JP2004255451A - 鋳型用有機粘結剤及びこれを用いて得られる鋳物砂組成物並びに鋳型 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】フェノールウレタン系のガス硬化鋳型又は自硬性鋳型の造型に用いる有機粘結剤として、フェノール樹脂とポリイソシアネート化合物と有機溶剤と共に、アルカリ金属塩及び/又はアルカリ土類金属塩を必須の構成成分として含有するものを採用した。
【選択図】 な し
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、砂型鋳造において使用されるフェノールウレタン系のガス硬化鋳型又は自硬性鋳型の造型に用いられる鋳型用有機粘結剤及びこれを用いて得られる鋳物砂組成物並びに鋳型に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、砂型鋳造において用いられる代表的な有機系鋳型の一つとして、フェノール樹脂とポリイソシアネート化合物を粘結剤として用い、それらの重付加反応を利用して造型されるフェノールウレタン系鋳型がある。そして、このフェノールウレタン系鋳型としては、造型時に加熱を必要としない、コールドボックス法により製造される量産型のガス硬化鋳型や、常温自硬性法により製造される非量産型の自硬性鋳型が、広く知られている。具体的に、コールドボックス法によるガス硬化鋳型は、通常、粒状耐火性鋳物砂を、ミキサーを用いて、有機溶剤を溶媒とするフェノール樹脂溶液とポリイソシアネート化合物溶液とからなる有機粘結剤と混練することにより、該鋳物砂の表面を有機粘結剤で被覆してなる鋳物砂組成物を製造した後、これを、所定の成形型内に吹き込んで鋳型を成形し、これに、アミン系触媒ガスを通気せしめて硬化を行なうことにより、製造されている。また一方、常温自硬性法による自硬性鋳型は、粒状耐火性鋳物砂を、有機溶剤を溶媒とするフェノール樹脂溶液とポリイソシアネート化合物溶液とからなる有機粘結剤と混練する際に、硬化触媒も混合し、得られた混合物を、直ちに所期の形状に成形することにより、製造されている。
【0003】
ところで、近年、自動車産業の分野において、軽量化及び燃費の改善を図る観点から、エンジン鋳物を鉄製からアルミニウム合金等の軽合金製に転換することが余儀なくされている。しかしながら、砂中子をセットした鋳造金型内に溶融金属を注湯する砂型鋳造法にて、注湯温度の低いアルミニウムやマグネシウム合金等の軽合金からなる鋳物製品の製造を行なうと、鋳造後に鋳物内に残存する使用済みの砂中子が良好に崩壊され得ないところから、高温熱処理やチッピング処理を行なって、砂出し作業を実施しなければならない。このため、軽合金の鋳造に用いられる砂中子等の鋳型には、従来より、使用後(鋳造後)において、鋳放し鋳物からの排出性が良好なもの、換言すれば、崩壊性が良好なものが要求されてきているのである。
【0004】
そこで、特開平4−279240号公報(特許文献1)においては、ウレタン結合を与える成分の一つであるフェノール樹脂に代えて、ヒドロキシル成分として、(A)グリセリン又はトリメチロールプロパンへのエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドの付加によって生ずる、エーテル結合と末端ヒドロキシル基を有するエーテル型トリオールと(B)2,2′−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンとを組み合わせて用いることにより、強度に優れ、且つ型ばらし後の崩壊性の良好な鋳型が得られることが、明らかにされ、また、特開昭56−4621号公報(特許文献2)には、フェノール樹脂として、所定の化学構造を有するものを採用することが、提案されているのであるが、何れの手法にあっても、未だ充分なものとは言い難く、崩壊性の更なる改善が望まれている。
【0005】
一方、特開平7−148546号公報(特許文献3)には、フェノールウレタン系の硬化システムではなく、エステル系のガス硬化システムにおいて、炭酸金属塩、炭酸水素金属塩又は過炭酸金属塩からなる群より選ばれた炭酸化合物を、崩壊剤として、アルカリ性レゾール型フェノール樹脂水溶液中に添加してなる粘結剤水溶液組成物を用いることにより、得られる鋳型の崩壊性が改善されることが、明らかにされている。しかしながら、常温硬化型である、フェノールウレタン系の硬化システムにおいて、そのような炭酸金属塩を崩壊剤として使用した場合にあっても、崩壊性の向上が実現しされ得るかについては、何等の記載も示唆もなされていない。
【0006】
加えて、近年においては、エンジンの高性能化に伴って、鋳物の薄肉化や構造の複雑化が図られてきているが、そこでは、従来ではあまり観察されなかった、ガス欠陥等の鋳造欠陥が発生し易くなって、製品歩留りが悪くなるといった問題が、また、惹起されている。なお、かかるガス欠陥は、通常、鋳造時に発生するガスが、鋳造金型に設けられた小さなベントから排出されることによって、その欠陥の発生が防止され得るようになっているのであるが、そのようなガス通気孔であるベントに、硬化した樹脂成分の熱分解生成物(ヤニ成分)が詰まり易くなることに起因して、惹起され易くなっているのである。
