JP2004242371A - 前後輪駆動装置 - Google Patents

前後輪駆動装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2004242371A
JP2004242371A JP2003025827A JP2003025827A JP2004242371A JP 2004242371 A JP2004242371 A JP 2004242371A JP 2003025827 A JP2003025827 A JP 2003025827A JP 2003025827 A JP2003025827 A JP 2003025827A JP 2004242371 A JP2004242371 A JP 2004242371A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
voltage
signal
motor
inverter
boost converter
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2003025827A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3897708B2 (ja
Inventor
Takashi Torii
孝史 鳥井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2003025827A priority Critical patent/JP3897708B2/ja
Publication of JP2004242371A publication Critical patent/JP2004242371A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3897708B2 publication Critical patent/JP3897708B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
    • Y02T10/62Hybrid vehicles
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
    • Y02T10/64Electric machine technologies in electromobility
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
    • Y02T10/72Electric energy management in electromobility

Landscapes

  • Arrangement Of Transmissions (AREA)
  • Arrangement And Driving Of Transmission Devices (AREA)
  • Hybrid Electric Vehicles (AREA)
  • Arrangement Or Mounting Of Propulsion Units For Vehicles (AREA)
  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)
  • Dc-Dc Converters (AREA)
  • Inverter Devices (AREA)

