JP2004241681A - 半導体受光装置及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】低バイアス電圧に対応できる十分な光−電気変換の効率を持ち、戻り光対策が施された半導体受光装置及びその製造方法を提供する。
【解決手段】低バイアス電圧で全層を空乏化できる程度にInGaAs光吸収層13を薄くすると共に、電気的に並列接続された2個のフォトダイオード2a、2bをInP基板11表面に設け、更にこのInP基板11裏面に入射光30bをこれと異なる方向に反射させる反射手段20(傾斜面21及び反射膜22)を設け、第1のフォトダイオード2aにより入射光30aの大部分を吸収し、且つこの第1のフォトダイオード2aを透過した入射光30bを反射手段20で反射させ、この反射光30cを第2のフォトダイオード2bで吸収させる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光通信に用いられる半導体受光装置に関し、特に低バイアス電圧で効率よく光を受信できる半導体受光装置及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
光通信に用いられる光受信装置は、光ファイバを通して送信されてきた光信号を電気信号に変換する装置であり、例えば、図6に模式的に示す回路の如く、フォトダイオードからなる半導体受光装置101及びこの半導体受光装置101からの微弱な電気信号を増幅するトランスインピーダンスアンプ(TIA)、あるいはリミティングアンプ(LA)を含んだTIALA等の高周波IC102から構成されている。
【0003】
この種の光受信装置100に使用される半導体受光装置は、従来、一般に図7に示すような構造になっている。例えば、InGaAs/InP半導体受光装置101は、n型InP基板111の上にInPバッファ層112、n型InGaAs光吸収層113、及びn型InP窓層114が積層形成されている。そして、このn型InP窓層114の受光部となる領域にZn等のp型ドーパントを選択的に拡散することによりp型領域115が形成されている。また、p型領域115を含むn型InP窓層114上に反射防止と保護を兼ねたSiN等からなる反射防止/保護膜116が形成され、p型InP層115の表面周辺部に、リング状のp側電極117が形成されている。また、n型InP基板111の裏面には、n側電極120が形成されている。
【0004】
そして、この半導体受光装置101においては、n型InGaAs光吸収層113とp型領域115とのpn接合に逆バイアス電圧が印加されたとき、入射した光信号は、後述の空乏領域119で吸収されて、電子とホールに分離され、電界によりドリフトして光電流として検出されるメカニズムのため、空乏領域119の厚さが光吸収の量、すなわち光−電気変換効率に影響を及ぼす。
【0005】
なお、n型InGaAs光吸収層113の不純物濃度が一定の場合、空乏領域119の厚さは、フォトダイオードにかかる逆バイアス電圧によって決まり、詳しくは逆方向電圧の1/2乗に比例して大きくなることが知られている。そのため、入射した光を吸収して効率よく電気に変換できるようにn型InGaAs光吸収層113は厚さ方向に全て空乏領域119化される厚さに形成されている。
【0006】
近年、光通信においては、更なる通信容量の増大が要求される一方で、光受信装置においては、最近開発された3.3Vの低バイアス電圧で動作可能な低電力高周波ICが使われ始めている。しかしながら、半導体受光装置としては5V系の電源電圧に対応するものしか得られていない。
【0007】
そのため、図6に示すように、現在、光受信装置100においては、半導体受光装置101には、例えば、+5.2Vの電源V2が使用され、高周波IC102には+3.3Vの電源V3が使用されている。ここで、高周波IC102の入力部の電位は+1.7Vで、半導体受光装置101のpn接合にかかるバイアス電圧は、この1.7Vを差し引いて3.5Vとなる。従って、従来、半導体受光装置101は、十分な光−電気変換効率を有するに必要な厚みの空乏領域の形成が可能である。
【0008】
ところで、上述した低電源電圧3.3Vの単一電源で動作する光受信装置の要求を満足させるためには、高周波IC102の入力部の電位は+1.7Vで、電源V2は+3.3Vであることから、半導体受光装置101のpn接合に印加されるバイアス電圧は1.6Vとなる。
【0009】
従って、上記従来の半導体受光装置101のn型InGaAs光吸収層113を薄くして厚み方向全体に空乏領域119が形成されるようにした場合は、十分な光−電気変換効率に必要な空乏領域119の厚みが得られず、光−電気変換効率が低下するという問題がある。
