JP2004244377A - アリールピペラジン誘導体の製造法 - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、医・農薬等生理活性物質や電子材料などの重要な中間体であるアリールピペラジン誘導体の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、アリールピペラジン類の製造法としては、1)アニリン類をジエタノールアミンと反応させる方法(例えば、非特許文献1及び特許文献1参照)や、2)アニリン類をビス(ブロモエチル)アミンと反応させる方法(例えば、非特許文献2及び特許文献2参照)が知られている。
【0003】
しかし、1)の方法では塩酸もしくはりん酸存在下200℃以上という過酷な条件が必要であり、芳香環上の置換基の脱離が抑えられないこと、また、2)の方法では炭酸カリウムや炭酸ナトリウムを用いるため、反応中に発生する大量の炭酸ガスのために発泡が激しく操作性が非常に困難であったり、また、水系でジエタノールアミンからビス(ブロモエチル)アミンを合成しているためにその反応の転化率が上がらず、結果としてアリールピペラジンの収率が低くなってしまうなどの問題があり、いずれも工業的に満足のいく方法とはいえない。
【0004】
【特許文献1】
特開昭57−42679号公報
【特許文献2】
特開昭60−41670号公報
【非特許文献1】
J.Am.Chem.Soc., 76, p.1853(1954)
【非特許文献2】
J.Org.Chem., 23, p.1333(1958)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、アリールピペラジン誘導体を簡便に、高収率に製造する方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、アリールピペラジン誘導体の製造法について鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
【0007】
即ち、本発明は、ジエタノールアミンを塩化水素ガスと反応させて、ビス(2−クロロエチル)アミン塩酸塩とし、更に塩基存在下、式(1)
【0008】
【化5】
【0009】
〔式中Arは、C6 − 12アリール基(該アリール基は、ハロゲン原子、C1 〜 6アルキル基、C1 〜 6アルコキシ基、トリフルオロメチル基、又はトリフルオロメトキシ基で任意に置換されていてもよい。)を表す。〕で表されるアリールアミン誘導体と反応させることを特徴とする、式(2)
【0010】
【化6】
【0011】
(式中Arは前記に同じ。)で表されるアリールピペラジン誘導体の製造法に関するものであり、又、ジエタノールアミンを塩化水素ガスと反応させることを特徴とする、ビス(2−クロロエチル)アミン塩酸塩の製造法に関するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、更に詳細に本発明を説明する。
【0013】
尚、本明細書中「n」はノルマルを「i」はイソを「s」はセカンダリーを「t」はターシャリーを「c」はシクロを「o」はオルトを「m」はメタを「p」はパラを意味する。
【0014】
まず、本明細書中に記載する各置換基を説明する。
【0015】
C6−12アリール基としては、フェニル、α−ナフチル、β−ナフチル、o−ビフェニリル、m−ビフェニリル及びp−ビフェニリル等が挙げられる。
【0016】
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。
【0017】
C1−6アルキル基としては、直鎖、分岐もしくは環状であってよく、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、c−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、c−ブチル、n−ペンチル、1−メチル−n−ブチル、2−メチル−n−ブチル、3−メチル−n−ブチル、1,1−ジメチル−n−プロピル、c−ペンチル、2−メチル−c−ブチル、n−ヘキシル、1−メチル−n−ペンチル、2−メチル−n−ペンチル、1,1−ジメチル−n−ブチル、1−エチル−n−ブチル、1,1,2−トリメチル−n−プロピル、c−ヘキシル、1−メチル−c−ペンチル、1−エチル−c−ブチル及び1,2−ジメチル−c−ブチル等が挙げられる。
【0018】
C1−6アルコキシ基としては、直鎖、分岐もしくは環状であってよく、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、c−プロポキシ、n−ブトキシ、i−ブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシ、c−ブトキシ、n−ペンチルオキシ、1−メチル−n−ブトキシ、2−メチル−n−ブトキシ、3−メチル−n−ブトキシ、1,1−ジメチル−n−プロポキシ、c−ペンチルオキシ、2−メチル−c−ブトキシ、n−ヘキシルオキシ、1−メチル−n−ペンチルオキシ、2−メチル−n−ペンチルオキシ、1,1−ジメチル−n−ブトキシ、1−エチル−n−ブトキシ、1,1,2−トリメチル−n−プロポキシ、c−ヘキシルオキシ、1−メチル−c−ペンチルオキシ、1−エチル−c−ブトキシ及び1,2−ジメチル−c−ブトキシ等が挙げられる。
