JP2004251378A - 送風機又は圧縮機のオイルミスト飛散防止システム - Google Patents

送風機又は圧縮機のオイルミスト飛散防止システム Download PDF

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Dengyosha Machine Works Ltd
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Abstract

【目的】特別な設備を要することなく、簡単な構成で安価にオイルミストの飛散を確実に防ぐことができる送風機又は圧縮機のオイルミスト飛散防止システムを提供すること。
【構成】潤滑油によって潤滑される軸受ユニット8,9によってロータ3を回転自在に軸支して成るブロワ(送風機又は圧縮機)1の前記軸受ユニット8,9内に発生するオイルミストの飛散を防止するシステムを、前記軸受ユニット8,9内を吸引管18,19によってブロワ1の吸込ノズル(負圧部)4に接続し、その接続経路である吸引管19の途中にオイルミストセパレータ(オイルミスト分離手段)20を設けて構成する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、潤滑油によって潤滑される軸受ユニットによってロータを回転自在に軸支して成る送風機又は圧縮機の前記軸受ユニット内に発生するオイルミストの飛散を防止するシステムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ロータリ式の送風機や圧縮機は、ロータに取り付けられたインペラを回転駆動して空気等のガスを昇圧するものであるが、ロータは高速で回転駆動されるため、これを回転自在に支承する軸受には主に油潤滑式の軸受が用いられる。
【0003】
ところで、軸受の潤滑方式には、軸受ユニット内の油浴(オイルバス)に貯留された潤滑油に軸受の少なくとも一部を浸漬させて該軸受を潤滑する油浴潤滑式や、給油ポンプによって潤滑油を軸受ユニット内に強制的に供給して軸受を潤滑する強制循環潤滑式等があり、運転条件に応じて適切な潤滑方式が適宜採用される。
【0004】
ここで、潤滑方式として油浴潤滑式を採用した軸受ユニットの一例を図12に示す。
【0005】
即ち、図12は軸受ユニット8の断面図であり、該軸受ユニット8は、軸受ケース11内に転がり軸受であるボールベアリング12を収容して構成され、軸受ケース11の開口端面は着脱可能な軸受ケース蓋13及び軸端蓋14によってそれぞれ閉塞され、軸受ケース11の内部には油浴(オイルバス)15が形成されている。そして、この油浴15内には潤滑油が貯留されており、潤滑油には前記ボールベアリング12の下部が浸漬されている(図示例では、潤滑油の油面はボールベアリング12の下部のボール12aの中心レベルに位置している)。尚、軸受ケース11の下部には、油浴15内に開口する排油管16が接続されている。
【0006】
又、送風機又は圧縮機のロータ3の一端は、軸受ケース蓋13を貫通して軸受ケース11内の前記ボールベアリング12によって回転自在に支承されている。そして、ロータ3が軸受ケース蓋13を貫通する部位はラビリンス17によってシール(軸封)されている。尚、図示しないが、ロータ3の他端も同様にボールベアリングによって回転自在に支承されている。
【0007】
而して、ロータ3が回転駆動されると、ボールベアリング12が油浴15内の潤滑油によって潤滑される。
【0008】
次に、潤滑方式として強制循環潤滑式を採用した軸受ユニットの一例を図13に示す。
【0009】
即ち、図13は軸受ユニット25の断面図であり、該軸受ユニット25は、軸受ケース31内に滑り軸受であるメタル軸受32を収容して構成され、軸受ケース31の開口端面は着脱可能な軸受ケース蓋33及び軸端蓋34によってそれぞれ閉塞されている。
【0010】
そして、上記メタル軸受32の外周には半円溝32aが全周に亘って形成されており、この半円溝32aには給油管28が開口しており、該給油管28は、不図示の潤滑油タンクに設けられた不図示の給油ポンプに接続されている。又、軸受ケース31の下部には排油管30が接続されている。
【0011】
又、ロータ3の一端は、軸受ケース蓋33を貫通して軸受ケース31内の前記メタル軸受32によって回転自在に支承されている。そして、ロータ32が軸受ケース蓋33を貫通する部位はラビリンス35によってシール(軸封)されている。尚、図示しないが、ロータ3の他端も同様にメタル軸受によって回転自在に支承されている。
【0012】
而して、不図示の給油ポンプが駆動されると、給油管28から潤滑油がメタル軸受32に供給される。具体的には、潤滑油は給油管28からメタル軸受32の半円溝32aに送られ、該半円溝32aから不図示の連通孔を通ってメタル軸受32とロータ3との摺動部に供給されて潤滑に供された後、排油管30を通って不図示の潤滑油タンクに戻される。以後、同様の作用が繰り返され、メタル軸受32は連続的に循環する潤滑油によって強制潤滑される。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、油浴潤滑式や強制循環潤滑式等の潤滑方式を採用する軸受を備える送風機や圧縮機の軸受ユニットにおいては、ロータが高速で回転するため、軸受ユニット内にオイルミストが発生し、このオイルミストが軸封部であるラビリンス等の隙間を通過して軸受ユニット外へ漏れ出てしまい、付近の設備等を汚したり、送風機や圧縮機が設置されている建屋内の空気を汚染する等の環境汚染を引き起こすという問題があった。
【0014】
上記問題を解決する手段として、ベーパファン等の吸引ファンによって軸受ユニット内を負圧に保持し、吸引ファンによって引かれたオイルミストを放出管に導き、放出管の出口に接続されたオイルミストセパレータによってオイルミストから油分を除去する方法が提案されている(例えば、特開平9−173736号公報参照)。
【0015】
ところが、上記方法によれば、吸引ファンとこれを駆動する電動モータ等の駆動源が別途必要となるため、設備の大型化やコストアップを招くという別の問題が発生する。
【0016】
