JP2004247187A - 有機電解液電池 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】リチウム金属またはリチウム含有化合物を負極活物質とする負極と正極と有機電解液を有する有機電解液電池において、前記有機電解液として、溶媒中にγ−ブチロラクトンおよび/またはビニレンカーボネートを特定量含有する有機電解液を用い、かつ電池の規格容量に対して90%の充電状態での負極が、X線光電子分光分析によるC−O由来の炭素原子に基づく286〜287eVのピークから求められる炭素原子の量が6.5原子%以下で、かつBOx由来のホウ素に基づく192〜193eVのピークから求められるホウ素原子の量が1原子%以上またはPOx由来のリンに基づく133〜135eVのピークから求められるリン原子の量が1原子%以上の関係を満たすようにして、有機電解液電池を構成する。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機電解液電池に関し、さらに詳しくは、初回充電時に要する時間を短縮でき、生産性の向上が図れ、かつ過充電安全性が優れた有機電解液電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
リチウムイオン電池に代表される有機電解液電池は、高電圧、高エネルギー密度であることから、ますます需要が増えている。従来、この種の有機電解液電池は、負極にグラファイトなどの炭素材料を結着剤とともに金属箔上に設けたものが用いられ、電解液にLiPF6 などを有機溶媒に溶解させたものが用いられている。しかし、この電池は、負荷特性が低いという欠点があった。
【0003】
そこで、上記欠点を改善するため、負極活物質として比表面積の大きいカーボン材料などを用いる試みがなされている。しかしながら、比表面積の大きい負極活物質を用いると、負極活物質上での初回充電時における有機電解液や微量に存在する水の分解反応が大きくなり、多量のガスが発生する。
【0004】
その結果、電極間に発生ガスが溜まり、そのガスが反応を阻害し、電極に反応ムラが生じるという問題があった。特に、上記のガス発生は、初回充電電流値が大きいほど激しくなり、反応ムラも大きくなる。そのため、初回充電時の電流値を小さく保ち、ガス発生による電極の反応ムラを最小限に抑制する必要がある。しかし、この場合、生産時間が長くかかり、生産性に劣ることになる。
【0005】
また、比表面積の大きい負極活物質を用いると、負荷特性は改善されるものの、この電池の安全性試験をすると、比表面積の小さいカーボンを用いた場合に比べて安全性が低下するという問題がある。
【0006】
ところで、リチウム二次電池において、低温特性、保存特性、サイクル特性などを改善するため、有機電解液の溶媒として、エチレンカーボネートやジメチルカーボネートなどとともに、ビニレンカーボネートを使用することが提案されている(特許文献1,2参照)。しかるに、これら提案のリチウム二次電池でも、前記した初回充電時におけるガス発生により電極に反応ムラが生じるという問題や、過充電安全性が低下するという問題をほとんど解消するができなかった。また、上記カーボネートとともに芳香族炭化水素を併用することも提案されているが(特許文献3参照)、この場合は負荷特性が低下するという問題があった。
【0007】
【特許文献1】
特許第3059832号公報(第1〜3頁)
【特許文献2】
特許第3066126号公報(第1〜2頁)
【特許文献3】
特許第3213408号公報(第1〜2頁)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような従来技術の問題点を解決し、生産工程における初回充電時に要する時間を短縮でき、生産性の向上を図れ、過充電安全性にも優れた有機電解液電池を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために種々検討を重ねた結果、溶媒中にγ−ブチロラクトンおよび/またはビニレンカーボネートを特定量含ませた有機電解液を使用し、かつ電池の規格容量に対して90%の充電状態での負極の、X線光電子分光分析によるC−O由来の炭素原子に基づく286〜287eVのピークから求められる炭素原子の量と、BOx由来のホウ素に基づく192〜193eVのピークから求められるホウ素原子の量を規定することにより、初回充電時のガス発生を抑制でき、生産工程における初回充電に要する時間を短縮できること、しかも、この場合、過充電安全性にも優れること、さらに、その際に水分量を特定値以下とした負極を用いた電池を組み立てると、初回充電に要する時間をより短縮できることを見出した。また、上記電池の有機電解液中に芳香族化合物を0.5〜0.7質量%含有させて電池を組み立てると、過充電安全性をさらに向上させることができることを見出した。
【0010】
本発明は、このような知見を基にして完成されたものであり、リチウム金属またはリチウム含有化合物を負極活物質とする負極と請求項と有機電解液を有する有機電解液電池において、有機電解液として、溶媒中にγ−ブチロラクトンおよび/またはビニレンカーボネートを含有し、かつ溶媒中のγ−ブチロラクトンの含有率をx(体積%)、溶媒中のビニレンカーボネートを含有率をy(体積%)とし、負極活物質の比表面積をs(m2 /g)としたとき、0.1≦x/s≦2および/または0.1≦y/s≦1の関係を満たす有機電解液を用い、かつ電池の規格容量に対して90%の充電状態での負極が、X線光電子分光分析によるC−O由来の炭素原子に基づく286〜287eVのピークから求められる炭素原子の量が6.5原子%以下であり、かつBOx由来のホウ素に基づく192〜193eVのピークから求められるホウ素原子の量が1原子%以上であることを特徴とする有機電解液電池に関するものである。さらに、本発明は、水分量が100ppm以下である負極を用いて組み立てられる上記構成の有機電解液電池に関するものである。さらにまた、本発明は、有機電解液中に芳香族化合物を0.5〜7質量%含有させて組み立てられてなる上記構成の有機電解液電池に関するものである。
【0011】
