JP2004343918A - モータ駆動装置 - Google Patents

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JP2004343918A
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Nobuo Tsukamoto
信夫 塚本
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Abstract

【課題】複数のインバータ装置間における共振電流の発生を抑制するモータ駆動装置を提供する。
【解決手段】制御装置50は、外部ECUからのトルク指令値TR2およびモータ回転数MRN2と、電圧センサー12からの電圧Vmと、電流センサー17からの直流電流Im1とに基づいて、モータ70の要求電流を演算する。そして、制御装置50は、直流電流Im1をモータ70の要求電流に一致させるようにNPNトランジスタQ9,Q10を駆動するための駆動信号DRV1,2を生成してゲート回路16へ出力する。ゲート回路16のNPNトランジスタQ9,Q10は、それぞれ駆動信号DRV1,2に応じてオン/オフされる。そして、リアクトル14,15およびゲート回路16は、振動幅を所定値以下に抑制し、かつ、モータ70の要求電流に一致させて直流電流Im1を配線20に流す。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、複数のモータを駆動するモータ駆動装置に関し、特に、複数のモータを駆動する複数のインバータ間に流れる共振電流を抑制可能なモータ駆動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近、環境に配慮した自動車としてハイブリッド自動車(Hybrid Vehicle)が大きな注目を集めている。そして、ハイブリッド自動車は、一部、実用化されている。
【0003】
このハイブリッド自動車は、従来のエンジンに加え、直流電源とインバータとインバータによって駆動されるモータとを動力源とする自動車である。つまり、エンジンを駆動することにより動力源を得るとともに、直流電源からの直流電圧をインバータによって交流電圧に変換し、その変換した交流電圧によりモータを回転することによって動力源を得るものである。
【0004】
このようなハイブリッド自動車においては、直流電源からの直流電圧を昇圧コンバータによって昇圧し、その昇圧した直流電圧がモータを駆動するインバータに供給されることも検討されている(特開平8−214592号公報)。
【0005】
すなわち、ハイブリッド自動車は、図18に示すモータ駆動装置を搭載している。図18を参照して、モータ駆動装置400は、バッテリBと、システムリレーSR1,SR2と、コンデンサC1,C2と、双方向コンバータ310と、電圧センサー320と、インバータ330とを備える。
【0006】
バッテリBは、直流電圧を出力する。システムリレーSR1,SR2は、制御装置(図示せず)によってオンされると、バッテリBからの直流電圧をコンデンサC1に供給する。コンデンサC1は、バッテリBからシステムリレーSR1,SR2を介して供給された直流電圧を平滑化し、その平滑化した直流電圧を双方向コンバータ310へ供給する。
【0007】
双方向コンバータ310は、リアクトル311と、NPNトランジスタ312,313と、ダイオード314,315とを含む。リアクトル311の一方端はバッテリBの電源ラインに接続され、他方端はNPNトランジスタ312とNPNトランジスタ313との中間点、すなわち、NPNトランジスタ312のエミッタとNPNトランジスタ313のコレクタとの間に接続される。NPNトランジスタ312,313は、電源ラインとアースラインとの間に直列に接続される。そして、NPNトランジスタ312のコレクタは電源ラインに接続され、NPNトランジスタ313のエミッタはアースラインに接続される。また、各NPNトランジスタ312,313のコレクタ−エミッタ間には、エミッタ側からコレクタ側へ電流を流すダイオード314,315がそれぞれ配置されている。
【0008】
双方向コンバータ310は、制御装置(図示せず)によってNPNトランジスタ312,313がオン/オフされ、コンデンサC1から供給された直流電圧を昇圧して出力電圧をコンデンサC2に供給する。また、双方向コンバータ310は、モータ駆動装置400が搭載されたハイブリッド自動車の回生制動時、交流モータM1によって発電され、インバータ330によって変換された直流電圧を降圧してバッテリBへ供給する。
【0009】
コンデンサC2は、双方向コンバータ310から供給された直流電圧を平滑化し、その平滑化した直流電圧をインバータ330へ供給する。電圧センサー320は、コンデンサC2の両側の電圧、すなわち、双方向コンバータ310の出力電圧Vmを検出する。
【0010】
インバータ330は、コンデンサC2から直流電圧が供給されると制御装置(図示せず)からの制御に基づいて直流電圧を交流電圧に変換して交流モータM1を駆動する。これにより、交流モータM1は、トルク指令値によって指定されたトルクを発生するように駆動される。
【0011】
また、モータ駆動装置400が搭載されたハイブリッド自動車の回生制動時、インバータ330は、交流モータM1が発電した交流電圧を制御装置からの制御に基づいて直流電圧に変換し、その変換した直流電圧をコンデンサC2を介して双方向コンバータ310へ供給する。
【0012】
このように、モータ駆動装置400においては、交流モータM1の駆動時、バッテリBからの直流電圧は、昇圧されてインバータ330に供給され、交流モータM1の回生時、交流モータM1によって発電され、かつ、インバータ330によって変換された直流電圧は、降圧されてバッテリBに供給される。
【0013】
【特許文献1】
特開平8−214592号公報
【0014】
【特許文献2】
特開平3−183363号公報
【0015】
【特許文献3】
特開昭60−2024号公報
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のモータ駆動装置を基礎にして複数のモータと複数のインバータとを追加し、モータとインバータとを1つのセットとして複数のセットを相互に離れた位置に配置しようとした場合、各インバータ内に含まれるコンデンサの容量成分と、コンデンサ間を結ぶ配線のインダクタンス成分とにより共振電流が発生するという問題がある。
【0017】
また、追加したインバータ側がショートした場合、モータ駆動装置の動作を継続することが困難になるという問題がある。
【0018】
そこで、この発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、その目的は、複数のインバータ装置間における共振電流を抑制するモータ駆動装置を提供することである。
【0019】
また、この発明の別の目的は、複数のインバータ装置のうち、1つのインバータ装置がショートした場合にも、その回避手段を備えたモータ駆動装置を提供することである。
【0020】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
この発明によれば、モータ駆動装置は、第1および第2のインバータ装置と、配線と、定電流回路と、制御装置とを備える。第1のインバータ装置は、電源に接続され、第1のコンデンサを含む。第2のインバータ装置は、第2のコンデンサを含み、第1のインバータ装置を介して直流電流を受ける。配線は、第1のインバータ装置を第2のインバータ装置に接続する。定電流回路は、第1のインバータ装置と第2のインバータ装置との間に設けられ、振動幅が所定値以下である配線電流を配線に流す。制御装置は、配線電流が第2のインバータ装置の要求電流に一致するように定電流回路を制御する。
【0021】
好ましくは、制御装置は、電流センサーと、制御回路とを含む。電流センサーは、第1のインバータ装置と第2のインバータ装置との間に設けられ、配線に流れる電流を検出する。制御回路は、電流センサーによって検出された電流に基づいて、配線電流を要求電流に一致させるように定電流回路を制御する。
【0022】
好ましくは、制御回路は、電流センサーによって検出された電流が要求電流よりも大きいとき、配線電流を減少するように定電流回路を制御し、電流センサーによって検出された電流が要求電流よりも小さいとき、配線電流を増加するように定電流回路を制御する。
【0023】
また、この発明によれば、モータ駆動装置は、第1および第2のインバータ装置と、配線と、定電流回路と、制御装置とを備える。第1のインバータ装置は、電源に接続され、第1のコンデンサを含む。第2のインバータ装置は、第2のコンデンサを含み、第1のインバータ装置を介して直流電流を受ける。配線は、第1のインバータ装置を第2のインバータ装置に接続する。定電流回路は、第1のコンデンサと第2のコンデンサとの間に設けられ、振動幅が所定値以下である全体電流を第1および第2のインバータ装置に供給する。制御装置は、全体電流が第1のインバータ装置の要求電流と第2のインバータ装置の要求電流との和である目標電流に一致するように定電流回路を制御する。
【0024】
好ましくは、制御装置は、電流センサーと、制御回路とを含む。電流センサーは、第1のコンデンサと第2のコンデンサとの間に設けられ、電源と第1のインバータ装置との間に流れる電流を検出する。制御回路は、電流センサーによって検出された電流に基づいて、全体電流を目標電流に一致させるように定電流回路を制御する。
【0025】
好ましくは、制御回路は、電流センサーによって検出された電流が目標電流よりも大きいとき、全体電流を減少するように定電流回路を制御し、電流センサーによって検出された電流が目標電流よりも小さいとき、全体電流を増加するように定電流回路を制御する。
【0026】
好ましくは、定電流回路は、配線中に接続された半導体素子を含む。そして、制御装置は、電流センサーによって検出された電流がしきい値を超えたとき半導体素子を開放状態にする。
【0027】
好ましくは、第1および第2のインバータ装置は、異なる筐体に収納される。好ましくは、第1のインバータ装置は、第1のコンデンサと、少なくとも1つのインバータとを含む。少なくとも1つのインバータは、第1のコンデンサにより平滑化された直流電流を交流電圧に変換して少なくとも1つのモータを駆動する。第2のインバータ装置は、第2のコンデンサと、少なくとも1つのインバータとを含む。少なくとも1つのインバータは、第2のコンデンサにより平滑化された直流電流を交流電圧に変換して少なくとも1つのモータを駆動する。
【0028】
この発明によるモータ駆動装置においては、定電流回路は、第1および第2のインバータ装置の全体電流、または第1のインバータ装置と第2のインバータ装置との間に流れる直流電流の振動幅を所定以下に抑制する。
【0029】
したがって、この発明によれば、第1のインバータ装置と第2のインバータ装置とを接続する配線に発生する共振電流を抑制できる。その結果、第1および第2のインバータ装置は、安定した出力を出力できる。
【0030】
また、この発明によるモータ駆動装置においては、配線を介して接続された第2のインバータ装置においてショートが発生した場合、第2のインバータ装置への電流供給を遮断できる。
【0031】
さらに、第1および第2のインバータ装置は、異なる筐体に収納されるので、第1および第2のインバータ装置の各々を小型化できる。
【0032】
さらに、第1および第2のインバータ装置は、それぞれ、1つ以上のモータを駆動するので、多彩なモータ駆動装置を提供できる。
【0033】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0034】
[実施の形態1]
図1を参照して、この発明の実施の形態1によるモータ駆動装置100は、バッテリB1と、インバータ装置10,30と、電圧センサー12と、リアクトル14,15と、ゲート回路16と、電流センサー17,18,34と、配線20と、制御装置50とを備える。
【0035】
モータ60,70は、ハイブリッド自動車の駆動輪を駆動するためのトルクを発生するための駆動モータである。また、モータ60,70は、エンジンにて駆動される発電機の機能を持つように、そして、エンジンに対して電動機として動作し、たとえば、エンジン始動を行ない得るようなモータである。
【0036】
インバータ装置10は、コンデンサ11と、インバータ13とを含む。
