JP2004249664A - インクジェット画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】印字ヘッドをインクキャリッジと共に高さ方向に移動させることなく記録用紙の厚さに応じて印字ヘッドと記録媒体表面との距離を常に一定に維持することができるカラーインクジェットプリンタを提供する。
【解決手段】プラテン21の記録用紙搬送方向上流側に、プラテン上にニップ間を通して記録用紙Pを搬送する上下一対のピンチローラ15及び搬送ローラ16を設ける一方、プラテンの記録用紙搬送方向下流側に、プラテン上からニップ間を通して記録用紙を排出する上下一対のスターローラ31及び排紙ローラ32を設ける。上下一対のピンチローラ及び搬送ローラの間のニップ間を通る記録用紙の厚さに応じて下側の搬送ローラを下方に変位させる変位手段を設けるとともに、この変位手段による下側の搬送ローラの下方への変位動作に連動して下側の搬送ローラの変位量と同じ量だけプラテン及び下側の排紙ローラを下方へ移動させる移動手段421を設ける。
【選択図】 図5
【解決手段】プラテン21の記録用紙搬送方向上流側に、プラテン上にニップ間を通して記録用紙Pを搬送する上下一対のピンチローラ15及び搬送ローラ16を設ける一方、プラテンの記録用紙搬送方向下流側に、プラテン上からニップ間を通して記録用紙を排出する上下一対のスターローラ31及び排紙ローラ32を設ける。上下一対のピンチローラ及び搬送ローラの間のニップ間を通る記録用紙の厚さに応じて下側の搬送ローラを下方に変位させる変位手段を設けるとともに、この変位手段による下側の搬送ローラの下方への変位動作に連動して下側の搬送ローラの変位量と同じ量だけプラテン及び下側の排紙ローラを下方へ移動させる移動手段421を設ける。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、副走査方向に搬送される記録媒体に対して印字ヘッドを主走査方向に往復移動させて用紙の表面に画像を形成するインクジェット式の画像形成装置に関し、詳しくは、記録媒体の表面と印字ヘッドとの距離を常に一定に保つようにする対策に係わる。
【0002】
【従来の技術】
一般に、インクジェット式の画像形成装置では、副走査方向に搬送される記録媒体に対して主走査方向に往復移動するインクキャリッジに印字ヘッドを搭載し、この印字ヘッドから画像情報に基づいてインクを吐出させることによって、記録媒体に印字することが行われる。例えば、インクジェット画像形成装置では、印字ヘッドに配置された複数のノズルから記録媒体の表面に対してインクを吐出させるようにしており、ノズルから吐出したインクによって記録媒体の表面に正常に印字するためのノズルの先端と記録媒体の表面との適正な間隔は予め定められている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
この場合、印字ヘッドと記録媒体の表面との間隔が狭すぎると、記録媒体の表面が印字ヘッドに接触し、印字ヘッドの磨耗や破損を生じる。反対に、印字ヘッドと記録媒体の表面との間隔が広すぎると、所謂サテライト現象を生じて印字状態が劣化する。このサテライト現象とは、印字ヘッドのノズルから吐出インクの本体粒に続いて吐出される微小インク粒が、記録媒体表面における本体粒の着地点から離れた着地点に付着する現象である。即ち、図7の(A)に示すように、印字ヘッド101と記録媒体102との間隔が適正である場合には、微小インク粒111〜113は、記録媒体102の表面においてインク本体粒110の着地点内に付着し、記録媒体102の表面における印字を汚損することはない。これに対して、同図(B)に示すように、印字ヘッド101と記録媒体102との間隔が広い場合には、微小インク粒111〜113は、記録媒体102の表面においてインク本体粒110の着地点以外の部分に付着し、記録媒体102の表面における画像を汚損する。
【0004】
そこで、従来のインクジェット画像形成装置では、記録媒体表面に直交する方向(高さ方向)において印字ヘッドの位置をインクキャリッジごと移動できるように構成し、印字される記録媒体の厚みに応じて高さ方向の印字ヘッドの位置を変更することにより、記録媒体の厚みに拘らず記録媒体表面と印字ヘッドとの離間距離(高さ)を一定に維持するようにしている。通常、このような印字ヘッドの高さ変更は、装置の側面等に配置されたレバータイプの高さ変更部材をユーザが操作することによって、インクキャリッジごと行われるようになっている。
【0005】
【特許文献1】
特開昭60−178063号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来のインクジェット画像形成装置では、記録媒体の厚さに応じて印字ヘッドの記録媒体の表面に対する高さ(距離)をインクキャリッジごと変更するように構成されているため、主走査方向に移動するインクキャリッジを高さ方向に移動させる機構が非常に複雑なものとなって、コストが嵩む。しかも、インクキャリッジを高さ方向に移動させる機構によってインクキャリッジの主走査方向への移動が不安定となることも懸念され、印字品位が低下するおそれもある。
【0007】
また、インクキャリッジを高さ方向に移動させると、印字ヘッドのメンテナンスを行うメンテナンス装置と印字ヘッドとの高さ(距離)も変化するため、印字ヘッドの高さ変化に応じてメンテナンス装置の高さも変化させる必要があり、さらなる機構の複雑化が余儀なくされる。
【0008】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、印字ヘッドをインクキャリッジと共に高さ方向に移動させることなく記録媒体の厚さに応じて印字ヘッドと記録媒体表面との距離を常に一定に維持することができるインクジェット画像形成装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明では、記録媒体を案内するプラテンと、上記プラテンの上方に対向して設けられ、該プラテンに沿って搬送される上記記録媒体に向けてインクを吐出する印字ヘッドとを具備してなるインクジェット画像形成装置を前提とする。そして、上記プラテンの記録媒体搬送方向上流側に、プラテン上にニップ間を通して記録媒体を搬送する上下一対の搬送ローラを設ける一方、上記プラテンの記録媒体搬送方向下流側に、プラテン上からニップ間を通して記録媒体を排出する上下一対の排紙ローラを設ける。更に、上記上下一対の搬送ローラの間のニップ間を通る記録媒体の厚さに応じて下側の搬送ローラを下方に変位させる変位手段を設けるとともに、この変位手段による下側の搬送ローラの下方への変位動作に関連して上記プラテンおよび下側の排紙ローラを下方へ移動させる移動手段を設けている。
【0010】
この特定事項により、上下一対の搬送ローラの間のニップ間を記録媒体が通ると、この記録媒体の厚さに応じて下側の搬送ローラが変位手段によって下方に変位し、この変位手段による下側の搬送ローラの下方への変位動作に関連してプラテンおよび下側の排紙ローラが移動手段によって下方へ移動するので、記録媒体の厚さに応じて印字ヘッドと記録媒体の表面との間の距離(高さ)が常に一定に維持することが可能となる。
【0011】
このため、記録媒体の厚さに応じて印字ヘッドと記録媒体表面との間の距離を印字ヘッドをインクキャリッジごと変更させるもののように、インクキャリッジを高さ方向に移動させる機構を複雑化させることがなく、コストの低廉化を図ることが可能となる上、インクキャリッジの主走査方向への移動が不安定となることもなく、印字品位を低下させることもない。しかも、印字ヘッドのメンテナンスを行うメンテナンス装置と印字ヘッドとの間の距離も変化しないので、機構の簡素化を図ることが可能となる。
【0012】
特に、上側の搬送ローラを特定するものとして、以下の構成が掲げられる。
【0013】
つまり、上側の搬送ローラの位置を、下側の搬送ローラとの間のニップ間を通る記録媒体の厚さに応じて変位不能に固定している。
【0014】
