以下、適宜図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、本発明の実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。以下の説明においては、複合機10が使用可能に設置された図1の状態を基準として、上下方向7、前後方向8、左右方向9(以下、「幅方向9」とする)が定義される。
[複合機10の全体構成]
図1に示される複合機10(「インクジェット記録装置」の一例)は、プリンタ機能、ファクシミリ機能、コピー機能等の各種の機能を有している。複合機10は、概ね薄型の直方体形状に構成された装置本体11と、装置本体11の下部に対して着脱可能になった給送トレイ13とを有している。給送トレイ13は、図1に示されるように、装置本体11に装着された状態で、装置本体11に対して前方に引き出されることによって装置本体11に対して非装着状態になる。
図2に示されるように、装置本体11内の上部には、被記録媒体に画像を記録する記録部31が設けられる。装置本体11に装着された給送トレイ13は、記録部31の下方に位置しており、被記録媒体としての複数枚のシートを上下に積み重ねた状態で収容可能である。本実施形態では、給送トレイ13内に、シートとして、A4サイズの普通紙である記録用紙14が、長手方向を前後方向8に沿った状態で収容されている。なお、給送トレイ13に収容される記録用紙14のサイズ等は一例にすぎず、他のサイズ、普通紙以外のシートであってもよい。
装置本体11の内部には、給送トレイ13内に収容された最上部の1枚の記録用紙14を後方へ向けて搬送する給送部16と、給送トレイ13から後方に向けて搬送される記録用紙14を上方へ案内する給送ガイド部材15とが設けられている。給送ガイド部材15は、装置本体11内における背面に近接した位置に配置されている。
給送部16は、幅方向9に沿った給送ローラ16Aと、給送ローラ16Aを上下方向7に移動可能に支持する支持アーム16Bとを有する。支持アーム16Bは、幅方向9に沿った支持軸16Dに回動可能に支持され、給送ローラ16Aは、支持アーム16Bの先端部に回転可能に支持される。給送ローラ16Aは、支持アーム16Bが支持軸16Dを中心として上下方向7に回動すると、給送トレイ13内の最上部の記録用紙14に当接する位置と、当該記録用紙14から上方に離間した位置とに移動する。給送ローラ16Aは、動力伝達機構16Cを介して図示しないモータの動力が伝達されて回転する。
給送ローラ16Aが、給送トレイ13内に収容された最上部の記録用紙14に当接した状態で回転されると、当該記録用紙14が後方に向けて給送される。給送トレイ13から給送される記録用紙14は、給送ガイド部材15の下端部へ搬送される。
給送ガイド部材15には、記録用紙14が通過する給送路15Cが設けられている。給送路15Cは、装置本体11の背面に向かって突出した円弧状になっており、給送ガイド部材15にて案内される記録用紙14は、給送ガイド部材15の上端部から前方に向かって搬送される。
なお、給送トレイ13内の記録用紙14は、幅方向9の中央部が、給送路15Cの幅方向9の中央部に沿った状態(中央基準)で搬送される。また、複合機10は、A4サイズの記録用紙14に限らず、これよりも小サイズの記録用紙、例えばハガキ(普通紙よりも剛性が高い)も給送路15C内に中央基準で給送可能になっている。なお、ハガキは、小サイズのシートの一例にすぎず、L判サイズのシート等であってもよい。
給送ガイド部材15の上端部に近接した前方位置には、給送ガイド部材15の上端部を通過した記録用紙14を記録部31の下方へ搬送する搬送ローラ対21が設けられている。搬送ローラ対21の前方、すなわち、搬送ローラ対21による記録用紙14の搬送向き(以下、シート搬送向き6(図2参照)とする)には、記録部31の下方において記録用紙14を支持するプラテン35(「支持部材」の一例)が設けられている。記録部31の下部に設けられた記録ヘッド33に対してシート搬送向き6の上流及び下流には、記録用紙14に幅方向9に沿った波形状を付与する上流波形状付与機構61及び下流波形状付与機構41がそれぞれ設けられている。
搬送ローラ対21は、給送ガイド部材15を通過した記録用紙14の上面(第1面)に当接する1つの搬送ローラ22と、記録用紙14の下面(第2面)に当接する複数のピンチローラ26とを有する。給送ガイド部材15を通過した記録用紙14は、回転状態になった搬送ローラ22及びピンチローラ26によって挟持(ニップ)されて、プラテン35と記録部31との間に形成された搬送路29に搬送される。搬送路29は、下流波形状付与機構41を介して、排紙トレイ17にまで達している。
プラテン35の上方に設けられた記録部31は、それぞれがシート搬送向き6とは直交する幅方向9に沿って配置された第1ガイドフレーム36(「第1支持フレーム」の一例)及び第2ガイドフレーム37によって支持されている。第1ガイドフレーム36及び第2ガイドフレーム37は、シート搬送向き6に一定の所定の間隔を空けた状態で、相互に平行に支持されている。