また、本発明者らは、溶媒中にγ−ブチロラクトンおよび/またはビニレンカーボネートを特定量含ませた有機電解液を使用し、かつ電池の規格容量に対して90%の充電状態での負極のX線光電子分光分析によるC−O由来の炭素原子に基づく286〜287eVのピークから求められる炭素原子の量と、POx由来のリンに基づく133〜135eVのピークから求められるリン原子の量を規定することにより、初回充電時のガス発生を抑制でき、生産工程における初回充電に要する時間を短縮できること、しかも、この場合、過充電安全性にも優れること、さらに、その際に水分量を特定値以下とした負極を用いた電池を組み立てると、初回充電に要する時間をより短縮できることを見出した。また、上記電池の有機電解液中に芳香族化合物を0.5〜7質量%含有させて電池を組み立てると、過充電安全性をさらに向上させることができることを見出した。
【0012】
本発明は、また、このような知見を基にして完成されたものであり、リチウム金属またはリチウム含有化合物を負極活物質とする負極と正極と有機電解液を有する有機電解液電池において、有機電解液として、溶媒中にγ−ブチロラクトンおよび/またはビニレンカーボネートを含有し、かつ溶媒中のγ−ブチロラクトンの含有率をx(体積%)、溶媒中のビニレンカーボネートを含有率をy(体積%)とし、負極活物質の比表面積をs(m2 /g)としたとき、0.1≦x/s≦2および/または0.1≦y/s≦1の関係を満たす有機電解液を用い、かつ電池の規格容量に対して90%の充電状態での負極が、X線光電子分光分析によるC−O由来の炭素原子に基づく286〜287eVのピークから求められる炭素原子の量が6.5原子%以下であり、かつPOx由来のリンに基づく133〜135eVのピークから求められるリン原子の量が1原子%以上であることを特徴とする有機電解液電池に関するものである。さらに、本発明は、水分量が100ppm以下である負極を用いて組み立てられる上記構成の有機電解液電池に関するものである。さらにまた、本発明は、有機電解液中に芳香族化合物を0.5〜7質量%含有させて組み立てられてなる上記構成の有機電解液電池に関するものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明において、溶媒としては、主溶媒として、例えば、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、ジメトキシプロパン、1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフランなどのエーテル類、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネートなどのエステル類、さらにはスルフォランなどの単独または2種以上の混合溶媒などを用いることができる。
【0014】
これらの中でも、上記エステル類は、高電圧下においても正極活物質との反応性が少なく貯蔵特性を向上させる効果が大きいため好ましい。このエステル類は、全溶媒中、30体積%以上であることが好ましい。
【0015】
本発明においては、上記主溶媒に対し、さらにγ−ブチロラクトンおよび/またはビニレンカーボネートを含ませたことを特徴とする。有機電解液中にビニレンカーボネートを含ませることは前記特許文献1,2に記載されているが、これだけでは初回充電時のガス発生抑制効果が充分に得られず、過充電安全性も改善されない。
【0016】
また、本発明者らは、ビニレンカーボネートを含む有機電解液中にさらにγ−ブチロラクトンをあわせて含ませたときに、初回充電時のガス発生抑制効果が顕著となり、初回充電電流値を高くしても電極の反応ムラが生じにくくなり、それによって、初回充電に要する時間を短くでき、生産時間を短縮できることを特願2002−324766号明細書に記載した。
【0017】
これに対して、本発明は、電解液にγ−ブチロラクトンおよび/またはビニレンカーボネートを含有させ、かつ電池の規格容量に対して90%の充電状態での負極が、X線光電子分光分析によるC−O由来の炭素原子に基づく286〜287eVのピークから求められる炭素原子の量が6.5原子%以下であり、かつBOx由来のホウ素に基づく192〜193eVのピークから求められるホウ素原子の量が1原子%以上であると、初回充電時のガス発生抑制効果と、過充電安全性が優れた有機電解液電池を提供できることを見出したものである。
【0018】
また、本発明は、電解液にγ−ブチロラクトンおよび/またはビニレンカーボネートを用い、かつ電池の規格容量に対して90%の充電状態での負極が、X線光電子分光分析によるC−O由来の炭素原子に基づく286〜287eVのピークから求められる炭素原子の量が6.5原子%以下であり、かつPOx由来のリンに基づく133〜135eVのピークから求められるリン原子の量が1原子%以上であると、初回充電時のガスの発生抑制効果と、過充電安全性が優れた有機電解液電池を提供できることを見出したものである。
【0019】
なお、本発明において、XPS分析は、電池を規格容量の90%に充電して、1日放置後、不活性雰囲気中で分解して負極を取り出し、24時間真空乾燥後、外気に触れない状態で、測定したものである。
【0020】
また、XPS分析は、アルバックファイ社製の「PHI5500MC」にて、400WでAl−Kα線を用いて測定し、ピーク分割を行って、各ピークの原子の量を、全構成原子中の割合(%)として、算出したものである。
【0021】
ここで、上記の「全構成原子」とは、負極表面部を構成する全原子、つまり、SEI(Solid Electrolyle Interface)被覆を構成する全原子を意味している。
【0022】
本発明において、初回充電時のガス発生抑制効果が得られる理由は、現在のところ、必ずしも明確ではないが、以下のように考えられる。まず、前記のBOx由来のホウ素に基づく192〜193eVのピークから求められるホウ素原子の量が1原子%以上である場合について考えると、γ−ブチロラクトンを含ませた有機電解液を使用すると、初回充電時に負極活物質上にγ−ブチロラクトンが還元された被膜が形成され、その被膜が負極活物質の溶解分析活性点などを覆うなどして、その他の電解液溶媒の分解を抑制するためガス発生が少なくなる。また、ビニレンカーボネートも電解液分解抑制効果を持つ。これにBOx由来のホウ素に基づく192〜193eVのピークから求められるホウ素原子の量が1原子%以上の負極の持つ電解液分解抑制効果が合わさることにより、ガス発生を抑制する効果が大きくなるものと考えられる。
【0023】