インバータ13は、U相アーム21と、V相アーム22と、W相アーム23とから成る。U相アーム21、V相アーム22、およびW相アーム23は、電源ラインとアースラインとの間に並列に設けられる。
【0037】
U相アーム21は、直列接続されたNPNトランジスタQ3,Q4から成り、V相アーム22は、直列接続されたNPNトランジスタQ5,Q6から成り、W相アーム23は、直列接続されたNPNトランジスタQ7,Q8から成る。また、各NPNトランジスタQ3〜Q8のコレクタ−エミッタ間には、エミッタ側からコレクタ側へ電流を流すダイオードD3〜D8がそれぞれ接続されている。
【0038】
各相アームの中間点は、モータ60の各相コイルの各相端に接続されている。すなわち、モータ60は、3相の永久磁石モータであり、U,V,W相の3つのコイルの一端が中点に共通接続されて構成され、U相コイルの他端がNPNトランジスタQ3,Q4の中間点に、V相コイルの他端がNPNトランジスタQ5,Q6の中間点に、W相コイルの他端がNPNトランジスタQ7,Q8の中間点にそれぞれ接続されている。
【0039】
インバータ装置30は、コンデンサ31と、インバータ33とを含む。
インバータ33は、インバータ13と同じ構成からなる。そして、インバータ33の各相アームの中間点は、モータ70の各相コイルの各相端に接続されている。すなわち、モータ70も、モータ60と同じように、3相の永久磁石モータであり、U,V,W相の3つのコイルの一端が中点に共通接続されて構成され、U相コイルの他端がインバータ33のNPNトランジスタQ3,Q4の中間点に、V相コイルの他端がインバータ33のNPNトランジスタQ5,Q6の中間点に、W相コイルの他端がインバータ33のNPNトランジスタQ7,Q8の中間点にそれぞれ接続されている。
【0040】
バッテリB1は、ニッケル水素またはリチウムイオン等の二次電池から成る。
コンデンサ11は、バッテリB1から供給された直流電圧を平滑化し、その平滑化した直流電圧をインバータ13および配線20へ供給する。電圧センサー12は、コンデンサ11の両端の電圧Vmを検出し、その検出した電圧Vmを制御装置50へ出力する。
【0041】
インバータ13は、コンデンサ11から直流電圧が供給されると制御装置50からの信号PWMI1に基づいて直流電圧を交流電圧に変換してモータ60を駆動する。これにより、モータ60は、トルク指令値TR1によって指定されたトルクを発生するように駆動される。また、インバータ13は、モータ駆動装置100が搭載されたハイブリッド自動車の回生制動時、モータ60が発電した交流電圧を制御装置50からの信号PWMC1に基づいて直流電圧に変換し、その変換した直流電圧をコンデンサ11を介してバッテリB1へ供給する。
【0042】
なお、ここで言う回生制動とは、ハイブリッド自動車を運転するドライバーによるフットブレーキ操作があった場合の回生発電を伴う制動や、フットブレーキを操作しないものの、走行中にアクセルペダルをオフすることで回生発電をさせながら車両を減速(または加速の中止)させることを含む。
【0043】
リアクトル14は、インバータ装置10から供給された直流電流を平滑化してゲート回路16へ供給する。リアクトル15は、配線20を介してインバータ装置30から供給された直流電流を平滑化してゲート回路16へ供給する。
【0044】
ゲート回路16は、リアクトル14とリアクトル15との間に接続される。そして、ゲート回路16は、NPNトランジスタQ9,Q10から成る。NPNトランジスタQ9は、エミッタがNPNトランジスタQ10のコレクタに接続され、コレクタがNPNトランジスタQ10のエミッタに接続される。
【0045】
NPNトランジスタQ9は、制御装置50からの駆動信号DRV1をベースに受け、駆動信号DRV1の電圧レベルに応じた直流電流をリアクトル15からリアクトル14へ流す。また、NPNトランジスタQ10は、制御装置50からの駆動信号DRV2をベースに受け、駆動信号DRV2の電圧レベルに応じた直流電流をリアクトル14からリアクトル15へ流す。なお、駆動信号DRV1,2が0Vの電圧から成るとき、NPNトランジスタQ9,Q10は、オフされ、開放状態となる。
【0046】
このように、ゲート回路16は、制御装置50からの駆動信号DRV1,2の電圧レベルに応じた直流電流をリアクトル14とリアクトル15との間で流す。
【0047】
電流センサー17は、インバータ装置10とインバータ装置30との間に流れる直流電流、すなわち、配線20に流れる直流電流Im1を検出し、その検出した直流電流Im1を制御装置50へ出力する。
【0048】
電流センサー18は、モータ60に流れるモータ電流MCRT1を検出し、その検出したモータ電流MCRT1を制御装置50へ出力する。
【0049】
配線20は、インバータ装置10をインバータ装置30に接続する。コンデンサ31は、配線20を介してインバータ装置10から受けた直流電流を平滑化し、その平滑化した直流電流をインバータ33に供給する。
【0050】
インバータ33は、コンデンサ31から直流電圧が供給されると制御装置50からの信号PWMI2に基づいて直流電圧を交流電圧に変換してモータ70を駆動する。これにより、モータ70は、トルク指令値TR2によって指定されたトルクを発生するように駆動される。また、インバータ33は、モータ駆動装置100が搭載されたハイブリッド自動車の回生制動時、モータ70が発電した交流電圧を制御装置50からの信号PWMC2に基づいて直流電圧に変換し、その変換した直流電圧をコンデンサ31および配線20を介してインバータ装置10へ供給する。
【0051】
電流センサー34は、モータ70に流れるモータ電流MCRT2を検出し、その検出したモータ電流MCRT2を制御装置50へ出力する。
【0052】
制御装置50は、外部に設けられたECU(Electrical Control Unit)からトルク指令値TR1,TR2、モータ回転数MRN2および信号RGEを受け、電圧センサー12から電圧Vmを受け、電流センサー17から直流電流Im1を受け、電流センサー18からモータ電流MCRT1を受け、電流センサー34からモータ電流MCRT2を受ける。そして、制御装置50は、電圧Vm、モータ電流MCRT1およびトルク指令値TR1に基づいて、後述する方法によりインバータ13がモータ60を駆動するときにインバータ13のNPNトランジスタQ3〜Q8をスイッチング制御するための信号PWMI1を生成し、その生成した信号PWMI1をインバータ13へ出力する。
【0053】
また、制御装置50は、電圧Vm、モータ電流MCRT2およびトルク指令値TR2に基づいて、後述する方法によりインバータ33がモータ70を駆動するときにインバータ33のNPNトランジスタQ3〜Q8をスイッチング制御するための信号PWMI2を生成し、その生成した信号PWMI2をインバータ33へ出力する。
【0054】
さらに、制御装置50は、モータ駆動装置100が搭載されたハイブリッド自動車の回生制動時、ハイブリッド自動車が回生制動モードに入ったことを示す信号RGEを外部ECUから受けると、モータ60または70で発電された交流電圧を直流電圧に変換するための信号PWMC1,2を生成し、その生成した信号PWMC1をインバータ13へ出力し、生成した信号PWMC2をインバータ33へ出力する。この場合、インバータ13,33のNPNトランジスタQ3〜Q8は信号PWMC1,2によってスイッチング制御される。これにより、インバータ13は、モータ60で発電された交流電圧を直流電圧に変換してバッテリB1へ供給し、インバータ33は、モータ70で発電された交流電圧を直流電圧に変換してインバータ装置10へ供給する。
【0055】
さらに、制御装置50は、トルク指令値TR2、モータ回転数MRN2および電圧Vmに基づいて、モータ70の要求電流Icom1を演算する。そして、制御装置50は、電流センサー17からの直流電流Im1を要求電流Icom1に一致させるための駆動信号DRV1,2を生成し、その生成した駆動信号DRV1,2をゲート回路16へ出力する。
【0056】
なお、インバータ装置10、電圧センサー12、リアクトル14,15、ゲート回路16および電流センサー17は、筐体80に収納される。また、インバータ装置30は、筐体81に収納される。
【0057】
図2は、図1に示す制御装置50の機能ブロック図である。図2を参照して、制御装置50は、インバータ制御手段501,502と、電流制御手段503とを含む。
【0058】
インバータ制御手段501は、トルク指令値TR1、モータ電流MCRT1および電圧Vmに基づいて、モータ60の駆動時、後述する方法によりインバータ13のNPNトランジスタQ3〜Q8をオン/オフするための信号PWMI1を生成し、その生成した信号PWMI1をインバータ13へ出力する。また、インバータ制御手段501は、外部ECUからの信号RGEに応じて信号PWMC1を生成してインバータ13へ出力する。
【0059】
インバータ制御手段502は、トルク指令値TR2、モータ電流MCRT2および電圧Vmに基づいて、モータ70の駆動時、後述する方法によりインバータ33のNPNトランジスタQ3〜Q8をオン/オフするための信号PWMI2を生成し、その生成した信号PWMI2をインバータ33へ出力する。また、インバータ制御手段502は、外部ECUからの信号RGEに応じて信号PWMC2を生成してインバータ33へ出力する。
【0060】
電流制御手段503は、トルク指令値TR2、モータ回転数MRN2および電圧Vmに基づいて、モータ70の要求電流Icom1を演算する。そして、電流制御手段503は、電流センサー17からの直流電流Im1を要求電流Icom1と比較し、直流電流Im1が要求電流Icom1に一致するようにNPNトランジスタQ9,Q10を駆動するための駆動信号DRV1,2を生成してゲート回路16へ出力する。
【0061】
図3は、図2に示すインバータ制御手段501の機能ブロック図である。図3を参照して、インバータ制御手段501は、モータ制御用相電圧演算部41と、インバータ用PWM信号変換部42と、回生信号生成回路43とを含む。
【0062】
モータ制御用相電圧演算部41は、コンデンサ11の両端の電圧Vmを電圧センサー12から受け、モータ60の各相に流れるモータ電流MCRT1を電流センサー18から受け、トルク指令値TR1を外部ECUから受ける。そして、モータ制御用相電圧演算部41は、トルク指令値TR1、モータ電流MCRT1および電圧Vmに基づいて、モータ60の各相のコイルに印加する電圧を計算し、その計算した結果をインバータ用PWM信号変換部42へ供給する。
【0063】
インバータ用PWM信号変換部42は、モータ制御用相電圧演算部41から受けた計算結果に基づいて、実際にインバータ13の各NPNトランジスタQ3〜Q8をオン/オフする信号PWMI1を生成し、その生成した信号PWMI1をインバータ13の各NPNトランジスタQ3〜Q8へ出力する。
【0064】
これにより、インバータ13の各NPNトランジスタQ3〜Q8は、スイッチング制御され、モータ60が指令されたトルクを出力するように、モータ60の各相に流す電流を制御する。このようにして、モータ駆動電流が制御され、トルク指令値TR1に応じたモータトルクが出力される。
【0065】
回生信号生成回路43は、外部ECUからの信号RGEに応じて信号PWMC1を生成してインバータ13へ出力する。
【0066】
インバータ制御手段502は、インバータ制御装置501と同じ構成から成り、トルク指令値TR1およびモータ回転数MRN1に代えてトルク指令値TR2およびモータ回転数MRN2を用い、上述した方法により信号PWMI2を生成してインバータ33へ出力する。また、インバータ制御手段502は、外部ECUからの信号RGEに応じて、上述した方法により信号PWMC2を生成してインバータ33へ出力する。
【0067】
図4は、図2に示す電流制御手段503の機能ブロック図である。図4を参照して、電流制御手段503は、要求パワー演算部51と、要求電流演算部52と、制御部53と、電流保護部54とを含む。要求パワー演算部51は、外部ECUからトルク指令値TR2およびモータ回転数MRN2を受ける。そして、要求パワー演算部51は、モータ回転数MRN2に基づいてモータ70の回転速度ω2を演算し、その演算した回転速度ω2とトルク指令値TR2とを乗算することによりモータ70の要求パワーPcom1を演算する。
【0068】