記録部31は、第1ガイドフレーム36及び第2ガイドフレーム37の間にわたってスライド可能に架設されたキャリッジ32を有し、キャリッジ32の下部に記録ヘッド33が設けられている。
記録ヘッド33は、下方に向かってインクを吐出する複数のノズル34を備えている。各ノズル34には、インクカートリッジ(不図示)からインクが供給される。複数のノズル34は、シート搬送向き6に沿って列状に配置されており、記録ヘッド33の下面であるノズル面34Aに開口している。ノズル面34Aは、シート搬送向き6及び幅方向9に沿った平面である。なお、本実施形態では、ノズル面34Aは水平状態である。
記録部31の下方に設けられたプラテン35は、搬送ローラ対21によって搬送される記録用紙14を支持する。搬送ローラ対21によって搬送される記録用紙14がプラテン35上の所定位置になると、記録用紙14の搬送が停止される。
記録部31では、プラテン35上において記録用紙14が停止されると、キャリッジ32がシート搬送向き6とは直交する幅方向9にスライドされる間に記録ヘッド33のノズル34からインクを選択的に吐出する記録処理が実行される。その後、プラテン35上の記録用紙14が搬送ローラ対21によって所定の距離だけ搬送される搬送処理と、上記の記録処理とが繰り返し実行されることにより、記録用紙14の全体にわたって画像が記録される。
記録ヘッド33に対してシート搬送向き6に設けられた下流波形状付与機構41は、プラテン35上に支持された記録用紙14をシート搬送向き6に搬送するとともに、プラテン35上の記録用紙14に幅方向9に沿った波形状を付与する。
下流波形状付与機構41は、記録部31で画像が記録された記録用紙14の下面(第2面)に当接する複数の排出ローラ42Aと、上方から上面(第1面)に当接する複数の第1拍車43A及び複数の第2拍車44Aとを有する。複数の排出ローラ42Aは、幅方向9に相互に隔てられて配置されており、複数の第1拍車43Aのそれぞれは、排出ローラ42Aのそれぞれの上方に配置されている。第1拍車43Aのそれぞれは拍車支持部材46に支持されている。排出ローラ42Aのそれぞれの軸心部には、1本の排出ローラ軸42Bが挿通している。
記録用紙14は、排出ローラ42A及び第1拍車43Aによって挟持されることによって、幅方向9に沿って波打った状態とされて、シート搬送向き6の下流へ搬送される。複数の第2拍車44Aは、排出ローラ42A及び第1拍車43Aによって搬送される記録用紙14の上面に当接する。その後、記録用紙14は排紙トレイ17上に排出される。
[搬送ローラ対]
図4に示されるように、搬送ローラ対21の搬送ローラ22は、第1ガイドフレーム36の幅方向9の両端部を支持するサブフレーム39(「第2支持フレーム」の一例)にそれぞれ支持されている。なお、図3及び図4に示されていないが、第2ガイドフレーム37も、幅方向9の両端部が、サブフレーム39のそれぞれに支持されている。搬送ローラ22には、図示しないモータの回転が伝達されて、図2に矢印D1で示す向きに回転される。
図7(A)に示されるように、複数のピンチローラ26は、搬送ローラ22の下方に設けられており、それぞれが幅方向9に間隔を隔てられた状態でローラホルダ28に支持されている。ローラホルダ28は、各ピンチローラ26が搬送ローラ22に接した状態から離間した状態になるように移動可能である。搬送ローラ22に接した各ピンチローラ26は、搬送ローラ22の回転に追従して回転する。
搬送ローラ22と各ピンチローラ26とが接する位置は、搬送される記録用紙14を挟持するニップ位置NP1であり、ニップ位置NP1で挟持された記録用紙14は、搬送ローラ22及びピンチローラ26の回転によりシート搬送向き6の下流に搬送される。
[上流波形状付与機構]
図3及び図4に示されるように、上流波形状付与機構61は、第1ガイドフレーム36の下面に取り付けられた7個の上流当接部材62(「第2当接部材」の一例)と、上流波形状付与機構61における幅方向9の両端部にそれぞれ設けられた端部当接部材63とを有している。
図4に示されるように、7個の上流当接部材62のうち、幅方向9の中央部に位置する3個が中央波形状付与部61Aを構成し、中央波形状付与部61Aに対して幅方向9の両外にそれぞれ設けられた2個が、1組の側部波形状付与部61Bを構成している。中央波形状付与部61Aにおける中央の上流当接部材62は、プラテン35における幅方向9の中央に対応する位置に配置されている。
中央波形状付与部61Aを構成する3個の上流当接部材62は、一定の間隔G1を隔てて配置されている。これら3個の上流当接部材62は、後述するように、当該3個の上流当接部材62だけが当接されるような幅方向9に沿った長さの小サイズの記録用紙(例えば、ハガキ)に対して波形状を付与せず、A4サイズの記録用紙14に対して波形状を付与するために設けられている。
