JP2004013926A - 光情報記録媒体及びその製造方法 - Google Patents

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Yuji Miura
三浦 裕司
Masaru Magai
真貝 勝
Kiyoto Shibata
柴田 清人
Masato Harigai
針谷 眞人
Katsunari Hanaoka
花岡 克成
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Abstract

【課題】高速オーバーライト記録に対応できる、DVD−ROM互換が可能な4.7GB/直径120mmディスク以上の記録密度の初期化レスメディアを実現することにある。
【解決手段】Sb、Teの他に、他元素を実質的に含まない又は周期律表第I族乃至VII族に属する元素の少なくとも1種類の元素を含む記録層と、その余の層と、Zr酸化物を主成分とする結晶化促進誘電体層との少なくとも3つの層を有する光記録媒体の製造方法であって、製膜後の光記録媒体にエネルギー照射して記録操作することにより、該記録層の製膜工程終了時に該記録層中に存在した以上の量の前記他元素を前記その余の層から記録層中に移行させて存在するようにする工程を有することを特徴とする相変化記録媒体の製造方法。
【選択図】    図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、初期化操作が不要で、保存信頼性に優れた光情報記録媒体及び記録方法に関するものであり、光ディスクに応用される。
【0002】
【従来の技術】
レーザビーム照射により情報の記録、再生及び消去が可能な光情報記録媒体とレーザビーム照射により情報の記録、再生及び消去が可能な光情報記録媒体として、結晶状態と非晶質(アモルファス)状態の可逆的相変化を利用した相変化CD−RW、DVD−RAM、−RW、+RWメディアなどとしての商品化が期待されている。
本発明者らは、上記相変化型光情報記録媒体のうち、記録層を空間群Fm3mに属する準安定SbTe相を有することを特徴とする記録層で構成したものについて研究、開発を進めてきた(特開平10−217069号公報等に記載)。この準安定相はSb−Te共晶構造の記録層とは異なっており、SbとSbTeとに分離せず、結晶粒界に起因する記録マークの乱れも生じない。そのため、空間群Fm3mに属する準安定SbTe相を有することを特徴とする記録層を用いたものは、高密度記録が可能となる長所を持っている。
さらに、空間群Fm3mに属する準安定SbTe相を有することを特徴とする記録層は繰り返し記録時の熱衝撃に強いため、優れた繰り返し記録特性を有している。
【0003】
この空間群Fm3mに属する準安定SbTe相を有することを特徴とする記録層を用いた相変化型光情報記録媒体では、記録層はスパッタリング、蒸着などの真空製膜法で製膜され、製膜直後の膜は、通常、非晶質状態となっている。しかし、製品化された光情報記録媒体の記録層は結晶状態でなければならない。なぜなら、相転移を利用する書き換え型の光情報記録担体では、一般に記録膜が記録状態では非晶質状態に、消去(初期化)状態では結晶状態に設定されるからである。そこで、記録層の製膜直後に、レーザビーム照射などの熱処理を施して記録層を結晶化させる初期化プロセスが必要であった。
【0004】
しかしながら、上記初期化プロセスには30秒以上の時間が必要であるため、スループットがダウンし、量産を行なう場合には初期化プロセスのための装置が多数台必要となり、設備費が高価になる。その結果、製品コストの上昇を招くことになる。
そこで、こうした問題に対して、Sb、Teの他に、他元素を実質的に含まない又は周期律表第I族乃至VII族に属する元素の少なくとも1種類の元素を含む記録層と、結晶化促進元素と記録状態安定化元素からなる結晶化促進層からなる、その余の層とを有する光記録媒体において、前記光記録媒体にエネルギー照射して記録操作することにより、該記録層の成膜工程終了時に該記録層中に存在した以上の量の前記他元素が前記その余の層から記録層中に移行して存在するようにして、初期化工程を不要とした技術がある(特願2001−319887号明細書に記載)。
