁２０Ｂと、予備制御弁２０Ｃとに着目すると、バケット制御弁２０Ｂが上流側の制御弁であり、予備制御弁２０Ｃが下流側の制御弁である。

以下、上流側の制御弁を「第１制御弁」、下流側の制御弁を「第２制御弁」という。第１制御弁及び第２制御弁以外の制御弁であって第２制御弁の下流側に設けられた制御弁のことを「第３制御弁」という。
また、第１制御弁に対応する油圧アクチュエータのことを「第１油圧アクチュエータ」、第２制御弁に対応する油圧アクチュエータのことを「第２油圧アクチュエータ」、第３制御弁に対応する油圧アクチュエータのことを「第３油圧アクチュエータ」という。第１油圧アクチュエータから第１制御弁に戻る作動油である戻り油を、第２制御弁に供給する油路のことを、「第１油路」という。

この実施形態では、バケット制御弁２０Ｂが「第１制御弁」、予備制御弁２０Ｃが「第２制御弁」、ブーム制御弁２０Ａが「第３制御弁」である。また、バケットシリンダ１７が「第１油圧アクチュエータ」、予備アタッチメントの油圧アクチュエータ１６が「第２油圧アクチュエータ」、ブームシリンダ１４が「第３油圧アクチュエータ」である。
以下、第１制御弁と第２制御弁、第３制御弁について、詳しく説明する。

第３制御弁２０Ａと第１油圧ポンプＰ１の吐出部とは、吐出油路２７により接続されている。吐出油路２７は中途部で分岐している。吐出油路２７の分岐後の油路は、第３制御弁２０Ａの入力ポート４６ｂに接続されている。また、吐出油路２７は、第３制御弁２０Ａの入力ポート４６ｃに接続されている。したがって、第１油圧ポンプＰ１から吐出した作動油は、吐出油路２７、入力ポート４６ｂ及び入力ポート４６ｃを通じて、第３制御弁２０Ａ内に供給することが可能である。第３制御弁２０Ａと第１制御弁２０Ｂとは、中央油路５１により接続されている。中央油路５１は、第３制御弁２０Ａの出力ポート４１ｃと、第１制御弁２０Ｂの入力ポート４２ｃ及び入力ポート４２ｂとを接続している。

さて、第３制御弁２０Ａを中立位置２０ａ３にした場合、入力ポート４６ｃと出力ポート４１ｃとを結ぶ中央油路５３ｃの連通によって、吐出油路２７から第３制御弁２０Ａに供給された作動油である供給油は、当該第３制御弁２０Ａを通過して中央油路５１に供給される。
第３制御弁２０Ａと第１制御弁２０Ｂとは、戻り油路６１により接続されている。戻り油路６１は、第３油圧アクチュエータ１４から第３制御弁２０Ａに戻る戻り油を、第３制御弁２０Ａを通過させて第１制御弁２０Ｂに供給する油路である。

戻り油路６１は、連通油路２１ｂと、連通油路６１ａと、中央油路５１とを有している。連通油路２１ｂは、第３制御弁２０Ａの第２ポート３２と、第３油圧アクチュエータ１４の第２ポート１４ｅとを接続する油路であって、第３油圧アクチュエータ１４の第２ポート１４ｅから排出された戻り油が流れる油路である。
連通油路６１ａは、第３制御弁２０Ａに設けられ且つ連通油路２１ｂに連通する油路である。詳しくは、連通油路６１ａは、第３制御弁２０Ａを第１位置２０ａ１にした場合に、第３制御弁２０Ａの第２ポート３２と第３制御弁２０Ａの出力ポート４１ｃとを接続する油路である。

なお、戻り油路６１は、連通油路６１ｂを含んでいてもよい。連通油路６１ｂは、第３制御弁２０Ａに設けられ且つ連通油路２１ａに連通する油路である。連通油路６１ｂは、第３制御弁２０Ａを第２位置２０ａ２にした場合に、第３制御弁２０Ａの第１ポート３１と第３制御弁２０Ａの出力ポート４１ｃとを接続する油路である。
したがって、第３制御弁２０Ａを第２位置２０ａ２にした場合、即ち、第３油圧アクチュエータ１４であるブームシリンダを伸縮させた場合、第３油圧アクチュエータ１４から排出された戻り油が連通油路２１ｂ、連通油路６１ａ及び中央油路５１を通過して、第１制御弁２０Ｂに供給される。また、第３制御弁２０Ａを第２位置２０ａ２にした場合（ブームシリンダを伸縮させた場合）、第３油圧アクチュエータ１４から排出された戻り油が連通油路２１ａ、連通油路６１ｂ及び中央油路５１を通過して、第１制御弁２０Ｂに供給される。