要求電流演算部52は、電圧センサー11から電圧Vmを受け、要求パワー演算部51から要求パワーPcom1を受ける。そして、要求電流演算部52は、要求パワーPcom1を電圧Vmによって除算することによりモータ70の要求電流Icom1を演算する。
【0069】
制御部53は、電流センサー17から直流電流Im1を受け、要求電流演算部52から要求電流Icom1を受け、電流保護部54からゲート回路16のNPNトランジスタQ9,Q10が流すことができる最大電流Imax1を受ける。そして、制御部53は、直流電流Im1を要求電流Icom1と比較し、直流電流Im1が要求電流Icom1に一致するようにNPNトランジスタQ9,Q10を駆動するための駆動信号DRV1,2を生成する。
【0070】
より具体的には、制御部53は、直流電流Im1が正(Im1>0)であり、かつ、直流電流Im1が要求電流Icom1よりも小さいとき、0Vの電圧から成る駆動信号DRV1と、電圧V1から成る駆動信号DRV2とを生成し、その生成した駆動信号DRV1,2をそれぞれゲート回路16のNPNトランジスタQ9,Q10へ出力する。
【0071】
なお、インバータ装置10からインバータ装置30へ流れる直流電流Im1を「正」、その逆を「負」とする。
【0072】
したがって、直流電流Im1が正であり、かつ、直流電流Im1が要求電流Icom1よりも小さいとき、NPNトランジスタQ10を介して直流電流をインバータ装置10からインバータ装置30へ流すために、0Vの電圧から成る駆動信号DRV1と、電圧V1から成る駆動信号DRV2とを生成してゲート回路16へ出力することにしたものである。
【0073】
また、制御部53は、直流電流Im1が正(Im1>0)であり、かつ、直流電流Im1が要求電流Icom1よりも大きいとき、さらに、直流電流Im1を最大電流Imax1と比較する。そして、制御部53は、直流電流Im1が最大電流Imax1よりも小さいとき、0Vの電圧から成る駆動信号DRV1と、電圧V2(<V1)から成る駆動信号DRV2とを生成し、その生成した駆動信号DRV1,2をそれぞれゲート回路16のNPNトランジスタQ9,Q10へ出力する。一方、直流電流Im1が最大電流Imax1以上であるとき、0Vの電圧から成る駆動信号DRV1およびDRV2を生成し、その生成した駆動信号DRV1,2をそれぞれNPNトランジスタQ9,Q10へ出力する。
【0074】
直流電流Im1が要求電流Icom1よりも大きいときは、NPNトランジスタQ10を保護するために直流電流Im1を最大電流Imax1と比較し、直流電流Im1が最大電流Imax1よりも小さいときに、NPNトランジスタQ10を駆動するための駆動信号DRV2を生成することにしたものである。そして、直流電流Im1が最大電流Imax1以上であるとき、NPNトランジスタQ10を保護するためにNPNトランジスタQ10を停止することにしたものである。
【0075】
また、直流電流Im1が要求電流Icom1よりも大きいので、インバータ装置10からインバータ装置30へ流れる電流を減少させるために、電圧V1よりも低い電圧V2から成る駆動信号DRV2を生成してゲート回路16へ出力することにしたものである。
【0076】
さらに、制御部53は、直流電流Im1が負(Im1<0)であり、かつ、直流電流Im1が要求電流Icom1よりも大きいとき(直流電流Im1の絶対値は、要求電流Icom1の絶対値よりも小さい)、電圧V3から成る駆動信号DRV1と、0Vの電圧から成る駆動信号DRV2とを生成し、その生成した駆動信号DRV1,2をそれぞれゲート回路16のNPNトランジスタQ9,Q10へ出力する。
【0077】
直流電流Im1が負であるとき、直流電流Im1は、インバータ装置30からインバータ装置10へ流れるので、NPNトランジスタQ9を電圧V3によりオンし、NPNトランジスタQ10を停止することにしたものである。そして、直流電流Im1が要求電流Icom1よりも大きいので、電圧V3によりNPNトランジスタQ9を流れる直流電流を増加させることにしたものである。
【0078】
さらに、制御部53は、直流電流Im1が負(Im1<0)であり、かつ、直流電流Im1が要求電流Icom1よりも小さいとき(直流電流Im1の絶対値は、要求電流Icom1の絶対値よりも大きい)、さらに、直流電流Im1を最大電流Imax1と比較する。そして、制御部53は、直流電流Im1が最大電流Imax1よりも大きいとき(直流電流Im1の絶対値は、最大電流Imax1の絶対値よりも小さい)、電圧V4(<V3)から成る駆動信号DRV1と、0Vの電圧から成る駆動信号DRV2とを生成し、その生成した駆動信号DRV1,2をそれぞれゲート回路16のNPNトランジスタQ9,Q10へ出力する。一方、直流電流Im1が最大電流Imax1以下であるとき(直流電流Im1の絶対値は、最大電流Imax1の絶対値よりも大きい)、0Vの電圧から成る駆動信号DRV1およびDRV2を生成し、その生成した駆動信号DRV1,2をそれぞれNPNトランジスタQ9,Q10へ出力する。
【0079】
直流電流Im1が要求電流Icom1よりも小さいときは、NPNトランジスタQ9を保護するために直流電流Im1を最大電流Imax1と比較し、直流電流Im1が最大電流Imax1よりも大きいときに、NPNトランジスタQ9を駆動するための駆動信号DRV1を生成することにしたものである。そして、直流電流Im1が最大電流Imax1以下であるとき、NPNトランジスタQ9を保護するためにNPNトランジスタQ9を停止することにしたものである。
【0080】
また、直流電流Im1が要求電流Icom1よりも小さいので、インバータ装置30からインバータ装置10へ流れる電流を減少させるために、電圧V3よりも低い電圧V4から成る駆動信号DRV1を生成してゲート回路16へ出力することにしたものである。
【0081】
このように、直流電流Im1は、インバータ装置10とインバータ装置30との間でNPNトランジスタQ9またはNPNトランジスタQ10を介して流れ、かつ、NPNトランジスタQ9またはQ10の両側でリアクトル14,15によって平滑化される。したがって、直流電流Im1は、コンデンサ11とコンデンサ31との間を配線20を介して流れても、その振動幅は所定値以下に抑制される。つまり、コンデンサ11、配線20およびコンデンサ31によって共振回路が構成されても、配線20に発生する共振電流が抑制される。
【0082】
再び、図1を参照して、モータ駆動装置100における全体動作について説明する。全体の動作が開始されると、バッテリB1は直流電圧を出力する。
【0083】
電圧センサー12は、コンデンサ11の両端の電圧Vmを検出し、その検出した電圧Vmを制御装置50へ出力する。また、電流センサー17は、直流電流Im1を検出して制御装置50へ出力し、電流センサー18は、モータ60に流れるモータ電流MCRT1を検出して制御装置50へ出力し、電流センサー34は、モータ70に流れるモータ電流MCRT2を検出して制御装置50へ出力する。そして、制御装置50は、外部ECUからトルク指令値TR1,TR2およびモータ回転数MRN2を受ける。
【0084】
そうすると、制御装置50は、電圧Vm、モータ電流MCRT1およびトルク指令値TR1に基づいて、上述した方法により信号PWMI1を生成し、その生成した信号PWMI1をインバータ13へ出力する。また、制御装置50は、電圧Vm、モータ電流MCRT2およびトルク指令値TR2に基づいて、上述した方法により信号PWMI2を生成し、その生成した信号PWMI2をインバータ33へ出力する。さらに、制御装置50は、トルク指令値TR2、モータ回転数MRN2および電圧Vmに基づいて、上述した方法により駆動信号DRV1,2を生成してNPNトランジスタQ9,Q10へ出力する。この場合、モータ70は駆動モータとして動作するので、直流電流Im1は、インバータ装置10からインバータ装置30へ供給される。したがって、駆動信号DRV1は、0Vの電圧から成り、駆動信号DRV2は、所定の電圧から成る。
【0085】
そして、インバータ13は、コンデンサ11によって平滑化された直流電圧を制御装置50からの信号PWMI1によって交流電圧に変換してモータ60を駆動する。また、NPNトランジスタQ9は、駆動信号DRV1によってオフされ、NPNトランジスタQ10は、駆動信号DRV2によってオンされて要求電流Icom1に一致するように直流電流Im1をインバータ装置10からインバータ装置30へ配線20を介して流す。
【0086】
コンデンサ31は、配線20を介して受けた直流電圧を平滑化し、その平滑化した直流電圧をインバータ33に供給する。インバータ33は、コンデンサ31によって平滑化された直流電圧を制御装置50からの信号PWMI2によって交流電圧に変換してモータ70を駆動する。これによって、モータ60は、トルク指令値TR1によって指定されたトルクを発生し、モータ70は、トルク指令値TR2によって指定されたトルクを発生する。
【0087】
また、モータ駆動装置100が搭載されたハイブリッド自動車の回生制動時、制御装置50は、外部ECUから信号RGEを受け、その受けた信号RGEに応じて、信号PWMC1,2を生成してそれぞれインバータ13,33へ出力する。
【0088】
さらに、制御装置50は、上述した方法によって、所定の電圧から成る駆動信号DRV1と、0Vの電圧から成る駆動信号DRV2とを生成してゲート回路16へ出力する。
【0089】
そうすると、インバータ13は、モータ60が発電した交流電圧を信号PWMC1に応じて直流電圧に変換し、その変換した直流電圧をコンデンサ11を介してバッテリB1へ供給する。また、インバータ33は、モータ70が発電した交流電圧を信号PWMC2に応じて直流電圧に変換し、その変換した直流電圧をコンデンサ31および配線20を介してゲート回路16へ供給する。ゲート回路16は、駆動信号DRV1によってオンされたNPNトランジスタQ9を介して直流電流Im1が要求電流Icom1に一致するようにインバータ装置30からインバータ装置10へ流す。
【0090】
モータ60および70が駆動モードまたは回生モードにある場合、インバータ装置30でショートが発生し、直流電流Im1が最大電流Imax1を超えると、制御装置50は、0Vの電圧から成る駆動信号DRV1およびDRV2を生成してゲート回路16へ出力する。ゲート回路16のNPNトランジスタQ9およびQ10は、0Vの電圧から成る駆動信号DRV1およびDRV2によってオフされ、ゲート回路16は、直流電流Im1のインバータ装置10からインバータ装置30への供給を遮断する。
【0091】
上述したように、モータ駆動装置100においては、モータ60,70が駆動モードまたは回生モードで駆動されるとき、直流電流Im1は、インバータ装置10とインバータ装置30との間でNPNトランジスタQ9またはQ10とリアクトル14,15とを介して流れるので、配線20に発生する共振電流を抑制できる。その結果、安定したインバータ出力を得ることができる。
【0092】
また、インバータ装置30でショートが発生し、直流電流Im1が最大電流Imax1を超えると、ゲート回路16はオフされるので、直流電流Im1のインバータ装置10からインバータ装置30への供給を遮断できる。
【0093】
さらに、インバータ装置10およびインバータ装置30は、異なる筐体に収納されるので、インバータが配置される部分を小型化できる。
【0094】
なお、電流センサー17および電流制御手段503は、「制御装置」を構成する。
【0095】
また、電流制御手段503は、「制御回路」を構成する。
さらに、リアクトル14,15およびゲート回路16は、「定電流回路」を構成する。そして、リアクトル14,15およびゲート回路16からなる定電流回路は、一例であって、同様の機能を発揮する回路構成も特許請求の範囲と均等の意味を有する。
【0096】
さらに、上記においては、モータ駆動装置100の制御装置50は、モータ駆動装置100を搭載したハイブリッド自動車の回生制動モードを外部ECUからの信号RGEにより検知すると説明したが、この発明においては、制御装置50は、モータ60または70のトルクと回転数との関係を示すトルク特性に基づいて、モータ駆動装置100を搭載したハイブリッド自動車の回生制動モードを検知するようにしてもよい。
【0097】
