JP2004249613A - 金型装置 - Google Patents

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Masaaki Miyoshi
正晃 三好
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Abstract

【課題】インサート部材に樹脂部材を接合して成形するインサート成形において、インサート部材の穴に挿入して位置決めをするピンによる射出成形時のかじりの発生を防止すること。
【解決手段】金型が開き始める時、位置決め部材はインサート部材に挿入されたまま動かない。さらに金型が開くと位置決め部材とインサート部材の位置決め孔との間には大きなクリアランスが生じ、位置決め部材はインサート部材を拘束しない。このクリアランスにより位置決め部材は移動可能な状態となり、成形圧力及び成形収縮によって生じるインサート部材の微細なズレなどによりかじりが生じるのを防ぐことができる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、射出成形により樹脂部材を金属などの部材(インサート部材)に取り付けるインサート成形において、インサート部材を金型内で位置決めする位置決め装置を有する金型装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
インサート成形は、金属などの部材(インサート部材)を射出成形の金型に取り付けて樹脂の射出成形を行い、インサート部材に一体に所望の形状の樹脂部材を形成する成型法である。インサート成形では、樹脂部材の成形と、インサート部材と樹脂部材との結合が同時に出来るので、加工工程が簡単であるのみならず、高精度の加工ができるという特徴を有する。インサート成形では、金型に樹脂部材の所望の形状の型を形成し、樹脂部材に結合するインサート部材を、位置決めピンなどにより金型の所定位置に高い位置精度で固定する。次に加熱溶融した樹脂を高圧で型内に注入し、樹脂が硬化する温度まで冷却したところで金型を開いて、樹脂部材が一体に取り付けられたインサート部材を取り出す。
【0003】
従来の一般的なインサート成形を図15、図16、図17を用いて説明する。
図15の(a)はインサート成形で製作した部品50の一例の平面図であり、図15の(b)は図15の(a)のb−b断面図である。部品50は、金属のインサート部材51が樹脂の部材52に点線53で示す部分で食い込んで一体に結合されている。
【0004】
図16は部品50をインサート成形で製作する金型の断面図である。金型は図示を省略した成形機に取付けられて矢印70の方向に移動する可動型60と固定型61から構成される。可動型60及び固定型61に樹脂部材52を形成するために樹脂を注入する空洞(キャビティ)52Aが形成されている。インサート部材51の位置決め用の穴55に、固定型61、ストッパー押さえ66、ストッパー54、ボルト14により固定されている位置決め部材である位置決めピン71が挿入されている。樹脂部材52とインサート部材51の位置精度を高く保つためには、位置決めピン71の外径と穴55の内径との寸法差(クリアランス)を小さくする必要がある。図16は、溶融樹脂の注入ゲート64からキャビティ52Aへの樹脂の注入が終了し、可動型60が下降して金型が開く直前の状態を示している。可動型60が矢印70の方向に動くと、図17に示すように固定型61から可動型60が離れるので、位置決めピン71は穴55から抜けてゆく。可動型60が更に下降すると、位置決めピン71はインサート部材51の穴55から抜ける。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−105080号 公報
【特許文献2】
特開2002−187160号 公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