特願2001−319887号明細書は、結晶化促進元素を用いる方法が従来有していた記録マークの保存信頼性の確保と基板耐熱温度以下での記録層の結晶化との両立というトレードオフの問題を解決したものである。
【0005】
しかしながら、我々の知見によると、記録マークの保存信頼性の確保と基板耐熱温度以下での記録層の結晶化との両立にあたっては、材料、製造のマージンが非常に狭く、例えば製膜温度の管理などを厳密に行なわなければならず、量産化を検討する上では問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明の目的は、上記問題点を解消し、高速オーバーライト記録に対応できる、DVD−ROM互換が可能な4.7GB/直径120mmディスク以上の記録密度の初期化レスメディアを実現することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、本発明の(1)「Sb、Teの他に、他元素を実質的に含まない又は周期律表第I族乃至VII族に属する元素の少なくとも1種類の元素を含む記録層と、その余の層と、Zr酸化物を主成分とする結晶化促進誘電体層との少なくとも3つの層を有する光記録媒体の製造方法であって、製膜後の光記録媒体にエネルギー照射して記録操作することにより、該記録層の製膜工程終了時に該記録層中に存在した以上の量の前記他元素を前記その余の層から記録層中に移行させて存在するようにする工程を有することを特徴とする相変化記録媒体の製造方法」;
(2)「前記記録層が、Sbと、原子数でSbの1/3以下のTeとを含み、且つ0乃至5原子%未満のGe含有量であることを特徴とする前記第(1)項に記載の相変化記録媒体の製造方法」;
(3)「前記その余の層が、記録マークの非晶質相状態を安定化させる記録状態安定化元素と製膜段階における記録層の結晶化を促進させる結晶化促進元素とを含む結晶化促進層であることを特徴とする前記第(1)項又は第(2)項に記載の相変化記録媒体の製造方法」;
(4)「前記記録状態安定化元素が、4族元素、1B族元素、3族元素及び/又は5族元素であることを特徴とする前記第(3)項に記載の相変化記録媒体の製造方法」;
(5)「前記記録状態安定化元素が、Ge、Cu、In、B及び/又はNであることを特徴とする前記第(4)項に記載の相変化記録媒体の製造方法」;
(6)「Zr酸化物がZrOであることを特徴とする前記第(1)項に記載の光情報記録媒体の製造方法」;
(7)「前記結晶化促進誘電体層がZrOと少なくともその他の酸化物とからなることを特徴とする前記第(1)項乃至第(6)項のいずれかに記載の光情報記録媒体の製造方法」;
(8)「前記その他の酸化物が、SiO、TiO、MgO、Alから選択された少なくとも1種であることを特徴とする前記第(7)項に記載の光情報記録媒体の製造方法」;
(9)「前記その他の酸化物が、Y、CaO、希土類酸化物から選択された少なくとも1種であることを特徴とする前記第(7)項又は第(8)項に載の光情報記録媒体の製造方法」;
(10)「前記Zr酸化物を主成分とする結晶化促進誘電体層に占める酸化物の割合が、5mol%以上50mol%未満であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(9)項のいずれかに記載の光情報記録媒体の製造方法」;
(11)「前記Zr酸化物を主成分とする結晶化促進誘電体層に占めるXの割合が、ZrOに対して2mol%以上20mol%以下であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(10)項のいずれかに記載の光情報記録媒体の製造方法」;
及び(12)「前記Zr酸化物を主成分とする結晶化促進誘電体層の膜厚が、2nm以上30nm未満であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(11)項のいずれかに記載の光情報記録媒体の製造方法」により達成される。
【0008】
また、上記目的は、本発明の「前記第(1)項乃至第(12)項のいずれかに記載の光情報記録媒体の製造方法により製造された光情報記録媒体」により達成される。