この特定事項により、上側の搬送ローラとの間のニップ間を通る記録媒体の厚さによって下側の搬送ローラが下方に変位しても上側の搬送ローラは変位しないので、記録媒体の表面は、上側の搬送ローラによって高さ方向に位置規制された状態で印字ヘッドに対面し、印字ヘッドと記録媒体表面との間の距離を常に一定に保持し易いものとなる。
【0015】
特に、移動手段を特定するものとして、以下の構成が掲げられる。
【0016】
つまり、下側の搬送ローラの下方への変位量と同じ量だけプラテンを移動手段によって下方に移動させるようにしている。
【0017】
この特定事項により、印字ヘッドに対する記録媒体表面の距離が記録媒体の厚さに関わりなく常に一定に保持されることになり、良好な印字を行うことが可能となる。
【0018】
また、下側の搬送ローラの下方への変位量と同じ量だけ下側の排紙ローラを移動手段によって下方に移動させるようにしている場合には、下側のローラが記録媒体の厚さに応じて下方に移動するので、記録媒体の厚さに関わらず上下一対の排紙ローラのニップ間を通して記録媒体を円滑に排紙することが可能となる。
【0019】
特に、下側の搬送ローラを特定するものとして、以下の構成が掲げられる。
【0020】
つまり、プラテンおよび下側の排紙ローラに対し、下側の搬送ローラの下方への変位動作に連動してプラテンおよび下側の排紙ローラを下方へ移動させるように当接する当接片を下側の搬送ローラに設けている。
【0021】
この特定事項により、記録媒体の厚さに応じて下方に変位する下側の搬送ローラの動作に連動して、その変位量だけプラテンおよび下側の排紙ローラが当接片との当接によって機械的に下方に移動するので、プラテンおよび下側の排紙ローラの下方への移動が確実に行え、記録媒体の厚さに応じて下方へ移動するプラテンおよび下側の排紙ローラの信頼性を高めることが可能となる。
【0022】
また、上側の搬送ローラを連れ回り回転させる駆動手段に下側の搬送ローラを連結するとともに、上下方向に移動不能に固定された上側の搬送ローラに対し接触する復帰位置まで下方の変位位置から上方へ向けて付勢する付勢手段を下側の搬送ローラに設けている場合には、上側の搬送ローラとの間のニップ間を通る記録媒体の厚さによって下側の搬送ローラが下方に変位しても、位置が変位しない上側の搬送ローラに対し下側のローラが付勢手段によって付勢されているので、駆動手段の駆動力が記録媒体を介して上側の搬送ローラに確実に伝達されることになり、記録媒体を安定して搬送することが可能となる。
【0023】
特に、印字ヘッドと記録媒体の後端部との間の距離を円滑に維持し得るものとして、以下の構成が掲げられる。
【0024】
つまり、上下一対の排紙ローラによる記録媒体の排紙動作が完了するまでの間、下側の搬送ローラの下方への変位に関連して下方へ移動されたプラテンおよび下側の排紙ローラを保持する保持手段を設けている。
【0025】
この特定事項により、記録媒体の厚さに応じて下方へ移動したプラテンおよび下側の排紙ローラが、上下一対の排紙ローラによる記録媒体の排紙動作が完了するまでの間、保持手段によって保持されているので、記録媒体の後端部が上下一対の搬送ローラのニップ間を通った後もプラテンおよび下側の排紙ローラが下方の移動位置で保持され、印字ヘッドと記録媒体の表面後端部との間の距離を円滑に保持することが可能となる。
【0026】
特に、下側の排紙ローラを特定するものとして、以下の構成が掲げられる。
【0027】
つまり、上側の排紙ローラを連れ回り回転させる駆動手段に下側の排紙ローを連結するとともに、上側の排紙ローラに対し接触する復帰位置までプラテンと共に下側の排紙ローラを下方の変位位置から上方へ向けて付勢する付勢手段を設けている。
【0028】
この特定事項により、記録媒体の厚さに応じて下側の排紙ローラと共に下方に移動していたプラテンは、付勢手段の付勢力によって、下側の排紙ローラが上側の排紙ローラと接触する復帰位置に復帰するので、記録媒体の厚さに関わらず印字ヘッドと記録媒体の表面との間の距離を常に一定に維持することが可能となる。しかも、プラテンおよび下側の排紙ローラは、下方の移動位置において保持されていても、上下一対の排紙ローラによる記録媒体の排紙動作が完了すれば、付勢手段の付勢力によって復帰位置まで円滑に復帰されることになる。
【0029】
更に、印字ヘッドと記録媒体との間の距離をより効果的に維持し得るものとして、以下の構成が掲げられる。
【0030】
つまり、印字ヘッドと上側の排紙ローラとの間に、記録媒体の表面を案内するように変位不能に固定されたスターローラを設けている。
【0031】
この特定事項により、記録媒体は、上側の排紙ローラよりも印字ヘッド寄りに変位不能に固定されたスターローラによって表面が案内されるので、印字ヘッドに対する記録媒体の表面高さ位置がスターローラによって規制され、印字ヘッドと記録媒体との間の距離をより効果的に維持することが可能となる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0033】
図1は、インクジェット画像形成装置としてのシリアルタイプのカラーインクジェットプリンタ1の内部構造を示す概略図である。
【0034】
図1において、カラーインクジェットプリンタ1の本体下部には給紙カセット11が備えられ、この給紙カセット11に記録媒体としての記録用紙Pが載置されている。そして、印字要求がなされた時に、給紙カセット11の排紙側に配設されたピックアップローラ12が回転する。このピックアップローラ12の回転によって1枚の記録用紙Pが給紙部に搬送されるようになっている。ピックアップローラ12により搬送された記録用紙Pは、略U字状の用紙搬送路13に所定間隔置きに配された一対の給紙ローラ14,14により該用紙搬送路13を通過し、画像情報に基づいて、図2にも示すように、この画像情報の先端と記録用紙Pの先端との位置合わせを行う上下一対の搬送ローラとしての上側のピンチローラ(PSローラ)15および下側の搬送ローラ16の間のニップを通して画像形成部2に到達する。
【0035】
上記画像形成部2には、この画像形成部2に到達した記録用紙Pを案内するプラテン21と、このプラテン21の上方に対向して設けられ、インクカートリッジ(図示せず)および印字ヘッド22を搭載したキャリッジ23とが配置されている。上記キャリッジ23は、記録用紙Pの搬送方向と直交する方向(図1では紙面の手前奥方向)に走査されるようになっている。インクカートリッジは、各色(例えば、ブラック、マゼンタ、イエロー、シアン)ごとに設けられており、各色のインクカートリッジには、所定の解像度に応じたノズルを備えた印字ヘッド21が接続されている。この印字ヘッド22により、上記プラテン21に沿って搬送される記録用紙Pに対し画像情報に応じてノズルからインクが吐出される。画像形成時の記録用紙Pの搬送速度は、本カラーインクジェットプリンタ1の解像度と、インク吐出タイミングのサイクルとによって決定され、記録用紙Pは連続して搬送される。画像形成部2におけるこのような処理が継続して行われることにより、記録用紙P上に画像情報に応じた画像が形成されるようになっている。
【0036】
上記画像形成部2において画像形成が行われた記録用紙Pは、上下一対の排紙ローラとしての上側のスターローラ31および下側の排紙ローラ32の間のニップを通して排紙トレイ33上に排出され、印刷物としてユーザに提供される。
【0037】
