JP2004244590A - アミノ樹脂架橋粉砕粒子およびアミノ樹脂架橋粉砕粒子の製造方法 - Google Patents
アミノ樹脂架橋粉砕粒子およびアミノ樹脂架橋粉砕粒子の製造方法 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】上記アミノ樹脂架橋粉砕粒子は、アミノ樹脂前駆体を含む乳濁液の触媒添加による硬化工程を、硬化と水分の乾燥が平行して起きるような特定の硬化乾燥工程を採用してアミノ樹脂架橋粒子を製造した後で、当該アミノ樹脂架橋を粉砕することで製造することができる。上記の特定の硬化乾燥工程を経ることでアミノ樹脂とホルマリンとの架橋が不均一に起こり、粉砕しやすい、硬く脆い架橋状態であるアミノ樹脂架橋粒子となる。不定形であるので特異的な物性を持つアミノ樹脂粉砕架橋粒子となり各種用途に利用可能である。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、アミノ樹脂架橋粉砕粒子およびアミノ樹脂架橋粉砕粒子の製造方法に関する。さらに詳しくは、アミノ樹脂前駆体の乳濁液を、特定温度条件下に硬化させながら乳濁液に含まれる水分を蒸発させ乾燥させることにより得られるアミノ樹脂架橋粒子を、さらに細かく粉砕する工程を経て製造されるアミノ樹脂架橋粉砕粒子およびアミノ樹脂粉砕架橋粒子の製造方法に関する。当該アミノ樹脂架橋粉砕粒子は実質的に球状ではなく不定形の粉砕物となっている。さらに具体的には、当該アミノ樹脂架橋粒子が粉砕により不定形に砕かれた粒子が混在している。この粒子形状の特徴により、本発明のアミノ樹脂粉砕架橋粒子は、従来の球状のアミノ樹脂前駆体の乳濁液を乳濁状態で硬化・ホルマリン架橋させて得られる球状のアミノ樹脂架橋粒子とは異なる特徴を有する。よって、艶消し剤、ポリオレフィンやポリ塩化ビニル等の熱可塑性樹脂への配合剤、PETフィルム、PPフィルム、PEフィルムおよびセロハンフィルム等のコート剤、光拡散剤、光散乱剤、各種ゴム、各種塗料、トナー等の充填剤、レオロジーコントロール剤、着色剤等、種々の用途に使用され特異的な性能を発揮するアミノ樹脂粉砕架橋粒子とすることができる。
【0002】
【従来の技術】
アミノ樹脂架橋粒子は、その優れた物性を利用し、艶消し剤、光拡散剤、各種フィルム用コーティング剤、或いはポリオレフィンやポリ塩化ビニル、各種ゴム、各種塗料、トナー等の充填剤、さらにはレオロジーコントロール剤や着色剤など、広範な用途で用いられている。当該アミノ樹脂架橋粒子は、実質的にアミノ樹脂前駆体の乳濁液を乳濁状態で硬化させて(アミノ系化合物とホルマリン間の架橋させて)得られるものであるので、球状を呈している。通常この硬化工程後得られたアミノ樹脂架橋粒子を含む懸濁液から当該架橋粒子をろ別し、乾燥させ、粉砕工程を経て製造されている。そして、架橋されて十分な粒子強度、粒子硬度を持つ球状の粒子として、主に滑り性や平滑性や充填性の観点より上記用途等に使用されている。そもそも通常公知のアミノ樹脂前駆体を含む乳濁液を硬化させる工程では、当該架橋粒子に十分な粒子強度や粒子硬度を与える目的で行われるので、当該硬化が均一に起こり、上記粉砕工程でも凝集した粒子群が単粒子になる程度で、架橋粒子が砕かれるものではない。
【0003】
特に近年、LCD用の光拡散シートへのアミノ樹脂架橋粒子の適用など、先端技術分野や精密技術分野での適用が注目され、欠陥のない高品質なアミノ樹脂架橋粒子がこれらの分野において強く求められている。
【0004】
ところが、従来からの製造方法で得られるアミノ樹脂架橋粒子(例えば、特許文献1、特許文献2を参照)の製造方法では、当該アミノ樹脂粒子になる前の状態であるアミノ樹脂前駆体の乳濁液における加熱・硬化工程の目的が、ホルマリンとアミノ樹脂が持つ官能基(具体的にはメチロール基)との間で架橋を起こさせて、最終的に良好な硬度、強度および耐熱性を有する様に当該アミノ樹脂架橋粒子を製造することが目的であった。よって公知の硬化条件は、硬化剤である酸触媒の存在下、アミノ樹脂前駆体の乳濁液を40〜80℃の比較的低温で硬化させた後、徐々に温度を上げて粒子内の架橋が均一となるように設定されるものである。またその硬化は液体状態の中で、具体的には乳濁液ないしは懸濁液の状態で加熱される硬化工程であった。そして通常硬化後行われる粉砕工程は、硬化工程、乾燥工程中にアミノ樹脂架橋粒子同士が凝集した状態を、アミノ樹脂架橋粒子の単分散状態にするため等の目的で行われるものである。
【0005】
つまり公知の上記特許文献において得られた硬化後のアミノ樹脂架橋粒子は、硬化後を行う粉砕工程においても、当該架橋粒子が均一に架橋されているため靭性が高くそれ以上砕け難い架橋粒子となる。つまり上記特許文献において得られる硬化後のアミノ樹脂架橋粒子は、その後に行われる粉砕工程を経ても、一部粉砕された形状の粒子も含む場合もありえるが、実質的に球状あるいは、球状の集合体の状態であった。
【0006】
また、上記特許文献におけるアミノ樹脂架橋粒子は実用上問題のない良好な物性(強度、硬度および耐熱性等)を保有しているので、通常の上記で説明した用途に適した架橋粒子として使用されている。
【0007】
【特許文献1】
特開昭49−57091号公報
【特許文献2】
特開昭50−45852号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、例えば充填剤における溶融シリカと結晶性シリカ等の様に、同じ充填剤でも粒子形状の違いによる物性の違いがある場合、粒子形状の違いによる物性が反映された用途によって使い分けされている。アミノ樹脂架橋粒子においても、通常の実質的に球状あるいは球状粒子の集合体である形状所以もたらされる物性以外に、異なる形状所以にもたらされる他の物性へのニーズの可能性が高まっている。
【0009】
例えば、本発明の不定形のアミノ樹脂架橋粉砕粒子をアンチブロッキング剤としてフィルムに添加したり、艶消し剤として樹脂や合成皮革に添加して使用した場合には、同じ程度の平均粒子径の従来の球状粒子と比べ、粒子の脱落率を低下させる効果が得られる。これは不定形であるために、球形の場合と比べて粒子と基材のフィルムや樹脂との接触面積が大きいことが原因であると考えられる。また通常の球状のアミノ樹脂架橋粒子が示す滑り性や光散乱性以外の特異的な物性を保有する粒子とする事も可能になる。
【0010】
しかし通常の硬化工程を経て得られたアミノ樹脂架橋粒子は、上記の様に均一な架橋が起こっているので、十分に高い硬度、強度および靭性を有しており通常の条件で粉砕することが困難である。よって公知の製造条件では、所望とされる形状の異なったアミノ樹脂架橋粒子を得ることはなかなか困難であることが判明した。
【0011】
したがって、本発明が解決しようとする課題は、実質的に球状あるいは球状の集合体ではなく、不定形な形状のアミノ樹脂架橋粉砕粒子の製造方法および、その製造方法によって製造されたアミノ樹脂架橋粉砕粒子を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者は上記課題を解決するべく鋭意検討を行い、アミノ系化合物とホリマリンから形成されるアミノ樹脂前駆体の乳濁液を硬化および乾燥させる条件、に関してさらに検討を加えた。その結果、酸触媒が添加されたアミノ樹脂前駆体の乳濁液を液体状態で硬化させるのではなく比較的高温で当該乳濁液の水分も合わせて乾燥させてしまう条件、つまり酸触媒を使用したアミノ系化合物とホルマリンとの硬化(架橋)と、当該製造された架橋粒子の乾燥が平行して起きるような工程を採用し、かつ硬化後、粉砕、好ましくはジェット粉砕を行うことによって、従来の、実質的に球状あるいは球状の集合体ではなく、不定形に粉砕されたアミノ樹脂架橋粉砕粒子を得ることに成功した。上記のアミノ系化合物とホルマリンとの硬化(架橋)と当該架橋粒子の乾燥が平行して起きるような工程を採用することでアミノ系化合物の架橋が不均一に起こり、粉砕されやすい架橋状態とすることができたのである。
【0013】
また、粉砕後の粒子を必要に応じ、さらに加熱処理することにより比較的硬度の高いアミノ樹脂架橋粉砕粒子を得ることも可能である。
【0014】
本発明の構成は以下である。
【0015】
(1)アミノ系化合物とホルムアルデヒドとを反応させることによって得られたアミノ樹脂前駆体を乳化して得られる、アミノ樹脂前駆体の乳化粒子を含む乳濁液に触媒を添加し、前記乳濁液を加熱し該アミノ樹脂前駆体の乳化粒子を硬化させアミノ樹脂架橋粒子としながら当該乳濁液から水分を蒸発させる工程を経て乾燥したアミノ樹脂架橋粒子を得て、乾燥後得られたアミノ樹脂架橋粒子をさらに粉砕することを特徴とするアミノ樹脂架橋粉砕粒子の製造方法である。
【0016】
(2)上記乳濁液を加熱する温度が、70℃以上であることを特徴とするアミノ樹脂架橋粉砕粒子の製造方法である。
【0017】