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、特別な設備を要することなく、簡単な構成で安価にオイルミストの飛散を確実に防ぐことができる送風機又は圧縮機のオイルミスト飛散防止システムを提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、潤滑油によって潤滑される軸受ユニットによってロータを回転自在に軸支して成る送風機又は圧縮機の前記軸受ユニット内に発生するオイルミストの飛散を防止するシステムを、前記軸受ユニット内を送風機又は圧縮機内の負圧部に接続し、その接続経路の途中にオイルミスト分離手段を設けて構成したことを特徴とする。
【0018】
従って、請求項1記載の発明によれば、軸受ユニット内において発生したオイルミストは、送風機又は圧縮機内の負圧部に引かれてオイルミスト分離手段に導かれ、オイルミスト分離手段において油分が除去されるため、オイルミストが軸受ユニット外へ漏れ出ることがなく、オイルミストによる汚染の問題が解消される。そして、この場合、軸受ユニット内に発生するオイルミストを吸引する負圧源として送風機又は圧縮機自体に発生する負圧を利用するため、吸引ファンやこれを駆動する駆動源等の設備を別途設ける必要がなく、軸受ユニット内に発生するオイルミストの飛散をコストアップを招くことなく簡単な構成で確実に防ぐことができる。
【0019】
請求項2記載の発明は、潤滑油によって潤滑される軸受ユニットによってロータを回転自在に軸支して成る送風機又は圧縮機の前記軸受ユニット内に発生するオイルミストの飛散を防止するシステムを、前記軸受ユニット内を、送風機又は圧縮機からの吐出ガスの流動を利用して負圧を発生するエゼクタに接続し、その接続経路の途中にオイルミスト分離手段を設けて構成したことを特徴とする。
【0020】
従って、請求項2記載の発明によれば、軸受ユニット内において発生したオイルミストは、エゼクタにおいて発生する負圧に引かれてオイルミスト分離手段に導かれ、オイルミスト分離手段において油分が除去されるため、オイルミストが軸受ユニット外へ漏れ出ることがなく、オイルミストによる汚染の問題が解消される。そして、この場合、軸受ユニット内に発生するオイルミストを吸引する負圧源としてエゼクタが用いられるため、吸引ファンやこれを駆動する駆動源等の設備を別途設ける必要がなく、軸受ユニット内に発生するオイルミストの飛散をコストアップを招くことなく簡単な構成で確実に防ぐことができる。
【0021】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明において、前記送風機又は圧縮機の吐出側と吸込側とを通気管で接続し、該通気管の途中に前記エゼクタを設けたことを特徴とする。
【0022】
従って、請求項3記載の発明によれば、圧力の高い吐出側と圧力の低い吸気側とを通気管で接続したため、該通気管内を吐出側から吸込側に向かって流れる吐出ガスの流速が大きくなり、この結果、エゼクタには高い負圧が発生し、軸受ユニット内に発生するオイルミストが一層効果的に吸引されてその飛散が確実に防がれる。
【0023】
請求項4記載の発明は、請求項2又は3記載の発明において、前記通気管の前記エゼクタの上流側に圧力調整弁を設けたことを特徴とする。
【0024】
従って、請求項4記載の発明によれば、圧力調整弁によってエゼクタを流れる吐出ガスの流量を調整してエゼクタに発生する負圧の大きさを調整することができるため、軸受ユニット内の圧力を適当な任意の値に設定することができる。
【0025】
請求項5記載の発明は、潤滑油タンクと軸受ユニットとを連通する給油管と排油管を設け、前記給油管に設けられた給油ポンプによって供給される潤滑油によって潤滑される前記軸受ユニットによってロータを回転自在に軸支して成る送風機又は圧縮機の前記軸受ユニット内に発生するオイルミストの飛散を防止するシステムを、前記排油管の途中から分岐する吸引管を送風機又は圧縮機内の負圧部に接続し、該吸引管の途中にオイルミスト分離手段を設けて構成したことを特徴とする。
【0026】
従って、請求項5記載の発明によれば、潤滑方式として強制循環潤滑式を採用する軸受ユニット内において発生したオイルミストは排油と共に排油管を流れるが、その途中で吸引管を送風機又は圧縮機内の負圧に引かれて吸引管を経てオイルミスト分離手段に導かれ、オイルミスト分離手段において油分が除去されるため、オイルミストが軸受ユニット外へ漏れ出ることがなく、オイルミストによる汚染の問題が解消される。そして、この場合、軸受ユニット内に発生するオイルミストを吸引する負圧源として送風機又は圧縮機自体に発生する負圧を利用するため、吸引ファンやこれを駆動する駆動源等の設備を別途設ける必要がなく、軸受ユニット内に発生するオイルミストの飛散をコストアップを招くことなく簡単な構成で確実に防ぐことができる。
【0027】
請求項6記載の発明は、請求項5記載の発明において、前記吸引管の一部を立ち上げて逆U字状部を形成し、該逆U字状部の立ち上がり高さを送風機又は圧縮機内の負圧部の負圧による吸込高さよりも大きく設定したことを特徴とする。
【0028】
従って、請求項6記載の発明によれば、排油管を流れる排油や潤滑油タンク内の潤滑油が吸引管に吸い込まれてオイルミスト分離手段に流れ込むという不具合が発生することがない。
【0029】
請求項7記載の発明は、潤滑油タンクと軸受ユニットとを連通する給油管と排油管を設け、前記給油管に設けられた給油ポンプによって供給される潤滑油によって潤滑される前記軸受ユニットによってロータを回転自在に軸支して成る送風機又は圧縮機の前記軸受ユニット内に発生するオイルミストの飛散を防止するシステムを、前記排油管の途中から分岐する吸引管を、送風機又は圧縮機からの吐出ガスの流動を利用して負圧を発生するエゼクタに接続し、その接続経路の途中にオイルミスト分離手段を設けて構成したことを特徴とする。
【0030】
従って、請求項7記載の発明によれば、潤滑方式として強制循環潤滑式を採用する軸受ユニット内において発生したオイルミストは排油と共に排油管を流れるが、その途中でエゼクタに発生する負圧に引かれて吸引管を経てオイルミスト分離手段に導かれ、オイルミスト分離手段において油分が除去されるため、オイルミストが軸受ユニット外へ漏れ出ることがなく、請求項5記載の発明と同様の効果が得られる。
【0031】
請求項8記載の発明は、請求項7記載の発明において、前記吸引管の一部を立ち上げて逆U字状部を形成し、該逆U字状部の立ち上がり高さを前記エゼクタに発生する負圧による吸込高さよりも大きく設定したことを特徴とする。
【0032】
従って、請求項8記載の発明によれば、請求項6記載の発明と同様の効果が得られる。
【0033】
請求項9記載の発明は、請求項7又は8記載の発明において、前記送風機又は圧縮機の吐出側と吸込側とを通気管で接続し、該通気管の途中に前記エゼクタを設けたことを特徴とする。
