JP2006130854A - 光記録媒体とその作製方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 従来技術では実現できなかった良好な初期化を行うことができ、更には保存信頼性に優れた、DVD相当の記録密度で4倍速以上の高速記録が行える光記録媒体とその作製方法の提供。
【解決手段】 透光性を有する基板上に、少なくとも下部保護層、相変化材料から成る記録層、上部保護層及び反射層を設けた構成から成り、該記録層がレーザ光の照射により結晶相とアモルファス相との相変化を引き起こす事で書き換え記録を行う光記録媒体において、該記録層の相変化材料が、SbにGaとSnを加えたものに更にアルカリ土類金属及び/又はTiを添加したものである事を特徴とする光記録媒体。
【選択図】 図1

Description

本発明は、相変化材料を用いた光記録媒体とその作製方法に関する。
近年、相変化材料を記録層とした光記録媒体、特に相変化光ディスクの開発が盛んに行われている。
一般に相変化光ディスクは、透明なプラスチック基板上に特定の溝を形成し、その上に薄膜を形成する。基板に用いられるプラスチック材料は主にポリカーボネートで、溝の形成には射出成形法がよく用いられる。基板上に成膜する薄膜は多層膜で、基板側から順番に下部保護層、記録層、上部保護層、反射層の構成が基本的なものである。下部及び上部保護層には酸化物、窒化物、硫化物などが用いられるが、中でもZnSとSiOを混合したZnS−SiOがよく用いられる。記録層にはSbTeを主成分とした相変化材料がよく用いられる。具体的には、Ge−Sb−Te、In−Sb−Te、Ag−In−Sb−Te、Ge−In−Sb−Te、Ge−Sn−Sb−Teなどが挙げられ、これら以外にもGe−Te、In−Sb、Ga−Sb、Ge−Sbなどが用いられる。反射層には金属材料が用いられるが、光学特性及び熱伝導率などからAl、Ag、Au、Cuなどの金属材料及びそれらの合金材料がよく用いられる。
これらの多層膜の成膜方法としては、抵抗線加熱法、電子ビーム蒸着法、スパッタ法、CVD法など様々な成膜方法を用いる事ができるが、中でも量産性に優れていることからスパッタ法がよく用いられる。これらの多層膜を形成後、薄膜を保護する為に樹脂層をスピンコートにより被覆する。
このようにして作製された相変化光ディスクは、記録層に用いられている相変化材料がアモルファス状態であり、これを結晶化状態にする所謂初期化工程を施す事が一般的である。相変化光ディスクの初期化にはディスクを回転させながら幅数μm、長さ数十〜数百μmの半導体レーザからレーザ光を照射し、半径方向にレーザ光を移動させる事で行う。レーザ光の照射にはフォーカシング機能を設けてより効率の良いレーザ照射を行う場合が多い。
このようにして作製した相変化光ディスクは任意に決められたレーザ発光パターン(以下、ストラテジー)を照射することで任意のアモルファスマークを形成する事ができる。更に、相変化光ディスクでは消去と記録を同時に行うダイレクトオーバーライト(以下、DOW)記録が可能である。ちなみに消去とはアモルファス状態のマークを結晶化させる事で、記録とは結晶状態からアモルファス状態のマークを形成する事である。
よく用いられるストラテジーとしては記録パワー(Pw)、消去パワー(Pe)、バイアスパワー(Pb)の3値制御(Pw>Pe>Pb)に種々のパルス幅を組み合わせて特定のマーク長を記録するというものがある。データ記録・再生の変調方式としてはCDで使われているEFM変調やDVDで使われているEFM+変調などはマークエッジ記録方式である事からマーク長の制御が非常に重要である。このマーク長の制御の評価としてはジッター特性が一般的に用いられる。
