JP2004168705A - 肌改善用の皮膚外用剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】1)次に示すA群から選択される植物及び/又はその近縁種の植物のエキスと2)次に示すB群から選択される植物及び/又はその近縁種の植物のエキスとを皮膚外用剤に含有させる。
(A)キク科アルニカ(Arnica montana L.)、シソ科オドリコソウ(Lamium album var. barbatum)、キク科セイヨウノコギリソウ(Achillea millefolium)、シソ科メリッサ(Melissa offcinalis)、キク科ローマカミツレ(Anthemis nobilis L.)
(B)シナノキ科セイヨウボダイジュ(Tilia europaea)、キク科トウキンセンカ(Calendula officinalis)、バラ科ワレモコウ(Sanguisorba officinalis)
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は化粧料に好適な皮膚外用剤に関し、更に詳細には、ストレスなどに起因する炎症、肌荒れ、過敏を改善するのに有用な皮膚外用剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
近代社会に於いては、食生活の著しい変化、住環境の悪化と過密化と言った種々の要因により、その生活パターンが著しく変化し、これに起因する生活ストレスが急増していると言われている。かかるストレスが原因となって、現代では、これまでの時代に比して、アトピー性皮膚炎の出現とその罹患者の急増、花粉症に代表されるアレルギー性の疾患の流行、極度の冷え性の人の急増、原因不明の肌荒れに悩む人の急増、敏感肌或いは過敏な肌の人の急増などの、好ましくない炎症を伴った疾病或いは疾病予備軍が増えている。この様な疾病に対しては、従来有効であった抗炎症成分を含有する皮膚外用剤の投与では効を奏さない場合が多く、その対応が望まれていた。
【0003】
一方、キク科アルニカ(Arnica montana L.)、シソ科オドリコソウ(Lamiumalbum var. barbatum)、キク科セイヨウノコギリソウ(Achillea millefolium)、シソ科メリッサ(Melissa offcinalis)、キク科ローマカミツレ(Anthemisnobilis L.)、シナノキ科セイヨウボダイジュ(Tilia europaea)、キク科トウキンセンカ(Calendula officinalis)、バラ科ワレモコウ(Sanguisorba officinalis)等の生薬のエキスは化粧料の分野に於いては、過去より多く配合されたが知られており、かかる配合の目的としては、抗炎症効果、抗アレルギー効果、保湿効果等が挙げられる。(特開2002−32207、特開2002−29935、特開2002−145793、特開2001−139489、特開2000−327552)しかしながら、キク科アルニカ(Arnica montana L.)、シソ科オドリコソウ(Lamium album var. barbatum)、キク科セイヨウノコギリソウ(Achillea millefolium)、シソ科メリッサ(Melissa offcinalis)又はキク科ローマカミツレ(Anthemis nobilis L.)のエキスと、シナノキ科セイヨウボダイジュ(Tilia europaea)、キク科トウキンセンカ(Calendula officinalis)又はバラ科ワレモコウ(Sanguisorba officinalis)のエキスとの両者を同時に含有する皮膚外用剤は知られていないし、かかる組合せのエキスを皮膚外用剤に含有させることにより、ストレスに起因するアレルギー性の疾患の流行、極度の冷え性の人の急増、原因不明の肌荒れに悩む人の急増、敏感肌或いは過敏な肌の人の急増などの、好ましくない炎症を伴った疾病或いは疾病予兆を改善することが出来ることも知られていない。又、この様な効果が、キク科アルニカ(Arnica montana L.)、シソ科オドリコソウ(Lamium album var. barbatum)、キク科セイヨウノコギリソウ(Achillea millefolium)、シソ科メリッサ(Melissa offcinalis)又はキク科ローマカミツレ(Anthemis nobilis L.)のエキスのSOD様作用と、シナノキ科セイヨウボダイジュ(Tilia europaea)、キク科トウキンセンカ(Calendula officinalis)又はバラ科ワレモコウ(Sanguisorba officinalis)のエキスの、炎症過程のアラキドン酸カスケードで、アラキドン酸をプロスタグランジンに酸化する酵素であるシクロオキシゲナーゼ(COX)の阻害作用との組合せによるものであることも、全く知られていなかった。