【0009】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の特徴は、記録することにより、成膜工程終了時に記録層に存在した以上の量の副成分(以下、これを「不純物」とも云う)が記録層に存在するようになる相変化記録媒体である。本発明における主成分としてのSb、Teとは、該副成分と対照的な量であり、記録層中のSb及びTeがSbTe系組成を維持し、且つ記録層の記録材料が書込操作及び消去操作によりアモルファス相−結晶相に相変換可能な程度の量比を保持することを意味する。結晶化促進層に不純物として記録状態安定化元素を含み、相変化記録時に前記不純物が記録層へと拡散し成膜工程終了時に記録層に存在した以上の量の不純物が記録層に存在するようになる。そのため、あらかじめ記録材料が含むべき記録状態安定化元素を減少させることができる。
【0010】
さらに、本発明では、Zr酸化物を主成分とする結晶化促進誘電体層を有している。我々が実験を重ねて得た知見によると、Zr酸化物は、SbTe相変化記録材料の結晶化を促進する効果を有している。このため、Zr酸化物の上に、結晶化促進元素と記録状態安定化元素とからなる結晶化促進層と、SbとTeの他に他元素を実質的に含まない又は周期律表第I族乃至VII族に属する元素の少なくとも1種類の元素を含む記録層とを積層することにより、Zr酸化物が結晶化促進元素と記録状態安定化元素とからなる結晶化促進層の記録結晶化作用を補助することになり、製膜段階での記録層の結晶化が従来の方法に比べて容易になる。
【0011】
Zr酸化物としては安定性の点からZrOが望ましい。
また、Zr酸化物を主成分とする結晶化促進誘電体層をZrOと少なくともその他の酸化物とで構成するのが好ましい。すなわち、Zr酸化物を主成分とする結晶化促進誘電体層はZrOと少なくともその他の酸化物との混合物、または固溶体とすることが好ましい。これにより、混合により膜が分散強化され、繰り返し記録による熱衝撃によるクラックの発生、膜の結晶化等の変態を防止することができ、良好な繰り返し記録特性を実現することができる。また、ZrOの結晶化促進効果が過大で、記録マークの保存信頼性が大幅に低下する場合であっても、ZrOの結晶化促進効果を希釈し調整することができる。
【0012】
その他の酸化物としては、TiO、SiO、MgO、Alが好ましい。中でもSiOはZrOの結晶化促進効果を低減させる効果が大きく、少量でZrOの結晶化促進効果を希釈し調整できる。また、TiOは高屈折率のため、低屈折率物質のSiOの混合にともなう下部第2保護層の屈折率は低下を補填することができる。さらに、MgOは、Zr酸化物を安定化し、強靭化させるので、本発明の光情報記録媒体におけるZr酸化物を主成分とする結晶化促進誘電体層としてのZr酸化物薄膜にこれを添加することにより、繰り返し記録による熱衝撃によるクラックの発生、膜の結晶化等の変態を防止することができる。
なお、その他酸化物の含有量は5mol%以上50mol%未満であることが望ましい。5mol%未満であると所望の効果が得られなくなり、50mol%以上だと結晶化促進効果が不充分となるので好ましくない。
【0013】
また、その他の酸化物が、Y、CaO、希土類酸化物から選択された少なくとも1種であることも好ましい。一般にこれらの物質は、Zr酸化物を安定化し、強靭化させることが知られているが、本発明では、光情報記録媒体のZr酸化物を主成分とする結晶化促進誘電体層としてのZr酸化物薄膜にこれらのうち少なくとも1種を添加することにより、繰り返し記録による熱衝撃によるクラックの発生、膜の結晶化等の変態を防止することができ、良好な繰り返し記録特性を実現することができる。
【0014】
なお、これらの含有量は合計で2mol%以上20mol%以下であることが望ましい。2mol%未満であると所望の効果が得られなくなり、20mol%を越えると、逆に膜の安定性が低下してしまうので好ましくない。
また、Zr酸化物を主成分とする結晶化促進誘電体層の層厚は2nm以上30nm以下が望ましく、2nm以上15nm以下がさらに望ましい。2nm未満であると結晶化促進効果が不充分となり、30nmを越えると、製造タクトタイムの上昇をともなうため好ましくない。
【0015】
