JP2006344681A - 受光素子及び受光素子モジュール - Google Patents
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Abstract
【課題】より薄いフィルタ層を用いて所望とする波長選択性を有する受光素子と、この受光素子を備えた受光素子モジュールとを提供する。
【解決手段】III−V化合物半導体基板11と、第1および第2の波長成分の光を受ける第1のエリア29と半導体領域20が形成された第2のエリア31とを含む主面を有しておりフィルタ用半導体層17の表面上に設けられたフィルタ用半導体層17と、III−V化合物半導体基板11の他の表面に設けられており光を反射可能な第1の電極13と、フィルタ用半導体層17を介して第1の電極13からの反射光を受ける第1導電型を示す受光層19を含む半導体領域20とを備え、フィルタ用半導体層17は第1の波長成分の透過率が第2の波長成分の透過率より小さい。
【選択図】図1
【解決手段】III−V化合物半導体基板11と、第1および第2の波長成分の光を受ける第1のエリア29と半導体領域20が形成された第2のエリア31とを含む主面を有しておりフィルタ用半導体層17の表面上に設けられたフィルタ用半導体層17と、III−V化合物半導体基板11の他の表面に設けられており光を反射可能な第1の電極13と、フィルタ用半導体層17を介して第1の電極13からの反射光を受ける第1導電型を示す受光層19を含む半導体領域20とを備え、フィルタ用半導体層17は第1の波長成分の透過率が第2の波長成分の透過率より小さい。
【選択図】図1
Description
本発明は、受光素子と、この受光素子を備えた受光素子モジュールとに関する。
受光素子が特許文献1に開示されている。この受光素子は、基板裏面に設けられたフィルタ層を有する。このフィルタ層は、二つの波長成分のうち一方の波長成分をより多く透過させる。また、この基板の中央には第1のpn接合が設けられ、この第1のpn接合に係るp領域にはp電極が設けられている。この受光素子は、上記のフィルタ層を有するので、二つの異なる波長成分を含む光から一の波長成分を含む光のみを選択的に受光できる。従って、二つの波長成分によって生じ得るクロストークが低減できる。また、特許文献2には、上記のようなクロストークを低減するための受光素子モジュールが開示されている。
特開2000−36615号公報
特開平6−160674号公報
二つの波長成分により引き起こされるクロストークを更に低減するためには、より高い波長選択性を有する受光素子を開発する必要がある。高い波長選択性は例えばフィルタ層の厚みを増すことにより達成される。しかし、フィルタ層の厚みを増すと、フィルタ層自身の成長時間が長くなるため、歩留まりが悪くなる。その結果コストが増加する。つまり、求められていることは、所望とする波長選択性を、より薄いフィルタ層を用いて実現することである。
そこで、本発明の目的は、より薄いフィルタ層を用いて所望とする波長選択性を有する受光素子と、この受光素子を備えた受光素子モジュールとを提供することである。
本発明は、第1の面および該第1の面の反対側にある第2の面を有しており第1導電型を示すIII−V化合物半導体基板と、第1および第2の波長成分を含む光を受ける第1のエリアと第2のエリアとを含む主面を有しており前記III−V化合物半導体基板の前記第1の面上に設けられたフィルタ用半導体層と、前記III−V化合物半導体基板の前記第2の面上に設けられており前記光を反射可能な第1の電極と、前記フィルタ用半導体層を介して前記第1の電極からの反射光を受ける第1導電型を示す受光層と、該受光層内に設けられた第2導電型領域と、該受光層内において前記第2導電型領域の周りに設けられた第2導電型の拡散遮蔽領域とを含み、前記III−V化合物半導体基板の前記第2のエリア上に設けられた半導体領域と、前記第2導電型領域にオーミック接触する第2の電極とを備え、前記フィルタ用半導体層は、前記第1の波長成分に対する透過率が前記第2の波長成分に対する透過率より小さい光学特性を有する、ことを特徴とする。
本発明によれば、入射光は第1のエリアに入射するとフィルタ用半導体層を通過(1回目の通過)した後に第1の電極によって反射される。この反射光は、フィルタ用半導体層を更に通過(2回目の通過)した後に受光層内に入射する。すなわち、第1のエリアに入射した光は第1のエリアから受光層内に入射するまでの過程でフィルタ用半導体層を複数回通過する。このため、第1の波長成分が第2の波長成分より少なく受光層内に入射する。従って、所望とする波長選択性が、より薄いフィルタ用半導体層で実現可能となる。
本発明は、第1の面および該第1の面とは反対側にある第2の面を有するフィルタ用半導体層と、第1および第2の波長成分を含む光を受ける第1のエリアと第2のエリアとを含む主面と前記フィルタ用半導体層を搭載する裏面とを有しており第1導電型を示すIII−V化合物半導体基板と、前記フィルタ用半導体層の前記第2の面上に設けられており前記光を反射可能な第1の電極と、前記フィルタ用半導体層を介して前記第1の電極からの反射光を受ける第1導電型を示す受光層と、該受光層内に設けられた第2導電型領域と、該受光層内において前記第2導電型領域の周りに設けられた第2導電型の拡散遮蔽領域とを含み、前記III−V化合物半導体基板の前記第2のエリア上に設けられた半導体領域と、前記第2導電型領域にオーミック接触する第2の電極とを備え、前記フィルタ用半導体層は、前記第1の波長成分に対する透過率が前記第2の波長成分に対する透過率より小さい光学特性を有する、ことを特徴とする。