この場合、モータ60および70にレゾルバが設けられ、制御装置50は、レゾルバからモータ60または70のローターの回転角θ1またはθ2を受け、その受けた回転角θ1またはθ2に基づいてモータ60または70の回転数MRN1またはMRN2を演算する。そして、制御装置50は、外部ECUから受けたトルク指令値TR1またはTR2と、演算した回転数MRN1またはMRN2との関係からモータ駆動装置100を搭載したハイブリッド自動車が回生制動モードにあるか否かを判定する。
【0098】
モータ60または70のトルクと回転数との関係から回生制動モードを検知する場合、図2に示すインバータ制御手段501,502は、図3に示す機能ブロック図から回生信号生成回路43を削除した機能ブロック図からなる。つまり、インバータ制御手段501,502は、モータ60,70の力行モードおよび回生制動モードにおいて、同じ機能ブロックによって、トルク指令値TR1,TR2、モータ電流MCRT1,MCRT2およびインバータ入力電圧Vmに基づいて信号PWMI1,PWMI2,PWMC1,PWMC2を生成する。
【0099】
[実施の形態2]
図5を参照して、実施の形態2によるモータ駆動装置100Aは、モータ駆動装置100のリアクトル14,15、ゲート回路16および電流センサー17をコンデンサ11とインバータ13との間へ移動し、制御装置50を制御装置50Aに代えたものであり、その他は、モータ駆動装置100と同じである。
【0100】
モータ駆動装置100Aにおいては、リアクトル14,15およびゲート回路16は、インバータ装置10における電流とインバータ装置30における電流との和である全体電流の振動幅を所定値以下に抑制する。
【0101】
制御装置50Aは、信号RGE、トルク指令値TR1,2およびモータ回転数MRN2に加え、モータ回転数MRN1を外部ECUから受ける。そして、制御装置50Aは、トルク指令値TR1、モータ回転数MRN1および電圧Vmに基づいて、モータ60の要求電流Icom21を演算し、トルク指令値TR2、モータ回転数MRN2および電圧Vmに基づいて、モータ70の要求電流Icom22を演算する。そうすると、制御装置50Aは、要求電流Icom21と要求電流Icom22との和を演算して目標電流Icom2を求め、電流センサー17からの直流電流Im2を目標電流Icom2に一致させるようにNPNトランジスタQ9,Q10を駆動するための信号DRV1,DRV2を生成してゲート回路16へ出力する。
【0102】
制御装置50Aは、その他、制御装置50と同じ機能を有する。
図6は、図5に示す制御装置50Aの機能ブロック図である。図6を参照して、制御装置50Aは、制御装置50の電流制御手段503を電流制御手段503Aに代えたものであり、その他は、制御装置50と同じである。
【0103】
図7は、図6に示す電流制御手段503Aの機能ブロック図である。図7を参照して、電流制御手段503Aは、電流制御手段503の要求パワー演算部51を要求パワー演算部51Aに代え、要求電流演算部52を要求電流演算部52Aに代えたものであり、その他は、電流制御手段503と同じである。なお、電流制御手段503においては、電流保護部54は、最大電流Imax2を制御部53へ出力する。
【0104】
要求パワー演算部51Aは、トルク指令値TR1,2およびモータ回転数MRN1,2を外部ECUから受ける。要求パワー演算部51Aは、モータ回転数MRN1に基づいて回転速度ω1を演算し、モータ回転数MRN2に基づいて回転速度ω2を演算する。そして、要求パワー演算部51Aは、回転速度ω1とトルク指令値TR1とを乗算してモータ60の要求パワーPcom21を演算し、回転速度ω2とトルク指令値TR2とを乗算してモータ70の要求パワーPcom22を演算する。そうすると、要求パワー演算部51Aは、要求パワーPcom21と要求パワーPcom22との和Pcom2を演算する。
【0105】
要求電流演算部52Aは、要求パワー演算部51Aからの要求パワーPcom2を電圧センサー12からの電圧Vmで除算してインバータ装置10に供給する電流とインバータ装置30に流す電流との和である目標電流Icom2を演算する。
【0106】
そうすると、制御部53は、上述した方法により、直流電流Im2を目標電流Icom2に一致させるようにNPNトランジスタQ9,Q10を駆動するための信号DRV1,2を生成してゲート回路16へ出力する。
【0107】
モータ駆動装置100Aにおいては、リアクトル14,15およびゲート回路16は、インバータ装置10およびインバータ装置30の両方に流れる全体電流Im2の振動幅を所定値以下に抑制するので、コンデンサ11、配線20およびコンデンサ31によって共振回路が構成されても配線20に発生する共振電流を抑制できる。
【0108】
モータ駆動装置100Aの全体動作は、モータ駆動装置100の全体動作のうち、電流制御手段503の動作を電流制御手段503Aの動作に代えたものであり、その他は、モータ駆動装置100の動作と同じである。
【0109】
なお、電流センサー17および電流制御手段503Aは、「制御装置」を構成する。
【0110】
また、電流制御手段503Aは、「制御回路」を構成する。
その他は、実施の形態1と同じである。
【0111】
[実施の形態3]
図8を参照して、実施の形態3によるモータ駆動装置100Bは、モータ駆動装置100の制御装置50を制御装置50Bに代え、バッテリB1をバッテリB2に代え、電圧センサー1、コンデンサ2および昇圧コンバータ3を追加したものであり、その他は、モータ駆動装置100と同じである。
【0112】
コンデンサ2は、昇圧コンバータ3の入力側に配置される。昇圧コンバータ3は、バッテリB2とインバータ装置10との間に接続される。昇圧コンバータ3は、リアクトルL1と、NPNトランジスタQ1,Q2とダイオードD1,D2とを含む。
【0113】
リアクトルL1は、一方端がバッテリB2の電源ラインに接続され、他方端がNPNトランジスタQ1とNPNトランジスタQ2との中間点、すなわち、NPNトランジスタQ1のエミッタとNPNトランジスタQ2のコレクタとの間に接続される。NPNトランジスタQ1,Q2は、電源ラインとアースラインとの間に直列に接続される。そして、NPNトランジスタQ1のコレクタは電源ラインに接続され、NPNトランジスタQ2のエミッタはアースラインに接続される。また、各NPNトランジスタQ1,Q2のコレクタ−エミッタ間には、エミッタ側からコレクタ側へ電流を流すダイオードD1,D2がそれぞれ配置されている。
【0114】
電圧センサー1は、バッテリB2のバッテリ電圧Vbを検出し、その検出したバッテリ電圧Vbを制御装置50Bへ出力する。コンデンサ2は、バッテリB2からの直流電圧を平滑化し、その平滑化した直流電圧を昇圧コンバータ3へ供給する。
【0115】
昇圧コンバータ3は、コンデンサ2から供給された直流電圧を昇圧してコンデンサ11へ供給する。より具体的には、昇圧コンバータ3は、制御装置50Bから信号PWMUを受けると、信号PWMUによってNPNトランジスタQ2がオンされた期間に応じて直流電圧を昇圧してコンデンサ11に供給する。この場合、NPNトランジスタQ1は、信号PWMUによってオフされている。
【0116】
また、昇圧コンバータ3は、制御装置50Bから信号PWMDを受けると、コンデンサ11を介してインバータ13(または33)から供給された直流電圧を降圧してバッテリB2に供給する。
【0117】
制御装置50Bは、外部ECUからトルク指令値TR1,TR2、モータ回転数MRN1,MRN2および信号RGEを受け、電圧センサー1からバッテリ電圧Vbを受け、電圧センサー12から電圧Vmを受け、電流センサー17から直流電流Im1を受け、電流センサー18からモータ電流MCRT1を受け、電流センサー34からモータ電流MCRT2を受ける。そして、制御装置50Bは、インバータ13(またはインバータ33)がモータ60(またはモータ70)を駆動するとき、バッテリ電圧Vb、電圧Vm、モータ電流MCRT1(またはMCRT2)およびトルク指令値TR1(またはTR2)に基づいて、後述する方法により昇圧コンバータ3のNPNトランジスタQ1,Q2をスイッチング制御するための信号PWMUを生成し、その生成した信号PWMUを昇圧コンバータ3へ出力する。
【0118】
また、制御装置50Bは、信号RGEを外部ECUから受けると、インバータ13またはインバータ33から供給された直流電圧を降圧するための信号PWMDを生成し、その生成した信号PWMDを昇圧コンバータ3へ出力する。これにより、モータ60またはモータ70が発電した交流電圧は、直流電圧に変換され、降圧されてバッテリB2に供給される。このように、昇圧コンバータ3は、直流電圧を昇圧するだけでなく、直流電圧を降圧することもできるので、双方向コンバータの機能を有する。
【0119】
制御装置50Bは、その他、制御装置50と同じ機能を有する。
図9は、図8に示す制御装置50Bの機能ブロック図である。図9を参照して、制御装置50Bは、制御装置50にコンバータ制御手段504を追加したものであり、その他は、制御装置50と同じである。
【0120】
コンバータ制御手段504は、バッテリ電圧Vb、電圧Vm、トルク指令値TR1およびモータ回転数MRN1(またはバッテリ電圧Vb、電圧Vm、トルク指令値TR2およびモータ回転数MRN2)に基づいて、後述する方法により信号PWMUを生成して昇圧コンバータ3へ出力する。
【0121】
また、コンバータ制御手段504は、外部ECUからの信号RGEに応じて信号PWMDを生成して昇圧コンバータ3へ出力する。
【0122】
図10は、図9に示すコンバータ制御手段504の機能ブロック図である。図10を参照して、コンバータ制御手段504は、電圧指令演算部61と、コンバータ用デューティー比演算部62と、コンバータ用PWM信号変換部63とを含む。
【0123】
電圧指令演算部61は、外部ECUから受けたトルク指令値TR1,2およびモータ回転数MRN1,2に基づいてインバータ入力電圧Vmの最適値(目標値)、すなわち、電圧指令Vdc_comを演算し、その演算した電圧指令Vdc_comをコンバータ用デューティー比演算部62へ出力する。
【0124】
コンバータ用デューティー比演算部62は、電圧センサー1からバッテリ電圧Vbを受け、電圧センサー12から電圧Vmを受け、電圧指令演算部61から電圧指令Vdc_comを受ける。そして、コンバータ用デューティー比演算部62は、電圧指令演算部61から電圧指令Vdc_comを受けると、バッテリ電圧Vbに基づいて、インバータ入力電圧Vmを電圧指令演算部61から出力される電圧指令Vdc_comに設定するためのデューティー比DRUまたはDRDを演算し、その演算したデューティー比DRUまたはDRDをコンバータ用PWM信号変換部63へ出力する。
【0125】
電圧Vmが電圧指令Vdc_comになるようにバッテリ電圧Vbを昇圧する場合、コンバータ用デューティー比演算部62は、電圧Vmが電圧指令Vdc_comよりも低いとき、バッテリB2からインバータ装置10側へ直流電流を移動させて電圧Vmを電圧指令Vdc_comに一致させるためのデューティー比DRUを生成してコンバータ用PWM信号変換部63へ出力し、電圧Vmが電圧指令Vdc_comよりも高くなると、インバータ装置10側からバッテリB2側へ直流電流を移動させて電圧Vmを電圧指令Vdc_comに一致させるためのデューティー比DRDを生成してコンバータ用PWM信号変換部63へ出力する。このように、コンバータ制御手段504は、電圧Vmが電圧指令Vdc_comに一致するようにフィードバック制御を行なう。
【0126】
また、モータ60および/またはモータ70が回生モードにあるとき、昇圧コンバータ3の出力電圧である電圧Vmは、電圧指令Vdc_comよりも高くなるので、コンバータ用デューティー比演算部62は、外部ECUから信号RGEを受けると、デューティー比DRDを生成してコンバータ用PWM信号変換部63へ出力する。
【0127】
コンバータ用PWM信号変換部63は、コンバータ用デューティー比演算部62からのデューティー比DRUに基づいて昇圧コンバータ3のNPNトランジスタQ1,Q2をオン/オフするための信号PWMUを生成し、その生成した信号PWMUを昇圧コンバータ3へ出力する。
【0128】
また、コンバータ用PWM信号変換部63は、コンバータ用デューティー比演算部62からのデューティー比DRDに基づいて昇圧コンバータ3のNPNトランジスタQ1,Q2をオン/オフするための信号PWMDを生成して昇圧コンバータ3へ出力する。
【0129】