さて、第１制御弁２０Ｂと第２制御弁２０Ｃとは、中央油路７２により接続されている。中央油路７２は、第１制御弁２０Ｂの出力ポート４３ｃと、第２制御弁２０Ｃの入力ポート４４ｃ及び入力ポート４４ｂとを接続している。したがって、第１制御弁２０Ｂを中立位置２０ｂ３にした場合、第１制御弁２０Ｂに供給された作動油である供給油は、入力ポート４２ｃと出力ポート４３ｃとを結ぶ中央油路７３ｃを通って、出力ポート４３ｃに接続された中央油路７２に供給される。

第１制御弁２０Ｂと第２制御弁２０Ｃとは、第１油路８１により接続されている。第１油路８１は、第１油圧アクチュエータ１７から第１制御弁２０Ｂに戻る戻り油を、第１制御弁２０Ｂを通過させて第２制御弁２０Ｃに供給する油路である。
第１油路８１は、連通油路２２ａと、内部油路８１ａと、外部油路（中央油路）７２と、を有している。連通油路２２ａは、第１制御弁２０Ｂの第１ポート３５と、第１油圧アクチュエータ１７の第２ポート１７ｅとを接続する油路であって、第２ポート１７ｅから排出された戻り油が流れる油路である。

内部油路８１ａは、第１制御弁２０Ｂに設けられ且つ連通油路２２ａに連通する油路である。詳しくは、内部油路８１ａは、第１制御弁２０Ｂを第２位置２０ｂ２にした場合に、第１制御弁２０Ｂの第１ポート３５と第１制御弁２０Ｂの出力ポート４３ｃとを接続する油路である。
外部油路（中央油路）７２は、第１制御弁２０Ｂが第２位置２０ｂ２である場合に内部油路８１ａに連通し、且つ、内部油路８１ａを通過した戻り油を第２制御弁２０Ｃに流す油路である。

以上によれば、第１制御弁２０Ｂを側方位置である第２位置２０ｂ２にした場合、中央油路５１を介して当該第１制御弁２０Ｂに供給された供給された供給油は、連通油路２２ｂを通過して第１油圧アクチュエータ１７の第１ポート１７ｄに入ることになる。第１ポート１７ｄに供給油が供給されると、例えば、第１油圧アクチュエータ１７は伸長する。第１油圧アクチュエータ１７が伸長すると、当該第１油圧アクチュエータ１７の第２ポート１７ｅから排出された戻り油が、連通油路２２ａを通過して内部油路８１ａに流れ、内部油路８１ａの戻り油は、中央油路７２を通って、第２制御弁２０Ｃに向けて流れる。したがって、第１油圧アクチュエータ１７の戻り油を第２制御弁２０Ｃに供給することができる。

なお、作業機の油圧システムは、作動油を作動油タンク１５等に排出可能な排出油路２４ｂを含んでいる。排出油路２４ｂは、油路２４ｂ１と、油路２４ｂ２と、油路２４ｂ３とを含んでいる。油路２４ｂ１は、連通油路２１ｂに接続する油路である。油路２４ｂ１の中途部には逆止弁２３７が設けられている。油路２４ｂ２は、連通油路２１ａに接続する油路である。油路２４ｂ２の中途部にはリリーフ弁３７が設けられている。油路２４ｂ３は、油路２４ｂ１及び油路２４ｂ２の合流部から作動油タンク１５に至る油路である。

また、排出油路２４ｂは、油路２４ｂ４、油路２４ｂ５、油路２４ｂ６を含んでいる。油路２４ｂ４は、連通油路２２ｂに接続する油路である。油路２４ｂ５は、連通油路２２ａに接続する油路である。油路２４ｂ１及び油路２４ｂ５の中途部にはリリーフ弁３８が設けられている。油路２４ｂ６は、給排油路８３ａに接続する油路である。油路２４ｂ６の中途部にはリリーフ弁３９が設けられている。油路２４ｂ４、油路２４ｂ５、油路２４ｂ６は、油路２４ｂ３に連通している。