(3)上記当該乳濁液から水分を蒸発させる工程において、触媒を添加後1時間以内に70℃以上に該乳濁液を昇温し、該乳濁液中の乳化粒子を硬化させながら該乳濁液から水分を蒸発させることを特徴とするアミノ樹脂架橋粉砕粒子の製造方法である。
【0018】
(4)当該乳濁液を70℃〜150℃の範囲で加熱し、該アミノ樹脂前駆体の乳化粒子を硬化させアミノ樹脂架橋粒子としながら当該乳濁液から水分を蒸発させ、水分蒸発後のアミノ樹脂架橋粒子の水分を5%以下とすることを特徴とする上記に記載のアミノ樹脂架橋粉砕粒子の製造方法である。
【0019】
(5)上記製造方法によって得られたアミノ樹脂架橋粉砕粒子であって、当該アミノ樹脂架橋粉砕粒子の形状が実質的に球状ではなく、不定形であることを特徴とするアミノ樹脂架橋粉砕粒子。
【0020】
(6)アミノ系化合物とホルムアルデヒドとを反応させることによって得られたアミノ樹脂前駆体を乳化して得られる、アミノ樹脂前駆体の乳化粒子を含む乳濁液に触媒を添加し、前記乳濁液を加熱し該アミノ樹脂前駆体の乳化粒子を硬化させアミノ樹脂架橋粒子とする工程により製造されたアミノ樹脂粒子を粉砕することによって得られるアミノ樹脂架橋粉砕粒子において、
アミノ樹脂前駆体の乳化粒子を硬化させる前の、当該アミノ樹脂前駆体の乳化粒子の平均粒子径(A)が0.5〜500μmの範囲であり、
当該アミノ樹脂前駆体の乳化粒子を硬化後粉砕して得られたアミノ樹脂架橋粉砕粒子の平均粒子径(B)が0.35〜350μmの範囲であり、
さらに、上記平均粒子径(B)/上記平均粒子径(A)で表される粉砕度合の比が、0.7以下であることを特徴とするアミノ樹脂架橋粉砕粒子である。
【0021】
(7)上記アミノ樹脂前駆体の乳化粒子を硬化させる前の当該アミノ樹脂前駆体の乳化粒子の平均粒子径(A)が0.5〜500μmの範囲、変動係数が60%以下であり、
当該アミノ樹脂前駆体の乳化粒子を硬化後粉砕して得られたアミノ樹脂架橋粉砕粒子の平均粒子径(B)が0.35〜350μmの範囲、変動係数が60%以下であり、
さらに、上記平均粒子径(B)/上記平均粒子径(A)で表される粉砕度合の比が、0.7以下であることを特徴とする上記のアミノ樹脂架橋粉砕粒子である。
【0022】
より具体的には、アミノ樹脂架橋粉砕粒子の形状が実質的に球状ではなく、不定形であることを特徴とする上記アミノ樹脂架橋粉砕粒子である。
【0023】
またより具体的には、上記アミノ系化合物がベンゾグアナミン、シクロヘキサンカルボグアナミン、シクロヘキセンカルボグアナミン、メラミンからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を40重量%以上含んでなるものであるアミノ樹脂架橋粉砕粒子の製造方法である。
【0024】
また本発明は、上記の製造方法によって得られたアミノ樹脂架橋粉砕粒子である。そしてより具体的には、上記アミノ樹脂架橋粉砕粒子の形状が実質的に球状ではなく、不定形であることを特徴とするアミノ樹脂架橋粉砕粒子である。
【0025】
また本発明は、上記アミノ樹脂架橋粉砕粒子を含む分散体であってもよくフィルム用添加剤や樹脂添加剤として使用できる。よって本発明は、上記アミノ樹脂架橋粉砕粒子を含むフィルム用添加剤でもある。また上記アミノ樹脂架橋粉砕粒子を含む樹脂添加剤でもある。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかるアミノ樹脂架橋粉砕粒子およびアミノ樹脂架橋粉砕粒子の製造方法についてさらに詳しく説明するが、本発明の範囲はこれらの説明に拘束されることはなく、以下の例示以外についても、本発明の趣旨を損なわない範囲で適宜実施することができる。
【0027】
なお、本明細書においては、本発明におけるアミノ樹脂架橋粉砕粒子の前段で製造されるアミノ樹脂架橋粒子の製造過程での粒子状態を、「乳濁液」と「懸濁液」という2つの液状態で表現する。通常の定義によれば、「乳濁液」とは、液体中に液体粒子がコロイド粒子あるいはそれより粗大な粒子として分散して乳状をなすものをいい、「懸濁液」とは、液体中に固体粒子がコロイド粒子または顕微鏡で見える程度の粒子として分散したものをいう。
【0028】
従って、本発明におけるアミノ樹脂架橋粉砕粒子の前段の製造工程である、アミノ樹脂架橋粒子の製造の過程において、乳化時の状態は乳濁液と、硬化後の状態は懸濁液として表現することがある。また、硬化中においては両形態が並存する場合もあるが、本明細書においては硬化中の状態は懸濁液と表現することがある。
【0029】
本発明にかかるアミノ樹脂架橋粉砕粒子の製造方法は、まず前段の工程としてアミノ樹脂前駆体を含む乳濁液に触媒を添加し、特定温度範囲で水分を蒸発させながら硬化させ乾燥させる工程を含むアミノ樹脂架橋粒子を得る製造方法である。上記の硬化させ乾燥させる工程を経ることで、触媒が添加されたアミノ樹脂前駆体を含む乳濁液においてアミノ樹脂架橋粒子が形成され同時に水分が蒸発され乾燥も進行し、粉砕することのできるアミノ樹脂架橋粒子を製造することができる。便宜上硬化させ乾燥させる工程までを前段工程として表記し、後段工程として当該アミノ樹脂架橋粒子を粉砕する粉砕工程を表記する場合がある。特定条件の硬化させ乾燥させる工程を含む当該アミノ樹脂架橋粒子の製造方法では、アミノ系化合物とホルムアルデヒドとを反応させることによって得られたアミノ樹脂前駆体を乳化して得られる乳濁液に触媒を添加することで前記アミノ樹脂前駆体を硬化および乾燥させてアミノ樹脂架橋粒子を製造する方法であって、当該硬化および乾燥させる温度が70〜150℃の範囲で行われることは好ましい実施形態となる。より好ましくは、80℃〜120℃の範囲である。
【0030】
アミノ系化合物とホルムアルデヒドとを反応させることにより、初期縮合反応物たるアミノ樹脂前駆体を得る製造工程を樹脂化工程と表記する場合がある。アミノ系化合物とホルムアルデヒドとを反応させるにあたっては、通常、溶媒として水が用いられる。よって、反応形態としては、ホルムアルデヒドを水溶液(ホルマリン)の状態にしたものにアミノ化合物を添加して反応させる方法や、トリオキサンやパラホルムアルデヒドを水に添加して水中でホルムアルデヒドを発生し得るようにした水溶液にアミノ化合物を添加して反応させる方法等が好ましく挙げられ、なかでも、前者の方法が、ホルムアルデヒド水溶液の調整槽が必要ないこと、入手が容易であることなど、経済性の点でより好ましい。
【0031】
また、上記アミノ系化合物とホルムアルデヒドとの反応形態は、上記アミノ系化合物とホルムアルデヒドとが混合状態で反応する形態であればよく、例えば、ホルムアルデヒドの水溶液にアミノ系化合物を添加する形態以外に、アミノ系化合物にホルムアルデヒドの水溶液を添加する形態であってもよい。
【0032】
なお、一般的に、上記反応を行う樹脂化工程は、通常公知の撹拌装置等による撹拌下で行うことが好ましい。
【0033】
樹脂化工程において、原料として用いることのできるアミノ系化合物としては、特に限定はされないが、例えば、ベンゾグアナミン(2,4−ジアミノ−6−フェニル−sym.−トリアジン)、シクロヘキサンカルボグアナミン、シクロヘキセンカルボグアナミンおよびメラミン等が挙げられる。これらの中でも、一般に、トリアジン環を有するアミノ系化合物がより好ましいが、さらに、ベンゾグアナミンは、ベンゼン環と2個の反応基とを有することから初期縮合状態での染色性に優れ、架橋後は可とう性(硬度)、耐汚染性、耐熱性、耐溶剤性、耐薬品性に優れているため特に好ましい。これらアミノ系化合物は、単独で用いても2種類以上を併用してもよい。
【0034】
また、使用するアミノ系化合物全体中、上に例示したアミノ系化合物(ベンゾグアナミン、シクロヘキサンカルボグアナミン、シクロヘキセンカルボグアナミンおよびメラミン)の合計が40重量%以上であることが好ましく、より好ましくは60重量%以上、さらに好ましくは80重量%以上、最も好ましくは100重量%である。上に例示したアミノ系化合物の合計が40重量%以上であることによって、耐熱性、耐溶剤性の優れたアミノ樹脂架橋粒子が得られるといった効果が得られる。
【0035】
樹脂化工程において反応させるアミノ系化合物とホルムアルデヒドとのモル比(アミノ系化合物(モル)/ホルムアルデヒド(モル))は、1/3.5〜1/1.5であることが好ましく、1/3.5〜1/1.8であることがより好ましく、1/3.2〜1/2であることがさらに好ましい。上記モル比が1/3.5未満であると、ホルムアルデヒドの未反応物が多くなるおそれがあり、1/1.5を超える場合は、アミノ系化合物の未反応物が多くなるおそれがある。
【0036】
