JP2004246942A - 光情報記録媒体、その製造方法および記録方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高エネルギービーム照射による記録層結晶化工程が不要であるとともに、記録特性、保存信頼性および機械的特性に優れた光情報記録媒体、その製造方法および記録方法の提供。
【解決手段】本発明の記録媒体は、基板1上に、下部保護層2、Biを含む酸化物からなる結晶化促進層3、SbおよびTeを主成分とする記録材料からなる相変化記録層4、上部保護層5および反射層6を設けることにより得られる。また本発明の記録方法は、前記記録媒体を用い、記録マークを記録する領域が互いに等しい面積に分割されているセルからなり、セルに対して一つの記録マークが記録され、この記録マークがセルに対して占有する割合として、記録すべき情報が多値情報に変調され記録される方法である。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明の記録媒体は、基板1上に、下部保護層2、Biを含む酸化物からなる結晶化促進層3、SbおよびTeを主成分とする記録材料からなる相変化記録層4、上部保護層5および反射層6を設けることにより得られる。また本発明の記録方法は、前記記録媒体を用い、記録マークを記録する領域が互いに等しい面積に分割されているセルからなり、セルに対して一つの記録マークが記録され、この記録マークがセルに対して占有する割合として、記録すべき情報が多値情報に変調され記録される方法である。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光情報記録媒体、その製造方法および記録方法に関するものであり、詳しくは、高エネルギービーム照射による記録層結晶化工程が不要であるとともに、記録特性、保存信頼性および機械的特性に優れた光情報記録媒体、その製造方法および記録方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
レーザビーム照射による情報の記録、再生および消去が可能な光情報記録媒体として、結晶状態と非晶質(アモルファス)状態の可逆的相変化を利用したいわゆる相変化型光情報記録媒体が知られている。これらのうち、実用化レベルで広く知られている記録材料として、GeTe−Sb2Te3擬似2元系組成を有し、Ge2Sb2Te5などの化合物組成に代表されるGe−Sb−Te3元合金材料(GeSbTe系材料)、およびSb−Sb2Te3の2元系組成を主成分とし、Ag−In−Sb−Teに代表されるAgInSbTe系材料がある。前者のGeSbTe系材料はDVD−RAMとして、後者のAgInSbTe系材料は、CD−RW、DVD−RWおよびDVD+RWとして実用化されている。さらに近年、AgInSbTe系材料に関して、Sb−Te組成上は共晶組成近傍であって従来のAgInSbTe系材料と変わらないものの、空間群Fm3mに属する準安定Sb3Te相を有するという結晶構造上の新たな特徴を有するもの(以下、準安定Sb3Te系材料という)が、高密度記録、繰り返し特性に優れたものとして開発されている(下記特許文献1参照)。すなわち、準安定Sb3Te相を基本骨格として、特性向上の必要に応じて、Ag、In、Ge、Si、Sn、Cu、Mn、Gaなどの添加元素が少なくとも1種添加されたものであり、AgInSbTe、AgInSbTeGe、InSbTeGe、SbTeGeなどに代表されるものである。
【0003】
さて、現在実用化されている相変化型光情報記録媒体において、記録層はスパッタリングなどの真空成膜法で成膜され、成膜工程直後の膜は、非晶質状態(アモルファス)となっており、媒体の反射率は5%未満である。一方、製品化された光情報記録媒体の記録層の初期状態は、駆動装置側のサーボを安定かつ容易に行うために、反射率の高い結晶状態でなければならない(規格では18%以上)。このため、成膜工程終了後に、媒体を回転させながら、半径方向に100〜200μm幅のレーザビームを順次照射して記録層を結晶化させる、いわゆる初期化プロセスが必要であった。しかしながら、上記初期化プロセスには、1枚あたり30秒以上の時間が必要であるため、スループットを他工程と合わせるためには初期化装置が多数台必要となり、設備費が高くなって、製造コストの上昇を招くという不都合があった。
さらに、記録線速の高速化および記憶容量の高密度化にしたがい、初期化に適したレーザ強度の許容範囲は狭くなる方向にあるため、初期化用半導体レーザの強度プロファイル管理やその経時変化の管理などがより厳しく煩雑になり、安定して良品を得ることが困難になっていた。これによって、さらなる製造コストの上昇要因になっていた。
【0004】
こうした状況下、初期化プロセスの改善について工夫がなされてきた。その一つとして、GeSbTe系材料において、記録層の結晶化を促進する結晶化促進層をあらかじめ記録層の直下に設けておくことにより、成膜段階で記録層を結晶化させ、初期化プロセスを不要とするいわゆる初期化レス技術が知られている(下記特許文献2参照)。
特許文献2に記載の技術によれば、Ge、Sb、Teを主成分とする材料からなる記録層を有する光情報記録媒体の製造方法において、ある一定の結晶構造からなる結晶化促進層(たとえば、Sb、Bi、Sb化合物およびBi化合物の少なくともいずれか1つを含む材料などからなる層)を設け、この直上に記録層を成膜することにより、成膜段階で記録層の結晶化をすることができ、これにより初期化が不要な光情報記録媒体を実現できるとされている。そして、CNR、消去比についてのみであるが、安定した記録特性が得られることが開示されている。また、成膜中の基板温度を45〜110℃に保持することで安定な結晶状態の記録層が得られるとしている。
しかしながら、本発明者らの知見によれば、結晶化促進層を用いる方法は、結晶化促進層の材料の及ぼす媒体特性への悪影響が大きいため、品質の確保がままならず、結果的に製造コストを削減できないという問題を有している。特に、保存信頼性の低下が深刻な問題となる。これは、結晶化促進層が記録時に溶融して層としては存在しなくなるものの、依然として非晶質記録マーク中に何らかの形で分散して残存し、保存時に結晶化核等として働き、非晶質記録マークの結晶化を促進するためと考えられる。そのため、結晶化促進層を用いる方法においては、成膜段階での結晶化を容易とするという観点からは、結晶化しやすい記録層材料を用いることが望ましいのであるが、その場合には信頼性の確保が困難となり、また逆に、結晶化しにくく信頼性の高い記録材料を用いた場合には、保存信頼性の確保はできたとしても成膜段階での結晶化が困難となってしまう。すなわち、結晶化促進層を用いる方法は、成膜段階における記録材料の結晶化促進と、非晶質記録マークの信頼性確保(結晶化の阻害)という相反する要件を両立しなければならないという困難性を有する。この点に関して、特許文献2においては、CNR、消去比について安定した記録特性の得られることが実施例として開示されているものの、保存信頼性に関しては全く開示されておらず、唯一、記録層におけるGeの原子比率が10atom%未満の場合は、信頼性の点で好ましくないと言及されているのみである。したがって、特許文献2に開示された製造方法により得られた光情報記録媒体は、保存信頼性に劣るという欠点がある。
