JP2008110528A - 搬送ローラ及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】記録用紙に発生する衝撃を最小限にし、印画ムラの発生を防止して高品質な印画結果が得られるようにする。
【解決手段】拍車ローラ24は、その外周に、記録用紙の画像形成面に接触する複数の突起部24aを有しており、突起部24aは、拍車ローラ24の回転中心と突起部24aの頂点とを結ぶ直線をL1、突起部24aの頂点において拍車ローラ24の回転方向の上流側に向かう接線(傾斜辺)をL2、突起部24aの頂点において拍車ローラ24の回転方向の下流側に向かう接線(傾斜辺)をL3とし、L1とL2とのなす角(傾斜角)をθ1、L1とL3とのなす角(傾斜角)をθ2としたとき、θ1がθ2の絶対値よりも大きい。
【選択図】図4
【解決手段】拍車ローラ24は、その外周に、記録用紙の画像形成面に接触する複数の突起部24aを有しており、突起部24aは、拍車ローラ24の回転中心と突起部24aの頂点とを結ぶ直線をL1、突起部24aの頂点において拍車ローラ24の回転方向の上流側に向かう接線(傾斜辺)をL2、突起部24aの頂点において拍車ローラ24の回転方向の下流側に向かう接線(傾斜辺)をL3とし、L1とL2とのなす角(傾斜角)をθ1、L1とL3とのなす角(傾斜角)をθ2としたとき、θ1がθ2の絶対値よりも大きい。
【選択図】図4
Description
本発明は、被記録媒体が搬送ローラに送り込まれる際の衝撃を低減することができる搬送ローラ及び画像形成装置に係るものであり、詳しくは、被記録媒体の画像形成面に接触する搬送ローラの突起部と被記録媒体との衝突角度を小さくするようにした技術に関するものである。
従来より、画像形成装置の一例として、記録用紙(被記録媒体)をプリントヘッドの位置まで搬送し、プリントヘッドの発熱抵抗体(エネルギー発生素子)によってインク液室(液室)内のインク(液体)をノズルからインク液滴として吐出し、記録用紙上に画像を形成するインクジェットプリンタが知られている。そして特に、インクを吐出するためのノズルを記録用紙の幅に対応する長さに配置したラインヘッド方式のインクジェットプリンタは、ラインヘッドにより、主走査方向へのプリントヘッドの移動が不要となり、記録用紙を連続的に搬送しながら画像を形成することが可能となるため、振動や騒音が低減されるとともに、印画スピードを格段に速くすることができる。
このようなインクジェットプリンタにおいて印画品質を向上させるためには、プリントヘッドから所定の距離だけ離れた位置で記録用紙を安定的に移動させる必要がある。そのため、一般的には、記録用紙を搬送する複数の搬送ローラの回転速度を制御して、記録用紙を一定の速度、一定のテンションで搬送するようにしている。また、記録用紙が搬送ローラに突入する際の衝撃が記録用紙に作用しないようにしている。そして特に、ラインヘッド方式のインクジェットプリンタでは、プリントヘッドを移動させずに連続的に印画を行うことから、印画結果にスジやムラが生じやすく、記録用紙をより高精度に搬送する必要がある。
ここで、搬送ローラへの記録用紙の突入ショックを低減し、プリントヘッドから所定の距離を保った状態で記録用紙の安定的な移動を達成するための種々の技術が知られている(例えば、特許文献1、特許文献2、及び特許文献3参照)。
特開平5−281635号公報
特開平7−271126号公報
特開平9−141954号公報
この特許文献1に記載の技術によれば、第1ローラ対と第2ローラ対とによって記録用紙を円滑に搬送できるようにするとともに、第1ローラ対と第2ローラ対とを選択的に開閉できるようにし、記録用紙が進入する第1ローラ対又は第2ローラ対を開動させるようにしたので、第1ローラ対及び第2ローラ対に記録用紙が進入する際の衝撃の発生を防止することができる。
また、特許文献2に記載の技術によれば、記録用紙が緩やかなループを形成するように湾曲した搬送ガイド板を上流と下流の搬送ローラ対間に形成し、搬送ガイド板の途中に、記録用紙の弛みと緊張状態に応じて上下動する補助搬送ローラ対を設置したので、上流の搬送ローラ対と下流の搬送ローラ対との間の距離よりも小さいサイズの記録用紙を搬送できるだけでなく、上流と下流の搬送ローラ対間の速度差や搬送ローラ対への突入時のショックをループによって吸収することができる。
さらにまた、特許文献3に記載の技術によれば、記録用紙は、ピンチローラによってキャプスタンに圧接され、キャプスタンの回転による摩擦力で搬送されるが、記録用紙への印画中は、キャプスタンとピンチローラとが圧着していないので、記録用紙がキャプスタンとピンチローラとの間に突入する際の搬送負荷変動を低減することができる。
このように、搬送ローラへの記録用紙の突入ショックを低減させることができる技術は種々開示されている。
しかし、特許文献1〜3に示された技術では、構成的に複雑になり、コストアップを招く要因となってしまう。特に、記録用紙に製造工程や保存状態に起因した反りがあり、そのまま記録用紙の先端が上方に反った状態で給紙された場合には、特許文献1〜3に示された技術を適用したとしても、必ずしも安定した搬送が行えるとは限らない。すなわち、反った記録用紙の先端と搬送ローラとの衝突によるショックが搬送ムラの原因となって印画結果に悪影響を及ぼすことがある。
しかし、特許文献1〜3に示された技術では、構成的に複雑になり、コストアップを招く要因となってしまう。特に、記録用紙に製造工程や保存状態に起因した反りがあり、そのまま記録用紙の先端が上方に反った状態で給紙された場合には、特許文献1〜3に示された技術を適用したとしても、必ずしも安定した搬送が行えるとは限らない。すなわち、反った記録用紙の先端と搬送ローラとの衝突によるショックが搬送ムラの原因となって印画結果に悪影響を及ぼすことがある。
