JPH11322628A - 皮膚外用剤 - Google Patents

皮膚外用剤

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JPH11322628A
JPH11322628A JP10169125A JP16912598A JPH11322628A JP H11322628 A JPH11322628 A JP H11322628A JP 10169125 A JP10169125 A JP 10169125A JP 16912598 A JP16912598 A JP 16912598A JP H11322628 A JPH11322628 A JP H11322628A
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skin
oil
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borage
acid
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Yuko Fukiya
優子 吹谷
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 皮膚組織・皮膚細胞の生理活性を向上させ、
皮膚が本来もつ生理機能を回復することにより、皮膚の
炎症や発疹部の治療や感染を防ぎ、保湿、肌荒れ改善、
肌荒れ防止など皮膚の生理活性効果や老化防止効果、養
育毛効果に優れた、皮膚外用剤を提供する。 【解決手段】 ボリジ及び/又はボリジ種子油を含有す
ることを特徴とする優れた皮膚外用剤。ボリジ及び/又
はボリジ種子油とタイム抽出物を配合した皮膚外用剤
は、天然物からなる、人体に副作用のない安全な、アト
ピー性皮膚炎の予防、改善、治療の効果を得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ボリジ(Bora
go officinalis 1:ムラサキ科ルリジ
サ属)油及び/又は種子油成分を必須とする皮膚外用剤
に関する。
【0002】
【従来の技術】植物油脂である月見草油は、古くから皮
膚の炎症部や発疹部に塗ることで治療や感染を防ぐ効果
をあげ、アトピー治療などに用いられており、以前から
唯一のγ−リノレン酸の供源として注目されている、天
然に存在する安全性の高い化合物であることは承知のと
ころで、その組成は、リノール酸約73%、γ−リノレ
ン酸約8%、オイレン酸約11%を含有するものであ
る。しかし、応用面で問題となることは、月見草油の油
脂成分であるγ−リノレン酸は、一緒に含まれているリ
ノール酸の割合が高く、さらに含有するトコフェロール
の活性が弱いことから、酸化安定性、熱安定性に欠ける
ということである。
【0003】ボリジ植物体の溶剤抽出物の皮膚組織・皮
膚細胞の生理活性向上や保湿効果は公知である(例えば
特公報平9−278641公報)が、植物エキスが溶剤
抽出であるがために、その効果作用は当然に希薄とな
り、また、乾燥晶結させて利用するには経済性に劣るも
のである。エタノール液を利用した溶剤抽出いたって
は、鉱物油であるエタノールの残留による、敏感な皮膚
組織・細胞への影響が懸念され、水による抽出では植物
体の有効成分が十分に抽出されない等の欠点があるた
め、効果、経済性においてもボリジ植物体がもつ有効成
分を余すことなく提供する方法が求められていた。
【0004】活性酵素は、生体膜構成成分の過酸化反応
を引き起こし、細胞や組織が障害を受け、細胞の機能を
低下させ皮膚の炎症や老化の原因となっていると知られ
ている。ボリジ植物体からの溶剤抽出物がもつ抗酸化効
果、活性酵素によるフリーラジカルを強力に抑制するは
たらきは公知である(例えば特公報平3−56585号
公報)が、ボリジ有効成分を溶剤抽出するため活性酸素
消去作用は当然に希薄となり、また、ボリジ有効成分を
乾燥晶結させて利用するには経済性に劣るものであるこ
とから、ボリジ植物体がもつ抗酸化効果などのはたらき
のある有効成分を余すことなく提供する方法が求められ
ていた。
【0005】月見草油、椿油やオリーブ油などにビタミ
ンEを混合して、浴用剤料や養育毛剤料として利用する
方法が公知である(例えば特公報平6−157286号
広報、特公報平6−219926号広報)が、混合して
利用するトコフェロールは、植物体本体に含有するトコ
フェロールを活用することが自然であり、敏感な皮膚組
織・細胞からなる人体に馴染みやすい。月見草油、椿油
やオリーブ油の有効成分であり、人体皮膚組織・皮膚細
胞の生理活性の向上に有効な油脂である、リノール酸、
γ−リノレン酸、オイレン酸などを含有し、特にγ−リ