上記のような相変化光ディスクは現在DVDの書き換え型媒体として広く使用されている。DVDの書き換え型媒体としてはDVD−RAM、DVD−RW、DVD+RWの3種類がある。これらの記録容量は何れも同じで4.7GBであるが記録線速度が異なる。中でもDVD+RWは最高記録線速がDVDの基準線速3.5m/sの4倍速である14m/sを実現し、書き換え型DVDの中で最も高速記録が可能である。しかし、更なるデータ記録時間の短縮を目的に、より高線速記録が可能な媒体の開発が各方式で活発に行われている。
高線速記録を実現する方法としては、記録層に用いる相変化材料の結晶化速度が十分速く、高速記録の線速でも結晶状態が得られる事が必要となる。相変化材料の結晶化速度を向上させる最も効果的な方法は、相変化材料自体を調整する事である。
例えば、これまで商品化されている書き換え型相変化光ディスクで用いられている記録層材料としては、Ag−In−Sb−TeやGe−Sb−Teに代表されるSb−Te系が主なものであるが、この系ではSb量を増やす方法や結晶化速度を向上させるIn、Ga、Snなどを添加する方法等を用いる事ができる。しかし、これらの方法では初期化による結晶化が困難であったり、保存信頼性が劣化するなどの不具合が発現し、これらの不具合と高速記録とのトレードオフが問題になる。特に記録密度が高くなるとこの傾向が顕著となり、DVD相当の記録密度では4倍速以上の記録線速を実現するのは非常に困難である。
このような状況の中、最近になってGaSbやGeSbに代表されるTeなしの相変化材料を記録層材料に用いた相変化光ディスクが高速記録に適しているという報告がある。我々もGaSbを記録層材料に用いて、DVD相当の記録密度で4倍速以上の記録線速を実現する媒体についての報告を行った(非特許文献1)。
GaSb自体はこれまでも高速記録の可能性を有する相変化材料として報告されていたが(例えば、非特許文献2)、結晶化温度が非常に高く、初期化による結晶化が困難である事やDVD相当の記録密度での高速記録におけるオーバーライト特性、変調度及び保存信頼性を同時に満足するものではなかった。
そこで我々はGaとSbの組成比に着目し、状態図から共晶点であるGa12Sb88(原子%)の組成を用いる事で結晶化温度を200℃未満まで下げられる事を見出した。更に、高速記録と保存信頼性が両立できる事を報告し、DVD相当の記録密度での高速記録の実現可能性を提示した。しかし、更なる実験を重ねた結果、Ga12Sb88(原子%)の組成では初期化後の反射信号の周内分布が大きく、それがノイズとなりジッター特性を劣化させることが判明した。この原因としては、Sb量が多い事からSb単独の結晶相が多くなり、この相自身が反射信号に現れると考えられる。その為、この不具合は初期化条件や方法、装置などで解消できるものではなく、GaとSbの組成比を再度検討する必要が出てきた。その結果、Sb86原子%以下の範囲で上記のような不具合が解消される事を見出した。しかし、Sb量が減る事で結晶化速度も遅くなり、高速記録自体が困難となる。そこで、この問題を解決する為に更なる添加元素を検討した結果、Snが最も有効な元素である事を見出した。
GaSbSnについては、International Symposium On Optical Memory 2003でも発表があり(非特許文献3)、高速記録に適している事が知られている。しかし、GaSbSnには以下の(1)〜(3)のような問題点がある事を見出した。これらの問題は記録相材料である相変化材料に大きく起因する問題である為、新たに相変化材料の開発が必要となる。
(1)従来用いられている初期化装置を用いた初期化が困難である。
(2)室温レベルでの反射率の経時劣化が大きい。
(3)未記録状態での保存後に記録した信号特性、所謂シェルフ特性や記録状態での保存後に記録した信号特性、所謂オーバーライトシェルフ特性が良くない。