図16に示す金型の60、61のキャビティ52A内に注入される高温の溶融樹脂の注入圧力は通常50kg/cmから300kg/cmである。この圧力によりインサート部材51は図の右方へ向かう力を受ける。キャビティ52Aに注入された高温の溶融樹脂は注入後冷めてゆくが、このとき体積が変化するのでインサート部材51はまた別の力をうける。またインサート部材51の温度は溶融樹脂の温度の影響をうけて変化し、この温度変化によりインサート部材51も変形する。インサート部材51は上記のように様々な力を受けるが、インサート部材51に印加される力はインサート部材51を保持する位置決めピン71によって支えられる。そのため位置決めピン71と穴55との接触面の接触圧力が高くなり摩擦力が増大する。この状態で位置決めピン71が穴51から引き抜かれると位置決めピン71外面や穴55の内面に「かじり」(スコーリングともいう)が生じることがある。かじりによりきずが生じると部品50の品質が低下するとともに、位置決めピン71が損傷をうけるので位置決めピン71の交換又は修理が必要になり、生産能率の低下と製造コストの上昇につながる。
本発明はインサート部材の高い位置決め精度を保ちつつ、位置決め部材やインサート部材にかじりが生じない位置決め装置を有する金型装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の金型装置は、固定型と可動型が離れるとき、所定の離間距離以内では位置決め部材がインサート部材の被位置決め部に係合した状態を保つ。固定型と可動型が前記所定の離間距離を超えて離れると、前記位置決め部材は前記インサート部材に対する位置決め機能を失ってインサート部材を拘束しない。従ってインサート部材と位置決め部材との間に摩擦力が働かないので、位置決め部材及びインサート部材の双方又は一方にかじり等によるきずが生ずるのを防ぐことができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
請求項1に記載の発明は、インサート部材の少なくとも一部に接合し所定の形状をなす樹脂部材を形成するための、第1の型部を有する第1の金型、前記第1の金型に接離し、前記第1の金型に接したとき、前記第1の型部とともに前記所定の形状の樹脂部材を成形するためのキャビティを形成する第2の型部を有する第2の金型、及び前記第1の金型及び前記第2の金型のいずれか一方に、前記インサート部材を前記キャビティに対して位置決めするために設けられた位置決め部であって、前記位置決め部は、前記第1及び第2の金型が接したとき、前記インサート部材の被位置決め部に係合して前記インサート部材を所定の位置決め位置に拘束し、前記第1及び第2の金型が互に離れるとき、所定の離間距離離れるまではインサート部材を前記所定の位置決め位置に拘束し、前記離間距離が前記所定の離間距離を超えると、前記インサート部材の所定の位置決め位置への拘束を解除するように構成したことを特徴とする。
【0009】
本発明の金型装置では、可動型が移動して固定型から離れる際可動型が固定型から所定の離間距離離れるまで、位置決め部材は、インサート部材の被位置決め部に係合した状態を保ち、インサート部材を所定位置に拘束して位置決めする位置決め機能を保持する。可動型と固定型の離間距離が前記所定の離間距離を超えると、前記位置決め部材は可動型の移動方向に垂直な方向に移動可能となり、インサート部材を拘束しない状態となる。すなわち位置決め機能を失う。位置決め機能を失った位置決め部材は、可動型が更に固定型から離れるに従ってインサート部材から離脱する。
位置決め部材がインサート部材から離脱するとき、位置決め部材はインサート部材を拘束しないので位置決め部材とインサート部材の位置決め部との間の摩擦力は極めて小さい。従って位置決め部材及びインサート部材の位置決め部の一方又は双方にかじりを発生させることはない。
【0010】
請求項2に記載の発明は、前記位置決め部は、前記インサート部材の被位置決め部に係合する位置決め部材、前記位置決め部材を保持し、前記第1の金型又は第2の金型のいずれか一方に設けられたガイド部によって第1又は第2の金型の移動方向に移動可能に支持され、前記所定の離間距離以下の範囲では前記ガイド部によって金型の移動方向に平行移動し、前記所定の離間距離を超える移動可能距離の範囲では、前記金型の移動方向に垂直な方向に移動可能に支持された軸部を有する。
位置決め部材がガイド部によって支持され、前記所定の離間距離以下の範囲では可動型の移動方向に平行移動して、インサート部材の位置決めをする。前記所定の離間距離を超える移動可能距離の範囲では、可動型の移動方向に垂直な方向に移動可能になるので、位置決め部材はインサート部材に拘束力を与えず、位置決め部材がインサート部材から離れるときにかじりを生じることはない。
【0011】