【0004】
他方、ストレスに起因する炎症や微小循環悪化、肌荒れなどを改善する成分としては、これまで塩化カルプロニウム(特開2002−256363)、カッコンのエキス(特開2001−348338)、ストリフノデンドロン、セイシカズラ、ファッシア等の生薬のエキス(特開2001−253830)等が知られているが、これらでは充分とは言えない面があり、更なる効果の改善が望まれていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、この様な状況下為されたものであり、従来にも増して、ストレスに起因するアレルギー性の疾患、掻痒を伴う極度の冷え性、原因不明の肌荒れ、敏感肌或いは過敏な肌などの、好ましくない炎症を伴った疾病或いは疾病予兆を改善する手段を提供することを課題とする。
【0006】
【課題の解決手段】
本発明者らは、この様な状況に鑑みて、ストレスに起因するアレルギー性の疾患の流行、極度の冷え性の人の急増、原因不明の肌荒れに悩む人の急増、敏感肌或いは過敏な肌の人の急増などの、好ましくない炎症を伴った疾病或いは疾病予兆を改善する手段を求めて、鋭意研究努力を重ねた結果、キク科アルニカ(Arnica montana L.)、シソ科オドリコソウ(Lamium album var. barbatum)、キク科セイヨウノコギリソウ(Achillea millefolium)、シソ科メリッサ(Melissa offcinalis)又はキク科ローマカミツレ(Anthemis nobilis L.)のエキスと、シナノキ科セイヨウボダイジュ(Tilia europaea)、キク科トウキンセンカ(Calendula officinalis)又はバラ科ワレモコウ(Sanguisorba officinalis)のエキスとを含有する皮膚外用剤が、その様な作用を備えていることを見出し、発明を完成させるに至った。即ち、本発明は、以下に示す技術に関するものである。
(1)1)次に示すA群から選択される植物及び/又はその近縁種の植物のエキスと2)次に示すB群から選択される植物及び/又はその近縁種の植物のエキスとを含有することを特徴とする、皮膚外用剤。
(A)キク科アルニカ(Arnica montana L.)、シソ科オドリコソウ(Lamium album var. barbatum)、キク科セイヨウノコギリソウ(Achillea millefolium)、シソ科メリッサ(Melissa offcinalis)、キク科ローマカミツレ(Anthemis nobilis L.)
(B)シナノキ科セイヨウボダイジュ(Tilia europaea)、キク科トウキンセンカ(Calendula officinalis)、バラ科ワレモコウ(Sanguisorba officinalis)(2)エキスが、アルコール及び/又は水を抽出溶媒とする抽出物乃至は該抽出物の溶媒除去物であることを特徴とする、(1)に記載の皮膚外用剤。
(3)ストレスに対する整肌用であることを特徴とする、(1)又は(2)に記載の皮膚外用剤。
(4)化粧料であることを特徴とする、(1)〜(3)何れか1項に記載の皮膚外用剤。
【0007】
【発明の実施の形態】
(1)本発明の皮膚外用剤の必須成分
本発明の皮膚外用剤は、1)次に示すA群から選択される植物及び/又はその近縁種の植物のエキスと2)次に示すB群から選択される植物及び/又はその近縁種の植物のエキスとを含有することを特徴とする。
(A)キク科アルニカ(Arnica montana L.)、シソ科オドリコソウ(Lamium album var. barbatum)、キク科セイヨウノコギリソウ(Achillea millefolium)、シソ科メリッサ(Melissa offcinalis)、キク科ローマカミツレ(Anthemis nobilis L.)