本発明によれば、入射光は第1のエリアに入射するとフィルタ用半導体層を通過(1回目の通過)した後に第1の電極によって反射される。この反射光は、フィルタ用半導体層を更に通過(2回目の通過)した後に受光層内に入射する。すなわち、第1のエリアに入射した光は第1のエリアから受光層内に入射するまでの過程でフィルタ用半導体層を複数回通過する。このため、第1の波長成分が第2の波長成分より少なく受光層内に入射する。従って、所望とする波長選択性が、より薄いフィルタ用半導体層で実現可能となる。
更に、本発明では、前記フィルタ用半導体層は、前記第1の波長成分に対し3%以下の透過率を有するのが好ましい。故に、第1の波長成分は、フィルタ用半導体層により十分除去可能である。
更に、本発明では、前記第2の電極にはアロイ処理が施されており、前記第1の電極にはアロイ処理が施されていないのが好ましい。このように、前記第1の電極は、アロイ処理が施されていないため、光の反射率は低減しない。
更に、本発明では、前記主面のうち前記第1のエリアは、前記第1の電極の反射面に対し所定の角度で傾斜しているのが好ましい。本発明によれば、光は、第1のエリアに入射した後、この第1のエリアを含む主面で屈折する。この屈折後の光は、フィルタ用半導体層を通過(1回目の通過)する。この通過光は、第1の電極の反射面によって反射される。この反射光は、フィルタ用半導体層を通過(2回目の通過)した後に受光層内に入射する。故に、第1の電極の反射面に対し略垂直に光が入射した場合であっても、この光はフィルタ用半導体層を2回通過して受光層内に入射できる。
更に、本発明では、前記第1の電極は、AuZnから成り、前記第2の電極は、Ti/Pt/Auから成るのが好ましい。
更に、本発明では、前記主面は、前記第1のエリアと前記第2のエリアとの間に位置する第3のエリアを有し、当該受光素子は、前記第3のエリア上に設けられた反射層を更に備えるのが好ましい。本発明によれば、第1のエリアに入射した光は、フィルタ用半導体層を通過(1回目の通過)した後に第1の電極によって反射される。この反射光は、フィルタ用半導体層を更に通過(2回目の通過)した後に反射層によって反射される。この反射光は、フィルタ用半導体層を通過(3回目の通過)した後に第1の電極によって反射される。このように、第1のエリアに入射した光は、フィルタ用半導体層を複数回通過して受光層内に入射する。故に、所望とする波長選択性が、より薄いフィルタ用半導体層で実現可能となる。
更に、本発明では、前記第1のエリア上に設けられた反射防止膜を更に備えるのが好ましい。第1のエリアに入射する光は、反射防止膜を介して第1のエリアに入射する。このため、この入射の際に生じる反射光の光量が反射防止膜によって低減できる。従って、入射光量が増えるため、受光感度が向上する。
更に、本発明では、前記受光層上に設けられたパッシベーション膜上に、該パッシベーション膜よりも高い反射率を有する反射膜が設けられているのが好ましい。この反射膜により、パッシベーション膜を介して受光層の表面から受光層内へ入射する光量を低減できる。これによりノイズが低減できる。
更に、本発明では、前記III−V化合物半導体基板と前記半導体領域との間に設けられたバッファ層を更に備え、前記III−V化合物半導体基板はn型InP基板であり、前記受光層はn型InGaAs層またはn型InGaAsP層であり、前記第2導電型領域および前記拡散遮蔽領域はZnドーパントを含むp型半導体領域であり、前記バッファ層はn型InP層であるのが好ましい。
更に、本発明では、前記半導体領域は、前記受光層上に設けられた窓層を有しており該窓層はn型InP層であるのが好ましい。
また、本発明は、前記受光素子と、前記受光素子の前記第1のエリアに光学的に結合されたレンズと、前記レンズを保持するキャップと、前記受光素子および前記キャップを搭載するステムとを含むハウジングとを備え、前記レンズおよび前記受光素子は所定の軸に沿って配置されており、前記受光素子の前記第1のエリアは、前記所定の軸に対して傾斜した面に沿って延びている、ことを特徴とする。
本発明によれば、受光素子では、レンズからの光が、受光素子の第1のエリアに対し傾斜して入射する。故に、この入射光は、受光素子が有するフィルタ用半導体層を複数回透過した後に受光層内に入射する。従って、所望とする波長選択性が、より薄いフィルタ用半導体層を有する受光素子で実現できる。
更に、本発明では、前記受光素子からの電気信号を受け、前記ハウジング内に設けられた増幅器を更に備えるのが好ましい。本発明によれば、増幅器がハウジング内に設けられているため、ノイズが低減する。
本発明によれば、より薄いフィルタ層を用いて所望とする波長選択性を有する受光素子と、この受光素子を備えた受光素子モジュールとが提供できる。
以下、図面を参照して、本発明に係る好適な実施形態について詳細に説明する。なお、可能な場合に、図面の説明においては同一要素には同一符号を付す。
(第1実施形態)
第1実施形態について説明する。図1(a)は、第1実施形態に係る受光素子の構成を示す平面図であり、図1(b)は、図1(a)に示すI−I線に沿ってとられた受光素子の断面図である。受光素子1aは、III−V化合物半導体基板11、第1の電極13、バッファ層15、フィルタ用半導体層17、受光層19、第2導電型領域21、拡散遮蔽領域23、パッシベーション膜25および第2の電極27を備える。
第1実施形態について説明する。図1(a)は、第1実施形態に係る受光素子の構成を示す平面図であり、図1(b)は、図1(a)に示すI−I線に沿ってとられた受光素子の断面図である。受光素子1aは、III−V化合物半導体基板11、第1の電極13、バッファ層15、フィルタ用半導体層17、受光層19、第2導電型領域21、拡散遮蔽領域23、パッシベーション膜25および第2の電極27を備える。