ノレイン酸を多量に含有することを特徴とし、同時に酸
化安定性や熱安定性があり、天然のビタミンEであり、
抗菌、抗酸化効果のあるトコフェロールを多量に含有す
る新規の植物油脂の提供が求められていた。
【0006】月見草などの植物エキスにコウジ酸及び/
又はその誘導体を併用することで、コウジ酸又はその誘
導体の活性酸素消去作用を相乗的に高め、UV−Aで誘
引されるシワの防止効果、老化防止効果に優れた皮膚外
用剤が得られることが知られている(例えば特開平7−
17847号公報)が、天然ビタミンEであるトコフェ
ロールを多量に含有する、月見草エキスに代わる植物有
効成分の提供が求めらていた。
【0007】植物生薬として月見草やラベンダーから抽
出された天然のエキスに、ローヤルゼリー及び/高麗人
参(Panax Ginseng)の抽出物とを配合す
ることで、肌荒れ防止や肌荒れ改善効果の高い皮膚外用
剤が得られることが知られている(例えば特開平9−2
86709号公報)が、天然ビタミンEであるトコフェ
ロールを多量に含有する、月見草エキスに代わる新規の
植物成分の提供が求められていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】そこで、月見草油及び
/又はエキスや椿油に代わる植物油脂で、γ−リノレン
酸の新たな供源であり、皮膚との親和性が良く酸化に強
いオイレン酸を同程度量含有し、リノール酸を一緒に含
有するが、酸化や熱に対し安定し、且つ、天然ビタミン
Eであり、抗菌作用、抗酸化作用があるトコフェロール
を多量に含有する植物油脂で、皮膚の炎症や発疹部の治
療や感染を防ぎ、皮膚の生理活性効果や老化防止効果、
養育毛効果に優れた、皮膚外用剤に供される、応用性の
高い新規の植物油脂の提供が求められていた。
【0009】ボリジ油が抗アレルギー効果をもつことか
ら、タイム植物体抽出物を併用することで一層の抗アレ
ルギー効果をひきだすことができ、抗アレルギー食品と
して利用することができることは、十分に立証されてい
る(例えば特開平9−187248号公報)が、効果の
大きい抗アレルギー食品を提供することに限られてお
り、アトピー性皮膚炎の改善、抗菌、抗腫瘍効果のある
皮膚外用剤の提供が求められていた。
【0010】本発明は、γ−リノレン酸やオイレン酸を
含有し、リノール酸も一緒に含有するが油脂成分が酸化
や熱に対して安定しており、天然ビタミンEであり、抗
菌作用、抗酸化作用があるトコフェロールを多量に含有
する、特定の植物油脂を必須成分とすることにより、ま
た、その特定の植物油脂にコウジ酸及び/又はその誘導
体、あるいはローヤルゼリー及び/高麗人参の抽出物、
タイム植物体抽出物などを配合することで、皮膚の生理
活性効果や老化防止効果に優れた皮膚外用剤、毛根部A
TP含量の増加作用による発毛促進作用が認められる皮
膚外用剤や、皮膚の炎症や発疹部の治療の効果、感染防
止の効果が認められる皮膚外用剤を提供することを目的
としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記の目的
を達成するために鋭意研究を重ねてきた結果、ムラサキ
科植物であるボリジ草を利用することを発見し、ボリジ
草から得られる油及び/又は種子油には、γ−リノレン
酸やオイレン酸を多量に含有し、リノール酸との含有バ
ランスも良好なことから酸化安定性、熱安定性をもち、
天然ビタミンEや強力な抗酸化効果をもつトコフェロー
ルを多量に含有することを見出して、本発明を完成する
に至った。すなわち、本発明によれば、ボリジ草から得
られる油及び/又は種子油を必須成分とすることによ
り、皮膚の生理活性効果や老化防止効果、養育毛効果に
優れた皮膚外用剤、皮膚の炎症や発疹部の治療、感染防
止に優れた皮膚外用剤、すなわち皮膚化粧料、皮膚衛生
剤が提供される。
【0012】
【発明の具体的な説明】ボリジ(ボラゴ・オフィシナリ
ス:Borago officinalis1;ムラサ
キ科ルリジ科ルリジサ属)は1年生植物で、地中海ヨー
ロッパを中心に世界的に広く分布しており、鑑賞用栽培
の他、若芽はサラダ材料として食用として使用されてい
る。ボリジは食用に供されて害のない植物であるから、
皮膚外用剤として長期間継続的に使用しても、人体に対
し悪影響を及ぼす虞れはないと考えられる。ボリジは、
わが国では主に北海道や東北地方の一部で植生してお
り、観葉植物として栽培されているが、植物油ならびに
種子油を利用する技術は開発されていない。
【0013】ボリジ種子油は、各種製造業者のものが市
販されており、それらはいづれも本発明のために使用す
ることができる。これらの市販のボリジ種子油(以下、
「ボリジ種子油」という)には、製造業者およびロット
によって多少の差はあるが、通常、リノール酸約35.