(B)シナノキ科セイヨウボダイジュ(Tilia europaea)、キク科トウキンセンカ(Calendula officinalis)、バラ科ワレモコウ(Sanguisorba officinalis)
【0008】
ここで、本発明に言うエキスとは、植物体そのもの、植物体を乾燥、細切など加工した加工物、植物体乃至はその加工物に溶媒を加え抽出した抽出物、抽出物より溶媒を除去した抽出物の溶媒除去物、抽出物或いはその溶媒除去物をカラムクラマトグラフィーや液液抽出により分画精製した、分画精製物などの総称を意味し、本発明のエキスとしては、抽出物乃至はその溶媒除去物が好ましく例示できる。抽出物としては、極性の高いい溶剤によって抽出された抽出物の溶剤除去物が特に好ましく例示できる。極性の高い溶剤としては、ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類、塩化メチレン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素類、酢酸エチル、蟻酸メチルなどのエステル類、アセトンやメチルエチルケトン等のケトン類、アセトニトリルなどのニトリル類、1,3−ブタンジオール、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類、水などが好ましく例示できる。これらの内では、アルコール及び/又は水が特に好ましい。抽出は、植物体に対して1〜10重量倍の溶剤を加え、室温であれば数日間、沸点付近の温度であれば数時間浸漬すればよい。抽出後は、必要に応じて、減圧濃縮などして溶剤を除去することが好ましい。
【0009】
A群の植物の近縁植物としては、例えば、キク科アルニカの近縁植物である、アルニカカニッソス(Arnica chamissonis)、セイヨウノコギリソウの近縁植物である、ノコギリソウ(Achillea alpina) ローマカミツレの近縁植物である、カミツレ(Matricaria chamomilla)等が例示できる。又、エキスを作成するのに好適な部位は、キク科アルニカ、オドリコソウ、セイヨウノコギリソウ及びこれらの近縁植物が、植物体の地上部、キク科ローマカミツレ及びその近縁植物が、花蕾及びその周辺部である。
【0010】
A群の植物及び/又はその近縁植物のエキスには、活性酸素を消去するSOD様作用が存する。かかる作用が、B群の植物及び/又はその近縁植物のエキスの炎症過程のアラキドン酸カスケードで、アラキドン酸をプロスタグランジンに酸化する酵素であるシクロオキシゲナーゼ(COX)を阻害作用する作用と相まって、ストレスに起因するアレルギー性の疾患の流行、掻痒を伴う極度の冷え性の人の急増、原因不明の肌荒れに悩む人の急増、敏感肌或いは過敏な肌の人の急増などの、好ましくない炎症を伴った疾病或いは疾病予兆を改善する作用を奏する。
かかるA群の植物及び/又はその近縁の植物のエキスの内、特に好ましいものは、キク科アルニカ(Arnica montana L.)のエキスである。かかるエキスは、本発明の皮膚外用在中に唯一種含有させることも出来るし、二種以上組み合わせて含有させることも出来る。エキスの好ましい含有量は、総量で0.01〜10重量%であり、更に好ましくは0.05〜5重量%である。これは少なすぎるとSOD様作用を発揮しない場合があり、多すぎても効果が頭打ちになり、徒に処方の自由度を阻害する場合があるからである。
【0011】
以下に、A群の植物及び/又はその近縁植物のエキスの製造例を示す。
(製造例1)
キク科アルニカの地上部の乾燥物500gを細切し、5lの50%エタノール水溶液を加え、3時間加熱還流して放冷した後、濾過にて不溶分を除去し、減圧濃縮し、凍結乾燥してA1エキスを得た。
(製造例2)
製造例1のキク科アルニカをシソ科オドリコソウに変え、同様に処理し、A2エキスを得た。
(製造例3)
製造例1のキク科アルニカをキク科セイヨウノコギリソウに変え、同様に処理しA3エキスを得た。
(製造例4)
製造例1のキク科アルニカの地上部を、キク科ローマカミツレの花蕾部に変え、同様に処理し、A4エキスを得た。
【0012】
上記のA群の植物のエキスを用いて、in vitro(SODテストワコー)でスーパーオキサイドの不均化反応を行なうスーパーオキサイドディスムターゼ(SOD)様作用を検討した。即ち、キサンチンにキサンチンオキシダーゼが作用するとスーパーオキシド:O2 −・が生成させ、このスーパーオキシド:O2 −・をトラップして発色する試薬を反応系に添加しておき、比色定量した。この反応系に約5%濃度で各種植物エキスを共存させておき、スーパーオキシド:O2 −・の不均化分解反応の程度(SOD様作用)を算出した。結果を表1に示す。
