JP2004244738A - ジェットルームにおける緯入れ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】エアの噴射圧の圧力波形を改善できる緯入れ装置を提供する。
【解決手段】緯入れ用補助ノズル群13〜16は、電磁開閉弁26を介して圧力上位のエアタンクであるブレストビーム19に接続されている。電磁開閉弁26は、ブレストビーム19に直結されている。又、緯入れ用補助ノズル群13〜16は、電磁開閉弁27を介して圧力下位のエアタンクであるフロントクロスレール20に接続されている。
【選択図】 図1
【解決手段】緯入れ用補助ノズル群13〜16は、電磁開閉弁26を介して圧力上位のエアタンクであるブレストビーム19に接続されている。電磁開閉弁26は、ブレストビーム19に直結されている。又、緯入れ用補助ノズル群13〜16は、電磁開閉弁27を介して圧力下位のエアタンクであるフロントクロスレール20に接続されている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ノズルのエア噴射作用によって緯糸を緯入れするジェットルームにおける緯入れ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ジェットルームにおいて複数種類の緯糸を緯入れする場合、特許文献1に開示されるように、緯入れ用補助ノズルからのエア噴射の圧力を緯糸種類別に設定する対策が図られる。
【0003】
特許文献1の緯入れ装置では、共通の電磁開閉弁と圧力選択用の電磁開閉弁とからなる高圧エア供給経路が高圧のエアタンクに接続されている。これらの電磁開閉弁は、エアタンクから緯入れ用補助ノズルへのエアの供給を制御するものである。又、共通の電磁開閉弁と逆止弁とからなる低圧エア供給経路が低圧のエアタンクに接続されている。緯入れ用補助ノズルに高圧エアを供給する場合には、共通の電磁開閉弁と圧力選択用の電磁開閉弁とが励磁される。緯入れ用補助ノズルに低圧エアを供給する場合には、共通の電磁開閉弁のみが励磁される。
【0004】
特許文献2では、織機のサイドフレームの間に差し渡された複数のステーのうちの1つをエアタンクとして利用している。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−273853号公報
【特許文献2】
実開平2−69983号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
緯糸を緯入れするには、緯入れ用補助ノズルにおけるエア噴射の圧力波形が安定していることが望ましい。特許文献1及び特許文献2のいずれにおいても、エアタンクから緯入れ用補助ノズルへのエア供給を制御する電磁開閉弁は、ホースを介してエアタンクに繋げられている。このようなホースの存在は、エアタンクから緯入れ用補助ノズルに至るエア経路長を長くするので、緯入れ用エアノズルから噴射されるエアの噴射圧の圧力波形が悪くなる。
【0007】
本発明は、エアの噴射圧の圧力波形を改善できる緯入れ装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
そのために請求項1の発明では、ノズルのエア噴射作用によって緯糸を緯入れするジェットルームを対象とし、請求項1の発明では、前記ノズルへ供給されるエアを貯えておく圧力の異なる複数のエアタンクと、前記複数のエアタンクに1対1に対応し、対応するエアタンクから前記ノズルへエアを供給可能な状態と、対応するエアタンクから前記ノズルへエアを供給不能な状態とに切り換えられる複数の電磁開閉弁とを備えた緯入れ装置を構成し、織機の骨格を構成する左右のサイドフレームに架設された複数のビーム体のうち、前記ノズルに最も近いビーム体を前記複数のエアタンクのうちの圧力最上位のエアタンクとし、前記圧力最上位のエアタンクに対応する電磁開閉弁を前記圧力最上位のエアタンクに直結した。
【0009】
ここにおける直結とは、ホース等の配管部材を用いないでエアタンクから電磁開閉弁へエアを供給可能に、エアタンクに電磁開閉弁を取り付けることをいう。圧力最上位のエアタンクに対応する電磁開閉弁が圧力最上位のエアタンクに直結されるので、圧力最上位のエアタンクからこのエアタンクに対応する電磁開閉弁に至るエア経路長が最短となり、最も高いエア噴射圧の圧力波形が安定する。又、圧力最上位のエアタンクにビーム体を用いるので、専用のエアタンクを用いた場合に比べて構成が簡素になる。
【0010】
請求項2の発明では、請求項1において、前記複数のビーム体のうちの少なくとも1つを前記圧力最上位以外のエアタンクとした。
圧力最上位以外の少なくとも1つのエアタンクにビーム体を用いるので、この電磁開閉弁と専用のエアタンクを用いた場合に比べて構成が簡素になる。
【0011】
請求項3の発明では、請求項1及び請求項2のいずれか1項において、前記圧力最上位以外のエアタンクに対応する電磁開閉弁を前記圧力最上位のエアタンクに取り付け、前記圧力最上位以外のエアタンクに対応する前記電磁開閉弁を対応するエアタンクにエアホースを介して接続した。
【0012】
圧力最上位以外のエアタンクに対応する電磁開閉弁を圧力最上位のエアタンクに取り付ける構成は、この電磁開閉弁と前記ノズルとの間のエア経路長を短くする上で好適である。このエア経路長の短縮化は、ノズルにおけるエア噴射圧の波形を安定させる上で有効である。
【0013】
