JP2004242785A - 遊技機 - Google Patents
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Abstract
【課題】遊技と連携した表示により遊技性を向上させること。
【解決手段】可変表示を行なった後表示結果を導出可能な可変表示装置を有し、表示結果が予め定められた特定の表示態様(大当り表示態様)となったことを条件として、遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御される遊技機(パチンコ遊技機)であって、可変表示装置は、遊技盤に設けられる盤表示装置(盤表示装置44a)と、遊技機の前側部分を構成する遊技機前側部材に設けられる前側部表示装置(前側部表示装置44b)とを含み、盤表示装置を制御する盤表示制御手段(盤表示制御基板75a)と、前側部表示装置を制御する前側部表示制御手段(前側部表示制御基板75b)とを含み、盤表示制御手段および前側部表示制御手段は、盤表示装置での表示内容と前側部表示装置での表示内容とが連携して進行する態様で遊技を演出する表示をする制御を行なう。
【選択図】 図3
【解決手段】可変表示を行なった後表示結果を導出可能な可変表示装置を有し、表示結果が予め定められた特定の表示態様(大当り表示態様)となったことを条件として、遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御される遊技機(パチンコ遊技機)であって、可変表示装置は、遊技盤に設けられる盤表示装置(盤表示装置44a)と、遊技機の前側部分を構成する遊技機前側部材に設けられる前側部表示装置(前側部表示装置44b)とを含み、盤表示装置を制御する盤表示制御手段(盤表示制御基板75a)と、前側部表示装置を制御する前側部表示制御手段(前側部表示制御基板75b)とを含み、盤表示制御手段および前側部表示制御手段は、盤表示装置での表示内容と前側部表示装置での表示内容とが連携して進行する態様で遊技を演出する表示をする制御を行なう。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ遊技機等の遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の遊技システムに用いられるパチンコ遊技機等の従来の遊技機として一般的に知られているものは、可変表示を行なった後表示結果を導出可能な可変表示装置を有し、前記表示結果が予め定められた特定の表示態様となったことを条件として、遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御される遊技機、いわゆる第1種パチンコ遊技機(デジパチ)、あるいは、第3種パチンコ遊技機(権利モノ)があった。
【0003】
また、遊技盤に形成された遊技領域に設けられた始動領域へ遊技球が進入したときに遊技者にとって不利な第2の状態から遊技者にとって有利な第1の状態となる始動時動作を行なう可変入賞球装置を有し、該可変入賞球装置内に設けられた特定入賞領域へ遊技球が入賞したときに前記始動時動作よりもさらに遊技者にとって有利な特定の態様で可変入賞球装置を第1の状態とする特定遊技状態に制御される遊技機、いわゆる第2種パチンコ遊技機(羽根モノ)があった。
【0004】
このような従来の遊技機において、パチンコ遊技機において、遊技盤に設けられていた可変表示装置を遊技機前側部材に設けたものがあった(特許文献1)。また、従来のスロットマシンにおいて、可変表示装置の他に、遊技情報の表示を行なう表示装置を設けたものがあった(特許文献2)。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−210202号公報
【0006】
【特許文献2】
特開2002−126172号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この種の遊技機においては、遊技機前側部材に表示装置を設け、表示装置を残して遊技盤のみを交換することで、盤交換による機種変更に伴う費用を抑えることができるが、遊技機前側部材に設けた表示装置を用いた遊技性の向上については考慮されていなかった。また、遊技盤と遊技機前側部材とに設けられた表示装置の表示内容が連携した表示内容でなかった。
【0008】
この発明はかかる実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、遊技と連携した表示により遊技性を向上させることが可能な遊技機を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段の具体例およびその効果】
(1) 可変表示を行なった後表示結果を導出可能な可変表示装置(盤表示装置44a,前側部表示装置44b)を有し、前記表示結果が予め定められた特定の表示態様(大当り表示態様)となったことを条件として、遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御される遊技機(図1のパチンコ遊技機1a,図2のパチンコ遊技機1b)であって、
前記可変表示装置は、遊技盤に設けられる盤表示装置(盤表示装置44a)と、前記遊技機の前側部分を構成する遊技機前側部材(ガラス扉枠4)に設けられる前側部表示装置(前側部表示装置44b)とを含み、
前記盤表示装置を制御する盤表示制御手段(盤表示制御基板75a)と、
前記前側部表示装置を制御する前側部表示制御手段(前側部表示制御基板75b)とを含み、
前記盤表示制御手段および前記前側部表示制御手段は、前記盤表示装置での表示内容と前記前側部表示装置での表示内容とが連携して進行する態様で遊技を演出する表示をする制御を行なう(図4〜図6参照)。
【0010】
このような構成によれば、遊技機には、盤表示装置が遊技盤に設けられ、前側部表示装置が遊技機前側部材に設けられる。そして、盤表示装置での表示内容と前側部表示装置での表示内容とが連携して進行する態様で遊技を演出する表示をするので、盤表示装置および前側部表示装置によって、より複雑な遊技を演出する表示をすることが可能となり、遊技と連携した表示により遊技性を向上させることができる。
【0011】
(2) 前記盤表示制御手段は、前記前側部表示制御手段が前記前側部表示装置に遊技を演出する表示をする制御をするときは、事前に、前記前側部表示装置における遊技を演出する表示の開始時期を報知する表示を前記盤表示装置において行なう制御をする(前側部表示制御用マイクロコンピュータ75bMが表示制御コマンドの受信に応じて前側部表示装置44bの表示制御を実行するときは、遊技制御用マイクロコンピュータ151Mは、事前に、前側部表示装置44bにおける遊技を演出する表示の開始時期を報知する表示をすることを指令する表示制御コマンドを盤表示制御用マイクロコンピュータ75aMに送信して、盤表示制御用マイクロコンピュータ75aMが表示制御コマンドの受信に応じて、前側部表示装置44bにおける遊技を演出する表示の開始時期を報知する表示を盤表示装置44aにおいて行なうようにする)。
【0012】
このような構成によれば、前側部表示装置に遊技を演出する表示をするときは、事前に、前側部表示装置に遊技を演出する表示の開始時期を報知する表示を盤表示装置において行なう。また、遊技者は、通常の遊技中は、遊技盤に注目している。このため、事前に、前側部表示装置に遊技を演出する表示の開始時期を報知する表示を遊技盤に設けられた盤表示装置において行なうので、遊技盤に注目している遊技者の関心を、前側部表示装置で表示する遊技を演出する表示に向けさせることができる。
【0013】
(3) 可変表示を行なった後表示結果を導出可能な可変表示装置(盤表示装置44a,前側部表示装置44b)を有し、前記表示結果が予め定められた特定の表示態様(大当り表示態様)となったことを条件として、遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御される遊技機(図1のパチンコ遊技機1a,図2のパチンコ遊技機1b)であって、
前記可変表示装置は、遊技盤に設けられる盤表示装置(盤表示装置44a)と、前記遊技機の前側部分を構成する遊技機前側部材(ガラス扉枠4)に設けられる前側部表示装置(前側部表示装置44b)とを含み、
前記盤表示装置を制御する盤表示制御手段(盤表示制御基板75a)と、
前記前側部表示装置を制御する前側部表示制御手段(前側部表示制御基板75b)とを含み、
前記盤表示制御手段は、第1の遊技情報(図7(a)に示す盤表示装置44aの表示例)を前記盤表示装置に表示する制御をし(図7(a),図8の盤表示装置の欄)、
前記前側部表示制御手段は、前記第1の遊技情報と異なる第2の遊技情報(図7(b)に示す前側部表示装置44bの表示例)を前記前側部表示装置に表示する制御をする(図7(b),図8の前側部表示装置の欄)。
【0014】
このような構成によれば、遊技機には、盤表示装置が遊技盤に設けられ、前側部表示装置が遊技機前側部材に設けられる。そして、盤表示装置で、第1の遊技情報を表示し、前側部表示装置で、第1の遊技情報と異なる第2の遊技情報を表示するので、1つの表示装置で、第1の遊技情報および第2の遊技情報を表示する場合と比較して、遊技情報を表示するための領域がより広くなる。このため、遊技情報の表現性が高くなり、遊技と連携した表示により遊技性を向上させることができる。
【0015】
(4) 遊技盤(遊技盤2A)に形成された遊技領域(遊技領域2B)に設けられた始動領域(始動口2N,2Q)へ遊技球が進入したときに遊技者にとって不利な第2の状態(可動部材2J,2Jが閉成した状態)から遊技者にとって有利な第1の状態(可動部材2J,2Jが開放した状態)となる始動時動作を行なう可変入賞球装置(特別可変入賞球装置2D)を有し、該可変入賞球装置内に設けられた特定入賞領域(特定入賞領域2M)へ遊技球が入賞したときに前記始動時動作よりもさらに遊技者にとって有利な特定の態様(可動部材2J,2Jが短い時間間隔で連続的に開閉動作を繰返す態様)で可変入賞球装置を第1の状態とする特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御される遊技機(図9のパチンコ遊技機1c)であって、
前記遊技機の前面部分を構成する遊技機前側部材(ガラス扉枠4)に設けられる前側部表示装置(前側部表示装置44)と、
前記特定遊技状態となった後の遊技情報を前記前側部表示装置に表示する制御をする前側部表示制御手段とを含む(図11参照)。
【0016】
このような構成によれば、遊技盤に表示装置を設けないので、遊技盤の設計の自由度が高くなる。しかも、遊技機前側部材には前側部表示装置を設け、その前側部表示装置に特定遊技状態となった後の遊技情報を表示するので、遊技者は、遊技情報を知ることができ、遊技と連携した表示により遊技性を向上させることができる。
【0017】
(5) 前記前側部表示制御手段は、遊技盤(遊技盤40,3A,2A)に設けられる。
【0018】
このような構成によれば、盤交換による機種変更のときに、遊技盤を交換することで、前側部表示制御手段も交換することができるので、機種変更の作業性が向上する。しかも、前側部表示装置は遊技盤に設けられていないので、前側部表示装置を交換しなくても機種変更が可能であり、機種変更に伴う費用を抑えることができる。
【0019】
(6) 前記盤表示制御手段および前記前側部表示制御手段は、1つの基板上に設けられる(第4実施の形態)。
【0020】
このような構成によれば、盤表示制御手段および前側部表示制御手段を1つの基板上に設けるので、それぞれを別の基板に設けた場合と比較して、基板の必要数が減少し、遊技機の設計時の基板のレイアウトにおける制約を減少させることができる。しかも、盤表示制御手段および前側部表示制御手段を別の基板に設ける場合と比較して、盤表示制御手段および前側部表示制御手段の機能を実現するための基板を製作するコストを削減することができる。さらに、機種変更のときに、1つの基板を交換するだけで、盤表示制御手段および前側部表示制御手段の機能を変更することができるので、機種変更の作業性が向上する。
【0021】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施の形態では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機をとり上げて説明するが、本発明はこれに限らず、その他の遊技機(たとえば、遊技媒体の一例であるコイン、メダルを遊技領域に投入させて遊技が行なわれるもの)にも適用可能である。
【0022】
[第1実施の形態]
(第1種のパチンコ遊技機1aの全体の概略構成の説明)
図1は、遊技機の一例となるパチンコ遊技機1aの正面図である。ここでは、図1を参照して、第1種のパチンコ遊技機1aを例に挙げて、パチンコ遊技機の構成について説明する。
【0023】
図1を参照して、パチンコ遊技機1aは、縦長な方形状に枠組形成される外枠2と、該外枠2の内側に開閉自在に軸支されかつパチンコ遊技機1aの主要構成部のほぼすべてが集約して設けられる前面枠3と、該前面枠3の前面上部に開閉自在に軸支されて設けられるガラス扉枠4とから構成されている。また、前面枠3に設けられる主要構成部としては、上記したガラス扉枠4、遊技盤40、上皿19、下皿27、灰皿29、操作ハンドル30、打球発射装置、および、前側部表示装置44bがある。
【0024】
前面枠3およびガラス扉枠4は、パチンコ遊技機1aの正面から見て左側の端部において軸支され、パチンコ遊技機1aの正面から見て左側の端部を開放端として開閉される。ガラス扉枠4には、遊技盤40の遊技領域41をほぼ透視し得る円形透視窓5が開設され、該円形透視窓5の裏面からガラス板が装着されている。
【0025】
また、ガラス扉枠4の上側には、円形透視窓5の外周に沿って、複数の飾りランプ6〜8および複数の飾りLED13,14が設けられている。これら飾りランプ6〜8および飾りLED13,14は、遊技状態に応じて点灯または点滅されるものであり、特別の遊技状態の発生時や継続時を遊技者に報知するとともに、遊技の雰囲気を盛り上げるものである。
【0026】
また、円形透視窓5の外周には、払出すべき賞球(景品玉)が不足したこと(後述する球切れスイッチが作動したこと)を報知する球切れランプ9や、入賞玉の発生に基づく所定個数の賞球が行なわれる場合に、その旨を点灯により報知する賞球ランプ10が設けられている。この賞球ランプ10は、賞球の未払出個数がある場合に、点灯することにより、賞球が行なわれる旨を報知する。なお、ここでは、賞球の未払出し個数がある場合に賞球ランプ10を点灯させる例を示したが、これに代わり、賞球の未払出し個数がある場合に賞球ランプ10を点滅させることにより、賞球が行なわれた旨を報知するようにしてよい。
【0027】
さらに、円形透視窓5の外周には、ガラス扉枠4の上部左右において、遊技の進行に応じて効果音等の音声を発生するスピーカ12a,12bが設けられている。なお、スピーカ12a,12bの前面には、網目状ネット(図示省略)が取付られ、スピーカ12a,12bから発生される音声を通すようになっている。
【0028】
次に、ガラス扉枠4の下側に取付けられる上皿19の構成について説明する。上皿19は、複数の合成樹脂製部材を組合せた皿部材を固着することにより構成されている。上皿19の開放側の上方には、玉抜き操作レバー21が設けられている。この玉抜き操作レバー21は、左右方向に移動可能に設けられ、図示しないスプリングの付勢力に抗して一方向に移動させることにより、上皿19に貯留されていた玉を裏面側に形成される玉抜き路(図示しない)を流下させて下皿27に誘導するものである。
【0029】
上記した上皿19について、さらに詳細に説明すると、上皿19は、その上流側に形成される賞球払出口20から払出された賞球を一旦貯留した後、図示しない発射位置に玉を供給するものである。
【0030】
さらに、上皿19の開放側末端には、ガラス扉枠4を前面枠3に対して施錠しかつ前面枠3を外枠2に対して施錠する施錠装置を操作するためのシリンダ錠26が臨んでいる。
【0031】
また、前面枠3の下部に設けられる下皿27は、上皿19から溢れた賞球であって、余剰球通路を介して接続樋から排出される余剰の賞球を貯留するものである。下皿27の前面壁には、玉抜き操作レバー28がスライド可能に取付けられるようになっている。この玉抜き操作レバー28を操作することにより、下皿27に貯留されていた賞球を下方に玉抜きして持ち運び可能な玉箱に移替えることができる。
【0032】
また、下皿27の左側には、灰皿29が設けられ、右側には操作ハンドル30が設けられている。操作ハンドル30は、図3に示す打球発射装置の発射モータの駆動を開始させる単発発射スイッチおよびタッチセンサを内蔵しているとともに、弾発力を調節するものである。
【0033】
前側部表示装置44bは、画像を可変表示する液晶タイプの可変表示器からなり、ガラス扉枠4の円形透視窓5の下方に配置される。前側部表示装置44bにおける表示内容と、後述する盤表示装置44aにおける表示内容とは、連携して進行する態様で遊技を演出する表示をするように制御される。
【0034】
以上で、パチンコ遊技機1aの全体の概略構成を説明したが、以下、パチンコ遊技機1aを構成する要素のうち、遊技盤40の詳細な構成について順次説明する。
【0035】
(遊技盤40の説明)
まず、遊技盤40の正面構造について図1を参照して説明する。遊技盤40は、ほぼ正方形状の合板により形成されている。遊技盤40の表面には、円形渦巻状に誘導レール42が取付けられている。該誘導レール42の内側は、遊技領域41とされて発射された遊技球が落下するものである。遊技領域41には、図示の場合、盤表示装置(特別図柄表示器)44a、特別可変入賞球装置(通称、アタッカ)48、普通可変入賞球装置(普通電動役物)58、普通図柄表示器63等が設けられるとともに、一般入賞口、遊技球を通過させる通過ゲート、遊技球の流下方向や速度を変化せしめる風車または多数の障害釘が設けられている。また、遊技領域41の最下方には、いずれの入賞領域にも入賞しなかった遊技球が取込まれるアウト口69が設けられている。
【0036】
遊技領域41の構成をその遊技動作に従って詳細に説明する。遊技領域41の中央よりもやや下方の左側には、遊技領域41を落下する遊技球が通過可能に設けられた通過口(通過ゲート)620と、その通過口620を通過した遊技球(通過玉)を検出するゲートスイッチ(通過検出器)62とが設けられている。
【0037】
遊技領域41のほぼ中央に配置される盤表示装置44aの上方には、普通図柄可変表示装置としての普通図柄表示器63が設けられている。なお、本実施形態においては、当りLEDとはずれLEDとの2つのLEDを普通図柄表示器63としているが、一般的には7セグメントLEDなど、数字を表示可能なものを使用する。
【0038】
普通図柄表示器63は、ゲートスイッチ62の検出信号に基づいて所定期間可変表示した(交互点滅させる)後、表示結果を導出表示する(どちらか一方を点灯させる)。普通図柄表示器63の可変表示中にゲートスイッチ62を通過した遊技球数は、盤表示装置44aに最高4個まで記憶表示される。普通図柄表示器63の表示結果が予め定められた当り図柄(当りLED点灯、また7セグメント表示器を使えば0〜9までの数字の可変表示において、7が停止表示された場合など)である場合には、普通可変入賞球装置58が所定時間開放される。
【0039】
なお、普通図柄表示器63の可変表示時間は、大当り確率が通常である通常確率モードのときは、たとえば、30秒であり、大当り確率が通常確率モードのときよりも向上されている確率変動モード(以下、確率変動状態、あるいは高確率状態、確変ともいう)のときには、たとえば、3〜5秒である。つまり、確率変動モードでは、普通図柄の可変表示時間が短縮される。このように、普通図柄の可変表示時間が短縮された状態を、特に時間短縮状態という。なお、この実施の形態では確率変動状態と時間短縮状態とが同時期に進行するが、各々の状態が独立した条件により発生または終了するように構成してもよい。
【0040】
始動口を構成する普通可変入賞球装置58は、遊技領域41のほぼ中央に配置される盤表示装置44aと遊技領域41のアウト口69の上部に配置される特別可変入賞球装置48との間に配置され、ソレノイド59によって開閉駆動される電動チューリップタイプの可変入賞球装置である。そして、普通可変入賞球装置58には、始動入賞検出器としての始動入賞玉検出器(始動口スイッチ)60が内蔵され、開放中または閉成中に受入れた入賞玉を検出するようになっている。
【0041】
遊技球が始動入賞玉検出器60によって検出されると、盤表示装置44aが図柄(第1種パチンコ遊技機1aにおいては、特別図柄)と呼ばれる複数種類の識別情報の可変表示を開始する。識別情報とは、各々が識別可能な複数種類の識別情報である。普通可変入賞球装置58の開放時間は、通常確率モードのときは、たとえば、0.5秒であり、確率変動モード(確率変動状態)のときには、たとえば、2秒である。つまり、確率変動モードでは、普通可変入賞球装置58の開放時間が延長される。このように、普通可変入賞球装置58の開放時間が延長された状態を、特に時間延長状態という。なお、この実施の形態では確率変動状態と時間延長状態とが同時期に進行するが、各々の状態が独立した条件により発生または終了するように構成してもよい。なお、この実施の形態では、たとえば、普通可変入賞球装置58が開放していない場合でも遊技球を受入れるようになっている。
【0042】
盤表示装置44aは、複数の図柄を可変表示する液晶タイプの可変表示器からなり、遊技領域41のほぼ中央に配置される。なお、盤表示装置44aは、液晶タイプの可変表示器に限らず、CRT(Cathode Ray Tube)、FED(Field Emission Display)、PDP(Plasma Display Panel)、ドットマトリクス、7セグメントLED(Light Emitting Diode)等のLED、エレクトロルミネッセンス、蛍光表示管等のその他の画像表示式の表示装置により構成されてもよい。
【0043】
盤表示装置44aでは、表示画面上で複数の表示領域(たとえば、左,中,右というように左右方向に並ぶ3つの表示領域)が形成され、全表示領域で一斉に特別図柄の変動が開始されることにより可変表示が開始され、その後、各表示領域が所定の順序で特別図柄を停止表示させることにより可変表示が終了する。
【0044】