【0007】
【特許文献1】
特開平4−279240号公報
【特許文献2】
特開昭56−4621号公報
【特許文献3】
特開平7−148546号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ここにおいて、本発明は、かかる事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、使用前においては充分な強度を実現し、且つ使用後においては優れた崩壊性を発揮すると共に、鋳物におけるガス欠陥の発生を有利に抑制し得る、フェノールウレタン系のガス硬化鋳型又は自硬性鋳型の造型に用いられる鋳型用有機粘結剤、及びこの鋳型用有機粘結剤を用いて得られる鋳型砂組成物、並びに、そのような特性を有する、即ち、使用前においては充分な強度を実現し、且つ使用後においては優れた崩壊性を発揮すると共に、鋳物におけるガス欠陥の発生を有利に抑制し得るガス硬化鋳型又は自硬性鋳型を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
そして、本発明者は、そのような課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、従来よりフェノールウレタン系のガス硬化鋳型又は自硬性鋳型の造型に用いられている有機粘結剤に、更に、アルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩を添加すると、鋳造後における鋳型の崩壊性が著しく向上せしめられると共に、鋳物にガス欠陥が発生するようなことが有利に抑制され得ることを見出したのである。
【0010】
従って、本発明は、かかる知見に基づいて完成されたものであって、その要旨とするところは、フェノールウレタン系のガス硬化鋳型又は自硬性鋳型の造型に用いられる有機粘結剤であって、フェノール樹脂とポリイソシアネート化合物と有機溶剤と共に、アルカリ金属塩及び/又はアルカリ土類金属塩を必須の構成成分として含有することを特徴とする鋳型用有機粘結剤にある。
【0011】
すなわち、このような本発明に従う鋳型用有機粘結剤にあっては、アルカリ金属塩及び/又はアルカリ土類金属塩を含んで構成されているところから、フェノール樹脂とポリイソシアネート化合物とが反応することによって形成されるフェノールウレタン硬化物を、注湯時の熱によって、容易に分解することが出来るようになっているのである。換言すれば、かかるアルカリ金属塩及び/又はアルカリ土類金属塩が、フェノールウレタン硬化物の熱分解促進剤の役割を奏することとなるのである。このため、鋳造時の熱によって、フェノールウレタン硬化物が効果的に分解されることとなって、鋳型の崩壊性がより一層向上せしめられるのであり、また、熱分解生成物(ヤニ成分)の低分子量化が有利に図られ得て、ヤニ成分が改質され、これにて、鋳造金型に設けられたベントがヤニ成分で詰まるようなことも可及的に抑制され得て、鋳物にガス欠陥が惹起されることも効果的に防止され得るのである。
【0012】
しかも、かかるアルカリ金属塩及び/又はアルカリ土類金属塩は、フェノール樹脂とポリイソシアネート化合物との反応を阻害する成分ではないところから、有機粘結剤を用いて形成される鋳型の強度も、高度に確保され得ることとなるのである。
【0013】
また、この本発明に従う有機粘結剤には、有機溶剤が用いられ、フェノール樹脂とポリイソシアネート化合物が、それぞれ、かかる有機溶剤に溶解せしめられて、鋳物砂と混合されるようになっているところから、有機粘結剤の粘度が低く為され得て、鋳物砂へのコーティング性が向上せしめられる。また、鋳物砂に対して、均一に混合,コーティングせしめられ、得られる鋳型に良好な強度が付与されると共に、フェノール樹脂とポリイソシアネート化合物との反応を微妙に調整することが可能となっている。
【0014】
なお、かかる本発明に従う鋳型用有機粘結剤の好ましい態様の一つによれば、ケイ酸エステル及び/又はその加水分解生成物が、更に含有せしめられていることが望ましく、かかるケイ酸エステル及び/又はその加水分解生成物の添加によって、鋳型の崩壊性がより一層改善せしめられることとなる。
【0015】
また、前記アルカリ金属塩及び/又はアルカリ土類金属塩としては、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の炭酸塩、炭酸水素塩、リン酸塩、硝酸塩、蓚酸塩、クエン酸塩及びグルタミン酸塩の群から選ばれる少なくとも1種が、特に、好適に採用され得る。
【0016】
