JPH07278001A - 皮膚外用組成物及び浴用剤 - Google Patents

皮膚外用組成物及び浴用剤

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JPH07278001A
JPH07278001A JP6100536A JP10053694A JPH07278001A JP H07278001 A JPH07278001 A JP H07278001A JP 6100536 A JP6100536 A JP 6100536A JP 10053694 A JP10053694 A JP 10053694A JP H07278001 A JPH07278001 A JP H07278001A
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skin
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幸修 西部
Norihiro Tomono
規博 伴野
Shinko Kawagoe
慎子 川越
Kanae Wakamatsu
香苗 若松
Hiroshi Ando
弘 安藤
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】新規で安全な抗アレルギー剤と、それを配合し
た皮膚外用組成物及び浴用剤を提供することを目的とす
る。 【構成】コパイバ、バタタ、コンフリーから選ばれた1
種以上の植物抽出物を抗アレルギー剤として、更に乳
液、クリーム、軟膏等の形態で皮膚外用組成物や浴用剤
として利用でき、皮膚老化防止効果や湿疹・肌荒れの改
善効果に優れ、蕁麻疹、アトピー性皮膚炎、アレルギー
性鼻炎、花粉症等の各種アレルギー性疾患の予防、治療
に有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規で且つ安全な抗ア
レルギー剤とその応用に関するものである。更に詳しく
は、植物、コパイバ、バタタ、コンフリーの抽出物を含
有する抗アレルギー剤並びに本剤を配合する医薬品・医
薬部外品或は化粧品分野の各種皮膚外用組成物として利
用でき、具体的には、ローション,乳液,クリーム(軟
膏を含む),オイル,パック,石鹸(薬用石鹸も含
む),ボディソープ,浴用剤などへの応用が上げられ
る。
【0002】
【従来の技術】人体におけるアレルギー反応は一般的に
I〜III型(即時型)アレルギー、IV型(遅延型)アレ
ルギーに分類されており、I型アレルギーの発症頻度が
最も高い。このI型アレルギーの作用機序は、好塩基球
や肥満細胞がIgE抗体と細胞表面で強く結合し、この
IgE抗体に抗原が結合するとその結果、生じたヒスタ
ミンやセトロニン、ロイコトリエン等のケミカルメディ
エーターを細胞外に放出し、抗原の他の組織への拡散を
抑制したり、抗原の除去を容易にする。しかし、この反
応が過度に進行すると局所的に標的臓器を攻撃してアレ
ルギーが発現するのである(図1)。
【0003】
【図1】
【0004】I型アレルギーの代表的な例としては、花
粉アレルギーが上げられるが、これはある種の花粉に対
して、特異的に反応するIgE抗体を産生する人が同じ
花粉と接触すると鼻や目が痒くなり、更に粘膜に炎症が
起こると鼻水や涙の分泌が盛んになるので、最近では非
常に問題になっている。
【0005】又、IgE抗体と抗原の反応で、膜内にあ
るホスホリパーゼA2酵素が活性化されるが、この酵素
は細胞の構成成分であるリン脂質からアラキドン酸を切
り出し、更にアラキドン酸がリポキシゲナーゼ酵素の作
用を受けてロイトコリエンへ変換、又、同様にシクロオ
キシゲナーゼ酵素の作用を受けてプロスタグランジンに
変換すると言われ、このアラキドン酸代謝反応(図2)
は、最終的にロイトコリエン、プロスタグランジン共に
炎症に関与するケミカルメディエーターを生成するの
で、従って、アラキドン酸の代謝活性を抑制する物質
は、様々な要因による抗アレルギー剤として利用でき、
最近では子供から大人に発症すると言われるアトピー性
皮膚炎等の治療剤として有効的なものと考えられてい
る。
【0006】
【図2】
【0007】次にアレルギー反応の内、I〜III型(即
時型)アレルギーとは別に、IV型(遅延型)アレルギー
反応があり、この反応は活性化したT細胞が抗原と反応
して、抗原を排除する際に起こる反応で、体内で活性化
されたT細胞が再び同じ抗原と反応すると、種々の炎症
性のリンホカインを放出(図3)し、これらが更に、細
胞性免疫に関与し、マクロファージやリンパ球が反応局
所に集ったり、又、マクロファージの遊走を阻止した
り、血管透過性の亢進などを引き起こし、様々なリンホ
カインの複合的作用が炎症を起こすと言われている。
【0008】
【図3】
【0009】
【発明が解決しようとする課題】アレルギーの発症の本
質は、抗原(細菌、ウイルス等)が侵入した局所に障害
的な病変を起こしても、抗原の全身への侵入を防ぎ、抗
原を排除するという観点からは、体の防御反応の現れで
あるが、しかしながら、最近アレルギー症状を訴える人
が非常に増加し、局所的又は全身的な症状を引き起こし
ている。又、近年の食事文化・環境変化、医薬品や化粧
品の発展などによって、様々な種類のアレルギー性質が
存在し、例えば、食餌アレルギー、花粉アレルギー、薬
剤アレルギー、接触アレルギーが良く知られるが、これ
らのアレルギー症状は人々にとって大きな苦痛を与える
結果になっているのが現状である。
【0010】そこで、最近ではケミカルメディエーター
の遊離を抑制する薬物、遊離されたケミカルメディエー
ターに対して拮抗作用を示す薬物、又、IgE抗体産生
を特異的に抑制する薬物等、多数の抗アレルギー剤が開
発されている。しかしながら、これらの抗アレルギー剤
は効力が十分でなかったり、安全性、副作用の面で問題
点があった。
【0011】
【発明が解決するための手段】これまで、古くから伝わ
る植物の有用性をもとに、その薬理作用や生理活性など
についての生物学的な作用機序の解明や、またそれらか
ら導かれる応用なども研究されては来たものの、一般的
な日常生活に反映された形として積極的に有効利用が図
られたものは未だ少ないのが現状である。
【0012】よって、本発明者らは、上記事情に鑑み、
抗アレルギー剤として有用のある様々な植物抽出物を開
発のテーマとし、抗ヒスタミン作用及びアラキドン酸の
代謝活性抑制作用、抗接触皮膚炎作用を有することを以
て、即時型〜遅延型のアレルギーを抑制する抗アレルギ
ー剤を見出し、更に安全性が高い、抗アレルギー剤を配
合する優れた皮膚外用組成物及び浴用剤を提供すること
をもって、本発明に至ったのである。
【0013】コパイバ(Copaiba multijuga Hayne)は、
マメ科ジャケツイバラ亜科のブラジル全土に自生する木
性植物で、葉は3裂し、細い長卵形の小葉から成り、所
々が透けている。尚、本発明においては、コパイバの葉
・根茎・種子・全草から得られた抽出物が好ましく、コ
パイバの抽出物には抗アレルギー作用を有することは全
く知られていない。
【0014】同様に、本発明で用いるバタタ(Operculi
na altissima Meissn (バタタ−デ−プルガ))は、ヒル
オガ科フウセンアサガオ属の植物で、南米地方の草本、
蔓性で巻きひげはなく、葉は卵型で鋸歯は無いが少し角