【0013】
【表1】
【0014】
B群の植物の近縁植物としては、例えば、シナノキ科セイヨウボダイジュ(Tilia europaea)の近縁植物である、シナノキ (Tilia japonica)、ボダイジュ(Tilia miqueliana)セイヨウシナノキ、(Tilia europium)、フユボダイジュ(Tilia cordata)、マンシュウボダイジュ(Tilia mandshurica)、モンゴルボダイジュ(Tilia mongolica)、シロボダイジュ(Tilia tomentosa)、キク科トウキンセンカ(Calendula officinalis)の近縁植物である、キンセンカ(Calendula arvensis)、バラ科ワレモコウ(Sanguisorba officinalis)の近縁植物である、バーネット(Sanguisorba minor)、ナガバノシロワレモコウ(Sanguisorba tenuifolia)などが例示できる。又、エキスを作成するのに好適な部位としては、シナノキ科セイヨウボダイジュ及びその近縁植物では、花蕾とその周辺部位、葉が、キク科トウキンセンカ及びその近縁植物では花片が、ワレモコウ及びその近縁植物では根部が好ましく例示できる。かかるB群の植物及び/又はその近縁植物のエキスは、炎症過程のアラキドン酸カスケードで、アラキドン酸をプロスタグランジンに酸化する酵素であるシクロオキシゲナーゼ(COX)を阻害作用する作用を有する。かかるB群の植物及び/又はその近縁植物のエキスの内、特に好ましいものはシナノキ科セイヨウボダイジュのエキスである。本発明の皮膚外用剤に於いては、かかるB群の植物及び/又はその近縁植物のエキスは唯一種を含有させることも出来るし、二種以上を組み合わせて含有させることも出来る。かかるB群の植物及び/又はその近縁植物のエキスの好ましい含有量は、総量で皮膚外用剤全量に対して、0.01〜10重量%であり、更に好ましくは0.05〜5重量%である。これは、少なすぎるとCOX阻害作用を発現しない場合があり、多すぎても効果が頭打ちになり、徒に処方の自由度を阻害するからである。
【0015】
以下にB群の植物及び/又はその近縁植物のエキスの製造例を示す。
(製造例B1)
シナノキ科セイヨウボダイジュの花、蕾及び葉の乾燥物500gを細切し、5lの50%エタノール水溶液を加え、3時間加熱還流して放冷した後、濾過にて不溶分を除去し、減圧濃縮し、凍結乾燥してB1エキスを得た。
(製造例B2)
製造例B1のシナノキ科セイヨウボダイジュの花、蕾及び葉をキク科トウセンカの花片に変え、同様に処理し、B2エキスを得た。
(製造例B3)
製造例B1のシナノキ科セイヨウボダイジュの花、蕾及び葉をバラ科ワレモコウの根部に変え、同様に処理し、B3エキスを得た。
【0016】
B群の植物及び/又はその近縁植物のエキスについて、COX阻害作用を検討した。即ち、アラキドン酸をCOX−1及びCOX−2により、プロスタグランジンH2に変換する際に、各種植物エキスを共存させて、プロスタグランジンH2生成に与える影響を見る。生成したプロスタグランジンH2は、別途EIAにて定量した。結果をCOX−1及びCOX−2の阻害作用として表2に示す。
【0017】
【表2】
【0018】
(2)本発明の皮膚外用剤
本発明の皮膚外用剤は、前記必須成分である、1)A群の植物乃至はその近縁植物のエキスと2)B群の植物乃至はその近縁植物のエキスを含有することを特徴とする。本発明の皮膚外用剤では、かかる必須成分以外に、通常化粧料や皮膚外用医薬で使用される剤形化のための任意成分を含有することが出来る。かかる任意成分としては、例えば、スクワラン、流動パラフィン、軽質流動イソパラフィン、重質流動イソパラフィン、マイクロクリスタリンワックス、固形パラフィンなどの炭化水素類、ジメチコン、フェメチコン、シクロメチコン、アモジメチコン、ポリエーテル変性シリコーンなどのシリコーン類、ホホバ油、カルナウバワックス、モクロウ、ミツロウ、ゲイロウ、オレイン酸オクチルドデシル、イソプロピルミリステート、ネオペンチルグリコールジイソステアレート、リンゴ酸ジイソステアレートなどのエステル類、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、イソステアリン酸、イソパルミチン酸、ベヘン酸、オレイン酸などの脂肪酸類、ベヘニルアルコール、セタノール、オレイルアルコール、オクタデシルアルコールなどの高級アルコール類、ヒマシ油、椰子油、水添椰子油、椿油、小麦胚芽油、イソステアリン酸トリグリセライド、イソオクタン酸トリグリセライド、オリーブオイル等のトリグリセライド類、1