JP4036298B2 - フロンガスの分解処理方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フロンガスの処理方法、特に、フロンガスの分解後に副生する塩素ガスやフッ素ガスを固定化し、排出される塩素やフッ素の量を極めて小さくし、同時に設備腐食も抑止するフロンガスの分解処理方法に関する。
なお、本発明における部や%は特に規定しない限り質量基準で示す。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】
特開平7−24255号公報
【特許文献2】
特開平9−24243号公報
【特許文献3】
特開平9−67150号公報
【0003】
近年、オゾン層の破壊問題が深刻化している。特に、洗浄剤、冷媒、発泡剤、スプレー剤などとして利用されているフロンガスがオゾン層を破壊することは広く知られるところであり、その規制については既に廃止という国際決議がなされている。したがって、フロンの分解処理方法は重要、かつ、緊急の課題である。
ここで、フロンガスとは、メタンやエタンなどの炭化水素の水素の一部あるいは全部をフッ素や塩素で置換した化合物を総称するものである。フロンガスを分解する方法としては、燃焼法、マイクロ波加熱法、プラズマ分解法等によって700℃以上で熱処理する方法が一般的である。これらの方法でフロンガスを分解すると、二酸化炭素と共にフッ素ガスや塩素ガスが副生する。これらのハロゲンガスは二次的に弊害をもたらす。すなわち、設備の腐食や酸性雨の原因になるばかりか、ダイオキシンの生成や環境基準に定められている揮発性有機化合物(VOC)の生成とも関連するためである。それ故、フロンガスを分解した後、副生するフッ素ガスや塩素ガスを何らかの方法で固定化する技術が必要不可欠である。つまり、フロンガスの分解処理方法は、分解後に副生するフッ素ガスや塩素ガスを固定化する技術に集約されると言っても過言ではない。
従来より、フロンガスの分解処理方法としては、分解後に副生するフッ素ガスや塩素ガスを水酸化カルシウムや酸化カルシウム等に固定化させる方法が提案されている(特開平7−24255号公報、特開平9−24243号公報など)。この方法によれば、副生したフッ素ガスや塩素ガスはカルシウム塩と反応して塩化カルシウムやフッ化カルシウムとなり、フッ素ガスや塩素ガスは固定化される。しかしながら、生成した塩化カルシウムの融点が700℃〜800℃程度と低いために、溶融して設備内に散在してしまい、設備腐食をもたらしたり、一部が揮発して再び塩素ガスが放出されてしまうという課題を有していた。今日では、800℃を越えるような高温においても溶融せず、塩素ガスやフッ素ガスを固定化できるフロンガスの分解処理方法が強く求められている。また、上記の方法はフロンガスのみを専用に分解処理する方法である。フロンガスのみを分解処理するのは非常に不経済であるため、他の廃棄物、例えば、都市ゴミなどを焼却する際に、フロンガスを吹込みこれらを同時に処理することがより現実的で経済的な方法と考えられる。なぜなら、都市ゴミにもおおよそ1%程度の塩素が含まれており、これを焼却する際には、塩素ガスや塩化水素などの高温酸性ガスが発生するために、フロンガスの分解処理と同じ対策が必要となるためである。一方、ポルトランドセメントを製造する際に、セメントキルンにフロンガスを吹込んで分解処理する方法も検討されている(特開平9−67150号公報など)。しかしながら、ポルトランドセメントには塩素含有量の規制があり、非常に厳しい水準が定められている。また、塩素やフッ素はポルトランドセメントの品質に大きく影響するため、品質管理の観点から、基準値以内の範囲であってもできる限り低い水準に保つ方向で製造されており、積極的なフロンガスの処理は行われておらず、抜本的な対策には至っていないのが実状である。
【0004】
前述したように、フロンガスの分解には700℃以上を必要とし、好ましくは1000℃程度での熱処理を行う必要があること、一方、都市ゴミ等の焼却においてもダイオキシン生成を抑制する観点から、より高温での焼却が求められている背景がある。すなわち、フロンガスの分解処理と都市ゴミ等の焼却は条件が合致しており、これらを同時に行うことが合理的である。ただし、この場合、前述したように、高温でフッ素ガスや塩素ガスを固定化できる固定化材の技術が不可欠となってくる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、前記した各課題を解決した、フロンガスの処理方法、特に、フロンガスの分解後に副生する塩素ガスやフッ素ガスを固定化するフロンガスの分解処理方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明を概説すれば、本発明は、フロンガスの分解処理方法に関する発明であって、フロンガスを分解し、副生する塩素ガスやフッ素ガスをカルシウムフェライト類及び/又はその水和物類と共に、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウムの1種又は2種以上をCaO/Fe モル比が3〜6となるように併用した固定化材と反応させることを特徴とする。
【0007】
本発明者らは、鋭意努力を重ねた結果、フロンガスを分解した後に副生する塩素ガスやフッ素ガスをカルシウムフェライト類やその水和物類と反応させることにより、フロンガスの分解後に副生するフッ素ガスや塩素ガスを非常に高温まで固定化でき、設備腐食の防止、及びフッ素ガスや塩素ガスの排出量を極めて小さくすることができるフロンガスの分解処理方法となり得ること、また、都市ゴミ等と共にフロンガスを分解処理する場合でも同様の処理が可能となること等を知見し本発明を完成するに至った。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体的に説明する。
【0009】
本発明で言うフロンガスとは、メタンやエタンなどの炭化水素の水素の一部あるいは全部をフッ素や塩素で置換した化合物を総称するものである。その具体例としては、例えば、フロンR−11(CCl3F)、フロンR−12(CCl22)、フロンR−13(CClF3)、フロンR−113(C2Cl33)等を挙げることができる。
これらフロンガスを分解する方法としては、記述のように、燃焼法、マイクロ波加熱法、プラズマ分解法等によって700℃以上で熱処理する方法が一般的である。これらの方法でフロンガスを分解すると、二酸化炭素と共にフッ素ガスや塩素ガスが副生する。これらのハロゲンガスは二次的に弊害をもたらす。
本発明では、フッ素ガスや塩素ガスの固定化材としてカルシウムフェライト類及び/又はその水和物類を使用する。
【0010】
本発明においては、カルシウムフェライト類とは、CaO−Fe23を主体とする化合物を総称するものであり、特に限定されるものではない。
換言すれば、カルシウムフェライト類とは、カルシウムフェライト自体、及びカルシウムフェライトのCaOやFe23の一部が、不純物のAl23、MgO、TiO2、MnO、R2O(ここでRはアルカリ金属を意味する)などで置換されたものの総称である。したがって、あくまでCaOとFe23を主体とするから、上記した不純物による置換量は、上記主体を破壊することなく、かつ、本発明の目的を阻害しない範囲内に止める必要があることはいうまでもないことである。
【0011】
カルシウムフェライト自体の具体例としては、CaOをC、Fe23をFで表したとき、CFやC2Fと表現される化合物等の結晶質又は非晶質を挙げることができる。
これらのカルシウムフェライトは、CaO原料とFe23原料を熱処理して得ることができる。CaO原料としては、例えば、石灰石や貝殻等の炭酸カルシウム、消石灰などの水酸化カルシウム、あるいは生石灰などの酸化カルシウムを挙げることができる。また、Fe23原料としては、例えば、圧延スケールや各種のカラミと呼ばれる産業副産物のほか、鉄粉、Fe23マグネタイトなどが挙げられる。
カルシウムフェライトを工業的に得る場合、不純物が含まれることがある。その具体例としては、例えば、SiO2、Al23、MgO、TiO2、MnO、Na2O、K2O、Li2O、S、P25、及びフッ素等が挙げられる。
【0012】
また、化合物としては、CaO・2Al23、CaO・Al23、12CaO・7Al23、3CaO・Al23、3CaO・3Al23・CaSO4などのカルシウムアルミネート類、4CaO・Al23・Fe23、6CaO・2Al23・Fe23、6CaO・Al23・2Fe23などのカルシウムアルミノフェライト、ゲーレナイト2CaO・Al23・SiO2、アノーサイトCaO・Al23・2SiO2などのカルシウムアルミノシリケート、メルビナイト3CaO・MgO・2SiO2、アケルマナイト2CaO・MgO・2SiO2、モンチセライトCaO・MgO・SiO2などのカルシウムマグネシウムシリケート、トライカルシウムシリケート3CaO・SiO2、ダィカルシウムシリケート2CaO・SiO2、ランキナイト3CaO・2SiO2、ワラストナイトCaO・SiO2などのカルシウムシリケート、リューサイト(K2O、Na2O)・Al23・SiO2等を含む場合がある。本発明ではこれらの結晶質又は非晶質が混在していても良い。
【0013】
一方、カルシウムフェライト水和物類とは、CaO−Fe23系水和物を総称するものであり、特に限定されるものではない。換言すれば、前記したカルシウムフェライト類の水和物を意味する。その具体例としては、例えば、CaOをC、Fe23をF、H2OをHで表したとき、4CaO・Fe23・nH2O、3CaO・Fe23・nH2O、2CaO・Fe23・nH2O、4CaO・Fe23・CO3・nH2Oと表現される水和物等の結晶質又は非晶質を挙げることができる。前記水和物の結晶水のnの値は加熱脱水物なども考慮すると、おおよそ2〜18の値である。これらのカルシウムフェライト水和物類は、CaO原料とFe23原料を水の存在下で水熱処理して得ることができる。また、2CaO・Fe23やCaO・Fe23などのカルシウムフェライトを基材として、必要に応じて酸化カルシウム、水酸化カルシウム並びに炭酸カルシウムの存在下で水和させても得ることが可能である。
【0014】
前記の不純物が存在することにより、本発明の排ガス処理材は、カルシウムフェライト類及び/又はその水和物類のほかに、カルシウムアルミネート、カルシウムアルミノフェライト、カルシウムアルミノシリケート、カルシウムシリケート、マグネシウムアルミネート、カルシウムマグネシウムシリケート、これらの水和物、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化鉄などが共存する場合があるが、本発明の目的を実質的に阻害しない範囲では特に問題とはならない。
【0015】
本発明の排ガス処理材は、カルシウムフェライト類及び/又はその水和物類を主体とするものであるが、カルシウムフェライト類及び/又はその水和物類と共に酸化カルシウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウムの1種又は2種以上(以下、酸化カルシウム類という)を併用することができる。
酸化カルシウム類を併用すると、塩素ガスやフッ素ガスの吸収量を多くすることができる場合がある。
カルシウムフェライト類及び/又はその水和物類と酸化カルシウム類の使用割合は特に限定されるものではないが、通常、CaO/Fe23モル比が3〜6となるように、併用することが好ましい。例えば、カルシウムフェライト類やその水和物類が、2CaO・Fe23や2CaO・Fe23・nH2Oの場合、1モルの2CaO・Fe23や2CaO・Fe23・nH2Oに対して1モルから3モルの酸化カルシウム類を併用すると酸性ガスの吸収量が増す傾向があるため好ましい。CaO/Fe23モル比が3未満では、フッ素ガスの吸収量が充分でない場合があり、CaO/Fe23モル比が6を超えると、1000℃を越える高温において、吸収した酸性ガスの固定化能力が充分でない場合や、排ガス処理材が溶融して焼却設備内に散在し、設備を腐食させる恐れがある。
【0016】
本発明では、カルシウムフェライト類及び/又はその水和物類や酸化カルシウム類のほかに、更に、カルシウムアルミネート類、カルシウムアルミノフェライト類、カルシウムアルミノシリケート類、各種ポルトランドセメント、石灰石粉末等を混合したフィラーセメント、並びに、都市ゴミ焼却灰や下水汚泥焼却灰を原料として製造された環境調和型セメント、いわゆるエコセメント、高炉水砕スラグ、高炉徐冷スラグ、フライアッシュ、転炉スラグ、電気炉還元期スラグ、電気炉酸化期スラグ等の粉末、パルプスラッジ焼却灰、下水汚泥焼却灰や溶融スラグ、都市ゴミ焼却灰や溶融スラグ、前記の水硬性材料や潜在水硬性物質あるいはポゾラン物質から生成するあらゆる水和物類、アパタイト類、ゼオライト類、酸化マグネシウムや水酸化マグネシウム、ドロマイト、ハイドロタルサイト類等のマグネシウム化合物、活性炭などの炭素質物質、廃ガラス粉末、生コンスラッジ、再生骨材を製造する際に発生するダスト、いわゆる再生微粉末等のうちの1種又は2種以上を本発明の目的を実質的に阻害しない範囲で使用可能である。
【0017】
また、上記の排ガス処理材は本発明の排ガス処理材と併用しても良いし、別々に使用しても何ら差支えない。例えば、融点が高い本発明の排ガス処理材を温度の高い場所(例えば、800〜1200℃程度の場所)に設置し、融点の低い従来の排ガス処理材、例えば、水酸化カルシウム等を温度の低い場所(例えば、300〜600℃程度の場所)に設置して併用することも可能である。このような、二重の酸性ガス固定化処置を施すことは、ダイオキシン抑制の観点からはむしろ好ましいと推定される。
【0018】
本発明のカルシウムフェライト類の粒度は、特に限定されるものではないが、通常、ブレーン比表面積で3000〜9000cm2/gが好ましく、4000〜6000cm2/gがより好ましい。3000cm2/g未満ではフッ素ガスや塩素ガスの吸収効果が十分でない場合があり、9000cm2/gを超えるように粉砕することは不経済である。
【0019】
本発明のカルシウムフェライト水和物類の比表面積は、特に限定されるものではないが、通常、BET比表面積値で1〜100m2/gの範囲にあり、2〜50cm2/g程度のものが多い。lm2/g未満では高温酸性ガスの吸収効果が十分でない場合があり、100m2/gを超えるようなものは成形性が困難な場合がある。
【0020】
本発明では、フッ素ガスや塩素ガスの固定化が迅速である観点から、また、比較的低い温度から1300℃程度の高温まで、幅広い温度領域に対応できる観点から、カルシウムフェライト水和物類を使用することが好ましい。これは、水和物の方が、未水和のカルシウムフェライト類よりも非常に大きな比表面積を有していることによると推定される。
【0021】
本発明の排ガス処理材は、フィルターとして利用しても良いし、焼却物と共に焼却して使用しても良い。ただし、焼却物と共に焼却すると、焼却灰の量が増加し、廃棄物の量が増加するので、フィルターとして使用する方法が好ましい。
フィルターとして利用すれば、使用済みのフィルターを回収して再生するか、又はそれを別の用途へ転用することで、廃棄物の減容につながるためである。
ガスフィルターの製造方法としては、例えば、本発明のカルシウムフェライト類やその水和物類を加圧成形する方法や、カルシウムフェライトを水和硬化させる課程で成形する方法などが挙げられる。この際、他の水硬性材料、例えば、各種ポルトランドセメントやアルミナセメントとなどと共に水和硬化させても良い。
【0022】
本発明のカルシウムフェライト類やその水和物類はその融点が高いものであり、また、フッ素ガスや塩素ガスが固定化された後の融点も高いものである。融点が低いと溶融してしまい、フィルターとして交換できないばかりか、焼却炉等の設備が腐食する原因ともなり、また、焼却炉の温度が更に高くなる場合には、分解して固定化した酸性ガスが再び放出してしまう場合がある。
【0023】
なお、本発明のフロンガスの分解処理方法は、フロンガスのみを分解する場合に適用されることはもちろんであるが、そればかりに限定されるものではない。具体的には、塩素やフッ素を含有する廃棄物、汚泥、スラッジ等の焼却の際にフロンガスを熱処理して分解することが可能であり、その具体例としては、例えば、都市ゴミ、下水汚泥、生コンスラッジ、パルプスラッジなどを挙げることができる。これらの廃棄物を焼却処理する際に、併せてフロンガスを分解処理することが、経済性の面から好ましい。
この時、フロンガスから副生するフッ素ガスや塩素ガスと共に、都市ゴミ、下水汚泥、生コンスラッジ、パルプスラッジなどから副生する塩素ガス、塩化水素ガスなども本発明のカルシウムフェライト類やその水和物類に固定化されるので、フロンガスとその他の廃棄物の排ガス対策を同時に行うことができるのである。
【0024】
【実施例】
以下、本発明の実施例に基づいて、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
なお、実施例1の表1中の実験No1−1〜1〜5、及び実施例2の表2中の実験No2−1〜2−5は、本発明の参考例として挙示した。
【0025】
実施例1
各種のカルシウムフェライト類及びその水和物類と酸化カルシウム類を表1に示す割合で配合して排ガス処理材とし、この排ガス処理材を加圧成形してペレット化した。このペレット50kgをガスフィルターとして用い、小型焼却炉の排ガス通路の温度が1000℃±100℃となるような位置に配設した。そして、フロンガス1m3と塩素含有量が約1%の都市ゴミ500kgとを焼却し、焼却設備の煙道から排出される排ガス(排ガス処理材で処理した後の排ガス)の総排出塩素量と総排出フッ素量を定量した。なお、焼却後の排出ガスからフロンガスは検出されなかった。
結果を表1に示す。また、比較のために、酸化カルシウムのみ、水酸化カルシウムのみ、炭酸カルシウムのみを用いた場合やハイドロソーダライトを用いた場合、更に排ガス処理材を用いなかった場合の結果も併記した。
【0026】
<使用材料〉
炭酸カルシウム:試薬1級
水酸化カルシウム:試薬1級
酸化カルシウム:試薬1級
カルシウムフェライト類▲1▼:2CaO・Fe23試薬1級の炭酸カルシウム2モルと酸化第二鉄1モルを混合粉砕して原料を調製し、電気炉で1350℃で3時間焼成する工程を2回繰り返して合成した。ブレーン比表面積5000cm2/g。
カルシウムフェライト類▲2▼:CaO・Fe23試薬1級の炭酸カルシウム1モルと酸化第二鉄1モルを混合粉砕して原料を調製し、電気炉で1300℃で3時間焼成する工程を2回繰り返して合成した。ブレーン比表面積5000cm2/g。
カルシウムフェライト水和物類A:4CaO・Fe23・nH2O、1モルのC2Fと2モルの水酸化カルシウムを混合し、50℃に加温しながら水/粉体比100%で水和させて合成した。BET比表面積24m2/g。
カルシウムフェライト水和物類B:3CaO・Fe23・6H2O、1モルのC2Fと1モルの水酸化カルシウムを混合し、50℃に加温しながら水/粉体比100%で水和させて合成した。BET比表面積5m2/g。
カルシウムフェライト水和物類C:2CaO・Fe23・nH2O、C2Fをトリ(2−ヒドロキシプロピル)アミンの10%溶液を用いて室温に保ちながら水/粉体比500%で水和させて合成した。BET比表面積33m2/g。
カルシウムフェライト水和物類D:4CaO・Fe23・CO3・nH2O、1モルのC2Fと2モルの水酸化カルシウム、更に1モルの炭酸ナトリウムを混合し、50℃に加温しながら水/粉体比100%で水和させて合成した。BET比表面積17m2/g。
ハイドロソーダライト:カオリンと水酸化ナトリウム水溶液を3対10のモル比で混合し、加熱機に入れ、100℃で10時間熱処理した後、固液分離、洗浄、乾燥して合成した。
【0027】
<測定方法>
排ガスの総排出塩素量及び総排出フッ素量:焼却設備の煙道から出てくる排ガスを水酸化ナトリウム水溶液へ通じさせて中和し、塩素ガスやフッ素ガスを塩素イオンやフッ素イオン等に変換した後、この溶液中に溶け込んだ塩素イオンやフッ素イオンなどの量をイオンクロマトグラフィーにより定量した。
【0028】
【表1】
Figure 0004036298
【0029】
実施例2
排ガス処理材の酸性ガス固定化能力を検討した。表2に示す排ガス処理材を使用し、実施例1と同様の方法で塩素ガスとフッ素ガスを吸蔵させた。ただし、小型焼却炉の排ガス通路の温度が750〜850℃となるような位置に配設した。排ガス処理後のガスフィルターを回収し、1300℃で30分熱処理した。そして、1300℃での熱処理前と熱処理後の塩素及びフッ素の含有量の差から酸性ガスの固定化率を求めた。結果を表2に示した。なお、比較のために、水酸化カルシウムのみを用いた場合や、ハイドロソーダライトを用いた場合の結果も併記した。
ガスフィルターの塩素量及びフッ素量:JISR5202に準じて定量。
【0030】
【表2】
Figure 0004036298
【0031】
【発明の効果】
本発明のフロンガスの分解処理方法によれば、フロンガスの分解後に副生するフッ素ガスや塩素ガスを非常に高温まで固定化でき、設備腐食の防止、及びフッ素ガスや塩素ガスの排出量を極めて小さくすることができるフロンガスの分解処理方法となり得ること、また、フロンガスと共に都市ゴミ等の焼却処理も併せて行うことができ、合理的、かつ、経済的である。更に、カルシウムフェライト類やその水和物類をフィルターとして用いるので、焼却灰の発生量を減容できる利点もある。

Claims (4)

  1. フロンガスを分解し、副生するフッ素ガスや塩素ガスを、カルシウムフェライト類及び/又はその水和物類と共に、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウムの1種又は2種以上をCaO/Fe モル比が3〜6となるように併用した固定化材と反応させることを特徴とするフロンガスの分解処理方法。
  2. 排ガス通路の温度が750〜850℃となるような位置に固定化材を配設することを特徴とする請求項1に記載のフロンガスの分解処理方法。
  3. フロンガスを分解する際、他の廃棄物と共に焼却処理することを特徴とする請求項1又は2に記載のフロンガスの分解処理方法。
  4. フッ素ガスや塩素ガスの固定化材をフィルターとして用いることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のフロンガスの分解処理方法。
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