そして、図3に示すように、上記下側の搬送ローラ16は、上側のピンチローラ15を連れ回り回転させる駆動手段としての駆動モータ(図示せず)に連結されている。この下側の搬送ローラ16と駆動モータとは、第1のユニット41として一体的に構成されている。そして、この第1のユニット41は、上記上側のピンチローラ15および下側の搬送ローラ16の間のニップを通る記録用紙Pの厚さに応じて下側の搬送ローラ16を第1のユニット41ごと下方に変位させる変位手段(図示せず)を備えている。上記下側の搬送ローラ16は、第1のユニット41に固設された搬送ローラ支持片411に回転自在に支持されている。また、上記第1のユニット41は、上記上側のピンチローラ15に対し接触する復帰位置(図1および図2に示す位置)まで搬送ローラ16を復帰させるように下方の変位位置(図3に示す位置)から上方へ向けて付勢する付勢手段としての付勢スプリング412を備えている。これに対し、上記上側のピンチローラ15は、下側の搬送ローラ16との間のニップ間を通る記録用紙Pの厚さに応じて位置が上下方向に変位不能となるようにカラーインクジェットプリンタ本体に固定されている。そして、上記変位手段は、ピンチローラ15および搬送ローラ16の間のニップを通る記録用紙Pの厚さに応じて搬送ローラ16を下方に変位させる変位位置と、上側のピンチローラ15に対し搬送ローラ16を接触させる復帰位置との間で、搬送ローラ16を第1のユニット41ごと上下方向に変位させるように構成されている。この場合、変位手段は、ピンチローラ15および搬送ローラ16の間のニップを記録用紙Pが通過すると、付勢スプリング412の付勢力によって搬送ローラ16が第1のユニット41ごと上方の復帰位置に復帰するようになっている。
【0038】
また、図4に示すように、上記下側の排紙ローラ32は、上側のスターローラ31を連れ回り回転させる駆動手段としての駆動モータ(図示せず)に連結されている。この下側の排紙ローラ32および駆動モータと、上記プラテン21とは、第2のユニット42として一体的に構成されている。そして、この第2のユニット42は、上記変位手段による第1のユニット41(搬送ローラ16)の下方への変位動作に連動して上記プラテン21および排紙ローラ32を下方へ移動させる移動手段421を備えている。上記プラテン21は、第2のユニット42に固設された支持片422に取り付けられ、この支持片422には、上記下側の排紙ローラ32が回転自在に支持されている。また、上記第1のユニット41は、上記上側のスターローラ31に対し排紙ローラ32が接触する復帰位置(図1および図2に示す位置)まで排紙ローラ32およびプラテン21を復帰させるように下方の移動位置(図4に示す位置)から上方へ向けて付勢する付勢手段としての付勢スプリング423を備えている。そして、上記移動手段421は、上記支持片422に固設されかつ上記搬送ローラ支持片411の当接部411a(当接片)が上方から当接する当接片424を備えている。この当接片423は、上記ピンチローラ15および搬送ローラ16の間のニップ間に記録用紙Pが通される前段階では第2のユニット42の付勢スプリングによる付勢力で搬送ローラ支持片411の当接部411aに当接し、ピンチローラ15および搬送ローラ16の間のニップ間に記録用紙Pが通されると、そのニップ間を通る記録用紙Pの厚さに応じて下方に変位する第1のユニット41の搬送ローラ支持片411によって下方に押し下げられる。つまり、移動手段421は、第1のユニット41(搬送ローラ16)の下方への変位量と同じ量だけ第2のユニット42(プラテン21および排紙ローラ32)を下方に移動させるように構成されている。この場合、スターローラ31は、図示しない付勢スプリングによって下方に付勢され、記録用紙Pの厚さに応じて下方に変位する排紙ローラ32に追従するようにカラーインクジェットプリンタ1本体に対し上下方向に変位可能に支持されている。
【0039】
更に、上記第2のユニット42は、スターローラ31と排紙ローラ32とのニップ間を通して記録媒体Pを排紙トレイ33に排出する記録用紙Pの排紙動作が完了するまでの間、第1のユニット41(搬送ローラ16)の下方への変位に連動して下方へ移動された第2のユニット42(プラテン21および排紙ローラ32)を下方の移動位置で拘束(保持)する保持手段としてのソレノイド(図示せず)を備えている。このソレノイドは、スターローラ31の直下流に設けられた排紙センサ43によって記録用紙Pの通過を検知つまり排紙動作の完了が検知された際に通電が絶たれることで、第2のユニット42の下方の移動位置での拘束を解除するようにしている。この場合、第2のユニット42は、ピンチローラ15および搬送ローラ16の間のニップを記録用紙Pが通過した際に付勢スプリング412の付勢力によって上方の復帰位置に復帰する第1のユニット41(搬送ローラ16)と連動して付勢スプリング423の付勢力によって復帰位置に復帰することがソレノイドの拘束によって規制され、排紙センサ43による排紙動作の完了検知によって、付勢スプリング423の付勢力による上方の復帰位置への復帰が可能となる。なお、図5中44は、上下一対のピンチローラ15と搬送ローラ16との間のニップ間を記録用紙Pが通過して画像形成部2に到達したことを検知する給紙センサである。
【0040】
したがって、上記実施形態では、上下一対のピンチローラ15と搬送ローラ16との間のニップ間を記録用紙Pが通ると、この記録用紙Pの厚さに応じて下側の搬送ローラ16が第1のユニット41ごと変位手段によって下方に変位し、この変位手段による第1のユニット41(搬送ローラ16)の下方への変位動作に連動して該第1のユニット41の搬送ローラ支持片411の当接部411aが第2のユニット42の当接片424に上方から当接することによって、プラテン21および下側の排紙ローラ42が第2のユニット42ごと移動手段421によって機械的に下方へ移動するので、プラテン21および排紙ローラ32の下方への移動が確実に行え、記録用紙Pの厚さに応じて印字ヘッド22と記録用紙Pの表面との間の距離(高さ)が常に正確に維持することができる。
【0041】
このため、記録用紙の厚さに応じて印字ヘッドと記録用紙の表面との間の距離を印字ヘッドをインクキャリッジごと変更させるもののように、インクキャリッジを高さ方向に移動させる機構を複雑化させることがなく、コストの低廉化を図ることができる上、インクキャリッジの主走査方向への移動が不安定となることもなく、印字品位を良好に保つことができる。しかも、印字ヘッドのメンテナンスを行うメンテナンス装置と印字ヘッドとの間の高さ方向の距離も変化しないので、機構の簡素化を図ることもできる。
【0042】
また、上側のピンチローラ15は、下側の搬送ローラ16との間のニップ間を通る記録用紙Pの厚さに応じて位置が上下方向に変位不能となるようにカラーインクジェットプリンタ本体に固定されているので、下側の搬送ローラ16との間のニップ間を通る記録用紙Pの厚さによって下側の搬送ローラ16が下方に変位しても上側のピンチローラ15は変位しないので、記録用紙Pの表面は、上側のピンチローラ15によって高さ方向に位置規制された状態で印字ヘッド22に対面し、印字ヘッド22と記録用紙Pの表面との間の距離を常に一定に保持し易くなる。
【0043】
そして、移動手段421は、第1のユニット41(搬送ローラ16)の下方への変位量と同じ量だけ第2のユニット42(プラテン21および排紙ローラ32)を下方に移動させるように構成されているので、印字ヘッド22に対する記録用紙Pの表面の高さ方向の距離が記録用紙Pの厚さに関わりなく常に一定に保持されることになり、良好な印字を行うことができる。
【0044】
また、上側のピンチローラ15との間のニップ間を通る記録用紙Pの厚さによって下側の搬送ローラ16が下方に変位しても、位置が変位しない上側のピンチローラ15に対し下側の搬送ローラ16が付勢スプリング412によって付勢されているので、駆動モータの駆動力が記録用紙Pを介して上側のピンチローラ15に確実に伝達されることになり、記録用紙Pを安定して搬送することができる。
【0045】
しかも、スターローラ31と排紙ローラ32とのニップ間を通して記録媒体Pを排紙トレイ33に排出する記録用紙Pの排紙動作が完了するまでの間、つまり排紙センサ43によって記録用紙Pの通過が検知されるまでの間、第1のユニット41(搬送ローラ16)の下方への変位に連動して下方へ移動された第2のユニット42(プラテン21および排紙ローラ32)を下方の移動位置でソレノイドにより拘束されているので、記録用紙Pの後端部が上下一対のピンチローラ15と搬送ローラ16との間のニップ間を通った後もプラテン21および排紙ローラ32が下方の移動位置で保持され、印字ヘッド22と記録用紙Pの表面後端部との間の距離を円滑に保持することができる。