【0005】
また、光情報記録媒体の高速化および高密度化の方向として、記録波長の短波長化や多値記録の流れがある。
記録波長に関しては、現在主流である書き換え型DVDの記録波長は650nmであるが、既に波長405nmのレーザーダイオードを用いた大容量記録媒体の開発が実用化に近づいている。結晶化促進層がその機能を十分に発現するためには、ある一定以上の膜厚が必要であり、その膜厚は、記録材料の結晶化転移温度(アモルファス相の安定性および成膜時の結晶化しにくさと正の相関がある)にもよるが、例えば5at%の添加元素を含む記録材料の結晶化転移温度が170℃程度の記録材料の場合、望ましくは1nm程度である。仮に、結晶化促進層の膜厚を1nmとすると、結晶化促進元素の濃度を5原子%以下にするには、単純な膜厚比換算で記録層膜厚は19nm以上が必要となる。
ところが、記録再生波長の短波長化(たとえば405nm)に伴い、記録特性上最適な記録層の膜厚は薄くなる傾向があり、その膜厚はおよそ10〜16nmである。したがって、短波長で記録再生する場合、記録層中の結晶化促進元素の相対濃度が高くなってしまうという欠点があった。このような記録媒体は、保存信頼性が低く、実用に適さない。
結晶化促進層に金属間化合物等からなる高融点Bi材料を使えば、このような問題は回避できるが、このような結晶化促進層は結晶化促進効果が小さくなってしまうという問題がある。このため、結晶化促進層の膜厚が厚くなって、光学的な吸収が無視できなくなり、反射率の低い記録媒体になってしまう。また、記録層成膜時に基板加熱などの熱的アシストが必要となって、チルト特性等の機械的特性が悪化し、記録特性の粗悪な記録媒体になってしまう。
記録波長が短波長になると、ビーム径が0.4〜0.5μmと極めて小さくなるため、従来の初期化によって生じる媒体への熱ダメージや再非晶質化によるアモルファススポットの残留などが、再生誤りや再生信号ノイズとしてますます無視できなくなる。すなわち、単波長化に関して、従来の初期化工程を経たのでは著しく信号特性が劣化してしまう。
また、多値記録に関しては、一般に再生ビーム径よりも小さなアモルファスマークを結晶領域中に孤立して書き、その専有面積によって反射率を他段階に制御し多値情報とするため、従来の初期化工程によって生じる上記不具合は、2値記録の場合よりも一層致命的になる。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−43415号公報
【特許文献2】
特許第3185890号明細書
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
したがって本発明の目的は、高エネルギービーム照射による記録層結晶化工程が不要であるとともに、記録特性、保存信頼性および機械的特性に優れた光情報記録媒体、その製造方法および記録方法の提供にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、基板上に、少なくとも保護層、結晶化促進層、相変化記録層および反射層を有し、前記相変化記録層の結晶状態と非晶質状態の可逆的変化を利用して、情報の記録・再生・消去を行う光情報記録媒体において、前記相変化記録層がSbおよびTeを主成分とする記録材料からなり、かつ前記相変化記録層の少なくとも一部に接して、Biを含む酸化物からなる結晶化促進層が設けられていることを特徴とする光情報記録媒体である。
請求項2の発明は、前記相変化記録層が、空間群Fm3mに属する準安定Sb3Te相を有することを特徴とする請求項1に記載の光情報記録媒体である。
請求項3の発明は、前記結晶化促進層がBi2O3からなることを特徴とする請求項1または2に記載の光情報記録媒体である。
請求項4の発明は、前記結晶化促進層がBi2O3と、TiO2、SnO2および/またはZrO2とを含むことを特徴とする請求項1または2に記載の光情報記録媒体である。
請求項5の発明は、前記相変化記録層が、Geおよび/またはInをさらに含むことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の光情報記録媒体である。
請求項6の発明は、基板上に、少なくとも保護層、結晶化促進層、相変化記録層および反射層を設け、前記相変化記録層の結晶状態と非晶質状態の可逆的変化を利用して、情報の記録・再生・消去を行う光情報記録媒体の製造方法において、前記相変化記録層がSbおよびTeを主成分とする記録材料からなり、かつ前記相変化記録層の少なくとも一部に接するように、Biを含む酸化物からなる結晶化促進層を設けることを特徴とする光情報記録媒体の製造方法である。
請求項7の発明は、前記結晶化促進層が、酸素を含む雰囲気においてスパッタリング法により形成されることを特徴とする請求項6に記載の光情報記録媒体の製造方法である。
請求項8の発明は、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の光情報記録媒体を用いる記録方法であって、記録マークを記録する領域が互いに等しい面積に分割されているセルからなり、前記セルに対して一つの記録マークが記録され、この記録マークがセルに対して占有する割合として、記録すべき情報が多値情報に変調され記録されることを特徴とする記録方法である。
請求項9の発明は、前記相変化記録層が成膜直後に結晶化しており、高エネルギービーム照射による記録層結晶化工程を経ずに、前記多値情報を記録することを特徴とする請求項8に記載の記録方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の光情報記録媒体の一実施形態の断面図である。図1の光情報記録媒体は、基板1上に、下部保護層2、結晶化促進層3、相変化記録層4、上部保護層5、反射層6および有機保護層7がこの順で設けられている。なお、有機保護層7は、必要に応じて設けられる。また、基板1にはグルーブ溝8が設けられている。
【0010】
本発明において結晶化促進層3は、相変化記録層4の少なくとも一部に接するとともに、Biを含む酸化物からなる層であることを特徴としている。このBiを含む酸化物としては、Bi2O3が好ましい。
Bi2O3は記録再生操作によっても熱的に安定で、相変化記録層4と溶け合うことが無く、記録媒体の保存信頼性を悪化させることがない。また、BiZr、BiRhなどの金属間化合物の結晶化促進層よりも結晶化促進効果が高いため、結晶化促進層を薄くでき、かつ基板加熱等の記録層成膜時の熱的アシストも必要ないので、優れたチルト特性等の機械的特性を提供することができる。特に基板厚が厚い場合は(例えば0.6mm厚)、短波長化でビーム径が小さくなるとチルトマージンが小さくなり、より厳しいフラットネスが記録媒体に要求されるため、基板温度を過度に上げる必要のないBi2O3を用いた記録媒体では良好な記録再生特性が得られる。
