JP2004245772A - ガス濃度検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電極材の違いによる出力ずれを抑制し、排ガス中のNOx等、被測定ガス中の特定ガス成分の検出を精度よく行うことのできるガス濃度検出装置を提供する。
【解決手段】NOxセンサ101のセンサ素子104は、素子内に導入されるNOxおよび残留酸素を分解するセンサセル150と、残留酸素のみを分解するモニタセル160を有し、センサセル150とモニタセル160の電流出力差からNOx濃度を検出する。センサ素子104の先端部を保護する素子カバー103に、複数の側面穴106aと少なくとも1つの底穴106bを設け、これら穴径をそれぞれφ0.5〜1.5mmとするとともに、側面穴径/底面穴径を0.5〜1.5として、素子カバー103内の流速変動を抑制し、センサセル150とモニタセル160の出力脈動を抑制してNOx出力を安定させる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、固体電解質体に設けた複数のセルを用いて被測定ガス中の特定ガス成分、例えば、自動車内燃機関の排ガスに含まれるNOx濃度を検出するガス濃度検出装置に関し、詳しくは、検出精度を向上させるための素子カバー構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、地球環境に対する関心が高まり、自動車用内燃機関から排出される排ガスに対する規制が、年々厳しくなっている。この規制に対応するため、排ガス中の有害物質、例えばNOx濃度を直接検出し、その検出結果をEGR(排気再循環)システム、触媒システム等にフィードバックすることで、より精密な制御を実現することが期待されている。
【0003】
このようなガス濃度検出装置として、酸素イオン導電性の固体電解質体に形成した複数のセルを用い、NOx還元に対する活性の違いを利用してNOx濃度を検出するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。従来のガス濃度検出装置は、一般に、チャンバー内に導入される排ガス中の酸素を排出または汲み入れるポンプセルと、チャンバー内に残留する酸素濃度に応じた出力を発生するモニタセルと、チャンバー内に残留する酸素およびNOx濃度に応じた出力を発生するセンサセルにて構成され、例えば、モニタセルにより検出されるチャンバー内の酸素濃度が一定になるように、ポンプセル電圧をフィードバック制御するとともに、センサセルを流れる電流値から排ガス中のNOx濃度を検出している。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−25576号公報
【0005】
また、チャンバー内は、通常、ポンプセルが設置される第1チャンバーと、センサセルおよびモニタセルが設置される第2チャンバーに区画され、絞り部を介して連結される。このようにすると、センサセルおよびモニタセル近傍の酸素濃度の変動を小さくすることができるが、ポンプセル電圧の変化による第1チャンバー内の酸素濃度変化が、直ちに第2チャンバー内の酸素濃度(モニタセル電流値)に反映されないため、第2チャンバー内の酸素濃度が安定しないおそれがある。そこで、センサセルとモニタセルの出力差から、排ガス中のNOx濃度を検出することが提案されており、第2チャンバー内の酸素濃度に依存しないセンサ出力を得ることができるので、検出精度が向上する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、センサセルはNOxの還元分解に活性なPt−Rh電極を、モニタセルはNOxの還元分解に不活性なPt−Au電極を、チャンバー側電極として用いており、電極材の酸素に対する反応性 (応答性) が異なっている。これは、センサセル電極に含まれるRhが酸素吸蔵性を有し、モニタセルより排ガス中の酸素を取り込みやすいためで、酸素変動に対する反応性が鈍くなる。このため、例えば、エンジン運転状態が変化し排ガス中の酸素濃度が変化した時や、第2チャンバー内の残存酸素濃度の僅かな変動で、センサセルとモニタセルの出力電流にずれが生じる。その結果、双方の出力差が変動し、検出したNOx値が変動してしまうことから、精度よくNOxの検出ができないという問題があった。
【0007】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたもので、電極材の違いによる出力のずれを抑制し、排ガス中のNOx等、被測定ガス中の特定ガス成分の検出を精度よく行うことのできるガス濃度検出装置を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1のガス濃度検出装置は、チャンバ内に導入される被測定ガス中の特定ガス成分濃度を検出するためのセンサセルと、上記チャンバ内の酸素濃度を検出するためのモニタセルを有するセンサ素子を備え、被測定ガスに露出する上記センサ素子の外周囲を保護する素子カバーを設けている。上記素子カバーは有底筒状体で、被測定ガスが流通する複数の側面穴および少なくとも1つの底穴を有しており、上記側面穴および上記底穴の径をそれぞれφ0.5〜1.5mmの範囲とするとともに、これらの径の比率(側面穴径/底面穴径)を0.5〜1.5の範囲としたものである。