【0046】
更に、第2のユニット42は、排紙センサ43による排紙動作の完了検知によって、付勢スプリング423の付勢力による上方の復帰位置への復帰が可能となっているので、プラテン21および排紙ローラ32が下方の移動位置において保持されていても、排紙センサ43によって記録用紙Pの通過が検知されると、付勢スプリング423の付勢力によって復帰位置まで円滑に復帰させることができる。
【0047】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の変形例を包含している。例えば、上記実施形態では、上下方向に変位可能なスターローラ31を下方に付勢させて設けたが、図6に示すように、印字ヘッド22とスターローラ31との間に、記録用紙Pの表面を案内するように変位不能に固定された固定式のスターローラ51が設けられていてもよい。この場合、記録用紙Pは、上下方向に変位可能なスターローラ31よりも印字ヘッド22寄りにおいて上下方向に変位不能なスターローラ51によって表面が案内されるので、印字ヘッド22に対する記録用紙Pの表面高さ位置がスターローラ51によって規制され、印字ヘッド22と記録用紙Pとの間の距離をより効果的に維持することができる。
【0048】
また、上記実施形態では、第2のユニット42にプラテン21および排紙ローラ32を一体的に設けたが、プラテンおよび排紙ローラがそれぞれ別個のユニットに一体的に設けられていてもよい。この場合、プラテンおよび排紙ローラがそれぞれ一体的に設けられた別個のユニットは、第1のユニットの変位動作に関連してこの第1のユニット変位量と同じ量だけ移動させる移動手段をそれぞれ設ける必要がある。
【0049】
【発明の効果】
以上、要するに、上下一対の搬送ローラの間のニップ間を通る記録媒体の厚さに応じて下側の搬送ローラを変位手段によって下方に変位させ、この変位手段による下側の搬送ローラの下方への変位動作に関連してプラテンおよび下側の排紙ローラを移動手段によって下方へ移動させることで、記録媒体の厚さに応じて印字ヘッドと記録媒体の表面との間の距離を常に一定に維持することができ、インクキャリッジを高さ方向に移動させる機構を複雑化させずにコストの低廉化を図ることができる上、インクキャリッジの主走査方向への移動を安定して行って良好な印字品位を確保することができ、更に、メンテナンス装置と印字ヘッドとの間の距離を変化させずに機構の簡素化を図ることもできる。
【0050】
また、上側の搬送ローラの位置を変位不能に固定することで、上側の搬送ローラによって高さ方向に位置規制された状態で記録媒体の表面を印字ヘッドに対面させて、印字ヘッドと記録媒体表面との間の距離を常に一定に保持し易いものにできる。
【0051】
そして、下側の搬送ローラの下方への変位量と同じ量だけプラテンを移動手段によって下方に移動させることで、印字ヘッドに対する記録媒体表面の距離を記録媒体の厚さに関わりなく常に一定に保持し、良好な印字を行うことができる。
【0052】
また、下側の搬送ローラの下方への変位量と同じ量だけ下側の排紙ローラを移動手段によって下方に移動させることで、記録媒体の厚さに関わらず上下一対の排紙ローラのニップ間を通して記録媒体を円滑に排紙することができる。
【0053】
そして、下側の搬送ローラの下方への変位動作に連動してプラテンおよび下側の排紙ローラを下方へ移動させるように当接する当接片を下側の搬送ローラに設けることで、プラテンおよび下側の排紙ローラを当接片との当接によって機械的に下方に移動させ、プラテンおよび下側の排紙ローラの下方への移動を確実に行えて、記録媒体の厚さに応じて下方へ移動するプラテンおよび下側の排紙ローラの信頼性を高めることができる。
【0054】
また、上側の搬送ローラとの間のニップ間を通る記録媒体の厚さによって下方に変位する下側の搬送ローラを付勢手段によって上側の搬送ローラに対し付勢することで、駆動手段の駆動力を記録媒体を介して上側の搬送ローラに確実に伝達し、記録媒体を安定して搬送することができる。
【0055】
そして、上下一対の排紙ローラによる記録媒体の排紙動作が完了するまでの間、下側の搬送ローラの下方への変位に関連して下方へ移動されたプラテンおよび下側の排紙ローラを保持することで、印字ヘッドと記録媒体の表面後端部との間の距離を円滑に保持することができる。
【0056】
また、記録媒体の厚さに応じて下側の排紙ローラと共に下方に移動していたプラテンを付勢手段の付勢力によって復帰位置に復帰させることで、記録媒体の厚さに関わらず印字ヘッドと記録媒体の表面との間の距離を常に一定に維持することができる上、上下一対の排紙ローラによる記録媒体の排紙動作完了後にプラテンおよび下側の排紙ローラを付勢手段の付勢力によって復帰位置まで円滑に復帰させることができる。
【0057】
更に、記録媒体の表面を案内する変位不能なスターローラを印字ヘッドと上側の排紙ローラとの間に設けることで、印字ヘッドに対する記録媒体の表面高さ位置をスターローラによって規制し、印字ヘッドと記録媒体との間の距離をより効果的に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るカラーインクジェットプリンタの概略の構成を示す側面図である。
【図2】カラーインクジェットプリンタの要部の構成を示す側面図である。
【図3】カラーインクジェットプリンタの第1のユニットの構成を示す側面図である。
【図4】カラーインクジェットプリンタの第2のユニットの構成を示す側面図である。
【図5】(a)はピンチローラと搬送ローラとの間のニップを通って給紙された記録用紙の厚さに応じて第1および第2のユニットが下方の変位位置および移動位置に位置している状態を示すカラーインクジェットプリンタの要部の側面図である。
(b)はピンチローラと搬送ローラとの間のニップを通過して第1のユニットが復帰位置に復帰しつつ第2のユニットが下方の移動位置に位置している状態を示すカラーインクジェットプリンタの要部の側面図である。
(c)は排紙センサ43によって記録用紙の通過が検知されて第1および第2のユニットが復帰位置に復帰している状態を示すカラーインクジェットプリンタの要部の側面図である。
【図6】本実施形態の変形例に関わるカラーインクジェットプリンタの要部の構成を示す側面図である。
【図7】(A)は一般的なインクジェットプリンタにおけるインクカートリッジのインクヘッドと用紙表面との間隔適正状態でのサテライト現象の非発生状況を説明する図である。
(B)は一般的なインクジェットプリンタにおけるインクカートリッジのインクヘッドと用紙表面との間隔不適正状態でのサテライト現象の発生状況を説明する図である。
【符号の説明】
1 カラーインクジェットプリンタ(インクジェット画像形成装置)
15 ピンチローラ(上側の搬送ローラ)
16 搬送ローラ(下側の搬送ローラ)
21 プラテン
22 印字ヘッド
31 スターローラ(上側の排紙ローラ)
32 排紙ローラ(下側の排紙ローラ)
411a 当接部(当接片)
412 搬送ローラを付勢する付勢スプリング(付勢手段)
421 移動手段
423 排紙ローラ及びプラテンを付勢する付勢スプリング(付勢手段)
51 スターローラ
P 記録用紙(記録媒体)
【発明の属する技術分野】
本発明は、副走査方向に搬送される記録媒体に対して印字ヘッドを主走査方向に往復移動させて用紙の表面に画像を形成するインクジェット式の画像形成装置に関し、詳しくは、記録媒体の表面と印字ヘッドとの距離を常に一定に保つようにする対策に係わる。
【0002】
【従来の技術】
一般に、インクジェット式の画像形成装置では、副走査方向に搬送される記録媒体に対して主走査方向に往復移動するインクキャリッジに印字ヘッドを搭載し、この印字ヘッドから画像情報に基づいてインクを吐出させることによって、記録媒体に印字することが行われる。例えば、インクジェット画像形成装置では、印字ヘッドに配置された複数のノズルから記録媒体の表面に対してインクを吐出させるようにしており、ノズルから吐出したインクによって記録媒体の表面に正常に印字するためのノズルの先端と記録媒体の表面との適正な間隔は予め定められている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
