JP2005145061A - 光記録媒体 - Google Patents

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Koji Deguchi
浩司 出口
Kazunori Ito
和典 伊藤
Hiroko Okura
浩子 大倉
Masanori Kato
将紀 加藤
Mikiko Abe
美樹子 安部
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Abstract

【課題】 GaSbを主成分とする相変化材料を記録層に用いた、初期化を良好に行うことができ、更にはDVD相当の記録密度で4倍速以上の記録線速に対応可能な光記録媒体の提供。
【解決手段】 透光性を有する基板上に、少なくとも下部保護層、相変化材料から成る記録層、上部保護層、反射層を有し、該記録層がレーザ光の照射により結晶相とアモルファス相との相変化を引き起こす事で書き換え記録を行う光記録媒体であって、該相変化材料が組成式GaαSbβSnγ{式中、α、β、γは原子比、0.075<α<0.15、0.05≦γ≦0.25、β=1−(α+γ)、β−(α+γ)>0.25}で表されるか、或いは、組成式GaαSbβSnγGeδ{式中、α、β、γ、δは原子比、0.02≦α<0.10、0.05<γ≦0.25、0.05≦δ≦0.15、β=1−(α+γ+δ)、β−(α+γ)≧0.29}で表される光記録媒体。
【選択図】 図1

Description

本発明は、高速記録が可能で広い範囲の記録線速に対応できる、相変化材料を用いた光記録媒体に関する。
近年、相変化材料を記録層とした光ディスク(以下、相変化ディスクという)の開発が盛んに行われている。
一般に相変化光ディスクは、透明なプラスチック基板上に特定の溝を形成し、その上に薄膜を形成する。基板に用いられるプラスチック材料は主にポリカーボネートで、溝の形成には射出成形法がよく用いられる。基板上に成膜する薄膜は多層膜で、基板側から順に下部保護層、記録層、上部保護層、反射層の構成が基本的なものである。下部及び上部保護層には酸化物、窒化物、硫化物などが用いられるが、中でもZnSとSiOを混合したZnS−SiOがよく用いられる。記録層にはSbTeを主成分とする相変化材料がよく用いられる。具体的には、Ge−Sb−Te、In−Sb−Te、Ag−In−Sb−Te、Ge−In−Sb−Te、Ge−Sn−Sb−Teなどが挙げられるが、これら以外にもGe−Te、In−Sb、Ga−Sb、Ge−Sbなどが用いられる。反射層には金属材料が用いられるが、光学特性及び熱伝導率などからAl、Ag、Au、Cuなどの金属材料及びそれらの合金材料がよく用いられる。
これらの多層膜の成膜方法としては、抵抗線加熱法や電子ビーム蒸着法、スパッタ法、CVD法など様々な成膜方法を用いる事ができるが、中でも量産性に優れている点からスパッタ法がよく用いられる。これらの多層膜を形成後、薄膜を保護する為に樹脂層をスピンコートにより被覆する。
このようにして作製された相変化光ディスクは、記録層に用いられている相変化材料がアモルファス状態であり、これを結晶化状態にする、所謂初期化工程を施す事が一般的である。この初期化は、ディスクを回転させながら幅数μm、長さ数十〜数百μmの半導体レーザからレーザ光を照射し、半径方向にレーザ光を移動させる事で行う。レーザ光の照射にはフォーカシング機能を設けてより効率の良いレーザ照射を行う場合が多い。
このようにして作製した相変化光ディスクは任意に決められたレーザ発光パターン(以下、ストラテジー)を照射することで任意のアモルファスマークを形成する事ができる。更に、相変化ディスクでは消去と記録を同時に行う、所謂ダイレクトオーバーライト(以下、DOWという)記録が可能である。ちなみに消去とはアモルファス状態のマークを結晶化させる事で、記録とは結晶状態からアモルファス状態のマークを形成する事である。
よく用いられるストラテジーとしては記録パワー(Pw)、消去パワー(Pe)、バイアスパワー(Pb)の3値制御(Pw>Pe>Pb)がある。これらと種々のパルス幅を組み合わせて特定のマーク長を記録する。データ記録・再生の変調方式としては、CDで使われているEFM変調やDVDで使われているEFM+変調などはマークエッジ記録方式である事からマーク長の制御が非常に重要である。このマーク長の制御の評価としてはジッター特性が一般的に用いられる。