さて、図１に示すように、排出油路２４ｂは、油路２４ｂ９を含んでいる。油路２４ｂ９は、第１制御弁２０Ｂに接続され且つ当該第１制御弁２０Ｂを通過した作動油を作動油タンク１５等に排出する油路である。油路２４ｂ９は、第１制御弁２０Ｂの出力ポート３４ａに接続されている。油路２４ｂ９は、第１制御弁２０Ｂが第１位置２０ｂ１である場合、第１制御弁２０Ｂを通過した作動油を流す。油路２４ｂ９は、少なくとも油路２４ｂ３に連通している。

作業機の油圧システムは、第２油路５５０と、第３油路５６０とを備えている。第２油路５５０は、第１制御弁２０Ｂを通過した戻り油を排出油路２４ｂに排出する油路である。第２油路５５０は、第１制御弁２０Ｂに設けられ、当該第１制御弁２０Ｂが第１位置２０ｂ１である場合、第２ポート３６と、出力ポート３４ａとを接続する。即ち、第２油路５５０は、第１制御弁２０Ｂが第１位置２０ｂ１である場合、連通油路２２ｂと油路２４ｂ９とを連通させる。

第１制御弁２０Ｂを側方位置である第１位置（第２作動位置）２０ｂ１にした場合、中央油路５１を介して当該第１制御弁２０Ｂに供給された供給された供給油は、連通油路２２ａを通過して第１油圧アクチュエータ１７の第２ポート１７ｅに入ることになる。第２ポート１７ｅに供給油が供給されると、例えば、第１油圧アクチュエータ１７は収縮する。第１油圧アクチュエータ１７が収縮すると、当該第１油圧アクチュエータ１７の第１ポート１７ｄから排出された戻り油が、連通油路２２ｂを通過して第２油路５５０に流れ、第２油路５５０の戻り油は、油路２４ｂ９及び油路２４ｂ３を通って作動油タンク１５等に排出される。

つまり、第１制御弁２０Ｂにおいては、第１位置（第２作動位置）２０ｂ１である場合、戻り油を第１制御弁２０Ｂから第２制御弁２０Ｃに供給する第２位置（第１作動位置）２０ｂ２とは異なり、第１油圧アクチュエータ１７の戻り油を第２制御弁２０Ｃに供給することがなく、作動油タンク１５等に排出する。言い換えれば、第１制御弁２０Ｂは、第１油圧アクチュエータ１７の戻り油を下流側の第２制御弁２０Ｃに供給しない第１位置（第２作動位置）２０ｂ１と、第１油圧アクチュエータ１７の戻り油を下流側の第２制御弁２０Ｃに供給する第２位置（第１作動位置）２０ｂ１とに切り換えることができる。

第３油路５６０は、第１制御弁２０Ｂに供給された戻り油とは別に、第１制御弁２０Ｂに供給された作動油である供給油を、第２制御弁２０Ｃに供給する油路である。言い換えれば、第３油路５６０は、第１制御弁２０Ｂに供給された戻り油とは別に、第１制御弁２０Ｂに供給された作動油である供給油を、第１油路８１の中央油路７２に供給する油路である。第３油路５６０は、第１制御弁２０Ｂに設けられ、当該第１制御弁２０Ｂが第１位置２０ｂ１である場合、入力ポート４２ｃと、出力ポート４３ｃとを接続する。即ち、第３油路５６０は、第１制御弁２０Ｂが第１位置２０ｂ１である場合、中央油路５１と中央油路７２とを連通させる。第３油路５６０には、作動油の流量を減少することが可能な絞り部５６１が設けられている。

例えば、第１制御弁２０Ｂが第１位置２０ａ１する、即ち、バケット１１を掬い動作させたとする。この場合、バケットシリンダである第１油圧アクチュエータ１７から第１制御弁２０Ｂに戻った戻り油は、第２制御弁２０Ｃに供給されない。また、バケット１１を掬い動作させた場合、第３油路５６０によって、中央油路５１と中央油路７２とを連通し、第３制御弁２０Ａ側（第１油圧ポンプＰ１側）から第１制御弁２０Ｂに供給された供給油が、戻り油の代わりに第２制御弁２０Ｃに供給される。