Proceeding of The 14th Symposium on Phase Change Optical Information Storage PCOS2002 p.11:"Characterization of GaSb Phase−Change Material for High−Speed Re−Writable Media" Applied Optics/vol.26,No22115 November 1987:"Phase−change Optical data storage in GaSb" International Symposium on Optical Memory 2003 Technical Digest p.146:"Study the Characterization of GaSbSn Phase Change Material for High Speed Rewritable Media"
本発明は、上記の問題を解決し、従来技術では実現できなかった良好な初期化を行うことができ、更には保存信頼性に優れた、DVD相当の記録密度で4倍速以上の高速記録が行える光記録媒体とその作製方法の提供を目的とする。
上記課題は次の1)〜7)の発明(以下、本発明1〜7という)によって解決される。
1) 透光性を有する基板上に、少なくとも下部保護層、相変化材料から成る記録層、上部保護層及び反射層を設けた構成から成り、該記録層がレーザ光の照射により結晶相とアモルファス相との相変化を引き起こす事で書き換え記録を行う光記録媒体において、該記録層の相変化材料が、SbにGaとSnを加えたものに更にアルカリ土類金属及び/又はTiを添加したものである事を特徴とする光記録媒体。
2) 相変化材料が以下に示すような組成式(但し、α、β、γ、δは原子%)から成る事を特徴とする1)記載の光記録媒体。
GaαSbβSnγXδ
X:アルカリ土類金属及び/又はTi
86≦β+γ≦89
11≦γ≦29
0.5≦δ≦6
α+β+γ+δ=100
3) 相変化材料が更にGeを含む事を特徴とする1)又は2)記載の光記録媒体。
4) 相変化材料が以下に示すような組成式(但し、α、β、γ、δ、ζは原子%)から成る事を特徴とする3)記載の光記録媒体。
GaαSbβSnγXδGeζ
X:アルカリ土類金属及び/又はTi
86≦β+γ≦89
11≦γ≦29
0.5≦δ≦5
3≦ζ≦10
α+β+γ+δ+ζ=100
5) 下部保護層の膜厚が50〜100nm、記録層の膜厚が10〜20nm、上部保護層の膜厚が3〜15nm、反射層の膜厚が100〜300nmの範囲にある事を特徴とする1)〜4)の何れかに記載の光記録媒体。
6) 記録層と接する下部保護層及び上部保護層の材料がZnSとSiOの混合物から成り、SiOの混合割合ψ(モル%)が、全体を100モル%として、次の範囲にある事を特徴とする1)〜5)の何れかに記載の光記録媒体。
15≦ψ≦35
7) 基板として、溝ピッチ0.74±0.03μm、溝深さ22〜50nm、溝幅0.2〜0.4μmの蛇行溝を有する事を特徴とする1)〜6)の何れかに記載の光記録媒体。
以下、上記本発明について詳しく説明する。
前述したようにGaSbSnを記録層に用いた相変化光ディスクの初期化を従来用いられている初期化装置で行う事は困難である。その原因は以下のように考えられる。
GaSbSnのような結晶化速度が速い相変化材料では、初期化用のレーザービームが照射された瞬間に溶融状態となり、非常に短い時間内で結晶状態への相変化を起こすと考えられる。この際、GaSbSnに対して活性な反応を示す不純物、具体的には酸素などが存在すると良好な結晶状態に相変化する事ができないと考えられる。
この問題を解決するため、本発明1では、アルカリ土類金属及び/又はTiを相変化材料に添加する事でGaSbSnが良好な結晶状態に相変化する事ができるようにし、従来の初期化方法でも良好に初期化できるようにした。アルカリ土類金属及び/又はTiを添加する事で良好な結晶状態に相変化する原因の詳細は不明であるが、アルカリ土類金属やTiは、酸素を吸着したり、酸素と化学反応して結合する事が知られており、その特性からGaSbSnへの影響を抑える事ができると思われる。
添加するアルカリ土類金属については特に制限は無いが、反応性が高いMg、Caが好ましい。