請求項4の発明では、請求項3において、前記複数のエアタンクから前記ノズルにエアを供給するための複数の専用流路を設けると共に、前記複数の専用流路上に前記複数の電磁開閉弁を1対1に介在し、前記複数の電磁開閉弁の下流側で前記専用流路を合流して前記ノズルに連通させる共通流路を設け、ソレノイド部と弁部とを備えた前記電磁開閉弁を構成し、前記共通流路と前記複数の電磁開閉弁との間の専用流路を前記弁部内に設け、前記圧力最上位のエアタンクに対応する電磁開閉弁の弁部内に前記共通流路を設け、前記圧力最上位以外のエアタンクに対応する電磁開閉弁の弁部を前記圧力最上位のエアタンクに対応する電磁開閉弁の弁部に一体化した。
【0014】
このような一体化は、圧力最上位以外のエアタンクに対応する電磁開閉弁の弁体よりも下流の流路容積を減らす上で有効である。電磁開閉弁よりも下流の流路容積の低減は、エア噴射圧の立ち下がりを早めるのに有効である。
【0015】
請求項5の発明では、請求項3及び請求項4のいずれか1項において、前記エアホース上に逆止弁を介在した。
逆止弁は、圧力最上位のエアタンクのエアが圧力下位側のエアタンク側へ逆流するのを防止する。逆止弁は、エアホースの上流端又は下流端、あるいはエアホースの途中のいずれにあってもよい。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図5に基づいて説明する。
図2(a)は、織機10の側面を示し、1は、経糸Tを巻いたワープビームであり、2は、製織された織布Wを巻きとるクロスロールである。織機の一方のサイドフレーム3と他方のサイドフレーム4(図1に図示)とにはフロントクロスレール20、バッククロスレール6、センタークロスレール7、ブレストビーム19が架設して固定されている。中空形状のブレストビーム19、中空形状のフロントクロスレール20、バッククロスレール6及びセンタークロスレール7は、織機の骨格を構成する左右のサイドフレーム3,4に架設されたビーム体である。
【0017】
図2(b)に示すように、往復駆動されるロッキングシャフト5にはスレイ8が支持されており、スレイ8上には変形筬9が立設されている。図1に示す緯入れ用メインノズル11,12から経糸Tの開口内へ射出された緯糸Y1,Y2は、変形筬9に形成された緯入れ通路91内を飛走する。変形筬9は、ロッキングシャフト5の往復駆動によって図2(b)の実線位置と鎖線位置との間で往復揺動し、緯入れされた緯糸Y1,Y2が織布Wの織前W1に筬打ちされる。緯入れ用補助ノズル群13〜16は、スレイ8の前面に装着されている。
【0018】
図1に示すように、一対の緯入れ用メインノズル11,12は、予め設定された緯糸選択パターンに従って緯糸Y1,Y2を経糸の開口内へ射出する。緯入れ用補助ノズル群13,14,15,16は、緯入れ用メインノズル11,12側からリレー噴射する。このリレー噴射が経糸の開口内へ射出された緯糸Y1,Y2を牽引する。緯入れ用メインノズル11,12は、電磁開閉弁17,18を介して図示しないエアタンクに接続されており、このエアタンクは図示しない圧力エア供給源から圧力エアの供給を受ける。電磁開閉弁17,18は、緯糸選択パターンに従って励消磁制御される。
【0019】
緯入れ用補助ノズル群13〜16は、エアタンクとなっているブレストビーム19と、エアタンクとなっているフロントクロスレール20とから圧力エアを供給される。ブレストビーム19は、供給管路21を介して前記圧力エア供給源に接続されており、供給管路21上には圧力調整器22が介在されている。圧力調整器22は、ブレストビーム19内の圧力を設定する圧力調整手段である。
【0020】
フロントクロスレール20は、供給管路23を介して供給管路21に接続されており、供給管路23上には圧力調整器24が介在されている。圧力調整器24は、フロントクロスレール20内の圧力を設定する圧力調整手段である。
【0021】
本実施の形態では、ブレストビーム19内の圧力がフロントクロスレール20内の圧力よりも高圧に設定されている。ブレストビーム19は、圧力最上位のエアタンクとなり、フロントクロスレール20は圧力下位のエアタンクとなる。
【0022】
緯入れ用補助ノズル群13〜16は、電磁開閉弁26を介して圧力最上位のブレストビーム19に接続されている。又、緯入れ用補助ノズル群13〜16は、電磁開閉弁27及び専用管路であるエアホース28を介して圧力下位のフロントクロスレール20に接続されている。
【0023】
図4及び図5に示すように、電磁開閉弁26,27は、ソレノイド部29,33と弁部30,34とからなる。弁部30,34は、互いに結合して一体化されている。図5に示すように、電磁開閉弁26の弁部30は、バルブハウジング31と、バルブハウジング31内に収容された弁体32とを備えている。バルブハウジング31には流入流路311、共通流路312、複数の分配流路313及び流出流路314(図4に図示)が形成されている。弁体32は、復帰ばね291のばね力によって共通流路312側に付勢されている。分配流路313は、共通流路312から分岐している。分配流路313には緯入れ用補助ノズル群13〜16がフレキシブルチューブ25を介して接続されている。ソレノイド部29が励磁されていないときには、弁体32は、流入流路311と共通流路312との連通を遮断する。ソレノイド部29が励磁されたときには、弁体32は、流入流路311と共通流路312とを連通する弁開位置に配置される。バルブハウジング31は、ブレストビーム19に取り付けられており、流入流路311がブレストビーム19に直通している。つまり、電磁開閉弁26は、圧力最上位のエアタンクであるブレストビーム19に直結されている。ここにおける直結とは、ホース等の配管部材を用いないでブレストビーム19から電磁開閉弁26へエアを供給可能に、ブレストビーム19に電磁開閉弁26が取り付けられていることをいう。