BOx由来のホウ素に基づく192〜193eVのピークから求められるホウ素原子の量が1原子%以上の負極の持つ電解液分解抑制効果がどのような理由により発現するかは、現在のところ必ずしも明確ではないが、以下のように考えられる。
【0024】
負極活物質やこれを用いた負極をホウ酸やホウ酸塩で処理するなどしてあらかじめ負極表面に一定量のホウ素化合物を導入すると、BOx由来のホウ素に基づく192〜193eVのピークから求められるホウ素原子の量が1原子%以上となり、初回充電時におけるガス発生が減少する。これは、負極活物質表面の溶媒と反応しやすい物質がホウ素と反応することにより安定化し、さらなる電解液の分解を抑制することによるものと考えられる。
【0025】
また、過充電安全性の向上効果が発現する理由については、現在のところ必ずしも明確ではないが、以下のように考えられる。従来構成の電池を分解し、負極表面をX線光電子分光分析により観察すると、286〜287eVの範囲に炭素原子に基づくピークが確認される。充電状態での負極表面は、Li2 O、LiF、Li2 CO3 、アルコキシド、アルキルカーボネートなどで構成されたSEI被膜で覆われ、これにより電解液と負極との過剰な副反応が抑制されていることが知られている。上記ピークは、このSEI被膜の構成成分であるアルコキシドに由来する、つまりC−O由来の炭素原子に基づくピークと考えられる。本発明者らは、上記ピークの由来となるアルコキシド、特に低分子量のアルコキシドに着目し、これが高温下では電解液に対する安定性が劣るため、過充電時などの安全性試験時に電池の温度上昇が起こった場合、SEI被膜が劣化し、特に比表面積の大きい負極活物質を用いた場合には、電解液と負極とのあらたな反応による発熱が大きくなり、電池の安全性を低下させると考えた。そこで、本発明者らは、この問題を解決するため、負極活物質やこれを用いた負極をホウ素やホウ素塩で処理するなどして、アルコキシドのリチウムをホウ素で置換し、SEI被膜中にホウ素(BOx)由来のホウ素原子を一定量結合させたところ、高温時の負極のSEI被膜の劣化を抑制し、安全性の改善された電池が得られることを見出し、また、さらに上記有機電解液中に芳香族化合物を0.5〜7質量%含有させると、SEI被膜の熱安定性がさらに向上し、比表面積の大きいカーボン材料を使用した高エネルギー密度電池においても、過充電時の安全性が改善された有機電解液電池が得られることを見出した。上記有機電解液中に芳香族化合物を含有させると、SEI被膜の熱安定性がさらに向上する理由としては、SEI被膜中に低分子量のアルコキシドより熱安定性の良い、芳香族化合物が取り込まれることによるものと考えられる。
【0026】
なお、本発明において、有機電解液中の芳香族化合物の分析は、放電状態の電池から、遠心分離器を用い電解液を抽出し、ガスクロマトグラフィー(CG)にて測定した。
【0027】
ガスクロマトグラフィー分析には、島津製の「GC17A」にて、カラムにDB−WAXを用いて行った。芳香族化合物の定量分析は、ガスクロマトグラフィー測定の電解液中に含まれる溶媒であるエチレンカーボネートやプロピレンカーボネートなどのピーク面積を基準とし、芳香族化合物のピーク面積から算出する。
【0028】
なお、時代の変遷により、上記分析機器がなくなった場合には、それに相当する分析機器および条件で、測定できることはいうまでもない。
【0029】
次に、POx由来のリンに基づく133〜135eVのピークから求められるリン原子の量が1原子%以上である場合について考えると、次のように考えられる。すなわち、前記同様に、γ−ブチロラクトンを含有させた有機電解液を使用すると、初回充電時に負極活物質上にγ−ブチロラクトンが還元された被膜が形成され、その被膜が負極活物質の溶媒分解活性点を覆うなどして、その他の電解液溶媒の分解を抑制するためガス発生が少なくなる。また、ビニレンカーボネートも溶媒分解抑制効果を持つ。これにPOx由来のリンに基づく133〜135eVのピークから求められるリン原子の量が1原子%以上の負極の持つ電解液分解抑制効果が合わさることにより、ガス発生を抑制する効果が大きくなるものと考えられる。
【0030】
POx由来のリンに基づく133〜135eVのピークから求められるリン原子の量が1原子%以上の負極の持つ電解液分解抑制効果がどのような理由により発現するかは、現在のところ、必ずしも明確ではないが、以下のように考えられる。負極活物質やこれを用いた負極をリン酸やリン酸塩で処理するなどしてあらかじめ負極表面に一定量のリン化合物を導入すると、POx由来のリンに基づく133〜135eVのピークから求められるリン原子の量が1原子%以上となり、初回充電時におけるガス発生が減少する。これは、負極活物質表面の溶媒と反応しやすい物質がリンと反応することにより安定化し、さらなる電解液の分解を抑制するものと考えられる。
【0031】
また、過充電安全性の向上効果が発現する理由については、現在のところ、必ずしも明確ではないが、以下のように考えられる。前記同様に、従来構成の電池を分解し、負極表面をX線光電子分光分析により観察すると、286〜287eVの範囲に炭素原子に基づくピークが確認される。充電状態の負極表面は、Li2 O、LiF、Li2 CO3 、アルコキシド、アルキルカーボネートなどで構成されたSEI被膜で覆われ、それによって、電解液と負極との過剰な副反応が抑制されていることが知られている。上記ピークは、このSEI被膜の構成成分であるアルコキシドに由来する、つまり、C−O由来の炭素原子に基づくピークと考えられる。本発明者らは、上記ピークの由来となるアルコキシド、特に低分子量のアルコキシドに着目し、これが高温下では電解液に対する安定性が劣るため、過充電時などの安全性試験時に電池の温度上昇が起こった場合、SEI被膜が劣化し、特に比表面積の大きい負極活物質を用いた場合では、電解液と負極とのあらたな反応による発熱が大きくなり、電池の安全性を低下させると考えた。そこで、本発明者らは、この問題を解決するため、負極活物質やこれを用いた負極をリン酸やリン酸塩で処理するなどして、アルコキシドのリチウムをリンで置換し、SEI被膜中にリン(POx)由来のリン原子を一定量結合させたところ、高温時のSEI被膜の劣化防止に好ましい結果が得られることを見出し、特願2002−348699号明細書中に記載した。また、本発明者らは、その後の検討により、上記の負極活物質やこれを用いた負極をリン酸やリン酸塩で処理するなどして、アルコキシドのリチウムをリンで置換し、SEI被膜中にPOx由来のリン原子を一定量結合させ、高温時の負極のSEI被膜の劣化を抑制し、安全性の改善された有機電解液電池が得られることを見出し、また、さらに上記有機電解液中に芳香族化合物を0.5〜7質量%含有させると、SEI被膜の熱安定性がさらに向上し、比表面積の大きいカーボン材料を使用した高エネルギー密度においても、安全性の改善された有機電解液電池が得られることを見出した。上記有機電解液中に芳香族化合物を含有させると、さらにSEI被膜の熱安定性が向上する理由としては、SEI被膜中に低分子量のアルコキシドより熱安定性の良い、芳香族化合物が取り込まれることによるものと考えられる。
