JP2004255652A - 記録ヘッド冷却装置、その冷却方法及び記録装置 - Google Patents
記録ヘッド冷却装置、その冷却方法及び記録装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004255652A JP2004255652A JP2003047505A JP2003047505A JP2004255652A JP 2004255652 A JP2004255652 A JP 2004255652A JP 2003047505 A JP2003047505 A JP 2003047505A JP 2003047505 A JP2003047505 A JP 2003047505A JP 2004255652 A JP2004255652 A JP 2004255652A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- radiator
- cooling fan
- recording head
- recording
- cooling
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Impact Printers (AREA)
Abstract
【課題】異常に高温になった部分を効率よく冷却することができる記録ヘッド冷却装置、その冷却方法及び記録装置を提供する。
【解決手段】記録ヘッド18が搭載されるキャリッジ或いは記録ヘッド18の放熱器61のいずれかに取り付けられた冷却ファン62と、この冷却ファン62の放熱器61に向かう風向を変化させる手段とを備えた。
【選択図】 図4
【解決手段】記録ヘッド18が搭載されるキャリッジ或いは記録ヘッド18の放熱器61のいずれかに取り付けられた冷却ファン62と、この冷却ファン62の放熱器61に向かう風向を変化させる手段とを備えた。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷却ファンを備えた記録ヘッド冷却装置、その冷却方法及び記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、記録ヘッドとプラテンとの間に搬送されたシートに、記録ヘッドの記録ワイヤを、インクリボンを介して打ち付けて、当該シートに画像を記録する、例えば、ドットインパクトプリンタなどの記録装置が知られている。
【0003】
この種のものでは、ドットインパクト時に、記録ヘッドの記録ワイヤのコイルに通電されて、励磁熱が発生する。これを放熱するため、放熱器が設置されているが、高スピード、高コピー能力を要求されるプリンタでは、発熱量が多すぎて十分に放熱できない場合が生じる。
【0004】
これを解消するため、従来、放熱器回りに固定された冷却ファンによって、当該放熱器に冷却風を吹き付けて、記録ヘッドを冷却する冷却装置が提案されている(例えば、引用文献1)。
【0005】
【特許文献1】
特開平5−246116号公報(第2頁、第1図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の構成では、冷却ファンが固定であるため、的確な冷却効果が得られないという問題があった。
【0007】
記録ヘッドの記録ワイヤは複数本配置されており、記録内容によっては記録ワイヤが片寄って使用され、その結果、発熱部分も片寄って一部が異常に高温になることが考えられる。この場合、冷却ファンが固定では、放熱器が、まんべんなく冷却されたにせよ、異常に高温になった部分を効率よく冷却することができないという問題があった。
【0008】
そこで、本発明の目的は、上述した従来の技術が有する課題を解消し、異常に高温になった部分を効率よく冷却することができる記録ヘッド冷却装置、その冷却方法及び記録装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、記録ヘッドが搭載されるキャリッジ或いは記録ヘッドの放熱器のいずれかに取り付けられた冷却ファンと、この冷却ファンの前記放熱器に向かう風向を変化させる手段とを備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のものにおいて、前記手段は、前記冷却ファンの前記放熱器に対する位置を変化させることを特徴とする。
【0011】
請求項3記載の発明は、請求項1記載のものにおいて、前記手段は、前記冷却ファンの前記放熱器に対する角度を変化させることを特徴とする。
【0012】
請求項4記載の発明は、請求項1記載のものにおいて、前記手段は、前記冷却ファンの吹出口に設けられて風向を変化させることを特徴とする。
【0013】
請求項5記載の発明は、請求項1乃至4のいずれか一項記載のものにおいて、前記手段は、前記放熱器の片寄った温度上昇の程度に応じて前記放熱器に向かう風向を変化させることを特徴とする。
【0014】
請求項6記載の発明は、記録ヘッドが搭載されるキャリッジ或いは記録ヘッドの放熱器のいずれかに取り付けられた冷却ファンを備え、前記放熱器の片寄った温度上昇の程度に応じて、この冷却ファンの前記放熱器に向かう風向を変化させることを特徴とする。
【0015】
請求項7記載の発明は、請求項6記載のものにおいて、前記冷却ファンの前記放熱器に対する位置を変化させることを特徴とする。
【0016】
請求項8記載の発明は、請求項6記載のものにおいて、前記冷却ファンの前記放熱器に対する角度を変化させることを特徴とする。
【0017】
請求項9記載の発明は、請求項6記載のものにおいて、前記冷却ファンの吹出口に設けたルーバにより風向を変化させることを特徴とする。
【0018】
請求項10記載の発明は、記録ヘッドとプラテンとの間に搬送されたシートに、記録ヘッドの記録ワイヤを、インクリボンを介して打ち付けて、当該シートに画像を記録する記録装置において、記録ヘッドが搭載されるキャリッジ或いは記録ヘッドの放熱器のいずれかに取り付けられた冷却ファンと、この冷却ファンの前記放熱器に向かう風向を変化させる手段とを備えたことを特徴とする。
【0019】
請求項11記載の発明は、請求項10記載のものにおいて、前記手段は、前記冷却ファンの前記放熱器に対する位置を変化させることを特徴とする。
【0020】
請求項12記載の発明は、請求項10記載のものにおいて、前記手段は、前記冷却ファンの前記放熱器に対する角度を変化させることを特徴とする。
【0021】
請求項13記載の発明は、請求項12記載のものにおいて、前記手段は、前記冷却ファンの吹出口に設けられて風向を変化させることを特徴とする。