加えて、本発明は、(A)鋳物砂に対して、上述せる如き鋳型用有機粘結剤を混練せしめてなる鋳物砂組成物、また、(B)そのような鋳物砂組成物に対して、第三級アミンガスを接触せしめることにより、該鋳物砂組成物を硬化せしめてなるガス硬化鋳型、更には、(C)鋳物砂に対して、硬化触媒と共に、上述せる如き鋳型用有機粘結剤を混練せしめることにより形成される自硬性鋳型をも、それぞれ、要旨とするものである。このように、上記の鋳型用有機粘結剤を用いて得られる鋳物砂組成物や鋳型にあっては、上述せる如き各種効果が、何れも、享受され得るのである。
【0017】
【発明の実施の形態】
ところで、このような本発明に従う有機粘結剤において、主たる成分の一つとして使用されるフェノール樹脂としては、特に限定されるものではなく、従来からフェノールウレタン系の鋳型を造型する際に用いられる、公知の各種のフェノール樹脂が用いられ得るのである。具体的には、フェノール類とアルデヒド類(好ましくは、ホルムアルデヒド)とを付加・縮合反応せしめることにより得られる、有機溶剤に可溶なベンジルエーテル型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂、ノボラック型フェノール樹脂及びこれらの変性フェノール樹脂、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0018】
そして、かかるフェノール樹脂は、低粘度化、後述するポリイソシアネート成分との相溶性、鋳物砂へのコーティング性、鋳型物性等の観点から、一般に、極性有機溶剤と非極性有機溶剤とを組み合わせてなる有機溶媒に溶解せしめられ、その濃度が、約40〜80重量%程度とされた溶液(以下、フェノール樹脂溶液と言う。)の状態で、用いられることとなる。また、かかるフェノール樹脂溶液には、必要に応じて、樹脂成分と鋳物砂との接着性の向上を図るための添加剤として、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のシラン化合物や、可使時間延長剤として、イソフタル酸クロリドを代表例とする酸クロリド等を、それぞれ、フェノール樹脂の0.01〜5重量%の割合となるように配合しても良く、また更に、その他、劣化防止剤、乾燥防止剤、離型剤等の各種添加剤を配合することも可能である。
【0019】
一方、本発明に従う有機粘結剤において、主たる成分の他の一つとして使用されるポリイソシアネート化合物は、上述せる如きフェノール樹脂の活性水素と重付加反応することにより鋳物砂間に化学的な結合を形成せしめ得る、イソシアネート基を、分子内に2以上有する化合物であり、かかるポリイソシアネート化合物の具体例としては、芳香族、脂肪族或いは脂環式のポリイソシアネート、例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート(以下、ポリメリックMDIと呼称する。)、ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートの他、これらポリイソシアネート化合物をポリオールと反応させて得られるイソシアネート基を2以上有するプレポリマー等、従来より公知の各種のポリイソシアネートを挙げることが出来、これらは、単独で用いても、或いは、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0020】
また、かかるポリイソシアネート化合物にあっても、上述せる如きフェノール樹脂と同様の理由から、一般に、非極性有機溶剤、又は非極性溶媒と極性有機溶剤との混合溶剤を溶媒として用い、この有機溶媒に、濃度が、約40〜90重量%程度となるように溶解された溶液として用いられることとなる。なお、使用するポリイソシアネート化合物の種類等によっては、必ずしも、有機溶媒に溶解せしめる必要はなく、その原液まま、使用することも可能である。以下では、ポリイソシアネート化合物の原液、及びポリイソシアネート化合物を有機溶媒に溶解せしめてなる溶液を含めて、ポリイソシアネート溶液と呼称する。
【0021】
なお、ここにおいて、上述せる如きフェノール樹脂やポリイソシアネート化合物を溶解せしめるための有機溶剤としては、ポリイソシアネート化合物には非反応性で、且つ溶解対象である溶質(フェノール樹脂又はポリイソシアネート)に対して良溶媒であれば、特に制限されるものではないのであるが、一般に、▲1▼フェノール樹脂を溶解するための極性溶剤と、▲2▼フェノール樹脂の分離が生じない程度の量のポリイソシアネート化合物を溶解するための非極性溶剤とが組み合わされて用いられる。
【0022】