【0010】
一方、光−電気変換効率を改善する提案が、過去、多く報告されている。例えば、半導体基板の上に、そのバンドギャップより小さなバンドギャップを持った光吸収層を含む半導体層を多層構造に形成し、且つこの光吸収層中の受光領域の下の半導体基板に曲率を持った曲面を施し、光吸収層を透過した光を曲面で反射させて、同一の光吸収層で再吸収させるようにした半導体受光素子がある(例えば、特許文献1参照。)。
【0011】
しかしながら、受光素子の受光面に対して、正対する位置に反射面があるために、反射した光が入射光に対して逆に進むことになり、その一部は戻り光となって、ノイズ等の通信品質の悪化を招くことは避けられないという問題がある。
【0012】
【特許文献1】
特開平3−73576号公報(第2頁、第1図)
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように、従来の半導体受光装置においては、低バイアス電圧化すると光−電気変換効率が悪化するという問題がある。一方、特許文献1の半導体受光装置では、戻り光対策が採られていないために、ノイズ等の通信品質の悪化を招くという問題がある。
【0014】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたもので、低バイアス電圧に対応できる十分な光−電気変換効率を有し、且つ戻り光対策が施された半導体受光装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の半導体受光装置は、半導体基板の第1主面に形成された第1及び第2の受光部と、前記半導体基板の前記第1主面と相対向する第2主面に形成され、前記第1の受光部に入射され、且つ当該第1の受光部を透過した入射光を前記第2の受光部に入射させるように反射させる反射手段とを有することを特徴とする。
【0016】
また、本発明の半導体受光装置の製造方法は、第1導電型の半導体基板の第1主面上に、少なくとも、入射光を吸収する第1導電型の第1の半導体層及び入射光に透明な第1導電型の第2の半導体層を積層形成する工程と、この第2の半導体層に前記第1の半導体層に達するように、それぞれ第2導電型の第3及び第4の半導体層を形成する工程と、この第3及び第4の半導体層上にそれぞれ第1及び第2の電極を形成すると共に、この両電極を互いに電気的接続する工程と、前記半導体基板の前記第1主面と相対向する第2主面に、前記第3の半導体層に入射されて前記第2主面に達する入射光を前記第4の半導体層に入射するように反射させる反射手段を形成する工程と、を有することを特徴とする。
【0017】
本発明によれば、低バイアス電圧において十分な光−電気変換の効率を持ち、且つ戻り光対策が施された半導体受光装置及びその製造方法を提供できる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0019】
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態に係る半導体受光装置を図1及び図2を参照して説明する。図1はその半導体受光装置を模式的に示す断面図、図2はその半導体受光装置を用いた光受信装置の回路である。なお、実際の入射光は断面が円形で中心に強度の大きな分布を持っているが、図1では、代表として、その中心の光を進行方向に矢印を付けて示し、個々の層間での屈折等の詳細は省略している。また、pn接合深さに対して実際のn型InP基板11の厚さは2桁位大きいので、n型InP基板11の途中を波線で示して省略してある。
【0020】
図1に示すように、例えば、InGaAs/InP半導体受光装置1は、第1導電型のn型InP基板11の第1主面、例えば表面上にInPバッファ層12、n型InGaAs光吸収層(第1の半導体層)13、及びn型InP窓層(第2の半導体層)14が順次積層形成されている。ここでは、n型InGaAs光吸収層13は、1.6Vで厚さ方向全体に空乏領域が形成されるように2.0μmの厚さに形成されている。
【0021】
そして、このn型InP窓層14の離間した所定領域にZn等のp型ドーパントを選択的に拡散することにより、第2導電型の第1のp型領域(第3の半導体層)15a及び第2のp型領域(第4の半導体層)15bが形成されている。ここでは、第2のp型領域15bは、後述する反射光を効率良く吸収させるために、第1のp型領域15aより大きく形成しているが、同じ大きさに形成してもよい。そして、この第1のp型領域15aとn型InGaAs光吸収層13及び第2のp型領域15bとn型InGaAs光吸収層13とで、それぞれ、第1の受光部、即ち第1のフォトダイオード2a及び第2の受光部、即ち第2のフォトダイオード2bが構成されている。