【0022】
請求項14記載の発明は、請求項10乃至13のいずれか一項記載のものにおいて、前記手段は、前記放熱器の片寄った温度上昇の程度に応じて前記放熱器に向かう風向を変化させることを特徴とする。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。本発明の理解を容易とするために、一般的な記録装置について説明し、次いで、本発明にかかるリボン送りユニットについて詳述する。また、記録装置としては、オンキャリッジタイプの一般的なドットインパクトプリンタを例示する。
【0024】
図1は、ドットインパクトプリンタのプリンタ本体を示す斜視図であり、図2は、図1のプリンタ本体を示す側断面図である。これらの図に示すように、ドットインパクトプリンタ10は、記録ヘッドが備える多数の記録ワイヤを、インクリボン(共に図示せず)を介して記録用紙に押し付け、この記録用紙上にドットを形成することにより、文字を含む画像を印刷するものである。
【0025】
ドットインパクトプリンタ10は、記録装置本体としてのプリンタ本体11と、プリンタ本体11に装着されたプッシュトラクタユニット12と、プリンタ本体11の上方、下方の夫々を覆うアッパケース(不図示)及びロアケース(不図示)と、プリンタ本体11の前方側に設置されてカットシートKを案内するシート供給ガイド43とを有している。このドットインパクトプリンタ10にて用いられ得る記録用紙には、所定の長さに切断されたカットシートKと、複数枚が連接された連続シートとがある。また、カットシートKとしては、例えば単票紙、複写紙、OHP(オーバヘッドプロジェクタ)シートまたはカットフィルムなどがある。
【0026】
プリンタ本体11は、本体フレームとしてのベースフレーム14、リアフレーム15、記録機構部としての記録ヘッド18及びキャリッジ19と、シート搬送機構部としてのプラテン20、シート案内25、第1搬送ローラ21、第2搬送ローラ22、第3搬送ローラ23及び第4搬送ローラ24を備えている。また、ベースフレーム14およびリアフレーム15の左端部には左サイドフレーム16が立設固定され、右端部には右サイドフレーム17が立設固定されている。左サイドフレーム16と右サイドフレーム17との間には、ロアキャリッジ軸26とアッパキャリッジ軸27との各々が所定距離だけ離れて架け渡されて回動可能に枢支されており、また、プラテン20が架け渡されて回転自在に配設される共に、シート案内25が固定配設されている。
【0027】
図2に示すように、プッシュトラクタユニット12は、連続シート(例えば連続紙)をシート搬送機構部へ供給するものであり、左右一対のトラクタ28を有している。これらのトラクタ28は、トラクタ駆動軸29に回転一体かつ軸方向摺動自在に軸支されたトラクタ駆動プーリ(不図示)と、トラクタガイド軸30に回転自在かつ軸方向に摺動自在に軸支されたトラクタ従動プーリ(不図示)と、トラクタ駆動プーリとトラクタ従動プーリとに巻き掛けられるトラクタベルト31と、シート押さえ蓋32とを備えている。
【0028】
一対のトラクタ28間の距離は、搬送すべき連続シート(連続紙)の幅寸法に応じて調整される。また、トラクタベルト31の全外周には、複数本のピン33が突設されており、これらのピン33が、連続シートの幅方向両側に穿設された穴(不図示)に係合するようになっている。
【0029】
シート搬送機構部にあっては、プラテン20に対して、第1搬送ローラ21及び第2搬送ローラ22がプリンタ本体11の前方側に、第3搬送ローラ23及び第4搬送ローラ24がプリンタ本体11の後方側に各々配置されている。さらに、第1搬送ローラ21と第2搬送ローラ22とが、また、第3搬送ローラ23と第4搬送ローラ24とが、各々上下方向に配置されて対をなしている。
【0030】
このうち、第1搬送ローラ21及び第3搬送ローラ23は、プラテン20と共にシート案内25の下方に配置され、第2搬送ローラ22及び第4搬送ローラ24がシート案内25の上方に配置されている。
【0031】
プラテン20、第1搬送ローラ21及び第3搬送ローラ23の上部は、シート案内25の上方に突出した状態となっている。また、シート案内25におけるプリンタ本体11の前方側には、シート案内25との間でシートを保持するシート保持プレート37が設けられている。プラテン20、第1搬送ローラ21、第2搬送ローラ22、第3搬送ローラ23及び第4搬送ローラ24は、駆動輪列部34により、図2の時計方向(CW)または反時計方向(CCW)に回転駆動される。また、上述したトラクタベルト31も同様に、駆動輪列部34により時計方向または反時計方向に駆動される。
【0032】
この駆動輪列部34は、左サイドフレーム16または右サイドフレーム17のいずれか一方(図示例では、右サイドフレーム17)に設置されるものであり、正転または逆転可能なシート供給モータ35の駆動軸に固定されたモータピニオン36を備えている。このモータピニオン36からの駆動力が巻掛け伝動機構や歯車機構を介してプラテン20、第1搬送ローラ21、第2搬送ローラ22、第3搬送ローラ23、第4搬送ローラ24及びプッシュトラクタユニット12へ伝達される構成となっている。
【0033】
カットシートKは、プリンタ本体11の前方側から手動供給された後、プラテン20および第1搬送ローラ21の時計方向(CW)の回転と、第2搬送ローラ22の反時計方向(CCW)の回転と、第3搬送ローラ23の時計方向(CW)の回転と、第4搬送ローラ24の反時計方向(CCW)の回転とにより、プリンタ本体11の前方から後方へ向かって矢印A方向に搬送され、また、プラテン20および第1搬送ローラ21の反時計方向(CCW)の回転と、第2搬送ローラ22の時計方向(CW)の回転と、第3搬送ローラ23の反時計方向(CCW)の回転と、第4搬送ローラ24の時計方向(CW)の回転とにより、プリンタ本体11の後方から前方へ向かって矢印B方向に搬送される。他方、記録用紙として連続紙などの連続シートが用いられる場合、この連続シートは、プッシュトラクタユニット12によりプリンタ本体11の後方側から矢印B方向に供給された後、プラテン20、第1搬送ローラ21、第2搬送ローラ22、第3搬送ローラ23及び第4搬送ローラ24により同方向(矢印B方向)に搬送される。これにより、カットシートK及び連続シートは、キャリッジ19の主走査方向(後述)に直交する副走査方向に搬送される。
【0034】