【0019】
式(1)の置換基Arの具体例としては、フェニル、o−メチルフェニル、m−メチルフェニル、p−メチルフェニル、o−トリフルオロメチルフェニル、m−トリフルオロメチルフェニル、p−トリフルオロメチルフェニル、p−エチルフェニル、p−i−プロピルフェニル、p−t−ブチルフェニル、o−クロルフェニル、m−クロルフェニル、p−クロルフェニル、o−ブロモフェニル、m−ブロモフェニル、p−ブロモフェニル、o−フルオロフェニル、p−フルオロフェニル、o−メトキシフェニル、p−メトキシフェニル、o−トリフルオロメトキシフェニル、p−トリフルオロメトキシフェニル、3,5−ジメチルフェニル、3,5−ビストリフルオロメチルフェニル、3,5−ジメトキシフェニル、3,5−ビストリフルオロメトキシフェニル、3,5−ジエチルフェニル、3,5−ジ−i−プロピルフェニル、3,5−ジクロルフェニル、3,5−ジブロモフェニル、3,5−ジフルオロフェニル、2,4,6−トリメチルフェニル、2,4,6−トリストリフルオロメチルフェニル、2,4,6−トリメトキシフェニル、2,4,6−トリストリフルオロメトキシフェニル、2,4,6−トリクロルフェニル、2,4,6−トリブロモフェニル、2,4,6−トリフルオロフェニル、α−ナフチル、β−ナフチル、o−ビフェニリル、m−ビフェニリル及びp−ビフェニリル等が挙げられる。
【0020】
式(1)の置換基Arの好ましい例としては、例えば、フェニル、o−メチルフェニル、m−メチルフェニル、p−メチルフェニル、o−トリフルオロメチルフェニル、m−トリフルオロメチルフェニル、p−トリフルオロメチルフェニル、o−クロルフェニル、m−クロルフェニル、p−クロルフェニル、o−フルオロフェニル、p−フルオロフェニル、m−フルオロフェニル、m−メトキシフェニル及びp−メトキシフェニル等が挙げられ、又、例えば、o−メトキシフェニル等が挙げられる。
【0021】
次に、ビス(2−クロロエチル)アミン塩酸塩の製造法について説明する。
【0022】
一般にジエタノールアミンのハロゲン化は、下記スキームに示す如く水との平衡反応であり、水が多量に存在すると反応の転化率を上げることができない。
スキーム
【0023】
【化7】
【0024】
本発明は、原料のジエタノールアミンを塩化水素ガスと反応させることにより、ビス(2−クロロエチル)アミン塩酸塩を合成するため、非水系で反応を行なうことによりジエタノールアミンの反応転化率を上げ、ひいては収率を向上させることができる。
【0025】
本発明は、使用する塩化水素ガスを効率的に反応に使用するために、密閉加圧下で反応を実施させることが好ましい。
【0026】
圧力は0.01MPaから10MPaの範囲、特に0.1から1MPaの範囲、さらには操作性、反応速度の面から0.4から0.8MPaの範囲が望ましい。
【0027】
本反応は特に溶媒を用いなくてもよいが、必要に応じて溶媒中で実施することもできる。
【0028】
反応溶媒としては、反応に関与しないものであれば特に制限はなく、たとえば酢酸、プロピオン酸などの低級脂肪酸、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、クロルベンゼン及びo−ジクロルベンゼン等の芳香族炭化水素類、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−オクタン及びn−デカン等の脂肪族炭化水素類、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム及び四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル及びジメトキシエタン等のエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル等のエステル類、アセトニトリル、プロピオニトリル及びブチロニトリル等のニトリル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、テトラメチルウレア、スルホラン、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルイミダゾリジノン等の非プロトン性極性溶媒類等が挙げられるが、無溶媒で行うのが好ましい。
【0029】
反応温度は通常50〜300℃の範囲、好ましくは100℃〜200℃の範囲、より好ましくは130〜160℃の範囲が挙げられる。
【0030】
反応時間は、通常0.1〜100時間である。
【0031】
続いて式(2)で表されるアリールピペラジン誘導体の製造法について説明する。
【0032】
上記で得られたビス(2−クロロエチル)アミン塩酸塩と、式(1)で表されるアリールアミン誘導体とを塩基存在下反応させることにより、式(2)で表されるアリールピペラジン誘導体を合成することができる。
【0033】
塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属水酸化物、又は、三級、二級、一級のアルキルアミン類、及び、三級、二級、一級のアリールアミン類などが挙げられるが、操作性の点から、基質でもある式(1)で表されるアリールアミン誘導体を塩基として用いることが望ましい。こうすることで、反応系を複雑にすることなく、容易に反応を制御することができる。
【0034】
塩基の当量は、0.1当量以上であり、好ましくは1当量以上である。
【0035】
反応溶媒としては、反応に関与しないものであれば特に制限はなく、たとえばベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、クロルベンゼン及びo−ジクロルベンゼン等の芳香族炭化水素類、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−オクタン及びn−デカン等の脂肪族炭化水素類、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム及び四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル及びジメトキシエタン等のエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル等のエステル類、アセトニトリル、プロピオニトリル及びブチロニトリル等のニトリル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、テトラメチルウレア、スルホラン、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルイミダゾリジノン、トリエチルアミン、DBU等の非プロトン性極性溶媒類などが挙げられるが、操作性の点から、基質であり塩基でもあるアリールアミンを溶媒として用いることが望ましい。
【0036】
反応温度は通常0〜200℃の範囲、好ましくは50℃〜150℃の範囲、より好ましくは80〜120℃の範囲が挙げられる。
【0037】
反応時間は、通常0.1〜100時間である。
【0038】
生成物の分離法としては、反応終了後に、アルカリ水を入れた後、適当な溶媒により抽出し、減圧留去することで、抽出溶媒、及び、過剰に用いたアリールアミン誘導体を回収することができ、アリールピペラジン誘導体を単離することができる。
【0039】
この場合、アリールアミン誘導体とアリールピペラジン誘導体では、沸点の差が大きいため、減圧蒸留等で容易に分離できる。
【0040】
この操作により、容易にアリールピペラジン誘導体の純度を上げることができ、又、回収された原料のアリールアミン誘導体は、再利用が可能であるため、操作性及び経済性の観点で優れている。
【0041】
【実施例】
以下、実施例により更に詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0042】
実施例1
ジエタノールアミン4.3g(40.9mmol)を耐圧容器に入れ、系内を塩化水素で置換した後、塩化水素で0.6MPaまで加圧し150℃(バス温)に昇温した。6時間加熱撹拌後、室温まで冷却することで、白色結晶としてビス(クロロエチル)アミンを得た。純度90%(H−NMRのプロトン強度比から算出)。これに水18.8gを加え、100℃(バス温)まで昇温し、o−アニシジン15.7g(128mmol)を滴下、4時間加熱撹拌した。室温まで放冷した後、25%NaOH水30.3g(189mmol)を加え、クロロホルムで抽出、水洗を行なった。得られた有機層のLC(分析条件は以下の通り。カラム:L−Column ODS 4.6×250mm(化学物質評価研究機構)、オーブン温度:40℃、検出器:UV 280nm、流速:1.0ml/min、溶離液:アセトニトリル/0.1%トリエチルアミン水=50/50(v/v)、保持時間:o−メトキシフェニルピペラジン 4.65min、o−アニシジン 5.91min)による内標定量から、o−メトキシフェニルピペラジンが86%収率(ジエタノールアミン基準)で検出された。
【0043】
比較例1
比較例として、臭化水素酸水溶液を用いた場合の例を示す。
ジエタノールアミン5.3g(50mmol)、48%臭化水素酸33.3g(198mmol)、濃硫酸0.53g (5mmol)を100ml四つ口フラスコに入れ、126℃で加熱還流させた。還流1時間後、臭化水素酸水を24.7g留去した。釜残の固体は純度70%であった(H−NMRのプロトン強度比から算出)。釜残に水14.2gを加え、92℃(内温)まで昇温し、o−アニシジン14.2g(116mmol)を滴下、3時間加熱撹拌した。室温まで放冷した後、得られた反応液をLCで内標定量をおこなったところ、o−メトキシフェニルピペラジンが57%収率(ジエタノールアミン基準)で検出された。
【0044】
【発明の効果】
本発明の方法によれば、アリールピペラジン誘導体を、入手容易なジエタノールアミンを出発原料として、簡便、かつ効率的に合成することができ、その分離精製も容易である。したがって、本発明は工業的に多大の効果をもたらす。
【発明の属する技術分野】