まとめると、第１制御弁２０Ｂは、当該第１制御弁２０Ｂに戻る戻り油を、第２制御弁２０Ｃに戻さずに排出油路２４ｂに排出する一方、第２制御弁２０Ｃへは、戻り油とは別の供給油を第２制御弁２０Ｃに供給することができる。言い換えれば、第１制御弁２０Ｂを通過した戻り油を第２制御弁２０Ｂに供給するようなシリーズ回路において、例えば、バケット１１の掬い動作では、戻り油の代わりに供給油を第１制御弁２０Ｂから第２制御弁２０Ｃに供給することができる。その結果、バケット１１の掬い動作等を行っている場合に、何らかの事情で戻り油が行き場を失うことで第１油圧アクチュエータ１７の動作が遅くなってしまうことを防止すると共に、戻り油の代わりに第２制御弁２０Ｃに供給される供給油により、第２油圧アクチュエータもスムーズに動作させることができる。

図２は、作業機の油圧システムの変形例を示している。第１変形例の作業機の油圧システムは、第１油路の変形例であり、第１油路は、油路５８１である。第１油路（油路）５８１は、第１油圧アクチュエータ１７から第１制御弁２０Ｂに戻る戻り油を、第１制御弁２０Ｂを通過させて第２制御弁２０Ｃに供給する油路である。
第１油路（油路）５８１は、連通油路２２ｂと、内部油路８１ｂと、外部油路（中央油路）７２と、を有している。内部油路８１ｂは、第１制御弁２０Ｂに設けられ且つ連通油路２２ｂに連通する油路である。内部油路８１ｂは、第１制御弁２０Ｂを第１位置２０ｂ１にした場合に、第１制御弁２０Ｂの第２ポート３６と、第３油路５６０とを接続する油路である。言い換えれば、内部油路８１ｂは、第２油路５５０と第３油路５６０とを接続する油路である。内部油路８１ｂには、作動油の流量を減少することが可能な絞り部３５１が設けられている。

これによれば、例えば、第１油圧アクチュエータ１７を収縮する動作、バケット掬い動作をした場合、第１油圧アクチュエータ１７から第１制御弁２０Ｂに戻った戻り油を、第２油路５５０を通過する供給油（第１油圧ポンプＰ１側から第１制御弁２０Ｂに供給された作動油）に加えることができる。つまり、第１変形例では、油路５８１によって、第１油圧アクチュエータ１７から第１制御弁２０Ｂに戻った戻り油の一部を、第２制御弁２０Ｃに供給することができる。

図３は、作業機の油圧システムの変形例を示している。第２変形例の作業機の油圧システムでは、ブーム制御弁２０Ａが「第１制御弁」、バケット制御弁２０Ｂが「第２制御弁」、予備制御弁２０Ｃが「第３制御弁」である。ブームシリンダ１４が「第１油圧アクチュエータ」、バケットシリンダ１７が「第２油圧アクチュエータ」、予備アタッチメントの油圧アクチュエータ１６が「第３油圧アクチュエータ」である。

第２変形例の作業機の油圧システムは、排出油路２４ｂは、油路２４ｂ１０を含んでいる。油路２４ｂ１０は、第１制御弁２０Ａに接続され且つ当該第１制御弁２０Ａを通過した作動油を作動油タンク１５等に排出する油路である。油路２４ｂ１０は、第１制御弁２０Ａの出力ポート３３ａに接続されている。油路２４ｂ１０は、第１制御弁２０Ａが第２位置２０ａ２である場合、第１制御弁２０Ａを通過した作動油を流す。油路２４ｂ１０は、少なくとも油路２４ｂ３に連通している。