相変化材料の組成比については本発明2で規定する範囲が望ましい。Snについては、添加量の増加と共に結晶化速度が向上し、高速記録に適した相変化光ディスクを提供する事ができるが、添加量が多過ぎると保存特性に悪影響が出てくる。その為、11〜29原子%の範囲が望ましい。更に望ましくは15〜20原子%の範囲である。またSbとSnの合計含有量は、86〜89原子%の範囲が望ましい。合計含有量が86原子%未満では高速記録に適するだけの結晶化速度が得られない。一方、89原子%を超えるとアモルファス化が難しくなり十分なジッタ特性が得られない。
アルカリ土類金属及び/又はTiの添加量については、あまり多いとそれ自体が不純物となり、結晶化を必要以上に抑制してしまい、本来必要である結晶化速度を低下させる。その為、添加量には制限があり、0.5〜6原子%の範囲が望ましい。更に望ましくは1〜4原子%の範囲である。
一方、従来技術において問題であった反射率の経時劣化及び保存信頼性の劣化を防止するためには、本発明3のように相変化材料にGeを添加する事が更に望ましい。Geを添加した場合の相変化材料の組成としては本発明4で規定する範囲が望ましい。なお、Ge自体は相変化材料の結晶化速度を遅くする為、Geを添加した場合には、Sbの結晶化を抑制するアルカリ土類金属及び/又はTiの添加量を若干減らす必要があるが、その他の組成比は本発明2の場合と同様である。
また、Geの添加効果を得る為には、3原子%以上添加することが望ましい。Geの添加量の上限は、高速記録に適した結晶化速度を得るため10原子%である。
次に、各層構成の膜厚については本発明5で規定する範囲が望ましい。
下部保護層の膜厚は光記録媒体の反射率を調整する働きがあり、望ましい膜厚の範囲は50〜100nmである。50nmより薄いと膜厚に対する反射率変動が大きい事から安定に作製する事が難しく、100nmより厚いと成膜時間が長くなり、光記録媒体の生産性が落ちる。
記録層の膜厚は10〜20nmが望ましい。10nmより薄いと繰り返し記録特性の劣化などの不具合が生じ易く、20nmより厚いと初回記録のジッタ−特性が悪くなる。より望ましい膜厚は12〜18nmである。
上部保護層の膜厚は3〜15nmが望ましい。3nmより薄いと記録感度が悪くなったり変調度が低下したりする不具合が生じる。また、15nmより厚いと放熱効果が無くなりジッタ−特性や繰り返し記録特性が悪くなる。より望ましくは、5〜10nmである。
反射層の膜厚は100〜300nmの範囲が望ましい。100nmより薄いと放熱効果が得られなくなる可能性がある。また、300nmより厚くしても放熱効果は変わらず、単に必要のない膜厚を付加する事になる。より望ましくは120〜180nmである。
反射層材料については、光学特性及び熱伝導率などからAl、Ag、Au、Cuなどの金属材料及びそれらの合金材料を用いる事ができる。特に本発明の目的の一つである高速記録を考えると急冷構造が望ましいので、熱伝導率が最も高いAg又はその合金が適している。Ag又はその合金を用い、上部保護層に硫化物を含んだ材料を用いた場合、硫黄成分によるAgの硫化が問題になる為、上部保護層と反射層の間に硫化防止層を設ける必要がある。硫化防止層には硫化に対して強い材料を用いる必要があり、例えばSi、Alなどの金属、ZnO、SiOなどの酸化物、SiN、AlNなどの窒化物、SiC、TiCなどの炭化物、或いはこれらの混合物などが用いられる。
硫化防止層の膜厚は2〜5nm程度が望ましい。更に望ましくは3〜5nmの範囲である。2nmより薄いと硫化防止の効果が無くなり、5nmより厚いと放熱効果や光学的な影響が大きくなる為である。
次に、下部保護層と上部保護層の材料については本発明6で規定する材料が望ましい。従来技術では両保護層共に酸化物、窒化物、硫化物、炭化物などの誘電体材料或いはこれらの混合物などが用いられ、単層又は複数層から成る。本発明者等は、少なくとも記録層に接する保護層を、ZnSとSiOの混合物からなる誘電体材料で形成する事により、記録特性が改善される事を見出した。この理由については不明であるが、以下のように考えられる。
