JP2004249151A - 排ガス処理材、ガスフィルター、およびそれらを用いた排ガスの処理方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ブレーン比表面積が3,000cm2/g以上の製鋼スラグ粉末を含有してなる排ガス処理材、ガスフィルター、およびそれらを用いた排ガスの処理方法。本発明の排ガス処理材は、高温酸性ガスの固定化能力に優れ、高温下での耐久性に優れ、しかも500〜1,300℃程度の幅広い温度領域で酸性ガス固定化能力を有するため、焼却設備の腐食防止、酸性雨の防止、ダイオキシン生成の抑制などの環境対策に有効である。また、製鉄業界の産業廃棄物である製鋼スラグの有効利用にもつながるという利点もある。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、排ガス処理材、特にゴミ焼却などに使用される排ガス処理材、それを成形してなるガスフィルターとその製造方法、およびそのガスフィルターを用いた排ガスの処理方法に関する。なお、本発明における部や%は特に規定しない限り質量基準で示す。
【0002】
【従来の技術とその課題】
近年、大気汚染などの環境問題が深刻化している。特にゴミ焼却炉などにより発生する酸性ガス、例えば、塩素ガス、塩化水素ガス、亜硫酸ガス、次亜硫酸ガスなどの排ガスの大気中への放出は厳しく制限されている。これらの酸性ガスは、設備の腐食を促進するばかりでなく、酸性雨やダイオキシン生成の原因となるためである。
【0003】
したがって、ダイオキシン類の生成を抑制する観点から、ゴミなどは高温で焼却する技術が主流になりつつある。このような高温でゴミなどを焼却した場合、排ガス処理材は、焼却炉運転時には常に1,000℃以上の高温に曝されることになる。したがって、排ガス処理材は、構成材料が高温に対する耐久性が高いこと、また、高温酸性ガスが固定化された後の生成物も高温に対する耐久性が高いことが要求される。
【0004】
一方、排ガス処理材としては、水酸化カルシウムを用いる方法(特許文献1、特許文献2など参照)、カルシウムシリケート水和物などを用いる方法(特許文献3、特許文献4、特許文献5など参照)、ハイドロソーダライトを用いる方法(特許文献6、特許文献7など参照)などが提案されている。
【0005】
しかしながら、水酸化カルシウムを用いる方法では、水酸化カルシウムが塩素ガスを吸収して生成する塩化カルシウムの融点が700℃程度と低いため、これより高温の雰囲気で排ガス処理材として使用した場合には、塩素などの固定化能力は充分でなかった。また、高温酸性ガスを固定化した後に生成する塩化カルシウムが溶融し、焼却時に発生する熱風などで塩化カルシウムが焼却設備内に散乱してしまい、焼却設備の内部を汚染し、設備腐食の原因となることがあるという課題もあった。
【0006】
また、ハイドロソーダライトを利用する方法では、使用可能な温度範囲の上限が約800℃とされていた。すなわち、ハイドロソーダライトや、ハイドロソーダライトが高温酸性ガスを固定化してなる生成物は、溶融しないものの、800℃を超える高温領域では、一度結晶構造内に吸蔵した酸性ガスが再び放出されてしまうという課題を有するものであった。
【0007】
また、カルシウムシリケートの水和物は、製造に多大なエネルギーを必要とする材料であって、原料の石灰石などはセメントの原料として用いられるため、カルシウムシリケートの水和物を廃棄物処理用途に用いるべきではなく、また、カルシウムシリケートの水和物の原料である石灰石は、セメントの原料として土木や建築用途などの重要な用途に使用すべきとの意見が多かった。
【0008】