Abstract

【課題】4WD走行が可能な車両に適した昇圧システムを含む前後輪駆動装置を提供する。
【解決手段】制御装置30は、信号PWMU1,PWMI1,PWMU2,PWMI2を生成し、その生成した信号PWMU1,PWMI1をそれぞれ昇圧コンバータ12およびインバータ14へ出力し、生成したPWMU2,PWMI2をそれぞれ昇圧コンバータ22およびインバータ24へ出力する。信号PWMU2は、信号PWMU1の位相を反転した位相を有する。昇圧コンバータ12,22はそれぞれ信号PWMU1,PWMU2によってバッテリBからの直流電圧を昇圧して出力電圧Vm1,Vm2をインバータ14,24に供給する。インバータ14,24は、それぞれ、信号PWMI1,PWMI2によって直流電圧を交流電圧に変換してフロントモータ60およびリアモータ70を駆動する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、4輪駆動車に適した前後輪駆動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近、環境に配慮した自動車としてハイブリッド自動車(Hybrid Vehicle)および電気自動車(Electric Vehicle)が大きな注目を集めている。そして、ハイブリッド自動車は、一部、実用化されている。
【0003】
このハイブリッド自動車は、従来のエンジンに加え、直流電源とインバータとインバータによって駆動されるモータとを動力源とする自動車である。つまり、エンジンを駆動することにより動力源を得るとともに、直流電源からの直流電圧をインバータによって交流電圧に変換し、その変換した交流電圧によりモータを回転することによって動力源を得るものである。また、電気自動車は、直流電源とインバータとインバータによって駆動されるモータとを動力源とする自動車である。
【0004】
このようなハイブリッド自動車または電気自動車においては、直流電源からの直流電圧を昇圧コンバータによって昇圧し、その昇圧した直流電圧がモータを駆動するインバータに供給されることも提案されている。
【0005】
すなわち、ハイブリッド自動車または電気自動車は、図8に示すモータ駆動装置を搭載している。図8を参照して、モータ駆動装置300は、バッテリBと、システムリレーSR1,SR2と、コンデンサC1と、双方向コンバータ310と、電圧センサー320と、インバータ330とを備える。
【0006】
バッテリBは、直流電圧を出力する。システムリレーSR1,SR2は、制御装置(図示せず)によってオンされると、バッテリBからの直流電圧を双方向コンバータ310に供給する。
【0007】
双方向コンバータ310は、リアクトル311と、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)312,313と、ダイオード314,315とを含む。リアクトル311の一方端はバッテリBの電源ラインに接続され、他方端はIGBT312とIGBT313との中間点、すなわち、IGBT312のエミッタとIGBT313のコレクタとの間に接続される。IGBT312,313は、電源ラインとアースラインとの間に直列に接続される。そして、IGBT312のコレクタは電源ラインに接続され、IGBT313のエミッタはアースラインに接続される。また、各IGBT312,313のコレクタ−エミッタ間には、エミッタ側からコレクタ側へ電流を流すダイオード314,315が配置されている。
【0008】
双方向コンバータ310は、制御装置(図示せず)によってIGBT312,313がオン/オフされ、バッテリBから供給された直流電圧を昇圧して出力電圧をコンデンサC1に供給する。また、双方向コンバータ310は、モータ駆動装置300が搭載されたハイブリッド自動車または電気自動車の回生制動時、交流モータM1によって発電され、インバータ330によって変換された直流電圧を降圧してバッテリBに供給する。
【0009】
コンデンサC1は、双方向コンバータ310から供給された直流電圧を平滑化し、その平滑化した直流電圧をインバータ330へ供給する。電圧センサー320は、コンデンサC1の両側の電圧、すなわち、双方向コンバータ310の出力電圧Vmを検出する。
【0010】
インバータ330は、コンデンサC1から直流電圧が供給されると制御装置(図示せず)からの制御に基づいて直流電圧を交流電圧に変換して交流モータM1を駆動する。これにより、交流モータM1は、トルク指令値によって指定されたトルクを発生するように駆動される。また、インバータ330は、モータ駆動装置300が搭載されたハイブリッド自動車または電気自動車の回生制動時、交流モータM1が発電した交流電圧を制御装置からの制御に基づいて直流電圧に変換し、その変換した直流電圧をコンデンサC1を介して双方向コンバータ310へ供給する。
【0011】
また、特開2002−136169号公報には、直流電源と、駆動用モータと発電用モータとから成る複合モータを駆動する複数のインバータと、直流電源からの直流電圧を昇圧し、その昇圧した直流電圧を対応するインバータに供給する複数の昇圧回路とを含むモータ駆動回路が開示されている。
【0012】
このモータ駆動回路においては、複数の昇圧回路は、直流電源から直流電圧を受ける。つまり、複数の昇圧回路は、直流電源を共用する。
【0013】
このように、特開2002−136169号公報に開示されたモータ駆動回路においては、複合モータを駆動する複数のインバータに対応して複数の昇圧回路が設けられる。そして、複数の昇圧回路は、1つの直流電源から直流電圧を受け、その受けた直流電圧を昇圧して対応するインバータへ供給する。
【0014】
【特許文献1】
特開2002−136169号公報
【0015】
【特許文献2】
特開2001−275367号公報
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特開2002−136169号公報には、4WD走行が可能な車両にとって最適な昇圧システムが提案されていない。
【0017】
それゆえに、この発明の目的は、4WD走行が可能な車両に適した昇圧システムを含む前後輪駆動装置を提供することである。
【0018】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
この発明によれば、前後輪駆動装置は、第1および第2のインバータと、バッテリと、第1および第2の昇圧回路とを備える。第1のインバータは、前輪駆動用モータユニットに電力を供給する。第2のインバータは、後輪駆動用モータユニットに電力を供給する。バッテリは、第1および第2のインバータに電力を供給する。第1の昇圧回路は、バッテリからの直流電圧を昇圧し、その昇圧した直流電圧を第1のインバータに供給する。第2の昇圧回路は、バッテリからの直流電圧を昇圧し、その昇圧した直流電圧を第2のインバータに供給する。そして、第1の昇圧回路は、第1のリアクトルを含む。また、第2の昇圧回路は、第1のリアクトルと異なる第2のリアクトルを含む。
【0019】
好ましくは、前後輪駆動装置は、制御手段をさらに備える。制御手段は、第1の制御信号に基づいて第1の昇圧回路を駆動するように制御し、第1の制御信号の位相と異なる位相を有する第2の制御信号に基づいて第2の昇圧回路を駆動するように制御する。
【0020】
好ましくは、第2の制御信号は、第1の制御信号を反転した信号である。
好ましくは、前輪駆動用モータユニットは、内燃機関からの回転力により発電し、または内燃機関を駆動する。
【0021】
この発明による前後輪駆動装置においては、第1の昇圧回路は、第2の昇圧回路の駆動タイミングと異なる駆動タイミングで駆動される。そして、第1の昇圧回路は、バッテリからの直流電圧を独自のリアクトルを用いて昇圧して第1のインバータへ供給し、第2の昇圧回路は、バッテリからの直流電圧を独自のリアクトルを用いて昇圧して第2のインバータへ供給する。第1のインバータは、前輪駆動用モータユニットを駆動し、第2のインバータは、後輪駆動用モータユニットを駆動する。
【0022】
したがって、バッテリから第1および第2の昇圧回路へ供給される直流電流のピーク電流を低減できる。
【0023】
また、第1および第2のリアクトルの各々における直流電流を低減できるので、第1および第2のリアクトルにおけるリプル電流を抑制できる。その結果、第1および第2のリアクトルにおいて発生する騒音を低減できる。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0025】
図1を参照して、この発明の実施の形態による前後輪駆動装置100は、バッテリBと、電圧センサー10,13,23と、昇圧コンバータ12,22と、コンデンサC1,C2と、インバータ14,24と、電流センサー18,28と、制御装置30と、フロントモータ60と、リアモータ70とを備える。
【0026】
フロントモータ60は、ハイブリッド自動車の駆動輪(前輪)を駆動するためのトルクを発生するための駆動モータである。また、フロントモータ60は、エンジンにて駆動される発電機の機能を持つように、そして、エンジンに対して電動機として動作し、たとえば、エンジン始動を行ない得るようなモータである。
【0027】
リアモータ70は、前後輪駆動装置100が搭載されたハイブリッド自動車の後輪を駆動する駆動モータ、および後輪の回転力によって発電する発電機として機能する。
【0028】
なお、フロントモータ60およびリアモータ70は、3相の永久磁石モータであり、U,V,W相の3つのコイルの一端が中点に共通接続されて構成される。
【0029】
昇圧コンバータ12は、リアクトルL1と、IGBTQ1,Q2と、ダイオードD1,D2とを含む。リアクトルL1は、その一方端がバッテリBの電源ラインに接続され、他方端がIGBTQ1とIGBTQ2との中間点、すなわち、IGBTQ1のエミッタとIGBTQ2のコレクタとの間に接続される。
【0030】
IGBTQ1,Q2は、インバータ14の電源ラインとアースラインとの間に直列に接続される。IGBTQ1は、コレクタが電源ラインに接続され、エミッタがIGBTQ2のコレクタに接続される。IGBTQ2のエミッタは、アースラインに接続される。
【0031】
また、IGBTQ1,Q2のエミッタ−コレクタ間には、エミッタ側からコレクタ側へ電流が流れるように、それぞれ、ダイオードD1,D2が接続されている。
【0032】
インバータ14は、U相アーム15、V相アーム16およびW相アーム17を含む。U相アーム15、V相アーム16およびW相アーム17は、電源ラインとアースラインとの間に並列に設けられる。
【0033】
U相アーム15は、直列に接続されたIGBTQ3,Q4から成り、V相アーム16は、直列に接続されたIGBTQ5,Q6から成り、W相アーム17は、直列に接続されたIGBTQ7,Q8から成る。また、各IGBTQ3〜Q8のコレクタ−エミッタ間には、エミッタ側からコレクタ側へ電流を流すダイオードD3〜D8がそれぞれ接続されている。
【0034】
インバータ14の各相アームの中間点は、フロントモータ60の各相コイルの各相端に接続されている。すなわち、フロントモータ60は、3相の永久磁石モータであり、U相コイルの他端がIGBTQ3,Q4の中間点に、V相コイルの他端がIGBTQ5,Q6の中間点に、W相コイルの他端がIGBTQ7,Q8の中間点にそれぞれ接続されている。
【0035】
昇圧コンバータ22は、リアクトルL2と、IGBTQ9,Q10と、ダイオードD9,D10とを含む。
【0036】
リアクトルL2は、その一方端がバッテリBの電源ラインに接続され、他方端がIGBTQ9とIGBTQ10との中間点、すなわち、IGBTQ9のエミッタとIGBTQ10のコレクタとの間に接続される。
【0037】
IGBTQ9,Q10は、インバータ24の電源ラインとアースラインとの間に直列に接続される。IGBTQ9は、コレクタが電源ラインに接続され、エミッタがIGBTQ10のコレクタに接続される。IGBTQ10のエミッタは、アースラインに接続される。
【0038】
また、IGBTQ9,Q10のエミッタ−コレクタ間には、エミッタ側からコレクタ側へ電流が流れるように、それぞれ、ダイオードD9,D10が接続されている。
【0039】
インバータ24は、U相アーム25、V相アーム26およびW相アーム27を含む。U相アーム25、V相アーム26およびW相アーム27は、電源ラインとアースラインとの間に並列に設けられる。
【0040】
U相アーム25は、直列に接続されたIGBTQ11,Q12から成り、V相アーム26は、直列に接続されたIGBTQ13,Q14から成り、W相アーム27は、直列に接続されたIGBTQ15,Q16から成る。また、IGBTQ11〜Q16のコレクタ−エミッタ間には、エミッタ側からコレクタ側へ電流を流すダイオードD11〜D16がそれぞれ接続されている。
【0041】
インバータ24の各相アームの中間点は、リアモータ70の各相コイルの各相端に接続されている。すなわち、リアモータ70は、3相の永久磁石モータであり、U相コイルの他端がIGBTQ11,Q12の中間点に、V相コイルの他端がIGBTQ13,Q14の中間点に、W相コイルの他端がIGBTQ15,Q16の中間点にそれぞれ接続されている。
【0042】
バッテリBは、ニッケル水素またはリチウムイオン等の二次電池から成る。電圧センサー10は、バッテリBのバッテリ電圧Vbを検出し、その検出したバッテリ電圧Vbを制御装置30へ出力する。
【0043】
昇圧コンバータ12および昇圧コンバータ22は、バッテリBに並列に接続される。そして、昇圧コンバータ12は、バッテリBからのバッテリ電圧Vbを制御装置30からの信号PWMU1によって昇圧し、その昇圧した直流電圧をコンデンサC1を介してインバータ14に供給する。
【0044】
また、昇圧コンバータ12は、前後輪駆動装置100が搭載されたハイブリッド自動車の回生制動時、フロントモータ60によって発電され、かつ、インバータ14によって変換された直流電圧をコンデンサC1を介して受け、その受けた直流電圧を制御装置30からの信号PWMD1に応じて降圧してバッテリBを充電する。
【0045】
コンデンサC1は、昇圧コンバータ12から出力された直流電圧を平滑化し、その平滑化した直流電圧をインバータ14へ供給する。電圧センサー13は、コンデンサC1の両端の電圧Vm1を検出し、その検出した電圧Vm1を制御装置30へ出力する。
【0046】
インバータ14は、コンデンサC1から供給された直流電圧を制御装置30からの信号PWMI1に応じて交流電圧に変換し、その変換した交流電圧によりフロントモータ60を駆動する。また、インバータ14は、前後輪駆動装置100が搭載されたハイブリッド自動車の回生制動時、フロントモータ60が発電した交流電圧を制御装置30からの信号PWMC1によって直流電圧に変換し、その変換した直流電圧をコンデンサC1を介して昇圧コンバータ12に供給する。
【0047】
電流センサー18は、フロントモータ60に流れるモータ電流MCRT1を検出し、その検出したモータ電流MCRT1を制御装置30へ出力する。
【0048】
昇圧コンバータ22は、バッテリBからのバッテリ電圧Vbを制御装置30からの信号PWMU2に応じて昇圧し、その昇圧した直流電圧をインバータ24へ供給する。また、昇圧コンバータ22は、前後輪駆動装置100の回生制動時、リアモータ70によって発電され、かつ、インバータ24によって変換された直流電圧をコンデンサC2を介して受け、その受けた直流電圧を制御装置30からの信号PWMD2に応じて降圧してバッテリBを充電する。
