JP2004245206A - 燃焼材料改質装置、燃焼材料改質方法及び燃焼材料改質剤 - Google Patents
燃焼材料改質装置、燃焼材料改質方法及び燃焼材料改質剤 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】燃焼材料の完全燃焼を促進し、燃焼効率を向上させて、燃費等の向上効果及び排気ガス浄化効果を高めることができるとともに、改質剤等の劣化を有効に防止して、燃焼材料を長期間にわたって改質することのできる、燃焼材料改質装置、燃焼材料改質方法及び燃焼材料改質剤を提供する。
【解決手段】トルマリンを主成分とする燃焼材料改質剤13と、上記燃焼材料改質剤を、燃焼材料に接触させることなく、かつ真空状態で流体通路近傍に保持できる改質剤収容部9と、上記改質剤収容部に収容された燃焼材料改質剤及び上記流体通路を通過する上記燃焼材料に磁力線を作用させることのできる磁力線発生手段3とを備えて構成される。
【選択図】 図3
【解決手段】トルマリンを主成分とする燃焼材料改質剤13と、上記燃焼材料改質剤を、燃焼材料に接触させることなく、かつ真空状態で流体通路近傍に保持できる改質剤収容部9と、上記改質剤収容部に収容された燃焼材料改質剤及び上記流体通路を通過する上記燃焼材料に磁力線を作用させることのできる磁力線発生手段3とを備えて構成される。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、燃焼材料改質装置、燃焼材料改質方法及び燃焼材料改質剤に関する。詳しくは、内燃機関や外燃機関等の燃料を燃焼させる装置において、上記燃料やこれを燃焼させる空気等を活性化し、燃焼効率を向上させて燃費等を改善することができるとともに、完全燃焼を促進して排気ガスに有毒物質が発生するのを抑制することのできる燃焼材料改質装置等に関する。
【0002】
【従来の技術】
ガソリン等の液体燃料が不完全燃焼すると、燃費が低下するばかりでなく、排気ガス中に一酸化炭素や粉塵等の有毒物質が発生するといった問題が生じる。ガソリン等の液体燃料は、複数の炭素が結合して構成される分子が複数連鎖した会合体を主成分として構成されている。上記燃料分子の大きさあるいは会合体の大きさが小さいほど完全燃焼に近づき、燃費の向上を期待することができる。また、上記燃料を燃焼させる空気を活性化することにより、上記燃料の燃焼を促進して燃費を向上させることができる。
【0003】
トルマリン(電気石)は、ほう素のケイ酸塩化合物であり、外部電圧を印加しなくても自己分極し、電磁波及び陰イオンを放射する特性がある。この特性を利用して、液体燃料の会合体の大きさを小さくして燃料を改質し、燃費を向上させるとともに有害物質の発生を防ぐ技術として、次の公報に記載されたものが提案されている。
【0004】
【特許文献1】
特公平8−23025号
【特許文献2】
特許第2887703号
【特許文献3】
特開2001−234819号
【0005】
上記特許文献1及び特許文献2に記載された発明は、トルマリンを含む燃料改質剤をペレット状や球状に成形し、これら改質剤に液体燃料を直接接触させながら通過させることにより、燃料分子の結合を変化させ、燃焼効率を高めるものである。
【0006】
上記特許文献3に記載された発明は、液体燃料あるいは空気と、改質剤とが非接触となるように燃料通路と改質剤収容部とを分離して設け、上記改質剤の中に良導体を配置するとともに、上記改質剤収容部にアース線を設けたものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献1及び上記特許文献2に記載された発明は、燃料と改質剤とが直接接触させられるため、ある程度の燃費向上効果及び排気ガス浄化効果が期待できる。ところが、改質剤が直接燃料に接触するため、燃料成分中の水分や不純物等によって改質剤の劣化が激しい。しかも、改質剤が劣化すると、その一部が上記ペレット等の表面から剥離して燃料とともに内燃機関の燃焼室等に入り込む恐れがある。
【0008】
一方、特許文献3に記載された発明は、改質剤が、燃料等の燃焼材料と非接触状態に保持されるため、特許文献1及び特許文献2に記載した問題は発生しない。ところが、改質剤が、燃焼材料と非接触状態で保持されるため、その分燃焼材料の改質効果が低下する。この問題を解決するため、トルマリン粉体に黒鉛等の良導体を混合するとともに、改質剤保持部にアース線を設け、トルマリンから生じる電磁波を増強できるように構成している。
【0009】
上記特許文献3に記載された発明では、トルマリンの電磁波発生効果及び陰イオン発生効果は、トルマリンが自然に自己分極することを利用している。しかしながら、トルマリンを燃料等の燃焼材料と非接触で保持するため、充分な効果を得るには、改質剤の量を多くしたり、流体通路を長くして作用時間を確保しなければならない。このため、装置が大型化するといった問題が生じる。
【0010】
また、電磁波及び陰イオンの発生は、上記トルマリンや黒鉛等の周囲の環境に大きく左右される。すなわち、トルマリン等は粉体状態で改質剤保持部に収容されているが、水分等が改質剤成分の外周面に付着すると、上記電磁波や陰イオンの発生効果が大きく低下する。
【0011】
しかも、トルマリンが充分に自己分極して、電磁波や陰イオンを放射した場合、燃焼材料の改質効果も高まるが、周囲の物質の劣化も促進する。このため、分極効果を高めるために配合した炭素等の劣化も大きくなる。特に、水分等の不純物が改質剤の表面に付着すると、成分の劣化も激しくなり、燃焼材料改質効果が持続しないといった問題が生じる。
【0012】
また、トルマリンから電磁波や陰イオンが充分に放射されても、燃焼材料との間に電磁波やイオンの伝達を阻害する物質が存在すると効果が低下する。特に、燃焼材料と改質剤とを非接触に保持する場合には、空気の介在によって電子運動が阻害され、燃焼材料の改質効果が低下する。
【0013】
さらに、トルマリンの自己分極を促進して、燃料等に対する改質効果を発揮させるには、トルマリンを所定の温度に保持するのが好ましい。
【0014】
本願発明は、上述の事情のもとで考え出されたものであって、上記従来の問題を解決し、燃焼材料の完全燃焼を促進し、燃焼効率を向上させて、燃費等の向上効果及び排気ガス浄化効果を高めることができるとともに、改質剤等の劣化を有効に防止して、燃焼材料を長期間にわたって改質することのできる、燃焼材料改質装置、燃焼材料改質方法及び燃焼材料改質剤を提供することを課題とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本願発明では、次の技術的手段を講じている。
【0016】
本願の請求項1に記載した発明は、流体通路を流動する燃焼材料を改質して、燃焼効率を向上させる燃焼材料改質装置であって、トルマリンを主成分とする燃焼材料改質剤と、上記燃焼材料改質剤を、上記燃焼材料に接触させることなく、かつ真空状態で上記流体通路近傍に保持できる改質剤収容部と、上記改質剤収容部に収容された燃焼材料改質剤及び上記流体通路を通過する上記燃焼材料に磁力線を作用させることのできる磁力線発生手段とを備えて構成される。
【0017】
本願発明に係る燃焼材料改質装置は、流動しうる燃料、これを燃焼させる空気及び燃焼時に添加される流動性添加物質に適用される。特に、請求項2に記載した発明のように、上記燃焼材料として、液体燃料及び/又はこれを燃焼させる空気を改質するのに好適である。また、液体あるいは気体状の燃焼材料のみに適用されるものではなく、流動しうる粉体燃料にも適用できる。さらに、燃料と燃焼空気とを混合したものに対しても適用することができる。
【0018】
上記燃焼材料改質装置は、エンジン等の動力機関の燃料に限定されることはない。灯油や重油を燃焼させる石油暖房器具や湯沸かし器等にも適用できる。また、流動しうるものであれば、廃棄物等から形成される燃焼材料にも利用することができる。
【0019】
上記流体通路は、通過する燃焼材料に対してトルマリン及び磁力線発生手段からの電磁波及び陰イオン放射を作用させることができればその形態は限定されることはない。また、上記流体通路は、燃焼材料の種類に応じて、改質効果を確保できる距離に設定するのが好ましい。
【0020】
上記燃焼材料改質剤は、トルマリンを主成分として、金、銀、白金族元素、炭素、珪素等を配合して構成することができる。実用的な改質効果を得るため、少なくとも、90重量%以上のトルマリンを配合するのが好ましい。
【0021】
請求項3に記載した発明のように、上記燃焼材料改質剤を、トルマリン成分を少なくとも90重量%と、金、銀、白金から選択した1又は2以上の成分を少なくとも0.2重量%とを含んで構成することができる。