より具体的には、上記▲1▼の極性溶媒としては、例えば、脂肪族カルボン酸エステル、その中でも、特に、環境安全性の観点から、ジカルボン酸メチルエステル混合物(デュポン社製;商品名:DBE;グルタル酸ジメチルとアジピン酸ジメチルとコハク酸ジメチルとの混合物)等のジカルボン酸アルキルエステル、菜種油メチルエステル等の植物油のメチルエステル、オレイン酸エチル、パルミチン酸エチル、これらの混合物等の脂肪酸モノエステル等のエステル類の他、例えば、イソホロン等のケトン類、イソプロピルエーテル等のエーテル類、フルフリルアルコール等を挙げることが出来、一方、上記▲2▼の非極性溶剤としては、例えば、パラフィン類、ナフテン類、アルキルベンゼン類等の石油系炭化水素類、具体例としては、イプゾール150(出光石油社製;石油系溶剤)、ハイゾール(昭和シェル石油社製;石油系溶剤)等を例示することが出来る。
【0023】
ところで、本発明に従う有機粘結剤にあっては、上記したフェノール樹脂溶液とポリイソシアネート溶液の他に、更に、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、又はこれらアルカリ金属塩とアルカリ土類金属塩との混合物(アルカリ金属塩及び/又はアルカリ土類金属塩)が、必須の構成成分として用いられるのであり、このアルカリ金属塩及び/又はアルカリ土類金属塩によって、鋳造後における鋳型の崩壊性が効果的に向上せしめられると共に、鋳造時に発生する熱分解生成物(ヤニ成分)が改質されて、鋳物におけるガス欠陥の発生が有利に抑制され得るようになる。
【0024】
なお、このような鋳型の崩壊性改善成分及びガス欠陥抑制成分であるアルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩の具体例としては、例えば、硫酸リチウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム等の硫酸塩;硝酸リチウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸マグネシウム、硝酸カルシウム、硝酸バリウム等の硝酸塩;炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム等の炭酸塩;炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素マグネシウム、炭酸水素カルシウム、炭酸水素バリウム等の炭酸水素塩;リン酸リチウム、リン酸水素リチウム、リン酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸水素カリウム、リン酸マグネシウム、リン酸水素マグネシウム、リン酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、リン酸バリウム、リン酸水素バリウム等のリン酸塩等の無機酸アルカリ金属塩や無機酸アルカリ土類金属塩の他、酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸マグネシウム、酢酸カルシウム、酢酸バリウム等の酢酸塩;蓚酸リチウム、蓚酸ナトリウム、蓚酸カリウム、蓚酸マグネシウム、蓚酸カルシウム、蓚酸バリウム等の蓚酸塩;クエン酸リチウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、クエン酸マグネシウム、クエン酸カルシウム、クエン酸バリウム等のクエン酸塩;グルタミン酸リチウム、グルタミン酸ナトリウム、グルタミン酸カリウム、グルタミン酸マグネシウム、グルタミン酸カルシウム、グルタミン酸バリウム等のグルタミン酸塩等のカルボン酸塩に代表される有機酸アルカリ金属塩や有機酸アルカリ土類金属塩が挙げられ、これらの金属塩は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の炭酸塩、炭酸水素塩、リン酸塩、硝酸塩、蓚酸塩、クエン酸塩及びグルタミン酸塩にあっては、上述せる如き硬化がより有利に発揮され得、更に、これらの中でも、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、クエン酸ナトリウム、グルタミン酸ナトリウムが、より一層好適に用いられることとなる。
【0025】
また、上記したアルカリ金属塩及び/又はアルカリ土類金属塩は、その合計量が、フェノール樹脂溶液中に含有されるフェノール樹脂の100重量部に対して、0.1〜100重量部、好ましくは1〜80重量部となる割合において、配合せしめられることが望ましい。何故なら、かかる配合量が、フェノール樹脂の100重量部に対して、0.1重量部に満たない場合には、鋳型の崩壊性やヤニ成分の改質が充分に実現され得なくなる恐れがあるからであり、逆に、100重量部を超えると、鋳型強度が低下する傾向があるからである。
【0026】
そして、上述せる如きアルカリ金属塩及び/アルカリ土類金属塩と、フェノールウレタンを形成するフェノール樹脂溶液及びポリイソシアネート溶液とによって、本発明に従う有機粘結剤が形成されることとなるのであるが、この有機粘結剤には、更に、ケイ酸エステル及び/又はその加水分解生成物(以下、「ケイ酸エステル類」という。)が配合されてもよく、かかるケイ酸エステル類の配合によって、その理由は未だ明らかとはされていないものの、鋳造後における鋳型の崩壊性がより一層改善せしめられることとなる。