そして、盤表示装置44aでの可変表示の停止時における図柄の組合せが予め定められた当り図柄の組合せ(たとえば同一の図柄が777というように揃った場合)である場合には、大当りとなり、遊技状態が大当り遊技状態(特定遊技状態)に変化する。これにより、特別可変入賞球装置48が次に説明するような所定の態様で開閉駆動される。ところで、当り図柄の組合せの一部は確率変動図柄として設定されている。この確率変動図柄で大当り遊技状態となったときには、その大当り遊技状態終了後における普通図柄表示器63における当り図柄の出現確率や盤表示装置44aにおける当り図柄の出現確率が高くなるなどする、前述した確率変動モードとなるように制御される。
【0045】
また、盤表示装置44aの可変動作中に始動入賞玉検出器60によって検出された玉数は、盤表示装置44aに最高4個まで記憶表示される。
【0046】
大当り遊技状態となったときに駆動制御される特別可変入賞球装置48は、開放された場合に遊技球の入賞が可能になる大入賞口が設けられており、大入賞口扉用のソレノイド50によって開閉駆動される開閉板としての大入賞口扉49が大入賞口を開閉可能な態様で設けられている。
【0047】
特別可変入賞球装置48の内部は、特定入賞領域と通常入賞領域とに区分されており、特定玉検出器としての特定領域スイッチ51および入賞個数検出器としてのカウントスイッチ52が設けられている。
【0048】
大入賞口扉49の開放時に大入賞口から特別可変入賞球装置48内に入った玉は、最終的にすべてカウントスイッチ52に向けて誘導され、カウントスイッチ52により検出される。また、特別可変入賞球装置48内に入った玉のうち、特定入賞領域に進入した玉は、特定領域スイッチ51により検出され、その後、カウントスイッチ52に向けて誘導され、カウントスイッチ52により検出される。したがって、特別可変入賞球装置48内に入った玉は、結果的にすべてカウントスイッチ52により検出される。
【0049】
大当り遊技状態となった場合には、一定時間(たとえば28秒)が経過するまで、または、その一定時間内に所定個数(たとえば、10個)の入賞玉が入賞するまで大入賞口扉49を開放(以下、この開放を開放サイクルという)し、その開放サイクル中に受入れられた遊技球が特定領域スイッチ51によって検出されたときに継続権が成立して、再度上記した開放サイクルが実行され、各開放サイクルにおいて継続権が成立していることを条件に最高16回の開放サイクルを繰返すことができるようになっている。特に、大当りの発生に伴って最初に大入賞口扉49が開放した状態は1ラウンドとも呼ばれ、継続権の成立に伴って大入賞口扉49が開放した状態は、順に2〜16ラウンドとも呼ばれる。
【0050】
特別可変入賞球装置48の内部においては、シーソー式の玉振分部材としての大入賞口内誘導板が設けられている(図示省略)。この大入賞口内誘導板は、特定領域スイッチ51の方向へ向けて傾斜した状態と、特定領域スイッチ51とは逆の方向へ向けて傾斜した状態とのいずれかの状態に切換え可能となるようにソレノイド(後述する大入賞口内誘導板用のソレノイド53)により駆動制御される。その場合、大入賞口扉49が1回開放されたとき(1サイクル中)には、特定領域スイッチ51が玉を1個検出するまでは、振分部材が特定領域スイッチ51の方向へ向けて傾斜した状態にされることにより、玉が特定領域スイッチ51により検出されやすい状態にされ、特定領域スイッチ51が玉を1個検出した後は、振分部材が特定領域スイッチ51とは逆方向へ向けて傾斜した状態にされることにより、玉が特定領域スイッチ51により検出がされにくい状態にされる。
【0051】
なお、この実施の形態では、特定領域スイッチ51への入口に大入賞口内誘導板を設けた例を示したが、これに限らず、大入賞口内誘導板の代わりに、次のようなシャッタを設けてもよい。このシャッタは、ソレノイドにより駆動され、開放サイクルの1サイクル毎に、特定領域スイッチ51が玉を1個検出するまでは開放状態にされている。そして、特定領域スイッチ51が玉を1個検出すると閉塞状態に制御される。このような制御が行なわれることにより、大入賞口扉49が1回開放された場合(1サイクル中)には、特定領域スイッチ51が玉を1個検出するまでは、特定領域スイッチ51による玉の検出が可能な状態にされ、特定領域スイッチ51が玉を1個検出した後は、特定領域スイッチ51による玉の検出が不可能な状態にされる。
【0052】
また、遊技領域41には、上記した構成以外に、入賞玉検出器としての右袖入賞口スイッチ65Raを内蔵する入賞口65R、風車66等が設けられている。
【0053】
(第3種のパチンコ遊技機の概略説明)
最初に、第3種のパチンコ遊技機の概略を説明する。
【0054】
第3種のパチンコ遊技機には、遊技球が普通始動領域を通過することにより遊技者にとって不利な第2の状態から遊技者にとって遊技な第1の状態に制御される普通可変入賞球装置と、前記普通可変入賞球装置に入賞した遊技球が所定の判定用領域を通過したときに該入賞球を検出する検出手段と、検出手段で遊技球が検出されたときに表示結果を導出するための可変表示を行なう判定用可変表示装置と、判定用可変表示装置により導出表示された表示結果が予め定められた特定の表示態様となったときに遊技球を特別装置作動領域に誘導する誘導装置と、遊技者にとって有利な第1の状態と遊技者にとって不利な第2の状態とに変化可能な大入賞口とが設けられる。この第3種のパチンコ遊技では、特別装置作動領域で遊技球が検出されたときに遊技者に有利な権利発生状態に制御され、権利発生状態中に再度前記特別装置作動領域で遊技球が検出されたときに権利発生状態が消滅し、権利発生状態中に権利行使用入賞領域に遊技球が入賞することにより大入賞口が第1の状態となる。
【0055】
また、この第3種のパチンコ遊技機の場合、普通電動役物に入賞した遊技球が特別装置作動領域に入賞した場合に大入賞口を開放させるための権利が発生するため、このような権利が発生した状態を特に“権利発生状態”という。この権利発生状態は、遊技球が再び普通電動役物内の特別作動領域に入賞した場合または第3種始動口への16回の入賞があった場合に消滅する。第3種のパチンコ遊技機の場合には、このような権利発生状態を大当り状態ともいう。なお、ここでは、判定図柄を可変表示させる表示装置が設けられた第3種のパチンコ遊技機を例に挙げて説明したが、普通図柄を用いたものや、表示装置が設けられていない機種も存在する。
【0056】
図2は、第3種のパチンコ遊技機の一例となるパチンコ遊技機1bの正面図である。図2を参照して、パチンコ遊技機1bの遊技盤3A以外の構成については、図1で説明した第1種のパチンコ遊技機1aの構成と同様であるので説明は繰返さない。
【0057】
パチンコ遊技機1bの遊技盤3Aの前面に形成されている遊技領域3Bには、特別装置3Eが設けられる。特別装置3Eは、普通電動役物3D、後述する役物抽選装置3N、および、判定図柄表示装置である盤表示装置44aから構成される。普通電動役物作動口3Cに遊技球が入賞すると、普通電動役物3Dの可動片3F,3Fが開成して遊技者にとって有利な第1の状態となる。
【0058】
普通電動役物3Dに遊技球が入賞すると、遊技球が振分部材に進入する。本実施の形態においては、振分部材は、5つの穴を有し、回転可能な5穴ローターである。5穴のうちの1つの穴は、判定図柄作動口3Nである。遊技球が判定図柄作動口に入賞すると、盤表示装置44aにおける判定図柄の可変表示が開始され、遊技球は、遊技盤の裏側の誘導路を介して玉貯留部3Hに導かれ、判定図柄の可変表示が停止されるまで、球貯留部3Hに貯留される。一方、遊技球が5穴ローターの判定図柄作動口以外の穴に入賞すると、アウト口69の内部に導かれる。
【0059】
盤表示装置44aにおける判定図柄の停止図柄が当り図柄(たとえば333,777のゾロ目の図柄の組合せ)となった場合は、球貯留部3Hが右回転し、貯留されていた遊技球が権利入賞口に入賞し、権利発生状態となる。一方、盤表示装置44aにおける判定図柄の停止図柄が前記当り図柄以外の図柄の組合せであるはずれ図柄となった場合は、球貯留部3Hが左回転し、貯留されていた遊技球がはずれ口に進入し、権利発生状態とならない。本発明の実施の形態において、権利発生状態を大当り遊技状態という。
【0060】
遊技状態が権利発生状態となっている期間中に遊技球が回転体装置3Wの第3種始動口3Jに入賞すれば、その遊技球が回転体3Iの外周に保持される。回転体3Iの外周に保持された遊技球は回転体3Iの回転により下方に案内されて始動入賞玉検出器(始動口スイッチ)3Lにより検出される。遊技球が始動入賞玉検出器3Lにより検出されれば、特別可変入賞球装置3Pに設けられた開閉板3Sが開放することで大入賞口3Tが開放され、遊技者に有利な第1の状態となる。この第1の状態は、所定期間(たとえば9.5秒間)の経過または遊技球の所定個数(たとえば10個)の入賞のうち、いずれか早いほうの条件が成立することにより終了して開閉板3Sが閉成し遊技者に不利な第2の状態となる。
【0061】
一方、権利発生中において、遊技球が所定数(たとえば、合計16個)始動入賞玉検出器3Lにより検出された場合、発生している権利が消滅する。この権利が消滅した後、あるいは権利が発生していない状態では、いくら遊技球が回転体装置3Wに進入しても特別可変入賞球装置3Pの大入賞口3Tは開放しない。
【0062】
また、その他の一般入賞口として、一般入賞口3Rが設けられている。一般入賞口3Rに遊技球が入賞すれば、所定の景品玉が遊技者に払出される。
【0063】
次に、入賞口等の概念について、先に明らかにしておく。
始動口・・・始動口は、第1種の場合、遊技球の入賞により図柄を変動させる条件を成立させるように定められた始動口である。第3種の場合には、“権利発生状態”であることを前提条件として、遊技球の入賞により大入賞口を開放させるように定められた始動口である。なお、ここでの始動口とは、入賞に伴って景品玉を払出すように定められているか否かは問われない。
【0064】
一般入賞口・・・一般入賞口は、遊技球の入賞に基づいて可変入賞球装置や可変表示装置などの遊技装置の作動を許容することなく景品玉や得点などの遊技価値が遊技者に付与されるように定められた入賞領域であって、前述した大入賞口を除く入賞領域である。したがって、遊技球が入賞しても単に景品玉が払出されるのみである電動チューリップも一般入賞口に該当する。
【0065】
普通電動役物・・・普通電動役物は、たとえば、電動チューリップのように、開いた状態(遊技球が入賞容易または入賞可能な第1の状態)と閉じた状態(遊技球が入賞困難または入賞不可能な第2の状態)とに変化可能である。したがって、前述した始動口が普通電動役物で構成される場合もあり得る。なお、普通電動役物の概念からは、第1種,第3種ともに大入賞口を構成する役物が除外される。
【0066】
特別電動役物・・・特別電動役物は、一言でいえば、大当りの時に駆動される電動役物である。したがって、第1種,第3種ともに大入賞口を構成する特別可変入賞球装置が該当する。
【0067】
普通電動役物作動口・・・普通電動役物作動口は、遊技球の入賞により、普通電動役物を開放させるように定められた入賞口であり、入賞に伴って景品玉を払出すように定められているか否かは問われない。
【0068】
普通図柄作動口・・・普通図柄作動口は、遊技球の入賞により普通図柄を可変表示開始させるように定められた入賞口であり、入賞に伴って景品玉を払出すように定められているか否かは問われない。
【0069】
通過ゲート・・・通過ゲートとは、遊技盤面に設けられ、遊技球が通過可能であって、遊技球の通過が検出スイッチにより検出されるように構成されている構造物をいう。たとえば、遊技球の通過により普通図柄が可変開始されるように定められたゲートや、遊技球の通過により電動チューリップが開放されるように定められたゲートなどが該当する。
【0070】
大入賞口・・・大入賞口は、大当りとなった場合に開放される入賞口である。
特定入賞領域・・・第1種,第3種ともに特別可変入賞球装置内の特定入賞領域のことである。
【0071】
特別装置作動領域・・・特別装置作動領域は、第3種のパチンコ遊技機に設けられ、遊技球が入賞することにより“権利発生状態”となるように定められた領域である。
【0072】
確率変動状態・・・第1種のパチンコ遊技機の場合には、たとえば、特別図柄あるいは普通図柄の表示結果が大当りとなる確率が高く向上された状態をいう。第3種のパチンコ遊技機の場合には、特に普通図柄表示装置を有するパチンコ遊技機において、普通図柄の表示結果が当りとなる確率が高く向上された状態をいう。
【0073】
時間短縮状態・・・特別図柄用あるいは普通図柄用の可変表示装置で特別図柄あるいは普通図柄が可変開始されてから表示結果が導出表示されるまでの可変表示時間が短縮された遊技状態をいう。可変表示時間が通常時よりも短縮されることで、始動記憶の消化が促進され、単位時間当りに特別図柄あるいは普通図柄の表示結果が導出表示される回数が増加するという作用がある。このため、始動入賞が無効になることが防止され、また、大当りが発生し易くなるという効果が奏される。時間短縮状態は、第1種のパチンコ遊技機に特有の遊技状態である。
【0074】
時間延長状態・・・特別図柄を始動させるための始動口が普通電動役物で構成されている場合(以下、始動用電動役物という)において、その始動用普通電動役物が開放する時間が通常よりも長く延長されるようになる遊技状態をいう。たとえば、普通図柄の表示結果が当りとなった場合に始動用電動役物が一定時間だけ開放するように構成された遊技機において、確率変動状態あるいは時間短縮状態となったことを条件として、時間延長状態となり、以降、普通図柄の表示結果が当りとなった場合に始動用電動役物が通常よりも長い時間開放するような例を挙げることができる。始動用電動役物の開放時間が通常よりも延長されることで、始動入賞が促進され、特別図柄の表示結果が導出表示される回数が増加するという作用がある。このため、大当りが発生し易くなるという効果が奏される。時間延長状態は、第1種のパチンコ遊技機に特有の遊技状態である。
【0075】
図3は、第1実施の形態のパチンコ遊技機1a,1bにおける各種制御基板を含む制御回路の構成の一例を示すブロック図である。図3には、制御基板として、遊技制御基板151、演出制御基板80、盤表示制御基板75a、および、前側部表示制御基板75bが示されている。なお、図3には示していないが、制御基板には、払出制御基板等が含まれる。
【0076】
遊技制御基板151には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1a,1bを制御する(遊技の進行を制御する)遊技制御用マイクロコンピュータ151Mが設けられる。また、図示しないが、遊技制御基板151には、図1および図2で説明した各スイッチからの信号を遊技制御用マイクロコンピュータ151Mに与えるスイッチ回路、特別可変入賞球装置48,3Pを開閉するソレノイドおよび大入賞口を開閉するソレノイドを遊技制御用マイクロコンピュータ151Mからの指令に従って駆動するソレノイド回路等が設けられる。
【0077】
また、遊技制御基板151は、遊技制御用マイクロコンピュータ151Mから与えられるデータに従って、大当りの発生を示す大当り情報、盤表示装置44aおよび前側部表示装置44bの可変表示開始(始動)に利用された始動入賞球の個数を示す有効始動情報、および、確率変動が生じたことを示す確変情報をホール管理コンピュータ等のホストコンピュータに対して出力する情報出力回路を含んでいる。
【0078】
遊技制御用マイクロコンピュータ151Mは、遊技制御用のプログラム等を記憶する記憶手段の一例であるROM151b、ワークメモリとして使用される記憶手段の一例であるRAM151c、制御用プログラムに従って制御動作を行なうCPU151aおよびI/Oポート部を含む遊技制御用のマイクロコンピュータである。また、I/Oポート部は、マイクロコンピュータにおける情報入出力可能な端子である。遊技制御用マイクロコンピュータ151Mは、接続された各種スイッチ(検出器)からの信号を受け、接続された制御対象の機器を駆動する制御を行なう。遊技制御用マイクロコンピュータ151Mは、定期的(たとえば2msec毎)にリセットされてROM151bに記憶されている遊技制御プログラムを先頭から繰返し実行し、各種の遊技制御を行なう。
【0079】
さらに、遊技制御基板151には、遊技制御用マイクロコンピュータ151Mから与えられるアドレス信号をデコードしてI/Oポート部のうちいずれかのI/Oポート部を選択するための信号を出力するアドレスデコード回路が設けられている。
【0080】
また、この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ80Mが、飾りランプ6〜8、球切れランプ9、賞球ランプ10、飾りLED13,14等のランプ・LEDの発光制御を行なう。この演出制御用マイクロコンピュータ80Mの構成は、前述した遊技制御用マイクロコンピュータ151Mと同様である。
【0081】
遊技制御基板151から演出制御基板80には、演出制御基板80により制御が行なわれる機器の制御のための指令情報である制御コマンド等の情報が伝送される。
【0082】
演出制御基板80では、演出制御用マイクロコンピュータ80Mが、制御コマンドに応じて制御対象機器を駆動する制御を行なう。
【0083】
また、普通図柄表示器63の表示制御は、演出制御用マイクロコンピュータ80Mによって行なわれる。遊技制御基板151から演出制御基板80には、普通図柄表示器63の表示制御に関する指令情報としての普通図柄表示制御コマンド等の情報が伝送される。演出制御基板80では、演出制御用マイクロコンピュータ80Mが、普通図柄表示制御コマンドに応じて普通図柄表示器63の表示制御を行なう。
【0084】
また、図柄などの画像を可変表示する盤表示装置44aの表示制御は、遊技制御基板151とは別に設けられた盤表示制御基板75aに搭載されている表示制御手段である盤表示制御用マイクロコンピュータ75aMによって行なわれる。この盤表示制御用マイクロコンピュータ75aMの構成は、前述した遊技制御用マイクロコンピュータ151Mと同様である。
【0085】
また、図柄などの画像を可変表示する前側部表示装置44bの表示制御は、遊技制御基板151とは別に設けられた前側部表示制御基板75bに搭載されている表示制御手段である前側部表示制御用マイクロコンピュータ75bMによって行なわれる。この前側部表示制御用マイクロコンピュータ75bMの構成は、前述した遊技制御用マイクロコンピュータ151Mと同様である。
【0086】
演出制御基板80から盤表示制御基板75aおよび前側部表示制御基板75bには、盤表示装置44aおよび前側部表示装置44bの表示制御に関する指令情報としての表示制御コマンド等の情報が伝送される。盤表示制御基板75aでは、盤表示制御用マイクロコンピュータ75aMが、伝送されてきた表示制御コマンドに応じて盤表示装置44aの表示制御を行なう。前側部表示制御基板75bでは、前側部表示制御用マイクロコンピュータ75bMが、伝送されてきた表示制御コマンドに応じて前側部表示装置44bの表示制御を行なう。また、前側部表示制御基板75bは、遊技盤40,3Aに設けられる。
【0087】
また、遊技制御基板151から演出制御基板80には、演出制御基板80によりスピーカ12a,12bから出力される効果音等の音声の制御に関する指令情報としての音制御コマンド等の情報が伝送される。演出制御用マイクロコンピュータ80Mが、音制御コマンドに応じてスピーカ12a,12bから出力される音声の制御を行なう。
【0088】
また、遊技制御基板151から払出制御基板には、賞球の払出制御に関する指令情報としての払出制御コマンド等の情報が伝送される。この払出制御コマンドは、入賞球の発生に応じた賞球の払出数等を指令するコマンドである。払出制御基板では、払出制御用マイクロコンピュータが搭載されており、この払出制御用マイクロコンピュータが、払出制御コマンドに応じて賞球の払出制御を行なう。この払出制御用マイクロコンピュータの構成は、前述した遊技制御用マイクロコンピュータ151Mと同様である。
【0089】
この実施の形態では、遊技制御基板151および払出制御基板に設けられたRAMが、バックアップ電源でバックアップされている。すなわち、パチンコ遊技機1a,1bに対する電力供給が停止しても、所定期間はRAMの内容が保存される。そして、各制御基板におけるCPUは、電源電圧の低下を検出すると、所定の処理(たとえば、RAMの内容の保存処理)を行なった後に電源復旧待ちの状態になる。また、電源投入時に、各制御基板におけるCPUは、RAMにデータが保存されている場合には、保存データに基づいて電源断前の状態を復元する。
【0090】
遊技制御基板151(遊技制御用マイクロコンピュータ151M)から各制御基板へ送信される情報、および、演出制御基板80から盤表示制御基板75a,前側部表示制御基板75bへ送信される情報には、制御の指令内容を示す制御コマンドと、該コマンドの取込みタイミングを示すINT信号とが含まれる。ここで、コマンドは、1コマンドが2バイトのデータで構成されており、制御モードの種類を指令する1バイトのMODEデータと、MODEデータで指令された制御モードにおける具体的な制御内容を指令する1バイトのEXTデータとにより構成される。遊技制御用マイクロコンピュータ151M、および、演出制御基板80は、このような2バイトのデータを、指令先の各制御基板へ順次送信することにより、制御内容を指令する。
【0091】
次に、この実施の形態に示されたパチンコ遊技機1a,1bにおける大当りとするかはずれとするかの決定(大当り判定ともいう)、リーチ状態とするか否かの決定(リーチ判定ともいう)、識別情報(図柄、キャラクタ)の可変表示における変動パターンの決定、および、図柄の予定停止図柄の決定等の制御内容の決定について、決定のための処理手順を簡単に説明する。リーチ状態とは、複数の表示領域における一部の表示領域において表示結果がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示領域の表示結果が特定表示結果の組合せとなる条件を満たしている表示状態である。また、リーチとして定義されるもののうちには、複数の表示領域のすべてで特定表示結果の組合せを保持した状態で可変表示を行なっている、いわゆる全回転リーチも含まれる。また、リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチに比べて大当りが発生しやすいものがある。このような特定のリーチをスーパーリーチという。このようなリーチ状態は、図1のパチンコ遊技機1aにおける特別図柄の可変表示において生じる場合があり、また、図2のパチンコ遊技機1bにおける普通図柄の可変表示において生じる場合がある。