図3に示されるように、側部波形状付与部61Bを構成する2個の上流当接部材62は、上記間隔G1よりも短い間隔G2を空けて配置されている。中央波形状付与部61Aのうち幅方向9の両端の上流当接部材62と、側部波形状付与部61Bにおける中央波形状付与部61Aに近接した上流当接部材62とは上記間隔G1に等しい間隔(=G1)が空けられている。端部当接部材63と、側部波形状付与部61Bにおける当該端部当接部材63に近接した上流当接部材62とは、上記間隔G1に等しい間隔(=G1)が空けられている。
7個の上流当接部材62は、それぞれ同じ形状になっており、図6に示されるように、第1ガイドフレーム36の下面に取り付けられるベース部62Aと、ベース部62Aから垂下された状態の接続部62Bと、接続部62Bの下端部に設けられた当接部62Cとを有している。上流当接部材62は、合成樹脂(例えばポリアセタール(POM))によって一体的に成形されている。
ベース部62Aは、第1ガイドフレーム36の下方に位置しており、第1ガイドフレーム36に係止される複数の係止部62Dを有している。各係止部62Dは、ベース部62Aから上方に突出している。第1ガイドフレーム36には、各係止部62Dが挿入される開口36A(図3及び図4参照)が設けられている。
接続部62Bは、幅方向9に沿った長さがほぼ一定になった帯板状であり、図6に示されるように、ベース部62Aにおけるシート搬送向き6の下流端から搬送ローラ22の外周部分に沿うように、前方に突出した湾曲状態である。接続部62Bにおけるシート搬送向き6の下流端は、ベース部62Aよりもシート搬送向き6の下流且つ下方に位置している。接続部62Bは、上下方向7に移動し得る可撓性を有している。
接続部62Bの下端部に設けられた当接部62Cは平板状になっており、平面視で、前側になるにつれて幅方向9に沿った長さが順次短くなった三角形状に形成されている。当接部62Cは、記録部31におけるノズル34の位置よりもシート搬送向き6の上流に位置しており、プラテン35へ向かって延出されている。当接部62Cは、シート搬送向き6の下流に位置する先端部が最も下方に位置するように傾斜している。当接部62Cにおける当該先端部は、記録用紙14の上面に上方から当接する当接部分である。
図6に示されるように、上流当接部材62の当接部62Cにおける記録用紙14の上面との当接部分は、搬送ローラ対21による記録用紙14のニップ位置NP1からシート搬送向き6の下流に距離L1だけ離れている。当接部62Cは、シート搬送向き6とは直交する上下方向7に移動可能である。
全ての上流当接部材62の幅方向9の両外にそれぞれ設けられた端部当接部材63は、図4に示されるように、上流当接部材62と同様に、ベース部63Aと、接続部63Bと、当接部63Cとを有している。当接部63Cは、平面視で四角形状である。端部当接部材63のその他の構成は、上流当接部材62と概略同様の構成である。端部当接部材63の当接部63Cは、搬送ローラ対21によって搬送される記録用紙14の幅方向9の両端部を下方に押圧する。
[プラテン]
図5に示されるように、プラテン35は、記録部31の下方に位置するプラテン本体部35Aと、プラテン本体部35Aのシート搬送向き6の下流に連続して設けられた下流支持部35Bとを有している。プラテン本体部35Aは、幅方向9に沿った長さが一定の平板状に構成されている。プラテン本体部35Aの幅方向9の両端は、サブフレーム39のそれぞれに近接している。
下流支持部35Bは、幅方向9に沿った帯板状に構成されており、幅方向9の両端が、プラテン本体部35Aにおける幅方向9の両端よりも幅方向9の中央に位置している。下流支持部35Bは、プラテン本体部35Aのシート搬送向き6の下流端に連続して設けられた第1ガイド部35Cと、第1ガイド部35Cのシート搬送向き6の下流に連続して設けられた排出本体部35Dとを有している。
図7(A)に示されるように、第1ガイド部35Cには、プラテン本体部35Aの上面からシート搬送向き6の下流に連続する第1ガイド面35Rが設けられている。第1ガイド面35Rは、シート搬送向き6の下流になるにつれて、ノズル面34Aを含む仮想平面VS1との距離が短くなるように傾斜している。従って、排出本体部35Dとノズル面34Aを含む仮想平面VS1との距離が、プラテン本体部35Aと仮想平面VS1との距離よりも短くなっている。
図5に示されるように、下流支持部35Bは、幅方向9の中央部に設けられた中央開口部35Eと、当該中央開口部35Eに対して幅方向9の両外に間隔を隔てて設けられた側部開口部35Fとを有する。中央開口部35Eは、上流波形状付与機構61における中央波形状付与部61Aに対してシート搬送向き6の下流に対応する位置に設けられている。側部開口部35Fの各々は、各側部波形状付与部61Bに対してシート搬送向き6の下流に対応する位置に設けられている。中央開口部35E及び各側部開口部35Fは、排出本体部35Dとプラテン本体部35Aとの間に位置しており、中央開口部35E及び側部開口部35Fの下方を排出ローラ軸42Bが挿通している。