【0022】
また、これら第1のP型領域15a及び第2のp型領域15bを含むn型InP窓層14上に反射防止膜と保護膜とを兼ねたSiN等からなる反射防止/保護膜16が形成されている。
【0023】
また、第1のp型領域15aの表面周辺部には、反射防止/保護膜16に設けたリング状の開口を介して第1のp側電極17aが形成され、また、第2のp型領域15bの表面部には、反射防止/保護膜16に設けた円形状の開口を介して第2のp側電極17bが形成されており、この第1及び第2のp側電極17a、17bは、反射防止/保護膜16上に設けた配線層17cにより電気的に接続されている。
【0024】
そして、n型InP基板11の第1主面と相対向する第2主面、例えば、裏面の周辺部には、円形の開口を有する第3の電極、例えばn側電極23が形成されている。また、n型InP基板11裏面の中央部には、第1のフォトダイオード15aにある角度を持って入射される入射光30aのうち、第1のフォトダイオード15aを透過してきた入射光30bをこの入射光30bと異なる方向で、且つn型InP基板11表面方向に反射させて、この反射光30cを、第2のフォトダイオード15bに入射させるようにするための反射手段20を設けている。この反射手段20は、n型InP基板11の裏面に設けられた傾斜面21とこの傾斜面21に設けられた導電性の反射膜22とで構成されている。
【0025】
ここでは、傾斜面21は、n型InP基板11の裏面全面に設けられ、反射膜22は、入射光30bが到達する裏面中央部分及びn側電極23上に設けられている。
【0026】
次に、この半導体受光装置1の動作について説明する。なお、半導体受光装置1は、3.3Vの電源電圧に接続され、pn接合には1.6Vのバイアス電圧が印加され、空乏領域ができているものとする。
【0027】
この状態で、例えば、コア径10μmあるいはそれ以下の径の光ファイバー(図示略)で伝送された光は、反射防止/保護膜16等で反射する戻り光(図示略)が光ファイバーに戻るのを避けるために、反射防止/保護膜16に垂直な方向から一定の角度ずらして、入射光30aに沿って反射防止/保護膜16から入射させる。
【0028】
この入射光30aは、InPあるいはInGaAsの屈折率が3.5前後あるため、入射面に対して垂線に近い側に屈折して入射光30bに沿って進み、入射光量の多くは、第1のフォトダイオード2aのn型InGaAs光吸収層13の第1の空乏領域19aで吸収されるが、この第1の空乏領域19aを透過した一部の入射光30bは、InPバッファ層12及びn型InP基板11の中を吸収されずに透過し、n型InP基板11の裏面方向に進む。
【0029】
この透過した入射光30bは、n型InP基板11の裏面の反射膜22で反射され、入射光30bと異なる方向で、且つn型InP基板11の表面方向に向う反射光30cに向きを変更される。そして、反射光30cは、第2のフォトダイオード2bのn型InGaAs光吸収層13の第2の空乏領域19bに到達して吸収される。
【0030】
次に、上記構造の半導体受光装置の製造方法について図3及び図4を用いて説明する。図3は半導体受光装置の製造工程を模式的に示す断面図、図4は半導体受光装置裏面に傾斜角を形成する方法を概念的に示す断面図である。
【0031】
まず、図3(a)に示すように、半導体基板であるn型InP基板11を、例えばMOCVD装置内に載置し、その表面にn型InPバッファ層12を約5μmの厚さに成長させ、次に、不純物濃度が2E15cm−3以下で格子整合されたn型InGaAs光吸収層13を2μmの厚さに成長させた後、不純物濃度が1E16cm−3より低いn型InP窓層14を約1μmの厚さに順次成長させる。
【0032】
次に、図3(b)に示すように、MOCVD装置から成長済みのn型InP基板11を取り出して、第1のフォトダイオード2a及び第2のフォトダイオード2bを形成するための所定領域以外のn型InP窓層14の表面部をマスクして、例えば周知の熱拡散法によりp型ドーパントであるZnをn型InP窓層14表面から選択的に拡散して、第1のp型領域15a及び第2のp型領域15bをそれぞれ形成する。この第1のp型領域15a及び第2のp型領域15bの拡散は、pn接合面がn型InGaAs光吸収層13に到達した直後で止まるように行う。また、第2のp型領域15bは、第1のp型領域15aより大きく形成している。