また、ラインヘッド方式のインクジェットプリンタでは、ノズルが記録用紙の幅に対応するように複数列にわたって配置されており、記録用紙の搬送を止めることなくインクを連続的に吐出して印画を行うため、記録用紙の反りによる影響を受けやすいという問題がある。そのため、複数の搬送ローラ間の速度差に起因するテンションの変動や、記録用紙が搬送ローラに突入する際のショックが記録用紙に作用しないように、記録用紙を搬送ベルトに載置して移動させ、安定して搬送できるようにしたラインヘッド方式のインクジェットプリンタもある。
図8は、このような従来のラインヘッド方式のインクジェットプリンタ110(画像形成装置)の概略を示す部分側面図である。
図8に示すように、インクジェットプリンタ110は、記録用紙P(被記録媒体)に対して画像を形成するラインヘッド111(プリントヘッド)と、ラインヘッド111に対向するように配置され、ラインヘッド111に向けて記録用紙Pを搬送する搬送ベルト125と、ラインヘッド111よりも記録用紙Pの搬送方向(矢印方向)の下流側に配置され、搬送ベルト125に接触して従動回転する拍車ローラ124(搬送ローラ)と、記録用紙Pを拍車ローラ124に向けて案内するガイド部材128とを備えている。なお、拍車ローラ124は、記録用紙Pを搬送するための突起部124aを有しており、ガイド部材128は、記録用紙Pを案内するための傾斜部128aを有している。
図8に示すように、インクジェットプリンタ110は、記録用紙P(被記録媒体)に対して画像を形成するラインヘッド111(プリントヘッド)と、ラインヘッド111に対向するように配置され、ラインヘッド111に向けて記録用紙Pを搬送する搬送ベルト125と、ラインヘッド111よりも記録用紙Pの搬送方向(矢印方向)の下流側に配置され、搬送ベルト125に接触して従動回転する拍車ローラ124(搬送ローラ)と、記録用紙Pを拍車ローラ124に向けて案内するガイド部材128とを備えている。なお、拍車ローラ124は、記録用紙Pを搬送するための突起部124aを有しており、ガイド部材128は、記録用紙Pを案内するための傾斜部128aを有している。
図8に示すインクジェットプリンタ110によって記録用紙Pに画像を形成するには、記録用紙Pを矢印方向に連続的に搬送しながら、ラインヘッド111のノズルからY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、及びK(ブラック)の4色の各インクを吐出する。一方、記録用紙Pは、駆動速度を一定に維持した搬送ベルト125によって移動する。そのため、記録用紙Pは、一定の搬送速度aで安定的に搬送され、テンションの変動等が記録用紙Pに作用することなく記録用紙P上に各インク液滴が着弾し、スジやムラのない高品質なカラー画像が形成される。
ここで、図8(a)に示すように、記録用紙Pに反りがなければ、搬送ベルト125によって矢印方向に搬送速度aで搬送された記録用紙Pは、印画が実行されながら、図8(b)に示すように、ラインヘッド111の下流側に送り出される。そして、記録用紙Pの先端が拍車ローラ124のニップ部Nに導かれ、拍車ローラ124と搬送ベルト125との間に記録用紙Pが挟持されて、搬送速度aで排出される。なお、拍車ローラ124は、外周の突起部124aと印画済みの記録用紙Pの表面とが点接触するので、記録用紙Pに着弾したインク液滴が他に転写等されることはない。
ところが、記録用紙Pの先端が上方に反っていた場合には、その先端がガイド部材128の傾斜部128aに当接し、記録用紙Pの搬送に伴って傾斜部128aの下方向に滑って行き、拍車ローラ124のニップ部Nに導かれるようになる。そして、記録用紙Pの先端がガイド部材128の傾斜部128aを下がりきった後、拍車ローラ124の突起部124aに当接した際に、記録用紙Pにショックが与えられることがある。特に、ラインヘッド方式のインクジェットプリンタ110では、記録用紙Pの搬送中にショックが与えられると、ラインヘッド111と記録用紙Pとの相対的な速度が一時的に変動し、インク液滴が当初予定されていた適正な位置からずれて着弾してしまうため、その箇所に印画ムラが発生する。
図9は、図8に示す従来のラインヘッド方式のインクジェットプリンタ110における記録用紙Pと拍車ローラ124との関係を示す側面図である。
図9(a)に示すように、記録用紙Pの先端が上方に反っていると、その先端は、最初にガイド部材128の傾斜部128aに当接する。そしてその後、図9(b)に示すように、記録用紙Pの先端が拍車ローラ124の突起部124aに衝突する。
図9(a)に示すように、記録用紙Pの先端が上方に反っていると、その先端は、最初にガイド部材128の傾斜部128aに当接する。そしてその後、図9(b)に示すように、記録用紙Pの先端が拍車ローラ124の突起部124aに衝突する。
ここで、拍車ローラ124は、搬送速度aの搬送ベルト125に従動回転しているので、その回転周速度はaである。しかしながら、ニップ部Nの手前では、回転周速度aが水平方向の成分と垂直方向の成分とに分解されるから、水平方向の成分は、回転周速度aよりも遅い速度bとなっている。そのため、ニップ部Nの手前で記録用紙Pの先端が拍車ローラ124の突起部124a(水平方向の速度b)に衝突してしまうと、搬送ベルト125に載置され、搬送速度aで移動していた記録用紙Pにブレーキが作用することとなり、衝撃が発生する。そして、この衝撃は、記録用紙Pの先端の反りが大きく、拍車ローラ124の突起部124aとの衝突角度が大きいほど強くなり、従来のラインヘッド方式のインクジェットプリンタ110では、この衝撃によって記録用紙Pに印画ムラ(スジ)が発生してしまう。
したがって、本発明が解決しようとする課題は、簡単な構成で記録用紙を安定的に搬送できるようにするとともに、記録用紙の先端が搬送ローラに衝突する際の衝撃を最小限にし、印画ムラの発生を防止して高品質な印画結果が得られるようにすることである。
本発明は、以下の解決手段によって、上述の課題を解決する。