III−V化合物半導体基板11は、第1の面S1と、第1の面S1の反対側に位置する第2の面S2とを有する。第1の電極13は、III−V化合物半導体基板11の第2の面S2の略全面に設けられている。この第1の電極13にはアロイ処理が施されていないため、第1の電極13が有する光の反射率は、アロイ処理が施されている電極に比較して高い。第1の電極13とIII−V化合物半導体基板11との間に生じる電気抵抗は、実用的な値である。
バッファ層15は、III−V化合物半導体基板11の第1の面S1に設けられている。フィルタ用半導体層17は、バッファ層15上に設けられている。フィルタ用半導体層17は、第1のエリア29と第2のエリア31とを含む主面S3を有する。第1のエリア29は入射光(光L1)を受ける受光面であり、第2のエリア31には半導体領域20が設けられている。半導体領域20は、受光層19、第2導電型領域21および拡散遮蔽領域23を有する。また、光L1は、第1のエリア29を通過する際に屈折し、その屈折の後に光L2となって進行する。
フィルタ用半導体層17は、所定のバンドギャップエネルギーを有する。このバンドギャップエネルギーに対応する波長以下の波長成分を含む光がフィルタ用半導体層17に入射すると、この波長成分の多くがフィルタ用半導体層17に吸収される。すなわち、フィルタ用半導体層17は、フィルタ用半導体層17のバンドギャップエネルギーに対応する波長以下の波長成分に対する透過率が、このバンドギャップエネルギーに対応する波長より長い波長成分に対する透過率より小さいという光学特性を有する。フィルタ用半導体層17のバンドギャップエネルギーに対応する波長(バンドギャップ波長)より長い波長成分を含む光がフィルタ用半導体層17に入射する場合、この波長成分はフィルタ用半導体層17にほどんど吸収されることなくフィルタ用半導体層17を透過する。ここで、1.3μm帯の波長成分の光は、式I=I0exp(−αt)に従ってフィルタ用半導体層17を透過する。ここで、I,I0は1.3μm帯の波長成分の光強度を表し、αは吸収係数(104cm−1)を表し、tはフィルタ用半導体層17の厚みを表している。よって、1.3μm帯の波長成分の光がフィルタ用半導体層17を透過する際の透過率(I/I0×100%)は、フィルタ用半導体層17の厚みが3.5μmの場合、略3%(略−15dB)程度であり、フィルタ用半導体層17の厚みが7.0μmの場合、略0.09%(略−30dB)程度である。ここで、透過率が0.1%以下の場合、受光素子1aは、バースト信号を伴う通信にも対応できる。
また、フィルタ用半導体層17のバンドギャップエネルギーは、III−V化合物半導体基板11およびバッファ層15がそれぞれ有するバンドギャップエネルギーより小さい。故に、フィルタ用半導体層17のバンドギャップ波長より長い波長成分は、フィルタ用半導体層17、バッファ層15およびIII−V化合物半導体基板11には殆ど吸収されないため、フィルタ用半導体層17、バッファ層15およびIII−V化合物半導体基板11を透過できる。他方、フィルタ用半導体層17のバンドギャップ波長以下の波長成分は、フィルタ用半導体層17によって殆ど吸収されるため、フィルタ用半導体層17を透過するのが困難となる。
例えば、フィルタ用半導体層17のバンドギャップ波長が1.3μmより長い場合、1.3μm帯の波長成分は、少なくともフィルタ用半導体層17によって殆ど吸収される。更に、フィルタ用半導体層17のバンドギャップ波長が1.5μmより短い場合、1.5μm帯の波長成分は、フィルタ用半導体層17(更に、III−V化合物半導体基板11およびバッファ層15)では殆ど吸収されずに透過する。故に、上述のような1.3μmより長く且つ1.5μmより短いバンドギャップ波長を有するフィルタ用半導体層17は、1.3μm帯の波長成分の透過率が1.5μm帯の波長成分の透過率より小さい、という光学特性を有する。
受光層19は、フィルタ用半導体層17の主面S3に含まれる第2のエリア31上に設けられている。受光層19は、フィルタ用半導体層17を介して第1の電極13からの反射光(光L3)を受ける。受光層19は、第1の電極13と第2の電極27とに対し逆バイアス電圧が印加されている場合には、この光L3の光量に応じたキャリアを生成する。
第2導電型領域21および拡散遮蔽領域23は、受光層19の面S4から内部に厚みを有するように設けられている。第2導電型領域21は、図1(a)に示すように、受光層19の中央部に設けられており、拡散遮蔽領域23は、受光層19を囲むように半導体領域20の端部に至るまで設けられている。第2導電型領域21の近傍領域E1で生成されたキャリアは、第2導電型領域21と第2の電極27とを介して出力される。また、拡散遮蔽領域23の近傍領域E2で生成されたキャリアは、拡散遮蔽領域23に流れ込むため、拡散遮蔽領域23は、第2の電極27からの出力信号に現れる裾引きを低減する。
パッシベーション膜25は、受光層19上に設けられている。パッシベーション膜25は、半導体領域20の面S4を介して光が受光層19に入射することを防止する。また、第2の電極27は、第2導電型領域21と電気的に接続されている。ここで、第2の電極27は、アロイ処理が施されているため、第2導電型領域21とオーミック接触している。
ここで、III−V化合物半導体基板11は、例えばSnがドープされたn型のInP基板である。第1の電極13は、例えばTi/Pt/Auから成るアロイ処理されていない電極である。バッファ層15は、エピタキシャル成長により形成されており、例えばn型InP層である。フィルタ用半導体層17は、エピタキシャル成長により形成されており、例えばn型InGaAsP層である。受光層19は、エピタキシャル成長によって形成されており、例えばn型InGaAs層である。第2導電型領域21および拡散遮蔽領域23は、例えばZnがドープされたp型半導体領域である。パッシベーション膜25は、例えばSiN膜等から成る。第2の電極27は、例えばAuZnから成るアロイ処理された電極である。