【0011】
また本発明によれば、結晶化促進層3がBi2O3と、TiO2、SnO2および/またはZrO2とを含むことが好ましい。この形態によれば、結晶化促進層3の熱的安定性を高めることができる。TiO2、SnO2および/またはZrO2の添加量は、Bi2O3の結晶化促進効果を損ねない範囲であればよいが、例えば結晶化促進層3に対し0〜50mol%、好ましくは0〜30mol%、さらに好ましくは0〜20mol%である。
【0012】
なお、結晶化促進層3は完全に連続な薄膜とならなくてもよい。すなわち、成膜膜厚が質量膜厚で1nm程度の場合は、不連続な多数の島状になっている。成膜膜厚が増加すると、前記島同士がつながり、基板上で完全な薄膜となる。本発明においては、前記不連続な島状をも微視的な意味で結晶化促進層という。
【0013】
本発明の光情報記録媒体における相変化記録層4は、SbおよびTeを主成分とする。また、相変化記録層4はGeおよび/またはInをさらに含むのが好ましい。Geを添加することにより、結晶化促進層3と相変化記録層4との接触系において、相変化記録層4がアモルファスから結晶へ固相転移する際の活性化エネルギーが高まるため、アモルファスマークの保存信頼性を高くすることができる。相変化記録層4中のGeの好ましい濃度は、2〜8at%、より好ましくは3〜6at%である。また、Inを添加することにより、相変化記録層4の結晶化転移温度が高まり、保存信頼性が安定になるとともに、Sbを代替して、アモルファスマークを形成し易くする効果を提供することができ、記録マークが小さくなっても良好な記録ジッタが得られる。相変化記録層4中のInの好ましい濃度は、1〜5at%、より好ましくは1〜3at%である。
【0014】
また本発明によれば、相変化記録層4が、空間群Fm3mに属する準安定Sb3Te相を有するときに、とくに本発明の効果が高まることになり、好ましいものとなる。
【0015】
なお必要に応じて、相変化記録層4には、結晶化速度、記録特性、保存特性を調整する目的で、周期律表第I属ないしVII属に属する元素、例えば、Ag、B、Ca、Cd、Ce、Co、Cr、Cu、Fe、Ga、H、Hg、Ir、K、La、Li、Mg、Mn、Mo、Na、Ni、O、P、Pb、Pd、Po、Pr、Pt、Pu、Rb、Rh、Ru、S、Se、Si、Sn、Sr、Th、Ti、Tl、U、ClおよびBr等の元素のような副成分元素を添加することもできる。副成分元素の総量は、例えば準安定Sb3Te相の出現を妨げないように、10at%未満であることが望ましい。
【0016】
基板1は、例えば0.6mm厚のポリカーボネート製の基板が挙げられる。基板1に設けられるグルーブ溝8は、例えばその深さが200Å〜450Å程度あり、溝ピッチは0.40〜0.60μmである。なお、例えばレーザーの入射方向は基板1側(図の下方から)である。
【0017】
下部保護層2および上部保護層5としては、SiOx、ZnO、SnO2、Al2O3、TiO2、In2O3、MgO、ZrO2、Ta2O5等の金属酸化物、Si3N4、AlN、TiN、BN、ZrN等の窒化物、ZmS、TaS4等の硫化物、SiC、TaC、B4C、WC、TiC、ZrC等の炭化物が挙げられる。これらの材料は、単体で保護層として用いることができ、また、混合物として用いることもできる。例えば、混合物としては、ZnSとSiOx、Ta2O5とSiOx等が挙げられる。実際には、膜の熱特性や媒体化した際の記録特性の優位性等から、ZnS・SiO2膜が、現在最も多く利用されている材料である。下部保護層2および上部保護層5は、それぞれ単層でも多層でも構わない。また、下部保護層2の膜厚は、30〜200nmの範囲が好ましい。30nmより薄くなると、耐環境性保護機能の低下、耐熱性低下、蓄熱効果の低下となり好ましくない。200nmより厚くなると、スパッタリング法等による成膜工程において、膜温度の上昇により膜剥離やクラックが生じたり、媒体の記録感度の低下をもたらすので好ましくない。上部保護層5の膜厚は10〜50nmが好ましい。膜厚が10nmより薄いと耐熱性が低下し好ましくない。逆に、50nmを越えると、記録感度の低下、温度上昇による膜剥離、変形、放熱性の低下により、繰り返しオーバーライト特性が悪くなる。上部保護層5の材料は下部保護層と同様の材料を用いることができる。
【0018】
反射層6としては、Al、Au、Cu、Ag、Cr、Sn、Zn、In、Pd、Zr、Fe、Co、Ni、Si、Ge、Sb、Ta、W、Ti、Pb等の金属を主とした材料の単体または合金を用いることができる。この層は、熱を効率的に放散させることが重要であり、膜厚は50〜160nmが好ましい。膜厚が厚すぎると、放熱効率が大きすぎて感度が悪くなり、薄すぎると感度は良好であるが、繰り返しオーバーライト特性が悪くなる。特性としては、熱伝導率が高く、高融点で保護層材料との密着性がよいことなどが要求される。
なお、保護層6上には必要に応じて有機保護層7を設けることができ、さらにその上に、例えば0.6mm厚のポリカーボネート製基板を貼り合わせてることもできる(図示せず)。
【0019】
本発明の光情報記録媒体の製造方法は、基板上に、少なくとも保護層、結晶化促進層、相変化記録層および反射層を設けることを特徴としている。
本発明の製造方法によれば、各層の成膜直後に相変化記録層が結晶化しているため、例えば大口径レーザ等の高エネルギービームを用いた従来の初期化工程を必要としない。これにより、初期化による熱ダメージに起因する機械的特性の悪化および反射率の変動を防止することがができ、反射率ばらつきが小さく、再生誤りを少なくすることができ、記録特性を向上させることができる。
とくに、Biを含む酸化物からなる結晶化促進層をスパッタリング法等の成膜手段によって設ける際、酸素を含む雰囲気下でこれを成膜するのが好ましい。これにより、結晶化促進層中に遊離したBiが残留しないため、これらが相変化記録層中に溶け込むことによる記録特性や保存信頼性の変動がない。
【0020】
また本発明の記録方法は、記録マークを記録する領域が互いに等しい面積に分割されているセルからなり、前記セルに対して一つの記録マークが記録され、この記録マークがセルに対して占有する割合として、記録すべき情報が多値情報に変調され記録されることを特徴としている。前記のように、相変化記録層は成膜直後に結晶化しているため、高エネルギービーム照射による記録層結晶化工程を経ることなく、多値情報を記録することができる。
【0021】