【0027】
また、このようなケイ酸エステル類としては、例えば、メチルシリケート、エチルシリケート、プロピルシリケート、ブチルシリケート等のケイ酸エステル;メチルシリケート51(コルコート社製)、エチルシリケート40(コルコート社製)等のケイ酸エステルの加水分解生成物、及びこれらの混合物等を例示することが出来る。なお、かかるケイ酸エステル類は、一般に、高度な加水分解性を有するところから、好ましくは、ポリイソシアネート溶液に添加,混合せしめられるか、或いは、有機粘結剤が被覆されてなる鋳物砂組成物を調製する際に添加,混合せしめられることが望ましい。また、ケイ酸エステル類の配合量としては、これを添加することによって得られる効果を確保するために、一般に、フェノール樹脂の100重量部に対して、0.1重量部以上となる割合が好適に採用され、また、上限としては、経済性を考慮して、40重量部以下とされることが、望ましい。
【0028】
かくして、上述せる如き各種成分によって、本発明に従う有機粘結剤が構成され、この有機粘結剤を用いて、フェノールウレタン系のガス硬化鋳型又は自硬性鋳型が造型されることとなる。
【0029】
具体的に、上述せる如き鋳型のうち、コールドボックス法によるガス硬化鋳型を造型するに際しては、先ず、鋳物砂表面を有機粘結剤で被覆してなる鋳物砂組成物が製造されることとなる。即ち、耐火性鋳物砂に対して、有機粘結剤として、フェノール樹脂溶液とポリイソシアネート溶液とアルカリ金属塩及び/又はアルカリ土類金属塩、更に必要に応じて、ケイ酸エステル類を、充分に混練,混合することによって、鋳物砂表面に有機粘結剤をコーティングして、鋳物砂組成物を製造するのである。なお、混練・混合操作は、従来と同様なミキサーを用いて、好適には、−10〜50℃の範囲の温度で行なわれることが望ましい。
【0030】
また、この鋳物砂組成物を製造する際に、有機粘結剤を構成するフェノール樹脂溶液とポリイソシアネート溶液は、それらを混合した段階で、重付加反応(ウレタン化反応)が徐々に生じるところから、予め、別々に調製されて準備され、通常、鋳物砂との混練時に混合されることとなる。更に、アルカリ金属塩及び/又はアルカリ土類金属塩やケイ酸エステル類は、鋳物砂組成物に均一に混合され得るように、別個に調製されたフェノール樹脂溶液とポリイソシアネート溶液の何れか一方に、若しくは、両方に添加されて混合されるか、或いは、適当な有機溶剤に溶解乃至は分散せしめて、これを、混練時に、フェノール樹脂溶液やポリイソシアネート溶液と共に、鋳物砂に対して混合せしめることも可能である。
【0031】
次いで、上述せる如くして得られた鋳物砂組成物を、所望とする形状を与える成形金型内で賦形した後、これに対して、硬化触媒である第三級アミンガスを通気することにより、鋳物砂組成物の硬化が促進せしめられて、ガス硬化鋳型が製造されることとなるのである。なお、ここにおいて、硬化触媒として用いられる第三級アミンとしては、例えば、トリエチルアミン、ジメチルエチルアミン、ジメチルイソプロピルアミン等、従来から公知のものが、何れも採用され得る。
【0032】
一方、常温自硬性法による自硬性鋳型を造型するに際しても、上記ガス硬化鋳型の場合と同様に、先ず、鋳物砂表面を有機粘結剤で被覆してなる鋳物砂組成物が製造されることとなるのであるが、この常温自硬性法に用いる鋳物砂組成物には、混練時に、上記有機粘結剤と共に、更に、硬化触媒が混入せしめられることとなる。この硬化触媒としては、公知のアシュランド法において通常使用される塩基、アミン、金属イオン等を挙げることが出来る。
【0033】
そして、得られた鋳物砂組成物は、添加された硬化触媒によって、硬化が進行するところから、直ちに、所望とする形状を与える成形金型内で賦形されて、自硬性鋳型が製造されることとなるのである。
【0034】
なお、上記したガス硬化鋳型や自硬性鋳型を与える鋳物砂組成物の調製において、フェノール樹脂溶液やポリイソシアネート溶液の配合量としては、それぞれ、有効成分であるフェノール樹脂及びポリイソシアネート化合物の配合量が、鋳物砂の100重量部に対して、それぞれ、0.01〜5.0重量部、好ましくは0.1〜2.0重量部となる割合が、好適に採用され得ることとなる。また、フェノール樹脂とポリイソシアネート化合物の配合比率としては、特に限定されるものではないものの、一般に、重量基準で、フェノール樹脂:ポリイソシアネート化合物=60:40〜20:80となるように、フェノール樹脂溶液やポリイソシアネート溶液が、組み合わされて用いられることとなる。
【0035】