また、受光素子1aは、例えば300μm×600μm角のチップとする。III−V化合物半導体基板11の厚みは、例えば450μm程度、350μm程度または300μm程度等である。III−V化合物半導体基板11におけるSnドーパント濃度は、例えば1×1018cm−3程度である。バッファ層15の厚みは、例えば2〜4μm程度である。バッファ層15のドーパント濃度は、例えば1×1015cm−3程度である。フィルタ用半導体層17の厚みは、例えば3μm程度である。フィルタ用半導体層17のドーパント濃度は、例えば1×1015cm−3程度である。受光層19の厚みは、例えば3〜4μm程度である。受光層19のドーパント濃度は、例えば1×1015cm−3程度である。
次に、図2を参照して、受光素子1aの動作を説明する。図2は、図1に示す受光素子内における光の進路(光路)を説明するための図である。一般にバッファ層15およびフィルタ用半導体層17の厚みはIII−V化合物半導体基板11の厚みに比較して十分に薄いため、これらの厚みは図2には描かれていない。
まず、光L1は、空気中を進行し、第1のエリア29上の点P1に入射角度θ1で入射する。この第1のエリア29に入射した光L1は、第1のエリア29を角度θ2で屈折し、この屈折の後に光L2となって進行する。この光L2は、フィルタ用半導体層17を通過する(1回目の通過)。光L2は、フィルタ用半導体層17を通過した後、第1の電極13上の点P2で反射され、この反射後に光L3となって進行する。この光L3は、フィルタ用半導体層17を通過(2回目の通過)する。光L3は、フィルタ用半導体層17を通過した後、第2のエリア31上の点P3を介して受光層19内に入射する。受光層19内では、第1の電極13と第2の電極27とに対し逆バイアス電圧が印加されているため、光L3の入射に応じたキャリアが生成される。
上述のように、第1のエリア29に入射した光は、受光層19内に入射するまでの過程でフィルタ用半導体層17を2回通過する。よって、フィルタ用半導体層17の厚みは、第1のエリア29に入射する光がフィルタ用半導体層17を2回通過する際の総通過距離の略2分の1程度となる。故に、第1のエリア29に入射する光が1.3μm帯の波長成分と1.5μm帯の波長成分とを含む場合、この入射光がフィルタ用半導体層17を2回通過するので、1.3μm帯の波長成分の方が1.5μm帯の波長成分より少なくなる。従って、所望とする波長選択性が、より薄いフィルタ用半導体層17で実現可能となる。
ここで、点P1と点P3との間隔D2は例えば197μm(<400μm)である。この場合、第1のエリア29に入射した光がフィルタ用半導体層17を通過する際の総通過距離はフィルタ用半導体層17の厚みの例えば2.047倍である。これらの値は、図2を参照して下記の値を用いて算出される。
III−V化合物半導体基板11の厚みD1=450μm、
フィルタ用半導体層17の厚み=3μm、
空気の屈折率=1、
フィルタ用半導体層17内の屈折率=3.3、
θ1=45度、
θ2=12.4度。
上記値に基づいて受光素子1aを試作した結果、感度R=0.8A/W、1.3μm/1.5μmの波長選択性が−26dBの特性を得た。
フィルタ用半導体層17の厚み=3μm、
空気の屈折率=1、
フィルタ用半導体層17内の屈折率=3.3、
θ1=45度、
θ2=12.4度。
上記値に基づいて受光素子1aを試作した結果、感度R=0.8A/W、1.3μm/1.5μmの波長選択性が−26dBの特性を得た。
次に、図3を参照して、受光素子モジュール2aについて説明する。図3は、図1に示す受光素子を備えた受光素子モジュールの断面を示す図である。
受光素子モジュール2aは、受光素子1a、ハウジング33、光ファイバ35、レンズ37、キャップ39およびピン41を備える。ハウジング33は、ステム33a、支持台33b、サブマウント33c、ファイバスタブ33dおよびフェルールホルダ33eを有する。ピン41は、アノード端子41a、カソード端子41bおよびケース端子41cを有する。
ステム33aは、支持台33b、フェルールホルダ33eおよびキャップ39を搭載する。ステム33aにはピン41が貫通している。支持台33bは、ステム33aの面S5の中央に設けられている。支持台33bは、ステム33aの面S5に対、図2に示す光の入射角度θ1に対応する角度だけ傾斜している面S6を有する。この支持台33bの面S6には板状のサブマウント33cが設けられ、サブマウント33cの面S7には受光素子1aが搭載されている。受光素子1aは、受光素子モジュール2aの中心軸Aが第1のエリア29を通過する位置に配置されている。この場合、第1のエリア29は、図2に示す光の入射角度θ1に対応する角度だけステム33aの面S5に対して傾斜している。
ファイバスタブ33dは、中心軸A上に光ファイバ35を保持する。レンズ37は、キャップ39により保持されている。この場合、レンズ37は、光ファイバ35の一端と光学的に結合されている。キャップ39は、フェルールホルダ33e内に設けられている。なお、光ファイバ35の端面は斜め研磨されてもよい。この場合、光ファイバ35の端面の斜め研磨の角度をθ4、光ファイバ35のコアの屈折率をn1とすると、光ファイバ35からの光は端面が平坦な場合と比較して、sin−1(n1×sin(θ4))−θ4だけ傾いて入射するため、その分更に受光素子1aを傾ければよい。