また一方で、産業副産物の有効利用や減容という観点から、製鋼スラグの新規用途開発の重要性が指摘されている。マスプロダクションの代表とも言える製鉄業界から、産業廃棄物として年間1千万トン以上副生する製鋼スラグの新用途を見出すことは、社会的にも大きな課題である(非特許文献1など参照)。これらの製鋼スラグは、銑鉄を得る段階で発生する高炉スラグと比べて利用率は低い水準にあり、事実上、ほとんど有効利用されていないのが実状である。
【0009】
そこで本発明者らは、製鋼スラグの有効利用に鑑み、鋭意努力を重ねた結果、特定の製鋼スラグ粉末が高温酸性ガスの固定化に利用できることを見出し、産業副産物を利用して高温酸性ガスを処理する排ガス処理材として使用可能であることを知見し、本発明を完成するに至った。
【0010】
この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては次のものがある。
【特許文献1】特開平5−261244号公報
【特許文献2】特開平6−108034号公報
【特許文献3】特開2001−149743号公報
【特許文献4】特開2002−58963号公報
【特許文献5】特開2002−191933号公報
【特許文献6】特開平10−216510号公報
【特許文献7】特開平11−267446号公報
【非特許文献1】鉄鋼スラグ協会、”スラグ統計(国内)”、[online]、2003年1月27日更新[平成15年2月06日検索]、インターネット<URL:http://homepage2.nifty.com/SLG/tokei/japan/13/index.htm>
【0011】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、ブレーン比表面積が3,000cm2/g以上の製鋼スラグ粉末を含有してなる排ガス処理材であり、フッ素含有量が1%以下であることを特徴とする該排ガス処理材であり、Al2O3含有量とFe2O3含有量の合計が20%以上であることを特徴とする該排ガス処理材であり、水酸化カルシウム、酸化カルシウム、および炭酸カルシウムから選ばれる1種または2種以上のカルシウム塩を含有してなる該排ガス処理材であり、該排ガス処理材を成形してなるガスフィルターであり、該排ガス処理材または該ガスフィルターを用いることを特徴とする排ガスの処理方法である。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。本発明で使用する製鋼スラグとは、鉄鋼スラグのうち、製鋼工程で発生するスラグを総称するものであり、特に限定されるものではない。その具体例としては、例えば、転炉スラグ、脱ケイスラグ、脱炭スラグ、および脱リンスラグなどの各種の溶銑予備処理スラグ、並びに精錬スラグなどが挙げられる。これら製鋼スラグの化学成分や組成は、製鋼方法や工程によって異なるものである。本発明では、上記製鋼スラグを粉砕してなる製鋼スラグ粉末を用いる。
【0013】
製鋼スラグ粉末の化学成分としては、例えば、CaO、SiO2、Fe2O3、Al2O3、MgO、TiO2、MnO、Na2O、K2O、S、P2O5、B2O3、およびFなどが挙げられる。また、Al2O3やFe2O3は高温酸性ガスの固定化能力を高める観点から重要であり、Al2O3およびFe2O3の合計が15%以上であることが好ましく、20〜65%であることがより好ましい。Al2O3およびFe2O3の合計が15%未満では高温酸性ガスの固定化能力が不足することがある。ここで、Fe2O3にはウスタイトFeOやマグネタイトFe3O4もFe2O3換算した上で含めるものとする。ウスタイトやマグネタイトは、高温酸化雰囲気で熱処理すると、化学的に安定なFe2O3に変化するためである。
【0014】
また、CaO含有量は35%以上が好ましく、40%以上がより好ましい。製鋼スラグ粉末には遊離石灰が存在する場合が多いが、遊離石灰の存在は、比較的低い温度での酸性ガス固定化能力を高める観点からむしろ好ましい面もあり、遊離石灰の含有量は本発明の目的を実質的に阻害しない範囲、具体的には、15%以内であれば問題とはならない。