【0022】
金、銀及び白金族元素は、炭素以上の電気伝導性を備えるとともに炭素のように劣化したり化学変化することはない。このため、トルマリンの電磁波及び陰イオン発生効果を高めることができるばかりでなく、上記効果を長期間にわたって持続させることが可能となる。また、これらの成分を単独で配合し、あるいはこれらの成分を2以上配合することもできる。
【0023】
上記金、銀、白金族元素から選択した1又は2以上の成分は、少なくとも0.2重量%配合するするのが好ましい。これら成分がの配合量が0.2重量%に満たない場合、電磁波及び陰イオン発生効果が低くなるばかりでなく、効果の持続性も低下する。なお、他の配合物質として、炭素、珪素等を適宜選択して配合することができる。
【0024】
さらに効果を高めるため、請求項7に記載した発明のように、上記改質剤収容部の内面に金又は銀のコーティングを施すことができる。電気伝導度の高い物質で燃焼材料改質剤の全体を覆うことにより、電磁波及び陰イオンを均一に放射させ、燃料改質効果を高めることができる。
【0025】
請求項4に記載した発明のように、上記燃焼材料改質剤は、粉体状又は粒体状に調整するのが好ましい。トルマリンは、微細な粉体又は粒体に加工するほど自己分極による電界強度が大きくなり、改質効果が高まる。また、他の配合材料も、上記トルマリンの粉体にあわせて、その大きさを調整し、トルマリン粉体内に均一に分散させるのが好ましい。
【0026】
上記改質剤収容部は、上記燃焼材料改質剤を、上記燃焼材料に接触させることなく、かつ真空状態で上記流体通路近傍に保持できるように構成される。
【0027】
燃焼材料改質剤を燃焼材料から隔離して保持することにより、燃焼材料中の不純物質等によって燃焼材料改質剤が劣化するのを防止できる。また、改質効果を高めるため、改質剤収容部を、上記流体通路のできるだけ近傍に設けるのが好ましい。たとえば、上記流体通路と上記改質剤収容部とを一つの部材内に隔壁を介して一体的に形成することができる。
【0028】
上記改質剤収容部及び上記流体通路は、上記トルマリン及び上記磁力線発生装置から発生する磁力線等を燃焼材料に充分に作用させるため、導電性物質で形成するのが好ましい。たとえば、請求項8に記載した発明のように、上記流体通路と上記改質剤収容部を、アルミブロック内に一体的に形成することができる。
【0029】
上記流体通路と上記改質剤収容部を一体的に形成することにより、燃焼材料改質剤と燃焼材料との間に、改質効果を阻害する物質が介在する余地がなくなり、周囲の環境が変化しても、確実な効果を発揮させることができる。
【0030】
また、請求項5に記載した発明のように、改質効果を高めるため、上記流体通路を少なくとも2方向から囲むように、上記改質剤収容部を構成するのが好ましい。上記改質剤収容部の数は限定されることはなく、複数の改質剤収容部を上記流体通路の周囲に一定間隔で配置することもできるし、流体通路の全周を囲むように略円筒状の改質剤収容部を設けることもできる。流体通路を囲むようにして、燃焼材料改質剤を配置することにより、改質効果を高めることができる。また、燃焼材料改質剤の使用量を少なくして、装置の小型化を図ることもできる。
【0031】
本願発明では、上記改質剤収容部を真空に保持する。上述したように、トルマリンは、自己分極して電磁波及び陰イオンを放射する特性があり、これにより、燃焼材料を改質する。このため、燃焼材料改質剤に分解や酸化しやすい成分が含まれていると、燃焼材料改質剤の成分が周囲の酸素等と結合して劣化するといった問題が生じやすい。
【0032】
また、燃焼材料改質剤の粒子の表面に水分等が付着すると、電磁波等の放射効果が低下して改質効果が低下するのは明らかである。本願発明では、上記問題を解決するため、燃焼材料改質剤を真空状態に保持する。燃焼材料改質剤を外気から遮断して真空に保持することにより、水分や不純物が燃焼材料改質剤の表面に付着することもなくなり、燃焼材料改質剤の劣化を防止できる。したがって、長期間にわたって改質効果を発揮させることができる。
【0033】
また、燃焼材料改質剤の周囲の環境を真空に保持することにより、電磁波及び陰イオンの放射を阻害する成分、たとえば、空気中の酸素等が燃焼材料改質剤と燃焼材料との間に介在することがなくり、改質効果も高まる。
【0034】
改質剤保持部の真空度が高いほど改質効果が高まるが、請求項6に記載した発明のように、ゲージ圧で少なくとも0.1MP以上の真空度に保持するのが好ましい。真空度が、0.1MP以下になると、燃焼材料改質剤が劣化しやすくなる。
【0035】
さらに、本願発明では、上記改質剤収容部に収容された燃焼材料改質剤及び上記流体通路を通過する燃焼材料に磁力線を作用させることのできる磁力線発生手段を設ける。
【0036】
トルマリンは、外部刺激を与えなくても自己分極作用があるため、そのままでもある程度の燃焼物質改質効果を発揮できる。しかしながら、本願発明では、燃焼材料と燃焼材料改質剤とを非接触の状態に保持するため、そのままでは充分な改質効果を期待できない。
【0037】
充分な改質効果を発揮させるため、本願発明では、上記燃焼材料改質剤及び燃焼材料に磁力線を作用させる。磁力線は、上記トルマリンに作用して自己分極作用を増加させる。また、燃料に直接作用して分子の会合体を分断する効果も期待できる。磁力線の発生手段は特に限定されることはなく、永久磁石や電磁石を採用できる。
【0038】
磁力線発生手段として永久磁石を採用した場合、長期間の使用では磁力が低下する。このため、請求項9に記載した発明のように、上記磁力線発生手段を、上記改質剤収容部及び流体通路の外周に巻回された磁力線発生コイルから構成するのが好ましい。上記磁力線発生コイルに供給される電流は、直流であっても交流であってもよい。
【0039】
さらに、改質効果を高めるため、請求項10に記載した発明のように、上記流体通路における燃焼材料の流れ方向と略直交する磁力線又は/及び略平行な磁力線が形成されるように上記磁力線発生手段を構成するのが好ましい。
【0040】
磁力線を作用させながら燃焼材料を移動させることにより、改質効果が高まる。磁力線は、燃焼材料の流れ方向と略直交する方向あるいは略平行な方向へ作用させることができる。なお、燃焼材料の流れ方向と直交する磁力線を作用させることにより、他の方向に比べて、改質効果が若干高まる。この理由は解明されていないが、燃焼材料の流れ方向と直交する方向に磁力線を作用させることにより、燃焼材料に作用するエネルギが増大して、燃焼材料分子、特に液体燃料の会合体が効率よく分断されて、改質効果が高まるものと推測できる。また、燃焼材料の流れ方向に対して、略直交する方向及び略平行な方向の磁力線が重畳するように作用させることもできる。
【0041】
本願の請求項11に記載した発明は、上記燃焼材料改質剤及び/又は上記流体通路を通過する燃焼材料を加熱する加熱手段を設けたものである。
【0042】
トルマリンの燃焼材料改質効果は、低温ではその効果が低下する。また、燃焼材料自体も温度が上がるほど活性化される。本願発明は、上記燃焼材料改質剤の効果を高めるために加熱手段を設けたものである。
【0043】
燃焼材料改質剤と燃焼材料を同一のヒーターで一体的に加熱することもできるし、別途加熱することもできる。燃焼材料改質剤及び燃焼材料は、共に20℃以上に保持するのが好ましい。一方、燃焼材料改質剤のみであれば、高温であるほど改質効果が期待できるが、燃焼材料をあまり高温に加熱することができないため、燃焼材料改質剤と燃焼材料とを一体的に加熱する場合には、30℃〜60℃に保持するのが好ましい。なお、別途加熱する場合には、燃焼材料及び燃焼材料改質剤に応じて最適な加熱温度に設定することができる。
【0044】
上記加熱手段として、請求項12に記載した発明のように、上記改質剤収容部及び/又は流体通路の外周部に配置した電熱ヒータを採用できる。上記電熱ヒータの形態は、特に限定されることはなく、たとえば、請求項8に記載したブロックにヒータ収容穴を設けてヒータを埋め込み状に設けることもできる。
【0045】
また、請求項13に記載した発明のように、上記電熱ヒータとして、上記磁力線発生コイルの内側において上記改質剤収容部の外周に巻回されたシート状ヒータを採用できる。上記シート状ヒータを採用することにより、装置の構造を簡単にすることができるとともに、小型化を図ることができる。
【0046】
さらに、自動車等の車両には、冷却用のラジエータが設けられる。ラジエータの温水等の液体は、60℃〜90℃に加熱されており、この温水を利用して上記加熱手段を構成することができる。