【0034】
従って、請求項9記載の発明によれば、請求項3記載の発明と同様の効果が得られる。
【0035】
請求項10記載の発明は、請求項7,8又は9記載の発明において、前記通気管の前記エゼクタの上流側に圧力調整弁を設けたことを特徴とする。
【0036】
従って、請求項10記載の発明によれば、請求項4記載の発明と同様の効果が得られる。
【0037】
請求項11記載の発明は、密閉式潤滑油タンクと軸受ユニットとを連通する給油管と排油管を設け、前記給油管に設けられた給油ポンプによって供給される潤滑油によって潤滑される前記軸受ユニットによってロータを回転自在に軸支して成る送風機又は圧縮機の前記軸受ユニット内に発生するオイルミストの飛散を防止するシステムを、前記密閉式潤滑油タンク内の上部空間部に一端が開口した吸引管の他端を送風機又は圧縮機内の負圧部に接続し、該吸引管の途中にオイルミスト分離手段を設けて構成したことを特徴とする。
【0038】
従って、請求項11記載の発明によれば、潤滑方式として強制循環潤滑式を採用する軸受ユニット内において発生したオイルミストは、排油と共に排油管を通って密閉式潤滑油タンクに流れるが、潤滑油タンクに回収されたオイルミストは、送風機又は圧縮機内の負圧に引かれて吸引管を経てオイルミスト分離手段に導かれ、オイルミスト分離手段において油分が除去されるため、オイルミストが軸受ユニット外へ漏れ出ることがなく、オイルミストによる汚染の問題が解消される。そして、この場合、軸受ユニット内に発生するオイルミストを吸引する負圧源として送風機又は圧縮機自体に発生する負圧を利用するため、吸引ファンやこれを駆動する駆動源等の設備を別途設ける必要がなく、軸受ユニット内に発生するオイルミストの飛散をコストアップを招くことなく簡単な構成で確実に防ぐことができる。
【0039】
請求項12記載の発明は、密閉式潤滑油タンクと軸受ユニットとを連通する給油管と排油管を設け、前記給油管に設けられた給油ポンプによって供給される潤滑油によって潤滑される前記軸受ユニットによってロータを回転自在に軸支して成る送風機又は圧縮機の前記軸受ユニット内に発生するオイルミストの飛散を防止するシステムを、前記密閉式潤滑油タンク内の上部空間部に一端が開口した吸引管の他端を、送風機又は圧縮機からの吐出ガスの流動を利用して負圧を発生するエゼクタに接続し、その接続経路の途中にオイルミスト分離手段を設けて構成したことを特徴とする。
【0040】
従って、請求項12記載の発明によれば、潤滑方式として強制循環潤滑式を採用する軸受ユニット内において発生したオイルミストは、排油と共に排油管を通って密閉式潤滑油タンクに流れるが、潤滑油タンクに回収されたオイルミストは、エゼクタに発生する負圧に引かれて吸引管を経てオイルミスト分離手段に導かれ、オイルミスト分離手段において油分が除去されるため、請求項11記載の発明と同様の効果が得られる。
【0041】
請求項13記載の発明は、請求項12記載の発明において、前記送風機又は圧縮機の吐出側と吸込側とを通気管で接続し、該通気管の途中に前記エゼクタを設けたことを特徴とする。
【0042】
従って、請求項13記載の発明によれば、請求項3記載の発明と同様の効果が得られる。
【0043】
請求項14記載の発明は、請求項12又は13記載の発明において、前記通気管の前記エゼクタの上流側に圧力調整弁を設けたことを特徴とする。
【0044】
従って、請求項14記載の発明によれば、請求項4記載の発明と同様の効果が得られる。
【0045】
請求項15記載の発明は、密閉式潤滑油タンクと軸受ユニットとを連通する給油管と排油管を設け、前記給油管に設けられた給油ポンプによって供給される潤滑油によって潤滑される前記軸受ユニットによってロータを回転自在に軸支して成る送風機又は圧縮機の前記軸受ユニット内に発生するオイルミストの飛散を防止するシステムを、前記排油管の一端を前記密閉式潤滑油タンク内の油面下に開口させるとともに、前記密閉式潤滑油タンク内の上部空間部に一端が開口した吸引管の他端を送風機又は圧縮機内の負圧部に接続して構成したことを特徴とする。
【0046】
従って、請求項15記載の発明によれば、軸受ユニット内において発生したオイルミストは排油と共に排油管を通って密閉式潤滑油タンクに流れるが、排油管の一端は密閉式潤滑油タンク内の油面下に開口しているため、排油と共に潤滑油タンク内に流れ込むオイルミストを潤滑油にほぼ100%捕捉させることができ、潤滑油タンク内の上部空間部にオイルミストが移行しない。この結果、オイルミスト分離手段が不要となり、その分だけ設備が簡素化し、オイルミスト分離手段のフィルタの取り替え作業も不要となって高い経済効果が得られる。
【0047】
請求項16記載の発明は、密閉式潤滑油タンクと軸受ユニットとを連通する給油管と排油管を設け、前記給油管に設けられた給油ポンプによって供給される潤滑油によって潤滑される前記軸受ユニットによってロータを回転自在に軸支して成る送風機又は圧縮機の前記軸受ユニット内に発生するオイルミストの飛散を防止するシステムを、前記排油管の一端を前記密閉式潤滑油タンク内の油面下に開口させるとともに、前記密閉式潤滑油タンク内の上部空間部に一端が開口した吸引管の他端を、送風機又は圧縮機からの吐出ガスの流動を利用して負圧を発生するエゼクタに接続して構成したことを特徴とする。
【0048】
従って、請求項16記載の発明によれば、負圧発生源としてエゼクタを用いる以外は請求項15記載の発明と同じであるため、請求項15記載の発明と同様の効果が得られる。
【0049】
請求項17記載の発明は、請求項16記載の発明において、前記送風機又は圧縮機の吐出側と吸込側とを通気管で接続し、該通気管の途中に前記エゼクタを設けたことを特徴とする。
【0050】
従って、請求項17記載の発明によれば、請求項3記載の発明と同様の効果が得られる。
【0051】
請求項18記載の発明は、請求項16又は17記載の発明において、前記通気管の前記エゼクタの上流側に圧力調整弁を設けたことを特徴とする。
【0052】
従って、請求項18記載の発明によれば、請求項4記載の発明と同様の効果が得られる。
【0053】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0054】
<実施の形態1>
図1は本発明の実施の形態1に係るオイルミスト飛散防止システムを備える送風機又は圧縮機(以下、ブロワと総称する)の全体構成図、図2は軸受ユニットの断面図である。
【0055】