請求項3に記載の発明は、前記軸部の外径は、前記所定の離間距離以下の範囲では、前記ガイド部内を摺動可能な最大寸法になされており、前記所定の離間距離を超える範囲では、前記ガイド部の内寸法に対して所定のすき間を有する寸法になされていることを特徴とする。
前記所定の離間距離以下の範囲では、軸部とガイド部間にがたがないのでインサート部材を正確に位置決めできる。前記所定の離間距離を超える範囲では、軸部とガイド部間にがたがあるので、位置決め部材がインサート部材の動きを拘束しない。従って位置決め部材がインサート部材から離脱するときかじりなどを生じることはない。
【0012】
請求項4に記載の発明は、前記軸部を前記インサート部材の方向に付勢する弾性部材を更に有する。
弾性部材が軸部をインサート部材の方向に付勢するので、前記所定の離間距離の範囲内で位置決め部材がインサート部材の被位置決め部から離脱することはない。
【0013】
請求項5に記載の発明では、前記軸部を前記インサート部材の方向に付勢する空圧又は油圧シリンダー装置を更に有する。
シリンダー装置が軸部をインサート部材方向に付勢するので、前記所定の離間距離の範囲内で、位置決め部材がインサート部材から離脱することはない。
請求項6に記載の発明では、位置決め部の移動可能距離が所定の離間距離より大きいので、離間距離が所定の離間距離を超えてから位置決め部材はインサート部材から離脱する。
以下本発明の金型装置の実施の形態について図1から図15を参照して説明する。
【0014】
《実施の形態1》
本発明の実施の形態1の金型装置を図1から図4の断面図を参照して説明する。
図1において、金型装置は第1の金型10と第2の金型6を有し図示を省略した射出成形機に取り付けられている。図1は金型6と10が密着して閉じた状態を示している。射出成形機の型式により金型6及び10のいずれか一方又は両方がそれぞれ上下に動いて金型6及び10は図2から図4に示すように開く。以下の説明では便宜上、金型10が下方に動いて開くと仮定し、金型10を可動型10と呼び、金型6を固定型6と呼ぶことにする。
【0015】
図1において、固定型6と可動型10が閉じた状態で、可動型10に形成された凹みである第1の型部2Aと固定型6に形成された凹みである第2の型部2Bによってキャビティ2が形成される。キャビティ2は、後で詳しく説明するように、インサート部材1に一体に形成される図15に示す樹脂部材52の成型型となるものである。インサート部材1は、アルミニウム、鉄、マグネシウム、ステンレススチール等の金属、各種の樹脂、セラミック等を所定の形状に形成した部材である。インサート部材1の突出部1A(図15の(a)の突出部1Aと同じ部分)はキャビティ2内に挿入されている。
【0016】
可動型10と固定型6との間には、インサート部材1が挟まれている。インサート部材1は、図15の(a)及び(b)に示すインサート部材51と同じものであり、固定型6と可動型10とが離れている状態で、インサート部材1の被位置決め部である円形の孔20をピン7に嵌めて可動型10に取り付けられる。ピン7によりインサート部材1は大まかに位置決めされる。インサート部材1を可動型10に取り付けた後、可動型10を上昇させて図1に示すように固定型6に密着させる。可動型10の上昇過程で、固定型6に設けられている位置決め部3の、例えば円柱状の位置決め部材3Aが上方から孔20に挿入される。位置決め部材3Aと孔20のはめあいは「すきまばめ」であり、所定の微少なクリアランスを生じるように位置決め部材3Aの外径と孔20の内径が選定されている。固定型6と可動型10が密着した状態では、位置決め部材3Aの下端の凹部3Cがピン7の凸部7Aに嵌合して、位置決め部材3Aの図の左右方向の移動を規制している。
【0017】
位置決め部3は、前記位置決め部材3Aと一体でそれより細く作られ、固定型6の例えば円形の摺動孔6A内を摺動する円柱状の軸3Bを有している。軸3Bと摺動孔6Aのはめあいは、軸3Bの、位置決め部材3Aとの接続部から距離D1の範囲の軸端部3Cでは「すきまばめ」であり、所定の微少なクリアランスを生じるように摺動孔6Aの内径と軸端部3Cの外径が選定されている。軸3Bの軸端部3Cを除く部分の外径は、軸端部3Cより小さく、摺動孔6Aの内径に対して大きなクリアランス(例えば0.5mm)を有している。
【0018】