【0009】
本発明は、センサセルとモニタセルの出力が、上記素子カバー内のガス流れの影響を受けて変動すること、その変動の大きさがセンサセルとモニタセルとで異なるために出力のずれを生じることに着目し、上記素子カバーの構成、特に、被測定ガスが流通する穴の配置や大きさを規定することで、出力ずれを抑制できることを見出したものである。具体的には、上記素子カバーに複数の側面穴と少なくとも1つの底穴を設けて、側面穴から底穴へ至るガス流れを形成し、これら穴径および径の比率を上記範囲とすると、上記素子カバー内の被測定ガスの流速変動が抑制され、その結果、センサセル、モニタセルの出力脈動を抑制して、検出精度を大きく向上することができる。
【0010】
請求項2の装置では、上記特定ガス成分がNOxであり、上記チャンバに面して設けられる上記センサセルの電極がNOxの還元分解に活性な電極材からなり、上記チャンバに面して設けられる上記モニタセルの電極がNOxの還元分解に不活性な電極材からなる。
【0011】
本発明はNOx濃度の検出に好適に利用され、例えば、上記センサセルの電極をNOx分解活性な電極とし、上記モニタセルの電極をNOx分解不活性な電極として、両セルの出力差からNOx濃度を、精度よく検出することができる。ただし、これら電極材の違いにより、センサセルとモニタセルの出力にずれが生じやすい問題があり、上記素子カバー構成を適用することで、検出精度を向上させる効果が高い。そして、その結果を用いてEGR、触媒システム等を効果的に制御することができる。
【0012】
請求項3の装置では、上記複数の側面穴の数を4〜6個とした。上記側面穴を4〜6個とすることで、被測定ガス存在空間内の被測定ガスに対する方向性がなくなり、上記側面穴の向きにより応答性が悪化するのを防止できる。
【0013】
請求項4の装置では、上記複数の側面穴は、周方向に同一面内となるように配置する。このようにすると、上記センサ素子の近傍のガス流れが安定し、流速変動等が生じにくいので、より精度よい検出が可能になる。
【0014】
請求項5の装置のように、上記素子カバーを、それぞれ複数の側面穴および少なくとも1つの底穴を有するインナカバーおよびアウタカバーからなる二重構造とすることもできる。この場合は、上記インナカバーの上記側面穴および上記底穴の径をそれぞれφ0.5〜1.5mmの範囲とするとともに、これらの径の比率(側面穴径/底面穴径)を0.5〜1.5の範囲とすることで、上記効果が得られる。
【0015】
この時、請求項6の装置のように、上記アウタカバーの上記側面穴および上記底穴の径を上記インナカバーの上記側面穴および上記底穴の径以上とすると好ましい。これにより、上記インナカバーへのガス流入が妨げられず、上記効果が得やすい。
【0016】
請求項7の装置では、上記アウタカバー体の上記複数の側面穴を、上記インナカバーの上記複数の側面穴よりも底面側に設ける。このようにすると、被測定ガス中の水分が上記インナカバー内に入るのを防止し、上記センサ素子の被水を防止することができる。
【0017】
請求項8の装置は、上記チャンバ内に導入される被測定ガス中の酸素を外部に排出または外部から酸素を導入して上記チャンバ内の酸素濃度を調整するポンプセルを備える。
【0018】
上記ポンプセルを用いると、例えば、上記チャンバ内の被測定ガス中の酸素を外部に排出し、上記チャンバ内を所定の低酸素濃度に制御することができる。よって、被測定ガス中の酸素濃度の変化等の影響を受けにくくなり、被測定ガス中の特定ガス成分の検出が容易になる。
【0019】
請求項9の装置では、上記センサセルおよび上記モニタセルの出力の差から、被測定ガス中の特定ガス成分濃度を検出する。
【0020】
上記センサセルからは特定ガス成分および残留酸素濃度に応じた出力が、上記モニタセルからは残留酸素濃度に応じた出力が得られるので、その出力の差をとることで、酸素濃度に依存しない出力が得られ、精度よい検出が可能である。この時、両セルの酸素に対する応答性に差があると、出力の差が変動し、検出値が変動するおそれがあるが、本発明では、上記素子カバー構成を採用することにより、これらセルの出力ずれを抑制することができるので、検出精度がさらに向上する。
【0021】
請求項10の装置では、上記チャンバ内において、上記センサセルおよび上記モニタセルを近接させて配置する。
【0022】
上記モニタセルと上記センサセルとを近接位置に配置すると、上記チャンバ内に酸素分布が生じても、上記モニタセルで検出される酸素濃度は、上記センサセル上における酸素濃度をほぼ正確に反映する。よって、上記チャンバ内の酸素分布の影響を小さくすることができ、より精度よい検出が可能となる。
【0023】
請求項11の装置では、上記チャンバに面して設けられる上記センサセルの電極をPt−Rh電極とし、上記チャンバに面して設けられる上記モニタセルの電極をPt−Au電極とする。
【0024】