図4及び図5に示されるように、中央開口部35E内には、排出ローラ軸42Bにおける幅方向9の中央部に設けられた5個の排出ローラ42Aの上部が位置している。5個の排出ローラ42Aは、幅方向9に一定の間隔を隔てて配置されている。5個の排出ローラ42Aのうち幅方向9の中央に位置する排出ローラ42Aは、中央波形状付与部61Aにおける幅方向9の中央に位置する上流当接部材62のシート搬送向き6の下流に対応する位置に設けられている。また、5個の排出ローラ42Aのうち幅方向9の両端に位置する各排出ローラ42Aは、中央波形状付与部61Aにおける幅方向9の両端に位置する各上流当接部材62のシート搬送向き6の下流に対応する位置に設けられている。
図4及び図5に示されるように、側部開口部35F内には、排出ローラ軸42Bにおける幅方向9の両端部にそれぞれ設けられた2個の排出ローラ42Aの上部が位置している。2個の排出ローラ42Aは、各側部波形状付与部61Bを構成する2個の上流当接部材62のシート搬送向き6の下流に対応する位置に設けられている。
図5に示されるように、プラテン本体部35Aには、9個の排出ローラ42Aに対してシート搬送向き6の上流の位置に第2ガイド部35Sがそれぞれ設けられている。図6(B)に示されるように、第2ガイド部35Sのそれぞれは、プラテン本体部35Aの上面から連続してシート搬送向き6の下流に延出する第2ガイド面35Tを有している。第2ガイド面35Tは、第1ガイド部35Cの第1ガイド面35R(図7(A)及び(B)参照)と同様に、シート搬送向き6の下流になるにつれて仮想平面VS1との距離が短くなるように傾斜している。
図7(A)に示されるように、プラテン35のシート搬送向き6の下流端部に設けられた下流支持部35Bの第1ガイド部35Cには、排出ローラ軸42Bに係合する係合部材35Uが設けられている。各係合部材35Uは、第1ガイド部35Cにおけるシート搬送向き6の上流端から下方に延出された延出部35Vと、延出部35Vの下端部からシート搬送向き6の下流に向かって延出された当接部35Wとを有している。当接部35Wは、排出ローラ軸42Bの下方に位置している。
排出ローラ軸42Bに対向する排出本体部35Dの下面には、排出ローラ軸42Bに当接してプラテン35の移動を規制する規制部35Xが設けられている。規制部35Xと係合部材35Uの当接部35Wとの間隔は、排出ローラ軸42Bの直径よりも大きくなっている。
図6(A)に示されるように、プラテン本体部35Aの下流端部には、幅方向9に間隔を隔てて配置された複数の第1コイルバネ51がそれぞれ設けられている。第1コイルバネ51は、排出本体部35Dにおける中央開口部35E及び側部開口部35Fに対してシート搬送向き6の上流に対応する位置にそれぞれ設けられており、プラテン本体部35Aの下流端部を仮想平面VS1(上方)に向けて付勢している。プラテン35は、記録用紙14が搬送されていない状態では、図7(A)に示されるように、係合部材35Uの当接部35Wが排出ローラ軸42Bに当接している。これにより、プラテン35におけるシート搬送向き6の下流端は、上方への移動が規制されて位置決めされる。
図7(A)に示されるように、プラテン本体部35Aにおけるシート搬送向き6の上流端部には、幅方向9に間隔を空けて複数のバネ受け部35Yが設けられている。各バネ受け部35Yは、第1コイルバネ51に対してシート搬送向き6の上流に対応する位置にそれぞれ配置されている。バネ受け部35Yは、プラテン本体部35Aよりも仮想平面VS1から離れた位置においてシート搬送向き6の上流に向かって突出されている。各バネ受け部35Yの下部には、プラテン本体部35Aにおける搬送向き6の下流端部を上方(仮想平面VS1)に向けて付勢する第2コイルバネ52がそれぞれ係合している。
バネ受け部35Yは、第2コイルバネ52に付勢された状態では、搬送ローラ対21を構成するピンチローラ26のローラホルダ28に設けられた係合部28A(図6参照)に当接する。これにより、プラテン35におけるシート搬送向き6の上流端は、上方への移動が規制されて位置決めされる。
図4及び図5に示されるように、平板状のプラテン本体部35Aには、幅方向9において中央波形状付与部61Aと各側部波形状付与部61Bのそれぞれとの間に、シート搬送向き6に沿って1本の第1メインリブ35G(「第1当接部材」の一例)が設けられている。この第1メインリブ35Gは、プラテン本体部35Aの上面から上方の搬送路29へ突出している。また、各側部波形状付与部61Bと、端部当接部材63との間にも、同様に、上方の搬送路29へ突出する1本の第1メインリブ35Gがそれぞれ設けられている。第1メインリブ35Gのそれぞれは、同様の構成になっており、プラテン本体部35Aにおけるシート搬送向き6の上流の端部から、プラテン本体部35Aのシート搬送向き6の全域にわたって設けられている。