また、本発明において用いられる鋳物砂としては、従来より鋳型用に用いられている耐火性のものであれば、天然砂であっても人工砂であってもよく、特に限定されるものではない。例えば、ケイ砂、オリビンサンド、ジルコンサンド、クロマイトサンド、アルミナサンド、フェロクロム系スラグ、フェロニッケル系スラグ、転炉スラグ、ムライト系人工粒子(例えば、伊藤忠セラテック株式会社から入手することの出来る商品名「ナイガイセラビーズ」)、及び、これらの再生砂等が挙げられ、これらのうちの1種、或いは、2種以上が組み合わされて用いられ得るのである。なお、これらの中でも、鋳型回収後の研磨再生処理の観点から、球状で耐破砕性に優れるムライト系人工粒子が、より一層好適に採用されることとなる。
【0036】
かくして、上述せる如くして製造されたガス硬化鋳型や自硬性鋳型は、砂中子等の砂型として、アルミニウム合金やマグネシウム合金、鉄等の各種金属からなる鋳物製品の鋳造に、用いられるのである。中でも、本発明に従って造型された鋳型、特に砂中子にあっては、鋳造後において、優れた崩壊性を発揮するところから、注湯温度の低い軽合金からなる鋳物製品の鋳造に、特に有利に供されることとなるのである。
【0037】
【実施例】
以下に、本発明を、実施例を用いて更に具体的に明らかにするが、本発明は、そのような実施例の記載によって、何等限定的に解釈されるものではない。なお、本実施例において、鋳型強度(抜型強度と24時間後の放置強度)の測定、強度劣化率の測定、ヤニの発生量の測定、及びヤニ成分の質の評価は、次の試験法により実施した。
【0038】
−鋳型強度(抜型強度と24時間後の放置強度)の測定−
コールドボックス造型機のサンドマガジン内に鋳物砂組成物を投入後、この鋳物砂組成物を、曲げ強度試験片作製用金型内に、ゲージ圧:0.3MPaで充填した。次いで、かかる金型内に、ガスジェネレーターにより、ゲージ圧:0.2MPaで1秒間、トリエチルアミンを通気した後、ゲージ圧:0.2MPaで10秒間、エアーパージし、抜型して、幅:30mm×長さ:85mm×厚み:10mmの曲げ試験片を作製した。そして、得られた試験片の曲げ強度(N/cm2 )を、直ちに、又は常温で24時間放置した後に、デジタル鋳物砂強度試験機(高千穂精機社製)を用いて測定し、前者を抜型強度、後者を24時間後の放置強度とした。
【0039】
−強度劣化率(%)の測定−
強度劣化率(%)は、鋳型の崩壊性の良否を判断するための指標であって、具体的には、先ず、上記した「鋳型強度の測定」と同様にして、幅:30mm×長さ:85mm×厚み:10mmの曲げ強度測定用試験片を造型して、24時間放置後の曲げ強度(常態強度A)を測定した。次いで、この試験片を、縦:125mm×横:150mmのアルミニウム箔で完全に包み込んで、鋳型崩壊性供試体を作製し、その後、この供試体を、350℃に保持された熱風循環式電気炉中で30分間放置した後、取り出し、常温まで放置冷却後、アルミニウム箔を取り除いて得た試験片の曲げ強度(残留強度B)を測定し、強度劣化率を次式により算出した。なお、かかる強度劣化率(%)の数値が大きい程、鋳型の崩壊性が良好である。
【数1】
【0040】
−ヤニの発生量の測定−
先ず、コールドボックス造型機で作製された曲げ試験片を、幅:14mm×長さ:85mm×厚み:10mmとして、その試験片の重量(Ws)を測定した後、かかる試験片の2本を、内径28mm×長さ200mmのガラス試験管内に収容した。次いで、試験管の開口部に、予め秤量を行なった、重さ:約2.5gのグラスウール(重量:Wa)を装着し、ヤニ発生量捕集器を作製した。次いで、600℃に保持された管状炉内にかかるヤニ発生量捕集器を設置して、6分間曝熱した後に取出し、常温まで放置冷却した。そして、かかる捕集器からグラスウールを取出し、その重量(Wb)を測定した。そして、試験片1g当たりのヤニの発生量[mg/g]を、下記の計算式により算出した。
【数2】
【0041】
−ヤニ成分の質の評価−
上記の曝熱後のグラスウールを、テトラヒドロフランに浸し、ヤニ成分を抽出し、その後、東ソー株式会社製ゲル濾過クロマトグラフ8020(カラム:G1000HXL+G2000HXL、検出器:UV254nm、キャリヤー:テトラヒドロフラン1ml/min、カラム槽温度:38℃)により、ヤニ成分の分子量分布チャートを得た。そして、得られた分子量分布チャートから、ヤニ成分の質の評価を、次の評価基準にて行なった。
○:高分子量成分が少ない。
△:高分子量成分が○よりも若干多い。
×:高分子量成分が多い。
【0042】
また、フェノール樹脂溶液及びポリイソシアネート溶液を、以下のようにして調製、準備した。
【0043】
−フェノール樹脂溶液の調製−
還流器、温度計及び攪拌機を備えた三つ口反応フラスコ内に、フェノール100重量部、92重量%パラホルムアルデヒド41重量部、及び二価金属塩としてナフテン酸鉛0.32重量部を仕込み、還流温度で60分間反応を行なった後、加熱濃縮して水分含有量1重量%以下のベンジルエーテル型のフェノール樹脂を得た。次いで、このフェノール樹脂50重量部を、有効量のγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランと共に、有機エステル系溶剤(商品名:DBE グルタル酸ジメチル、アジピン酸ジメチル及びコハク酸ジメチルの混合物、デュポン社製)の25重量部と石油系溶剤(商品名:ソルベッソ100、エクソンモービル社製)の25重量部とからなる有機溶剤に溶解して、50重量%のフェノール樹脂溶液を調製した。