上記センサセル電極に含まれるRhは酸素吸蔵性を有し、上記モニタセル電極より酸素変動に対して鈍感となる。このような電極の組み合わせの場合、両者の出力ずれによる検出精度の低下が生じやすく、本発明を適用する効果が高い。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施の形態について図面を基に説明する。図2(a)に示すように、本発明のガス濃度検出装置は、NOxセンサ101と制御回路102で構成されており、例えば、図3に示す内燃機関(ディーゼルエンジン)200の排気管202に設置されて、排ガス(被測定ガス)中のNOx(特定ガス成分)濃度を検出する。内燃機関200は、各気筒に共通のコモンレール203を有し、該コモンレール203に蓄圧される高圧燃料を、燃料噴射弁204により対応する気筒内に噴射する構成となっている。また、排気マニホールド205と吸気マニホールド207を連結するEGR通路206が設けられ、該EGR通路206を介して、排ガスの一部が吸気へ還流されるようになっている。
【0026】
排気マニホールド205に続く排気管202には、NOx吸蔵還元型触媒を担持した後処理装置209と酸化触媒210が配設してあり、排気マニホールド205には、NOx還元剤となる燃料を排気に添加するための排気燃料添加弁208が設けられる。本発明のNOxセンサ101は、酸化触媒210の上流位置に設置されて、NOx吸蔵還元型触媒通過後の排ガスを取り込み、制御回路102は、NOxセンサ101からの信号を基にNOx濃度を検出して、その検出値をECU201に出力する。ECU201は、例えば、検出されたNOx濃度から、NOx吸蔵還元型触媒の劣化診断を行う、あるいは、EGRシステムのフィードバック制御を行う。
【0027】
図2(a)において、NOxセンサ101は、図2の排気管202壁に固定される筒状ハウジング105と、ハウジング105内に絶縁保持されるセンサ素子104を有し、センサ素子104の先端部(図の下端部)は、ハウジング105下端に固定されて排気管202内に突出する素子カバー103内に収容されている。素子カバー103は、側面および底面に設けたガス流通穴から、排気管202内の排ガスを取り込むようになっている。ハウジング105上端には、側壁に大気口108を有する筒状部材107が固定される。図1(a)のように、素子カバー103は有底円筒状で、ガス流通穴は、上部側面に貫設した複数の側面穴106aと底面中央に貫設した底穴106bからなる。この素子カバー103の側面穴106aおよび底穴106bの大きさや配置は、本発明の特徴に関するものであり、詳細を後述する。
【0028】
図2(b)は、センサ素子104の先端部を拡大して示すもので、センサ素子104は、排ガスが導入される第1チャンバ120および第2チャンバ121と、大気に連通する大気通路130、131と、第1チャンバ120側に設けられるポンプセル140と、第2チャンバ121側に設けられるセンサセル150およびモニタセル160とを有している。センサセル150とモニタセル160はセンサ素子104の長手方向に隣接して配されている。第1チャンバ120は第2チャンバ121と絞り110を介して連通しており、第1チャンバ120には、多孔質拡散層109およびピンホール111を介して排ガスが導入される。
【0029】
センサ素子104は、センサセル150およびモニタセル160を構成するシート状の固体電解質体171の下方に、第1チャンバ120および第2チャンバ121を構成するスペーサ172を介して、ポンプセル140を構成するシート状の固体電解質体173を積層し、さらに大気通路130を構成するスペーサ174およびシート状のヒータ112を積層してなる。固体電解質体171の上方には、多孔質拡散層109および大気通路131を構成するスペーサ175が積層される。固体電解質体171、173は、ジルコニア等の酸素イオン導電性を有する固体電解質からなり、スペーサ172、174、175は、アルミナ等の絶縁材料で構成される。多孔質拡散層109は多孔質アルミナ等からなる。
【0030】
ポンプセル140は、固体電解質体173とその上下表面に対向配置された一対の電極141、142からなり、第1チャンバ120内に導入された排ガス中の酸素を大気通路130に排出または汲み入れて、第1チャンバ120内の酸素濃度を調整する。一対の電極のうち第1チャンバ120側の電極141には、NOxの還元分解に対して不活性な電極、例えば、Pt−Au多孔質サーメット電極が、大気通路130側の電極142には、例えば、Pt多孔質サーメット電極が好適に使用される。なお、多孔質サーメット電極は、金属成分とジルコニア、アルミナ等のセラミックスをペースト化し、焼成することにより形成される。
【0031】
モニタセル160は、固体電解質体171とその上下表面に対向配置された一対の電極161、162からなり、第1チャンバ120から絞り110を経て第2チャンバ121内に導入された排ガス中の残留酸素濃度を検出する。一対の電極のうち第2チャンバ121側の電極161には、NOxの還元分解に対して不活性な電極、例えば、Pt−Au多孔質サーメット電極が、大気通路131側の電極162には、例えば、Pt多孔質サーメット電極が用いられ、これら電極161、162間に、所定の電圧を印加することにより、残留酸素濃度に応じた電流出力が得られる。