本発明は、医・農薬等生理活性物質や電子材料などの重要な中間体であるアリールピペラジン誘導体の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、アリールピペラジン類の製造法としては、1)アニリン類をジエタノールアミンと反応させる方法(例えば、非特許文献1及び特許文献1参照)や、2)アニリン類をビス(ブロモエチル)アミンと反応させる方法(例えば、非特許文献2及び特許文献2参照)が知られている。
【0003】
しかし、1)の方法では塩酸もしくはりん酸存在下200℃以上という過酷な条件が必要であり、芳香環上の置換基の脱離が抑えられないこと、また、2)の方法では炭酸カリウムや炭酸ナトリウムを用いるため、反応中に発生する大量の炭酸ガスのために発泡が激しく操作性が非常に困難であったり、また、水系でジエタノールアミンからビス(ブロモエチル)アミンを合成しているためにその反応の転化率が上がらず、結果としてアリールピペラジンの収率が低くなってしまうなどの問題があり、いずれも工業的に満足のいく方法とはいえない。
【0004】
【特許文献1】
特開昭57−42679号公報
【特許文献2】
特開昭60−41670号公報
【非特許文献1】
J.Am.Chem.Soc., 76, p.1853(1954)
【非特許文献2】
J.Org.Chem., 23, p.1333(1958)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、アリールピペラジン誘導体を簡便に、高収率に製造する方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、アリールピペラジン誘導体の製造法について鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
【0007】
即ち、本発明は、ジエタノールアミンを塩化水素ガスと反応させて、ビス(2−クロロエチル)アミン塩酸塩とし、更に塩基存在下、式(1)
【0008】
【化5】
【0009】
〔式中Arは、C6 − 12アリール基(該アリール基は、ハロゲン原子、C1 〜 6アルキル基、C1 〜 6アルコキシ基、トリフルオロメチル基、又はトリフルオロメトキシ基で任意に置換されていてもよい。)を表す。〕で表されるアリールアミン誘導体と反応させることを特徴とする、式(2)
【0010】
【化6】
【0011】
(式中Arは前記に同じ。)で表されるアリールピペラジン誘導体の製造法に関するものであり、又、ジエタノールアミンを塩化水素ガスと反応させることを特徴とする、ビス(2−クロロエチル)アミン塩酸塩の製造法に関するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、更に詳細に本発明を説明する。
【0013】
尚、本明細書中「n」はノルマルを「i」はイソを「s」はセカンダリーを「t」はターシャリーを「c」はシクロを「o」はオルトを「m」はメタを「p」はパラを意味する。
【0014】
まず、本明細書中に記載する各置換基を説明する。
【0015】
C6−12アリール基としては、フェニル、α−ナフチル、β−ナフチル、o−ビフェニリル、m−ビフェニリル及びp−ビフェニリル等が挙げられる。
【0016】
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。
【0017】
C1−6アルキル基としては、直鎖、分岐もしくは環状であってよく、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、c−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、c−ブチル、n−ペンチル、1−メチル−n−ブチル、2−メチル−n−ブチル、3−メチル−n−ブチル、1,1−ジメチル−n−プロピル、c−ペンチル、2−メチル−c−ブチル、n−ヘキシル、1−メチル−n−ペンチル、2−メチル−n−ペンチル、1,1−ジメチル−n−ブチル、1−エチル−n−ブチル、1,1,2−トリメチル−n−プロピル、c−ヘキシル、1−メチル−c−ペンチル、1−エチル−c−ブチル及び1,2−ジメチル−c−ブチル等が挙げられる。
【0018】
C1−6アルコキシ基としては、直鎖、分岐もしくは環状であってよく、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、c−プロポキシ、n−ブトキシ、i−ブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシ、c−ブトキシ、n−ペンチルオキシ、1−メチル−n−ブトキシ、2−メチル−n−ブトキシ、3−メチル−n−ブトキシ、1,1−ジメチル−n−プロポキシ、c−ペンチルオキシ、2−メチル−c−ブトキシ、n−ヘキシルオキシ、1−メチル−n−ペンチルオキシ、2−メチル−n−ペンチルオキシ、1,1−ジメチル−n−ブトキシ、1−エチル−n−ブトキシ、1,1,2−トリメチル−n−プロポキシ、c−ヘキシルオキシ、1−メチル−c−ペンチルオキシ、1−エチル−c−ブトキシ及び1,2−ジメチル−c−ブトキシ等が挙げられる。
【0019】