【0092】
大当りとするかはずれとするかの決定は、大当り決定用のランダムカウンタのカウント値を用いて行なわれる。このランダムカウンタは、大当りを発生させるか否かをランダムに決定するためのものであり、たとえば、0からカウントアップして所定の上限値までカウントアップした後再度0からカウントアップし直す数値データ更新手段である。このカウント動作は、所定周期(2msecごと)で1ずつ加算されることとなる。
【0093】
始動入賞玉検出器(始動口スイッチ)60,3Lにより始動入賞が検出されると、それに応じてこのランダムカウンタのカウント値が抽出され、その後、その抽出値が、予め定められた大当り判定値と一致するか否かの判断がなされる。抽出されたランダムカウンタの値と大当り判定値とが一致した場合は、大当りを発生させることが決定され、大当り状態の制御が行なわれる。確率変動状態以外の通常の確率状態においては、大当り判定値がたとえば1つの数値に設定される。確率変動状態においては、大当り判定値が複数の数値に設定されることにより、確率変動状態の場合には大当りの発生確率が向上するのである。
【0094】
次に、可変表示がはずれとなる場合においてリーチ状態とするか否かの決定(リーチ判定ともいう)は、リーチ決定用のランダムカウンタのカウント値を用いて行なわれる。このランダムカウンタは、大当り判定においてはずれとする決定がされた場合にリーチ状態を発生させるか否かをランダムに決定するためのものであって、大当り決定用のランダムカウンタと同様に機能する数値データ更新手段であり、図柄の変動開始時等の所定のタイミングで抽出されたカウンタの値が予め定められたリーチ決定値と一致する場合に、リーチ状態とすることが決定される。一方、大当り判定において大当りとする決定がされた場合には、リーチ決定用のランダムカウンタを用いた決定は行なわれず、すべての場合にリーチ状態となる。
【0095】
また、図柄の可変表示においてリーチ状態となる決定がされた場合(大当りとする決定が行なわれた場合と、はずれとする決定が行なわれた場合との両方を含む)には、リーチ状態の変動パターンが複数種類の変動パターンのうちから選択的に決定(ランダムに決定)される。このような変動パターンの決定は、変動パターン決定用のランダムカウンタのカウント値を用いて行なわれる。このランダムカウンタは、リーチ状態の変動パターンをランダムに決定するためのものであって、大当り決定用のランダムカウンタと同様に機能する数値データ更新手段であり、図柄の変動開始時等の所定のタイミングで抽出されたカウンタの値が、複数種類予め定められた変動パターン決定値のうちの一致するものに対応する変動パターンとすることが決定される。
【0096】
また、図柄の可変表示における停止図柄の決定は、左,中,右の各図柄に対応する3つの停止図柄決定用のランダムカウンタのそれぞれのカウント値を用いて行なわれる。この各ランダムカウンタは、対応する図柄の停止図柄をランダムに決定するためのものであって、大当り決定用のランダムカウンタと同様に機能する数値データ更新手段である。
【0097】
複数種類の停止図柄のそれぞれには図柄決定用の数値データが対応付けられており、はずれとする決定がされた場合には、図柄の変動開始時等の所定のタイミングで各ランダムカウンタから抽出されたカウンタの値と一致する数値データに対応する図柄が左,中,右の各停止図柄として決定される。
【0098】
一方、大当りとする決定がされた場合には、図柄の変動開始時等の所定のタイミングで左図柄決定用のランダムカウンタから抽出されたカウンタの値と一致する数値データに対応する図柄が左,中,右の各停止図柄として決定される。また、はずれとなる場合においてリーチ状態とすることが決定された場合には、左,右の各停止図柄が一致するように決定される。
【0099】
このパチンコ遊技機においては、遊技制御用マイクロコンピュータ151Mにより、このような各種ランダムカウンタを用いて制御内容が決定され、その決定に従って、遊技制御が実行される。
【0100】
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ151MのCPU151aにより実行される制御を説明する。遊技制御用マイクロコンピュータ151Mでは、遊技の進行を制御するための処理である遊技制御のメイン処理およびタイマ割込み処理が実行され、これらの処理により、各種制御用のサブルーチンプログラムが呼び出されて実行されることにより、各種の遊技制御が行なわれる。
【0101】
遊技制御用マイクロコンピュータ151Mでは、盤表示装置44aおよび前側部表示装置44bにおける可変表示の制御に関し、その可変表示制御を指令するために表示制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ80Mへ送信する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ80Mは、遊技制御用マイクロコンピュータ151Mから受信した表示制御コマンドに基づき、盤表示装置44aおよび前側部表示装置44bにおける可変表示を連携して制御するための表示制御コマンドを盤表示制御用マイクロコンピュータ75aMおよび前側部表示制御用マイクロコンピュータ75bMへ送信する。
【0102】
つまり、演出制御用マイクロコンピュータ80Mでは、遊技制御用マイクロコンピュータ151Mから表示制御コマンドを受信するステップと、受信された表示制御コマンドに基づき、盤表示装置44aおよび前側部表示装置44bにおける可変表示を連携して制御するための表示制御コマンドを生成するステップと、生成された盤表示装置44aを制御するための表示制御コマンドを盤表示制御用マイクロコンピュータ75aMに送信するステップと、生成された前側部表示装置44bを制御するための表示制御コマンドを前側部表示制御用マイクロコンピュータ75bMに送信するステップとを含むプログラムが実行される。
【0103】
コマンドの送信は、基本的に、次のように行なわれる。まず、遊技制御用マイクロコンピュータ151Mは、大当りとするか否かおよび図柄の変動パターン(可変表示時間を含む)を指定する変動パターンコマンドを送信する。変動パターンコマンドとしては、リーチ表示態様とならない変動パターンを指定するコマンド、ノーマルリーチのリーチ表示態様となる変動パターンを指定するコマンド、スーパーリーチのリーチ表示態様となる変動パターンを指定するコマンド等の各種コマンドが含まれる。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ151Mは、変動パターンコマンドの送信に引続き、左,中,右図柄の予定停止図柄を指定する停止図柄コマンドを送信する。
【0104】
その後、図柄の可変表示が開始されてから変動パターンコマンドにより指定した可変表示時間が経過した時に、遊技制御用マイクロコンピュータ151Mは、図柄の可変表示の停止を指示するための変動停止コマンドを送信する。
【0105】
そして、可変表示の結果として大当りとなった場合、遊技制御用マイクロコンピュータ151Mでは、大当り制御時の表示制御内容を指定するコマンド等の各種コマンドを送信する制御が行なわれる。
【0106】
次に、演出制御用マイクロコンピュータ80Mでは、大当り制御時の表示制御内容を指定するコマンド等の各種コマンドを受信した場合に、その各種コマンドに基づき、盤表示装置44aおよび前側部表示装置44bにおける可変表示を連携して制御するための大当り制御時の表示制御内容を指定するコマンド等の各種表示制御コマンドを送信する制御が行なわれる。
【0107】
盤表示制御用マイクロコンピュータ75aMおよび前側部表示制御用マイクロコンピュータ75bMでは、それぞれ、前述したような各種表示制御コマンドを受信した場合に、そのコマンドにより指定される表示制御を実行する制御を行なう。
【0108】
また、遊技制御用マイクロコンピュータ151Mが演出制御用マイクロコンピュータ80Mを介して表示制御コマンドを前側部表示制御用マイクロコンピュータ75bMに送信するとき、つまり、前側部表示制御用マイクロコンピュータ75bMが表示制御コマンドの受信に応じて前側部表示装置44bの表示制御を実行するときは、遊技制御用マイクロコンピュータ151Mは、事前に、前側部表示装置44bにおける遊技を演出する表示の開始時期を報知する表示をすることを指令する表示制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ80Mを介して盤表示制御用マイクロコンピュータ75aMに送信して、盤表示制御用マイクロコンピュータ75aMが表示制御コマンドの受信に応じて、前側部表示装置44bにおける遊技を演出する表示の開始時期を報知する表示を盤表示装置44aにおいて行なうようにする。
【0109】
次に、パチンコ遊技機1a,1bのそれぞれにおける盤表示制御用マイクロコンピュータ75aMおよび前側部表示制御用マイクロコンピュータ75bMのCPUにより実行される制御を説明する。盤表示制御用マイクロコンピュータ75aMおよび前側部表示制御用マイクロコンピュータ75bMでは、それぞれ個別に可変表示の進行を制御するための処理である表示制御のメイン処理およびタイマ割込み処理が実行され、これらの処理により、各種制御用のサブルーチンプログラムが呼び出されて実行されることにより、各種の表示制御が行なわれる。
【0110】
次に、パチンコ遊技機1a,1bのそれぞれにおける盤表示制御用マイクロコンピュータ75aM、前側部表示制御用マイクロコンピュータ75bMのぞれぞれの表示制御により連携して行なわれる可変表示の一例を説明する。図4は、第1実施の形態における可変表示における表示画面の一例を示す第1の図である。図5は、第1実施の形態における可変表示における表示画面の一例を示す第2の図である。図4(a),図4(c),図4(e),図4(g),図5(a),図5(c),図5(e)は、盤表示装置44aで時間経過にしたがって順次表示される表示画面を示す。図4(b),図4(d),図4(f),図4(h),図5(b),図5(d),図5(f)は、前側部表示装置44bで時間経過にしたがって順次表示される表示画面を示す。
【0111】
盤表示装置44aにおいては、左図柄45L、中図柄45C、右図柄45Rという複数(3つ)の図柄(パチンコ遊技機1aの場合は特別図柄、パチンコ遊技機1bの場合は普通図柄)が可変表示される。前側部表示装置44bにおいては、左図柄46L、中図柄46C、右図柄46Rという複数(3つ)の図柄が可変表示される。図柄とは、数字、数字以外の文字、図形、および、模様等からなる識別情報である。識別情報とは、各々が識別可能な複数種類の情報である。盤表示装置44aおよび前側部表示装置44bでの図柄の可変表示は、一定時間が経過したときに停止制御され、表示結果が導出表示される。
【0112】
停止時の図柄の組合せが特定の表示態様である当り図柄(第1種のパチンコ遊技機1aにおいては、特別図柄の大当り図柄、第3種のパチンコ遊技機1bにおいては、普通図柄の当り図柄)の組合せ(たとえば、777等のゾロ目の特定の図柄の組合せ)となったことを条件として、遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り遊技状態)が発生し、通常遊技状態からその大当り遊技状態に移行する制御が行なわれる。特定遊技状態とは、前述したランダムカウンタから抽出した乱数値を用いて判定処理(たとえば、所定値と一致するか否か等)を行ない、かかる判定処理の結果、予め定められた所定の判定結果(たとえば、所定値と一致する結果)であれば可変表示装置に当り図柄の組合せ(たとえば、「777」等のゾロ目)を導出表示し、その後移行される遊技状態である。
【0113】
まず、図4(a)および図4(b)に示されるように、盤表示装置44aでは、表示画面上にハンマ47が出現し、中図柄45Cがハンマ47によって停止させられる態様で、中図柄45Cが停止され、はずれ表示態様である「757」の識別情報の組合せが導出表示される。また、このときに、前側部表示装置44bでは、はずれ表示態様である「646」の識別情報の組合せが導出表示される。
【0114】
次に、図4(c)および図4(d)に示されるように、前側部表示装置44bでは、図4(a)で出現し中図柄45Cを停止させたハンマ47が、前側部表示装置44bに飛込んできて、図4(b)で導出表示された「646」の識別情報の組合せのうちの中図柄46Cを叩く態様で表示される。このときに、盤表示装置44aでは、図4(a)で導出表示された「757」の識別情報の組合せが継続して表示される。
【0115】
次に、図4(e)および図4(f)に示されるように、前側部表示装置44bでは、図4(d)でハンマ47によって叩かれた中図柄46Cが再度可変表示を開始し、リーチ状態を維持したままで可変表示が行なわれる。このときに、盤表示装置44aでは、図4(a)で導出された「757」の識別情報の組合せが継続して表示される。
【0116】
次に、図4(g)および図4(h)に示されるように、前側部表示装置44bでは、表示画面上にハンマ47が出現し、中図柄46Cがハンマ47によって停止させられる態様で、中図柄46Cが停止され、はずれ表示態様である「656」の識別情報の組合せが導出表示される。このときに、盤表示装置44aでは、図4(a)で導出表示された「757」の識別情報の組合せが継続して表示される。
【0117】
次に、図5(a)および図5(b)に示されるように、盤表示装置44aでは、表示画面上にハンマ47が出現し、図4(a)で導出表示された「757」の識別情報の組合せのうちの中図柄45Cを叩く態様で表示される。また、盤表示装置44aでは、遊技者に前側部表示装置44bを見ることを促す旨のメッセージ、たとえば、「期待度は枠表示器を見てね↓」というメッセージが表示される。このときに、前側部表示装置44bでは、図4(h)で導出表示された「656」の識別情報の組合せが継続して表示される。また、前側部表示装置44bには、当り図柄の組合せが導出表示されることへの期待を遊技者に抱かせる旨のメッセージ、たとえば、「大当り期待度30%」というメッセージが表示される。
【0118】
次に、図5(c)および図5(d)に示されるように、盤表示装置44aでは、図5(a)でハンマ47によって叩かれた中図柄45Cが再度可変表示を開始し、リーチ状態を維持したままで可変表示が行なわれる。このときに、前側部表示装置44bでは、図4(h)で導出表示された「656」の識別情報の組合せが継続して表示される。また、前側部表示装置44bでは、図4(b)で表示されるメッセージよりもさらに、当り図柄の組合せが導出表示されることへの期待を遊技者に抱かせる旨のメッセージ、たとえば、「大当り期待度80%」というメッセージが表示される。
【0119】
最後に、図5(e)および図5(f)に示されるように、前側部表示装置44bでは、図4(h)で導出表示された「656」の識別情報の組合せが継続して表示される。また、前側部表示装置44bでは、可変表示結果が当り図柄の組合せとなる旨のメッセージ、たとえば、「大当り期待度100%」というメッセージが表示される。また、盤表示装置44aでは、リーチ状態を維持したまま行なわれていた可変表示が停止し、「777」の当り図柄の組合せが導出表示される。そして、盤表示装置44aでは、「大当り!!」というような第1種のパチンコ遊技機1aにおいては大当りの発生、第3種のパチンコ遊技機1bにおいては当りの発生を報知する表示がされる。
【0120】
このような盤表示装置44aおよび前側部表示装置44bにおける連携した可変表示は、盤表示制御用マイクロコンピュータ75aMおよび前側部表示制御用マイクロコンピュータ75bMにおける表示制御コマンドを受信してからのタイムスケジュールの管理によって実現される。
【0121】
このように、盤表示装置44aでの可変表示と前側部表示装置44bでの可変表示とにおいて、リーチ状態を受渡すような態様で、連携して進行する態様で、ハンマ47が図柄を叩くことにより可変表示が開始したり停止したりする演出表示をすることができる。また、図4(b)、図4(d)、および、図4(f)に示すように、盤表示装置44aでの可変表示結果が当り図柄の組合せとなることを、段階的に遊技者の期待を高めるような態様で遊技者に報知することによって、遊技者に興趣を与えることができる。
【0122】
図6は、第1実施の形態における盤表示装置44aでの表示内容および前側部表示装置44bでの表示内容とが連携して進行する態様で遊技を演出する表示をする例を示す図である。図6を参照して(1)〜(9)までの例について説明する。
【0123】
(1) 図4および図5で説明したように、盤表示装置44aおよび前側部表示装置44bの間で、リーチ状態からの可変表示の開始(リーチ開始)および停止を交互に複数回受渡すような態様でリーチ状態の可変表示を行なう。
【0124】
(2) 盤表示装置44aにおいてリーチ状態の可変表示がはずれ表示態様で停止した後に、前側部表示装置44bにおいてリーチ開始をする。
【0125】
(3) 盤表示装置44aおよび前側部表示装置44bともに、リーチ状態での可変表示を行なう。そして、盤表示装置44aでのリーチ状態の左図柄45Lおよび右図柄45Rが通常図柄であるときは、前側部表示装置44bでのリーチ状態の左図柄45Lおよび右図柄45Rを確変図柄とする。また、盤表示装置44aでのリーチ状態の左図柄45Lおよび右図柄45Rが確変図柄であるときは、前側部表示装置44bでのリーチ状態の左図柄45Lおよび右図柄45Rを通常図柄とする。そして、最終的に、盤表示装置44aの可変表示結果または前側部表示装置44bの可変表示結果のいずれを正式な表示結果とするかを示す選択表示をする。たとえば、盤表示装置44aの可変表示結果または前側部表示装置44bの可変表示結果のいずれかを枠で囲むこと、あるいは、盤表示装置44aの背景画像または前側部表示装置44bの背景画像のいずれかを変化させることにより、正式な表示結果として選択された表示結果を遊技者に示す。
【0126】
(4) 盤表示装置44aでリーチ状態で可変表示が行なわれ、はずれ表示態様で可変表示が停止した後に、前側部表示装置44bで表示されていた図柄が盤表示装置44aに飛んでいくような態様で盤表示装置44aの中図柄45Cと置換し、盤表示装置44aの図柄の組合せが大当り表示態様となる。
【0127】
(5) 盤表示装置44aおよび前側部表示装置44bにおいて、同じ図柄を用いて、異なるリーチ演出態様で可変表示を行なう。
【0128】
(6) 盤表示装置44aでの可変表示におけるリーチ状態中の確変図柄および通常図柄の進行に合わせて、前側部表示装置44bに「確変当り?」、「通常当り?」というリーチ状態中の図柄が確変図柄であるか通常図柄であるかを報知する表示をする。
【0129】
(7) 盤表示装置44aでの可変表示がリーチ状態から大当り表示態様となったときに、前側部表示装置44bにおいて、確変大当りあるいは通常大当りのいずれの大当りとするかの抽選表示を行なう。
【0130】
(8) 盤表示装置44aで図柄の可変表示を行ない、前側部表示装置44bで、盤表示装置44aで行なわれている可変表示の表示結果を予告するキャラクタによる予告演出を行なう。予告演出とは、当り状態あるいはリーチ状態が発生する旨を事前報知(予告)する演出である。
【0131】
(9) 盤表示装置44aで図柄(第1種のパチンコ遊技機1aにおいては、特別図柄、第3種のパチンコ遊技機1bにおいては、普通図柄)の可変表示を行ない、前側部表示装置44bで、盤表示装置44aで行なわれている可変表示の表示結果を予告する背景画像の変化による予告演出を行なう。背景画像とは、図柄の背景に表示される画像である。
【0132】
図6においては、盤表示装置44aでの表示内容および前側部表示装置44bでの表示内容とが連携して進行する態様で遊技を演出する表示をする例を説明したが、図6で説明した盤表示装置44aの表示内容を前側部表示装置44bに表示し、図6で説明した前側部表示装置44bの表示内容を盤表示装置44aに表示するようにしてもよい。
【0133】
次に、この第1実施の形態により得られる主な効果をまとめて説明する。
図4、図5、および、図6に示されるように、盤表示装置44aでの表示内容と前側部表示装置44bでの表示内容とが連携して進行する態様で遊技を演出する表示をするので、盤表示装置44aおよび前側部表示装置44bによって、より複雑な遊技を演出することが可能となり、遊技と連携した表示により遊技性を向上させることができる。
【0134】
また、前側部表示装置44bに遊技を演出する表示をするときは、事前に、前側部表示装置44bに遊技を演出する表示の開始時期を報知する表示を盤表示装置44aにおいて行なう。また、遊技者は、通常の遊技中は、遊技盤40,3Aに注目している。このため、事前に、前側部表示装置に遊技を演出する表示の開始時期を報知する表示を遊技盤に設けられた盤表示装置において行なうので、遊技盤に注目している遊技者の関心を、前側部表示装置で表示する遊技を演出する表示に向けさせることができる。
【0135】
また、前側部表示制御基板75b(前側部表示制御手段)は、遊技盤40,3Aに設けられる。このため、盤交換による機種変更のときに、遊技盤を交換することで、前側部表示制御基板も交換することができるので、機種変更の作業性が向上する。しかも、前側部表示装置44bは、ガラス扉枠4に設けられ、遊技盤40,3Aに設けられていないので、前側部表示装置44bを交換しなくても、盤交換による機種変更が可能であり、機種変更に伴う費用を抑えることができる。
【0136】
[第2実施の形態]
第1実施の形態においては、盤表示装置44aでの表示内容と前側部表示装置44bでの表示内容とが連携して進行する態様で遊技を演出する表示をする場合について説明した。第2実施の形態においては、盤表示装置44a、および、前側部表示装置44bで異なる遊技情報を表示する場合について説明する。
【0137】
第2実施の形態における遊技機は、図1で説明した第1種のパチンコ遊技機、および、図2で説明した第3種のパチンコ遊技機である。また、第2実施の形態における遊技機の制御回路の構成は、図2で説明した制御回路の構成と同様である。したがって、遊技機の構成、および、遊技機の制御回路の構成の説明は繰返さない。
【0138】