【0015】
また、SiO2の含有量は、前記のAl2O3、Fe2O3、及びCaOの含有量を高く確保する観点から、20%以下が好ましく、15%以下がより好ましい。
【0016】
一方、製鋼スラグ粉末中の総フッ素含有量は1%以下であることが好ましい。フッ素含有量が1%を超えると、高温酸性ガスの固定化能力が低下することがある。そのため、フッ素を含む化合物である、11CaO・7Al2O3・CaF2、カスピディン3CaO・2SiO2・CaF2、フッ素アパタイトの存在は好ましくない。また、イオウ分の存在も高温酸性ガスの固定化能力を阻害する傾向があるため、イオウ分の含有量が0.5%以下であることが好ましい。
【0017】
また、製鋼スラグ粉末に含まれる化合物としては、例えば、遊離石灰、カルシウムフェライト、カルシウムアルミノフェライト、カルシウムアルミネート、ゲーレナイト2CaO・Al2O3・SiO2やアノーサイトCaO・Al2O3・2SiO2などのカルシウムアルミノシリケート、メルビナイト3CaO・MgO・2SiO2やアケルマナイト2CaO・MgO・2SiO2やモンチセライトCaO・MgO・SiO2などのカルシウムマグネシウムシリケート、トライカルシウムシリケート3CaO・SiO2やダイカルシウムシリケート2CaO・SiO2やランキナイト3CaO・2SiO2やワラストナイトCaO・SiO2などのカルシウムシリケート、カスピディン3CaO・2SiO2・CaF2、フッ素アパタイトやヒドロキシアパタイトなどのアパタイト類、ウスタイトFeO、マグネタイトFe3O4、およびリューサイト(K2O、Na2O)・Al2O3・SiO2などを含む場合がある。本発明ではこれらの結晶質または非晶質が混在しても良い。
【0018】
本発明の製鋼スラグ粉末の粒度は、通常、ブレーン比表面積値で3,000cm2/g以上であり、4,000〜9,000cm2/gが好ましく、4,000〜6,000cm2/gがより好ましい。3,000cm2/g未満では高温酸性ガスの吸収効果が十分でなく、9,000cm2/gを超えるように粉砕することは経済性の面から好ましくない。
【0019】
本発明の排ガス処理材では、製鋼スラグ粉末、またはこれと酸化カルシウム、水酸化カルシウム、および炭酸カルシウムのうちの1種または2種以上(以下、カルシウム塩という)の混合物を使用することができる。本発明でカルシウム塩を使用することにより、高温酸性ガスの吸蔵温度範囲をより広くすることが可能である。
【0020】
カルシウム塩は、酸性ガスとの反応性の観点から、また、比較的低い温度領域での酸性ガス固定化などの観点から、水酸化カルシウムや酸化カルシウムを選定することが好ましく、水酸化カルシウムが最も好ましい。また、カルシウム塩は微粉であることが好ましく、たとえば水酸化カルシウムを用いる場合は、BET比表面積で1〜200m2/gのものを用いることが好ましい。
【0021】
すなわち、本発明の製鋼スラグ粉末は1,000℃を超える高温酸性ガスの吸蔵特性に特に優れるものであるが、500℃以下の比較的低い温度領域における酸性ガスの吸蔵特性を高めるためにカルシウム塩を併用することが可能である。製鋼スラグ粉末にカルシウム塩を混合することにより、500℃付近の吸蔵特性が改善されるため、500℃以下の温度領域から1,300℃程度の非常に高い温度領域にわたって酸性ガスを吸蔵して固定化することが可能となる。
【0022】
また、製鋼スラグ粉末とカルシウム塩を併用すると、カルシウム塩を単独で用いた場合とは異なり、塩化カルシウムが生成しにくいため、塩化カルシウムによる焼却炉の汚染が起こらないという利点がある。
【0023】