結晶化促進層に含む記録状態安定化元素としてGeを用いる場合、記録材料に含有させるGeは5原子%未満で良い。SbTe系記録層において結晶記録層において記録材料に含有させるGeが5原子%未満の場合、結晶化温度が160℃未満となる。結晶化温度が160℃未満の場合は、結晶化促進層を用いることによりポリカーボネート基板の塑性変形温度以下の成膜プロセスでも相対反射率80%の結晶記録膜の形成が可能となる。結晶記録層形成のためのより望ましくはGeが3原子%未満であり、最も望ましくはGeを含有しない記録材料である。ここで、記録材料中に含まれるGeが1原子%未満の場合をGeを実質的に含有しないと定義する。SbTe系記録材料に含まれるGeが3原子%の場合、結晶化温度は147℃、1原子%未満の場合は110℃である。前者結晶化温度147℃の場合、前述のポリカーボネート基板耐熱温度の67℃でも初期化レスで使用可能な結晶記録膜となる。その相対反射率は80%程度である。後者結晶化温度110℃の場合は、基板温度67℃でも更に完全な結晶膜となり、その相対反射率は83%以上となる。
本発明では、記録材料がSbTe系記録材料であることから、記録レーザー光のビーム系を絞ることにより少なくとも0.1μmの記録マーク長に相当する記録までは可能である。
【0016】
本発明における記録状態安定化元素としては、4族元素、1B族元素、3族元素が有効である。Geが最も有効である他、Cu、In、Bも有効である。加えて、5族のNも記録状態安定化に有効である。結晶化促進元素としては、5族元素、6族元素が有効である。特に、Sb、Bi、Teが有効である。
【0017】
結晶化促進層は、上記、記録状態安定化元素と結晶化促進元素のぞれぞれ1種以上を含有する。結晶化促進層として最も好ましいのは、BiとGeの2元素からなる層である。更に、結晶化促進層には、融点調整、記録層と溶融混合時の結晶化速度調整等のために更なる不純物元素を添加する場合もある、不純物元素として使用可能な元素は、Ag、Ca、Cd、Ce、Co、Cr、Fe、Ga、H、Hg、Ir、K、La、Li、Mg、Mn、Mo、Na、Ni、O、P、Pb、Pd、Po、Pr、Pt、Pu、Rb、Rh、Ru、S、Se、Si、Sn、Sr、Th、Ti、Tl、U、ClおよびBr等が挙げられる。
【0018】
上記結晶化促進層は、基板上で完全に連続な薄膜とならなくても良い。すなわち、成膜膜厚が質量膜厚で1nm程度の場合は、不連続な多数の島状になっている。成膜膜厚が増加すると、前記島同士がつながり、基板上で完全な薄膜となる。本発明においては、前記島状をも微視的な意味で結晶化促進層という。
【0019】
次に、本発明の光情報記録媒体の一例を図1に示す。図1中、(1)が基板、(2)が第一の誘電体層、(3)がZr酸化物を主成分とする結晶化促進誘電体層、(4)が結晶化促進層、(5)が記録層、(6)が第二の誘電体層、(7)が反射放熱層、(8)は必要に応じて反射放熱層の上に設けられる有機保護層である。なお、図では、光情報記録媒体の情報基板側のみを示している。
基板の材料は、ほとんどの場合ポリカーボネートが使用される。基板厚さは、1mm厚以上の場合と、約0.6mmの基板に図1の層を形成した後、他の0.6mm基板を貼り合わせて約1.2mmとする場合があり、本発明における基板厚の許容誤差は、2.0mm厚以上の場合±0.3mm、1.0mm厚の場合±0.2mm、0.6mm厚の場合±0.2mmである。基板には、溝が形成してあり、その深さは200Å〜450Å程度である。溝のピッチはDVD互換メディアとして使用する場合0.74μmである。このピッチを、0.3μm程度まで微細化すると、青色発光のレーザーを使うことにより、半径120mmのディスク上で20GB以上の記録が可能である。
【0020】
本発明において、第一の保護層、第二の保護層としては、SiOx、ZnO、SnO、Al、TiO、In、MgO、Ta等の金属酸化物、Si、AlN、TiN、BN、ZrN等の窒化物、ZnS、TaS等の硫化物、SiC、TaC、BC、WC、TiC、ZrC等の炭化物が挙げられる。これらの材料は、単体で保護層として用いることができ、また、混合物として用いることもできる。例えば、混合物としては、ZnSとSiOx、TaとSiOxが挙げられる。なお、Zr酸化物を主成分とする結晶化促進誘電体層が第一の保護層、第二の保護層の両方またはいずれか一方を兼ねても構わない。