摺動孔6Aの上端につながるストッパー保持孔6Bの内径は摺動孔6Aの内径より大きくなされており、摺動孔6Aとストッパー保持孔6Bとの境界にストッパー当接部9が形成される。軸3Bの上部にはストッパー4がねじ14により取り付けられている。ストッパー4は、軸3Bとの取付部4Aでは軸3Bとほぼ同じ直径の円柱であるが、上端部4Bの直径は摺動孔6Aの内径より大きくなされている。上端部4Bは前記のストッパー保持孔6Bに挿入されている。ストッパー保持孔6Bの内径と上端部4B外径との間には大きなクリアランス(例えば0.5mm)が設けられている。ストッパー保持孔6Bの深さD3は、上端部4Bの上下方向の寸法より大きくその差は距離D2である。距離D2は距離D1より大きく選定されている(D2>D1)。ストッパー4はストッパー押え16により、固定型6に保持される。
【0019】
ストッパー押え16と固定型6を貫通してキャビティ2につながる注入ゲート12が設けられており、図示を省略した注入装置から加熱溶融した樹脂が注入ゲート12からキャビティ2内に例えば50〜300kg/cmの圧力で注入される。
図1はキャビティ2への樹脂の注入前の状態を示している。
図2はキャビティ2へ溶融樹脂を注入し所定の冷却時間を経過した後、金型を開くために可動型10が距離D5だけ降下した状態を示している。インサート部材1及び溶融樹脂がキャビティ2に注入されて成形された樹脂部材52は可動型10と共に自重で降下する。位置決め部材3Aはインサート部材1の孔20に挿入されたまま可動型10と共に降下する。
図3に示すように、可動型10の降下距離D5が軸3の軸端部3Cの直径の太い部分の距離D1を超えると、軸3Bと摺動孔6Aとの間のすきまが大きくなるので、位置決め部材3Aはインサート部材1に拘束力を与えない状態になる。すなわち位置決め部材3Aはインサート部材1の移動に応じて軸3Bに垂直な方向に±0.5mm程度の範囲で自由に動く。従って孔20の内壁と位置決め部材3Aの外壁との間には摩擦力は生じない。
【0020】
距離D5が距離D2に達すると、図3に示すようにストッパー4の上端部4Bの段部がストッパー保持孔6Bのストッパー当接部9に接する。従って可動型10が更に降下すると、図4に示すように、位置決め部3は固定型6に保持され、位置決め部材3Aが孔20から抜けてゆく。位置決め部材3Aが孔20から抜けるとき、位置決め部材3Aはインサート部材1に拘束力を与えていないので、インサート部材1の孔20の内壁と位置決め部材3Aの外周との間にかじりが生じることはない。
可動型10を図4に示す位置から更に降下させて、位置決め部材3Aを孔20から抜き去ってから(図示省略)、樹脂部材52が一体に形成されたインサート部材1を可動型10から取り外す。
【0021】
《実施の形態2》
本発明の実施の形態2の金型装置を図5から図8の断面図を参照して説明する。図5から図8において、本実施の形態2の金型装置は、ストッパー4の上端部4Bを下方に押さえるための押さえピン27を、ストッパー押さえ26に形成した凹部26B内に設けている。押さえピン27はフランジ27Aを有し、フランジ27Aを図の下方に押す押しばね25がストッパー押さえ26の凹部26B内に設けられている。押さえピン27がストッパー押さえ26から脱落しないように保持する押さえピン保持ピース26Eがストッパー押さえ26の凹部26Aにねじ28により固定されている。押さえピン27は押しばね25により図の下方に付勢され、ストッパー4の上端部4Bを下方に押している。その他の構成は図1に示す前記実施の形態1のものと同じである。
【0022】
前記実施の形態1では、可動型10が図3に示す位置に降下するまで、位置決め部材3Aはインサート部材1の孔20から抜け始めない。すなわち位置決め部材3Aとストッパー4は、位置決め部材3Aと孔20との摩擦と、位置決め部材3とストッパー4の自重とによって孔20内から抜けないように保たれている。位置決め部材3Aと孔20との位置関係の具合により、図2に示す状態のときに位置決め部材3Aと孔20との摩擦力が小さくなると、位置決め部材3Aと孔20内にとどまらず可動型10の下降によって孔20から抜けてゆくことがある。この状態になると、位置決め部材3Aによるインサート部材への拘束が解除されない状態で位置決め部材3Aが孔20から抜けることになる。この過程で位置決め部材3Aとインサート部材1との位置関係が変化して、位置決め部材3Aと孔20との摩擦が急に大きくなると、両者間にかじりが発生することがある。
【0023】