本発明の1つである請求項1に記載の発明は、被記録媒体に対して画像を形成するプリントヘッドよりも被記録媒体の搬送方向の下流側に配置され、前記プリントヘッドによって画像が形成された被記録媒体を搬送するための搬送ローラであって、前記搬送ローラは、その外周に、被記録媒体の画像形成面に接触する複数の突起部を有しており、前記突起部は、前記搬送ローラの回転中心と前記突起部の頂点とを結ぶ直線をL1、前記突起部の頂点において前記搬送ローラの回転方向の上流側に向かう接線をL2、前記突起部の頂点において前記搬送ローラの回転方向の下流側に向かう接線をL3とし、L1とL2とのなす角をθ1、L1とL3とのなす角をθ2としたとき、θ1がθ2の絶対値よりも大きいことを特徴とする。
本発明の1つである請求項1に記載の発明は、被記録媒体に対して画像を形成するプリントヘッドよりも被記録媒体の搬送方向の下流側に配置され、前記プリントヘッドによって画像が形成された被記録媒体を搬送するための搬送ローラであって、前記搬送ローラは、その外周に、被記録媒体の画像形成面に接触する複数の突起部を有しており、前記突起部は、前記搬送ローラの回転中心と前記突起部の頂点とを結ぶ直線をL1、前記突起部の頂点において前記搬送ローラの回転方向の上流側に向かう接線をL2、前記突起部の頂点において前記搬送ローラの回転方向の下流側に向かう接線をL3とし、L1とL2とのなす角をθ1、L1とL3とのなす角をθ2としたとき、θ1がθ2の絶対値よりも大きいことを特徴とする。
また、本発明の他の1つである請求項3に記載の発明は、被記録媒体に対して画像を形成するプリントヘッドと、前記プリントヘッドよりも被記録媒体の搬送方向の下流側に配置され、前記プリントヘッドによって画像が形成された被記録媒体を搬送するための搬送ローラとを備える画像形成装置であって、前記搬送ローラは、その外周に、被記録媒体の画像形成面に接触する複数の突起部を有しており、前記突起部は、前記搬送ローラの回転中心と前記突起部の頂点とを結ぶ直線をL1、前記突起部の頂点において前記搬送ローラの回転方向の上流側に向かう接線をL2、前記突起部の頂点において前記搬送ローラの回転方向の下流側に向かう接線をL3とし、L1とL2とのなす角をθ1、L1とL3とのなす角をθ2としたとき、θ1がθ2の絶対値よりも大きいことを特徴とする。
(作用)
上記の請求項1及び請求項3に記載の発明は、搬送ローラの外周に、被記録媒体の画像形成面に接触する複数の突起部を有しており、この突起部は、搬送ローラの回転中心と突起部の頂点とを結ぶ直線をL1、突起部の頂点において搬送ローラの回転方向の上流側に向かう接線をL2、突起部の頂点において搬送ローラの回転方向の下流側に向かう接線をL3とし、L1とL2とのなす角をθ1、L1とL3とのなす角をθ2としたとき、θ1がθ2の絶対値よりも大きくなっている。
そのため、被記録媒体の先端が搬送ローラと衝突するのは、搬送ローラの突起部において角度が大きいθ1の斜面となるので、搬送ローラの突起部と被記録媒体との衝突角度が小さくなる。
上記の請求項1及び請求項3に記載の発明は、搬送ローラの外周に、被記録媒体の画像形成面に接触する複数の突起部を有しており、この突起部は、搬送ローラの回転中心と突起部の頂点とを結ぶ直線をL1、突起部の頂点において搬送ローラの回転方向の上流側に向かう接線をL2、突起部の頂点において搬送ローラの回転方向の下流側に向かう接線をL3とし、L1とL2とのなす角をθ1、L1とL3とのなす角をθ2としたとき、θ1がθ2の絶対値よりも大きくなっている。
そのため、被記録媒体の先端が搬送ローラと衝突するのは、搬送ローラの突起部において角度が大きいθ1の斜面となるので、搬送ローラの突起部と被記録媒体との衝突角度が小さくなる。
上記の発明によれば、被記録媒体の先端が搬送ローラの突起部と衝突しても、衝突角度が小さいので、被記録媒体に発生する衝撃が大幅に低減される。
特に、被記録媒体の先端が上方に反っている場合であっても、被記録媒体に衝撃が加えられることなく、搬送ローラのニップ部に導かれる。
したがって、印画ムラの発生が防止され、高品質な印画結果を得ることができる。
特に、被記録媒体の先端が上方に反っている場合であっても、被記録媒体に衝撃が加えられることなく、搬送ローラのニップ部に導かれる。
したがって、印画ムラの発生が防止され、高品質な印画結果を得ることができる。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態について説明する。
なお、以下の実施形態では、本発明の画像形成装置として、印画幅分のラインヘッド11(本発明におけるプリントヘッドに相当するもの)を備えるラインヘッド方式のインクジェットプリンタ10を例に挙げている。そして、インクジェットプリンタ10は、A4サイズのカラー対応のものであり、本発明の搬送ローラは、このインクジェットプリンタ10に実装されているものとする。
なお、以下の実施形態では、本発明の画像形成装置として、印画幅分のラインヘッド11(本発明におけるプリントヘッドに相当するもの)を備えるラインヘッド方式のインクジェットプリンタ10を例に挙げている。そして、インクジェットプリンタ10は、A4サイズのカラー対応のものであり、本発明の搬送ローラは、このインクジェットプリンタ10に実装されているものとする。
また、下記実施形態において、ラインヘッド11から吐出する液体はインクであり、インクを収容する液室がインク液室12で、ノズル18から吐出される微少量(例えば、数ピコリットル)のインクがインク液滴である。さらにまた、下記実施形態では、インクを吐出させるためのエネルギー発生素子として発熱抵抗体13を使用しており、この発熱抵抗体13は、インク液室12の一面(底壁部分)をも構成している。