上述したキャリッジ19は、ロアキャリッジ軸26及びアッパキャリッジ軸27に摺動自在に挿通されると共に、記録ヘッド18が搭載されている。ロアキャリッジ軸26及びアッパキャリッジ軸27は、プラテン20と平行に配置されており、これにより、キャリッジ19は、これらプラテン20、ロアキャリッジ軸26及びアッパキャリッジ軸27と軸方向と一致する主走査方向に走行(走査)するようになっている。
【0035】
また、キャリッジ19は、キャリッジ駆動モータ38の正転または逆転により往復移動されるタイミングベルト39に結合されている。従って、キャリッジ19は、キャリッジ駆動モータ38の正転または逆転により、タイミングベルト39を介し、ロアキャリッジ軸26及びアッパキャリッジ軸27に案内されて、主走査方向における図1の左向き、または、右向きに走行する。ここで、キャリッジ駆動モータ38は、シート供給モータ35とともに例えばステッピングモータにて構成されている。
【0036】
キャリッジ19には、リボンカートリッジ装着部40が設けられ、このリボンカートリッジ装着部40に、インクリボン50を収納したリボンカートリッジ51が装着される。さらに、キャリッジ19には、プラテン20の前方周面に接して搬送される記録用紙(カットシートKまたは連続シート)からインクリボン50を保護するリボンマスクホルダ41が設置されている。
【0037】
また、インクリボン50は、リボンカートリッジ装着部40に設置されたリボン駆動軸(不図示)により、記録ヘッド18に設けられた記録ワイヤの突出方向前方を移動可能に設けられている。一方、記録ヘッド18は、キャリッジ19と共に主走査方向に走行する間、記録ワイヤを突出させてインクリボン50に打ち当て、このインクリボン50のインクをプラテン20の上方周面に接する記録用紙(カットシートK又は連続シート)に付着させて、この記録用紙に文字を含む画像を記録する。
【0038】
記録ヘッド18による記録動作は、キャリッジ19が主走査方向左向き又は右向きに走行する間、記録ヘッド18の記録ワイヤにより一行文の記録がなされ、この一行文の記録がなされる度に、記録用紙がカットシートKの場合には、シート搬送機構部(プラテン20、第1搬送ローラ21、第2搬送ローラ22、第3搬送ローラ23及び第4搬送ローラ24)が、また、記録用紙が連続シートの場合には、このシート搬送機構部及びプッシュトラクタユニット12が、夫々記録用紙を所定長(通常、行間分)搬送させるといった動作が繰り返されることにより行われる。
【0039】
以上が、一般的なドットインパクトプリンタ10の構成である。本実施形態では、このドットインパクトプリンタ10のうち、キャリッジ19に搭載された記録ヘッド18の冷却装置に主に特徴を有している。この記録ヘッド18の冷却装置について以下に詳述する。
【0040】
図3は、本発明の実施形態にかかる記録ヘッド18の冷却装置の構成を概略的に示す図である。60は冷却装置を示し、この冷却装置60は、記録ヘッド18の外周に配置された放熱器61に取り付けられている。この放熱器61は、例えば、アルミニウム押出型材で一体形成されており、可能な限り放熱面積を確保するように構成されている。18Dは記録ヘッド18のノーズである。
【0041】
この冷却装置60は、冷却ファン62と、これを支持する一対のアーム63,64とを備え、各アーム63,64の基端63A,64Aは、ピン65を介して、放熱器61の側面にそれぞれ揺動自在に支持されている。一方のアーム63の基端63Aの外面には、リング状のギア66が固定され、このギア66には、傘歯の歯車67が噛み合い、この歯車67は、駆動モータ68のモータ軸68Aに固定されている。この冷却ファン62は、図示を省略したファンモータ、羽根車等を内蔵し、当該羽根車により送風される冷却風の吹出口が、図中、冷却ファン62の下面に形成されている。
【0042】
そして、この冷却ファン62は、駆動モータ68を駆動させることにより、一対のアーム63,64、歯車67並びにギア66(これらが手段を構成する。)を介して、矢印A方向に揺動自在であり、これが揺動された場合、冷却ファン62の下面に形成された冷却風の吹出口の向き、即ち、冷却ファン62の放熱器61に向かう風向が変更される。
【0043】
図4は、本実施形態による冷却方式を示す図である。記録ヘッド18の記録ワイヤ18Aは複数本配置されており、この記録ワイヤ18Aに対応した数だけ、記録ヘッド18のフレームコアにはコイル18Bが巻かれている。ところで、プリンタによる記録内容によっては、一部の記録ワイヤ18Aが片寄って使用され、その結果、発熱部分となるコイル18B周辺も片寄って一部が異常に高温になることが考えられる。
【0044】
本実施形態では、記録ヘッド18のフレーム18Cの周辺に一対のサーミスタ71,72が配置され、サーミスタ71,72で検知される温度に応じて、冷却ファン62の放熱器61に向かう風向が変更される。
【0045】
具体的には、サーミスタ71の検出温度Taが、サーミスタ72の検出温度Tbよりも大きい場合、冷却ファン62が、図3に示す手段によって矢印P方向に揺動し、冷却ファン62の放熱器61に対する角度が変化し、最も高温Taとなる部分が効果的に冷却される。また、サーミスタ71の検出温度Taが、サーミスタ72の検出温度Tbよりも小さい場合、冷却ファン62が、上記手段によって矢印Q方向に揺動し、冷却ファン62の放熱器61に対する角度が変化し、最も高温Tbとなる部分が効果的に冷却される。
【0046】
上記構成では、発熱が最大となるポイントに、冷却ファン62の送風を供給できるため、効果的な冷却がおこなえると共に、発熱源となるコイル18Bの最高温度を、従来の構成時よりも低く抑えることができ、これにより、コイル焼損の危険度を低減することができる。
【0047】
また、この種のプリンタでは、コイル焼損を回避するため、ヘッドホット時には、周波数をダウンさせたり、非印字時間を拡大させたりしていたが、上記構成では、この制御への突入頻度を下げることができ、その分だけスループットを向上させることができる。
【0048】
なお、サーミスタを2個以上配置し、放熱器61における温度分布を細かく監視し、この監視温度に応じて、冷却ファン62の放熱器61に対する角度を細かく変化させることは可能である。
【0049】
図5は、別の実施形態を示す。
【0050】
上記実施形態では、冷却ファン62の放熱器61に対する角度を変化させたが、本実施形態では、冷却ファン62の放熱器61に対する位置を変化させる。図5において、この冷却装置70は、駆動モータ72のモータ軸72Aに固定された駆動プーリ73と、これと対をなす従動プーリ74と、各プーリ73,74間に掛け渡された無端駆動ベルト75とを備え、この駆動ベルト75に止め具76を介して冷却ファン62を連結して構成されている。この冷却ファン62のケースには横長の溝78が形成され、この溝78には、ガイド板79の折り曲げた上辺79Aが嵌まり合い、この上辺79Aが溝78に案内されて、冷却ファン62が矢印B方向に往復動自在に構成される。