このようにして作製される相変化光ディスクは現在DVDの書き換え型媒体として広く使用されている。DVDの書き換え型媒体としてはDVD−RAM、DVD−RW、DVD+RWの3種類がある。これらの記録容量は何れも同じで4.7GBであるが記録線速が異なる。中でもDVD+RWは最高記録線速がDVDの基準線速3.5m/sの4倍速である14m/sを実現し、書き換え型DVDの中で最も高速記録が可能である。しかし、更なるデータ記録時間の短縮を目的として、より高線速記録が可能な媒体の開発が各方式で活発に行われている。
高線速記録を実現する方法としては、記録層に用いる相変化材料の結晶化速度が十分速く、高速記録の線速でも結晶状態が得られる事が必要となる。相変化材料の結晶化速度を向上させる最も効果的な方法は、相変化材料自体を調整する事である。例えば、これまで商品化されている書き換え型相変化光ディスクで用いられている記録層材料としてはAg−In−Sb−TeやGe−Sb−Teに代表されるSb−Te系が主なものであるが、この系ではSb量を増やす方法や結晶化速度を向上させるIn、Ga、Snなどを添加する方法等を用いる事ができる。しかし、これらの方法では初期化による結晶化が困難であったり、保存信頼性が劣化するなどの不具合が生じ、これらの不具合と高速記録とのトレードオフが問題になる。特に記録密度が高くなるとこの傾向が顕著となり、DVD相当の記録密度では4倍速以上の記録線速を実現するのは非常に困難である。
このような状況の中、本発明者等は最近になってGaSbを記録層材料に用いて、DVD相当の記録密度で4倍速以上の記録線速を実現する媒体についての報告を行った(非特許文献1)。GaSb自体はこれまでも高速記録の可能性を有する相変化材料として報告されていたが(例えば、非特許文献2)、結晶化温度が非常に高く、初期化による結晶化が困難である事やDVD相当の記録密度での高速記録におけるオーバーライト特性、変調度及び保存信頼性を同時に満足するものではなかった。本発明者等はGaとSbの組成比に着目し、状態図から共晶点であるGa12Sb88(数字は原子%)の組成を用いる事で結晶化温度を200℃未満まで下げられる事を見出した。更に、高速記録と保存信頼性が両立できる事を報告し、DVD相当の記録密度での高速記録の実現可能性を提示した。しかし、更なる実験を重ねた結果、Ga12Sb88の組成では初期化後の反射信号の周内分布が大きく、それがノイズとなりジッター特性を劣化させることが判明した。この原因としては、Sb量が多い事からSb単独の結晶相が多くなり、この相自身が反射信号に現れると考えられる。その為、この不具合は初期化条件や方法、装置などで解消できるものではなく、GaとSbの組成比を再度検討する必要が出てきた。その結果、Sb86%以下の範囲で上記のような不具合が解消される事を見出した。しかし、Sb量が減る事で結晶化速度も遅くなり、高速記録自体が困難となるという問題がある。
Proceeding of The 14th Symposium on Phase Change Optical Information Storage PCOS2002 p.11:"Characterization of GaSb Phase−Change Material for High−Speed Re−Writable Media") Applied Optics/vol.26,No22115 November 1987:"Phase−change Optical data storage in GaSb"
本発明は、GaSbを主成分とする相変化材料を記録層に用いた、初期化を良好に行うことができ、更にはDVD相当の記録密度で4倍速以上の記録線速に対応可能な光記録媒体の提供を目的とする。
上記課題は次の1)〜5)の発明(以下、本発明1〜5という)によって解決される。
1) 透光性を有する基板上に、少なくとも下部保護層、相変化材料から成る記録層、上部保護層、反射層を有し、該記録層がレーザ光の照射により結晶相とアモルファス相との相変化を引き起こす事で書き換え記録を行う光記録媒体であって、該相変化材料が次に示す組成式(式中のα、βは原子比)で表される事を特徴とする光記録媒体。