【0047】
たとえば、請求項14に記載した発明のように、上記加熱手段として、上記改質剤収容部及び/又は上記流体通路近傍に、上記ラジエータ等から温水を流す温水通路を設けて構成することができる。
【0048】
本願の請求項15に記載した発明は、上記加熱手段を、上記燃焼材料改質剤及び/又は燃焼材料の温度を所定範囲に保持できる温度制御手段を備えて構成したものである。
【0049】
上記温度制御手段として、たとえば、各種の温度センサーと、この温度センサーの出力に応じてヒータ等の出力を制御しうる制御回路とを備えて構成することができる。
【0050】
本願の請求項16に記載した発明は、流動しうる燃焼材料を改質して燃焼効率を向上させる燃焼材料改質方法であって、上記燃焼材料が通過する流体通路の近傍に、トルマリンを主成分とする燃焼材料改質剤を、上記燃焼材料に接触することなく,かつ真空状態で保持するとともに、上記燃焼材料改質剤と上記流体通路を通過する上記燃焼材料に磁力線を作用させるものである。
【0051】
本願の請求項17に記載した発明は、上記流体通路を流れる燃焼材料に、少なくとも2方向から囲むようにして上記燃焼材料改質剤を作用させるものである。
【0052】
本願の請求項18に記載した発明は、上記磁力線の方向を、上記燃焼材料が流れる方向と略直交する方向及び/又は平行な方向に作用させるものである。
【0053】
本願の請求項19に記載した発明は、上記燃焼材料改質剤を、ゲージ圧で少なくとも0.1MP以上の真空度に保持するものである。
【0054】
本願の請求項20に記載した発明は、上記流体通路及び上記燃焼材料改質剤を囲むようにコイルを巻回することにより磁力線を発生させるものである。
【0055】
本願の請求項21に記載した発明は、上記燃焼材料改質剤及び/又は上記燃焼材料を所定温度に加熱するものである。
【0056】
請求項22に記載した発明のように、上記燃焼材料改質剤及び/又は上記燃焼材料を20℃〜60℃に加熱するのが好ましい。
【0057】
本願の請求項23に記載した発明は、トルマリン成分を少なくとも90重量%と、金、銀、白金族元素から選択した1又は2以上の成分を少なくとも0.2重量%含み、これらが粉体状又は粒体状に形成された燃焼材料改質剤に関するものである。
【0058】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の実施の形態を図に基づいて具体的に説明する。なお、本実施の形態は、ガソリン等の燃料改質装置に本願発明を適用したが、同様の装置を用いて、燃焼空気を改質して燃費向上効果等を気体することができる。また、他の形態の燃焼材料に適用することもできる。
【0059】
図1から図4に、本願発明の第1の実施の形態を示す。
【0060】
図1に示すように、本実施の形態に係る燃料改質装置1は、純度の高いアルミニウムブロックを削り出して形成された略矩形状の本体2と、この本体2の外周部に巻回されたコイル3とを備えて構成されている。
【0061】
上記本体2は、上記コイル3が巻回される中間部4aと、両端部において上記中間部より大きな断面形状に形成された鍔部4b,4cが一体形成されている。また、一方の鍔部4bの外面に液体燃料の入口5が形成されるとともに、他方の鍔部4cの外面に出口6が形成されている。上記燃料改質装置1は、図示しない燃料タンクから燃焼機関にいたる燃料供給チューブ7の途中に、上記入口5及び出口6を接続して装着される。
【0062】
図2は、図1におけるII−II線に沿う断面図である。図2に示すように、本体2の内部には、上記入口5から上記出口6にいたる燃料通路8が形成されている。本実施の形態では、燃料改質剤が作用する距離を長く設定するためにS字状の燃料通路が形成されている。なお、上記燃料通路の形態はS字に限定されることはなく、他の形態の燃料通路を採用できる。
【0063】
図3は、図1における III−III 線に沿う要部の断面図である。この図に示すように、上記燃料通路8を上下から挟むようにして、改質剤収容部9,9が形成されており、この改質剤収容部9,9に粉体状の燃料改質剤13が収容されている。上記改質剤収容部9は、上記中間部4aの上面及び下面に形成された矩形状の凹部9a,9bと、この凹部9a,9bの開口部を封止する板状蓋部10a,10bとを備えて構成されている。上記凹部9a,9b及び上記蓋部10a,10bの内面には、ニッケルのベースコート層11と、金のコーティング層12が積層形成されている。上記各コーティング層は、燃料改質剤13を囲むように上記改質剤収容部13の内面全域に形成されている。なお、本実施の形態では、金のコーティング層を形成したが、銀のコーティング層を採用することもできる。
【0064】
図4は、図1におけるIV−IV線に沿う断面図である。この図に示すように、上記改質剤収容部9,9は、気密性を保持できるように構成されているとともに、内部を真空にするための空気排出口14が設けられている。本実施の形態では、燃料通路の端部に金属パイプを接続して、内部空気を抜いたあとにかしめることにより真空度を保持できるように構成されている。
【0065】
上記改質剤収容部9には、粉体状のトルマリン95重量%と、粉体状の金0.3重量%と、珪素粉体2重量%と、カーボン粉体2.7重量%とを混合した、燃料改質剤13が充填されている。上記各粉体は、粒度が50μm以下のものを採用している。なお、本実施の形態では、粉体状の燃料改質剤を採用したが、粒体状の燃料改質剤を採用することもできる。また、金の代わりに銀又は白金を採用することもできる。
【0066】
上記本体2の中間部外周には、上記燃料通路と略直角方向に、コイル3が巻回されており、このコイルに直流電流を通電することにより、上記燃料通路8に沿う磁力線が発生するように構成されている。なお、理解を容易にするこめ、コイルの巻回数は少なく表示している。
【0067】
上記構成の燃料改質装置1を、ガソリンを燃料とする自動車のガソリンタンクからエンジンにいたる燃料供給チューブの中間部に接続し、ガソリンが上記燃料通路を通過してエンジンに供給されるように設置される。
【0068】
図13から図17に、本実施の形態に係る燃料改質装置の燃費向上効果を示す。これらの表に示すように、本実施の形態に係る燃料改質装置を装着することにより、燃費が大幅に改善されることが分かる。
【0069】
図13は、排気量3960ccのガソリン車(レギュラーガソリン使用)で市街地を走行した場合の、上記燃料改質装置を装着する前と装着後の燃費を比較したものである。この場合、23.7%の燃費改善効果を得た。
【0070】
図14は、排気量1980ccのガソリン車(レギュラーガソリン使用)で市街地を走行した場合の、上記燃料改質装置を装着する前と装着後の燃費を比較したものである。この場合、19.9%の燃費改善効果を得た。
【0071】
図15は、排気量3960ccのガソリン車(レギュラーガソリン使用)で高速走行した場合の、上記燃料改質装置を装着する前と装着後の燃費を比較したものである。この場合、33.3%の燃費改善効果を得た。
【0072】
図16は、排気量1980ccのガソリン車(レギュラーガソリン使用)で高速走行した場合の、上記燃料改質装置を装着する前と装着後の燃費を比較したものである。この場合、27.8%の燃費改善効果を得た。
【0073】
図17は、排気量2835ccのディーゼルエンジン車(軽油使用)を用いて、財団法人日本車両検査協会において、10・15モード試験を行った結果である。この場合、32.8%の燃費改善率を得た。
【0074】
図13〜図17に示すように、いずれの条件においても、高い燃費改善効果を得ることができた。
【0075】
図5〜図9に、本願発明の第2の実施の形態を示す。この実施の形態は、燃料通路と直交する磁力線が作用するように構成したものである。
【0076】
図5に示すように、本実施の形態に係る燃料改質装置101は、第1の実施の形態と同様に、純度の高いアルミブロックを削り出して形成された本体102と、この本体の外周に巻回されたコイル103とを備えて構成されている。
【0077】
上記本体102は、上記コイル103が巻回された中間部104aと、この中間部104aの両側に形成された鍔部104b、104cとを備えて構成されている。
【0078】
図6に示すように、本実施の形態に係る燃料通路108は、略Z状に形成されており、燃料改質剤が作用する距離を大きく設定している。
【0079】
上記コイル103は、上記燃料通路108の方向にほぼ沿うようにして巻回されている。これにより、燃料通路108の方向とほぼ直交する磁力線が発生する。