この場合、印字ヘッドと記録媒体の表面との間隔が狭すぎると、記録媒体の表面が印字ヘッドに接触し、印字ヘッドの磨耗や破損を生じる。反対に、印字ヘッドと記録媒体の表面との間隔が広すぎると、所謂サテライト現象を生じて印字状態が劣化する。このサテライト現象とは、印字ヘッドのノズルから吐出インクの本体粒に続いて吐出される微小インク粒が、記録媒体表面における本体粒の着地点から離れた着地点に付着する現象である。即ち、図7の(A)に示すように、印字ヘッド101と記録媒体102との間隔が適正である場合には、微小インク粒111〜113は、記録媒体102の表面においてインク本体粒110の着地点内に付着し、記録媒体102の表面における印字を汚損することはない。これに対して、同図(B)に示すように、印字ヘッド101と記録媒体102との間隔が広い場合には、微小インク粒111〜113は、記録媒体102の表面においてインク本体粒110の着地点以外の部分に付着し、記録媒体102の表面における画像を汚損する。
【0004】
そこで、従来のインクジェット画像形成装置では、記録媒体表面に直交する方向(高さ方向)において印字ヘッドの位置をインクキャリッジごと移動できるように構成し、印字される記録媒体の厚みに応じて高さ方向の印字ヘッドの位置を変更することにより、記録媒体の厚みに拘らず記録媒体表面と印字ヘッドとの離間距離(高さ)を一定に維持するようにしている。通常、このような印字ヘッドの高さ変更は、装置の側面等に配置されたレバータイプの高さ変更部材をユーザが操作することによって、インクキャリッジごと行われるようになっている。
【0005】
【特許文献1】
特開昭60−178063号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来のインクジェット画像形成装置では、記録媒体の厚さに応じて印字ヘッドの記録媒体の表面に対する高さ(距離)をインクキャリッジごと変更するように構成されているため、主走査方向に移動するインクキャリッジを高さ方向に移動させる機構が非常に複雑なものとなって、コストが嵩む。しかも、インクキャリッジを高さ方向に移動させる機構によってインクキャリッジの主走査方向への移動が不安定となることも懸念され、印字品位が低下するおそれもある。
【0007】
また、インクキャリッジを高さ方向に移動させると、印字ヘッドのメンテナンスを行うメンテナンス装置と印字ヘッドとの高さ(距離)も変化するため、印字ヘッドの高さ変化に応じてメンテナンス装置の高さも変化させる必要があり、さらなる機構の複雑化が余儀なくされる。
【0008】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、印字ヘッドをインクキャリッジと共に高さ方向に移動させることなく記録媒体の厚さに応じて印字ヘッドと記録媒体表面との距離を常に一定に維持することができるインクジェット画像形成装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明では、記録媒体を案内するプラテンと、上記プラテンの上方に対向して設けられ、該プラテンに沿って搬送される上記記録媒体に向けてインクを吐出する印字ヘッドとを具備してなるインクジェット画像形成装置を前提とする。そして、上記プラテンの記録媒体搬送方向上流側に、プラテン上にニップ間を通して記録媒体を搬送する上下一対の搬送ローラを設ける一方、上記プラテンの記録媒体搬送方向下流側に、プラテン上からニップ間を通して記録媒体を排出する上下一対の排紙ローラを設ける。更に、上記上下一対の搬送ローラの間のニップ間を通る記録媒体の厚さに応じて下側の搬送ローラを下方に変位させる変位手段を設けるとともに、この変位手段による下側の搬送ローラの下方への変位動作に関連して上記プラテンおよび下側の排紙ローラを下方へ移動させる移動手段を設けている。
【0010】
この特定事項により、上下一対の搬送ローラの間のニップ間を記録媒体が通ると、この記録媒体の厚さに応じて下側の搬送ローラが変位手段によって下方に変位し、この変位手段による下側の搬送ローラの下方への変位動作に関連してプラテンおよび下側の排紙ローラが移動手段によって下方へ移動するので、記録媒体の厚さに応じて印字ヘッドと記録媒体の表面との間の距離(高さ)が常に一定に維持することが可能となる。
【0011】
このため、記録媒体の厚さに応じて印字ヘッドと記録媒体表面との間の距離を印字ヘッドをインクキャリッジごと変更させるもののように、インクキャリッジを高さ方向に移動させる機構を複雑化させることがなく、コストの低廉化を図ることが可能となる上、インクキャリッジの主走査方向への移動が不安定となることもなく、印字品位を低下させることもない。しかも、印字ヘッドのメンテナンスを行うメンテナンス装置と印字ヘッドとの間の距離も変化しないので、機構の簡素化を図ることが可能となる。
【0012】
特に、上側の搬送ローラを特定するものとして、以下の構成が掲げられる。
【0013】
つまり、上側の搬送ローラの位置を、下側の搬送ローラとの間のニップ間を通る記録媒体の厚さに応じて変位不能に固定している。
【0014】
この特定事項により、上側の搬送ローラとの間のニップ間を通る記録媒体の厚さによって下側の搬送ローラが下方に変位しても上側の搬送ローラは変位しないので、記録媒体の表面は、上側の搬送ローラによって高さ方向に位置規制された状態で印字ヘッドに対面し、印字ヘッドと記録媒体表面との間の距離を常に一定に保持し易いものとなる。
【0015】
特に、移動手段を特定するものとして、以下の構成が掲げられる。
【0016】
つまり、下側の搬送ローラの下方への変位量と同じ量だけプラテンを移動手段によって下方に移動させるようにしている。
【0017】
この特定事項により、印字ヘッドに対する記録媒体表面の距離が記録媒体の厚さに関わりなく常に一定に保持されることになり、良好な印字を行うことが可能となる。
【0018】
また、下側の搬送ローラの下方への変位量と同じ量だけ下側の排紙ローラを移動手段によって下方に移動させるようにしている場合には、下側のローラが記録媒体の厚さに応じて下方に移動するので、記録媒体の厚さに関わらず上下一対の排紙ローラのニップ間を通して記録媒体を円滑に排紙することが可能となる。
【0019】
特に、下側の搬送ローラを特定するものとして、以下の構成が掲げられる。
【0020】
つまり、プラテンおよび下側の排紙ローラに対し、下側の搬送ローラの下方への変位動作に連動してプラテンおよび下側の排紙ローラを下方へ移動させるように当接する当接片を下側の搬送ローラに設けている。
【0021】
この特定事項により、記録媒体の厚さに応じて下方に変位する下側の搬送ローラの動作に連動して、その変位量だけプラテンおよび下側の排紙ローラが当接片との当接によって機械的に下方に移動するので、プラテンおよび下側の排紙ローラの下方への移動が確実に行え、記録媒体の厚さに応じて下方へ移動するプラテンおよび下側の排紙ローラの信頼性を高めることが可能となる。
【0022】
また、上側の搬送ローラを連れ回り回転させる駆動手段に下側の搬送ローラを連結するとともに、上下方向に移動不能に固定された上側の搬送ローラに対し接触する復帰位置まで下方の変位位置から上方へ向けて付勢する付勢手段を下側の搬送ローラに設けている場合には、上側の搬送ローラとの間のニップ間を通る記録媒体の厚さによって下側の搬送ローラが下方に変位しても、位置が変位しない上側の搬送ローラに対し下側のローラが付勢手段によって付勢されているので、駆動手段の駆動力が記録媒体を介して上側の搬送ローラに確実に伝達されることになり、記録媒体を安定して搬送することが可能となる。
【0023】
特に、印字ヘッドと記録媒体の後端部との間の距離を円滑に維持し得るものとして、以下の構成が掲げられる。
【0024】
つまり、上下一対の排紙ローラによる記録媒体の排紙動作が完了するまでの間、下側の搬送ローラの下方への変位に関連して下方へ移動されたプラテンおよび下側の排紙ローラを保持する保持手段を設けている。