【0024】
図4に示すように、電磁開閉弁27の弁部34は、バルブハウジング35と、バルブハウジング35内に収容された弁体36とを備えている。バルブハウジング35には流入流路351及び流出流路352が形成されている。弁体36は、復帰ばね331のばね力によって流出流路352側に付勢されている。流入流路351は、エアホース28を介してフロントクロスレール20に連通している。バルブハウジング35は、バルブハウジング31に結合されていると共に、ブレストビーム19に取り付けられており、バルブハウジング35側の流出流路352がバルブハウジング31側の流出流路314に直通している。
【0025】
電磁開閉弁26の弁部30における流入流路311は、ブレストビーム19に対応する専用流路である。電磁開閉弁27の弁部34における流入流路351、流出流路352、及び電磁開閉弁26の弁部30における流出流路314は、フロントクロスレール20に対応する専用流路である。電磁開閉弁26,27は、専用流路上に1対1に介在されている。電磁開閉弁26,27の下流側で前記専用流路を合流させる共通流路312は、圧力最上位のブレストビーム19に対応する電磁開閉弁26の弁部30内に設けられている。専用流路及び共通流路を含む弁部30,34は、バルブハウジング31,35を互いに結合することによって一体化されている。
【0026】
エアホース28の途中には逆止弁37が介在されている。逆止弁37は、フロントクロスレール20側から電磁開閉弁27側へのエア流を許容するが、電磁開閉弁27側からフロントクロスレール20側へのエアの逆流を阻止する。
【0027】
図1及び図3に示すように、電磁開閉弁17,18,26,27は、制御コンピュータCの励消磁制御を受ける。制御コンピュータCは、織機回転角度検出用のロータリエンコーダ38から得られる織機回転角度検出情報に基づいて電磁開閉弁17,18,26,27の励消磁を制御する。図1に示すように、緯糸Y1を緯入れするときには電磁開閉弁17,26が励磁される。電磁開閉弁26が励磁されると、圧力最上位のブレストビーム19の圧力エアが流入流路311、共通流路312及び分配流路313を経由して緯入れ用補助ノズル群13〜16へ供給される。図3に示すように、緯糸Y2を緯入れするときには電磁開閉弁18,27が励磁される。電磁開閉弁27が励磁されると、圧力下位のフロントクロスレール20の圧力エアがエアホース28、流入流路351、流出流路352,314、共通流路312及び分配流路313を経由して緯入れ用補助ノズル群13〜16へ供給される。
【0028】
電磁開閉弁26が消磁状態にあるときには、電磁開閉弁26は、対応するエアタンクであるブレストビーム19から緯入れ用補助ノズル群13〜16へエアを供給不能な状態にある。電磁開閉弁27が消磁状態にあるときには、電磁開閉弁27は、対応するエアタンクであるフロントクロスレール20から緯入れ用補助ノズル群13〜16へエアを供給不能な状態にある。電磁開閉弁26,27は、励消磁の切り換えによって、対応するエアタンクから緯入れ用補助ノズル群13〜16へエアを供給可能な状態と供給不能な状態とに切り換えられる。
【0029】
第1の実施の形態では以下の効果が得られる。
(1−1)圧力最上位のエアタンクであるブレストビーム19に対応する電磁開閉弁26は、ブレストビーム19に直結されているので、ブレストビーム19から電磁開閉弁26に至るエア経路長が最短となる。そのため、ブレストビーム19のエアを用いた場合の緯入れ用補助ノズル群13〜16におけるエア噴射圧の圧力波形が安定する。又、圧力最上位のエアタンクとしてビーム体の1つであるブレストビーム19を用いるので、専用のエアタンクを用いた場合に比べて構成が簡素になる。
【0030】
(1−2)圧力最下位のエアタンクであるフロントクロスレール20に対応する電磁開閉弁27は、圧力最上位のエアタンクであるブレストビーム19に取り付けられている。そして、電磁開閉弁27は、対応するエアタンクであるフロントクロスレール20にエアホース28を介して接続されている。このように、圧力最上位以外のエアタンクとしてビーム体を用いるので、専用のエアタンクを用いた場合に比べて構成が簡素になる。
【0031】
(1−3)フロントクロスレール20のエアは、エアホース28を介して電磁開閉弁27へ供給されるので、フロントクロスレール20から電磁開閉弁27に至るエア経路長が長くなる。そのため、フロントクロスレール20のエアを用いた場合の緯入れ用補助ノズル群13〜16におけるエア噴射圧の圧力波形は、ブレストビーム19のエアを用いた場合の緯入れ用補助ノズル群13〜16におけるエア噴射圧の圧力波形に比べて多少悪くなる。しかし、フロントクロスレール20のエアを用いて緯入れされる緯糸Y2は、ブレストビーム19のエアよりも低い圧力のエアでも飛走するので、フロントクロスレール20のエア供給流量を特に増やさなくとも、緯糸Y2の良好な緯入れが行われる。
【0032】
(1−4)図2(a)に示す39は、フェルプレートといわれるものである。フェルプレート39は、織布Wの織前W1が筬打ち時に下方へ下がり過ぎないように、織前W1付近の織布を下支えするものである。フェルプレート39は、ブレストビーム19に支持されている。フェルプレート39を支持するためにブレストビーム19は、変形筬9の揺動領域の近く、従って緯入れ用補助ノズル群13〜16の揺動領域の近くにある。圧力の高いエアタンクは、このエアタンクから緯入れ用補助ノズル群13〜16に至るエア経路を可及的に短くするために、緯入れ用補助ノズル群13〜16の揺動領域の近くにあるのがよい。ブレストビーム19は、織機の骨格を構成する左右のサイドフレーム3,4に架設された複数のビーム体のうち、補助ノズル群13〜16に最も近いビーム体である。従って、ブレストビーム19は、圧力最上位のエアタンクとして最適である。