がある。又、上部の葉は深緑色で下部の葉は青白色をし
ている。本発明においては、バタタの葉・根茎・全草か
ら得られた抽出物が好ましく、バタタの抽出物には、抗
アレルギー作用を有することは全く知られていない。
【0015】更に、本発明で用いるコンフリー(Symphy
tum officinale Linne)は、ムラサキ科ヒレハリソウ属
のヨーロッパ原産の多年草植物で、ヨーロッパ〜西シベ
リア、中央アジアに分布し、草丈は40ー90cm、全
体に白色の短粗毛がある。根は紡錐形で分枝し、茎は分
枝し多少ひれがある。又、葉は長楕円状卵形〜状皮針形
で鋭尖頭している。本発明においては、コンフリーの葉
・根茎・全草から得られた抽出物が好ましく、コンフリ
ーの抽出物には、抗アレルギー作用を有することは全く
知られていない。
【0016】コパイバ、バタタ、コンフリーからの抽出
は、これらを生のまま、或は乾燥して粉砕後、溶媒とし
て有機溶媒、水又は熱水を用いて行い、必要に応じて、
有機溶媒又は水との混合溶媒でも良く、更に、有機溶媒
抽出と水抽出とが組み合わされて用いられる。有機溶媒
としてはメタノール、エタノール、n−ブタノール、ア
セトン、クロロホルム、酢酸エチル、n−ヘキサン、
1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール等
が用いられる。
【0017】又、抽出条件は特に制限されるものはない
が、通常は常温及び加熱抽出が好ましい。抽出後は濾過
及び濃縮乾燥して、溶液状、ペースト状又は粉末として
用いても良い。更に多くの場合は、そのままの状態で利
用できるが、必要ならば、その効力に影響内範囲で脱
臭、脱色等の精製処理を加えても良い。尚、脱臭、脱色
等の精製処理手段としては、活性炭カラムなどを用いれ
ば良く、抽出物質により一般的に適用される通常の手段
を任意に選択して行えば良い。
【0018】尚、本発明のコパイバ、バタタ、コンフリ
ーから選ばれた1種以上の植物は、市販品を用いれば良
く、更に微生物培養により得られたものでも良い。
【0019】本発明で用いるコパイバ、バタタ、コンフ
リーから選ばれた1種以上の植物抽出物は、そのまま抗
アレルギー剤として利用できる他、皮膚外用組成物及び
浴用剤への配合量としては、化粧料の種類、用いる抽出
物の品質、期待される作用の程度によって異なるが、通
常、0.05〜20重量%(以下、重量%で表わす)好
ましくは1〜10%が良い。尚、配合量が0.05%よ
り少ないと効果が充分でなく、又、20%を越えて配合
しても、その量に見合うだけの効果が期待出来ない。
【0020】尚、本発明の抗アレルギー剤、又は、抗ア
レルギー剤を配合した皮膚外用組成物及び浴用剤は、前
記の必須成分に加え必要に応じ、本発明の効果を損なわ
ない範囲内で、化粧品、医薬品、医薬部外品等に一般的
に用いられる各種成分、例えば、油分(動植物油、鉱物
油、エステル油、ワックス油、シリコン油、高級アルコ
ール、リン脂質類、脂肪酸類等)、界面活性剤(アニオ
ン性、カチオン性、両性又は非イオン性界面活性剤)、
ビタミン類(ビタミンA群、ビタミンB群、葉酸類、ニ
コチン酸類、パントテン酸類、ビオチン類、ビタミンC
群、ビタミンD群、ビタミンE群、その他フェルラ酸、
γ−オリザノール等)、紫外線吸収剤(p−アミノ安息
香酸、アントラニル、サルチル酸、クマリン、ベンゾト
リアゾール、テトラゾール、イミダゾリン、ピリミジ
ン、ジオキサン、フラン、ピロン、カンファー、核酸、
アラントイン及びそれらの誘導体、アミノ酸系化合物、
シコニン、バイカリン、バイカレイン、ベルベリン
等)、抗酸化剤(ステアリン酸エステル、ノルジヒドロ
グアセレテン酸、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチル
ヒドロキシアニソール、パラヒドロキシアニソール、没
食子酸プロピル、セザモール、セザモリン、ゴシポール
等)、増粘剤(ヒドキシエチルセルロース、エチルセル
ロース、カルボキシエチルセルロース、メチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセ
ルロースナトリウム、ヒドキシプロピルセルロース、ニ
トロセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルメ
チルエーテル、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメタ
アクリレート、ポリアクリル酸塩、カルボキシビニルポ
リマー、アラビアゴム、トラガカントゴム、寒天、カゼ
イン、デキストリン、ゼラチン、ペクチン、デンプン、
アルギン酸及びその塩等)、保湿剤(プロピレングリコ
ール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリ
コール、グリセリン、コンドロイチン硫酸及びその塩、
ヒアルロン酸及びその塩、乳酸ナトリウム等)又、その
他、低級アルコール、多価アルコール、水溶性高分子、
pH調整剤、防腐・防バイ剤、着色料、香料、清涼剤、
安定化剤、動・植物抽出物、動・植物性蛋白質及びその
分解物、動・植物性多糖類及びその分解物、動・植物性
糖蛋白質及びその分解物、微生物培養代謝成分、血流促
進剤、消炎剤、抗炎症剤、抗アレルギー剤、細胞賦活
剤、アミノ酸及びその塩、角質溶解剤、収斂剤、創傷治
療剤、増泡剤、口腔用剤、消臭・脱臭剤と共に配合し、
併用して用いることも出来る。
【0021】又、本発明の抗アレルギー剤、又は抗アレ
ルギー剤を配合した皮膚外用組成物及び浴用剤の剤型に
ついては、任意であり、常法により配合し、例えば、化
粧水、クリーム、乳液、パック、石鹸、洗顔料、ローシ
ョン、浴用剤、軟膏等の形態とすることができる。その
他、各種形態の経口薬剤、更に口内炎等による口腔用組
成物として、又、食品分野における利用も可能である。
【0022】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明をより具体的に
説明するが、本発明はこれらに何等に限定されるもので
はない。
【0023】実施例1:ヒスタミン遊離抑制試験 [試験方法]辻らの報告(日本化粧品技術者会誌,92/
2.VOL,25 NO.4,p246〜253)に準じてラットの腹腔内か
ら採取して得られた肥満細胞に対するヒスタミン遊離抑
制率を測定した。 [試料及び比較検体の調整] 試料:コンフリーの50%エタノール抽出液及び水抽出液。 バタタの30%エタノール抽出液。 コパイバの水抽出液。 コパイバ、バタタ、コンフリー混合植物のエタノール:水
(1:3)混液による抽出液。 比較検体:ク゛リチルリチン酸シ゛カリウム粉末(常盤植物化学製)
を水に溶解したもの。 [使用動物]Slc:Wister系雄性ラット,各2〜3匹(約
7〜9週齢)
【0024】[試験結果]結果は表1の如く、本発明の
植物抽出液はいずれもヒスタミンの遊離作用は認められ
ず、逆にコンハ゜ウント゛(Compound)48/80によるヒスタミンの
遊離抑作用が認められ、I型の抗アレルギー剤として優
れていることが見い出された。
【0025】
【表1】
【0026】実施例2:アラキドン酸耳浮腫抑制試験 [試験方法]新納らの方法(「3,4-Dihydroxychalcone
類のマウスアラキドン酸耳浮腫に対する作用」:日本薬