プラテン35における下流支持部35Bには、プラテン本体部35Aの各第1メインリブ35Gに連続してシート搬送向き6に沿って配置された第2メインリブ35K(「第3当接部材」の一例)がそれぞれ設けられている。第2メインリブ35Kは、連続する第1メインリブ35Gと一体に構成されており、下流支持部35Bにおける排出本体部35Dの上面から上方の搬送路29へ突出している。第1メインリブ35G及び第2メインリブ35Kのそれぞれの突出端は、同一平面内に位置している。第2メインリブ35Kのそれぞれは、下流支持部35Bにおけるシート搬送向き6の下流端からさらに下流に延出している。
プラテン35は、記録用紙14が搬送されない状態では、図7(A)に示されるように、第1コイルバネ51及び第2コイルバネ52によって付勢されて、係合部材35Uの当接部35Wが排出ローラ軸42Bに当接し、また、バネ受け部35Yがローラホルダ28の係合部28Aに当接する。これにより、下流支持部35Bを含むプラテン35の全体が、仮想平面VS1に最も近接した位置(第1位置)に位置決めされる。この場合、プラテン本体部35Aの第1メインリブ35G及び下流支持部35Bの第2メインリブ35Kは、それぞれ、ノズル面34Aを含む仮想平面VS1との距離がそれぞれ最短になる。また、第1メインリブ35G及び第2メインリブ35Kのそれぞれと仮想平面VS1との最短距離が略同一である。
プラテン本体部35Aには、中央波形状付与部61Aにおける中央の上流当接部材62の下方に対応する位置に、1本のサブリブ35Hが設けられている。サブリブ35Hは、シート搬送向き6に沿っており、プラテン本体部35Aの上面から上方に突出している。サブリブ35Hにおける突出端は、第1メインリブ35Gの突出端よりも、仮想平面VS1より遠くに位置している。サブリブ35Hにおけるシート搬送向き6の下流端は、プラテン本体部35Aにおける前後方向8の中央よりも下流支持部35Bに近接した位置に配置されている。
プラテン35が第1位置になっていると、第1メインリブ35Gの突出端は、図6(A)に示されるように、記録用紙14が搬送されない状態では、上流当接部材62の当接部62Cにおける記録用紙14との当接部分よりも仮想平面VS1の近くに位置している。この場合、上流波形状付与機構61における幅方向9の中央に位置する上流当接部材62の当接部62Cは、記録用紙14との当接部分が、当該当接部62Cの下方に位置するサブリブ35Hの突出端に当接している。
プラテン35は、仮想平面VS1から離れる向きに力が加わると、第1コイルバネ51及び第2コイルバネ52の付勢力に抗して、仮想平面VS1から遠い第2位置へ移動される。このとき、第1メインリブ35G及び第2メインリブ35Kが搬送路29へ突出する突出端は、搬送ローラ対21によるニップ位置NP1より仮想平面VF1から遠い又は仮想平面VF1との最短距離が略同一になる。
[下流波形状付与機構]
図6に示されるように、複数の排出ローラ42Aを備えた下流波形状付与機構41は、排出ローラ42Aの上方に、第1拍車43A及び第2拍車44Aを支持する拍車支持部材46を備える。
各排出ローラ42Aは、ゴム等の弾性部材によって円筒形状に構成されており、排出ローラ軸42Bに同軸状態で嵌合されている。排出ローラ軸42Bは、図示しない伝動機構を介して、モータの回転力が伝達されて、図2に矢印D2で示す向きに回転される。これにより、全ての排出ローラ42Aが一体的に回転する。
図6(A)に示されるように、拍車支持部材46におけるシート搬送向き6の上流の端部は、排出ローラ42Aの上方に位置しており、図4及び図5に示されるように、各排出ローラ42Aの上方に第1拍車43Aがそれぞれ支持されている。第1拍車43Aには、2つの円板状の拍車部43Cが幅方向9に間隔を空けて設けられている。拍車部43Cのそれぞれの外周面には、周方向に沿って凹凸部が設けられている。第1拍車43Aの軸心部には、幅方向9に沿った軸体43Bが挿通している。軸体43Bは、拍車部43Cに対して幅方向9の両外においてシート搬送向き6に沿って設けられた拍車支持部46C(図6(A)参照)に回転可能に支持されている。
図6(A)に示されるように、第1拍車43Aにおける各拍車部43Cは、記録用紙14が搬送されない状態では、それぞれの下方に位置する各排出ローラ42Aに接しており、各排出ローラ42Aの回転に追従して回転する。第1拍車43Aの各拍車部43Cと排出ローラ42Aとが接した位置は、搬送される記録用紙14を挟持するニップ位置NP2になっており、当該ニップ位置NP2で挟持された記録用紙14は、排出ローラ42A及び拍車部43Cの回転によってシート搬送向き6の下流に搬送される。
第1拍車43A及び排出ローラ42Aによるニップ位置NP2は、上流波形状付与機構61の各上流当接部材62における当接部62Cが記録用紙14に当接する位置と、幅方向9において同じ位置である。また、ニップ位置NP2は、仮想平面VS1に対して所定の距離だけ離れており、仮想平面VS1との最短距離が、上流当接部材62の当接部62Cにおける先端部(記録用紙14との当接部分)と仮想平面VS1との最短距離と略同一である。