【0080】
磁力線の方向を燃料通路108と略直交するように設定することにより、磁力線による燃料の改質効果が高まる。
【0081】
図7は図6における VII−VII 線に沿う断面図である。また、図8は、図6におけるVIII−VIII線に沿う断面図である。これらの図に示すように、上記燃料通路108を上下から挟むようにして、改質剤収容部109,109が形成されており、この改質剤収容部109,109に粉体状の燃料改質剤113が収容されている。上記改質剤収容部109は、上記中間部104aの上面及び下面に形成された矩形状の凹部109a,109bと、この凹部109a,109bの開口部を封止する板状蓋部110a,110bとを備えて構成されている。上記凹部109a,109b及び上記蓋部110a,110bの内面には、ニッケルのベースコート層111と、金のコーティング層112とが積層形成されている。上記各コーティング層は、改質剤113を囲むように上記改質剤収容部109の内面全域に形成されている。
【0082】
図9に示すように、上記燃料改質装置101はコイル巻回部から鍔部104b,104cにいたる部分を、アルミ、あるいは又はポリカーボネート等の耐熱プラスチックで形成した保護ケース115で覆ったものである。上記保護ケースを設けることにより、巻回したコイル103を、水滴等から保護することができるとともに、冬季における保温効果を期待できる。
【0083】
図10に、本願発明の第3の実施の形態を示す。
【0084】
この実施の形態では、互いに直交する方向に巻回される磁力線発生コイル203a、203bを設けている。これにより、内部の燃料通路の方向に係わらず、二つの方向に向かう磁力線を作用させることが可能となり、燃料改質効果を高めることができる。また、二つのコイルに流す電流の種類も特に限定されることはなく、両方のコイルに同じ方向の電流を流してもよいし、一方のコイルに交流電流を、他方のコイルに直流電流を流してもよい。
【0085】
図11及び図12に、本願発明の第4の実施の形態を示す。
【0086】
この実施の形態では、コイルの巻回部304a,304aを中間部304bを挟んで二つ形成し、それぞれのコイル巻回部304a,304aに巻回されたコイル303,303に通電して磁力線を発生させるように構成している。これにより、磁力線の強度を高めることができる。また、上記第3の実施の形態と同様に、両方のコイルに同じ方向の電流を流してもよいし、一方のコイルに交流電流を、他方のコイルに直流電流を流してもよい。
【0087】
なお、本実施の形態では、蓋部310a,310bの外周部を、コイル巻回部304a,304aの鍔として利用している。
【0088】
図18に、本願発明の第5の実施の形態を示す。この図に示す燃料改質装置401では、改質剤収容部409に収容された燃料改質剤413及び燃料通路408を通過する燃料を加熱できる加熱手段を設けている。
【0089】
本実施の形態では、上記加熱手段として、シート状のヒータ450を採用するとともに、本体402の鍔部404bにセンサ穴を設け、燃料改質剤413の温度を測定できる温度センサ451を設けている。上記温度センサ451の出力は、制御装置452に出力され、上記シート状のヒータ450の電圧等を制御して、加熱温度を調節できるように構成している。
【0090】
燃料改質剤は、上記シート状ヒータ450及び制御装置452によって、冬季においても30℃〜60℃に保持するように構成するのが望ましい。一方、夏期においては、エンジンルームの温度は60℃以上になるため、上記シート状ヒータによる加熱は不要となり、上記制御装置によって、エンジンの起動時等に加熱を行うように制御するのが好ましい。なお、上記加熱手段は、シート状ヒータに限定されることはなく、他の形態の電熱ヒータを採用することもできる。
【0091】
また、ラジエータの温水を利用して加熱手段を構成することもできる。この場合、上記改質剤収容部の近傍に上記温水を通す温水通路を設けて構成することができる。
【0092】
【発明の効果】
トルマリンを主成分とする燃料改質剤を、上記流体燃料に接触させることなく、かつ真空状態で上記燃料通路近傍に保持しているため、燃料改質剤が劣化することなく、また、空気中の酸素等によって燃料改質効果が低下するのを防止できる。
【0093】
また、上記改質剤収容部に収容された燃料改質剤及び上記燃料通路を通過する燃料に磁力線を作用させることのできる磁力線発生手段を設けることにより、トルマリンの自己分極を促進して、電磁波及び陰イオンの放射作用を高めることができる。
【0094】
さらに、改質剤保持部と燃料通路とを一体的に形成することにより、燃料改質剤と燃料との間に、燃料改質効果を阻害する物質が介在する余地がなくなる。このため、高い燃料改質効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の第1の実施の形態に係る燃料改質装置の全体斜視図である。
【図2】図1における、II−II線に沿う断面図である。
【図3】図1における、 III−III 線に沿う断面図である。
【図4】図1における、IV−IV線に沿う断面図である。
【図5】本願発明の第2の実施の形態に係る燃料改質装置の全体斜視図である。
【図6】図5における、VI−VI線に沿う断面図である。
【図7】図6における、 VII−VII 線に沿う断面図である。
【図8】図6における、VIII−VIII線に沿う断面図である。
【図9】図5に示す燃料改質装置に、パンチングメタルで形成したカバーを装着した全体斜視図である。
【図10】本願発明の第3の実施の形態に係る燃料改質装置の全体斜視図である。
【図11】本願発明の第4の実施の形態に係る燃料改質装置の全体斜視図である。
【図12】図11におけるXII −XII 線に沿う断面図である。
【図13】燃料改質装置の燃費向上効果を示す表である。
【図14】燃料改質装置の燃費向上効果を示す表である。
【図15】燃料改質装置の燃費向上効果を示す表である。
【図16】燃料改質装置の燃費向上効果を示す表である。
【図17】燃料改質装置の燃費向上効果を示す表である。
【図18】本願発明の第5の実施の形態を示す図であり、図3に対応する断面図である。
【符号の説明】
1 燃料改質装置(燃焼材料改質装置)
3 磁力線発生手段
8 燃料通路(流体通路)
9 改質剤収容部
13 燃料改質剤(燃焼材料改質剤)
【発明の属する技術分野】
本願発明は、燃焼材料改質装置、燃焼材料改質方法及び燃焼材料改質剤に関する。詳しくは、内燃機関や外燃機関等の燃料を燃焼させる装置において、上記燃料やこれを燃焼させる空気等を活性化し、燃焼効率を向上させて燃費等を改善することができるとともに、完全燃焼を促進して排気ガスに有毒物質が発生するのを抑制することのできる燃焼材料改質装置等に関する。
【0002】
【従来の技術】
ガソリン等の液体燃料が不完全燃焼すると、燃費が低下するばかりでなく、排気ガス中に一酸化炭素や粉塵等の有毒物質が発生するといった問題が生じる。ガソリン等の液体燃料は、複数の炭素が結合して構成される分子が複数連鎖した会合体を主成分として構成されている。上記燃料分子の大きさあるいは会合体の大きさが小さいほど完全燃焼に近づき、燃費の向上を期待することができる。また、上記燃料を燃焼させる空気を活性化することにより、上記燃料の燃焼を促進して燃費を向上させることができる。
【0003】
トルマリン(電気石)は、ほう素のケイ酸塩化合物であり、外部電圧を印加しなくても自己分極し、電磁波及び陰イオンを放射する特性がある。この特性を利用して、液体燃料の会合体の大きさを小さくして燃料を改質し、燃費を向上させるとともに有害物質の発生を防ぐ技術として、次の公報に記載されたものが提案されている。
【0004】
【特許文献1】
特公平8−23025号
【特許文献2】
特許第2887703号
【特許文献3】
特開2001−234819号
【0005】
上記特許文献1及び特許文献2に記載された発明は、トルマリンを含む燃料改質剤をペレット状や球状に成形し、これら改質剤に液体燃料を直接接触させながら通過させることにより、燃料分子の結合を変化させ、燃焼効率を高めるものである。
【0006】
上記特許文献3に記載された発明は、液体燃料あるいは空気と、改質剤とが非接触となるように燃料通路と改質剤収容部とを分離して設け、上記改質剤の中に良導体を配置するとともに、上記改質剤収容部にアース線を設けたものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献1及び上記特許文献2に記載された発明は、燃料と改質剤とが直接接触させられるため、ある程度の燃費向上効果及び排気ガス浄化効果が期待できる。ところが、改質剤が直接燃料に接触するため、燃料成分中の水分や不純物等によって改質剤の劣化が激しい。しかも、改質剤が劣化すると、その一部が上記ペレット等の表面から剥離して燃料とともに内燃機関の燃焼室等に入り込む恐れがある。