【0049】
コンデンサC2は、昇圧コンバータ22から出力された直流電圧を平滑化し、その平滑化した直流電圧をインバータ24に供給する。電圧センサー23は、コンデンサC2の両端の電圧Vm2を検出し、その検出した電圧Vm2を制御装置30へ出力する。
【0050】
インバータ24は、コンデンサC2から供給された直流電圧を制御装置30からの信号PWMI2に応じて交流電圧に変換し、その変換した交流電圧によってリアモータ70を駆動する。また、インバータ24は、前後輪駆動装置100が搭載されたハイブリッド自動車の回生制動時、リアモータ70が発電した交流電圧を制御装置30からの信号PWMC2に応じて直流電圧に変換し、その変換した直流電圧をコンデンサC2を介して昇圧コンバータ22に供給する。
【0051】
電流センサー28は、リアモータ70のモータ電流MCRT2を検出し、その検出したモータ電流MCRT2を制御装置30へ出力する。
【0052】
制御装置30は、外部に設けられたECU(Electrical Control Unit)からトルク指令値TR1,TR2およびモータ回転数MRN1,MRN2を受ける。また、制御装置30は、電圧センサー10からバッテリ電圧Vbを受け、電圧センサー13から電圧Vm1を受け、電圧センサー23から電圧Vm2を受け、電流センサー18からモータ電流MCRT1を受け、電流センサー28からモータ電流MCRT2を受ける。
【0053】
そして、制御装置30は、バッテリ電圧Vb、トルク指令値TR1、モータ電流MCRT1、モータ回転数MRN1および電圧Vm1に基づいて、フロントモータ60がトルク指令値TR1によって指定されたトルクを出力するときに昇圧コンバータ12を駆動するための信号PWMU1を生成し、その生成した信号PWMU1を昇圧コンバータ12のIGBTQ1,Q2へ出力する。
【0054】
また、制御装置30は、バッテリ電圧Vb、トルク指令値TR2、モータ電流MCRT2、モータ回転数MRN2および電圧Vm2に基づいて、リアモータ70がトルク指令値TR2によって指定されたトルクを出力するときに昇圧コンバータ22を駆動するための信号PWMU2を生成し、その生成した信号PWMU2を昇圧コンバータ22のIGBTQ9,Q10へ出力する。
【0055】
信号PWMU1は、バッテリBからのバッテリ電圧Vbを電圧Vm1に変換する場合に昇圧コンバータ12を駆動するための信号である。そして、制御装置30は、昇圧コンバータ12がバッテリ電圧Vbを電圧Vm1に変換する場合に、電圧Vm1をフィードバック制御し、電圧Vm1が指令された電圧指令Vdc_com1になるように昇圧コンバータ12を駆動するための信号PWMU1を生成する。
【0056】
また、信号PWMU2は、バッテリBからのバッテリ電圧Vbを電圧Vm2に変換する場合に昇圧コンバータ22を駆動するための信号である。そして、制御装置30は、昇圧コンバータ22がバッテリ電圧Vbを電圧Vm2に変換する場合に、電圧Vm2をフィードバック制御し、電圧Vm2が指令された電圧指令Vdc_com2になるように昇圧コンバータ22を駆動するための信号PWMU2を生成する。
【0057】
そして、信号PWMU2は、信号PWMU1の位相を反転した位相を有する。信号PWMU1,PWMU2の生成方法については後述する。
【0058】
さらに、制御装置30は、前後輪駆動装置100が搭載されたハイブリッド自動車の回生制動時、信号PWMD1,PWMD2を生成し、その生成した信号PWMD1,PWMD2をそれぞれ昇圧コンバータ12,22へ出力する。
【0059】
さらに、制御装置30は、外部ECUからのトルク指令値TR1およびモータ回転数MRN1と、電圧センサー13からの電圧Vm1と、電流センサー18からのモータ電流MCRT1とに基づいて、インバータ14を駆動するための信号PWMI1を生成し、その生成した信号PWMI1をインバータ14のIGBTQ3〜Q8へ出力する。なお、信号PWMI1は、フロントモータ60を駆動するための信号であるため信号PWMU1に同期して生成される。
【0060】
さらに、制御装置30は、外部ECUからのトルク指令値TR2およびモータ回転数MRN2と、電圧センサー23からの電圧Vm2と、電流センサー28からのモータ電流MCRT2とに基づいて、インバータ24を駆動するための信号PWMI2を生成し、その生成した信号PWMI2をインバータ24のIGBTQ11〜Q16へ出力する。なお、信号PWMI2は、リアモータ70を駆動するための信号であるため信号PWMU2に同期して生成される。
【0061】
さらに、制御装置30は、前後輪駆動装置100が搭載されたハイブリッド自動車の回生制動時、外部ECUからの信号RGEに応じて信号PWMC1,PWMC2を生成し、その生成した信号PWMC1,PWMC2をそれぞれインバータ14,24へ出力する。
【0062】
図2は、図1に示す制御装置30の機能ブロック図を示す。図2を参照して、制御装置30は、モータトルク制御手段301と、電圧変換制御手段302とを含む。
【0063】
モータトルク制御手段301は、外部ECUからトルク指令値TR1,TR2およびモータ回転数MRN1,MRN2を受け、電圧センサー10からバッテリ電圧Vbを受け、電圧センサー13から電圧Vm1を受け、電圧センサー23から電圧Vm2を受け、電流センサー18からモータ電流MCRT1を受け、電流センサー28からモータ電流MCRT2を受ける。
【0064】
そして、モータトルク制御手段301は、トルク指令値TR1、モータ回転数MRN1、バッテリ電圧Vbおよび電圧Vm1(昇圧コンバータ12の出力電圧およびインバータ14の入力電圧に相当する。以下、同じ。)に基づいて信号PWMU1を生成し、その生成した信号PWMU1を昇圧コンバータ12のIGBTQ1,Q2へ出力する。
【0065】
また、モータトルク制御手段301は、トルク指令値TR2、モータ回転数MRN2、バッテリ電圧Vbおよび電圧Vm2(昇圧コンバータ22の出力電圧およびインバータ24の入力電圧に相当する。以下、同じ。)に基づいて信号PWMU2を生成し、その生成した信号PWMU2を昇圧コンバータ22のIGBTQ9,Q10へ出力する。
【0066】
さらに、モータトルク制御手段301は、トルク指令値TR1、モータ回転数MRN1および電圧Vm1に基づいて信号PWMI1を生成し、その生成した信号PWMI1をインバータ14のIGBTQ3〜Q8へ出力する。
【0067】
さらに、モータトルク制御手段301は、トルク指令値TR2、モータ回転数MRN2および電圧Vm2に基づいて信号PWMI2を生成し、その生成した信号PWMI2をインバータ24のIGBTQ11〜Q16へ出力する。
【0068】
電圧変換制御手段302は、前後輪駆動装置100が搭載されたハイブリッド自動車の回生制動時、外部ECUから信号RGEを受け、その受けた信号RGEに応じて信号PWMC1,PWMC2を生成する。そして、電圧変換制御手段302は、生成した信号PWMC1,PWMC2をそれぞれインバータ14,24へ出力する。
【0069】
また、電圧変換制御手段302は、前後輪駆動装置100が搭載されたハイブリッド自動車の回生制動時、外部ECUからの信号RGEに応じて信号PWMD1,PWMD2を生成し、その生成した信号PWMD1,PWMD2をそれぞれ昇圧コンバータ12,22へ出力する。
【0070】
図3は、図2に示すモータトルク制御手段301の機能ブロック図を示す。図3を参照して、モータトルク制御手段301は、モータ制御用相電圧演算部40と、インバータ用PWM信号変換部42と、インバータ入力電圧指令演算部50と、コンバータ用デューティー比演算部52と、コンバータ用PWM信号変換部54とを含む。
【0071】
モータ制御用相電圧演算部40は、昇圧コンバータ12の出力電圧Vm1、すなわち、インバータ14への入力電圧を電圧センサー13から受け、フロントモータ60の各相に流れるモータ電流MCRT1を電流センサー18から受け、トルク指令値TR1を外部ECUから受ける。そして、モータ制御用相電圧演算部40は、これらの入力される信号に基づいて、フロントモータ60の各相のコイルに印加する電圧を計算し、その計算した結果RET1をインバータ用PWM信号変換部42へ供給する。
【0072】
また、モータ制御用相電圧演算部40は、昇圧コンバータ22の出力電圧Vm2、すなわち、インバータ24への入力電圧を電圧センサー23から受け、リアモータ70の各相に流れるモータ電流MCRT2を電流センサー28から受け、トルク指令値TR2を外部ECUから受ける。そして、モータ制御用相電圧演算部40は、これらの入力される信号に基づいて、リアモータ70の各相のコイルに印加する電圧を計算し、その計算した結果RET2をインバータ用PWM信号変換部42へ供給する。
【0073】
インバータ用PWM信号変換部42は、モータ制御用相電圧演算部40から受けた計算結果RET1に基づいて、実際にインバータ14の各IGBTQ3〜Q8をオン/オフする信号PWMI1を生成し、その生成した信号PWMI1をインバータ14の各IGBTQ3〜Q8へ出力する。
【0074】
これにより、各IGBTQ3〜Q8は、スイッチング制御され、フロントモータ60が指令されたトルクを出力するようにフロントモータ60の各相に流す電流を制御する。このようにして、モータ駆動電流が制御され、トルク指令値TR1に応じたモータトルクが出力される。
【0075】
また、インバータ用PWM信号変換部42は、モータ制御用相電圧演算部40から受けた計算結果RET2に基づいて、実際にインバータ24の各IGBTQ11〜Q16をオン/オフする信号PWMI2を生成し、その生成した信号PWMI2をインバータ24の各IGBTQ11〜Q16へ出力する。
【0076】
これにより、各IGBTQ11〜Q16は、スイッチング制御され、リアモータ70が指定されたトルクを出力するようにリアモータ70の各相に流す電流を制御する。このようにして、モータ駆動電流が制御され、トルク指令値TR2に応じたモータトルクが出力される。
【0077】
一方、インバータ入力電圧指令演算部50は、トルク指令値TR1およびモータ回転数MRN1に基づいてインバータ入力電圧Vm1の最適値(目標値)、すなわち、電圧指令Vdc_com1を演算し、その演算した電圧指令Vdc_com1をコンバータ用デューティー比演算部52へ出力する。
【0078】
また、インバータ入力電圧指令演算部50は、トルク指令値TR2およびモータ回転数MRN2に基づいてインバータ入力電圧Vm2の最適値(目標値)、すなわち、電圧指令Vdc_com2を演算し、その演算した電圧指令Vdc_com2をコンバータ用デューティー比演算部52へ出力する。
【0079】
コンバータ用デューティー比演算部52は、電圧センサー10からのバッテリ電圧Vbに基づいて、電圧センサー13からの出力電圧Vm1をインバータ入力電圧指令演算部50からの電圧指令Vdc_com1に設定するためのデューティー比を演算し、その演算したデューティー比をコンバータ用PWM信号変換部54へ出力する。
【0080】
また、コンバータ用デューティー比演算部52は、電圧センサー10からのバッテリ電圧Vbに基づいて、電圧センサー23からの出力電圧Vm2をインバータ入力電圧指令演算部50からの電圧指令Vdc_com2に設定するためのデューティー比を演算し、その演算したデューティー比をコンバータ用PWM信号変換部54へ出力する。
【0081】
コンバータ用PWM信号変換部54は、コンバータ用デューティー比演算部52からのデューティー比に基づいて昇圧コンバータ12のIGBTQ1,Q2をオン/オフするための信号PWMU1を生成する。
【0082】
また、コンバータ用PWM信号変換部54は、コンバータ用デューティー比演算部52からのデューティー比に基づいて昇圧コンバータ22のIGBTQ9,Q10をオン/オフするための信号PWMU2を生成する。そして、コンバータ用PWM信号変換部54は、生成した信号PWMU1を昇圧コンバータ12のIGBTQ1,Q2へ出力し、生成した信号PWMU2を昇圧コンバータ22のIGBTQ9,Q10へ出力する。
【0083】
なお、昇圧コンバータ12(または昇圧コンバータ22)の下側のIGBTQ2(またはIGBTQ10)のオンデューティーを大きくすることによりリアクトルL1(またはリアクトルL2)における電力蓄積が大きくなるため、より高電圧の出力を得ることができる。一方、上側のIGBTQ1(またはIGBTQ9)のオンデューティーを大きくすることにより電源ラインの電圧が下がる。そこで、IGBTQ1,Q2(またはIGBTQ9,Q10)のデューティー比を制御することで、電源ラインの電圧をバッテリBの出力電圧以上の任意の電圧に制御可能である。
【0084】
この発明においては、コンバータ用PWM信号変換部54は、信号PWMU2の位相が信号PWMU1の位相を反転した信号になるように信号PWMU1,PWMU2を生成する。
【0085】
図4は、モータトルク制御手段301によって生成される信号PWMU1,PWMU2および信号PWMI1,PWMI2のタイミングチャートを示す。図4を参照して、信号PWMU1は、信号PWMU01と信号PWMU02とから成り、信号PWMU2は、信号PWMU03と信号PWMU04とから成る。
【0086】
信号PWMU1は、バッテリ電圧Vbを電圧Vm1に昇圧する際に昇圧コンバータ12を駆動するための信号である。昇圧コンバータ12がバッテリ電圧Vbを電圧Vm1に昇圧するとき、IGBTQ1はオフされ、IGBTQ2は所定のデューティー比でオン/オフされる。したがって、信号PWMU1は、IGBTQ1をオフするための信号PWMU01と、IGBTQ2をオン/オフするための信号PWMU02とから成る。
【0087】
また、同じ理由により信号PWMU2は、IGBTQ9をオフするための信号PWMU03と、IGBTQ10をオン/オフするための信号PWMU04とから成る。
【0088】
そして、信号PWMU04は、信号PWMU02の位相を反転した位相を有する。したがって、昇圧コンバータ12のIGBTQ2がオンされてバッテリB、リアクトルL1およびIGBTQ2から成る回路に直流電流が流れるとき、バッテリB、リアクトルL2およびIGBTQ10から成る回路に直流電流は流れない。
【0089】
一方、昇圧コンバータ22のIGBTQ10がオンされてバッテリB、リアクトルL2およびIGBTQ10から成る回路に直流電流が流れるとき、バッテリB、リアクトルL1およびIGBTQ2から成る回路に直流電流が流れない。
【0090】
つまり、昇圧コンバータ12は、昇圧コンバータ22が昇圧動作を行なわない期間にバッテリ電圧Vbを電圧Vm1に昇圧し、昇圧コンバータ22は、昇圧コンバータ12が昇圧動作を行なわない期間にバッテリ電圧Vbを電圧Vm2に昇圧する。
【0091】
その結果、昇圧コンバータ12および22が同時に昇圧動作を行なう場合に比べ、バッテリBから昇圧コンバータ12または22に供給される直流電流のピーク値を低減できる。
【0092】
昇圧コンバータ12が昇圧動作を行なっているとき、インバータ14はフロントモータ60を駆動するので、信号PWMI1は、信号PWMU1と同位相の信号である。また、昇圧コンバータ22が昇圧動作を行なっているとき、インバータ24はリアモータ70を駆動するので、信号PWMI2は、信号PWMU2と同位相の信号である。