【0044】
−ポリイソシアネート溶液の調製−
攪拌機を備えた混合槽内で、ポリイソシアネート化合物であるポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート(商品名:コスモネートM200、三井化学社製)80重量部を、有機溶剤(ソルベッソ100)の20重量部と混合して、80重量%のポリイソシアネート溶液を調製した。
【0045】
実施例 1
実験用品川ミキサーを用いて、鋳物砂であるセラビーズ#550(伊藤忠セラテック社製)1000重量部を、炭酸カリウムの2重量部と上記で調製されたフェノール樹脂溶液の10重量部と共に、30秒間混練した後、上記で調製されたポリイソシアネート溶液の10重量部を添加して、更に30秒間混練して、有機粘結剤にて被覆された鋳物砂、つまり、鋳物砂組成物を調製した。
【0046】
そして、得られた鋳物砂組成物を用いて、上記の試験法により、鋳型強度の測定、強度劣化率の測定、ヤニの発生量の測定、及びヤニ成分の質の評価を行ない、それらの結果を、下記表1に併せ示した。また、ヤニ成分の質の評価の際に得られた分子量分布チャートを、図1に示した。
【0047】
実施例 2
上記実施例1の鋳物砂組成物の調製において、炭酸カリウムに代えて炭酸ナトリウムを用いた以外は、実施例1と同様にして鋳物砂組成物を調製し、得られた鋳物砂組成物を用いて、鋳型強度の測定、強度劣化率の測定、ヤニの発生量の測定、及びヤニ成分の質の評価を行なって、それらの結果を、下記表1に示した。
【0048】
実施例 3
上記実施例1の鋳物砂組成物の調製において、炭酸カリウムに代えて炭酸リチウムを用いた以外は、実施例1と同様にして鋳物砂組成物を調製し、得られた鋳物砂組成物を用いて、鋳型強度の測定、強度劣化率の測定、ヤニの発生量の測定、及びヤニ成分の質の評価を行なって、それらの結果を、下記表1に示した。
【0049】
実施例 4
上記実施例1の鋳物砂組成物の調製において、炭酸カリウムに代えて炭酸カルシウムを用いた以外は、実施例1と同様にして鋳物砂組成物を調製し、得られた鋳物砂組成物を用いて、鋳型強度の測定、強度劣化率の測定、ヤニの発生量の測定、及びヤニ成分の質の評価を行なって、それらの結果を、下記表1に示した。
【0050】
実施例 5
上記実施例1の鋳物砂組成物の調製において、炭酸カリウムに代えて炭酸水素ナトリウムを用いた以外は、実施例1と同様にして鋳物砂組成物を調製し、得られた鋳物砂組成物を用いて、鋳型強度の測定、強度劣化率の測定、ヤニの発生量の測定、及びヤニ成分の質の評価を行なって、それらの結果を、下記表1に示した。
【0051】
実施例 6
上記実施例1の鋳物砂組成物の調製において、炭酸カリウムに代えてリン酸水素二ナトリウムを用いた以外は、実施例1と同様にして鋳物砂組成物を調製し、得られた鋳物砂組成物を用いて、鋳型強度の測定、強度劣化率の測定、ヤニの発生量の測定、及びヤニ成分の質の評価を行なって、それらの結果を、下記表1に示した。
【0052】
実施例 7
上記実施例1の鋳物砂組成物の調製において、炭酸カリウムに代えて硝酸カリウムを用いた以外は、実施例1と同様にして鋳物砂組成物を調製し、得られた鋳物砂組成物を用いて、鋳型強度の測定、強度劣化率の測定、ヤニの発生量の測定、及びヤニ成分の質の評価を行なって、それらの結果を、下記表1に示した。
【0053】
実施例 8
上記実施例1の鋳物砂組成物の調製において、炭酸カリウムに代えて蓚酸カリウムを用いた以外は、実施例1と同様にして鋳物砂組成物を調製し、得られた鋳物砂組成物を用いて、鋳型強度の測定、強度劣化率の測定、ヤニの発生量の測定、及びヤニ成分の質の評価を行なって、それらの結果を、下記表2に示した。
【0054】
実施例 9
上記実施例1の鋳物砂組成物の調製において、炭酸カリウムに代えてクエン酸ナトリウムを用いた以外は、実施例1と同様にして鋳物砂組成物を調製し、得られた鋳物砂組成物を用いて、鋳型強度の測定、強度劣化率の測定、ヤニの発生量の測定、及びヤニ成分の質の評価を行なって、それらの結果を、下記表2に示した。
【0055】
実施例 10
上記実施例1の鋳物砂組成物の調製において、炭酸カリウムに代えてグルタミン酸ナトリウムを用いた以外は、実施例1と同様にして鋳物砂組成物を調製し、得られた鋳物砂組成物を用いて、鋳型強度の測定、強度劣化率の測定、ヤニの発生量の測定、及びヤニ成分の質の評価を行なって、それらの結果を、下記表2に示した。
【0056】
実施例 11