【0033】
(1−5)電磁開閉弁26,27と緯入れ用補助ノズル群13〜16との間のエア経路長、つまりフレキシブルチューブ25の長さが大きいと、緯入れ用補助ノズル群13〜16におけるエア噴射圧の波形を大層悪くする。電磁開閉弁26,27の両方をブレストビーム19に取り付けた構成は、電磁開閉弁26,27と緯入れ用補助ノズル群13〜16との間のエア経路長を短くする上で好適である。
【0034】
(1−6)電磁開閉弁26,27の弁体32,36よりも下流の弁部30,34内の流路容積は、流出流路352,314、共通流路312及び分配流路313の各容積の和である。これらの容積の和が小さいほど、緯入れ用補助ノズル群13〜16におけるエア噴射圧の立ち下がりが早くなる。緯入れ用補助ノズル群13〜16におけるエア噴射圧の早い立ち下がりは、良好な緯入れの達成に寄与する。弁部30,34の一体化は、弁体32,36よりも下流の弁部30,34内における流路長を短くする上で有利である。即ち、弁部30,34の一体化は、弁体32,36よりも下流の流路容積を減らす上で有効である。
【0035】
(1−7)複数の分配流路313は、圧力最上位のブレストビーム19に対応する電磁開閉弁26の弁部30内に設けられている。共通流路312を有する弁部30に複数の分配流路313を設ける構成は、分配流路313の容積を減らす上で簡便である。
【0036】
本発明では、以下のような実施の形態も可能である。
(1)圧力の異なる3つ以上のエアタンクから緯入れ用補助ノズルにエアを供給するジェットルームに本発明を適用すること。
【0037】
この場合、図2(a)に示すバッククロスレール6やセンタークロスレール7を中空形状にし、圧力最上位以外のエアタンクとして用いればよい。
(2)単一の緯入れ用メインノズルに圧力の異なる複数のエアタンクからエアを供給するジェットルームに本発明を適用すること。このようなジェットルームは、例えば製織中に織機回転速度を変化させる織機である。一例としてタオル織機があげられ、ボーダー織りとパイル織りとにおける一方から他方への移行時に織機の回転速度が変えられる。
【0038】
(3)前記した実施の形態では、エアホース28上に逆止弁を介在したが、流出流路352上あるいは流出流路314上に逆止弁を介在してもよい。
(4)前記した実施の形態では、電磁開閉弁27をブレストビーム19に直接取り付けたが、電磁開閉弁26を介してブレストビーム19に電磁開閉弁27を間接的に取り付けてもよい。つまり、電磁開閉弁27をブレストビーム19に直接取り付けないで、ブレストビーム19に直接取り付けられる電磁開閉弁26の弁部30に電磁開閉弁27の弁部34を結合させるだけでもよい。
【0039】
(5)緯入れされた緯糸の先端部を緯入れ末端側でノズルからの噴射エア流によって捕捉して緯糸に張力を付与する装置に適用すること。このような張力付与装置は緯入れ装置の一部である。この場合、緯糸の先端部を捕捉するためのノズルは、前記した実施の形態のように圧力の異なる複数のエアタンクから緯糸種類に応じてエア供給を受けることになる。
【0040】
前記した実施の形態から把握できる技術的思想について以下に記載する。
〔1〕請求項4において、前記圧力最上位のエアタンクに対応する電磁開閉弁の弁部は、前記共通流路に連通する複数の分配流路を備えているジェットルームにおける緯入れ装置。
【0041】
〔2〕請求項1乃至請求項5及び前記〔1〕項において、前記ノズルは、経糸の開口内を飛走する緯糸に対してエアを作用させる緯入れ用補助ノズルであるジェットルームにおける緯入れ装置。
【0042】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明では、エアの噴射圧の圧力波形を改善できるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態を示し、一方の緯糸を射出した状態を示すエア配管図。
【図2】(a)は、織機の側面図。(b)は、要部側断面図。
【図3】他方の緯糸を射出した状態を示すエア配管図。
【図4】要部正断面図。
【図5】図4のA−A線断面図。
【符号の説明】
3,4…サイドフレーム。10…織機。13〜16…緯入れ用補助ノズル群。19…圧力最上位のエアタンクであってビーム体であるブレストビーム。20…圧力最下位のエアタンクであってビーム体であるフロントクロスレール。26…圧力最上位のエアタンクに対応する電磁開閉弁。27…圧力最下位のエアタンクに対応する電磁開閉弁。28…エアホース。29,33…ソレノイド部。30,34…弁部。311…ブレストビームに対応する専用流路としての流入流路。312…共通流路。314,352…フロントクロスレールに対応する専用流路を構成する流出流路。37…逆止弁。Y1,Y2…緯糸。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ノズルのエア噴射作用によって緯糸を緯入れするジェットルームにおける緯入れ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ジェットルームにおいて複数種類の緯糸を緯入れする場合、特許文献1に開示されるように、緯入れ用補助ノズルからのエア噴射の圧力を緯糸種類別に設定する対策が図られる。
【0003】