【0025】
この特定事項により、記録媒体の厚さに応じて下方へ移動したプラテンおよび下側の排紙ローラが、上下一対の排紙ローラによる記録媒体の排紙動作が完了するまでの間、保持手段によって保持されているので、記録媒体の後端部が上下一対の搬送ローラのニップ間を通った後もプラテンおよび下側の排紙ローラが下方の移動位置で保持され、印字ヘッドと記録媒体の表面後端部との間の距離を円滑に保持することが可能となる。
【0026】
特に、下側の排紙ローラを特定するものとして、以下の構成が掲げられる。
【0027】
つまり、上側の排紙ローラを連れ回り回転させる駆動手段に下側の排紙ローを連結するとともに、上側の排紙ローラに対し接触する復帰位置までプラテンと共に下側の排紙ローラを下方の変位位置から上方へ向けて付勢する付勢手段を設けている。
【0028】
この特定事項により、記録媒体の厚さに応じて下側の排紙ローラと共に下方に移動していたプラテンは、付勢手段の付勢力によって、下側の排紙ローラが上側の排紙ローラと接触する復帰位置に復帰するので、記録媒体の厚さに関わらず印字ヘッドと記録媒体の表面との間の距離を常に一定に維持することが可能となる。しかも、プラテンおよび下側の排紙ローラは、下方の移動位置において保持されていても、上下一対の排紙ローラによる記録媒体の排紙動作が完了すれば、付勢手段の付勢力によって復帰位置まで円滑に復帰されることになる。
【0029】
更に、印字ヘッドと記録媒体との間の距離をより効果的に維持し得るものとして、以下の構成が掲げられる。
【0030】
つまり、印字ヘッドと上側の排紙ローラとの間に、記録媒体の表面を案内するように変位不能に固定されたスターローラを設けている。
【0031】
この特定事項により、記録媒体は、上側の排紙ローラよりも印字ヘッド寄りに変位不能に固定されたスターローラによって表面が案内されるので、印字ヘッドに対する記録媒体の表面高さ位置がスターローラによって規制され、印字ヘッドと記録媒体との間の距離をより効果的に維持することが可能となる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0033】
図1は、インクジェット画像形成装置としてのシリアルタイプのカラーインクジェットプリンタ1の内部構造を示す概略図である。
【0034】
図1において、カラーインクジェットプリンタ1の本体下部には給紙カセット11が備えられ、この給紙カセット11に記録媒体としての記録用紙Pが載置されている。そして、印字要求がなされた時に、給紙カセット11の排紙側に配設されたピックアップローラ12が回転する。このピックアップローラ12の回転によって1枚の記録用紙Pが給紙部に搬送されるようになっている。ピックアップローラ12により搬送された記録用紙Pは、略U字状の用紙搬送路13に所定間隔置きに配された一対の給紙ローラ14,14により該用紙搬送路13を通過し、画像情報に基づいて、図2にも示すように、この画像情報の先端と記録用紙Pの先端との位置合わせを行う上下一対の搬送ローラとしての上側のピンチローラ(PSローラ)15および下側の搬送ローラ16の間のニップを通して画像形成部2に到達する。
【0035】
上記画像形成部2には、この画像形成部2に到達した記録用紙Pを案内するプラテン21と、このプラテン21の上方に対向して設けられ、インクカートリッジ(図示せず)および印字ヘッド22を搭載したキャリッジ23とが配置されている。上記キャリッジ23は、記録用紙Pの搬送方向と直交する方向(図1では紙面の手前奥方向)に走査されるようになっている。インクカートリッジは、各色(例えば、ブラック、マゼンタ、イエロー、シアン)ごとに設けられており、各色のインクカートリッジには、所定の解像度に応じたノズルを備えた印字ヘッド21が接続されている。この印字ヘッド22により、上記プラテン21に沿って搬送される記録用紙Pに対し画像情報に応じてノズルからインクが吐出される。画像形成時の記録用紙Pの搬送速度は、本カラーインクジェットプリンタ1の解像度と、インク吐出タイミングのサイクルとによって決定され、記録用紙Pは連続して搬送される。画像形成部2におけるこのような処理が継続して行われることにより、記録用紙P上に画像情報に応じた画像が形成されるようになっている。
【0036】
上記画像形成部2において画像形成が行われた記録用紙Pは、上下一対の排紙ローラとしての上側のスターローラ31および下側の排紙ローラ32の間のニップを通して排紙トレイ33上に排出され、印刷物としてユーザに提供される。
【0037】
そして、図3に示すように、上記下側の搬送ローラ16は、上側のピンチローラ15を連れ回り回転させる駆動手段としての駆動モータ(図示せず)に連結されている。この下側の搬送ローラ16と駆動モータとは、第1のユニット41として一体的に構成されている。そして、この第1のユニット41は、上記上側のピンチローラ15および下側の搬送ローラ16の間のニップを通る記録用紙Pの厚さに応じて下側の搬送ローラ16を第1のユニット41ごと下方に変位させる変位手段(図示せず)を備えている。上記下側の搬送ローラ16は、第1のユニット41に固設された搬送ローラ支持片411に回転自在に支持されている。また、上記第1のユニット41は、上記上側のピンチローラ15に対し接触する復帰位置(図1および図2に示す位置)まで搬送ローラ16を復帰させるように下方の変位位置(図3に示す位置)から上方へ向けて付勢する付勢手段としての付勢スプリング412を備えている。これに対し、上記上側のピンチローラ15は、下側の搬送ローラ16との間のニップ間を通る記録用紙Pの厚さに応じて位置が上下方向に変位不能となるようにカラーインクジェットプリンタ本体に固定されている。そして、上記変位手段は、ピンチローラ15および搬送ローラ16の間のニップを通る記録用紙Pの厚さに応じて搬送ローラ16を下方に変位させる変位位置と、上側のピンチローラ15に対し搬送ローラ16を接触させる復帰位置との間で、搬送ローラ16を第1のユニット41ごと上下方向に変位させるように構成されている。この場合、変位手段は、ピンチローラ15および搬送ローラ16の間のニップを記録用紙Pが通過すると、付勢スプリング412の付勢力によって搬送ローラ16が第1のユニット41ごと上方の復帰位置に復帰するようになっている。
【0038】
また、図4に示すように、上記下側の排紙ローラ32は、上側のスターローラ31を連れ回り回転させる駆動手段としての駆動モータ(図示せず)に連結されている。この下側の排紙ローラ32および駆動モータと、上記プラテン21とは、第2のユニット42として一体的に構成されている。そして、この第2のユニット42は、上記変位手段による第1のユニット41(搬送ローラ16)の下方への変位動作に連動して上記プラテン21および排紙ローラ32を下方へ移動させる移動手段421を備えている。上記プラテン21は、第2のユニット42に固設された支持片422に取り付けられ、この支持片422には、上記下側の排紙ローラ32が回転自在に支持されている。また、上記第1のユニット41は、上記上側のスターローラ31に対し排紙ローラ32が接触する復帰位置(図1および図2に示す位置)まで排紙ローラ32およびプラテン21を復帰させるように下方の移動位置(図4に示す位置)から上方へ向けて付勢する付勢手段としての付勢スプリング423を備えている。そして、上記移動手段421は、上記支持片422に固設されかつ上記搬送ローラ支持片411の当接部411a(当接片)が上方から当接する当接片424を備えている。この当接片423は、上記ピンチローラ15および搬送ローラ16の間のニップ間に記録用紙Pが通される前段階では第2のユニット42の付勢スプリングによる付勢力で搬送ローラ支持片411の当接部411aに当接し、ピンチローラ15および搬送ローラ16の間のニップ間に記録用紙Pが通されると、そのニップ間を通る記録用紙Pの厚さに応じて下方に変位する第1のユニット41の搬送ローラ支持片411によって下方に押し下げられる。つまり、移動手段421は、第1のユニット41(搬送ローラ16)の下方への変位量と同じ量だけ第2のユニット42(プラテン21および排紙ローラ32)を下方に移動させるように構成されている。この場合、スターローラ31は、図示しない付勢スプリングによって下方に付勢され、記録用紙Pの厚さに応じて下方に変位する排紙ローラ32に追従するようにカラーインクジェットプリンタ1本体に対し上下方向に変位可能に支持されている。