第２変形例の作業機の油圧システムにおいて、第１油路は、戻り油路６１であり、第２油路は、油路６５０であり、第３油路は、油路６６０である。
戻り油路（第１油路）６１は、連通油路２１ｂと、内部油路６１ｃと、外部油路（中央油路）５１とを有している。内部油路６１ｃは、第１制御弁２０Ａに設けられ且つ連通油路２１ｂに連通する油路である。詳しくは、内部油路６１ｃは、第１制御弁２０Ａを第１位置２０ａ１にした場合に、第１制御弁２０Ａの第２ポート３２と第１制御弁２０Ａの出力ポート４１ｃとを接続する油路である。したがって、第１制御弁２０Ａを第１位置２０ａ１にした場合、第１油圧アクチュエータ１４から排出された戻り油が連通油路２１ｂ、内部油路６１ｃ及び中央油路５１を通過して、第２制御弁２０Ａに供給される。

油路（第２油路）６５０は、第１制御弁２０Ａを通過した戻り油を排出油路２４ｂに排出する油路である。油路６５０は、第１制御弁２０Ａに設けられ、当該第１制御弁２０Ａが第２位置２０ａ２である場合、第１ポート３１と、出力ポート３３ａとを接続する。即ち、油路６５０は、第１制御弁２０Ａが第２位置２０ａ２である場合、連通油路２１ａと油路２４ｂ１０とを連通させる。

したがって、第１制御弁２０Ａを側方位置である第２位置２０ａ２にした場合、中央油路２７を介して当該第１制御弁２０Ａに供給された供給された供給油は、連通油路２２ｂを通過して第１油圧アクチュエータ１４の第２ポート１４ｅに入ることになる。第２ポート１４ｅに供給油が供給されると、例えば、第１油圧アクチュエータ１４は収縮する。第１油圧アクチュエータ１４が収縮すると、当該第１油圧アクチュエータ１４の第１ポート１４ｄから排出された戻り油が、連通油路２１ａを通過して油路６５０に流れ、油路６５０の戻り油は、油路２４ｂ１０及び油路２４ｂ３を通って作動油タンク１５等に排出される。したがって、第１制御弁２０Ａにおいては、第２位置２０ａ２である場合、第１位置２０ａ１とは異なり、第１油圧アクチュエータ１４の戻り油を第２制御弁２０Ｂに供給することがなく、作動油タンク１５等に排出する。

つまり、第１制御弁２０Ａは、第１位置（第１作動位置）２０ａ１である場合は、当該第１制御弁２０Ａに供給された戻り油を下流側の第２制御弁２０Ｂに供給する一方、第２位置（第２作動位置）２０ａ２である場合は戻り油を下流側の第２制御弁２０Ｂに戻り油を供給しない。
第３油路６６０は、第１制御弁２０Ａに供給された戻り油とは別に、第１制御弁２０Ａに供給された作動油である供給油を、第２制御弁２０Ｂに供給する油路である。油路６６０は、第１制御弁２０Ａに設けられ、当該第１制御弁２０Ａが第２位置２０ａ２である場合、入力ポート４６ｃと、出力ポート４１ｃとを接続する。即ち、油路６６０は、第１制御弁２０Ａが第２位置２０ａ２である場合、吐出油路２７と中央油路５１とを連通させる。油路６６０には、作動油の流量を減少することが可能な絞り部６６５が設けられている。

以上によれば、例えば、ブーム１０を下降させたとする。この場合、ブームシリンダである第１油圧アクチュエータ１４から第１制御弁２０Ａに戻った戻り油は、第２制御弁２０Ｂに供給されない。一方、ブーム１０を下降させた場合、油路６６０によって、吐出油路２７と中央油路５１とを連通し、第１油圧ポンプＰ１側から第１制御弁２０Ａに供給された供給油が、戻り油の代わりに第２制御弁２０Ｂに供給することができる。

まとめると、第１制御弁２０Ａにおいて、当該第１制御弁２０Ａに戻る戻り油を、第２制御弁２０Ｂに戻さずに排出油路２４ｂに排出する一方、第２制御弁２０Ｂへは、戻り油とは別の供給油を第２制御弁２０Ｂに供給することができる。言い換えれば、第１制御弁２０Ａを通過した戻り油を第２制御弁２０Ｂに供給するようなシリーズ回路において、例えば、ブーム１０を下降させた場合では、戻り油の代わりに供給油を第１制御弁２０Ａから第２制御弁２０Ｂに供給することができる。その結果、ブーム１０を下降させている場合に、何らかの事情で戻り油が行き場を失うことで第１油圧アクチュエータ１４の動作が遅くなってしまうことを防止すると共に、戻り油の代わりに第２制御弁２０Ｂに供給される供給油により、第２油圧アクチュエータもスムーズに動作させることができる。