,3−ブタンジオール、グリセリン、ジグリセリン、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキシレングリコール、イソプレングリコールなどの多価アルコール、ソルビタンセスキオレート、ソルビタンモノオレート、ソルビタントリオレート、ソルビタンセスキステアレート、ソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンステアレート、ポリオキシエチレンオレート、ポリオキシエチレングリセリル脂肪酸エステル、ポリエキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等の非イオン界面活性剤、ソジウムラウリルステアレート、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、スルホコハク酸エステル塩などのアニオン界面活性剤、4級アルキルアンモニウム塩等のカチオン界面活性剤類、アルキルベタイン等の両性界面活性剤類、結晶セルロースや架橋型メチルポリシロキサン、ポリエチレン粉末、アクリル樹脂粉体等の有機粉体類、タルク、マイカ、セリサイト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、二酸化チタン、酸化鉄、紺青、群青、チタンマイカ、チタンセリサイト、シリカ等の表面処理されていても良い粉体類、アクリル酸・メタクリル酸アルキルコポリマー及び/又はその塩、カルボキシビニルポリマー及び/又はその塩、キサンタンガムやヒドロキシプロピルセルロースなどの増粘剤、レチノール、レチノイン酸、トコフェロール、リボフラビン、ピリドキシン、アスコルビン酸、アスコルビン酸リン酸エステル塩などのビタミンやグリチルリチン酸塩、グリチルレチン、ウルソール酸、オレアノール酸などのテルペン類、エストラジオール、エチニルエストラジオール、エストリオールなどのステロイド類などの有効成分、フェノキシエタノール、パラベン類、ヒビテングルコネート、塩化ベンザルコニウム等の防腐剤、ジメチルアミノ安息香酸エステル類、桂皮酸エステル類、ベンゾフェノン類などの紫外線吸収剤などが好ましく例示できる。これらの内、好ましいものとしては1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキシレングリコール、イソプレングリコールなどの防菌性多価アルコールである。これは、防腐剤による刺激発現を抑制できるからである。かかる防菌性多価アルコールの好ましい含有量は、皮膚外用剤全量に対して、総量で2〜10重量%である。
本発明の皮膚外用剤は、これらの必須成分と任意の成分とを常法に従って処理することにより製造することが出来る。かくして得られた本発明の皮膚外用剤は、前記A群の植物及び/又はその近縁植物のエキスの活性酸素を消去するSOD様作用と、B群の植物及び/又はその近縁植物のエキスのシクロオキシゲナーゼ(COX)阻害作用との相乗効果により、ストレスに起因するアレルギー性の疾患、掻痒を伴う極度の冷え性、原因不明の肌荒れ、敏感肌或いは過敏な肌などの、好ましくない炎症を伴った疾病或いは疾病予兆を改善する効果を発揮する。
【0019】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて、本発明について更に詳細に説明を加えるが、本発明が、かかる実施例にのみ、限定されないことは言うまでもない。
【0020】
<実施例1>
以下に示す処方に従って、本発明の皮膚外用剤を作成した。即ち、処方成分を80℃に加熱し、攪拌して可溶化させ、しかる後に攪拌冷却して、化粧水1を得た。同時に、化粧水1のA1エキスを水に置換した比較例1、B1エキスを水に置換した比較例2、A1エキスとB1エキスを水に置換した対照例1も作成した。これらについて、掻痒を伴う冷え性に悩む人1群3人、計12名をパネラーとして、1ヶ月間の使用テストを行った。検体は通常使用している化粧水に代えてサンプルを朝晩1日2回塗布してもらった。使用テスト終了時に、サンプル使用により、掻痒が改善したか否か、冷え性が改善した否かを答えてもらった。結果を表3に示す。これより、本発明の皮膚外用剤である化粧料1の使用により、掻痒を伴う冷え性の、掻痒も、冷え性も改善していることがわかる。これはA群の植物及び/又はその近縁植物のエキスとB群の植物及び/又はその近縁植物のエキスの相乗効果であることもわかる。
1,2−ヘキシレングリコール 5 重量部
1,3−ブタンジオール 3 重量部
フェノキシエタノール 0.5重量部
ヒアルロン酸ナトリウム 0.1重量部
硫酸化トレハロースナトリウム 0.1重量部