【0039】
更に、上記第2のユニット42は、スターローラ31と排紙ローラ32とのニップ間を通して記録媒体Pを排紙トレイ33に排出する記録用紙Pの排紙動作が完了するまでの間、第1のユニット41(搬送ローラ16)の下方への変位に連動して下方へ移動された第2のユニット42(プラテン21および排紙ローラ32)を下方の移動位置で拘束(保持)する保持手段としてのソレノイド(図示せず)を備えている。このソレノイドは、スターローラ31の直下流に設けられた排紙センサ43によって記録用紙Pの通過を検知つまり排紙動作の完了が検知された際に通電が絶たれることで、第2のユニット42の下方の移動位置での拘束を解除するようにしている。この場合、第2のユニット42は、ピンチローラ15および搬送ローラ16の間のニップを記録用紙Pが通過した際に付勢スプリング412の付勢力によって上方の復帰位置に復帰する第1のユニット41(搬送ローラ16)と連動して付勢スプリング423の付勢力によって復帰位置に復帰することがソレノイドの拘束によって規制され、排紙センサ43による排紙動作の完了検知によって、付勢スプリング423の付勢力による上方の復帰位置への復帰が可能となる。なお、図5中44は、上下一対のピンチローラ15と搬送ローラ16との間のニップ間を記録用紙Pが通過して画像形成部2に到達したことを検知する給紙センサである。
【0040】
したがって、上記実施形態では、上下一対のピンチローラ15と搬送ローラ16との間のニップ間を記録用紙Pが通ると、この記録用紙Pの厚さに応じて下側の搬送ローラ16が第1のユニット41ごと変位手段によって下方に変位し、この変位手段による第1のユニット41(搬送ローラ16)の下方への変位動作に連動して該第1のユニット41の搬送ローラ支持片411の当接部411aが第2のユニット42の当接片424に上方から当接することによって、プラテン21および下側の排紙ローラ42が第2のユニット42ごと移動手段421によって機械的に下方へ移動するので、プラテン21および排紙ローラ32の下方への移動が確実に行え、記録用紙Pの厚さに応じて印字ヘッド22と記録用紙Pの表面との間の距離(高さ)が常に正確に維持することができる。
【0041】
このため、記録用紙の厚さに応じて印字ヘッドと記録用紙の表面との間の距離を印字ヘッドをインクキャリッジごと変更させるもののように、インクキャリッジを高さ方向に移動させる機構を複雑化させることがなく、コストの低廉化を図ることができる上、インクキャリッジの主走査方向への移動が不安定となることもなく、印字品位を良好に保つことができる。しかも、印字ヘッドのメンテナンスを行うメンテナンス装置と印字ヘッドとの間の高さ方向の距離も変化しないので、機構の簡素化を図ることもできる。
【0042】
また、上側のピンチローラ15は、下側の搬送ローラ16との間のニップ間を通る記録用紙Pの厚さに応じて位置が上下方向に変位不能となるようにカラーインクジェットプリンタ本体に固定されているので、下側の搬送ローラ16との間のニップ間を通る記録用紙Pの厚さによって下側の搬送ローラ16が下方に変位しても上側のピンチローラ15は変位しないので、記録用紙Pの表面は、上側のピンチローラ15によって高さ方向に位置規制された状態で印字ヘッド22に対面し、印字ヘッド22と記録用紙Pの表面との間の距離を常に一定に保持し易くなる。
【0043】
そして、移動手段421は、第1のユニット41(搬送ローラ16)の下方への変位量と同じ量だけ第2のユニット42(プラテン21および排紙ローラ32)を下方に移動させるように構成されているので、印字ヘッド22に対する記録用紙Pの表面の高さ方向の距離が記録用紙Pの厚さに関わりなく常に一定に保持されることになり、良好な印字を行うことができる。
【0044】
また、上側のピンチローラ15との間のニップ間を通る記録用紙Pの厚さによって下側の搬送ローラ16が下方に変位しても、位置が変位しない上側のピンチローラ15に対し下側の搬送ローラ16が付勢スプリング412によって付勢されているので、駆動モータの駆動力が記録用紙Pを介して上側のピンチローラ15に確実に伝達されることになり、記録用紙Pを安定して搬送することができる。
【0045】
しかも、スターローラ31と排紙ローラ32とのニップ間を通して記録媒体Pを排紙トレイ33に排出する記録用紙Pの排紙動作が完了するまでの間、つまり排紙センサ43によって記録用紙Pの通過が検知されるまでの間、第1のユニット41(搬送ローラ16)の下方への変位に連動して下方へ移動された第2のユニット42(プラテン21および排紙ローラ32)を下方の移動位置でソレノイドにより拘束されているので、記録用紙Pの後端部が上下一対のピンチローラ15と搬送ローラ16との間のニップ間を通った後もプラテン21および排紙ローラ32が下方の移動位置で保持され、印字ヘッド22と記録用紙Pの表面後端部との間の距離を円滑に保持することができる。
【0046】
更に、第2のユニット42は、排紙センサ43による排紙動作の完了検知によって、付勢スプリング423の付勢力による上方の復帰位置への復帰が可能となっているので、プラテン21および排紙ローラ32が下方の移動位置において保持されていても、排紙センサ43によって記録用紙Pの通過が検知されると、付勢スプリング423の付勢力によって復帰位置まで円滑に復帰させることができる。
【0047】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の変形例を包含している。例えば、上記実施形態では、上下方向に変位可能なスターローラ31を下方に付勢させて設けたが、図6に示すように、印字ヘッド22とスターローラ31との間に、記録用紙Pの表面を案内するように変位不能に固定された固定式のスターローラ51が設けられていてもよい。この場合、記録用紙Pは、上下方向に変位可能なスターローラ31よりも印字ヘッド22寄りにおいて上下方向に変位不能なスターローラ51によって表面が案内されるので、印字ヘッド22に対する記録用紙Pの表面高さ位置がスターローラ51によって規制され、印字ヘッド22と記録用紙Pとの間の距離をより効果的に維持することができる。
【0048】
また、上記実施形態では、第2のユニット42にプラテン21および排紙ローラ32を一体的に設けたが、プラテンおよび排紙ローラがそれぞれ別個のユニットに一体的に設けられていてもよい。この場合、プラテンおよび排紙ローラがそれぞれ一体的に設けられた別個のユニットは、第1のユニットの変位動作に関連してこの第1のユニット変位量と同じ量だけ移動させる移動手段をそれぞれ設ける必要がある。
【0049】
【発明の効果】
以上、要するに、上下一対の搬送ローラの間のニップ間を通る記録媒体の厚さに応じて下側の搬送ローラを変位手段によって下方に変位させ、この変位手段による下側の搬送ローラの下方への変位動作に関連してプラテンおよび下側の排紙ローラを移動手段によって下方へ移動させることで、記録媒体の厚さに応じて印字ヘッドと記録媒体の表面との間の距離を常に一定に維持することができ、インクキャリッジを高さ方向に移動させる機構を複雑化させずにコストの低廉化を図ることができる上、インクキャリッジの主走査方向への移動を安定して行って良好な印字品位を確保することができ、更に、メンテナンス装置と印字ヘッドとの間の距離を変化させずに機構の簡素化を図ることもできる。
【0050】
また、上側の搬送ローラの位置を変位不能に固定することで、上側の搬送ローラによって高さ方向に位置規制された状態で記録媒体の表面を印字ヘッドに対面させて、印字ヘッドと記録媒体表面との間の距離を常に一定に保持し易いものにできる。
【0051】