GaαSbβSnγ
0.075<α<0.15
0.05≦γ≦0.25
β=1−(α+γ)
β−(α+γ)>0.25
2) 透光性を有する基板上に、少なくとも下部保護層、相変化材料から成る記録層、上部保護層、反射層を有し、該記録層がレーザ光の照射により結晶相とアモルファス相との相変化を引き起こす事で書き換え記録を行う光記録媒体であって、該相変化材料が次に示す組成式(式中のα、β、γ、δは原子比)で表される事を特徴とする光記録媒体。
GaαSbβSnγGeδ
0.02≦α<0.10
0.05<γ≦0.25
0.05≦δ≦0.15
β=1−(α+γ+δ)
β−(α+γ)≧0.29
3) 下部保護層の膜厚が50〜100nm、記録層の膜厚が10〜20nm、上部保護層の膜厚が3〜15nm、反射層の膜厚が100〜300nmである事を特徴とする1)又は2)記載の光記録媒体。
4) 記録層と接する下部及び上部保護層の材料がZnSとSiOの混合物から成り、SiOの混合割合Z(モル%)が次の範囲にある事を特徴とする1)〜3)の何れかに記載の光記録媒体。
10<Z<40
5) 基板が、溝ピッチ0.74±0.03μm、溝深さ22〜40nm、溝幅0.2〜0.4μmの蛇行溝を有する事を特徴とする1)〜4)の何れかに記載の光記録媒体。
以下、上記本発明について詳しく説明する。
本発明者等が検討した結果、GaSb合金に本発明1で規定する組成範囲のSnを添加する事で、Gaを増やす事による結晶化速度の低下を解消できる事、かつGaを増やす事により改善された初期化後の反射信号の周内分布に悪影響を与えない事が分かった。Snを添加する事で結晶化速度が向上する理由の詳細は不明であるが、以下のように考えられる。
相変化材料がアモルファスから結晶になる際、その結晶構造が等方的なもの程、容易に結晶化が行われると考えられる。状態図によるとSnはGaと合金は作らないがSbと合金を形成する事が分かる。SnSbの結晶構造はNaCl型構造であり、最も等方的な構造である事から、Sn添加と共に結晶化が容易になる傾向があると考えられる。この結果、結晶化速度が向上すると考えられる。
以上の事から、Snの添加と共に結晶化速度が向上し、高速記録に適した相変化ディスクを提供する事ができるが、Snの添加量が多過ぎると保存特性に悪影響が出てくる。その為、本発明1で規定する組成範囲が望ましい。更に望ましくはγが0.07〜0.20の範囲である。
Gaの組成量についても、本発明1で規定する範囲が望ましい。αが0.075以下では初期化後の反射信号の周内分布が悪くなり、αが0.15以上では結晶化速度が遅くなる。更に望ましくはαが0.10〜0.13の範囲である。
また、GaSbSnの場合、Ga及びSnがSbと、GaSb及びSnSbという合金又は化合物を作ると考えられる。即ち、Sbの総量からGa及びSnと合金又は化合物を作ったSb量を差し引いた残りのSb量(以下、残余Sb量という)がSb単独で存在しうる最低量といえる。この残余Sb量は、本発明1に示す、β−(α+γ)>0.25の範囲が望ましい。更に望ましくはβ-(α+γ)>0.45である。残余Sb量が一定量以上必要である理由の詳細は分らないが、Sb自体は結晶状態に成り易い事から、残余Sb量がある程度以上であると結晶化促進効果が期待でき、結果として結晶化速度が向上すると考えられる。
更に、相変化材料としては本発明2に記載のものがより望ましい。GaSbSnにGeを添加する事で反射率の経時変化がより小さくなり、保存信頼性が改善される。この反射率の経時変化が改善される理由の詳細は分らないが、次のように考えられる。
即ち、前述したように、SnSbの結晶構造は最も等方的なNaCl型構造であるから、Sn添加と共に結晶化は容易になるが、同時に周りの影響を受け易くなる。その為、Snが増える事、即ちSnSbが増える事により、全体的に結晶状態が不安定になり反射率の経時変化が問題となると考えられる。一方、Geを添加した場合、Ge自体はSb、Sn、Gaと合金になる事は無く、しかも融点が最も高い事から、Ge単独で記録層中に存在し、それ自体が骨格になって全体を安定状態にすると考えられる。