図４Ａは、作業機の油圧システムの変形例を示している。第３変形例の作業機の油圧システムでは、第１油路の変形例であり、第１油路は、油路６６１である。第１油路（油路）６６１は、第１油圧アクチュエータ１４から第１制御弁２０Ａに戻る戻り油を、第１制御弁２０Ａを通過させて第２制御弁２０Ｂに供給する油路である。
第１油路（油路）６６１は、連通油路２１ａと、内部油路６１ｄと、外部油路（中央油路）５１と、を有している。内部油路６１ｄは、第１制御弁２０Ａに設けられ且つ連通油路２１ａに連通する油路である。内部油路６１ｄは、第１制御弁２０Ａを第２位置２０ａ２にした場合に、第１制御弁２０Ａの第１ポート３１と、油路６６０とを接続する油路である。言い換えれば、内部油路６１ｄは、油路６５０と油路６６０とを接続する油路である。なお、図４Ｂに示すように、内部油路６１ｄに作動油の流量を減少することが可能な絞り部６５１を設けてもよいが、図４Ａに示すように、内部油路６１ｄに絞り部を設けなくてもよい。また、図４Ｂに示すように、内部油路６１ｄに絞り部６５１を設けた場合、油路６５０に絞り部６９１を設けることが好ましい。

これによれば、例えば、ブーム１０を下降させた場合、第１油圧アクチュエータ１４から第１制御弁２０Ａに戻った戻り油を、油路６６０を通過する供給油（第１油圧ポンプＰ１側から第１制御弁２０Ａに供給された作動油）に加えることができる。つまり、変形例では、油路６６１によって、第１油圧アクチュエータ１４から第１制御弁２０Ａに戻った戻り油の一部を、第２制御弁２０Ｂに供給することができる。

なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。第１制御弁及び第２制御弁は上述した実施形態に限定されず、作業機に設けられた制御弁であれば何でもよい
上述した実施形態では、作動油の排出は、作動油タンクにしていたが、その他の場所であってもよい。即ち、作動油を排出するための油路は、作動油タンク以外に接続されていてもよく、例えば、油圧ポンプの吸込部（作動油を吸い込む部分）に接続してもよいし、その他の個所に接続してもよい。

上述した実施形態では、制御弁は、３位置切換弁であったが、切換の位置の数は限定されず、２位置切換弁であっても、４位置切換弁であっても、その他の切換弁であってもよい。上述した実施形態では、油圧ポンプは定容量ポンプであったが、例えば、斜板の変更によって吐出量が変化する可変容量ポンプであっても、その他の油圧ポンプであってもよい。

また、第１油圧アクチュエータ、第２油圧アクチュエータ、第３油圧アクチュエータ、第１制御弁、第２制御弁、第３制御弁は、上述した実施形態に限定されず、作業機１に設けられるものであればよい。
なお、上述した実施形態では、内部油路６１ｄ及び油路６６０を制御弁の内部に設けていたが外部に設けてもよい。

１ 作業機
１０ ブーム
１１ バケット
１４ ブームシリンダ
１５ 作動油タンク
１７ バケットシリンダ
２０Ａ ブーム制御弁
２０ａ１ 第１位置
２０ａ２ 第２位置
２０ａ３ 中立位置
２０Ｂ バケット制御弁
２０ｂ１ 第１位置
２０ｂ２ 第２位置
２０ｂ３ 中立位置
２０Ｃ 予備制御弁
２０ｃ１ 第１位置
２０ｃ２ 第２位置
２０ｃ３ 中立位置
８１ 第１油路
８１ａ 内部油路
８１ｂ 内部油路
２３７ 逆止弁
３５１ 絞り部
５５０ 第２油路
５６０ 第３油路
５６１ 絞り部
５８１ 油路
６５０ 油路
６６０ 油路
６６５ 絞り部

Claims (7)