【0032】
センサセル150は、固体電解質体171とその上下表面に対向配置された一対の電極151、162からなる。センサセル150は、モニタセル160に隣接して設けられ、一対の電極のうち大気通路131側の電極162はモニタセル160と共通電極となっている。センサセル150は、第2チャンバ121内に導入された排ガス中のNOx濃度および残留酸素濃度を検出するもので、第2チャンバ121側の電極151には、NOxの還元分解に対して活性な電極、例えば、Pt−Rh多孔質サーメット電極が用いられる。これら電極151、162間に、所定の電圧を印加することにより、NOx濃度および残留酸素濃度に応じた電流出力が得られる。
【0033】
ヒータ112は、アルミナ等の絶縁材料からなるシート内に、ヒータ電極を埋設してなる。ヒータ電極は、外部からの給電により発熱し、素子全体を加熱して、上記各セル140、150、160を活性化温度以上に保持する。
【0034】
上記構成のNOxセンサ101の動作原理を説明する。図2(b)において、被測定ガスである排ガスは、多孔質拡散層109、ピンホール111を通過して第1チャンバ120に導入される。導入されるガス量は、多孔質拡散層109、ピンホール111の拡散抵抗により決定される。ここで、ポンプセル140の電極141、142に、大気通路130側の電極142が+極となるように電圧を印加すると、第1チャンバ120側の電極141上で排ガス中の酸素が還元分解されて酸素イオンとなり、ポンピング作用により電極142側へ排出される (図の矢印の方向)。印加電圧の向きを逆にすると、大気通路130側から第1チャンバ120側へ酸素が導入される。
【0035】
ポンプセル140では、この酸素ポンプ作用を利用し、印加電圧の大きさと向きを調整して酸素を出し入れすることにより、チャンバ内の酸素濃度を制御することができる。通常は、NOx検出時の酸素の影響を小さくするために、第1チャンバ120に導入される酸素を排出して、第2チャンバ121内を所定の低酸素濃度に保持する。なお、第1チャンバ120側の電極141はNOx不活性電極であるので、ポンプセル140において排ガス中のNOxが分解することはない。
【0036】
本実施の形態では、ポンプセル140の制御を、電流検出器181で測定されるポンプセル電流Ipに応じて予め定められた印加電圧マップを用いて行う。ポンプセル140は、酸素濃度に対して限界電流特性を有し、ポンプセル印加電圧Vpとポンプセル電流Ipの関係を示すV−I特性図において、限界電流検出域はV軸に略平行な直線部分からなり、酸素濃度が高いほど電圧値が大きくなる方向にシフトする。従って、ポンプセル電流Ipに応じてポンプセル印加電圧Vpを可変制御することにより、第1チャンバ120に導入された酸素を速やかに排出し、第1チャンバ120内を所定の低酸素濃度に制御する。これにより、特定ガスであるNOxを検出する際の妨害ガスとなる酸素の影響を小さくできる。
【0037】
ポンプセル140近傍を通過した排ガスは、絞り110を介して第1チャンバ120と連通する第2チャンバ121に流入する。排ガス中に残留する微量の酸素は、モニタセル160の電極161、162間に、大気通路131側の電極162が+極となるように所定の電圧を印加すると、第2チャンバ121側の電極161上で還元分解されて酸素イオンとなり、ポンピング作用により電極162側へ排出される (図の矢印の方向)。電極161はNOx不活性電極であるため、電流検出器183で測定されるモニタセル電流Imは、第2チャンバ121内の電極161に到達する酸素量に依存し、NOx量には依存しない。従って、モニタセル電流Imを検出することで、残留酸素濃度を検出することができる。
【0038】
一方、センサセル150では、第2チャンバ121側の電極151がNOx活性電極であるため、電極151、162間に、大気通路131側の電極162が+極となるように所定の電圧を印加すると、第2チャンバ121側の電極161上で排ガス中の残留酸素およびNOxが還元分解されて酸素イオンとなり、ポンピング作用により電極162側へ排出される (図の矢印の方向)。従って、電流検出器182で測定されるセンサセル電流Isは、第2チャンバ121に到達する酸素量およびNOx量に依存したものとなる。センサセル150とモニタセル160は第2チャンバ121内で隣接しており、第2チャンバ121側の電極151、161に到達する酸素量はほぼ等しいので、センサセル電流Isからモニタセル電流Im(酸素量分)を減算することで、NOx濃度を検出することができる。
【0039】
このように、隣接配置したセンサセル150とモニタセル160の出力差を用いてNOx濃度を検出すると、チャンバ内の酸素量に依存しない出力が得られる。ただし、実際には、センサセル150の電極151(Pt−Rh)とモニタセル160の第2チャンバ121側の電極161(Pt−Au)の材質が異なるため、酸素に対する反応性 (応答性)に差が生ずる。特に、センサセル150では、Rhの酸素吸蔵性により酸素を取り込みやすく、酸素変動に対して鈍感となる。逆に、モニタセル160では、チャンバ内の酸素濃度分布等による酸素変動により敏感に反応し、出力脈動が生じやすくなる。このため、センサセル150とモニタセル160の出力差であるNOx出力が安定しない問題があった。
