JP2004247432A - 部品搭載装置及び吸着ノズル - Google Patents
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Abstract
【課題】小型化された矩形形状の電子部品であっても位置ズレによる吸着ノズルの吸着ミスが生じ難く、吸着ノズルにおける電子部品の連続安定吸着を可能とする部品搭載装置の提供を目的とする。
【解決手段】部品供給装置(11)から供給される電子部品の部品供給位置とプリント基板(8)の間の位置制御をする作業ロボット(12、13、15)に、該電子部品の吸着または解放を空気圧の制御に基づいて行なう吸着ノズル(18)を装着して、該部品供給位置における該電子部品の吸着と該プリント基板(8)上の搭載位置における該電子部品の解放を、該吸着ノズル(18)の空気孔に対する空気圧の制御に基づいて行なう部品搭載装置(1)において、該電子部品を吸着する該吸着ノズル(18)の吸着面に形成される空気孔の形状を、一方向を長く、該方向と直交する方向を短い領域で形成する部品搭載装置(1)。
【選択図】 図1
【解決手段】部品供給装置(11)から供給される電子部品の部品供給位置とプリント基板(8)の間の位置制御をする作業ロボット(12、13、15)に、該電子部品の吸着または解放を空気圧の制御に基づいて行なう吸着ノズル(18)を装着して、該部品供給位置における該電子部品の吸着と該プリント基板(8)上の搭載位置における該電子部品の解放を、該吸着ノズル(18)の空気孔に対する空気圧の制御に基づいて行なう部品搭載装置(1)において、該電子部品を吸着する該吸着ノズル(18)の吸着面に形成される空気孔の形状を、一方向を長く、該方向と直交する方向を短い領域で形成する部品搭載装置(1)。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリント基板に電子部品を搭載する部品搭載技術に関し、特に、電子部品を吸着する吸着ノズルに特徴を有する部品搭載装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子機器等に使用されているプリント基板に構成される電子部品(例えば、抵抗・コンデンサ・トランジスタ・ICチップ等)を当該プリント基板上に搭載するための装置として、マウンタと呼ばれる部品搭載装置が一般的に知られている。
【0003】
上記部品搭載装置は、コンベアベルトなどの搬送部によって配線パターンが印刷されたプリント基板をラインの上流から取り込み、そのプリント基板を電子部品の搭載処理を行なう領域に位置決めして固定し、オペレータによって本装置に装着された部品供給装置(複数個の電子部品を収容し、電子部品の一つ一つを部品搭載装置に送り出す、例えばテープカセット式部品供給装置などの装置)の電子部品送出動作により部品供給位置に送り出された電子部品を、作業ロボットが部品供給位置から上記搭載領域に固定したプリント基板上に次々に搭載し、電子部品の搭載を終えると、搬送部によって当該プリント基板をライン下流のリフロー装置などに送り出す。
【0004】
部品搭載装置の上方には、部品供給位置上方からプリント基板の搭載位置上方に延在するY軸レール、Y軸レールと90度の角をなして吊接され、Y軸に沿って摺動するX軸レール、X軸レールに垂下され、X軸に沿って摺動する作業ヘッド支持塔、及び、作業ヘッド支持塔に固定される作業ヘッドが構成されている。
【0005】
上記作業ヘッドには、サーボモータの駆動によってZ軸方向への昇降動作や360度の軸回転が可能なシャフトがZ軸方向に延在している。シャフトは内部に空気の通り道を有する中空構造のものであり、シャフトの下端には、電子部品の取得を行なう吸着ノズルを保持する保持機構が構成されている。
【0006】
吸着ノズルは内部が中空構造のすり鉢状の形態をしており、電子部品の取得を直接行なう一端(吸着面)に対し、他端をシャフトの保持機構に装着して使用する。
吸着ノズルを装着したシャフトの他端にはエアホースが接続されており、ここに送り込む空気を電磁弁で制御することによって、吸着ノズルの吸着面に構成される空気孔に加える空気圧を制御する。
【0007】
上記作業ロボットでは、部品搭載装置に搭載された制御装置による、上記X軸レールのY軸方向への移動や、上記作業ヘッド支持塔のX軸方向への移動や、上記作業ヘッドのZ軸方向への昇降移動とZ軸を中心とする回転や、電磁弁による空気圧の調整などの制御によって、部品供給位置に供給される電子部品を吸着ノズルの吸着面で吸着し、その電子部品をプリント基板の搭載位置に移動し、その電子部品をこの搭載位置で解放して搭載を行なう。
【0008】
一般に、部品供給位置における電子部品の吸着の際は、制御装置に登録された部品供給位置の座標に向けて上記作業ロボットを制御し、その制御に基づく吸着ノズルの移動先において電磁弁を制御して吸着孔に負の空気圧をかけることにより電子部品を吸着しており、部品供給装置から部品供給位置に供給される電子部品の実際の位置と、制御装置に登録された部品供給位置の座標に基づいて移動する吸着ノズルの吸着位置(吸着孔の中心位置)とには、誤差(位置ズレ)が生じる。
【0009】
この位置ズレは、作業ロボットによる移動精度の問題であったり、部品供給位置に供給される電子部品の供給位置に問題があったり、要因は様々に考えられる。
図3は、部品供給位置に供給される電子部品の供給位置と吸着ノズルの吸着位置との関係を示した図である。
【0010】
同図は、部品供給位置に電子部品の搭載面が下向きとなるように供給された電子部品を吸着ノズルが吸着する際の互いの配置を、電子部品の底(搭載面)側から作図している。
同図の斜線で示される矩形領域30は電子部品であり、同図の円31に囲まれる部分は吸着ノズルの吸着面である。
【0011】
吸着面の空気孔には、同図に向かって上下対称及び左右対称のものが採用されているが、特に、同図に示すように円形の空気孔32が一般的である。