本発明1〜4で用いる相変化材料は結晶化速度が速い事から、結晶化を促進する効果を与える事で瞬時に結晶化状態になると考えられる。保護層材料の中には結晶化促進効果を有する材料があり、そのような保護層が該相変化材料に接した場合、アモルファス状態の形成を阻害し、記録特性を悪くすると考えられる。特に繰り返し記録時は熱も篭り易く、アモルファス化が困難になる傾向がある。そのため比較的結晶化促進効果が小さいZnSとSiOの混合物が適していると考えられる。
また、ZnSとSiOの混合物からなる保護層材料中のSiOの混合割合は、全体を100モル%として、15〜35モル%の範囲が望ましい事を見出した。更に望ましくは20〜30モル%である。15モル%未満では繰り返し記録や初期化によるZnSの結晶化が発生し、記録層のアモルファス化を阻害する。また、35モル%を超えると屈折率が小さくなってしまい、十分な光学的特性を得る事ができない。
以上の本発明1〜6の構成を採用し、本発明7で規定するような基板を用いれば、現状のDVD+RW媒体の規格に準拠し、4倍速以上の高速記録が可能なDVD+RW媒体を提供する事ができる。溝を蛇行させる目的としては、未記録の特定トラックにアクセスさせる事や基板を一定線速度で回転させる事などがある。
本発明1〜7によれば、従来の初期化装置での初期化が可能で、高線速記録に対して優れた記録特性を示す光記録媒体を提供する事ができる。
更に本発明3〜4によれば、保存信頼性に優れた光記録媒体を提供する事ができる。
更に本発明6によれば、高線速時の繰り返し記録特性に優れた光記録媒体を提供する事ができる。
更に本発明7によれば、4倍速以上の高速記録が可能なDVD+RW媒体を提供する事ができる。
以下、本発明の実施例及び比較例を示すが、これらの実施例は本発明を何ら制限するものではない。例えば、本発明の効果は、実施例で用いた特定の保護層材料や反射層材料、層構成、作製装置や作製方法、評価装置などを採用した場合に限定されるものではない。なお、実施例及び比較例で作製した光記録媒体(光ディスク)の層構造の概略は図1に示す通りである。
<実施例1〜5及び比較例1>
基板には、直径120mmφ、厚さ0.6mmのポリカーボネート製で、トラックピッチ0.74μm、グルーブ(凹部)幅0.3μm、溝深さ約30nmの溝形状を有するものを用い、その上に次の各層を順に積層した。
下部保護層にはZnS(80モル%)SiO(20モル%)を用い、スパッタパワー4.5kW、成膜レート9nm/secで厚さ60nm成膜した。
記録層には表1に示す各相変化材料を用い、スパッタパワー0.9kW、成膜レート5nm/secで厚さ16nm成膜した。
上部保護層にはZnS(80モル%)SiO(20モル%)を用い、スパッタパワー1.5kW、成膜レート4nm/secで厚さ7nm成膜した。
硫化防止層にはSiCを用い、スパッタパワー1.0kW、成膜レート1nm/secで厚さ4nm成膜した。
反射層にはAgを用い、スパッタパワー3.0kW、成膜レート35nm/secで厚さ140nmそれぞれ成膜した。
ここで硫化防止層としてSiCを用いたのは、反射層であるAgと上部保護層に含まれる硫黄との反応を防ぐ為である。また、ZnS(80モル%)SiO(20モル%)の成膜にはRFマグネトロンスパッタ法を採用し、記録層、硫化防止層、反射層の成膜にはDCマグネトロンスパッタ法を採用した。何れのターゲットもそのサイズは直径8インチである。
続いて環境保護層としてUV硬化樹脂を塗布し硬化させた。
最後に、環境保護層の上に上記基板と同様な基板を貼り合わせて、厚さが約1.2mmの光ディスクとしたが、この貼り合わせ基板については図示しなかった。
次に、これらの各光ディスクを、出力波長830nm、幅約1μm、長さ約75μm、最大出力約2Wのレーザー光にフォーカシング機能を付加したレーザーヘッドを有する初期化装置(日立CP社製POP120−7AH)を用いて初期化した。初期化条件としては初期化パワー2000mW、線速20m/s、ヘッドの送り速度50μm一定とした。なお、本初期化装置は線速一定方式であるCLV方式での最高線速は18.5m/sである為、角速度一定方式であるCAV方式で初期化を行った。
