JPH09122620A - 廃棄物処理材および廃棄物処理方法 - Google Patents

廃棄物処理材および廃棄物処理方法

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JPH09122620A
JPH09122620A JP8152269A JP15226996A JPH09122620A JP H09122620 A JPH09122620 A JP H09122620A JP 8152269 A JP8152269 A JP 8152269A JP 15226996 A JP15226996 A JP 15226996A JP H09122620 A JPH09122620 A JP H09122620A
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Takashi Funahashi
孝 舟橋
Takuji Nomura
卓司 野村
Kazuhiro Hara
和宏 原
Masakazu Kamikita
正和 上北
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 都市ゴミ焼却灰、鉱さい、土壌、汚泥、シュ
レッダーダストなどの廃棄物中に含まれる有害な重金
属、特に、焼却炉から排出されるアルカリ性の焼却煤塵
に含まれる有害重金属が再溶出しないように安定化する
こと。 【解決手段】 鉛、クロム、銅、および亜鉛からなる群
より選ばれた少なくとも1つの有害金属を含有する廃棄
物100重量部に対して、X線的に非晶質な水酸化アル
ミニウム、粉体状の多孔質無機吸着剤、および水溶性燐
酸塩からなる群から選択される少なくとも2種を主成分
とする廃棄物処理材を3重量部〜30重量部混合し、必
要に応じて水を添加して混練する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、廃棄物中の有害な
重金属を安定化処理するのに有効な、廃棄物処理材およ
び処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現代、日本では約4800万トン(19
88年)の一般廃棄物と約3.1億トン(1985年)
の産業廃棄物が排出されている。西暦2000年には、
一般廃棄物は約8000万トンに、産業廃棄物は約6億
トンに達すると予測されている。そのうち一般廃棄物の
約7割が焼却処理され、約2割が直接処分されている。
また、産業廃棄物は約4割が再生利用され、約3割が焼
却などによって減容化されて処分され、約3割が最終処
分場で直接廃棄されている。これらの焼却された一般廃
棄物や産業廃棄物は、有害な重金属が大量に含まれてい
るために、処分に関する規制が大幅に強化される方向に
ある。日本では、1995年4月から、これらは、特別
管理一般廃棄物として、重金属の溶出量の十分な抑制が
求められている。
【0003】例えば、都市ゴミ処理場の場合、ゴミの中
に含まれるカラー印刷の紙やセロファン類にはカドミニ
ウム(Cd)、鉛(Pb)、クロム(Cr)、水銀(H
g)、砒素(As)、銅(Cu)など、プラスチック類
にはカドミニウム、鉛、亜鉛(Zn)、クロム、水銀、
砒素などが含まれており、これらのゴミを焼却すること
によって、前記のような重金属が濃縮された灰が生ず
る。焼却場では、この灰を、ゴミのもえがらからなる主
灰と、バグフィルターなどで回収される焼却煤塵(もし
くは、単に飛灰と呼ぶこともある。)に分けて回収する
場合が多くなってきている。この主灰、焼却煤塵ともに
重金属が含まれているが、焼却煤塵では特に重金属が溶
出しやすくなっている。これは、以下のような理由によ
る。つまり、焼却場では、焼却時に発生する塩化水素ガ
スを捕捉するために、排気経路途中で消石灰や生石灰を
吹き込んでいる。これらの消石灰や生石灰は、塩化水素
ガスと結合して塩化カルシウムとなるために、排ガス中
の塩化水素ガス濃度を低減できる。ところが、未反応の
消石灰や生石灰が焼却煤塵中に残存するために、焼却煤
塵はpH12以上の高アルカリ性となる。焼却煤塵に鉛
が高濃度に含まれていると、鉛は高アルカリ性では鉛酸
塩として水溶性となる性質があるために、この焼却煤塵
を未処理で廃棄すると鉛が溶出することになる。そこ
で、焼却場では、有害金属の溶出を防ぐ目的で、焼却煤
塵をセメントと混合し、水を加えて混練した後、養生固
化して廃棄したり、主灰と混ぜて埋め立てたりしてい
る。しかしながら、セメントはアルカリ性であるため、
このような焼却煤塵に対してセメントを大量に加えると
鉛の溶出は抑制されない。したがって、単にセメントで
固化する従来の処理方法では、用途を限定しなければ二
次公害が発生する恐れがある。
【0004】また、焼却煤塵の処理には、キレート化剤
が試験的に使用されているが、特にアルカリ性が高く鉛
含有量の多い焼却煤塵に対しては、焼却煤塵の重量に対
して6重量部以上加えないと規制値以下に抑制されない
ものもある。一般に、この様なキレート化剤は単価がセ
メントの30〜50倍と高価であるため、ランニングコ
ストの面で大きな負担になると考えられる。
【0005】以上のように、セメントやキレート化剤を
用いた従来の廃棄物処理は、困難な場合があることが分
かってきた。また、焼却場にある焼却煤塵と処理材とを
混練する装置は多数の会社が様々な混練装置を製造して
おり、その混練性能も様々である。また同じ装置であっ
ても、押し出される位置によって十分な混練が出来てい
ない場合もある。
【0006】以上のように、現状では処理材及び処理方
法に問題があり、加えて国内の陸上埋立処分地の不足も
問題になりはじめており、少量の処理材の添加で廃棄物
中の有害な重金属が再溶出しないよう強力に安定化する
ことが可能な処理材および方法が望まれていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、上
記のような従来における廃棄物処理の問題点に鑑み、都
市ゴミ焼却灰、鉱さい、土壌、汚泥、シュレッダーダス
トなどの廃棄物中に含まれる有害な重金属が長時間にわ
たって再溶出しないように安定化することが可能な廃棄
物処理材および処理方法を提供することを目的とするも
のである。特に、本発明は、焼却炉から排出されるアル
カリ性の焼却煤塵に含まれる有害な重金属等が再溶出し
ないように安定化することが可能な廃棄物処理材および
処理方法を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な問題を解決するために鋭意検討した結果、この目的を
達成し得る廃棄物処理材を得るに至った。上記のよう
に、廃棄物焼却煤塵中の鉛などの有害金属は、アルカリ
雰囲気下で溶出しやすいことが一般的に知られている
が、都市ゴミの焼却炉などでは稼働中に発生する塩化水