同図の斜線で示される電子部品30と空気孔32の配置は、空気孔32の中心と電子部品30上面の中心とが一致している場合の例であり、この配置で電子部品30が吸着面31に吸着されれば、電子部品30は吸着面31に対して水平状態(正常吸着状態)で吸着される。
【0012】
そして、同図の矩形で示される太い破線33は、円形の空気孔32において、その空気孔32を中心として電子部品30が同図の四方八方にズレて吸着された場合に、上記正常吸着状態で上記吸着面31が電子部品32を吸着することができる最大の範囲(位置ズレ許容範囲)を示している。
【0013】
言い換えると、この許容範囲33を超えて電子部品30が吸着面31に吸着される場合は、電子部品の縁が空気孔32に吸い込まれて斜めの状態や立ちの状態(不良吸着状態)で吸着されたり、電子部品が吸着されない未吸着状態となる。
従来は電子部品の大きさが比較的大きかったため、上記位置ズレに対して吸着面が許容する位置ズレ許容範囲は、部品供給位置と吸着ノズルの吸着位置との実際の位置ズレ量に比べ、非常に大きくとることができたので、位置ズレによって電子部品が不良吸着状態や未吸着状態で吸着面に吸着されることは余り生じなかった。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、昨今のように電子部品(特に抵抗、コンデンサ)の小型化が進むにつれ、電子部品上面の広さと吸着面の空気孔の広さとが近づくようになり、上記位置ズレ許容範囲が狭められる一方となっていたため、上記位置ズレの影響で電子部品を正常に吸着することが困難になり、上記位置ズレを無視できなくなっていた。
【0015】
すなわち、上記位置ズレに対して、吸着のための位置ズレ許容範囲は十分に大きいものではなくなり、吸着面は図3の位置ズレ許容範囲33内で安定して電子部品を捕らえることが困難となった。
許容範囲外で吸着面に捕らえられ、吸着ノズルに対して不良吸着状態の電子部品がそのままプリント基板に搭載されてしまうと、プリント基板に対して正常に電子部品が搭載されないため、不良基板を増発させる事となる。一般的には、それを回避するために、その吸着姿勢を撮影カメラで撮影し、その画像を解析することにより、不良吸着状態の電子部品の搭載を未然に防止させている。しかし、不良吸着状態の場合には、電子部品の搭載処理を一時中断したり、新たに電子部品を部品供給位置で吸着させたりしなければならない。また、このような回避方法をとっても全ての不良吸着状態の電子部品を検出することは困難である。
【0016】
このように、昨今の電子部品の小型化と共に吸着面で電子部品を正常状態で吸着するための上記許容範囲が狭められた影響で吸着ノズルによる電子部品の吸着ミスが増発するようになり、そのため、電子部品の搭載処理を一時中断したり、部品供給位置での電子部品の再取得の回数が増加し、プリント基板に電子部品を搭載する作業効率を格段に低下させるという大きな問題が生じていた。
【0017】
そこで本発明は、小型化された長手方向を有する電子部品(例えば、抵抗、コンデンサなど)であっても吸着ノズルによる吸着ミスが生じ難く、吸着ノズルにおける電子部品の連続安定吸着が可能となる吸着ノズルと該吸着ノズルを有する部品搭載装置を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するために以下のように構成する。
すなわち本発明の部品搭載装置は、部品供給装置から供給される電子部品の部品供給位置と該電子部品を搭載するプリント基板上の搭載位置との間の位置制御をする作業ロボットに、該電子部品の吸着または解放を空気圧の制御に基づいて行なう吸着ノズルを装着して、前記部品供給位置における該電子部品の吸着と前記プリント基板上の搭載位置における該電子部品の解放を、前記吸着ノズルの空気孔に対する空気圧の制御に基づいて行なうことを前提とし、前記電子部品を吸着する前記吸着ノズルの吸着面に形成される空気孔の形状は、一方向が長く、該方向と直交する方向が短い領域(例えば、長円または長方形)で形成される。
【0019】
なお、前記空気孔の形状は、矩形形状の電子部品を吸着した際に、該矩形形状の電子部品の長手方向よりも該長手方向に直交する方向が長い領域の空気孔で形成される事が望ましい。
また、本発明の吸着ノズルは、電子部品をプリント基板に搭載する部品搭載装置の、部品供給装置から供給される該電子部品の部品供給位置と該電子部品を搭載する前記プリント基板上の搭載位置との間の位置制御をする作業ロボットに装着され、前記部品供給位置における前記電子部品の吸着と前記プリント基板上の搭載位置における該電子部品の解放が空気孔に対する空気圧の制御に基づいて行なわれることを前提とし、前記電子部品を吸着する前記吸着ノズルの吸着面に形成される空気孔の形状は、一方向が長く、該方向と直交する方向が短い領域(例えば、長円または長方形)で形成される。
【0020】
なお、前記空気孔の形状は、矩形形状の電子部品を吸着した際に、該矩形形状の電子部品の長手方向よりも該長手方向に直交する方向が長い領域の孔で形成される事が望ましい。
本発明によれば、吸着ノズルの吸着面に形成する空気孔の形状が、方向によって長さの異なる形状を有しているので、吸着面に対して電子部品を水平に吸着できる、空気孔と電子部品との配置関係を広範囲にとることができる。特に、電子部品の形状が方向によって偏りのあるものについては、電子部品の長手方向と直交する方向に空気孔を長く形成することで、吸着面に対して電子部品を水平に吸着できる空気孔と電子部品との配置関係をより広範囲にとることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1(a) は、部品搭載装置の外観斜視図であり、同図(b) は、その上下の保護カバーを取り除いて内部の構成を模式的に示す斜視図である。
【0022】