特許文献1の緯入れ装置では、共通の電磁開閉弁と圧力選択用の電磁開閉弁とからなる高圧エア供給経路が高圧のエアタンクに接続されている。これらの電磁開閉弁は、エアタンクから緯入れ用補助ノズルへのエアの供給を制御するものである。又、共通の電磁開閉弁と逆止弁とからなる低圧エア供給経路が低圧のエアタンクに接続されている。緯入れ用補助ノズルに高圧エアを供給する場合には、共通の電磁開閉弁と圧力選択用の電磁開閉弁とが励磁される。緯入れ用補助ノズルに低圧エアを供給する場合には、共通の電磁開閉弁のみが励磁される。
【0004】
特許文献2では、織機のサイドフレームの間に差し渡された複数のステーのうちの1つをエアタンクとして利用している。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−273853号公報
【特許文献2】
実開平2−69983号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
緯糸を緯入れするには、緯入れ用補助ノズルにおけるエア噴射の圧力波形が安定していることが望ましい。特許文献1及び特許文献2のいずれにおいても、エアタンクから緯入れ用補助ノズルへのエア供給を制御する電磁開閉弁は、ホースを介してエアタンクに繋げられている。このようなホースの存在は、エアタンクから緯入れ用補助ノズルに至るエア経路長を長くするので、緯入れ用エアノズルから噴射されるエアの噴射圧の圧力波形が悪くなる。
【0007】
本発明は、エアの噴射圧の圧力波形を改善できる緯入れ装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
そのために請求項1の発明では、ノズルのエア噴射作用によって緯糸を緯入れするジェットルームを対象とし、請求項1の発明では、前記ノズルへ供給されるエアを貯えておく圧力の異なる複数のエアタンクと、前記複数のエアタンクに1対1に対応し、対応するエアタンクから前記ノズルへエアを供給可能な状態と、対応するエアタンクから前記ノズルへエアを供給不能な状態とに切り換えられる複数の電磁開閉弁とを備えた緯入れ装置を構成し、織機の骨格を構成する左右のサイドフレームに架設された複数のビーム体のうち、前記ノズルに最も近いビーム体を前記複数のエアタンクのうちの圧力最上位のエアタンクとし、前記圧力最上位のエアタンクに対応する電磁開閉弁を前記圧力最上位のエアタンクに直結した。
【0009】
ここにおける直結とは、ホース等の配管部材を用いないでエアタンクから電磁開閉弁へエアを供給可能に、エアタンクに電磁開閉弁を取り付けることをいう。圧力最上位のエアタンクに対応する電磁開閉弁が圧力最上位のエアタンクに直結されるので、圧力最上位のエアタンクからこのエアタンクに対応する電磁開閉弁に至るエア経路長が最短となり、最も高いエア噴射圧の圧力波形が安定する。又、圧力最上位のエアタンクにビーム体を用いるので、専用のエアタンクを用いた場合に比べて構成が簡素になる。
【0010】
請求項2の発明では、請求項1において、前記複数のビーム体のうちの少なくとも1つを前記圧力最上位以外のエアタンクとした。
圧力最上位以外の少なくとも1つのエアタンクにビーム体を用いるので、この電磁開閉弁と専用のエアタンクを用いた場合に比べて構成が簡素になる。
【0011】
請求項3の発明では、請求項1及び請求項2のいずれか1項において、前記圧力最上位以外のエアタンクに対応する電磁開閉弁を前記圧力最上位のエアタンクに取り付け、前記圧力最上位以外のエアタンクに対応する前記電磁開閉弁を対応するエアタンクにエアホースを介して接続した。
【0012】
圧力最上位以外のエアタンクに対応する電磁開閉弁を圧力最上位のエアタンクに取り付ける構成は、この電磁開閉弁と前記ノズルとの間のエア経路長を短くする上で好適である。このエア経路長の短縮化は、ノズルにおけるエア噴射圧の波形を安定させる上で有効である。
【0013】
請求項4の発明では、請求項3において、前記複数のエアタンクから前記ノズルにエアを供給するための複数の専用流路を設けると共に、前記複数の専用流路上に前記複数の電磁開閉弁を1対1に介在し、前記複数の電磁開閉弁の下流側で前記専用流路を合流して前記ノズルに連通させる共通流路を設け、ソレノイド部と弁部とを備えた前記電磁開閉弁を構成し、前記共通流路と前記複数の電磁開閉弁との間の専用流路を前記弁部内に設け、前記圧力最上位のエアタンクに対応する電磁開閉弁の弁部内に前記共通流路を設け、前記圧力最上位以外のエアタンクに対応する電磁開閉弁の弁部を前記圧力最上位のエアタンクに対応する電磁開閉弁の弁部に一体化した。
【0014】
このような一体化は、圧力最上位以外のエアタンクに対応する電磁開閉弁の弁体よりも下流の流路容積を減らす上で有効である。電磁開閉弁よりも下流の流路容積の低減は、エア噴射圧の立ち下がりを早めるのに有効である。
【0015】
請求項5の発明では、請求項3及び請求項4のいずれか1項において、前記エアホース上に逆止弁を介在した。
逆止弁は、圧力最上位のエアタンクのエアが圧力下位側のエアタンク側へ逆流するのを防止する。逆止弁は、エアホースの上流端又は下流端、あるいはエアホースの途中のいずれにあってもよい。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図5に基づいて説明する。
図2(a)は、織機10の側面を示し、1は、経糸Tを巻いたワープビームであり、2は、製織された織布Wを巻きとるクロスロールである。織機の一方のサイドフレーム3と他方のサイドフレーム4(図1に図示)とにはフロントクロスレール20、バッククロスレール6、センタークロスレール7、ブレストビーム19が架設して固定されている。中空形状のブレストビーム19、中空形状のフロントクロスレール20、バッククロスレール6及びセンタークロスレール7は、織機の骨格を構成する左右のサイドフレーム3,4に架設されたビーム体である。
