JP2004241616A - ウエーハの保持装置及び移載方法 - Google Patents

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武史 小林
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Abstract

【課題】特にウエーハを熱処理する際、切り欠き部の無いリング状あるいは皿状のサセプタ上にウエーハを汚染せずに移載することができ、熱処理中のスリップ転位の発生の抑制につながるウエーハの保持装置及び移載方法を提供する。
【解決手段】少なくとも、保持部本体2と、該保持部本体に取り付けられた保持部リング3と、吸引手段9とを具備し、前記保持部本体が、前記保持部リングに囲まれた領域内において前記吸引手段に通じる吸引口4を有しており、前記保持部リングをウエーハWの外縁部に当接させたときに前記保持部本体と保持部リングとウエーハにより形成される空間を前記吸引口を通じて減圧状態にすることにより前記ウエーハを前記保持部リングに吸着させて保持するものであることを特徴とするウエーハの保持装置1。ウエーハを、切り欠き部の無いリング状または皿状のウエーハ支持部を有する熱処理用ボートに移載することができる。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ウエーハの保持装置、例えば、シリコンウエーハ等の熱処理において、ウエーハを熱処理用ボートに移載するときに使用するウエーハの保持装置、及びそれを用いたウエーハの移載方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体単結晶ウエーハ、例えばシリコンウエーハを用いてデバイスを作製する場合、ウエーハの加工プロセスから素子の形成プロセスまで多数の工程が介在し、その一つに熱処理工程がある。熱処理工程は、ウエーハの表層における無欠陥層の形成、ゲッタリング、結晶化、酸化膜形成、不純物拡散等を目的として行われる重要なプロセスである。
【0003】
このような熱処理工程、例えば、酸化や不純物拡散に用いられる拡散炉(酸化・拡散装置)としては、ウエーハの大口径化に伴い、多数のウエーハを所定の間隔をあけて水平に支持した状態で熱処理を行う縦型の熱処理炉が主に用いられている。縦型熱処理炉を用いてウエーハを熱処理する際には、多数のウエーハをセットするための縦型熱処理用ボート(以下、「熱処理用ボート」又は単に「ボート」という場合がある。)が用いられる。
図5(a)(b)は、一般的な縦型熱処理用ボート10の概略を示している。4本の支柱(ロッド)14の両端部に一対の板状部材(連結部材、あるいは天板と底板とも言う)16が連結されている。各支柱14には多数のスリット(溝)11が形成され、各スリット11間の凸部がウエーハWの支持部12として作用する。
【0004】
縦型熱処理用ボート10におけるウエーハ支持部12は種々の形状が採用されており、例えば、図6(a)に示されるように円柱形状の支柱14に凹み状のスリット(溝)11を設けて半円形の支持部12を形成したもの、あるいは図6(b)に示されるようにウエーハの中心に近い箇所を支持するために幅の広い角柱形状の支柱15に凹み状のスリット11を設けて長方形の支持部13を形成したものがある。他にも、スリット形状を円弧状にしたものや、鉤型状にしたものなどもある。このような熱処理用ボートを用いれば、図5(b)に示されるように各支柱14(15)の同じ高さに形成されている支持部12(13)にウエーハWの外周部を載置することでウエーハWが水平に支持されることになる。
【0005】
ところで、熱処理前のウエーハは、通常、ウエーハキャリアと呼ばれるボックスに25枚程度が所定の間隔をあけて水平に収納されている。熱処理の際には、ウエーハがキャリア内から取り出されて熱処理用ボートに移載され、熱処理後、再びキャリア内に収納されることになる。
このようにウエーハをキャリア内から取り出して熱処理用ボートに移載する際、ウエーハを汚染しないように保持して搬送することができるウエーハ保持装置が使用される。
【0006】
例えば直径200mm以下のウエーハに対しては、図9(a)(b)に示すような真空吸着手段33,35を有するアーム32を備えた保持装置31が主に使用されている。この装置31は、裏面接触型のものであり、図10(a)(b)に示すようにウエーハWの裏面を真空吸着により保持し、ボートの支持部上に搬送することができるように構成されている。
【0007】
一方、直径が300mmにもなる大直径のウエーハの場合、図13に示されるように主にウエーハをすくい上げて搬送するアーム42が採用されている。このような「すくい上げ」方式のアーム42ではウエーハWを載置する部分43が凹状に形成されている。図14に示されるようにウエーハの裏面側の外周の一部がアーム42と接して支持され、搬送される。なお、図9及び図13では長方形のアーム32,42を例に示したが、鍬型状のアームなどアーム自体の形状は種々のものが採用されている。
さらに、ウエーハを保持するアームの先端が可動し、ウエーハの中心位置を合わせて保持することができるウエーハ保持装置も提案されている(特許文献1参照)。