学会第113年会)を参照して、マウス右側耳介皮膚の両
面にアセトンに溶解した5w/w%アラキドン酸(SIGMA製)
20μlを塗布し、60分後アラキドン酸を塗布した耳
介をパンチ切除(直径5.0mm)し、同様に左側耳介も切
除を行い、左右耳介の重量差よりアラキドン酸耳浮腫腫
脹率を測定した。尚、試料及び比較検体は、アラキドン
酸塗布0,15,30分後の計3回を右側耳介に20±
3mgを指で約30回丹念に擦り込むように塗布し、45
分後耳介に付着している試料及び比較検体を拭き取る。
判定は右側耳介に基剤のみを塗布した対照群と比較して
耳浮腫抑制率を求めた。尚、軟膏剤については以下に示
す処方例にて試験を行った。 [試料及び比較検体の調整] 試料:コンフリーの50%エタノール抽出液及び水抽出液を
得た後、溶媒を留去して濃縮したもの。 バタタの30%エタノール抽出液を得た後、溶媒を留去して
濃縮したもの。 コパイバの水抽出液を得た後、溶媒を留去して濃縮し
たもの。 コパイバ、バタタ、コンフリー混合植物のエタノール:水
(1:3)混液による抽出液を得た後、溶媒を留去して濃縮
したもの。 比較検体:ク゛リチルリチン酸シ゛カリウム粉末(常盤植物化学製)
を水に溶解したもの。 [使用動物]Slc:ICR系雌性マウス,各8〜9匹(約6
週齢)
【0027】処方例;軟膏剤 「製法」油層部(白色ワセリン95.0gとポリオキシ
ラウリルエーテル5.0g)を混合し、70℃で加温溶
解し、別に本発明の各試料及び比較検体をそれぞれ蒸発
残分換算して、1,5,10,20%軟膏に調整できる
量を油層部を攪拌しながら、徐々に添加し、30℃まで
攪拌した後、自然冷却して軟膏剤を処方した。
【0028】[試験結果]結果は下記表2の如く、本発
明の植物抽出液はいずれもアラキドン酸耳浮腫抑制作用
が認められ、I型の抗アレルギー剤として優れているこ
とが見い出された。
【0029】実施例3:IV型アレルギー抑制試験 [試験方法]中村らの方法(日薬理誌,76,595(1980))
を参照して、オキサゾロン(oxazolone)誘発接触性皮膚
炎反応を行った。即ち、マウスの剪毛腹部皮膚にエタノ
ールに溶解した3w/w%オキソゾロン(Aldrich製)0.1
mlを塗布し、5日後右側耳介皮膚の両面にアセトンに溶
解した3w/w%オキサゾロン20μlを塗布により惹起
した。その約24時間後にオキサゾロンを塗布した耳介
をパンチ切除(直径5.0mm)し、同様に左側耳介も切除
を行い、左右耳介の重量の差より腫脹率を測定し、IV型
アレルギー抑制試験を行った。尚、試料及び比較検体は
惹起後、約1,2,3,20,21,22,23時間後
の計7回右側耳介に20±3mgを指で約30回丹念に擦
り込むように塗布し、約24時間後に試料及び比較検体
を拭き取る。判定は右側耳介に基剤のみを塗布した対照
群と比較し抑制率を求めた。尚、試料及び比較検体、
又、軟膏剤については、実施例2と同様なものを用いて
試験を行った。 [使用動物]Slc:ICR系雌性マウス,各8〜9匹(約5
週齢)
【0030】[試験結果]結果は下記表2の如く、本発
明の各種植物抽出液はいずれもIV型アレルギー抑制作用
が認められ、IV型の抗アレルギー剤として優れているこ
とが見い出された。
【0031】
【表2】
【0032】実施例4:安全性試験 [皮膚一次刺激性試験]コンフリー、バタタ、コパイバ
の各植物のエタノール抽出液を背部を除毛した兎(1群
3匹,体重3.8kg前後)の皮膚に貼付した。判定は
貼付後24,48,72時間に一次刺激性の評点法によ
り紅斑及び浮腫を指標として行い、その結果、すべての
動物において、何等、紅斑及び浮腫を認めず陰性と判定
された。
【0033】実施例5:各種外用製剤の使用試験 下記実施例6〜8で製造した乳液、クリーム及び浴用剤
について、アレルギー症の成人男女(20名)をパネラ
ーとして、乳液、クリームにおいては、毎日、朝と夜の
2回は最低使用してもらい、あとは自由に2カ月間を、
又、浴用剤について毎日、最低1回、2カ月間に渡って
自由に使用してもらい、使用効果についてのアンケート
調査を求めた。尚、評価方法は次の基準にて行い、又、
結果は表3の如くで表中の数値は人数を表す。 「皮膚老化防止効果」 有 効:肌のはり、つやが改善された。 やや有効:肌のはり、つやがやや改善された。 無 効:使用前と変化なし。 「湿疹・肌荒れ改善効果」 有 効:肌の湿疹や荒れが改善された。 やや有効:肌の湿疹や荒れがやや改善された。 無 効:使用前と変化なし。
【0034】
【表3】
【0035】[試験結果]結果は表3の如く、本発明の
コパイバ、バタタ、コンフリーの抽出物を配合した乳
液、クリーム、浴用剤は、皮膚老化防止効果及び湿疹・
肌荒れ改善効果共に良好な結果が得られ、有効であるこ
とが確認された。
【0036】[各種外用製剤の製造]本発明の抗アレル
ギー剤を使用し、外用製剤を製造した。以下にその処方
例を示すが、常法により製造でき、又、本発明による抗
アレルギー剤の用途は、これらに限定されるわけではな
い。
【0037】 実施例6:乳液 重量% 1.流動パラフィン 10.0 2.ステアリン酸 5.0 3.セタノール 2.0 4.カルボキシビニルポリマー 5.0 5.1,3−ブチレングリコール 10.0 6.バタタ抽出液(20%1,3-フ゛チレンク゛リコール ex.) 10.0 7.防腐剤 適 量 8.香料 適 量 9.精製水 100とする残余
【0038】 実施例7:クリーム 重量% 1.スクワラン 20.0 2.ミツロウ 5.0 3.精製ホホバ油 5.0 4.グリセリンモノステアレート 2.0 5.ホ゜リオキシエチレン(20)ソルヒ゛タンモノステアレート 2.0 6.グリセリン 5.0 7.コンフリー抽出液(1,3-フ゛チレンク゛リコール ex.) 5.0 8.防腐剤 適 量 9.香料 適 量 10.精製水 100とする残余
【0039】 実施例8:浴用剤 重量% 1.炭酸水素ナトリウム 58.0 2.無水硫酸ナトリウム 30.0 3.ホウ砂 2.0 4.コハ゜イハ゛・ハ゛タタ・コンフリー混合植物抽出液の乾燥粉末 10.0 (50%エタノール,30%1,3-フ゛チレンク゛リコール,水=1:1:3 ex.)
【0040】 実施例9:ローション 重量% 1.ソルビット 2.0 2.1,3−ブチレングリコール 2.0 3.ポリエチレングリコール1000 1.0 4.ホ゜リオキシエチレンオレイルエーテル(25E.O.) 2.0 5.エタノール 10.0 6.コパイバ抽出液(20%エタノール ex.) 10.0 7.防腐剤 適 量 8.精製水 100とする残余
【0041】 実施例10:ボディーソープ 重量% 1.ラウリン酸カリウム 15.0 2.ミリスチン酸カリウム 5.0 3.プロピレングリコール 5.0 4.コハ゜イハ゛・ハ゛タタ・コンフリー混合植物抽出液 10.0 (20%フ゜ロヒ゜レンク゛リコール ex.) 5.pH調整剤 適 量 6.香料 適 量 7.防腐剤 適 量 8.精製水 100とする残余
【0042】
【発明の効果】本発明によるコパイバ、バタタ、コンフ
リーから選ばれた1種以上の植物抽出物を含有する抗ア
レルギー剤は、抗ヒスタミン作用、アラキドン酸代謝活
性抑制作用、抗接触皮膚炎作用を有し、即時型〜遅延型
のアレルギーを抑制する効果を持ち、安全性が高いの