しかし、Geには適切な添加量があり、多過ぎると記録特性などに悪影響が出てくるので、本発明2で規定する範囲が望ましい。更に望ましくは、δが0.07〜0.10の範囲である。一方、Gaの量も本発明2で規定する範囲が望ましく、更に望ましくは、αが0.02〜0.08、一層望ましくは、0.02〜0.05の範囲である。GeはGaと同様に結晶化速度を遅くする為、Geの増加分を考慮する必要がある。また、残余Sb量については、前述した本発明1の場合と同様の理由で、β−(α+γ)≧0.29の範囲が望ましい。更に望ましくはβ−(α+γ)≧0.3である。
なお、本発明1〜2で規定する相変化材料の母材となるものは、その添加量からSbが主体である事は当然であり、なおかつ、Sbとの合金であるGaSb、SnSb、GeSbの存在が重要な点である。即ち、元素の周期率表において前記元素と同族となる元素を代わりに添加しても本発明の効果を得る事はできない。例えば、Geと同属であるCやSiをGeの代わりに添加したり、Gaと同属のInやAlをGaの代わりに添加したからといって、同様な効果を得る事はできない。
次に、各層の膜厚は本発明3で規定する範囲が望ましい。
下部保護層は光記録媒体の反射率を調整する働きがあり、50〜100nmが望ましいが、より望ましい範囲は50〜80nmである。50nmより薄いと膜厚に対する反射率変動が大きい事から安定に作製する事が難しく、100nmより厚いと成膜時間が長くなり光記録媒体の生産性が落ちる。
記録層の膜厚は、10nmより薄いと繰り返し記録特性の劣化などの不具合が生じるし、20nmより厚いと初回記録のジッタ−特性が悪くなる。より望ましい膜厚は12〜18nmである。また本発明では、下部保護層の膜厚が70nm以上の場合、記録層の膜厚は最小10nmまで薄くしても良好な記録特性が得られる事を見出した。これは記録層の膜厚が薄い事で生じる繰り返し記録特性の劣化を下部保護層を厚くする事で防ぐ事ができた為と考えられる。
上部保護層の膜厚は、3nmより薄いと記録感度が悪くなったり、変調度が低下したりする不具合が生じる。また、15nmより厚いと放熱効果が無くなりジッタ−特性や繰り返し記録特性が悪くなる。より望ましくは5〜10nmである。
反射層の膜厚は、100〜300nmの範囲が望ましく、より望ましくは100〜200nmの範囲であり、更に望ましくは120〜150nmの範囲である。100nmより薄いと放熱効果が得られなくなる可能性がある。また、300nmより厚くしても放熱効果は変わらず、単に必要のない厚さの膜を成膜する事になる。
反射層材料については、光学特性及び熱伝導率などからAl、Ag、Au、Cuなどの金属材料及びそれらの合金材料を用いる事ができる。特に本発明では急冷構造が望ましい事から、熱伝導率が最も高いAg又はその合金類が適している。Agを用い、上部保護層に硫化物を含んだ材料を用いた場合、硫黄成分によるAgの硫化が問題になるので、上部保護層と反射層の間に硫化防止層を設ける必要がある。硫化防止層の材料としては硫化に対して強い材料を用いる必要があるが、具体的にはSi、Alなどの金属膜、SiN、AlNなどの窒化物、SiC、TiCなどの炭化物などが用いられる。また、その膜厚は2〜5nm程度が望ましい。更に望ましくは3〜5nmである。2nmより薄いと硫化防止の効果が無くなる可能性が高く、5nmより厚いと放熱効果や光学的な影響が大きくなる可能性がある為である。
次に、下部保護層と上部保護層の材料については、ZnSとSiOの混合物が望ましい。従来技術では両保護層共に酸化物、窒化物、硫化物、炭化物などの誘電体材料或いはこれらの混合物などが用いられ、単層又は複数層から成る。本発明ではZnSとSiOの混合物からなる誘電体材料が記録層に接する事で記録特性が改善される事を見出した。この理由については不明であるが、以下のように考えられる。
本発明1〜2に示す相変化材料は結晶化速度が速いので、結晶化を促進させる条件が与えられれば、瞬時に結晶化状態になると考えられる。保護層材料の中には結晶化促進効果を有する材料があり、そのような保護層が該相変化材料に接した場合、アモルファス状態の形成を阻害し、記録特性を悪くすると考えられる。特に繰り返し記録時は熱も篭り易く、アモルファス化が困難になる傾向がある。その為、比較的結晶化促進効果が小さいZnSとSiOの混合物が適していると考えられる。また、その混合割合は本発明4で規定する範囲が望ましい事を見出した。更に望ましくは20〜30モル%である。10モル%以下では繰り返し記録や初期化によるZnSの結晶化が発生し、記録層のアモルファス化を阻害する。また、40モル%以上では屈折率が小さくなってしまい、十分な光学的特性を得る事ができない。
