JP2004244370A - ニキビ用の皮膚外用剤 - Google Patents

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宏 池野
Koichi Nomura
浩一 野村
Keiichiro Yoshihama
桂一郎 吉浜
Sachiyoshi Mori
福義 森
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Abstract

【課題】アスコルビン酸類の高濃度製剤における、一過性の刺激の低減化手段を提供する。
【解決手段】1)アスコルビン酸、その誘導体及びそれらの塩から選択される1種乃至は2種以上を4〜6重量%と、2)緩衝剤0.4〜1重量%とを皮膚外用剤に含有させる。前記緩衝剤としては、リン酸及びその塩を用い、pHを8〜9に調整する。セイヨウボダイジュ等のシナノキ科の植物、キンセンカやゴボウ等のキク科の植物、ワレモコウ等のバラ科の植物等のエキスを抗炎症成分として含有させる。その他の生薬エキスとしては、シラカバ等のカバノキ科の植物のエキス、ヤマグワ等のクワ科の植物のエキスを好適に含有する。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、皮膚外用剤に関し、更に詳細には、ニキビの生成予防、悪化予防、症状の改善等ニキビの処置に有用な皮膚外用剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
ニキビは、吹き出物、面疱、尋常性挫そう等の別称を有する、思春期に発症する慢性炎症性の疾患であり、その治癒した後には、所謂「あばた」と呼ばれる瘢痕が残りやすい為、古くよりその処置には苦慮されてきた。しかしながら、ニキビにおいては、その発生の因子として、内因性のものと、外因性のものとが存在し、内因性のものとしては、テストステロン−5α−リダクターゼの活性の昂進、リパーゼの活性の昂進と言った脂質代謝異常、活性酸素消去能の低下等が因子として存在すると言われるし、外因性のものとしては、脂質の摂取量の多い食習慣、ストレス、プロピオンバクテリウムアクネス(P.acnes)への感染等が挙げられる。言ってみれば、ここの要因はある程度究明されているものの、ニキビ生成のメカニズムは正確なところは、不明な点が多く、要因が複合して引き起こされる可能性が高いといえる。従って、ニキビに対する対処も、対症療法的なもの、経験的なものが殆どであり、その一例を挙げれば、アスコルビン酸等ででリパーゼを阻害する方法(特開2002−220325)、活性酸素消去作用を有する生薬エキスで活性酸素を消去する方法(特開2002−302442)、レチノイン等で炎症を抑える方法(特開2002−293746)等の方法が提唱されているが、その臨床的有用性には疑問が残る。この様な中で、臨床的にも広く効果が認められている方法に、アスコルビン酸類を4〜6重量%と高濃度に含有する製剤で処置する方法がある。(WO99−158029)しかしながら、この様な方法に於いては、アスコルビン酸類に起因するスティギングが誘発されやすく、この一過性の刺激故に処置を中断せざるを得ない場合が少なくなかった。これはニキビにおいては炎症がベースに存在する為、通常の皮膚よりも刺激を感じやすい為である。即ち、アスコルビン酸類の高濃度製剤における、一過性の刺激の低減化手段の開発が望まれていた。
【0003】
一方、アスコルビン酸類を高濃度含有する皮膚外用剤の製剤において、2)緩衝剤0.4〜1重量%含有するものは全く知られていないし、この様な製剤が一過性の刺激が低減できることも知られていなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、この様な状況下為されたものであり、アスコルビン酸類の高濃度製剤における、一過性の刺激の低減化手段を提供することを課題とする。
【0005】
【課題の解決手段】