実施の形態2では上記のような現象の発生を防ぐために、押さえピン27によりストッパー4を図の下方に押さえつけている。可動型10が下降して、図5から図7の状態に至るまでの間、位置決め部材3Aが孔20から抜けないように、押しばね25の付勢力を設定すれば、前記位置決め部材3Aの不測の抜けを防ぎ、かじりの発生を防ぐことができる。可動型10が図7に示す位置を超えて降下すると、図8に示すように位置決め部材3Aはインサート部材1に拘束力を与えないで孔20から抜ける。
【0024】
《実施の形態3》
本発明の実施の形態3の金型装置を図9から図12の断面図を参照して説明する。図9から図12において、本実施の形態3の金型装置は、ストッパー4の上端部4Bを下方に押さえるための押さえ棒37を、ストッパー押さえ36に形成した孔36Bに設けている。押さえ棒37の上端部には、ストッパー押さえ36に取り付けられたエアシリンダーなどのシリンダー装置41のピストン軸39の先端が接している。シリンダー装置41には図示を省略した空圧装置から圧縮空気が供給され、ピストン軸39が上下に駆動される。本実施の形態3のシリンダー装置41及びピストン軸39は、前記実施の形態2の押しばね25と同じ作用をする。押さえ棒37は、上部の太さが下部の太さより大きくなされて、肩部37Aが形成されている。押さえ棒37が孔36Bの上端にあるとき、肩部37Aと押さえピン保持ピース26Eの上面との間の距離をD4をするとき、距離D4は距離D2より小さく、距離D1より大きくなされている(D1<D4<D2)。その他の構成は前記実施の形態1と同じである。
【0025】
可動型10が固定型6に接している図9に示す状態では、キャビティ2が形成され、位置決め部材3Aはインサート部材1の孔20内に挿入されている。ストッパー4は孔6A内で最上部に位置し、押さえ棒37も孔36B内で最上部に位置している。キャビティ2への溶融樹脂の注入が完了して所定時間後に、可動型10が下降し図10に示す状態になるとき、シリンダー装置41はピストン軸39を下降させて押さえ棒37を下方に押している。押さえ棒37はストッパー4の上端部4Bを下方に押し、ストッパー4は位置決め部材3Aと共に下方に動く。従って位置決め部材3Aはインサート部材1の孔20に挿入されたままの状態を保つ。
【0026】
可動型10が更に下降して、下降距離D5が距離D1に達すると、図11に示すように、位置決め部3の軸端部3Cが孔6Aから離脱する。その結果、軸3Bと孔6Aとの間のクリアランスが増大して位置決め部材3Aは、インサート部材1を拘束しない状態になる。この状態で押さえ棒37の肩部37Aは押さえピン保持ピース26Eに当たり、それ以上動くことはできなくなる。またストッパー4の上端部4Bの肩部はストッパー当接部9に当たりそれ以上降下できなくなる。この状態で、図12に示すように可動型10が更に降下すると、位置決め部3Aはインサート部材1の孔20から抜ける。シリンダー装置41のピストン軸39を下方に動かすタイミングは、この金型装置を取り付けた射出成型機の型閉じ(型締め)完了時に出される信号によって決め、ピストン軸39を上方に動かすタイミングは、型開き完了時に出される信号によって決めれば安定した動作が可能となる。ピストン軸39を動かすタイミングは射出成形機に取り付けたリミットスイッチ等の出力信号により定めてもよい。
本実施の形態によれば、位置決め部3をシリンダー装置41で駆動するので、位置決め部材3Aのインサート部材1への挿入及び離脱が確実に行われる。
本発明の位置決め部3を有する金型装置は、図13に示すような外周面に凹形状の被ガイド面22を有するインサート部材75にも適用することができる。この場合位置決め部材3Aを凹形状の被ガイド面22に合う凸形にすればよい。同様にして図14に示す外周面に凸形状の被ガイド面23を有するインサート部材76にも、凹形状の位置決め部材を設けることにより適用できる。
【0027】
【発明の効果】
以上の各実施例で詳細に説明したように、本発明によれば可動型10と固定型6が離間するとき、位置決め部材3Aがインサート部材1を拘束して位置決めしている間は、位置決め部材3Aをインサート部材1の孔20から引き抜かない。可動型10と固定型6の離間距離が所定の距離(D1)を超えると、位置決め部材3Aはインサート部材1を拘束しないようにし、拘束しない状態で位置決め部材3Aを孔20から引き抜く。従って位置決め部材3Aと孔20との間にかじりが生じることはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における金型装置の型閉じ時の要部断面図