以上の本発明1〜4の光記録媒体の基板として、本発明5で規定する溝を有する基板を用いることにより、現状のDVD+RW媒体の規格に準拠し、4倍速以上の高速記録が可能なDVD+RW媒体を提供する事ができる。溝を蛇行させる目的としては、未記録の特定トラックにアクセスさせる事や基板を一定線速度で回転させる事などがある。
本発明1〜3によれば、高線速記録に対して優れた記録特性を示す光記録媒体を提供できる。
本発明4によれば、更に繰り返し記録特性に優れた光記録媒体を提供できる。
本発明5によれば、更に4倍速以上の高速記録が可能なDVD+RW媒体を提供できる。
以下、実施例及び比較例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら制限されるものではない。なお、本発明の効果は実施例及び比較例で用いた保護層材料や反射層材料、記録層の組成、作製装置、作製方法や層構成、評価装置などに制限されるものではない。
<実施例1〜3及び比較例1〜6>
図1に本実施例に係る光記録媒体の概略構造を示す。
基板には、120mmφ、厚さ0.6mm、トラックピッチ0.74μmでグルーブ(凹部)幅0.3μm、深さ約30nmの溝形状を有するポリカーボネート基板を用いた。下部保護層にはZnS(80モル%)SiO(20モル%)を成膜レート9nm/secで厚さ60nm、記録層は表1に示す相変化材料を成膜レート5nm/secで厚さ12nm、上部保護層にはZnS(80モル%)SiO(20モル%)を成膜レート4nm/secで厚さ11nm、硫化防止層にはSiCを成膜レート1nm/secで厚さ4nm、反射層にはAgを成膜レート35nm/secで厚さ140nmそれぞれ成膜した。ここで硫化防止層としてSiCを用いたのは、反射層であるAgと上部保護層に含まれる硫黄との反応を防ぐ為である。ZnS(80モル%)SiO(20モル%)の成膜には
RFマグネトロンスパッタ法を、記録層、SiC、Agの成膜にはそれぞれDCマグネトロンスパッタ法を用いた。
次いで、環境保護層としてUV硬化樹脂を塗布し、硬化させ、最後に同様な基板(図示せず)を貼り合わせて、厚さが約1.2mmの光記録媒体とした。
次に、この記録媒体を、出力波長830nm、幅約1μm、長さ約75μm、最大出力約2Wのレーザー光にフォーカシング機能を付加したレーザーヘッドを有する初期化装置(日立CP社製POP120−7AH)を用いて初期化した。初期化条件は、初期化パワー1400mW、線速11m/s、ヘッドの送り速度37μm一定とした。
Figure 2005145061
上記のようにして作製した媒体について、記録線速28m/s(DVDの8倍速相当)でのDOW特性を評価した。評価装置は波長650nm、NA0.65のピックアップを有する光ディスク評価装置(パルステック社製DDU−1000)を用いた。評価は、隣接した5本のトラックに記録し、その真中のトラックを再生することにより行った。記録方式はパルス変調法を用い、EFM+〔8/16(2,10)RLL〕変調方式で行った。記録線密度は0.267μm/bitとしグルーブに記録した。記録パワーPw及び消去パワーPeについては最適な条件を用いた。ボトムパワーPbは0.1mWで一定とした。
このようにして記録された信号のデータ・トゥ・クロック(Data to Clock)ジッターσ/Tw(Tw:ウィンドウ幅)を測定し評価した。このような方法で1回記録、2回記録、10回記録、100回記録でのジッターの変化をそれぞれの媒体について評価した。評価結果を図2に示すが、図から分るように、<比較例>の媒体は<実施例>の媒体に比べて、初期特性及び繰り返し特性が悪い。
以上の事実から、本発明の構成とする事により、高線速での記録特性を改善できる事が分る。
<実施例4〜6及び比較例7〜15>
記録層に用いる相変化材料を表2に示す材料に変えた点以外は、実施例1と同様にして光記録媒体を作製し評価した。その結果を図3に示す。
図3から分るように、<比較例>の光記録媒体は、<実施例>に比較して初期特性及び繰り返し特性が悪い。
Figure 2005145061