9重量%、γ−リノレン酸約17.8重量%、オイレン
酸約20.1重量%、α−リノレン酸約0.3重量%を
含有し、全オイレン酸中には99.94重量%のトリグ
リセライドを含有する。ボリジ油種子油の総トコフェロ
ール含量は約0.171重量%あり、天然ビタミンE効
果の強いα−トコフェロールを約0.06重量%、抗酸
化効果の強いγ−トコフェロール約0.014重量%、
δ−トコフェロール約0.097重量%含有しており、
皮膚外用剤として使用されているオリーブ油の総トコフ
ェロール含量0.003〜0.03%重量を大幅に上回
る含有量で、従来、天然ビタミンE供源として利用され
てきた大豆油の総トコフェロール含量0.09〜0.2
5重量%と並ぶ含有量である。
【0014】リノール酸は、皮膚の美白効果や皮膚表皮
バリア機能を再生するはたらきがあり、ボリジ種子油に
は月見草油のほぼ半量である約35.9%のリノール酸
を含有している。ボリジ種子油は、月見草油よりもリノ
ール酸と他の油脂成分との含有量割合が酸化や熱に対し
て安定しており、トコフェロールを多量に含有している
ことからも、皮膚組織、皮膚細胞にフリーラジカルを与
えず、皮膚の美白効果や皮膚表皮バリア機能を再生する
はたらきがある新規の植物油脂である。
【0015】オイレン酸は、リノール酸と比べ酸化に強
い油脂で、オイレン酸中に含まれるトリグリセライドは
皮膚との親和性が優れており、皮膚に塗布した場合、即
効的に皮脂となる性質をもっている。ボリジ種子油は、
月見草油の倍量である約20.1重量%のオイレン酸を
含有しており、オイレン酸中のトリグリセライド含有率
は99.94%で、月見草油よりも皮膚外用剤にとって
有効な油脂であることは明白である。
【0016】γ−リノレン酸は、必須脂肪酸のリノール
酸から生体内で生合成されてできる脂肪酸で、ビタミン
Fともいわれる栄養学上重要な脂肪酸である。γ−リノ
レン酸は、脂質代謝、生体各組織のはたらきを局所ホル
モンとして調節しているプロスタグランジンE1の前駆
体である。リノール酸を含んだ食事をとると、リノール
酸はγ−リノレン酸へ代謝され、次にジホモγ−リノレ
ン酸、プロスタグランジンE1へと代謝され、プロスタ
グランジンE1は、ごく微量でも強い生理活性をもって
いる。リノール酸の代謝成分であるγ−リノレン酸が足
りなくなると、細胞膜の物質代謝のはたらきが悪くな
り、インスリンへの感受性も低下する可能性がある。ア
トピー症状の患者には、血中のγ−リノレン酸の含有量
が健康な人の約半分しかないことが知られていることか
ら、アトピー症状の改善にはγ−リノレン酸が必須であ
ることが分かる。
【0017】γ−リノレン酸は、皮脂の代わりとなる良
質なオイルとしてのはたらきのほか、細胞膜の構成脂肪
酸としてとりこまれ、細胞膜の流動性を向上させること
による細胞活性化効果により、皮膚のコラーゲンなど真
皮保湿成分の合成促進を高めるはたらきをし、皮膚表面
のバリヤー機能を向上さるなど、保湿剤、ニキビ予防と
しての皮膚化粧料、アトピー性皮膚炎の改善、抗菌作用
や抗腫瘍効果としての皮膚外用剤に配合され、その原料
となる。従来、月見草油が唯一のγ−リノレン酸供源と
されてきたが、ボリジ種子油は、月見草油の倍量である
17.8重量%のγ−リノレン酸と、酸化に強いオイレ
ン酸を20.1重量%、リノール酸を35.9重量%含
有し、酸化安定性、熱安定性に優れており、ボリジ種子
油の特徴であるα、γ、δ−トコフェロールを約0.1
71重量%と多量に含有することから、月見草よりも新
規のγ−リノレン酸供源たる植物油脂であるといえる。
【0018】天然のトコフェロールは、α、β、γ、δ
−トコフェロールの4種類が存在し、そのうち、α−ト
コフェロールは最も広く存在し作用も強い。トコフェロ
ールの生体内での作用は、抗酸化作用である。活性酵素
に由来するフリーラジカルにより、生体膜の構成成分、
または食品中の不飽和脂肪酸の過酸化反応が引き起こさ
れることにより、細胞や組織が障害を受け、細胞の機能
が低下することが老化の原因となっていると考えられ
る。また、脂質の過酸化により生じる過酸化脂質は動脈
硬化その他の成人病の原因でもある。トコフェロール
は、この過酸化反応をフリーラジカルの捕捉により停止
し、過酸化脂質の生成を防ぎリポフスチンの生成を阻害
することにより、細胞老化抑制にはたらく。また、抗酸
化作用によらず、生体膜に存在する非ヘム鉄タンパク質
を保護し、安定化することによって脂質の過酸化反応を
抑制し、これによっても生体膜を保護し、安定化する。
トコフェロールは、皮膚に浸透して末梢血管を拡張さ
せ、皮膚の新陳代謝を促進し、皮膚障害、皮膚の老化を
予防し、皮膚の保護や美化に効果を示すことは周知され
ている。ボリジ種子油100g中には、天然ビタミンE
効果の強いα−トコフェロールを約60.0mg、抗酸
化効果の強いγ−トコフェロールを約14.1mg、δ
−トコフェロールを約96.7mgを含有することを特
徴としており、脂容性であるため、皮膚との親和性に優
れている。
【0019】ボリジ溶媒抽出物の化粧料としての有効性