式(1)の置換基Arの具体例としては、フェニル、o−メチルフェニル、m−メチルフェニル、p−メチルフェニル、o−トリフルオロメチルフェニル、m−トリフルオロメチルフェニル、p−トリフルオロメチルフェニル、p−エチルフェニル、p−i−プロピルフェニル、p−t−ブチルフェニル、o−クロルフェニル、m−クロルフェニル、p−クロルフェニル、o−ブロモフェニル、m−ブロモフェニル、p−ブロモフェニル、o−フルオロフェニル、p−フルオロフェニル、o−メトキシフェニル、p−メトキシフェニル、o−トリフルオロメトキシフェニル、p−トリフルオロメトキシフェニル、3,5−ジメチルフェニル、3,5−ビストリフルオロメチルフェニル、3,5−ジメトキシフェニル、3,5−ビストリフルオロメトキシフェニル、3,5−ジエチルフェニル、3,5−ジ−i−プロピルフェニル、3,5−ジクロルフェニル、3,5−ジブロモフェニル、3,5−ジフルオロフェニル、2,4,6−トリメチルフェニル、2,4,6−トリストリフルオロメチルフェニル、2,4,6−トリメトキシフェニル、2,4,6−トリストリフルオロメトキシフェニル、2,4,6−トリクロルフェニル、2,4,6−トリブロモフェニル、2,4,6−トリフルオロフェニル、α−ナフチル、β−ナフチル、o−ビフェニリル、m−ビフェニリル及びp−ビフェニリル等が挙げられる。
【0020】
式(1)の置換基Arの好ましい例としては、例えば、フェニル、o−メチルフェニル、m−メチルフェニル、p−メチルフェニル、o−トリフルオロメチルフェニル、m−トリフルオロメチルフェニル、p−トリフルオロメチルフェニル、o−クロルフェニル、m−クロルフェニル、p−クロルフェニル、o−フルオロフェニル、p−フルオロフェニル、m−フルオロフェニル、m−メトキシフェニル及びp−メトキシフェニル等が挙げられ、又、例えば、o−メトキシフェニル等が挙げられる。
【0021】
次に、ビス(2−クロロエチル)アミン塩酸塩の製造法について説明する。
【0022】
一般にジエタノールアミンのハロゲン化は、下記スキームに示す如く水との平衡反応であり、水が多量に存在すると反応の転化率を上げることができない。
スキーム
【0023】
【化7】
【0024】
本発明は、原料のジエタノールアミンを塩化水素ガスと反応させることにより、ビス(2−クロロエチル)アミン塩酸塩を合成するため、非水系で反応を行なうことによりジエタノールアミンの反応転化率を上げ、ひいては収率を向上させることができる。
【0025】
本発明は、使用する塩化水素ガスを効率的に反応に使用するために、密閉加圧下で反応を実施させることが好ましい。
【0026】
圧力は0.01MPaから10MPaの範囲、特に0.1から1MPaの範囲、さらには操作性、反応速度の面から0.4から0.8MPaの範囲が望ましい。
【0027】
本反応は特に溶媒を用いなくてもよいが、必要に応じて溶媒中で実施することもできる。
【0028】
反応溶媒としては、反応に関与しないものであれば特に制限はなく、たとえば酢酸、プロピオン酸などの低級脂肪酸、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、クロルベンゼン及びo−ジクロルベンゼン等の芳香族炭化水素類、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−オクタン及びn−デカン等の脂肪族炭化水素類、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム及び四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル及びジメトキシエタン等のエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル等のエステル類、アセトニトリル、プロピオニトリル及びブチロニトリル等のニトリル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、テトラメチルウレア、スルホラン、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルイミダゾリジノン等の非プロトン性極性溶媒類等が挙げられるが、無溶媒で行うのが好ましい。
【0029】
反応温度は通常50〜300℃の範囲、好ましくは100℃〜200℃の範囲、より好ましくは130〜160℃の範囲が挙げられる。
【0030】
反応時間は、通常0.1〜100時間である。
【0031】
続いて式(2)で表されるアリールピペラジン誘導体の製造法について説明する。
【0032】
上記で得られたビス(2−クロロエチル)アミン塩酸塩と、式(1)で表されるアリールアミン誘導体とを塩基存在下反応させることにより、式(2)で表されるアリールピペラジン誘導体を合成することができる。
【0033】
塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属水酸化物、又は、三級、二級、一級のアルキルアミン類、及び、三級、二級、一級のアリールアミン類などが挙げられるが、操作性の点から、基質でもある式(1)で表されるアリールアミン誘導体を塩基として用いることが望ましい。こうすることで、反応系を複雑にすることなく、容易に反応を制御することができる。