この様な状況に鑑みて、本発明者らは、アスコルビン酸類の高濃度製剤における、一過性の刺激の低減化手段を求めて、鋭意研究努力を重ねた結果、1)アスコルビン酸、その誘導体及びそれらの塩から選択される1種乃至は2種以上を4〜6重量%と、2)緩衝剤0.4〜1重量%含有する皮膚外用剤がその様な特性を有していることを見出し、発明を完成させるに至った。
(1)1)アスコルビン酸、その誘導体及びそれらの塩から選択される1種乃至は2種以上を4〜6重量%と、2)緩衝剤0.4〜1重量%含有することを特徴とする、皮膚外用剤。
(2)前記アスコルビン酸、その誘導体及びそれらの塩から選択される1種乃至は2種以上が、アスコルビン酸リン酸エステル及び/又はその塩であることを特徴とする、(1)に記載の皮膚外用剤。
(3)前記緩衝剤が、リン酸及びその塩であることを特徴とする、(1)又は(2)に記載の皮膚外用剤。
(4)pHが、8〜9であることを特徴とする、(1)〜(3)何れか1項に記載の皮膚外用剤。
(5)ニキビの処置用であることを特徴とする、(1)〜(4)何れか1項に記載の皮膚外用剤。
【0006】
【発明の実施の形態】
(1)本発明の皮膚外用剤の必須成分であるアスコルビン酸類
本発明の皮膚外用剤は、必須成分としてアスコルビン酸類を含有することを特徴とする。本発明の皮膚外用剤に於いて、用いることのできるアスコルビン酸類としては、アスコルビン酸、アスコルビン酸のリン酸エステル、アスコルビン酸グルコシドなどのアスコルビン酸の配糖体、該配糖体のアシル化体及びこれらの塩などが例示でき、塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、トリエタノールアミン塩、トリエチルアミン塩等の有機アミン塩類、リジン塩、アルギニン塩等の塩基性アミノ酸塩等が好ましく例示できる。これらの化合物群の内、特に好ましいものはアスコルビン酸リン酸エステル及び/又はその塩であり、塩としてはナトリウム塩又はカリウム塩が好ましく例示できる。これらは唯一種を含有することも出来るし、二種以上を組み合わせて含有させることも出来る。かかるアスコルビン酸類の好ましい含有量は、総量で、皮膚外用剤全量に対して、3〜10重量%であり、更に好ましくは、4〜6重量%である。これは少なすぎるとニキビに対する効果を発揮しない場合があり、多すぎても効果が頭打ちで皮膚刺激などの毒性を発現する場合があるからである。
【0007】
(2)本発明の皮膚外用剤の必須成分である緩衝剤
本発明の皮膚外用剤は、緩衝剤を0.4〜1重量%含有することを特徴とする。本発明においては、緩衝剤とは、pHを安定に維持する為に含有される酸、塩基或いはそれらの塩を組み合わせた成分であり、具体的には、クエン酸、クエン酸塩、リン酸、リン酸塩、酢酸、酢酸塩、アンモニア、アンモニウム塩、アミノ酸類等が例示できる。これらの内では、クエン酸とクエン酸ナトリウムを用いた緩衝系を用いることが好ましい。これらを総量で0.4〜1重量%含有させることにより、pHを安定化させるとともに、アスコルビン酸類の刺激発現を抑制することが出来る。この時、pHとしては、8〜9に設定することが、刺激発現をより抑制できて好ましい。
【0008】
(3)本発明の皮膚外用剤
本発明の皮膚外用剤は、前記必須成分を含有することを特徴とする。本発明の皮膚外用剤は、特に好ましくはニキビの処置に用いることが使用用途として例示できる。ここで、ニキビの処置としては、ニキビが発生しないように予防するニキビ生成予防、出来たニキビが増悪しないように予防する悪化予防、出来たニキビが軽快になるように作用するニキビ改善などが例示できる。本発明の皮膚外用剤においては、一過性の刺激発現が抑制されている為、アスコルビン酸類投与時の一過性の刺激により、ニキビの炎症が増悪するのが防がれており、これによりニキビに対するアスコルビン酸類の処置作用を遺憾なく発揮させることが出来る。本発明の皮膚外用剤においては、前記必須成分以外に通常化粧料、皮膚外用医薬などの皮膚外用剤で使用される任意成分を含有することが出来る。