で、湿疹、蕁麻疹、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻
炎、花粉症等の各種アレルギー性疾患の予防、治療に有
効的である。更に抗アレルギーを配合する各種の皮膚外
用組成物及び浴用剤においても、皮膚老化防止効果や湿
疹・肌荒れ改善効果を有するので、同様に各種アレルギ
ー性疾患の予防、治療に適している。又、本発明の植物
由来抽出物は、その他、口腔用組成物、食品への利用展
開も可能である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年7月20日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】I型アレルギー反応を示す図である。
【図2】アラキドン酸代謝反応を示す図である。
【図3】IV型アレルギー反応を示す図である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年4月17日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の詳細な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規で且つ安全な抗ア
レルギー剤とその応用に関するものである。更に詳しく
は、植物、コパイバ、バタタ、コンフリーの抽出物を含
有する抗アレルギー剤並びに本剤を配合する各種皮膚外
用組成物及び浴用剤として利用でき、具体的には、液
状、乳液状、クリーム状、軟膏状、ゲル状、パウダー
状、顆粒状、固形状、或いは気泡性の、1)外用医薬品
類、2)外用医薬部外品類、3)局所又は全身用の皮膚化粧
品類、4)頭皮・頭髪に適用する薬用及び/又は化粧用の
製剤類(例えば、シャンプー剤、リンス剤、トリートメ
ント剤、パーマネント液、整髪料、ヘアートニック剤、
育毛・養毛料など)、5)浴湯に投じて使用する浴用剤な
どが上げられる。
【0002】
【従来の技術】人体におけるアレルギー反応は一般的に
I〜III型(即時型)アレルギー、IV型(遅延型)アレ
ルギーに分類されており、I型アレルギーの発症頻度が
最も高い。このI型アレルギーの作用機序は、好塩基球
や肥満細胞がIgE抗体と細胞表面で強く結合し、この
IgE抗体に抗原が結合するとその結果、生じたヒスタ
ミンやセトロニン、ロイコトリエン等のケミカルメディ
エーターを細胞外に放出し、抗原の他の組織への拡散を
抑制したり、抗原の除去を容易にする。しかし、この反
応が過度に進行すると局所的に標的臓器を攻撃してアレ
ルギーが発現するのである(図1)。
【0003】
【図1】
【0004】I型アレルギーの代表的な例としては、花
粉アレルギーが上げられるが、これはある種の花粉に対
して、特異的に反応するIgE抗体を産生する人が同じ
花粉と接触すると鼻や目が痒くなり、更に粘膜に炎症が
起こると鼻水や涙の分泌が盛んになるので、最近では非
常に問題になっている。
【0005】又、IgE抗体と抗原の反応で、膜内にあ
るホスホリパーゼA2酵素が活性化されるが、この酵素
は細胞の構成成分であるリン脂質からアラキドン酸を切
り出し、更にアラキドン酸がリポキシゲナーゼ酵素の作
用を受けてロイトコリエンへ変換、又、同様にシクロオ
キシゲナーゼ酵素の作用を受けてプロスタグランジンに
変換すると言われ、このアラキドン酸代謝反応(図2)
は、最終的にロイトコリエン、プロスタグランジン共に
炎症に関与するケミカルメディエーターを生成するの
で、従って、アラキドン酸の代謝活性を抑制する物質
は、様々な要因による抗アレルギー剤として利用でき、
最近では子供から大人に発症すると言われるアトピー性
皮膚炎等の治療剤として有効的なものと考えられてい
る。
【0006】
【図2】
【0007】次にアレルギー反応の内、I〜III型(即
時型)アレルギーとは別に、IV型(遅延型)アレルギー
反応があり、この反応は活性化したT細胞が抗原と反応
して、抗原を排除する際に起こる反応で、体内で活性化
されたT細胞が再び同じ抗原と反応すると、種々の炎症
性のリンホカインを放出(図3)し、これらが更に、細
胞性免疫に関与し、マクロファージやリンパ球が反応局
所に集ったり、又、マクロファージの遊走を阻止した
り、血管透過性の亢進などを引き起こし、様々なリンホ
カインの複合的作用が炎症を起こすと言われている。
【0008】
【図3】
【0009】
【発明が解決しようとする課題】アレルギーの発症の本
質は、抗原(細菌、ウイルス等)が侵入した局所に障害
的な病変を起こしても、抗原の全身への侵入を防ぎ、抗
原を排除するという観点からは、体の防御反応の現れで
あるが、しかしながら、最近アレルギー症状を訴える人
が非常に増加し、局所的又は全身的な症状を引き起こし
ている。又、近年の食事文化・環境変化、医薬品や化粧
品の発展などによって、様々な種類のアレルギー性質が
存在し、例えば、食餌アレルギー、花粉アレルギー、薬
剤アレルギー、接触アレルギーが良く知られるが、これ
らのアレルギー症状は人々にとって大きな苦痛を与える
結果になっているのが現状である。
【0010】そこで、最近ではケミカルメディエーター
の遊離を抑制する薬物、遊離されたケミカルメディエー
ターに対して拮抗作用を示す薬物、又、IgE抗体産生
を特異的に抑制する薬物等、多数の抗アレルギー剤が開
発されている。しかしながら、これらの抗アレルギー剤
は効力が十分でなかったり、安全性、副作用の面で問題
点があった。
【0011】
【発明が解決するための手段】これまで、古くから伝わ
る植物の有用性をもとに、その薬理作用や生理活性など
についての生物学的な作用機序の解明や、またそれらか
ら導かれる応用なども研究されては来たものの、一般的
な日常生活に反映された形として積極的に有効利用が図
られたものは未だ少ないのが現状である。
【0012】よって、本発明者らは、上記事情に鑑み、
抗アレルギー剤として有用のある様々な植物抽出物を開
発のテーマとし、抗ヒスタミン作用及びアラキドン酸の
代謝活性抑制作用、抗接触皮膚炎作用を有することを以
て、即時型〜遅延型のアレルギーを抑制する抗アレルギ
ー剤を見出し、更に安全性が高い、抗アレルギー剤を配
合する優れた皮膚外用組成物及び浴用剤を提供すること
をもって、本発明に至ったのである。
【0013】コパイバ(Copaiba multijuga Hayne)は、
マメ科ジャケツイバラ亜科のブラジル全土に自生する木
性植物で、葉は3裂し、細い長卵形の小葉から成り、所
々が透けている。尚、本発明においては、コパイバの葉
・根茎・種子・全草から得られた抽出物が好ましく、コ
パイバの抽出物には抗アレルギー作用を有することは全
く知られていない。
【0014】同様に、本発明で用いるバタタ(Operculi
na altissima Meissn (バタタ−デ−プルガ))は、ヒル
オガ科フウセンアサガオ属の植物で、南米地方の草本、
蔓性で巻きひげはなく、葉は卵型で鋸歯は無いが少し角
がある。又、上部の葉は深緑色で下部の葉は青白色をし
ている。本発明においては、バタタの葉・根茎・全草か
ら得られた抽出物が好ましく、バタタの抽出物には、抗
アレルギー作用を有することは全く知られていない。
【0015】更に、本発明で用いるコンフリー(Symphy
tum officinale Linne)は、ムラサキ科ヒレハリソウ属