なお、水を溶媒として用いた場合に、水に対するアミノ系化合物およびホルムアルデヒドの添加量、すなわち、仕込み時点におけるアミノ系化合物およびホルムアルデヒドの濃度は、反応に支障の無い限りにおいて、より高濃度であることが望ましい。より具体的には、反応物であるアミノ樹脂前駆体を含む反応液の95〜98℃の温度範囲内での粘度を、2×10−2〜5.5×10−2Pa・s(20〜55cP)の範囲内に調節・制御することができる濃度であることが好ましく、より好ましくは、後述する乳化工程において、乳濁液中のアミノ樹脂前駆体の濃度が30〜60重量%の範囲内となるように、反応液を乳化剤の水溶液に添加する若しくは反応液に乳化剤や乳化剤の水溶液を添加することができる濃度であればよい。
【0037】
したがって、樹脂化工程においてアミノ樹脂前駆体を含む反応液を得た場合、該反応液の95〜98℃の温度範囲内での粘度は、2×10−2〜5.5×10−2Pa・s(20〜55cP)であることが好ましく、より好ましくは2.5×10−2〜5.5×10−2Pa・s(25〜55cP)、さらに好ましくは3.0×10−2〜5.5×10−2Pa・s(30〜55cP)である。
【0038】
上記粘度の測定方法は、反応の進行状態を即時的に(リアルタイムで)把握することができると共に、該反応の終点を正確に見極めることができるように、粘度測定機を用いる方法が最適である。該粘度測定機としては、振動式粘度計(MIVI ITSジャパン社製、製品名:MIVI 6001)が使用できる。この粘度計は、常時振動している振動部を備えており、該振動部を反応液に浸漬することで、該反応液の粘性が増加して振動部に負荷が掛かると、その負荷を粘度に即時的に換算して表示するようになっている。また即時的ではなくても、反応液をサンプリングして当該反応液の粘度で当該反応の終点を見極めることを行うこともできる。より好ましくは、上記のような振動式粘度計を使用する形態である。
【0039】
アミノ系化合物とホルムアルデヒドとを水中で反応させることにより、いわゆる初期縮合物であるアミノ樹脂前駆体を得ることができる。反応温度は、反応の進行状態を即時的に把握することができると共に、該反応の終点を正確に見極めることができるように、95〜98℃の温度範囲内であることが望ましい。そして、アミノ系化合物とホルムアルデヒドとの反応は、反応液の粘度が2×10−2〜5.5×10−2Pa・sの範囲内となった時点で、該反応液を冷却する等の操作を行うことにより終了すればよい。これにより、アミノ樹脂前駆体を含む反応液が得られる。また、反応時間は、特に限定されるものではない。
【0040】
樹脂化工程において得られたアミノ樹脂前駆体については、該アミノ樹脂前駆体を構成するアミノ系化合物由来の構造単位とホルムアルデヒド由来の構造単位とのモル比(アミノ系化合物由来の構造単位(モル)/ホルムアルデヒド由来の構造単位(モル))が、1/3.5〜1/1.5であることが好ましく、1/3.5〜1/1.8であることがより好ましく、1/3.2〜1/2であることがさらにより好ましい。上記モル比を上記範囲内とすることにより、粒度分布の狭い粒子を得ることができる。
【0041】
なお、通常、反応終了時点での反応液の粘度は、アミノ系化合物およびホルムアルデヒドを仕込んだ(反応開始時の)水溶液の粘度と比較して著しく高く、従って、仕込んだ原料の濃度等には殆ど影響されない。アミノ樹脂前駆体は、通常、アセトンやジオキサン、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メチルエチルケトン、トルエン、キシレン等の有機溶媒に対して可溶であるが、水に対して実質的に不溶である。
【0042】
本発明のアミノ樹脂架橋粒子の製造方法にあっては、当該アミノ樹脂前駆体を含む反応液を得る樹脂化工程における反応液の粘度を低くすることにより、最終的に得られるアミノ樹脂架橋粒子の粒子径を小さくすることができる。しかしながら、反応液の粘度が2×10−2Pa・s未満である場合、或いは5.5×10−2Pa・sを超える場合には、最終的に粒子径がほぼ揃った(粒度分布が狭い)アミノ樹脂架橋粒子を得ることができない。すなわち、反応液の粘度が2×10−2Pa・s(20cP)未満であると、後述する乳化工程で得られる乳濁液の安定性が乏しくなる。このため、硬化工程においてアミノ樹脂前駆体を硬化させた場合、得られるアミノ樹脂架橋粒子が肥大化したり、粒子同士が凝集したりしてしまうおそれがあり、アミノ樹脂架橋粒子の粒子径を制御することができず、粒度分布の広いアミノ樹脂架橋粒子となるおそれがある。
また、乳濁液の安定性が乏しい場合、製造する毎に(バッチ毎に)、アミノ樹脂架橋粒子の粒子径(平均粒子径)が変化してしまい、製品にバラツキを生じてしまうおそれがある。一方、反応液の粘度が5.5×10−2Pa・s(55cP)を超えると、後述する乳化工程で用いる高速撹拌機等にかかる負荷が大きすぎて、その剪断力が低下するため、反応液を充分に撹拌する(乳濁させる)ことができなくなるおそれがある。このため、最終的に得られるアミノ樹脂架橋粒子の粒子径を制御することができなくなり、粒度分布の広いアミノ樹脂架橋粒子となるおそれがある。よって、樹脂化工程における反応液を上記粘度範囲に調整することは、本発明のアミノ樹脂架橋粉砕粒子を得る製造方法の前段としてアミノ樹脂架橋粒子を得る上で好ましい実施形態となる。また、本発明のアミノ樹脂架橋粉砕粒子の製造方法にあっては、特定の硬化条件で、後段の粉砕工程で粉砕できる様に、アミノ樹脂架橋粒子の脆さ、硬度を調整する形態が好ましい。
【0043】
上記で説明したアミノ樹脂架橋粒子の粒子径(平均粒子径)の変化や、反応液の粘度範囲が好ましい範囲を逸脱して最終的に得られるアミノ樹脂架橋粒子の粒子径を制御することができなくなる場合であっても、実質的に得られたアミノ樹脂架橋粒子が粉砕できるのであれば、本発明の実施形態の範囲となる。つまり場合により前段の製造工程の条件のふれにより、少々粒度分布の広いアミノ樹脂架橋粒子が得られても最終的に粉砕し、所望の効果を有するアミノ樹脂架橋粉砕粒子を得ることができる場合がある。
【0044】
乳化工程においては、樹脂化工程により得られたアミノ樹脂前駆体を乳化してアミノ樹脂前駆体の乳濁液を得るようにする。乳化するにあたっては、例えば、保護コロイドを構成し得る乳化剤を用いることが好ましい。
【0045】
上記乳化剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリアクリル酸、水溶性ポリアクリル酸塩、ポリビニルピロリドンなどを用いることができる。これら乳化剤は、全量が水に溶解させた水溶液の状態で用いてもよいし、その一部を水溶液の状態で用い、残りをそのままの状態(例えば粉体状、顆粒状、液状など)で用いるようにしてもよい。上に例示した乳化剤のなかでも、乳濁液の安定性、触媒との相互作用等を考慮すると、ポリビニルアルコールがより好ましい。ポリビニルアルコールは、完全ケン化物であってもよく、部分ケン化物であってもよい。また、ポリビニルアルコールの重合度は、特に限定されるものではない。上記樹脂化工程で得られたアミノ樹脂前駆体に対する乳化剤の使用量が多い程、生成する粒子の粒子径が小さくなる傾向がある。乳化剤の使用量は、上記樹脂化工程で得られたアミノ樹脂前駆体100重量部に対して、1〜30重量部であることが好ましく、1〜5重量部であることがより好ましい。該使用量が上記範囲を外れると、乳濁液の安定性が乏しくなるおそれがある。
【0046】
乳化工程では、例えば、乳化剤の水溶液に、アミノ樹脂前駆体の濃度(つまり、固形分濃度)が30〜60重量%の範囲内となるように上記樹脂化工程で得られた反応液を添加した後、50〜100℃の温度範囲内で乳濁させることが好ましく、より好ましくは60〜100℃、さらに好ましくは70〜95℃である。乳化剤の水溶液の濃度は、特に限定されるものではなく、アミノ樹脂前駆体の濃度を上記範囲内に調節することができる濃度であればよい。上記アミノ樹脂前駆体の濃度が30重量%未満であると、アミノ樹脂架橋粒子の生産性が低下するおそれがあり、60重量%を超えると、得られるアミノ樹脂架橋粒子が肥大化したり、粒子同士が凝集したりしてしまうおそれがあり、アミノ樹脂架橋粒子の粒子径を制御することができなくなるため、粒度分布の広いアミノ樹脂架橋粒子となるおそれがある。
【0047】
乳化工程における撹拌方法としては、より強力に撹拌することができる装置(高せん断力を有する装置)を用いる方法、具体的には、例えば、いわゆる高速撹拌機やホモミキサーや、TKホモミキサー(特殊機化工業(株)製)、高速ディスパー、エバラマイルザー((株)荏原製作所製)、高圧ホモジナイザー((株)イズミフードマシナリ製)、スタティックミキサー((株)ノリタケカンパニーリミテッド製)などを用いる方法が好ましい。
【0048】