そして、下記実施形態におけるインクジェットプリンタ10は、A4サイズのカラー対応となっているから、ラインヘッド11のインク液室12、発熱抵抗体13、及びノズル18は、各色ごとに、A4サイズの印画幅相当数だけある。なお、同色のインクを収容する全てのインク液室12は、共通のインク流路によって連通している。
図1は、本実施形態のインクジェットプリンタ10におけるラインヘッド11を示す部分斜視図である。
図1に示すように、ラインヘッド11は、基板部材14である半導体基板15にバリア層16を積層し、このバリア層16に、ノズル18を形成したノズルシート17を貼り合わせることによって構成されている。なお、図1では、説明の便宜上、ノズルシート17を分解して図示してある。
図1に示すように、ラインヘッド11は、基板部材14である半導体基板15にバリア層16を積層し、このバリア層16に、ノズル18を形成したノズルシート17を貼り合わせることによって構成されている。なお、図1では、説明の便宜上、ノズルシート17を分解して図示してある。
ここで、半導体基板15は、シリコン、ガラス、セラミックス等からなるものである。そして、発熱抵抗体13は、この半導体基板15の一方の面(図1では上面)に、半導体や電子デバイス製造技術用の微細加工技術を用いて析出形成(例えば、発熱抵抗体13となる材料をプラズマによるスパッタリング法によって成膜)したものであり、同様にして半導体基板15に形成した導体部(図示せず)を介して外部回路と電気的に接続されている。
また、バリア層16は、半導体基板15における発熱抵抗体13側に形成されたものであり、発熱抵抗体13の周辺部を除いた部分に、感光性樹脂でパターニング形成されている。すなわち、バリア層16は、例えば、感光性環化ゴムレジストや露光硬化型のドライフィルムレジストからなっており、半導体基板15の発熱抵抗体13が形成された面の全体に積層された後、フォトリソプロセスにより、不要な部分が除去されることによって形成される。
さらに、ノズルシート17は、複数の円形のノズル18が配列されるように、例えば、ニッケル(Ni)による電鋳技術によって形成されたものである。そして、ノズルシート17の各ノズル18の位置と、半導体基板15上の各発熱抵抗体13の位置とが合うように、すなわち、各ノズル18が各発熱抵抗体13と対向するように精密に位置決めがなされ、バリア層16上に貼り合わされる。
したがって、各インク液室12は、発熱抵抗体13を囲むようにして、半導体基板15とバリア層16とノズルシート17とで構成される。すなわち、半導体基板15及び発熱抵抗体13は、インク液室12の天壁を構成し、バリア層16は、インク液室12の3つの側壁を構成し、ノズルシート17は、インク液室12の底壁を構成する。なお、図1では、各発熱抵抗体13と各ノズル18との位置関係が明らかとなるように、ラインヘッド11の上下関係を逆転させてある。
また、各インク液室12は、図1中、右下方向に開口領域を有しており、この開口領域が共通のインク流路に連通する。そのため、インクタンク(図示せず)内のインクは、共通のインク流路を通り、それぞれの開口領域から各インク液室12内に供給されることとなる。
そして、このようなラインヘッド11を用いて被記録媒体である記録用紙Pに画像を形成するには、制御部(図示せず)からの指令によって発熱抵抗体13を選択的に駆動し、インク液室12内に収容されたインクに吐出エネルギーを付与する。また、ノズルシート17から所定の距離だけ離れた位置を保ちながら、記録用紙Pを連続的に搬送する。すると、インクがノズル18からインク液滴として吐出され、記録用紙P上の所定の位置に着弾して印画が行われる。なお、本実施形態では、このようなラインヘッド11を、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、及びK(ブラック)の各色に対応する4列構成としているので、カラーでの印画が可能となっている。
すなわち、各列のラインヘッド11にそれぞれ接続された4色のインクタンク(図示せず)から各色のインクを供給し、インク液室12にインクを収容した後、印画データに基づいて、発熱抵抗体13に短時間(例えば、1〜3μsec)だけパルス電流を流せば、その発熱抵抗体13が急速に加熱され、発熱抵抗体13と接する部分のインクに膜沸騰による気泡が発生する。すると、その気泡の膨張によって所定の体積のインクが押しのけられることとなり、押しのけられたインクと同等の体積のインクがノズル18からインク液滴として吐出され、連続的に搬送された記録用紙P上に着弾して、カラーでの印画が行われる。
図2は、本実施形態のラインヘッド方式のインクジェットプリンタ10を示す断面図である。
図2に示すように、インクジェットプリンタ10は、記録用紙Pの給紙トレイ31や排紙トレイ32、記録用紙Pの搬送装置20等を備えている。また、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、及びK(ブラック)の各色に対応する着脱自在の4つのインクタンク33と、各インクタンク33がそれぞれ接続され、各色のインク(インク液滴)を吐出するラインヘッド11が装着されている。
図2に示すように、インクジェットプリンタ10は、記録用紙Pの給紙トレイ31や排紙トレイ32、記録用紙Pの搬送装置20等を備えている。また、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、及びK(ブラック)の各色に対応する着脱自在の4つのインクタンク33と、各インクタンク33がそれぞれ接続され、各色のインク(インク液滴)を吐出するラインヘッド11が装着されている。
図2に示すインクジェットプリンタ10で印画を行うには、最初に、給紙トレイ31から矢印のように記録用紙Pを給紙し、搬送装置20に記録用紙Pを送り込む。続いて、ラインヘッド11の下側で、搬送装置20によって所定の距離を保ちながら記録用紙Pを連続的に精密に搬送する。同時に、印画情報に基づいて、ラインヘッド11から4色のインク(インク液滴)を適宜吐出し、記録用紙P上に文字や画像等をカラー印画する。なお、印画後の記録用紙Pは、排紙トレイ32上に排出される