【0032】
そして、本発明において、上記γ−ブチロラクトンとビニレンカーボネートの使用量は重要であり、負極活物質の比表面積に対して特定の割合とする必要がある。すなわち、溶媒中のγ−ブチロラクトンの含有率をx(体積%)、溶媒中のビニレンカーボネートを含有率をy(体積%)とし、負極活物質の比表面積をs(m2 /g)としたとき、0.1≦x/s≦2および/または0.1≦y/s≦1の関係を満たす必要があり、特に0.2≦x/s≦2および/または0.2≦y/s≦1の関係を満たすようにすることが好ましい。かつ、本発明においては、電池の規格容量に対して90%の充電状態での負極が、X線光電子分光分析によるC−O由来の炭素原子に基づく286〜287eVのピークから求められる炭素原子の量が6.5原子%以下であり、かつBOx由来のホウ素に基づく192〜193eVのピークから求められるホウ素原子の量が1原子%以上の関係を満たすか、POx由来のリンに基づく133〜135eVのピークから求められるリン原子の量が1原子%以上の関係を満たすようにする必要があり、特に、上記C−O由来の炭素原子の量が6.0原子%以下で、上記BOx由来のホウ素原子の量が1.5原子%以上の関係を満たすようにするか、POx由来のリン原子の量が1.5原子%以上の関係を満たすようにすることが好ましい。
【0033】
これに対して、上記x/s値および/またはy/s値が0.1未満になると、初回充電時のガス発生抑制効果が小さく、電極に反応ムラが生じるのを防止する効果が得られにくくなり、また、x/s値が2を超えたり、y/s値が1を超えると、高負荷時における容量が低下するなどの支障をきたすようになる。また、上記C−O由来の炭素原子の量が6.5原子%より大きく、上記BOx由来のホウ素原子の量またはPOx由来のリン原子の量が1原子%未満になると、初回充電時のガス発生の抑制効果が小さく、負極表面のSEI皮膜の高温での安定性も不充分となり、過充電安全性が向上しにくくなる。
【0034】
また、過充電安全性をより向上させるためには、上記有機電解液中の芳香族化合物の含有量を0.5〜7質量%とすることが好ましく、特に1〜7質量%とすることが好ましい。芳香族化合物中の含有量が0.5質量%より少ない場合は、さらなる過充電安全性の向上効果はほとんど得られないし、7質量%以上より多い場合は、高負荷時に容量が低下するなどの支障をきたしやすい。
【0035】
電解液中に含有させる芳香族化合物としては、非イオン性の芳香族化合物が好ましく、その具体例としては、例えば、シクロヘキシルベンゼン、イソプロピルベンゼン、n−ブチルベンゼン、オクチルベンゼン、トルエン、キシレンなどのベンゼン環にアルキル基が結合した化合物、それらのハロゲン化物、ビフェニル、トリフェニルなどの複数個のベンゼン環が結合した化合物、それらのハロゲン化物、フルオロベンゼン、クロロベンゼンなどのベンゼンのハロゲン化物などが挙げられるが、それらのなかでも、特にシクロヘキシルベンゼン、フルオロベンゼン、ビフェニル、フルオロビフェニル、トリフェニルなどが好ましい。
【0036】
本発明において、負極を上記のように構成するには、例えば、BOx由来のホウ素原子を含ませる場合、ホウ酸やホウ酸塩の溶液に負極活物質または負極を一定時間浸漬乾燥する方法、ホウ酸やホウ酸塩の溶液を負極作製時の負極活物質、バインダーなどを含む塗料中に混ぜ込む方法、電解液中に添加する方法などが挙げられる。また、POx由来のリン原子を含ませる場合、リン酸やリン酸塩の溶液に負極活物質または負極を一定時間浸漬乾燥する方法、リン酸やリン酸塩の溶液を負極作製時の負極活物質、バインダーなどを含む塗料中に混ぜ込む方法、電解液中に添加する方法などが挙げられる。
【0037】
本発明において、負極活物質としては、リチウム金属またはリチウム含有化合物が用いられる。リチウム含有化合物としては、例えば、リチウム−アルミニウム、リチウム−鉛、リチウム−ビスマス、リチウム−インジウム、リチウム−ガリウム、リチウム−インジウム−ガリウムなどのリチウムと他の金属との合金や、乱層構造を有する炭素材料、天然黒鉛、人造黒鉛、ガラス状炭素などの炭素質材料などが挙げられる。これらの炭素質材料は、製造時にはリチウムを含んでいないものもあるが、負極活物質として作用するときには、化学的手段、電気化学的手段によりリチウムを含有した状態になる。
【0038】
負極は、例えば、上記負極活物質に対して、必要に応じて、鱗片状黒鉛、カーボンブラックなどの電子伝導助剤を添加し、さらにバインダーと溶剤を加え、混合して塗料を調製し、その塗料を負極集電体としての作用を兼ねる導電性基体上に塗布し、乾燥して、塗膜を形成する工程を経由することによって作製される。上記塗料の調製に当たって、バインダーはあらかじめ有機溶剤、水、水溶液に溶解させた溶液として用い、上記負極活物質などの固体粒子と混合して塗料を調製することが好ましい。
【0039】
バインダーには、例えば、ポリビニリデンフルオライド系ポリマーやスチレンブタジエンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、フッ素ゴムなどのゴム系ポリマー、あるいはカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのセルロース系ポリマーなどが好適に用いられる。これらのポリマーは必要により混合しても用いても良い。
【0040】
ポリビニリデンフルオライド系ポリマーは、ビニリデンフルオライドを80質量%以上含有する含フッ素系モノマー群の重合体であり、ビニリデンフルオライドの単独重合体、ビニリデンフルオライドと他の少なくとも1種のモノマーとの共重合体が挙げられる。他のモノマーには、ビニリデンフルオライド、トリフルオロエチレン、トリフルオロクロロエチレン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、フルオロアルキルビニルエーテルなどがある。