図7は、第2実施の形態における大当り遊技状態中の表示画面の一例を示す図である。図7(a)は、盤表示装置44aにおける大当り遊技状態中の表示画面の一例を示す図である。図7(a)を参照して、盤表示装置44aにおいては、大当り遊技状態中に、遊技を演出する画像、たとえば、4人の人を示すキャラクタがラインダンスを踊っている態様を示す画像が表示される。
【0139】
図7(b)は、前側部表示装置44bにおける大当り遊技状態中の表示画面の一例を示す図である。図7(b)を参照して、前側部表示装置44bにおいては、大当り遊技状態中に、大当り遊技状態が発生したときの当り図柄の組合せと、大当り遊技状態のラウンド数と、大当り遊技状態中の入賞カウント数とが表示される。ここでは、前側部表示装置44bに、大当り遊技状態が発生したときの当り図柄の組合せが「777」であり、大当り遊技状態のラウンド数が「5」であり、大当り遊技状態中の入賞カウント数が「7」であることが示されている。
【0140】
図8は、第2実施の形態における盤表示装置44aでの表示内容および前側部表示装置44bでの表示内容とが異なる表示である例を示す図である。図8を参照して、(1)〜(12)までの例について説明する。なお、(1)〜(12)の例において盤表示装置44aで表示される遊技情報は、図7(a)で説明した遊技を演出する画像であるので、説明は繰返さない。また、(1)〜(3)の例において前側部表示装置44bで表示される遊技情報は、図7(b)で説明した遊技情報であるので、説明は繰返さない。
【0141】
(4) 前側部表示装置44bにおいて、払出球数が表示される。具体的には、パチンコ遊技機1a,1bを起動させてから現在までに、そのパチンコ遊技機1a,1bから払出された遊技球の数が表示される。
【0142】
(5) 前側部表示装置44bにおいて、アタッカ開放タイミングが表示される。具体的には、特別可変入賞球装置(アタッカ)48が開放されるまでの時間をカウントダウンする態様で表示する。また、特別可変入賞球装置48が閉成されるまでの時間をカウントダウンする態様で表示するようにしてもよい。
【0143】
(6) 前側部表示装置44bにおいて、大当り回数が表示される。具体的には、パチンコ遊技機1a,1bを起動させてから現在までに、そのパチンコ遊技機1a,1bで発生した大当り遊技状態の回数が表示される。
【0144】
(7) 前側部表示装置44bにおいて、始動回数が表示される。具体的に、パチンコ遊技機1a,1bを起動させてから現在までに、そのパチンコ遊技機1a,1bで始動入賞が発生した回数が表示される。
【0145】
(8) 前側部表示装置44bにおいて、大当り間の始動回数の平均が表示される。具体的に、前回発生した大当り遊技状態から現在までの、そのパチンコ遊技機1a,1bで発生した始動入賞の発生回数が表示される。
【0146】
(9) 前側部表示装置44bにおいて、大当り間の始動回数の平均が表示される。具体的に、パチンコ遊技機1a,1bを起動させてから現在までの、そのパチンコ遊技機1a,1bで発生した大当り遊技状態間の始動入賞の発生回数の平均値が表示される。
【0147】
(10) 前側部表示装置44bにおいて、スランプグラフが表示される。具体的に、パチンコ遊技機1a,1bを起動させてから現在までの、そのパチンコ遊技機1a,1bの遊技球に対する出玉の推移を示すグラフが表示される。
【0148】
(11) 前側部表示装置44bにおいて、どのリーチで大当りしたかが表示される。具体的に、現在発生している大当り遊技状態が、複数の種類のリーチ表示態様のうち、どのリーチ表示態様を経て発生したかが表示される。
【0149】
(12) 前側部表示装置44bにおいて、リーチの出現率が表示される。具体的に、複数の種類のリーチ表示態様それぞれが発生した割合が表示される。
【0150】
図8においては、盤表示装置44aでの表示内容および前側部表示装置44bでの表示内容とが異なる表示である例を説明したが、図8で説明した盤表示装置44aの表示内容を前側部表示装置44bに表示し、図8で説明した前側部表示装置44bの表示内容を盤表示装置44aに表示するようにしてもよい。
【0151】
また、盤表示装置44aにおいて、大当り遊技状態中の遊技を演出する画像を表示するようにしたが、これに限定されず、大当り遊技状態中でないとき、たとえば、リーチ状態中の遊技を演出する画像を表示するようにしてもよい。
【0152】
次に、この第2実施の形態により得られる主な効果をまとめて説明する。
図7、および、図8に示されるように、盤表示装置44aで、所定の遊技情報、たとえば、大当り遊技状態中の遊技を演出する画像を表示し、前側部表示装置44bで、所定の遊技情報と異なる遊技情報を表示するので、1つの表示装置で、所定の遊技情報および所定の遊技情報と異なる遊技情報を表示する場合と比較して、遊技情報を表示するための領域がより広くなる。このため、遊技情報の表現性が高くなり、遊技と連携した表示により遊技性を向上させることができる。
【0153】
[第3実施の形態]
(第2種のパチンコ遊技機の概略説明)
第3の実施の形態においては、第2種のパチンコ遊技機1cにおいて、遊技機前側部材に表示装置を設け、その表示装置に特定遊技状態となった後の遊技情報を表示する場合について説明する。したがって、まず、第2種のパチンコ遊技機の概略を説明する。
【0154】
第2種のパチンコ遊技機は、通称“ハネ物”と呼ばれ、左右に翼片が備えられた特別可変入賞球装置が遊技盤中央に配置されている。この第2種のパチンコ遊技機には、第1始動口、第2始動口が設けられており、第1始動口に遊技球が始動入賞した場合には特別可変入賞球装置が1回開閉し、第2始動口に遊技球が始動入賞した場合には特別可変入賞球装置が2回開閉する。そして、特別可変入賞球装置が1回または2回開閉している間に特別可変入賞球装置内部に進入した遊技球が特別可変入賞球装置内の特定入賞領域に入賞した場合に大当りとなり、遊技者にとって有利な特定遊技状態が発生し、特別可変入賞球装置が繰返し継続して開放状態となる。特別可変入賞球装置の開放回数は18回であるが、18回目の開放の前に特別可変入賞球装置への入賞数が10個に達すると開放回数が18回に満たない場合であっても開放動作は中断される。そして、開放動作中に遊技球が特定領域に入賞していたことを条件として、再び、特別可変入賞球装置の最大18回の開放制御が開始される。このような、遊技球が特定領域に入賞していたことを条件として繰返される開放制御のサイクルは最大16回であり、16回目の開放制御の後に大当り状態(特定遊技状態)が終了される。
【0155】
なお、この第2種のパチンコ遊技機には、普通図柄を可変表示可能であって、表示結果に応じて第1始動口または第2始動口を所定期間開放させるように定められた普通図柄用可変表示装置や、大当りのラウンド回数を判定するための判定図柄を可変表示させる判定図柄表示装置がさらに設けられる場合がある。
【0156】
図9は、第2種のパチンコ遊技機の一例となるパチンコ遊技機の正面図である。図9を参照して、遊技盤面2A上には、遊技球が打ち込まれる遊技領域2Bが形成されている。遊技領域2B内には、一対の可動部材2J,2Jを有する特別可変入賞球装置2Dが設けられている。特別可変入賞球装置2Dの下方には、始動口2N,2Qが設けられている。なお、始動口2N,2Qのすべて、または少なくともいずれか1つを普通電動役物の一例となる電動チューリップで構成してもよい。
【0157】
特別可変入賞球装置2Dの上部の左右両側、また特別可変入賞球装置2Dの下方両側部分には遊技球の入賞により景品玉が払出されるように定められた一般入賞口2R〜2Uが設けられている。
【0158】
特別可変入賞球装置2Dは、大入賞口の一例となる入賞空間2Kを有している。この入賞空間2Kには、入賞空間2Kに入賞した遊技球を一時貯留するための貯留機構(磁石付回転ドラム)2Pが形成されている。そして、貯留機構2Pの軸線と一致する部分には特定入賞領域2Mが形成されている。
【0159】
遊技球が始動口2Nに始動入賞したときには、景品玉が払出されるとともに、可動部材2J,2Jが所定時間(たとえば0.5秒)開放の後閉成する。始動口2Qに遊技球が始動入賞した場合には、景品玉が払出されるとともに、可動部材2J、2Jが所定時間(たとえば1.0秒)開放の後、所定時間(たとえば0.5秒)閉成し、再度所定時間(たとえば1.0秒)開放した後閉成する。
【0160】
可動部材2J、2Jが開放することにより、上方から落下してくる遊技球は可動部材2J、2Jに受け止められて入賞空間2Kに進入する可能性が高くなる。入賞空間2Kに進入した遊技球は、一度落下して、貯留機構2Pによりリフトされて、一般入賞領域2Hまたは特定入賞領域2Mに入賞する。もし、遊技球が特定入賞領域2Mに入賞すると大当りが発生し、大当り遊技状態(特定遊技状態)となる。
【0161】
大当りが発生すると、特別可変入賞球装置2Dは以下のように動作する。可動部材2J,2Jは短い時間間隔で連続的に開閉動作を繰返す。その繰返し回数は、本実施の形態の場合には最高18回に設定されており、18回繰返された後終了する。また、その18回の繰返し動作中に特別可変入賞球装置2D内に遊技球が10個入賞した場合には、その時点で可動部材2J,2Jの開閉動作も終了するようになっている。以下、このような開閉動作を開閉サイクルと呼ぶ。もし、可動部材2J,2Jの開閉動作が終了する前に、遊技球が再度特定入賞領域2Mに入賞すると、大当り継続動作が行なわれる。
【0162】
大当り継続動作は、始動入賞に基づく最初の開放を含めて所定回数(本実施の形態の場合には16回)の範囲で行なわれ、大当り継続動作中に特定入賞領域2M内の特定入賞玉検出器への遊技球の入賞が検出されなかったときはその時点で終了する。
【0163】
このようにして最高16回の大当り継続動作が終了するか、大当り動作中または大当り継続動作中に特定入賞領域2Mに遊技球が入賞しなかった場合に大当り動作、大当り継続動作が終了し当初の状態に戻る。
【0164】
図10は、第3実施の形態のパチンコ遊技機1cにおける各種制御基盤を含む制御回路の構成の一例を示すブロック図である。図10で説明する第3実施の形態のパチンコ遊技機1cにおける制御回路の構成は、図3で説明した第1実施の形態のパチンコ遊技機1cにおける制御回路から、盤表示制御基板75aを除外したものである。また、前側部表示制御基板75は、図3で説明した前側部表示制御基板75bと同様である。したがって、図10においては、説明を繰返さない。
【0165】
図11は、第3実施の形態における前側部表示装置44での表示内容を示す図である。図11を参照して(1)〜(5)までの例について説明する。
【0166】
(1) 前側部表示装置44において、大当り遊技状態中の遊技を演出する画像が表示される。具体的には、図7(a)で説明したような大当り遊技状態中の遊技を演出する画像が表示される。
【0167】
(2) 前側部表示装置44において、ラウンド抽選が表示される。具体的には、大当り遊技状態が発生したときに、前述した大当り継続動作が行なわれる回数を抽選表示する。たとえば、前側部表示装置44において、大当り継続動作が行なわれる回数の抽選結果を「1R」、「15R」のように表示する。
【0168】
(3) 前側部表示装置44において、チャンスが表示される。具体的には、1始動か2始動かが表示される。つまり、始動口に始動入賞した後で、可動部材2J,2Jが開放する回数が1回であるか2回であるかが表示される。
【0169】
(4) 前側部表示装置44において、大当り中のアタッカ入賞個数、累計個数が表示される。具体的には、大当り継続動作中の1開閉サイクルの間に特別可変入賞球装置(アタッカ)2Dに入賞した遊技球の個数、および、大当り継続動作中に特別可変入賞球装置2Dに入賞した遊技球の累計個数が表示される。
【0170】
(5) 前側部表示装置44において、大当り中のアタッカ入賞による払出個数が表示される。具体的には、大当り継続動作中に特別可変入賞球装置2Dに入賞したことにより払出された遊技球の累計個数が表示される。
【0171】
以上のような、大当り遊技状態となった後の遊技情報の表示は、演出制御用マイクロコンピュータ75Mによって、表示制御用プログラムの実行に基づいて行なわれる。
【0172】
次に、この第3実施の形態により得られる主な効果をまとめて説明する。
図9に示されるように、ガラス扉枠4に前側部表示装置44が設けられ、遊技盤2Aに表示装置を設けないので、遊技盤2Aの設計の自由度が高くなる。しかも、ガラス扉枠4には前側部表示装置44を設け、図11に示されるように、その前側部表示装置44に大当り遊技状態(特定遊技状態)となった後の遊技情報を表示するので、遊技者は、遊技情報を知ることができ、遊技と連携した表示により遊技性を向上させることができる。
【0173】
[第4実施の形態]
第4実施の形態におけるパチンコ遊技機は、第1実施の形態で説明したパチンコ遊技機1a,1bの盤表示制御基盤44a(盤表示制御手段)および前側部表示制御基盤44b(前側部表示制御手段)を1つの基板上に設けるようしたものである。
【0174】
図12は、第4実施の形態のパチンコ遊技機1a,1bにおける各種制御基板を含む制御回路の構成の一例を示すブロック図である。図12は、第1実施の形態の図3で説明した盤表示制御基板44aの機能である盤表示制御機能および前側部表示制御基板44bの機能である前側部制御機能を、演出制御基板81に含ませるようにしたものである。すなわち、図3で説明した盤表示制御基板44a(盤表示制御手段)および前側部表示制御基板(前側部表示制御手段)が1つの演出制御基板81上に設けられる。
【0175】
図12を参照して、演出制御基板81は、図3で説明した演出制御基板80に盤表示制御機能および前側部表示制御機能を付加したものである。図12において、演出制御基板81の盤表示制御機能および前側部表示制御機能以外の機能は、図3で説明したので説明は繰返さない。演出制御基板81には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1a,1bにおける遊技演出を制御する演出制御用マイクロコンピュータ81Mが設けられる。演出制御用マイクロコンピュータ81Mは、演出制御用のプログラム等を記憶する記憶手段の一例であるROM81b、ワークメモリとして使用される記憶手段の一例であるRAM81c、制御用プログラムに従って制御動作を行なうCPU81aおよびI/Oポート部を含む演出制御用のマイクロコンピュータである。
【0176】
図柄などの画像を可変表示する盤表示装置44aの表示制御は、演出制御基板81に搭載されている盤表示制御手段である演出制御用マイクロコンピュータ81Mによって行なわれる。また、図柄などの画像を可変表示する前側部表示装置44bの表示制御は、演出制御基板81に搭載されている前側部表示制御手段である演出制御用マイクロコンピュータ81Mによって行なわれる。
【0177】
遊技制御用マイクロコンピュータ151Mでは、盤表示装置44aおよび前側部表示装置44bにおける可変表示の制御に関し、その可変表示制御を指令するために表示制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ81Mへ送信する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ81Mは、遊技制御用マイクロコンピュータ151Mから受信した表示制御コマンドに基づき、盤表示装置44aおよび前側部表示装置44bにおける可変表示を連携して制御する。
【0178】
つまり、演出制御用マイクロコンピュータ81Mでは、遊技制御用マイクロコンピュータ151Mから表示制御コマンドを受信するステップと、受信された表示制御コマンドに基づき、盤表示装置44aおよび前側部表示装置44bにおける可変表示を連携して制御するための表示制御コマンドを生成するステップと、生成された盤表示装置44aを制御するための表示制御コマンドに基づき、盤表示装置44aにおける可変表示を制御するステップと、生成された前側部表示装置44bを制御するための表示制御コマンドに基づき、前側部表示装置44bにおける可変表示を制御するステップとを含むプログラムが実行される。
【0179】
次に、この第4実施の形態により得られる主な効果をまとめて説明する。
図12に示されるように、盤表示制御基板44aおよび前側部表示制御基盤44bが、1つの演出制御基板81上に設けられることにより、盤表示制御基盤44aおよび前側部表示制御基盤44bそれぞれを別の基板に設けた場合と比較して、基板の必要数が減少し、遊技機の設計時の基板のレイアウトにおける制約を減少させることができる。しかも、盤表示制御基板44aおよび前側部表示制御基板44bを別の基板に設ける場合と比較して、盤表示制御基板44aおよび前側部表示制御基板44bの機能を実現するための基板を製作するコストを削減することができる。さらに、機種変更のときに、1つの基板を交換するだけで、盤表示制御基板44aおよび前側部表示制御基板44bの機能を変更することができるので、機種変更の作業性が向上する。
【0180】
次に、本発明の変形例や特徴点等を以下に列挙する。
(1) 前側部制御基板75b,75は、遊技盤40,3A,2Aに設けられるようにしたが、これに限定されず、ガラス扉枠4など、遊技盤40,3A,2Aとは異なる箇所に設けられるようにしてもよい。このようにすることで、遊技盤40,3A,2Aを交換する場合であっても、前側部制御基板75b,75を交換しなくてもよくなり、遊技盤40,3A,2A交換におけるコストを削減することができる。
【0181】
(2) 盤表示制御基板75a、および、前側部表示制御基板75bは、1つの基板上に設けられるようにしたが、これに限定されず、異なる基板上に設けられるようにしてもよい。このようにすることで、盤表示制御基板75a、および、前側部表示制御基板75bを別々に交換することができ、基板交換におけるコストを削減することができる。
【0182】
(3) 本発明は、第1種〜第3種のパチンコ遊技機を組合わせてなるパチンコ遊技機にも適用可能である。たとえば、第1種のパチンコ遊技機と第3種のパチンコ遊技機とを組合わせてなるパチンコ遊技機において、盤表示装置と前側部表示装置とを備え、盤表示装置において、第1種のパチンコ遊技機および第3種のパチンコ遊技機の図柄の可変表示を行ない、前側部表示装置において、大当り遊技状態中の遊技を演出するための画像を表示するようにしてもよい。また、第1種のパチンコ遊技機と第2種のパチンコ遊技機とを組合わせてなるパチンコ遊技機において、盤表示装置と前側部表示装置とを備え、盤表示装置において、第1種のパチンコ遊技機の図柄の可変表示を行ない、前側部表示装置において、大当り遊技状態中の遊技を演出するための画像を表示するようにしてもよい。また、第1種のパチンコ遊技機と第2種のパチンコ遊技機とを組合わせてなるパチンコ遊技機において、前側部表示装置を備え、前側部表示装置において、第1種のパチンコ遊技機の図柄の可変表示、および、大当り遊技状態中の遊技を演出するための画像を表示するようにしてもよい。これにより、遊技と連携した表示により遊技性をさらに向上させることができる。
【0183】
(4) また、前側部表示装置44において、図柄の可変表示を行ない、特定の図柄の組合せが導出表示された場合に、所定回数の大当り継続動作が行なわれるようにしてもよい。たとえば、抽選により1Rの大当り継続動作が行なわれる場合は、前側部表示装置44における可変表示の表示結果を図柄の組合せを333とし、抽選により15Rの大当り継続動作が行なわれる場合は、前側部表示装置44における可変表示の表示結果を図柄の組合せを777とする。
【0184】
(5) 第3実施の形態において説明した第2種のパチンコ遊技機1cは、所定の入賞口への入賞等を条件として所定の抽選を行ない、その抽選に当選した場合に、センター役物(特別可変入賞球装置)の内部構造を変化させるようにしてもよい。その場合には、前側部表示装置44に、センター役物の内部構造の変化の抽選が表示されるようにする。具体的には、特別可変入賞球装置(センター役物)の内部構造が変化可能な第2種のパチンコ遊技機において、遊技制御用マイクロコンピュータにより、特別可変入賞球装置の内部構造を変化させるか否かが抽選され、前側部表示装置44において、その抽選結果が表示されるようにする。これにより、特別可変入賞球装置の内部構造を変化させるか否かを遊技者に報知することができる。
【0185】
(6) 今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】遊技機の一例となるパチンコ遊技機の正面図である。
【図2】第3種のパチンコ遊技機の一例となるパチンコ遊技機の正面図である。
【図3】第1実施の形態のパチンコ遊技機における各種制御基板を含む制御回路の構成の一例を示すブロック図である。
【図4】第1実施の形態における可変表示における表示画面の一例を示す第1の図である。
【図5】第1実施の形態における可変表示における表示画面の一例を示す第2の図である。
【図6】第1実施の形態における盤表示装置での表示内容および前側部表示装置での表示内容とが連携して進行する態様で遊技を演出する表示をする例を示す図である。
【図7】第2実施の形態における大当り遊技状態中の表示画面の一例を示す図である。
【図8】第2実施の形態における盤表示装置での表示内容および前側部表示装置での表示内容とが異なる表示である例を示す図である。
【図9】第2種のパチンコ遊技機の一例となるパチンコ遊技機の正面図である。
【図10】第3実施の形態のパチンコ遊技機における各種制御基盤を含む制御回路の構成の一例を示すブロック図である。
【図11】第3実施の形態における前側部表示装置での表示内容を示す図である。
【図12】第4実施の形態のパチンコ遊技機における各種制御基板を含む制御回路の構成の一例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1a 第1種のパチンコ遊技機、1b 第3種のパチンコ遊技機、1c 第2種のパチンコ遊技機、4 ガラス扉枠、44a 盤表示装置、44,44b 前側部表示装置、75a 盤表示制御基板、75,75b 前側部表示制御基板、40,3A,2A 遊技盤。
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ遊技機等の遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の遊技システムに用いられるパチンコ遊技機等の従来の遊技機として一般的に知られているものは、可変表示を行なった後表示結果を導出可能な可変表示装置を有し、前記表示結果が予め定められた特定の表示態様となったことを条件として、遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御される遊技機、いわゆる第1種パチンコ遊技機(デジパチ)、あるいは、第3種パチンコ遊技機(権利モノ)があった。