図2は、本発明の記録方法に用いる記録レーザの変調方法の一例を説明するための図である。本発明による多値記録方法では、記録マークを記録する領域が互いに等しい面積に分割されている(この分割された領域をセルという)。セル10の物理的な大きさは、記録時の線速とセル周波数によって決まり、セル周波数はセル周期11の逆数であり、基準クロックの整数倍をとる。例えば、セル周波数を40nsとすれば、セル周波数は25MHzであり、記録線速=6.0m/sの時のセル長は0.24μmとなる。記録レーザの変調は、記録パルス12、ボトムパルス13、消去パルス14の各パワーと、それぞれの立ち上がり時間15、16および17を設定して行われる。このようなレーザ変調により、多値記録マーク18が形成される。図2における符号19は、再生用レーザビームを模式的に表したものである。ここでいうレーザビームのスポット径とは、レーザの収束直径のことであり、波長λのレーザ光と開口数NAの焦点レンズを用いた場合、φD=0.82×λ/NAと見積もられる。これはレーザ光の強度が、1/e2となる直径であり、λ=405nm、NA=0。65の場合、φD=0.51μmである。多値情報は、多値記録マーク18がセル10に対して占有する割合として記録され、再生用レーザビーム19が、記録媒体との相対運動によってグルーブに沿って走査されたときに、RF信号の反射率変動として読み出される。すなわち、セル10内がすべて結晶の場合と、最大の記録マークを形成した場合との反射率差を信号のダイナミックレンジとして、3〜8の多段階に反射率レベルが得られるよう記録マークの大きさを制御し、これを多値情報に対応させるものである。このような多値記録方法においては、従来初期化による熱ダメージでセル10内の結晶部20に反射率変動があると、多値情報としての再生誤りを起こしてしまう。このような再生誤りは、多値記録マーク18が小さくなるほど、すなわち結晶部反射率に近い多値レベルほど著しくなる。
本発明の記録方法によれば、例えばスパッタリング法における成膜直後に相変化記録層が結晶化しているため、大口径レーザ等の高エネルギービームを用いた従来の初期化工程を経ることなく多値記録を可能とする。これにより、初期化による熱ダメージに起因する反射率変動が無いため、多値レベルの反射率ばらつきが小さく、再生誤りの少ない多値記録が達成される。
【0022】
【実施例】
以下、本発明を実施例および比較例によりさらに説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
【0023】
実施例1〜9および比較例1〜2
実施例および比較例において、0.6mm厚、直径120mmのポリカーボネート製基板(以下、PC基板という)を用意し、下記層構成を有する記録媒体を作製た。また反射層上には、さらに0.6mm厚のカバー基板を貼り合わせ、1.2mm厚の記録媒体とした。なお、記録層および結晶化促進層の成膜温度は、下部保護層成膜時の自然昇温を利用して約60℃とした。
【0024】
(1)下部保護層:ZnS・SiO2(ZnS:SiO2モル比=79.5:20.5)、膜厚50nm
(2)結晶化促進層(下記表1参照)
(3)相変化記録層(下記表1参照)
(4)上部保護層:ZnS・SiO2(ZnS:SiO2モル比=79.5:20.5)、膜厚14nm
(5)反射層:Ag、膜厚140nm
【0025】
得られた記録媒体に、波長が405nmの半導体レーザーとNA0.65のピックアップを用い、記録パワー=10mW、記録線速=6.0m/s、クロック周波数T=65.4MHzで、EFM変調された3T〜14Tの信号を1回、2回、10回および100回と繰り返し記録し、この間のジッター最大値と100回繰り返し記録後に保存試験(80℃、200時間保持)にかけたときのジッター上昇を評価した。ここで、ジッターとは、記録マークとスペースの境界の読み出し時間のズレの標準偏差を、読み出しクロック1周期時間Tで除した値(単位%)であり、例えば、記録型DVDの規格では通常9%以下である。結果を表1に併せて示す。
【0026】
【表1】
【0027】
実施例1〜6は、結晶化促進層の作用によって、製造直後に相変化記録層の結晶化が十分に行われているため、繰り返し記録によってもジッターの大きな変動が無く、いずれも9%未満であった。また、相変化記録層中にGeを5at%含むので、保存試験後のジッタ上昇も<1%と低い。
これに対し、比較例1および2は、結晶化促進層の促進効果が十分に発現せず、記録の繰り返しによって反射率が大きく変動するため、ジッターが安定しない。とくに、2回目の記録時にジッターが大きくなる、いわゆるジッターバンプ現象が起こってしまい、記録特性が安定しない。
なお、実施例7および9は、繰り返し記録におけるジッター変動および保存試験後のジッタ上昇ともにやや大きくなる傾向が見られた。これは、結晶化促進層のスパッタ成膜時に酸素導入を行わなかったため、同層中に遊離したBiが、繰り返し記録の最中に記録層に溶け込んだことによるものと考えられる。また実施例8は、結晶化促進層のスパッタ成膜時に酸素導入を行うことにより、繰り返し記録時のジッター変動は抑えられたが、記録層中のGe濃度が1.5at%とやや低いため、保存試験後のジッタ上昇が>2%とやや高くなってしまった。
【0028】
比較例3〜8
次に、実施例1〜6の層構成において、結晶化促進層のない記録媒体を作製し、それぞれ比較例3〜8とした。実施例1〜6の記録媒体と、比較例3〜8を通常の初期化装置で初期化したものに、図2のようなレーザ変調によって、波長405nm、NA0.65、記録パワー=10mW、記録線速=6.0m/s、セル長さ0.45μmで、それぞれ符号間干渉のないように8値の多値記録を行い、各反射率レベルのばらつきσの平均値Sと信号のダイナミックレンジD(多値レベル0と7の反射率差)の比をSDRとして評価した。多値信号の品質としては、Dの大きい方が多値の階調数が取りやすく、σがおよびその平均値Sが小さいほど多値信号の分別性が良くなるので、SDRは望小特性である。
実施例1〜6のSDRは1.5〜1.9%で、従来の初期化工程を経た比較例3〜8のSDR=2.1〜2.5%よりも小さかった。これは、実施例1〜6に初期化による熱ダメージが無く、各反射率レベルのばらつきσが比較例3〜8に比べ小さいことによるものと考えられる。
【0029】
【発明の効果】
本発明によれば、高エネルギービーム照射による記録層結晶化工程が不要であるとともに、記録特性、保存信頼性および機械的特性に優れた光情報記録媒体、その製造方法および記録方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光情報記録媒体の一実施形態の断面図である。
【図2】本発明の記録方法に用いる記録レーザの変調方法の一例を説明するための図である。
【符号の説明】
1 基板
2 下部保護層
3 結晶化促進層
4 相変化記録層
5 上部保護層
6 反射層
7 有機保護層
8 グルーブ溝
10 セル
11 セル周期
12 記録パルス
13 ボトムパルス
14 消去パルス
18 多値記録マーク
19 再生用レーザビーム
20 結晶部
【発明の属する技術分野】
本発明は、光情報記録媒体、その製造方法および記録方法に関するものであり、詳しくは、高エネルギービーム照射による記録層結晶化工程が不要であるとともに、記録特性、保存信頼性および機械的特性に優れた光情報記録媒体、その製造方法および記録方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