【0040】
そこで、本発明では、素子カバー103の構造を工夫することにより、素子カバー103内における排ガスの流速変動を抑制し、NOx出力の変動を抑制する。具体的には、素子カバー103に複数の側面穴106aと、少なくとも1つの底穴106bを設け、これら側面穴106aの径および底穴106bの径と、両者の径の比率を所定範囲に規定することで、これを実現することができる。本実施の形態では、図1(a)のように、複数の側面穴106aを、素子カバー103の上端部近傍に設けられ、少なくとも1つの底穴106bは底面中央部に設けられる。この時、図に矢印で示すように、複数の側面穴106aから素子カバー103内部に流入し、底穴106bへ向かう被測定ガスの流れが形成される。このように、複数の側面穴106aは、センサ素子104の検知部となる先端部より上方に配設するとよい。これは、図2に示したように、平板状のセンサ素子104の片面側に排ガスを導入するためのピンホール111を有し方向性が発生するためで、この影響を小さくするために、基本的には検知部に対して軸方向(上下方向)の流れを形成することが望ましい。
【0041】
複数の側面穴106aは、図1(b)のように、周方向の同一面内に配置され、例えば、周方向の4箇所に略等間隔で設けられる。側面穴106aの数は特に限定されないが、好ましくは4〜6個とすることが望ましい。側面穴106aが4個より少ないと、排気管202にNOxセンサ101を装着した時に(図3)、排気管202内の排ガスの流れに対して方向性が発生し、側面穴106a穴の向きによって応答性が悪化するおそれがあるが、4個以上とすることでこれを防止できる。一方、側面穴106aを6個より多くしても効果に大きな違いはなく、隣接する穴が近接すると加工が難しくなる。図1(c)は、複数の側面穴106aを、周方向の6箇所に略等間隔で設けた例である。なお、複数の側面穴106aを同一面内に略等間隔で配置すると、NOxセンサ101を装着する際に方向性を有さないので好ましい。側面穴106aを6個より多くしても効果に大きな違いはなく、隣接する穴が近接すると加工が難しくなる。
【0042】
底穴106bの数は、複数とすることも可能であるが、図1(d)に示すように、好ましくは素子カバー103の底面中央に1個とする。底穴106bの数を1つとすると穴加工が容易になり、後述する穴径の規定により、素子カバー103内の流速変動を抑制する効果が容易に得られる。
【0043】
ここで、素子カバー103の側面穴106aの径、および底穴106bの径について検討する。図4は、図1(a)の素子カバー103構成で、側面穴106aを4個、底穴106bを1個設けた時の、穴径とセンサ素子104の出力特性の関係を示したものである。この時、側面穴106aと底穴106bは同じ径とし(側面穴径/底穴径=1)、それぞれφ0.3〜2mmの範囲で変化させて、NOx出力の脈動幅と応答時間を測定した。図4に示されるように、側面穴106aおよび底穴106bの径が大きくなるほど応答時間は短くなるが、逆に、出力脈動幅は大きくなっている。具体的には、側面穴106aおよび底穴106bの径がφ0.5mmより小さいと応答性が急激に悪化し、また、径がφ1.5mmを超えると出力脈動幅が増大する。図中に、例えば排ガス中のNOxを所望の精度で検出するために必要な出力脈動幅と応答性の限界値を示しており、従って、これらを両立させるには、側面穴106aおよび底穴106bの径をφ0.5〜1.5mmの範囲とするとよいことが分かる。
【0044】
次に、側面穴106aと底穴106bの径の比率について検討する。図5は、図1(a)の素子カバー103構成で、側面穴106aを4個、底穴106bを1個設け、それぞれの穴径を下記表1のように変更した時のNOx出力の脈動幅を測定したものである。側面穴106aおよび底穴106bの径の比率(側面穴径/底穴径)と出力脈動幅の関係は、図5に示される通りであり、径の比率が約1.0の付近で出力脈動幅が最も低減し、それより小さくても大きくても出力脈動幅が増加している。従って、図中に示すNOx出力脈動幅の限界値から、(側面穴径/底穴径)を0.5〜1.5の範囲に規定するとよいことが分かる。
【0045】
【表1】
Figure 2004245772
【0046】
従来のガスセンサに用いられる素子カバーは、カバー内外のガス交換を速やかに行い、高応答性を得るためにガスが流通する穴径を大きく設定する傾向があった(例えば、側面穴の径をφ2.5mm、底穴の径をφ2mm程度)。ところが、従来の素子カバー構成では、素子カバー内に流速変動が生じやすく、NOxセンサのようにセンサセルとモニタセルの出力応答性が異なる場合には、センサセルに比べてモニタセルの出力脈動が大きくなるために、NOx出力が変動する。これに対し、本発明では、側面穴106aと底穴106bの径および径の比率を適正範囲とすることで、素子カバー103内部へ導入される排ガスの流れに急激な変化が生じるのを抑制できる。すなわち、素子カバー103内の流速変動が抑制される結果、センサ素子103のセンサセル150とモニタセル160の出力脈動が抑制され、これらの差として求められるNOx出力の検出精度が向上するものと考えられる。