【0003】
また、遊技盤に形成された遊技領域に設けられた始動領域へ遊技球が進入したときに遊技者にとって不利な第2の状態から遊技者にとって有利な第1の状態となる始動時動作を行なう可変入賞球装置を有し、該可変入賞球装置内に設けられた特定入賞領域へ遊技球が入賞したときに前記始動時動作よりもさらに遊技者にとって有利な特定の態様で可変入賞球装置を第1の状態とする特定遊技状態に制御される遊技機、いわゆる第2種パチンコ遊技機(羽根モノ)があった。
【0004】
このような従来の遊技機において、パチンコ遊技機において、遊技盤に設けられていた可変表示装置を遊技機前側部材に設けたものがあった(特許文献1)。また、従来のスロットマシンにおいて、可変表示装置の他に、遊技情報の表示を行なう表示装置を設けたものがあった(特許文献2)。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−210202号公報
【0006】
【特許文献2】
特開2002−126172号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この種の遊技機においては、遊技機前側部材に表示装置を設け、表示装置を残して遊技盤のみを交換することで、盤交換による機種変更に伴う費用を抑えることができるが、遊技機前側部材に設けた表示装置を用いた遊技性の向上については考慮されていなかった。また、遊技盤と遊技機前側部材とに設けられた表示装置の表示内容が連携した表示内容でなかった。
【0008】
この発明はかかる実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、遊技と連携した表示により遊技性を向上させることが可能な遊技機を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段の具体例およびその効果】
(1) 可変表示を行なった後表示結果を導出可能な可変表示装置(盤表示装置44a,前側部表示装置44b)を有し、前記表示結果が予め定められた特定の表示態様(大当り表示態様)となったことを条件として、遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御される遊技機(図1のパチンコ遊技機1a,図2のパチンコ遊技機1b)であって、
前記可変表示装置は、遊技盤に設けられる盤表示装置(盤表示装置44a)と、前記遊技機の前側部分を構成する遊技機前側部材(ガラス扉枠4)に設けられる前側部表示装置(前側部表示装置44b)とを含み、
前記盤表示装置を制御する盤表示制御手段(盤表示制御基板75a)と、
前記前側部表示装置を制御する前側部表示制御手段(前側部表示制御基板75b)とを含み、
前記盤表示制御手段および前記前側部表示制御手段は、前記盤表示装置での表示内容と前記前側部表示装置での表示内容とが連携して進行する態様で遊技を演出する表示をする制御を行なう(図4〜図6参照)。
【0010】
このような構成によれば、遊技機には、盤表示装置が遊技盤に設けられ、前側部表示装置が遊技機前側部材に設けられる。そして、盤表示装置での表示内容と前側部表示装置での表示内容とが連携して進行する態様で遊技を演出する表示をするので、盤表示装置および前側部表示装置によって、より複雑な遊技を演出する表示をすることが可能となり、遊技と連携した表示により遊技性を向上させることができる。
【0011】
(2) 前記盤表示制御手段は、前記前側部表示制御手段が前記前側部表示装置に遊技を演出する表示をする制御をするときは、事前に、前記前側部表示装置における遊技を演出する表示の開始時期を報知する表示を前記盤表示装置において行なう制御をする(前側部表示制御用マイクロコンピュータ75bMが表示制御コマンドの受信に応じて前側部表示装置44bの表示制御を実行するときは、遊技制御用マイクロコンピュータ151Mは、事前に、前側部表示装置44bにおける遊技を演出する表示の開始時期を報知する表示をすることを指令する表示制御コマンドを盤表示制御用マイクロコンピュータ75aMに送信して、盤表示制御用マイクロコンピュータ75aMが表示制御コマンドの受信に応じて、前側部表示装置44bにおける遊技を演出する表示の開始時期を報知する表示を盤表示装置44aにおいて行なうようにする)。
【0012】
このような構成によれば、前側部表示装置に遊技を演出する表示をするときは、事前に、前側部表示装置に遊技を演出する表示の開始時期を報知する表示を盤表示装置において行なう。また、遊技者は、通常の遊技中は、遊技盤に注目している。このため、事前に、前側部表示装置に遊技を演出する表示の開始時期を報知する表示を遊技盤に設けられた盤表示装置において行なうので、遊技盤に注目している遊技者の関心を、前側部表示装置で表示する遊技を演出する表示に向けさせることができる。
【0013】
(3) 可変表示を行なった後表示結果を導出可能な可変表示装置(盤表示装置44a,前側部表示装置44b)を有し、前記表示結果が予め定められた特定の表示態様(大当り表示態様)となったことを条件として、遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御される遊技機(図1のパチンコ遊技機1a,図2のパチンコ遊技機1b)であって、
前記可変表示装置は、遊技盤に設けられる盤表示装置(盤表示装置44a)と、前記遊技機の前側部分を構成する遊技機前側部材(ガラス扉枠4)に設けられる前側部表示装置(前側部表示装置44b)とを含み、
前記盤表示装置を制御する盤表示制御手段(盤表示制御基板75a)と、
前記前側部表示装置を制御する前側部表示制御手段(前側部表示制御基板75b)とを含み、
前記盤表示制御手段は、第1の遊技情報(図7(a)に示す盤表示装置44aの表示例)を前記盤表示装置に表示する制御をし(図7(a),図8の盤表示装置の欄)、
前記前側部表示制御手段は、前記第1の遊技情報と異なる第2の遊技情報(図7(b)に示す前側部表示装置44bの表示例)を前記前側部表示装置に表示する制御をする(図7(b),図8の前側部表示装置の欄)。
【0014】
このような構成によれば、遊技機には、盤表示装置が遊技盤に設けられ、前側部表示装置が遊技機前側部材に設けられる。そして、盤表示装置で、第1の遊技情報を表示し、前側部表示装置で、第1の遊技情報と異なる第2の遊技情報を表示するので、1つの表示装置で、第1の遊技情報および第2の遊技情報を表示する場合と比較して、遊技情報を表示するための領域がより広くなる。このため、遊技情報の表現性が高くなり、遊技と連携した表示により遊技性を向上させることができる。
【0015】
(4) 遊技盤(遊技盤2A)に形成された遊技領域(遊技領域2B)に設けられた始動領域(始動口2N,2Q)へ遊技球が進入したときに遊技者にとって不利な第2の状態(可動部材2J,2Jが閉成した状態)から遊技者にとって有利な第1の状態(可動部材2J,2Jが開放した状態)となる始動時動作を行なう可変入賞球装置(特別可変入賞球装置2D)を有し、該可変入賞球装置内に設けられた特定入賞領域(特定入賞領域2M)へ遊技球が入賞したときに前記始動時動作よりもさらに遊技者にとって有利な特定の態様(可動部材2J,2Jが短い時間間隔で連続的に開閉動作を繰返す態様)で可変入賞球装置を第1の状態とする特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御される遊技機(図9のパチンコ遊技機1c)であって、
前記遊技機の前面部分を構成する遊技機前側部材(ガラス扉枠4)に設けられる前側部表示装置(前側部表示装置44)と、
前記特定遊技状態となった後の遊技情報を前記前側部表示装置に表示する制御をする前側部表示制御手段とを含む(図11参照)。
【0016】
このような構成によれば、遊技盤に表示装置を設けないので、遊技盤の設計の自由度が高くなる。しかも、遊技機前側部材には前側部表示装置を設け、その前側部表示装置に特定遊技状態となった後の遊技情報を表示するので、遊技者は、遊技情報を知ることができ、遊技と連携した表示により遊技性を向上させることができる。
【0017】
(5) 前記前側部表示制御手段は、遊技盤(遊技盤40,3A,2A)に設けられる。
【0018】
このような構成によれば、盤交換による機種変更のときに、遊技盤を交換することで、前側部表示制御手段も交換することができるので、機種変更の作業性が向上する。しかも、前側部表示装置は遊技盤に設けられていないので、前側部表示装置を交換しなくても機種変更が可能であり、機種変更に伴う費用を抑えることができる。
【0019】
(6) 前記盤表示制御手段および前記前側部表示制御手段は、1つの基板上に設けられる(第4実施の形態)。
【0020】
このような構成によれば、盤表示制御手段および前側部表示制御手段を1つの基板上に設けるので、それぞれを別の基板に設けた場合と比較して、基板の必要数が減少し、遊技機の設計時の基板のレイアウトにおける制約を減少させることができる。しかも、盤表示制御手段および前側部表示制御手段を別の基板に設ける場合と比較して、盤表示制御手段および前側部表示制御手段の機能を実現するための基板を製作するコストを削減することができる。さらに、機種変更のときに、1つの基板を交換するだけで、盤表示制御手段および前側部表示制御手段の機能を変更することができるので、機種変更の作業性が向上する。
【0021】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施の形態では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機をとり上げて説明するが、本発明はこれに限らず、その他の遊技機(たとえば、遊技媒体の一例であるコイン、メダルを遊技領域に投入させて遊技が行なわれるもの)にも適用可能である。
【0022】
[第1実施の形態]
(第1種のパチンコ遊技機1aの全体の概略構成の説明)
図1は、遊技機の一例となるパチンコ遊技機1aの正面図である。ここでは、図1を参照して、第1種のパチンコ遊技機1aを例に挙げて、パチンコ遊技機の構成について説明する。
【0023】
図1を参照して、パチンコ遊技機1aは、縦長な方形状に枠組形成される外枠2と、該外枠2の内側に開閉自在に軸支されかつパチンコ遊技機1aの主要構成部のほぼすべてが集約して設けられる前面枠3と、該前面枠3の前面上部に開閉自在に軸支されて設けられるガラス扉枠4とから構成されている。また、前面枠3に設けられる主要構成部としては、上記したガラス扉枠4、遊技盤40、上皿19、下皿27、灰皿29、操作ハンドル30、打球発射装置、および、前側部表示装置44bがある。
【0024】
前面枠3およびガラス扉枠4は、パチンコ遊技機1aの正面から見て左側の端部において軸支され、パチンコ遊技機1aの正面から見て左側の端部を開放端として開閉される。ガラス扉枠4には、遊技盤40の遊技領域41をほぼ透視し得る円形透視窓5が開設され、該円形透視窓5の裏面からガラス板が装着されている。
【0025】
また、ガラス扉枠4の上側には、円形透視窓5の外周に沿って、複数の飾りランプ6〜8および複数の飾りLED13,14が設けられている。これら飾りランプ6〜8および飾りLED13,14は、遊技状態に応じて点灯または点滅されるものであり、特別の遊技状態の発生時や継続時を遊技者に報知するとともに、遊技の雰囲気を盛り上げるものである。
【0026】
また、円形透視窓5の外周には、払出すべき賞球(景品玉)が不足したこと(後述する球切れスイッチが作動したこと)を報知する球切れランプ9や、入賞玉の発生に基づく所定個数の賞球が行なわれる場合に、その旨を点灯により報知する賞球ランプ10が設けられている。この賞球ランプ10は、賞球の未払出個数がある場合に、点灯することにより、賞球が行なわれる旨を報知する。なお、ここでは、賞球の未払出し個数がある場合に賞球ランプ10を点灯させる例を示したが、これに代わり、賞球の未払出し個数がある場合に賞球ランプ10を点滅させることにより、賞球が行なわれた旨を報知するようにしてよい。
【0027】
さらに、円形透視窓5の外周には、ガラス扉枠4の上部左右において、遊技の進行に応じて効果音等の音声を発生するスピーカ12a,12bが設けられている。なお、スピーカ12a,12bの前面には、網目状ネット(図示省略)が取付られ、スピーカ12a,12bから発生される音声を通すようになっている。
【0028】
次に、ガラス扉枠4の下側に取付けられる上皿19の構成について説明する。上皿19は、複数の合成樹脂製部材を組合せた皿部材を固着することにより構成されている。上皿19の開放側の上方には、玉抜き操作レバー21が設けられている。この玉抜き操作レバー21は、左右方向に移動可能に設けられ、図示しないスプリングの付勢力に抗して一方向に移動させることにより、上皿19に貯留されていた玉を裏面側に形成される玉抜き路(図示しない)を流下させて下皿27に誘導するものである。
【0029】
上記した上皿19について、さらに詳細に説明すると、上皿19は、その上流側に形成される賞球払出口20から払出された賞球を一旦貯留した後、図示しない発射位置に玉を供給するものである。
【0030】
さらに、上皿19の開放側末端には、ガラス扉枠4を前面枠3に対して施錠しかつ前面枠3を外枠2に対して施錠する施錠装置を操作するためのシリンダ錠26が臨んでいる。
【0031】
また、前面枠3の下部に設けられる下皿27は、上皿19から溢れた賞球であって、余剰球通路を介して接続樋から排出される余剰の賞球を貯留するものである。下皿27の前面壁には、玉抜き操作レバー28がスライド可能に取付けられるようになっている。この玉抜き操作レバー28を操作することにより、下皿27に貯留されていた賞球を下方に玉抜きして持ち運び可能な玉箱に移替えることができる。
【0032】
また、下皿27の左側には、灰皿29が設けられ、右側には操作ハンドル30が設けられている。操作ハンドル30は、図3に示す打球発射装置の発射モータの駆動を開始させる単発発射スイッチおよびタッチセンサを内蔵しているとともに、弾発力を調節するものである。
【0033】
前側部表示装置44bは、画像を可変表示する液晶タイプの可変表示器からなり、ガラス扉枠4の円形透視窓5の下方に配置される。前側部表示装置44bにおける表示内容と、後述する盤表示装置44aにおける表示内容とは、連携して進行する態様で遊技を演出する表示をするように制御される。
【0034】
以上で、パチンコ遊技機1aの全体の概略構成を説明したが、以下、パチンコ遊技機1aを構成する要素のうち、遊技盤40の詳細な構成について順次説明する。
【0035】
(遊技盤40の説明)
まず、遊技盤40の正面構造について図1を参照して説明する。遊技盤40は、ほぼ正方形状の合板により形成されている。遊技盤40の表面には、円形渦巻状に誘導レール42が取付けられている。該誘導レール42の内側は、遊技領域41とされて発射された遊技球が落下するものである。遊技領域41には、図示の場合、盤表示装置(特別図柄表示器)44a、特別可変入賞球装置(通称、アタッカ)48、普通可変入賞球装置(普通電動役物)58、普通図柄表示器63等が設けられるとともに、一般入賞口、遊技球を通過させる通過ゲート、遊技球の流下方向や速度を変化せしめる風車または多数の障害釘が設けられている。また、遊技領域41の最下方には、いずれの入賞領域にも入賞しなかった遊技球が取込まれるアウト口69が設けられている。
【0036】
遊技領域41の構成をその遊技動作に従って詳細に説明する。遊技領域41の中央よりもやや下方の左側には、遊技領域41を落下する遊技球が通過可能に設けられた通過口(通過ゲート)620と、その通過口620を通過した遊技球(通過玉)を検出するゲートスイッチ(通過検出器)62とが設けられている。
【0037】
遊技領域41のほぼ中央に配置される盤表示装置44aの上方には、普通図柄可変表示装置としての普通図柄表示器63が設けられている。なお、本実施形態においては、当りLEDとはずれLEDとの2つのLEDを普通図柄表示器63としているが、一般的には7セグメントLEDなど、数字を表示可能なものを使用する。
【0038】
普通図柄表示器63は、ゲートスイッチ62の検出信号に基づいて所定期間可変表示した(交互点滅させる)後、表示結果を導出表示する(どちらか一方を点灯させる)。普通図柄表示器63の可変表示中にゲートスイッチ62を通過した遊技球数は、盤表示装置44aに最高4個まで記憶表示される。普通図柄表示器63の表示結果が予め定められた当り図柄(当りLED点灯、また7セグメント表示器を使えば0〜9までの数字の可変表示において、7が停止表示された場合など)である場合には、普通可変入賞球装置58が所定時間開放される。
【0039】
なお、普通図柄表示器63の可変表示時間は、大当り確率が通常である通常確率モードのときは、たとえば、30秒であり、大当り確率が通常確率モードのときよりも向上されている確率変動モード(以下、確率変動状態、あるいは高確率状態、確変ともいう)のときには、たとえば、3〜5秒である。つまり、確率変動モードでは、普通図柄の可変表示時間が短縮される。このように、普通図柄の可変表示時間が短縮された状態を、特に時間短縮状態という。なお、この実施の形態では確率変動状態と時間短縮状態とが同時期に進行するが、各々の状態が独立した条件により発生または終了するように構成してもよい。
【0040】
始動口を構成する普通可変入賞球装置58は、遊技領域41のほぼ中央に配置される盤表示装置44aと遊技領域41のアウト口69の上部に配置される特別可変入賞球装置48との間に配置され、ソレノイド59によって開閉駆動される電動チューリップタイプの可変入賞球装置である。そして、普通可変入賞球装置58には、始動入賞検出器としての始動入賞玉検出器(始動口スイッチ)60が内蔵され、開放中または閉成中に受入れた入賞玉を検出するようになっている。
【0041】
遊技球が始動入賞玉検出器60によって検出されると、盤表示装置44aが図柄(第1種パチンコ遊技機1aにおいては、特別図柄)と呼ばれる複数種類の識別情報の可変表示を開始する。識別情報とは、各々が識別可能な複数種類の識別情報である。普通可変入賞球装置58の開放時間は、通常確率モードのときは、たとえば、0.5秒であり、確率変動モード(確率変動状態)のときには、たとえば、2秒である。つまり、確率変動モードでは、普通可変入賞球装置58の開放時間が延長される。このように、普通可変入賞球装置58の開放時間が延長された状態を、特に時間延長状態という。なお、この実施の形態では確率変動状態と時間延長状態とが同時期に進行するが、各々の状態が独立した条件により発生または終了するように構成してもよい。なお、この実施の形態では、たとえば、普通可変入賞球装置58が開放していない場合でも遊技球を受入れるようになっている。
【0042】
盤表示装置44aは、複数の図柄を可変表示する液晶タイプの可変表示器からなり、遊技領域41のほぼ中央に配置される。なお、盤表示装置44aは、液晶タイプの可変表示器に限らず、CRT(Cathode Ray Tube)、FED(Field Emission Display)、PDP(Plasma Display Panel)、ドットマトリクス、7セグメントLED(Light Emitting Diode)等のLED、エレクトロルミネッセンス、蛍光表示管等のその他の画像表示式の表示装置により構成されてもよい。
【0043】
盤表示装置44aでは、表示画面上で複数の表示領域(たとえば、左,中,右というように左右方向に並ぶ3つの表示領域)が形成され、全表示領域で一斉に特別図柄の変動が開始されることにより可変表示が開始され、その後、各表示領域が所定の順序で特別図柄を停止表示させることにより可変表示が終了する。
【0044】
そして、盤表示装置44aでの可変表示の停止時における図柄の組合せが予め定められた当り図柄の組合せ(たとえば同一の図柄が777というように揃った場合)である場合には、大当りとなり、遊技状態が大当り遊技状態(特定遊技状態)に変化する。これにより、特別可変入賞球装置48が次に説明するような所定の態様で開閉駆動される。ところで、当り図柄の組合せの一部は確率変動図柄として設定されている。この確率変動図柄で大当り遊技状態となったときには、その大当り遊技状態終了後における普通図柄表示器63における当り図柄の出現確率や盤表示装置44aにおける当り図柄の出現確率が高くなるなどする、前述した確率変動モードとなるように制御される。
【0045】
また、盤表示装置44aの可変動作中に始動入賞玉検出器60によって検出された玉数は、盤表示装置44aに最高4個まで記憶表示される。
【0046】
大当り遊技状態となったときに駆動制御される特別可変入賞球装置48は、開放された場合に遊技球の入賞が可能になる大入賞口が設けられており、大入賞口扉用のソレノイド50によって開閉駆動される開閉板としての大入賞口扉49が大入賞口を開閉可能な態様で設けられている。
【0047】
特別可変入賞球装置48の内部は、特定入賞領域と通常入賞領域とに区分されており、特定玉検出器としての特定領域スイッチ51および入賞個数検出器としてのカウントスイッチ52が設けられている。
【0048】
大入賞口扉49の開放時に大入賞口から特別可変入賞球装置48内に入った玉は、最終的にすべてカウントスイッチ52に向けて誘導され、カウントスイッチ52により検出される。また、特別可変入賞球装置48内に入った玉のうち、特定入賞領域に進入した玉は、特定領域スイッチ51により検出され、その後、カウントスイッチ52に向けて誘導され、カウントスイッチ52により検出される。したがって、特別可変入賞球装置48内に入った玉は、結果的にすべてカウントスイッチ52により検出される。
【0049】
大当り遊技状態となった場合には、一定時間(たとえば28秒)が経過するまで、または、その一定時間内に所定個数(たとえば、10個)の入賞玉が入賞するまで大入賞口扉49を開放(以下、この開放を開放サイクルという)し、その開放サイクル中に受入れられた遊技球が特定領域スイッチ51によって検出されたときに継続権が成立して、再度上記した開放サイクルが実行され、各開放サイクルにおいて継続権が成立していることを条件に最高16回の開放サイクルを繰返すことができるようになっている。特に、大当りの発生に伴って最初に大入賞口扉49が開放した状態は1ラウンドとも呼ばれ、継続権の成立に伴って大入賞口扉49が開放した状態は、順に2〜16ラウンドとも呼ばれる。