そして、下側の搬送ローラの下方への変位量と同じ量だけプラテンを移動手段によって下方に移動させることで、印字ヘッドに対する記録媒体表面の距離を記録媒体の厚さに関わりなく常に一定に保持し、良好な印字を行うことができる。
【0052】
また、下側の搬送ローラの下方への変位量と同じ量だけ下側の排紙ローラを移動手段によって下方に移動させることで、記録媒体の厚さに関わらず上下一対の排紙ローラのニップ間を通して記録媒体を円滑に排紙することができる。
【0053】
そして、下側の搬送ローラの下方への変位動作に連動してプラテンおよび下側の排紙ローラを下方へ移動させるように当接する当接片を下側の搬送ローラに設けることで、プラテンおよび下側の排紙ローラを当接片との当接によって機械的に下方に移動させ、プラテンおよび下側の排紙ローラの下方への移動を確実に行えて、記録媒体の厚さに応じて下方へ移動するプラテンおよび下側の排紙ローラの信頼性を高めることができる。
【0054】
また、上側の搬送ローラとの間のニップ間を通る記録媒体の厚さによって下方に変位する下側の搬送ローラを付勢手段によって上側の搬送ローラに対し付勢することで、駆動手段の駆動力を記録媒体を介して上側の搬送ローラに確実に伝達し、記録媒体を安定して搬送することができる。
【0055】
そして、上下一対の排紙ローラによる記録媒体の排紙動作が完了するまでの間、下側の搬送ローラの下方への変位に関連して下方へ移動されたプラテンおよび下側の排紙ローラを保持することで、印字ヘッドと記録媒体の表面後端部との間の距離を円滑に保持することができる。
【0056】
また、記録媒体の厚さに応じて下側の排紙ローラと共に下方に移動していたプラテンを付勢手段の付勢力によって復帰位置に復帰させることで、記録媒体の厚さに関わらず印字ヘッドと記録媒体の表面との間の距離を常に一定に維持することができる上、上下一対の排紙ローラによる記録媒体の排紙動作完了後にプラテンおよび下側の排紙ローラを付勢手段の付勢力によって復帰位置まで円滑に復帰させることができる。
【0057】
更に、記録媒体の表面を案内する変位不能なスターローラを印字ヘッドと上側の排紙ローラとの間に設けることで、印字ヘッドに対する記録媒体の表面高さ位置をスターローラによって規制し、印字ヘッドと記録媒体との間の距離をより効果的に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るカラーインクジェットプリンタの概略の構成を示す側面図である。
【図2】カラーインクジェットプリンタの要部の構成を示す側面図である。
【図3】カラーインクジェットプリンタの第1のユニットの構成を示す側面図である。
【図4】カラーインクジェットプリンタの第2のユニットの構成を示す側面図である。
【図5】(a)はピンチローラと搬送ローラとの間のニップを通って給紙された記録用紙の厚さに応じて第1および第2のユニットが下方の変位位置および移動位置に位置している状態を示すカラーインクジェットプリンタの要部の側面図である。
(b)はピンチローラと搬送ローラとの間のニップを通過して第1のユニットが復帰位置に復帰しつつ第2のユニットが下方の移動位置に位置している状態を示すカラーインクジェットプリンタの要部の側面図である。
(c)は排紙センサ43によって記録用紙の通過が検知されて第1および第2のユニットが復帰位置に復帰している状態を示すカラーインクジェットプリンタの要部の側面図である。
【図6】本実施形態の変形例に関わるカラーインクジェットプリンタの要部の構成を示す側面図である。
【図7】(A)は一般的なインクジェットプリンタにおけるインクカートリッジのインクヘッドと用紙表面との間隔適正状態でのサテライト現象の非発生状況を説明する図である。
(B)は一般的なインクジェットプリンタにおけるインクカートリッジのインクヘッドと用紙表面との間隔不適正状態でのサテライト現象の発生状況を説明する図である。
【符号の説明】
1 カラーインクジェットプリンタ(インクジェット画像形成装置)
15 ピンチローラ(上側の搬送ローラ)
16 搬送ローラ(下側の搬送ローラ)
21 プラテン
22 印字ヘッド
31 スターローラ(上側の排紙ローラ)
32 排紙ローラ(下側の排紙ローラ)
411a 当接部(当接片)
412 搬送ローラを付勢する付勢スプリング(付勢手段)
421 移動手段
423 排紙ローラ及びプラテンを付勢する付勢スプリング(付勢手段)
51 スターローラ
P 記録用紙(記録媒体)
Claims (9)
- 記録媒体を案内するプラテンと、上記プラテンの上方に対向して設けられ、該プラテンに沿って搬送される上記記録媒体に向けてインクを吐出する印字ヘッドとを具備してなるインクジェット画像形成装置であって、
上記プラテンの記録媒体搬送方向上流側には、プラテン上にニップ間を通して記録媒体を搬送する上下一対の搬送ローラが設けられている一方、上記プラテンの記録媒体搬送方向下流側には、プラテン上からニップ間を通して記録媒体を排出する上下一対の排紙ローラが設けられており、
上記上下一対の搬送ローラの間のニップ間を通る記録媒体の厚さに応じて下側の搬送ローラを下方に変位させる変位手段が設けられているとともに、
この変位手段による下側の搬送ローラの下方への変位動作に関連して上記プラテンおよび下側の排紙ローラを下方へ移動させる移動手段が設けられていることを特徴とするインクジェット画像形成装置。 - 上記請求項1に記載のインクジェット画像形成装置において、
上側の搬送ローラは、下側の搬送ローラとの間のニップ間を通る記録媒体の厚さに応じて位置が変位不能に固定されていることを特徴とするインクジェット画像形成装置。 - 上記請求項1または請求項2に記載のインクジェット画像形成装置において、
移動手段は、下側の搬送ローラの下方への変位量と同じ量だけプラテンを下方に移動させるように構成されていることを特徴とするインクジェット画像形成装置。 - 上記請求項1ないし請求項3のいずれか1つに記載のインクジェット画像形成装置において、
移動手段は、下側の搬送ローラの下方への変位量と同じ量だけ下側の排紙ローラを下方に移動させるように構成されていることを特徴とするインクジェット画像形成装置。 - 上記請求項1ないし請求項4のいずれか1つに記載のインクジェット画像形成装置において、
下側の搬送ローラは、プラテンおよび下側の排紙ローラに対し、その下側の搬送ローラの下方への変位動作に連動してプラテンおよび下側の排紙ローラを下方へ移動させるように当接する当接片を備えていることを特徴とするインクジェット画像形成装置。 - 上記請求項1ないし請求項5のいずれか1つに記載のインクジェット画像形成装置において、
下側の搬送ローラは、上側の搬送ローラを連れ回り回転させる駆動手段に連結されているとともに、上下方向に移動不能に固定された上側の搬送ローラに対し接触する復帰位置まで下方の変位位置から上方へ向けて付勢する付勢手段を有していることを特徴とするインクジェット画像形成装置。 - 上記請求項1ないし請求項6のいずれか1つに記載のインクジェット画像形成装置において、
上下一対の排紙ローラによる記録媒体の排紙動作が完了するまでの間、下側の搬送ローラの下方への変位に関連して下方へ移動されたプラテンおよび下側の排紙ローラを保持する保持手段を備えていることを特徴とするインクジェット画像形成装置。 - 上記請求項1ないし請求項7のいずれか1つに記載のインクジェット画像形成装置において、
下側の排紙ローラは、上側の排紙ローラを連れ回り回転させる駆動手段に連結されているとともに、上側の排紙ローラに対し接触する復帰位置までプラテンと共に下方の移動位置から上方へ向けて付勢する付勢手段を有していることを特徴とするインクジェット画像形成装置。 - 上記請求項1ないし請求項8のいずれか1つに記載のインクジェット画像形成装置において、
印字ヘッドと上側の排紙ローラとの間には、記録媒体の表面を案内するように変位不能に固定されたスターローラが設けられていることを特徴とするインクジェット画像形成装置。
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