【0008】
一方、特許文献3に記載された発明は、改質剤が、燃料等の燃焼材料と非接触状態に保持されるため、特許文献1及び特許文献2に記載した問題は発生しない。ところが、改質剤が、燃焼材料と非接触状態で保持されるため、その分燃焼材料の改質効果が低下する。この問題を解決するため、トルマリン粉体に黒鉛等の良導体を混合するとともに、改質剤保持部にアース線を設け、トルマリンから生じる電磁波を増強できるように構成している。
【0009】
上記特許文献3に記載された発明では、トルマリンの電磁波発生効果及び陰イオン発生効果は、トルマリンが自然に自己分極することを利用している。しかしながら、トルマリンを燃料等の燃焼材料と非接触で保持するため、充分な効果を得るには、改質剤の量を多くしたり、流体通路を長くして作用時間を確保しなければならない。このため、装置が大型化するといった問題が生じる。
【0010】
また、電磁波及び陰イオンの発生は、上記トルマリンや黒鉛等の周囲の環境に大きく左右される。すなわち、トルマリン等は粉体状態で改質剤保持部に収容されているが、水分等が改質剤成分の外周面に付着すると、上記電磁波や陰イオンの発生効果が大きく低下する。
【0011】
しかも、トルマリンが充分に自己分極して、電磁波や陰イオンを放射した場合、燃焼材料の改質効果も高まるが、周囲の物質の劣化も促進する。このため、分極効果を高めるために配合した炭素等の劣化も大きくなる。特に、水分等の不純物が改質剤の表面に付着すると、成分の劣化も激しくなり、燃焼材料改質効果が持続しないといった問題が生じる。
【0012】
また、トルマリンから電磁波や陰イオンが充分に放射されても、燃焼材料との間に電磁波やイオンの伝達を阻害する物質が存在すると効果が低下する。特に、燃焼材料と改質剤とを非接触に保持する場合には、空気の介在によって電子運動が阻害され、燃焼材料の改質効果が低下する。
【0013】
さらに、トルマリンの自己分極を促進して、燃料等に対する改質効果を発揮させるには、トルマリンを所定の温度に保持するのが好ましい。
【0014】
本願発明は、上述の事情のもとで考え出されたものであって、上記従来の問題を解決し、燃焼材料の完全燃焼を促進し、燃焼効率を向上させて、燃費等の向上効果及び排気ガス浄化効果を高めることができるとともに、改質剤等の劣化を有効に防止して、燃焼材料を長期間にわたって改質することのできる、燃焼材料改質装置、燃焼材料改質方法及び燃焼材料改質剤を提供することを課題とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本願発明では、次の技術的手段を講じている。
【0016】
本願の請求項1に記載した発明は、流体通路を流動する燃焼材料を改質して、燃焼効率を向上させる燃焼材料改質装置であって、トルマリンを主成分とする燃焼材料改質剤と、上記燃焼材料改質剤を、上記燃焼材料に接触させることなく、かつ真空状態で上記流体通路近傍に保持できる改質剤収容部と、上記改質剤収容部に収容された燃焼材料改質剤及び上記流体通路を通過する上記燃焼材料に磁力線を作用させることのできる磁力線発生手段とを備えて構成される。
【0017】
本願発明に係る燃焼材料改質装置は、流動しうる燃料、これを燃焼させる空気及び燃焼時に添加される流動性添加物質に適用される。特に、請求項2に記載した発明のように、上記燃焼材料として、液体燃料及び/又はこれを燃焼させる空気を改質するのに好適である。また、液体あるいは気体状の燃焼材料のみに適用されるものではなく、流動しうる粉体燃料にも適用できる。さらに、燃料と燃焼空気とを混合したものに対しても適用することができる。
【0018】
上記燃焼材料改質装置は、エンジン等の動力機関の燃料に限定されることはない。灯油や重油を燃焼させる石油暖房器具や湯沸かし器等にも適用できる。また、流動しうるものであれば、廃棄物等から形成される燃焼材料にも利用することができる。
【0019】
上記流体通路は、通過する燃焼材料に対してトルマリン及び磁力線発生手段からの電磁波及び陰イオン放射を作用させることができればその形態は限定されることはない。また、上記流体通路は、燃焼材料の種類に応じて、改質効果を確保できる距離に設定するのが好ましい。
【0020】
上記燃焼材料改質剤は、トルマリンを主成分として、金、銀、白金族元素、炭素、珪素等を配合して構成することができる。実用的な改質効果を得るため、少なくとも、90重量%以上のトルマリンを配合するのが好ましい。
【0021】
請求項3に記載した発明のように、上記燃焼材料改質剤を、トルマリン成分を少なくとも90重量%と、金、銀、白金から選択した1又は2以上の成分を少なくとも0.2重量%とを含んで構成することができる。
【0022】
金、銀及び白金族元素は、炭素以上の電気伝導性を備えるとともに炭素のように劣化したり化学変化することはない。このため、トルマリンの電磁波及び陰イオン発生効果を高めることができるばかりでなく、上記効果を長期間にわたって持続させることが可能となる。また、これらの成分を単独で配合し、あるいはこれらの成分を2以上配合することもできる。
【0023】
上記金、銀、白金族元素から選択した1又は2以上の成分は、少なくとも0.2重量%配合するするのが好ましい。これら成分がの配合量が0.2重量%に満たない場合、電磁波及び陰イオン発生効果が低くなるばかりでなく、効果の持続性も低下する。なお、他の配合物質として、炭素、珪素等を適宜選択して配合することができる。
【0024】
さらに効果を高めるため、請求項7に記載した発明のように、上記改質剤収容部の内面に金又は銀のコーティングを施すことができる。電気伝導度の高い物質で燃焼材料改質剤の全体を覆うことにより、電磁波及び陰イオンを均一に放射させ、燃料改質効果を高めることができる。
【0025】
請求項4に記載した発明のように、上記燃焼材料改質剤は、粉体状又は粒体状に調整するのが好ましい。トルマリンは、微細な粉体又は粒体に加工するほど自己分極による電界強度が大きくなり、改質効果が高まる。また、他の配合材料も、上記トルマリンの粉体にあわせて、その大きさを調整し、トルマリン粉体内に均一に分散させるのが好ましい。
【0026】
上記改質剤収容部は、上記燃焼材料改質剤を、上記燃焼材料に接触させることなく、かつ真空状態で上記流体通路近傍に保持できるように構成される。
【0027】
燃焼材料改質剤を燃焼材料から隔離して保持することにより、燃焼材料中の不純物質等によって燃焼材料改質剤が劣化するのを防止できる。また、改質効果を高めるため、改質剤収容部を、上記流体通路のできるだけ近傍に設けるのが好ましい。たとえば、上記流体通路と上記改質剤収容部とを一つの部材内に隔壁を介して一体的に形成することができる。
【0028】
上記改質剤収容部及び上記流体通路は、上記トルマリン及び上記磁力線発生装置から発生する磁力線等を燃焼材料に充分に作用させるため、導電性物質で形成するのが好ましい。たとえば、請求項8に記載した発明のように、上記流体通路と上記改質剤収容部を、アルミブロック内に一体的に形成することができる。
【0029】
上記流体通路と上記改質剤収容部を一体的に形成することにより、燃焼材料改質剤と燃焼材料との間に、改質効果を阻害する物質が介在する余地がなくなり、周囲の環境が変化しても、確実な効果を発揮させることができる。
【0030】
また、請求項5に記載した発明のように、改質効果を高めるため、上記流体通路を少なくとも2方向から囲むように、上記改質剤収容部を構成するのが好ましい。上記改質剤収容部の数は限定されることはなく、複数の改質剤収容部を上記流体通路の周囲に一定間隔で配置することもできるし、流体通路の全周を囲むように略円筒状の改質剤収容部を設けることもできる。流体通路を囲むようにして、燃焼材料改質剤を配置することにより、改質効果を高めることができる。また、燃焼材料改質剤の使用量を少なくして、装置の小型化を図ることもできる。
【0031】
本願発明では、上記改質剤収容部を真空に保持する。上述したように、トルマリンは、自己分極して電磁波及び陰イオンを放射する特性があり、これにより、燃焼材料を改質する。このため、燃焼材料改質剤に分解や酸化しやすい成分が含まれていると、燃焼材料改質剤の成分が周囲の酸素等と結合して劣化するといった問題が生じやすい。
【0032】