【0050】
特別可変入賞球装置48の内部においては、シーソー式の玉振分部材としての大入賞口内誘導板が設けられている(図示省略)。この大入賞口内誘導板は、特定領域スイッチ51の方向へ向けて傾斜した状態と、特定領域スイッチ51とは逆の方向へ向けて傾斜した状態とのいずれかの状態に切換え可能となるようにソレノイド(後述する大入賞口内誘導板用のソレノイド53)により駆動制御される。その場合、大入賞口扉49が1回開放されたとき(1サイクル中)には、特定領域スイッチ51が玉を1個検出するまでは、振分部材が特定領域スイッチ51の方向へ向けて傾斜した状態にされることにより、玉が特定領域スイッチ51により検出されやすい状態にされ、特定領域スイッチ51が玉を1個検出した後は、振分部材が特定領域スイッチ51とは逆方向へ向けて傾斜した状態にされることにより、玉が特定領域スイッチ51により検出がされにくい状態にされる。
【0051】
なお、この実施の形態では、特定領域スイッチ51への入口に大入賞口内誘導板を設けた例を示したが、これに限らず、大入賞口内誘導板の代わりに、次のようなシャッタを設けてもよい。このシャッタは、ソレノイドにより駆動され、開放サイクルの1サイクル毎に、特定領域スイッチ51が玉を1個検出するまでは開放状態にされている。そして、特定領域スイッチ51が玉を1個検出すると閉塞状態に制御される。このような制御が行なわれることにより、大入賞口扉49が1回開放された場合(1サイクル中)には、特定領域スイッチ51が玉を1個検出するまでは、特定領域スイッチ51による玉の検出が可能な状態にされ、特定領域スイッチ51が玉を1個検出した後は、特定領域スイッチ51による玉の検出が不可能な状態にされる。
【0052】
また、遊技領域41には、上記した構成以外に、入賞玉検出器としての右袖入賞口スイッチ65Raを内蔵する入賞口65R、風車66等が設けられている。
【0053】
(第3種のパチンコ遊技機の概略説明)
最初に、第3種のパチンコ遊技機の概略を説明する。
【0054】
第3種のパチンコ遊技機には、遊技球が普通始動領域を通過することにより遊技者にとって不利な第2の状態から遊技者にとって遊技な第1の状態に制御される普通可変入賞球装置と、前記普通可変入賞球装置に入賞した遊技球が所定の判定用領域を通過したときに該入賞球を検出する検出手段と、検出手段で遊技球が検出されたときに表示結果を導出するための可変表示を行なう判定用可変表示装置と、判定用可変表示装置により導出表示された表示結果が予め定められた特定の表示態様となったときに遊技球を特別装置作動領域に誘導する誘導装置と、遊技者にとって有利な第1の状態と遊技者にとって不利な第2の状態とに変化可能な大入賞口とが設けられる。この第3種のパチンコ遊技では、特別装置作動領域で遊技球が検出されたときに遊技者に有利な権利発生状態に制御され、権利発生状態中に再度前記特別装置作動領域で遊技球が検出されたときに権利発生状態が消滅し、権利発生状態中に権利行使用入賞領域に遊技球が入賞することにより大入賞口が第1の状態となる。
【0055】
また、この第3種のパチンコ遊技機の場合、普通電動役物に入賞した遊技球が特別装置作動領域に入賞した場合に大入賞口を開放させるための権利が発生するため、このような権利が発生した状態を特に“権利発生状態”という。この権利発生状態は、遊技球が再び普通電動役物内の特別作動領域に入賞した場合または第3種始動口への16回の入賞があった場合に消滅する。第3種のパチンコ遊技機の場合には、このような権利発生状態を大当り状態ともいう。なお、ここでは、判定図柄を可変表示させる表示装置が設けられた第3種のパチンコ遊技機を例に挙げて説明したが、普通図柄を用いたものや、表示装置が設けられていない機種も存在する。
【0056】
図2は、第3種のパチンコ遊技機の一例となるパチンコ遊技機1bの正面図である。図2を参照して、パチンコ遊技機1bの遊技盤3A以外の構成については、図1で説明した第1種のパチンコ遊技機1aの構成と同様であるので説明は繰返さない。
【0057】
パチンコ遊技機1bの遊技盤3Aの前面に形成されている遊技領域3Bには、特別装置3Eが設けられる。特別装置3Eは、普通電動役物3D、後述する役物抽選装置3N、および、判定図柄表示装置である盤表示装置44aから構成される。普通電動役物作動口3Cに遊技球が入賞すると、普通電動役物3Dの可動片3F,3Fが開成して遊技者にとって有利な第1の状態となる。
【0058】
普通電動役物3Dに遊技球が入賞すると、遊技球が振分部材に進入する。本実施の形態においては、振分部材は、5つの穴を有し、回転可能な5穴ローターである。5穴のうちの1つの穴は、判定図柄作動口3Nである。遊技球が判定図柄作動口に入賞すると、盤表示装置44aにおける判定図柄の可変表示が開始され、遊技球は、遊技盤の裏側の誘導路を介して玉貯留部3Hに導かれ、判定図柄の可変表示が停止されるまで、球貯留部3Hに貯留される。一方、遊技球が5穴ローターの判定図柄作動口以外の穴に入賞すると、アウト口69の内部に導かれる。
【0059】
盤表示装置44aにおける判定図柄の停止図柄が当り図柄(たとえば333,777のゾロ目の図柄の組合せ)となった場合は、球貯留部3Hが右回転し、貯留されていた遊技球が権利入賞口に入賞し、権利発生状態となる。一方、盤表示装置44aにおける判定図柄の停止図柄が前記当り図柄以外の図柄の組合せであるはずれ図柄となった場合は、球貯留部3Hが左回転し、貯留されていた遊技球がはずれ口に進入し、権利発生状態とならない。本発明の実施の形態において、権利発生状態を大当り遊技状態という。
【0060】
遊技状態が権利発生状態となっている期間中に遊技球が回転体装置3Wの第3種始動口3Jに入賞すれば、その遊技球が回転体3Iの外周に保持される。回転体3Iの外周に保持された遊技球は回転体3Iの回転により下方に案内されて始動入賞玉検出器(始動口スイッチ)3Lにより検出される。遊技球が始動入賞玉検出器3Lにより検出されれば、特別可変入賞球装置3Pに設けられた開閉板3Sが開放することで大入賞口3Tが開放され、遊技者に有利な第1の状態となる。この第1の状態は、所定期間(たとえば9.5秒間)の経過または遊技球の所定個数(たとえば10個)の入賞のうち、いずれか早いほうの条件が成立することにより終了して開閉板3Sが閉成し遊技者に不利な第2の状態となる。
【0061】
一方、権利発生中において、遊技球が所定数(たとえば、合計16個)始動入賞玉検出器3Lにより検出された場合、発生している権利が消滅する。この権利が消滅した後、あるいは権利が発生していない状態では、いくら遊技球が回転体装置3Wに進入しても特別可変入賞球装置3Pの大入賞口3Tは開放しない。
【0062】
また、その他の一般入賞口として、一般入賞口3Rが設けられている。一般入賞口3Rに遊技球が入賞すれば、所定の景品玉が遊技者に払出される。
【0063】
次に、入賞口等の概念について、先に明らかにしておく。
始動口・・・始動口は、第1種の場合、遊技球の入賞により図柄を変動させる条件を成立させるように定められた始動口である。第3種の場合には、“権利発生状態”であることを前提条件として、遊技球の入賞により大入賞口を開放させるように定められた始動口である。なお、ここでの始動口とは、入賞に伴って景品玉を払出すように定められているか否かは問われない。
【0064】
一般入賞口・・・一般入賞口は、遊技球の入賞に基づいて可変入賞球装置や可変表示装置などの遊技装置の作動を許容することなく景品玉や得点などの遊技価値が遊技者に付与されるように定められた入賞領域であって、前述した大入賞口を除く入賞領域である。したがって、遊技球が入賞しても単に景品玉が払出されるのみである電動チューリップも一般入賞口に該当する。
【0065】
普通電動役物・・・普通電動役物は、たとえば、電動チューリップのように、開いた状態(遊技球が入賞容易または入賞可能な第1の状態)と閉じた状態(遊技球が入賞困難または入賞不可能な第2の状態)とに変化可能である。したがって、前述した始動口が普通電動役物で構成される場合もあり得る。なお、普通電動役物の概念からは、第1種,第3種ともに大入賞口を構成する役物が除外される。
【0066】
特別電動役物・・・特別電動役物は、一言でいえば、大当りの時に駆動される電動役物である。したがって、第1種,第3種ともに大入賞口を構成する特別可変入賞球装置が該当する。
【0067】
普通電動役物作動口・・・普通電動役物作動口は、遊技球の入賞により、普通電動役物を開放させるように定められた入賞口であり、入賞に伴って景品玉を払出すように定められているか否かは問われない。
【0068】
普通図柄作動口・・・普通図柄作動口は、遊技球の入賞により普通図柄を可変表示開始させるように定められた入賞口であり、入賞に伴って景品玉を払出すように定められているか否かは問われない。
【0069】
通過ゲート・・・通過ゲートとは、遊技盤面に設けられ、遊技球が通過可能であって、遊技球の通過が検出スイッチにより検出されるように構成されている構造物をいう。たとえば、遊技球の通過により普通図柄が可変開始されるように定められたゲートや、遊技球の通過により電動チューリップが開放されるように定められたゲートなどが該当する。
【0070】
大入賞口・・・大入賞口は、大当りとなった場合に開放される入賞口である。
特定入賞領域・・・第1種,第3種ともに特別可変入賞球装置内の特定入賞領域のことである。
【0071】
特別装置作動領域・・・特別装置作動領域は、第3種のパチンコ遊技機に設けられ、遊技球が入賞することにより“権利発生状態”となるように定められた領域である。
【0072】
確率変動状態・・・第1種のパチンコ遊技機の場合には、たとえば、特別図柄あるいは普通図柄の表示結果が大当りとなる確率が高く向上された状態をいう。第3種のパチンコ遊技機の場合には、特に普通図柄表示装置を有するパチンコ遊技機において、普通図柄の表示結果が当りとなる確率が高く向上された状態をいう。
【0073】
時間短縮状態・・・特別図柄用あるいは普通図柄用の可変表示装置で特別図柄あるいは普通図柄が可変開始されてから表示結果が導出表示されるまでの可変表示時間が短縮された遊技状態をいう。可変表示時間が通常時よりも短縮されることで、始動記憶の消化が促進され、単位時間当りに特別図柄あるいは普通図柄の表示結果が導出表示される回数が増加するという作用がある。このため、始動入賞が無効になることが防止され、また、大当りが発生し易くなるという効果が奏される。時間短縮状態は、第1種のパチンコ遊技機に特有の遊技状態である。
【0074】
時間延長状態・・・特別図柄を始動させるための始動口が普通電動役物で構成されている場合(以下、始動用電動役物という)において、その始動用普通電動役物が開放する時間が通常よりも長く延長されるようになる遊技状態をいう。たとえば、普通図柄の表示結果が当りとなった場合に始動用電動役物が一定時間だけ開放するように構成された遊技機において、確率変動状態あるいは時間短縮状態となったことを条件として、時間延長状態となり、以降、普通図柄の表示結果が当りとなった場合に始動用電動役物が通常よりも長い時間開放するような例を挙げることができる。始動用電動役物の開放時間が通常よりも延長されることで、始動入賞が促進され、特別図柄の表示結果が導出表示される回数が増加するという作用がある。このため、大当りが発生し易くなるという効果が奏される。時間延長状態は、第1種のパチンコ遊技機に特有の遊技状態である。
【0075】
図3は、第1実施の形態のパチンコ遊技機1a,1bにおける各種制御基板を含む制御回路の構成の一例を示すブロック図である。図3には、制御基板として、遊技制御基板151、演出制御基板80、盤表示制御基板75a、および、前側部表示制御基板75bが示されている。なお、図3には示していないが、制御基板には、払出制御基板等が含まれる。
【0076】
遊技制御基板151には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1a,1bを制御する(遊技の進行を制御する)遊技制御用マイクロコンピュータ151Mが設けられる。また、図示しないが、遊技制御基板151には、図1および図2で説明した各スイッチからの信号を遊技制御用マイクロコンピュータ151Mに与えるスイッチ回路、特別可変入賞球装置48,3Pを開閉するソレノイドおよび大入賞口を開閉するソレノイドを遊技制御用マイクロコンピュータ151Mからの指令に従って駆動するソレノイド回路等が設けられる。
【0077】
また、遊技制御基板151は、遊技制御用マイクロコンピュータ151Mから与えられるデータに従って、大当りの発生を示す大当り情報、盤表示装置44aおよび前側部表示装置44bの可変表示開始(始動)に利用された始動入賞球の個数を示す有効始動情報、および、確率変動が生じたことを示す確変情報をホール管理コンピュータ等のホストコンピュータに対して出力する情報出力回路を含んでいる。
【0078】
遊技制御用マイクロコンピュータ151Mは、遊技制御用のプログラム等を記憶する記憶手段の一例であるROM151b、ワークメモリとして使用される記憶手段の一例であるRAM151c、制御用プログラムに従って制御動作を行なうCPU151aおよびI/Oポート部を含む遊技制御用のマイクロコンピュータである。また、I/Oポート部は、マイクロコンピュータにおける情報入出力可能な端子である。遊技制御用マイクロコンピュータ151Mは、接続された各種スイッチ(検出器)からの信号を受け、接続された制御対象の機器を駆動する制御を行なう。遊技制御用マイクロコンピュータ151Mは、定期的(たとえば2msec毎)にリセットされてROM151bに記憶されている遊技制御プログラムを先頭から繰返し実行し、各種の遊技制御を行なう。
【0079】
さらに、遊技制御基板151には、遊技制御用マイクロコンピュータ151Mから与えられるアドレス信号をデコードしてI/Oポート部のうちいずれかのI/Oポート部を選択するための信号を出力するアドレスデコード回路が設けられている。
【0080】
また、この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ80Mが、飾りランプ6〜8、球切れランプ9、賞球ランプ10、飾りLED13,14等のランプ・LEDの発光制御を行なう。この演出制御用マイクロコンピュータ80Mの構成は、前述した遊技制御用マイクロコンピュータ151Mと同様である。
【0081】
遊技制御基板151から演出制御基板80には、演出制御基板80により制御が行なわれる機器の制御のための指令情報である制御コマンド等の情報が伝送される。
【0082】
演出制御基板80では、演出制御用マイクロコンピュータ80Mが、制御コマンドに応じて制御対象機器を駆動する制御を行なう。
【0083】
また、普通図柄表示器63の表示制御は、演出制御用マイクロコンピュータ80Mによって行なわれる。遊技制御基板151から演出制御基板80には、普通図柄表示器63の表示制御に関する指令情報としての普通図柄表示制御コマンド等の情報が伝送される。演出制御基板80では、演出制御用マイクロコンピュータ80Mが、普通図柄表示制御コマンドに応じて普通図柄表示器63の表示制御を行なう。
【0084】
また、図柄などの画像を可変表示する盤表示装置44aの表示制御は、遊技制御基板151とは別に設けられた盤表示制御基板75aに搭載されている表示制御手段である盤表示制御用マイクロコンピュータ75aMによって行なわれる。この盤表示制御用マイクロコンピュータ75aMの構成は、前述した遊技制御用マイクロコンピュータ151Mと同様である。
【0085】
また、図柄などの画像を可変表示する前側部表示装置44bの表示制御は、遊技制御基板151とは別に設けられた前側部表示制御基板75bに搭載されている表示制御手段である前側部表示制御用マイクロコンピュータ75bMによって行なわれる。この前側部表示制御用マイクロコンピュータ75bMの構成は、前述した遊技制御用マイクロコンピュータ151Mと同様である。
【0086】
演出制御基板80から盤表示制御基板75aおよび前側部表示制御基板75bには、盤表示装置44aおよび前側部表示装置44bの表示制御に関する指令情報としての表示制御コマンド等の情報が伝送される。盤表示制御基板75aでは、盤表示制御用マイクロコンピュータ75aMが、伝送されてきた表示制御コマンドに応じて盤表示装置44aの表示制御を行なう。前側部表示制御基板75bでは、前側部表示制御用マイクロコンピュータ75bMが、伝送されてきた表示制御コマンドに応じて前側部表示装置44bの表示制御を行なう。また、前側部表示制御基板75bは、遊技盤40,3Aに設けられる。
【0087】
また、遊技制御基板151から演出制御基板80には、演出制御基板80によりスピーカ12a,12bから出力される効果音等の音声の制御に関する指令情報としての音制御コマンド等の情報が伝送される。演出制御用マイクロコンピュータ80Mが、音制御コマンドに応じてスピーカ12a,12bから出力される音声の制御を行なう。
【0088】
また、遊技制御基板151から払出制御基板には、賞球の払出制御に関する指令情報としての払出制御コマンド等の情報が伝送される。この払出制御コマンドは、入賞球の発生に応じた賞球の払出数等を指令するコマンドである。払出制御基板では、払出制御用マイクロコンピュータが搭載されており、この払出制御用マイクロコンピュータが、払出制御コマンドに応じて賞球の払出制御を行なう。この払出制御用マイクロコンピュータの構成は、前述した遊技制御用マイクロコンピュータ151Mと同様である。
【0089】
この実施の形態では、遊技制御基板151および払出制御基板に設けられたRAMが、バックアップ電源でバックアップされている。すなわち、パチンコ遊技機1a,1bに対する電力供給が停止しても、所定期間はRAMの内容が保存される。そして、各制御基板におけるCPUは、電源電圧の低下を検出すると、所定の処理(たとえば、RAMの内容の保存処理)を行なった後に電源復旧待ちの状態になる。また、電源投入時に、各制御基板におけるCPUは、RAMにデータが保存されている場合には、保存データに基づいて電源断前の状態を復元する。
【0090】
遊技制御基板151(遊技制御用マイクロコンピュータ151M)から各制御基板へ送信される情報、および、演出制御基板80から盤表示制御基板75a,前側部表示制御基板75bへ送信される情報には、制御の指令内容を示す制御コマンドと、該コマンドの取込みタイミングを示すINT信号とが含まれる。ここで、コマンドは、1コマンドが2バイトのデータで構成されており、制御モードの種類を指令する1バイトのMODEデータと、MODEデータで指令された制御モードにおける具体的な制御内容を指令する1バイトのEXTデータとにより構成される。遊技制御用マイクロコンピュータ151M、および、演出制御基板80は、このような2バイトのデータを、指令先の各制御基板へ順次送信することにより、制御内容を指令する。
【0091】
次に、この実施の形態に示されたパチンコ遊技機1a,1bにおける大当りとするかはずれとするかの決定(大当り判定ともいう)、リーチ状態とするか否かの決定(リーチ判定ともいう)、識別情報(図柄、キャラクタ)の可変表示における変動パターンの決定、および、図柄の予定停止図柄の決定等の制御内容の決定について、決定のための処理手順を簡単に説明する。リーチ状態とは、複数の表示領域における一部の表示領域において表示結果がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示領域の表示結果が特定表示結果の組合せとなる条件を満たしている表示状態である。また、リーチとして定義されるもののうちには、複数の表示領域のすべてで特定表示結果の組合せを保持した状態で可変表示を行なっている、いわゆる全回転リーチも含まれる。また、リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチに比べて大当りが発生しやすいものがある。このような特定のリーチをスーパーリーチという。このようなリーチ状態は、図1のパチンコ遊技機1aにおける特別図柄の可変表示において生じる場合があり、また、図2のパチンコ遊技機1bにおける普通図柄の可変表示において生じる場合がある。
【0092】
大当りとするかはずれとするかの決定は、大当り決定用のランダムカウンタのカウント値を用いて行なわれる。このランダムカウンタは、大当りを発生させるか否かをランダムに決定するためのものであり、たとえば、0からカウントアップして所定の上限値までカウントアップした後再度0からカウントアップし直す数値データ更新手段である。このカウント動作は、所定周期(2msecごと)で1ずつ加算されることとなる。
【0093】
始動入賞玉検出器(始動口スイッチ)60,3Lにより始動入賞が検出されると、それに応じてこのランダムカウンタのカウント値が抽出され、その後、その抽出値が、予め定められた大当り判定値と一致するか否かの判断がなされる。抽出されたランダムカウンタの値と大当り判定値とが一致した場合は、大当りを発生させることが決定され、大当り状態の制御が行なわれる。確率変動状態以外の通常の確率状態においては、大当り判定値がたとえば1つの数値に設定される。確率変動状態においては、大当り判定値が複数の数値に設定されることにより、確率変動状態の場合には大当りの発生確率が向上するのである。
【0094】
次に、可変表示がはずれとなる場合においてリーチ状態とするか否かの決定(リーチ判定ともいう)は、リーチ決定用のランダムカウンタのカウント値を用いて行なわれる。このランダムカウンタは、大当り判定においてはずれとする決定がされた場合にリーチ状態を発生させるか否かをランダムに決定するためのものであって、大当り決定用のランダムカウンタと同様に機能する数値データ更新手段であり、図柄の変動開始時等の所定のタイミングで抽出されたカウンタの値が予め定められたリーチ決定値と一致する場合に、リーチ状態とすることが決定される。一方、大当り判定において大当りとする決定がされた場合には、リーチ決定用のランダムカウンタを用いた決定は行なわれず、すべての場合にリーチ状態となる。
【0095】
また、図柄の可変表示においてリーチ状態となる決定がされた場合(大当りとする決定が行なわれた場合と、はずれとする決定が行なわれた場合との両方を含む)には、リーチ状態の変動パターンが複数種類の変動パターンのうちから選択的に決定(ランダムに決定)される。このような変動パターンの決定は、変動パターン決定用のランダムカウンタのカウント値を用いて行なわれる。このランダムカウンタは、リーチ状態の変動パターンをランダムに決定するためのものであって、大当り決定用のランダムカウンタと同様に機能する数値データ更新手段であり、図柄の変動開始時等の所定のタイミングで抽出されたカウンタの値が、複数種類予め定められた変動パターン決定値のうちの一致するものに対応する変動パターンとすることが決定される。