は、十分に立証されている(例えば特開平9−2786
41号公報)が、本発明はボリジのエキスを溶媒抽出し
て利用するのではなく、ボリジ油ならびにボリジ種子油
としてボリジを直接搾油して利用することから、ボリジ
の有効成分を油脂として直接的に、ロスなく利用でき
る。したがって、ボリジの有効成分を余すことなく有効
利用するには、ボリジ油及び/又はボリジ種子油を使用
することが優良であることは明白である。
【0020】抗補体活性測定では、ボリジ油にはDHA
油やエゴマ油よりも有効な36.3%の抗補体活性が認
められ、抗アレルギー性のある漢方薬として知られる紫
朴湯には59.2%の抗補体活性が認められており、ボ
リジ油及び/又は種子油90重量%に対しタイム植物体
抽出物10重量%を配合した組成物は、紫朴湯を上回る
76.2%の優れた抗補体活性効果を発揮することが立
証されている(例えば特開平187248号公報)が、
ボリジ油及び/又はボリジ種子油、タイム植物体抽出物
は、食用として安全であることからも、ボリジ油及び/
又はボリジ種子油にタイム植物体抽出物を配合組成した
皮膚外用剤は、これまでの抗炎症剤、抗ヒスタミン薬剤
などとは異なり、副作用を伴わない、抗アレルギー症状
の予防および治療の効果があることは明白である。本発
明は、ボリジ油及び/又は種子油を含有することを必須
とする、人体皮膚に安全で、皮膚組織・皮膚細胞の生理
活性効果と抗アレルギー症状の予防および改善、治療効
果のある皮膚外用剤を提供するものである。
【0021】月見草油よりも酸化安定性や熱安定性にす
ぐれ、トコフェロールを多量に含有する油脂成分をも
つ、ボリジ油及び/又はボリジ種子油にコウジ酸及び/
又はその誘導体を併用する組成物は、コウジ酸又はその
誘導体の活性酸素消去の作用においては月見草を利用す
る場合(例えば特開平7−17847号公報)よりも、
相乗的に高まることは明白である。従って、ボリジ油及
び/又はボリジ種子油は、月見草エキスに代わる、新規
の植物油脂である。
【0022】月見草油よりも酸化安定性や熱安定性にす
ぐれ、トコフェロールを多量に含有する油脂成分をも
つ、ボリジ油及び/又はボリジ種子油にローヤルゼリー
及び/高麓人参(Panax Ginseng)抽出物
を配合した組成物は、月見草エキスを配合する(例えば
特開平9−286709号公報)よりも、更に肌荒れ防
止、肌荒れ改善に優れた効果があることは明白である。
したがって、ボリジ種子油は月見草エキスに代わる、新
規の植物油脂である。
【0023】本発明のボリジ種子油を必須成分とする皮
膚外用剤は、各種クリーム、乳液、頭髪用化粧料、口紅
などの化粧料原料に使用した場合、使用感、安定性、皮
膚の老化防止効果、発毛促進作用とも副作用がみられず
従来の油脂では得られない優れた化粧料を調整できる。
また、皮膚衛生剤として使用した場合、使用感、安定
性、皮膚障害の緩和・治療、皮膚の抗菌衛生効果とも
に、従来の油脂では得られない優れた外用剤を調整でき
る。
【0024】本発明の皮膚外用剤は、外用施用上適する
ものであれば特に制限はなく、例えばパップ剤、プラス
ター剤、ペースト剤、クリーム、軟膏、エアゾール剤、
乳剤、ローション、乳液、エッセンス、パック、ボディ
ソープ、シャンプー、リンス、ゲル剤、パウダー、ファ
ンデーション、サンケア、バスソルト、浴用剤などのヒ
トの皮膚に使用できる医薬品、医薬部外品、化粧品とし
て公知の形態で幅広く供されるものである。
【0025】本発明の外用剤を製する場合、通常に用い
られる種々の公知の有効成分、例えば塩化カルプロニウ
ム、セファランチン、ビタミンE、ビタミンEニコチネ
ート、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、ニコチン酸ベン
ジル、ショウキョウチンキ、トウガラシチンキなどの清
涼剤、ヒノキチオール、塩化ベンザルニコウム、ウンデ
シレン酸などの抗菌剤、塩化リゾチーム、グリチルリチ
ン、アラントインなどの消炎剤、アスコルビン酸、アル
ブチンなどの色白剤、胎盤抽出液、肝臓抽出物、漢方生
薬物、乳酸筋培養抽出物などの動物・植物・微生物由来
の各種抽出物などを適宜配合して使用することができ
る。
【0026】また、前述の医薬品、医薬部外品、化粧品
には、公知の有効成分や界面活性剤、油膜類などの基剤
成分の他、必要に応じて公知の保湿剤、酸化防止剤、紫
外線吸収剤・散乱剤、キレート剤、pH調整剤、香料、
着色剤など種々の添加剤を併用できる。
【0027】
【実施例1】次に特開平9−187248号公報での実
施例ならびにその効果を示すための試験例をあげるが、
本発明はこれらに限定されるものではない。
【0028】本発明では、市販の各種製造業者のボリジ
種子油を使用することができ、以下「ボリジ油」と称す
る。タイム抽出物、タイム抽出物と油脂の混合物及び油
脂について、常法[遠藤美由記ら、和漢薬、第16巻、
76頁(1983年)]により抗補体活性を測定し、比
較対照として、精製水及び抗アレルギー性のある漢方薬