なお、昇圧コンバータ3の下側のNPNトランジスタQ2のオンデューティーを大きくすることによりリアクトルL1における電力蓄積が大きくなるため、より高電圧の出力を得ることができる。一方、上側のNPNトランジスタQ1のオンデューティーを大きくすることにより電源ラインの電圧が下がる。そこで、NPNトランジスタQ1,Q2のデューティー比を制御することで、電源ラインの電圧を直流電源Bの出力電圧以上の任意の電圧に制御可能である。
【0130】
モータ駆動装置100Bは、昇圧コンバータ3によって昇圧された直流電圧Vmがインバータ装置10および30に供給され、昇圧コンバータ3によって降圧された直流電圧がバッテリB2に供給される点を除いてモータ駆動装置100と同じである。したがって、モータ駆動装置100Bにおいては、モータ駆動装置100における機構と同じ機構によって配線20に発生する共振電流が抑制される。
【0131】
再び、図8を参照してモータ駆動装置100Bの動作について説明する。全体の動作が開始されると、バッテリB2は直流電圧をコンデンサ2を介して昇圧コンバータ3へ供給する。
【0132】
電圧センサー1は、バッテリ電圧Vbを検出し、その検出したバッテリ電圧Vbを制御装置50Bへ出力する。また、電圧センサー12は、コンデンサ11の両端の電圧Vmを検出し、その検出した電圧Vmを制御装置50Bへ出力する。さらに、電流センサー17は、直流電流Im1を検出して制御装置50Bへ出力する。さらに、電流センサー18は、モータ60に流れるモータ電流MCRT1を検出して制御装置50Bへ出力し、電流センサー34は、モータ70に流れるモータ電流MCRT2を検出して制御装置50Bへ出力する。そして、制御装置50Bは、外部ECUからトルク指令値TR1,TR2およびモータ回転数MRN1,2を受ける。
【0133】
そうすると、制御装置50Bは、インバータ13(または33)がモータ60(または70)を駆動するとき、電圧Vm、バッテリ電圧Vb、モータ電流MCRT1(またはMCRT2)、トルク指令値TR1(またはTR2)およびモータ回転数MRN1(またはMRN2)に基づいて、上述した方法により昇圧コンバータ3のNPNトランジスタQ1,Q2をスイッチング制御するための信号PWMUを生成し、その生成した信号PWMUを昇圧コンバータ3へ出力する。
【0134】
そうすると、昇圧コンバータ3は、信号PWMUに応じて、バッテリB2からの直流電圧を昇圧し、その昇圧した直流電圧をインバータ装置10側に供給する。
【0135】
その後、実施の形態1において説明した動作が行なわれ、インバータ13は、コンデンサ11から供給された直流電圧を交流電圧に変換してモータ60を駆動し、インバータ33は、振動幅が所定値以下に抑制された直流電圧を交流電圧に変換してモータ70を駆動する。
【0136】
また、モータ駆動装置100Bが搭載されたハイブリッド自動車の回生制動時、制御装置50Bは、外部ECUから信号RGEを受け、その受けた信号RGEに応じて、信号PWMC1,2を生成してそれぞれインバータ13,33へ出力し、信号PWMDを生成して昇圧コンバータ3へ出力する。
【0137】
そうすると、インバータ13は、モータ60が発電した交流電圧を信号PWMC1に応じて直流電圧に変換し、その変換した直流電圧をコンデンサ11を介して昇圧コンバータ3へ供給する。また、インバータ33は、モータ70が発電した交流電圧を信号PWMC2に応じて直流電圧に変換し、その変換した直流電圧をコンデンサ31、配線20を介してインバータ装置10側へ供給する。ゲート回路16は、インバータ装置30からの直流電流を配線20を介して受け、振動幅を所定値以下に抑制して昇圧コンバータ3へ供給する。そして、昇圧コンバータ3は、インバータ装置10および30から受けた直流電圧を信号PWMDによって降圧し、その降圧した直流電圧をバッテリB2に供給する。
【0138】
このように、バッテリ電圧Vbを昇圧した電圧Vmをインバータ装置10,30に供給する昇圧コンバータ3を備えたモータ駆動装置100Bにおいても、インバータ装置10をインバータ装置30に接続する配線20に発生する共振電流を抑制できる。
【0139】
その他は、実施の形態1と同じである。
[実施の形態4]
図11を参照して、実施の形態4によるモータ駆動装置100Cは、モータ駆動装置100Aの制御装置50Aを制御装置50Cに代え、バッテリB1をバッテリB2に代え、電圧センサー1、コンデンサ2および昇圧コンバータ3を追加したものであり、その他は、モータ駆動装置100Aと同じである。
【0140】
電圧センサー1、コンデンサ2および昇圧コンバータ3については、実施の形態3において説明したとおりである。
【0141】
制御装置50Cは、外部ECUからトルク指令値TR1,TR2、モータ回転数MRN1,MRN2および信号RGEを受け、電圧センサー1からバッテリ電圧Vbを受け、電圧センサー12から電圧Vmを受け、電流センサー17から直流電流Im2を受け、電流センサー18からモータ電流MCRT1を受け、電流センサー34からモータ電流MCRT2を受ける。そして、制御装置50Cは、インバータ13(またはインバータ33)がモータ60(またはモータ70)を駆動するとき、バッテリ電圧Vb、電圧Vm、モータ電流MCRT1(またはMCRT2)およびトルク指令値TR1(またはTR2)に基づいて、上述した方法により昇圧コンバータ3のNPNトランジスタQ1,Q2をスイッチング制御するための信号PWMUを生成し、その生成した信号PWMUを昇圧コンバータ3へ出力する。
【0142】
また、制御装置50Cは、信号RGEを外部ECUから受けると、インバータ13またはインバータ33から供給された直流電圧を降圧するための信号PWMDを生成し、その生成した信号PWMDを昇圧コンバータ3へ出力する。
【0143】
制御装置50Cは、その他、制御装置50Aと同じ機能を有する。
図12は、図11に示す制御装置50Cの機能ブロック図である。図12を参照して、制御装置50Cは、制御装置50Aにコンバータ制御手段504を追加したものであり、その他は、制御装置50Aと同じである。
【0144】
コンバータ制御手段504については、実施の形態3において説明したとおりである。
【0145】
モータ駆動装置100Cは、昇圧コンバータ3によって昇圧された直流電圧Vmがインバータ装置10および30に供給され、昇圧コンバータ3によって降圧された直流電圧がバッテリB2に供給される点を除いてモータ駆動装置100Aと同じである。したがって、モータ駆動装置100Cにおいては、モータ駆動装置100Aにおける機構と同じ機構によって配線20に発生する共振電流が抑制される。
【0146】
モータ駆動装置100Cの全体動作は、モータ駆動装置100Aの動作に実施の形態3において説明した昇圧コンバータ3に関連する動作を追加したものである。
【0147】
したがって、バッテリ電圧Vbを昇圧した電圧Vmをインバータ装置10,30に供給する昇圧コンバータ3を備えたモータ駆動装置100Cにおいても、インバータ装置10およびインバータ装置30の両方に供給する全体電流Im2の振動幅を所定値以下に抑制し、インバータ装置10をインバータ装置30に接続する配線20に発生する共振電流を抑制できる。
【0148】
その他は、実施の形態1〜3と同じである。
なお、上記においては、筐体80,81は、1つのモータを駆動する1つのインバータを含むとして説明したが、この発明は、これに限らず、筐体80,81の各々は、複数のインバータを含み、複数のインバータの各々が1つのモータを駆動するようにしてもよい。つまり、筐体80,81の各々は、少なくとも1つのモータを駆動する少なくとも1つのインバータを含むものであればよい。
【0149】
以下、モータ駆動装置100を搭載したハイブリッド自動車について説明する。図13は、図1に示すモータ駆動装置100を搭載したハイブリッド自動車110の断面図を示す。図13を参照して、モータ駆動装置100のモータ60は、ハイブリッド自動車110の前輪111に近接して配置される。筐体80は、モータ60の近くに配置され、ケーブル91を介してモータ60と接続される。バッテリB1は、前輪111側に配置され、ケーブル90を介して筐体80と接続される。モータ60は、前輪111およびエンジン240に連結される。
【0150】
モータ70は、ハイブリッド自動車110の後輪112に近接して配置される。筐体81は、モータ70の近くに配置される。そして、筐体81は、ケーブル92を介して筐体80と接続され、ケーブル93を介してモータ70と接続される。モータ70は、後輪112と連結される。
【0151】
なお、ケーブル90,92は、(+,−)を有する高圧直流電源線である。また、ケーブル91,93は、U相,V相,W相を有するモータ駆動線である。そして、ケーブル92は、図1に示す配線20に相当する。
【0152】
図14は、図1に示すモータ駆動装置100を搭載したハイブリッド自動車110の駆動システムを示す概略ブロック図である。図14を参照して、駆動システム200は、モータ駆動装置100と、モータジェネレータMG1〜MG3と、前輪111と、後輪112と、動力分割機構210と、ディファレンシャルギア(DG:Differential Gear)220,230と、エンジン240とを備える。
【0153】
駆動システム200においては、モータジェネレータMG1,MG2はモータ60に相当し、モータジェネレータMG3はモータ70に相当する。そして、モータ60が2つのモータジェネレータMG1,MG2によって構成されることに対応して、筐体80は、2つのインバータ13A,13Bを含む。インバータ13Aは、モータジェネレータMG1を駆動し、インバータ13Bは、モータジェネレータMG2を駆動する。また、筐体81に収納されるインバータ33は、モータジェネレータMG3を駆動する。
【0154】
モータジェネレータMG1は、動力分割機構210を介してエンジン240と連結される。そして、モータジェネレータMG1は、エンジン240を始動し、またはエンジン240の回転力によって発電する。
【0155】
また、モータジェネレータMG2は、動力分割機構210を介して前輪111を駆動する。
【0156】
さらに、モータジェネレータMG3は、後輪112を駆動する。
図15は、図14に示す動力分割機構210の模式図を示す。図15を参照して、動力分割機構210は、リングギア211と、キャリアギア212と、サンギア213とから成る。エンジン240のシャフト251は、プラネタリキャリア253を介してキャリアギア212に接続され、モータジェネレータMG1のシャフト252は、サンギア213に接続され、モータジェネレータMG2のシャフト254は、リングギア211に接続されている。なお、モータジェネレータMG2のシャフト254は、DG220を介して前輪111の駆動軸に連結される。
【0157】
モータジェネレータMG1は、シャフト252、サンギア213、キャリアギア212およびプラネタリキャリア253を介してシャフト251を回転し、エンジン240を始動する。また、モータジェネレータMG1は、シャフト251、プラネタリキャリア253、キャリアギア212、サンギア213およびシャフト252を介してエンジン240の回転力を受け、その受けた回転力によって発電する。
【0158】
再び、図14を参照して、駆動システム200が搭載されたハイブリッド自動車の始動時、発進時、軽負荷走行モード、中速低負荷走行モード、加速・急加速モード、低μ路走行モードおよび減速・制動モードにおける駆動システム200の動作について説明する。なお、始動時、発進時、軽負荷走行モード、中速低負荷走行モード、加速・急加速モード、低μ路走行モードおよび減速・制動モードにおけるモータ60,70のトルク指令値TR1,TR2および信号PWMI1,PWMI2,PWMC1,PWMC2を表1に示す。
【0159】
【表1】
Figure 2004343918
【0160】
まず、ハイブリッド自動車110のエンジン始動時における駆動システム200の動作について説明する。一連の動作が開始されると、制御装置50は、外部ECUからトルク指令値TR11を受ける。そして、制御装置50は、電圧センサー12からの出力電圧Vmと、電流センサー18からのモータ電流MCRT11(モータ電流MCRT1の一種)と、外部ECUからのトルク指令値TR11とに基づいて、上述した方法によって信号PWMI11を生成し、その生成した信号PWMI11をインバータ13Aへ出力する。
【0161】
そうすると、インバータ13Aは、バッテリB1からの直流電圧を信号PWMI11に応じて交流電圧に変換し、トルク指令値TR11によって指定されたトルクを出力するようにモータジェネレータMG1を駆動する。