レーザビーム照射による情報の記録、再生および消去が可能な光情報記録媒体として、結晶状態と非晶質(アモルファス)状態の可逆的相変化を利用したいわゆる相変化型光情報記録媒体が知られている。これらのうち、実用化レベルで広く知られている記録材料として、GeTe−Sb2Te3擬似2元系組成を有し、Ge2Sb2Te5などの化合物組成に代表されるGe−Sb−Te3元合金材料(GeSbTe系材料)、およびSb−Sb2Te3の2元系組成を主成分とし、Ag−In−Sb−Teに代表されるAgInSbTe系材料がある。前者のGeSbTe系材料はDVD−RAMとして、後者のAgInSbTe系材料は、CD−RW、DVD−RWおよびDVD+RWとして実用化されている。さらに近年、AgInSbTe系材料に関して、Sb−Te組成上は共晶組成近傍であって従来のAgInSbTe系材料と変わらないものの、空間群Fm3mに属する準安定Sb3Te相を有するという結晶構造上の新たな特徴を有するもの(以下、準安定Sb3Te系材料という)が、高密度記録、繰り返し特性に優れたものとして開発されている(下記特許文献1参照)。すなわち、準安定Sb3Te相を基本骨格として、特性向上の必要に応じて、Ag、In、Ge、Si、Sn、Cu、Mn、Gaなどの添加元素が少なくとも1種添加されたものであり、AgInSbTe、AgInSbTeGe、InSbTeGe、SbTeGeなどに代表されるものである。
【0003】
さて、現在実用化されている相変化型光情報記録媒体において、記録層はスパッタリングなどの真空成膜法で成膜され、成膜工程直後の膜は、非晶質状態(アモルファス)となっており、媒体の反射率は5%未満である。一方、製品化された光情報記録媒体の記録層の初期状態は、駆動装置側のサーボを安定かつ容易に行うために、反射率の高い結晶状態でなければならない(規格では18%以上)。このため、成膜工程終了後に、媒体を回転させながら、半径方向に100〜200μm幅のレーザビームを順次照射して記録層を結晶化させる、いわゆる初期化プロセスが必要であった。しかしながら、上記初期化プロセスには、1枚あたり30秒以上の時間が必要であるため、スループットを他工程と合わせるためには初期化装置が多数台必要となり、設備費が高くなって、製造コストの上昇を招くという不都合があった。
さらに、記録線速の高速化および記憶容量の高密度化にしたがい、初期化に適したレーザ強度の許容範囲は狭くなる方向にあるため、初期化用半導体レーザの強度プロファイル管理やその経時変化の管理などがより厳しく煩雑になり、安定して良品を得ることが困難になっていた。これによって、さらなる製造コストの上昇要因になっていた。
【0004】
こうした状況下、初期化プロセスの改善について工夫がなされてきた。その一つとして、GeSbTe系材料において、記録層の結晶化を促進する結晶化促進層をあらかじめ記録層の直下に設けておくことにより、成膜段階で記録層を結晶化させ、初期化プロセスを不要とするいわゆる初期化レス技術が知られている(下記特許文献2参照)。
特許文献2に記載の技術によれば、Ge、Sb、Teを主成分とする材料からなる記録層を有する光情報記録媒体の製造方法において、ある一定の結晶構造からなる結晶化促進層(たとえば、Sb、Bi、Sb化合物およびBi化合物の少なくともいずれか1つを含む材料などからなる層)を設け、この直上に記録層を成膜することにより、成膜段階で記録層の結晶化をすることができ、これにより初期化が不要な光情報記録媒体を実現できるとされている。そして、CNR、消去比についてのみであるが、安定した記録特性が得られることが開示されている。また、成膜中の基板温度を45〜110℃に保持することで安定な結晶状態の記録層が得られるとしている。
しかしながら、本発明者らの知見によれば、結晶化促進層を用いる方法は、結晶化促進層の材料の及ぼす媒体特性への悪影響が大きいため、品質の確保がままならず、結果的に製造コストを削減できないという問題を有している。特に、保存信頼性の低下が深刻な問題となる。これは、結晶化促進層が記録時に溶融して層としては存在しなくなるものの、依然として非晶質記録マーク中に何らかの形で分散して残存し、保存時に結晶化核等として働き、非晶質記録マークの結晶化を促進するためと考えられる。そのため、結晶化促進層を用いる方法においては、成膜段階での結晶化を容易とするという観点からは、結晶化しやすい記録層材料を用いることが望ましいのであるが、その場合には信頼性の確保が困難となり、また逆に、結晶化しにくく信頼性の高い記録材料を用いた場合には、保存信頼性の確保はできたとしても成膜段階での結晶化が困難となってしまう。すなわち、結晶化促進層を用いる方法は、成膜段階における記録材料の結晶化促進と、非晶質記録マークの信頼性確保(結晶化の阻害)という相反する要件を両立しなければならないという困難性を有する。この点に関して、特許文献2においては、CNR、消去比について安定した記録特性の得られることが実施例として開示されているものの、保存信頼性に関しては全く開示されておらず、唯一、記録層におけるGeの原子比率が10atom%未満の場合は、信頼性の点で好ましくないと言及されているのみである。したがって、特許文献2に開示された製造方法により得られた光情報記録媒体は、保存信頼性に劣るという欠点がある。
【0005】
また、光情報記録媒体の高速化および高密度化の方向として、記録波長の短波長化や多値記録の流れがある。
記録波長に関しては、現在主流である書き換え型DVDの記録波長は650nmであるが、既に波長405nmのレーザーダイオードを用いた大容量記録媒体の開発が実用化に近づいている。結晶化促進層がその機能を十分に発現するためには、ある一定以上の膜厚が必要であり、その膜厚は、記録材料の結晶化転移温度(アモルファス相の安定性および成膜時の結晶化しにくさと正の相関がある)にもよるが、例えば5at%の添加元素を含む記録材料の結晶化転移温度が170℃程度の記録材料の場合、望ましくは1nm程度である。仮に、結晶化促進層の膜厚を1nmとすると、結晶化促進元素の濃度を5原子%以下にするには、単純な膜厚比換算で記録層膜厚は19nm以上が必要となる。
ところが、記録再生波長の短波長化(たとえば405nm)に伴い、記録特性上最適な記録層の膜厚は薄くなる傾向があり、その膜厚はおよそ10〜16nmである。したがって、短波長で記録再生する場合、記録層中の結晶化促進元素の相対濃度が高くなってしまうという欠点があった。このような記録媒体は、保存信頼性が低く、実用に適さない。
結晶化促進層に金属間化合物等からなる高融点Bi材料を使えば、このような問題は回避できるが、このような結晶化促進層は結晶化促進効果が小さくなってしまうという問題がある。このため、結晶化促進層の膜厚が厚くなって、光学的な吸収が無視できなくなり、反射率の低い記録媒体になってしまう。また、記録層成膜時に基板加熱などの熱的アシストが必要となって、チルト特性等の機械的特性が悪化し、記録特性の粗悪な記録媒体になってしまう。
記録波長が短波長になると、ビーム径が0.4〜0.5μmと極めて小さくなるため、従来の初期化によって生じる媒体への熱ダメージや再非晶質化によるアモルファススポットの残留などが、再生誤りや再生信号ノイズとしてますます無視できなくなる。すなわち、単波長化に関して、従来の初期化工程を経たのでは著しく信号特性が劣化してしまう。