素ガス量を抑制する目的で消石灰を吹き込んでいるた
め、このような運転条件下で生成する電気集塵機捕集に
よる焼却煤塵やバクフィルター捕集による焼却煤塵は特
に鉛溶出量が多い。そこで、本発明者らは、非晶質水酸
化アルミニウム、多孔質吸着剤、水溶性燐酸塩を組み合
わせることで、競争反応となる阻害物質であるカルシウ
ムイオンを除去して、鉛などと直接反応したり、鉛など
を吸着する能力を相対的に向上させうると同時に、アル
カリ雰囲気をより中性に近づけることで鉛などの溶出量
を減少させうるとの発想に基づき、本発明を完成した。
すなわち、本発明の処理材は、x線的に非晶質である水
酸化アルミニウム(以下、ここでは、単に「水酸化アル
ミニウム」という。)、多孔質の無機吸着剤、および水
溶性燐酸塩からなる群から選択される少なくとも2種を
主成分としてなる。つまり、水酸化アルミニウムと多孔
質の無機吸着剤、水酸化アルミニウムと水溶性燐酸塩、
多孔質の無機吸着剤と水溶性炭酸塩とを少なくとも組み
合わせた処理材である。
【0009】以下、本発明をさらに詳細に説明する。先
ず、本発明で使用する水酸化アルミニウムについて説明
する。本発明の水酸化アルミニウムとは、x線でピーク
が観測されない非晶質のものである。本発明で使用する
非晶質水酸化アルミニウムは、成分の中に結晶質水酸化
アルミニウム、ニッケルなどの不純物を含んでいてもよ
い。この水酸化アルミニウムとしては、例えばアルミサ
ッシ工場のアルミ加工過程で、本来廃棄される水酸化ア
ルミニウムを濃縮回収したアルミスラッジが好ましい。
アルミサッシ工場内では、アルミ成形品に付着した油を
硫酸で除去して、更に腐食防止の目的でニッケルを表面
にコートするアルマイト処理を行なった廃液が出る。工
場内では、これに凝集剤を加えて沈澱濾過後、フィルタ
ー濾過して水酸化アルミニウムをアルミスラッジとして
回収する。このアルミスラッジを、本発明の非晶質水酸
化アルミニウムとして使用することができる。
【0010】この外、非晶質の水酸化アルミニウムは様
々な形で入手する事が可能であるが、上記のアルマイト
処理工程でのエッチング廃液・電解廃液・洗浄廃水の中
和により発生する非晶質水酸化アルミニウム廃棄物は、
工業的には他の利用方法が無く、本来は廃棄されるもの
であることから、これを利用することはコスト的にも有
利である。
【0011】前記アルマイト処理工程で発生する非晶質
水酸化アルミニウム廃棄物の本発明における使用方法と
しては、スラリー状、脱水ケーク状、乾燥粉体状の何れ
でも良いが、スラリー状、脱水ケーク状の物は含水率が
高く、回収されたままでは水分を75%程度含んでいる
ために、これをそのまま廃棄物処理材として使用する
と、廃棄物に対する水酸化アルミニウム自体の添加量が
少なくなるという欠点がある。したがって、このスラッ
ジを乾燥させて破砕を行い粉体状にすることが処理材の
取扱い上好ましい。乾燥方法としては、ロータリーキル
ン、スプレードライヤー、棚型乾燥機など多くの手段が
あるが何れでもよい。ただし、水酸化アルミニウムは高
温になると酸化アルミニウムに変質してしまうため、乾
燥時の水酸化アルミニウムの品温を、その分解である温
度300℃以下、望ましくは250℃以下、より好まし
くは150℃以下に抑えることがよい。
【0012】本発明で用いるx線的に非晶質な水酸化ア
ルミニウムの主たる作用は、pH調節作用であり、補助
作用として吸着作用がある。アルミニウムのイオンに配
位した水の分子では、配位結合のほうに電子が引き寄せ
られて、その分、酸素と水素の結合は弱くなり、水素イ
オンが生じやすくなる。このようにして配位水のプロト
ンが解離する。非晶質の水酸化アルミニウムは、結晶性
の水酸化アルミニウムと比較して、多孔質となり、溶液
と反応する機会が多い。そのために、酸を発生しやすく
なり、容易にアルカリを中和する。また、次のようにも
考えられる。非晶質の水酸化アルミニウムは、結晶性の
水酸化アルミニウムと比較してアルカリと反応し易いた
め、アルミン酸を生成しアルカリを中和する。特に都市
ゴミ焼却煤塵のようにアルカリ源が水酸化カルシウムに
起因する場合には、アルミン酸カルシウムとして沈澱物
を生成するため、アルカリ源を不溶化しpHを低下させ
る。さらに、焼却煤塵中にはカルシウムの他に、二酸化
珪素が大量に存在するため、水酸化アルミニウムを添加
することにより、アルミニウム、カルシウム、二酸化珪
素が反応し、水酸化カルシウムより溶解度の低い物質を
生成するため、効果的にpHを低下させることが出来
る。
【0013】ところで、焼却煤塵処理において一般的に
pH調節剤として用いられる硫酸アルミニウム(硫酸バ
ンド)、硫酸鉄、塩化鉄などを粉体状として用いる場
合、多くの場合、これらは水和水(結晶水)を有してい
るため、焼却煤塵に添加したときの実質量は減少する。
そのため、pH調節剤として廃棄物に対して同重量部を
添加した場合、乾燥させて破砕を行って粉体状とした非
晶質の水酸化アルミニウムは、前記のような他の一般的
なpH調節剤よりも高いアルカリ中和能力を有し、pH
調節作用が大である。さらに、上記のような非晶質の水
酸化アルミニウムは、それ自体は水には不溶性である
し、強アルカリと反応して初めて中和作用を示すもので
あるので、水に分散してもその分散液のpHはほぼ中性
領域にある。このため、非晶質水酸化アルミニウムをp
H調節剤に用いると、混練機やその付帯設備などを腐食
することがない。これに対し、前記のような硫酸アルミ
ニウム、硫酸鉄、塩化鉄、硫酸、燐酸などを用いた場合
には、pH調節作用についてみれば本発明に用いる非晶
質水酸化アルミニウムと同様な効果が得られるがことが
期待されるものの、これらのpH調節剤は溶液状で用い
られることが多く、これらの酸の溶液は非常に低pHで
あるため、混練機やその付帯設備などを腐食し、装置の
寿命を著しく低下させるおそれがある。したがって、焼
却煤塵処理材として非晶質水酸化アルミニウムを用いる
ことは、装置の保持という面からも有効である。
【0014】次に、本発明で使用する多孔質無機吸着剤
について詳しく説明する。多孔質無機吸着剤とは、炭素
以外の単一または複数種の元素からなる高分子であり、
具体的な元素としてはケイ素、アルミニウム、マグネシ
ウム、マンガン、鉄、カルシウム等が挙げられ、具体的
な化合物としては珪酸やその塩、つまり二酸化珪素、ア
ルミニウムシリケート、マグネシウムシリケートなどが
挙げられる。本発明で用いる多孔質無機吸着剤は粉体状
であり、その多孔性は、単位量の粉体中に含まれる全粒
子の表面積の総和、すなわち比表面積として表現するの
がよい。比表面積の測定には成書(粉体物性図説、粉体
工学研究会、日本粉体工業協会編、1975)にあるよ
うに、気体吸着法(BET法、Harkins−Jur
aの相対法)、液相吸着法、浸漬熱法(Harkins
−Juraの絶対法)、透過法(ブレーン法)が知られ