プラテン35が第1位置になると、下流支持部35Bに設けられた第2メインリブ35Kの突出端は、第1拍車43A及び排出ローラ42Aによるニップ位置NP2よりも仮想平面VS1に近くなる。従って、第1拍車43Aは、隣り合う第2メインリブ35Kの間において、上流当接部材62の当接部62Cと同様に、記録用紙14の上面に上方から当接する。
図4及び図5に示されるように、全ての第1拍車43Aに対して幅方向9の両外の位置には、各1個の端部拍車45Aがそれぞれ設けられている。端部拍車45Aも、第1拍車43Aと同様の構成であり、2つの拍車部45Cを有している。端部拍車45Aのそれぞれの軸心部には、幅方向9に沿った軸体45Bが挿通している。軸体45Bも、2つの拍車部45Cの幅方向9の両外に設けられた拍車支持部(不図示)に回転可能に支持されている。
第1拍車43Aのそれぞれに対してシートの搬送向き6の下流に対応した位置には、第2拍車44Aがそれぞれ支持されている。第2拍車44Aのそれぞれは、第1拍車43Aと同様の構成であり、2つの拍車部44Cを有している。第2拍車44Aのそれぞれの軸心部には、幅方向9に沿って軸体44Bが挿通している。軸体44Bは、2つの拍車部44Cの幅方向9の両外に設けられた拍車支持部46C(図6(A)参照)に回転可能に支持されている。
第2拍車44Aのそれぞれの拍車部44Cにおける最下部は、搬送路29へ突出する突出端になっており、その突出端は、第1拍車43A及び排出ローラ42Aによるニップ位置NP2より仮想平面VS1から近くなっている。
[上流波形状付与機構、プラテン、下流波形状付与機構の作用]
このような構成の複合機10では、給送トレイ13内のA4サイズの記録用紙14は、長手方向をシート搬送向き6に沿った状態で、給送ガイド部材15内の給送路15Cを中央基準で搬送される。その後、記録用紙14は、搬送ローラ対21において搬送ローラ22とピンチローラ26とによって挟持されて、プラテン35上に搬送される。プラテン35は、記録用紙14が搬送されない状態では、仮想平面VS1に最も近接した第1位置になっている。
このような状態で、記録用紙14が上流波形状付与機構61に搬送されると、7個の上流当接部材62及び端部当接部材63の各当接部62C及び63Cの先端部が、第1搬送ローラ対21による記録用紙14のニップ位置NP1から距離L1だけ離れた位置において記録用紙14の上面に当接する。これにより、記録用紙14は、それぞれの当接部62C及び63Cによって仮想平面VS1から離れる向きに押し下げられる。また、記録用紙14における幅方向9の両端部は、端部当接部材63によってそれぞれ下方に押し下げられる。
この場合、プラテン本体部35Aに第1メインリブ35Gが設けられているために、図8(A)に示されるように、記録用紙14における各第1メインリブ35Gに当接する部分は押し下げられず、それら第1メインリブ35Gの間において当接部62Cが当接した部分に凹部が形成される。これにより、記録用紙14には、幅方向9に沿った波形状が付与される。
また、記録用紙14は、記録部31において画像が記録される前であり、インクが浸潤していないために膨潤していない。このことから、記録用紙14は、当接部62Cが当接した部分が、記録用紙14の剛性に対応して、比較的小さな押し下げ量で押し下げられる。すなわち、記録用紙14における幅方向9の中央部は、幅方向9の両外の端部よりも記録用紙14の剛性が高いために、中央波形状付与部61Aを構成する3個の上流当接部材62の当接部62Cによる押し下げ量は、各側部波形状付与部61Bをそれぞれ構成する2個の上流当接部材62の当接部62Cによる押し下げ量よりも小さくなる。
さらに、記録用紙14における幅方向9の中央部においては、第1メインリブ35Gによって持ち上げられた部分が、幅方向9の中央部よりも剛性が高くなる。このために、中央波形状付与部61Aを構成する3個の上流当接部材62のうち、各第1メインリブ35Gに近接した2個の上流当接部材62の当接部62Cは、仮想平面VF1に接近する向きに移動する。このような状態では、プラテン35は、第1コイルバネ51及び第2コイルバネ52の付勢力により、仮想平面VF1から遠ざかる向きに殆ど押し下げられない。
上流波形状付与機構61によって幅方向9に沿った波形状が付与された記録用紙14は、記録部31の下方の所定位置において画像が記録される。記録用紙14は、画像が記録されることによってインクが浸潤して膨潤するために剛性が低下し、比較的容易に変形し得る状態になる。この場合、記録用紙14におけるインクが付着した部分だけでなく、シート搬送向き6の上流においても、剛性が低下し、比較的容易に変形し得る状態になる。このために、記録用紙14は、上流波形状付与機構61において、図8(B)に示されるように、各上流当接部材62の当接部62Cが当接した部分が、画像が記録される前よりも仮想平面VF1から遠い位置にまで押し下げられる。