図3は、図2に示す本実施形態のインクジェットプリンタ10に実装された搬送装置20を示す断面図である。
図3に示すように、搬送装置20は、駆動ローラ21、ピンチローラ22、従動ローラ23、拍車ローラ24(本発明における搬送ローラに相当するもの)、搬送ベルト25、プラテン26、リテーナーシート27、及びガイド部材28から構成されている。
図3に示すように、搬送装置20は、駆動ローラ21、ピンチローラ22、従動ローラ23、拍車ローラ24(本発明における搬送ローラに相当するもの)、搬送ベルト25、プラテン26、リテーナーシート27、及びガイド部材28から構成されている。
図3に示す搬送装置20では、ラインヘッド11よりも記録用紙Pの搬送方向(矢印方向)の上流側に駆動ローラ21及びピンチローラ22がそれぞれ配置され、その下流側に従動ローラ23及び拍車ローラ24がそれぞれ配置されている。そして、駆動ローラ21と従動ローラ23との間には、エンドレス形状の搬送ベルト25が張設されており、搬送ベルト25上に記録用紙Pを載置して搬送することができるようになっている。また、この搬送ベルト25に対し、ラインヘッド11の上流側でピンチローラ22が接触して従動回転し、下流側で拍車ローラ24が接触して従動回転するようになっている。
ここで、駆動ローラ21は、搬送ベルト25を駆動するものであり、制御部(図示せず)によって回転速度が一定に制御される。一方、搬送ベルト25は、歯付き(平歯、はす歯、又はやま歯等)の伝動ベルトであるタイミングベルトからなるもので、滑りがなく、騒音も少ない状態で動く。そのため、駆動ローラ21により、従動ローラ23との間で搬送ベルト25が一定の速度で静かに回転することとなる。
また、ラインヘッド11に対向するように、プラテン26が配置されている。このプラテン26は、ラインヘッド11に向けて搬送された記録用紙Pを支持するもので、一定間隔で配列された複数のリブ26aを有しており、各リブ26aが記録用紙Pの基準面を形成している。すなわち、ラインヘッド11から4色のインク(インク液滴)がそれぞれ吐出される印画エリアでは、記録用紙Pが基準面である各リブ26a上を移動するようになっている。
このような記録用紙Pの移動は、ピンチローラ22、拍車ローラ24、及び搬送ベルト25によって行われる。すなわち、ピンチローラ22は、給紙トレイ31(図2参照)から給紙され、搬送ベルト25上に載置された記録用紙Pを挟み込む。そのため、搬送ベルト25の回転により、ピンチローラ22との間に挟持された記録用紙Pがプラテン26の各リブ26a上(印画エリア)に向けて搬送される。
また、プラテン26と対向するラインヘッド11は、ノズル18(図1参照)が所定のピッチで、印画可能な最大サイズ(本実施形態では、A4サイズ)の記録用紙Pの用紙幅方向の全長にわたって直線状に配置されたものである。そのため、印画の際に、用紙幅方向にラインヘッド11を移動させることなく、搬送ベルト25によって定速で移動する記録用紙Pに対して連続的にインク液滴を吐出することができるので、高速に印画を行うことが可能となっている。
そして、印画が実行され、プラテン26の下流側に送り出された記録用紙Pは、今度は拍車ローラ24との間に挟持される。この拍車ローラ24は、その外周に、記録用紙Pの画像形成面に接触する複数の突起部24aを有しており、画質の劣化を防止する役割を担っている。すなわち、拍車ローラ24には、外周縁端の全周にわたって突起部24aが設けられており、この突起部24aと印画済みの記録用紙Pの表面とが点接触することで、記録用紙Pに着弾したインク液滴が他に転写等されることなく、記録用紙Pを搬送できるようになっている。そのため、搬送ベルト25の回転により、拍車ローラ24との間に挟持された記録用紙Pは、印画品質が保持されたまま、排紙トレイ32(図2参照)まで搬送される。
このように、図3に示す搬送装置20は、ピンチローラ22及び拍車ローラ24が搬送ベルト25に圧接して従動回転する構成となっており、ピンチローラ22及び拍車ローラ24は、それ自体に駆動源を持っていない。そのため、記録用紙Pは、駆動ローラ21による搬送ベルト25の一定した回転速度に応じて定速で搬送されることとなり、記録用紙Pがピンチローラ22や拍車ローラ24に突入する際や離脱する際であっても基本的に速度差が生じることはなく、搬送ムラを抑制できるものとなっている。
また、図3に示す搬送装置20には、記録用紙Pの紙詰まりを防止するとともに、ラインヘッド11から吐出されたインク液滴の着弾精度をより高めるため、リテーナーシート27が配置されている。このリテーナーシート27は、ラインヘッド11よりも記録用紙Pの搬送方向(矢印方向)の上流側に配置されており、記録用紙Pの幅方向の全体にわたって、プラテン26に向けて記録用紙Pを押し付ける役割を担うものである。
ここで、リテーナーシート27は、可とう性を有するシート状の樹脂材料から形成された板状部材で、記録用紙Pの搬送方向の上流側が支持されるとともに、下流側がラインヘッド11に向かって伸びる押圧接触部27aとなっている。この押圧接触部27aは、図3に示すように、ラインヘッド11からインク(インク液滴)が吐出する部分(図1に示すノズル18の部分)の直前まで延設されており、記録用紙Pに反り等があり、記録用紙Pが上方に反った状態で搬送された場合であっても、プラテン26からの記録用紙Pの浮き上がりを防止してラインヘッド11との間隔を一定に保ち、常に高品質な印画結果が得られるようにしている。