また、燃焼材料改質剤の粒子の表面に水分等が付着すると、電磁波等の放射効果が低下して改質効果が低下するのは明らかである。本願発明では、上記問題を解決するため、燃焼材料改質剤を真空状態に保持する。燃焼材料改質剤を外気から遮断して真空に保持することにより、水分や不純物が燃焼材料改質剤の表面に付着することもなくなり、燃焼材料改質剤の劣化を防止できる。したがって、長期間にわたって改質効果を発揮させることができる。
【0033】
また、燃焼材料改質剤の周囲の環境を真空に保持することにより、電磁波及び陰イオンの放射を阻害する成分、たとえば、空気中の酸素等が燃焼材料改質剤と燃焼材料との間に介在することがなくり、改質効果も高まる。
【0034】
改質剤保持部の真空度が高いほど改質効果が高まるが、請求項6に記載した発明のように、ゲージ圧で少なくとも0.1MP以上の真空度に保持するのが好ましい。真空度が、0.1MP以下になると、燃焼材料改質剤が劣化しやすくなる。
【0035】
さらに、本願発明では、上記改質剤収容部に収容された燃焼材料改質剤及び上記流体通路を通過する燃焼材料に磁力線を作用させることのできる磁力線発生手段を設ける。
【0036】
トルマリンは、外部刺激を与えなくても自己分極作用があるため、そのままでもある程度の燃焼物質改質効果を発揮できる。しかしながら、本願発明では、燃焼材料と燃焼材料改質剤とを非接触の状態に保持するため、そのままでは充分な改質効果を期待できない。
【0037】
充分な改質効果を発揮させるため、本願発明では、上記燃焼材料改質剤及び燃焼材料に磁力線を作用させる。磁力線は、上記トルマリンに作用して自己分極作用を増加させる。また、燃料に直接作用して分子の会合体を分断する効果も期待できる。磁力線の発生手段は特に限定されることはなく、永久磁石や電磁石を採用できる。
【0038】
磁力線発生手段として永久磁石を採用した場合、長期間の使用では磁力が低下する。このため、請求項9に記載した発明のように、上記磁力線発生手段を、上記改質剤収容部及び流体通路の外周に巻回された磁力線発生コイルから構成するのが好ましい。上記磁力線発生コイルに供給される電流は、直流であっても交流であってもよい。
【0039】
さらに、改質効果を高めるため、請求項10に記載した発明のように、上記流体通路における燃焼材料の流れ方向と略直交する磁力線又は/及び略平行な磁力線が形成されるように上記磁力線発生手段を構成するのが好ましい。
【0040】
磁力線を作用させながら燃焼材料を移動させることにより、改質効果が高まる。磁力線は、燃焼材料の流れ方向と略直交する方向あるいは略平行な方向へ作用させることができる。なお、燃焼材料の流れ方向と直交する磁力線を作用させることにより、他の方向に比べて、改質効果が若干高まる。この理由は解明されていないが、燃焼材料の流れ方向と直交する方向に磁力線を作用させることにより、燃焼材料に作用するエネルギが増大して、燃焼材料分子、特に液体燃料の会合体が効率よく分断されて、改質効果が高まるものと推測できる。また、燃焼材料の流れ方向に対して、略直交する方向及び略平行な方向の磁力線が重畳するように作用させることもできる。
【0041】
本願の請求項11に記載した発明は、上記燃焼材料改質剤及び/又は上記流体通路を通過する燃焼材料を加熱する加熱手段を設けたものである。
【0042】
トルマリンの燃焼材料改質効果は、低温ではその効果が低下する。また、燃焼材料自体も温度が上がるほど活性化される。本願発明は、上記燃焼材料改質剤の効果を高めるために加熱手段を設けたものである。
【0043】
燃焼材料改質剤と燃焼材料を同一のヒーターで一体的に加熱することもできるし、別途加熱することもできる。燃焼材料改質剤及び燃焼材料は、共に20℃以上に保持するのが好ましい。一方、燃焼材料改質剤のみであれば、高温であるほど改質効果が期待できるが、燃焼材料をあまり高温に加熱することができないため、燃焼材料改質剤と燃焼材料とを一体的に加熱する場合には、30℃〜60℃に保持するのが好ましい。なお、別途加熱する場合には、燃焼材料及び燃焼材料改質剤に応じて最適な加熱温度に設定することができる。
【0044】
上記加熱手段として、請求項12に記載した発明のように、上記改質剤収容部及び/又は流体通路の外周部に配置した電熱ヒータを採用できる。上記電熱ヒータの形態は、特に限定されることはなく、たとえば、請求項8に記載したブロックにヒータ収容穴を設けてヒータを埋め込み状に設けることもできる。
【0045】
また、請求項13に記載した発明のように、上記電熱ヒータとして、上記磁力線発生コイルの内側において上記改質剤収容部の外周に巻回されたシート状ヒータを採用できる。上記シート状ヒータを採用することにより、装置の構造を簡単にすることができるとともに、小型化を図ることができる。
【0046】
さらに、自動車等の車両には、冷却用のラジエータが設けられる。ラジエータの温水等の液体は、60℃〜90℃に加熱されており、この温水を利用して上記加熱手段を構成することができる。
【0047】
たとえば、請求項14に記載した発明のように、上記加熱手段として、上記改質剤収容部及び/又は上記流体通路近傍に、上記ラジエータ等から温水を流す温水通路を設けて構成することができる。
【0048】
本願の請求項15に記載した発明は、上記加熱手段を、上記燃焼材料改質剤及び/又は燃焼材料の温度を所定範囲に保持できる温度制御手段を備えて構成したものである。
【0049】
上記温度制御手段として、たとえば、各種の温度センサーと、この温度センサーの出力に応じてヒータ等の出力を制御しうる制御回路とを備えて構成することができる。
【0050】
本願の請求項16に記載した発明は、流動しうる燃焼材料を改質して燃焼効率を向上させる燃焼材料改質方法であって、上記燃焼材料が通過する流体通路の近傍に、トルマリンを主成分とする燃焼材料改質剤を、上記燃焼材料に接触することなく,かつ真空状態で保持するとともに、上記燃焼材料改質剤と上記流体通路を通過する上記燃焼材料に磁力線を作用させるものである。
【0051】
本願の請求項17に記載した発明は、上記流体通路を流れる燃焼材料に、少なくとも2方向から囲むようにして上記燃焼材料改質剤を作用させるものである。
【0052】
本願の請求項18に記載した発明は、上記磁力線の方向を、上記燃焼材料が流れる方向と略直交する方向及び/又は平行な方向に作用させるものである。
【0053】
本願の請求項19に記載した発明は、上記燃焼材料改質剤を、ゲージ圧で少なくとも0.1MP以上の真空度に保持するものである。
【0054】
本願の請求項20に記載した発明は、上記流体通路及び上記燃焼材料改質剤を囲むようにコイルを巻回することにより磁力線を発生させるものである。
【0055】
本願の請求項21に記載した発明は、上記燃焼材料改質剤及び/又は上記燃焼材料を所定温度に加熱するものである。
【0056】
請求項22に記載した発明のように、上記燃焼材料改質剤及び/又は上記燃焼材料を20℃〜60℃に加熱するのが好ましい。
【0057】
本願の請求項23に記載した発明は、トルマリン成分を少なくとも90重量%と、金、銀、白金族元素から選択した1又は2以上の成分を少なくとも0.2重量%含み、これらが粉体状又は粒体状に形成された燃焼材料改質剤に関するものである。
【0058】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の実施の形態を図に基づいて具体的に説明する。なお、本実施の形態は、ガソリン等の燃料改質装置に本願発明を適用したが、同様の装置を用いて、燃焼空気を改質して燃費向上効果等を気体することができる。また、他の形態の燃焼材料に適用することもできる。
【0059】
図1から図4に、本願発明の第1の実施の形態を示す。
【0060】
図1に示すように、本実施の形態に係る燃料改質装置1は、純度の高いアルミニウムブロックを削り出して形成された略矩形状の本体2と、この本体2の外周部に巻回されたコイル3とを備えて構成されている。
【0061】
上記本体2は、上記コイル3が巻回される中間部4aと、両端部において上記中間部より大きな断面形状に形成された鍔部4b,4cが一体形成されている。また、一方の鍔部4bの外面に液体燃料の入口5が形成されるとともに、他方の鍔部4cの外面に出口6が形成されている。上記燃料改質装置1は、図示しない燃料タンクから燃焼機関にいたる燃料供給チューブ7の途中に、上記入口5及び出口6を接続して装着される。
【0062】