1. 作動油を吐出する油圧ポンプと、
   第１油圧アクチュエータと、
   第２油圧アクチュエータと、
   前記第１油圧アクチュエータを制御する第１制御弁と、
   前記第１制御弁の下流側に設けられ、且つ、前記第２油圧アクチュエータを制御する第２制御弁と、
   前記第１制御弁に接続され、前記第１制御弁を通過した作動油を排出可能な排出油路と、
   前記第１油圧アクチュエータから前記第１制御弁に戻る作動油である戻り油を、前記第２制御弁に供給する第１油路と、
   前記戻り油を前記排出油路に排出する第２油路と、
   前記戻り油とは別に前記油圧ポンプ側から前記第１制御弁に供給された作動油である供給油を、前記第１油路に供給する第３油路と、を備え、
   前記第１制御弁は、前記第１油圧アクチュエータを作動させる第１作動位置と、当該第１作動位置に切り換えられたときとは異なる状態に前記第１油圧アクチュエータを作動させる第２作動位置とに切り換え可能であり、
   前記第１制御弁が前記第１作動位置に切り換えられると、前記戻り油が前記第１油路により前記第２制御弁に供給され、
   前記第１制御弁が前記第２作動位置に切り換えられると、前記戻り油が前記第２油路により前記第１制御弁から前記排出油路に排出され、且つ前記供給油が前記第３油路により前記第１油路に供給される作業機の油圧システム。
2. 前記第１油路は、
   前記第１制御弁と前記第１油圧アクチュエータとを接続し且つ前記戻り油が流れる連通油路と、
   前記第１制御弁の内部に設けられ且つ前記第１制御弁が前記第１作動位置に切り換えられたときに前記連通油路に連通する第１内部油路と、
   前記第１制御弁と前記第２制御弁とを接続し、且つ前記第１制御弁が前記第１作動位置に切り換えられたときに前記第１内部油路に連通し、且つ前記第１制御弁が前記第１油圧
   アクチュエータを作動させない中立位置であるときに前記第１制御弁から前記供給油が供給される外部油路とを有し、
   前記第２油路は、前記第１制御弁の内部に設けられ且つ前記第１制御弁が前記第２作動位置に切り換えられたときに前記排出油路に連通する油路であり、
   前記第３油路は、前記第１制御弁の内部に設けられ且つ前記第１制御弁が前記第２作動位置に切り換えられたときに前記外部油路に連通する油路である請求項１に記載の作業機の油圧システム。
3. 前記第１油路は、前記第１制御弁の内部に設けられ且つ前記第１制御弁が前記第２作動位置に切り換えられたときに前記第２油路と前記第３油路とを接続する第２内部油路を有している請求項２に記載の作業機の油圧システム。
4. バケットと、
   前記バケットとは別にブームに設けられた作業具と、を備え、
   前記第１油圧アクチュエータは、前記バケットを作動させるバケットシリンダであり、前記第２油圧アクチュエータは、前記作業具を作動させる油圧機器である請求項１〜３のいずれかに記載の作業機の油圧システム。
5. バケット、
   前記バケットとは別にブームに設けられた作業具と、を備え、
   前記第１油圧アクチュエータは、前記バケットを作動させるバケットシリンダであり、前記第２油圧アクチュエータは、前記作業具を作動させる油圧機器であり、
   前記第１制御弁の前記第２作動位置は、前記バケットを掬い動作させるべく前記バケットシリンダを作動させる掬い位置であり、前記第１作動位置は、前記バケットをダンプ動作させるべく前記バケットシリンダを作動させるダンプ位置である請求項１〜３のいずれかに記載の作業機の油圧システム。
6. ブームと、
   前記ブームに設けられたバケットと、
   を備え、
   前記第１油圧アクチュエータは、前記ブームを作動させるブームシリンダであり、
   前記第２油圧アクチュエータは、前記バケットを作動させるバケットシリンダである請求項１〜３のいずれかに記載の作業機の油圧システム。
7. ブームと、
   前記ブームに設けられたバケットと、
   を備え、
   前記第１油圧アクチュエータは、前記ブームを作動させるブームシリンダであり、
   前記第２油圧アクチュエータは、前記バケットを作動させるバケットシリンダであり、
   前記第１制御弁の前記第１作動位置は、前記ブームを上昇させるべく前記ブームシリンダを作動させる上昇位置であり、前記第２作動位置は、前記ブームを下降させるべく前記ブームシリンダを作動させる下降位置である請求項１〜３のいずれかに記載の作業機の油圧システム。

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