・前記<実施例1〜6>と<比較例14>の光記録媒体の保存信頼性の比較
<実施例1〜6>及び<比較例14>の光記録媒体に対し、実施例1と同様にして1回記録した後、80℃85%の環境に置き、300時間後の反射率Itopの変化を比較した。その結果を図4に示す。
図4から分るように、Geを添加する事で反射率の変動が少なくなる傾向にある。また、Ge添加量については本発明2で規定する範囲が望ましいことが分る。
このように、本発明の媒体構成とする事により、高線速での記録特性を改善する事ができ、かつ保存信頼性に優れた光記録媒体が得られることが分る。
<実施例7〜15>
表3に示す材料を上部保護層に用いた点以外は、<実施例2>と同様にして光記録媒体を作製し、<実施例2>と同様にして評価した結果を図5に示す。なお、表3及び図5には、実施例2のデータも併せて示した。
図5から分るように、ZnSSiOにおけるSiOの混合割合は、10モル%より大きく40モル%未満の範囲、特に20〜30モル%の範囲が好ましく、また、この範囲のZnSSiOは、ZnSなどの他の材料よりも優れている。
Figure 2005145061
<実施例16〜24>
表4に示す材料を上部保護層に用いた点以外は、<実施例4>と同様にして光記録媒体を作製し、<実施例4>と同様にして評価した結果を図6に示す。なお、表4及び図6には、実施例4のデータも併せて示した。
図6から分るように、ZnSSiOにおけるSiOの混合割合は、10モル%より大きく40モル%未満の範囲、特に20〜30モル%の範囲が好ましく、また、この範囲のZnSSiOは、ZnSなどの他の材料よりも優れている。
Figure 2005145061
実施例に係る光記録媒体の概略構造を示す図。 実施例1〜3及び比較例1〜6の記録特性の評価結果を示す図。 実施例4〜6及び比較例7〜15の記録特性の評価結果を示す図。 実施例1〜6及び比較例14の保存信頼性の評価結果を示す図。 実施例2及び7〜15の記録特性の評価結果を示す図。 実施例4及び16〜24の記録特性の評価結果を示す図。
符号の説明
1 基板
2 下部保護層
3 記録層
4 上部保護層
5 硫化防止層
6 反射層
7 環境保護層

Claims (5)

  1. 透光性を有する基板上に、少なくとも下部保護層、相変化材料から成る記録層、上部保護層、反射層を有し、該記録層がレーザ光の照射により結晶相とアモルファス相との相変化を引き起こす事で書き換え記録を行う光記録媒体であって、該相変化材料が次に示す組成式(式中のα、β、γは原子比)で表される事を特徴とする光記録媒体。
    GaαSbβSnγ
    0.075<α<0.15
    0.05≦γ≦0.25
    β=1−(α+γ)
    β−(α+γ)>0.25
  2. 透光性を有する基板上に、少なくとも下部保護層、相変化材料から成る記録層、上部保護層、反射層を有し、該記録層がレーザ光の照射により結晶相とアモルファス相との相変化を引き起こす事で書き換え記録を行う光記録媒体であって、該相変化材料が次に示す組成式(式中のα、β、γ、δは原子比)で表される事を特徴とする光記録媒体。
    GaαSbβSnγGeδ
    0.02≦α<0.10
    0.05<γ≦0.25
    0.05≦δ≦0.15
    β=1−(α+γ+δ)
    β−(α+γ)≧0.29
  3. 下部保護層の膜厚が50〜100nm、記録層の膜厚が10〜20nm、上部保護層の膜厚が3〜15nm、反射層の膜厚が100〜300nmである事を特徴とする請求項1又は2記載の光記録媒体。
  4. 記録層と接する下部及び上部保護層の材料がZnSとSiOの混合物から成り、SiOの混合割合Z(モル%)が次の範囲にある事を特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の光記録媒体。
    10<Z<40
  5. 基板が、溝ピッチ0.74±0.03μm、溝深さ22〜40nm、溝幅0.2〜0.4μmの蛇行溝を有する事を特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の光記録媒体。
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