【図2】本発明の実施の形態1における金型装置の型開き初期の要部断面図
【図3】本発明の実施の形態1における金型装置の位置決め部材がインサート部材から離れる直前の要部断面図
【図4】本発明の実施の形態1における金型装置の位置決め部材がインサート部材から離れる過程の要部断面図
【図5】本発明の実施の形態2における金型装置の型閉じ時の要部断面図
【図6】本発明の実施の形態2における金型装置の型開き初期の要部断面図
【図7】本発明の実施の形態2における金型装置の位置決め部材がインサート部材から離れる直前の要部断面図
【図8】本発明の実施の形態2における金型装置の位置決め部材がインサート部材から離れる過程の要部断面図
【図9】本発明の実施の形態3における金型装置の型閉じ時の要部断面図
【図10】本発明の実施の形態3における金型装置の型開き初期の要部断面図
【図11】本発明の実施の形態3における金型装置の位置決め部材がインサート部材から離れる直前の要部断面図
【図12】本発明の実施の形態3における金型装置の位置決め部材がインサート部材から離れる過程の要部断面図
【図13】本発明の金型装置に適応する、外周面の凹形状を被ガイド面としたインサート部材の例の平面図
【図14】本発明の金型装置に適応する、外周面の凸形状を被ガイド面としたインサート部材の例の平面図
【図15】(a)は本発明の金型装置の説明に用いるインサート部材の例の平面図、
(b)は(a)のb−b断面図
【図16】従来の金型装置の型閉じ時の要部断面図
【図17】従来の金型装置の型開き初期の要部断面図
【符号の説明】
1 インサート部材
2 キャビティ
3 位置決め部
3A 位置決め部材
4 ストッパー
25 押しばね
6 固定型
7 ピン
9 ストッパー当たり部
10 可動型
12 ゲート
20 孔
27 押さえピン
27A フランジ
39 ピストン軸
41 シリンダー装置

Claims (6)

  1. インサート部材の少なくとも一部に接合し所定の形状をなす樹脂部材を形成するための、第1の型部を有する第1の金型、
    前記第1の金型に接離し、前記第1の金型に接したとき、前記第1の型部とともに前記所定の形状の樹脂部材を成形するためのキャビティを形成する第2の型部を有する第2の金型、及び
    前記第1の金型及び前記第2の金型のいずれか一方に、前記インサート部材を前記キャビティに対して位置決めするために設けられた位置決め部であって、
    前記位置決め部は、
    前記第1及び第2の金型が接したとき、前記インサート部材の被位置決め部に係合して前記インサート部材を所定の位置決め位置に拘束し、
    前記第1及び第2の金型が互に離れるとき、所定の離間距離離れるまではインサート部材を前記所定の位置決め位置に拘束し、
    前記離間距離が前記所定の離間距離を超えると、前記インサート部材の所定の位置決め位置への拘束を解除する
    ように構成したことを特徴とする金型装置。
  2. 前記位置決め部は、前記インサート部材の被位置決め部に係合する位置決め部材、
    前記位置決め部材を保持し、前記第1の金型又は第2の金型のいずれか一方に設けられたガイド部によって前記第1又は第2の金型の移動方向に移動可能に支持され、前記所定の離間距離以下の範囲では前記ガイド部によって金型の移動方向に平行移動し、前記所定の離間距離を超える移動可能距離の範囲では、前記金型の移動方向に垂直な方向に移動可能に支持された軸部を有する請求項1記載の金型装置。
  3. 前記軸部の外径は、前記所定の離間距離以下の範囲では、前記ガイド部内を摺動可能な最大寸法になされており、前記所定の離間距離を超える範囲では、前記ガイド部の内寸法に対して所定のすき間を有する寸法になされていることを特徴とする請求項2記載の金型装置。
  4. 前記軸部を前記インサート部材の方向に付勢する弾性部材を更に有する請求項2記載の金型装置。
  5. 前記軸部を前記インサート部材の方向に付勢する空圧又は油圧シリンダー装置を更に有する請求項2記載の金型装置。
  6. 前記位置決め部の移動可能距離は、前記所定の離間距離より大きいことを特徴とする請求項2記載の金型装置。
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