【0093】
再び、図1を参照して、前後輪駆動装置100の全体動作について説明する。一連の動作が開始されると、電圧センサー10は、バッテリ電圧Vbを検出して制御装置30へ出力し、電圧センサー13は、電圧Vm1を検出して制御装置30へ出力し、電圧センサー23は、電圧Vm2を検出して制御装置30へ出力する。また、電流センサー18は、モータ電流MCRT1を検出して制御装置30へ出力し、電流センサー28は、モータ電流MCRT2を検出して制御装置30へ出力する。そして、制御装置30は、外部ECUからトルク指令値TR1,TR2およびモータ回転数MRN1,MRN2を受ける。
【0094】
そうすると、制御装置30は、バッテリ電圧Vb、電圧Vm1、モータ回転数MRN1およびトルク指令値TR1に基づいて、上述した方法により信号PWMU1を生成して昇圧コンバータ12へ出力し、トルク指令値TR1、モータ電流MCRT1および電圧Vm1に基づいて、上述した方法により信号PWMI1を生成してインバータ14へ出力する。
【0095】
昇圧コンバータ12は、制御装置30からの信号PWMU1に応じて、バッテリBからのバッテリ電圧Vbを昇圧して電圧Vm1をコンデンサC1を介してインバータ14に供給する。インバータ14は、コンデンサC1を介して供給された入力電圧Vm1を信号PWMI1によって交流電圧に変換してフロントモータ60を駆動する。
【0096】
また、制御装置30は、バッテリ電圧Vb、電圧Vm2、モータ回転数MRN2およびトルク指令値TR2に基づいて、上述した方法により信号PWMU2を生成して昇圧コンバータ22へ出力し、トルク指令値TR2、モータ電流MCRT2および電圧Vm2に基づいて、上述した方法により信号PWMI2を生成してインバータ24へ出力する。この場合、信号PWMU2は、信号PWMU1の位相を反転した位相を有する。
【0097】
昇圧コンバータ22は、制御装置30からの信号PWMU2に応じて、バッテリBからのバッテリ電圧Vbを昇圧して電圧Vm2をコンデンサC2を介してインバータ24に供給する。インバータ24は、コンデンサC2を介して供給された入力電圧Vm2を信号PWMI2によって交流電圧に変換してリアモータ70を駆動する。
【0098】
前後輪駆動装置100が搭載されたハイブリッド自動車の回生制動時、制御装置30は、外部ECUから信号RGEを受け、その受けた信号RGEに応じて信号PWMC1,PWMD1を生成してそれぞれインバータ14および昇圧コンバータ12へ出力し、信号PWMC2,PWMD2を生成してそれぞれインバータ24および昇圧コンバータ22へ出力する。
【0099】
インバータ14は、フロントモータ60が発電した交流電圧を信号PWMC1によって直流電圧に変換し、その変換した直流電圧をコンデンサC1を介して昇圧コンバータ12へ供給する。昇圧コンバータ12は、インバータ14から供給された直流電圧を信号PWMD1によって降圧してバッテリBを充電する。
【0100】
また、インバータ24は、リアモータ70が発電した交流電圧を信号PWMC2によって直流電圧に変換し、その変換した直流電圧をコンデンサC2を介して昇圧コンバータ22へ供給する。昇圧コンバータ22は、インバータ24から供給された直流電圧を信号PWMD2によって降圧してバッテリBを充電する。
【0101】
信号PWMU2は、信号PWMU1の位相を反転した位相を有するので、昇圧コンバータ12は、昇圧コンバータ22が昇圧動作を行なわないときに昇圧動作を行ない、昇圧コンバータ22は、昇圧コンバータ12が昇圧動作を行なわないときに昇圧動作を行なう。その結果、バッテリBから昇圧コンバータ12または22に供給される直流電流のピーク値を低減できる。
【0102】
また、昇圧コンバータ12,22は、独自のリアクトルL1,L2を有し、リアクトルL1,L2に流れる直流電流を低くして昇圧動作を行なうので、リアクトルL1,L2におけるリプル電流の発生を抑制できる。その結果、リアクトルL1,L2における騒音の発生を抑制できる。
【0103】
図5は、前後輪駆動装置100をハイブリッド自動車に搭載した場合の前後輪駆動装置100の各構成要素の配置を示す平面図である。図5を参照して、バッテリBおよび制御装置30は、前輪1と後輪2との間に配置される。昇圧コンバータ12およびインバータ14は、フロントモータ60の近くに配置される。昇圧コンバータ22およびインバータ24は、リアモータ70の近くに配置される。
【0104】
バッテリBは、ケーブル90によって昇圧コンバータ12および22に接続される。インバータ14は、ケーブル91によってフロントモータ60に接続される。インバータ24は、ケーブル92によってリアモータ70に接続される。そして、制御装置30は、上述したように、昇圧コンバータ12,22およびインバータ14,24を制御する。
【0105】
なお、ケーブル90は、(+,−)を有する高圧直流電源線である。また、ケーブル91,92は、U相、V相およびW相を有するモータ駆動線である。
【0106】
図5に示すように、前後輪駆動装置100の各構成要素が配置される場合、昇圧コンバータ12およびインバータ14は、1つのPCU(Power Control Unit)に収納され、昇圧コンバータ22およびインバータ24は、もう1つのPCUに収納される。
【0107】
前後輪駆動装置100を適用したハイブリッド自動車の起動時、発進時、軽負荷走行モード、中速低負荷走行モード、加速・急加速モード、低μ路走行モードおよび減速・制動モードにおける前後輪駆動装置100の動作について説明する。
【0108】
ハイブリッド自動車の起動時、前後輪駆動装置100の制御装置30は、フロントモータ60用のトルク指令値TR11(トルク指令値TR1の一種)を外部ECUから受ける。また、ハイブリッド自動車の発進時、制御装置30は、フロントモータ60用のトルク指令値TR12(トルク指令値TR1の一種)とリアモータ70用のトルク指令値TR21(トルク指令値TR2の一種)とを外部ECUから受ける。さらに、ハイブリッド自動車が軽負荷走行モードにあるとき、制御装置30は、フロントモータ60用のトルク指令値TR13(トルク指令値TR1の一種)を外部ECUから受ける。
【0109】
さらに、ハイブリッド自動車が中速低負荷走行モードにあるとき、制御装置30は、フロントモータ60用のトルク指令値TR11を外部ECUから受ける。さらに、ハイブリッド自動車が加速・急加速モードにあるとき、制御装置30は、フロントモータ60用のトルク指令値TR14(トルク指令値TR1の一種)とリアモータ70用のトルク指令値TR22(トルク指令値TR2の一種)とを外部ECUから受ける。さらに、ハイブリッド自動車が低μ路走行モードにあるとき、制御装置30は、リアモータ70用のトルク指令値TR23(トルク指令値TR2の一種)およびフロントモータ60を回生させるための信号RGE1(信号RGEの一種)を外部ECUから受ける。さらに、ハイブリッド自動車が減速・制動モードにあるとき、制御装置30は、信号RGE1およびリアモータ70を回生させるための信号RGE2(信号RGEの一種)を外部ECUから受ける。
【0110】
制御装置30は、トルク指令値TR11;TR12およびTR21;TR13;TR14およびTR22を受けるとき、表1に示す信号PWMU1,PWMI1およびPWMU2,PWMI2の少なくとも一方を生成する。
【0111】
【表1】
Figure 2004242371
【0112】
すなわち、制御装置30は、トルク指令値TR11を外部ECUから受けると、信号PWMU11(信号PWMU1の一種)および信号PWMI11(信号PWMI1の一種)を生成する。また、制御装置30は、トルク指令値TR12およびTR21を外部ECUから受けると、信号PWMU12(信号PWMU1の一種)、信号PWMI12(信号PWMI1の一種)、信号PWMU21(信号PWMU2の一種)および信号PWMI21(信号PWMI2の一種)を生成する。
【0113】
さらに、制御装置30は、トルク指令値TR13を外部ECUから受けると、信号PWMU13(信号PWMU1の一種)および信号PWMI13(信号PWMI1の一種)を生成する。さらに、制御装置30は、トルク指令値TR14およびTR22を外部ECUから受けると、信号PWMU14(信号PWMU1の一種)、信号PWMI14(信号PWMI1の一種)、信号PWMU22(信号PWMU2の一種)および信号PWMI22(信号PWMI2の一種)を生成する。さらに、制御装置30は、トルク指令TR23および信号RGE1を外部ECUから受けると、信号PWMC1、信号PWMD1、信号PWMU23(信号PWMU2の一種)および信号PWMI23(信号PWMI2の一種)を生成する。さらに、制御装置30は、信号RGE1およびRGE2を外部ECUから受けると、信号PWMC1、信号PWMD1、信号PWMC2および信号PWMD2を生成する。
【0114】
まず、ハイブリッド自動車のエンジン始動時における前後輪駆動装置100の動作について説明する。一連の動作が開始されると、制御装置30は、外部ECUからトルク指令値TR11およびモータ回転数MRN1を受ける。そして、制御装置30は、電圧センサー10からのバッテリ電圧Vbと、電圧センサー13からの出力電圧Vm1と、外部ECUからのトルク指令値TR11およびモータ回転数MRN1とに基づいて、上述した方法によって信号PWMU11を生成し、その生成した信号PWMU11を昇圧コンバータ12へ出力する。また、制御装置30は、電圧センサー13からの出力電圧Vm1と、電流センサー18からのモータ電流MCRT1と、外部ECUからのトルク指令値TR11およびモータ回転数MRN1とに基づいて、上述した方法によって信号PWMI11を生成し、その生成した信号PWMI11をインバータ14へ出力する。
【0115】
そうすると、昇圧コンバータ12のIGBTQ1、Q2は、信号PWMU11によってオン/オフされ、昇圧コンバータ12は、IGBTQ2がオンされた期間に応じてバッテリ電圧Vbを昇圧して出力電圧Vm1をコンデンサC1を介してインバータ14へ供給する。インバータ14は、昇圧コンバータ12からの直流電圧を信号PWMI11に応じて交流電圧に変換し、トルク指令値TR11によって指定されたトルクを出力するようにフロントモータ60を駆動する。そして、エンジンのクランクシャフトはフロントモータ60によって回転され、エンジンが始動する。これにより、ハイブリッド自動車のエンジン始動時における前後輪駆動装置100の動作が終了する。
【0116】
次に、ハイブリッド自動車の発進時における前後輪駆動装置100の動作について説明する。一連の動作が開始されると、制御装置30は、外部ECUからトルク指令値TR12およびTR21とモータ回転数MRN1およびMRN2とを受ける。そして、制御装置30は、電圧センサー10からのバッテリ電圧Vbと、電圧センサー13からの出力電圧Vm1と、外部ECUからのトルク指令値TR12およびモータ回転数MRN1とに基づいて、上述した方法によって信号PWMU12を生成し、その生成した信号PWMU12を昇圧コンバータ12へ出力する。また、制御装置30は、電圧センサー13からの出力電圧Vm1と、電流センサー18からのモータ電流MCRT1と、外部ECUからのトルク指令値TR12およびモータ回転数MRN1とに基づいて、上述した方法によって信号PWMI12を生成し、その生成した信号PWMI12をインバータ14へ出力する。
【0117】
さらに、制御装置30は、電圧センサー10からのバッテリ電圧Vbと、電圧センサー23からの出力電圧Vm2と、外部ECUからのトルク指令値TR21およびモータ回転数MRN2とに基づいて、上述した方法によって信号PWMU21を生成し、その生成した信号PWMU21を昇圧コンバータ22へ出力する。さらに、制御装置30は、電圧センサー10からのバッテリ電圧Vbと、電流センサー28からのモータ電流MCRT2と、外部ECUからのトルク指令値TR21およびモータ回転数MRN2とに基づいて、上述した方法によって信号PWMI21を生成し、その生成した信号PWMI21をインバータ24へ出力する。
【0118】
そうすると、昇圧コンバータ12のIGBTQ1、Q2は、信号PWMU12によってオン/オフされ、昇圧コンバータ12は、IGBTQ2がオンされた期間に応じてバッテリ電圧Vbを昇圧して出力電圧Vm1をコンデンサC1を介してインバータ14へ供給する。インバータ14は、昇圧コンバータ12からの直流電圧を信号PWMI12に応じて交流電圧に変換し、トルク指令値TR12によって指定されたトルクを出力するようにフロントモータ60を駆動する。
【0119】
また、昇圧コンバータ22のIGBTQ9,Q10は、信号PWMU21によってオン/オフされ、昇圧コンバータ22は、IGBTQ10がオンされた期間に応じてバッテリ電圧Vbを昇圧して出力電圧Vm2をコンデンサC2を介してインバータ24へ供給する。インバータ24は、昇圧コンバータ22からの直流電圧を信号PWMI21に応じて交流電圧に変換し、トルク指令値TR21によって指定されたトルクを出力するようにリアモータ70を駆動する。
【0120】
そして、ハイブリッド自動車の前輪はフロントモータ60によって回転され、後輪はリアモータ70によって回転され、ハイブリッド自動車は発進する。これにより、ハイブリッド自動車の発進時における前後輪駆動装置100の動作が終了する。このように、前後輪駆動装置100を搭載したハイブリッド自動車は、4輪駆動により発進する。そして、信号PWMU21は、信号PWMU12の位相を反転した位相を有するので、昇圧コンバータ12および昇圧コンバータ22は、相互に相補的に昇圧動作を行ない、バッテリBから昇圧コンバータ12または22へ供給される直流電流のピーク値を低減できる。また、昇圧コンバータ12および22は、それぞれ、独自のリアクトルL1,L2を有し、リアクトルL1,L2に流れる直流電流を低減できるので、リアクトルL1,L2で発生するリプル電流を抑制できる。その結果、リアクトルL1,L2における騒音の発生を抑制できる。
【0121】
次に、ハイブリッド自動車が軽負荷走行モードにある場合の前後輪駆動装置100の動作について説明する。一連の動作が開始されると、制御装置30は、トルク指令値TR13およびモータ回転数MRN1を外部ECUから受ける。
【0122】
制御装置30は、電圧センサー10からのバッテリ電圧Vbと、電圧センサー13からの出力電圧Vm1と、外部ECUからのトルク指令値TR13およびモータ回転数MRN1とに基づいて、上述した方法によって信号PWMU13を生成し、その生成した信号PWMU13を昇圧コンバータ12へ出力する。また、制御装置30は、電圧センサー13からの出力電圧Vm1と、電流センサー18からのモータ電流MCRT1と、外部ECUからのトルク指令値TR13およびモータ回転数MRN1とに基づいて、上述した方法によって信号PWMI13を生成し、その生成した信号PWMI13をインバータ14へ出力する。
【0123】
そうすると、昇圧コンバータ12のIGBTQ1、Q2は、信号PWMU13によってオン/オフされ、昇圧コンバータ12は、IGBTQ2がオンされた期間に応じてバッテリ電圧Vbを昇圧して出力電圧Vm1をコンデンサC1を介してインバータ14へ供給する。インバータ14は、昇圧コンバータ12からの直流電圧を信号PWMI13に応じて交流電圧に変換し、トルク指令値TR13によって指定されたトルクを出力するようにフロントモータ60を駆動する。そして、ハイブリッド自動車の前輪はフロントモータ60によって駆動され、ハイブリッド自動車は、フロントモータ60によって軽負荷走行を行なう。これにより、ハイブリッド自動車が軽負荷走行モードにある場合の前後輪駆動装置100の動作が終了する。