Figure 2006130854
上記のようにして作製した各光ディスクについて、記録線速28m/s(DVDでの8倍速相当)での繰り返し記録特性(ダイレクトオーバーライト特性)について評価した。
評価には、波長650nm、NA0.65のピックアップを有する光ディスク評価装置(パルステック社製DDU−1000)を用いた。評価するトラックは、隣接したトラックを5トラック記録し、その真中のトラックを再生した。記録方式はパルス変調法を用い、変調方式はEFM+〔8/16(2,10)RLL〕変調方式で行った。記録線密度は0.267μm/bitとし、グルーブに記録した。記録パワーPw及び消去パワーPeについては最適な条件を用いた。ボトムパワーPbはPb=0.1mWで一定とした。
このようにして記録された信号のData to Clk(データ・ツー・クロック)ジッターを測定し、ジッターσ/Tw(Tw:ウィンドウ幅)を評価項目とした。同様な方法で1回記録、2回記録、10回記録、100回記録でのジッターの変化を各光ディスクについて評価した。
その結果を図2に示すが、図から、<比較例>では<実施例>に比較して初期特性及び繰り返し特性が悪い事が分かる。
次に、上記のようにして作製した各光ディスクを初期化した後、光ディスク評価装置を用いて、グルーブにレーザーパワー15mW、線速20m/sの条件でDC照射を行い、先の評価と同様な評価を行った。なお、<実施例1〜5>及び<比較例1>と区別する為に、<実施例1>のディスクでの結果を<実施例1a>のように全てにaを付記した。
その結果を図3に示すが、図から分かるように、初期化装置のみによる初期化では初期特性及び繰り返し特性が悪かった<比較例1>の結果が、評価装置のDCレーザー光照射で大きく改善されている。これは冷却速度が大きい評価装置による初期化方法を用いる事で、結晶状態の広がりが大きい<比較例1>の光ディスクの初期化が良好になったためと考えられる。<実施例1〜5>についても少々の改善は見られたが、<比較例1>程の改善効果は見られなかった。
以上の事から、本発明の構成とする事で、従来の初期化装置を用いた初期化により高線速記録が可能な光ディスクを提供する事ができる。
<実施例6〜18>
相変化材料を表2に示す材料に変えた点以外は、<実施例1>と同様にして各光ディスクを作製した。比較の為に<実施例1>の相変化材料も一緒に示した。
Figure 2006130854
上記のようにして作製した各光ディスクを<実施例1>と同様な評価方法で比較した。
その結果を図4に示すが、本発明2の規定を満たす<実施例1>の方が、規定を満たさない他の実施例よりも初期特性及び繰り返し特性が優れていることが分かる。なお、本実施例において、Caを他のアルカリ土類金属又はTiに変えても、実施例1〜5の場合と同様に、ほぼ類似の結果が得られる。
<実施例19〜32>
相変化材料を表3に示す材料に変えた点以外は、<実施例1>と同様にして各光ディスクを作製した。比較の為に<実施例1>の相変化材料も一緒に示した。
Figure 2006130854
上記のようにして作製した各光ディスクを<実施例1>と同様な評価方法で比較した。
その結果を図5に示すが、Geの添加量を除き本発明4の規定を満たす各実施例の方が、規定を満たさない実施例よりも初期特性及び繰り返し特性が優れていることが分かる。
次に、図5で有意差の無かった<実施例1>及び<実施例19〜22>の各光ディスクに実施例1と同様な方法で1回記録したものを80℃85%の環境に置き、300時間後の反射率の変化を比較した。
その結果を図6に示すが、Geを添加する事で反射率の変動が少なくなる傾向にあり、Ge添加量については本発明4で規定する範囲が望ましいことが分かる。