乳化工程においては、樹脂化工程で得られたアミノ樹脂前駆体を、所定の粒子径となるまで乳化を促進させることが好ましく、該所定の粒子径は、最終的に所望の粒子径のアミノ樹脂架橋粒子が得られるよう適宜設定すればよい。具体的には、容器や撹拌翼の種類、撹拌速度、撹拌時間、乳化温度などを適宜考慮することにより、乳化したアミノ樹脂前駆体の平均粒子径が0.5〜500μmとなるよう乳化を行う。さらには1〜300μmとなるよう乳化を行うことが好ましい。さらには1〜200μmとなるよう乳化を行うことが好ましく、さらには1〜100μmとなるよう乳化を行うことが好ましい。さらには1〜50μmとなるよう乳化を行うことが好ましく、より好ましくは2〜30μm、さらに好ましくは2〜20μmである。アミノ樹脂前駆体を上記粒子径範囲となるよう乳化させることよって、後段の粉砕工程を経ても最終的に後述する所望の粒子径範囲のアミノ樹脂架橋粉砕粒子を得ることができる。
【0049】
上記の乳化したアミノ樹脂前駆体の平均粒子径(乳化によって得られた乳濁液中に分散したアミノ樹脂前駆体の平均粒子径)は、後述の実施例で記載するコールターマルチサイザーII型を用いて測定した値である。
【0050】
本発明では、上記乳化工程を経て得られた乳濁液に水を加えて希釈する工程を含んでいても良い。この場合、乳化工程を経て得られた希釈前の乳濁液の状態を示す形態として、乳化したアミノ樹脂前駆体の平均粒子径(乳化によって得られた乳濁液中に分散したアミノ樹脂前駆体の平均粒子径)がある。乳化工程を経て得られた乳濁液に水を加えて希釈する工程が含まれる場合においては、上記アミノ樹脂前駆体の、コールターマルチサイザーII型を用いて測定した平均粒子径が、0.5〜500μmとなるよう乳化を行う。さらには1〜300μmとなった時点で水を加えることが好ましい。より好ましくは、1〜200μmとなった時である。さらには1〜100μmとなった時点で水を加えて希釈することがより好ましい形態であり、1〜50μmとなった時点で水を加えて希釈することがさらに好ましい形態であり、より好ましくは2〜30μm、さらに好ましくは2〜20μmとなった時点で水を加えて希釈するのがよい。
【0051】
また、コールターマルチサイザーII型を用いて測定して得られた、乳化によって得られた乳濁液中に分散したアミノ樹脂前駆体の平均粒子径をもとにして、最終的に粉砕して得られた本発明のアミノ樹脂粉砕架橋粒子の状態を規定することは好ましい実施形態である。
【0052】
具体的には、上記の様に、ある平均粒子径範囲を有するアミノ樹脂前駆体の乳化粒子を含みかつ触媒が添加された乳濁液を、加熱し該アミノ樹脂前駆体の乳化粒子を硬化させアミノ樹脂架橋粒子としながら当該乳濁液から水分を蒸発させる工程を経て乾燥したアミノ樹脂架橋粒子を得て、乾燥後得られたアミノ樹脂架橋粒子をさらに粉砕する製造工程によって本発明のアミノ樹脂架橋粉砕粒子は製造されるが、本発明の好ましい実施形態では、当該アミノ樹脂前駆体の乳化粒子を硬化させる前の、当該アミノ樹脂前駆体の乳化粒子の平均粒子径(A)が0.5〜500μmの範囲であり、
当該アミノ樹脂前駆体の乳化粒子を硬化後粉砕して得られたアミノ樹脂架橋粉砕粒子の平均粒子径(B)が0.35〜350μmの範囲であり、
さらに、上記平均粒子径(B)/上記平均粒子径(A)で表される粉砕度合の比が、0.7以下であるアミノ樹脂架橋粉砕粒子を得ることができる。
【0053】
上記の粉砕度合いが0.7以下に製造条件を調整することは本発明にかかるアミノ樹脂架橋粉砕粒子を製造する好ましい実施形態である。より好ましくは0.6以下である。上記粉砕度合いの比が0.9程度では、十分に粉砕されたアミノ樹脂架橋粉砕粒子ではないので本件の効果が得られ難くなる。
【0054】
また、上記アミノ樹脂前駆体の乳化粒子を硬化させる前の当該アミノ樹脂前駆体の乳化粒子の平均粒子径(A)が0.5〜500μmの範囲、当該平均粒子径の標準偏差を平均粒子径で除して出した数値を(%)で表示した変動係数が60%以下であり、
当該アミノ樹脂前駆体の乳化粒子を硬化後粉砕して得られたアミノ樹脂架橋粉砕粒子の平均粒子径(B)が0.35〜350μmの範囲、当該変動係数が60%以下であり、
さらに、上記平均粒子径(B)/上記平均粒子径(A)で表される粉砕度合の比が、0.7以下であることは、本発明にかかるアミノ樹脂架橋粉砕粒子の平均粒子径の分布がより狭くなるので好ましい実施形態である。
【0055】
上記変動係数は、具体的には、変動係数=マルチサイザーで測定された当該乳化粒子の平均粒子径の標準偏差/平均粒子径、で示される値を(%)表示したものである。なお上記変動係数の数字がより小さくなることは当該粒子の粒度分布がより狭くなることを意味する。当該アミノ樹脂架橋粉砕粒子の平均粒子径の分布がより狭くなることにより、光散乱剤として使用した場合当該アミノ樹脂架橋粉砕粒子が有する光散乱特性がより均一なものとなる。また、樹脂添加剤または樹脂配合剤として使用した時もより流動性が改良される。
【0056】
また当該アミノ樹脂前駆体の乳化粒子を硬化後粉砕して得られたアミノ樹脂架橋粉砕粒子の上記平均粒子径(B)のより好ましい範囲は0.35〜350μmである。さらには0.7〜210μmとなるよう乳化を行うことが好ましい。さらには0.7〜140μmとなるよう乳化を行うことが好ましく、さらには0.7〜70μmとなるように粉砕を行うことが好ましい。さらには0.7〜35μmとなるように粉砕を行うことが好ましく、より好ましくは1.4〜21μm、さらに好ましくは1.4〜14μmである。
【0057】
本発明の製造方法においては、最終的に得られるアミノ樹脂架橋粒子が強固に凝集することをより確実に防止するために、必要に応じて、上記乳化工程後に得られた乳濁液に無機粒子を添加しておくことができる。無機粒子としては、具体的には、例えば、シリカ微粒子、ジルコニア微粒子、アルミニウム粉、アルミナゾル、セリエゾル等が好ましく挙げられ、なかでも、入手が容易であるといった点で、シリカ微粒子がより好ましい。無機粒子の比表面積は10〜400m2/gであることが好ましく、より好ましくは20〜350m2/g、さらに好ましくは30〜300m2/gである。無機粒子の粒子径は0.2μm以下であることがより好ましく、より好ましくは0.1μm以下、さらに好ましくは0.05μm以下である。比表面積や粒子径が上
記範囲内であれば、最終的に得られるアミノ樹脂架橋粒子が強固に凝集することを防止するのに、より一層優れた効果を発揮することができる。
【0058】
乳濁液に無機粒子を添加する方法としては、特に限定はされないが、具体的には、例えば、無機粒子をそのままの状態(粒子状)で添加する方法や、無機粒子を水に分散させた分散液の状態で添加する方法などが挙げられる。乳濁液に対する無機粒子の添加量は、乳濁液に含まれるアミノ樹脂前駆体100重量部に対して、1〜30重量部であることが好ましく、より好ましくは2〜28重量部、さらに好ましくは3〜25重量部である。1重量部未満であると、最終的に得られるアミノ樹脂架橋粒子が強固に凝集することを十分防止することができないおそれがあり、30重量部を超える場合は、無機粒子のみの凝集物が発生するおそれがある。また、無機粒子を添加した際の攪拌方法としては、前述の強力に攪拌することができる装置(高せん断力を有する装置)を用いる方法が無機粒子をアミノ樹脂粒子に強固に固着させるという点で好ましい。
【0059】
硬化工程においては、上記乳化工程により得られた乳濁液に、必要に応じて水を加えて希釈した後に、触媒(詳しくは硬化触媒)を加え、乳化させたアミノ樹脂前駆体の硬化反応を行う(アミノ樹脂前駆体を乳濁状態で硬化させる)ことによりアミノ樹脂架橋粒子(詳しくは、アミノ樹脂架橋粒子の懸濁液)を得るようにする。
【0060】
上記触媒(硬化触媒)としては酸触媒が好適である。酸触媒としては、塩酸、硫酸、リン酸等の鉱酸;これら鉱酸のアンモニウム塩;スルファミン酸;ベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸等のスルホン酸類;フタル酸、安息香酸、酢酸、プロピオン酸、サリチル酸等の有機酸;が使用できる。上記例示の酸触媒のうち、硬化速度の点で鉱酸が好ましく、さらに、装置への腐食性、鉱酸使用時の安全性等の点で、硫酸がより好ましい。また、上記触媒として硫酸を用いる場合、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸を用いる場合に比べて、最終的に得られるアミノ樹脂架橋粒子が変色しない又は耐溶剤性が高いといった点で好ましい。これらは1種のみ用いても2種以上を併用してもよい。上記触媒の使用量としては、
上記乳化工程により得られる乳濁液中のアミノ樹脂前駆体100重量部に対して、0.1〜5重量部であることが好ましく、より好ましくは0.3〜4.5重量部、さらに好ましくは0.5〜4.0重量部である。触媒の使用量が5重量部を超えると、乳濁状態が破壊され、粒子同士が凝集してしまうおそれがあり、0.1重量部未満であると、反応に長時間を要したり、硬化が不十分となるおそれがある。また、同様に、上記触媒の使用量としては、原料化合物として用いたアミノ系化合物1モルに対して0.002モル以上であることが好ましく、より好ましくは0.005モル以上、さらに好ましくは0.01〜0.1モルである。触媒の使用量がアミノ系化合物1モルに対して0.002モル未満であると、反応に長時間を要したり、硬化が不十分となるおそれがある。