のヨーロッパ原産の多年草植物で、ヨーロッパ〜西シベ
リア、中央アジアに分布し、草丈は40ー90cm、全
体に白色の短粗毛がある。根は紡錐形で分枝し、茎は分
枝し多少ひれがある。又、葉は長楕円状卵形〜状皮針形
で鋭尖頭している。本発明においては、コンフリーの葉
・根茎・全草から得られた抽出物が好ましく、コンフリ
ーの抽出物には、抗アレルギー作用を有することは全く
知られていない。
【0016】コパイバ、バタタ、コンフリーからの抽出
は、これらを生のまま或は乾燥、更に粉砕し溶媒で抽出
したものである。抽出溶媒としては、ポリオール系の有
機溶媒、水又は熱水を用いて行い、必要に応じて、ポリ
オール系の有機溶媒又は水との混合溶媒でも良く、更
に、ポリオール系の有機溶媒抽出と水抽出とが組み合わ
された状態でも使用することができる。尚、ポリオール
系の有機溶媒としてはメタノール、エタノール、n−ブ
タノール、アセトン、クロロホルム、酢酸エチル、n−
ヘキサン、1,3−ブチレングリコール、プロピレング
リコールなどが上げられる。
【0017】尚、抽出条件は特に制限されるものではな
いが、通常は常温〜常圧下での溶媒の沸点の範囲であれ
ば良く、抽出後は濾過及び濃縮乾燥して、溶液状、ペー
スト状、ゲル状、粉末状として用いても良い。更に多く
の場合は、そのままの状態で利用できるが、必要なら
ば、その効力に影響のない範囲で脱臭、脱色等の精製処
理を加えても良い。尚、脱臭、脱色等の精製処理手段と
しては、活性炭カラムなどを用いれば良く、抽出物質に
より一般的に適用される通常の手段を任意に選択して行
えば良い。
【0018】尚、本発明のコパイバ、バタタ、コンフリ
ーから選ばれた1種以上の植物は、市販品を用いれば良
く、更に微生物培養により得られたものでも良い。
【0019】本発明で用いるコパイバ、バタタ、コンフ
リーから選ばれた1種以上の植物抽出物は、そのまま抗
アレルギー剤として利用できる他、皮膚外用組成物及び
浴用剤への配合量としては、化粧料の種類、用いる抽出
物の品質、期待される作用の程度によって異なるが、通
常、0.05〜20重量%(以下、重量%で表わす)好
ましくは1〜10%が良い。尚、配合量が0.05%よ
り少ないと効果が充分でなく、又、20%を越えて配合
しても、その量に見合うだけの効果が期待出来ない。
【0020】尚、本発明の抗アレルギー剤、又は、抗ア
レルギー剤を配合した皮膚外用組成物及び浴用剤は、前
記の必須成分に加え必要に応じ、本発明の効果を損なわ
ない範囲内で、化粧品類、医薬品類、医薬部外品類など
の製剤に使用される成分や添加剤を併用して製造するこ
とができる。
【0021】例えば、油脂類(アボガド油,アルモンド
油,ウイキョウ油,エゴマ油,オリブ油,オレンジ油,
オレンジラファー油,ゴマ油,カカオ脂,カミツレ油,
カロット油,キューカンバー油,牛脂,牛脂脂肪酸,ク
クイナッツ油,サフラワー油,大豆油,ツバキ油,トウ
モロコシ油,ナタネ油,パーシック油,ヒマシ油,綿実
油,落花生油,タートル油,ミンク油,卵黄油,カカオ
脂,パーム油,パーム核油,モクロウ,ヤシ油,牛脂,
豚脂,硬化油,硬化ヒマシ油など)
【0022】ロウ類(ミツロウ,カルナバロウ,鯨ロ
ウ,ラノリン,液状ラノリン,還元ラノリン,硬質ラノ
リン,カンデリラロウ,モンタンロウ,セラックロウな
ど)
【0023】鉱物油(流動パラフィン,ワセリン,パラ
フィン,オゾケライド,セレシン,マイクロクリスタン
ワックス,ポリエチレン末,スクワレン,スクワラン,
プリスタンなど)
【0024】脂肪酸類(ラウリン酸,ミリスチン酸,パ
ルミチン酸,ステアリン酸,ベヘン酸,オレイン酸,1
2-ヒドロキシステアリン酸,ウンデシレン酸,トール
油,ラノリン脂肪酸などの天然脂肪酸、イソノナン酸,
カプロン酸,2−エチルブタン酸,イソペンタン酸,2
−メチルペンタン酸,2−エチルヘキサン酸,イソペン
タン酸などの合成脂肪酸)
【0025】アルコール類(エタノール,イソピロパノ
ール,ラウリルアルコール,セタノール,ステアリルア
ルコール,オレイルアルコール,ラノリンアルコール,
コレステロール,フィトステロールなどの天然アルコー
ル、2−ヘキシルデカノール,イソステアリルアルコー
ル,2−オクチルドデカノールなどの合成アルコー
ル)、更に、多価アルコール類(酸化エチレン,エチレ
ングリコール,ジエチレングリコール,トリエチレング
リコール,エチレングリコールモノエチルエーテル,エ
チレングリコールモノブチルエーテル,ジエチレングリ
コールモノメチルエーテル,ジエチレングリコールモノ
エチルエーテル,ポリエチレングリコール,酸化プロピ
レン,プロピレングリコール,ポリプロピレングリコー
ル,1,3−ブチレングリコール,グリセリン,バチル
アルコール,ペンタエリトリトール,ソルビトール,マ
ンニトール,ブドウ糖,ショ糖など)
【0026】エステル類(ミリスチン酸イソプロピル,
パルミチン酸イソプロピル,ステアリン酸ブチル,ラウ
リン酸ヘキシル,ミリスチン酸ミリスチル,オレイン酸
オレイル,オレイン酸デシル,ミリスチン酸オクチルド
デシル,ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル,乳酸セチ
ル,乳酸ミリスチル,フタル酸ジエチル,フタル酸ジブ
チル,酢酸ラノリン,モノステアリン酸エチレングリコ
ール,モノステアリン酸プロピレングリコール,ジオレ
イン酸プロピレングリコールなど)
【0027】金属セッケン(ステアリン酸アルミニウ
ム,ステアリン酸マグネシウム,ステアリン酸亜鉛,ス
テアリン酸カルシウム,パルミチン酸亜鉛,ミリスチン
酸マグネシウム,ラウリン酸亜鉛,ウンデシレン酸亜鉛
など)
【0028】ガム質及び水溶性高分子化合物(アラビア
ゴム,ベンゾインゴム,ダンマルゴム,グアヤク脂,ア
イルランド苔,カラヤゴム,トラガントゴム,キャロブ
ゴム,クインシード,寒天,カゼイン,デキストリン,
ゼラチン,ペクチン,デンプン,カラギーナン,カルボ
キシアルキルキチン又はキトサン,ヒドロキシアルキル
キチン又はキトサン,低分子キトサン,キトサン塩,硫
酸化キチンまたはキトサン,リン酸化キチン又はキトサ
ン,アルギン酸及びその塩,ヒアルロン酸及びその塩,
コンドロイチン硫酸,ヘパリン,エチルセルロース,メ
チルセルロース,カルボキシメチルセルロース,カルボ
キシエチルセルロース,カルボキシエチルセルロースナ
トリウム,ヒドロキシエチルセルロース,ヒドロキシプ
ロピルセルロース,ニトロセルロース,結晶セルロー
ス,ポリビニルアルコール,ポリビニルメチルエーテ
ル,ポリビニルピロリドン,ポリビニルメタアクリレー
ト,ポリアクリル酸塩,ポリエチレンオキサイドやポリ
プロピレンオキサイド等のポリアルキレンオキサイド又
はその架橋重合物,カルボキシビニルポリマー,ポリエ
チレンイミンなど)
【0029】界面活性剤「アニオン界面活性剤(カルボ
ン酸塩,スルホン酸塩,硫酸エステル塩,リン酸エステ
ル塩)」、「カチオン界面活性剤(アミン塩,四級アン
モニウム塩)」、「両性界面活性剤:カルボン酸型両性
界面活性剤(アミノ型,ベタイン型),硫酸エステル型
両性界面活性剤,スルホン酸型両性界面活性剤,リン酸
エステル型両性界面活性剤」、「非イオン界面活性剤
(エーテル型非イオン界面活性剤,エーテルエステル型
非イオン界面活性剤,エステル型非イオン界面活性剤,