【0051】
この冷却ファン62は、上記構成と同様に、図示を省略したファンモータ、羽根車等を内蔵し、当該羽根車により送風される冷却風の吹出口が、図中、冷却ファン62の下面に形成される。
【0052】
この構成においても、図4の説明時に使用した、例えば一対のサーミスタ71,72等が使用される。そして、サーミスタ71,72で検知される温度に応じて、高温部を効果的に冷却すべく、冷却ファン62がベルト駆動によって、放熱器61の上面と略平行方向に往復移動される。
【0053】
本構成においても、発熱が最大となるポイントに、冷却ファン62の送風を供給できるため、効果的な冷却がおこなえると共に、発熱源となるコイル18Bの最高温度を、従来の構成時よりも低く抑えることができ、これにより、コイル焼損の危険度を低減することができる。
【0054】
図6は、更に別の実施形態を示す。
【0055】
本実施形態では、冷却ファン62の吹出口に複数の風向変更羽根81を配置し、複数の風向変更羽根81の揺動角度を変化させ、放熱器61に向かう風向を変化させる。この場合、冷却ファン62は取り付けステー80を介して放熱器61に固定される。各風向変更羽根81の基端81Aは、ピン82を介して、冷却ファン62の固定部に支持されると共に、ピン83を介して、スライドバー84に支持される。このスライドバー84は横方向に延出し、この延出端の上面にはラック溝85が形成され、このラック溝85にはピニオンギア86が噛み合い、このピニオンギア86は駆動モータ87のモータ軸に固定される。
【0056】
この機構では、モータ87が正逆回転すると、スライドバー84が矢印C方向に往動或いは復動する。これに応じて、2つのピンで支持された各風向変更羽根81が、基端側を中心にして先端側を矢印D方向に揺動させ、これにより、放熱器61に向かう風向を変化させる。
【0057】
この構成においても、図4の説明時に使用した、例えば一対のサーミスタ71,72等が使用される。そして、サーミスタ71,72で検知される温度に応じて、高温部を効果的に冷却すべく、各風向変更羽根81の角度が任意の角度に変更される。本構成においても、発熱が最大となるポイントに、冷却ファン62の送風を供給できるため、効果的な冷却がおこなえると共に、発熱源となるコイル18Bの最高温度を、従来の構成時よりも低く抑えることができ、コイル焼損の危険度を低減することができる。
【0058】
なお、本実施形態は、あくまでも例示であり、本発明の範囲内で任意に変形可能である。例えば、本実施形態では、冷却ファン62を放熱器61に取り付けていたが、これに限定されるものではなく、冷却ファン62をキャリッジ19に取り付けたものであってもよい。
【0059】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、記録ヘッドにおける異常に高温になった部分を効率よく冷却することができ、例えば、発熱源となるコイルの最高温度を、従来の構成時よりも低く抑えることができ、コイル焼損の危険度を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ドットインパクトプリンタの構成を示す斜視図である。
【図2】ドットインパクトプリンタの構成を示す側断面図である。
【図3】本発明の一実施形態にかかる冷却装置の構成を概略的に示す図である。
【図4】記録ヘッドの冷却方式を示す図である。
【図5】別の実施形態を示す図である。
【図6】更に別の実施形態を示す図である。
【符号の説明】
10 ドットインパクトプリンタ
18 記録ヘッド
18A 記録ワイヤ
18B コイル
18C フレーム
18D ノーズ
19 キャリッジ
20 プラテン
60 冷却装置
61 放熱器
62 冷却ファン
71,72 サーミスタ
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷却ファンを備えた記録ヘッド冷却装置、その冷却方法及び記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、記録ヘッドとプラテンとの間に搬送されたシートに、記録ヘッドの記録ワイヤを、インクリボンを介して打ち付けて、当該シートに画像を記録する、例えば、ドットインパクトプリンタなどの記録装置が知られている。
【0003】
この種のものでは、ドットインパクト時に、記録ヘッドの記録ワイヤのコイルに通電されて、励磁熱が発生する。これを放熱するため、放熱器が設置されているが、高スピード、高コピー能力を要求されるプリンタでは、発熱量が多すぎて十分に放熱できない場合が生じる。
【0004】
これを解消するため、従来、放熱器回りに固定された冷却ファンによって、当該放熱器に冷却風を吹き付けて、記録ヘッドを冷却する冷却装置が提案されている(例えば、引用文献1)。
【0005】
【特許文献1】
特開平5−246116号公報(第2頁、第1図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の構成では、冷却ファンが固定であるため、的確な冷却効果が得られないという問題があった。
【0007】
記録ヘッドの記録ワイヤは複数本配置されており、記録内容によっては記録ワイヤが片寄って使用され、その結果、発熱部分も片寄って一部が異常に高温になることが考えられる。この場合、冷却ファンが固定では、放熱器が、まんべんなく冷却されたにせよ、異常に高温になった部分を効率よく冷却することができないという問題があった。
【0008】
そこで、本発明の目的は、上述した従来の技術が有する課題を解消し、異常に高温になった部分を効率よく冷却することができる記録ヘッド冷却装置、その冷却方法及び記録装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、記録ヘッドが搭載されるキャリッジ或いは記録ヘッドの放熱器のいずれかに取り付けられた冷却ファンと、この冷却ファンの前記放熱器に向かう風向を変化させる手段とを備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のものにおいて、前記手段は、前記冷却ファンの前記放熱器に対する位置を変化させることを特徴とする。
【0011】
請求項3記載の発明は、請求項1記載のものにおいて、前記手段は、前記冷却ファンの前記放熱器に対する角度を変化させることを特徴とする。