ところが、記録用紙Pの先端がリテーナーシート27の押圧接触部27aを通り過ぎてしまうと、リテーナーシート27による押さえ付けが作用しなくなるので、記録用紙Pの先端が再び上方に反ってしまう。そして、この状態で記録用紙Pの先端がガイド部材28に到達すると、ガイド部材28の傾斜部28aに当接した後、記録用紙Pの搬送に伴って傾斜部28aを下方向に滑って行き、拍車ローラ24の突起部24aに衝突することとなる。そのため、図8及び図9に示す従来のラインヘッド方式のインクジェットプリンタ110における拍車ローラ124のように、記録用紙Pの先端と突起部124aとの衝突角度が大きいと、その衝撃が印画中の記録用紙Pの搬送方向に伝播して瞬間的な搬送速度の遅速等をもたらし、印画ムラを引き起こす。
この場合、反りの無い記録用紙Pを使用すれば、その衝撃が少なく、搬送ムラが抑制され、印画品質の低下を招くこともない。
しかし、記録用紙Pの製造工程や保存状態に起因して、記録用紙Pに反りが発生するのはごく普通のことであり、特に、写真用光沢紙等では、紙質の問題もあって反りが多く見受けられる。逆に言えば、完全に平面な記録用紙Pが給紙されることが理想的であるが、実際には、反りの無い記録用紙Pは稀である。また、ピンチローラ22の圧接力によって記録用紙Pが搬送ベルト25に一旦押し付けられるので、たとえ記録用紙Pに反り等があったような場合でも、ある程度の反りならばピンチローラ22で矯正できるが、それにも限度がある。
そこで、本実施形態のインクジェットプリンタ10における搬送装置20では、たとえ反りの有る記録用紙Pが搬送された場合であっても、衝撃の発生を少なくすることができる拍車ローラ24としている。
しかし、記録用紙Pの製造工程や保存状態に起因して、記録用紙Pに反りが発生するのはごく普通のことであり、特に、写真用光沢紙等では、紙質の問題もあって反りが多く見受けられる。逆に言えば、完全に平面な記録用紙Pが給紙されることが理想的であるが、実際には、反りの無い記録用紙Pは稀である。また、ピンチローラ22の圧接力によって記録用紙Pが搬送ベルト25に一旦押し付けられるので、たとえ記録用紙Pに反り等があったような場合でも、ある程度の反りならばピンチローラ22で矯正できるが、それにも限度がある。
そこで、本実施形態のインクジェットプリンタ10における搬送装置20では、たとえ反りの有る記録用紙Pが搬送された場合であっても、衝撃の発生を少なくすることができる拍車ローラ24としている。
図4は、図2に示す本実施形態のインクジェットプリンタ10に実装された搬送装置20を示す側面図である。
図4(a)に示すように、ラインヘッド11よりも記録用紙P(図示せず)の搬送方向(図4では、右方向)の下流側には、ガイド部材28及び拍車ローラ24が配置されている。そして、拍車ローラ24は、搬送ベルト25に圧接して従動回転し、外周に、記録用紙Pの画像形成面に接触する複数の突起部24aを有している。また、ガイド部材28は、記録用紙Pの先端を拍車ローラ24に導く傾斜部28aを有している。
図4(a)に示すように、ラインヘッド11よりも記録用紙P(図示せず)の搬送方向(図4では、右方向)の下流側には、ガイド部材28及び拍車ローラ24が配置されている。そして、拍車ローラ24は、搬送ベルト25に圧接して従動回転し、外周に、記録用紙Pの画像形成面に接触する複数の突起部24aを有している。また、ガイド部材28は、記録用紙Pの先端を拍車ローラ24に導く傾斜部28aを有している。
ここで、図4(b)に示すように、拍車ローラ24の突起部24aは、拍車ローラ24の回転中心と突起部24aの頂点とを結ぶ直線をL1、突起部24aの頂点において拍車ローラ24の回転方向の上流側に向かう接線(傾斜辺)をL2、突起部24aの頂点において拍車ローラ24の回転方向の下流側に向かう接線(傾斜辺)をL3とし、L1とL2とのなす角(傾斜角)をθ1、L1とL3とのなす角(傾斜角)をθ2としたとき、反時計回りの方向を正とすれば、θ1=55°、θ2=−25°(θ1と反対方向)となっており、θ1がθ2の絶対値よりも大きい。すなわち、記録用紙Pが衝突する側の傾斜辺L2は、記録用紙Pの搬送方向に対して小さな角度(90°−θ1)で形成され、反対側の傾斜辺L3は、それに比べて大きな角度で形成されており、かつ突起部24aの頂点が鋭角(80°)となっている。
このように、拍車ローラ24は、その回転中心と突起部24aの頂点とを結ぶ直線L1に対し、記録用紙Pの衝突側と反対側の傾斜辺L2、L3のそれぞれの傾斜角θ1、θ2を非対称とし、θ1をθ2の絶対値よりも大きくすることで、記録用紙Pの突起部24aに対する衝突角度を小さくしている。また、突起部24aがなす鋭角形状を維持するようにしており、突起部24aの高さH(歯たけ)は、厚さ0.28ミリの写真光沢紙が適切に搬送できるように、0.46ミリとなっている。そのため、記録用紙Pの先端が拍車ローラ24の突起部24aに衝突することによるショックを最小限にしつつ、記録用紙Pを確実に搬送することができる。
そこで次に、拍車ローラ24の突起部24aによるこのような作用について詳細に説明する。
そこで次に、拍車ローラ24の突起部24aによるこのような作用について詳細に説明する。
図5は、図2に示す本実施形態のインクジェットプリンタ10に実装された搬送装置20による記録用紙Pの搬送を示す側面図である。
また、図6は、図2に示す本実施形態のインクジェットプリンタ10に実装された搬送装置20における記録用紙Pと拍車ローラ24との関係を示す側面図である。
図5及び図6に示す搬送装置20において、ラインヘッド11よりも記録用紙Pの搬送方向の下流側には、ガイド部材28及び拍車ローラ24が配置されている。
また、図6は、図2に示す本実施形態のインクジェットプリンタ10に実装された搬送装置20における記録用紙Pと拍車ローラ24との関係を示す側面図である。
図5及び図6に示す搬送装置20において、ラインヘッド11よりも記録用紙Pの搬送方向の下流側には、ガイド部材28及び拍車ローラ24が配置されている。