ブロックポリマー型非イオン界面活性剤,含窒素型非イ
オン界面活性剤)」、「その他の界面活性剤(天然界面
活性剤,タンパク質加水分解物の誘導体,高分子界面活
性剤,チタン・ケイ素を含む界面活性剤,フッ化炭素系
界面活性剤)」
【0030】ビタミン類「ビタミンA群:レチノール,
レチナール(ビタミンA1),デヒドロレチナール(ビ
タミンA2),カロチン,リコピン(プロビタミン
A)」、「ビタミンB群:チアミン塩酸塩,チアミン硫
酸塩(ビタミンB1),リボフラビン(ビタミンB2),
ピリドキシン(ビタミンB6),シアノコバラミン(ビ
タミンB12),葉酸類,ニコチン酸類,パントテン酸
類,ビオチン類,コリン,イノシトール類」、「ビタミ
ンC群:アスコルビン酸及びその誘導体」、「ビタミン
D群:エルゴカルシフェロール(ビタミンD2),コレ
カルシフェロール(ビタミンD3),ジヒドロタキステ
ロール」、「ビタミンE群:トコフェロール及びその誘
導体,ユビキノン類」、「ビタミンK群:フィトナジオ
ン(ビタミンK1),メナキノン(ビタミンK2),メナ
ジオン(ビタミンK3),メナジオール(ビタミン
4)」やその他、フェルラ酸,γ−オリザノールなど
【0031】アミノ酸(バリン,ロイシン,イソロイシ
ン,トレオニン,メチオニン,フェニルアラニン,トリ
プトファン,リジン,グリシン,アラニン,アスパラギ
ン,グルタミン,セリン,システイン,シスチン,チロ
シン,プロリン,ヒドロキシプロリン,アスパラギン
酸,グルタミン酸,ヒドロキシリジン,アルギニン,オ
ルニチン,ヒスチジンなどや,それらの硫酸塩,リン酸
塩,硝酸塩,クエン酸塩,あるいはピロリドンカルボン
酸の如きアミノ酸誘導体など)
【0032】更に、動物組織或いは植物、生薬の抽出物
(植物類にあっては、水,有機溶媒(エタノール,プロ
ピレングリコール,1,3−ブチレングリコールなど)
の1種又は2種以上の混液で抽出されたエキスが望まし
い。又,動物組織にあっては,前記植物と同法により得
られるエキスの他,組織を加水分解して得られたエキス
などであっても良い。これらは保湿成分として,或いは
これまでに知られる種々の美容効果,医療的効果を目的
として用いられる。)、例えば,アセンヤク(阿仙薬),
アシタバ,アセロラ,アルテア,アルニカ,アボカド,
アマチャ(甘茶),アロエ,アロエベラ,イラクサ,イチ
ョウ(銀杏葉,銀杏),ウイキョウ(茴香),ウコン(鬱
金),ウスバサイシン(細辛),ウメ(烏梅),ウラジロガ
シ,ウワウルシ,ノイバラ(営実),ヒキオコシ(延命
草),オウギ(黄耆),コガネバナ(オウゴン),ヤマザク
ラ(桜皮),キハダ(黄柏),オウレン(黄連),オタネニン
ジン(人参),オトギリソウ(弟切草),オドリコソウ,オ
ランダガラシ,オレンジ,イトヒメハギ(遠志),ウツボ
グサ(夏枯草),ツルドクダミ(何首烏),エンジュ(槐
花),ヨモギ(ガイ葉),ガジュツ(莪朮),クズ(葛根),
カノコソウ(吉草根),カミツレ,キカラスウリ(瓜呂
根),カワラヨモギ(茵チン蒿),カンゾウ(甘草),キイ
チゴ,キウイ果実,キキョウ(桔梗),キク(菊花),キサ
サゲ(梓実),ミカン属植物果実(枳実),タチバナ(橘
皮),キュウリ,ウドまたはシシウド(羌活,独活),ア
ンズ(杏仁),クコ(地骨皮,枸杞子,枸杞葉),クララ
(苦参),クスノキ,クマザサ,グレープフルーツ果実,
ニッケイ(桂皮),ケイガイ(ケイガイ),エビスグサ(決
明子),マルバアサガオ又はアサガオ(ケン牛子),ベニ
バナ(紅花),ゴバイシ(五倍子),クチナシ(山梔子),ゲ
ンチアナ,ホオノキ(厚朴),ヒナタイノコズチ(牛膝),
ゴシュユ(呉茱萸),ゴボウ,チョウセンゴミシ(五味
子),米,米ぬか,コムギ,ミシマサイコ(柴胡),サフ
ラン,サボンソウ,サンザシ(山ザ子),サンショウ(山
椒),サルビア,サンシチニンジン(三七人参),シイタ
ケ,ジオウ(地黄),シクンシ(使君子),ムラサキ(紫
根),シソ(紫蘇葉,紫蘇子),カキ(柿蒂),シャクヤク
(芍薬),オオバコ(車前子,車前草),ショウガ(生姜),
ショウブ(菖蒲),トウネズミモチ(女貞子),シモツケソ
ウ,シラカバ,ステビア,スイカズラ(金銀花,忍冬),
セイヨウキヅタ,セイヨウノコギリソウ,セイヨウニワ
トコ,アズキ(赤小豆),ニワトコ(接骨木),ゼニアオ
イ,センキュウ(川キュウ),センブリ(当薬),クワ(桑
白皮,桑葉),ナツメ(大棗),ダイズ,タラノキ,チク
セツニンジン(竹節人参),ハナスゲ(知母),ワレモコウ
(地楡),ドクダミ(十薬),フユムシナツクサタケ(冬虫
夏草),トウガラシ,ホオズキ(登呂根),タチジャコウ
ソウ,リョクチャ(緑茶),コウチャ(紅茶),チョウジ
(丁子),ウンシュウミカン(陳皮),ツバキ,ツボクサ,
トウガラシ(番椒),トウキ(当帰),トウキンセンカ,ダ
イダイ(橙皮),ワレモコウ(地楡),トウモロコシ(南蛮
毛),トチュウ(杜仲,杜仲葉),トマト,ナンテン(南天
実),ニンニク(大サン),オオムギ(麦芽),ハクセン(白
蘚皮),ジャノヒゲ(麦門冬),パセリ,ハッカ(薄荷),
ハマメリス,バラ,ビワ葉(枇杷葉),マツホド(茯リョ
ウ),ブドウまたはその葉,ヘチマ,ボダイジュ,ボタ
ン(牡丹皮),ホップ,マイカイ(マイ瑰花),松葉,マロ
ニエ,マンネンロウ,ムクロジ,メリッサ,メリロー
ト,ボケ(木瓜),モヤシ,モモ(桃仁,桃葉),ヒオウギ
(射干),ビンロウジュ(檳ロウ子),メハジキ(益母草),
ヤグルマギク,ユキノシタ(虎耳草),ヤマモモ(楊梅
皮),ハトムギ(ハトムギ,ヨクイニン),モウコヨモ
ギ,ヤマヨモギ,ラベンダー,リンゴ果実,マンネンタ
ケ(霊芝),レモン果実,レンギョウ(連翹),レンゲソ
ウ,ゲンノショウコ(老鸛草),ハシリドコロ(ロート
根),鶏トサカ,牛・人の胎盤抽出物,豚・牛の胃,十
二指腸,或いは腸の抽出物若しくはその分解物,水溶性
コラーゲン,水溶性コラーゲン誘導体,コラーゲン加水
分解物,エラスチン,エラスチン加水分解物,水溶性エ
ラスチン誘導体,シルク蛋白,シルク蛋白分解物,牛血
球蛋白分解物など)
【0033】微生物培養代謝物(酵母エキス,セレン含
有酵母エキス,米醗酵エキス,ユーグレナ抽出物,脱脂
粉乳の乳酸発酵物など)やα−ヒドロキシ酸(グリコー
ル酸,クエン酸,リンゴ酸,酒石酸,乳酸など)
【0034】無機顔料(無水ケイ酸,ケイ酸マグネシウ
ム,タルク,カオリン,ベントナイト,マイカ,雲母チ
タン,オキシ塩化ビスマス,酸化ジルコニウム,酸化マ
グネシウム,酸化亜鉛,酸化チタン,炭酸カルシウム,
炭酸マグネシウム,黄酸化鉄,ベンガラ,黒酸化鉄,グ
ンジョウ,酸化クロム,水酸化クロム,カーボンブラッ
ク,カラミンなど)
【0035】紫外線吸収剤(p−アミノ安息香酸誘導
体,サルチル酸誘導体,アントラニル酸誘導体,クマリ
ン誘導体,アミノ酸系化合物,ベンゾトリアゾール誘導
体,テトラゾール誘導体,イミダゾリン誘導体,ピリミ
ジン誘導体,ジオキサン誘導体,カンファー誘導体,フ
ラン誘導体,ピロン誘導体,核酸誘導体,アラントイン
誘導体,ニコチン酸誘導体,ビタミンB6誘導体,オキ
シベンゾン,ベンゾフェノン,グアイアズレン,シコニ
ン,バイカリン,バイカレイン,ベルベリンなど)
【0036】収斂剤(乳酸,酒石酸,コハク酸,クエン
酸,アラントイン,塩化亜鉛,硫酸亜鉛,酸化亜鉛,カ
ラミン,p−フェノールスルホン酸亜鉛,硫酸アルミニ