【0012】
請求項4記載の発明は、請求項1記載のものにおいて、前記手段は、前記冷却ファンの吹出口に設けられて風向を変化させることを特徴とする。
【0013】
請求項5記載の発明は、請求項1乃至4のいずれか一項記載のものにおいて、前記手段は、前記放熱器の片寄った温度上昇の程度に応じて前記放熱器に向かう風向を変化させることを特徴とする。
【0014】
請求項6記載の発明は、記録ヘッドが搭載されるキャリッジ或いは記録ヘッドの放熱器のいずれかに取り付けられた冷却ファンを備え、前記放熱器の片寄った温度上昇の程度に応じて、この冷却ファンの前記放熱器に向かう風向を変化させることを特徴とする。
【0015】
請求項7記載の発明は、請求項6記載のものにおいて、前記冷却ファンの前記放熱器に対する位置を変化させることを特徴とする。
【0016】
請求項8記載の発明は、請求項6記載のものにおいて、前記冷却ファンの前記放熱器に対する角度を変化させることを特徴とする。
【0017】
請求項9記載の発明は、請求項6記載のものにおいて、前記冷却ファンの吹出口に設けたルーバにより風向を変化させることを特徴とする。
【0018】
請求項10記載の発明は、記録ヘッドとプラテンとの間に搬送されたシートに、記録ヘッドの記録ワイヤを、インクリボンを介して打ち付けて、当該シートに画像を記録する記録装置において、記録ヘッドが搭載されるキャリッジ或いは記録ヘッドの放熱器のいずれかに取り付けられた冷却ファンと、この冷却ファンの前記放熱器に向かう風向を変化させる手段とを備えたことを特徴とする。
【0019】
請求項11記載の発明は、請求項10記載のものにおいて、前記手段は、前記冷却ファンの前記放熱器に対する位置を変化させることを特徴とする。
【0020】
請求項12記載の発明は、請求項10記載のものにおいて、前記手段は、前記冷却ファンの前記放熱器に対する角度を変化させることを特徴とする。
【0021】
請求項13記載の発明は、請求項12記載のものにおいて、前記手段は、前記冷却ファンの吹出口に設けられて風向を変化させることを特徴とする。
【0022】
請求項14記載の発明は、請求項10乃至13のいずれか一項記載のものにおいて、前記手段は、前記放熱器の片寄った温度上昇の程度に応じて前記放熱器に向かう風向を変化させることを特徴とする。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。本発明の理解を容易とするために、一般的な記録装置について説明し、次いで、本発明にかかるリボン送りユニットについて詳述する。また、記録装置としては、オンキャリッジタイプの一般的なドットインパクトプリンタを例示する。
【0024】
図1は、ドットインパクトプリンタのプリンタ本体を示す斜視図であり、図2は、図1のプリンタ本体を示す側断面図である。これらの図に示すように、ドットインパクトプリンタ10は、記録ヘッドが備える多数の記録ワイヤを、インクリボン(共に図示せず)を介して記録用紙に押し付け、この記録用紙上にドットを形成することにより、文字を含む画像を印刷するものである。
【0025】
ドットインパクトプリンタ10は、記録装置本体としてのプリンタ本体11と、プリンタ本体11に装着されたプッシュトラクタユニット12と、プリンタ本体11の上方、下方の夫々を覆うアッパケース(不図示)及びロアケース(不図示)と、プリンタ本体11の前方側に設置されてカットシートKを案内するシート供給ガイド43とを有している。このドットインパクトプリンタ10にて用いられ得る記録用紙には、所定の長さに切断されたカットシートKと、複数枚が連接された連続シートとがある。また、カットシートKとしては、例えば単票紙、複写紙、OHP(オーバヘッドプロジェクタ)シートまたはカットフィルムなどがある。
【0026】
プリンタ本体11は、本体フレームとしてのベースフレーム14、リアフレーム15、記録機構部としての記録ヘッド18及びキャリッジ19と、シート搬送機構部としてのプラテン20、シート案内25、第1搬送ローラ21、第2搬送ローラ22、第3搬送ローラ23及び第4搬送ローラ24を備えている。また、ベースフレーム14およびリアフレーム15の左端部には左サイドフレーム16が立設固定され、右端部には右サイドフレーム17が立設固定されている。左サイドフレーム16と右サイドフレーム17との間には、ロアキャリッジ軸26とアッパキャリッジ軸27との各々が所定距離だけ離れて架け渡されて回動可能に枢支されており、また、プラテン20が架け渡されて回転自在に配設される共に、シート案内25が固定配設されている。
【0027】
図2に示すように、プッシュトラクタユニット12は、連続シート(例えば連続紙)をシート搬送機構部へ供給するものであり、左右一対のトラクタ28を有している。これらのトラクタ28は、トラクタ駆動軸29に回転一体かつ軸方向摺動自在に軸支されたトラクタ駆動プーリ(不図示)と、トラクタガイド軸30に回転自在かつ軸方向に摺動自在に軸支されたトラクタ従動プーリ(不図示)と、トラクタ駆動プーリとトラクタ従動プーリとに巻き掛けられるトラクタベルト31と、シート押さえ蓋32とを備えている。
【0028】
一対のトラクタ28間の距離は、搬送すべき連続シート(連続紙)の幅寸法に応じて調整される。また、トラクタベルト31の全外周には、複数本のピン33が突設されており、これらのピン33が、連続シートの幅方向両側に穿設された穴(不図示)に係合するようになっている。
【0029】
シート搬送機構部にあっては、プラテン20に対して、第1搬送ローラ21及び第2搬送ローラ22がプリンタ本体11の前方側に、第3搬送ローラ23及び第4搬送ローラ24がプリンタ本体11の後方側に各々配置されている。さらに、第1搬送ローラ21と第2搬送ローラ22とが、また、第3搬送ローラ23と第4搬送ローラ24とが、各々上下方向に配置されて対をなしている。
【0030】
このうち、第1搬送ローラ21及び第3搬送ローラ23は、プラテン20と共にシート案内25の下方に配置され、第2搬送ローラ22及び第4搬送ローラ24がシート案内25の上方に配置されている。
【0031】
プラテン20、第1搬送ローラ21及び第3搬送ローラ23の上部は、シート案内25の上方に突出した状態となっている。また、シート案内25におけるプリンタ本体11の前方側には、シート案内25との間でシートを保持するシート保持プレート37が設けられている。プラテン20、第1搬送ローラ21、第2搬送ローラ22、第3搬送ローラ23及び第4搬送ローラ24は、駆動輪列部34により、図2の時計方向(CW)または反時計方向(CCW)に回転駆動される。また、上述したトラクタベルト31も同様に、駆動輪列部34により時計方向または反時計方向に駆動される。