【0041】上記のバインダーは、導電性基体上の塗膜中において0.2〜20質量%であることが好ましく、特に0.5〜10質量%であることが好ましい。バインダーの含有量が上記範囲より少ない場合は、塗膜の機械的強度が不足して、塗膜が導電性基体から剥離するおそれがあり、また、バインダーの含有量が上記範囲より多い場合は、塗膜中の活物質量が減少して電池容量が低下するおそれがある。
【0042】
導電性基体としては、アルミニウム、ステンレス鋼、チタン、銅などの金属性導電材料を網、パンチドメタル、フォームメタルや、板状に加工した箔などが用いられる。この導電性基体上に負極塗料を塗布する際の塗布方法としては、押出しコーター、リバースローラー、ドクターブレード、アプリケーターなどをはじめ、各種の塗布方法を採用することができる。
【0043】
本発明においては、このような負極を用いて電池を組み立てるにあたり、その負極に含まれる水分量を100ppm以下、特に好ましくは80ppm以下に規制したときは、水の分解による水素ガスの発生量が少なくなって、ガス発生抑制効果がさらに顕著となり、その結果、初回充電時の電流値をより大きくして、生産性をさらに一段と向上させることができることを見出した。
【0044】
水分量の抑制によるガス発生抑制については、これまでにも言及されているが、水分量の抑制だけでは、ガス発生抑制効果は充分でなく、生産時間の短縮効果があまり得られない。しかし、本発明のように有機電解液中にビニレンカーボネートおよび/またはγ−ブチロラクトンを前記割合で含ませ、かつ負極のC−O由来のピークから求められる炭素原子の量およびBOx由来のホウ素に基づくホウ素原子の量またはPOx由来のリンに基づくリン原子の量が一定の範囲であり、かつ電池組み立て時の負極の水分量を上記範囲内に規制すると、初回充電時におけるガス発生抑制効果がより顕著となり、その結果、初回充電時の電流値をより大きくして生産性をより一段と向上させることができる。
【0045】
本発明において、正極活物質としては、リチウムニッケル酸化物、リチウムコバルト酸化物、リチウムマンガン酸化物(これらは、通常、LiNiO2 、LiCoO2 、LiMn2 O4 で表されるが、LiとNiの比、LiとCoの比、LiとMnとの比は化学量論組成から多少ずれている場合が多いが、そのようにずれていてもよい)などのリチウム含有複合酸化物を単独でまたは2種以上の混合物として、あるいはそれらの固溶体として、用いることができる。
【0046】
正極は、例えば、上記の正極活物質に対して、必要に応じて、鱗片状黒鉛、カーボンブラックなどの電子伝導助剤を加え、さらにバインダーと溶剤を加え、これらを混合して塗料を調製し、この塗料を正極集電体としての作用を兼ねる導電性基体上に塗布し、乾燥して塗膜を形成する工程を経由することによって作製される。
【0047】
ここで、バインダーには、負極の場合と同様に、ポリビニリデンフルオライド系ポリマー、ゴム系ポリマー、セルロース系ポリマーなどを用いることができ、その使用量についても、正極塗膜中の割合が、負極塗膜中のバインダー量と同じ割合となるようにすることが好ましい。また、導電性基体の種類やこの導電性基体への正極塗料の塗布方法についても、負極の場合と同様とすることができる。
【0048】
本発明の有機電解液電池は、例えば、上記の負極と正極とを両者間にセパレータを介在させて渦巻状に巻回した渦巻状電極体を、ニッケルメッキを施した鉄やステンレス鋼製の電池ケース内に挿入して、これに有機電解液を注入し、封口する工程を経て作製される。この電池には、通常、電池内部に発生したガスをある一定圧力まで上昇した段階で電池外部に排出し、電池の高圧下での破裂を防止するための防爆機構が取り入れられる。
【0049】
なお、負極と正極との間に介在させるセパレータには、例えば、厚さ10〜50μmで、開孔率30〜70%の微多孔性ポリエチレンフィルム、微多孔性ポリプロピレンフィルム、微多孔性エチレン−プロピレンコポリマーフィルムなどが好適に用いられる。
【0050】
【実施例】
次に、本発明の実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明は、それらの実施例のみに限定されるものではない。なお、以下において、部とあるいは質量部を意味するものとする。
【0051】
実施例1
負極は、以下のとおり作製した。
まず、負極活物質として比表面積3.0m2 /gの黒鉛を97質量部用い、またLiBO2 を1質量部用い、バインダーとしてスチレンブタジエンゴム1質量部とカルボキシメチルセルロース1質量部を水に溶解させたものを用い、上記全てを混合して負極塗膜形成用塗料を調製した。
【0052】
得られた塗料を厚さ10μmの銅箔からなる導電性基体上にアプリケーターを用いて塗布し、100℃で乾燥して塗膜を作製した。上記銅箔の裏面側にも上記塗料を塗布し乾燥して電極体を形成した。その後、この電極体を100℃で10時間真空乾燥後、ロールプレスして、シート状の負極を得た。このときの負極の塗膜密度は1.5g/cm3 であった。上記負極のカールフィッシャー法で測定した水分量は110ppmであった。上記負極中の水分量は負極を2cm×5cmの試験片に切断し、170℃で過熱して出てきた水蒸気をカールフィッシャー装置に導入することにより測定したものである。そして、水分量は、塗膜の質量に対する負極中の水分の質量とした。
【0053】
正極は、以下のとおり作製した。
リチウムコバルト酸化物を95質量部と、電子伝導助剤としてのカーボンブラックを1質量部と鱗片状黒鉛を1質量部と、バインダーとしてのポリビニリデンフルオライドの3質量部をN−メチル−2−ピロリドンに溶解させたものとを用い、正極塗膜系形成用塗料を調製した。この塗料の調製は次のように行った。
【0054】
まず、N−メチル−2−ピロリドンにポリビニリデンフルオライドを溶解したバインダー溶液を調製した。つぎに、このバインダー溶液に正極活物質としてのリチウムコバルト酸化物と、電子伝導助剤としてのカーボンブラックおよび鱗片状黒鉛を加えて混合することにより、塗料を調製した。
【0055】