【0008】
ウエーハWを熱処理用ボート10に移載した後は、図7に示されるように縦型熱処理炉20内に搬入される。熱処理の際には、ウエーハWは、反応室22の周囲に設けられたヒータ24によって加熱されることになる。熱処理中、反応室22にはガス導入管26を介してガスが導入され、上方から下方に向かって流れてガス排気管28から外部に排出される。使用するガスは熱処理の目的によって異なるが、主としてH、N、O、Ar等が用いられる。不純物拡散の場合には、これらのガスを不純物化合物ガスのキャリアガスとして使用することもできる。
【0009】
近年、シリコンウエーハは、6インチ(150mm)から8インチ(200mm)、そして12インチ(300mm)と大口径化(高重量)するに伴い、熱処理用ボートの支持部に起因して発生するスリップの問題が無視できなくなっている。縦型熱処理用ボートを使用すると、特に酸化や不純物拡散等を目的とした高温の熱処理を行う場合、ウエーハの自重による内部応力やウエーハ内温度分布の不均一性による熱歪応力などが生じ、これらの応力がある一定の臨界値を超えると、図8に示されるように支持されている箇所に結晶欠陥であるスリップ転位Sが発生してしまう。この転位発生の臨界値は高温になると急激に小さくなるため、高温になる程スリップ転位が発生し易くなることが知られている。なお、スリップ転位発生箇所に素子を形成すると、接合リーク等の原因となり、デバイス作製の歩留まりを著しく低下させることがある。
【0010】
例えば、図6(a)(b)に示したような支持部12,13を形成したボートを用いたとき、ウエーハは、支持部12,13の先端にあたる箇所でスリップが発生しやすい。これは、ウエーハを水平に保持して高温熱処理を行った場合、ウエーハが自重により撓み、支持部12,13の先端において点接触になりやすくなるためと考えられている。
【0011】
このようなスリップ転位の発生を抑制するため、様々な形状の熱処理用ボートが提案されている。例えば、支柱の本数(従って支持部の数)を増やしたもの、支持部(溝)の面積を拡張したもの、溝の形状を曲線状にしてウエーハの外周形状に対応させたものなどが提案されている。
【0012】
また、近年では、支柱の支持部上に、図11に示すようなリング状のサセプタ51を載せ、このサセプタ51を介してウエーハWを支持するタイプの熱処理用ボートが提案されている(特許文献2参照)。特に大直径(例えば300mm)のウエーハを熱処理する場合、ウエーハWをリング状のサセプタ51を介して支持すれば、サセプタ51とウエーハWとの接触面積が大きくなるので、荷重が分散され、スリップ転位の発生を抑制する効果が得られる。
【0013】
このようなリング状のサセプタ51を用いる場合、図11に示すようにサセプタ51の一部にウエーハ保持装置のアームを通過させる為の空間(切り欠き部)52が必要となる。すなわち、従来のウエーハ保持装置31,41では、ウエーハWの裏面(下面)側を吸着またはすくい上げ、図12に示すようにウエーハWの表面(上面)側を上にした状態でサセプタ51上に上方から載置するため、アーム32,42がサセプタ51に触れないように切り欠き部52が形成されている必要がある。
【0014】
【特許文献1】
特開平7−22502号公報(図2、図14)
【特許文献2】
特開平6−260438号公報
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、ウエーハWを熱処理する際、切り欠き部52を有するサセプタ51上にウエーハを載置した場合、ウエーハWは均一な状態で支持されないため、例えば1200℃以上の高温熱処理を行なうと、切り欠き部52の端部に接する部分でスリップが発生し易くなる。従って、特に大口径のウエーハを高温で熱処理する場合には、切り欠き部の無いサセプタ(ステージ)に載置して熱処理を行うことが望ましい。
また、ウエーハWの裏面を吸着保持するタイプの保持装置31を使用すると、裏面とはいえ真空吸着部が接触して汚染されてしまう。また、ハンドリング中にウエーハWがわずかながら削れて塵が発生することもある。
【0016】
これらの問題に鑑み、本発明は、特にウエーハを熱処理する際、切り欠き部の無いリング状あるいは皿状のサセプタ上にウエーハを汚染せずに移載することができ、熱処理中のスリップ転位の発生の抑制につながるウエーハの保持装置及び移載方法を提供することを主な目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明によれば、ウエーハを保持する装置であって、少なくとも、保持部本体と、該保持部本体に取り付けられた保持部リングと、吸引手段とを具備し、前記保持部本体が、前記保持部リングに囲まれた領域内において前記吸引手段に通じる吸引口を有しており、前記保持部リングを前記ウエーハの外縁部に当接させたときに前記保持部本体と保持部リングとウエーハにより形成される空間を前記吸引口を通じて減圧状態にすることにより前記ウエーハを前記保持部リングに吸着させて保持するものであることを特徴とするウエーハの保持装置が提供される(請求項1)。
【0018】