紫朴湯を用いて、試験に供した試料の組成及び抗補体活
性を、第1表に示す。
【0029】
【表1】
【0030】第1表の結果から、ボリジ油単独でも3
6.3%の抗補体活性が認められたが、さらにタイム抽
出物と併用することで、抗補体活性の値が高くなり、相
乗効果により優れた抗アレルギー性を発揮することが分
かった。特開平9−187248号公報では、ボリジ油
とタイム抽出物とを併用した、人体に安全である抗アレ
ルギー食品を提供することを目的としているが、本発明
により提供される皮膚外用剤は、天然物より構成されて
いるために安全な、アトピー性皮膚炎の改善、抗菌抗腫
瘍効果のある皮膚外用剤である。
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0031】本発明に係るボリジ油及び/又はボリジ種
子油は、皮膚に対する安全性が高く、月見草油に代わる
新規のγ−リノレン酸の供源で、本発明による皮膚外用
剤は、皮膚の生理活性を向上させ、皮膚の保湿性を高
め、肌荒れ防止や改善の効果に優れ、皮膚の老化を防止
することができる。
【0032】本発明に係るボリジ油及び/又はボリジ種
子油に、ローヤルゼリー抽出物と高麗人参抽出物とを配
合して、またはコウジ酸及び/又はその誘導体を配合し
て、月見草エキスを使用するより効果の高い、優れた皮
膚外用剤を構成することができる。
【0033】本発明に係るボリジ油及び/又はボリジ種
子油は、酸化安定性や熱安定性に優れており、月見草油
を使用するより優れた発毛促進効果を有し、養毛剤とし
て有用である。
【0034】現在、小児から成人までアトピー性皮膚炎
が増加しているにもかかわらず、これらの予防、治療法
は確立されていない。本発明のボリジ油及び/ボリジ種
子油とタイム抽出物を配合した皮膚外用剤は、天然物よ
り構成されているために安全であり、これまでの抗炎症
剤、抗ヒスタミン薬剤などにたよる治療法とは異なり、
副作用を伴うことなく、アトピー性皮膚炎の予防、改
善、治療を効果的に行うことができる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年8月10日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】明細書
【発明の名称】 皮膚外用剤
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、ボリジ植物油及
び/又は種子油成分を必須とする皮膚外用剤に関する。
【0002】
【従来の技術】 以前から唯一のγ−リノレン酸の供源
であり、天然に存在する安全性の高い化合物として月見
草植物油脂が注目され、皮膚の炎症部や発疹部に塗るこ
とで治療や感染を防ぐ効果をあげることから、アトピー
性皮膚炎の治療などに用いられているが、応用面で月見
草油の油脂成分であるγ−リノレン酸は、一緒に含まれ
ているリノール酸の割合が高いこと、含有するトコフェ
ロール量が少ないことから、油脂の酸化安定性、熱安定
性に欠けるという問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】 そこで、月見草油に
代わる、安全で応用性の高い新規の植物油脂の提供が求
められていた。月見草油に代わる新規の植物油脂は、γ
−リノレン酸の新たな供源となる油脂で、皮膚との親和
性が良いオイレン酸を多量に含有し、天然ビタミンEで
あり抗菌作用や抗酸化作用があるトコフェロールを多量
に含有しており、リノール酸を含有するが、酸化や熱に
対して安定した油脂で、皮膚の炎症や発疹部の治療や感
染を防ぎ、皮膚の生理活性の向上や保湿、皮膚の老化防
止、養育毛の効果に優れた特徴をもち、皮膚外用剤に供
される植物油脂で、特に、アトピー性皮膚炎の症状改善
や治療の効果のある皮膚外用剤となるものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】 本発明者は、前記の目
的を達成するために鋭意研究を重ねてきた結果、ムラサ
キ科ルリジサ属植物であるボリジ草を利用することを発
見し、ボリジ草から得られる油及び/又は種子油、特に
搾油された油脂には、油脂抽出のための溶剤を含有ない
ことから安全であり、月見草油よりもγ−リノレン酸や
オイレン酸を多量に含有しており、天然ビタミンEで強
力な抗菌・抗酸化効果をもつトコフェロールの含有量が
多く、リノール酸を含有するが、酸化や熱に対して安定
していることを見出して、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明によれば、月見草油に代わる植物油脂
として、ボリジ草から搾油される油及び/又は種子油を
必須成分とすることにより、皮膚の生理活性向上効果や
老化防止効果、皮膚の炎症や発疹部の治療、感染防止に
優れた皮膚外用剤が提供されるもので、特に、タイム抽
出物を配合することで、アトピー性皮膚炎の改善、抗菌
効果、抗腫瘍効果のある皮膚外用剤が提供される。
【0005】
【発明の具体的な説明】 ボリジ草(ムラサキ科ルリジ