以上の事から、本発明3〜4の構成とする事で、高線速での記録特性を改善する事ができ、かつ保存信頼性に優れた光ディスクを提供する事ができる。
なお、本実施例において、Caを他のアルカリ土類金属又はTiに変えても、実施例1〜5の場合と同様に、ほぼ類似の結果が得られる。
<実施例33〜41>
上部保護層材料を表4に示す材料に変えた点以外は、<実施例19>と同様にして各光ディスクを作製した。比較の為に<実施例19>の上部保護層材料も一緒に示した。
Figure 2006130854
上記のようにして作製した各光ディスクを<実施例1>と同様な評価方法で比較した。
その結果を図7に示すが、<実施例19>と<実施例35〜37>が他の実施例に比べて繰り返し特性が優れていることが分かる。なお、本実施例において、基準となる実施例19を実施例1などの他の実施例に置き換え、上部保護層材料を表4に示す材料に変えた場合にも、ほぼ類似の結果が得られる。
実施例及び比較例で作製した光記録媒体(光ディスク)の層構造の概略を示す図。 実施例1〜5及び比較例1の光ディスクの評価結果を示す図。 実施例1〜5及び比較例1の光ディスクを初期化した後、光ディスク評価装置を用いてDC照射を行い評価を行った結果を示す図。 実施例1及び6〜18の光ディスクの評価結果を示す図。 実施例1及び19〜32の光ディスクの評価結果を示す図。 実施例1及び19〜22の光ディスクの保存特性の評価結果を示す図。 実施例19及び33〜41の光ディスクの評価結果を示す図。
符号の説明
1 基板
2 下部保護層
3 記録層
4 上部保護層
5 硫化防止層
6 反射層
7 環境保護層

Claims (7)

  1. 透光性を有する基板上に、少なくとも下部保護層、相変化材料から成る記録層、上部保護層及び反射層を設けた構成から成り、該記録層がレーザ光の照射により結晶相とアモルファス相との相変化を引き起こす事で書き換え記録を行う光記録媒体において、該記録層の相変化材料が、SbにGaとSnを加えたものに更にアルカリ土類金属及び/又はTiを添加したものである事を特徴とする光記録媒体。
  2. 相変化材料が以下に示すような組成式(但し、α、β、γ、δは原子%)から成る事を特徴とする請求項1記載の光記録媒体。
    GaαSbβSnγXδ
    X:アルカリ土類金属及び/又はTi
    86≦β+γ≦89
    11≦γ≦29
    0.5≦δ≦6
    α+β+γ+δ=100
  3. 相変化材料が更にGeを含む事を特徴とする請求項1又は2記載の光記録媒体。
  4. 相変化材料が以下に示すような組成式(但し、α、β、γ、δ、ζは原子%)から成る事を特徴とする請求項3記載の光記録媒体。
    GaαSbβSnγXδGeζ
    X:アルカリ土類金属及び/又はTi
    86≦β+γ≦89
    11≦γ≦29
    0.5≦δ≦5
    3≦ζ≦10
    α+β+γ+δ+ζ=100
  5. 下部保護層の膜厚が50〜100nm、記録層の膜厚が10〜20nm、上部保護層の膜厚が3〜15nm、反射層の膜厚が100〜300nmの範囲にある事を特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の光記録媒体。
  6. 記録層と接する下部保護層及び上部保護層の材料がZnSとSiOの混合物から成り、SiOの混合割合ψ(モル%)が、全体を100モル%として、次の範囲にある事を特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の光記録媒体。
    15≦ψ≦35
  7. 基板として、溝ピッチ0.74±0.03μm、溝深さ22〜50nm、溝幅0.2〜0.4μmの蛇行溝を有する事を特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の光記録媒体。
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