【0124】
次に、ハイブリッド自動車が中速低負荷走行モードにある場合の前後輪駆動装置100の動作について説明する。この場合の前後輪駆動装置100の動作は、上述したハイブリッド自動車のエンジン始動時における前後輪駆動装置100の動作と同じである。
【0125】
次に、ハイブリッド自動車が加速・急加速モードにある場合の前後輪駆動装置100の動作について説明する。一連の動作が開始されると、制御装置30は、トルク指令値TR14およびTR22を外部ECUから受ける。
【0126】
制御装置30は、電圧センサー10からのバッテリ電圧Vbと、電圧センサー13からの出力電圧Vm1と、外部ECUからのトルク指令値TR14およびモータ回転数MRN1とに基づいて、上述した方法によって信号PWMU14を生成し、その生成した信号PWMU14を昇圧コンバータ12へ出力する。また、制御装置30は、電圧センサー13からの出力電圧Vm1と、電流センサー18からのモータ電流MCRT1と、外部ECUからのトルク指令値TR14およびモータ回転数MRN1とに基づいて、上述した方法によって信号PWMI14を生成し、その生成した信号PWMI14をインバータ14へ出力する。
【0127】
さらに、制御装置30は、電圧センサー10からのバッテリ電圧Vbと、電圧センサー23からの出力電圧Vm2と、外部ECUからのトルク指令値TR22およびモータ回転数MRN2とに基づいて、上述した方法によって信号PWMU22を生成し、その生成した信号PWMU22を昇圧コンバータ22へ出力する。さらに、制御装置30は、電圧センサー23からの出力電圧Vm2と、電流センサー28からのモータ電流MCRT2と、外部ECUからのトルク指令値TR22およびモータ回転数MRN2とに基づいて、上述した方法によって信号PWMI22を生成し、その生成した信号PWMI22をインバータ24へ出力する。
【0128】
そうすると、昇圧コンバータ12のIGBTQ1、Q2は、信号PWMU14によってオン/オフされ、昇圧コンバータ12は、IGBTQ2がオンされた期間に応じてバッテリ電圧Vbを昇圧して出力電圧Vm1をコンデンサC1を介してインバータ14へ供給する。インバータ14は、昇圧コンバータ12からの直流電圧を信号PWMI14に応じて交流電圧に変換し、トルク指令値TR14によって指定されたトルクを出力するようにフロントモータ60を駆動する。
【0129】
また、昇圧コンバータ22のIGBTQ9,Q10は、信号PWMU22によってオン/オフされ、昇圧コンバータ22は、IGBTQ10がオンされた期間に応じてバッテリ電圧Vbを昇圧して出力電圧Vm2をコンデンサC2を介してインバータ24へ供給する。インバータ24は、昇圧コンバータ22からの直流電圧を信号PWMI22に応じて交流電圧に変換し、トルク指令値TR22によって指定されたトルクを出力するようにリアモータ70を駆動する。
【0130】
そして、ハイブリッド自動車の前輪はフロントモータ60によって回転され、後輪はリアモータ70によって回転され、ハイブリッド自動車は加速または急加速する。これにより、ハイブリッド自動車の加速・急加速時における前後輪駆動装置100の動作が終了する。
【0131】
このように、前後輪駆動装置100を搭載したハイブリッド自動車は、4輪駆動により加速を行なう。そして、信号PWMU22は、信号PWMU14の位相を反転した位相を有するので、昇圧コンバータ12および昇圧コンバータ22は、相互に相補的に昇圧動作を行ない、バッテリBから昇圧コンバータ12または22へ供給される直流電流のピーク値を低減できる。また、昇圧コンバータ12および22は、それぞれ、独自のリアクトルL1,L2を有し、リアクトルL1,L2に流れる直流電流を低減できるので、リアクトルL1,L2で発生するリプル電流を抑制できる。その結果、リアクトルL1,L2における騒音の発生を抑制でき、ハイブリッド自動車が加速を行なってもドライバーは違和感を殆ど感じることがない。
【0132】
次に、ハイブリッド自動車が低μ路走行モードにある場合の前後輪駆動装置100の動作について説明する。一連の動作が開始されると、制御装置30は、信号RGE1およびトルク指令値TR23を外部ECUから受ける。
【0133】
制御装置30は、外部ECUからの信号RGE1に応じて信号PWMC1および信号PWMD1を生成してそれぞれインバータ14および昇圧コンバータ12へ出力する。
【0134】
また、制御装置30は、電圧センサー10からのバッテリ電圧Vbと、電圧センサー23からの出力電圧Vm2と、外部ECUからのトルク指令値TR23およびモータ回転数MRN2とに基づいて、上述した方法によって信号PWMU23を生成し、その生成した信号PWMU23を昇圧コンバータ22へ出力する。さらに、制御装置30は、電圧センサー23からの出力電圧Vm2と、電流センサー28からのモータ電流MCRT2と、外部ECUからのトルク指令値TR23およびモータ回転数MRN2とに基づいて、上述した方法によって信号PWMI23を生成し、その生成した信号PWMI23をインバータ24へ出力する。
【0135】
そうすると、インバータ14は、信号PWMC1に応じて、フロントモータ60を回生モードで駆動し、フロントモータ60が発電した交流電圧を直流電圧に変換して昇圧コンバータ12へ供給する。昇圧コンバータ12は、インバータ14からの直流電圧を信号PWMD1によって降圧してバッテリB側に供給する。
【0136】
一方、昇圧コンバータ22は、フロントモータ60によって回生された直流電圧を受ける。そして、IGBTQ9,Q10は、信号PWMU23によってオン/オフされ、昇圧コンバータ22は、昇圧コンバータ12から受けた直流電圧を昇圧して出力電圧Vm2をコンデンサC2を介してインバータ24に供給する。
【0137】
インバータ24は、コンデンサC2を介して供給された直流電圧を信号PWMI23によって交流電圧に変換してリアモータ70を駆動する。そして、リアモータ70は、ハイブリッド自動車の後輪を駆動する。これにより、ハイブリッド自動車は、フロントモータ60が発電した電力によって後輪を駆動し、安定して低μ路走行を行なう。そして、ハイブリッド自動車の低μ路走行時における前後輪駆動装置100の動作が終了する。
【0138】
最後に、ハイブリッド自動車が減速・制動モードにある場合の前後輪駆動装置100の動作について説明する。一連の動作が開始されると、制御装置30は、外部ECUから信号RGE1,RGE2を受ける。そして、制御装置30は、信号RGE1,RGE2に応じて、信号PWMC1,PWMD1および/または信号PWMC2,PWMD2を生成する。制御装置30は、生成した信号PWMC1,PWMD1をそれぞれインバータ14および昇圧コンバータ12へ出力し、生成した信号PWMC2,PWMD2をそれぞれインバータ24および昇圧コンバータ22へ出力する。
【0139】
そうすると、インバータ14は、信号PWMC1に応じて、フロントモータ60を回生モードで駆動し、フロントモータ60が発電した交流電圧を直流電圧に変換して昇圧コンバータ12へ供給する。昇圧コンバータ12は、インバータ14からの直流電圧を信号PWMD1に応じて降圧してバッテリBを充電する。
【0140】
また、インバータ24は、信号PWMC2に応じて、リアモータ70を回生モードで駆動し、リアモータ70が発電した交流電圧を直流電圧に変換して昇圧コンバータ22へ供給する。昇圧コンバータ22は、インバータ24からの直流電圧を信号PWMD2に応じて降圧してバッテリBを充電する。
【0141】
このように、ハイブリッド自動車が減速・制動モードにあるとき、フロントモータ60およびリアモータ70の少なくとも一方が回生ブレーキとして使用される。そして、ハイブリッド自動車の減速・制動時における前後輪駆動装置100の動作が終了する。
【0142】
図6は、上述した前後輪駆動装置100を搭載したハイブリッド自動車のより具体的な前後輪駆動装置の一例を示す概略ブロック図である。図6を参照して、前後輪駆動装置200は、バッテリBと、電圧センサー10,13,23と、昇圧コンバータ12,22と、コンデンサC1,C2と、インバータ14A,14B,24と、電流センサー18A,18B,28と、制御装置30と、モータジェネレータMG1〜MG3とを備える。
【0143】
前後輪駆動装置200においては、モータジェネレータMG1およびMG2がフロントモータ60に相当し、モータジェネレータMG3がリアモータ70に相当する。そして、フロントモータ60が2つのモータジェネレータMG1,MG2によって構成されることに対応してフロントモータ60用のインバータ14は、インバータ14Aとインバータ14Bとから成る。インバータ14Aは、モータジェネレータMG1を駆動する。また、インバータ14Bは、モータジェネレータMG2を駆動する。さらに、インバータ24は、モータジェネレータMG3を駆動する。
【0144】
また、電流センサー18Aは、モータジェネレータMG1に流れるモータ電流MCRT11を検出して制御装置30へ出力し、電流センサー18Bは、モータジェネレータMG2に流れるモータ電流MCRT12を検出して制御装置30へ出力する。
【0145】
その他については上述したとおりである。
モータジェネレータMG1は、動力分割機構を介してエンジンと連結される。そして、モータジェネレータMG1は、エンジンを始動し、またはエンジンの回転力によって発電する。
【0146】
また、モータジェネレータMG2は、動力分割機構を介して前輪1を駆動する。さらに、モータジェネレータMG3は、後輪2を駆動し、後輪2の回転力によって発電する。
【0147】
図7は、動力分割機構の模式図を示す。図7を参照して、動力分割機構210は、リングギア211と、キャリアギア212と、サンギア213とから成る。エンジン240のシャフト251は、キャリアギア212に接続され、モータジェネレータMG1のシャフト252は、サンギア213に接続され、モータジェネレータMG2のシャフト254は、リングギア211に接続されている。なお、モータジェネレータMG2のシャフト254は、ディファレンシャルギア(図示せず)を介して前輪1の駆動軸に連結される。
【0148】
モータジェネレータMG1は、シャフト252、サンギア213、キャリアギア212およびプラネタリキャリア253を介してシャフト251を回転し、エンジン240を始動する。また、モータジェネレータMG1は、シャフト251、プラネタリキャリア253、キャリアギア212、サンギア231およびシャフト252を介してエンジン240の回転力を受け、その受けた回転力によって発電する。
【0149】
再び、図6を参照して、前後輪駆動装置200が搭載されたハイブリッド自動車の始動時、発進時、軽負荷走行モード、中速低負荷走行モード、加速・急加速モード、低μ路走行モードおよび減速・制動モードにおける前後輪駆動装置200の動作について説明する。
【0150】
まず、ハイブリッド自動車のエンジン始動時における前後輪駆動装置200の動作について説明する。一連の動作が開始されると、制御装置30は、外部ECUからトルク指令値TR11およびモータ回転数MRN1を受ける。そして、制御装置30は、電圧センサー10からのバッテリ電圧Vbと、電圧センサー13からの出力電圧Vm1と、外部ECUからのトルク指令値TR11およびモータ回転数MRN1とに基づいて、上述した方法によって信号PWMU11を生成し、その生成した信号PWMU11を昇圧コンバータ12へ出力する。また、制御装置30は、電圧センサー13からの出力電圧Vm1と、電流センサー18Aからのモータ電流MCRT11と、外部ECUからのトルク指令値TR11およびモータ回転数MRN1とに基づいて、上述した方法によって信号PWMI11を生成し、その生成した信号PWMI11をインバータ14Aへ出力する。
【0151】
そうすると、昇圧コンバータ12のIGBTQ1、Q2は、信号PWMU11によってオン/オフされ、昇圧コンバータ12は、IGBTQ2がオンされた期間に応じてバッテリ電圧Vbを昇圧して出力電圧Vm1をコンデンサC1を介してインバータ14Aへ供給する。インバータ14Aは、昇圧コンバータ12からの直流電圧を信号PWMI11に応じて交流電圧に変換し、トルク指令値TR11によって指定されたトルクを出力するようにモータジェネレータMG1を駆動する。
【0152】
これによって、モータジェネレータMG1は、動力分割機構210を介してエンジン240のクランクシャフトを回転数MRN1で回転し、エンジン240を始動する。これにより、ハイブリッド自動車のエンジン始動時における前後輪駆動装置200の動作が終了する。
【0153】
次に、ハイブリッド自動車の発進時における前後輪駆動装置200の動作について説明する。一連の動作が開始されると、制御装置30は、トルク指令値TR12およびTR21と、モータ回転数MRN1,MRN2と、始動後のエンジン240の回転力によってモータジェネレータMG1を発電機として機能させるための信号RGE1とを外部ECUから受ける。この場合、トルク指令値TR12は、モータジェネレータMG2を発進用に用いるためのトルク指令値であり、トルク指令値TR21は、モータジェネレータMG3を発進用に用いるためのトルク指令値である。
【0154】
制御装置30は、電圧センサー10からのバッテリ電圧Vbと、電圧センサー13からの出力電圧Vm1と、外部ECUからのトルク指令値TR12およびモータ回転数MRN1とに基づいて、上述した方法によって信号PWMU12を生成し、その生成した信号PWMU12を昇圧コンバータ12へ出力する。また、制御装置30は、電圧センサー13からの出力電圧Vm1と、電流センサー18Bからのモータ電流MCRT12と、外部ECUからのトルク指令値TR12およびモータ回転数MRN1とに基づいて、上述した方法によって信号PWMI12を生成し、その生成した信号PWMI12をインバータ14Bへ出力する。さらに、制御装置30は、外部ECUからの信号RGE1に応じて信号PWMC1を生成してインバータ14Aへ出力する。
【0155】
そうすると、昇圧コンバータ12のIGBTQ1、Q2は、信号PWMU12によってオン/オフされ、昇圧コンバータ12は、IGBTQ2がオンされた期間に応じてバッテリ電圧Vbを昇圧して出力電圧Vm1をコンデンサC1を介してインバータ14Bへ供給する。また、インバータ14Aは、モータジェネレータMG1がエンジン240の回転力により発電した交流電圧を信号PWMC1によって直流電圧に変換し、その変換した直流電圧をインバータ14Bに供給する。インバータ14Bは、昇圧コンバータ12からの直流電圧とインバータ14Aからの直流電圧とを受け、その受けた直流電圧を信号PWMI12に応じて交流電圧に変換し、トルク指令値TR12によって指定されたトルクを出力するようにモータジェネレータMG2を駆動する。そして、モータジェネレータMG2は、動力分割機構210およびディファレンシャルギアを介して前輪1を駆動する。
【0156】