ているが、それぞれ測定原理を異にし、得られる結果の
意味も必ずしも同じではない。本発明法でいう比表面積
とはBET表面積法(N2)による値である。
【0015】本発明で用いる多孔性無機吸着剤として
は、容易に入手できるという理由で、多孔質二酸化珪素
や多孔質アルミニウムシリケートを使用するのが好まし
い。
【0016】多孔質二酸化珪素は、結晶性、無定形が知
られているが、ここでは、粉体状であれば使用すること
ができる。二酸化珪素としては、活性白土を酸処理して
得られる粘土鉱物から作られる珪酸、カープレックスB
S304、カープレックスBS304F、カープレック
ス#67、#80(いずれもシオノギ製薬)などの合成
珪酸があげられるが、これらに限定されるわけでない。
【0017】また、アルミニウムシリケートとはケイ酸
のケイ素の一部がアルミニウムで置換されたもので、軽
石、フライアッシュ、カオリン、ベントナイト、活性白
土、ケイソウ土、ゼオライトなどの天然のアルミニウム
シリケートや合成のアルミニウムシリケートが知られて
いる。この中でも、合成のアルミニウムシリケートは比
表面積も大きく鉛の吸着能力が高く、またアルカリ吸着
能力が高いため、pH調節剤である水酸化アルミニウム
と併用することにより効率的に鉛などの重金属を安定化
することが出来る。このようなアルミニウムシリケート
としては、キョーワード700PEL、キョーワード7
00PL(いずれも協和化学製)などが挙げられるが、
これらに限定される訳でない。
【0018】これらの二酸化珪素やアルミニウムシリケ
ートは、比表面積が大きい方が鉛などの重金属の吸着能
力が高くまたアルカリ吸着能力も高いが、あまり比表面
積が大きい吸着剤は嵩高く取り扱いが不便である。した
がって、本発明で使用する多孔質珪酸や多孔質アルミニ
ウムシリケートの比表面積は200m2 /g以上、70
0m2 /g未満であることが好ましい。このような多孔
質二酸化珪素や多孔質アルミニウムシリケートとpH調
節剤である水酸化アルニニウムを併用することにより、
効率的に鉛などの重金属を安定化することが出来る。さ
らに、多孔質アルミニウムシリケートの比表面積は40
0m2 /g以上、700m2 /g未満であることがさら
に望ましい。
【0019】発明で用いられる水溶性燐酸塩について説
明する。本発明では、水溶性燐酸塩は、廃棄物と水と共
に混合することにより溶解する。この時、廃棄物から溶
出した鉛などの有害金属と燐酸イオンが反応し、不溶性
の化合物を生成し有害金属を安定化する。本発明で用い
られる燐酸塩には種々ある。この水溶性燐酸塩として
は、燐酸、次燐酸、メタ燐酸、ポリリン酸の塩類が挙げ
られる。特に、Na3 PO4 、K3 PO4 、(NH4
3 PO4 、Na2 HPO4 、K2 HPO4 、(NH4
2 HPO4 、NaH2 PO4 、KH2 PO4 、(N
4 )H2 PO4 などが挙げられる。本発明の処理材
は、アルカリ性の焼却煤塵中の鉛を対象として処理する
場合が多い。鉛はアルカリ溶液中では多量に溶解する
が、pHが低下するとその溶解度が低下する。このた
め、燐酸塩としては、酸性を示すNaH2 PO 4 、KH
2 PO4 、(NH4 )H2 PO4 などの燐酸2水素塩で
あることが望ましい。さらに、前記のうちでKH2 PO
4 は潮解性が強く、また、(NH4 )H 2 PO4 はアル
カリ性にするとアンモニアを発生する恐れがあることか
ら、燐酸塩としてはNaH2 PO4 が最も望ましい。ま
た、これを溶解した場合のpHは液体硫酸アルミニウム
のpHよりも高い。
【0020】以上、ここまで、本発明て用いる水酸化ア
ルミニウム、多孔質吸着剤、燐酸塩のそれぞれについて
説明したが、次に、各成分の組み合わせについて、説明
する。
【0021】非晶質水酸化アルミニウムと多孔質無機吸
着剤とを組み合わせることで、鉛、クロム、銅、亜鉛の
安定化能力を高めることが出来る。この理由は、多孔質
無機吸着剤の吸着能力とpH調節能力が作用するものと
考えられる。非晶質水酸化アルミニウムの主たる作用
は、pH調節作用である。一方、多孔質無機吸着剤は、
鉛、亜鉛などの吸着が主たる作用であるが、これに固体
酸としての作用が加わることで、pH調節作用が出る。
したがって、非晶質水酸化アルミニウムと多孔質無機吸
着剤を組み合わせることで、新たな吸着作用および固体
酸としての作用が付加されると考えられる。
【0022】非晶質水酸化アルミニウムと水溶性燐酸塩
とを組み合わせることで、鉛、クロム、銅、亜鉛の安定
化能力を高めることが出来る。この理由は、水溶性燐酸
塩による有害金属の不溶化、及びカルシウム捕捉作用が
加わるものと考えられる。非晶質水酸化アルミニウムの
主たる作用は、pH調節作用である。一方、燐酸塩の作
用は、有害金属を不溶性燐酸塩にすることにある。ま
た、アルカリ発生の原因となるカルシウムイオンを燐酸
カルシウムの形で不溶化することが可能となる。したが
って、非晶質水酸化アルミニウムと水溶性燐酸塩を組み
合わせることで、pH調節が容易になり、水溶性燐酸塩
により有害金属が不溶化されると考えられる。
【0023】はじめに述べたが、本発明においては、水
酸化アルミニウムと多孔質の無機吸着剤、水酸化アルミ
ニウムと水溶性燐酸塩、多孔質の無機吸着剤と水溶性燐
酸塩とを少なくとも組み合わせることが好ましい。これ
らは、共通して、廃棄物がアルカリ性を示す場合に、そ
のために重金属が溶解しやすいという観点から水酸化ア
ルミニウムや水溶性燐酸塩のpH調節作用に着目したも
のである。したがって、アルカリ性の廃棄物を処理する
場合、セメントなどの高アルカリの原料と併用すること
は望ましくない。つまり、セメント類と、本発明で挙げ
た各種薬剤を混合した他の処理材とは本質的に異なる。
【0024】したがって、各成分の組み合わせにおいて
は、廃棄物のアルカリ量を把握して、これに基づいて各
成分の混合比率、ならびに廃棄物に対する処理材の添加
率が定まる。
【0025】本発明において、アルカリ量を測定するた
めに採用した方法は、以下のとおりである。先ず、廃棄
物1gに0.5N塩酸100mlを添加する。この分散
液を20℃で20時間振とうする。次に、この液に1N
の水酸化ナトリウムを添加してpHが7になった時の水
酸化ナトリウムの添加量を求める。この時の添加量をx
(ミリリットル)とすると、廃棄物1g当たりのアルカ
リ量y(ミリモル/g)=50−xとなる。例えば、廃
棄物中にアルカリが大量に存在する場合、アルカリ量は
12〜14ミリモル/g程度になる。一方、廃棄物中に
アルカリが比較的少ない場合には、アルカリ量は5〜7
ミリモル/g程度になる。その場合のアルカリ性の廃棄
物のアルカリ量は5ミリモル/g以上である。
【0026】はじめに、アルカリ量と水酸化アルミニウ
ムの関係について述べる。廃棄物中にアルカリが大量に