【0017】
図2(b)に示すように、往復駆動されるロッキングシャフト5にはスレイ8が支持されており、スレイ8上には変形筬9が立設されている。図1に示す緯入れ用メインノズル11,12から経糸Tの開口内へ射出された緯糸Y1,Y2は、変形筬9に形成された緯入れ通路91内を飛走する。変形筬9は、ロッキングシャフト5の往復駆動によって図2(b)の実線位置と鎖線位置との間で往復揺動し、緯入れされた緯糸Y1,Y2が織布Wの織前W1に筬打ちされる。緯入れ用補助ノズル群13〜16は、スレイ8の前面に装着されている。
【0018】
図1に示すように、一対の緯入れ用メインノズル11,12は、予め設定された緯糸選択パターンに従って緯糸Y1,Y2を経糸の開口内へ射出する。緯入れ用補助ノズル群13,14,15,16は、緯入れ用メインノズル11,12側からリレー噴射する。このリレー噴射が経糸の開口内へ射出された緯糸Y1,Y2を牽引する。緯入れ用メインノズル11,12は、電磁開閉弁17,18を介して図示しないエアタンクに接続されており、このエアタンクは図示しない圧力エア供給源から圧力エアの供給を受ける。電磁開閉弁17,18は、緯糸選択パターンに従って励消磁制御される。
【0019】
緯入れ用補助ノズル群13〜16は、エアタンクとなっているブレストビーム19と、エアタンクとなっているフロントクロスレール20とから圧力エアを供給される。ブレストビーム19は、供給管路21を介して前記圧力エア供給源に接続されており、供給管路21上には圧力調整器22が介在されている。圧力調整器22は、ブレストビーム19内の圧力を設定する圧力調整手段である。
【0020】
フロントクロスレール20は、供給管路23を介して供給管路21に接続されており、供給管路23上には圧力調整器24が介在されている。圧力調整器24は、フロントクロスレール20内の圧力を設定する圧力調整手段である。
【0021】
本実施の形態では、ブレストビーム19内の圧力がフロントクロスレール20内の圧力よりも高圧に設定されている。ブレストビーム19は、圧力最上位のエアタンクとなり、フロントクロスレール20は圧力下位のエアタンクとなる。
【0022】
緯入れ用補助ノズル群13〜16は、電磁開閉弁26を介して圧力最上位のブレストビーム19に接続されている。又、緯入れ用補助ノズル群13〜16は、電磁開閉弁27及び専用管路であるエアホース28を介して圧力下位のフロントクロスレール20に接続されている。
【0023】
図4及び図5に示すように、電磁開閉弁26,27は、ソレノイド部29,33と弁部30,34とからなる。弁部30,34は、互いに結合して一体化されている。図5に示すように、電磁開閉弁26の弁部30は、バルブハウジング31と、バルブハウジング31内に収容された弁体32とを備えている。バルブハウジング31には流入流路311、共通流路312、複数の分配流路313及び流出流路314(図4に図示)が形成されている。弁体32は、復帰ばね291のばね力によって共通流路312側に付勢されている。分配流路313は、共通流路312から分岐している。分配流路313には緯入れ用補助ノズル群13〜16がフレキシブルチューブ25を介して接続されている。ソレノイド部29が励磁されていないときには、弁体32は、流入流路311と共通流路312との連通を遮断する。ソレノイド部29が励磁されたときには、弁体32は、流入流路311と共通流路312とを連通する弁開位置に配置される。バルブハウジング31は、ブレストビーム19に取り付けられており、流入流路311がブレストビーム19に直通している。つまり、電磁開閉弁26は、圧力最上位のエアタンクであるブレストビーム19に直結されている。ここにおける直結とは、ホース等の配管部材を用いないでブレストビーム19から電磁開閉弁26へエアを供給可能に、ブレストビーム19に電磁開閉弁26が取り付けられていることをいう。
【0024】
図4に示すように、電磁開閉弁27の弁部34は、バルブハウジング35と、バルブハウジング35内に収容された弁体36とを備えている。バルブハウジング35には流入流路351及び流出流路352が形成されている。弁体36は、復帰ばね331のばね力によって流出流路352側に付勢されている。流入流路351は、エアホース28を介してフロントクロスレール20に連通している。バルブハウジング35は、バルブハウジング31に結合されていると共に、ブレストビーム19に取り付けられており、バルブハウジング35側の流出流路352がバルブハウジング31側の流出流路314に直通している。
【0025】
電磁開閉弁26の弁部30における流入流路311は、ブレストビーム19に対応する専用流路である。電磁開閉弁27の弁部34における流入流路351、流出流路352、及び電磁開閉弁26の弁部30における流出流路314は、フロントクロスレール20に対応する専用流路である。電磁開閉弁26,27は、専用流路上に1対1に介在されている。電磁開閉弁26,27の下流側で前記専用流路を合流させる共通流路312は、圧力最上位のブレストビーム19に対応する電磁開閉弁26の弁部30内に設けられている。専用流路及び共通流路を含む弁部30,34は、バルブハウジング31,35を互いに結合することによって一体化されている。
【0026】
エアホース28の途中には逆止弁37が介在されている。逆止弁37は、フロントクロスレール20側から電磁開閉弁27側へのエア流を許容するが、電磁開閉弁27側からフロントクロスレール20側へのエアの逆流を阻止する。