【0033】
このようにして、この第1のp型領域15aとn型InGaAs光吸収層13及び第2のp型領域15bとn型InGaAs光吸収層13とで、それぞれ第1のフォトダイオード2a及び第2のフォトダイオード2bを形成する。
【0034】
その後、周知のCVD法等により、例えば、SiNからなる反射防止/保護膜16を第1のp型領域15a及び第2のp型領域15bを含むn型InP窓層14表面に堆積した後、反射防止膜/保護膜16に開口を設け、例えばAuを主とする導電性膜を蒸着法またはスパッタ法等で堆積し、導電性膜をパターニングして、第1のp型領域15a及び第2のp型領域15b上に、第1のp側電極17a及び第2のp側電極17bをそれぞれ形成する。
【0035】
この第1のp側電極17aは、径40μmの反射防止/保護膜16の回りにp型InPに接触するようにリング状に形成する。一方、第2のp側電極17bは、外径50μmの円形に反射防止/保護膜16を開口して形成する。これらの第1のp側電極17a及び第2のp側電極17bは、これと同時に形成された反射防止/保護膜16上の導電性膜からなる配線層17cで互いに電気的に接続する。
【0036】
そして、図3(c)に示すように、n型InP基板11の裏面を研磨等で傾斜面21に形成する。この傾斜面21の形成は、例えば図4(a)に示すような所定の角度の傾斜部26を有する角度治具25を利用する。図4(a)の破線部を拡大して示した図4(b)に示すように、角度治具25の傾斜部26に、例えば、n型InP基板11を予め薄くした後、劈開あるいはダイシング等により細長いバー状に分離したバー3の表面側を貼着して、その角度治具25の上面を水平に維持した状態で、バーの裏面27を通常の研磨、あるいはCMP(化学的機械研磨)等で研磨することにより、n型InP基板11の裏面を傾斜面21に形成する。この傾斜面21は、研磨後、最終的には鏡面に仕上げる。
【0037】
そして、反射面として使用するn型InP基板11裏面の中央部分に、例えばSiO2等からなるマスクを形成し、このマスクを含むn型InP基板11の裏面全面にAuを主とした多層の金属を蒸着法等で堆積させた後、例えば、リフトオフ法によりSiO2部分を沸酸等で除去すると共に、SiO2部分上の堆積金属を除去した後、堆積金属をシンターしてn型InP基板11裏面の周辺部分に円形の開口を有するリング状のn側電極23を形成する。
【0038】
その後、n側電極23で囲まれた反射面となる中央部分を含むn型InP基板11の裏面全面にAuまたはAuを含む多層の金属を蒸着あるいはスパッタ法等で堆積して、中央部分に反射膜22を形成する。なお、周辺部分のn側電極23上の反射膜22はn側電極23として機能する。
【0039】
なお、反射膜22及びn側電極23を、AuまたはAuを含む多層の同一の金属を用いて、同一工程の蒸着あるいはスパッタ法等で堆積して作ることができる。この方法は、工程が簡略化される反面、反射率の低下が起こる可能性があり、要求特性に合わせて使い分けることが望ましい。
【0040】
上述した第1の実施形態の半導体受光装置によれば、低バイアス電圧で全層を空乏化できる程度にn型InGaAs光吸収層13を薄くすると共に、電気的に並列接続された2個のフォトダイオード2a、2bをn型InP基板11表面に設け、更にn型InP基板11裏面に入射光をこれと異なる方向に反射させる反射手段20を設け、第1のフォトダイオード2aにより入射光30aの大部分を吸収し、且つこの第1のフォトダイオード2aを透過した入射光30bを反射手段20で反射させ、この反射光30cを第2のフォトダイオード2bで吸収するようにしている。従って、n型InGaAs光吸収層13が低バイアス電圧で完全空乏化するような薄さであっても、十分な光−電気変換効率を得ることができる。
【0041】
これについて次の実験により確認した。即ち、本実施の形態の半導体受光装置1に1.6Vのバイアス電圧を印加して光電流を測定した。その結果、この光電流は、3.5Vのバイアス電圧を印加した従来の半導体受光装置101の光電流と比較して遜色ないことを確認できた。これは、入射光30aが第1のフォトダイオード2aに与えられ、且つ第1のフォトダイオード2aを透過した入射光30bの一部が、反射して反射光30cとなり第2のフォトダイオード2bに与えられるため、第1のフォトダイオード2aの第1の空乏領域19aと第2のフォトダイオード2bの第2の空乏領域19bの合計の厚さ約4μmとなり、従来の空乏領域の厚さ3μmに比べて約1.3倍となる。
【0042】