存在する場合でも、廃棄物100重量部に対して20〜
30重量部の非晶質水酸化アルミニウムを添加すること
で鉛を十分安定化することが可能となる。一方、アルカ
リが比較的少ない場合には、3重量部の非晶質水酸化ア
ルミニウムの添加で十分安定化が可能となる。したがっ
て、廃棄物100重量部に対して、非晶質水酸化アルミ
ニウムを3重量部〜30重量部になるように混合するこ
とが好ましい。但し、必要な場合にはこれよりもっと多
量の非晶質水酸化アルミニウムの添加を妨げるものでは
ない。
【0027】次に、処理材中における水酸化アルミニウ
ムと多孔質吸着剤との配合比について説明する。非晶質
水酸化アルミニウムと多孔質吸着剤の配合比は、対象と
する廃棄物中のアルカリ量、および重金属の溶出濃度に
合わせて適宜選択すれば良い。つまり、廃棄物中のアル
カリ量が多い場合には、鉛のように両性化合物は、溶出
量が増加する。したがって、水酸化アルミニウムの配合
量を多くすることが有効である。しかし、非晶質水酸化
アルミニウムの配合量が多すぎると、鉛の溶出の防止効
果をpH調節のみに依存することになるので、pHが十
分低下しなければ多量の鉛が溶出するようになる。一般
に、焼却場の廃棄物の組成は常に変動しており、アルカ
リ度も変動する。廃棄物のアルカリ度が極端に高い場合
には、水酸化アルミニウムのpH調節のみではPb溶出
量を抑えきれない。そこで、そのような場合には、多孔
質無機吸着剤の配合量を多くする必要がある。したがっ
て、処理材中のpH調節剤である水酸化アルミニウムの
配合量は95重量%以下であることが望ましい。一方、
水酸化アルミニウムの配合量が少なすぎると、廃棄物の
pHを低下させて鉛イオンなどを不安定化し多孔質無機
吸着剤の吸着能力を高めるという効果を十分引き出すこ
とができない。したがって、処理材中の非晶質水酸化ア
ルミニウムの配合量は20重量%以上であることが望ま
しい。以上のように、処理材中の水酸化アルミニウムは
20重量%以上、95重量%以下とすることが好まし
い。さらに、吸着剤の効果を安定的に発現させるために
は、水酸化アルミニウムの配合量は80重量%以下であ
ることがより好ましい。
【0028】次に、処理材中における水酸化アルミニウ
ムと水溶性燐酸塩との配合比について説明する。非晶質
水酸化アルミニウムと水溶性燐酸塩の配合比は、対象と
する焼却煤塵のアルカリ量、および重金属の溶出濃度に
合わせて適宜選択すれば良い。つまり、水酸化アルミニ
ウムと多孔質無機吸着剤の場合と同様に、水酸化アルミ
ニウムの配合量は95重量%以下であることが望まし
い。また、水酸化アルミニウムの配合量が少なすぎる
と、廃棄物のpHを低下させて鉛イオンなどを不安定化
し水溶性燐酸塩の有害金属の不溶化を高めるという効果
を十分引き出すことができない。一方、水溶性燐酸塩は
潮解性を有するため、燐酸塩の含有量が多すぎる処理材
は貯蔵中に固結してしまい、処理工場の貯槽から排出で
きなくなるおそれがある。本処理材に含有される非晶質
水酸化アルミニウムは、水溶性燐酸塩のような潮解性物
質の表面を被覆し、固結を防止する効果を有する。した
がって、処理材中の非晶質水酸化アルミニウムの配合量
は20%以上であることが望ましい。以上のように、処
理材中の水酸化アルミニウムは20重量%以上、95重
量%以下とすることが好ましい。さらに、燐酸塩の効果
を安定的に発現させるためには、水酸化アルミニウムの
配合量は80重量%以下であることがより好ましい。
【0029】次に、処理材中における多孔質無機吸着剤
および水溶性燐酸塩の配合比について説明する。処理材
中の燐酸塩と多孔質吸着剤の配合比は、対象とする焼却
煤塵のカルシウム溶出量に合わせて最適な配合を適宜選
択すればよいが、粉体の取扱いの面から以下のような配
合比が適当である。多孔質吸着材は、一般に嵩密度が小
さく(緩め密度0.2〜0.4g/cm3 程度)である
ことから、多孔質吸着剤が多すぎると処理材の体積が増
大し扱いにくくなる。一方、燐酸塩は潮解性を有するた
め、燐酸塩の含有量が多すぎる処理材は貯蔵中に固結し
てしまい、処理工場の貯槽から排出できなくなるおそれ
がある。本処理材に含有される多孔質吸着剤は、燐酸塩
の表面を被覆し、固結を防止する効果を持つ。したがっ
て、処理材中に含まれる燐酸塩の量は20重量%以上で
あることが望ましく、80重量%以下であることが望ま
しい。
【0030】以上、本発明の処理剤としては、水酸化ア
ルミニウムと多孔質の無機吸着剤、水酸化アルミニウム
と水溶性燐酸塩、多孔質の無機吸着剤と水溶性燐酸塩と
を少なくとも組み合わせることが好ましいこと、および
その配合比について述べた。この外に、水酸化アルミニ
ウム、多孔質の無機吸着剤、および水溶性燐酸塩の3種
類の全てを混合することも、本発明の範疇である。さら
に、上記のような主成分に加えて、硫酸鉄、塩化鉄など
を中和剤として加えることも本発明の範疇である。ま
た、必要に応じてアルミナセメントなどの低カルシウム
性のセメントを加えてもよい。
【0031】さて、これまでは、アルカリ性の廃棄物に
対する処理材について述べたが、廃棄物の中には、中
性、酸性を示す、焼却煤塵・主灰・溶融煤塵などの都市
ゴミ焼却灰、産業廃棄物焼却灰、シュレッダーダスト、
廃水処理にともない発生する重金属を含んだ汚泥、鉱さ
い、汚染土壌なども存在する。そのような場合には、ア
ルカリ追加剤を加えて、廃棄物を一旦アルカリ性とした
うえで、上記のような水酸化アルミニウムや多孔質吸着
剤などの処理材を作用させることが有効である。この場
合のアルカリ追加剤としては、水ガラス、水酸化ナトリ
ウム、水酸化カルシウム、セメントなどが挙げられる。
ここで使用するセメントとしては、ポルトランドセメン
ト系(普通、超早強、中よう熱、耐硫酸塩など)、混合
セメント系(フライアッシュ、高炉、シリカなど)、ア
ルミナセメントなどの水硬性セメントや、pH調整の目
的で石膏や石灰を混合したセメントなども使用すること
ができる。
【0032】次に、本発明に係る廃棄物処理材の作製方
法に付いて説明する。本発明の処理材は、それぞれの成
分が粉体状の場合には、それらを予め混合してもよい
し、また、使用に際して混合してもよい。さらに、必要
に応じてその他の成分を混合して処理材としてもよい。
また、廃棄物の処理時に、上記のような処理材の主成分
に加えて、セメントやキレート剤その他の処理材成分、
及び廃棄物の全てを同時に混合してもよい。この場合、
混合の仕方とか順序については特に制限はない。なお、
予め混合する場合の処理材の保存に当たっては、水分の
混合を出来るだけ避けるのがよい。
【0033】次に、本発明の処理材による廃棄物の処理
方法を説明する。本発明の廃棄物処理材は、鉛、クロ
ム、銅、および亜鉛からなる群より選ばれた少なくとも
1つの有害金属を含有する廃棄物とともに混合し、必要
に応じて水を添加して混練することが好ましい。この場