【0034】
塩基の当量は、0.1当量以上であり、好ましくは1当量以上である。
【0035】
反応溶媒としては、反応に関与しないものであれば特に制限はなく、たとえばベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、クロルベンゼン及びo−ジクロルベンゼン等の芳香族炭化水素類、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−オクタン及びn−デカン等の脂肪族炭化水素類、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム及び四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル及びジメトキシエタン等のエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル等のエステル類、アセトニトリル、プロピオニトリル及びブチロニトリル等のニトリル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、テトラメチルウレア、スルホラン、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルイミダゾリジノン、トリエチルアミン、DBU等の非プロトン性極性溶媒類などが挙げられるが、操作性の点から、基質であり塩基でもあるアリールアミンを溶媒として用いることが望ましい。
【0036】
反応温度は通常0〜200℃の範囲、好ましくは50℃〜150℃の範囲、より好ましくは80〜120℃の範囲が挙げられる。
【0037】
反応時間は、通常0.1〜100時間である。
【0038】
生成物の分離法としては、反応終了後に、アルカリ水を入れた後、適当な溶媒により抽出し、減圧留去することで、抽出溶媒、及び、過剰に用いたアリールアミン誘導体を回収することができ、アリールピペラジン誘導体を単離することができる。
【0039】
この場合、アリールアミン誘導体とアリールピペラジン誘導体では、沸点の差が大きいため、減圧蒸留等で容易に分離できる。
【0040】
この操作により、容易にアリールピペラジン誘導体の純度を上げることができ、又、回収された原料のアリールアミン誘導体は、再利用が可能であるため、操作性及び経済性の観点で優れている。
【0041】
【実施例】
以下、実施例により更に詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0042】
実施例1
ジエタノールアミン4.3g(40.9mmol)を耐圧容器に入れ、系内を塩化水素で置換した後、塩化水素で0.6MPaまで加圧し150℃(バス温)に昇温した。6時間加熱撹拌後、室温まで冷却することで、白色結晶としてビス(クロロエチル)アミンを得た。純度90%(H−NMRのプロトン強度比から算出)。これに水18.8gを加え、100℃(バス温)まで昇温し、o−アニシジン15.7g(128mmol)を滴下、4時間加熱撹拌した。室温まで放冷した後、25%NaOH水30.3g(189mmol)を加え、クロロホルムで抽出、水洗を行なった。得られた有機層のLC(分析条件は以下の通り。カラム:L−Column ODS 4.6×250mm(化学物質評価研究機構)、オーブン温度:40℃、検出器:UV 280nm、流速:1.0ml/min、溶離液:アセトニトリル/0.1%トリエチルアミン水=50/50(v/v)、保持時間:o−メトキシフェニルピペラジン 4.65min、o−アニシジン 5.91min)による内標定量から、o−メトキシフェニルピペラジンが86%収率(ジエタノールアミン基準)で検出された。
【0043】
比較例1
比較例として、臭化水素酸水溶液を用いた場合の例を示す。
ジエタノールアミン5.3g(50mmol)、48%臭化水素酸33.3g(198mmol)、濃硫酸0.53g (5mmol)を100ml四つ口フラスコに入れ、126℃で加熱還流させた。還流1時間後、臭化水素酸水を24.7g留去した。釜残の固体は純度70%であった(H−NMRのプロトン強度比から算出)。釜残に水14.2gを加え、92℃(内温)まで昇温し、o−アニシジン14.2g(116mmol)を滴下、3時間加熱撹拌した。室温まで放冷した後、得られた反応液をLCで内標定量をおこなったところ、o−メトキシフェニルピペラジンが57%収率(ジエタノールアミン基準)で検出された。
【0044】
【発明の効果】
本発明の方法によれば、アリールピペラジン誘導体を、入手容易なジエタノールアミンを出発原料として、簡便、かつ効率的に合成することができ、その分離精製も容易である。したがって、本発明は工業的に多大の効果をもたらす。
Claims (6)
- アリールアミン誘導体がo−メトキシアニリンである請求項1、請求項2又は請求項3に記載の製造法。
- アルカリ金属水酸化物を塩基として用いる請求項1に記載の製造法。
- ジエタノールアミンを塩化水素ガスと反応させることを特徴とする、ビス(2−クロロエチル)アミン塩酸塩の製造法。
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