同図(a) に示すように、部品搭載装置1は、天井カバー上の前後に、それぞれCRTディスプレイからなるモニタ装置2と、同じく天井カバー上の左右に、それぞれ稼動状態を報知する警報ランプ3を備えている。また、上部保護カバー4の前部と後部の面には、液晶ディスプレイとタッチ式入力装置からなり外部からの操作により各種の指示を入力することができる小型の表示入力パネル5が配設されている(図の右斜め上方向になる後部の表示入力パネル5は陰になって見えない)。
【0023】
下部の基台6の上には、中央に、固定と可動の1対の平行する基板案内レール7が同図(b) に示すプリント基板8の搬送方向(X軸方向、図の斜め右下から斜め左上方向)に水平に延在して配設される。これらの基板案内レール7の下部に接して、図には見えないループ状のコンベアベルトが走行可能に配設される。
【0024】
コンベアベルトは、それぞれ数ミリ幅のベルト脇部を基板案内レール7の下から基板搬送路に覗かせて、不図示のベルト駆動モータにより駆動され、基板搬送方向に走行し、プリント基板8の裏面両側を下から支持しながら装置本体内に部品搭載前の配線パターンが印刷されたプリント基板8をライン上流側(右下側)から搬入し、電子部品の搭載を終えたプリント基板8を順次ライン下流側(左下側)に搬出する。この部品搭載装置1内には、常時2枚のプリント基板8が搬入され、プリント基板8は位置決めされて部品の搭載が終了するまでその位置に固定されている。
【0025】
基台6の前後には、それぞれ部品供給台9が形成されている(同図(a) では図の右斜め上方向になる後部の部品供給台9は陰になって見えない。また、同図(b) では、後部の部品供給台9は図示を省略している)。部品供給台9には各種の部品供給装置が装着されるが、本実施の形態においてはテープカセット式部品供給装置11(一般には単に、テープフィーダ、カセット式、又はテープ部品供給装置などと簡略に呼ばれている)が、50個〜70個と多数配置される。
【0026】
また、基台6の上方には、二本のX軸レール12と、このX軸レール12をY軸方向(図の左斜め下から右斜め上方向)に摺動自在に支持するY軸レール13とが、それぞれ左右に配置され、それぞれのX軸レール12には、2台の作業ヘッド支持塔14がX軸方向(図の右斜め下から左斜め上方向)に摺動自在に懸架されている。つまり、ここに示す部品搭載装置1では合計4台の作業ヘッド支持塔14が配設されている。
【0027】
各作業ヘッド支持塔14には同図の例では2個の作業ヘッド15が設けられ、夫々の作業ヘッド15は、その端部を上下(Z軸方向)に昇降自在とし且つZ軸を中心に360度方向に回転自在とするシャフト16を有している。
シャフト16は、内部に空気の通り道を有する中空構造を有し、その下端には、同じ中空構造の吸着ノズルを保持するための保持部材17が構成されている。
【0028】
さらに、保持部材17の先には、同じ中空構造の吸着ノズル18が同図に示すように装着される。
図には特に示されていないが、シャフト16の上端にエアホースが接続されており、その先に構成される電磁弁を制御することによってシャフト16に装着された吸着ノズル18下端の空気孔(吸着面に形成される空気孔)に正または負の空気圧をかけることができる。
【0029】
また、同図には示されていないが、作業ヘッド15の移動経路内には、各種電子部品の形状に応じて形状が異なる複数種類の吸着ノズルを収容した吸着ノズル保管部が構成されており、プリント基板8に搭載する電子部品の形状に応じて、適宜、シャフト16に装着される。
【0030】
また、部品供給台9とプリント基板8の間には、同図の天井カバーに向け2つを1組とした撮影カメラ16が図示されているように手前の位置に2組と図には表されていない奥の位置に2組の計4組配設され、作業ヘッド15の下部に装着された上記吸着ノズル18に吸着した電子部品を電子部品の裏面側から撮影できるようにしている。
【0031】
そして、本部品搭載装置の基台6内部には制御装置が備えられ、上記各部の制御を司る。
本部品搭載処理は、予め決められた電子部品の搭載手順に基づいて実行される。コンベアベルトの駆動により、電子部品を搭載する前のプリント基板8が電子部品の搭載位置で位置決めされて固定される。作業ヘッド15は、X軸レール12及び作業ヘッド支持塔14の水平移動、シャフト16による上下移動が制御されることにより、上記吸着ノズル保管部に移動し、搭載処理を行なう電子部品に対応する吸着ノズル18を、シャフト16下端の保持部材17に装着する。吸着ノズル18をシャフト16に装着した作業ヘッド15は、さらに、上記水平移動と上下移動の制御の下で部品供給位置に移動し、上記電磁弁を制御して吸着ノズル18下端の空気孔に負の空気圧をかけ、テープカセット式部品供給装置11から上記部品供給位置に送り出された電子部品をその吸着面で吸着する。吸着面で吸着した電子部品の吸着状態(正常吸着状態、不良吸着状態、未吸着状態)は、その空気孔の空気圧を不図示の圧力センサで検出することによって達成される。この圧力センサで検出した値が正常値に該当しない場合は、不良吸着状態または未吸着状態であると制御装置で認識され、例えば、部品搭載処理を停止させ、警報ランプ3を点灯させたり表示入力パネル5にエラー画面を表示させるなどして、オペレータに対してティーチング処理やリカバリー処理を行なわせる。正常吸着状態である場合、作業ヘッド15は、上記水平移動と上下移動の制御の下、撮影カメラ16の上方に移動し、当該電子部品の下方から撮影カメラ16に吸着状態を撮影させ、制御装置で画像解析を行なう。この画像解析により、吸着面に吸着された電子部品の吸着角(Z軸を中心とする回転角)や電子部品の種類や傷などを判定する。この判定により吸着角が正常でなければ、シャフト16を回転させて吸着角を正常な状態に補正する。また、この判定により、電子部品の種類が異なるものや傷が発見されれば、その電子部品は不図示の廃棄部に廃棄処理される。これらを全てクリアすると、作業ヘッド15は、上記水平移動と上下移動の制御の下、プリント基板8上の電子部品搭載位置に移動し、上記電磁弁を制御して吸着ノズル18下端の空気孔に正の空気圧をかけ、上記搭載位置に当該電子部品を搭載する。以上の処理は、搭載予定の全ての電子部品に対して実行され、全ての電子部品の搭載を終えると、コンベアベルトの駆動により当該プリント基板8は部品搭載装置1の外部に搬出される。