ここで、図5(a)は、先端が上方に反った記録用紙Pがガイド部材28及び拍車ローラ24の上流側から矢印のように左から右に向けて搬送される状態を示している。すなわち、記録用紙Pは、図5(a)に示すように、ラインヘッド11によって印画が行われた後、その先端がガイド部材28の傾斜部28aに当接し、傾斜部28aに沿って矢印のように案内される。
また、図5(b)は、記録用紙Pが搬送され、その先端がガイド部材28の傾斜部28aによって案内された状態を示している。すなわち、記録用紙Pの先端は、図5(b)に示すように、ガイド部材28の傾斜部28aを下方向に滑って行く。ここで、傾斜部28aは、ラインヘッド11の拍車ローラ24側の端部よりも上側から、拍車ローラ24の突起部24aが露出しない位置に向かって最も緩やかな傾斜となる形状になっている。そのため、ガイド部材28の傾斜部28aと記録用紙Pの先端との衝突角度が小さくなり、衝撃が加わることなく記録用紙Pが拍車ローラ24に向けて案内される。
このように、ガイド部材28の傾斜部28aによって衝撃が加わることなく記録用紙Pが案内され、連続的に記録用紙Pが搬送されてラインヘッド11による印画が実行される。そして、図5(b)に示すように、記録用紙Pの先端が傾斜部28aの最下部に到達すると、その後、記録用紙Pは、拍車ローラ24と搬送ベルト25との間に送り込まれる。
次に、図6(a)は、記録用紙Pの先端が拍車ローラ24と搬送ベルト25との間に送り込まれた状態を示している。すなわち、記録用紙Pは、図6(a)に示すように、先端が拍車ローラ24の突起部24aと衝突する。ここで、記録用紙Pの先端が衝突する拍車ローラ24の突起部24aは、記録用紙Pの搬送方向(矢印方向)に対して小さな角度で形成された傾斜辺L2である。そのため、記録用紙Pの先端がニップ部Nの手前で突起部24aに衝突しても、先端が傾斜辺L2を滑り降り、拍車ローラ24による搬送速度(回転周速度aの水平方向の成分)が記録用紙Pの搬送速度aとほぼ同じ地点においてニップされることとなる。その結果、記録用紙Pの先端が拍車ローラ24の突起部24aに衝突することによる衝撃が最小限に抑えられ、記録用紙Pの搬送速度aがほとんど変化しない状態で記録用紙Pを拍車ローラ24に進入させることができる。
図6(b)は、記録用紙Pが拍車ローラ24に進入した状態を示している。すなわち、記録用紙Pの先端が拍車ローラ24のニップ部Nに導かれ、拍車ローラ24と搬送ベルト25との間に記録用紙Pが挟持されて排出される。なお、拍車ローラ24は、鋭角の突起部24aと印画済みの記録用紙Pの表面とが点接触するので、ラインヘッド11によって記録用紙Pに着弾したインク液滴が他に転写等されることはない。
このように、記録用紙Pの先端に反りが発生していたとしても、小さな角度で拍車ローラ24の突起部24aに衝突するので、記録用紙Pの搬送中において、記録用紙Pに加わる衝撃や、衝突の際の搬送速度aの変動が大幅に低減されることとなり、印画時の搬送ムラが防止される。
したがって、記録用紙Pの反りの有無に関わらず、記録用紙Pに搬送速度aの遅速等が生じることがなく、安定した搬送を行うことが可能となり、常に、スジやムラのない高品質な印画結果を得ることができるようになる。
したがって、記録用紙Pの反りの有無に関わらず、記録用紙Pに搬送速度aの遅速等が生じることがなく、安定した搬送を行うことが可能となり、常に、スジやムラのない高品質な印画結果を得ることができるようになる。
図7は、図2に示す本実施形態のインクジェットプリンタ10における拍車ローラ24の他の例を示す側面図である。
図7に示すように、拍車ローラ24は、その外周に、記録用紙P(図示せず)の画像形成面に接触する複数の突起部24b及び突起部24cを有している。
図7に示すように、拍車ローラ24は、その外周に、記録用紙P(図示せず)の画像形成面に接触する複数の突起部24b及び突起部24cを有している。
図7(a)に示す拍車ローラ24の突起部24bは、拍車ローラ24の回転中心と突起部24bの頂点とを結ぶ直線をL1、突起部24bの頂点において拍車ローラ24の回転方向の上流側に向かう接線(傾斜辺)をL2、突起部24bの頂点において拍車ローラ24の回転方向の下流側に向かう接線(傾斜辺)をL3とし、L1とL2とのなす角(傾斜角)をθ1、L1とL3とのなす角(傾斜角)をθ2としたとき、反時計回りの方向を正とすれば、θ1=55°、θ2=25°(θ1と同方向)となっており、θ1がθ2の絶対値よりも大きい。
このように、図7(a)に示す拍車ローラ24の突起部24bは、図4に示す拍車ローラ24の突起部24aに対し、θ2をθ1と同じ方向に傾けたものである。そして、記録用紙Pが衝突する頂点より上流側の傾斜辺L2は、記録用紙Pの搬送方向(図6の右方向)に対して小さな角度(90°−θ1)で形成され、逆に、頂点より下流側の傾斜辺L3は、それに比べて大きな角度で形成されており、かつ突起部24aの頂点が鋭角(30°)となっている。
また、図7(b)に示す拍車ローラ24の突起部24cは、図7(a)に示す拍車ローラ24の突起部24bに対し、上流側の傾斜辺L2を曲線としたものである。この図7(b)に示す拍車ローラ24の突起部24cであっても、図4に示す拍車ローラ24の突起部24a及び図7(a)に示す拍車ローラ24の突起部24bと同様に、記録用紙Pの衝突角度が小さくなり、衝突によるショックを最小限にしつつ、記録用紙Pを確実に搬送することができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されることなく、例えば、以下のような種々の変形が可能である。
(1)本実施形態では、θ1=55°とすることで、記録用紙Pが衝突する頂点より上流側の傾斜辺L2を記録用紙Pの搬送方向に対して小さな角度(90°−θ1)としている。しかし、θ1は55°に限らず、45°以上であれば、記録用紙Pの衝突によるショックを問題が生じない程度にまで低減させることができる。