【0162】
これによって、モータジェネレータMG1は、動力分割機構210を介してエンジン240のクランクシャフト251を回転数MRN1で回転し、エンジン240を始動する。これにより、ハイブリッド自動車110のエンジン始動時における駆動システム200の動作が終了する。
【0163】
次に、ハイブリッド自動車110の発進時における駆動システム200の動作について説明する。一連の動作が開始されると、制御装置50は、トルク指令値TR12およびTR21と、モータ回転数MRN2と、始動後のエンジン240の回転力によってモータジェネレータMG1を発電機として機能させるための信号RGE1(信号RGEの一種)とを外部ECUから受ける。この場合、トルク指令値TR12は、モータジェネレータMG2を発進用に用いるためのトルク指令値であり、トルク指令値TR21は、モータジェネレータMG3を発進用に用いるためのトルク指令値である。
【0164】
制御装置50は、電圧センサー12からの出力電圧Vmと、電流センサー18からのモータ電流MCRT12(モータ電流MCRT1の一種)と、外部ECUからのトルク指令値TR12とに基づいて、上述した方法によって信号PWMI12を生成し、その生成した信号PWMI12をインバータ13Bへ出力する。また、制御装置50は、外部ECUからの信号RGE1に応じて信号PWMC1を生成してインバータ13Aへ出力する。さらに、制御装置50は、電流センサー17からの直流電流Im1と、外部ECUからのトルク指令値TR21およびモータ回転数MRN2と、電圧センサー12からの電圧Vmとに基づいて、上述した方法によって駆動信号DRV1,2を生成してゲート回路16へ出力する。この場合、インバータ装置10側からインバータ装置30側へ直流電流を供給するので、駆動信号DRV1は、0Vの電圧から成り、駆動信号DRV2は、所定の電圧から成る。
【0165】
そうすると、インバータ13Aは、モータジェネレータMG1がエンジン240の回転力により発電した交流電圧を信号PWMC1によって直流電圧に変換し、その変換した直流電圧をインバータ13Bに供給する。インバータ13Bは、バッテリB1からの直流電圧とインバータ13Aからの直流電圧とを受け、その受けた直流電圧を信号PWMI12に応じて交流電圧に変換し、トルク指令値TR12によって指定されたトルクを出力するようにモータジェネレータMG2を駆動する。そして、モータジェネレータMG2は、動力分割機構210およびディファレンシャルギア220を介して前輪111を駆動する。
【0166】
ゲート回路16は、駆動信号DRV1,2に応じて、バッテリB1からの直流電流の振動幅を所定値以下に抑制し、配線20(=ケーブル92)を介してインバータ装置30へ直流電流Im1を供給する。
【0167】
また、制御装置50は、外部ECUからのトルク指令値TR21と、電流センサー34からのモータ電流MCRT21(モータ電流MCRT2の一種)と、電圧センサー12からの電圧Vmとに基づいて信号PWMI21を生成し、その生成した信号PWMI21をインバータ33へ出力する。
【0168】
そうすると、インバータ33は、配線20(=ケーブル92)を介して供給された直流電圧を信号PWMI21によって交流電圧に変換してトルク指令値TR21によって指定されたトルクを出力するようにモータジェネレータMG3を駆動する。そして、モータジェネレータMG3は、ディファレンシャルギア230を介して後輪112を駆動する。
【0169】
このようにして、ハイブリッド自動車110の前輪111はモータジェネレータMG2によって回転され、後輪112はモータジェネレータMG3によって回転され、ハイブリッド自動車110は4WDで発進する。そして、直流電流Im1の振動幅は所定値以下に抑制されるので、インバータ13A,13B,33は、安定したインバータ出力を出力し、ハイブリッド自動車110は、安定して発進する。これにより、ハイブリッド自動車110の発進時における駆動システム200の動作が終了する。
【0170】
次に、ハイブリッド自動車110が軽負荷走行モードにある場合の駆動システム200の動作について説明する。一連の動作が開始されると、制御装置50は、トルク指令値TR13を外部ECUから受ける。なお、トルク指令値TR13は、ハイブリッド自動車110の前輪111をモータジェネレータMG2のみで駆動するためのトルク指令値である。
【0171】
制御装置50は、電圧センサー12からの電圧Vmと、電流センサー18からのモータ電流MCRT13(モータ電流MCRT1の一種)と、外部ECUからのトルク指令値TR13とに基づいて、上述した方法によって信号PWMI13を生成し、その生成した信号PWMI13をインバータ13Bへ出力する。
【0172】
そうすると、インバータ13Bは、バッテリB1からの直流電圧を信号PWMI13に応じて交流電圧に変換し、トルク指令値TR13によって指定されたトルクを出力するようにモータジェネレータMG2を駆動する。そして、モータジェネレータMG2は、動力分割機構210およびディファレンシャルギア220を介して前輪111を駆動し、ハイブリッド自動車110は、モータジェネレータMG2によって軽負荷走行を行なう。これにより、ハイブリッド自動車110が軽負荷走行モードにある場合の駆動システム200の動作が終了する。
【0173】
次に、ハイブリッド自動車110が中速低負荷走行モードにある場合の駆動システム200の動作について説明する。この場合の駆動システム200の動作は、上述したハイブリッド自動車110のエンジン240の始動時における駆動システム200の動作と同じである。そして、モータジェネレータMG1は、エンジン240を始動し、ハイブリッド自動車は、エンジン240の駆動力によって走行する。
【0174】
次に、ハイブリッド自動車110が加速・急加速モードにある場合の駆動システム200の動作について説明する。一連の動作が開始されると、制御装置50は、トルク指令値TR14およびTR22と、モータ回転数MRN2と、モータジェネレータMG1を発電機として機能させるための信号RGE1とを外部ECUから受ける。なお、トルク指令値TR14は、モータジェネレータMG2を加速・急加速用に用いるためのトルク指令値であり、トルク指令値TR22は、モータジェネレータMG3を加速・急加速用に用いるためのトルク指令値である。
【0175】
制御装置50は、電圧センサー12からの電圧Vmと、電流センサー18からのモータ電流MCRT14(モータ電流MCRT1の一種)と、外部ECUからのトルク指令値TR14とに基づいて、上述した方法によって信号PWMI14を生成し、その生成した信号PWMI14をインバータ13Bへ出力する。さらに、制御装置50は、外部ECUからの信号RGE1に応じて信号PWMC1を生成してインバータ13Aへ出力する。
【0176】
さらに、制御装置50は、電流センサー17からの直流電流Im1と、外部ECUからのトルク指令値TR22およびモータ回転数MRN2と、電圧センサー12からの電圧Vmとに基づいて、上述した方法によって駆動信号DRV1,2を生成してゲート回路16へ出力する。この場合、インバータ装置10側からインバータ装置30側へ直流電流を供給するので、駆動信号DRV1は、0Vの電圧から成り、駆動信号DRV2は、所定の電圧から成る。
【0177】
そうすると、インバータ13Aは、モータジェネレータMG1がエンジン240の回転力(エンジン240の回転数は加速前よりも高くなっている。)により発電した交流電圧を信号PWMC1によって直流電圧に変換し、その変換した直流電圧をインバータ13Bに供給する。インバータ13Bは、バッテリB1からの直流電圧とインバータ13Aからの直流電圧とを受け、その受けた直流電圧を信号PWMI14に応じて交流電圧に変換し、トルク指令値TR14によって指定されたトルクを出力するようにモータジェネレータMG2を駆動する。また、加速・急加速時には、エンジン240の出力が上昇される。そして、エンジン240およびモータジェネレータMG2は、動力分割機構210およびディファレンシャルギア220を介して前輪111を駆動する。
【0178】
ゲート回路16は、駆動信号DRV1,2に応じて、バッテリB1からの直流電流の振動幅を所定値以下に抑制し、配線20(=ケーブル92)を介してインバータ装置30へ直流電流Im1を供給する。
【0179】
また、制御装置50は、電圧センサー12からの電圧Vmと、外部ECUからのトルク指令値TR22と、電流センサー34からのモータ電流MCRT22(モータ電流MCRT2の一種)とに基づいて信号PWMI22を生成し、その生成した信号PWMI22をインバータ33へ出力する。
【0180】
そうすると、インバータ33は、配線20(=ケーブル92)を介して供給された直流電圧を信号PWMI22によって交流電圧に変換してトルク指令値TR22によって指定されたトルクを出力するようにモータジェネレータMG3を駆動する。そして、モータジェネレータMG3は、ディファレンシャルギア230を介して後輪112を駆動する。
【0181】
このようにして、ハイブリッド自動車110の前輪111はエンジン240およびモータジェネレータMG2によって回転され、後輪112はモータジェネレータMG3によって回転され、ハイブリッド自動車110は4WDで加速・急加速する。そして、直流電流Im1の振動幅は所定値以下に抑制されるので、インバータ13A,13B,33は、安定したインバータ出力を出力し、ハイブリッド自動車110は、安定して加速・急加速する。これにより、ハイブリッド自動車110の加速・急加速モードにおける駆動システム200の動作が終了する。
【0182】
次に、ハイブリッド自動車110が低μ路走行モードにある場合の駆動システム200の動作について説明する。一連の動作が開始されると、制御装置50は、信号RGE1、トルク指令値TR23およびモータ回転数MRN2を外部ECUから受ける。なお、信号RGE1は、モータジェネレータMG2を回生モードで駆動するための信号であり、トルク指令値TR23は、モータジェネレータMG3を駆動モータとして用いるためのトルク指令値である。
【0183】
制御装置50は、外部ECUからの信号RGE1に応じて信号PWMC1を生成してインバータ13Bへ出力する。また、制御装置50は、外部ECUからのトルク指令値TR23およびモータ回転数MRN2と、電圧センサー12からの電圧Vmと、電流センサー17からの直流電流Im1とに基づいて、上述した方法によって駆動信号DRV1,2を生成してゲート回路16へ出力する。この場合、ゲート回路16は、インバータ装置10側からインバータ装置30側へ直流電流Im1を供給するので、駆動信号DRV1は、0Vの電圧から成り、駆動信号DRV2は、所定の電圧から成る。
【0184】
この低μ路走行モードにおいては、エンジン240は前輪111を駆動しており、前輪111の駆動力の一部がモータジェネレータMG2に伝達される。
【0185】
そうすると、インバータ13Bは、信号PWMC1に応じて、モータジェネレータMG2を回生モードで駆動し、前輪111の駆動力の一部を受けてモータジェネレータMG2が発電した交流電圧を直流電圧に変換してゲート回路16へ供給する。ゲート回路16は、駆動信号DRV1,2に応じて、直流電流Im1の振動幅を所定値以下に抑制し、配線20(=ケーブル92)を介して直流電流Im1をインバータ装置30へ供給する。
【0186】
制御装置50は、電圧センサー12からの電圧Vmと、外部ECUからのトルク指令値TR23と、電流センサー34からのモータ電流MCRT23(モータ電流MCRT2の一種)とに基づいて、上述した方法によって信号PWMI23を生成してインバータ33へ出力する。
【0187】
そうすると、インバータ33は、配線20(=ケーブル92)を介して供給された直流電圧を信号PWMI23によって交流電圧に変換してトルク指令値TR23によって指定されたトルクを出力するようにモータジェネレータMG3を駆動する。そして、モータジェネレータMG3は、ディファレンシャルギア230を介して後輪112を駆動する。これにより、ハイブリッド自動車110は、エンジン240の駆動力によって前輪111を駆動し、前輪111の駆動力の一部を受けてモータジェネレータMG2が発電した電力によって後輪112を駆動し、4WDにより低μ路走行を行なう。また、直流電流Im1の振動幅は所定値以下に抑制されるので、インバータ13A,13B,33は、安定したインバータ出力を出力する。その結果、ハイブリッド自動車110は、安定して低μ路走行を行なう。そして、ハイブリッド自動車110の低μ路走行時における駆動システム200の動作が終了する。