【0027】
図1及び図3に示すように、電磁開閉弁17,18,26,27は、制御コンピュータCの励消磁制御を受ける。制御コンピュータCは、織機回転角度検出用のロータリエンコーダ38から得られる織機回転角度検出情報に基づいて電磁開閉弁17,18,26,27の励消磁を制御する。図1に示すように、緯糸Y1を緯入れするときには電磁開閉弁17,26が励磁される。電磁開閉弁26が励磁されると、圧力最上位のブレストビーム19の圧力エアが流入流路311、共通流路312及び分配流路313を経由して緯入れ用補助ノズル群13〜16へ供給される。図3に示すように、緯糸Y2を緯入れするときには電磁開閉弁18,27が励磁される。電磁開閉弁27が励磁されると、圧力下位のフロントクロスレール20の圧力エアがエアホース28、流入流路351、流出流路352,314、共通流路312及び分配流路313を経由して緯入れ用補助ノズル群13〜16へ供給される。
【0028】
電磁開閉弁26が消磁状態にあるときには、電磁開閉弁26は、対応するエアタンクであるブレストビーム19から緯入れ用補助ノズル群13〜16へエアを供給不能な状態にある。電磁開閉弁27が消磁状態にあるときには、電磁開閉弁27は、対応するエアタンクであるフロントクロスレール20から緯入れ用補助ノズル群13〜16へエアを供給不能な状態にある。電磁開閉弁26,27は、励消磁の切り換えによって、対応するエアタンクから緯入れ用補助ノズル群13〜16へエアを供給可能な状態と供給不能な状態とに切り換えられる。
【0029】
第1の実施の形態では以下の効果が得られる。
(1−1)圧力最上位のエアタンクであるブレストビーム19に対応する電磁開閉弁26は、ブレストビーム19に直結されているので、ブレストビーム19から電磁開閉弁26に至るエア経路長が最短となる。そのため、ブレストビーム19のエアを用いた場合の緯入れ用補助ノズル群13〜16におけるエア噴射圧の圧力波形が安定する。又、圧力最上位のエアタンクとしてビーム体の1つであるブレストビーム19を用いるので、専用のエアタンクを用いた場合に比べて構成が簡素になる。
【0030】
(1−2)圧力最下位のエアタンクであるフロントクロスレール20に対応する電磁開閉弁27は、圧力最上位のエアタンクであるブレストビーム19に取り付けられている。そして、電磁開閉弁27は、対応するエアタンクであるフロントクロスレール20にエアホース28を介して接続されている。このように、圧力最上位以外のエアタンクとしてビーム体を用いるので、専用のエアタンクを用いた場合に比べて構成が簡素になる。
【0031】
(1−3)フロントクロスレール20のエアは、エアホース28を介して電磁開閉弁27へ供給されるので、フロントクロスレール20から電磁開閉弁27に至るエア経路長が長くなる。そのため、フロントクロスレール20のエアを用いた場合の緯入れ用補助ノズル群13〜16におけるエア噴射圧の圧力波形は、ブレストビーム19のエアを用いた場合の緯入れ用補助ノズル群13〜16におけるエア噴射圧の圧力波形に比べて多少悪くなる。しかし、フロントクロスレール20のエアを用いて緯入れされる緯糸Y2は、ブレストビーム19のエアよりも低い圧力のエアでも飛走するので、フロントクロスレール20のエア供給流量を特に増やさなくとも、緯糸Y2の良好な緯入れが行われる。
【0032】
(1−4)図2(a)に示す39は、フェルプレートといわれるものである。フェルプレート39は、織布Wの織前W1が筬打ち時に下方へ下がり過ぎないように、織前W1付近の織布を下支えするものである。フェルプレート39は、ブレストビーム19に支持されている。フェルプレート39を支持するためにブレストビーム19は、変形筬9の揺動領域の近く、従って緯入れ用補助ノズル群13〜16の揺動領域の近くにある。圧力の高いエアタンクは、このエアタンクから緯入れ用補助ノズル群13〜16に至るエア経路を可及的に短くするために、緯入れ用補助ノズル群13〜16の揺動領域の近くにあるのがよい。ブレストビーム19は、織機の骨格を構成する左右のサイドフレーム3,4に架設された複数のビーム体のうち、補助ノズル群13〜16に最も近いビーム体である。従って、ブレストビーム19は、圧力最上位のエアタンクとして最適である。
【0033】
(1−5)電磁開閉弁26,27と緯入れ用補助ノズル群13〜16との間のエア経路長、つまりフレキシブルチューブ25の長さが大きいと、緯入れ用補助ノズル群13〜16におけるエア噴射圧の波形を大層悪くする。電磁開閉弁26,27の両方をブレストビーム19に取り付けた構成は、電磁開閉弁26,27と緯入れ用補助ノズル群13〜16との間のエア経路長を短くする上で好適である。
【0034】
(1−6)電磁開閉弁26,27の弁体32,36よりも下流の弁部30,34内の流路容積は、流出流路352,314、共通流路312及び分配流路313の各容積の和である。これらの容積の和が小さいほど、緯入れ用補助ノズル群13〜16におけるエア噴射圧の立ち下がりが早くなる。緯入れ用補助ノズル群13〜16におけるエア噴射圧の早い立ち下がりは、良好な緯入れの達成に寄与する。弁部30,34の一体化は、弁体32,36よりも下流の弁部30,34内における流路長を短くする上で有利である。即ち、弁部30,34の一体化は、弁体32,36よりも下流の流路容積を減らす上で有効である。
【0035】
(1−7)複数の分配流路313は、圧力最上位のブレストビーム19に対応する電磁開閉弁26の弁部30内に設けられている。共通流路312を有する弁部30に複数の分配流路313を設ける構成は、分配流路313の容積を減らす上で簡便である。