【0021】
第一の保護層の膜厚は、50〜250nmの範囲が好ましい。50nmより薄くなると、耐環境性保護機能の低下、耐熱性低下、畜熱効果の低下となり好ましくない。250nmより厚くなると、スパッタ法等による製膜過程において、膜温度の上昇により膜剥離やクラックが生じたり、記録時の感度の低下をもたらすので好ましくない。第二の保護層の膜厚は10〜100nmが好ましく、15〜50nmがより好ましい。第二の保護層の場合、10nmより薄いと耐熱性が低下し好ましくない。逆に、100nmを越えると、記録感度の低下、温度上昇による膜剥離、変形、放熱性の低下により、繰り返しオーバーライト特性が悪くなる。
【0022】
反射放熱層(7)としては、Al、Au、Cu、Ag、Cr、Sr、Zn、In、Pd、Zr、Fe、Co、Ni、Si、Ge、Sb、Ta、W、Ti、Pb等の金属を主とした元素の単体または合金を用いることができる。この層は、熱を効率的に放散させることが重要であり、膜厚は50〜160nmが好ましい。膜厚が厚すぎると、放熱効率が大きすぎて感度が悪くなり、薄すぎると感度は良好であるが、繰り返しオーバーライト特性が悪くなる。特性としては、熱伝導率が高く、高融点で保護層材料との密着性がよいことなどが要求される。
【0023】
図2に、厚さ約0.6mmの基板を貼り合わせて使用する場合の一例を示す。誘電体材料、結晶化促進材料、記録材料、反射放熱材料については、前記図1の場合と同様である。図2の場合では、半透明反射放熱層及び、第1の記録層の透過率を50%以上にする。
【0024】
図3に、厚さ1mm程度の基板上に、2層の記録層を有する場合の一例を示す。誘電体材料、結晶化促進材料、記録材料、反射放熱材料については、前記図1の場合と同様である。図3の場合、第一の記録層の透過率を調節するため、第一の誘電体層及び第二の誘電体層を異種材料の多層構成とする場合がある。
【0025】
このような本発明の光情報記録媒体に光記録するには、基準クロック長さn周期に相当するアモルファスを形成する場合、n周期の時間に(n−1)回のレーザーパルス照射を行なう。例えば、図4に示す基準クロック5周期相当の長さのアモルファスを形成する場合は、4回のレーザーパルスを照射する。記録線速度8.5m/sにおいて、基準クロック63.7MHzでの記録の場合(DVD、2.4倍速記録)、例えば、図における、▲1▼レーザー照射開始遅延時間は19ns、▲2▼先頭パルス幅は6ns、▲3▼マルチパルス幅は7ns、▲4▼冷却パルス幅は14.5ns、▲5▼記録パワーは15mW、▲6▼消去パワーは8mW、▲7▼冷却パワーは0.1mWにて行なう。
【0026】
上記材料および構成による光情報記録媒体は、例えば、波長が635あるいは650nmの半導体レーザーで、NA0.6のピックアップを用い記録再生することができる。記録方法としては、例えば、3XOVH:LGWK 0RGXODWLRQで変調コードがEFM又はEFM+[8/16RLL(2、10)]方式等を用いることができる。この場合、パルスは先頭パルスとその後のマルチパルス部に分かれる。マルチパルス部は、加熱、冷却を繰り返し行なうためのものである。この場合、各パワーの関係は、加熱(記録)パワー>消去パワー>冷却パワーとなっていて、冷却パワーは読み出しパワー程度まで下げる。通常、線速は3.5〜8.5m/s、読み出しパワーは1mW以下で行なう。
【0027】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づき説明する。
0.6mm厚、直径5インチのポリカーボネート基板(以下、PC基板)上にスパッタリング法により以下の(1)〜(5)の薄膜を形成する。
(1)第一の誘電体層:ZnS・SiO(ターゲットのmol比で79.5:20.5)、膜厚220nm。
(2)Zr酸化物を主成分とする結晶化促進誘電体層:組成は表1に示す。膜厚は2nm〜30nmの範囲でふった。
(3)結晶化促進層:記録状態安定化元素、結晶化促進元素からなるターゲットを用いた。組成は表1に示す。膜厚2nm。
(4)記録層:SbTe系材料の合金ターゲット用いた。組成は表1に示す。膜厚16nm。
(5)第二の誘電体層:ZnS・SiO(ターゲットのmol%比で79.5:20.5)、膜厚10nm。