従って、本来であれば光吸収の能力が増加するはずであるが、光が半導体受光装置1内を通過、あるいは反射するときに損失が生じて、結果的に同等な光電流になったものと考えられる。つまり、本実施の形態の半導体受光装置1では、低バイアス電圧で十分機能する特性を確保でき、高周波ICと同じ3.3Vの単一電源で動作できることが確認できた。
【0043】
また、n型InP基板11の裏面に到達した入射光30bは、反射手段20により入射光路と異なる光路に反射されるために、戻り光として光ファイバーに戻って通信品質を悪化させることはない。
【0044】
更に、半導体受光装置1は、光受信装置への実装に際して、マウント用台座(図示略)にマウントされるが、マウント用台座における半導体受光装置の載置面を、半導体受光装置の裏面の傾斜面と同じ角度を有する傾斜面にすることにより、半導体受光装置表面を従来の半導体受光装置と同じく水平にし、所定の角度で光が入射するようにしている。そのために、半導体受光装置の表面等からの戻り光に関しては、従来と同様に全く問題ないことを確認した。
【0045】
また、半導体受光装置の受光径、マウント形状等は従来の半導体受光装置と同様であるため、光ファイバと半導体受光装置との光結合が難しくなる等の使用上の不都合はなく、従来の半導体受光装置を置き換えて使用することができる。
【0046】
更に、光ファイバからの光を半導体受光装置1に入射させる結合に関しても、従来の半導体受光装置と全く同じ形態のため、使用上不都合な点がないことを確認できた。
【0047】
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態に係る半導体受光装置を図5を参照して説明する。図5(a)は半導体受光装置の外形形態を模式的に示す断面図、図5(b)は図5(a)の半導体受光装置において破線で囲まれた部分Aを拡大して示している。なお、図5において、第1の実施の形態と同一構成部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0048】
本実施の形態の半導体受光装置4が第1の実施の形態と異なる点は、n型InP基板11の裏面の傾斜面21において、反射に寄与する部分の形状を入射光に対して凹面鏡42にした点、及び、第2のp型領域15cを第1のp型領域15aと同じ大きさに形成した点である。
【0049】
すなわち、入射光30bの光路と交差するn型InP基板11の傾斜面21部分に外方に突出して所定の曲率を有する凸部を形成することにより、入射光30bに対する凹面鏡42を形成し、その凸部表面に反射膜22を形成している。
【0050】
反射面を入射光に対して凹面にした理由は、入射してきた光が広がる場合を想定して、反射光を第2のフォトダイオード2bにおけるn型InGaAs光吸収層13の第2の空乏領域19cに集光させるためである。
【0051】
第1の実施の形態では、第2のフォトダイオード2bにおける第2の空乏領域19bを大きくするために、第2のpn接合面積を大きくして、反射光を効率よく吸収するようにしているが、本実施の形態では、この反射面の集光効果によって、反射光を吸収する側のpn接合面積を大きくする必要がなくなる。従って、pn接合面積を小さくでき、接合容量を小さくできるため、より高速な受信特性を得ることができる。
【0052】
次に、本実施の形態の半導体受光装置の製造方法を説明するが、n型InP基板11の裏面を研磨して所定の角度を有する傾斜面21に形成する工程までは第1の実施の形態と同じである。
【0053】
次に、この傾斜面21に、フォトレジスト等を塗布して反射面にすべき中央部分に反射曲面と同様な曲率を持ったレンズ状凸面を有するレジストパターンを形成した後、例えばイオンミリング法で不活性ガスのイオンを衝突させて、衝突したn型InP基板11の構成原子をたたき出して、n型InP基板11の裏面表面をフォトレジスト形状に近い凸曲面をしたレンズ状に整形する。
【0054】
イオンミリングされた表面は薬液でエッチングして平滑な面に仕上げる。また、レンズ状の凸曲面形成は、フォトレジスト等のマスクを利用して、Br等を含んだ薬液を使用したエッチング法で行ってもよい。
【0055】
この後の反射膜22およびn側電極23の形成工程は、第1の実施の形態の工程と同様である。なお、反射膜とn側電極とを同時に形成すると、工程は簡略化されるが光の反射率が下がる傾向にあるので、要求される特性に合わせて、反射膜とn側電極とを別工程とするか、同時形成するかを使い分けることが望ましい。
【0056】