【0032】
この駆動輪列部34は、左サイドフレーム16または右サイドフレーム17のいずれか一方(図示例では、右サイドフレーム17)に設置されるものであり、正転または逆転可能なシート供給モータ35の駆動軸に固定されたモータピニオン36を備えている。このモータピニオン36からの駆動力が巻掛け伝動機構や歯車機構を介してプラテン20、第1搬送ローラ21、第2搬送ローラ22、第3搬送ローラ23、第4搬送ローラ24及びプッシュトラクタユニット12へ伝達される構成となっている。
【0033】
カットシートKは、プリンタ本体11の前方側から手動供給された後、プラテン20および第1搬送ローラ21の時計方向(CW)の回転と、第2搬送ローラ22の反時計方向(CCW)の回転と、第3搬送ローラ23の時計方向(CW)の回転と、第4搬送ローラ24の反時計方向(CCW)の回転とにより、プリンタ本体11の前方から後方へ向かって矢印A方向に搬送され、また、プラテン20および第1搬送ローラ21の反時計方向(CCW)の回転と、第2搬送ローラ22の時計方向(CW)の回転と、第3搬送ローラ23の反時計方向(CCW)の回転と、第4搬送ローラ24の時計方向(CW)の回転とにより、プリンタ本体11の後方から前方へ向かって矢印B方向に搬送される。他方、記録用紙として連続紙などの連続シートが用いられる場合、この連続シートは、プッシュトラクタユニット12によりプリンタ本体11の後方側から矢印B方向に供給された後、プラテン20、第1搬送ローラ21、第2搬送ローラ22、第3搬送ローラ23及び第4搬送ローラ24により同方向(矢印B方向)に搬送される。これにより、カットシートK及び連続シートは、キャリッジ19の主走査方向(後述)に直交する副走査方向に搬送される。
【0034】
上述したキャリッジ19は、ロアキャリッジ軸26及びアッパキャリッジ軸27に摺動自在に挿通されると共に、記録ヘッド18が搭載されている。ロアキャリッジ軸26及びアッパキャリッジ軸27は、プラテン20と平行に配置されており、これにより、キャリッジ19は、これらプラテン20、ロアキャリッジ軸26及びアッパキャリッジ軸27と軸方向と一致する主走査方向に走行(走査)するようになっている。
【0035】
また、キャリッジ19は、キャリッジ駆動モータ38の正転または逆転により往復移動されるタイミングベルト39に結合されている。従って、キャリッジ19は、キャリッジ駆動モータ38の正転または逆転により、タイミングベルト39を介し、ロアキャリッジ軸26及びアッパキャリッジ軸27に案内されて、主走査方向における図1の左向き、または、右向きに走行する。ここで、キャリッジ駆動モータ38は、シート供給モータ35とともに例えばステッピングモータにて構成されている。
【0036】
キャリッジ19には、リボンカートリッジ装着部40が設けられ、このリボンカートリッジ装着部40に、インクリボン50を収納したリボンカートリッジ51が装着される。さらに、キャリッジ19には、プラテン20の前方周面に接して搬送される記録用紙(カットシートKまたは連続シート)からインクリボン50を保護するリボンマスクホルダ41が設置されている。
【0037】
また、インクリボン50は、リボンカートリッジ装着部40に設置されたリボン駆動軸(不図示)により、記録ヘッド18に設けられた記録ワイヤの突出方向前方を移動可能に設けられている。一方、記録ヘッド18は、キャリッジ19と共に主走査方向に走行する間、記録ワイヤを突出させてインクリボン50に打ち当て、このインクリボン50のインクをプラテン20の上方周面に接する記録用紙(カットシートK又は連続シート)に付着させて、この記録用紙に文字を含む画像を記録する。
【0038】
記録ヘッド18による記録動作は、キャリッジ19が主走査方向左向き又は右向きに走行する間、記録ヘッド18の記録ワイヤにより一行文の記録がなされ、この一行文の記録がなされる度に、記録用紙がカットシートKの場合には、シート搬送機構部(プラテン20、第1搬送ローラ21、第2搬送ローラ22、第3搬送ローラ23及び第4搬送ローラ24)が、また、記録用紙が連続シートの場合には、このシート搬送機構部及びプッシュトラクタユニット12が、夫々記録用紙を所定長(通常、行間分)搬送させるといった動作が繰り返されることにより行われる。
【0039】
以上が、一般的なドットインパクトプリンタ10の構成である。本実施形態では、このドットインパクトプリンタ10のうち、キャリッジ19に搭載された記録ヘッド18の冷却装置に主に特徴を有している。この記録ヘッド18の冷却装置について以下に詳述する。
【0040】
図3は、本発明の実施形態にかかる記録ヘッド18の冷却装置の構成を概略的に示す図である。60は冷却装置を示し、この冷却装置60は、記録ヘッド18の外周に配置された放熱器61に取り付けられている。この放熱器61は、例えば、アルミニウム押出型材で一体形成されており、可能な限り放熱面積を確保するように構成されている。18Dは記録ヘッド18のノーズである。
【0041】
この冷却装置60は、冷却ファン62と、これを支持する一対のアーム63,64とを備え、各アーム63,64の基端63A,64Aは、ピン65を介して、放熱器61の側面にそれぞれ揺動自在に支持されている。一方のアーム63の基端63Aの外面には、リング状のギア66が固定され、このギア66には、傘歯の歯車67が噛み合い、この歯車67は、駆動モータ68のモータ軸68Aに固定されている。この冷却ファン62は、図示を省略したファンモータ、羽根車等を内蔵し、当該羽根車により送風される冷却風の吹出口が、図中、冷却ファン62の下面に形成されている。
【0042】
そして、この冷却ファン62は、駆動モータ68を駆動させることにより、一対のアーム63,64、歯車67並びにギア66(これらが手段を構成する。)を介して、矢印A方向に揺動自在であり、これが揺動された場合、冷却ファン62の下面に形成された冷却風の吹出口の向き、即ち、冷却ファン62の放熱器61に向かう風向が変更される。
【0043】
図4は、本実施形態による冷却方式を示す図である。記録ヘッド18の記録ワイヤ18Aは複数本配置されており、この記録ワイヤ18Aに対応した数だけ、記録ヘッド18のフレームコアにはコイル18Bが巻かれている。ところで、プリンタによる記録内容によっては、一部の記録ワイヤ18Aが片寄って使用され、その結果、発熱部分となるコイル18B周辺も片寄って一部が異常に高温になることが考えられる。
【0044】