この塗料を厚さ15μmのアルミニウム箔からなる導電性基体の表面側にアプリケーターにて塗布し、100〜120℃で乾燥して塗膜を形成した。このアルミニウム箔の裏面側にも同様に塗布乾燥して、塗膜を形成した。その後、100℃で10時間真空乾燥したのち、ロールプレスして、シート状の正極を得た。この正極の塗膜密度は3.30g/cm3 であった。
【0056】
有機電解液には、エチレンカーボネートとメチルエチルカーボネートの体積比が1:2の混合溶媒に対して、γ−ブチロラクトンをその含有量xが3体積%となるように加えたものを電解液溶媒とし、これに電解質としてのLiPF6 を1.2mol/l溶解させて調製した有機電解液を用いた。
【0057】
なお、負極活物質の比表面積sは3.0m2 /gであり、この比表面積sに対するγ−ブチロラクトンの割合(x/s)は1であった。
【0058】
筒形有機電解液電池の組み立ては以下のとおり行った。
最初に、上記のシート状正極を幅28mm×長さ220mmの帯状に切断し、また上記のシート状負極を幅30mm×長さ260mmの帯状に切断した。それぞれの電極端部の塗膜の一部を剥がし、金属箔を露出した部分に、アルミニウム製のリード体を抵抗溶接した。厚さ20μmで開孔率50%の微多孔性ポリプロピレンフィルムからなる帯状セパレータを上記シート状正極とシート状負極との間に介在させ、渦巻状に巻回して渦巻状電極体を作製した。
【0059】
つぎに、このように作製した渦巻状電極体を、有底円筒状の電池ケース内に挿入し、正極リード体および負極リード体の溶接を行った。ついで、乾燥雰囲気中で有機電解液2mlを注入した後、封口して、図1に示す筒形のR5型有機電解液電池(外径:14.95mm、高さ:39.7mm)を作製した。
【0060】
図1に示す電池について説明すると、1は前記の正極で、2は負極である。ただし、図1においては、煩雑化を避けるため、正極1や負極2の作製にあたり使用した導電性基体としての金属箔などは図示していない。3はセパレータであり、この正極1と負極2はこのセパレータ3を介して渦巻状に巻回され、渦巻状電極体として上記特定の有機電解液4と共に電池ケース5内に収容されている。
【0061】
電池ケース5は鉄製で表面にニッケルメッキが施されていて、その底部には上記渦巻状電極体の挿入に先立って、ポリプロピレンからなる絶縁体6が配置されている。封口板7は、アルミニウム製で円板状をしていて、その中央部に薄肉部7aを設け、かつ上記薄肉部7aの周囲に電池内圧を防爆弁9に作用させるための圧力導入口7bとしての孔が設けられている。そして、この薄肉部7aの上面に防爆弁9の突出部9aが溶接され、溶接部分11を構成している。なお、上記の封口板7に設けた薄肉部7aや防爆弁9の突出部9aなどは、図面上での理解がしやすいように、切断面のみを図示しており、切断面後方の輪郭線は図示を省略している。また、封口板7の薄肉部7aと防爆弁9の突出部9aとの溶接部分11も、図面上での理解が容易なように、実際よりは誇張した状態に図示している。
【0062】
端子板8は、圧延鋼製で表面にニッケルメッキが施され、周縁部が鍔状になった帽子状をしており、この端子板8にはガス排出口8aが設けられる。防爆弁9は、アルミニウム製で円板状をしており、その中央部には発電要素側(図1では、下側)に先端部を有する突出部9aが設けられ、かつ薄肉部9bが設けられ、上記突出部9aの下面が、前記したように、封口板7の薄肉部7aの上面に溶接され、溶接部分11を構成している。絶縁パッキング10は、ポリプロピレン製で環状をしており、封口板7の周縁部の上部に配置され、その上部に防爆弁9が配置していて、封口板7と防爆弁9とを絶縁するとともに、両者の間から有機電解液が漏れないように両者に間隙を封止している。環状ガスケット12はポリプロピレン製で、リード体13はアルミニウム製で、前記封口板7と正極1とを接続し、渦巻状電極体の上部には絶縁体14が配置され、負極2と電池ケース5の底部とはニッケル製のリード体15で接続されている。
【0063】
この電池においては、封口板7の薄肉部7aと防爆弁9の突出部9aとが溶接部分11で接触し、防爆弁9の周縁部と端子板8の周縁部とが接触し、正極1と封口板7とは正極側のリード体13で接続されているので、通常の状態では、正極1と端子板8とはリード体13、封口板7、防爆弁9およびそれらの溶接部分11によって電気的接続が得られ、電路として正常に機能する。
【0064】
そして、電池が高温にさらされたり、過充電によって発熱するなど、電池に異常事態が起こり、電池内部にガスが発生して電池の内圧が上昇した場合には、その内圧上昇により、防爆弁9の中央部が内圧方向(図1では、上側の方向)に変形し、それに伴って溶接部分11で一体化されてなる封口板7の薄肉部7aに剪断力が働いて該薄肉部7aが破断するか、または防爆弁9の突出部9aと封口板7の薄肉部7aとの溶接部分11が剥離した後、この防爆弁9に設けられている薄肉部9bが開裂してガスを端子板8のガス排出口8aから電池外部に排出させて電池の破裂を防止することができるように設計されている。
【0065】
実施例2
有機電解液として、エチレンカーボネートとメチルエチルカーボネートとの体積比が1:2の混合溶媒に対して、ビニレンカーボネートをその含有率yが2体積%となるように加えたものを電解液溶媒とし、これに電解質としてのLiPF6 を1.2mol/l溶解させて調製した有機電解液を用いた以外は、実施例1と同様にして、筒形の有機電解液電池を作製した。
【0066】
なお、負極活物質の比表面積sは3.0m2 /gであるため、この比表面積sに対するビニレンカーボネートの割合(y/s)は0.66であった。
【0067】
実施例3
有機電解液として、エチレンカーボネートとメチルエチルカーボネートとの体積比が1:2の混合溶媒に対して、γ−ブチロラクトンをその含有率xが3体積%となるように加え、また、ビニレンカーボネートをその含有率yが2体積%となるように加えたものを電解液溶媒とし、これに電解質としてのLiPF6 を1.2mol/l溶解させて調製した有機電解液を用いた以外は、実施例1と同様にして、筒形の有機電解液電池を作製した。
【0068】
なお、負極活物質の比表面積sは3.0m2 /gであるため、この比表面積sに対するγ−ブチロラクトン(x/s)は1であり、また上記比表面積sに対するビニレンカーボネートの割合(y/s)は0.66であった。
【0069】
実施例4