また、受光素子モジュール2aは増幅器43を更に備える。増幅器43は、ハウジング33内に設けられている。増幅器43は、受光素子1aから受けた電気信号を増幅する。増幅器43は、ステム33aに設けられた端子(図示略)と電気的に接続されている。受光素子モジュール2aは、増幅器43を含む場合には、更に2本のピンとコンデンサとを有する。
上述した受光素子モジュール2aによれば、光ファイバ35からの光は、レンズ37を介して受光素子1bに入射する。この光は、第1のエリア29に対し入射角度θ1で入射する。故に、この光は、図2に示す光L1、光L2および光L3のように受光層19内に入射する。
次に、図4および図5を参照して受光素子1aの変形例を説明する。図4(a)、図4(b)および図5(a)〜図5(c)は、第1実施形態に係る受光素子の変形例の構成を示す断面図である。
まず、図4(a)に示す受光素子1bは、フィルタ用半導体層17の主面S3の第1のエリア29上に設けられた反射防止膜45を有する。反射防止膜45は、例えば、第1のエリア29全面に設けられていてもよいが、少なくとも、光L1が入射する領域に設けられている。第1のエリア29に入射する光L1は、反射防止膜45を介して第1のエリア29に入射する。このため、この入射の際に生じる反射光の光量が反射防止膜45によって低減できる。従って、受光素子1bでは、入射光量が増えるため、受光感度が向上する。
図4(b)に示す受光素子1cでは、主面S3は、第1のエリア29と第2のエリア31との間に位置する第3のエリア47を含む。そして、受光素子1cは、第3のエリア47上に設けられた反射層49を更に備える。受光素子1cでは、第1のエリア29に入射した光L4は、第1のエリア29を通過する際に屈折し、この屈折の後に光L5となって進行する。この光L5は、フィルタ用半導体層17を通過(1回目の通過)した後に第1の電極13によって反射され、この反射後に光L6となって進行する。この光L6は、フィルタ用半導体層17を通過(2回目の通過)した後に反射層49によって反射され、この反射後に光L7となって進行する。この光L7は、フィルタ用半導体層17を通過(3回目の通過)した後に第1の電極13によって反射され、この反射後に光L8となって進行する。そして、この光L8は、フィルタ用半導体層17を通過(4回目の通過)した後に受光層19内に入射する。従って、フィルタ用半導体層17の厚みは、フィルタ用半導体層17に対する総通過距離の略4分の1程度となる。故に、1.3μm帯の波長成分と1.5μm帯の波長成分とを含む光がフィルタ用半導体層17を4回通過する場合、1.5μm帯の波長成分の方が1.3μm帯の波長成分より多く受光層19に到達できる。よって、所望とする波長選択性が、薄いフィルタ用半導体層17で実現可能となる。
図5(a)に示す受光素子1dは、窓層51を有する。第2導電型領域21および拡散遮蔽領域23は、受光層19および窓層51内に設けられている。
図5(b)に示す受光素子1eでは、受光層19上に設けられたパッシベーション膜25上に、パッシベーション膜25の表面全体を覆うように反射膜53が設けられている。この反射膜53は、パッシベーション膜25よりも高い反射率を有している。この反射膜53により、パッシベーション膜25を介して受光層19の表面から受光層19内へ入射する光量は低減する。
図5(c)に示す受光素子1fは、拡散遮蔽領域23aを有する。拡散遮蔽領域23aは半導体領域20に含まれる。拡散遮蔽領域23aは、受光層19の側面と第2導電型領域21との間にあって、受光層19の面S4から内部に厚みを有するように設けられている。また、受光素子1fは、受光層19上に設けられた第3の電極57を有する。この第3の電極57は、受光層19と拡散遮蔽領域23aとに電気的に接続している。そして、第3の電極57に対しても信号用とは別にバイアス電圧が印加されれば、拡散遮蔽領域23aの近傍領域E3(図1(b)に示す拡散遮蔽領域23の近傍領域E2と同様の領域)で生成されるキャリアが十分除去できる。故に、拡散遮蔽領域23aは、第2の電極27からの出力信号に現れる裾引きを十分低減する。
なお、本発明は、第1実施形態の受光素子1aに図4(a)、図4(b)および図5(a)〜図5(c)に示す変形例を組み合わせてもよい。また、図3に示す受光素子モジュール2aは、受光素子1aに替えて、受光素子1b〜1fを備えてもよい。
(第2実施形態)
第2実施形態に係る受光素子1gの構成を図6に示す。図6(a)は、第2実施形態に係る受光素子の構成を示す平面図であり、図6(b)は、図6(a)に示すII−II線に沿ってとられた受光素子の断面図である。受光素子1gは、III−V化合物半導体基板11、第1の電極13、バッファ層15、フィルタ用半導体層17、受光層19、第2導電型領域21、拡散遮蔽領域23、パッシベーション膜25および第2の電極27を備える。
第2実施形態に係る受光素子1gの構成を図6に示す。図6(a)は、第2実施形態に係る受光素子の構成を示す平面図であり、図6(b)は、図6(a)に示すII−II線に沿ってとられた受光素子の断面図である。受光素子1gは、III−V化合物半導体基板11、第1の電極13、バッファ層15、フィルタ用半導体層17、受光層19、第2導電型領域21、拡散遮蔽領域23、パッシベーション膜25および第2の電極27を備える。