【0047】
図6に、本発明の第2の実施の形態として示すように、素子カバー103を二重構造とすることもできる。図6(a)において、素子カバー103は、インナカバー103aと、その外周囲を覆うアウタカバー103bとからなる。インナカバー103aは、上記第1の実施の形態における素子カバー103と同一構成で、上端部近傍に複数の側面穴106aと、底面中央部に少なくとも1つの底穴106bを有している。側面穴106aの径と底穴106bの径をそれぞれφ0.5〜1.5mmとし、径の比率(側面穴径/底穴径)を0.5〜1.5の範囲とする点も同様とする。
【0048】
アウタカバー103bは、インナカバー103aよりやや大径の有底筒状体からなり、複数の側面穴106cと少なくとも1つの底穴106dを有している。複数の側面穴106cは、アウタカバー103bの下端部近傍の側面に設けられ、少なくとも1つの底穴106bは底面中央部に設けられる。これら穴径は、インナカバー103aの複数の側面穴106aまたは底穴106bの径と同等以上、好ましくはインナカバー103aの径より大きくする。これにより、インナカバー103a内へのガス流れが妨げられず、インナカバー103aの穴径および径の比率を規制することにより、上記第1の実施の形態と同様の効果が得られる。複数の側面穴106cをアウタカバー103bの下端部に設けるのは、センサへの被水を考慮したためで、インナカバー103aの複数の側面穴106aよりも素子先端側に設けると、図6(a)に示すようにアウタカバー103b内のガス流れが上向きとなるので、インナカバー103a内に水分が侵入するのを防止できる。
【0049】
インナカバー103aの複数の側面穴106aおよびアウタカバー103bの複数の側面穴106cの数は、第1の実施の形態と同様、好ましくは4〜6個とする。図6(b)、(c)は、側面穴106aまたは側面穴106cの数を4個ないし6個とした例で、このように複数の側面穴を同一面内に均等配置すると好ましい。インナカバー103aの複数の側面穴106aとアウタカバー103bの複数の側面穴106cの数は、好ましくは同数とする。インナカバー103aの底穴106bおよびアウタカバー103bの底穴106dの数も、第1の実施の形態と同様で、図6(d)、(e)のように、好ましくは底面中央に1個設けるのがよい。
【0050】
本実施の形態におけるNOxセンサ101の構成と基本作動は、上記第1の実施の形態と同様であり、インナカバー103aの穴径と径の比率およびアウタカバー103bの穴径を適切に設定することで、NOxセンサ101の被水を防止し、応答性を悪化させることなくNOx検出精度を向上することができる。
【0051】
図7に本発明の効果を示す。上記図6の第2の実施の形態の構成において、インナカバー103aおよびアウタカバー103bの穴径を以下のようにし、モデルガスを用いたNOx検出試験を行った。図7(a)、(b)に、センサセル電流Is、モニタセル電流Imを、図7(c)にNOx出力(=センサセル電流Is−モニタセル電流Im)をそれぞれ示す(対策後)。
インナカバー103a 側面穴106a:φ1.0mm×4個
底穴106b:φ1.0mm×1個
アウタカバー103b 側面穴106c:φ1.5mm×4個
底穴106d:φ1.5mm×1個
また、比較のため、従来の素子カバー構成によるセンサセル電流Is、モニタセル電流ImとNOx出力を、図7(a)〜(c)にそれぞれ併記した(対策前)。従来の素子カバーのインナカバーおよびアウタカバーの穴径は以下のようにした。
インナカバー 側面穴:φ2.5mm×4個
底穴:φ2.0mm×1個
アウタカバー 側面穴:φ2.5mm×4個
底穴:φ2.0mm×1個
【0052】
図7(a)、(b)に示されるように、対策前においては、センサセル電流Isに対してモニタセル電流Imが大きく変動しており、そのため、NOx出力も変動が大きい。これに対し、素子カバー103の穴径および径の比率を適正範囲とした場合(対策後)は、図のようにモニタセル160の出力脈動が抑制されるために、センサセル電流Isとモニタセル電流Imの差で表されるNO出力の脈動幅が小さくなり、NOx濃度を精度よく検出できることがわかる。
【0053】
以上のように、センサセル150とモニタセル160の酸素反応性が異なるNOxセンサ101において、素子カバー103の穴径と径の比率、穴の配置等を最適化することで、センサセル150とモニタセル160の電流出力応答を略一致させ、NOxの検出精度を大きく向上できる。特に、上記各実施の形態のように、センサセル150とモニタセル160の出力差を検出値とするセンサに適用すると、応答性の違いによる出力ずれの解消により効果的である。
【0054】
ここで、NOxセンサ101構成は、上記第1、第2の各実施の形態の構成(図1)に限るものではなく、例えば、図8に第3の実施の形態として示す構成とすることもできる。上記第1、第2の各実施の形態では、センサセル150とモニタセル160を素子の長手方向に隣合うように配設したが、図8(a)、(b)のように、本実施の形態におけるセンサ素子104は、センサセル150とモニタセル160が、素子の長手方向の同等位置に、略対称に配置してある。その他の構成および基本的な作動は上記第1、第2の各実施の形態と同様である。