また、制御装置30は、電圧センサー10からのバッテリ電圧Vbと、電圧センサー23からの出力電圧Vm2と、外部ECUからのトルク指令値TR21およびモータ回転数MRN2とに基づいて、上述した方法によって信号PWMU21を生成し、その生成した信号PWMU21を昇圧コンバータ22へ出力する。さらに、制御装置30は、電圧センサー10からのバッテリ電圧Vbと、電流センサー28からのモータ電流MCRT2と、外部ECUからのトルク指令値TR21およびモータ回転数MRN2とに基づいて、上述した方法によって信号PWMI21を生成し、その生成した信号PWMI21をインバータ24へ出力する。
【0157】
そうすると、昇圧コンバータ22のIGBTQ9,Q10は、信号PWMU21によってバッテリ電圧Vbを昇圧して出力電圧Vm2をコンデンサC2を介してインバータ24に供給する。インバータ24は、コンデンサC2を介して供給された直流電圧を信号PWMI21によって交流電圧に変換してトルク指令値TR21によって指定されたトルクを出力するようにモータジェネレータMG3を駆動する。そして、モータジェネレータMG3は、後輪2を駆動する。
【0158】
このようにして、ハイブリッド自動車の前輪1はモータジェネレータMG2によって回転され、後輪2はモータジェネレータMG3によって回転され、ハイブリッド自動車は4WDで発進する。これにより、ハイブリッド自動車の発進時における前後輪駆動装置200の動作が終了する。
【0159】
次に、ハイブリッド自動車が軽負荷走行モードにある場合の前後輪駆動装置200の動作について説明する。一連の動作が開始されると、制御装置30は、トルク指令値TR13およびモータ回転数MRN1を外部ECUから受ける。なお、トルク指令値TR13は、ハイブリッド自動車の前輪1をモータジェネレータMG2のみで駆動するためのトルク指令値である。
【0160】
制御装置30は、電圧センサー10からのバッテリ電圧Vbと、電圧センサー13からの出力電圧Vm1と、外部ECUからのトルク指令値TR13およびモータ回転数MRN1とに基づいて、上述した方法によって信号PWMU13を生成し、その生成した信号PWMU13を昇圧コンバータ12へ出力する。また、制御装置30は、電圧センサー13からの出力電圧Vm1と、電流センサー18Bからのモータ電流MCRT12と、外部ECUからのトルク指令値TR13およびモータ回転数MRN1とに基づいて、上述した方法によって信号PWMI13を生成し、その生成した信号PWMI13をインバータ14Bへ出力する。
【0161】
そうすると、昇圧コンバータ12のIGBTQ1、Q2は、信号PWMU13によってオン/オフされ、昇圧コンバータ12は、IGBTQ2がオンされた期間に応じてバッテリ電圧Vbを昇圧して出力電圧Vm1をコンデンサC1を介してインバータ14Bへ供給する。インバータ14Bは、昇圧コンバータ12からの直流電圧を信号PWMI13に応じて交流電圧に変換し、トルク指令値TR13によって指定されたトルクを出力するようにモータジェネレータMG2を駆動する。そして、モータジェネレータMG2は、動力分割機構210およびディファレンシャルギアを介して前輪1を駆動し、ハイブリッド自動車は、モータジェネレータMG2によって軽負荷走行を行なう。これにより、ハイブリッド自動車が軽負荷走行モードにある場合の前後輪駆動装置200の動作が終了する。
【0162】
次に、ハイブリッド自動車が中速低負荷走行モードにある場合の前後輪駆動装置200の動作について説明する。この場合の前後輪駆動装置200の動作は、上述したハイブリッド自動車のエンジン240の始動時における前後輪駆動装置200の動作と同じである。
【0163】
次に、ハイブリッド自動車が加速・急加速モードにある場合の前後輪駆動装置200の動作について説明する。一連の動作が開始されると、制御装置30は、トルク指令値TR14およびTR22と、モータ回転数MRN1,MRN2と、モータジェネレータMG1を発電機として機能させるための信号RGE1とを外部ECUから受ける。なお、トルク指令値TR14は、モータジェネレータMG2を加速・急加速用に用いるためのトルク指令値であり、トルク指令値TR22は、モータジェネレータMG3を加速・急加速用に用いるためのトルク指令値である。
【0164】
制御装置30は、電圧センサー10からのバッテリ電圧Vbと、電圧センサー13からの出力電圧Vm1と、外部ECUからのトルク指令値TR14およびモータ回転数MRN1とに基づいて、上述した方法によって信号PWMU14を生成し、その生成した信号PWMU14を昇圧コンバータ12へ出力する。また、制御装置30は、電圧センサー13からの出力電圧Vm1と、電流センサー18Bからのモータ電流MCRT12と、外部ECUからのトルク指令値TR14およびモータ回転数MRN1とに基づいて、上述した方法によって信号PWMI14を生成し、その生成した信号PWMI14をインバータ14Bへ出力する。さらに、制御装置30は、外部ECUからの信号RGE1に応じて信号PWMC1を生成してインバータ14Aへ出力する。
【0165】
そうすると、昇圧コンバータ12のIGBTQ1、Q2は、信号PWMU14によってオン/オフされ、昇圧コンバータ12は、IGBTQ2がオンされた期間に応じてバッテリ電圧Vbを昇圧して出力電圧Vm1をコンデンサC1を介してインバータ14Bへ供給する。また、インバータ14Aは、モータジェネレータMG1がエンジン240の回転力(エンジン240の回転数は加速前よりも高くなっている。)により発電した交流電圧を信号PWMC1によって直流電圧に変換し、その変換した直流電圧をインバータ14Bに供給する。インバータ14Bは、昇圧コンバータ12からの直流電圧とインバータ14Aからの直流電圧とを受け、その受けた直流電圧を信号PWMI14に応じて交流電圧に変換し、トルク指令値TR14によって指定されたトルクを出力するようにモータジェネレータMG2を駆動する。
【0166】
また、制御装置30は、電圧センサー10からのバッテリ電圧Vbと、電圧センサー23からの出力電圧Vm2と、外部ECUからのトルク指令値TR22およびモータ回転数MRN2とに基づいて、上述した方法によって信号PWMU22を生成し、その生成した信号PWMU22を昇圧コンバータ22へ出力する。さらに、制御装置30は、電圧センサー10からのバッテリ電圧Vbと、電流センサー28からのモータ電流MCRT2と、外部ECUからのトルク指令値TR22およびモータ回転数MRN2とに基づいて、上述した方法によって信号PWMI22を生成し、その生成した信号PWMI22をインバータ24へ出力する。
【0167】
そうすると、昇圧コンバータ22のIGBTQ9、Q10は、信号PWMU22によってオン/オフされ、昇圧コンバータ22は、IGBTQ10がオンされた期間に応じてバッテリ電圧Vbを昇圧して出力電圧Vm2をコンデンサC2を介してインバータ24へ供給する。インバータ24は、コンデンサC2を介して供給された直流電圧を信号PWMI22によって交流電圧に変換してトルク指令値TR22によって指定されたトルクを出力するようにモータジェネレータMG3を駆動する。
【0168】
そして、モータジェネレータMG2は、動力分割機構210およびディファレンシャルギアを介して前輪1を駆動し、モータジェネレータMG3は、後輪2を駆動し、ハイブリッド自動車は4輪駆動で加速または急加速する。これにより、ハイブリッド自動車の加速・急加速時における前後輪駆動装置200の動作が終了する。
【0169】
次に、ハイブリッド自動車が低μ路走行モードにある場合の前後輪駆動装置200の動作について説明する。一連の動作が開始されると、制御装置30は、信号RGE1、トルク指令値TR23およびモータ回転数MRN2を外部ECUから受ける。なお、信号RGE1は、モータジェネレータMG2を回生モードで駆動するための信号であり、トルク指令値TR23は、モータジェネレータMG3を駆動モータとして用いるためのトルク指令値である。
【0170】
制御装置30は、外部ECUからの信号RGE1に応じて信号PWMD1を生成して昇圧コンバータ12へ出力する。また、制御装置30は、外部ECUからの信号RGE1に応じて信号PWMC1を生成してインバータ14Bへ出力する。
【0171】
そうすると、インバータ14Bは、信号PWMC1に応じて、モータジェネレータMG2を回生モードで駆動し、モータジェネレータMG2が発電した交流電圧を直流電圧に変換して昇圧コンバータ12へ供給する。昇圧コンバータ12は、インバータ14Bからの直流電圧を信号PWMD1によって降圧してバッテリB側に供給する。
【0172】
また、制御装置30は、電圧センサー10からのバッテリ電圧Vbと、電圧センサー23からの出力電圧Vm2と、外部ECUからのトルク指令値TR23およびモータ回転数MRN2とに基づいて、上述した方法によって信号PWMU23を生成し、その生成した信号PWMU23を昇圧コンバータ22へ出力する。さらに、制御装置30は、電圧センサー10からのバッテリ電圧Vbと、電流センサー28からのモータ電流MCRT2と、外部ECUからのトルク指令値TR23およびモータ回転数MRN2とに基づいて、上述した方法によって信号PMWI23を生成してインバータ24へ出力する。
【0173】
そうすると、昇圧コンバータ22は、昇圧コンバータ12によって降圧された直流電圧を受け、その受けた直流電圧を信号PWMU23によって昇圧して出力電圧Vm2をコンデンサC2を介してインバータ24へ供給する。インバータ24は、コンデンサC2を介して受けた直流電圧を信号PWMI23によって交流電圧に変換してトルク指令値TR23によって指定されたトルクを出力するようにモータジェネレータMG3を駆動する。そして、モータジェネレータMG3は、ハイブリッド自動車の後輪2を駆動する。これにより、ハイブリッド自動車は、モータジェネレータMG2が発電した電力によって後輪2を駆動し、安定して低μ路走行を行なう。そして、ハイブリッド自動車の低μ路走行時における前後輪駆動装置200の動作が終了する。
【0174】
最後に、ハイブリッド自動車が減速・制動モードにある場合の前後輪駆動装置200の動作について説明する。一連の動作が開始されると、制御装置30は、外部ECUから信号RGE1,RGE2を受ける。そして、制御装置30は、信号RGE1,RGE2に応じて、モータジェネレータMG2および/またはモータジェネレータMG3を回生モードで駆動する。これにより、ハイブリッド自動車は、回生ブレーキおよび/または機械ブレーキによって減速・制動を行なう。そして、ハイブリッド自動車の減速・制動時における前後輪駆動装置200の動作が終了する。
【0175】
そして、前後輪駆動装置200においては、ハイブリッド自動車の発進時、および加速・急加速モードにおいて、昇圧コンバータ12および22が駆動されるが、昇圧コンバータ12および昇圧コンバータ22は、相互に相補的に昇圧動作を行なうため、バッテリBから昇圧コンバータ12または22に供給される直流電流のピーク値を低減できる。
【0176】
また、昇圧コンバータ12および22が駆動される走行モードにおいては、昇圧コンバータ12および22は、独自のリアクトルL1,L2を用いて昇圧動作を行なうため、1つの昇圧コンバータによってバッテリ電圧Vbを昇圧して2つのインバータに供給する場合に比べ、リアクトルL1,L2に流れる直流電流を低減でき、リプル電流を抑制できる。その結果、リアクトルL1,L2における騒音の発生を抑制できる。
【0177】
なお、上記においては、昇圧コンバータ12を駆動するための信号PWMU1と昇圧コンバータ22を駆動するための信号PWMU2とは、相互に位相を反転した関係を有するとして説明したが、この発明においては、これに限らず、信号PWMU2は、信号PWMU1の位相と異なる位相を有していればよい。昇圧コンバータ12および昇圧コンバータ22が全く同時に駆動しなければ、バッテリBから昇圧コンバータ12または22へ供給される直流電流のピーク値を低減できるからである。
【0178】
また、上記においては、昇圧コンバータ12およびインバータ14が1つのPCUに収納され、昇圧コンバータ22およびインバータ24がもう1つのPCUに収納されると説明したが、この発明においては、昇圧コンバータ12および22を1つのPCUに収納し、そのPCUをバッテリBの近くに配置するようにしてもよい。これにより、バッテリBに接続されるPCUの端子を共通化でき、端子数を低減できる。
【0179】
さらに、バッテリBおよび昇圧コンバータ12,22を1つのPCUに収納してもよい。これにより、大電流が流れる昇圧コンバータ12,22とバッテリとの接続をバスバーまたは短い配線により処理することができる。
【0180】
さらに、上記においては、昇圧コンバータ12,22およびインバータ14(14A,14Bを含む),24は、IGBTによって構成されると説明したが、この発明においては、これに限らず、昇圧コンバータ12,22およびインバータ14(14A,14Bを含む),24は、NPNトランジスタおよびMOSトランジスタ等のスイッチング素子によって構成されていればよい。
【0181】
さらに、前後輪駆動装置100は、フロントモータ60およびリアモータ70を2つの負荷装置として備えるが、この発明による前後輪駆動装置は、これに限らず、各車輪に駆動モータが設置された、いわゆる、ホイールモータを負荷装置として備えていてもよい。
【0182】
さらに、上記においては、前後輪駆動装置100をハイブリッド自動車に適用する例を説明したが、この発明は、これに限らず、前後輪駆動装置100を電気自動車または燃料電池自動車に適用してもよい。
【0183】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態による前後輪駆動装置の概略ブロック図である。
【図2】図1に示す制御装置の機能ブロック図である。
【図3】図2に示すモータトルク制御手段の機能ブロック図である。
【図4】図2に示すモータトルク制御手段によって生成される信号のタイミングチャートである。
【図5】図1に示す前後輪駆動装置を搭載したハイブリッド自動車の平面図である。
【図6】ハイブリッド自動車に適用された具体的な前後輪駆動装置の概略ブロック図である。
【図7】動力分割機構の模式図である。
【図8】従来のモータ駆動装置の概略ブロック図である。
【符号の説明】
1 前輪、2 後輪、10,13,23,320 電圧センサー、12,22昇圧コンバータ、14,14A,14B,24,330 インバータ、15,25 U相アーム、16,26 V相アーム、17,27 W相アーム、18,18A,18B,28 電流センサー、30 制御装置、40 モータ制御用相電圧演算部、42 インバータ用PWM信号変換部、50 インバータ入力電圧指令演算部、52 コンバータ用デューティー比演算部、54 コンバータ用PWM信号変換部、60 フロントモータ、70 リアモータ、90〜92 ケーブル、100,200 前後輪駆動装置、210 動力分割機構、211 リングギア、212 キャリアギア、213 サンギア、240 エンジン、251,252,254 シャフト、253 プラネタリキャリア、300 モータ駆動装置、301 モータトルク制御手段、302 電圧変換制御手段、310 双方向コンバータ、311,L1,L2 リアクトル、312,313,Q1〜Q16 IGBT、314,315 ダイオード、B バッテリ、C1,C2 コンデンサ、SR1,SR2 システムリレー、D1〜D16 ダイオード、M1 交流モータ、MG1〜MG3 モータジェネレータ。