製鋼スラグ粉末とカルシウム塩の使用割合は、製鋼スラグ粉末中に含まれる遊離石灰量とも関連するので、一義的に決定されるものではなく、特に限定されるものではないが、通常、製鋼スラグ粉末とカルシウム塩からなる排ガス処理材100部中、製鋼スラグ粉末50〜100部でカルシウム塩50部以下が好ましく、製鋼スラグ粉末60〜90部でカルシウム塩40〜10部がより好ましい。製鋼スラグ粉末が50部未満では、800℃以上の高温領域での酸性ガスの吸蔵効果が充分でない場合があり、また、酸性ガスを吸収した排ガス処理材の一部が溶融して焼却設備内に散在し、設備を腐食させる場合がある。
【0024】
本発明では、製鋼スラグ粉末やカルシウム塩のほかに、公知の排ガス処理材である酸化マグネシウムや水酸化マグネシウムやドロマイトやハイドロタルサイト類などのマグネシウム化合物、カルシウムアルミネート類、カルシウムアルミノシリケート類、高炉水砕スラグ、高炉徐冷スラグ、フライアッシュ、パルプスラッジ焼却灰、下水汚泥焼却灰、溶融スラグ、都市ゴミ焼却灰や溶融スラグ、水硬性材料の水和物、潜在水硬性物質やポゾラン物質の水和物類、アパタイト類、ゼオライト類、活性炭などの炭素質物質、廃ガラス粉末、生コンスラッジ、および再生骨材を製造する際に発生するダストなどのうちの一種または二種以上を本発明の目的を実質的に阻害しない範囲で併用可能である。
【0025】
また、製鋼スラグ粉末およびカルシウム塩は上記の排ガス処理材と混合しても良いし、別々に使用しても何ら差し支えない。例えば、融点が高い本発明の排ガス処理材を温度の高い場所(例えば、800〜1,200℃程度の場所)に設置し、融点の低い従来の排ガス処理材、例えば、水酸化カルシウムなどを温度の低い場所(例えば、300〜600℃程度の場所)に設置して併用することも可能である。このように、複数の高温酸性ガス固定化処置を施すことは、高温酸性ガスの固定効率向上という観点から好ましい。
【0026】
本発明の排ガス処理材は、成形してガスフィルターとして利用しても良いし、排ガス処理材を焼却物と共に焼却して高温酸性ガス固定化処理をしても良い。ただし、排ガス処理材を焼却物とともに焼却すると、焼却灰の量が増加し、廃棄物の量が増加するので、排ガス処理材を成形し、ガスフィルターとして使用する方法が好ましい。ガスフィルターとして利用すれば、使用済みのガスフィルターを回収して再生するか、またはそれを別の用途へ転用することで、廃棄物の減容や廃棄物の再利用につながるためである。
【0027】
ガスフィルターの製造方法としては、例えば、本発明の排ガス処理材を加圧成形する方法や、耐熱性の多孔質の担体やアルミナ繊維などに本発明の排ガス処理材を担持させる方法や、水硬性材料とともに水で混練して、水和硬化させることで成形する方法などが挙げられる。
【0028】
なお、本発明の排ガス処理材やガスフィルターの用途は、都市ゴミ焼却により生じる排ガス処理に限定されるものではなく、塩素やイオウを含有する廃棄物の焼却の際にも広範に利用可能であり、その廃棄物の具体例としては、例えば、下水汚泥などの汚泥、生コンスラッジやパルプスラッジなどのスラッジなどを挙げることができる。
【0029】
【実施例】
以下、本発明の実験例に基づいてさらに説明する。
【0030】
実験例1
各種の製鋼スラグをブレーン比表面積5,000cm2/gに粉砕して製鋼スラグ粉末とし、製鋼スラグ粉末とカルシウム塩を表1に示す割合で配合して排ガス処理材とし、この排ガス処理材を加圧成形して50cmφ×1m、重さ20kgのペレット状のガスフィルターとした。このガスフィルターを、小型焼却炉の排ガス配管中、排ガス温度が1,000℃±100℃となる位置に配設した。
【0031】
そして、塩素含有量が約1%の都市ゴミ1トンを焼却し、排ガスの総排出塩素量を定量した。結果を表1に示す。また、比較のために、水酸化カルシウムのみを用いた場合や、ハイドロソーダライトを用いた場合、さらに排ガス処理材を用いなかった場合の結果も併記した。
【0032】
<使用材料>
製鋼スラグ粉末A :転炉スラグ、SiO2含有量11.5%、Fe2O3含有量19.7%、Al2O3含有量8.4%、CaO含有量46.2%(遊離石灰含有量は10.7%)、MgO含有量7.6%、イオウ含有量0.1%、フッ素含有量:0.1%。