受光素子1gは、III−V化合物半導体基板11と第1の電極13との間にフィルタ用半導体層17が設けられている点で受光素子1aとは異なった構成を有する。すなわち、フィルタ用半導体層17は、第1の面S8と、第1の面S8の反対側に位置する第2の面S9とを有する。第1の面S8には第1の電極13が設けられ、第2の面S9にはIII−V化合物半導体基板11が設けられている。そしてIII−V化合物半導体基板11上にはバッファ層15が設けられている。バッファ層15は、第1のエリア29と第2のエリア31とを含む主面S10を有する。第1のエリア29は入射光を受ける受光面であり、第2のエリア31には半導体領域20が設けられている。この半導体領域20は、受光層19、第2導電型領域21および拡散遮蔽領域23を有する。また、光L1は、第1のエリア29を通過する際に屈折し、その屈折の後に光L2となって進行する。
第2実施形態に係る受光素子1gにおいても、第1のエリア29に入射した光L1は、第1のエリア29で屈折し、この屈折の後に光L2となって進行する。この光L2は、フィルタ用半導体層17を通過(1回目の通過)する。光L2は、フィルタ用半導体層17を通過した後、第1の電極13によって反射され、この反射後に光L3となって進行する。この光L3は、フィルタ用半導体層17を通過(2回目の通過)する。光L3は、フィルタ用半導体層17を通過した後、第2のエリア31上の点P3を介して受光層19内に入射する。受光層19内では、第1の電極13と第2の電極27とに対し逆バイアス電圧が印加されているので、第2導電型領域21の近傍領域E1で生成されたキャリアは、第2導電型領域21と第2の電極27とを介して出力される。また、拡散遮蔽領域23の近傍領域E2で生成されたキャリアは、拡散遮蔽領域23に流れ込むため、拡散遮蔽領域23は、第2の電極27からの出力信号に現れる裾引きを低減する。
次に、図7および図8を参照して受光素子1gの変形例を説明する。図7(a)、図7(b)および図8(a)〜図8(c)は、第2実施形態に係る受光素子の変形例の構成を示す断面図である。
まず、図7(a)に示す受光素子1hは、バッファ層15の主面S10の第1のエリア29上に設けられた反射防止膜45を有する。反射防止膜45は、例えば、第1のエリア29全面に設けられていてもよいが、少なくとも、光L1が入射する領域に設けられている。第1のエリア29に入射する光L1は、反射防止膜45を介して第1のエリア29に入射する。このため、この入射の際に生じる反射光の光量が反射防止膜45によって低減できる。従って、反射光に起因するノイズが低減できる。
図7(b)に示す受光素子1iでは、主面S10は、第1のエリア29と第2のエリア31との間に位置する第3のエリア47を含む。そして、受光素子1iは、第3のエリア47上に設けられた反射層49を更に備える。受光素子1iでは、第1のエリア29に入射した光L4は、第1のエリア29を通過する際に屈折し、この屈折の後に光L5となって進行する。この光L5は、フィルタ用半導体層17を通過(1回目の通過)した後に第1の電極13によって反射され、この反射後に光L6となって進行する。この光L6は、フィルタ用半導体層17を通過(2回目の通過)した後に反射層49によって反射され、この反射後に光L7となって進行する。この光L7は、フィルタ用半導体層17を通過(3回目の通過)した後に第1の電極13によって反射され、この反射後に光L8となって進行する。そして、この光L8は、フィルタ用半導体層17を通過(4回目の通過)した後に受光層19内に入射する。従って、フィルタ用半導体層17の厚みは、フィルタ用半導体層17に対する総通過距離の略4分の1程度となる。故に、1.3μm帯の波長成分と1.5μm帯の波長成分とを含む光がフィルタ用半導体層17を4回通過する場合、1.5μm帯の波長成分の方が1.3μm帯の波長成分より多く受光層19に到達できる。よって、所望とする波長選択性が、薄いフィルタ用半導体層17で実現可能となる。
図8(a)に示す受光素子1jは、窓層51を有する。第2導電型領域21および拡散遮蔽領域23は、受光層19および窓層51内に設けられている。
図8(b)に示す受光素子1kでは、受光層19上に設けられたパッシベーション膜25上に、パッシベーション膜25の表面全体を覆うように反射膜53が設けられている。この反射膜53は、パッシベーション膜25よりも高い反射率を有している。この反射膜53により、パッシベーション膜25を介して受光層19の表面から受光層19内へ入射する光量は低減する。
図8(c)に示す受光素子1lは、拡散遮蔽領域23aを有する。拡散遮蔽領域23aは半導体領域20に含まれる。拡散遮蔽領域23aは、受光層19の側面と第2導電型領域21との間にあって、受光層19の面S4から厚みを有するように設けられている。また、受光素子1lは、受光層19上に設けられた第3の電極57を有する。この第3の電極57は、受光層19と拡散遮蔽領域23aとに電気的に接続している。そして、第2の電極27と同様に第3の電極57に対しても信号用とは別にバイアス電圧が印加されれば、拡散遮蔽領域23aの近傍領域E3(図6(b)に示す拡散遮蔽領域23の近傍領域E2と同様の領域)で生成されるキャリアが十分除去できる。故に、拡散遮蔽領域23aは、第2の電極27からの出力信号に現れる裾引きを十分低減する。
なお、本発明は、第2実施形態の受光素子1gに図7(a)、図7(b)および図8(a)〜図8(c)に示す変形例を組み合わせてもよい。また、図3に示す受光素子モジュール2aは、受光素子1a〜1fに替えて、受光素子1g〜1lを備えてもよい。
なお、図9(a)に示す受光素子1mのように、バッファ層15の第1のエリア29の一部または全部が、第1の電極13の反射面S11対し傾斜していてもよい。図9(a)は、この受光素子の構成を示す平面図であり、図9(b)は、図9(a)に示すIII−III線に沿ってとられた受光素子の断面図である。