また、多値記録に関しては、一般に再生ビーム径よりも小さなアモルファスマークを結晶領域中に孤立して書き、その専有面積によって反射率を他段階に制御し多値情報とするため、従来の初期化工程によって生じる上記不具合は、2値記録の場合よりも一層致命的になる。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−43415号公報
【特許文献2】
特許第3185890号明細書
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
したがって本発明の目的は、高エネルギービーム照射による記録層結晶化工程が不要であるとともに、記録特性、保存信頼性および機械的特性に優れた光情報記録媒体、その製造方法および記録方法の提供にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、基板上に、少なくとも保護層、結晶化促進層、相変化記録層および反射層を有し、前記相変化記録層の結晶状態と非晶質状態の可逆的変化を利用して、情報の記録・再生・消去を行う光情報記録媒体において、前記相変化記録層がSbおよびTeを主成分とする記録材料からなり、かつ前記相変化記録層の少なくとも一部に接して、Biを含む酸化物からなる結晶化促進層が設けられていることを特徴とする光情報記録媒体である。
請求項2の発明は、前記相変化記録層が、空間群Fm3mに属する準安定Sb3Te相を有することを特徴とする請求項1に記載の光情報記録媒体である。
請求項3の発明は、前記結晶化促進層がBi2O3からなることを特徴とする請求項1または2に記載の光情報記録媒体である。
請求項4の発明は、前記結晶化促進層がBi2O3と、TiO2、SnO2および/またはZrO2とを含むことを特徴とする請求項1または2に記載の光情報記録媒体である。
請求項5の発明は、前記相変化記録層が、Geおよび/またはInをさらに含むことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の光情報記録媒体である。
請求項6の発明は、基板上に、少なくとも保護層、結晶化促進層、相変化記録層および反射層を設け、前記相変化記録層の結晶状態と非晶質状態の可逆的変化を利用して、情報の記録・再生・消去を行う光情報記録媒体の製造方法において、前記相変化記録層がSbおよびTeを主成分とする記録材料からなり、かつ前記相変化記録層の少なくとも一部に接するように、Biを含む酸化物からなる結晶化促進層を設けることを特徴とする光情報記録媒体の製造方法である。
請求項7の発明は、前記結晶化促進層が、酸素を含む雰囲気においてスパッタリング法により形成されることを特徴とする請求項6に記載の光情報記録媒体の製造方法である。
請求項8の発明は、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の光情報記録媒体を用いる記録方法であって、記録マークを記録する領域が互いに等しい面積に分割されているセルからなり、前記セルに対して一つの記録マークが記録され、この記録マークがセルに対して占有する割合として、記録すべき情報が多値情報に変調され記録されることを特徴とする記録方法である。
請求項9の発明は、前記相変化記録層が成膜直後に結晶化しており、高エネルギービーム照射による記録層結晶化工程を経ずに、前記多値情報を記録することを特徴とする請求項8に記載の記録方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の光情報記録媒体の一実施形態の断面図である。図1の光情報記録媒体は、基板1上に、下部保護層2、結晶化促進層3、相変化記録層4、上部保護層5、反射層6および有機保護層7がこの順で設けられている。なお、有機保護層7は、必要に応じて設けられる。また、基板1にはグルーブ溝8が設けられている。
【0010】
本発明において結晶化促進層3は、相変化記録層4の少なくとも一部に接するとともに、Biを含む酸化物からなる層であることを特徴としている。このBiを含む酸化物としては、Bi2O3が好ましい。
Bi2O3は記録再生操作によっても熱的に安定で、相変化記録層4と溶け合うことが無く、記録媒体の保存信頼性を悪化させることがない。また、BiZr、BiRhなどの金属間化合物の結晶化促進層よりも結晶化促進効果が高いため、結晶化促進層を薄くでき、かつ基板加熱等の記録層成膜時の熱的アシストも必要ないので、優れたチルト特性等の機械的特性を提供することができる。特に基板厚が厚い場合は(例えば0.6mm厚)、短波長化でビーム径が小さくなるとチルトマージンが小さくなり、より厳しいフラットネスが記録媒体に要求されるため、基板温度を過度に上げる必要のないBi2O3を用いた記録媒体では良好な記録再生特性が得られる。
【0011】
また本発明によれば、結晶化促進層3がBi2O3と、TiO2、SnO2および/またはZrO2とを含むことが好ましい。この形態によれば、結晶化促進層3の熱的安定性を高めることができる。TiO2、SnO2および/またはZrO2の添加量は、Bi2O3の結晶化促進効果を損ねない範囲であればよいが、例えば結晶化促進層3に対し0〜50mol%、好ましくは0〜30mol%、さらに好ましくは0〜20mol%である。
【0012】
なお、結晶化促進層3は完全に連続な薄膜とならなくてもよい。すなわち、成膜膜厚が質量膜厚で1nm程度の場合は、不連続な多数の島状になっている。成膜膜厚が増加すると、前記島同士がつながり、基板上で完全な薄膜となる。本発明においては、前記不連続な島状をも微視的な意味で結晶化促進層という。
【0013】
本発明の光情報記録媒体における相変化記録層4は、SbおよびTeを主成分とする。また、相変化記録層4はGeおよび/またはInをさらに含むのが好ましい。Geを添加することにより、結晶化促進層3と相変化記録層4との接触系において、相変化記録層4がアモルファスから結晶へ固相転移する際の活性化エネルギーが高まるため、アモルファスマークの保存信頼性を高くすることができる。相変化記録層4中のGeの好ましい濃度は、2〜8at%、より好ましくは3〜6at%である。また、Inを添加することにより、相変化記録層4の結晶化転移温度が高まり、保存信頼性が安定になるとともに、Sbを代替して、アモルファスマークを形成し易くする効果を提供することができ、記録マークが小さくなっても良好な記録ジッタが得られる。相変化記録層4中のInの好ましい濃度は、1〜5at%、より好ましくは1〜3at%である。
【0014】
また本発明によれば、相変化記録層4が、空間群Fm3mに属する準安定Sb3Te相を有するときに、とくに本発明の効果が高まることになり、好ましいものとなる。
【0015】