合の好ましい実施態様としては、ホッパーに集められた
焼却煤塵などの廃棄物を、別のホッパーからの廃棄物処
理材とを混合し、必要に応じてこれに水を加え賦型装置
内で十分に練り合わせて押し出す。ここで、廃棄物処理
材としては、取扱いが容易であることから粉体状である
方が好ましい。
【0034】以上は、すべての成分が粉体状の場合であ
るが、非晶質の水酸化アルミニウムはスラリー状でも入
手可能なため、多孔質吸着剤や水溶性燐酸塩などの他の
成分と同時に添加する以外に、水酸化アルミニウムを前
処理材あるいは後処理材として使用してもよい。
【0035】一般に、従来のセメントによる処理方法で
は、廃棄物100重量部に対して10〜30重量部のセ
メントを加えて混練を行う。これは処理物の減容化の観
点から30重量部以上の薬剤の添加は現実的でないから
である。本発明の処理材を用いる場合には、セメントを
同量加えた場合よりも優れた性能が得られる。したがっ
て、例えば、セメントと同等の重金属安定化能を希望す
る場合には、セメントよりも少量の処理材の添加でよ
く、固化物の減容化が期待できる。また、従来のセメン
トでは30重量部添加しても重金属の安定化が不十分な
場合が多く、本発明の処理材をセメントと同量加えるこ
とで、セメント処理に比べてより強力な重金属安定化効
果が期待できる。本発明の処理材の廃棄物に対する添加
量は、上記のように処理物の減容化の観点から30重量
部以下であることが望ましい。また、同じ焼却場でも焼
却煤塵中における鉛などの有害金属の含有量は大きく変
化するので、安定的に処理材の効果を発現させるという
観点から、廃棄物に対して処理材を3重量部以上添加す
ることが望ましい。
【0036】本発明の廃棄物処理方法では、廃棄物と処
理材とを混練するものであるが、この混練したものは、
さらに数日もしくは数週間養生して固化することによ
り、有害金属の安定化性能が更に向上する。したがっ
て、混練した後に、養生固化することが好ましい。
【0037】さて、これまでは、アルカリ性の廃棄物に
ついての処理方法に関して述べたが、廃棄物の中には、
中性、酸性を示す、焼却煤塵・主灰・溶融煤塵などの都
市ゴミ焼却灰、産業廃棄物焼却灰、シュレッダーダス
ト、廃水処理にもとない発生する重金属を含んだ汚泥、
鉱さい、汚染土壌なども存在する。これらの廃棄物の廃
棄物1g当たりのアルカリ量はおおむね5ミリモル未満
である。そのような廃棄物においては、水酸化アルミニ
ウムを単独で使用しても効果が少ない。このような場合
には、予め、X線的に非晶質な水酸化アルミニウムに、
水ガラス、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、およ
びセメントからなる群から選択される少なくとも1種を
アルカリ追加剤として混合し、または別に廃棄物に添加
して必要に応じて水を添加したものを混練することがよ
い。つまり廃棄物1g当たりのアルカリ量が5ミリモル
未満で、かつ鉛、クロム、銅、亜鉛からなる群より選ば
れた少なくとも1つの有害物質を含有する廃棄物を処理
する際に、廃棄物に対して、X線的に非晶質な水酸化ア
ルミニウムと多孔質無機吸着剤に、さらに水ガラス、水
酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、セメントからなる
群から選択される少なくとも1種をアルカリ追加剤とし
て混合し、必要に応じて水を添加したものを混練し、養
生固化させることも本発明の範疇である。また、上記の
ように混練したものを養生固化することにより、有害金
属の安定化性能が向上する。したがって、混練後に、養
生固化することが好ましい。
【0038】本発明の処理材および処理方法を適用し得
る廃棄物としては、焼却灰、鉱さい、土壌、汚泥が好適
である。焼却灰には、主灰と焼却煤塵がある。焼却煤塵
は、都市ゴミや産業廃棄物などの焼却に伴って発生する
粉状の煤塵や、溶融炉から発生する煤塵を集塵したもの
であり、電気集塵器で集塵したEP灰や、バグフィルタ
ーなどで集塵したバグ灰などがあげられる。本発明で
は、このようにして得られた焼却煤塵、特にアルカリ性
の高い焼却煤塵が対象となる。アルカリ性の高い焼却煤
塵としては、排ガス中の塩化水素ガス除去の目的で、特
号消石灰や、タマカルク(奥多摩工業製)などの比表面
積の大きい消石灰や、ゾルバリッド(菱光石灰工業製)
などの有害金属除去材を添加した消石灰や、サンパルフ
ァー(旭化成工業製)などの珪酸カルシウムを主成分と
するものを吹き込まれた焼却煤塵についても対象とな
る。これらの焼却煤塵の1g当たりのアルカリ量はおお
むね5ミリモル以上である。一方、主灰は、都市ごみや
産業廃棄物の焼却場で、焼却炉下部より排出される灰で
あり、有害な重金属を含むものが対象となる。さらに、
本発明では、鉱山より排出される鉱さい、重金属などで
汚染された土壌中の重金属の安定化、廃水処理にともな
い発生する重金属を含んだ汚泥についても対象となる。
【0039】また、廃棄物の中には、中性、酸性を示
す、焼却煤塵・主灰・溶融煤塵などの都市ゴミ焼却灰、
産業廃棄物焼却灰、シュレッダーダスト、廃水処理にも
とない発生する重金属を含んだ汚泥、鉱さい、汚染土壌
などが存在する。これらの廃棄物の1g当たりのアルカ
リ量はおおむね5ミリモル未満である。既に述べたよう
に、本発明の処理材および処理方法は、このような中
性、酸性の廃棄物であっても、アルカリ追加剤を添加し
て一旦アルカリ性としたうえで、処理材を作用させるこ
とで、これら中性、酸性の廃棄物にも適用することがで
きる。
【0040】
【発明の効果】本発明の廃棄物処理材を用いて有害金属
を含有する産業廃棄物や都市ゴミの焼却炉から排出され
るEP灰やバグ灰(特に、消石灰や生石灰を吹き込んだ
EP灰やバグ灰)などを処理することで、有害重金属、
特に鉛が効率よく安定化され、溶出量が減少し、安定化
処理に非常に有効なものである。有害重金属では鉛、カ
ドミウム、水銀、クロム、銅、ニッケル、亜鉛などを安
定化できる。さらに、本発明の廃棄物処理材を用いる事
により、有害な重金属を含有する産業廃棄物、半導体工
場やメッキ工場から排出される重金属を含む産業処理物
の処理を行う事が出来る。また、半導体工場やメッキ工
場のような各種廃液の処理後に排出されるスラリー状ス
ラッジや脱水ケーキスラッジ、あるいは製鋼所での電気
炉溶融窯などの作業場での作業環境保全用の有害集塵ダ
スト、都市ゴミ溶融炉から出る煤塵あるいは埋立投棄処
分等による汚染土壌などを安定化処理する事が出来、こ
の際、有害重金属が安定化され、溶出量が抑えられる。
【0041】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に
説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0042】実施例1 アルミニウム加工工場でアルマイト処理時に発生した水