かかる任意成分としては、例えば、スクワラン、流動パラフィン、軽質流動イソパラフィン、重質流動イソパラフィン、マイクロクリスタリンワックス、固形パラフィンなどの炭化水素類、ジメチコン、フェメチコン、シクロメチコン、アモジメチコン、ポリエーテル変性シリコーンなどのシリコーン類、ホホバ油、カルナウバワックス、モクロウ、ミツロウ、ゲイロウ、オレイン酸オクチルドデシル、イソプロピルミリステート、ネオペンチルグリコールジイソステアレート、リンゴ酸ジイソステアレートなどのエステル類、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、イソステアリン酸、イソパルミチン酸、ベヘン酸、オレイン酸などの脂肪酸類、ベヘニルアルコール、セタノール、オレイルアルコール、オクタデシルアルコールなどの高級アルコール類、ヒマシ油、椰子油、水添椰子油、椿油、小麦胚芽油、イソステアリン酸トリグリセライド、イソオクタン酸トリグリセライド、オリーブオイル等のトリグリセライド類、1,3−ブタンジオール、グリセリン、ジグリセリン、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキシレングリコール、イソプレングリコールなどの多価アルコール、ソルビタンセスキオレート、ソルビタンモノオレート、ソルビタントリオレート、ソルビタンセスキステアレート、ソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンステアレート、ポリオキシエチレンオレート、ポリオキシエチレングリセリル脂肪酸エステル、ポリエキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等の非イオン界面活性剤、ソジウムラウリルステアレート、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、スルホコハク酸エステル塩などのアニオン界面活性剤、4級アルキルアンモニウム塩等のカチオン界面活性剤類、アルキルベタイン等の両性界面活性剤類、結晶セルロースや架橋型メチルポリシロキサン、ポリエチレン粉末、アクリル樹脂粉体等の有機粉体類、タルク、マイカ、セリサイト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、二酸化チタン、酸化鉄、紺青、群青、チタンマイカ、チタンセリサイト、シリカ等の表面処理されていても良い粉体類、アクリル酸・メタクリル酸アルキルコポリマー及び/又はその塩、カルボキシビニルポリマー及び/又はその塩、キサンタンガムやヒドロキシプロピルセルロースなどの増粘剤、レチノール、レチノイン酸、トコフェロール、リボフラビン、ピリドキシン、アスコルビン酸、アスコルビン酸リン酸エステル塩などのビタミンやグリチルリチン酸塩、グリチルレチン、ウルソール酸、オレアノール酸などのテルペン類、エストラジオール、エチニルエストラジオール、エストリオールなどのステロイド類などの有効成分、フェノキシエタノール、パラベン類、ヒビテングルコネート、塩化ベンザルコニウム等の防腐剤、ジメチルアミノ安息香酸エステル類、桂皮酸エステル類、ベンゾフェノン類などの紫外線吸収剤、種々の生薬エキス類などが好ましく例示できる。かかる任意成分の内、好ましいものとしては、生薬エキス類、取り分け、抗炎症作用のある生薬エキス類が好ましく例示できる。この内、抗炎症作用のある生薬としては、シナノキ科セイヨウボダイジュ(Tilia europaea)の近縁植物である、シナノキ (Tilia japonica)、ボダイジュ(Tilia miqueliana)セイヨウシナノキ、(Tilia europium)、フユボダイジュ(Tilia cordata)、マンシュウボダイジュ(Tilia mandshurica)、モンゴルボダイジュ(Tilia mongolica)、シロボダイジュ(Tilia tomentosa)、キク科トウキンセンカ(Calendula officinalis)の近縁植物である、キンセンカ(Calendula arvensis)、バラ科ワレモコウ(Sanguisorba officinalis)の近縁植物である、バーネット(Sanguisorba minor)、ナガバノシロワレモコウ(Sanguisorba tenuifolia)、キク科ゴボウ(Arctium lappa (Compositae))などが例示できる。