図1に示すブロワ1においては、本体ケーシング2内をロータ3が貫通しており、ロータ3には、本体ケーシング2内に収容された不図示のインペラが取り付けられている。又、本体ケーシング2の長さ方向両端には、吸込ノズル4と吐出ノズル5がそれぞれ下方に向かって一体に突設されており、これらの吸込ノズル4と吐出ノズル5には吸込管6と吐出管7がそれぞれ接続されている。
【0056】
又、前記ロータ3の本体ケーシング2外へ延出する両端部は、軸受ユニット8,9によって回転自在に支承されており、該ロータ3の一端は、駆動源である電動モータ10に直結されている。
【0057】
ここで、一方の軸受ユニット8の構成を図2に基づいて説明する。尚、他方の軸受ユニット9の構成も軸受ユニット8のそれと同様であるため、これについての図示及び説明は省略する。
【0058】
軸受ユニット8は、潤滑方式として油浴潤滑式を採用するものであって、軸受ケース11内に転がり軸受であるボールベアリング12を収容して構成され、軸受ケース11の開口端面は着脱可能な軸受ケース蓋13及び軸端蓋14によってそれぞれ閉塞され、軸受ケース11の内部には油浴(オイルバス)15が形成されている。そして、この油浴15内には潤滑油が貯留されており、潤滑油には前記ボールベアリング12の下部が浸漬されている(図示例では、潤滑油の油面はボールベアリング12の下部のボール12aの中心レベルに位置している)。尚、軸受ケース11の下部には、油浴15内に開口する排油管16が接続されている。
【0059】
又、前記ロータ3の一端は、軸受ケース蓋13を貫通して軸受ケース11内の前記ボールベアリング12によって回転自在に支承されている。そして、ロータ3が軸受ケース蓋13を貫通する部位はラビリンス17によってシール(軸封)されている。尚、図示しないが、ロータ3の他端も同様に軸受ユニット9内のボールベアリングによって回転自在に支承されている。
【0060】
而して、本発明に係るオイルミスト飛散防止システムは次のように構成されている。
【0061】
即ち、両軸受ユニット8,9内は吸引管18によって互いに連通せしめられており、吸引管18の途中からは吸引管19が分岐しており、この吸引管19はブロワ1の吸込ノズル4の側部に接続されて該吸込ノズル4内に開口している。そして、吸引管19の途中にはオイルミストセパレータ20(構成の詳細は特開平9−173736号公報等参照)が設けられている。従って、互いに連通する軸受ユニット8,9内は、吸引管18,19及びオイルミストセパレータ20を介してブロワ1の吸込ノズル4内に連通している。
【0062】
ここで、前記吸引管18の一端は、図2に示すように、軸受ユニット8の軸受ケース11の上部に接続され、軸受ケース11内の軸受ケース蓋13とボールベアリング12との間の空間に開口している。尚、図示しないが、吸引管18の他端も軸受ユニット9の軸受ケースの上部に接続され、軸受ケース内の軸受ケース蓋とボールベアリングとの間の空間に開口している。
【0063】
以上において、電動モータ10によってブロワ1のロータ3が高速で回転駆動されると、該ロータ3に取り付けられた不図示のインペラも本体ケーシング2内で高速で回転し、空気を吸込管6から吸込ノズル1を経て吸引してこれを昇圧し、この昇圧された空気を吐出ノズル5から吐出管7へと吐出する。
【0064】
而して、上述のようにブロワ1が駆動されると、吸込空気が吸込ノズル4内を高速で流れるため、該吸込ノズル1内は負圧となる。
【0065】
ところで、各軸受ユニット8,9内でロータ3が高速で回転すると、両軸受ユニット8,9内にはオイルミストが発生するが、前述のように互いに連通する軸受ユニット8,9内は、吸引管18,19及びオイルミストセパレータ20を介してブロワ1の吸込ノズル4内に連通しているため、各軸受ユニット8,9内において発生したオイルミストは、吸込ノズル4内の負圧に引かれて吸引管18,19を図示矢印方向に流れてオイルミストセパレータ20に導かれ、オイルミストセパレータ20において油分が除去され、油分が除去された清浄な空気のみが吸引管19を通って吸込ノズル4へと吸引されて他の吸込空気と共にブロワ1での圧縮に供される。
【0066】
従って、各軸受ユニット8,9内に発生したオイルミストが軸受ユニット8,9外へ漏れ出ることがなく、従来発生していたオイルミストによる付近の設備等の汚染や建屋内の空気汚染等の環境汚染を引き起こすという問題が解消される。
【0067】
以上のように、本実施の形態に係るオイルミスト飛散防止システムにおいては、各軸受ユニット8,9内に発生するオイルミストを吸引する負圧源としてブロワ1自体に発生する負圧(吸込ノズル4内の負圧)を利用するため、吸引ファンやこれを駆動する駆動源等の設備を別途設ける必要がなく、各軸受ユニット8,9内に発生するオイルミストの飛散をコストアップを招くことなく簡単な構成で確実に防ぐことができる。
【0068】
ところで、図3に示すように、本体ケーシング2内の吸込側にロータ3と共に回転する吸込ベーン21を備えるブロワ1にあっては、吸引管19を本体ケーシング2内の前記吸込ベーン21の下流近傍に開口させれば、吸込ベーン21の下流近傍には一層大きな負圧が発生するため、軸受ユニット8,9に発生するオイルミストをより効果的に吸引することができる。尚、図3においては、図1に示したと同様の要素には同一符号を付している。
【0069】
<実施の形態2>
次に、本発明の実施の形態2を図4に基づいて説明する。尚、図4は本実施の形態2に係るオイルミスト飛散防止システムを備えるブロワの全体構成図であり、本図においては図1に示したと同様の要素には同一符号を付しており、以下、それらについての説明は省略する。
【0070】
本実施の形態に係るオイルミスト飛散防止システムは、負圧発生手段としてエゼクタ22を用いることを特徴とする。
【0071】
即ち、本実施の形態においても、軸受ユニット8,9は潤滑方式として油浴潤滑式を採用するが、吐出管7の側部に通気管23の一端を接続して該通気管23を吐出管7内に開口せしめ、通気管23の他端を大気に開放し、その途中に圧力調整弁24とエゼクタ22を設けている。そして、両軸受ユニット8,9内を吸引管18,19を介してエゼクタ22に接続し、吸引管19の途中にオイルミストセパレータ20を設けている。
【0072】