サ属;Borago oicinalis 1; ムラ
サキ科ルリジサ属)は1年生植物で、地中海ヨーロッパ
を中心に世界的に広く分布しており、鑑賞用栽培の他、
若芽や葉はサラダ材料として食用として使用されてい
る。ボリジ草は、食用に供されて害のない植物であるか
ら、皮膚外用剤として長期間継続的に使用しても、人体
に対し悪影響を及ぼす虞れはないと考えられる。ボリジ
草は、わが国では主に北海道や東北地方の一部で植生し
ており、観葉植物として栽培されているが、ボリジ草か
ら搾油された油及び/又は種子油を皮膚外用剤として利
用する技術は開発されていない。
【0006】 搾油されたボリジ油及び/又は種子油は
各種製造業者のものが市販されており、それらはいづれ
も本発明のために使用することができる。これらの搾油
された市販のボリジ油及び/又はボリジ種子油(以下、
「ボリジ種子油」という)は、製造業者およびロットに
よって多少の差はあるが、通常、リノール酸約35.9
重量%、γ−リノレン酸約17.8重量%、オイレン酸
約20.1重量%、α−リノレン酸約0.3重量%を主
成分とし、全オイレン酸中のトリグリセライド含有率は
99.94である。ボリジ種子油に含有される総トコフ
ェロール量は約0.171重量%で、天然ビタミンE効
果の強いα−トコフェロールが約0.06重量%、強い
抗酸化効果をもつ約0.014重量%のγ−トコフェロ
ールと約0.097重量%のδ−トコフェロールからな
る。
【0007】 植物油脂成分のリノール酸には、皮膚の
美白効果や皮膚表皮のバリア機能を再生するはたらきが
あり、オイレン酸はリノール酸に比べ酸化に強い油脂
で、オイレン酸中に含まれるトリグリセライドは皮膚と
の親和性が優れており、皮膚に塗布した場合、即効的に
皮脂となる性質をもっている。γ−リノレン酸は、必須
脂肪酸のリノール酸から生体内で生合成されてできる脂
肪酸で、ビタミンFともいわれる栄養学上重要な脂肪酸
である。γ−リノレン酸は、脂質代謝、生体各組織のは
たらきを局所ホルモンとして調節しているプロスタグラ
ンジンElの前駆体である。リノール酸を含んだ食事を
とると、リノール酸はγ−リノレン酸へ代謝され、次に
ジホモγ−リノレン酸、プロスタグランジンElへと代
謝され、プロスタグランジンElは、ごく微量でも強い
生理活性をもっている。γ−リノレン酸は、皮脂の代わ
りとなる良質なオイルとしてのはたらきの他、細胞膜の
構成脂肪酸としてとりこまれ、細胞膜の流動性を向上さ
せることによる細胞活性化効果により、皮膚のコラーゲ
ンなど真皮保湿成分の合成促進を高めるはたらきをし、
皮膚表面のバリヤー機能を向上さるなど、保湿剤、ニキ
ビ予防としての皮膚化粧料、アトピー性皮膚炎の改善、
抗菌作用や抗腫瘍効果としての皮膚外用剤に配合され、
その原料となる。リノール酸の代謝成分であるγ−リノ
レン酸が足りなくなると、細胞膜の物質代謝のはたらき
が悪くなり、インスリンへの感受性も低下する可能性が
ある。アトピー症状の患者には、血中のγ−リノレン酸
含有量が健康な人の約半分しかないことが知られている
ことからも、アトピー症状の改善にはγ−リノレン酸が
必須であることが分かる。
【0008】 天然のトコフェロールは、α、β、γ、
δの4種類が存在し、α−トコフェロールは最も広く存
在しており、その作用も強いことは周知されている。ト
コフェロールの生体内での作用は、抗酸化作用である。
活性酵素に由来するフリーラジカルにより、生体膜の構
成成分、または食品中の不飽和脂肪酸の過酸化反応が引
き起こされることにより、細胞や組織が障害を受け、細
胞の機能が低下することが老化の原因となっていると考
えられる。また、脂質の過酸化により生じる過酸化脂質
は動脈硬化その他の成人病の原因でもある。トコフェロ
ールは、この過酸化反応をフリーラジカルの捕捉により
停止し、過酸化脂質の生成を防ぎ、リポフスチンの生成
を阻害することにより、細胞老化抑制にはたらく。ま
た、抗酸化作用によらず、生体膜に存在する非ヘム鉄タ
ンパク質を保護し、安定化することによって脂質の過酸
化反応を抑制し、これによっても生体膜を保護し、細胞
機能を安定化する。皮膚外用剤におけるトコフェロール
は、皮膚に浸透して末梢血管を拡張させ、皮膚の新陳代
謝を促進し、皮膚障害、皮膚の老化を予防し、皮膚の保
護や美化に効果を示すことは周知されている。
【0009】 ボリジ植物体の溶剤抽出物がもつ、抗酸
化効果や活性酵素によるフリーラジカルを強力に抑制す
るはたらきは公知である(例えば特公報平3−5658
5号公報)が、ボリジ種子油は、例えばエタノール溶剤
による抽出とは異なり、溶剤残留物による敏感な皮膚組
織・細胞への影響を懸念する必要がなく、人体皮膚に安
全である。
【0010】 月見草油、椿油やオリーブ油などにビタ
ミンEを混合して、浴用剤料や養育毛剤料として利用す
る方法(例えば、特公報平6−157286号広報、特
公報平6−219926号広報)や、月見草などの植物
エキスにコウジ酸及び/又はその誘導体を併用すること