【0055】
第2チャンバ121内の酸素濃度分布は、排ガスの導入経路に沿った方向、ここでは素子の長手方向で生じやすいが、本実施の形態の配置とすると、第2チャンバ201のガス流れに対してセンサセル150とモニタセル160が同等位置となる。このため、酸素濃度分布によらず、センサセル150の電極151とモニタセル160の電極161上の酸素濃度が同じになる。従って、第2チャンバ121内の残留酸素に対するセンサセル150とモニタセル160の感度を同じくすることができ、より精度の高い検出が可能になる。
【0056】
また、上記各実施の形態では、センサセル150とモニタセル160の電流出力の差からNOxを検出するNOxセンサ101を用いたが、本発明を、それ以外のNOxセンサ101に適用することもできる。これを、図9に第4の実施の形態として示す。
【0057】
図9において、センサ素子104は、ジルコニア等の固体電解質体176、177、178を順に積層して、その内部に第1チャンバ120、第2チャンバ121を形成しており、多孔質抵抗層117、118を通って排ガスが導入されるようになっている。第1チャンバ120には、第1ポンプセル143とモニタセル160が、第2チャンバ121には、センサセル150と第2ポンプセル146が設けられる。第1ポンプセル143は固体電解質体176の上下表面に一対の電極144、145を有し、モニタセル160は、固体電解質体178の上下表面に一対の電極161、116を有する。電極116は大気通路132に面する大気電極で、センサセル150、第2ポンプセル146と共通電極となっている。センサセル150は、固体電解質体178の上下表面に一対の電極151、116を有し、第2ポンプセル146は、固体電解質体176下面の電極147と大気電極116からなる。大気通路132の下方にはヒータ112が設けられる。
【0058】
上記構成において、排ガスは多孔質抵抗層117を通って第1チャンバ120に導入され、ガス中の大部分の酸素は、第1ポンプセル143によって排気側へ排出される。この時、第1チャンバ120内の酸素濃度は、モニタセル160の電極161、116間に生じる起電力Vmによって検出され、この検出値が所定の一定値になるように、第1ポンプセル143への印加電圧Vp1 を制御することで、第1チャンバ120内を所定の低酸素濃度とする。排ガスは、さらに多孔質抵抗層118を通って第2チャンバ121に導入され、ガス中の残留酸素は、第2ポンプセル146により分解されて大気通路132へ排出される。第2ポンプセル146の印加電圧Vp2は、第2ポンプセル146を流れる電流Ip2 に応じて制御される。NOxは、センサセル150に所定の電圧Vsを印加することにより、チャンバ側の電極151上で分解されて大気通路132へ排出される。その際、センサセル150に流れる電流IsがNOx濃度として検出される。
【0059】
このように、モニタセル160の電圧出力(Vm)によって第1ポンプセル143への印加電圧Vp1 を制御する構成においても、上記第1、第2の実施の形態で示した素子カバー103を用いることができる。ここで、本実施の形態では、モニタセル160の電圧出力(Vm)によって第1ポンプセル143への印加電圧Vp1 を制御するように構成されており、センサセル150との出力差を算出してNOx濃度とする上記第1、第2の実施の形態とは異なるが、センサセル150とモニタセル160の出力特性(例えば、酸素濃度を縦軸、時間を横軸とする)は、上記図7とほぼ同じになる。つまり、モニタセル160の酸素に対する反応性が大きいために、これを基に第1ポンプセル143を制御すると、第1チャンバ120内の酸素濃度が安定せず、結果的にセンサセル150の出力に影響を及ぼすおそれがある。そこで、本実施の形態においても、上記第1、第2の実施の形態で示した素子カバー103構成を採用することにより、同様の効果が得られる。
【0060】
図10に本発明の第5の実施の形態を示す。本実施の形態の構成は、上記第4の実施の形態とほぼ同様であり、第1チャンバ120に、第1モニタセル163を設けるとともに、第2チャンバ121に、第2モニタセル164を設けた点でのみ異なっている。第1モニタセル163の電極は、第1ポンプセル143と共通の電極144と大気電極116からなり、第2モニタセル164の電極は、第2ポンプセル146と共通の電極147と大気電極116からなる。
【0061】
この構成では、第1モニタセル163の電極144、116間に生じる起電力Vm1 によって、第1チャンバ120内の酸素濃度を検出し、第1ポンプセル143への印加電圧Vp1 を制御するとともに、第2モニタセル164の電極147、116間に生じる起電力Vm2 によって、第2チャンバ121内の酸素濃度を検出し、第2ポンプセル146への印加電圧Vp2 を制御するようになっている。この構成においても、上記第1、第2の実施の形態の素子カバー103構成を採用することにより、同様の効果が得られる。