而して、ブロワ1が運転されると、該ブロワ1によって昇圧された圧縮空気の一部が吐出管7から通気管23を通ってエゼクタ22へと流れるため、エゼクタ22には負圧が発生する。この結果、各軸受ユニット8,9内において発生したオイルミストは、エゼクタ22に発生する負圧に引かれて吸引管18,19を図示矢印方向に流れてオイルミストセパレータ20に導かれ、オイルミストセパレータ20において油分が除去され、油分が除去された清浄な空気のみがエゼクタ22を通って圧縮空気と共に通気管23から大気中に排出される。
【0073】
従って、本実施の形態においても、各軸受ユニット8,9内に発生したオイルミストが軸受ユニット8,9外へ漏れ出ることがないため、従来発生していた汚染の問題が解消される。
【0074】
又、本実施の形態に係るオイルミスト飛散防止システムにおいては、各軸受ユニット8,9内に発生するオイルミストを吸引する負圧源として、吐出空気の流れによって負圧を発生するエゼクタ22を用いるため、吸引ファンやこれを駆動する駆動源等の大型設備を別途設ける必要がなく、各軸受ユニット8,9内に発生するオイルミストの飛散をコストアップを招くことなく簡単な構成で確実に防ぐことができる。
【0075】
更に、本実施の形態に係るオイルミスト飛散防止システムにおいては、圧力調整弁24によってエゼクタ22を流れる圧縮空気の流量を調整してエゼクタ22に発生する負圧の大きさを調整することができるため、両軸受ユニット8,9内の圧力を適当な任意の値に設定することができる。
【0076】
<実施の形態3>
次に、本発明の実施の形態3を図5に基づいて説明する。尚、図5は本実施の形態3に係るオイルミスト飛散防止システムを備えるブロワの全体構成図であり、本図においては図4に示したと同様の要素には同一符号を付しており、以下、それらについての説明は省略する。
【0077】
本実施の形態に係るオイルミスト飛散防止システムが図4に示す前記実施の形態2に係るオイルミスト飛散防止システムと異なるのは、吐出管7と吸込管6とを通気管23で接続した点であり、他の構成は実施の形態2に係るオイルミスト飛散防止システムのそれと全く同じである。
【0078】
而して、本実施の形態によれば、圧力の高い吐出管7と圧力の低い(負圧)吸込管6とを通気管23で接続したため、通気管23内を吐出側から吸込側に向かって流れる圧縮空気の流速が大きくなり、この結果、エゼクタ22には高い負圧が発生し、両軸受ユニット8,9内に発生するオイルミストが一層効果的に吸引されてその飛散が確実に防がれる。
【0079】
その他、本実施の形態によっても、前記実施の形態2と同様の効果が得られるが、本実施の形態では、エゼクタ22を通過した圧縮空気は、オイルミストセパレータ20において油分が除去された清浄な空気と共に通気管23を通って吸込管6へと吸引され、他の吸込空気と共にブロワ1での圧縮に供される。
【0080】
<実施の形態4>
次に、本発明の実施の形態4を図6及び図7に基づいて説明する。尚、図6は本実施の形態4に係るオイルミスト飛散防止システムを備えるブロワの全体構成図、図7は軸受ユニットの断面図であり、図6においては図5に示したと同様の要素には同一符号を付しており、以下、それらについての説明は省略する。
【0081】
本実施の形態に係るオイルミスト飛散防止システムは、潤滑方式として強制循環潤滑式を採用する軸受ユニット25,26を備えるブロワ1に対して適用されるものであって、その基本構成は前記実施の形態3に係るオイルミスト飛散防止システムのそれと同じである。
【0082】
従って、ここでは強制循環潤滑式の潤滑システムについて説明する。
【0083】
図6において、27は潤滑油タンクであって、該潤滑油タンク27から延びる給油管28は各軸受ユニット25,26に接続され、給油管28の途中には給油ポンプ29が設けられている。又、各軸受ユニット25,26の下部から延びる排油管30は、合流して潤滑油タンク27内の潤滑油内に浸漬されている。
【0084】
ここで、一方の軸受ユニット25の構成を図7に基づいて説明する。尚、他方の軸受ユニット26の構成も軸受ユニット25のそれと同様であるため、これについての図示及び説明は省略する。
【0085】
図7に示すように、軸受ユニット25は、軸受ケース31内に滑り軸受であるメタル軸受32を収容して構成され、軸受ケース31の開口端面は着脱可能な軸受ケース蓋33及び軸端蓋34によってそれぞれ閉塞されている。
【0086】
上記メタル軸受32の外周には半円溝32aが全周に亘って形成されており、この半円溝32aには前記給油管28が開口している。又、軸受ケース31の下部には前記排油管30が接続されており、該排油管30は軸受ケース31内の底部に開口している。
【0087】
又、ブロワ1のロータ3の一端は、軸受ケース蓋33を貫通して軸受ケース31内の前記メタル軸受32によって回転自在に支承されている。そして、ロータ3が軸受ケース蓋33を貫通する部位はラビリンス35によってシール(軸封)されている。尚、図示しないが、ロータ3の他端も同様に軸受ユニット26のメタル軸受によって回転自在に支承されている。
【0088】
更に、軸受ケース31の上部には、本発明に係るオイルミスト飛散防止システムの一部を構成する吸引管18が接続されており、この吸引管18は、軸受ケース31内の軸受ケース蓋33とメタル軸受32の間の空間に開口している。
【0089】
以上において、給油ポンプ29が駆動されると、潤滑油タンク27内の潤滑油が給油管28から各軸受ユニット25,26のメタル軸受32(一方のみ図示)に供給される。具体的には、例えば一方の軸受ユニット25においては、潤滑油は給油管28からメタル軸受32の半円溝32aに送られ、該半円溝32aから不図示の連通孔を通ってメタル軸受32とロータ3との摺動部に供給されて潤滑に供された後、排油管30を通って潤滑油タンク27に戻される。以後、同様の作用が繰り返され、メタル軸受32は連続的に循環する潤滑油によって強制潤滑される。
【0090】
而して、前述のように本実施の形態に係るオイルミスト飛散防止システムの構成は前記実施の形態3に係るものと同じであるため、本実施の形態においても前記実施の形態3にて得られたと同様の効果が得られる。
【0091】
尚、本実施の形態では、軸受ユニット25,26を負圧発生手段としてのエゼクタ22に接続したが、前記実施の形態1のようにブロワ1の負圧発生部(図1に示す例では吸込ノズル4、図3に示す例では吸込ベーン21の下流近傍)に軸受ユニット25,26を接続しても良い。
【0092】
<実施の形態5>
次に、本発明の実施の形態5を図8に基づいて説明する。尚、図5は本実施の形態5に係るオイルミスト飛散防止システムを備えるブロワの全体構成図であり、本図においては図6に示したと同様の要素には同一符号を付しており、以下、それらについての説明は省略する。