Claims (4)

  1. 前輪駆動用モータユニットに電力を供給する第1のインバータと、
    後輪駆動用モータユニットに電力を供給する第2のインバータと、
    前記第1および第2のインバータに電力を供給するバッテリと、
    前記バッテリからの直流電圧を昇圧し、その昇圧した直流電圧を前記第1のインバータに供給する第1の昇圧回路と、
    前記バッテリからの直流電圧を昇圧し、その昇圧した直流電圧を前記第2のインバータに供給する第2の昇圧回路とを備え、
    前記第1の昇圧回路は、第1のリアクトルを含み、
    前記第2の昇圧回路は、前記第1のリアクトルと異なる第2のリアクトルを含む、前後輪駆動装置。
  2. 第1の制御信号に基づいて前記第1の昇圧回路を駆動するように制御し、前記第1の制御信号の位相と異なる位相を有する第2の制御信号に基づいて前記第2の昇圧回路を駆動するように制御する制御手段をさらに備える、請求項1に記載の前後輪駆動装置。
  3. 前記第2の制御信号は、前記第1の制御信号を反転した信号である、請求項2に記載の前後輪駆動装置。
  4. 前記前輪駆動用モータユニットは、内燃機関からの回転力により発電し、または前記内燃機関を駆動する、請求項1に記載の前後輪駆動装置。
JP2003025827A 2003-02-03 2003-02-03 前後輪駆動装置 Expired - Fee Related JP3897708B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003025827A JP3897708B2 (ja) 2003-02-03 2003-02-03 前後輪駆動装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003025827A JP3897708B2 (ja) 2003-02-03 2003-02-03 前後輪駆動装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004242371A true JP2004242371A (ja) 2004-08-26
JP3897708B2 JP3897708B2 (ja) 2007-03-28