(1)本実施形態では、θ1=55°とすることで、記録用紙Pが衝突する頂点より上流側の傾斜辺L2を記録用紙Pの搬送方向に対して小さな角度(90°−θ1)としている。しかし、θ1は55°に限らず、45°以上であれば、記録用紙Pの衝突によるショックを問題が生じない程度にまで低減させることができる。
(2)本実施形態では、画像形成装置として、印画幅分のラインヘッド11を備えるラインヘッド方式のインクジェットプリンタ10を例に挙げたが、ラインヘッド方式に限らず、記録用紙Pの幅方向に移動させて印画を行うシリアルヘッド方式であっても良い。また、サーマルプリンタや各種方式の複写機等にも適用することができる。
10 インクジェットプリンタ(画像形成装置)
11 ラインヘッド(プリントヘッド)
12 インク液室(液室)
13 発熱抵抗体(エネルギー発生素子)
18 ノズル
20 搬送装置
21 駆動ローラ
22 ピンチローラ
23 従動ローラ
24 拍車ローラ(搬送ローラ)
24a,24b,24c 突起部
25 搬送ベルト
26 プラテン
27 リテーナーシート
28 ガイド部材
P 記録用紙(被記録媒体)
11 ラインヘッド(プリントヘッド)
12 インク液室(液室)
13 発熱抵抗体(エネルギー発生素子)
18 ノズル
20 搬送装置
21 駆動ローラ
22 ピンチローラ
23 従動ローラ
24 拍車ローラ(搬送ローラ)
24a,24b,24c 突起部
25 搬送ベルト
26 プラテン
27 リテーナーシート
28 ガイド部材
P 記録用紙(被記録媒体)
Claims (5)
- 被記録媒体に対して画像を形成するプリントヘッドよりも被記録媒体の搬送方向の下流側に配置され、前記プリントヘッドによって画像が形成された被記録媒体を搬送するための搬送ローラであって、
前記搬送ローラは、その外周に、被記録媒体の画像形成面に接触する複数の突起部を有しており、
前記突起部は、前記搬送ローラの回転中心と前記突起部の頂点とを結ぶ直線をL1、前記突起部の頂点において前記搬送ローラの回転方向の上流側に向かう接線をL2、前記突起部の頂点において前記搬送ローラの回転方向の下流側に向かう接線をL3とし、L1とL2とのなす角をθ1、L1とL3とのなす角をθ2としたとき、θ1がθ2の絶対値よりも大きい
ことを特徴とする搬送ローラ。 - 請求項1に記載の搬送ローラにおいて、
前記突起部は、鋭角形状である
ことを特徴とする搬送ローラ。 - 被記録媒体に対して画像を形成するプリントヘッドと、
前記プリントヘッドよりも被記録媒体の搬送方向の下流側に配置され、前記プリントヘッドによって画像が形成された被記録媒体を搬送するための搬送ローラと
を備える画像形成装置であって、
前記搬送ローラは、その外周に、被記録媒体の画像形成面に接触する複数の突起部を有しており、
前記突起部は、前記搬送ローラの回転中心と前記突起部の頂点とを結ぶ直線をL1、前記突起部の頂点において前記搬送ローラの回転方向の上流側に向かう接線をL2、前記突起部の頂点において前記搬送ローラの回転方向の下流側に向かう接線をL3とし、L1とL2とのなす角をθ1、L1とL3とのなす角をθ2としたとき、θ1がθ2の絶対値よりも大きい
ことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項3に記載の画像形成装置において、
前記プリントヘッドは、エネルギー発生素子によって液室内の液体をノズルから吐出し、被記録媒体に対して画像を形成する
ことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項3に記載の画像形成装置において、
前記プリントヘッドは、連続的に搬送される被記録媒体に対して画像を形成する
ことを特徴とする画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006294968A JP2008110528A (ja) | 2006-10-30 | 2006-10-30 | 搬送ローラ及び画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006294968A JP2008110528A (ja) | 2006-10-30 | 2006-10-30 | 搬送ローラ及び画像形成装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008110528A true JP2008110528A (ja) | 2008-05-15 |
Family
ID=39443329
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2006294968A Pending JP2008110528A (ja) | 2006-10-30 | 2006-10-30 | 搬送ローラ及び画像形成装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2008110528A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104835420A (zh) * | 2014-02-06 | 2015-08-12 | 株式会社日本显示器 | 显示装置及其制造方法 |
-
2006
- 2006-10-30 JP JP2006294968A patent/JP2008110528A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104835420A (zh) * | 2014-02-06 | 2015-08-12 | 株式会社日本显示器 | 显示装置及其制造方法 |
CN104835420B (zh) * | 2014-02-06 | 2017-11-21 | 株式会社日本显示器 | 显示装置及其制造方法 |
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