酸化アルミニウムスラリー廃棄物を脱水し、品温150
℃で乾燥し粉末状にして、下記表1に示す非晶質水酸化
アルミウニムを得た。
【0043】
【表1】
【0044】酸性白土を硫酸で加熱処理した後十分洗浄
して、下記表2に示す多孔質二酸化珪素(比表面積25
0m2 /g)を得た。なお、表2に示す多孔質二酸化ケ
イ素の分析は、JIS.M−8855(ろう石の分析
法)に準拠して行った。
【0045】
【表2】
【0046】上記のようにした得られた非晶質水酸化ア
ルミニウムと多孔質二酸化珪素とを混合して、下記表3
に示す本発明の廃棄物処理材(処理材1)を得た。
【0047】
【表3】
【0048】都市ゴミ焼却工場から排出された、鉛を大
量に含有する煤塵A(無処理時における環境庁告示13
号法によるPb溶出量490mg/L、pH12.3
7、アルカリ量7.3ミリモル/g)30g(100重
量部)に対して、0.9g(3重量部)の上記粉体処理
材(処理材1)および18g(60重量部)の水を添加
して混練を行い、20℃で1日間養生固化させた。この
処理材を用いた場合の無害化効果を調べるために、環境
庁告示13号法で鉛の溶出試験を行った。この時の試験
結果を下記の表4に示す。比較例として、上記の非晶質
水酸化アルミニウムのみを比較材1−1として3重量部
添加した場合および多孔質二酸化珪素のみを比較材1−
2として3重量部添加した場合の鉛溶出量も示す。な
お、表4には試験に用いた煤塵Aの無処理における鉛溶
出量を併記した。
【0049】
【表4】
【0050】表4に示される試験結果は、非晶質水酸化
アルミニウムと多孔質二酸化珪素を併用すると、3重量
部という少量の添加量であるにも関わらず、焼却煤塵に
関する規制値(0.3mg/L)以下に鉛溶出量を低下
させうることを示している。また、pH調節剤である非
晶質水酸化アルミニウムを単独で用いるよりも多孔質二
酸化珪素を併用した方が鉛安定化能力が飛躍的に向上す
ることを示している。さらに、非晶質水酸化アルミニウ
ムと多孔質二酸化珪素を併用することにより、pHを低
下させる能力も向上していることがわかる。また、非晶
質水酸化アルミニウムを併用しない比較材1−2の場合
にはPb溶出量が極端に高い事が分かる。
【0051】実施例2 実施例1で用いたと同じ粉末状の非晶質水酸化アルミニ
ウムと多孔質二酸化珪素(比表面積250m2 /g)も
しくは多孔質合成アルミニウムシリケート(比表面積5
00m2 /g、協和化学製、キョーワードPEL70
0)を下記の表5に示す配合比で混合して本発明の廃棄
物処理材を得た(処理材2−1、2−2)。また、非晶
質水酸化アルミニウム単独のものを比較材2とした。
【0052】
【表5】
【0053】都市ゴミ焼却工場から排出された、鉛を大
量に含有し、かつ消石灰を吹き込まれた2種の煤塵(煤
塵B:無処理時における環境庁告示13号法によるPb
溶出量33mg/L、pH12.54、;煤塵C:無処
理時における環境庁告示13号法によるPb溶出量10
0mg/L、pH12.02)30g(100重量部)
に対して、2.4g(8重量部)もしくは4.5g(1
5重量部)の上記粉体処理材(処理材2−1、2−2)
および18g(60重量部)の水を添加して混練を行
い、20℃で4日間もしくは7日間養生固化させた。こ
れらの処理材を用いた場合の無害化効果を調べるため
に、環境庁告示13号法で鉛の溶出試験を行った。この
時の試験結果を以下の表6に示す。比較例として、上記
の非晶質水酸化アルミニウムのみを比較材2として8重
量部もしくは15重量部添加した場合の鉛溶出量も示
す。なお、表6には、試験に用いた煤塵B、Cの無処理
における鉛溶出量を併記した。
【0054】
【表6】
【0055】表6に示される結果は、pH調節剤である
非晶質水酸化アルミニウムを単独で用いるよりも多孔質
二酸化珪素や多孔質アルミニウムシリケートを併用した
方が鉛安定化能力が飛躍的に向上するとともにpHを低
下させる能力も向上することがわかる。さらに、非晶質
水酸化アルミニウムと多孔質アルミニウムシリケートを
併用した場合には、15重量部の添加量で鉛溶出量を規
制値(0.3mg/L)以下にすることができている。
【0056】実施例3 実施例1で用いたと同じ粉末状の非晶質水酸化アルミニ
ウムと多孔質二酸化珪素(比表面積250m2 /g)も
しくは多孔質合成アルミニウムシリケート(比表面積5
00m2 /g、協和化学製、キョーワードPEL70
0)を下記の表7に示す配合比で混合して本発明の廃棄
物処理材を得た(処理材3−1、3−2)。また、非晶
質水酸化アルミニウムの替わりに硫酸アルミニウム(1
8水和物)を用いたものを比較材3−1、3−2とし
た。
【0057】
【表7】
【0058】都市ゴミ焼却工場から排出された、鉛を大
量に含有し、かつ消石灰を吹き込まれた煤塵D(無処理
時における環境庁告示13号法によるPb溶出量130
mg/L、pH12.48、)30g(100重量部)
に対して、4.5g(15重量部)の上記粉体処理材お
よび18g(60重量部)の水を添加して混練を行い、
20℃で7日間養生固化させた。これらの処理材を用い
た場合の無害化効果を調べるために、環境庁告示13号
法で鉛の溶出試験を行った。この時の試験結果を以下の
表8に示す。なお、表8には、試験に用いた煤塵Dの無
処理における鉛溶出量を併記した。
【0059】
【表8】
【0060】表8に示される結果は、煤塵処理において
pH調節剤として一般的に用いられる硫酸アルミニウム
よりも水酸化アルミニウムが鉛安定化性能に優れている
ことが分かる。この理由は、以下のように推定してい
る。硫酸アルミニウムは18水塩であり硫酸アルミニウ
ムの実質量は半減するために、同重量を添加する場合に
は、硫酸アルミニウム(18水塩)と多孔質二酸化珪素
もしくは多孔質アルミニウムシリケートを併用するより
も、非晶質水酸化アルミニウムと多孔質二酸化珪素もし
くは多孔質アルミニウムシリケートを併用した方が、p
Hが効果的に低下し、鉛安定化能力が向上する。
【0061】実施例5 実施例1で用いたと同じ粉末状の非晶質水酸化アルミニ
ウムと多孔質二酸化珪素(比表面積250m2 /g)を
下記の表9に示す配合比で混合して本発明の廃棄物処理
材を得た(処理材4−1〜4−3)。
【0062】
【表9】
【0063】都市ゴミ焼却工場から排出された、鉛を大
量に含有し、かつ、消石灰を大量に吹き込まれた煤塵E
(無処理時における環境庁告示13号法によるPb溶出
量320mg/L、pH12.08、)30g(100
重量部)に対して、6g(20重量部)の上記粉体処理
材および18g(60重量部)の水を添加して混練を行
い、20℃で7日間養生固化させた。これらの処理材を
用いた場合の無害化効果を調べるために、環境庁告示1
3号法で鉛の溶出試験を行った。この時の試験結果を下