【0032】
図2は、図1の吸着ノズル18の一形態を示したものである。
図2(c)は、吸着ノズル18を吸着面の斜め下方向から示した斜視図である。
同図の吸着ノズル18の下端には、電子部品を吸着する吸着面20が示され、吸着面20の中央付近には、電子部品に正または負の空気圧をかける空気孔21が構成されている。同図には特に示していないが、吸着ノズル18の内部は、同図の上下方向に空気の通り道を有する中空構造(この構造は空気孔21の形状に左右されない)をしており、その空気の通り道の一端が、同図の空気孔21として示されている(空気の通り道の他端は、不図示のシャフトの中心軸に形成される空気孔に連絡する)。
【0033】
同図の例では、吸着面20に矩形形状の電子部品22が水平に吸着されている様子が示され、電子部品の上面(同図の上方を向いた面)の中心と空気孔21の中心が一致するように吸着されている。
なお、同図の吸着ノズル18の波線上方部分は省略しているが、図1のシャフト16下部に構成される保持部材17と係合する構造(保持部材17に応じて適宜設計される一般的な構造)を有している。
【0034】
図2(d)は、図2(c)に示す電子部品22を吸着する吸着ノズル18の、電子部品22と吸着面20の関係を同図の真下から示した図である。
同図に示されるように、本例の吸着面20の外形形状は矩形をしており、空気孔21は同図の斜線で示す電子部品22の長手方向(同図の左から右の方向)に対して直交する方向(同図の上から下の方向)に縦長の楕円で形成されている。
【0035】
同図の太い破線23は、空気孔21を中心に同図の電子部品22が位置ズレして吸着面20に吸着されても、吸着面20に対して正常吸着状態で吸着される、位置ズレ許容範囲である。
この許容範囲23は、吸着面20の外形形状に寄らず、空気孔21の形状によって決まってくる。すなわち、外形形状は従来のような円形としてもよい。
【0036】
同図から明らかなように、空気孔21を縦長の楕円で形成することによって電子部品22の長手方向に対する位置ズレが従来よりも広く許容される。また、電子部品22の長手方向の直交する方向に対する位置ズレについても、空気孔21が縦に長いことにより電子部品22の長手方向の縁が空気孔21に吸い込まれる事がないため、従来より広く許容される。
【0037】
すなわち、一方向の辺が他方向の辺よりも長い矩形形状の電子部品を吸着する吸着ノズルにおいて、電子部品の上記長手方向よりも上記他方向に対して長い空気孔を吸着面に形成すれば、上記電子部品の位置ズレ許容範囲を四方八方に広く取ることが可能となる。
【0038】
このような形状の空気孔を有する吸着ノズルは、横(上記長手方向)1mm×縦(上記他方向)0.5mm、横0.6mm×縦0.3mm、0.4mm×0.2mmの抵抗やコンデンサ、または、前記サイズや前記サイズ以下に相当する電子部品に対して特に有効である。
【0039】
なお、本例においては、空気孔の形状として縦長の楕円を例に挙げたが、吸着される電子部品の長手方向よりもそれと直交する方向に長い空気孔(例えば長方形など)であれば、空気孔の形状は本例の形状に限定されない。
以上のように、吸着ノズルの吸着面に形成する空気孔を電子部品の長手方向に直交する方向に長く形成すれば、位置ズレ許容範囲を広げる事が可能となる。
【0040】
そして、上述した部品搭載装置で小型化された電子部品の部品搭載処理を行なっても、上記吸着ノズルであれば部品供給位置で正常に当該電子部品を吸着できるので、電子部品の不良吸着や未吸着などのエラーを大幅に減らし、部品搭載処理の効率を高める事が可能となる。
【0041】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、吸着ノズルの吸着面に形成する空気孔の形状が、方向によって長さの異なる形状を有しているので、吸着面に対して電子部品を水平に吸着できる、空気孔と電子部品との配置関係を広範囲にとることができる。よって、部品供給装置によって部品供給位置に供給される電子部品を吸着ノズルで吸着する際に、上記部品供給位置に供給された電子部品の位置と、その電子部品を吸着する吸着ノズルの空気孔の位置とに、位置ズレが生じても、電子部品を吸着面に対して水平に吸着させることが可能になる。
【0042】
そして、上述した吸着ノズルを装備した部品搭載装置であれば、小型化された電子部品(例えば、抵抗、コンデンサなど)の部品搭載処理を行なっても、部品供給位置で正常に当該電子部品を吸着できるので、吸着ノズルによる電子部品の連続安定吸着が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の部品搭載装置である。
【図2】図1の部品搭載装置1に装着される吸着ノズルである。
【図3】従来の吸着ノズルの吸着面に形成された空気孔の形状である。
【符号の説明】
1 部品搭載装置
7 基板案内レール
8 プリント基板
9 部品供給台
11 部品供給装置
12 X軸レール
13 Y軸レール
14 作業ヘッド支持塔
15 作業ヘッド
16 シャフト
17 保持部材
18 吸着ノズル
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリント基板に電子部品を搭載する部品搭載技術に関し、特に、電子部品を吸着する吸着ノズルに特徴を有する部品搭載装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子機器等に使用されているプリント基板に構成される電子部品(例えば、抵抗・コンデンサ・トランジスタ・ICチップ等)を当該プリント基板上に搭載するための装置として、マウンタと呼ばれる部品搭載装置が一般的に知られている。
【0003】