又、エキスを作成するのに好適な部位としては、シナノキ科セイヨウボダイジュ及びその近縁植物では、花蕾とその周辺部位、葉が、キク科トウキンセンカ及びその近縁植物では花片が、ワレモコウ及びその近縁植物では根部が好ましく例示できる。かかる植物及び/又はその近縁植物のエキスは、炎症過程のアラキドン酸カスケードで、アラキドン酸をプロスタグランジンに酸化する酵素であるシクロオキシゲナーゼ(COX)を阻害作用する作用を有する。かかる植物及び/又はその近縁植物のエキスの内、特に好ましいものはシナノキ科セイヨウボダイジュのエキスである。本発明の皮膚外用剤に於いては、かかるB群の植物及び/又はその近縁植物のエキスは唯一種を含有させることも出来るし、二種以上を組み合わせて含有させることも出来る。かかるB群の植物及び/又はその近縁植物のエキスの好ましい含有量は、総量で皮膚外用剤全量に対して、0.01〜10重量%であり、更に好ましくは0.05〜5重量%である。これは、少なすぎるとCOX阻害作用を発現しない場合があり、多すぎても効果が頭打ちになり、徒に処方の自由度を阻害するからである。
【0009】
ここで、本発明に言うエキスとは、植物体そのもの、植物体を乾燥、細切など加工した加工物、植物体乃至はその加工物に溶媒を加え抽出した抽出物、抽出物より溶媒を除去した抽出物の溶媒除去物、抽出物或いはその溶媒除去物をカラムクラマトグラフィーや液液抽出により分画精製した、分画精製物などの総称を意味し、本発明のエキスとしては、抽出物乃至はその溶媒除去物が好ましく例示できる。抽出物としては、極性の高いい溶剤によって抽出された抽出物の溶剤除去物が特に好ましく例示できる。極性の高い溶剤としては、ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類、塩化メチレン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素類、酢酸エチル、蟻酸メチルなどのエステル類、アセトンやメチルエチルケトン等のケトン類、アセトニトリルなどのニトリル類、1,3−ブタンジオール、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類、水などが好ましく例示できる。これらの内では、アルコール及び/又は水が特に好ましい。抽出は、植物体に対して1〜10重量倍の溶剤を加え、室温であれば数日間、沸点付近の温度であれば数時間浸漬すればよい。抽出後は、必要に応じて、減圧濃縮などして溶剤を除去することが好ましい。
【0010】
以下に前記の生薬植物及び/又はその近縁植物のエキスの製造例を示す。
(製造例1)
シナノキ科セイヨウボダイジュの花、蕾及び葉の乾燥物500gを細切し、5lの1,3−ブタンジオールを加え、3時間加熱還流して放冷した後、濾過にて不溶分を除去してエキス1を得た。
(製造例2)
製造例1のシナノキ科セイヨウボダイジュの花、蕾及び葉をキク科トウセンカの花片に変え、同様に処理し、エキス2を得た。
(製造例3)
製造例1のシナノキ科セイヨウボダイジュの花、蕾及び葉をバラ科ワレモコウの根部に変え、同様に処理し、エキス3を得た。
(製造例4)
製造例1のシナノキ科セイヨウボダイジュの花、蕾及び葉をキク科ゴボウの根部に変え、同様に処理し、エキス4を得た。
【0011】