【0061】
本発明のアミノ樹脂粉砕粒子を得る工程で行われる硬化工程における硬化反応(硬化と乾燥が行われる工程)は、常圧または減圧下で好ましくは70℃以上が好ましい。より好ましくは80℃以上である。この時当該乳濁液の温度は70℃以上になる。より好ましくは70〜150℃、より好ましくは80〜120℃範囲の温度で行うことが好ましい。硬化反応の反応温度(乾燥時の乾燥温度)が、70℃未満であると、硬化が十分に進行せず、得られたアミノ樹脂架橋粒子の耐溶剤性や耐熱性が低下するおそれがあり、150℃を超える場合は、加熱源が必要となり経済的でない。
【0062】
上記硬化反応(硬化と乾燥が行われる工程)の終点は、乾燥して得られた粉体であるアミノ樹脂架橋粒子中の水分により判断すればよく、乾燥粉体中の水分が5%以下となったところで終了すればよい。また、硬化反応(硬化と乾燥が行われる工程)の反応時間は、特に限定されない。
またより好ましくは、本発明のアミノ樹脂架橋粉砕粒子を好ましく製造するための、乾燥後のアミノ樹脂架橋粒子の水分は3%以下である。さらに好ましくは2%以下である。
【0063】
本発明のアミノ樹脂架橋粉砕粒子の製造工程において、より好ましくは、上記当該乳濁液から水分を蒸発させる工程において、触媒を添加後1時間以内に70℃以上に該乳濁液を昇温し、該乳濁液中の乳化粒子を硬化させながら該乳濁液から水分を蒸発させる工程を行う。
【0064】
さらに好ましくは、当該アミノ樹脂前駆体の乳化粒子を含む乳濁液に触媒を添加し攪拌を行い1時間以内に、当該乳濁液を含む反応容器を、別の加熱用機器あるいは加熱用装置に移し替え当該加熱用機器を70℃以上に加熱することで乳濁液を70℃以上に昇温する工程を行う。
本発明のアミノ樹脂架橋粉砕粒子を製造する前工程としてのアミノ樹脂前駆体の乳化粒子を含む乳濁液がこの工程を経ることによって、当該乳濁液中の乳化粒子を硬化させながら乳濁液に含まれる水分を蒸発させることができる。この時使用する加熱用機器としては当該乳濁液が保持できかつ加熱をすることのできる機器であれば良く,具体的にはバット等の容器を使用し、加熱乾燥機を使用する形態や、パドルドライヤー、ロータリーキルンを使用する形態がある。また加熱用装置としてはスプレードライ機(噴霧乾燥装置)も使用できるが、スプレードライ機を使用した乾燥方法を適応するためには、スプレードライ機内でのアミノ樹脂粒子の融着現象を防ぐために、触媒添加後硬化がある程度進んだアミノ樹脂粒子をスプレードライ機に導入する形態で行うことが好ましい。よってより簡便な方法として、加熱用機器として、バット等の容器を使用し乾燥機を使用して当該粒子の硬化と乾燥を行う。
【0065】
よって、本発明のアミノ樹脂粉砕架橋粒子を得る上で必須工程である、硬化と乾燥を行う工程としては、バット容器を使用した加熱乾燥機、パドルドライヤー、ロータリーキルンおよびスプレードライ機から選択される乾燥機を使用する形態が好ましい。より好ましくは、バット容器を使用した加熱乾燥機を使用することである。
【0066】
また、より好ましくは、上記硬化および乾燥工程の前に、当該乳濁液に触媒を添加するときには当該乳濁液は攪拌状態であることである。より均一に短時間に触媒の混合が可能になる。
【0067】
上記の製造工程を経ることにより、特に、アミノ樹脂前駆体を含む乳濁液に触媒を添加して硬化させながら水分を乾燥させる工程を経ることにより、架橋硬化反応後でも、粉砕(具体的にはジェット粉砕)工程で砕く事のできるアミノ樹脂粒子を得ることができる。恐らく上記の特定の硬化工程を経ることでアミノ樹脂とホルマリンとの架橋が不均一に起こり、粉砕しやすい、硬く脆い架橋状態であるアミノ樹脂架橋粒子を製造することができる。
【0068】
通常公知のアミノ樹脂架橋粒子の製法では、乳濁液、アミノ樹脂初期縮合物(あるいはアミノ樹脂前駆体)の乳濁液に硬化剤を配合し、硬化させ、最終物性の良好なアミノ樹脂架橋粒子を得るために、つまり、アミノ樹脂架橋粒子として十分な強度あるいは耐熱性を保有させるために、当該アミノ樹脂初期縮合物を含む乳濁液または懸濁液の状態で比較的低温から中温(50〜100℃)で硬化させる、あるいは比較的低温(40〜60℃)で1時間保持した後に、常圧または加圧下で60〜200℃の温度範囲で硬化させる条件で製造される。よってこの様な、当該アミノ樹脂架橋粒子の公知の製造条件では硬化工程で大量に水分が系外に除去されることはない。
【0069】
逆を言えば公知の当該アミノ樹脂架橋粒子の硬化条件は乳濁液状態つまり、水溶液の状態で熱が付与される。そして水分の除去は、硬化後製造されたアミノ樹脂架橋粒子を濾別し、当該アミノ樹脂を乾燥させることで行われる。そしてその後粉砕されるが、この様な公知のアミノ樹脂架橋粒子の製造工程を経て製造されたアミノ樹脂架橋粒子は、粉砕しても凝集された硬化粒子の凝集がなくなり単分散粒子になる程度であり、粒子自体は砕かれにくい。
【0070】
すなわち公知の製造条件で得られたアミノ樹脂粒子を粉砕すると、硬化条件等により一部が砕かれた粒子(粉砕粒子)となり混在はするが、実質的に得られたアミノ樹脂粒子の状態は球状を示している。これは後述の本発明の比較例における電子顕微鏡写真等で明瞭である。公知の製造条件で製造された当該アミノ樹脂粒子は、圧倒的に球状粒子の数が多い。
【0071】
公知のアミノ樹脂架橋粒子の製造工程では、水存在下で、比較的低温から中温(50〜100℃)で硬化させる、あるいは比較的低温(40〜60℃)で1時間保持した後に、常圧または加圧下で60〜200℃の温度範囲で硬化させる条件で架橋されているために靭性が高く物理的に粉砕することは難しく、粉砕により破砕され不定形となった粒子を得ることは困難であった。
【0072】
具体的には当該アミノ樹脂粒子はベンゾグアナミンやメラミンなどのアミノ化合物とホルムアルデヒドを反応させたものを乳化剤により乳化させた後、酸触媒などで硬化させることで得られる。従来、この硬化工程では、粒子内の架橋を均一にするために比較的低温で数時間保持した後に徐々に昇温し硬化させる方法が取られていた(特開昭50−45852号公報参照)。このような処方を取ることで粒子に靭性が生まれ、外力が加わっても容易に破砕することのない球状粒子が得られていた。公知のアミノ樹脂架橋粒子は粉砕工程を経ても、粒子同士の凝集が解砕される程度で、一部粉砕された粒子が含まれるが、実質的に粉砕工程を経ても球状を示す粒子が大半であり、本発明のような、粉砕工程で起こる当該アミノ樹脂粒子の破砕により不定形となったアミノ樹脂架橋粉砕粒子を得ることは困難であった。
【0073】
しかし上述の様に、本発明では、硬化と水分の乾燥が同時に起きるような温度条件、工程条件を採用する。
【0074】
さらに鋭意検討した結果、比較的高温下(80〜150℃)で硬化と乾燥(水分の除去)を同時に行うことで比較的靭性の低い粒子を得ることができ、この粒子を粉砕することで球形の粒子が破砕した不定形の粒子が得られることが判明した。この後、必要に応じ130〜200℃程度の雰囲気下で数時間縮合反応を進めることで、適度に靭性も付与された不定形のアミノ樹脂架橋粒子を得ることができる。
【0075】
本発明の粉砕粒子を得るために使用する粉砕機は公知の粉砕機を使用することができる。また分級機能が付属されていてもよい。上記粉砕機としては、バンタムミル、パルベライザー(ホソカワミクロン(株)製)、サンプルミル(不二パウダル(株)製)などが使用できる。粉砕分級機としては、LABO JET(日本ニューマチック工業(株)製、ジェットミル STJ−200((株)セイシン企業製)などが使用できる。粉砕分級機の使用が装置のコンパクトさ、経済性の点で好ましい。
【0076】
また、粉砕ないしは粉砕分級する時の、粉砕用、分級用、粉体搬送用に使用するガスは、粉塵爆発の危険性をさけるために、酸素濃度が10%以下である不活性ガスを使用することが好ましい。より好ましくは5%以下、さらに好ましくは3%以下である。上記不活性ガスとしては窒素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガスなどの希ガスが使用できるが、経済性および入手の簡便性の点で窒素ガスが好ましい。
【0077】
また、上記ガスに関しては、合わせてガス中の水分含有量が6g/m3以下に制御されていることが好ましい。より好ましくは、当該ガス中の水分含有量が5g/m3以下である。さらに好ましくは3g/m3以下である。さらに好ましくは1g/m3以下である。水分含有量の下限は限定されず理想的には0であるが、現実的には0.05g/m3以上である。
【0078】