有機電解液として、エチレンカーボネートとメチルエチルカーボネートとの体積比が1:2の混合溶媒に対して、γ−ブチロラクトンをその含有率xが1体積%となるように加え、また、ビニレンカーボネートをその含有率yが1体積%となるように加えたものを電解液溶媒とし、これに電解質としてのLiPF6 を1.2mol/l溶解させて調製した有機電解液を用いた以外は、実施例1と同様にして、筒形の有機電解液電池を作製した。
【0070】
なお、負極活物質の比表面積sは3.0m2 /gであるため、この比表面積sに対するγ−ブチロラクトン(x/s)は0.33であり、また上記比表面積sに対するビニレンカーボネートの割合(y/s)は0.33であった。
【0071】
実施例5
負極活物質として比表面積3.0m2 /gの黒鉛を97.5質量部用い、またLiBO2 を0.5質量部を用い、バインダーとしてスチレンブタジエンゴム1質量部とカルボキシメチルセルロース1質量部を水に溶解させたものを用い、上記全てを混合して負極塗膜形成用塗料を調製した以外は、実施例3と同様にして、筒形の有機電解液電池を作製した。なお、上記負極のカールフィッシャー法で測定した水分量は113ppmであった。
【0072】
実施例6
負極として、銅箔への塗膜形成段階での乾燥条件などを変更することにより、その水分量(塗膜の質量に対する水分の質量、実施例1と同様にして測定)が、65ppmとなるものを用いた以外は、実施例3と同様にして、筒形の有機電解液電池を作製した。
【0073】
実施例7
電解液にシクロヘキシルベンゼンを2%含有させたものを用いた以外は、実施例3と同様にして、筒形の有機電解液電池を作製した。
【0074】
実施例8
負極活物質として比表面積3.0m2 /gの黒鉛を97質量部用い、またリン酸リチウムを1質量部用い、バインダーとしてスチレンブタジエンゴム1質量部とカルボキシメチルセルロース1質量部を水に溶解させたものを用い、上記全てを混合して負極塗膜形成用塗料を調製した以外は、実施例1と同様にして、筒形の有機電解液電池を作製した。なお、上記有機電解液電池における負極の塗膜密度は1.5g/cm3 であり、カールフィッシャー法で測定した水分量は120ppmであった。また、負極活物質の比表面積sは3.0m2 /gであり、この比表面積sに対するγ−ブチロラクトンの割合(x/s)は1であった。
【0075】
実施例9
有機電解液として、エチレンカーボネートとメチルエチルカーボネートとの体積比が1:2の混合溶媒に対して、ビニレンカーボネートをその含有率yが2体積%となるように加えたものを電解液溶媒とし、これに電解質としてのLiPF6 を1.2mol/l溶解させて調製した有機電解液を用いた以外は、実施例8と同様にして、筒形の有機電解液電池を作製した。
【0076】
なお、負極活物質の比表面積sは3.0m2 /gであるため、この比表面積sに対するビニレンカーボネートの割合(y/s)は0.66であった。
【0077】
実施例10
有機電解液として、エチレンカーボネートとメチルエチルカーボネートとの体積比が1:2の混合溶媒に対して、γ−ブチロラクトンをその含有率xが3体積%となるように加え、また、ビニレンカーボネートをその含有率yが2体積%となるように、それぞれ加えたものを電解液溶媒とし、これに電解質としてのLiPF6 を1.2mol/l溶解させて調製した有機電解液を用いた以外は、実施例8と同様にして、筒形の有機電解液電池を作製した。
【0078】
なお、負極活物質の比表面積sは3.0m2 /gであるため、この比表面積sに対するγ−ブチロラクトンの割合(x/s)は1であり、また、上記比表面積sに対するビニレンカーボネートの割合(y/s)は0.66であった。
【0079】
実施例11
有機電解液として、エチレンカーボネートとメチルエチルカーボネートとの体積比が1:2の混合溶媒に対して、γ−ブチロラクトンをその含有率xが1体積%となるように加え、また、ビニレンカーボネートをその含有率yが1体積%となるように加えたものを電解液溶媒とし、これに電解質としてのLiPF6 を1.2mol/l溶解させて調製した有機電解液を用いた以外は、実施例8と同様にして、筒形の有機電解液電池を作製した。
【0080】
なお、負極活物質の比表面積sは3.0m2 /gであるため、この比表面積sに対するγ−ブチロラクトンの割合(x/s)は0.33であり、また、上記比表面積sに対するビニレンカーボネートの割合(y/s)は0.33であった。
【0081】
実施例12
負極活物質として比表面積3.0m2 /gの黒鉛を97.5質量部用い、またリン酸リチウムを0.5質量部用い、バインダーとしてスチレンブタジエンゴム1質量部とカルボキシメチルセルロース1質量部を水に溶解させたものを用い、上記全てを混合して負極塗膜形成用塗料を調製した以外は、実施例10と同様にして、筒形の有機電解液電池を作製した。なお、上記負極のカールフィッシャー法で測定した水分量は117ppmであった。
【0082】
実施例13
負極として、銅箔への塗膜形成段階で乾燥条件などを変更することにより、その水分量(塗膜の質量に対する水分の質量;実施例1と同様にして測定)が、67ppmとなるものを用いた以外は、実施例10と同様にして、筒形の有機電解液電池を作製した。
【0083】
実施例14
電解液にシクロヘキシルベンゼンを2質量%含有させたものを用いた以外は、実施例10と同様にして、筒形の有機電解液電池を作製した。
【0084】
比較例1
負極活物質として比表面積3.0m2 /gの黒鉛を98質量部用い、バインダーとしてスチレンブタジエンゴム1質量部とカルボキシメチルセルロース1質量部を水に溶解させたものを用い、上記全てを混合して負極塗膜形成用塗料を調製した以外は、実施例1と同様にして筒形の有機電解液電池を作製した。なお、上記負極のカールフィッシャー法で測定した水分量は106ppmであった。
【0085】
比較例2
負極活物質として比表面積3.0m2 /gの黒鉛を98質量部用い、バインダーとしてスチレンブタジエンゴム1質量部とカルボキシメチルセルロース1質量部を水に溶解させたものを用い、上記全てを混合して負極塗膜形成用塗料を調製した以外は、実施例3と同様にして、筒形の有機電解液電池を作製した。なお、上記負極のカールフィッシャー法で測定した水分量は106ppmであった。
【0086】
比較例3