上記実施例1の鋳物砂組成物の調製において、メチルシリケートの加水分解生成物であるメチルシリケート51(コルコート社製)を0.5重量部、更に添加して用いた以外は、実施例1と同様にして鋳物砂組成物を調製し、得られた鋳物砂組成物を用いて、鋳型強度の測定、強度劣化率の測定、ヤニの発生量の測定、及びヤニ成分の質の評価を行なって、それらの結果を、下記表2に示した。
【0057】
実施例 12
上記実施例11の鋳物砂組成物の調製において、炭酸カリウムに代えて炭酸ナトリウムを用いた以外は、実施例11と同様にして鋳物砂組成物を調製し、得られた鋳物砂組成物を用いて、鋳型強度の測定、強度劣化率の測定、ヤニの発生量の測定、及びヤニ成分の質の評価を行なって、それらの結果を、下記表2に示した。
【0058】
比較例 1
上記実施例1の鋳物砂組成物の調製において、炭酸カリウムを用いなかった以外は、実施例1と同様にして鋳物砂組成物を調製し、得られた鋳物砂組成物を用いて、鋳型強度の測定、強度劣化率の測定、ヤニの発生量の測定、及びヤニ成分の質の評価を行なって、それらの結果を、下記表2に示した。また、ヤニ成分の質の評価の際に得られた分子量分布チャートを、図2に示した。
【0059】
比較例 2
上記比較例1の鋳物砂組成物の調製において、0.5重量部のメチルシリケート51(コルコート社製)を更に添加して用いた以外は、比較例1と同様にして鋳物砂組成物を調製し、得られた鋳物砂組成物を用いて、鋳型強度の測定、強度劣化率の測定、ヤニの発生量の測定、及びヤニ成分の質の評価を行なって、それらの結果を、下記表2に示した。
【0060】
【表1】
【0061】
【表2】
【0062】
上記表1,2及び図1,2からも明らかなように、アルカリ金属塩及び/又はアルカリ土類金属塩が配合された実施例1〜12は、曝熱前には、充分な鋳型強度を確保すると共に、曝熱後においては、アルカリ金属塩及び/又はアルカリ土類金属塩が配合されていない比較例1及び2に比して、強度劣化率が大きく、崩壊性に優れていることが認められる。また、GPCチャートにおいて、溶出時間の早い高分子成分の割合が少なく、ヤニ成分の質が改善されていることも分かる。中でも、アルカリ金属塩とケイ酸エステル類とが併用された実施例11,12を、アルカリ金属塩のみの実施例1,2と比べると、崩壊性が更に向上せしめられていることが分かる。
【0063】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、鋳型用の有機粘結剤に、アルカリ金属塩及び/又はアルカリ土類金属塩が必須の構成成分として用いられているところから、実用上において支障のない鋳型強度が実現され得ると共に、鋳造後における鋳型の崩壊性を改善することが出来るのである。加えて、熱分解生成物(ヤニ成分)の改質、つまり低分子量化が有利に実現され得るところから、鋳造時のガス欠陥の発生を効果的に抑制することが可能となるのである。
【0064】
また、上記アルカリ金属塩及び/又はアルカリ土類金属塩と共に、ケイ酸エステル及び/又はその加水分解生成物を併用すれば、鋳型の崩壊性が更に向上され、より一層優れた崩壊性を有する砂中子等の鋳型を提供することが出来るのである。
【0065】
このような本発明に従う有機粘結剤を用いて形成される鋳型は、アルミニウム合金やマグネシウム合金等の軽合金製の鋳物製造においても、鋳型の崩壊性及び鋳造時のガス欠陥の改善に大きく寄与することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られたGPCによる分子量分布チャートである。
【図2】比較例1で得られたGPCによる分子量分布チャートである。
Claims (6)
- フェノールウレタン系のガス硬化鋳型又は自硬性鋳型の造型に用いられる有機粘結剤であって、フェノール樹脂とポリイソシアネート化合物と有機溶剤と共に、アルカリ金属塩及び/又はアルカリ土類金属塩を必須の構成成分として含有することを特徴とする鋳型用有機粘結剤。
- ケイ酸エステル及び/又はその加水分解生成物が、更に含有せしめられていることを特徴とする請求項1に記載の鋳型用有機粘結剤。
- 前記アルカリ金属塩及び/又はアルカリ土類金属塩が、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の炭酸塩、炭酸水素塩、リン酸塩、硝酸塩、蓚酸塩、クエン酸塩及びグルタミン酸塩の群から選ばれる少なくとも1種である請求項1又は請求項2に記載の鋳型用有機粘結剤。
- 鋳物砂に対して、請求項1乃至請求項3の何れかに記載の鋳型用有機粘結剤を混練せしめてなる鋳物砂組成物。
- 請求項4に記載の鋳物砂組成物に対して、第三級アミンガスを接触せしめることにより、該鋳物砂組成物を硬化せしめてなるガス硬化鋳型。
- 鋳物砂に対して、硬化触媒と共に、請求項1乃至請求項3の何れかに記載の鋳型用有機粘結剤を混練せしめることにより形成される自硬性鋳型。
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