【0036】
本発明では、以下のような実施の形態も可能である。
(1)圧力の異なる3つ以上のエアタンクから緯入れ用補助ノズルにエアを供給するジェットルームに本発明を適用すること。
【0037】
この場合、図2(a)に示すバッククロスレール6やセンタークロスレール7を中空形状にし、圧力最上位以外のエアタンクとして用いればよい。
(2)単一の緯入れ用メインノズルに圧力の異なる複数のエアタンクからエアを供給するジェットルームに本発明を適用すること。このようなジェットルームは、例えば製織中に織機回転速度を変化させる織機である。一例としてタオル織機があげられ、ボーダー織りとパイル織りとにおける一方から他方への移行時に織機の回転速度が変えられる。
【0038】
(3)前記した実施の形態では、エアホース28上に逆止弁を介在したが、流出流路352上あるいは流出流路314上に逆止弁を介在してもよい。
(4)前記した実施の形態では、電磁開閉弁27をブレストビーム19に直接取り付けたが、電磁開閉弁26を介してブレストビーム19に電磁開閉弁27を間接的に取り付けてもよい。つまり、電磁開閉弁27をブレストビーム19に直接取り付けないで、ブレストビーム19に直接取り付けられる電磁開閉弁26の弁部30に電磁開閉弁27の弁部34を結合させるだけでもよい。
【0039】
(5)緯入れされた緯糸の先端部を緯入れ末端側でノズルからの噴射エア流によって捕捉して緯糸に張力を付与する装置に適用すること。このような張力付与装置は緯入れ装置の一部である。この場合、緯糸の先端部を捕捉するためのノズルは、前記した実施の形態のように圧力の異なる複数のエアタンクから緯糸種類に応じてエア供給を受けることになる。
【0040】
前記した実施の形態から把握できる技術的思想について以下に記載する。
〔1〕請求項4において、前記圧力最上位のエアタンクに対応する電磁開閉弁の弁部は、前記共通流路に連通する複数の分配流路を備えているジェットルームにおける緯入れ装置。
【0041】
〔2〕請求項1乃至請求項5及び前記〔1〕項において、前記ノズルは、経糸の開口内を飛走する緯糸に対してエアを作用させる緯入れ用補助ノズルであるジェットルームにおける緯入れ装置。
【0042】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明では、エアの噴射圧の圧力波形を改善できるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態を示し、一方の緯糸を射出した状態を示すエア配管図。
【図2】(a)は、織機の側面図。(b)は、要部側断面図。
【図3】他方の緯糸を射出した状態を示すエア配管図。
【図4】要部正断面図。
【図5】図4のA−A線断面図。
【符号の説明】
3,4…サイドフレーム。10…織機。13〜16…緯入れ用補助ノズル群。19…圧力最上位のエアタンクであってビーム体であるブレストビーム。20…圧力最下位のエアタンクであってビーム体であるフロントクロスレール。26…圧力最上位のエアタンクに対応する電磁開閉弁。27…圧力最下位のエアタンクに対応する電磁開閉弁。28…エアホース。29,33…ソレノイド部。30,34…弁部。311…ブレストビームに対応する専用流路としての流入流路。312…共通流路。314,352…フロントクロスレールに対応する専用流路を構成する流出流路。37…逆止弁。Y1,Y2…緯糸。
Claims (5)
- ノズルのエア噴射作用によって緯糸を緯入れするジェットルームにおいて、
前記ノズルへ供給されるエアを貯えておく圧力の異なる複数のエアタンクと、
前記複数のエアタンクに1対1に対応し、対応するエアタンクから前記ノズルへエアを供給可能な状態と、対応するエアタンクから前記ノズルへエアを供給不能な状態とに切り換えられる複数の電磁開閉弁とを備え、
織機の骨格を構成する左右のサイドフレームに架設された複数のビーム体のうち、前記ノズルに最も近いビーム体を前記複数のエアタンクのうちの圧力最上位のエアタンクとし、前記圧力最上位のエアタンクに対応する電磁開閉弁を前記圧力最上位のエアタンクに直結したジェットルームにおける緯入れ装置。 - 前記複数のビーム体のうちの少なくとも1つを前記圧力最上位以外のエアタンクとした請求項1に記載のジェットルームにおける緯入れ装置。
- 前記圧力最上位以外のエアタンクに対応する電磁開閉弁を前記圧力最上位のエアタンクに取り付け、前記圧力最上位以外のエアタンクに対応する前記電磁開閉弁を対応するエアタンクにエアホースを介して接続した請求項1及び請求項2のいずれか1項に記載のジェットルームにおける緯入れ装置。
- 前記複数のエアタンクから前記ノズルにエアを供給するための複数の専用流路を設けると共に、前記複数の専用流路上に前記複数の電磁開閉弁を1対1に介在し、前記複数の電磁開閉弁の下流側で前記専用流路を合流して前記ノズルに連通させる共通流路を設け、ソレノイド部と弁部とを備えた前記電磁開閉弁を構成し、前記共通流路と前記複数の電磁開閉弁との間の専用流路を前記弁部内に設け、前記圧力最上位のエアタンクに対応する電磁開閉弁の弁部内に前記共通流路を設け、前記圧力最上位以外のエアタンクに対応する電磁開閉弁の弁部を前記圧力最上位のエアタンクに対応する電磁開閉弁の弁部に一体化した請求項3に記載のジェットルームにおける緯入れ装置。
- 前記エアホース上に逆止弁を介在した請求項3及び請求項4のいずれか1項に記載のジェットルームにおける緯入れ装置。
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