【0188】
最後に、ハイブリッド自動車110が減速・制動モードにある場合の駆動システム200の動作について説明する。一連の動作が開始されると、制御装置50は、外部ECUから信号RGE1,RGE2を受ける。そして、制御装置50は、信号RGE1,RGE2に応じて、信号PWMC1および/または信号PWMC2を生成してそれぞれインバータ13Bおよびインバータ33へ出力し、モータジェネレータMG2および/またはモータジェネレータMG3を回生モードで駆動する。これにより、ハイブリッド自動車110は、回生ブレーキおよび/または機械ブレーキによって減速・制動を行なう。そして、ハイブリッド自動車110の減速・制動時における駆動システム200の動作が終了する。
【0189】
上述したハイブリッド自動車110の各状態において、直流電流Im1が最大電流Imax1を超えたとき、制御装置50は、インバータ装置30側でショートが発生したものとして0Vの電圧から成る駆動信号DRV1,2を生成してゲート回路16へ出力する。これにより、NPNトランジスタQ9,Q10はオフされ、インバータ装置10側からインバータ装置30側への直流電流Im1の供給が遮断される。
【0190】
なお、上記においては、モータ駆動装置100を駆動システム200に用いた場合について説明したが、モータ駆動装置100に代えてモータ駆動装置100A,100B,100Cのいずれかを用いてもよい。そして、モータ駆動装置100B,100Cを用いた場合、上述した動作に昇圧コンバータ3に関連した動作が追加される。
【0191】
図16は、図1に示すモータ駆動装置100が搭載されたハイブリッド自動車110Aの断面図を示す。図16を参照して、モータ駆動装置100のモータ60および70は、ハイブリッド自動車110Aの前輪111Aに近接して配置される。筐体80は、モータ60の近くに配置され、ケーブル91を介してモータ60と接続される。バッテリB1は、前輪111A側に配置され、ケーブル90を介して筐体80と接続される。モータ60は、前輪111Aに連結される。
【0192】
モータ70は、ハイブリッド自動車110Aの前輪111Aの近くに配置される。筐体81は、モータ70の近くに配置される。そして、筐体81は、ケーブル94を介して筐体80と接続され、ケーブル93を介してモーと70と接続される。モータ70は、エンジン240と連結される。後輪112A側には、モータは配置されない。
【0193】
なお、ケーブル90,94は、(+,−)を有する高圧直流電源線である。また、ケーブル91,93は、U相,V相,W相を有するモータ駆動線である。そして、ケーブル94は、図1に示す配線20に相当する。
【0194】
図17は、モータ駆動装置100を搭載したハイブリッド自動車110Aの駆動システムを示す概略ブロック図である。図17を参照して、駆動システム300は、モータ駆動装置100と、前輪111Aと、動力分割機構210と、ディファレンシャルギア(DG:Differential Gear)220と、エンジン240と、モータジェネレータMG1,MG2とを備える。
【0195】
駆動システム300においては、モータジェネレータMG2はモータ60に相当し、モータジェネレータMG1はモータ70に相当する。インバータ13は、モータジェネレータMG2を駆動し、インバータ33は、モータジェネレータMG1を駆動する。
【0196】
モータジェネレータMG1は、動力分割機構210を介してエンジン240と連結される。そして、モータジェネレータMG1は、エンジン240を始動し、またはエンジン240の回転力によって発電する。また、モータジェネレータMG2は、動力分割機構210を介して前輪111Aと連結される。
【0197】
駆動システム300が搭載されたハイブリッド自動車110Aの始動時、発進時、軽負荷走行モード、中速低負荷走行モード、加速・急加速モード、低μ路走行モードおよび減速・制動モードにおける駆動システム300の動作について説明する。なお、始動時、発進時、軽負荷走行モード、中速低負荷走行モード、加速・急加速モード、低μ路走行モードおよび減速・制動モードにおけるモータ60,70のトルク指令値TR1,TR2および信号PWMI1,PWMI2,PWMC1,PWMC2を表2に示す。
【0198】
【表2】
Figure 2004343918
【0199】
まず、ハイブリッド自動車110Aのエンジン始動時における駆動システム300の動作について説明する。一連の動作が開始されると、制御装置50は、外部ECUからトルク指令値TR21およびモータ回転数MRN2を受ける。そして、制御装置50は、電圧センサー12からの出力電圧Vmと、電流センサー34からのモータ電流MCRT21(モータ電流MCRT2の一種)と、外部ECUからのトルク指令値TR21とに基づいて、上述した方法によって信号PWMI21を生成し、その生成した信号PWMI21をインバータ33へ出力する。
【0200】
また、制御装置50は、電流センサー17からの直流電流Im1と、外部ECUからのトルク指令値TR21およびモータ回転数MRN2と、電圧センサー12からの電圧Vmとに基づいて、上述した方法によって駆動信号DRV1,2を生成してゲート回路16へ出力する。この場合、ゲート回路16は、インバータ装置10側からインバータ装置30側へ直流電流Im1を供給するため、駆動信号DRV1は、0Vの電圧から成り、駆動信号DRV2は、所定の電圧から成る。
【0201】
そうすると、ゲート回路16は、駆動信号DRV1,2に応じて、バッテリB1から供給された直流電流の振動幅を所定値以下に抑制し、配線20(=ケーブル94)を介して直流電流Im1を筐体81内のインバータ装置30へ供給する。
【0202】
インバータ33は、配線20(=ケーブル94)を介して受けた直流電圧を信号PWMI21によって交流電圧に変換し、トルク指令値TR21によって指定されたトルクを出力するようにモータジェネレータMG1を駆動する。
【0203】
これによって、モータジェネレータMG1は、動力分割機構210を介してエンジン240のクランクシャフト251を回転し、エンジン240を始動する。そして、インバータ33は、振動幅が所定値以下の直流電流Im1を受けるので、安定したインバータ出力を出力し、エンジン240は安定して始動する。これにより、ハイブリッド自動車110Aのエンジン始動時における駆動システム300の動作が終了する。
【0204】
次に、ハイブリッド自動車110Aの発進時における駆動システム300の動作について説明する。一連の動作が開始されると、制御装置50は、トルク指令値TR11と、モータ回転数MRN2と、始動後のエンジン240の回転力によってモータジェネレータMG1を発電機として機能させるための信号RGE21(信号RGEの一種)とを外部ECUから受ける。この場合、トルク指令値TR11は、モータジェネレータMG2を発進用に用いるためのトルク指令値である。
【0205】
制御装置50は、電圧センサー12からの出力電圧Vmと、電流センサー18からのモータ電流MCRT11(モータ電流MCRT1の一種)と、外部ECUからのトルク指令値TR11とに基づいて、上述した方法によって信号PWMI11を生成し、その生成した信号PWMI11をインバータ13へ出力する。また、制御装置50は、外部ECUからの信号RGE21に応じて信号PWMC21を生成してインバータ33へ出力する。さらに、制御装置50は、電流センサー17からの直流電流Im1と、外部ECUからのRGE21(回生時のトルクを指定)およびモータ回転数MRN2と、電圧センサー12からの電圧Vmとに基づいて、上述した方法によって駆動信号DRV1,2を生成してゲート回路16へ出力する。この場合、インバータ装置30側からインバータ装置10側へ直流電流を供給するので、駆動信号DRV1は、所定の電圧から成り、駆動信号DRV2は、0Vの電圧から成る。
【0206】
そうすると、インバータ33は、モータジェネレータMG1がエンジン240の回転力により発電した交流電圧を信号PWMC21によって直流電圧に変換し、その変換した直流電圧を配線20(=ケーブル94)を介してゲート回路16へ供給する。ゲート回路16は、駆動信号DRV1,2に応じて、配線20(=ケーブル94)を介して供給された直流電流の振動幅を所定値以下に抑制して直流電流Im1をインバータ装置10へ供給する。
【0207】
インバータ13は、バッテリB1からの直流電圧とインバータ33からの直流電圧とを受け、その受けた直流電圧を信号PWMI11に応じて交流電圧に変換し、トルク指令値TR11によって指定されたトルクを出力するようにモータジェネレータMG2を駆動する。そして、モータジェネレータMG2は、動力分割機構210およびディファレンシャルギア220を介して前輪111Aを駆動する。
【0208】
このようにして、ハイブリッド自動車110Aの前輪111AはモータジェネレータMG2によって回転され、ハイブリッド自動車110Aは発進する。そして、直流電流Im1の振動幅は所定値以下に抑制されるので、インバータ13,33は、安定したインバータ出力を出力し、ハイブリッド自動車110Aは、安定して発進する。これにより、ハイブリッド自動車110Aの発進時における駆動システム300の動作が終了する。
【0209】
次に、ハイブリッド自動車110Aが軽負荷走行モードにある場合の駆動システム300の動作について説明する。一連の動作が開始されると、制御装置50は、トルク指令値TR12を外部ECUから受ける。なお、トルク指令値TR12は、ハイブリッド自動車110Aの前輪111AをモータジェネレータMG2のみで駆動するためのトルク指令値である。
【0210】
制御装置50は、電圧センサー12からの電圧Vmと、電流センサー18からのモータ電流MCRT12(モータ電流MCRT1の一種)と、外部ECUからのトルク指令値TR12とに基づいて、上述した方法によって信号PWMI12を生成し、その生成した信号PWMI12をインバータ13へ出力する。
【0211】
そうすると、インバータ13は、バッテリB1からの直流電圧を信号PWMI12に応じて交流電圧に変換し、トルク指令値TR12によって指定されたトルクを出力するようにモータジェネレータMG2を駆動する。そして、モータジェネレータMG2は、動力分割機構210およびディファレンシャルギア220を介して前輪111Aを駆動し、ハイブリッド自動車110Aは、モータジェネレータMG2によって軽負荷走行を行なう。これにより、ハイブリッド自動車110Aが軽負荷走行モードにある場合の駆動システム300の動作が終了する。
【0212】
次に、ハイブリッド自動車110Aが中速低負荷走行モードにある場合の駆動システム300の動作について説明する。この場合の駆動システム300の動作は、上述したハイブリッド自動車110Aのエンジン240の始動時における駆動システム300の動作と同じである。そして、モータジェネレータMG1は、エンジン240を始動し、ハイブリッド自動車は、エンジン240の駆動力によって走行する。
【0213】
次に、ハイブリッド自動車110Aが加速・急加速モードにある場合の駆動システム300の動作について説明する。一連の動作が開始されると、制御装置50は、トルク指令値TR13と、モータ回転数MRN2と、モータジェネレータMG1を発電機として機能させるための信号RGE22とを外部ECUから受ける。なお、トルク指令値TR13は、モータジェネレータMG2を加速・急加速用に用いるためのトルク指令値である。
【0214】
制御装置50は、電圧センサー12からの電圧Vmと、電流センサー18からのモータ電流MCRT13(モータ電流MCRT1の一種)と、外部ECUからのトルク指令値TR13とに基づいて、上述した方法によって信号PWMI13を生成し、その生成した信号PWMI13をインバータ13へ出力する。また、制御装置50は、外部ECUからの信号RGE22に応じて信号PWMC22を生成してインバータ33へ出力する。
【0215】
さらに、制御装置50は、電流センサー17からの直流電流Im1と、外部ECUからの信号RGE22(回生時のトルクを指定)およびモータ回転数MRN2と、電圧センサー12からの電圧Vmとに基づいて、上述した方法によって駆動信号DRV1,2を生成してゲート回路16へ出力する。この場合、インバータ装置30側からインバータ装置10側へ直流電流を供給するので、駆動信号DRV1は、所定の電圧から成り、駆動信号DRV2は、0Vの電圧から成る。