ここで、図10を参照して、図9(a)および図9(b)に示す受光素子1mに対し、第1のエリア29に入射した光が、受光層19内に至るまでの様子を説明する。図10は、図9に示す受光素子内における光の経路(光路)を説明するための図である。一般にバッファ層15およびフィルタ用半導体層17の厚みはIII−V化合物半導体基板11の厚みに比較して十分に薄いので、これらの厚みは図10には描かれていない。
まず、光L9は、空気中を進行し、第1のエリア29上の点P4に入射角度θ1で入射する。ここで、光L9の進行の向きは、第1の電極13の反射面S11に対して略垂直である。この第1のエリア29に入射した光L9は、第1のエリア29を角度θ2で屈折し、この屈折の後に光L10となって進行する。この光L10は、フィルタ用半導体層17を通過する(1回目の通過)。光L2は、フィルタ用半導体層17を通過した後、第1の電極13上の点P5で反射され、この反射後に光L11となって進行する。この光L11は、フィルタ用半導体層17を通過(2回目の通過)する。光L11は、フィルタ用半導体層17を通過した後、第2のエリア31上の点P6を介して受光層19内に入射する。受光層19内では、第1の電極13と第2の電極27とに対し逆バイアス電圧が印加されているので、光L11の入射に応じたキャリアが生成される。
上述のように、第1のエリア29に入射した光は、受光層19内に入射するまでの過程でフィルタ用半導体層17を2回通過する。よって、フィルタ用半導体層17の厚みは、第1のエリア29に入射した光がフィルタ用半導体層17を2回通過する際の総通過距離の略2分の1程度となる。故に、第1のエリア29に入射する光が1.3μm帯の波長成分と1.5μm帯の波長成分とを含む場合、この入射光がフィルタ用半導体層17を2回通過する過程で、1.5μm帯の波長成分の方が1.3μm帯の波長成分より多く受光層19に到達する。従って、所望とする波長選択性が、より薄いフィルタ用半導体層17で実現可能となる。
点P4と点P6との間隔D3は例えば382μm(<400μm)である。この場合、第1のエリア29に入射した光がフィルタ用半導体層17を通過する際の総通過距離はフィルタ用半導体層17の厚みの例えば2.6224倍である。これらの値は、図10を参照して下記の値を用いて算出される。なお、フィルタ用半導体層17およびバッファ層15の厚みはIII−V化合物半導体基板11の厚みに比較して十分に薄いので、これらの厚みは考慮されていない。
第1のエリア29の表面は(111)面、
III−V化合物半導体基板11の厚みD1=300μm、
点P3から第1の電極13までの距離D4=150μm、
フィルタ用半導体層17の厚み=3μm、
空気中の屈折率=1、
フィルタ用半導体層17内の屈折率=3.3、
θ1=54.7度、
θ2=14.4度、
θ3=40.3度。
III−V化合物半導体基板11の厚みD1=300μm、
点P3から第1の電極13までの距離D4=150μm、
フィルタ用半導体層17の厚み=3μm、
空気中の屈折率=1、
フィルタ用半導体層17内の屈折率=3.3、
θ1=54.7度、
θ2=14.4度、
θ3=40.3度。
また、点P4と点P6との間隔D3は例えば306μm(<400μm)であってもよく、この場合、光がフィルタ用半導体層17を通過する際の総通過距離はフィルタ用半導体層17の厚みの例えば2.2103倍である。これらの値は、下記の値を用いて算出される(図10参照)。なお、フィルタ用半導体層17およびバッファ層15の厚みはIII−V化合物半導体基板11の厚みに比較して十分に薄いので、これらの厚みは考慮されていない。
第1のエリア29の表面は(112)面、
III−V化合物半導体基板11の厚みD1=350μm、
点P3から第1の電極13までの距離D4=300μm、
フィルタ用半導体層17の厚み=3μm、
空気中の屈折率=1、
フィルタ用半導体層17内の屈折率=3.3、
θ1=35.3度、
θ2=10.1度、
θ3=25.2度。
III−V化合物半導体基板11の厚みD1=350μm、
点P3から第1の電極13までの距離D4=300μm、
フィルタ用半導体層17の厚み=3μm、
空気中の屈折率=1、
フィルタ用半導体層17内の屈折率=3.3、
θ1=35.3度、
θ2=10.1度、
θ3=25.2度。
更に、図9に示す受光素子1mは、図11に示す受光素子モジュール2bに設けられている。図11は、図9に示す受光素子を備えた受光素子モジュールの断面を示す図である。
受光素子モジュール2bは、受光素子1m、ハウジング33、光ファイバ35、レンズ37、キャップ39、ピン41および増幅器43を備える。ハウジング33は、ステム33a、サブマウント33c、ファイバスタブ33dおよびフェルールホルダ33eを有する。ピン41は、アノード端子41a、カソード端子41bおよびケース端子41cを有する。
受光素子モジュール2bは、受光素子モジュール2aと同様の構成を有するが、次の点で受光素子モジュール2aとは異なっている。すなわち、受光素子モジュール2bは、受光素子モジュール2aが備える受光素子1a(又は、受光素子1b〜受光素子1lの何れか一つ)に換えて受光素子1mを備える。そして、受光素子1mは、第1の電極13の反射面S11が中心軸Aに対し略垂直となるように配置されている。
この受光素子モジュール2bによれば、光ファイバ35から出力された光は、レンズ37を介して受光素子1bの第1のエリア29に入射する。この際、この入射光は、受光素子1mの第1の電極13の反射面S11に対し略垂直に入射する。故に、入射光は、図10に示す経路L9、L10およびL11を順次通過して受光層19内に入射する。
以上、好適な実施の形態において本発明の原理を図示し説明してきたが、本発明は、そのような原理から逸脱することなく配置および詳細において変更され得ることは、当業者によって認識される。本発明は、本実施の形態に開示された特定の構成に限定されるものではない。したがって、特許請求の範囲およびその精神の範囲から来る全ての修正および変更に権利を請求する。