図2は、図1におけるII−II線に沿う断面図である。図2に示すように、本体2の内部には、上記入口5から上記出口6にいたる燃料通路8が形成されている。本実施の形態では、燃料改質剤が作用する距離を長く設定するためにS字状の燃料通路が形成されている。なお、上記燃料通路の形態はS字に限定されることはなく、他の形態の燃料通路を採用できる。
【0063】
図3は、図1における III−III 線に沿う要部の断面図である。この図に示すように、上記燃料通路8を上下から挟むようにして、改質剤収容部9,9が形成されており、この改質剤収容部9,9に粉体状の燃料改質剤13が収容されている。上記改質剤収容部9は、上記中間部4aの上面及び下面に形成された矩形状の凹部9a,9bと、この凹部9a,9bの開口部を封止する板状蓋部10a,10bとを備えて構成されている。上記凹部9a,9b及び上記蓋部10a,10bの内面には、ニッケルのベースコート層11と、金のコーティング層12が積層形成されている。上記各コーティング層は、燃料改質剤13を囲むように上記改質剤収容部13の内面全域に形成されている。なお、本実施の形態では、金のコーティング層を形成したが、銀のコーティング層を採用することもできる。
【0064】
図4は、図1におけるIV−IV線に沿う断面図である。この図に示すように、上記改質剤収容部9,9は、気密性を保持できるように構成されているとともに、内部を真空にするための空気排出口14が設けられている。本実施の形態では、燃料通路の端部に金属パイプを接続して、内部空気を抜いたあとにかしめることにより真空度を保持できるように構成されている。
【0065】
上記改質剤収容部9には、粉体状のトルマリン95重量%と、粉体状の金0.3重量%と、珪素粉体2重量%と、カーボン粉体2.7重量%とを混合した、燃料改質剤13が充填されている。上記各粉体は、粒度が50μm以下のものを採用している。なお、本実施の形態では、粉体状の燃料改質剤を採用したが、粒体状の燃料改質剤を採用することもできる。また、金の代わりに銀又は白金を採用することもできる。
【0066】
上記本体2の中間部外周には、上記燃料通路と略直角方向に、コイル3が巻回されており、このコイルに直流電流を通電することにより、上記燃料通路8に沿う磁力線が発生するように構成されている。なお、理解を容易にするこめ、コイルの巻回数は少なく表示している。
【0067】
上記構成の燃料改質装置1を、ガソリンを燃料とする自動車のガソリンタンクからエンジンにいたる燃料供給チューブの中間部に接続し、ガソリンが上記燃料通路を通過してエンジンに供給されるように設置される。
【0068】
図13から図17に、本実施の形態に係る燃料改質装置の燃費向上効果を示す。これらの表に示すように、本実施の形態に係る燃料改質装置を装着することにより、燃費が大幅に改善されることが分かる。
【0069】
図13は、排気量3960ccのガソリン車(レギュラーガソリン使用)で市街地を走行した場合の、上記燃料改質装置を装着する前と装着後の燃費を比較したものである。この場合、23.7%の燃費改善効果を得た。
【0070】
図14は、排気量1980ccのガソリン車(レギュラーガソリン使用)で市街地を走行した場合の、上記燃料改質装置を装着する前と装着後の燃費を比較したものである。この場合、19.9%の燃費改善効果を得た。
【0071】
図15は、排気量3960ccのガソリン車(レギュラーガソリン使用)で高速走行した場合の、上記燃料改質装置を装着する前と装着後の燃費を比較したものである。この場合、33.3%の燃費改善効果を得た。
【0072】
図16は、排気量1980ccのガソリン車(レギュラーガソリン使用)で高速走行した場合の、上記燃料改質装置を装着する前と装着後の燃費を比較したものである。この場合、27.8%の燃費改善効果を得た。
【0073】
図17は、排気量2835ccのディーゼルエンジン車(軽油使用)を用いて、財団法人日本車両検査協会において、10・15モード試験を行った結果である。この場合、32.8%の燃費改善率を得た。
【0074】
図13〜図17に示すように、いずれの条件においても、高い燃費改善効果を得ることができた。
【0075】
図5〜図9に、本願発明の第2の実施の形態を示す。この実施の形態は、燃料通路と直交する磁力線が作用するように構成したものである。
【0076】
図5に示すように、本実施の形態に係る燃料改質装置101は、第1の実施の形態と同様に、純度の高いアルミブロックを削り出して形成された本体102と、この本体の外周に巻回されたコイル103とを備えて構成されている。
【0077】
上記本体102は、上記コイル103が巻回された中間部104aと、この中間部104aの両側に形成された鍔部104b、104cとを備えて構成されている。
【0078】
図6に示すように、本実施の形態に係る燃料通路108は、略Z状に形成されており、燃料改質剤が作用する距離を大きく設定している。
【0079】
上記コイル103は、上記燃料通路108の方向にほぼ沿うようにして巻回されている。これにより、燃料通路108の方向とほぼ直交する磁力線が発生する。
【0080】
磁力線の方向を燃料通路108と略直交するように設定することにより、磁力線による燃料の改質効果が高まる。
【0081】
図7は図6における VII−VII 線に沿う断面図である。また、図8は、図6におけるVIII−VIII線に沿う断面図である。これらの図に示すように、上記燃料通路108を上下から挟むようにして、改質剤収容部109,109が形成されており、この改質剤収容部109,109に粉体状の燃料改質剤113が収容されている。上記改質剤収容部109は、上記中間部104aの上面及び下面に形成された矩形状の凹部109a,109bと、この凹部109a,109bの開口部を封止する板状蓋部110a,110bとを備えて構成されている。上記凹部109a,109b及び上記蓋部110a,110bの内面には、ニッケルのベースコート層111と、金のコーティング層112とが積層形成されている。上記各コーティング層は、改質剤113を囲むように上記改質剤収容部109の内面全域に形成されている。
【0082】
図9に示すように、上記燃料改質装置101はコイル巻回部から鍔部104b,104cにいたる部分を、アルミ、あるいは又はポリカーボネート等の耐熱プラスチックで形成した保護ケース115で覆ったものである。上記保護ケースを設けることにより、巻回したコイル103を、水滴等から保護することができるとともに、冬季における保温効果を期待できる。
【0083】
図10に、本願発明の第3の実施の形態を示す。
【0084】
この実施の形態では、互いに直交する方向に巻回される磁力線発生コイル203a、203bを設けている。これにより、内部の燃料通路の方向に係わらず、二つの方向に向かう磁力線を作用させることが可能となり、燃料改質効果を高めることができる。また、二つのコイルに流す電流の種類も特に限定されることはなく、両方のコイルに同じ方向の電流を流してもよいし、一方のコイルに交流電流を、他方のコイルに直流電流を流してもよい。
【0085】
図11及び図12に、本願発明の第4の実施の形態を示す。
【0086】
この実施の形態では、コイルの巻回部304a,304aを中間部304bを挟んで二つ形成し、それぞれのコイル巻回部304a,304aに巻回されたコイル303,303に通電して磁力線を発生させるように構成している。これにより、磁力線の強度を高めることができる。また、上記第3の実施の形態と同様に、両方のコイルに同じ方向の電流を流してもよいし、一方のコイルに交流電流を、他方のコイルに直流電流を流してもよい。
【0087】
なお、本実施の形態では、蓋部310a,310bの外周部を、コイル巻回部304a,304aの鍔として利用している。
【0088】
図18に、本願発明の第5の実施の形態を示す。この図に示す燃料改質装置401では、改質剤収容部409に収容された燃料改質剤413及び燃料通路408を通過する燃料を加熱できる加熱手段を設けている。
【0089】
本実施の形態では、上記加熱手段として、シート状のヒータ450を採用するとともに、本体402の鍔部404bにセンサ穴を設け、燃料改質剤413の温度を測定できる温度センサ451を設けている。上記温度センサ451の出力は、制御装置452に出力され、上記シート状のヒータ450の電圧等を制御して、加熱温度を調節できるように構成している。
【0090】
燃料改質剤は、上記シート状ヒータ450及び制御装置452によって、冬季においても30℃〜60℃に保持するように構成するのが望ましい。一方、夏期においては、エンジンルームの温度は60℃以上になるため、上記シート状ヒータによる加熱は不要となり、上記制御装置によって、エンジンの起動時等に加熱を行うように制御するのが好ましい。なお、上記加熱手段は、シート状ヒータに限定されることはなく、他の形態の電熱ヒータを採用することもできる。