Family

ID=32954009

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003025827A Expired - Fee Related JP3897708B2 (ja) 2003-02-03 2003-02-03 前後輪駆動装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3897708B2 (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008109749A (ja) * 2006-10-24 2008-05-08 Nissan Motor Co Ltd 車両の電力供給装置
US8037972B2 (en) 2007-03-05 2011-10-18 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Vehicle parking system and method for controlling the same
US8164282B2 (en) 2006-05-30 2012-04-24 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Motive power output apparatus and vehicle with the same
DE102012109725A1 (de) * 2012-10-12 2014-04-17 Dr. Ing. H.C. F. Porsche Aktiengesellschaft Verfahren und Anordnung zum Bereitstellen einer elektrischen Leistung für ein Bordnetz eines Kraftfahrzeugs
JP2016082729A (ja) * 2014-10-17 2016-05-16 トヨタ自動車株式会社 電源システム
JP6282331B1 (ja) * 2016-10-31 2018-02-21 三菱電機株式会社 電力変換装置
JP2018137992A (ja) * 2018-04-20 2018-08-30 株式会社Subaru 車両制御装置
EP4124497A1 (en) * 2021-07-29 2023-02-01 Rivian IP Holdings, LLC Drive unit for electric vehicle

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8164282B2 (en) 2006-05-30 2012-04-24 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Motive power output apparatus and vehicle with the same
JP2008109749A (ja) * 2006-10-24 2008-05-08 Nissan Motor Co Ltd 車両の電力供給装置
JP4618227B2 (ja) * 2006-10-24 2011-01-26 日産自動車株式会社 車両の電力供給装置
US8037972B2 (en) 2007-03-05 2011-10-18 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Vehicle parking system and method for controlling the same
US9783067B2 (en) 2012-10-12 2017-10-10 Dr. Ing. H.C. F. Porsche Aktiengesellschaft Method and arrangement for providing an electrical power for an on-board power supply system of a motor vehicle
DE102012109725A1 (de) * 2012-10-12 2014-04-17 Dr. Ing. H.C. F. Porsche Aktiengesellschaft Verfahren und Anordnung zum Bereitstellen einer elektrischen Leistung für ein Bordnetz eines Kraftfahrzeugs
JP2016082729A (ja) * 2014-10-17 2016-05-16 トヨタ自動車株式会社 電源システム
JP6282331B1 (ja) * 2016-10-31 2018-02-21 三菱電機株式会社 電力変換装置
WO2018078908A1 (ja) * 2016-10-31 2018-05-03 三菱電機株式会社 電力変換装置
JP2018074786A (ja) * 2016-10-31 2018-05-10 三菱電機株式会社 電力変換装置
US11159096B2 (en) 2016-10-31 2021-10-26 Mitsubishi Electric Corporation Power conversion device
JP2018137992A (ja) * 2018-04-20 2018-08-30 株式会社Subaru 車両制御装置
EP4124497A1 (en) * 2021-07-29 2023-02-01 Rivian IP Holdings, LLC Drive unit for electric vehicle
US11673478B2 (en) 2021-07-29 2023-06-13 Rivian Ip Holdings, Llc Drive unit for electric vehicle

Also Published As

Publication number Publication date
JP3897708B2 (ja) 2007-03-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4211806B2 (ja) 車両駆動システムおよびそれを備える車両
JP4337797B2 (ja) 電力制御装置および電動車両
JP4305553B2 (ja) 電動車両
JP4438417B2 (ja) 交流電圧発生装置および動力出力装置
EP1967406B1 (en) Vehicle controller, vehicle and vehicle control method
CN101267960B (zh) 电力控制装置、包含该装置的电动车和控制电动车电力的方法
JP2007097342A (ja) 充電制御装置および電動車両
JP2004274945A (ja) モータ駆動装置、それを備えるハイブリッド車駆動装置、モータ駆動装置の制御をコンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体
JP2007098981A (ja) 車両用電源装置
JP4412270B2 (ja) 電力出力装置およびそれを備えた車両
JP5780197B2 (ja) 電圧変換装置
JP3879528B2 (ja) 電圧変換装置
JP2004236424A (ja) 動力出力装置、モータ駆動方法およびモータの駆動制御をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体
JP2004260904A (ja) 前後輪駆動装置、それにおけるモータ駆動方法およびモータの駆動をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体
JP3897708B2 (ja) 前後輪駆動装置
JP5065223B2 (ja) 車両制御システム
JP2007325474A (ja) 車両駆動システムおよび車両
JP3931734B2 (ja) 電気負荷駆動装置
JP2010273512A (ja) モータ駆動システムおよび車両
JP2007189854A (ja) 車両の電源装置
JP2004343918A (ja) モータ駆動装置
JP2007143374A (ja) 車両の電源装置
JP2005045879A (ja) 動力出力装置およびモータの駆動制御をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体
JP2017171159A (ja) ハイブリッド車両
WO2013038498A1 (ja) 車両および車両の制御方法

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20041006

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20041006

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050422

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060517

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060606

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060802

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20061205

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20061219

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 3897708

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110105

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120105

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120105

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130105

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130105

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140105

Year of fee payment: 7

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees