JPH09248541A - 廃棄物処理方法 - Google Patents
廃棄物処理方法Info
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- JPH09248541A JPH09248541A JP8057062A JP5706296A JPH09248541A JP H09248541 A JPH09248541 A JP H09248541A JP 8057062 A JP8057062 A JP 8057062A JP 5706296 A JP5706296 A JP 5706296A JP H09248541 A JPH09248541 A JP H09248541A
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Abstract
々の有害金属を確実に封入し、有害金属が再溶出しない
よう安定化する。 【解決手段】 廃棄物焼却設備の排ガス処理装置で、消
石灰と水酸化マグネシウムとを主成分とする排ガス処理
剤で排ガスを処理し、排ガスから発生したばいじんを集
塵器で捕集した飛灰を、セメント類、水酸化アルミニウ
ム等の中和剤、粉状アルミニウムシリケートや粉状二酸
化珪素等の無機吸着剤、ジメチルジチオカルバミン酸
塩、ジエチルジチオカルバミン酸塩、ジブチルジチオカ
ルバミン酸塩、タンニン酸等のキレート剤、水ガラス、
水溶性リン酸ソーダ等のリン酸塩、及び、Pb等の有害
金属化合物と反応して難溶性あるいは不溶性の化合物を
生成する化合物からなる群から選択される1種以上を主
成分とする有害金属安定化剤と、必要に応じて水を添加
して混合、混練する。
Description
の有害金属などを安定化するのに有効な廃棄物処理方法
であり、特に鉛(Pb)の溶出抑制が困難な廃棄物焼却
飛灰中のPbなどの有害金属を安定化処理するのに有効
な廃棄物処理方法に関するものである。
分する際には、セメントが処理剤として用いられ、セメ
ントと廃棄物を混合し、水を加えて混練した後、養生固
化し、有害金属などの溶出を防ぎ安定化する方法が用い
られている。しかしながら、このように、単にセメント
で固化する従来の廃棄物の処理方法には種々の問題があ
り、用途を限定しなければ2次公害が発生する恐れがあ
る。特に、ゴミ焼却の際、電気集塵器やバグフィルター
で捕捉された飛灰には、鉛(Pb)などの有害金属が高
濃度に含まれているにもかかわらず、従来技術であるセ
メント処理では充分に溶出を防止できないため、現在で
は有害金属などの安定化が不充分なまま埋立処理されて
おり、処理後の2次公害の問題が噴出している。
って固化するだけでは有害金属などを含有する廃棄物
を、有害金属などが溶出してこない状態に安定化するこ
とが困難なことが国内外で明らかとなってきている。そ
こで、有害金属などが陸上埋立処分時、あるいは海洋投
棄処分時においても確実に封入され、有害金属などが再
溶出せず、2次公害が発生しない廃棄物の処理方法が望
まれていた。
平07−185499号などにおいて、セメント類と還
元性の金属、更には、これに硫酸アルミニウムや粉状ア
ルミニウムシリケートなどを構成成分とする処理剤と、
この処理剤を用いた廃棄物処理方法を提案している。ま
た、同様な技術として、特公平04−61710号に
は、水溶性フォスフェート源を含有する処理剤による廃
棄物処理方法も開示されている。
てさえも、Pbなどの有害金属の溶出を実質的に防止す
ることができない飛灰が存在し、また安定化処理が可能
であったとしても、高価な有害金属安定化剤を多量に使
用する結果、処理費用が膨大であったり、飛灰処理物が
多量に発生するため埋立地の不足を生じるなど、公益に
適合しない場合があり、更なる廃棄物処理技術の革新が
求められている。上記問題は、一般ゴミなど、廃棄物の
焼却飛灰(排ガスから発生するばいじんを集塵器で捕集
した灰)において特に顕著である。
式、飛灰に関する説明をしておく。一般ゴミの焼却設備
は、代表的には、焼却炉、排ガスの冷却を目的とした熱
交換器や水噴霧装置、塩化水素ガス(HClガス)など
酸性ガスの中和を目的とした消石灰吹き込み装置(排ガ
ス誘導管内への吹き込み)、集塵器から構成されてお
り、更にSOx 、NOx 、ダイオキシンなどの有害成分
除去装置、機器が付加されていることもある。また、排
ガスから発生するはいじんを集塵器などで捕集した飛灰
には、粉塵、消石灰とHClガスなど酸性ガスとの反応
生成物、および消石灰の未反応残分、有害な低融点金属
などが含有されている。この飛灰は、有害金属安定化剤
と混合、混練され最終処分廃棄物として埋め立てられ
る。
廃棄物処理の現状を鑑み、最終処分廃棄物である廃棄物
焼却飛灰中の種々の有害金属を確実に封入し、有害金属
などが再溶出しないように安定化することが可能な廃棄
物の処理方法を提供することを目的とするものである。
来技術における問題点を解決する目的で鋭意検討した結
果、上記のような従来技術によっては実質的にPbなど
の有害金属の溶出を防止できない飛灰、または多量の有
害金属安定化剤を必要とする飛灰には共通の特徴がある
ことを見出した。即ち、比較的容易に有害金属の溶出を
防止できる飛灰と比較し、これら処理が困難な飛灰は、
アルカリ性化合物を多量に含有することを知見した。多
くの飛灰に含有されるアルカリ性化合物は、焼却炉の排
ガス処理装置でHClガスの中和を目的として使用され
る消石灰の未反応分に起因するものと推定されることか
ら、消石灰に加えて水酸化マグネシウムを使用するこ
と、更に好ましくは、消石灰として、従来使用されてい
る消石灰に較べ、反応性の高い消石灰を排ガス処理装置
において使用することによって、この排ガスから発生す
るばいじんを集塵器で捕集した飛灰に含有されるアルカ
リ性化合物量を低減せしめ、更に、この飛灰に有害金属
処理剤を適用することにより、容易にPbなどの有害金
属の溶出を防止しうるとの発想に基づき本発明を完成さ
せたものである。
排ガス処理装置に於いて、主にHClガスを中和する目
的で消石灰と水酸化マグネシウムとを主たる成分とする
処理剤を使用する。好ましくは、前記消石灰として30
m2 /g以上の消石灰を使用することが望ましい。更
に、前記のように処理した排ガスから発生するばいじん
を集塵器などで捕集した飛灰を、セメント類、中和剤、
無機吸着剤、キレート剤、水ガラス、リン酸塩、および
Pbなどの有害金属化合物と反応して難溶性あるいは不
溶性の化合物を生成する化合物からなる群から選択され
る1種以上を主たる構成成分とする有害金属安定化剤
と、必要に応じて水を添加して混合、混練する廃棄物処
理方法を内容とするものである。
安定化する機構は必ずしも明らかではないが、次の様に
想定できる。一般的にPb化合物はアルカリ雰囲気中で
溶解し易い傾向があることから、飛灰の場合、排ガス中
のHClガス中和に使用される消石灰の未反応残分が、
Pbの溶出を促進する大きな要因と考えられる。そこ
で、本発明では、消石灰と水酸化マグネシウムの混合
物、特に反応効率の高い高比表面積の消石灰と水酸化マ
グネシウムの混合物を排ガス処理剤として使用すること
により、排ガス中の消石灰の未反応残分を低減せしめる
こと、即ち生成したマグネシウム塩が消石灰の未反応残
分と反応して消石灰の残分が減少すること、およびこの
ようにして処理した排ガスから発生するばいじんを捕集
した飛灰に対して有害金属安定化剤を適用することの相
乗効果によって、より効果的に飛灰中の有害金属の溶出
を防止しうるものと考えられる。
る消石灰は、通常用いられているJIS特号消石灰でも
よいが、比表面積30m2 /g以上の消石灰であれば、
HClガスとの反応効率がよく好ましい。消石灰は比表
面積が大きいものがより好ましいが、工業的入手の容易
性から比表面積30〜60m2 /g程度のものが好まし
く、例えば、特公平06−8194号によって開示され
ている方法などによって作製することができる。具体的
には、奥多摩工業株式会社製消石灰「タマカルク」の使
用が工業的には好適である。同じく排ガス処理剤に用い
られる水酸化マグネシウムは、工業的入手の容易性なも
ので十分であるが、HClガスとの反応効率を考慮する
と、比表面積が大きいものがより好ましい。これらの消
石灰や水酸化マグネシウムの使用に際しては、粉状で使
用すること、溶媒に分散して使用することなどが考えら
れ、特にHClガスとの反応性を考慮すると水に分散し
た状態で使用することが好適な態様である。また使用方
法としては、排ガス中へ噴霧する常法に準拠することが
好適である。
ネシウムとの混合比率は特に限定を受けないが、排ガス
処理剤全体中に水酸化マグネシウムが10重量%から3
0重量%で十分であるが、50重量%でも特に問題はな
い。消石灰と水酸化マグネシウムとからなる排ガス処理
剤の使用量は、排ガス中のHClガス濃度、排ガスの温
度、流量、および最終的に屋外へ排出するHClガス濃
度などによって適宜設定しなければならないが、比表面
積30m2 /g以上の消石灰を使用する場合には、従来
一般的に使用されるJIS特号消石灰(比表面積14.
5m2 /g)に較べ、比表面積が約2倍であることか
ら、HClガスとの反応効率が高く、おおよそJIS特
号消石灰の約半分(重量)の添加で最終的に排出するH
Clガス濃度を同等にできる。この比表面積の大きい消
石灰の特徴を利用するためにも、水酸化マグネシウムの
混合比率は大きくない方が好ましく、前記のように10
重量%から30重量%の範囲が好適である。
れるものには、下記のようなものがある。
ルトランドセメント、早強セメント、ジェットセメン
ト、高炉セメント、アルミナセメントなどが例示でき
る。
硫酸塩、非晶質水酸化アルミニウム、塩化鉄などが例示
できるが、価格、工業的入手の容易性、実使用の容易さ
か硫酸塩、水酸化アルミニウム、塩化鉄が好ましく、粉
末であることが好ましい。また、これら中和剤は、水溶
液として使用したり、更には水分散状態で使用すること
もできる。水溶液として使用する場合には、中和剤とし
て、塩酸や炭酸、硫酸などの無機酸も使うことができる
が、飛灰中のPb化合物と不溶性の化合物を形成しうる
リン酸が特に好ましい。
成珪酸、天然珪酸加工物、活性炭などが例示できるが、
比表面積200m2 /g以上の粉状アルミニウムシリケ
ート、粉状二酸化珪素が好ましい。更には、工業的入手
の容易性から比表面積200〜1000m2 /gのもの
が好ましい。ただし、比表面積が200m2 /g以上の
無機吸着剤は嵩高くハンドリング困難なものが多く、事
前に造粒などの加工を行うことが好ましい。
H、−SH、=NH、−COOH、−NH2 など有害金
属に対するキレート配位子を構造中に有する化合物、お
よびそれらの塩などが例示できるが、特に、Pb溶出防
止性能の点でジメチルジチオカルバミン酸塩、ジエチル
ジチオカルバミン酸塩、ジブチルジチオカルバミン酸
塩、タンニン酸が好ましい。工業的に入手可能なものと
して、株式会社荏原製作所製アッシュクリーンC−30
0、ミヨシ油脂株式会社製Newエポルバ−800、日
本曹達株式会社製ハイジオン、不二サッシ株式会社製ア
ルサイトL−101、オルガノ株式会社製オルガナイト
2050、住友化学工業株式会社製スミキレートAC−
20、オリエンタル技研株式会社製オリトール、内外化
学株式会社製ヒバイブロックなどが例示できる。
すなわち珪酸ソーダ、珪酸カリウムなどが例示でき、モ
ル比(SiO2 /M2 O組成比:Mはアルカリ金属)
は、市販の0.5〜4.2の範囲で任意に選択すること
ができる。この中で、Pb溶出防止性能、価格を考慮す
ると珪酸ソーダであることが好ましく、更には、モル比
約3のJIS規格3号水ガラスを用いることが好まし
い。また、水ガラスに炭酸NaなどCaイオンと反応し
て不溶性あるいは難溶性のCa化合物を生成する化合
物、更には硫酸など水ガラスと反応してゲル化する化合
物を適量添加することも鉛溶出防止性能を向上させる目
的で有効である。
水素塩および縮合リン酸塩、縮合リン酸水素塩などが例
示でき、更にナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム
塩、カルシウム塩などが例示できるが、水溶性塩である
ことが好ましく、水溶性のリン酸ソーダが好ましい。
して難溶性あるいは不溶性の化合物を生成する化合物と
しては、硫化ソーダなどの硫化物、および炭酸塩、シュ
ウ酸塩、硫酸塩、クロム酸塩などが例示できる。工業的
に入手可能なものとして、例えば、栗田工業株式会社製
アッシュナイトRシリーズなどが例示できる。
上記セメント類、中和剤、無機吸着剤、キレート剤、水
ガラス、リン酸塩、およびPbなどの有害金属化合物と
反応して難溶性あるいは不溶性の化合物を生成する化合
物の内から選択される1種以上を主たる構成成分とする
ものであるが、不可避的不純物や、その他、飛灰と有害
金属安定化剤との混練物の強度を増強するための添加
剤、有害金属イオン還元剤、混練物に撥水性を付与する
ための添加剤などの各種添加剤を含むこともできる。ま
た、構成成分が2種以上の場合、事前に混合して使用す
ることもできるし、別々に飛灰に添加することもでき
る。選択した2種以上の構成成分相互で反応して有害金
属安定化効果を阻害したり、有害ガスが発生するような
場合には別々に添加することが好ましい。
加量は、適用する飛灰の性状、および目標とするPb溶
出量によって適宜設定しなければならないが、通常、飛
灰100重量部に対し、1〜35重量部となる。
物焼却時の排ガス、およびこの排ガスから発生するばい
じんを捕集した廃棄物焼却飛灰を処理することにより、
飛灰中の有害金属、特に鉛が安定化され、溶出量が減少
する。
説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。 (比較例および実施例)一般ゴミ焼却場に於いて、屋外
排気ガス中のHCl濃度を一定にするよう消石灰量を調
整しながら焼却設備および排ガス処理装置を運転した場
合の排ガスから発生したばいじんを捕集した飛灰を採取
し、各種有害金属安定化剤を用いて処理を行った。飛灰
は、消石灰として奥多摩工業株式会社製消石灰「タマカ
ルク」を使用した場合(比較例)と、奥多摩工業株式会
社製消石灰「タマカルク」80重量%と水酸化マグネシ
ウム20重量%の混合物を使用した場合(実施例)の2
種を採取した。なお、前記「タマカルク」の比表面積は
35〜40m2 /gである。上記2種の飛灰に対し、各
々表1に示す有害金属安定化剤を表1に示す添加量添
加、混合し、更に適宜水を添加、混練したものを20℃
で7日静置した後、環境庁告示13号(日本)のPb溶
出試験を行った。結果を表1に示す。
物焼却飛灰中の有害金属の溶出防止に極めて有効である
ことが明らかとなった。
Claims (7)
- 【請求項1】 廃棄物焼却設備に付属する排ガス処理装
置に於いて、主に塩化水素ガスを中和する目的で消石灰
と水酸化マグネシウムとを主たる成分とする排ガス処理
剤で排ガスを処理し、この排ガスから発生したばいじん
を集塵器で捕集した飛灰を、セメント類、中和剤、無機
吸着剤、キレート剤、水ガラス、リン酸塩、およびPb
などの有害金属化合物と反応して難溶性あるいは不溶性
の化合物を生成する化合物からなる群から選択される1
種以上を主たる構成成分とする有害金属安定化剤と、必
要に応じて水を添加して混合、混練することからなる廃
棄物処理方法。 - 【請求項2】 前記消石灰が、比表面積30m2 /g以
上である請求項1記載の廃棄物処理方法。 - 【請求項3】 前記中和剤が、硫酸塩、水酸化アルミニ
ウム、塩化物からなる群から選択される1種以上である
請求項1記載の廃棄物処理方法。 - 【請求項4】 前記無機吸着剤が、比表面積200m2
/g以上の粉状アルミニウムシリケート、粉状二酸化珪
素の少なくとも一方である請求項1記載の廃棄物処理方
法。 - 【請求項5】 前記キレート剤が、ジメチルジチオカル
バミン酸塩、ジエチルジチオカルバミン酸塩、ジブチル
ジチオカルバミン酸塩、タンニン酸からなる群から選択
される1種以上である請求項1記載の廃棄物処理方法。 - 【請求項6】 前記水ガラスが、珪酸ソーダである請求
項1記載の廃棄物処理方法。 - 【請求項7】 前記リン酸塩が、水溶性リン酸ソーダで
ある請求項1記載の廃棄物処理方法。
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JP05706296A JP3683025B2 (ja) | 1996-03-14 | 1996-03-14 | 廃棄物処理方法 |
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-
1996
- 1996-03-14 JP JP05706296A patent/JP3683025B2/ja not_active Expired - Lifetime
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