またさらに必要に応じて、分級工程を行うこともできる。分級工程に採用できる分級方式は、気流分級方式、篩分級方式等がある。連続生産性、篩の目への目詰まりの可能性等を考慮し気流分級方式が好ましい。また、上記の粉砕機、ないしは粉砕分級機、またその後の分級工程中では、上記のように、使用するガス、あるいは搬送ガス中の酸素濃度および水分含有量を制御することが好ましい。
【0079】
本発明の製造方法においては、乳濁液に、染料を水に溶解してなる水溶液を添加する着色工程を含むことができる。
【0080】
アミノ樹脂前駆体やその乳化粒子を硬化させて得られるアミノ樹脂架橋粒子は、染料との親和性に優れている。得られた乳濁液に着色工程にて添加される染料は、水に溶解する染料、即ち、水溶性の染料であれば好ましく使用できる。水溶性染料としては、具体的には、例えば、ローダミンB、ローダミン6GCP(以上、住友化学工業株式会社製)、メチルバイオレットFN、ビクトリアブルーFN等の塩基性染料;キノリンイエローSS−5G、キノリンイエローGC(以上、中央合成化学株式会社製)、アシッドマゼンタO、メチルバイオレットFB、ビクトリアブルーFB等の酸性染料;等が挙げられるが、特に限定されるものではない。これら染料は、単独で用いてもよく、また.2種類以上を併用してもよい。
【0081】
水溶液における染料の濃度は、特に限定されるものではないが、0.1〜5重量%の範囲内であることがより好ましく、1〜3重量%の範囲内であることがさらに好ましい。染料の濃度が0.1重量%未満であると、添加する水溶液の量が多量となるので、アミノ樹脂架橋粒子の生産性が低下する場合がある。一方、染料の濃度が5重量%を超えると、乳濁液の安定性が低下するので、得られるアミノ樹脂架橋粒子が肥大化したり、粒子同士が凝集したりする場合がある。尚、染料を水に溶解してなる水溶液の調製方法、および、水溶液を乳濁液に添加・混合する方法は、特に限定されるものではない。
【0082】
また、本発明の製造方法においては、前記樹脂化工程で得られた反応液に、染料を水に分散してなる分散液を添加する前段着色工程を含むことができる。
【0083】
前記染料は、水に分散する染料、即ち、油溶性の染料であれば好ましく使用できる。油溶性染料としては・具体的には、例えば、オイルオレンジB、オイルブルーBA(以上、中央合成化学株式会社製)、アゾソールブリリアントイエロー4GF、アゾソールファストブルーGLA、オイルレッドTR−71等の溶剤可溶染料;ファストイエローYL、ファストブルーFG、セリトンピンクFF3B、セリトンピンク3B等の分散染料;等が挙げられる。これら染料は、単独で用いてもよく、また、2極類以上を併用してもよい。
【0084】
なお、油溶性染料を水に分散してなる分散液を樹脂化工程で得られた反応液に添加する前段着色工程と、前記乳濁液に染料を水に溶解してなる水溶液を添加する着色工程とは、その一方のみを行ってもよいし、あるいは両工程を併用してもよいが、併用を行う方が、より一層充分にかつ均一に着色された、即ち、個々の粒子の色調がより一層揃ったアミノ樹脂架橋粒子を得ることができる点で好ましい。
【0085】
油溶性染料を水に分散してなる分散液における染料の含有量は、特に限定されるものではないが、1〜50重量%の範囲内であることがより好ましく、20〜40重量%の範岡内であることがさらに好ましい。染料の含有量が1重量%未満であると、添加する分散液の量が多量となるので、アミノ樹脂架橋粒子の生産性が低下する場合がある。一方、染料の含有量が50重量%を超えると、分散液の流動性が低下するので、添加時における取り扱い性が低下して添加に手間がかかる場合がある。また、油溶性の染料は水に対する濡れ性が乏しいため、該染料を水に分散する際には、必要に応じて、分散助剤を使用することもできる。尚、染料を水に分散してなる分散液の調製方法、および、分散液を反応液に添加・混合する方法は、特に限定されるものではな
い。
【0086】
油溶性染料を水に分散してなる分散液を添加した後の上記反応液(溶液)は、例えば炭酸ナトリウムや水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水等のアルカリ剤を用いて、そのpHを6〜12の範囲内、より好ましくは7〜9の範囲内に調節することが好ましい。これにより、硬化工程におけるアミノ樹脂前駆体の縮合・硬化を充分に制御することができる。アルカリ剤の使用量等は、特に限定されるものではない。また、アルカリ剤は、水溶液の状態で反応液に添加・混合する方法が好適であるが、該方法は、特に限定されるものではない。
【0087】
上記の様にして、本発明のアミノ樹脂架橋粉砕粒子を製造するときに使用するアミノ樹脂架橋粒子に着色することができ、種々の形状を有する着色されたアミノ樹脂粉砕粒子を最終的に得ることができる。この様にして得られた着色されたアミノ樹脂粉砕粒子は、公知の着色されたアミノ樹脂粉砕粒子とは形状が異なっているので、特異的な発色性能を示すことができる。
【0088】
本発明の製造方法においては、粉砕して得られたアミノ樹脂架橋粉砕粒子を、130〜200℃の温度で加熱する加熱工程を行うことが好ましい。加熱工程を行うことによって、アミノ樹脂架橋粒子に付着している水分および残存しているホルムアルデヒドを除去することができ、かつ、アミノ樹脂架橋粒子内の縮合(架橋)をさらに促進させることができる。上記加熱温度が130℃より低い場合には、アミノ樹脂架橋粒子内の縮合(架橋)を十分に促進させることができず、アミノ樹脂架橋粒子の硬度、耐溶剤性および耐熱性を向上させることができないおそれがあり、200℃を越える場合は、得られるアミノ樹脂架橋粒子が変色するおそれがある。
【0089】
加熱工程における加熱の方法については、特に限定されるものではなく、通常公知の加熱方法を用いればよい。
【0090】
加熱工程は、例えば、アミノ樹脂架橋粒子の含水率が3重量%以下となった段階で終了すればよい。また、加熱時間は、特に限定はされない。
【0091】
本発明の製造方法においては、上記加熱工程後、必要に応じて、粉砕(解砕)・分級等の工程をさらに行ってもよい。
【0092】
本発明の製造方法により得られたアミノ樹脂架橋粉砕粒子の平均粒子径は、さらには、0.05〜30μmであることが好ましく、より好ましくは0.1〜15μmである。平均粒子径が、0.05μm未満であると、塗料用艶消し剤として使用した場合の艶消し効果が十分でなくなるおそれがあり、30μmを超える場合は、レオロジーコントロール剤として用いた場合に十分な性能が得られないおそれがある。
【0093】
本発明の製造方法により得られたアミノ樹脂架橋粉砕粒子を構成するアミノ樹脂については、アミノ系化合物由来の構造単位とホルムアルデヒド由来の構造単位とのモル比は、アミノ系化合物由来の構造単位1モルに対するホルムアルデヒド由来の構造単位のモル数が、1.05〜3モルであることが好ましく、より好ましくは1.1〜2.5モルである。上記アミノ系化合物由来の構造単位1モルに対するホルムアルデヒド由来の構造単位のモル数が1.05モル未満であると、得られたアミノ樹脂架橋粉砕粒子の架橋度が低くなり、耐熱性、耐溶剤性が低くなるおそれがあり、3モルを超える場合は、得られたアミノ樹脂架橋粉砕粒子の硬化が十分でなく、耐熱性、耐溶剤性が低くなるおそれがある。
【0094】
本発明の製造方法により得られたアミノ樹脂架橋粉砕粒子は、上述したような性能や物性を有するものであるため、例えば、従来と同様に、艶消し剤、光拡散剤、各種フィルム用コーティング剤;ポリオレフィンやポリ塩化ビニル、各種ゴム、各種塗料、トナー等の充填剤や樹脂添加剤あるいは、フィルム用樹脂添加剤;レオロジーコントロール剤や着色剤などの用途分野に用いることができる。特に、欠陥のない高品質なアミノ樹脂架橋粉砕粒子が求められる用途には好適である。
【0095】
なお、本発明におけるアミノ樹脂架橋粉砕粒子は、電子顕微鏡写真を撮影し、その形状を見ると明らかに粉砕されている粒子である。この状態を本発明では不定形なアミノ樹脂粉砕粒子と記載する場合がある。本発明のアミノ樹脂架橋粉砕粒子の形状は、倍率2000倍で撮影された電子顕微鏡写真を画像処理し、電子顕微鏡写真領域中にある球状を示す(つまり粉砕されていない)粒子をカウントすることによりその分布を表すこと等により、好ましくその形状の特徴を示すことができる。
具体的には、上記撮影された電子顕微鏡写真の面積(A)を基準にして、当該球状粒子の面積(B)
を出し、(B)/(A)で割合を出し、出た値(C)を球状粒子面積率として(%)で表示すればよい。この時には、粉砕されにくい製造条件で製造された平均粒子径が同じ程度の粒子の、球状粒子面積率を基準にして、当該粉砕粒子の球状粒子面積率がどれぐらい小さくなっているかを算出する手法を組み合わせてもよい。