本実施形態では、記録ヘッド18のフレーム18Cの周辺に一対のサーミスタ71,72が配置され、サーミスタ71,72で検知される温度に応じて、冷却ファン62の放熱器61に向かう風向が変更される。
【0045】
具体的には、サーミスタ71の検出温度Taが、サーミスタ72の検出温度Tbよりも大きい場合、冷却ファン62が、図3に示す手段によって矢印P方向に揺動し、冷却ファン62の放熱器61に対する角度が変化し、最も高温Taとなる部分が効果的に冷却される。また、サーミスタ71の検出温度Taが、サーミスタ72の検出温度Tbよりも小さい場合、冷却ファン62が、上記手段によって矢印Q方向に揺動し、冷却ファン62の放熱器61に対する角度が変化し、最も高温Tbとなる部分が効果的に冷却される。
【0046】
上記構成では、発熱が最大となるポイントに、冷却ファン62の送風を供給できるため、効果的な冷却がおこなえると共に、発熱源となるコイル18Bの最高温度を、従来の構成時よりも低く抑えることができ、これにより、コイル焼損の危険度を低減することができる。
【0047】
また、この種のプリンタでは、コイル焼損を回避するため、ヘッドホット時には、周波数をダウンさせたり、非印字時間を拡大させたりしていたが、上記構成では、この制御への突入頻度を下げることができ、その分だけスループットを向上させることができる。
【0048】
なお、サーミスタを2個以上配置し、放熱器61における温度分布を細かく監視し、この監視温度に応じて、冷却ファン62の放熱器61に対する角度を細かく変化させることは可能である。
【0049】
図5は、別の実施形態を示す。
【0050】
上記実施形態では、冷却ファン62の放熱器61に対する角度を変化させたが、本実施形態では、冷却ファン62の放熱器61に対する位置を変化させる。図5において、この冷却装置70は、駆動モータ72のモータ軸72Aに固定された駆動プーリ73と、これと対をなす従動プーリ74と、各プーリ73,74間に掛け渡された無端駆動ベルト75とを備え、この駆動ベルト75に止め具76を介して冷却ファン62を連結して構成されている。この冷却ファン62のケースには横長の溝78が形成され、この溝78には、ガイド板79の折り曲げた上辺79Aが嵌まり合い、この上辺79Aが溝78に案内されて、冷却ファン62が矢印B方向に往復動自在に構成される。
【0051】
この冷却ファン62は、上記構成と同様に、図示を省略したファンモータ、羽根車等を内蔵し、当該羽根車により送風される冷却風の吹出口が、図中、冷却ファン62の下面に形成される。
【0052】
この構成においても、図4の説明時に使用した、例えば一対のサーミスタ71,72等が使用される。そして、サーミスタ71,72で検知される温度に応じて、高温部を効果的に冷却すべく、冷却ファン62がベルト駆動によって、放熱器61の上面と略平行方向に往復移動される。
【0053】
本構成においても、発熱が最大となるポイントに、冷却ファン62の送風を供給できるため、効果的な冷却がおこなえると共に、発熱源となるコイル18Bの最高温度を、従来の構成時よりも低く抑えることができ、これにより、コイル焼損の危険度を低減することができる。
【0054】
図6は、更に別の実施形態を示す。
【0055】
本実施形態では、冷却ファン62の吹出口に複数の風向変更羽根81を配置し、複数の風向変更羽根81の揺動角度を変化させ、放熱器61に向かう風向を変化させる。この場合、冷却ファン62は取り付けステー80を介して放熱器61に固定される。各風向変更羽根81の基端81Aは、ピン82を介して、冷却ファン62の固定部に支持されると共に、ピン83を介して、スライドバー84に支持される。このスライドバー84は横方向に延出し、この延出端の上面にはラック溝85が形成され、このラック溝85にはピニオンギア86が噛み合い、このピニオンギア86は駆動モータ87のモータ軸に固定される。
【0056】
この機構では、モータ87が正逆回転すると、スライドバー84が矢印C方向に往動或いは復動する。これに応じて、2つのピンで支持された各風向変更羽根81が、基端側を中心にして先端側を矢印D方向に揺動させ、これにより、放熱器61に向かう風向を変化させる。
【0057】
この構成においても、図4の説明時に使用した、例えば一対のサーミスタ71,72等が使用される。そして、サーミスタ71,72で検知される温度に応じて、高温部を効果的に冷却すべく、各風向変更羽根81の角度が任意の角度に変更される。本構成においても、発熱が最大となるポイントに、冷却ファン62の送風を供給できるため、効果的な冷却がおこなえると共に、発熱源となるコイル18Bの最高温度を、従来の構成時よりも低く抑えることができ、コイル焼損の危険度を低減することができる。
【0058】
なお、本実施形態は、あくまでも例示であり、本発明の範囲内で任意に変形可能である。例えば、本実施形態では、冷却ファン62を放熱器61に取り付けていたが、これに限定されるものではなく、冷却ファン62をキャリッジ19に取り付けたものであってもよい。
【0059】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、記録ヘッドにおける異常に高温になった部分を効率よく冷却することができ、例えば、発熱源となるコイルの最高温度を、従来の構成時よりも低く抑えることができ、コイル焼損の危険度を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ドットインパクトプリンタの構成を示す斜視図である。
【図2】ドットインパクトプリンタの構成を示す側断面図である。
【図3】本発明の一実施形態にかかる冷却装置の構成を概略的に示す図である。
【図4】記録ヘッドの冷却方式を示す図である。
【図5】別の実施形態を示す図である。
【図6】更に別の実施形態を示す図である。
【符号の説明】
10 ドットインパクトプリンタ
18 記録ヘッド
18A 記録ワイヤ
18B コイル
18C フレーム
18D ノーズ
19 キャリッジ
20 プラテン
60 冷却装置
61 放熱器
62 冷却ファン
71,72 サーミスタ
Claims (14)
- 記録ヘッドが搭載されるキャリッジ或いは記録ヘッドの放熱器のいずれかに取り付けられた冷却ファンと、
この冷却ファンの前記放熱器に向かう風向を変化させる手段とを備えたことを特徴とする記録ヘッド冷却装置。 - 前記手段は、前記冷却ファンの前記放熱器に対する位置を変化させることを特徴とする請求項1記載の記録ヘッド冷却装置。
- 前記手段は、前記冷却ファンの前記放熱器に対する角度を変化させることを特徴とする請求項1記載の記録ヘッド冷却装置。