【0096】
また、図柄の可変表示における停止図柄の決定は、左,中,右の各図柄に対応する3つの停止図柄決定用のランダムカウンタのそれぞれのカウント値を用いて行なわれる。この各ランダムカウンタは、対応する図柄の停止図柄をランダムに決定するためのものであって、大当り決定用のランダムカウンタと同様に機能する数値データ更新手段である。
【0097】
複数種類の停止図柄のそれぞれには図柄決定用の数値データが対応付けられており、はずれとする決定がされた場合には、図柄の変動開始時等の所定のタイミングで各ランダムカウンタから抽出されたカウンタの値と一致する数値データに対応する図柄が左,中,右の各停止図柄として決定される。
【0098】
一方、大当りとする決定がされた場合には、図柄の変動開始時等の所定のタイミングで左図柄決定用のランダムカウンタから抽出されたカウンタの値と一致する数値データに対応する図柄が左,中,右の各停止図柄として決定される。また、はずれとなる場合においてリーチ状態とすることが決定された場合には、左,右の各停止図柄が一致するように決定される。
【0099】
このパチンコ遊技機においては、遊技制御用マイクロコンピュータ151Mにより、このような各種ランダムカウンタを用いて制御内容が決定され、その決定に従って、遊技制御が実行される。
【0100】
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ151MのCPU151aにより実行される制御を説明する。遊技制御用マイクロコンピュータ151Mでは、遊技の進行を制御するための処理である遊技制御のメイン処理およびタイマ割込み処理が実行され、これらの処理により、各種制御用のサブルーチンプログラムが呼び出されて実行されることにより、各種の遊技制御が行なわれる。
【0101】
遊技制御用マイクロコンピュータ151Mでは、盤表示装置44aおよび前側部表示装置44bにおける可変表示の制御に関し、その可変表示制御を指令するために表示制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ80Mへ送信する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ80Mは、遊技制御用マイクロコンピュータ151Mから受信した表示制御コマンドに基づき、盤表示装置44aおよび前側部表示装置44bにおける可変表示を連携して制御するための表示制御コマンドを盤表示制御用マイクロコンピュータ75aMおよび前側部表示制御用マイクロコンピュータ75bMへ送信する。
【0102】
つまり、演出制御用マイクロコンピュータ80Mでは、遊技制御用マイクロコンピュータ151Mから表示制御コマンドを受信するステップと、受信された表示制御コマンドに基づき、盤表示装置44aおよび前側部表示装置44bにおける可変表示を連携して制御するための表示制御コマンドを生成するステップと、生成された盤表示装置44aを制御するための表示制御コマンドを盤表示制御用マイクロコンピュータ75aMに送信するステップと、生成された前側部表示装置44bを制御するための表示制御コマンドを前側部表示制御用マイクロコンピュータ75bMに送信するステップとを含むプログラムが実行される。
【0103】
コマンドの送信は、基本的に、次のように行なわれる。まず、遊技制御用マイクロコンピュータ151Mは、大当りとするか否かおよび図柄の変動パターン(可変表示時間を含む)を指定する変動パターンコマンドを送信する。変動パターンコマンドとしては、リーチ表示態様とならない変動パターンを指定するコマンド、ノーマルリーチのリーチ表示態様となる変動パターンを指定するコマンド、スーパーリーチのリーチ表示態様となる変動パターンを指定するコマンド等の各種コマンドが含まれる。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ151Mは、変動パターンコマンドの送信に引続き、左,中,右図柄の予定停止図柄を指定する停止図柄コマンドを送信する。
【0104】
その後、図柄の可変表示が開始されてから変動パターンコマンドにより指定した可変表示時間が経過した時に、遊技制御用マイクロコンピュータ151Mは、図柄の可変表示の停止を指示するための変動停止コマンドを送信する。
【0105】
そして、可変表示の結果として大当りとなった場合、遊技制御用マイクロコンピュータ151Mでは、大当り制御時の表示制御内容を指定するコマンド等の各種コマンドを送信する制御が行なわれる。
【0106】
次に、演出制御用マイクロコンピュータ80Mでは、大当り制御時の表示制御内容を指定するコマンド等の各種コマンドを受信した場合に、その各種コマンドに基づき、盤表示装置44aおよび前側部表示装置44bにおける可変表示を連携して制御するための大当り制御時の表示制御内容を指定するコマンド等の各種表示制御コマンドを送信する制御が行なわれる。
【0107】
盤表示制御用マイクロコンピュータ75aMおよび前側部表示制御用マイクロコンピュータ75bMでは、それぞれ、前述したような各種表示制御コマンドを受信した場合に、そのコマンドにより指定される表示制御を実行する制御を行なう。
【0108】
また、遊技制御用マイクロコンピュータ151Mが演出制御用マイクロコンピュータ80Mを介して表示制御コマンドを前側部表示制御用マイクロコンピュータ75bMに送信するとき、つまり、前側部表示制御用マイクロコンピュータ75bMが表示制御コマンドの受信に応じて前側部表示装置44bの表示制御を実行するときは、遊技制御用マイクロコンピュータ151Mは、事前に、前側部表示装置44bにおける遊技を演出する表示の開始時期を報知する表示をすることを指令する表示制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ80Mを介して盤表示制御用マイクロコンピュータ75aMに送信して、盤表示制御用マイクロコンピュータ75aMが表示制御コマンドの受信に応じて、前側部表示装置44bにおける遊技を演出する表示の開始時期を報知する表示を盤表示装置44aにおいて行なうようにする。
【0109】
次に、パチンコ遊技機1a,1bのそれぞれにおける盤表示制御用マイクロコンピュータ75aMおよび前側部表示制御用マイクロコンピュータ75bMのCPUにより実行される制御を説明する。盤表示制御用マイクロコンピュータ75aMおよび前側部表示制御用マイクロコンピュータ75bMでは、それぞれ個別に可変表示の進行を制御するための処理である表示制御のメイン処理およびタイマ割込み処理が実行され、これらの処理により、各種制御用のサブルーチンプログラムが呼び出されて実行されることにより、各種の表示制御が行なわれる。
【0110】
次に、パチンコ遊技機1a,1bのそれぞれにおける盤表示制御用マイクロコンピュータ75aM、前側部表示制御用マイクロコンピュータ75bMのぞれぞれの表示制御により連携して行なわれる可変表示の一例を説明する。図4は、第1実施の形態における可変表示における表示画面の一例を示す第1の図である。図5は、第1実施の形態における可変表示における表示画面の一例を示す第2の図である。図4(a),図4(c),図4(e),図4(g),図5(a),図5(c),図5(e)は、盤表示装置44aで時間経過にしたがって順次表示される表示画面を示す。図4(b),図4(d),図4(f),図4(h),図5(b),図5(d),図5(f)は、前側部表示装置44bで時間経過にしたがって順次表示される表示画面を示す。
【0111】
盤表示装置44aにおいては、左図柄45L、中図柄45C、右図柄45Rという複数(3つ)の図柄(パチンコ遊技機1aの場合は特別図柄、パチンコ遊技機1bの場合は普通図柄)が可変表示される。前側部表示装置44bにおいては、左図柄46L、中図柄46C、右図柄46Rという複数(3つ)の図柄が可変表示される。図柄とは、数字、数字以外の文字、図形、および、模様等からなる識別情報である。識別情報とは、各々が識別可能な複数種類の情報である。盤表示装置44aおよび前側部表示装置44bでの図柄の可変表示は、一定時間が経過したときに停止制御され、表示結果が導出表示される。
【0112】
停止時の図柄の組合せが特定の表示態様である当り図柄(第1種のパチンコ遊技機1aにおいては、特別図柄の大当り図柄、第3種のパチンコ遊技機1bにおいては、普通図柄の当り図柄)の組合せ(たとえば、777等のゾロ目の特定の図柄の組合せ)となったことを条件として、遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り遊技状態)が発生し、通常遊技状態からその大当り遊技状態に移行する制御が行なわれる。特定遊技状態とは、前述したランダムカウンタから抽出した乱数値を用いて判定処理(たとえば、所定値と一致するか否か等)を行ない、かかる判定処理の結果、予め定められた所定の判定結果(たとえば、所定値と一致する結果)であれば可変表示装置に当り図柄の組合せ(たとえば、「777」等のゾロ目)を導出表示し、その後移行される遊技状態である。
【0113】
まず、図4(a)および図4(b)に示されるように、盤表示装置44aでは、表示画面上にハンマ47が出現し、中図柄45Cがハンマ47によって停止させられる態様で、中図柄45Cが停止され、はずれ表示態様である「757」の識別情報の組合せが導出表示される。また、このときに、前側部表示装置44bでは、はずれ表示態様である「646」の識別情報の組合せが導出表示される。
【0114】
次に、図4(c)および図4(d)に示されるように、前側部表示装置44bでは、図4(a)で出現し中図柄45Cを停止させたハンマ47が、前側部表示装置44bに飛込んできて、図4(b)で導出表示された「646」の識別情報の組合せのうちの中図柄46Cを叩く態様で表示される。このときに、盤表示装置44aでは、図4(a)で導出表示された「757」の識別情報の組合せが継続して表示される。
【0115】
次に、図4(e)および図4(f)に示されるように、前側部表示装置44bでは、図4(d)でハンマ47によって叩かれた中図柄46Cが再度可変表示を開始し、リーチ状態を維持したままで可変表示が行なわれる。このときに、盤表示装置44aでは、図4(a)で導出された「757」の識別情報の組合せが継続して表示される。
【0116】
次に、図4(g)および図4(h)に示されるように、前側部表示装置44bでは、表示画面上にハンマ47が出現し、中図柄46Cがハンマ47によって停止させられる態様で、中図柄46Cが停止され、はずれ表示態様である「656」の識別情報の組合せが導出表示される。このときに、盤表示装置44aでは、図4(a)で導出表示された「757」の識別情報の組合せが継続して表示される。
【0117】
次に、図5(a)および図5(b)に示されるように、盤表示装置44aでは、表示画面上にハンマ47が出現し、図4(a)で導出表示された「757」の識別情報の組合せのうちの中図柄45Cを叩く態様で表示される。また、盤表示装置44aでは、遊技者に前側部表示装置44bを見ることを促す旨のメッセージ、たとえば、「期待度は枠表示器を見てね↓」というメッセージが表示される。このときに、前側部表示装置44bでは、図4(h)で導出表示された「656」の識別情報の組合せが継続して表示される。また、前側部表示装置44bには、当り図柄の組合せが導出表示されることへの期待を遊技者に抱かせる旨のメッセージ、たとえば、「大当り期待度30%」というメッセージが表示される。
【0118】
次に、図5(c)および図5(d)に示されるように、盤表示装置44aでは、図5(a)でハンマ47によって叩かれた中図柄45Cが再度可変表示を開始し、リーチ状態を維持したままで可変表示が行なわれる。このときに、前側部表示装置44bでは、図4(h)で導出表示された「656」の識別情報の組合せが継続して表示される。また、前側部表示装置44bでは、図4(b)で表示されるメッセージよりもさらに、当り図柄の組合せが導出表示されることへの期待を遊技者に抱かせる旨のメッセージ、たとえば、「大当り期待度80%」というメッセージが表示される。
【0119】
最後に、図5(e)および図5(f)に示されるように、前側部表示装置44bでは、図4(h)で導出表示された「656」の識別情報の組合せが継続して表示される。また、前側部表示装置44bでは、可変表示結果が当り図柄の組合せとなる旨のメッセージ、たとえば、「大当り期待度100%」というメッセージが表示される。また、盤表示装置44aでは、リーチ状態を維持したまま行なわれていた可変表示が停止し、「777」の当り図柄の組合せが導出表示される。そして、盤表示装置44aでは、「大当り!!」というような第1種のパチンコ遊技機1aにおいては大当りの発生、第3種のパチンコ遊技機1bにおいては当りの発生を報知する表示がされる。
【0120】
このような盤表示装置44aおよび前側部表示装置44bにおける連携した可変表示は、盤表示制御用マイクロコンピュータ75aMおよび前側部表示制御用マイクロコンピュータ75bMにおける表示制御コマンドを受信してからのタイムスケジュールの管理によって実現される。
【0121】
このように、盤表示装置44aでの可変表示と前側部表示装置44bでの可変表示とにおいて、リーチ状態を受渡すような態様で、連携して進行する態様で、ハンマ47が図柄を叩くことにより可変表示が開始したり停止したりする演出表示をすることができる。また、図4(b)、図4(d)、および、図4(f)に示すように、盤表示装置44aでの可変表示結果が当り図柄の組合せとなることを、段階的に遊技者の期待を高めるような態様で遊技者に報知することによって、遊技者に興趣を与えることができる。
【0122】
図6は、第1実施の形態における盤表示装置44aでの表示内容および前側部表示装置44bでの表示内容とが連携して進行する態様で遊技を演出する表示をする例を示す図である。図6を参照して(1)〜(9)までの例について説明する。
【0123】
(1) 図4および図5で説明したように、盤表示装置44aおよび前側部表示装置44bの間で、リーチ状態からの可変表示の開始(リーチ開始)および停止を交互に複数回受渡すような態様でリーチ状態の可変表示を行なう。
【0124】
(2) 盤表示装置44aにおいてリーチ状態の可変表示がはずれ表示態様で停止した後に、前側部表示装置44bにおいてリーチ開始をする。
【0125】
(3) 盤表示装置44aおよび前側部表示装置44bともに、リーチ状態での可変表示を行なう。そして、盤表示装置44aでのリーチ状態の左図柄45Lおよび右図柄45Rが通常図柄であるときは、前側部表示装置44bでのリーチ状態の左図柄45Lおよび右図柄45Rを確変図柄とする。また、盤表示装置44aでのリーチ状態の左図柄45Lおよび右図柄45Rが確変図柄であるときは、前側部表示装置44bでのリーチ状態の左図柄45Lおよび右図柄45Rを通常図柄とする。そして、最終的に、盤表示装置44aの可変表示結果または前側部表示装置44bの可変表示結果のいずれを正式な表示結果とするかを示す選択表示をする。たとえば、盤表示装置44aの可変表示結果または前側部表示装置44bの可変表示結果のいずれかを枠で囲むこと、あるいは、盤表示装置44aの背景画像または前側部表示装置44bの背景画像のいずれかを変化させることにより、正式な表示結果として選択された表示結果を遊技者に示す。
【0126】
(4) 盤表示装置44aでリーチ状態で可変表示が行なわれ、はずれ表示態様で可変表示が停止した後に、前側部表示装置44bで表示されていた図柄が盤表示装置44aに飛んでいくような態様で盤表示装置44aの中図柄45Cと置換し、盤表示装置44aの図柄の組合せが大当り表示態様となる。
【0127】
(5) 盤表示装置44aおよび前側部表示装置44bにおいて、同じ図柄を用いて、異なるリーチ演出態様で可変表示を行なう。
【0128】
(6) 盤表示装置44aでの可変表示におけるリーチ状態中の確変図柄および通常図柄の進行に合わせて、前側部表示装置44bに「確変当り?」、「通常当り?」というリーチ状態中の図柄が確変図柄であるか通常図柄であるかを報知する表示をする。
【0129】
(7) 盤表示装置44aでの可変表示がリーチ状態から大当り表示態様となったときに、前側部表示装置44bにおいて、確変大当りあるいは通常大当りのいずれの大当りとするかの抽選表示を行なう。
【0130】
(8) 盤表示装置44aで図柄の可変表示を行ない、前側部表示装置44bで、盤表示装置44aで行なわれている可変表示の表示結果を予告するキャラクタによる予告演出を行なう。予告演出とは、当り状態あるいはリーチ状態が発生する旨を事前報知(予告)する演出である。
【0131】
(9) 盤表示装置44aで図柄(第1種のパチンコ遊技機1aにおいては、特別図柄、第3種のパチンコ遊技機1bにおいては、普通図柄)の可変表示を行ない、前側部表示装置44bで、盤表示装置44aで行なわれている可変表示の表示結果を予告する背景画像の変化による予告演出を行なう。背景画像とは、図柄の背景に表示される画像である。
【0132】
図6においては、盤表示装置44aでの表示内容および前側部表示装置44bでの表示内容とが連携して進行する態様で遊技を演出する表示をする例を説明したが、図6で説明した盤表示装置44aの表示内容を前側部表示装置44bに表示し、図6で説明した前側部表示装置44bの表示内容を盤表示装置44aに表示するようにしてもよい。
【0133】
次に、この第1実施の形態により得られる主な効果をまとめて説明する。
図4、図5、および、図6に示されるように、盤表示装置44aでの表示内容と前側部表示装置44bでの表示内容とが連携して進行する態様で遊技を演出する表示をするので、盤表示装置44aおよび前側部表示装置44bによって、より複雑な遊技を演出することが可能となり、遊技と連携した表示により遊技性を向上させることができる。
【0134】
また、前側部表示装置44bに遊技を演出する表示をするときは、事前に、前側部表示装置44bに遊技を演出する表示の開始時期を報知する表示を盤表示装置44aにおいて行なう。また、遊技者は、通常の遊技中は、遊技盤40,3Aに注目している。このため、事前に、前側部表示装置に遊技を演出する表示の開始時期を報知する表示を遊技盤に設けられた盤表示装置において行なうので、遊技盤に注目している遊技者の関心を、前側部表示装置で表示する遊技を演出する表示に向けさせることができる。
【0135】
また、前側部表示制御基板75b(前側部表示制御手段)は、遊技盤40,3Aに設けられる。このため、盤交換による機種変更のときに、遊技盤を交換することで、前側部表示制御基板も交換することができるので、機種変更の作業性が向上する。しかも、前側部表示装置44bは、ガラス扉枠4に設けられ、遊技盤40,3Aに設けられていないので、前側部表示装置44bを交換しなくても、盤交換による機種変更が可能であり、機種変更に伴う費用を抑えることができる。
【0136】
[第2実施の形態]
第1実施の形態においては、盤表示装置44aでの表示内容と前側部表示装置44bでの表示内容とが連携して進行する態様で遊技を演出する表示をする場合について説明した。第2実施の形態においては、盤表示装置44a、および、前側部表示装置44bで異なる遊技情報を表示する場合について説明する。
【0137】
第2実施の形態における遊技機は、図1で説明した第1種のパチンコ遊技機、および、図2で説明した第3種のパチンコ遊技機である。また、第2実施の形態における遊技機の制御回路の構成は、図2で説明した制御回路の構成と同様である。したがって、遊技機の構成、および、遊技機の制御回路の構成の説明は繰返さない。
【0138】
図7は、第2実施の形態における大当り遊技状態中の表示画面の一例を示す図である。図7(a)は、盤表示装置44aにおける大当り遊技状態中の表示画面の一例を示す図である。図7(a)を参照して、盤表示装置44aにおいては、大当り遊技状態中に、遊技を演出する画像、たとえば、4人の人を示すキャラクタがラインダンスを踊っている態様を示す画像が表示される。
【0139】
図7(b)は、前側部表示装置44bにおける大当り遊技状態中の表示画面の一例を示す図である。図7(b)を参照して、前側部表示装置44bにおいては、大当り遊技状態中に、大当り遊技状態が発生したときの当り図柄の組合せと、大当り遊技状態のラウンド数と、大当り遊技状態中の入賞カウント数とが表示される。ここでは、前側部表示装置44bに、大当り遊技状態が発生したときの当り図柄の組合せが「777」であり、大当り遊技状態のラウンド数が「5」であり、大当り遊技状態中の入賞カウント数が「7」であることが示されている。
【0140】
図8は、第2実施の形態における盤表示装置44aでの表示内容および前側部表示装置44bでの表示内容とが異なる表示である例を示す図である。図8を参照して、(1)〜(12)までの例について説明する。なお、(1)〜(12)の例において盤表示装置44aで表示される遊技情報は、図7(a)で説明した遊技を演出する画像であるので、説明は繰返さない。また、(1)〜(3)の例において前側部表示装置44bで表示される遊技情報は、図7(b)で説明した遊技情報であるので、説明は繰返さない。
【0141】
(4) 前側部表示装置44bにおいて、払出球数が表示される。具体的には、パチンコ遊技機1a,1bを起動させてから現在までに、そのパチンコ遊技機1a,1bから払出された遊技球の数が表示される。
【0142】
(5) 前側部表示装置44bにおいて、アタッカ開放タイミングが表示される。具体的には、特別可変入賞球装置(アタッカ)48が開放されるまでの時間をカウントダウンする態様で表示する。また、特別可変入賞球装置48が閉成されるまでの時間をカウントダウンする態様で表示するようにしてもよい。
【0143】
(6) 前側部表示装置44bにおいて、大当り回数が表示される。具体的には、パチンコ遊技機1a,1bを起動させてから現在までに、そのパチンコ遊技機1a,1bで発生した大当り遊技状態の回数が表示される。
【0144】
(7) 前側部表示装置44bにおいて、始動回数が表示される。具体的に、パチンコ遊技機1a,1bを起動させてから現在までに、そのパチンコ遊技機1a,1bで始動入賞が発生した回数が表示される。
【0145】
(8) 前側部表示装置44bにおいて、大当り間の始動回数の平均が表示される。具体的に、前回発生した大当り遊技状態から現在までの、そのパチンコ遊技機1a,1bで発生した始動入賞の発生回数が表示される。