また、中央波形状付与部61Aを構成する3個の上流当接部材62のうち、幅方向9の中央部に位置する上流当接部材62の当接部62Cは、記録用紙14における幅方向9の中央部をサブリブ35Hの上面に当接するまで押し下げる。これに対して、幅方向9の両外の各上流当接部材62の当接部62Cは、サブリブ35Hの上面よりも低い位置にまで記録用紙14を押し下げる。これにより、記録用紙14は、幅方向9に沿って、比較的大きな凹凸形状で波打った状態とされる。
画像が記録された記録用紙14は、シート搬送向き6の下流側の先端部が、第1ガイド部35C及び第2ガイド部35Sのそれぞれに案内されて、下流支持部35B上へ搬送される。下流支持部35B上に搬送された記録用紙14は、それぞれが回転状態になった第1拍車43Aと排出ローラ42Aとのニップ位置NP2において挟持されて搬送される。
このとき、上流波形状付与機構61における中央波形状付与部61Aに対してシート搬送向き6の下流に対応する位置に設けられた5個の第1拍車43Aは、それぞれ、記録用紙14における幅方向9の中央部に形成された凹部を、排出ローラ42Aとともに挟持する。
また、上流波形状付与機構61における側部波形状付与部61Bに対してシート搬送向き6の下流に対応する位置に設けられた各2個の第1拍車43Aは、側部波形状付与部61Bを構成する2つの上流当接部材62に対してシート搬送向き6の下流に対応した位置に設けられている。このために、これら2個の第1拍車43Aのそれぞれは、記録用紙14における幅方向9の中央の外側に位置する凹部を、それぞれの下方の排出ローラ42Aとともに挟持する。
これにより、上流波形状付与機構61において幅方向9に沿って凹凸形状が付与された記録用紙14は、下流波形状付与機構41においても、凹凸形状が維持される。その結果、プラテン本体部35A上において、記録用紙14にインクが浸潤して記録用紙14の一部分が膨潤しても、シートがプラテンから浮き上がる現象(コックリング)を抑制できる。
次いで、全ての第1拍車43Aと排出ローラ42Aとによる記録用紙14のニップ位置NP2に対してシート搬送向き6の下流に配置された各第2拍車44Aが当接する。これにより、記録用紙14は、排出ローラ42A及び第1拍車43Aよりも搬送向き6の下流においても、幅方向9に沿った波打ち状態が維持される可能性が高くなる。その後、記録用紙14は排紙トレイ17上に排出される。
次に、A4サイズの記録用紙14よりも小サイズのハガキに対して画像を記録する場合について説明する。ハガキは、長手方向をシート搬送向き6に沿った状態で、給送ガイド部材15内の給送路15Cを中央基準で搬送される。その後、ハガキは、搬送ローラ対21において搬送ローラ22とピンチローラ26とのニップ位置NP1において挟持されてプラテン35上に搬送される。このとき、図9に示されるように、上流波形状付与機構61では、中央波形状付与部61Aを構成する3個の上流当接部材62における当接部62Cの先端部が、ハガキ90の上面に当接する。
この場合、ハガキ90における幅方向9の中央部が、プラテン本体部35Aにおける幅方向9の中央部に位置するサブリブ35Hの突出端に当接する。これにより、当該上流当接部材62の当接部62Cは、仮想平面VF1から離れる向きにプラテン35を押し下げる。その結果、プラテン35は、図6(B)及び図7(B)に示された状態になる。
プラテン35が仮想平面VS1から離れる向きに押し下げられると、図7(B)に示されるように、下流支持部35Bに設けられた規制部35Xが排出ローラ軸42Bに当接して、仮想平面VS1から離れる向きへの移動が規制される。これにより、プラテン35は、第1位置より仮想平面VS1から遠い第2位置になる。
このような状態では、プラテン本体部35A上のハガキ90は、中央波形状付与部61Aを構成する3個の上流当接部材62のそれぞれの当接部62Cが当接しても、幅方向9に沿った波打ち状態とされるおそれがない。
なお、剛性が高いシートが、中央波形状付与部61Aに対して幅方向9の両外に位置する第1メインリブ35Gのそれぞれに当接するようなサイズの場合にも、中央波形状付与部61Aを構成する3個の上流当接部材62が当接することにより、プラテン35は、第1位置より仮想平面VS1から遠い第2位置になる。この場合、第1メインリブ35Gにおける搬送路29へ突出する突出端は、ニップ位置NP1より仮想平面VF1から遠い又は仮想平面VF1との最短距離が略同一になる。これにより、剛性が高いシートに波形状が付与されるおそれがない。
その後、ハガキ90は、記録部31の下方の所定位置において画像が記録される。なお、ハガキ90は、コーティング処理されている場合には、インクの膨潤が防止される。