また、当該球状を示す粒子(Y)の大きさをXμm以上と仮定し、当該粒子(Y)の数をカウントしてもよい。また、合わせて、画像処理することにより当該粒子(Y)の面積を(By)として、(By)/(A)で割合を出し、(%)表示してもよい。画像処理するためのソフトは市販のものが使用できる。
より具体的には、三谷商事株式会社製、WinROOF等のソフトを使用することで、電子顕微鏡写真領域中にある球状を示す(つまり粉砕されていない)粒子をカウントすることにより、球状のアミノ樹脂粒子の分布を面積で出すことができる。より具体的には上記ソフトを利用して円形パターンマッチングを行う。撮影された電子顕微鏡写真にこの様な処理を行うことで、本発明にかかるアミノ樹脂架橋粉砕粒子に関して、その形状の特徴を表すことは好ましい実施形態となる。
【0096】
例えば、公知の粉砕されにくい条件で製造され、粉砕工程を経て製造されたアミノ樹脂架橋粒子は、上記の、撮影された電子顕微鏡写真の面積(A)を基準にして、当該球状粒子の面積(B)を出し、(B)/(A)で割合を出し、出た値(C)を球状粒子面積率として(%)で表示した値が、かなり、本発明のアミノ樹脂架橋粉砕粒子の当該球状粒子面積率(粉砕)と比較して大きくなる。
【0097】
逆に、本発明の粉砕されやすい条件で製造され、粉砕工程を経て製造されたアミノ樹脂架橋粒子は、上記の、撮影された電子顕微鏡写真の面積(A)を基準にして、当該球状粒子の面積を出し(B)、(B)/(A)で割合を出し、出た値(C)を球状粒子面積率として(%)で表示した値が、かなり、公知のアミノ樹脂架橋粒子の当該球状粒子面積率(公知品)と比較して小さくなる。よって、本発明のアミノ樹脂架橋粉砕粒子の好ましい形態としては、上記の球状粒子面積率が、特定値以下である、という形態で形状の特徴を示す。この実施形態の一つを、以下の図で説明する。
【0098】
また、得られた粉砕粒子の上記球状粒子面積率を、粉砕されない条件で製造された球状粒子面積率を基準にして、ある数値を算出し、その数値以下であると規定することもできる。
【0099】
【実施例】
以下に、実施例および比較例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお本発明におけるアミノ樹脂架橋粒子の乾燥粉体の水分測定方法は以下である。
【0100】
当該乾燥粉体を乳鉢に入れ乳棒を使って十分に粉砕する。粉砕後のサンプル約2.0gを精秤(1mgまで)しアルミカップ(直径6cm、深さ3cm)に入れ(アルミカップ自体の重さも精秤(1mgまで)しておく。それをホットプレート(表面温度120℃)上で30分間加熱する。加熱後アルミカップをデシケーター中で15分間放冷した後、その重量を測定しサンプルの減量を計算し水分とする。
【0101】
サンプル重量:Ag
アルミカップ重量:Bg
加熱放冷後アルミカップ重量:Cg
水分(%)=100−(C−B)/A*100
[実施例1]
攪拌機、還流冷却機、温度計、振動式粘度計(MIVI ITSジャパン社製、機種名:MIVI 6001)等を備えた容量10Lの反応釜に、アミノ系化合物としてのベンゾグアナミン3000g(16モル)と、濃度37重量%のホルマリン2600g(ホルムアルデヒド32モル)と、炭酸ナトリウム10重量%水溶液10g(炭酸ナトリウム0.01モル)とを仕込み、攪拌しながら昇温させて、95℃で反応させた。
【0102】
そして、反応液の粘度が4.5×10−2Pa・s(45cP)となった時点(反応開始から5時間後)で該反応液を冷却することによって、樹脂化工程を終了した。これにより、ベンゾグアナミンとホルムアルデヒドとの初期縮合物であるアミノ樹脂前駆体を含む反応液を得た。
【0103】
次に、還流冷却器、パイプラインホモミキサー(SL型、特殊機化工業株式会社製)、攪拌機、温度計等を備えた容量25L(内径28cm)の反応釜に、乳化剤としてのポリビニルアルコール(株式会社クラレ製、商品名:PVA205)100gを水7500gに溶解してなる水溶液を仕込み、攪拌しながら75℃に昇温させた。そして、該反応釜に上記の反応液を添加した後、液温を77℃に昇温させて、77℃に維持し、発泡を抑えるためにシリコーン系の消泡剤(FSアンチフォーム025、ダウコーニングアジア(株)製、有効成分28%)0.1gを水で希釈して100gとした溶液を投入した。内容物を回転速度5000rpmで激しく攪拌することにより、アミノ樹脂前駆体を乳濁させて該アミノ樹脂前駆体の濃度が30.8重量%の乳濁液を得た。該乳濁液をコールターマルチサイザー(コールター社製、測定粒子個数:30000、アパーチャ−AP200使用)で測定したところ、乳濁液中のアミノ樹脂前駆体の平均粒子径(d50)は8.5μmであり、標準偏差は2.8μmであった。(標準偏差/平均粒子径で示される変動係数は33%であった。)その後、常温の純水2500gを投入した後、得られた乳濁液は、30℃に冷却した。
【0104】
なお、上記アパーチャーはコールターマルチサイザーで当該乳濁された状態の粒子あるいは、懸濁状態の当該粒子における平均粒子径、およびそれらの分布を測定するときに使用するもので、粒子の平均粒子径によって適切なサイズを選択する。数字が大きいアパーチャーを使用すると平均粒子径が大きな粒子の粒度分布をより正確に測定できる。よって、当該平均粒子径を測定するときに適切な数字のアパーチャーを選択することが好ましい。
【0105】
次いで、触媒としての硫酸40g(0.4モル)を純水1200gに溶解してなる水溶液、および、発泡を抑えるために消泡剤0.2gを水で希釈して150gとした溶液を上記乳濁液に添加し(内容物の温度は30℃)攪拌した後、ステンレス製のバットに上記乳濁液を投入し、110℃の恒温乾燥機で8時間硬化および乾燥をさせた(触媒としての硫酸を添加してから1時間後に該乳濁液の温度が80℃なった)。乾燥後の粉体中の水分は4.0%であった。得られた乾燥粉体をジェット粉砕分級機(分級機能が付帯されているもの)、機器名:LABO JET、株式会社日本ニューマチック工業社製)を使用して粉砕及び分級を行った。運転条件として、粉体feed量:0.5kg/hr、粉砕機供給air圧:0.4MPa、2次エアー(ルーバー):小、アジャストリング:3枚(24mm)、ディスタンスリング:10mmという条件を使用した。このとき、粉砕部で使用する2次エアーはその空気中の水分量が、3g/m3の空気を使用した。これにより、白色粉末状のアミノ樹脂架橋粉砕粒子を得た。この粉体を150℃で3時間、箱型乾燥機にて加熱処理した後、該アミノ樹脂架橋粉砕粒子をコールターマルチサイザー(コールター社製、測定粒子個数:30000、アパーチャーAP50使用)で測定したところ、平均粒子径(d50)は4.4μmであり、標準偏差は2.0μm(上記変動係数は45%)であった。粉砕されることで乳化粒子に比べ平均粒子径が小さくなっていた。
【0106】
得られた粒子をSEM観察すると図1に示すような粉砕された粒子が数多く含まれた不定形の状態の白色粒子であった。
[比較例1]
実施例1で触媒としての硫酸水溶液を添加した後、恒温乾燥機で硬化乾燥させずに以下の操作を行ったこと以外は実施例1と同じ操作を行った。乳濁液中のアミノ樹脂前駆体の平均粒子径(d50)は8.4μmであり、標準偏差は2.8μmであった(AP200使用、変動係数は33%)。
【0107】
硫酸水溶液を添加した後(内容物の温度は30℃)、攪拌しながら90℃になるまで10℃/hrで昇温させた。そして、90℃に達した後、この温度で1時間保持してアミノ樹脂前駆体を縮合・硬化させた。従って、反応時間は合計7時間である。
【0108】
硬化工程を終了した後、アミノ樹脂粒子を含む懸濁液を30℃に冷却した。その後、濾別することによって懸濁液からアミノ樹脂粒子を取り出した。取り出したアミノ樹脂粒子を150℃で3時間、加熱処理した後(加熱乾燥後のアミノ樹脂粒子中の水分は2%であった)、実施例1と同様の運転条件でジェット粉砕分級機により粉砕した。
得られた白色粉体該アミノ樹脂架橋粒子をコールターマルチサイザー(コールター社製、測定粒子個数:30000)で測定したところ、平均粒子径(d50)は8.7μm、標準偏差は3.0μmであり(AP200使用、変動係数は34%)、乳化粒子と同様の平均粒子径、粒度分布となっていた。得られた粒子をSEM観察すると図2に示すような球状の白色粒子であった。
【0109】
[実施例2]
実施例1と同様にして乳濁液を得て、続いて硫酸水溶液を投入する前に以下の操作を行った。
【0110】
続いて、反応釜に、無機化合物であるシリカの水分散体としての、固形分濃度が10重量%のアエロジール200(日本アエロジル株式会社製)の水分散体3000gを添加した後、ホモミキサーで内容物を回転速度4000rpmで5分間攪拌した。乳濁液中のアミノ樹脂前駆体の平均粒子径(d50)は8.6μmであり、標準偏差は2.8μmであった(AP200使用、変動係数は33%)。
【0111】