また、本実施の形態では、図5(a)に示すように、半導体受光装置4の受光部を片側に寄せた配置とし、且つ受光に関与するn型InP基板11裏面の一部だけに傾斜面21及び凹面鏡42を設け、裏面の他の部分は、半導体受光装置4の第1主面に平行な面を形成して、この平面部24をマウント台座に接着固定することにより、安定なマウントを実現している。
【0057】
しかし、この形態にこだわる必要はなく、裏面を全て傾斜面として、マウント台座にレンズ部分の凸部を吸収するような凹部加工を施しても、半導体受光装置4とマウント台座の間にリング状の中間物を設置しても、また、凸部をなくす程度に裏面金属を厚くして実質的に平面化しても安定なマウントを実現できる。
【0058】
上述したように、本実施の形態の半導体受光装置によれば、第1のフォトダイオード2aにより入射光の大部分を吸収し、且つこの第1のフォトダイオード2aを透過した入射光を反射手段20で反射させ、この反射光を第2のフォトダイオード2cで吸収するようにしているために、低バイアス電圧においても十分な光−電気変換効率を有する。
【0059】
また、反射手段20における反射面を入射光に対して凹面に形成しており、反射光が広がらないようにしているために、第2のフォトダイオード2cのpn接合面積、つまり接合容量を小さくできるので、より高速な受信特性を得ることができる。
【0060】
更に、傾斜面21を持った裏面で反射した光は、入射光の光路に戻ることはないので、戻り光によるノイズ等の通信品質の低下を引き起こすことはない。
【0061】
また、フォトダイオードの受光径、マウント形状等については従来の半導体受光装置と同じであり、使用上の不都合がなく、従来の半導体受光装置に置き換えて使用することができる。
【0062】
本発明は、上述した第1及び第2の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で、種々、変形して実施することができる。
【0063】
例えば、第1及び第2のフォトダイオードのpn接合を互いに分離独立して形成したが、両者の隣接する側のpn接合部分を重なりを持って接触させることにより、pn接合を共通化させても差し支えない。この場合には、pn接合面積の増加による必要以上の接合容量の増加を生じさせないように両pn接合の重ね方を工夫すればよい。
【0064】
また、n型InP基板裏面全体を傾斜面とする場合と、n型InP基板裏面の一部を傾斜面とする場合を例示したが、半導体受光装置の実装状況等を考慮して適宜選択すればよい。
【0065】
また、反射膜としてAuを主とする金属膜を用いたが、反射率の高い他の金属あるいはそれらの金属を組合せて使用してもよい。また、誘電体膜の組合せ、または誘電体膜と金属膜との組合せによって形成しても差し支えない。
【0066】
本実施の形態では、光通信用の1.55μm帯の波長の光を想定した例を示したが、波長の短い1.3μm帯、あるいは、近距離の通信に利用される1μm以下の波長に対する半導体受光装置においても、本実施の形態の半導体受光装置の考え方を適用できることは言うまでもない。また、本発明をアバランシェ・フォトダイオードに適用しても、光−電気変換効率向上や戻り光対策等の効果が得られることは言うまでもない。
【0067】
【発明の効果】
本発明によれば、低バイアス電圧に対応できる十分な光−電気変換効率を持ち、且つ戻り光対策が施された半導体受光装置及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る半導体受光装置を模式的に示す断面図。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る半導体受光装置を組み込んだ光受信装置の回路図。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る半導体受光装置の製造工程を模式的に示す断面図。
【図4】半導体受光装置裏面に傾斜面を形成する方法を概念的に説明するための図。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る半導体受光装置を模式的に示す断面図。
【図6】従来の半導体受光装置を組み込んだ光受信装置の回路図。
【図7】従来の半導体受光装置を模式的に示す断面図。
【符号の説明】
1、4、101 半導体受光装置
2a 第1のフォトダイオード
2b、2c 第2のフォトダイオード
3 バー
11、111 n型InP基板
12、112 InPバッファ層
13、113 n型InGaAs光吸収層
14、114 n型InP窓層
15a 第1のp型領域
15b、15c 第2のp型領域
16、116 反射防止/保護膜
17a 第1のp側電極
17b 第2のp側電極