抗炎症作用のある生薬エキス以外の生薬エキスで好ましいものとしては、クワ科ヤマグワ(Morus bom bycis Koidz)の根皮であるソウハクヒのエキスが挙げられる。このものは、津液改善作用があることが知られており、このものを共存させることにより、ニキビの部位の脂質代謝を改善でき、アスコルビン酸類の効果を更に高めることが出来る。かかるエキスの好ましい含有量は、総量で皮膚外用剤全量に対して、0.01〜10重量%であり、更に好ましくは0.05〜5重量%である。
(製造例5)
クワ科ヤマグワの根皮の乾燥物500gを細切し、5lの1,3−ブタンジオールを加え、3時間加熱還流して放冷した後、濾過にて不溶分を除去してエキス5を得た。
【0012】
又、カバノキ科カバノキ属(Betula sp.(Betulaceae))の樹皮のエキスを含有させることも好ましい。カバノキ科カバノキ属の植物としては、例えば、シラカンバ(Betula japonica x)、アルボ・シネンシス(Betula albo−sinensis)、ダケカンバ(Betula ermanii )、ルテア(Betula lutea)、ウダイカンバ(Betula maximowicziana)、ニグラ(Betula nigra )、パピリフェラ(Betula papyrifera )、ペンデュラ(Betula pendula)等が例示できる。かかる植物のエキスは解熱作用を有することが知られている。かかるエキスの中には市販されているものがありそれを利用することも出来る。市販のエキスで好ましいものは、一丸ファルコス株式会社より市販されている、シラカンバのエキスである、シラカバエキスが例示できる。かかるカバノキ科カバノキ属の植物のエキスの好ましい含有量は、総量で皮膚外用剤全量に対して、0.01〜10重量%であり、更に好ましくは0.05〜5重量%である。
【0013】
本発明の皮膚外用剤は、これらの必須成分、任意成分、任意成分の内、好ましい成分を常法に従って処理することにより製造することが出来る。
【0014】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて、本発明について更に詳細に説明を加えるが、本発明が、かかる実施例にのみ限定されないことは言うまでもない。
【0015】
<実施例1>
以下に示す処方に従って、本発明の皮膚外用剤である、ニキビ用の化粧料(化粧料)を作成した。即ち、処方成分を80℃に加熱して、可溶化し、攪拌冷却し、本発明の皮膚外用剤である化粧料1を得た。このもののpHは8.5であった。このものの緩衝剤である、クエン酸とクエン酸ナトリウムの量を減らした比較例1の化粧料も同様に作成し、スティギングを感じやすいパネラー7名を用いて、感じるスティギングの程度を判定した。即ち、25℃、70%の環境下、下腕内側部を刺激を遮断した状況におき、被験者に感知されないように、36℃に温度調整をしたサンプルを綿棒で軽く接触させ、どの程度の刺激を感じるかを答えてもらった。接触のみによる刺激の因子を差し引く為に、対照例として10mMリン酸緩衝生理食塩水(pH7)でも同様の操作を行った。感じた刺激の程度は次に示すランクに分類してもらった。ランク1:接触が感知できなかった、ランク2:接触したことは感知できたが、それ以外のものは感じなかった、ランク3:少しぴりっと感じた、スコア4:少し痛かった、スコア5:痛かったの5つのランクである。結果を出現例数として表1に示す。これより本発明の皮膚外用剤はスティギングを抑制していることがわかる。
(化粧料1)
ポリエチレングリコール1500 1 重量部
1,3−ブタンジオール 6 重量部
グリセリン 2 重量部
エタノール 7 重量部
クエン酸 0.035重量部
クエン酸ナトリウム 0.5重量部
グリチルリチン酸2カリウム 0.1重量部
エキス1 0.1重量部
エキス4 0.1重量部
エキス5 0.1重量部
シラカバエキス(一丸ファルコス(株)) 0.1重量部
トリメチルグリシン 0.1重量部
ロイヤルゼリー 0.1重量部
アスコルビン酸リン酸2ナトリウム塩 5 重量部
フェノキシエタノール 0.3重量部
POE(60)硬化ヒマシ油 0.1重量部