【0062】上記各実施の形態では、排ガス中に含まれるNOx濃度の検出に本発明を適用する構成について説明したが、本発明は、NOx以外の特定ガス成分を検出するガス濃度検出装置にも適用可能である。また、内燃機関の排ガス以外のガスを被測定ガスとすることもできる。
【0063】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示し、(a)はガス濃度検出装置の主要部断面図、(b)、(c)は(a)のA−A線断面図で素子カバーの横断面図、(d)は素子カバーを底面から見た図である。
【図2】(a)は第1の実施の形態におけるガス濃度検出装置の全体構成図、(b)は(a)のC部拡大図でセンサ素子先端部の模式的断面図である。
【図3】本発明のガス濃度検出装置を適用した内燃機関の概略構成図である。
【図4】第1の実施の形態のガス濃度検出装置における側面穴、底穴径とNOx出力脈動幅およびNOx応答時間との関係を示す図である。
【図5】側面穴径/底穴径とNOx出力脈動幅の関係を示す図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態を示し、(a)はガス濃度検出装置の主要部断面図、(b)、(c)は(a)のA−AまたはB−B線断面図でインナカバーまたはアウタカバーの横断面図、(d)、(e)はそれぞれアウタカバー、インナカバーを底面から見た図である。
【図7】(a)〜(c)は本発明の素子カバーによる対策前と対策後のモニタセル電流、センサセル電流およびNOx出力をそれぞれ示す図である。
【図8】第3の実施の形態におけるガス濃度検出装置構成を示し、(a)はNOxセンサのセンサ素子先端部の模式的断面図、(b)は(a)のD−D線断面図である。
【図9】第4の実施の形態におけるNOxセンサのセンサ素子先端部の模式的断面図、である。
【図10】第5の実施の形態におけるNOxセンサのセンサ素子先端部の模式的断面図、である。
【符号の説明】
101 NOxセンサ
102 制御回路
103 素子カバー
103a インナカバー
103b アウタカバー
104 ガスセンサ素子
106a、106c 側面穴
106b、106d 底穴
110 絞り
111 ピンホール
120 第1チャンバ
121 第2チャンバ
130、131 大気通路
140 ポンプセル
150 センサセル
160 モニタセル

Claims (11)

  1. チャンバ内に導入される被測定ガス中の特定ガス成分濃度を検出するためのセンサセルと、上記チャンバ内の酸素濃度を検出するためのモニタセルを有するセンサ素子を備え、被測定ガス存在空間に位置する上記センサ素子の外周囲を保護する素子カバーを設けたガス濃度検出装置において、上記素子カバーが有底筒状体で、被測定ガスが流通する複数の側面穴および少なくとも1つの底穴を有しており、上記側面穴および上記底穴の径をそれぞれφ0.5〜1.5mmの範囲とするとともに、これらの径の比率(側面穴径/底面穴径)を0.5〜1.5の範囲としたことを特徴とするガス濃度検出装置。
  2. 上記特定ガス成分がNOxであり、上記チャンバに面して設けられる上記センサセルの電極がNOxの還元分解に活性な電極材からなり、上記チャンバに面して設けられる上記モニタセルの電極がNOxの還元分解に不活性な電極材からなる請求項1記載のガス濃度検出装置。
  3. 上記複数の側面穴の数を4〜6個とした請求項1または2記載のガス濃度検出装置。
  4. 上記複数の側面穴は、周方向に同一面内に位置するように設けた請求項3記載のガス濃度検出装置。
  5. 上記素子カバーが、それぞれ複数の側面穴および少なくとも1つの底穴を有するインナカバーおよびアウタカバーからなる二重構造で、上記インナカバーの上記側面穴および上記底穴の径をそれぞれφ0.5〜1.5mmの範囲とするとともに、これらの径の比率(側面穴径/底面穴径)を0.5〜1.5の範囲とした請求項1ないし4のいずれか記載のガス濃度検出装置。
  6. 上記アウタカバーの上記側面穴および上記底穴の径を上記インナカバーの上記側面穴および上記底穴の径以上とした請求項5記載のガス濃度検出装置。
  7. 上記アウタカバー体の上記複数の側面穴を、上記インナカバーの上記複数の側面穴よりも底面側に設けた請求項5または6記載のガス濃度検出装置。
  8. 上記チャンバ内に導入される被測定ガス中の酸素を外部に排出または外部から酸素を導入して上記チャンバ内の酸素濃度を調整するポンプセルを備える請求項1ないし7のいずれか記載のガス濃度検出装置。
  9. 上記センサセルおよび上記モニタセルの出力の差から、被測定ガス中の特定ガス成分濃度を検出する請求項1ないし8のいずれか記載のガス濃度検出装置。
  10. 上記チャンバ内において、上記センサセルおよび上記モニタセルを近接させて配置する1ないし9のいずれか記載のガス濃度検出装置。
  11. 上記チャンバに面して設けられる上記センサセルの電極がPt−Rh電極であり、上記チャンバに面して設けられる上記モニタセルの電極がPt−Au電極である請求項1ないし10のいずれか記載のガス濃度検出装置。
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