で、コウジ酸又はその誘導体の活性酸素消去作用を相乗
的に高め、UV−Aで誘引されるシワの防止効果、老化
防止効果に優れた皮膚外用剤が得られること(例えば特
開平7−17847号公報)、さらに植物生薬として月
見草やラベンダーから抽出された天然のエキスにローヤ
ルゼリー及び/高麗人参(Panax Ginsen
g)の抽出物とを配合することで、肌荒れ防止や肌荒れ
改善効果の高い皮膚外用剤が得られること(例えば特開
平9−286709号公報)が公知であるが、いずれも
トコフェロール含有量の少ない見草油にビタミンEを配
合することを特徴としたものである。ボリジ種子油に
は、天然ビタミンE効果の強いα−トコフェロールを約
0.06重量%、抗酸化効果の強いγ−トコフェロール
を約0.041重量%、δ−トコフェロールを約0.0
967重量%含有することを特徴としており、脂容性で
ある ため皮膚との親和性に優れ、人体皮膚に安全で高
度な活用ができる。すでに皮膚外用剤として使用されて
いるオリーブ油には、トコフェロール総量が0.003
〜0.03重量%、大豆油には0.09〜0.25重量
%含有するが、大豆油には皮膚外用剤に有効な油脂成分
のγ−リノレン酸が含有されていない。皮膚外用剤とし
て利用するトコフェロールは、使用する油脂本来に含有
するトコフェロールを、その植物油脂と共に活用するこ
とが自然であり、敏感な皮膚組織・細胞からなる人体に
馴染みやすいことから、多量のトコフェロールを含有
し、皮膚外用剤として有効な油脂を主成分とするボリジ
種子油は、月見草油に代わる有効な植物油脂であること
は明白である。
【0011】 ボリジ植物体の溶剤抽出物がもつ皮膚組
織・皮膚細胞の生理活性向上効果や保湿効果は公知であ
る(例えば特公報平9−278641公報)が、ボリジ
種子油は、エタノール溶剤による抽出とは異なり、溶剤
残留物による敏感な皮膚組織・細胞への影響を懸念する
必要がなく、人体皮膚に安全であり、ボリジ種子油の有
効成分を余すことなく利用することができ、皮膚組織・
皮膚細胞の生理活性向効果や保湿効果、さらに経済性に
も優れた油脂であることは容易に判断できる。
【0012】 ボリジ油及び/又は種子油そのものが抗
アレルギー効果をもつが、タイム植物体の抽出物を配合
することで一層優れた抗アレルギー効果をひきだすこと
(例えば特開平9−187248号公報)が公知されて
おり、すでに食用に供され、人体に害のない抗アレルギ
ー食品が提供されている。このことからも本発明によっ
て、皮膚外用剤として長期間継続的に使用しても人体皮
膚に対して悪影響を及ぼす虞れのない、アトピー性皮膚
炎の改善、抗菌、抗腫瘍効果のある皮膚外用剤を提供す
ることができる。
【0013】 特開平9−187248号公報での抗補
体活性測定の実施例ならびにその効果を示すための試験
例によれば、ボリジ種子油にはDHA油やエゴマ油より
も有効である36.3%の抗補体活性が認められ、抗ア
レルギー性のある漢方薬として知られる紫朴湯には5
9.2%の抗補体活性が認められている。ボリジ種子油
90重量%に対しタイム植物体抽出物10重量%を配合
した組成物は、紫朴湯を上回る76.2%の優れた抗補
体活性効果を発揮することが立証されており、ボリジ種
子油とタイム植物体抽出物は、ともに食用され安全であ
るから、本発明であるボリジ種子油にタイム植物体抽出
物を配合組成した皮膚外用剤は、副作用が懸念されなが
らも使用されている抗炎症剤、抗ヒスタミン薬剤などと
は異なり、人体皮膚に対して安全で、皮膚組織・細胞の
生理活性向上の効果に優れ、アトピー性皮膚炎の予防お
よび改善、治療の効果が認められる。なお、本発明は、
これらの実施例に限定されるものではない。
【0014】 本発明では市販の各種製造業者のボリジ
種子油を使用することができる。タイム抽出物、タイム
抽出物と油脂の混合物および油脂について、常法[遠藤
美由記ら、和漢薬、第16巻、76頁(1983年)]
により抗補体活性を測定し、比較対照として、精製水及
び抗アレルギー性のある漢方薬紫朴湯を用いて、試験に
供した試料の組成及び抗補体活性結果(特開平9−18
7248号公報)を参考として第1表に示す。
【0015】
【表1】
【0016】 本発明のボリジ種子油を必須成分とする
皮膚外用剤は、各種クリーム、乳液、頭髪用化粧料、口
紅などの化粧料原料に使用した場合、使用感、安定性、
皮膚の生理活性効果、老化防止効果、発毛促進作用とも
副作用がみられず従来の油脂では得られない優れた化粧
料を調整できる。また、皮膚衛生剤として使用した場
合、使用感、安定性、皮膚障害の緩和・治療、皮膚の抗
菌衛生効果ともに、従来の油脂では得られない優れた外
用剤を調整できるが、なかでも特に、本発明のタイム抽
出物を配合した皮膚外用剤は、アトピー性皮膚炎の防
止、改善、治療の効果に非常に有効である。
【0017】 本発明の皮膚外用剤は、外用施用上適す
るものであれば特に制限はなく、例えばパップ剤、プラ
スター剤、ペースト剤、クリーム、軟膏、エアゾール
剤、乳剤、ローション、乳液、エッセンス、パック、ボ