記の表10に示す。なお、表10には、試験に用いた煤
塵Eの無処理における鉛溶出量を併記した。
【0064】
【表10】
【0065】表10に示される結果は、320mg/L
という多量のPbが溶出する煤塵についても、本発明の
処理材を添加することにより、pHを低下させPbを吸
着する事でPb溶出量を検出限界以下(<0.1mg/
L)にできることを示している。
【0066】実施例5 アルマイト処理時に発生した水酸化アルミニウムスラリ
ー廃棄物(固形分25%および固形分16%)および上
記スラリーを脱水、乾燥し粉末状にして得られた非晶質
水酸化アルミニウムを前処理材として用い、実施例1で
用いたと同じ多孔質二酸化珪素(比表面積250m2
g)を処理材とした。
【0067】
【表11】
【0068】都市ゴミ焼却工場から排出された、鉛を大
量に含有し、かつ、消石灰を大量に吹き込まれた煤塵F
(無処理時における環境庁告示13号法によるPb溶出
量280mg/L、pH12.29)30g(100重
量部)に対して、所定量の前処理材および水を添加して
混練し、その後に処理材を添加して充分に混練した。2
0℃で1日間養生固化させたのち、処理物の無害化効果
を調べるために、環境庁告示13号法で鉛の溶出試験を
行った。この時の試験条件を下記表12に、また試験結
果を表13に示す。
【0069】
【表12】
【0070】
【表13】
【0071】表13に示される結果は、非晶質水酸化ア
ルミニウムのスラリーや粉体を前処理材として用い、そ
の後に多孔質吸着剤を添加するにより、Pb溶出量を規
制値(0.3mg/L)以下にできることを示してい
る。
【0072】実施例6 多孔質合成アルミニウムシリケート(比表面積500m
2/g、協和化学製、キョーワードPEL700)を処
理材として用い、アルマイト処理時に発生した水酸化ア
ルミニウムスラリー廃棄物(固形分25%および固形分
16%)および上記スラリーを脱水、乾燥し粉末状にし
て得られた非晶質水酸化アルミニウムを後処理材として
用いた。
【0073】
【表14】
【0074】都市ゴミ焼却工場から排出された、鉛を大
量に含有する煤塵A(無処理時における環境庁告示13
号法によるPb溶出量490mg/L、pH12.3
7、アルカリ量7.3ミリモル/g)30g(100重
量部)に対して、処理材を10重量部添加して混合した
後、60重量部の水を添加し混練した。この後、所定量
の後処理材を添加して充分に混練した。1日間養生固化
させたのち、処理物の無害化効果を調べるために、環境
庁告示13号法で鉛の溶出試験を行った。この時の試験
条件を下記表15に、試験結果を表16に示す。
【0075】
【表15】
【0076】
【表16】
【0077】表16に示される結果は、多孔質吸着剤を
用いて煤塵を処理した後、非晶質水酸化アルミニウムの
スラリーや粉体を後処理材として添加するにより、Pb
溶出量を規制値(0.3mg/L)以下にできることを
示している。
【0078】実施例7 実施例1で用いたと同じ粉末状の非晶質水酸化アルミニ
ウムとNaH2 PO4(和光純薬製、無水物)とを混合
して本発明の廃棄物処理材を得た(処理材7)。また、
非晶質水酸化アルミニウム単独のものを比較材7とし
た。
【0079】
【表17】
【0080】都市ゴミ焼却工場から排出された、鉛を大
量に含有し、かつ、消石灰を大量に吹き込まれた煤塵G
(無処理時における環境庁告示13号法によるPb溶出
量450mg/L、pH11.91)30gに対して、
6g(20重量部)の上記処理材および18g(60重
量部)の水を添加して混練を行い20℃で1日間養生固
化させた。その後、これらの処理材を用いた場合の無害
化効果を調べるために、環境庁告示13号法で鉛の溶出
試験を行った。この時の試験結果を下記の表18に示
す。比較例として、上記の非晶質水酸化アルミニウムの
み(比較材7)を6g(20重量部)添加した場合、お
よび無処理の場合の鉛溶出量も示す。
【0081】
【表18】
【0082】表18に示される試験結果は、非晶質水酸
化アルミニウムとNaH2 PO4 を併用した方が非晶質
水酸化アルミニウムを単独で用いるよりも鉛安定化能力
に優れていることを示している。また、無処理鉛溶出量
が450mg/Lの高濃度であるにもかかわらず、鉛溶
出量を規制値(0.3mg/L)以下にすることができ
ている。
【0083】実施例13 実施例1で用いたと同じ粉体状の多孔質二酸化珪素(比
表面積250m2 /g)と下記の表19に示す各種燐酸
塩とを混合して本発明の廃棄物処理材を得た(処理材8
−1〜8−3)。また、非晶質水酸化アルミニウム単独
のものを比較材8とした。
【0084】
【表19】
【0085】都市ゴミ焼却工場から排出された、鉛を大
量に含有し、かつ、消石灰を大量に吹き込まれた煤塵H
(無処理時における環境庁告示13号法によるPb溶出
量94mg/L、pH12.40、)30gに対して、
6g(20重量部)の上記処理材および18gの水を添
加して混練を行い20℃で1日間養生固化させた。その
後、これらの処理材を用いた場合の無害化効果を調べる
ために、環境庁告示13号法で鉛の溶出試験を行った。
この時の試験結果を下記の表20に示す。比較例とし
て、上記多孔質二酸化珪素のみを比較材8として6g
(20重量部)添加した場合の鉛溶出量も示す。なお、
表20には試験に用いた煤塵Hの無処理における鉛溶出
量を併記した。
【0086】
【表20】
【0087】表20に示される試験結果は、多孔質二酸
化珪素と燐酸塩を併用した本発明の廃棄物処理材が、多
孔質二酸化珪素を単独で用いる場合よりも鉛安定化能力
に優れていることを示している。また、同じ燐酸塩にお
いても、燐酸2水素塩の方が鉛安定化能力に優れてお
り、NaH2 PO4 を用いた場合には鉛溶出量を規制値
(0.3mg/L)以下にすることができる。
【0088】実施例9 粉体状の合成アルミニウムシリケート(協和化学製、キ
ョーワード700PEL、比表面積500m2 /g)と
NaH2 PO4 (和光純薬製、無水物)とを混合して本
発明の廃棄物処理材を得た(処理材9)。また、前記多
孔質アルミニウムシリケート単独のものを比較材9とし
た。
【0089】
【表21】
【0090】都市ゴミ焼却工場から排出された、鉛を大
量に含有し、かつ、消石灰を大量に吹き込まれた煤塵H
(無処理時における環境庁告示13号法によるPb溶出
量94mg/L、pH12.40)30gに対して、
4.5g(15重量部)もしくは6g(20重量部)の
上記処理材および18g(60重量部)の水を添加して
混練を行い20℃で1日間養生固化させた。その後、こ
れらの処理材を用いた場合の無害化効果を調べるため
に、環境庁告示13号法で鉛の溶出試験を行った。この
時の試験結果を以下の表22に示す。比較例として、上
記の非晶質水酸化アルミニウムのみ(比較材9)を4.