17c 配線層
19a 第1の空乏領域
19b、19c 第2の空乏領域
20 反射手段
21 傾斜面
22 反射膜
23、120 n側電極
24 平面部
25 角度治具
26 傾斜部
27 バーの裏面
30a、30b 入射光
30c 反射光
42 凹面鏡
50、102 高周波IC
51、100 光受信装置
115 p型領域
117 p側電極
119 空乏領域
V1、V2、V3 電源

Claims (17)

  1. 半導体基板の第1主面に形成された第1及び第2の受光部と、
    前記半導体基板の第1主面と相対向する第2主面に形成され、前記第1の受光部に入射され、且つ当該第1の受光部を透過した入射光を前記第2の受光部に入射させるように反射させる反射手段と、
    を有することを特徴とする半導体受光装置。
  2. 前記受光部は、pn接合を有することを特徴とする請求項1記載の半導体受光装置。
  3. 前記第1の受光部のpn接合と第2の受光部のpn接合は、互に独立していることを特徴とする請求項2記載の半導体受光装置。
  4. 前記第1の受光部のpn接合と第2の受光部のpn接合は、共通であることを特徴とする請求項2記載の半導体受光装置。
  5. 前記第1の受光部と前記第2の受光部とが並列接続されていることを特徴とする請求項1記載の半導体受光装置。
  6. 前記反射手段は、第2主面に形成した傾斜面とこの傾斜面に形成された反射膜とを有することを特徴とする請求項1記載の半導体受光装置。
  7. 前記反射膜は、前記第2主面に形成される電極を兼ねていることを特徴とする請求項6記載の半導体受光装置。
  8. 前記反射膜は、金属膜、誘電体膜または金属膜及び誘電体膜の積層からなることを特徴とする請求項6記載の半導体受光装置。
  9. 前記反射手段は、第2主面に形成された傾斜面とこの傾斜面に形成された凸面とを有することを特徴とする請求項1記載の半導体受光装置。
  10. 第1導電型の半導体基板の第1主面に形成された第1導電型の第1の半導体層と、
    この第1の半導体層上に形成された第1導電型の第2の半導体層と、
    前記半導体基板の前記第1主面と相対向する第2主面に形成され、前記第2の半導体層に入射して前記第2主面に達する入射光を当該入射光と異なる方向で、且つ前記第1主面方向に反射させて反射光を形成するための反射手段と、
    前記入射光及び前記反射光の光路上の前記第2の半導体層領域にそれぞれ前記第1の半導体層に達するように形成された第2の導電型の第3及び第4の半導体層と、
    この第3及び第4の半導体層上にそれぞれ形成され、且つ互いに電気的接続された第1及び第2の電極と、
    前記半導体基板の前記第2の主面に形成された第3の電極と、
    を有することを特徴とする半導体受光装置。
  11. 前記第3の半導体層と第4の半導体層は、互に独立していることを特徴とする請求項10記載の半導体受光装置。
  12. 前記第3の半導体層と第4の半導体層は、共通であることを特徴とする請求項10記載の半導体受光装置。
  13. 前記反射手段は、第2主面に形成した傾斜面とこの傾斜面に形成された反射膜とを有することを特徴とする請求項10記載の半導体受光装置。
  14. 前記反射手段は、第2主面に形成された傾斜面とこの傾斜面に形成された凸面とを有することを特徴とする請求項10記載の半導体受光装置。
  15. 第1導電型の半導体基板の第1主面上に、少なくとも、入射光を吸収する第1導電型の第1の半導体層及び入射光に透明な第1導電型の第2の半導体層を積層形成する工程と、
    この第2の半導体層に前記第1の半導体層に達するように、それぞれ第2導電型の第3及び第4の半導体層を形成する工程と、
    この第3及び第4の半導体層上にそれぞれ第1及び第2の電極を形成すると共に、この両電極を互いに電気的接続する工程と、
    前記半導体基板の前記第1主面と相対向する第2主面に、前期第3の半導体層に入射されて前記第2主面に達する入射光を前記第4の半導体層に入射するように反射させる反射手段を形成する工程と、
    を有することを特徴とする半導体受光装置の製造方法。
  16. 前記反射手段は、第2主面に形成した傾斜面とこの傾斜面に形成された反射膜とを有することを特徴とする請求項15記載の半導体受光装置の製造方法。
  17. 前記反射手段は、第2主面に形成された傾斜面とこの傾斜面に形成された凸面とを有することを特徴とする請求項15記載の半導体受光装置の製造方法。
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