(6)反射放熱層:AlTi、膜厚140nm。
【0028】
【表1】
Figure 2004013926
【0029】
記録層成膜時の基板温度は、ポリカーボネート基板が塑性変形しない限界の温度で行なった。この場合、基板に接触させた熱電対が100℃となるようにIRランプ出力を制御して、熱電体によるモニター温度が安定した後に基板を記録層成膜室に搬送している。記録層成膜室での基板温度を測定すると67℃であった。成膜終了後、UV硬化樹脂をスピンコートした後、UV光照射により硬化形成させた。このようにして製造した基板を、他の厚さ0.6mm基板と貼り合わせて約1.2mm厚とした。
波長660nm、NA0.65のピックアップヘッドを使用して、記録線速度8.5、14m/sの速さで、直径120mmディスク上で4.7GBとなる記録密度相当の記録を行なった。1つのマークを書く際にも、レーザー照射と冷却を繰り返すマルチパルス方式で記録を行なった。クロック1周期の倍数の長さのアモルファスマークを形成するのであるが、マーク長あたりのクロックの振動数と同一の回数のレーザー照射と冷却を行なった。アモルファスマーク形成時のレーザー照射パワー(記録パワー)と、結晶スペース形成時のパワー(消去パワー)の比は、結晶化促進層の膜厚及び材料により最適値が異なり、(記録パワー)/(消去パワー)=0.4〜0.6である。
記録特性中、ジッターは、記録マークとスペースの境界の読み出し時間のズレの標準偏差を、読み出しクロック1周期時間で除した値であり(単位%)、モジュレーションは、14Tの振幅を14Tの反射率で除した値である。
【0030】
実施例1〜6、比較例1〜2
実施例1〜6、比較例1〜2について、製造直後のメディア反射率および相対反射率、記録線速度8.5の速さ(線速DVD2.5倍速相当)で評価した繰り返し記録ジッタ特性、80℃保管時に記録ジッターが1%上昇する時間を評価した。なお、ここで相対反射率とは、製膜段階での結晶化進行度の目安となるものであり、以下の式で定義される。
【数1】
相対反射率=(記録前のメディア反射率)/(記録時に形成される溶融再結晶の反射率)×100(%)
そして我々が得た知見によると、これが80%未満であると、メディア反射率が記録とともに変動するため、良好なメディア特性が得られない。
【0031】
上記した方法で作製評価した媒体を各実施例について100枚以上評価した結果、実施例1〜6については、いずれの媒体においてもメディア反射率は20%以上、相対反射率は80%以上を確保できていた。しかし、比較例においては、約5%の割合で相対反射率が80%を下回る媒体があった。不良が出た原因は、おそらく基板の加熱温度ばらつきによるものと考えられる。これらの結果より、Zr酸化物を主成分とする結晶化促進誘電体層の結晶促進効果により、製膜段階での記録層の結晶化が従来の方法に比べて容易になることがわかる。
また、80℃保管時に記録ジッターが1%上昇する時間で評価した保存特性は、実施例1は比較例と比べて悪かったが、他の実施例は同等であった。実施例1はZrOの結晶化促進効果が過大で、記録マークの保存信頼性が低下したものと思われる。実施例2〜6ではZrOの結晶化促進効果が希釈され、相対反射率と保存信頼性の両立が実現できていることがわかる。
さらに、繰り返し記録ジッタ特性は、実施例は比較例と比べて良好な特性を示した。特に実施例5および6は良好な特性を示した。これより、Yの添加によりZrOが安定化されて強靭化し、繰り返し記録による熱衝撃によるクラックの発生、膜の結晶化等の変態に膜の劣化が抑える本発明の効果が確認された。
【0032】
【発明の効果】
以上、詳細かつ具体的な説明より明らかなように、本発明により、高速オーバーライト記録に対応できる、DVD−ROM互換が可能な4.7GB/直径120mmディスク以上の記録密度の初期化レスメディアの実現が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光情報記録媒体の一例を示した図である。
【図2】本発明の光情報記録媒体の他の例を示した図である。
【図3】本発明の光情報記録媒体の更に他の例を示した図である。
【図4】本発明の光情報記録媒体への記録モードの一例を示した図である。