【0093】
本実施の形態に係るオイルミスト飛散防止システムも、前記実施の形態4と同様に潤滑方式として強制循環潤滑式を採用する軸受ユニット25,26を備えるブロワ1に対して適用されるものであるが、実施の形態4に係るオイルミスト飛散防止システムと異なる点は、一端がエゼクタ22に接続された吸引管18の他端を軸受ユニット25,26ではなく、排油管30の途中に接続したことにある。
【0094】
ここで、吸引管18の一部は、排油管30との接続部から一旦上方に立ち上がった後に円弧状に折り曲げられて下方に延びることによって逆U字状部18aを形成しており、この逆U字状部18aの高さHはエゼクタ22において発生する負圧による吸込高さよりも大きく設定されている。
【0095】
而して、ブロワ1が運転されると、各軸受ユニット25,26内において発生したオイルミストは排油と共に排油管30を流れるが、その途中でエゼクタ22に発生する負圧に引かれて吸引管18を図示矢印方向に流れてオイルミストセパレータ20に導かれ、オイルミストセパレータ20において油分が除去され、油分が除去された清浄な空気のみがエゼクタ22を通って圧縮空気と共に通気管23から吸込管6へと吸引され、他の吸込空気と共にブロワ1での圧縮に供される。
【0096】
ここで、前述のように、吸引管18の逆U字状部18aの高さHはエゼクタ22において発生する負圧による吸込高さよりも大きく設定されているため、排油管30を流れる排油や潤滑油タンク27内の潤滑油が吸引管18に吸い込まれてオイルミストセパレータ20に流れ込むという不具合が発生することがない。
【0097】
而して、本実施の形態においても、各軸受ユニット25,26内に発生するオイルミストの飛散をコストアップを招くことなく簡単な構成で確実に防ぐことができるという効果が得られるが、本実施の形態では吸引管18を両軸受ユニット25,26にそれぞれ接続する必要がなく、吸引管18を排油管30に接続するだけで済むため、接続が容易化して配管も簡素化するという特有の効果が得られる。
【0098】
尚、本実施の形態では、吸引管18,19を負圧発生手段としてのエゼクタ22に接続したが、前記実施の形態1のようにブロワ1の負圧発生部(図1に示す例では吸込ノズル4、図3に示す例では吸込ベーン21の下流近傍)に吸引管18,19を接続しても良い。この場合、吸引管18の逆U字状部18aの高さHをブロア1の負圧発生部の負圧による吸込高さよりも大きく設定する必要がある。
【0099】
<実施の形態6>
次に、本発明の実施の形態6を図9に基づいて説明する。尚、図9は本実施の形態6に係るオイルミスト飛散防止システムを備えるブロワの全体構成図であり、本図においては図8に示したと同様の要素には同一符号を付しており、以下、それらについての説明は省略する。
【0100】
本実施の形態は、実施の形態5に係るオイルミスト飛散防止システムを複数台のブロワ1,1’,…に対して適用した形態を示すものである。
【0101】
即ち、本実施の形態においては、給油管28が分岐されて各軸受ユニット25,26,25’,26’,…にそれぞれ接続され、その分岐部には開閉弁36,37,36’,37’,…がそれぞれ設けられている。
【0102】
又、排油管30も分岐されて各軸受ユニット25,26,25’,26’,…の下部にそれぞれ接続され、その分岐部には開閉弁38,39,38’,39’,…がそれぞれ設けられている。
【0103】
更に、排油管30の途中に接続された吸引管18も各ブロワ1,1’,…毎に分岐されて各エゼクタ22,22’,…に接続され、各分岐部には開閉弁40,40’,…とオイルミストセパレータ20,20’,…が設けられている。
【0104】
尚、図9において、10,10’,…は電動モータ、23,23’,…は通気管、24,24’,…は圧力調整弁である。
【0105】
而して、全てのブロワ1,1’…を運転する場合には、開閉弁36,37,36’,37’,…と開閉弁38,39,38’,39’,…及び開閉弁40,40’,…の全てを開くことによって、前記実施の形態5と同様に各軸受ユニット25,26,25’,26’,…内に発生するオイルミストの飛散をコストアップを招くことなく簡単な構成で確実に防ぐことができる。
【0106】
又、一部のブロワ、例えばブロワ1のみを運転する場合には、他のブロワ1’について設けられた開閉弁36’,37’,…と開閉弁38’,39’…及び開閉弁40’,…を閉じれば、運転中のブロワ1の軸受ユニット25,26内に発生するオイルミストの飛散を防ぐことができる。
【0107】
以上において、本実施の形態によれば、1基の潤滑油タンク27と1台の給油ポンプ29で複数台のブロワ1,1’,…の軸受ユニット25,26,25’,26’,…に潤滑油を供給することができ、開閉弁36,37,36’,37’,…と開閉弁38,39,38’,39’,…及び開閉弁40,40’,…を適宜開閉操作することによって任意のブロワ(例えばブロワ1)のみに潤滑油を供給するとともに、任意のブロワ(例えばブロワ1)の軸受ユニット(例えば軸受ユニット25,26)内に発生するオイルミストを吸引してその飛散を防ぐことができるため、給油管28、排油管30、吸引管18等の配管や設備全体を簡素化することができる。
【0108】
<実施の形態7>
次に、本発明の実施の形態7を図10に基づいて説明する。尚、図10は本実施の形態7に係るオイルミスト飛散防止システムを備えるブロワの全体構成図であり、本図においては図8に示したと同様の要素には同一符号を付しており、以下、それらについての説明は省略する。
【0109】
本実施の形態に係るオイルミスト飛散防止システムも、前記実施の形態5と同様に潤滑方式として強制循環潤滑式を採用する軸受ユニット25,26を備えるブロワ1に対して適用されるものであるが、実施の形態5に係るオイルミスト飛散防止システムと異なる点は、一端がエゼクタ22に接続された吸引管18の他端を排油管30ではなく、密閉式潤滑油タンク27’の上部空間部に開口させた点と、排油管30の一端も密閉式潤滑油27’内の上部空間部に開口させた点である。
【0110】
ここで、吸引管18の一部は、潤滑油タンク27’との接続部から一旦上方に立ち上がった後に円弧状に折り曲げられて下方に延びることによって逆U字状部18aを形成している。又、排油管30の一端は、潤滑油タンク27’内の上部空間部に開口している。
【0111】