【0216】
そうすると、インバータ33は、モータジェネレータMG1がエンジン240の回転力(エンジン240の回転数は加速前よりも高くなっている。)により発電した交流電圧を信号PWMC22によって直流電圧に変換し、その変換した直流電圧を配線20(=ケーブル94)を介してゲート回路16に供給する。ゲート回路16は、駆動信号DRV1,2に応じて、配線20(=ケーブル94)を介して供給された直流電流の振動値を所定値以下に抑制し、直流電流Im1をインバータ装置10へ供給する。
【0217】
インバータ13は、バッテリB1からの直流電圧とインバータ33からの直流電圧とを受け、その受けた直流電圧を信号PWMI13に応じて交流電圧に変換し、トルク指令値TR13によって指定されたトルクを出力するようにモータジェネレータMG2を駆動する。
【0218】
また、加速・急加速時には、エンジン240の出力が上昇される。そして、エンジン240およびモータジェネレータMG2は、動力分割機構210およびディファレンシャルギア220を介して前輪111Aを駆動する。
【0219】
このようにして、ハイブリッド自動車110Aの前輪111Aはエンジン240およびモータジェネレータMG2によって回転され、ハイブリッド自動車110Aは加速・急加速する。そして、直流電流Im1の振動幅は所定値以下に抑制されるので、インバータ13,33は、安定したインバータ出力を出力し、ハイブリッド自動車110Aは、安定して加速・急加速する。これにより、ハイブリッド自動車110Aの加速・急加速モードにおける駆動システム300の動作が終了する。
【0220】
次に、ハイブリッド自動車110Aが低μ路走行モードにある場合の駆動システム300の動作について説明する。一連の動作が開始されると、制御装置50は、信号RGE11を外部ECUから受ける。なお、信号RGE11は、モータジェネレータMG2を回生モードで駆動するための信号である。
【0221】
制御装置50は、外部ECUからの信号RGE11に応じて信号PWMC11を生成してインバータ13へ出力する。
【0222】
この低μ路走行モードにおいては、エンジン240は前輪111Aを駆動しており、前輪111Aの駆動力の一部がモータジェネレータMG2に伝達される。
【0223】
そうすると、インバータ13は、信号PWMC11に応じて、モータジェネレータMG2を回生モードで駆動し、前輪111Aの駆動力の一部を受けてモータジェネレータMG2が発電した交流電圧を直流電圧に変換してバッテリB1へ供給する。
【0224】
これにより、ハイブリッド自動車110Aは、エンジン240の駆動力によって前輪111Aを駆動し、前輪111Aの駆動力の一部を受けてモータジェネレータMG2が発電した電力はバッテリB1に蓄積される。そして、ハイブリッド自動車110Aの低μ路走行時における駆動システム300の動作が終了する。
【0225】
最後に、ハイブリッド自動車110Aが減速・制動モードにある場合の駆動システム300の動作について説明する。一連の動作が開始されると、制御装置50は、外部ECUから信号RGE12を受ける。そして、制御装置50は、信号RGE12に応じて、信号PWMC12を生成してインバータ13へ出力し、モータジェネレータMG2を回生モードで駆動する。これにより、ハイブリッド自動車110Aは、回生ブレーキおよび/または機械ブレーキによって減速・制動を行なう。そして、ハイブリッド自動車110Aの減速・制動時における駆動システム300の動作が終了する。
【0226】
上述したハイブリッド自動車110Aの各状態において、直流電流Im1が最大電流Imax1を超えたとき、制御装置50は、インバータ装置30側でショートが発生したものとして0Vの電圧から成る駆動信号DRV1,2を生成してゲート回路16へ出力する。これにより、NPNトランジスタQ9,Q10はオフされ、インバータ装置10側からインバータ装置30側への直流電流Im1の供給が遮断される。
【0227】
なお、上記においては、モータ駆動装置100を駆動システム300に用いた場合について説明したが、モータ駆動装置100に代えてモータ駆動装置100A,100B,100Cのいずれかを用いてもよい。そして、モータ駆動装置100B,100Cを用いた場合、上述した動作に昇圧コンバータ3に関連した動作が追加される。
【0228】
上述したように、インバータ装置10および30は、それぞれ筐体80,81に収納されてハイブリッド自動車110,110Aに搭載される。そして、直流電流は、リアクトル14,15およびゲート回路16によって振動幅が所定値以下に抑制されるので、インバータ装置30を配線20(=ケーブル92,94)によってインバータ装置10と接続しても配線20(=ケーブル92,94)に発生する共振電流を所定値以下に抑制できる。その結果、インバータ装置10,30は、安定したインバータ出力を出力できる。
【0229】
また、配線20(=92,94)を介して接続されたインバータ装置30においてショートが発生した場合、インバータ装置30への電流供給を遮断できる。
【0230】
さらに、インバータ装置10および30は、異なる筐体に収納されるので、インバータ13または33が配置される部分を小型化できる。
【0231】
さらに、インバータ装置10,30は、それぞれ、1つ以上のモータを駆動するので、多彩なモータ駆動装置を提供できる。
【0232】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1によるモータ駆動装置の概略ブロック図である。
【図2】図1に示す制御装置の機能ブロック図である。
【図3】図2に示すインバータ制御手段の機能ブロック図である。
【図4】図2に示す電流制御手段の機能ブロック図である。
【図5】この発明の実施の形態2によるモータ駆動装置の概略ブロック図である。
【図6】図5に示す制御装置の機能ブロック図である。
【図7】図6に示す電流制御手段の機能ブロック図である。
【図8】この発明の実施の形態3によるモータ駆動装置の概略ブロック図である。
【図9】図8に示す制御装置の機能ブロック図である。
【図10】図9に示すコンバータ制御手段の機能ブロック図である。
【図11】この発明の実施の形態4によるモータ駆動装置の概略ブロック図である。
【図12】図11に示す制御装置の機能ブロック図である。
【図13】図1に示すモータ駆動装置を搭載したハイブリッド自動車の断面図である。
【図14】図1に示すモータ駆動装置を搭載したハイブリッド自動車の駆動システムを示す概略ブロック図である。
【図15】図14に示す動力分割機構の模式図である。
【図16】図1に示すモータ駆動装置を搭載したハイブリッド自動車の他の断面図である。
【図17】図1に示すモータ駆動装置を搭載したハイブリッド自動車の他の駆動システムを示す概略ブロック図である。
【図18】従来のモータ駆動装置の概略ブロック図である。
【符号の説明】
1,12,320 電圧センサー、2,11,31,C1,C2 コンデンサ、3 昇圧コンバータ、10,30 インバータ装置、13,13A,13B,33,330 インバータ、14,15,311,L1 リアクトル、16 ゲート回路、17,18,34 電流センサー、20 配線、21 U相アーム、22 V相アーム、23 W相アーム、41 モータ制御用相電圧演算部、42インバータ用PWM信号変換部、43 回生信号生成回路、50,50A,50B,50C 制御装置、51,51A 要求パワー演算部、52,52A 要求電流演算部、53 制御部、54 電流保護部、60,70 モータ、61 電圧指令演算部、62 コンバータ用デューティー比演算部、63 コンバータ用PWM信号変換部、80,81 筐体、100,100A,100B,100C,400 モータ駆動装置、90〜94 ケーブル、110,110A ハイブリッド自動車、111,111A 前輪、112,112A 後輪、200,300 駆動システム、210 動力分割機構、211 リングギア、212 キャリアギア、213 サンギア、220,230 ディファレンシャルギア、251,252,254 シャフト、253 プラネタリキャリア、240 エンジン、310 双方向コンバータ、501,502 インバータ制御手段、503,503A 電流制御手段、504 コンバータ制御手段、Q1〜Q10,312,313 NPNトランジスタ、D1〜D8,314,315 ダイオード、B,B1,B2 バッテリ、SR1,SR2 システムリレー、M1 交流モータ、MG1,MG2,MG3 モータジェネレータ。

Claims (9)

  1. 電源に接続され、第1のコンデンサを含む第1のインバータ装置と、
    第2のコンデンサを含み、前記第1のインバータ装置を介して直流電流を受ける第2のインバータ装置と、
    前記第1のインバータ装置を前記第2のインバータ装置に接続する配線と、
    前記第1のインバータ装置と前記第2のインバータ装置との間に設けられ、振動幅が所定値以下である配線電流を前記配線に流す定電流回路と、
    前記配線電流が前記第2のインバータ装置の要求電流に一致するように前記定電流回路を制御する制御装置とを備えるモータ駆動装置。
  2. 前記制御装置は、
    前記第1のインバータ装置と前記第2のインバータ装置との間に設けられ、前記配線に流れる電流を検出する電流センサーと、
    前記検出された電流に基づいて、前記配線電流を前記要求電流に一致させるように前記定電流回路を制御する制御回路とを含む、請求項1に記載のモータ駆動装置。
  3. 前記制御回路は、前記検出された電流が前記要求電流よりも大きいとき、前記配線電流を減少するように前記定電流回路を制御し、前記検出された電流が前記要求電流よりも小さいとき、前記配線電流を増加するように前記定電流回路を制御する、請求項2に記載のモータ駆動装置。
  4. 電源に接続され、第1のコンデンサを含む第1のインバータ装置と、
    第2のコンデンサを含み、前記第1のインバータ装置を介して直流電流を受ける第2のインバータ装置と、
    前記第1のインバータ装置を前記第2のインバータ装置に接続する配線と、
    前記第1のコンデンサと前記第2のコンデンサとの間に設けられ、振動幅が所定値以下である全体電流を前記第1および第2のインバータ装置に供給する定電流回路と、
    前記全体電流が前記第1のインバータ装置の要求電流と前記第2のインバータ装置の要求電流との和である目標電流に一致するように前記定電流回路を制御する制御装置とを備えるモータ駆動装置。
  5. 前記制御装置は、
    前記第1のコンデンサと前記第2のコンデンサとの間に設けられ、前記電源と前記第1のインバータ装置との間に流れる電流を検出する電流センサーと、
    前記検出された電流に基づいて、前記全体電流を前記目標電流に一致させるように前記定電流回路を制御する制御回路とを含む、請求項4に記載のモータ駆動装置。
  6. 前記制御回路は、前記検出された電流が前記目標電流よりも大きいとき、前記全体電流を減少するように前記定電流回路を制御し、前記検出された電流が前記目標電流よりも小さいとき、前記全体電流を増加するように前記定電流回路を制御する、請求項5に記載のモータ駆動装置。
  7. 前記定電流回路は、前記配線中に接続された半導体素子を含み、
    前記制御装置は、前記検出された電流がしきい値を超えたとき前記半導体素子を開放状態にする、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のモータ駆動装置。
  8. 前記第1および第2のインバータ装置は、異なる筐体に収納される、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のモータ駆動装置。
  9. 前記第1のインバータ装置は、
    前記第1のコンデンサと、
    前記第1のコンデンサにより平滑化された直流電流を交流電圧に変換して少なくとも1つのモータを駆動する少なくとも1つのインバータとを含み、
    前記第2のインバータ装置は、
    前記第2のコンデンサと、
    前記第2のコンデンサにより平滑化された直流電流を交流電圧に変換して少なくとも1つのモータを駆動する少なくとも1つのインバータとを含む、請求項8に記載のモータ駆動装置。
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