- 前記手段は、前記冷却ファンの吹出口に設けられて風向を変化させることを特徴とする請求項1記載の記録ヘッド冷却装置。
- 前記手段は、前記放熱器の片寄った温度上昇の程度に応じて前記放熱器に向かう風向を変化させることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項記載の記録ヘッド冷却装置。
- 記録ヘッドが搭載されるキャリッジ或いは記録ヘッドの放熱器のいずれかに取り付けられた冷却ファンを備え、
前記放熱器の片寄った温度上昇の程度に応じて、
この冷却ファンの前記放熱器に向かう風向を変化させることを特徴とする記録ヘッド冷却方法。 - 前記冷却ファンの前記放熱器に対する位置を変化させることを特徴とする請求項6記載の記録ヘッド冷却方法。
- 前記冷却ファンの前記放熱器に対する角度を変化させることを特徴とする請求項6記載の記録ヘッド冷却方法。
- 前記冷却ファンの吹出口に設けたルーバにより風向を変化させることを特徴とする請求項6記載の記録ヘッド冷却方法。
- 記録ヘッドとプラテンとの間に搬送されたシートに、記録ヘッドの記録ワイヤを、インクリボンを介して打ち付けて、当該シートに画像を記録する記録装置において、
記録ヘッドが搭載されるキャリッジ或いは記録ヘッドの放熱器のいずれかに取り付けられた冷却ファンと、
この冷却ファンの前記放熱器に向かう風向を変化させる手段とを備えたことを特徴とする記録装置。 - 前記手段は、前記冷却ファンの前記放熱器に対する位置を変化させることを特徴とする請求項10記載の記録装置。
- 前記手段は、前記冷却ファンの前記放熱器に対する角度を変化させることを特徴とする請求項10記載の記録装置。
- 前記手段は、前記冷却ファンの吹出口に設けられて風向を変化させることを特徴とする請求項12記載の記録装置。
- 前記手段は、前記放熱器の片寄った温度上昇の程度に応じて前記放熱器に向かう風向を変化させることを特徴とする請求項10乃至13のいずれか一項記載の記録装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003047505A JP2004255652A (ja) | 2003-02-25 | 2003-02-25 | 記録ヘッド冷却装置、その冷却方法及び記録装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003047505A JP2004255652A (ja) | 2003-02-25 | 2003-02-25 | 記録ヘッド冷却装置、その冷却方法及び記録装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004255652A true JP2004255652A (ja) | 2004-09-16 |
Family
ID=33113743
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003047505A Pending JP2004255652A (ja) | 2003-02-25 | 2003-02-25 | 記録ヘッド冷却装置、その冷却方法及び記録装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004255652A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010057596A (ja) * | 2008-09-02 | 2010-03-18 | Canon Inc | 放射線撮影装置、放射線撮影装置の撮影方法 |
JP2013230373A (ja) * | 2013-06-13 | 2013-11-14 | Canon Inc | 放射線撮影装置、放射線撮影装置の撮影方法 |
-
2003
- 2003-02-25 JP JP2003047505A patent/JP2004255652A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010057596A (ja) * | 2008-09-02 | 2010-03-18 | Canon Inc | 放射線撮影装置、放射線撮影装置の撮影方法 |
JP2013230373A (ja) * | 2013-06-13 | 2013-11-14 | Canon Inc | 放射線撮影装置、放射線撮影装置の撮影方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US8876281B2 (en) | Recording apparatus | |
JP5398675B2 (ja) | 予熱領域全体を通じて媒体の温度と大きさを均一に保つ方法 | |
JP6631709B2 (ja) | 液滴吐出装置 | |
JP2011046094A (ja) | 記録装置 | |
JP2005212323A (ja) | 記録装置 | |
JP2004255652A (ja) | 記録ヘッド冷却装置、その冷却方法及び記録装置 | |
JP6848860B2 (ja) | インクジェット記録装置 | |
JP7175207B2 (ja) | インクジェットプリンタ | |
JP7206799B2 (ja) | 印刷装置 | |
US5360278A (en) | Color thermal printer | |
JP4507331B2 (ja) | インクジェットプリンタ | |
JP4507332B2 (ja) | インクジェットプリンタ | |
JP2008080647A (ja) | プリンタ及びリボンカセット | |
JP3883754B2 (ja) | 両面印刷用プリンタ | |
JP2002137513A (ja) | サーマルプリンタ | |
JP2003266877A (ja) | 記録装置 | |
JP2017217862A (ja) | プリンタ | |
JP2007038554A (ja) | 画像形成装置 | |
US20240131844A1 (en) | Printing device | |
JPH11123838A (ja) | 熱転写プリンタ | |
JP2002192759A (ja) | 記録装置の記録ヘッド制御方法及び記録装置 | |
JP2007038494A (ja) | 画像形成装置 | |
JP2003118156A (ja) | サーマルプリンタ | |
JPH1120142A (ja) | ホットメルトインクジェットプリンタ | |
JP3032403B2 (ja) | ラインサーマルプリンタ |