上記部品搭載装置は、コンベアベルトなどの搬送部によって配線パターンが印刷されたプリント基板をラインの上流から取り込み、そのプリント基板を電子部品の搭載処理を行なう領域に位置決めして固定し、オペレータによって本装置に装着された部品供給装置(複数個の電子部品を収容し、電子部品の一つ一つを部品搭載装置に送り出す、例えばテープカセット式部品供給装置などの装置)の電子部品送出動作により部品供給位置に送り出された電子部品を、作業ロボットが部品供給位置から上記搭載領域に固定したプリント基板上に次々に搭載し、電子部品の搭載を終えると、搬送部によって当該プリント基板をライン下流のリフロー装置などに送り出す。
【0004】
部品搭載装置の上方には、部品供給位置上方からプリント基板の搭載位置上方に延在するY軸レール、Y軸レールと90度の角をなして吊接され、Y軸に沿って摺動するX軸レール、X軸レールに垂下され、X軸に沿って摺動する作業ヘッド支持塔、及び、作業ヘッド支持塔に固定される作業ヘッドが構成されている。
【0005】
上記作業ヘッドには、サーボモータの駆動によってZ軸方向への昇降動作や360度の軸回転が可能なシャフトがZ軸方向に延在している。シャフトは内部に空気の通り道を有する中空構造のものであり、シャフトの下端には、電子部品の取得を行なう吸着ノズルを保持する保持機構が構成されている。
【0006】
吸着ノズルは内部が中空構造のすり鉢状の形態をしており、電子部品の取得を直接行なう一端(吸着面)に対し、他端をシャフトの保持機構に装着して使用する。
吸着ノズルを装着したシャフトの他端にはエアホースが接続されており、ここに送り込む空気を電磁弁で制御することによって、吸着ノズルの吸着面に構成される空気孔に加える空気圧を制御する。
【0007】
上記作業ロボットでは、部品搭載装置に搭載された制御装置による、上記X軸レールのY軸方向への移動や、上記作業ヘッド支持塔のX軸方向への移動や、上記作業ヘッドのZ軸方向への昇降移動とZ軸を中心とする回転や、電磁弁による空気圧の調整などの制御によって、部品供給位置に供給される電子部品を吸着ノズルの吸着面で吸着し、その電子部品をプリント基板の搭載位置に移動し、その電子部品をこの搭載位置で解放して搭載を行なう。
【0008】
一般に、部品供給位置における電子部品の吸着の際は、制御装置に登録された部品供給位置の座標に向けて上記作業ロボットを制御し、その制御に基づく吸着ノズルの移動先において電磁弁を制御して吸着孔に負の空気圧をかけることにより電子部品を吸着しており、部品供給装置から部品供給位置に供給される電子部品の実際の位置と、制御装置に登録された部品供給位置の座標に基づいて移動する吸着ノズルの吸着位置(吸着孔の中心位置)とには、誤差(位置ズレ)が生じる。
【0009】
この位置ズレは、作業ロボットによる移動精度の問題であったり、部品供給位置に供給される電子部品の供給位置に問題があったり、要因は様々に考えられる。
図3は、部品供給位置に供給される電子部品の供給位置と吸着ノズルの吸着位置との関係を示した図である。
【0010】
同図は、部品供給位置に電子部品の搭載面が下向きとなるように供給された電子部品を吸着ノズルが吸着する際の互いの配置を、電子部品の底(搭載面)側から作図している。
同図の斜線で示される矩形領域30は電子部品であり、同図の円31に囲まれる部分は吸着ノズルの吸着面である。
【0011】
吸着面の空気孔には、同図に向かって上下対称及び左右対称のものが採用されているが、特に、同図に示すように円形の空気孔32が一般的である。
同図の斜線で示される電子部品30と空気孔32の配置は、空気孔32の中心と電子部品30上面の中心とが一致している場合の例であり、この配置で電子部品30が吸着面31に吸着されれば、電子部品30は吸着面31に対して水平状態(正常吸着状態)で吸着される。
【0012】
そして、同図の矩形で示される太い破線33は、円形の空気孔32において、その空気孔32を中心として電子部品30が同図の四方八方にズレて吸着された場合に、上記正常吸着状態で上記吸着面31が電子部品32を吸着することができる最大の範囲(位置ズレ許容範囲)を示している。
【0013】
言い換えると、この許容範囲33を超えて電子部品30が吸着面31に吸着される場合は、電子部品の縁が空気孔32に吸い込まれて斜めの状態や立ちの状態(不良吸着状態)で吸着されたり、電子部品が吸着されない未吸着状態となる。
従来は電子部品の大きさが比較的大きかったため、上記位置ズレに対して吸着面が許容する位置ズレ許容範囲は、部品供給位置と吸着ノズルの吸着位置との実際の位置ズレ量に比べ、非常に大きくとることができたので、位置ズレによって電子部品が不良吸着状態や未吸着状態で吸着面に吸着されることは余り生じなかった。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、昨今のように電子部品(特に抵抗、コンデンサ)の小型化が進むにつれ、電子部品上面の広さと吸着面の空気孔の広さとが近づくようになり、上記位置ズレ許容範囲が狭められる一方となっていたため、上記位置ズレの影響で電子部品を正常に吸着することが困難になり、上記位置ズレを無視できなくなっていた。
【0015】
すなわち、上記位置ズレに対して、吸着のための位置ズレ許容範囲は十分に大きいものではなくなり、吸着面は図3の位置ズレ許容範囲33内で安定して電子部品を捕らえることが困難となった。
許容範囲外で吸着面に捕らえられ、吸着ノズルに対して不良吸着状態の電子部品がそのままプリント基板に搭載されてしまうと、プリント基板に対して正常に電子部品が搭載されないため、不良基板を増発させる事となる。一般的には、それを回避するために、その吸着姿勢を撮影カメラで撮影し、その画像を解析することにより、不良吸着状態の電子部品の搭載を未然に防止させている。しかし、不良吸着状態の場合には、電子部品の搭載処理を一時中断したり、新たに電子部品を部品供給位置で吸着させたりしなければならない。また、このような回避方法をとっても全ての不良吸着状態の電子部品を検出することは困難である。