ウムカリウム,レソルシン,塩化第二鉄,タンニン酸な
ど)
【0037】抗酸化剤(アスコルビン酸及びその塩,ス
テアリン酸エステル,トコフェロール及びそのエステル
誘導体,ノルジヒドログアセレテン酸,ブチルヒドロキ
シトルエン(BHT),ブチルヒドロキシアニソール
(BHA),パラヒドロキシアニソール,没食子酸プロ
ピル,セサモール,セサモリン,ゴシポールなど)
【0038】抗炎症剤(イクタモール,インドメタシ
ン,カオリン,サリチル酸,サリチル酸ナトリウム,サ
リチル酸メチル,アセチルサリチル酸,塩酸ジフェンヒ
ドラミン,d又はdl−カンフル,ヒドロコルチゾン,
グアイアズレン,カマズレン,マレイン酸クロルフェニ
ラミン,グリチルリチン酸及びその塩,グリチルレチン
酸及びその塩など)
【0039】殺菌・消毒薬(アクリノール,イオウ,塩
化ベンザルコニウム,塩化ベンゼトニウム,塩化メチル
ロザニリン,クレゾール,グルコン酸カルシウム,グル
コン酸クロルヘキシジン,スルファミン,マーキュロク
ロム,ラクトフェリン又はその加水分解物など)
【0040】頭髪用剤(二硫化セレン,臭化アルキルイ
ソキノリニウム液,ジンクピリチオン,ビフェナミン,
チアントール,カスタリチンキ,ショウキョウチンキ,
トウガラシチンキ,塩酸キニーネ,強アンモニア水,臭
素酸カリウム,臭素酸ナトリウム,チオグリコール酸な
ど)
【0041】香料(ジャコウ,シベット,カストリウ
ム,アンバーグリスなどの天然動物性香料、アニス精
油,アンゲリカ精油,イランイラン精油,イリス精油,
ウイキョウ精油,オレンジ精油,カナンガ精油,カラウ
ェー精油,カルダモン精油,グアヤクウッド精油,クミ
ン精油,黒文字精油,ケイ皮精油,シンナモン精油,ゲ
ラニウム精油,コパイババルサム精油,コリアンデル精
油,シソ精油,シダーウッド精油,シトロネラ精油,ジ
ャスミン精油,ジンジャーグラス精油,杉精油,スペア
ミント精油,西洋ハッカ精油,大茴香精油,チュベロー
ズ精油,丁字精油,橙花精油,冬緑精油,トルーバルサ
ム精油,バチュリー精油,バラ精油,パルマローザ精
油,檜精油,ヒバ精油,白檀精油,プチグレン精油,ベ
イ精油,ベチバ精油,ベルガモット精油,ペルーバルサ
ム精油,ボアドローズ精油,芳樟精油,マンダリン精
油,ユーカリ精油,ライム精油,ラベンダー精油,リナ
ロエ精油,レモングラス精油,レモン精油,ローズマリ
ー精油,和種ハッカ精油などの植物性香料、その他合成
香料など)
【0042】その他、保湿剤、ホルモン類、金属イオン
封鎖剤、pH調整剤、キレート剤、防腐・防バイ剤、色
素・着色剤、清涼剤、安定化剤、動・植物性蛋白質及び
その分解物、動・植物性多糖類及びその分解物、動・植
物性糖蛋白質及びその分解物、血流促進剤、消炎剤・抗
アレルギー剤、細胞賦活剤、角質溶解剤、創傷治療剤、
増泡剤、増粘剤、口腔用剤、消臭・脱臭剤などが上げら
れ、本発明の抗アレルギーと今日までに知られている抗
炎症剤・抗アレルギー作用を有する成分との併用によっ
ては、相加的及び相乗的な抗アレルギー・抗炎症作用が
期待できる。
【0043】又、本発明の抗アレルギー剤、又は抗アレ
ルギー剤を配合した皮膚外用組成物及び浴用剤の剤型は
任意であり、液状、乳液状、クリーム状、軟膏状、ゲル
状、パウダー状、顆粒状、固形状、粉末状、気泡状、シ
ート状などの外用医薬品類、外用医薬部外品類、皮膚・
頭髪用化粧品類及び浴用剤に配合して用いることがで
き、又、一般的な食品類にも利用可能である。
【0044】具体的には、例えば、化粧水、乳液、クリ
ーム、軟膏、ローション、オイル、パックなどの基礎化
粧料、洗顔料や皮膚洗浄料、シャンプー、リンス、ヘア
ートリートメント、整髪料、パーマ剤、ヘアートニッ
ク、染毛料、育毛・養毛料などの頭髪化粧料、ファンデ
ーション、口紅、頬紅、アイシャドウ、アイライナー、
マスカラなどのメークアップ化粧料、香水類、浴用剤、
その他、経口薬剤、口腔組成物、液臭・防臭防止剤、衛
生綿類、ウエットティシュなどが上げられる。
【0045】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明をより具体的に
説明するが、本発明はこれらに何等に限定されるもので
はない。
【0046】実施例1:ヒスタミン遊離抑制試験 [試験方法]辻らの報告(日本化粧品技術者会誌,92/
2.VOL,25 NO.4,p246〜253)に準じてラットの腹腔内か
ら採取して得られた肥満細胞に対するヒスタミン遊離抑
制率を測定した。 [試料及び比較検体の調整] 試料:コンフリーの50%エタノール抽出液及び水抽出液。 バタタの30%エタノール抽出液。 コパイバの水抽出液。 コパイバ、バタタ、コンフリー混合植物のエタノール:水
(1:3)混液による抽出液。 比較検体:ク゛リチルリチン酸シ゛カリウム粉末(常盤植物化学製)
を水に溶解したもの。 [使用動物]Slc:Wister系雄性ラット,各2〜3匹(約
7〜9週齢)
【0047】[試験結果]結果は表1の如く、本発明の
植物抽出液はいずれもヒスタミンの遊離作用は認められ
ず、逆にコンハ゜ウント゛(Compound)48/80によるヒスタミンの
遊離抑制作用が認められ、I型の抗アレルギー剤として
優れていることが見い出された。
【0048】
【表1】
【0049】実施例2:アラキドン酸耳浮腫抑制試験 [試験方法]新納らの方法(「3,4-Dihydroxychalcone
類のマウスアラキドン酸耳浮腫に対する作用」:日本薬
学会第113年会)を参照して、マウス右側耳介皮膚の両
面にアセトンに溶解した5w/w%アラキドン酸(SIGMA製)
20μlを塗布し、60分後アラキドン酸を塗布した耳
介をパンチ切除(直径5.0mm)し、同様に左側耳介も切
除を行い、左右耳介の重量差よりアラキドン酸耳浮腫腫
脹率を測定した。尚、試料及び比較検体は、アラキドン
酸塗布0,15,30分後の計3回を右側耳介に20±
3mgを指で約30回丹念に擦り込むように塗布し、45
分後耳介に付着している試料及び比較検体を拭き取る。
判定は右側耳介に基剤のみを塗布した対照群と比較して
耳浮腫抑制率を求めた。尚、軟膏剤については以下に示
す処方例にて試験を行った。 [試料及び比較検体の調整] 試料:コンフリーの50%エタノール抽出液及び水抽出液を
得た後、溶媒を留去して濃縮したもの。 バタタの30%エタノール抽出液を得た後、溶媒を留去して
濃縮したもの。 コパイバの水抽出液を得た後、溶媒を留去して濃縮し
たもの。 コパイバ、バタタ、コンフリー混合植物のエタノール:水
(1:3)混液による抽出液を得た後、溶媒を留去して濃縮
したもの。 比較検体:ク゛リチルリチン酸シ゛カリウム粉末(常盤植物化学製)
を水に溶解したもの。 [使用動物]Slc:ICR系雌性マウス,各8〜9匹(約6
週齢)
【0050】処方例;軟膏剤 「製法」油層部(白色ワセリン95.0gとポリオキシ
ラウリルエーテル5.0g)を混合し、70℃で加温溶
解し、別に本発明の各試料及び比較検体をそれぞれ蒸発
残分換算して、1,5,10,20%軟膏に調整できる
量を油層部を攪拌しながら、徐々に添加し、30℃まで
攪拌した後、自然冷却して軟膏剤を処方した。
【0051】[試験結果]結果は下記表2の如く、本発
明の植物抽出液はいずれもアラキドン酸耳浮腫抑制作用
が認められ、I型の抗アレルギー剤として優れているこ
とが見い出された。