製鋼スラグ粉末B :溶銑予備処理スラグ、SiO2含有量23.2%、Fe2O3含有量7.4%、Al2O3含有量11.8%、CaO含有量37.8%(遊離石灰含有量は0.8%)、MgO含有量3.8%、イオウ含有量:0.5%、フッ素含有量:0.9%
製鋼スラグ粉末C :精錬スラグ、SiO2含有量11.3%、Fe2O3含有量22.5%、Al2O3含有量11.2%、CaO含有量40.9%(遊離石灰含有量は8.3%)、MgO含有量5.8%、イオウ含有量0.3%、フッ素含有量:0.3%
製鋼スラグ粉末D :脱リンスラグ、SiO2含有量17.3%、Fe2O3含有量15.7%、Al2O3含有量2.8%、CaO含有量42.3%(遊離石灰含有量は8.9%)、MgO含有量6.2%、イオウ含有量0.1%、P2O5含有量5.5%、フッ素含有量2.2%
炭酸カルシウム :試薬1級
水酸化カルシウム :試薬1級、BET比表面積15.2m2/g品
酸化カルシウム :試薬1級
ハイドロソーダライト:カオリンと水酸化ナトリウム水溶液を3対10のモル比で混合し、加熱機に入れ、100℃で10時間熱処理した後、固液分離、洗浄、乾燥して合成した。
【0033】
<測定方法>
排ガスの総排出塩素量:排ガスを水酸化ナトリウム水溶液へ通じさせて中和し、塩化水素ガスを塩素イオンに変換した後、この溶液中に溶け込んだ塩素イオンの量をイオンクロマトグラフィー法により定量した。
【0034】
【表1】
【0035】
実験例2
製鋼スラグ粉末Aを使用し、製鋼スラグ粉末Aの粒度を表2に示すように変化したこと以外は実験例1と同様に行った。結果を表2に併記した。
【0036】
【表2】
【0037】
実験例3
排ガス処理材の高温酸性ガス固定化能力を検討した。表3に示す排ガス処理材を成形してなるガスフィルターを使用し、実験例1と同様の方法で塩化水素ガスを吸蔵させた。ただし、小型焼却炉の排ガス通路の温度が650〜750℃となるような位置に配設した。排ガス処理後のガスフィルターを回収し、1,300℃で30分熱処理した。そして、熱処理前と熱処理後の塩素含有量の差から塩素固定化率を求めた。結果を表3に示した。なお、比較のために、水酸化カルシウムのみを用いた場合や、ハイドロソーダライトを用いた場合の結果も併記した。
ガスフィルターの塩素量:JIS R 5202に準じて定量。
【0038】
【数1】
【0039】
【表3】
【0040】
【発明の効果】
本発明の排ガス処理材は、高温酸性ガスの固定化能力に優れ、高温下での耐久性に優れ、しかも500〜1,300℃程度の幅広い温度領域で酸性ガス固定化能力を有するため、焼却設備の腐食防止、酸性雨の防止、ダイオキシン生成の抑制などの環境対策に有効である。また、製鉄業界の産業廃棄物である製鋼スラグの有効利用にもつながるという利点もある。
Claims (6)
- ブレーン比表面積が3,000cm2/g以上の製鋼スラグ粉末を含有してなる排ガス処理材。
- フッ素含有量が1%以下であることを特徴とする請求項1記載の排ガス処理材。
- Al2O3含有量とFe2O3含有量の合計が15%以上であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の排ガス処理材。
- 水酸化カルシウム、酸化カルシウム、および炭酸カルシウムから選ばれる1種または2種以上のカルシウム塩を含有してなる請求項1〜3のうちの1項に記載の排ガス処理材。
- 請求項1〜4のうちの1項に記載の排ガス処理材を成形してなるガスフィルター。
- 請求項1〜4のうちの1項に記載の排ガス処理材または請求項5記載のガスフィルターを用いることを特徴とする排ガスの処理方法。
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