5g(15重量部)もしくは6g(20重量部)添加し
て同様の処理を行った場合の鉛溶出量も示す。
【0091】
【表22】
【0092】表22に示される試験結果は、粉体状の多
孔質アルミニウムシリケートとNaH2 PO4 を併用し
た本処理材が、非晶質水酸化アルミニウムを単独で用い
るよりも鉛安定化能力に優れていることを示している。
また、本処理材を20重量部添加することにより、鉛溶
出量を規制値(0.3mg/L)以下にすることができ
る。
【0093】実施例10 実施例1で用いたと同じ粉末状の非晶質水酸化アルミニ
ウムと多孔質二酸化珪素(比表面積250m2 /g)
と、さらに消石灰(和光純薬製)を混合して、下記の表
23に示す本発明の廃棄物処理材を得た。
【0094】
【表23】
【0095】都市ゴミ焼却工場から排出された、鉛を大
量に含有する煤塵I(環境庁告示13号法による無処理
時のPb溶出量99mg/L、pH6.40、アルカリ
量4.3ミリモル/g)30g(100重量部)に対し
て、4.5g(15重量部)の上記粉体処理材(処理材
10−1〜10−3)および18g(60重量部)の水
を添加して混練を行い、20℃で1日間養生固化させ
た。これらの処理材を用いた場合の無害化効果を調べる
ために、環境庁告示13号法で鉛の溶出試験を行った。
この時の試験結果を下記の表24に示す。比較例とし
て、上記の非晶質水酸化アルミニウムのみを比較材10
−1として3重量部添加した場合および多孔質二酸化珪
素のみを比較材10−2として3重量部添加した場合の
鉛溶出量も示す。なお、表24には試験に用いた煤塵I
の無処理における鉛溶出量を併記した。
【0096】
【表24】
【0097】表24に示される試験結果は、低アルカリ
量の煤塵に対しては、粉体状の多孔質アルミニウムシリ
ケートと無機吸着剤に加えて消石灰を併用した本処理材
が、粉体状の多孔質アルミニウムシリケートと無機吸着
剤からなる処理材を用いるよりも、pHを中性付近から
10付近に引き上げることができ、鉛安定化能力に優れ
ていることを示している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C02F 11/00 ZAB B09B 3/00 301M 304K (72)発明者 原 和宏 大阪府摂津市鳥飼西5丁目1番1号 鐘淵 化学工業株式会社内 (72)発明者 上北 正和 大阪府摂津市鳥飼西5丁目1番1号 鐘淵 化学工業株式会社内

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉛、クロム、銅、および亜鉛からなる群
    より選択される少なくとも1つの有害金属を含有する廃
    棄物を処理するための処理材であって、X線的に非晶質
    な水酸化アルミニウム、粉体状の多孔質無機吸着剤、お
    よび水溶性燐酸塩からなる群から選択される少なくとも
    2種を主成分としてなる処理材。
  2. 【請求項2】 前記水酸化アルミニウムと多孔質無機吸
    着剤を主成分としてなり、水酸化アルミニウムを20重
    量%以上、95重量%以下含む請求項1に記載の廃棄物
    処理材。
  3. 【請求項3】 前記水酸化アルミニウムを20重量%以
    上、80重量%以下含む請求項2に記載の廃棄物処理
    材。
  4. 【請求項4】 前記水酸化アルミニウムと水溶性燐酸塩
    を主成分としてなり、水酸化アルミニウムを20重量%
    以上、95重量%以下含む請求項1に記載の廃棄物処理
    材。
  5. 【請求項5】 前記水酸化アルミニウムを20重量%以
    上、80重量%以下含む請求項4に記載の廃棄物処理
    材。
  6. 【請求項6】 前記主成分に加えて、さらに、硫酸鉄、
    塩化鉄、および硫酸アルミニウムからなる群から選択さ
    れる少なくとも1種をアルカリ中和剤として含む請求項
    2〜5のいずれかに記載の廃棄物処理材。
  7. 【請求項7】 前記主成分に加えて、さらに、水ガラ
    ス、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、およびセメ
    ントからなる群から選択される少なくとも1種をアルカ
    リ追加剤として含む請求項2〜5のいずれかに記載の廃
    棄物処理材。
  8. 【請求項8】 前記多孔質無機吸着剤と水溶性燐酸塩を
    主成分としてなり、水溶性燐酸塩を20重量%以上、8
    0重量%以下含む請求項1に記載の廃棄物処理材。
  9. 【請求項9】 前記水酸化アルミニウムが、アルマイト
    処理工程で発生する水酸化アルミニウム廃棄物である請
    求項1〜7のいずれかに記載の廃棄物処理材。
  10. 【請求項10】 前記水酸化アルミニウムが、前記水酸
    化アルミニウム廃棄物の脱水ケーキを250℃以下の品
    温で乾燥させた後、粉砕して得られる粉体である請求項
    9に記載の廃棄物処理材。
  11. 【請求項11】 前記多孔質無機吸着剤が、粉体状の多
    孔質アルミニウムシリケートおよび多孔質二酸化珪素か
    らなる群から選択される少なくとも1種であり、かつ、
    BET表面積法(N2 )による比表面積が200m2
    g以上、700m2 /g未満である請求項1、2、また
    は8に記載の廃棄物処理材。
  12. 【請求項12】 前記水溶性燐酸塩が、燐酸、次燐酸、
    メタ燐酸、およびポリ燐酸からなる群から選択される少
    なくとも1種の燐酸の塩類である請求項1、4、または
    8に記載の廃棄物処理材。
  13. 【請求項13】 前記水溶性燐酸塩が、粉体状の燐酸2
    水素塩である請求項12に記載の廃棄物処理材。
  14. 【請求項14】 前記燐酸2水素塩が、NaH2 PO4
    である請求項13に記載の廃棄物処理材。
  15. 【請求項15】 鉛、クロム、銅、および亜鉛からなる
    群より選ばれた少なくとも1つの有害金属を含有する廃
    棄物を処理するに際して、前記廃棄物100重量部に対
    して、X線的に非晶質な水酸化アルミニウム、粉体状の
    多孔質無機吸着剤、および水溶性燐酸塩からなる群から
    選択される少なくとも2種を主成分とする廃棄物処理材
    を3重量部〜30重量部混合し、必要に応じて水を添加
    して混練することからなる廃棄物処理方法。
  16. 【請求項16】 前記廃棄物に対して前記処理材を粉体
    状で混合し、必要に応じて水を添加して混練する請求項
    15に記載の廃棄物処理方法。
  17. 【請求項17】 前記廃棄物100重量部に対して、前
    記水酸化アルミニウムを粉体状もしくはスラリー状で3
    重量部〜27重量部添加した後、前記多孔質無機吸着
    剤、および水溶性燐酸塩から選択される少なくとも1種
    を3重量部〜27重量部添加して混合し、必要に応じて
    水を添加して混練する請求項15に記載の廃棄物処理方
    法。
  18. 【請求項18】 前記廃棄物100重量部に対して、前
    記多孔質無機吸着剤、および水溶性燐酸塩からなる群か
    ら選択される少なくとも1種を3重量部〜27重量部混
    合した後、前記水酸化アルミニウムを粉体状もしくはス
    ラリー状で3重量部〜27重量部添加して混合し、必要
    に応じて水を添加して混練する請求項15に記載の廃棄
    物処理方法。
  19. 【請求項19】 前記廃棄物と処理材とを混練した後、
    養生固化させる請求項15〜18のいずれかに記載の廃
    棄物処理方法。
  20. 【請求項20】 前記廃棄物が、焼却煤塵、主灰、溶融
    煤塵などの都市ゴミ焼却灰、産業廃棄物焼却灰、シュレ
    ッダーダスト、汚泥、鉱さい、または汚染土壌である請
    求項15〜19のいずれかに記載の廃棄物処理方法。
  21. 【請求項21】 前記廃棄物が、高アルカリ性の都市ゴ
    ミ焼却煤塵である請求項20に記載の廃棄物処理方法。
  22. 【請求項22】 前記廃棄物が、廃棄物1gに0.5N
    塩酸100ミリリットルを添加して20℃で20時間振
    とうした後、1N水酸化ナトリウム溶液を添加してpH
    7となった時の水酸化ナトリウム溶液の添加量がx(ミ
    リリットル)である場合に、廃棄物1g当たりのアルカ
    リ量y(ミリモル/g)=50−x、として算出した廃
    棄物1g当たりのアルカリ量yが5ミリモル以上の都市
    ゴミ焼却煤塵である請求項21に記載の廃棄物処理方
    法。
  23. 【請求項23】 廃棄物1gに0.5N塩酸100ミリ
    リットルを添加して20℃で20時間振とうした後、1
    N水酸化ナトリウム溶液を添加してpH7となった時の
    水酸化ナトリウム溶液の添加量がx(ミリリットル)で
    ある場合に、廃棄物1g当たりのアルカリ量y(ミリモ
    ル/g)=50−x、として算出した廃棄物1g当たり
    のアルカリ量が5ミリモル未満である廃棄物100重量
    部に対して、前記水酸化アルミニウムおよび多孔質吸着
    剤を主成分とし、さらに、水ガラス、水酸化ナトリウ
    ム、水酸化カルシウム、およびセメントからなる群から
    選択される少なくとも1種をアルカリ追加剤として混合
    し、必要に応じて水を添加して混練する請求項15に記
    載の廃棄物処理方法。
  24. 【請求項24】 前記廃棄物と処理材とを混練した後、
    養生固化させる請求項23に記載の廃棄物処理方法。
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