1a〜1m…受光素子、11…III−V化合物半導体基板、13…第1の電極、15…バッファ層、17…フィルタ用半導体層、19…受光層、2a,2b…受光素子モジュール、20…半導体領域、21…第2導電型領域、23,23a…拡散遮蔽領域、23a…拡散遮蔽領域、25…パッシベーション膜、27…第2の電極、29…第1のエリア、31…第2のエリア、33…ハウジング、33e…フェルールホルダ、33a…ステム、33b…支持台、33c…サブマウント、33d…ファイバスタブ、35…光ファイバ、37…レンズ、39…キャップ、41…ピン、41a…アノード端子、41c…ケース端子、41b…カソード端子、43…増幅器、45…反射防止膜、47…第3のエリア、49…反射層、51…窓層、53…反射膜、57…第3の電極。
Claims (13)
- 第1の面および該第1の面の反対側にある第2の面を有しており第1導電型を示すIII−V化合物半導体基板と、
第1および第2の波長成分を含む光を受ける第1のエリアと第2のエリアとを含む主面を有しており前記III−V化合物半導体基板の前記第1の面上に設けられたフィルタ用半導体層と、
前記III−V化合物半導体基板の前記第2の面上に設けられており前記光を反射可能な第1の電極と、
前記フィルタ用半導体層を介して前記第1の電極からの反射光を受ける第1導電型を示す受光層と、該受光層内に設けられた第2導電型領域と、該受光層内において前記第2導電型領域の周りに設けられた第2導電型の拡散遮蔽領域とを含み、前記III−V化合物半導体基板の前記第2のエリア上に設けられた半導体領域と、
前記第2導電型領域にオーミック接触する第2の電極と
を備え、
前記フィルタ用半導体層は、前記第1の波長成分に対する透過率が前記第2の波長成分に対する透過率より小さい光学特性を有する、ことを特徴とする受光素子。 - 第1の面および該第1の面とは反対側にある第2の面を有するフィルタ用半導体層と、
第1および第2の波長成分を含む光を受ける第1のエリアと第2のエリアとを含む主面と前記フィルタ用半導体層を搭載する裏面とを有しており第1導電型を示すIII−V化合物半導体基板と、
前記フィルタ用半導体層の前記第2の面上に設けられており前記光を反射可能な第1の電極と、
前記フィルタ用半導体層を介して前記第1の電極からの反射光を受ける第1導電型を示す受光層と、該受光層内に設けられた第2導電型領域と、該受光層内において前記第2導電型領域の周りに設けられた第2導電型の拡散遮蔽領域とを含み、前記III−V化合物半導体基板の前記第2のエリア上に設けられた半導体領域と、
前記第2導電型領域にオーミック接触する第2の電極と
を備え、
前記フィルタ用半導体層は、前記第1の波長成分に対する透過率が前記第2の波長成分に対する透過率より小さい光学特性を有する、ことを特徴とする受光素子。 - 前記フィルタ用半導体層は、前記第1の波長成分に対し3%以下の透過率を有する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の受光素子。
- 前記第2の電極にはアロイ処理が施されており、前記第1の電極にはアロイ処理が施されていない、ことを特徴とする請求項1〜3のうち何れか一項に記載の受光素子。
- 前記主面のうち前記第1のエリアは、前記第1の電極の反射面に対し所定の角度で傾斜している、ことを特徴とする請求項1〜4のうち何れか一項に記載の受光素子。
- 前記第1の電極は、AuZnから成り、前記第2の電極は、Ti/Pt/Auから成る、ことを特徴とする請求項1〜5のうち何れか一項に記載の受光素子。
- 前記主面は、前記第1のエリアと前記第2のエリアとの間に位置する第3のエリアを有し、
当該受光素子は、前記第3のエリア上に設けられた反射層を更に備える、ことを特徴とする請求項1〜6のうち何れか一項に記載の受光素子。 - 前記第1のエリア上に設けられた反射防止膜を更に備える、ことを特徴とする請求項1〜7のうち何れか一項に記載の受光素子。
- 前記受光層上に設けられたパッシベーション膜上に、該パッシベーション膜よりも高い反射率を有する反射膜が設けられている、ことを特徴とする請求項1〜8のうち何れか一項に記載の受光素子。
- 前記III−V化合物半導体基板と前記半導体領域との間に設けられたバッファ層を更に備え、
前記III−V化合物半導体基板はn型InP基板であり、前記受光層はn型InGaAs層またはn型InGaAsP層であり、前記第2導電型領域および前記拡散遮蔽領域はZnドーパントを含むp型半導体領域であり、前記バッファ層はn型InP層である、ことを特徴とする請求項1〜9のうち何れか一項に記載の受光素子。 - 前記半導体領域は、前記受光層上に設けられた窓層を有しており該窓層はn型InP層である、ことを特徴とする請求項1〜10のうち何れか一項に記載の受光素子。
- 請求項1〜11のうち何れか一項に記載の受光素子と、
前記受光素子の前記第1のエリアに光学的に結合されたレンズと、
前記レンズを保持するキャップと、前記受光素子および前記キャップを搭載するステムとを含むハウジングと
を備え、
前記レンズおよび前記受光素子は所定の軸に沿って配置されており、
前記受光素子の前記第1のエリアは、前記所定の軸に対して傾斜した面に沿って延びている、ことを特徴とする受光素子モジュール。 - 前記受光素子からの電気信号を受け、前記ハウジング内に設けられた増幅器を更に備える、ことを特徴とする請求項12に記載の受光素子モジュール。
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