ディソープ、シャンプー、リンス、ゲル剤、パウダー、
ファンデーション、サンケア、バスソルト、浴用剤など
のヒトの皮膚に使用できる医薬品、医薬部外品、化粧品
として公知の形態で幅広く供されるものである。
【0018】 本発明の外用剤を製する場合、通常に用
いられる種々の公知の有効成分、例えば塩化カルプロニ
ウム、セファランチン、ビタミンE、ビタミンEニコチ
ネート、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、ニコチン酸ベ
ンジル、ショウキョウチンキ、トウガラシチンキなどの
清涼剤、ヒノキチオール、塩化ベンザルニコウム、ウン
デシレン酸などの抗菌剤、塩化リゾチーム、グリチルリ
チン、アラントインなどの消炎剤、アルブチンなどの色
白剤、胎盤抽出液、肝臓抽出物、漢方生薬物、乳酸筋培
養抽出物などの動物・植物・微生物由来の各種抽出物な
どを適宜配合して使用することができる。
【0019】 また、前述の医薬品、医薬部外品、化粧
品には、公知の有効成分や界面活性剤、油膜類などの基
剤成分の他、必要に応じて公知の保湿剤、酸化防止剤、
紫外線吸収剤・散乱剤、キレート剤、pH調整剤、香
料、着色剤など種々の添加剤を併用できる。
【0020】
【実施例】 以下、本発明について実施例を挙げて更に
詳しく説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定
されるものではない。 実施例1 ボリジ種子油65重量%に対して、タイム抽出物7重量
%、ローズヒップ3重量%、スクワレン25重量%を配
合して皮膚外用剤を調整し、アトピー性皮膚炎患者15
名に塗布し、その改善効果について検討した。患者には
調整した皮膚外用剤を1日当たり使用量を皮膚患部10
cm四方に対して1mgを越えない範囲で、朝・昼・夜
の3回に分け12週間塗布した。その結果を表2に示
す。
【0021】
【表2】
【0022】 表2の結果から、ボリジ種子油にタイム
抽出物ほかを配合した実施例1の皮膚外用剤は、アトピ
ー性皮膚炎の症状改善に優れた効果があると評価でき
る。
【発明の効果】 本発明は、以上説明したように構成さ
れているので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0023】 現在、小児から成人までアトピー性皮膚
炎が増加しているにもかかわらず、これらの予防、治療
法は確立されていない。本発明のボリジ油及び/又はボ
リジ種子油は、月見草油に代わるトコフェロールを多量
に含有する新規のγ−リノレン酸の供源で、皮膚の生理
活性向上効果に優れ、保湿性を高め、肌荒れの防止や改
善の効果に優れ、皮膚の老化を防止する効果がある。特
に、本発明による、ボリジ油及び/又はボリジ種子油に
タイム抽出物を配合した天然物より構成された皮膚外用
剤は、人体皮膚にとって安全な、アトピー性皮膚炎の予
防、改善、治療を効果的に行うことができる皮膚外用剤
で、これまでの抗炎症剤、抗ヒスタミン薬剤などにたよ
るアトピー性皮膚炎の治療法とは異なり人体皮膚に対し
て副作用を伴うことがない。また、アトピー性皮膚炎に
限らず、皮膚抵抗力の弱い敏感肌といわれる皮膚の肌荒
れ防止や改善の効果がある。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ボリジ(Borago officin
    alis 1)から得られる油脂を含有することを特徴
    とする皮膚外用剤。
  2. 【請求項2】 油脂がボリジ(Borago offi
    cinalis 1)の種子油である請求項1記載の皮
    膚外用剤。
  3. 【請求項3】 油脂がボリジ(Borago offi
    cinalis 1)の種子油を含む請求項1記載の皮
    膚外用剤。
  4. 【請求項4】 タイム抽出物と併用する油脂が、請求項
    1、請求項2、請求項3記載の皮膚外用剤。
JP10169125A 1998-05-12 1998-05-12 皮膚外用剤 Pending JPH11322628A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001226213A (ja) * 1999-12-06 2001-08-21 Shiseido Co Ltd 選択的抗菌組成物
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WO2015072674A1 (ko) * 2013-11-12 2015-05-21 주식회사 네이처센스 농업회사법인 보리지 추출물을 포함하는 대사질환 개선, 예방 또는 치료용 조성물
JP2021508482A (ja) * 2017-12-29 2021-03-11 チェングアン バイオテック グループ カンパニー リミテッド 鮮度維持機能を有するリコピン着色剤、その製造方法及び使用

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