【0016】
このように、昨今の電子部品の小型化と共に吸着面で電子部品を正常状態で吸着するための上記許容範囲が狭められた影響で吸着ノズルによる電子部品の吸着ミスが増発するようになり、そのため、電子部品の搭載処理を一時中断したり、部品供給位置での電子部品の再取得の回数が増加し、プリント基板に電子部品を搭載する作業効率を格段に低下させるという大きな問題が生じていた。
【0017】
そこで本発明は、小型化された長手方向を有する電子部品(例えば、抵抗、コンデンサなど)であっても吸着ノズルによる吸着ミスが生じ難く、吸着ノズルにおける電子部品の連続安定吸着が可能となる吸着ノズルと該吸着ノズルを有する部品搭載装置を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するために以下のように構成する。
すなわち本発明の部品搭載装置は、部品供給装置から供給される電子部品の部品供給位置と該電子部品を搭載するプリント基板上の搭載位置との間の位置制御をする作業ロボットに、該電子部品の吸着または解放を空気圧の制御に基づいて行なう吸着ノズルを装着して、前記部品供給位置における該電子部品の吸着と前記プリント基板上の搭載位置における該電子部品の解放を、前記吸着ノズルの空気孔に対する空気圧の制御に基づいて行なうことを前提とし、前記電子部品を吸着する前記吸着ノズルの吸着面に形成される空気孔の形状は、一方向が長く、該方向と直交する方向が短い領域(例えば、長円または長方形)で形成される。
【0019】
なお、前記空気孔の形状は、矩形形状の電子部品を吸着した際に、該矩形形状の電子部品の長手方向よりも該長手方向に直交する方向が長い領域の空気孔で形成される事が望ましい。
また、本発明の吸着ノズルは、電子部品をプリント基板に搭載する部品搭載装置の、部品供給装置から供給される該電子部品の部品供給位置と該電子部品を搭載する前記プリント基板上の搭載位置との間の位置制御をする作業ロボットに装着され、前記部品供給位置における前記電子部品の吸着と前記プリント基板上の搭載位置における該電子部品の解放が空気孔に対する空気圧の制御に基づいて行なわれることを前提とし、前記電子部品を吸着する前記吸着ノズルの吸着面に形成される空気孔の形状は、一方向が長く、該方向と直交する方向が短い領域(例えば、長円または長方形)で形成される。
【0020】
なお、前記空気孔の形状は、矩形形状の電子部品を吸着した際に、該矩形形状の電子部品の長手方向よりも該長手方向に直交する方向が長い領域の孔で形成される事が望ましい。
本発明によれば、吸着ノズルの吸着面に形成する空気孔の形状が、方向によって長さの異なる形状を有しているので、吸着面に対して電子部品を水平に吸着できる、空気孔と電子部品との配置関係を広範囲にとることができる。特に、電子部品の形状が方向によって偏りのあるものについては、電子部品の長手方向と直交する方向に空気孔を長く形成することで、吸着面に対して電子部品を水平に吸着できる空気孔と電子部品との配置関係をより広範囲にとることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1(a) は、部品搭載装置の外観斜視図であり、同図(b) は、その上下の保護カバーを取り除いて内部の構成を模式的に示す斜視図である。
【0022】
同図(a) に示すように、部品搭載装置1は、天井カバー上の前後に、それぞれCRTディスプレイからなるモニタ装置2と、同じく天井カバー上の左右に、それぞれ稼動状態を報知する警報ランプ3を備えている。また、上部保護カバー4の前部と後部の面には、液晶ディスプレイとタッチ式入力装置からなり外部からの操作により各種の指示を入力することができる小型の表示入力パネル5が配設されている(図の右斜め上方向になる後部の表示入力パネル5は陰になって見えない)。
【0023】
下部の基台6の上には、中央に、固定と可動の1対の平行する基板案内レール7が同図(b) に示すプリント基板8の搬送方向(X軸方向、図の斜め右下から斜め左上方向)に水平に延在して配設される。これらの基板案内レール7の下部に接して、図には見えないループ状のコンベアベルトが走行可能に配設される。
【0024】
コンベアベルトは、それぞれ数ミリ幅のベルト脇部を基板案内レール7の下から基板搬送路に覗かせて、不図示のベルト駆動モータにより駆動され、基板搬送方向に走行し、プリント基板8の裏面両側を下から支持しながら装置本体内に部品搭載前の配線パターンが印刷されたプリント基板8をライン上流側(右下側)から搬入し、電子部品の搭載を終えたプリント基板8を順次ライン下流側(左下側)に搬出する。この部品搭載装置1内には、常時2枚のプリント基板8が搬入され、プリント基板8は位置決めされて部品の搭載が終了するまでその位置に固定されている。
【0025】
基台6の前後には、それぞれ部品供給台9が形成されている(同図(a) では図の右斜め上方向になる後部の部品供給台9は陰になって見えない。また、同図(b) では、後部の部品供給台9は図示を省略している)。部品供給台9には各種の部品供給装置が装着されるが、本実施の形態においてはテープカセット式部品供給装置11(一般には単に、テープフィーダ、カセット式、又はテープ部品供給装置などと簡略に呼ばれている)が、50個〜70個と多数配置される。
【0026】
また、基台6の上方には、二本のX軸レール12と、このX軸レール12をY軸方向(図の左斜め下から右斜め上方向)に摺動自在に支持するY軸レール13とが、それぞれ左右に配置され、それぞれのX軸レール12には、2台の作業ヘッド支持塔14がX軸方向(図の右斜め下から左斜め上方向)に摺動自在に懸架されている。つまり、ここに示す部品搭載装置1では合計4台の作業ヘッド支持塔14が配設されている。
【0027】
各作業ヘッド支持塔14には同図の例では2個の作業ヘッド15が設けられ、夫々の作業ヘッド15は、その端部を上下(Z軸方向)に昇降自在とし且つZ軸を中心に360度方向に回転自在とするシャフト16を有している。