而して、ブロワ1が運転されると、各軸受ユニット25,26内において発生したオイルミストは、排油と共に排油管30を通って潤滑油タンク27’に流れるが、密閉式潤滑油タンク27’内の上部空間は吸引管18,19及びオイルミストセパレータ20を介してエゼクタ22に連通しているため、潤滑油タンク27’に回収されたオイルミストは、エゼクタ11に発生する負圧に引かれて吸引管18を図示矢印方向に流れてオイルミストセパレータ20に導かれ、オイルミストセパレータ20において油分が除去され、油分が除去された清浄な空気のみがエゼクタ22から吸引管19からエゼクタ22を通って圧縮空気と共に通気管23から吸込管6へと吸引され、他の吸込空気と共にブロワ1での圧縮に供される。
【0112】
而して、本実施の形態においても、各軸受ユニット25,26内に発生するオイルミストの飛散をコストアップを招くことなく簡単な構成で確実に防ぐことができるという効果が得られる。
【0113】
尚、本実施の形態では、吸引管18,19を負圧発生手段としてのエゼクタ22に接続したが、前記実施の形態1のようにブロワ1の負圧発生部(図1に示す例では吸込ノズル4、図3に示す例では吸込ベーン21の下流近傍)に吸引管18,19を接続しても良い。又、本実施の形態では、排油管30の一端を潤滑油タンク27’の上部空間部に開口させたが、これを潤滑油タンク27’内の潤滑油の油面下に開口させても良い。
【0114】
<実施の形態8>
次に、本発明の実施の形態8を図11に基づいて説明する。尚、図11は本実施の形態8に係るオイルミスト飛散防止システムを備えるブロワの全体構成図であり、本図においては図10に示したと同様の要素には同一符号を付しており、以下、それらについての説明は省略する。
【0115】
本実施の形態に係るオイルミスト飛散防止システムが図10に示す実施の形態7に係るオイルミスト飛散防止システムと異なる点は、実施の形態7におけるオイルミストセパレータ20を省略した点と、排油管30の一端を密閉式潤滑油タンク27’内の潤滑油の油面下に開口させた点である。
【0116】
而して、本実施の形態においても、ブロワ1が運転されると、各軸受ユニット25,26内において発生したオイルミストは、前記実施の形態7と同様に排油と共に排油管30を通って潤滑油タンク27’に流れるが、前述のように排油管30の一端は密閉式潤滑油タンク27’内の潤滑油の油面下に開口しているため、排油と共に潤滑油タンク27’内に流れ込むオイルミストを潤滑油によってほぼ100%捕捉させることができ、潤滑油タンク27’内の上部空間部にオイルミストが移行することがない。この結果、実施の形態7において用いたオイルミストセパレータ20(図10参照)が不要となり、その分だけ設備が簡素化し、オイルミストセパレータのフィルタの取り替え作業も不要となって高い経済効果が得られる。
【0117】
又、本実施の形態においても、前記実施の形態7と同様に、各軸受ユニット25,26内に発生するオイルミストの飛散をコストアップを招くことなく簡単な構成で確実に防ぐことができるという効果が得られる。
【0118】
尚、本実施の形態では、吸引管18を負圧発生手段としてのエゼクタ22に接続したが、前記実施の形態1のようにブロワ1の負圧発生部(図1に示す例では吸込ノズル4、図3に示す例では吸込ベーン21の下流近傍)に吸引管18を接続しても良い。
【0119】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明によれば、軸受ユニット内において発生したオイルミストは、送風機又は圧縮機内の負圧部又はエゼクタに引かれてオイルミスト分離手段に導かれ、オイルミスト分離手段において油分が除去されるため、オイルミストが軸受ユニット外へ漏れ出ることがなく、オイルミストによる汚染の問題が解消されるという効果が得られる。
【0120】
又、軸受ユニット内に発生するオイルミストを吸引する負圧源として送風機又は圧縮機自体に発生する負圧又はエゼクタに発生する負圧を利用するため、吸引ファンやこれを駆動する駆動源等の設備を別途設ける必要がなく、軸受ユニット内に発生するオイルミストの飛散をコストアップを招くことなく簡単な構成で確実に防ぐことができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係るオイルミスト飛散防止システムを備えるの全体構成図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係るブロワの軸受ユニットの断面図である。
【図3】本発明の実施の形態1のオイルミスト飛散防止システムの変形例を示すブロワの全体構成図である。
【図4】本発明の実施の形態2に係るオイルミスト飛散防止システムを備えるの全体構成図である。
【図5】本発明の実施の形態3に係るオイルミスト飛散防止システムを備えるの全体構成図である。
【図6】本発明の実施の形態4に係るオイルミスト飛散防止システムを備えるの全体構成図である。
【図7】本発明の実施の形態1に係るブロワの軸受ユニットの断面図である。
【図8】本発明の実施の形態5に係るオイルミスト飛散防止システムを備えるの全体構成図である。
【図9】本発明の実施の形態6に係るオイルミスト飛散防止システムを備えるの全体構成図である。
【図10】本発明の実施の形態7に係るオイルミスト飛散防止システムを備えるの全体構成図である。
【図11】本発明の実施の形態8に係るオイルミスト飛散防止システムを備えるの全体構成図である。
【図12】潤滑方式として油浴潤滑式を採用した軸受ユニットの断面図である。
【図13】潤滑方式として循環潤滑式を採用した軸受ユニットの断面図である。
【符号の説明】
1 ブロワ(送風機又は圧縮機)
2 本体ケーシング
3 ロータ
4 吸込ノズル
5 吐出ノズル
6 吸込管
7 吐出管
8,9 軸受ユニット
10 電動モータ
11 軸受ケース
12 ボールベアリング
18,19 吸引管
20 オイルミストセパレータ(オイルミスト分離手段)
21 吸込ベーン
22 エゼクタ
23 通気管
24 圧力調整弁
25,26 軸受ユニット
27 潤滑油タンク
27’ 密閉式潤滑油タンク
28 給油管
29 給油ポンプ
30 排油管
31 軸受ケース
32 メタル軸受

Claims (18)

  1. 潤滑油によって潤滑される軸受ユニットによってロータを回転自在に軸支して成る送風機又は圧縮機の前記軸受ユニット内に発生するオイルミストの飛散を防止するシステムであって、
    前記軸受ユニット内を送風機又は圧縮機内の負圧部に接続し、その接続経路の途中にオイルミスト分離手段を設けて構成されることを特徴とする送風機又は圧縮機のオイルミスト飛散防止システム。