この場合、幅方向9の中央部に位置する上流当接部材62の当接部62Cが、サブリブ35H上におけるハガキ90の幅方向9の中央部に当接して、プラテン35は、仮想平面VS1から離れた位置に移動する。このために、当該当接部62Cによる押圧力は、メインリブ35G上にハガキ90が載置される場合よりも小さくなる。これにより、当該当接部62Cとサブリブ35Hとによってハガキ90に加わる圧力が低減され、ハガキ90は、円滑に搬送される。
画像が記録されたハガキ90は、下流支持部35B上に搬送される。下流支持部35B上に搬送されたハガキ90は、それぞれが回転状態になった第1拍車43Aと排出ローラ42Aとのニップ位置NP2において挟持されて搬送される。その後、ハガキ90には、第2拍車44Aが当接するが、ハガキ90は波打ち状態とされることなく、排紙トレイ17上に排出される。
[実施形態の作用効果]
本実施形態では、プラテン35が、第1位置と第1位置よりも仮想平面VF1から遠い第2位置とに移動可能であり、プラテン35に設けられた第2メインリブ35Kが隣り合う排出ローラ42Aの間に配置されている。第2メインリブ35Kの突出端は、第1拍車43A及び排出ローラ42Aのニップ位置NP2より仮想平面VF1に近く、プラテン35が第1コイルバネ51によって第1位置に付勢されて、プラテン35の当接部35Xが排出ローラ42Aに当接する。
この場合、プラテン35が、第1コイルバネ51の付勢力に抗して第1位置から第2位置へ移動することによって、第1拍車43A及び排出ローラ42Aによるニップ位置NP2と第2メインリブ35Kの突出端との相対的な位置関係が変動する。これにより、記録用紙14の剛性に応じた波形状を付与することができる。他方、プラテン35は、排出ローラ軸42Bを基準として第1位置に位置決めされるので、第1位置におけるニップ位置NP2と第2メインリブ35Kの突出端とが精度よく位置決めされる。
また、複数の第2拍車44Aは、搬送路29へ突出する突出端が、第2メインリブ35Kの突出端より仮想平面VF1から遠く、且つ排出ローラ42A及び第1拍車43Aにおけるニップ位置NP1より仮想平面VF1に近い。これにより、排出ローラ42Aより搬送向き6の下流においても、第2拍車44Aによって記録用紙14の波形状の谷(凹部)が保持される。
さらに、上流当接部材62は、幅方向9において第1拍車43Aと同じ位置に配置されており、幅方向9において隣り合う上流当接部材62の当接部分の間に配置された第1メインリブ35Gは、搬送路29へ突出する突出端が、上流当接部材62の搬送路29へ突出する突出端より仮想平面VF1に近くなっている。これにより、上流当接部材62及び第1メインリブ35Gによって、記録部31のノズル34より搬送向き6の上流において記録用紙14に波形状が付与される。
プラテン35に設けられた当接部35Xは、プラテン35の搬送向き6の下流端部に設けられている。これにより、プラテン35の搬送向き6の下流となる端部が、排出ローラ軸42Bを基準に当接部35Xによって精度よく位置決めされる。
記録部31より搬送向き6の上流には、記録用紙14を搬送向き6へ搬送する搬送ローラ対22と、搬送ローラ対22のピンチローラ26を支持するローラホルダ28と、プラテン35を付勢してローラホルダ28に当接させる第2コイルバネ52とが設けられている。これにより、プラテン35の搬送向き6の上流となる端部は、ローラホルダ28を基準として精度よく位置決めされる。
記録部31及び上流当接部材62は第1ガイドレール36に支持されており、第1ガイドレール36及び排出ローラ軸42Bはサブフレーム39に支持されている。これにより、記録部31のノズル面34Aと排出ローラ軸42B及び上流当接部材62とが精度よく位置決めされる。
上流当接部材62の当接部分とニップ位置NP1とは、幅方向9において同じ位置であって、仮想平面VF1との最短距離が略同一である。これにより、記録部31のノズル34より搬送向き6の上流及び下流でそれぞれ波形状にされた記録用紙14とノズル面34Aとの距離が安定する。
第2メインリブ35K及び上第1メインリブ35Gは、搬送向き6に沿って連続して延出されている。これにより、第2メインリブ35K及び上第1メインリブ35Gを簡易に実現できる。
プラテン35が第2位置になると、第1メインリブ35Gにおける搬送路29へ突出する突出端は、ニップ位置NP1より仮想平面VF1から遠い又は仮想平面VF1との最短距離が略同一になる。これにより、剛性が高いシートに対して波形状を殆ど付与しないことが可能である。
記録部31のキャリッジ34は、第1ガイドレール36に支持されて搬送向き6と直交し且つノズル面34Aと平行な幅方向9へ移動可能であり、キャリッジ34に搭載された記録ヘッド33はノズル34を有している。これにより、ノズル34に対する上流当接部材62等の位置決めが容易になる。
[変形例]
なお、記録部31、プラテン35の構成は、上記実施形態の構成に限るものではない。また、上流当接部材62、第1メインリブ35G、第2拍車44Aが設けられない構成としてもよい。さらには、搬送ローラ対21、第2コイルバネ52が設けられない構成とすることも可能である。