シャフト16は、内部に空気の通り道を有する中空構造を有し、その下端には、同じ中空構造の吸着ノズルを保持するための保持部材17が構成されている。
【0028】
さらに、保持部材17の先には、同じ中空構造の吸着ノズル18が同図に示すように装着される。
図には特に示されていないが、シャフト16の上端にエアホースが接続されており、その先に構成される電磁弁を制御することによってシャフト16に装着された吸着ノズル18下端の空気孔(吸着面に形成される空気孔)に正または負の空気圧をかけることができる。
【0029】
また、同図には示されていないが、作業ヘッド15の移動経路内には、各種電子部品の形状に応じて形状が異なる複数種類の吸着ノズルを収容した吸着ノズル保管部が構成されており、プリント基板8に搭載する電子部品の形状に応じて、適宜、シャフト16に装着される。
【0030】
また、部品供給台9とプリント基板8の間には、同図の天井カバーに向け2つを1組とした撮影カメラ16が図示されているように手前の位置に2組と図には表されていない奥の位置に2組の計4組配設され、作業ヘッド15の下部に装着された上記吸着ノズル18に吸着した電子部品を電子部品の裏面側から撮影できるようにしている。
【0031】
そして、本部品搭載装置の基台6内部には制御装置が備えられ、上記各部の制御を司る。
本部品搭載処理は、予め決められた電子部品の搭載手順に基づいて実行される。コンベアベルトの駆動により、電子部品を搭載する前のプリント基板8が電子部品の搭載位置で位置決めされて固定される。作業ヘッド15は、X軸レール12及び作業ヘッド支持塔14の水平移動、シャフト16による上下移動が制御されることにより、上記吸着ノズル保管部に移動し、搭載処理を行なう電子部品に対応する吸着ノズル18を、シャフト16下端の保持部材17に装着する。吸着ノズル18をシャフト16に装着した作業ヘッド15は、さらに、上記水平移動と上下移動の制御の下で部品供給位置に移動し、上記電磁弁を制御して吸着ノズル18下端の空気孔に負の空気圧をかけ、テープカセット式部品供給装置11から上記部品供給位置に送り出された電子部品をその吸着面で吸着する。吸着面で吸着した電子部品の吸着状態(正常吸着状態、不良吸着状態、未吸着状態)は、その空気孔の空気圧を不図示の圧力センサで検出することによって達成される。この圧力センサで検出した値が正常値に該当しない場合は、不良吸着状態または未吸着状態であると制御装置で認識され、例えば、部品搭載処理を停止させ、警報ランプ3を点灯させたり表示入力パネル5にエラー画面を表示させるなどして、オペレータに対してティーチング処理やリカバリー処理を行なわせる。正常吸着状態である場合、作業ヘッド15は、上記水平移動と上下移動の制御の下、撮影カメラ16の上方に移動し、当該電子部品の下方から撮影カメラ16に吸着状態を撮影させ、制御装置で画像解析を行なう。この画像解析により、吸着面に吸着された電子部品の吸着角(Z軸を中心とする回転角)や電子部品の種類や傷などを判定する。この判定により吸着角が正常でなければ、シャフト16を回転させて吸着角を正常な状態に補正する。また、この判定により、電子部品の種類が異なるものや傷が発見されれば、その電子部品は不図示の廃棄部に廃棄処理される。これらを全てクリアすると、作業ヘッド15は、上記水平移動と上下移動の制御の下、プリント基板8上の電子部品搭載位置に移動し、上記電磁弁を制御して吸着ノズル18下端の空気孔に正の空気圧をかけ、上記搭載位置に当該電子部品を搭載する。以上の処理は、搭載予定の全ての電子部品に対して実行され、全ての電子部品の搭載を終えると、コンベアベルトの駆動により当該プリント基板8は部品搭載装置1の外部に搬出される。
【0032】
図2は、図1の吸着ノズル18の一形態を示したものである。
図2(c)は、吸着ノズル18を吸着面の斜め下方向から示した斜視図である。
同図の吸着ノズル18の下端には、電子部品を吸着する吸着面20が示され、吸着面20の中央付近には、電子部品に正または負の空気圧をかける空気孔21が構成されている。同図には特に示していないが、吸着ノズル18の内部は、同図の上下方向に空気の通り道を有する中空構造(この構造は空気孔21の形状に左右されない)をしており、その空気の通り道の一端が、同図の空気孔21として示されている(空気の通り道の他端は、不図示のシャフトの中心軸に形成される空気孔に連絡する)。
【0033】
同図の例では、吸着面20に矩形形状の電子部品22が水平に吸着されている様子が示され、電子部品の上面(同図の上方を向いた面)の中心と空気孔21の中心が一致するように吸着されている。
なお、同図の吸着ノズル18の波線上方部分は省略しているが、図1のシャフト16下部に構成される保持部材17と係合する構造(保持部材17に応じて適宜設計される一般的な構造)を有している。
【0034】
図2(d)は、図2(c)に示す電子部品22を吸着する吸着ノズル18の、電子部品22と吸着面20の関係を同図の真下から示した図である。
同図に示されるように、本例の吸着面20の外形形状は矩形をしており、空気孔21は同図の斜線で示す電子部品22の長手方向(同図の左から右の方向)に対して直交する方向(同図の上から下の方向)に縦長の楕円で形成されている。
【0035】
同図の太い破線23は、空気孔21を中心に同図の電子部品22が位置ズレして吸着面20に吸着されても、吸着面20に対して正常吸着状態で吸着される、位置ズレ許容範囲である。
この許容範囲23は、吸着面20の外形形状に寄らず、空気孔21の形状によって決まってくる。すなわち、外形形状は従来のような円形としてもよい。
【0036】
同図から明らかなように、空気孔21を縦長の楕円で形成することによって電子部品22の長手方向に対する位置ズレが従来よりも広く許容される。また、電子部品22の長手方向の直交する方向に対する位置ズレについても、空気孔21が縦に長いことにより電子部品22の長手方向の縁が空気孔21に吸い込まれる事がないため、従来より広く許容される。