水 77.465重量部
(比較例1;pH8.4)
ポリエチレングリコール1500 1 重量部
1,3−ブタンジオール 6 重量部
グリセリン 2 重量部
エタノール 7 重量部
クエン酸 0.025重量部
クエン酸ナトリウム 0.35重量部
グリチルリチン酸2カリウム 0.1重量部
エキス1 0.1重量部
エキス4 0.1重量部
エキス5 0.1重量部
シラカバエキス(一丸ファルコス(株)) 0.1重量部
トリメチルグリシン 0.1重量部
ロイヤルゼリー 0.1重量部
アスコルビン酸リン酸2ナトリウム塩 5 重量部
フェノキシエタノール 0.3重量部
POE(60)硬化ヒマシ油 0.1重量部
水 77.625重量部
【0016】
【表1】
Figure 2004244370
【0017】
<実施例2>
化粧料1の緩衝剤の量を増やして、化粧料2を作成し、実施例1と同様に検討を行った。pHは8.4であった。同じパネラーを使用したスティギングランクの分布は、ランク1が4名でランク2が3名であった。少し、刺激が強めにはなっているものの、充分にスティギングを抑制していることがわかる。これより本発明の皮膚外用剤においては、緩衝剤を0.4〜1重量%含有することが好ましいことがわかる。
(化粧料2)
ポリエチレングリコール1500 1 重量部
1,3−ブタンジオール 6 重量部
グリセリン 2 重量部
エタノール 7 重量部
クエン酸 0.049重量部
クエン酸ナトリウム 0.7重量部
グリチルリチン酸2カリウム 0.1重量部
エキス1 0.1重量部
エキス4 0.1重量部
エキス5 0.1重量部
シラカバエキス(一丸ファルコス(株)) 0.1重量部
トリメチルグリシン 0.1重量部
ロイヤルゼリー 0.1重量部
アスコルビン酸リン酸2ナトリウム塩 5 重量部
フェノキシエタノール 0.3重量部
POE(60)硬化ヒマシ油 0.1重量部
水 77.251重量部
【0018】
<実施例3>
アスコルビン酸リン酸ナトリウムの量を変えて、化粧料3を作成し、実施例1と同様に検討を行った。pHは8.4であった。スティギングランクの分布は、ランク1が4名でランク2が3名であった。少し、刺激が強めにはなっているものの、充分にスティギングを抑制していることがわかる。これより本発明の皮膚外用剤に於けるアスコルビン酸類の含有量は、4〜6重量%が適当であることがわかる。
(化粧料3)
ポリエチレングリコール1500 1 重量部
1,3−ブタンジオール 6 重量部
グリセリン 2 重量部
エタノール 7 重量部
クエン酸 0.035重量部
クエン酸ナトリウム 0.5重量部
グリチルリチン酸2カリウム 0.1重量部
エキス1 0.1重量部
エキス4 0.1重量部
エキス5 0.1重量部
シラカバエキス(一丸ファルコス(株)) 0.1重量部
トリメチルグリシン 0.1重量部
ロイヤルゼリー 0.1重量部
アスコルビン酸リン酸2ナトリウム塩 6 重量部
フェノキシエタノール 0.3重量部
POE(60)硬化ヒマシ油 0.1重量部
水 76.465重量部
【0019】
<実施例4>
実施例1の化粧料1に於ける生薬エキスの影響を調べる為に、生薬エキスを除いた化粧料4を作成し、実施例1と同様に評価した。スティギングランクは、ランク2が6名、ランク3が1名であった。これより、緩衝剤の0.4〜1重量%の含有によりスティギングは抑制されているものの、生薬エキスは更にその抑制効果を高めるものであることがわかった。
(化粧料4)
ポリエチレングリコール1500 1 重量部
1,3−ブタンジオール 6 重量部
グリセリン 2 重量部
エタノール 7 重量部
クエン酸 0.035重量部
クエン酸ナトリウム 0.5重量部
グリチルリチン酸2カリウム 0.1重量部
トリメチルグリシン 0.1重量部
ロイヤルゼリー 0.1重量部
アスコルビン酸リン酸2ナトリウム塩 5 重量部
フェノキシエタノール 0.3重量部
POE(60)硬化ヒマシ油 0.1重量部
水 77.765重量部
【0020】