【0146】
(9) 前側部表示装置44bにおいて、大当り間の始動回数の平均が表示される。具体的に、パチンコ遊技機1a,1bを起動させてから現在までの、そのパチンコ遊技機1a,1bで発生した大当り遊技状態間の始動入賞の発生回数の平均値が表示される。
【0147】
(10) 前側部表示装置44bにおいて、スランプグラフが表示される。具体的に、パチンコ遊技機1a,1bを起動させてから現在までの、そのパチンコ遊技機1a,1bの遊技球に対する出玉の推移を示すグラフが表示される。
【0148】
(11) 前側部表示装置44bにおいて、どのリーチで大当りしたかが表示される。具体的に、現在発生している大当り遊技状態が、複数の種類のリーチ表示態様のうち、どのリーチ表示態様を経て発生したかが表示される。
【0149】
(12) 前側部表示装置44bにおいて、リーチの出現率が表示される。具体的に、複数の種類のリーチ表示態様それぞれが発生した割合が表示される。
【0150】
図8においては、盤表示装置44aでの表示内容および前側部表示装置44bでの表示内容とが異なる表示である例を説明したが、図8で説明した盤表示装置44aの表示内容を前側部表示装置44bに表示し、図8で説明した前側部表示装置44bの表示内容を盤表示装置44aに表示するようにしてもよい。
【0151】
また、盤表示装置44aにおいて、大当り遊技状態中の遊技を演出する画像を表示するようにしたが、これに限定されず、大当り遊技状態中でないとき、たとえば、リーチ状態中の遊技を演出する画像を表示するようにしてもよい。
【0152】
次に、この第2実施の形態により得られる主な効果をまとめて説明する。
図7、および、図8に示されるように、盤表示装置44aで、所定の遊技情報、たとえば、大当り遊技状態中の遊技を演出する画像を表示し、前側部表示装置44bで、所定の遊技情報と異なる遊技情報を表示するので、1つの表示装置で、所定の遊技情報および所定の遊技情報と異なる遊技情報を表示する場合と比較して、遊技情報を表示するための領域がより広くなる。このため、遊技情報の表現性が高くなり、遊技と連携した表示により遊技性を向上させることができる。
【0153】
[第3実施の形態]
(第2種のパチンコ遊技機の概略説明)
第3の実施の形態においては、第2種のパチンコ遊技機1cにおいて、遊技機前側部材に表示装置を設け、その表示装置に特定遊技状態となった後の遊技情報を表示する場合について説明する。したがって、まず、第2種のパチンコ遊技機の概略を説明する。
【0154】
第2種のパチンコ遊技機は、通称“ハネ物”と呼ばれ、左右に翼片が備えられた特別可変入賞球装置が遊技盤中央に配置されている。この第2種のパチンコ遊技機には、第1始動口、第2始動口が設けられており、第1始動口に遊技球が始動入賞した場合には特別可変入賞球装置が1回開閉し、第2始動口に遊技球が始動入賞した場合には特別可変入賞球装置が2回開閉する。そして、特別可変入賞球装置が1回または2回開閉している間に特別可変入賞球装置内部に進入した遊技球が特別可変入賞球装置内の特定入賞領域に入賞した場合に大当りとなり、遊技者にとって有利な特定遊技状態が発生し、特別可変入賞球装置が繰返し継続して開放状態となる。特別可変入賞球装置の開放回数は18回であるが、18回目の開放の前に特別可変入賞球装置への入賞数が10個に達すると開放回数が18回に満たない場合であっても開放動作は中断される。そして、開放動作中に遊技球が特定領域に入賞していたことを条件として、再び、特別可変入賞球装置の最大18回の開放制御が開始される。このような、遊技球が特定領域に入賞していたことを条件として繰返される開放制御のサイクルは最大16回であり、16回目の開放制御の後に大当り状態(特定遊技状態)が終了される。
【0155】
なお、この第2種のパチンコ遊技機には、普通図柄を可変表示可能であって、表示結果に応じて第1始動口または第2始動口を所定期間開放させるように定められた普通図柄用可変表示装置や、大当りのラウンド回数を判定するための判定図柄を可変表示させる判定図柄表示装置がさらに設けられる場合がある。
【0156】
図9は、第2種のパチンコ遊技機の一例となるパチンコ遊技機の正面図である。図9を参照して、遊技盤面2A上には、遊技球が打ち込まれる遊技領域2Bが形成されている。遊技領域2B内には、一対の可動部材2J,2Jを有する特別可変入賞球装置2Dが設けられている。特別可変入賞球装置2Dの下方には、始動口2N,2Qが設けられている。なお、始動口2N,2Qのすべて、または少なくともいずれか1つを普通電動役物の一例となる電動チューリップで構成してもよい。
【0157】
特別可変入賞球装置2Dの上部の左右両側、また特別可変入賞球装置2Dの下方両側部分には遊技球の入賞により景品玉が払出されるように定められた一般入賞口2R〜2Uが設けられている。
【0158】
特別可変入賞球装置2Dは、大入賞口の一例となる入賞空間2Kを有している。この入賞空間2Kには、入賞空間2Kに入賞した遊技球を一時貯留するための貯留機構(磁石付回転ドラム)2Pが形成されている。そして、貯留機構2Pの軸線と一致する部分には特定入賞領域2Mが形成されている。
【0159】
遊技球が始動口2Nに始動入賞したときには、景品玉が払出されるとともに、可動部材2J,2Jが所定時間(たとえば0.5秒)開放の後閉成する。始動口2Qに遊技球が始動入賞した場合には、景品玉が払出されるとともに、可動部材2J、2Jが所定時間(たとえば1.0秒)開放の後、所定時間(たとえば0.5秒)閉成し、再度所定時間(たとえば1.0秒)開放した後閉成する。
【0160】
可動部材2J、2Jが開放することにより、上方から落下してくる遊技球は可動部材2J、2Jに受け止められて入賞空間2Kに進入する可能性が高くなる。入賞空間2Kに進入した遊技球は、一度落下して、貯留機構2Pによりリフトされて、一般入賞領域2Hまたは特定入賞領域2Mに入賞する。もし、遊技球が特定入賞領域2Mに入賞すると大当りが発生し、大当り遊技状態(特定遊技状態)となる。
【0161】
大当りが発生すると、特別可変入賞球装置2Dは以下のように動作する。可動部材2J,2Jは短い時間間隔で連続的に開閉動作を繰返す。その繰返し回数は、本実施の形態の場合には最高18回に設定されており、18回繰返された後終了する。また、その18回の繰返し動作中に特別可変入賞球装置2D内に遊技球が10個入賞した場合には、その時点で可動部材2J,2Jの開閉動作も終了するようになっている。以下、このような開閉動作を開閉サイクルと呼ぶ。もし、可動部材2J,2Jの開閉動作が終了する前に、遊技球が再度特定入賞領域2Mに入賞すると、大当り継続動作が行なわれる。
【0162】
大当り継続動作は、始動入賞に基づく最初の開放を含めて所定回数(本実施の形態の場合には16回)の範囲で行なわれ、大当り継続動作中に特定入賞領域2M内の特定入賞玉検出器への遊技球の入賞が検出されなかったときはその時点で終了する。
【0163】
このようにして最高16回の大当り継続動作が終了するか、大当り動作中または大当り継続動作中に特定入賞領域2Mに遊技球が入賞しなかった場合に大当り動作、大当り継続動作が終了し当初の状態に戻る。
【0164】
図10は、第3実施の形態のパチンコ遊技機1cにおける各種制御基盤を含む制御回路の構成の一例を示すブロック図である。図10で説明する第3実施の形態のパチンコ遊技機1cにおける制御回路の構成は、図3で説明した第1実施の形態のパチンコ遊技機1cにおける制御回路から、盤表示制御基板75aを除外したものである。また、前側部表示制御基板75は、図3で説明した前側部表示制御基板75bと同様である。したがって、図10においては、説明を繰返さない。
【0165】
図11は、第3実施の形態における前側部表示装置44での表示内容を示す図である。図11を参照して(1)〜(5)までの例について説明する。
【0166】
(1) 前側部表示装置44において、大当り遊技状態中の遊技を演出する画像が表示される。具体的には、図7(a)で説明したような大当り遊技状態中の遊技を演出する画像が表示される。
【0167】
(2) 前側部表示装置44において、ラウンド抽選が表示される。具体的には、大当り遊技状態が発生したときに、前述した大当り継続動作が行なわれる回数を抽選表示する。たとえば、前側部表示装置44において、大当り継続動作が行なわれる回数の抽選結果を「1R」、「15R」のように表示する。
【0168】
(3) 前側部表示装置44において、チャンスが表示される。具体的には、1始動か2始動かが表示される。つまり、始動口に始動入賞した後で、可動部材2J,2Jが開放する回数が1回であるか2回であるかが表示される。
【0169】
(4) 前側部表示装置44において、大当り中のアタッカ入賞個数、累計個数が表示される。具体的には、大当り継続動作中の1開閉サイクルの間に特別可変入賞球装置(アタッカ)2Dに入賞した遊技球の個数、および、大当り継続動作中に特別可変入賞球装置2Dに入賞した遊技球の累計個数が表示される。
【0170】
(5) 前側部表示装置44において、大当り中のアタッカ入賞による払出個数が表示される。具体的には、大当り継続動作中に特別可変入賞球装置2Dに入賞したことにより払出された遊技球の累計個数が表示される。
【0171】
以上のような、大当り遊技状態となった後の遊技情報の表示は、演出制御用マイクロコンピュータ75Mによって、表示制御用プログラムの実行に基づいて行なわれる。
【0172】
次に、この第3実施の形態により得られる主な効果をまとめて説明する。
図9に示されるように、ガラス扉枠4に前側部表示装置44が設けられ、遊技盤2Aに表示装置を設けないので、遊技盤2Aの設計の自由度が高くなる。しかも、ガラス扉枠4には前側部表示装置44を設け、図11に示されるように、その前側部表示装置44に大当り遊技状態(特定遊技状態)となった後の遊技情報を表示するので、遊技者は、遊技情報を知ることができ、遊技と連携した表示により遊技性を向上させることができる。
【0173】
[第4実施の形態]
第4実施の形態におけるパチンコ遊技機は、第1実施の形態で説明したパチンコ遊技機1a,1bの盤表示制御基盤44a(盤表示制御手段)および前側部表示制御基盤44b(前側部表示制御手段)を1つの基板上に設けるようしたものである。
【0174】
図12は、第4実施の形態のパチンコ遊技機1a,1bにおける各種制御基板を含む制御回路の構成の一例を示すブロック図である。図12は、第1実施の形態の図3で説明した盤表示制御基板44aの機能である盤表示制御機能および前側部表示制御基板44bの機能である前側部制御機能を、演出制御基板81に含ませるようにしたものである。すなわち、図3で説明した盤表示制御基板44a(盤表示制御手段)および前側部表示制御基板(前側部表示制御手段)が1つの演出制御基板81上に設けられる。
【0175】
図12を参照して、演出制御基板81は、図3で説明した演出制御基板80に盤表示制御機能および前側部表示制御機能を付加したものである。図12において、演出制御基板81の盤表示制御機能および前側部表示制御機能以外の機能は、図3で説明したので説明は繰返さない。演出制御基板81には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1a,1bにおける遊技演出を制御する演出制御用マイクロコンピュータ81Mが設けられる。演出制御用マイクロコンピュータ81Mは、演出制御用のプログラム等を記憶する記憶手段の一例であるROM81b、ワークメモリとして使用される記憶手段の一例であるRAM81c、制御用プログラムに従って制御動作を行なうCPU81aおよびI/Oポート部を含む演出制御用のマイクロコンピュータである。
【0176】
図柄などの画像を可変表示する盤表示装置44aの表示制御は、演出制御基板81に搭載されている盤表示制御手段である演出制御用マイクロコンピュータ81Mによって行なわれる。また、図柄などの画像を可変表示する前側部表示装置44bの表示制御は、演出制御基板81に搭載されている前側部表示制御手段である演出制御用マイクロコンピュータ81Mによって行なわれる。
【0177】
遊技制御用マイクロコンピュータ151Mでは、盤表示装置44aおよび前側部表示装置44bにおける可変表示の制御に関し、その可変表示制御を指令するために表示制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ81Mへ送信する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ81Mは、遊技制御用マイクロコンピュータ151Mから受信した表示制御コマンドに基づき、盤表示装置44aおよび前側部表示装置44bにおける可変表示を連携して制御する。
【0178】
つまり、演出制御用マイクロコンピュータ81Mでは、遊技制御用マイクロコンピュータ151Mから表示制御コマンドを受信するステップと、受信された表示制御コマンドに基づき、盤表示装置44aおよび前側部表示装置44bにおける可変表示を連携して制御するための表示制御コマンドを生成するステップと、生成された盤表示装置44aを制御するための表示制御コマンドに基づき、盤表示装置44aにおける可変表示を制御するステップと、生成された前側部表示装置44bを制御するための表示制御コマンドに基づき、前側部表示装置44bにおける可変表示を制御するステップとを含むプログラムが実行される。
【0179】
次に、この第4実施の形態により得られる主な効果をまとめて説明する。
図12に示されるように、盤表示制御基板44aおよび前側部表示制御基盤44bが、1つの演出制御基板81上に設けられることにより、盤表示制御基盤44aおよび前側部表示制御基盤44bそれぞれを別の基板に設けた場合と比較して、基板の必要数が減少し、遊技機の設計時の基板のレイアウトにおける制約を減少させることができる。しかも、盤表示制御基板44aおよび前側部表示制御基板44bを別の基板に設ける場合と比較して、盤表示制御基板44aおよび前側部表示制御基板44bの機能を実現するための基板を製作するコストを削減することができる。さらに、機種変更のときに、1つの基板を交換するだけで、盤表示制御基板44aおよび前側部表示制御基板44bの機能を変更することができるので、機種変更の作業性が向上する。
【0180】
次に、本発明の変形例や特徴点等を以下に列挙する。
(1) 前側部制御基板75b,75は、遊技盤40,3A,2Aに設けられるようにしたが、これに限定されず、ガラス扉枠4など、遊技盤40,3A,2Aとは異なる箇所に設けられるようにしてもよい。このようにすることで、遊技盤40,3A,2Aを交換する場合であっても、前側部制御基板75b,75を交換しなくてもよくなり、遊技盤40,3A,2A交換におけるコストを削減することができる。
【0181】
(2) 盤表示制御基板75a、および、前側部表示制御基板75bは、1つの基板上に設けられるようにしたが、これに限定されず、異なる基板上に設けられるようにしてもよい。このようにすることで、盤表示制御基板75a、および、前側部表示制御基板75bを別々に交換することができ、基板交換におけるコストを削減することができる。
【0182】
(3) 本発明は、第1種〜第3種のパチンコ遊技機を組合わせてなるパチンコ遊技機にも適用可能である。たとえば、第1種のパチンコ遊技機と第3種のパチンコ遊技機とを組合わせてなるパチンコ遊技機において、盤表示装置と前側部表示装置とを備え、盤表示装置において、第1種のパチンコ遊技機および第3種のパチンコ遊技機の図柄の可変表示を行ない、前側部表示装置において、大当り遊技状態中の遊技を演出するための画像を表示するようにしてもよい。また、第1種のパチンコ遊技機と第2種のパチンコ遊技機とを組合わせてなるパチンコ遊技機において、盤表示装置と前側部表示装置とを備え、盤表示装置において、第1種のパチンコ遊技機の図柄の可変表示を行ない、前側部表示装置において、大当り遊技状態中の遊技を演出するための画像を表示するようにしてもよい。また、第1種のパチンコ遊技機と第2種のパチンコ遊技機とを組合わせてなるパチンコ遊技機において、前側部表示装置を備え、前側部表示装置において、第1種のパチンコ遊技機の図柄の可変表示、および、大当り遊技状態中の遊技を演出するための画像を表示するようにしてもよい。これにより、遊技と連携した表示により遊技性をさらに向上させることができる。
【0183】
(4) また、前側部表示装置44において、図柄の可変表示を行ない、特定の図柄の組合せが導出表示された場合に、所定回数の大当り継続動作が行なわれるようにしてもよい。たとえば、抽選により1Rの大当り継続動作が行なわれる場合は、前側部表示装置44における可変表示の表示結果を図柄の組合せを333とし、抽選により15Rの大当り継続動作が行なわれる場合は、前側部表示装置44における可変表示の表示結果を図柄の組合せを777とする。
【0184】
(5) 第3実施の形態において説明した第2種のパチンコ遊技機1cは、所定の入賞口への入賞等を条件として所定の抽選を行ない、その抽選に当選した場合に、センター役物(特別可変入賞球装置)の内部構造を変化させるようにしてもよい。その場合には、前側部表示装置44に、センター役物の内部構造の変化の抽選が表示されるようにする。具体的には、特別可変入賞球装置(センター役物)の内部構造が変化可能な第2種のパチンコ遊技機において、遊技制御用マイクロコンピュータにより、特別可変入賞球装置の内部構造を変化させるか否かが抽選され、前側部表示装置44において、その抽選結果が表示されるようにする。これにより、特別可変入賞球装置の内部構造を変化させるか否かを遊技者に報知することができる。
【0185】
(6) 今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】遊技機の一例となるパチンコ遊技機の正面図である。
【図2】第3種のパチンコ遊技機の一例となるパチンコ遊技機の正面図である。
【図3】第1実施の形態のパチンコ遊技機における各種制御基板を含む制御回路の構成の一例を示すブロック図である。
【図4】第1実施の形態における可変表示における表示画面の一例を示す第1の図である。
【図5】第1実施の形態における可変表示における表示画面の一例を示す第2の図である。
【図6】第1実施の形態における盤表示装置での表示内容および前側部表示装置での表示内容とが連携して進行する態様で遊技を演出する表示をする例を示す図である。
【図7】第2実施の形態における大当り遊技状態中の表示画面の一例を示す図である。
【図8】第2実施の形態における盤表示装置での表示内容および前側部表示装置での表示内容とが異なる表示である例を示す図である。
【図9】第2種のパチンコ遊技機の一例となるパチンコ遊技機の正面図である。
【図10】第3実施の形態のパチンコ遊技機における各種制御基盤を含む制御回路の構成の一例を示すブロック図である。
【図11】第3実施の形態における前側部表示装置での表示内容を示す図である。
【図12】第4実施の形態のパチンコ遊技機における各種制御基板を含む制御回路の構成の一例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1a 第1種のパチンコ遊技機、1b 第3種のパチンコ遊技機、1c 第2種のパチンコ遊技機、4 ガラス扉枠、44a 盤表示装置、44,44b 前側部表示装置、75a 盤表示制御基板、75,75b 前側部表示制御基板、40,3A,2A 遊技盤。
Claims (6)
- 可変表示を行なった後表示結果を導出可能な可変表示装置を有し、前記表示結果が予め定められた特定の表示態様となったことを条件として、遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御される遊技機であって、
前記可変表示装置は、遊技盤に設けられる盤表示装置と、前記遊技機の前側部分を構成する遊技機前側部材に設けられる前側部表示装置とを含み、
前記盤表示装置を制御する盤表示制御手段と、
前記前側部表示装置を制御する前側部表示制御手段とを含み、
前記盤表示制御手段および前記前側部表示制御手段は、前記盤表示装置での表示内容と前記前側部表示装置での表示内容とが連携して進行する態様で遊技を演出する表示をする制御を行なうことを特徴とする、遊技機。 - 前記盤表示制御手段は、前記前側部表示制御手段が前記前側部表示装置に遊技を演出する表示をする制御をするときは、事前に、前記前側部表示装置における遊技を演出する表示の開始時期を報知する表示を前記盤表示装置において行なう制御をすることを特徴とする、請求項1に記載の遊技機。
- 可変表示を行なった後表示結果を導出可能な可変表示装置を有し、前記表示結果が予め定められた特定の表示態様となったことを条件として、遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御される遊技機であって、
前記可変表示装置は、遊技盤に設けられる盤表示装置と、前記遊技機の前側部分を構成する遊技機前側部材に設けられる前側部表示装置とを含み、
前記盤表示装置を制御する盤表示制御手段と、
前記前側部表示装置を制御する前側部表示制御手段とを含み、
前記盤表示制御手段は、第1の遊技情報を前記盤表示装置に表示する制御をし、
前記前側部表示制御手段は、前記第1の遊技情報と異なる第2の遊技情報を前記前側部表示装置に表示する制御をすることを特徴とする、遊技機。 - 遊技盤に形成された遊技領域に設けられた始動領域へ遊技球が進入したときに遊技者にとって不利な第2の状態から遊技者にとって有利な第1の状態となる始動時動作を行なう可変入賞球装置を有し、該可変入賞球装置内に設けられた特定入賞領域へ遊技球が入賞したときに前記始動時動作よりもさらに遊技者にとって有利な特定の態様で可変入賞球装置を第1の状態とする特定遊技状態に制御される遊技機であって、
前記遊技機の前面部分を構成する遊技機前側部材に設けられる前側部表示装置と、
前記特定遊技状態となった後の遊技情報を前記前側部表示装置に表示する制御をする前側部表示制御手段とを含むことを特徴とする、遊技機。 - 前記前側部表示制御手段は、遊技盤に設けられることを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載の遊技機。
- 前記盤表示制御手段および前記前側部表示制御手段は、1つの基板上に設けられることを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の遊技機。
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