なお必要に応じて、相変化記録層4には、結晶化速度、記録特性、保存特性を調整する目的で、周期律表第I属ないしVII属に属する元素、例えば、Ag、B、Ca、Cd、Ce、Co、Cr、Cu、Fe、Ga、H、Hg、Ir、K、La、Li、Mg、Mn、Mo、Na、Ni、O、P、Pb、Pd、Po、Pr、Pt、Pu、Rb、Rh、Ru、S、Se、Si、Sn、Sr、Th、Ti、Tl、U、ClおよびBr等の元素のような副成分元素を添加することもできる。副成分元素の総量は、例えば準安定Sb3Te相の出現を妨げないように、10at%未満であることが望ましい。
【0016】
基板1は、例えば0.6mm厚のポリカーボネート製の基板が挙げられる。基板1に設けられるグルーブ溝8は、例えばその深さが200Å〜450Å程度あり、溝ピッチは0.40〜0.60μmである。なお、例えばレーザーの入射方向は基板1側(図の下方から)である。
【0017】
下部保護層2および上部保護層5としては、SiOx、ZnO、SnO2、Al2O3、TiO2、In2O3、MgO、ZrO2、Ta2O5等の金属酸化物、Si3N4、AlN、TiN、BN、ZrN等の窒化物、ZmS、TaS4等の硫化物、SiC、TaC、B4C、WC、TiC、ZrC等の炭化物が挙げられる。これらの材料は、単体で保護層として用いることができ、また、混合物として用いることもできる。例えば、混合物としては、ZnSとSiOx、Ta2O5とSiOx等が挙げられる。実際には、膜の熱特性や媒体化した際の記録特性の優位性等から、ZnS・SiO2膜が、現在最も多く利用されている材料である。下部保護層2および上部保護層5は、それぞれ単層でも多層でも構わない。また、下部保護層2の膜厚は、30〜200nmの範囲が好ましい。30nmより薄くなると、耐環境性保護機能の低下、耐熱性低下、蓄熱効果の低下となり好ましくない。200nmより厚くなると、スパッタリング法等による成膜工程において、膜温度の上昇により膜剥離やクラックが生じたり、媒体の記録感度の低下をもたらすので好ましくない。上部保護層5の膜厚は10〜50nmが好ましい。膜厚が10nmより薄いと耐熱性が低下し好ましくない。逆に、50nmを越えると、記録感度の低下、温度上昇による膜剥離、変形、放熱性の低下により、繰り返しオーバーライト特性が悪くなる。上部保護層5の材料は下部保護層と同様の材料を用いることができる。
【0018】
反射層6としては、Al、Au、Cu、Ag、Cr、Sn、Zn、In、Pd、Zr、Fe、Co、Ni、Si、Ge、Sb、Ta、W、Ti、Pb等の金属を主とした材料の単体または合金を用いることができる。この層は、熱を効率的に放散させることが重要であり、膜厚は50〜160nmが好ましい。膜厚が厚すぎると、放熱効率が大きすぎて感度が悪くなり、薄すぎると感度は良好であるが、繰り返しオーバーライト特性が悪くなる。特性としては、熱伝導率が高く、高融点で保護層材料との密着性がよいことなどが要求される。
なお、保護層6上には必要に応じて有機保護層7を設けることができ、さらにその上に、例えば0.6mm厚のポリカーボネート製基板を貼り合わせてることもできる(図示せず)。
【0019】
本発明の光情報記録媒体の製造方法は、基板上に、少なくとも保護層、結晶化促進層、相変化記録層および反射層を設けることを特徴としている。
本発明の製造方法によれば、各層の成膜直後に相変化記録層が結晶化しているため、例えば大口径レーザ等の高エネルギービームを用いた従来の初期化工程を必要としない。これにより、初期化による熱ダメージに起因する機械的特性の悪化および反射率の変動を防止することがができ、反射率ばらつきが小さく、再生誤りを少なくすることができ、記録特性を向上させることができる。
とくに、Biを含む酸化物からなる結晶化促進層をスパッタリング法等の成膜手段によって設ける際、酸素を含む雰囲気下でこれを成膜するのが好ましい。これにより、結晶化促進層中に遊離したBiが残留しないため、これらが相変化記録層中に溶け込むことによる記録特性や保存信頼性の変動がない。
【0020】
また本発明の記録方法は、記録マークを記録する領域が互いに等しい面積に分割されているセルからなり、前記セルに対して一つの記録マークが記録され、この記録マークがセルに対して占有する割合として、記録すべき情報が多値情報に変調され記録されることを特徴としている。前記のように、相変化記録層は成膜直後に結晶化しているため、高エネルギービーム照射による記録層結晶化工程を経ることなく、多値情報を記録することができる。
【0021】
図2は、本発明の記録方法に用いる記録レーザの変調方法の一例を説明するための図である。本発明による多値記録方法では、記録マークを記録する領域が互いに等しい面積に分割されている(この分割された領域をセルという)。セル10の物理的な大きさは、記録時の線速とセル周波数によって決まり、セル周波数はセル周期11の逆数であり、基準クロックの整数倍をとる。例えば、セル周波数を40nsとすれば、セル周波数は25MHzであり、記録線速=6.0m/sの時のセル長は0.24μmとなる。記録レーザの変調は、記録パルス12、ボトムパルス13、消去パルス14の各パワーと、それぞれの立ち上がり時間15、16および17を設定して行われる。このようなレーザ変調により、多値記録マーク18が形成される。図2における符号19は、再生用レーザビームを模式的に表したものである。ここでいうレーザビームのスポット径とは、レーザの収束直径のことであり、波長λのレーザ光と開口数NAの焦点レンズを用いた場合、φD=0.82×λ/NAと見積もられる。これはレーザ光の強度が、1/e2となる直径であり、λ=405nm、NA=0。65の場合、φD=0.51μmである。多値情報は、多値記録マーク18がセル10に対して占有する割合として記録され、再生用レーザビーム19が、記録媒体との相対運動によってグルーブに沿って走査されたときに、RF信号の反射率変動として読み出される。すなわち、セル10内がすべて結晶の場合と、最大の記録マークを形成した場合との反射率差を信号のダイナミックレンジとして、3〜8の多段階に反射率レベルが得られるよう記録マークの大きさを制御し、これを多値情報に対応させるものである。このような多値記録方法においては、従来初期化による熱ダメージでセル10内の結晶部20に反射率変動があると、多値情報としての再生誤りを起こしてしまう。このような再生誤りは、多値記録マーク18が小さくなるほど、すなわち結晶部反射率に近い多値レベルほど著しくなる。
本発明の記録方法によれば、例えばスパッタリング法における成膜直後に相変化記録層が結晶化しているため、大口径レーザ等の高エネルギービームを用いた従来の初期化工程を経ることなく多値記録を可能とする。これにより、初期化による熱ダメージに起因する反射率変動が無いため、多値レベルの反射率ばらつきが小さく、再生誤りの少ない多値記録が達成される。
【0022】
【実施例】
以下、本発明を実施例および比較例によりさらに説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
【0023】
実施例1〜9および比較例1〜2
実施例および比較例において、0.6mm厚、直径120mmのポリカーボネート製基板(以下、PC基板という)を用意し、下記層構成を有する記録媒体を作製た。また反射層上には、さらに0.6mm厚のカバー基板を貼り合わせ、1.2mm厚の記録媒体とした。なお、記録層および結晶化促進層の成膜温度は、下部保護層成膜時の自然昇温を利用して約60℃とした。