<実施例5〜10>
実施例4の検討結果をもとに、化粧料5〜を作成し、各種生薬の効果を確認した。スティギングランクの出現率を表2に示す。これより何れの生薬エキスにもスティギング抑制効果を高める作用があることがわかる。
(化粧料5〜10)
ポリエチレングリコール1500 1 重量部
1,3−ブタンジオール 6 重量部
グリセリン 2 重量部
エタノール 7 重量部
クエン酸 0.035重量部
クエン酸ナトリウム 0.5重量部
グリチルリチン酸2カリウム 0.1重量部
トリメチルグリシン 0.1重量部
ロイヤルゼリー 0.1重量部
アスコルビン酸リン酸2ナトリウム塩 5 重量部
フェノキシエタノール 0.3重量部
POE(60)硬化ヒマシ油 0.1重量部
表2に記載の生薬エキス 0.3重量部
水 77.465重量部
【0021】
【表2】
Figure 2004244370
【0022】
<実施例11〜14>
化粧料1を元に、アスコルビン酸類を変えて、化粧料11〜を作成し、同様に評価した。結果を表3に示す。これより何れのアスコルビン酸類を用いてもスティギングが抑制されていることがわかる。
(化粧料11〜14)
ポリエチレングリコール1500 1 重量部
1,3−ブタンジオール 6 重量部
グリセリン 2 重量部
エタノール 7 重量部
クエン酸 0.035重量部
クエン酸ナトリウム 0.5重量部
グリチルリチン酸2カリウム 0.1重量部
エキス1 0.1重量部
エキス4 0.1重量部
エキス5 0.1重量部
シラカバエキス(一丸ファルコス(株)) 0.1重量部
トリメチルグリシン 0.1重量部
ロイヤルゼリー 0.1重量部
表3に記載のアスコルビン酸類 5 重量部
フェノキシエタノール 0.3重量部
POE(60)硬化ヒマシ油 0.1重量部
水 77.465重量部
【0023】
【表3】
Figure 2004244370
(pH)化粧料11:8.4、化粧料12:8.6、化粧料13:8.7、化粧料14:8.5
【0024】
<実施例15>
化粧料1及び比較例1を用いて、軽度のニキビに悩む人を対象に2週間の使用テストを行った。パネラーは1群9名で、合計18名を用いた。1群は化粧料1をニキビの部位に使用し、他の1群は比較例1をニキビの部位に使用してもらった。使用は連日朝晩の2回行ってもらった。使用時に刺激を感じた場合には直ちに試験を中止してもらい、中止例として扱った。試験終了後、ニキビの改善度をスコア5:著しく改善、スコア4:改善、スコア3:やや改善、スコア2:不変、スコア1:増悪の基準でスコアを付して評価してもらった。これらの結果を表4に示す。これより、本発明の皮膚外用剤はニキビに対して優れた改善作用を有するとともに、スティギングが抑制されており、ニキビの処置が中途で中断されることなく出来ることがわかる。
【0025】
【表4】
Figure 2004244370
【0026】
【発明の効果】
本発明によれば、アスコルビン酸類の高濃度製剤における、一過性の刺激の低減化手段を提供することができる。

Claims (5)

  1. 1)アスコルビン酸、その誘導体及びそれらの塩から選択される1種乃至は2種以上を4〜6重量%と、2)緩衝剤0.4〜1重量%含有することを特徴とする、皮膚外用剤。
  2. 前記アスコルビン酸、その誘導体及びそれらの塩から選択される1種乃至は2種以上が、アスコルビン酸リン酸エステル及び/又はその塩であることを特徴とする、請求項1に記載の皮膚外用剤。
  3. 前記緩衝剤が、リン酸及びその塩であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の皮膚外用剤。
  4. pHが、8〜9であることを特徴とする、請求項1〜3何れか1項に記載の皮膚外用剤。
  5. ニキビの処置用であることを特徴とする、請求項1〜4何れか1項に記載の皮膚外用剤。
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