  2. 潤滑油によって潤滑される軸受ユニットによってロータを回転自在に軸支して成る送風機又は圧縮機の前記軸受ユニット内に発生するオイルミストの飛散を防止するシステムであって、
    前記軸受ユニット内を、送風機又は圧縮機からの吐出ガスの流動を利用して負圧を発生するエゼクタに接続し、その接続経路の途中にオイルミスト分離手段を設けて構成されることを特徴とする送風機又は圧縮機のオイルミスト飛散防止システム。
  3. 前記送風機又は圧縮機の吐出側と吸込側とを通気管で接続し、該通気管の途中に前記エゼクタを設けたことを特徴とする請求項2記載の送風機又は圧縮機のオイルミスト飛散防止システム。
  4. 前記通気管の前記エゼクタの上流側に圧力調整弁を設けたことを特徴とする請求項2又は3記載の送風機又は圧縮機のオイルミスト飛散防止システム。
  5. 潤滑油タンクと軸受ユニットとを連通する給油管と排油管を設け、前記給油管に設けられた給油ポンプによって供給される潤滑油によって潤滑される前記軸受ユニットによってロータを回転自在に軸支して成る送風機又は圧縮機の前記軸受ユニット内に発生するオイルミストの飛散を防止するシステムであって、
    前記排油管の途中から分岐する吸引管を送風機又は圧縮機内の負圧部に接続し、該吸引管の途中にオイルミスト分離手段を設けて構成されることを特徴とする送風機又は圧縮機のオイルミスト飛散防止システム。
  6. 前記吸引管の一部を立ち上げて逆U字状部を形成し、該逆U字状部の立ち上がり高さを送風機又は圧縮機内の負圧部の負圧による吸込高さよりも大きく設定したことを特徴とする請求項5記載の送風機又は圧縮機のオイルミスト飛散防止システム。
  7. 潤滑油タンクと軸受ユニットとを連通する給油管と排油管を設け、前記給油管に設けられた給油ポンプによって供給される潤滑油によって潤滑される前記軸受ユニットによってロータを回転自在に軸支して成る送風機又は圧縮機の前記軸受ユニット内に発生するオイルミストの飛散を防止するシステムであって、
    前記排油管の途中から分岐する吸引管を、送風機又は圧縮機からの吐出ガスの流動を利用して負圧を発生するエゼクタに接続し、その接続経路の途中にオイルミスト分離手段を設けて構成されることを特徴とする送風機又は圧縮機のオイルミスト飛散防止システム。
  8. 前記吸引管の一部を立ち上げて逆U字状部を形成し、該逆U字状部の立ち上がり高さを前記エゼクタに発生する負圧による吸込高さよりも大きく設定したことを特徴とする請求項7記載の送風機又は圧縮機のオイルミスト飛散防止システム。
  9. 前記送風機又は圧縮機の吐出側と吸込側とを通気管で接続し、該通気管の途中に前記エゼクタを設けことを特徴とする請求項7又は8記載の送風機又は圧縮機のオイルミスト飛散防止システム。
  10. 前記通気管の前記エゼクタの上流側に圧力調整弁を設けたことを特徴とする請求項8又は9記載の送風機又は圧縮機のオイルミスト飛散防止システム。
  11. 密閉式潤滑油タンクと軸受ユニットとを連通する給油管と排油管を設け、前記給油管に設けられた給油ポンプによって供給される潤滑油によって潤滑される前記軸受ユニットによってロータを回転自在に軸支して成る送風機又は圧縮機の前記軸受ユニット内に発生するオイルミストの飛散を防止するシステムであって、
    前記密閉式潤滑油タンク内の上部空間部に一端が開口した吸引管の他端を送風機又は圧縮機内の負圧部に接続し、該吸引管の途中にオイルミスト分離手段を設けて構成されることを特徴とする送風機又は圧縮機のオイルミスト飛散防止システム。
  12. 密閉式潤滑油タンクと軸受ユニットとを連通する給油管と排油管を設け、前記給油管に設けられた給油ポンプによって供給される潤滑油によって潤滑される前記軸受ユニットによってロータを回転自在に軸支して成る送風機又は圧縮機の前記軸受ユニット内に発生するオイルミストの飛散を防止するシステムであって、
    前記密閉式潤滑油タンク内の上部空間部に一端が開口した吸引管の他端を、送風機又は圧縮機からの吐出ガスの流動を利用して負圧を発生するエゼクタに接続し、その接続経路の途中にオイルミスト分離手段を設けて構成されることを特徴とする送風機又は圧縮機のオイルミスト飛散防止システム。
  13. 前記送風機又は圧縮機の吐出側と吸込側とを通気管で接続し、該通気管の途中に前記エゼクタを設けたことを特徴とする請求項12記載の送風機又は圧縮機のオイルミスト飛散防止システム。
  14. 前記通気管の前記エゼクタの上流側に圧力調整弁を設けたことを特徴とする請求項12又は13記載の送風機又は圧縮機のオイルミスト飛散防止システム。
  15. 密閉式潤滑油タンクと軸受ユニットとを連通する給油管と排油管を設け、前記給油管に設けられた給油ポンプによって供給される潤滑油によって潤滑される前記軸受ユニットによってロータを回転自在に軸支して成る送風機又は圧縮機の前記軸受ユニット内に発生するオイルミストの飛散を防止するシステムであって、
    前記排油管の一端を前記密閉式潤滑油タンク内の油面下に開口させるとともに、前記密閉式潤滑油タンク内の上部空間部に一端が開口した吸引管の他端を送風機又は圧縮機内の負圧部に接続して構成されることを特徴とする送風機又は圧縮機のオイルミスト飛散防止システム。
  16. 密閉式潤滑油タンクと軸受ユニットとを連通する給油管と排油管を設け、前記給油管に設けられた給油ポンプによって供給される潤滑油によって潤滑される前記軸受ユニットによってロータを回転自在に軸支して成る送風機又は圧縮機の前記軸受ユニット内に発生するオイルミストの飛散を防止するシステムであって、
    前記排油管の一端を前記密閉式潤滑油タンク内の油面下に開口させるとともに、前記密閉式潤滑油タンク内の上部空間部に一端が開口した吸引管の他端を、送風機又は圧縮機からの吐出ガスの流動を利用して負圧を発生するエゼクタに接続して構成されることを特徴とする送風機又は圧縮機のオイルミスト飛散防止システム。
  17. 前記送風機又は圧縮機の吐出側と吸込側とを通気管で接続し、該通気管の途中に前記エゼクタを設けたことを特徴とする請求項16記載の送風機又は圧縮機のオイルミスト飛散防止システム。
  18. 前記通気管の前記エゼクタの上流側に圧力調整弁を設けたことを特徴とする請求項16又は17記載の送風機又は圧縮機のオイルミスト飛散防止システム。
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