【0091】
また、ラジエータの温水を利用して加熱手段を構成することもできる。この場合、上記改質剤収容部の近傍に上記温水を通す温水通路を設けて構成することができる。
【0092】
【発明の効果】
トルマリンを主成分とする燃料改質剤を、上記流体燃料に接触させることなく、かつ真空状態で上記燃料通路近傍に保持しているため、燃料改質剤が劣化することなく、また、空気中の酸素等によって燃料改質効果が低下するのを防止できる。
【0093】
また、上記改質剤収容部に収容された燃料改質剤及び上記燃料通路を通過する燃料に磁力線を作用させることのできる磁力線発生手段を設けることにより、トルマリンの自己分極を促進して、電磁波及び陰イオンの放射作用を高めることができる。
【0094】
さらに、改質剤保持部と燃料通路とを一体的に形成することにより、燃料改質剤と燃料との間に、燃料改質効果を阻害する物質が介在する余地がなくなる。このため、高い燃料改質効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の第1の実施の形態に係る燃料改質装置の全体斜視図である。
【図2】図1における、II−II線に沿う断面図である。
【図3】図1における、 III−III 線に沿う断面図である。
【図4】図1における、IV−IV線に沿う断面図である。
【図5】本願発明の第2の実施の形態に係る燃料改質装置の全体斜視図である。
【図6】図5における、VI−VI線に沿う断面図である。
【図7】図6における、 VII−VII 線に沿う断面図である。
【図8】図6における、VIII−VIII線に沿う断面図である。
【図9】図5に示す燃料改質装置に、パンチングメタルで形成したカバーを装着した全体斜視図である。
【図10】本願発明の第3の実施の形態に係る燃料改質装置の全体斜視図である。
【図11】本願発明の第4の実施の形態に係る燃料改質装置の全体斜視図である。
【図12】図11におけるXII −XII 線に沿う断面図である。
【図13】燃料改質装置の燃費向上効果を示す表である。
【図14】燃料改質装置の燃費向上効果を示す表である。
【図15】燃料改質装置の燃費向上効果を示す表である。
【図16】燃料改質装置の燃費向上効果を示す表である。
【図17】燃料改質装置の燃費向上効果を示す表である。
【図18】本願発明の第5の実施の形態を示す図であり、図3に対応する断面図である。
【符号の説明】
1 燃料改質装置(燃焼材料改質装置)
3 磁力線発生手段
8 燃料通路(流体通路)
9 改質剤収容部
13 燃料改質剤(燃焼材料改質剤)
Claims (23)
- 流体通路を流動する燃焼材料を改質して、燃焼効率を向上させる燃焼材料改質装置であって、
トルマリンを主成分とする燃焼材料改質剤と、
上記燃焼材料改質剤を、上記燃焼材料に接触させることなく、かつ真空状態で上記流体通路近傍に保持できる改質剤収容部と、
上記改質剤収容部に収容された燃焼材料改質剤及び上記流体通路を通過する上記燃焼材料に磁力線を作用させることのできる磁力線発生手段とを備える、燃焼材料改質装置。 - 上記燃焼材料が、液体燃料及び/又はこれを燃焼させる空気である、請求項1に記載の燃焼材料改質装置。
- 上記燃焼材料改質剤は、トルマリン成分を少なくとも90重量%と、金、銀、白金族元素から選択した1又は2以上の成分を少なくとも0.2重量%とを含んで構成されている、請求項1又は請求項2のいずれかに記載の燃焼材料改質装置。
- 上記燃焼材料改質剤が粉体状又は粒体状に調整されている、請求項1から請求項3のいずれかに記載の燃焼材料改質装置。
- 上記改質剤収容部は、上記流体通路を少なくとも2方向から囲むように構成されている、請求項1から請求項4のいずれかに記載の燃焼材料改質装置。
- 上記改質剤収容部が、ゲージ圧で少なくとも0.1MP以上の真空度に保持されている、請求項1から請求項5のいずれかに記載の燃焼材料改質装置。
- 上記改質剤収容部の内面に金又は銀のコーティングが施されている、請求項1から請求項6のいずれかに記載の燃焼材料改質装置。
- 上記流体通路と上記改質剤収容部が、アルミブロック内に一体的に形成されている、請求項1から請求項7のいずれかに記載の燃焼材料改質装置。
- 上記磁力線発生手段が、上記改質剤収容部の外周に巻回された磁力線発生コイルである、請求項1から請求項8のいずれかに記載の燃焼材料改質装置。
- 上記流体通路における燃焼材料の流れ方向と略直交する磁力線又は/及び略平行な磁力線が形成されるように上記磁力線発生手段を構成した、請求項1から請求項9のいずれかに記載の燃焼材料改質装置。
- 上記燃焼材料改質剤及び/又は上記流体通路を通過する燃焼材料を加熱する加熱手段を設けた、請求項1から請求項10のいずれかに記載の燃焼材料改質装置。
- 上記加熱手段は、上記改質剤収容部及び/又は流体通路の外周部に配置された電熱ヒータである、請求項11に記載の燃焼材料改質装置。
- 上記電熱ヒータが、上記磁力線発生コイルの内側において上記改質剤収容部の外周に巻回されたシート状ヒータである、請求項12に記載の燃焼材料改質装置。
- 上記加熱手段は、上記改質剤収容部及び/又は上記流体通路近傍に設けられた温水通路である、請求項11に記載の燃焼材料改質装置。
- 上記加熱手段は、上記燃焼材料改質剤及び/又は燃焼材料の温度を所定範囲に保持できる温度制御手段を備えて構成される、請求項11から請求項14のいずれかに記載の燃焼材料改質装置。
- 流体通路を流動する燃焼材料を改質して燃焼効率を向上させる燃焼材料改質方法であって、
上記燃焼材料が通過する流体通路の近傍に、トルマリンを主成分とする燃焼材料改質剤を、上記燃焼材料に接触することなく,かつ真空状態で保持するとともに、
上記燃焼材料改質剤と上記流体通路を通過する上記燃焼材料に磁力線を作用させる、燃焼材料改質方法。 - 上記流体通路を流れる上記燃焼材料を、少なくとも2方向から囲むようにして上記燃焼材料改質剤を作用させる、請求項16に記載の燃焼材料改質方法。
- 上記磁力線の方向を、上記燃焼材料が流れる方向と略直交する方向及び/又は平行な方向に作用させる、請求項16又は請求項17のいずれかに記載の燃焼材料改質方法。
- 上記燃焼材料改質剤の周囲の圧力を、ゲージ圧で少なくとも0.1MP以上の真空度に保持して燃焼材料に作用させる、請求項16から請求項18のいずれかに記載の燃焼材料改質方法。
- 上記流体通路及び上記燃焼材料改質剤を囲むようにコイルを巻回することにより磁力線を発生させる、請求項16から請求項19のいずれかに記載の燃焼材料改質方法。
- 上記燃焼材料改質剤及び/又は上記燃焼材料を所定温度に加熱する、請求項16から請求項20のいずれかに記載の燃焼材料改質方法。
- 上記燃焼材料改質剤及び/又は上記燃焼材料を20℃〜60℃に加熱保持する、請求項21に記載の燃焼材料改質方法。
- トルマリン成分を少なくとも90重量%と、金、銀、白金族元素から選択した1又は2以上の成分を少なくとも0.2重量%含み、これらが粉体状又は粒体状に形成された、燃焼材料改質剤。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2009097363A (ja) * | 2007-10-15 | 2009-05-07 | Hiroshi Honma | 燃焼改善装置 |
JP2010530923A (ja) * | 2007-06-27 | 2010-09-16 | デイビッド ウィーラー | 燃料装置及び方法 |
WO2013082684A1 (pt) | 2011-12-05 | 2013-06-13 | Martins Valmeron | Bateria receptora, conversora, emissora do efeito ativo magnetohidroressonante, processo de preparo dos compostos hidroressonante e biomagnético, processo de preparo da bateria, e uso geral da mesma nos reinos mineral, vegetal e animal |
-
2003
- 2003-03-06 JP JP2003059746A patent/JP2004245206A/ja active Pending
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