【符号の説明】
1  基板
2  第一の誘電体層
3  Zr酸化物を主成分とする結晶化促進誘電体層
4  結晶化促進層
5  記録層
6  第二の誘電体層
7  反射放熱層
8  保護層
9  基板
10  第一の誘電体層
11  Zr酸化物を主成分とする結晶化促進誘電体層
12  結晶化促進層
13  第一の記録層
14  第二の誘電体層
15  半透明反射放熱層
16  保護層
17  第三の誘電体層
18  第二の記録層
19  結晶化促進層記録層
20  Zr酸化物を主成分とする結晶化促進誘電体層
21  第二の誘電体層
22  反射放熱層
23  基板
24  カバー層
25  第一の誘電体層
26  Zr酸化物を主成分とする結晶化促進誘電体層
27  結晶化促進層
28  第二の記録層
29  第二の誘電体層
30  保護層
31  第三の誘電体層
32  第三の記録層
33  結晶化促進層
34  Zr酸化物を主成分とする結晶化促進誘電体層
35  第四の誘電体層
36  反射放熱層
37  基板

Claims (13)

  1. Sb、Teの他に、他元素を実質的に含まない又は周期律表第I族乃至VII族に属する元素の少なくとも1種類の元素を含む記録層と、その余の層と、Zr酸化物を主成分とする結晶化促進誘電体層との少なくとも3つの層を有する光記録媒体の製造方法であって、製膜後の光記録媒体にエネルギー照射して記録操作することにより、該記録層の製膜工程終了時に該記録層中に存在した以上の量の前記他元素を前記その余の層から記録層中に移行させて存在するようにする工程を有することを特徴とする相変化記録媒体の製造方法。
  2. 前記記録層が、Sbと、原子数でSbの1/3以下のTeとを含み、且つ0乃至5原子%未満のGe含有量であることを特徴とする請求項1に記載の相変化記録媒体の製造方法。
  3. 前記その余の層が、記録マークの非晶質相状態を安定化させる記録状態安定化元素と製膜工程における記録層の結晶化を促進させる結晶化促進元素とを含む結晶化促進層であることを特徴とする請求項1又は2に記載の相変化記録媒体の製造方法。
  4. 前記記録状態安定化元素が、4族元素、1B族元素、3族元素及び/又は5族元素であることを特徴とする請求項3に記載の相変化記録媒体の製造方法。
  5. 前記記録状態安定化元素が、Ge、Cu、In、B及び/又はNであることを特徴とする請求項4に記載の相変化記録媒体の製造方法。
  6. Zr酸化物がZrOであることを特徴とする請求項1に記載の光情報記録媒体の製造方法。
  7. 前記結晶化促進誘電体層がZrOと少なくともその他の酸化物とからなることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の光情報記録媒体。
  8. 前記その他の酸化物が、SiO、TiO、MgO、Alから選択された少なくとも1種であることを特徴とする請求項7に記載の光情報記録媒体の製造方法。
  9. 前記その他の酸化物が、Y、CaO、希土類酸化物から選択された少なくとも1種であることを特徴とする請求項7又は8に記載の光情報記録媒体の製造方法。
  10. 前記Zr酸化物を主成分とする結晶化促進誘電体層に占める酸化物の割合が、5mol%以上50mol%未満であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の光情報記録媒体の製造方法。
  11. 前記Zr酸化物を主成分とする結晶化促進誘電体層に占めるXの割合が、ZrOに対して2mol%以上20mol%以下であることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の光情報記録媒体の製造方法。
  12. 前記Zr酸化物を主成分とする結晶化促進誘電体層の膜厚が、2nm以上30nm未満であることを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の光情報記録媒体の製造方法。
  13. 請求項1乃至12のいずれかに記載の光情報記録媒体の製造方法により製造された光情報記録媒体。
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