A1エキス 0.1重量部
B1エキス 0.1重量部
POE(60)硬化ヒマシ油 0.1重量部
エタノール 10 重量部
水 81 重量部
【0021】
【表3】
【0022】
<実施例2〜4>
化粧料1のA1エキスを他のA群の植物及び/又はその近縁植物のエキスに置換して、実施例1と同様に検討を行った。結果を表4に示す。これより、他のA群の植物やその近縁植物のエキスでもA1エキスと同様の効果が得られることがわかる。
1,2−ヘキシレングリコール 5 重量部
1,3−ブタンジオール 3 重量部
フェノキシエタノール 0.5重量部
ヒアルロン酸ナトリウム 0.1重量部
硫酸化トレハロースナトリウム 0.1重量部
表4に記載のエキス 0.1重量部
B1エキス 0.1重量部
POE(60)硬化ヒマシ油 0.1重量部
エタノール 10 重量部
水 81 重量部
【0023】
【表4】
【0024】
<実施例5〜6>
化粧料1のB1エキスを他のA群の植物及び/又はその近縁植物のエキスに置換して、実施例1と同様に検討を行った。結果を表5に示す。これより、他のB群の植物やその近縁植物のエキスでもB1エキスと同様の効果が得られることがわかる。
1,2−ヘキシレングリコール 5 重量部
1,3−ブタンジオール 3 重量部
フェノキシエタノール 0.5重量部
ヒアルロン酸ナトリウム 0.1重量部
硫酸化トレハロースナトリウム 0.1重量部
A1エキス 0.1重量部
表5に記載のエキス 0.1重量部
POE(60)硬化ヒマシ油 0.1重量部
エタノール 10 重量部
水 81 重量部
【0025】
【表5】
【0026】
<実施例7>
下記に示す処方に従って、本発明の皮膚外用剤であるステロイドクリーム(皮膚外用医薬品)を作成した。即ち、イ、ロ、ハの成分をそれぞれ80℃に加熱し、イに徐々にロを加えて乳化し、更にハを加えて中和して、粒子を均質化した後、攪拌冷却してステロイドクリームを得た。このものは、これまでプレドニゾロンが無効であった原因不明の肌荒れの人3人に対して、2週間の使用で100%の有効性を奏した。
イ
流動パラフィン 12 重量部
マイクロクリスタリンワックス 4 重量部
ステアリルステアレート 2 重量部
バチルアルコール 2 重量部
セタノール 2 重量部
ソルビタンセスキステアレート 2 重量部
POE(20)ステアリルエーテル 1 重量部
フェノキシエタノール 0.5重量部
A1エキス 1 重量部
B1エキス 1 重量部
プレドニゾロン 1 重量部
ロ
1,2−ヘキシレングリコール 3 重量部
1,2−ペンタンジオール 3 重量部
カルボキシビニルポリマー 0.2重量部
水 50 重量部
ハ
水酸化カリウム 0.1重量部
水 15.3重量部
【0027】
【発明の効果】
本発明によれば、ストレスに起因するアレルギー性の疾患、掻痒を伴う極度の冷え性、原因不明の肌荒れ、敏感肌或いは過敏な肌などの、好ましくない炎症を伴った疾病或いは疾病予兆を改善する手段を提供することができる。
Claims (4)
- 1)次に示すA群から選択される植物及び/又はその近縁種の植物のエキスと2)次に示すB群から選択される植物及び/又はその近縁種の植物のエキスとを含有することを特徴とする、皮膚外用剤。
(A)キク科アルニカ(Arnica montana L.)、シソ科オドリコソウ(Lamium album var. barbatum)、キク科セイヨウノコギリソウ(Achillea millefolium)、シソ科メリッサ(Melissa offcinalis)、キク科ローマカミツレ(Anthemis nobilis L.)
(B)シナノキ科セイヨウボダイジュ(Tilia europaea)、キク科トウキンセンカ(Calendula officinalis)、バラ科ワレモコウ(Sanguisorba officinalis) - エキスが、アルコール及び/又は水を抽出溶媒とする抽出物乃至は該抽出物の溶媒除去物であることを特徴とする、請求項1に記載の皮膚外用剤。
- ストレスに対する整肌用であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の皮膚外用剤。
- 化粧料であることを特徴とする、請求項1〜3何れか1項に記載の皮膚外用剤。
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2002
- 2002-11-20 JP JP2002336244A patent/JP2004168705A/ja active Pending
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