有機電解液として、エチレンカーボネートとメチルエチルカーボネートとの体積比が1:2の混合溶媒に対して、電解質としてLiPF6 を1.2mol/l溶解させて調製した有機電解液を用いた以外は、実施例1と同様にして、筒形の有機電解液電池を作製した。なお、上記負極のカールフィッシャー法で測定した水分量は110ppmであった。
【0087】
比較例4
有機電解液として、エチレンカーボネートとメチルエチルカーボネートとの体積比が1:2の混合溶媒に対して、電解質としてLiPF6 を1.2mol/l溶解させて調製した有機電解液を用いた以外は、実施例8と同様にして、筒形の有機電解液電池を作製した。なお、上記負極のカールフィッシャー法で測定した水分量は110ppmであった。
【0088】
上記のようにして作製した実施例1〜14および比較例1〜4の電池について、充放電電流をCで表示した場合、R5形で650mAを1Cとして、0.1C、0.3C、0.4C、0.5Cの電流制限回路を設けて、4.2Vの定電圧で初回充電を行った。この電池をアルゴンガス雰囲気のグローブボックス内で分解し、負極表面の反応ムラを観察した。その結果を後記の表3に示す。
【0089】
また、実施例1〜7および比較例1〜3の上記と同様の電池について、0.1Cの電流制限回路を設けて、4.2Vの定電圧で初回充電後、1Cの電流値で電池の電極間電圧が3.0Vに低下するまで放電を行った。2サイクル目からの充電は1Cの電流制限回路を設けて4.2Vの定電圧で行い、放電は電池の電極間電圧が3.0Vに低下するまで行った。
【0090】
このときの電池の充放電繰り返しにおいて、10サイクル目に90%充電を行ったのち、電池を室温で1日放置し、不活性雰囲気中で分解して、負極を取り出した。これを外気に触れない状態で24時間真空乾燥後、XPS分析を行った。XPS分析は、アルバックフアイ社製の「PHI5500MC」により、400WでAl−Kα線を用いて測定し、ピーク分割を行い、286〜287eVのピークから炭素原子の量を算出し、また、192〜193eVのピークからホウ素原子の量を算出した。その結果を表1に示す。
【0091】
【表1】
【0092】
また、実施例8〜14および比較例4の電池の負極についても、前記実施例1などと同様に、ピーク分割を行い、286〜287eVのピークから炭素原子の量を算出し、また、133〜135eVのピークからリン原子の量を算出した。その結果を表2に示す。また、表2には、前記比較例1〜2の電池の負極について上記と同様に求めた炭素原子の量およびリン原子の量についても示す。
【0093】
【表2】
【0094】
また、実施例1〜14および比較例1〜4の上記と同様の電池について、上記と同様の充放電の繰り返しにおいて、10サイクル目に4.2Vの充電状態で試験を止め、その後に、12Vを上限電圧として、0.5A、1A、2A、4Aで過充電し、過充電安全電流値を測定した。過充電安全電流値とは、電池を4.2V満充電後、12Vを上限電圧として0.5A、1A、2A、3A、4Aで過充電し、電池表面温度が135℃以下であった最大電流とし、その結果を表3に示す。また、この表3には、前記のように、初回充電を行ったときの負極表面の反応ムラを示すが、その表示は次に示すように、記号化して示す。
【0095】
○:反応ムラがない。
△:反応ムラが少ない。
×:反応ムラがある。
【0096】
【表3】
【0097】
表3に示す実施例1〜14の電池の特性と比較例1〜4の電池の特性との対比から明らかなように、実施例1〜14の電池は、初回充電電流値を0.4A程度に大きくしても反応ムラが生じにくいため、電流値を大きくすることができ、その結果、比較例1〜4の電池に比べて、初回充電時間を短くでき、生産性の向上が図れ、しかも過充電安全電流値が大きく、過充電安全性が優れていた。
【0098】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、初回充電に要する時間を短縮でき、生産性の向上が図れ、かつ過充電安全性が優れた有機電解液電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の有機電解液電池の一例を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
1 正極
2 負極
3 セパレータ
4 有機電解液
5 電池ケース
Claims (4)
- リチウム金属またはリチウム含有化合物を負極活物質とする負極と正極と有機電解液を有する有機電解液電池において、前記有機電解液として、溶媒中にγ−ブチロラクトンおよび/またはビニレンカーボネートを含有し、かつ溶媒中のγ−ブチロラクトンの含有率をx(体積%)、溶媒中のビニレンカーボネートを含有率をy(体積%)とし、負極活物質の比表面積をs(m2 /g)としたとき、0.1≦x/s≦2および/または0.1≦y/s≦1の関係を満たす有機電解液を用い、かつ電池の規格容量に対して90%の充電状態での負極が、X線光電子分光分析によるC−O由来の炭素原子に基づく286〜287eVのピークから求められる炭素原子の量が6.5原子%以下であり、かつBOx由来のホウ素に基づく192〜193eVのピークから求められるホウ素原子の量が1原子%以上であることを特徴とする有機電解液電池。
- リチウム金属またはリチウム含有化合物を負極活物質とする負極と正極と有機電解液を有する有機電解液電池において、前記有機電解液として、溶媒中にγ−ブチロラクトンおよび/またはビニレンカーボネートを含有し、かつ溶媒中のγ−ブチロラクトンの含有率をx(体積%)、溶媒中のビニレンカーボネートを含有率をy(体積%)とし、負極活物質の比表面積をs(m2 /g)としたとき、0.1≦x/s≦2および/または0.1≦y/s≦1の関係を満たす有機電解液を用い、かつ電池の規格容量に対して90%の充電状態での負極が、X線光電子分光分析によるC−O由来の炭素原子に基づく286〜287eVのピークから求められる炭素原子の量が6.5原子%以下であり、かつPOx由来のリンに基づく133〜135eVのピークから求められるリン原子の量が1原子%以上であることを特徴とする有機電解液電池。
- 水分量が100ppm以下である負極を用いて組み立てられることを特徴とする請求項1または2記載の有機電解液電池。
- 有機電解液中に芳香族化合物を0.5〜7質量%含有させることを特徴とする請求項1または2記載の有機電解液電池。
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