【0052】実施例3:IV型アレルギー抑制試験 [試験方法]中村らの方法(日薬理誌,76,595(1980))
を参照して、オキサゾロン(oxazolone)誘発接触性皮膚
炎反応を行った。即ち、マウスの剪毛腹部皮膚にエタノ
ールに溶解した3w/w%オキソゾロン(Aldrich製)0.1
mlを塗布し、5日後右側耳介皮膚の両面にアセトンに溶
解した3w/w%オキサゾロン20μlを塗布により惹起
した。その約24時間後にオキサゾロンを塗布した耳介
をパンチ切除(直径5.0mm)し、同様に左側耳介も切除
を行い、左右耳介の重量の差より腫脹率を測定し、IV型
アレルギー抑制試験を行った。尚、試料及び比較検体は
惹起後、約1,2,3,20,21,22,23時間後
の計7回右側耳介に20±3mgを指で約30回丹念に擦
り込むように塗布し、約24時間後に試料及び比較検体
を拭き取る。判定は右側耳介に基剤のみを塗布した対照
群と比較し抑制率を求めた。尚、試料及び比較検体、
又、軟膏剤については、実施例2と同様なものを用いて
試験を行った。 [使用動物]Slc:ICR系雌性マウス,各8〜9匹(約5
週齢)
【0053】[試験結果]結果は下記表2の如く、本発
明の各種植物抽出液はいずれもIV型アレルギー抑制作用
が認められ、IV型の抗アレルギー剤として優れているこ
とが見い出された。
【0054】
【表2】
【0055】実施例4:安全性試験 [皮膚一次刺激性試験]コンフリー、バタタ、コパイバ
の各植物のエタノール抽出液を背部を除毛した兎(1群
3匹,体重3.8kg前後)の皮膚に貼付した。判定は
貼付後24,48,72時間に一次刺激性の評点法によ
り紅斑及び浮腫を指標として行い、その結果、すべての
動物において、何等、紅斑及び浮腫を認めず陰性と判定
された。
【0056】実施例5:各種外用製剤の使用試験 下記実施例6〜8で製造した乳液、クリーム及び浴用剤
について、アレルギー症の成人男女(20名)をパネラ
ーとして、乳液、クリームにおいては、毎日、朝と夜の
2回は最低使用してもらい、あとは自由に2カ月間を、
又、浴用剤について毎日、最低1回、2カ月間に渡って
自由に使用してもらい、使用効果についてのアンケート
調査を求めた。尚、評価方法は次の基準にて行い、又、
結果は表3の如くで表中の数値は人数を表す。 「皮膚老化防止効果」 有 効:肌のはり、つやが改善された。 やや有効:肌のはり、つやがやや改善された。 無 効:使用前と変化なし。 「湿疹・肌荒れ改善効果」 有 効:肌の湿疹や荒れが改善された。 やや有効:肌の湿疹や荒れがやや改善された。 無 効:使用前と変化なし。
【0057】
【表3】
【0058】[試験結果]結果は表3の如く、本発明の
コパイバ、バタタ、コンフリーの抽出物を配合した乳
液、クリーム、浴用剤は、皮膚老化防止効果及び湿疹・
肌荒れ改善効果共に良好な結果が得られ、有効であるこ
とが確認された。
【0059】[各種外用製剤の製造]本発明の抗アレル
ギー剤を使用し、外用製剤を製造した。以下にその処方
例を示すが、常法により製造でき、又、本発明による抗
アレルギー剤の用途は、これらに限定されるわけではな
い。
【0060】 実施例6:乳液 重量% 1.流動パラフィン 10.0 2.ステアリン酸 5.0 3.セタノール 2.0 4.カルボキシビニルポリマー 5.0 5.1,3−ブチレングリコール 10.0 6.バタタ抽出液(20%1,3-フ゛チレンク゛リコール ex.) 10.0 7.防腐剤 適 量 8.香料 適 量 9.精製水 100とする残余
【0061】 実施例7:クリーム 重量% 1.スクワラン 20.0 2.ミツロウ 5.0 3.精製ホホバ油 5.0 4.グリセリンモノステアレート 2.0 5.ホ゜リオキシエチレン(20)ソルヒ゛タンモノステアレート 2.0 6.グリセリン 5.0 7.コンフリー抽出液(1,3-フ゛チレンク゛リコール ex.) 5.0 8.防腐剤 適 量 9.香料 適 量 10.精製水 100とする残余
【0062】 実施例8:浴用剤 重量% 1.炭酸水素ナトリウム 58.0 2.無水硫酸ナトリウム 30.0 3.ホウ砂 2.0 4.コハ゜イハ゛・ハ゛タタ・コンフリー混合植物抽出液の乾燥粉末 10.0 (50%エタノール,30%1,3-フ゛チレンク゛リコール,水=1:1:3 ex.)
【0063】 実施例9:ローション 重量% 1.ソルビット 2.0 2.1,3−ブチレングリコール 2.0 3.ポリエチレングリコール1000 1.0 4.ホ゜リオキシエチレンオレイルエーテル(25E.O.) 2.0 5.エタノール 10.0 6.コパイバ抽出液(20%エタノール ex.) 10.0 7.防腐剤 適 量 8.精製水 100とする残余
【0064】 実施例10:ボディーソープ 重量% 1.ラウリン酸カリウム 15.0 2.ミリスチン酸カリウム 5.0 3.プロピレングリコール 5.0 4.コハ゜イハ゛・ハ゛タタ・コンフリー混合植物抽出液 10.0 (20%フ゜ロヒ゜レンク゛リコール ex.) 5.pH調整剤 適 量 6.香料 適 量 7.防腐剤 適 量 8.精製水 100とする残余
【0065】 実施例11:シャンプー 重量% 1.ラウリル硫酸トリエタノールアミン 5.0 2.ホ゜リオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム 12.0 3.1,3−ブチレングリコール 4.0 4.ラウリン酸ジエタノールアミド 2.0 5.エデト酸二ナトリウム 0.1 6.コパイバ抽出液(50%エタノール ex.) 10.0 7.香料 適 量 8.防腐剤 適 量 9.精製水 100とする残余
【0066】 実施例12:ヘアートニック 重量% 1.エタノール 40.0 2.オレイン酸エチル 1.0 3.ポリオキシエチレン(40)硬化ヒマシ油 2.0 4.コンフリー抽出液(50%エタノール ex.) 5.0 5.精製水 100とする残余
【0067】
【発明の効果】本発明によるコパイバ、バタタ、コンフ
リーから選ばれた1種以上の植物抽出物を含有する抗ア
レルギー剤は、抗ヒスタミン作用、アラキドン酸代謝活
性抑制作用、抗接触皮膚炎作用を有し、即時型〜遅延型
のアレルギーを抑制する効果を持ち、安全性が高いの
で、湿疹、蕁麻疹、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻
炎、花粉症等の各種アレルギー性疾患の予防、治療に有
効的である。更に抗アレルギーを配合する各種の皮膚外
用組成物及び浴用剤においても、皮膚老化防止効果や湿
疹・肌荒れ改善効果を有するので、同様に各種アレルギ
ー性疾患の予防、治療に適している。又、本発明の植物
由来抽出物は、その他、口腔用組成物、食品への利用展
開も可能である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】コパイバ、バタタ、コンフリーから選ばれ
    た1種以上の植物を水、熱水、低級アルコール、ポリオ
    ール系有機溶媒から選ばれた1種以上の溶媒で抽出して
    得られる抽出物を含有することを特徴とする抗アレルギ
    ー剤。
  2. 【請求項2】請求項第1項記載の抗アレルギー剤を配合
    することを特徴とする皮膚外用組成物及び浴用剤。
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