【0037】
すなわち、一方向の辺が他方向の辺よりも長い矩形形状の電子部品を吸着する吸着ノズルにおいて、電子部品の上記長手方向よりも上記他方向に対して長い空気孔を吸着面に形成すれば、上記電子部品の位置ズレ許容範囲を四方八方に広く取ることが可能となる。
【0038】
このような形状の空気孔を有する吸着ノズルは、横(上記長手方向)1mm×縦(上記他方向)0.5mm、横0.6mm×縦0.3mm、0.4mm×0.2mmの抵抗やコンデンサ、または、前記サイズや前記サイズ以下に相当する電子部品に対して特に有効である。
【0039】
なお、本例においては、空気孔の形状として縦長の楕円を例に挙げたが、吸着される電子部品の長手方向よりもそれと直交する方向に長い空気孔(例えば長方形など)であれば、空気孔の形状は本例の形状に限定されない。
以上のように、吸着ノズルの吸着面に形成する空気孔を電子部品の長手方向に直交する方向に長く形成すれば、位置ズレ許容範囲を広げる事が可能となる。
【0040】
そして、上述した部品搭載装置で小型化された電子部品の部品搭載処理を行なっても、上記吸着ノズルであれば部品供給位置で正常に当該電子部品を吸着できるので、電子部品の不良吸着や未吸着などのエラーを大幅に減らし、部品搭載処理の効率を高める事が可能となる。
【0041】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、吸着ノズルの吸着面に形成する空気孔の形状が、方向によって長さの異なる形状を有しているので、吸着面に対して電子部品を水平に吸着できる、空気孔と電子部品との配置関係を広範囲にとることができる。よって、部品供給装置によって部品供給位置に供給される電子部品を吸着ノズルで吸着する際に、上記部品供給位置に供給された電子部品の位置と、その電子部品を吸着する吸着ノズルの空気孔の位置とに、位置ズレが生じても、電子部品を吸着面に対して水平に吸着させることが可能になる。
【0042】
そして、上述した吸着ノズルを装備した部品搭載装置であれば、小型化された電子部品(例えば、抵抗、コンデンサなど)の部品搭載処理を行なっても、部品供給位置で正常に当該電子部品を吸着できるので、吸着ノズルによる電子部品の連続安定吸着が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の部品搭載装置である。
【図2】図1の部品搭載装置1に装着される吸着ノズルである。
【図3】従来の吸着ノズルの吸着面に形成された空気孔の形状である。
【符号の説明】
1 部品搭載装置
7 基板案内レール
8 プリント基板
9 部品供給台
11 部品供給装置
12 X軸レール
13 Y軸レール
14 作業ヘッド支持塔
15 作業ヘッド
16 シャフト
17 保持部材
18 吸着ノズル
Claims (6)
- 部品供給装置から供給される電子部品の部品供給位置と該電子部品を搭載するプリント基板上の搭載位置との間の位置制御をする作業ロボットに、前記電子部品の吸着または解放を空気圧の制御に基づいて行なう吸着ノズルを装着して、前記部品供給位置における該電子部品の吸着と前記プリント基板上の搭載位置における該電子部品の解放を、前記吸着ノズルの空気孔に対する空気圧の制御に基づいて行なう部品搭載装置において、
前記電子部品を吸着する前記吸着ノズルの吸着面に形成される空気孔の形状は、一方向が長く、該方向と直交する方向が短い領域で形成されている、
ことを特徴とする部品搭載装置。 - 前記空気孔の形状は、長円または長方形である、ことを特徴とする請求項1に記載の部品搭載装置。
- 前記空気孔の形状は、矩形形状の電子部品を吸着した際に、該矩形形状の電子部品の長手方向よりも該長手方向に直交する方向が長い領域の空気孔で形成される、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の部品搭載装置。
- 電子部品をプリント基板に搭載する部品搭載装置の、部品供給装置から供給される該電子部品の部品供給位置と該電子部品を搭載する前記プリント基板上の搭載位置との間の位置制御をする作業ロボットに装着され、前記部品供給位置における前記電子部品の吸着と前記プリント基板上の搭載位置における該電子部品の解放が空気孔に対する空気圧の制御に基づいて行なわれる吸着ノズルであって、
前記電子部品を吸着する前記吸着ノズルの吸着面に形成される空気孔の形状は、一方向が長く、該方向と直交する方向が短い領域で形成されている、
ことを特徴とする吸着ノズル。 - 前記空気孔の形状は、長円または長方形である、ことを特徴とする請求項4に記載の吸着ノズル。
- 前記空気孔の形状は、矩形形状の電子部品を吸着した際に、該矩形形状の電子部品の長手方向よりも該長手方向に直交する方向が長い領域の孔で形成される、ことを特徴とする請求項4または請求項5に記載の吸着ノズル。
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Cited By (3)
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JP2012232823A (ja) * | 2011-04-28 | 2012-11-29 | Yanmar Co Ltd | 選果システム |
JP2018003149A (ja) * | 2016-07-01 | 2018-01-11 | 廣州明毅電子機械有限公司 | 電気メッキ設備自動アンローダ |
JP2019041047A (ja) * | 2017-08-28 | 2019-03-14 | 京セラ株式会社 | 吸着ノズル組み立て体 |
-
2003
- 2003-02-12 JP JP2003034248A patent/JP2004247432A/ja active Pending
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