次いで、実施例1と同様にして硫酸水溶液を添加し攪拌した後、硬化および乾燥を行い、白色アミノ樹脂粒子粉体を得た(乾燥後の粉体中の水分は3.0%であった)。得られたアミノ樹脂粒子をバンタムミル(ホソカワミクロン(株)製)を使用して粉砕した。次に、粉砕された粉体を気流分級機(機器名:Classiel N−5、セイシン企業(株)製)を使用して分級を行った(運転条件として、粉体feed量:1kg/hr、ローター回転数:4000rpm、ガイドベーン:10度、2次エアー開度:100%、3次エアー開度:0%、空気流量:9.1m3/hr、2次エアー差圧:0.20mmAq)。得られた粉体を箱型乾燥器を使用し、150℃で3時間、加熱処理して白色粉末状のアミノ樹脂架橋粉砕粒子を得た。該アミノ樹脂架橋粉砕粒子をコールターマルチサイザー(コー
ルター社製、測定粒子個数:30000)で測定したところ、平均粒子径(d50)は4.6μmであり、標準偏差は1.6μm(AP50使用、変動係数は35%)であった。また、SEMで白色粉体粒子の形状を観察したところ不定形であった。粉砕されることで乳化粒子に比べ平均粒子径が小さくなっていた。
【0112】
なお、当該粒子形状を示すために、電子顕微鏡写真を撮影した。上記実施例1および比較例1について、それぞれの条件で、5ロット当該粉砕粒子および球状粒子を製造し、各ロットで3箇所異なる場所から当該粒子サンプルを採取し電子顕微鏡写真を撮影した。(それぞれの形状で15枚撮影した)図1−4はその一例を示した。いずれの電子顕微鏡写真も、ほぼ似かよったそれぞれの形状を示すものであった。よって、図5あるいは図6で示したような画像処理を行いその球状粒子の分布面積を出すことで、本発明のアミノ樹脂架橋粉砕粒子と公知の球状のアミノ樹脂架橋粒子の状態を特徴づけることができる。具体的には、本発明のアミノ樹脂架橋粉砕粒子は、当該球状粒子と比較して、明らかに球状を呈する粒子の数が少ない。また所定の条件で撮影した電子顕微鏡写真の撮影された面積を基準にして当該粒子の分布面積を算出すればよい。
【0113】
【発明の効果】
本発明によるアミノ樹脂架橋粉砕粒子は実質的に球状ではなく不定形の粉砕物となっている。上記のアミノ樹脂架橋粉砕粒子は、アミノ樹脂前駆体を含む乳濁液の触媒添加による硬化工程を、硬化と水分の乾燥が平行して起きるような特定の硬化乾燥工程を採用してアミノ樹脂架橋粒子を製造した後で、当該アミノ樹脂架橋を粉砕することで製造することができる。上記の特定の硬化乾燥工程を経ることでアミノ樹脂とホルマリンとの架橋が不均一に起こり、粉砕しやすい、硬く脆い架橋状態であるアミノ樹脂架橋粒子を製造することができる。
【0114】
本発明のアミノ樹脂架橋粒子が粉砕により不定形に砕かれた粒子が混在している。この粒子形状の特徴により、本発明のアミノ樹脂粉砕架橋粒子は、従来の球状のアミノ樹脂前駆体の乳濁液を乳濁状態で硬化・ホルマリン架橋させて得られる球状のアミノ樹脂架橋粒子とは異なる特徴を有する。よって、艶消し剤、ポリオレフィンやポリ塩化ビニル等の熱可塑性樹脂への配合剤、PETフィルム、PPフィルム、PEフィルムおよびセロハンフィルム等のコート剤、光拡散剤、光散乱剤、各種ゴム、各種塗料、トナー等の充填剤に使用することができる。また静電潜像現像用トナー用添加剤であってもよい。また例えばあるいは樹脂添加剤やフィルム用樹脂添加剤、レオロジーコントロール剤、着色剤等、種々の用途に使用され特異的な性能を発揮するアミノ樹脂粉砕架橋粒子とすることができる。
【0115】
具体的には、本発明の不定形のアミノ樹脂架橋粉砕粒子をアンチブロッキング剤としてフィルムに添加したり、艶消し剤として樹脂や合成皮革に添加して使用した場合には、同じ程度の平均粒子径である従来の球状のアミノ樹脂架橋粒子と比べ、粒子の脱落率を低下させる効果が期待できる。これは、
本発明の粉砕粒子が球状にそろった形状ではなく、粉砕された当該アミノ樹脂架橋粒子を数多く含む不定形な形状であるために、球状のそろった形状のアミノ樹脂架橋粒子の場合と比べて粒子と基材のフィルムや樹脂との接触面積が大きいことが原因であると考えられる。また通常の球状のアミノ樹脂架橋粒子が示す滑り性や光散乱性以外の特異的な物性を保有する粒子とする事も可能になる。着色粒子として製造した場合、特異的な反射が起きる可能性があるので、種々の発色性に対応できる着色粒子とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の実施例1で得られた粉砕粒子の2000倍の倍率で測定した電子顕微鏡写真の画像を取り込んだ電子データを添付したものである。
【図2】図2は、本発明の実施例1で得られた粉砕粒子の3500倍の倍率で測定した電子顕微鏡写真の画像を取り込んだ電子データを添付したものである。
【図3】図3は、本発明の比較例1で得られた粉砕粒子の2000倍の倍率で測定した電子顕微鏡写真の画像を取り込んだ電子データを添付したものである。
【図4】図4は、本発明の比較例1で得られた粉砕粒子の3500倍の倍率で測定した電子顕微鏡写真の画像を取り込んだ電子データを添付したものである。
【図5】図5は、本発明の実施例1で得られた粉砕粒子の2000倍の倍率で測定した電子顕微鏡写真の画像を取り込んだ電子データ(図1と同じデータ)を画像処理して、粉砕粒子中に分布する球状粒子の面積を算出する手法の一例を示したものである。図5中○印が、目視により球状と判断された当該粒子である。矢印はそれを指し示したものである。なおこの図は、すべての粒子にマーキングを行っている形態ではなく画像処理の途中の状態を示している。
【図6】図6は、本発明の比較例1で得られた球状粒子の2000倍の倍率で測定した電子顕微鏡写真の画像を取り込んだ電子データ(図3と同じデータ)を画像処理して、球状粒子の面積を算出する手法の一例を示したものである。図6中○印が、目視により球状と判断された当該粒子である。矢印はそれを指し示したものである。なおこの図は、すべての粒子にマーキングを行っている形態ではなく画像処理の途中を示している。
Claims (7)
- アミノ系化合物とホルムアルデヒドとを反応させることによって得られたアミノ樹脂前駆体を乳化して得られる、アミノ樹脂前駆体の乳化粒子を含む乳濁液に触媒を添加し、前記乳濁液を加熱し該アミノ樹脂前駆体の乳化粒子を硬化させアミノ樹脂架橋粒子としながら当該乳濁液から水分を蒸発させる工程を経て乾燥したアミノ樹脂架橋粒子を得て、乾燥後得られたアミノ樹脂架橋粒子をさらに粉砕することを特徴とするアミノ樹脂架橋粉砕粒子の製造方法。
- 上記乳濁液を加熱する温度が、70℃以上であることを特徴とする請求項1記載のアミノ樹脂架橋粉砕粒子の製造方法。
- 上記当該乳濁液から水分を蒸発させる工程において、触媒を添加後1時間以内に70℃以上に該乳濁液を昇温し、該乳濁液中の乳化粒子を硬化させながら該乳濁液から水分を蒸発させることを特徴とする請求項1または2記載のアミノ樹脂架橋粉砕粒子の製造方法。
- 該乳濁液を70℃〜150℃の範囲で加熱し、該アミノ樹脂前駆体の乳化粒子を硬化させアミノ樹脂架橋粒子としながら当該乳濁液から水分を蒸発させ、水分蒸発後のアミノ樹脂架橋粒子の水分を5%以下とすることを特徴とする請求項1〜3に記載のアミノ樹脂架橋粉砕粒子の製造方法。
- 上記請求項1〜4に記載の製造方法によって得られたアミノ樹脂架橋粉砕粒子であって、当該アミノ樹脂架橋粉砕粒子の形状が実質的に球状ではなく、不定形であることを特徴とするアミノ樹脂架橋粉砕粒子。
- アミノ系化合物とホルムアルデヒドとを反応させることによって得られたアミノ樹脂前駆体を乳化して得られる、アミノ樹脂前駆体の乳化粒子を含む乳濁液に触媒を添加し、前記乳濁液を加熱し該アミノ樹脂前駆体の乳化粒子を硬化させアミノ樹脂架橋粒子とする工程により製造されたアミノ樹脂粒子を粉砕することによって得られるアミノ樹脂架橋粉砕粒子において、
アミノ樹脂前駆体の乳化粒子を硬化させる前の、当該アミノ樹脂前駆体の乳化粒子の平均粒子径(A)が0.5〜500μmの範囲であり、
当該アミノ樹脂前駆体の乳化粒子を硬化後粉砕して得られたアミノ樹脂架橋粉砕粒子の平均粒子径(B)が0.35〜350μmの範囲であり、
さらに、上記平均粒子径(B)/上記平均粒子径(A)で表される粉砕度合の比が、0.7以下であることを特徴とするアミノ樹脂架橋粉砕粒子。 - 上記アミノ樹脂前駆体の乳化粒子を硬化させる前の当該アミノ樹脂前駆体の乳化粒子の平均粒子径(A)が0.5〜500μmの範囲、変動係数が60%以下であり、
当該アミノ樹脂前駆体の乳化粒子を硬化後粉砕して得られたアミノ樹脂架橋粉砕粒子の平均粒子径(B)が0.35〜350μmの範囲、変動係数が60%以下であり、
さらに、上記平均粒子径(B)/上記平均粒子径(A)で表される粉砕度合の比が、0.7以下であることを特徴とする請求項6記載のアミノ樹脂架橋粉砕粒子。
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