【0024】
(1)下部保護層:ZnS・SiO2(ZnS:SiO2モル比=79.5:20.5)、膜厚50nm
(2)結晶化促進層(下記表1参照)
(3)相変化記録層(下記表1参照)
(4)上部保護層:ZnS・SiO2(ZnS:SiO2モル比=79.5:20.5)、膜厚14nm
(5)反射層:Ag、膜厚140nm
【0025】
得られた記録媒体に、波長が405nmの半導体レーザーとNA0.65のピックアップを用い、記録パワー=10mW、記録線速=6.0m/s、クロック周波数T=65.4MHzで、EFM変調された3T〜14Tの信号を1回、2回、10回および100回と繰り返し記録し、この間のジッター最大値と100回繰り返し記録後に保存試験(80℃、200時間保持)にかけたときのジッター上昇を評価した。ここで、ジッターとは、記録マークとスペースの境界の読み出し時間のズレの標準偏差を、読み出しクロック1周期時間Tで除した値(単位%)であり、例えば、記録型DVDの規格では通常9%以下である。結果を表1に併せて示す。
【0026】
【表1】
【0027】
実施例1〜6は、結晶化促進層の作用によって、製造直後に相変化記録層の結晶化が十分に行われているため、繰り返し記録によってもジッターの大きな変動が無く、いずれも9%未満であった。また、相変化記録層中にGeを5at%含むので、保存試験後のジッタ上昇も<1%と低い。
これに対し、比較例1および2は、結晶化促進層の促進効果が十分に発現せず、記録の繰り返しによって反射率が大きく変動するため、ジッターが安定しない。とくに、2回目の記録時にジッターが大きくなる、いわゆるジッターバンプ現象が起こってしまい、記録特性が安定しない。
なお、実施例7および9は、繰り返し記録におけるジッター変動および保存試験後のジッタ上昇ともにやや大きくなる傾向が見られた。これは、結晶化促進層のスパッタ成膜時に酸素導入を行わなかったため、同層中に遊離したBiが、繰り返し記録の最中に記録層に溶け込んだことによるものと考えられる。また実施例8は、結晶化促進層のスパッタ成膜時に酸素導入を行うことにより、繰り返し記録時のジッター変動は抑えられたが、記録層中のGe濃度が1.5at%とやや低いため、保存試験後のジッタ上昇が>2%とやや高くなってしまった。
【0028】
比較例3〜8
次に、実施例1〜6の層構成において、結晶化促進層のない記録媒体を作製し、それぞれ比較例3〜8とした。実施例1〜6の記録媒体と、比較例3〜8を通常の初期化装置で初期化したものに、図2のようなレーザ変調によって、波長405nm、NA0.65、記録パワー=10mW、記録線速=6.0m/s、セル長さ0.45μmで、それぞれ符号間干渉のないように8値の多値記録を行い、各反射率レベルのばらつきσの平均値Sと信号のダイナミックレンジD(多値レベル0と7の反射率差)の比をSDRとして評価した。多値信号の品質としては、Dの大きい方が多値の階調数が取りやすく、σがおよびその平均値Sが小さいほど多値信号の分別性が良くなるので、SDRは望小特性である。
実施例1〜6のSDRは1.5〜1.9%で、従来の初期化工程を経た比較例3〜8のSDR=2.1〜2.5%よりも小さかった。これは、実施例1〜6に初期化による熱ダメージが無く、各反射率レベルのばらつきσが比較例3〜8に比べ小さいことによるものと考えられる。
【0029】
【発明の効果】
本発明によれば、高エネルギービーム照射による記録層結晶化工程が不要であるとともに、記録特性、保存信頼性および機械的特性に優れた光情報記録媒体、その製造方法および記録方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光情報記録媒体の一実施形態の断面図である。
【図2】本発明の記録方法に用いる記録レーザの変調方法の一例を説明するための図である。
【符号の説明】
1 基板
2 下部保護層
3 結晶化促進層
4 相変化記録層
5 上部保護層
6 反射層
7 有機保護層
8 グルーブ溝
10 セル
11 セル周期
12 記録パルス
13 ボトムパルス
14 消去パルス
18 多値記録マーク
19 再生用レーザビーム
20 結晶部
Claims (9)
- 基板上に、少なくとも保護層、結晶化促進層、相変化記録層および反射層を有し、前記相変化記録層の結晶状態と非晶質状態の可逆的変化を利用して、情報の記録・再生・消去を行う光情報記録媒体において、前記相変化記録層がSbおよびTeを主成分とする記録材料からなり、かつ前記相変化記録層の少なくとも一部に接して、Biを含む酸化物からなる結晶化促進層が設けられていることを特徴とする光情報記録媒体。
- 前記相変化記録層が、空間群Fm3mに属する準安定Sb3Te相を有することを特徴とする請求項1に記載の光情報記録媒体。
- 前記結晶化促進層がBi2O3からなることを特徴とする請求項1または2に記載の光情報記録媒体。
- 前記結晶化促進層がBi2O3と、TiO2、SnO2および/またはZrO2とを含むことを特徴とする請求項1または2に記載の光情報記録媒体。
- 前記相変化記録層が、Geおよび/またはInをさらに含むことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の光情報記録媒体。
- 基板上に、少なくとも保護層、結晶化促進層、相変化記録層および反射層を設け、前記相変化記録層の結晶状態と非晶質状態の可逆的変化を利用して、情報の記録・再生・消去を行う光情報記録媒体の製造方法において、前記相変化記録層がSbおよびTeを主成分とする記録材料からなり、かつ前記相変化記録層の少なくとも一部に接するように、Biを含む酸化物からなる結晶化促進層を設けることを特徴とする光情報記録媒体の製造方法。
- 前記結晶化促進層が、酸素を含む雰囲気においてスパッタリング法により形成されることを特徴とする請求項6に記載の光情報記録媒体の製造方法。
- 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の光情報記録媒体を用いる記録方法であって、記録マークを記録する領域が互いに等しい面積に分割されているセルからなり、前記セルに対して一つの記録マークが記録され、この記録マークがセルに対して占有する割合として、記録すべき情報が多値情報に変調され記録されることを特徴とする記録方法。
- 前記相変化記録層が成膜直後に結晶化しており、高エネルギービーム照射による記録層結晶化工程を経ずに、前記多値情報を記録することを特徴とする請求項8に記載の記録方法。
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2003
- 2003-02-12 JP JP2003033282A patent/JP2004246942A/ja active Pending
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