このように保持部リングをウエーハの外縁部に当接させて減圧状態にすることにより真空吸着保持する保持装置であれば、ウエーハをその表裏両面を汚染することなく保持し、サセプタ上に上方から載置した後、装置を上方に逃すことができる。従って、切り欠き部の無いリング状又は皿状のサセプタ上にウエーハを移載して熱処理することができ、熱処理中のスリップ転位の発生を極めて効果的に抑制することができる。
【0019】
前記保持部リングの前記ウエーハに当接させる面が、テーパ状に形成されていることが好ましい(請求項2)。
保持部リングにおけるウエーハとの当接面をテーパ形状とすれば、ウエーハの大きさや形状が多少異なる場合でも、又、ウエーハ位置が多少ずれていても、各ウエーハの外縁部に密着させて確実に保持することができる。
【0020】
前記保持部リングは、フッ素樹脂製とすることが好ましい(請求項3)。
フッ素樹脂製の保持部リングとすれば、ウエーハを汚染せず、ウエーハと高い密着性を保つことができ、ウエーハを確実に吸着保持することができる。
【0021】
さらに本発明では、ウエーハをリング状または皿状のステージに移載する方法であって、前記ウエーハの保持装置を用いて前記ウエーハを保持し、前記リング状または皿状のステージに移載することを特徴とするウエーハの移載方法が提供される(請求項4)。
本発明に係るウエーハの保持装置の使用場面は特に限定されるものではないが、このウエーハ保持装置を用れば、ウエーハを、表裏両面を汚染することなく、リング状または皿状のステージに支障無く移載することができる。
【0022】
また、本発明に係るウエーハの保持装置は、ウエーハを熱処理する際、熱処理用ボートへの移載に特に有利に使用することができる。すなわち、ウエーハを熱処理用ボートのウエーハ支持部上に移載する方法であって、前記ウエーハの保持装置を用い、前記ウエーハの表面側の外縁部に前記保持部リングを当接させて吸着保持し、該吸着保持されたウエーハを前記熱処理用ボートの支持部上に移動し、前記吸引口を通じ減圧状態を解除または加圧することにより前記ウエーハを表面側を上にして移載することを特徴とするウエーハの移載方法が提供される(請求項5)。
このようにウエーハを熱処理用ボートの支持部上に移載する際に本発明に係るウエーハの保持装置を用いれば、ウエーハを汚染せず、また、支持部の形状等に制限されることなく移載することができる。
【0023】
この場合、ウエーハを、切り欠き部の無いリング状または皿状のウエーハ支持部を有する熱処理用ボートに好適に移載することができる(請求項6)。
本発明に係るウエーハの保持装置を用いれば、ウエーハを、汚染することなく保持し、切り欠き部の無いリング状のウエーハ支持部上にも支障無く移載することができる。従って、移載後、熱処理を行えば、ウエーハの外周部全体が均一な状態で保持されているので、スリップ転位の発生を効果的に抑制することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るウエーハの保持装置と、これを用いてシリコンウエーハを熱処理用ボートに移載して熱処理する場合について、図面を参照しながら具体的に説明する。
図1は、本発明によるウエーハ保持装置1の概略構成を示しており、(a)は側断面図、(b)は平面図である。この保持装置1では、アーム7の先端部の保持部本体2と、保持部本体2の下面に取り付けられた保持部リング3と、吸引手段9とを具備している。そして、図2に示されるように、保持部リング3をウエーハWの外縁部に当接あるいは近接させたときに保持部本体2と保持部リング3とウエーハWにより形成される空間を吸引口4を通じて減圧状態にすることにより真空吸着し、ウエーハWを保持部リング3に吸着させて保持することができる。
【0025】
以下、装置1の構成についてさらに詳述する。
保持部本体2は、内部に吸引管5が設けられており、保持部リング3に囲まれた領域内において吸引口4を有している。吸引口4は吸引管5を経て真空ポンプ等の吸引手段9に通じている。保持部本体2は例えばセラミック等により構成することができる。保持部本体2の保持面の大きさ等は、保持するウエーハのサイズ等に応じて決めれば良いが、特に保持部本体2の厚さをなるべく薄くすれば、取り扱い性が良く、また、使用場面が広がるので望ましい。
【0026】
保持部リング3は、保持するウエーハWの外縁部がはまり込むほどの大きさを有している。また、ウエーハWに当接させる面(ウエーハ当接面)6がテーパ状に形成されており、外側に向けて径が拡大した形状となっている。このようにウエーハ当接面6をテーパ形状とすることで、保持するウエーハWの直径や形状が微妙に異なっても、又、ウエーハを保持する際、多少ウエーハ位置がずれていたとしても、図2(a)に見られるように保持部リング3の当接面6がウエーハWの外縁部とだけ接してウエーハWを確実に保持することができる。
【0027】
保持部リング3の材質は、ウエーハWを汚染しないものとするが、ウエーハWを保持する際、保持部本体2と保持部リング3とウエーハWにより形成される空間を減圧状態にする必要があるので、ウエーハWとの密着性が高いものとすることが好ましい。例えば、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂で構成した保持部リング3とすれば、ウエーハWを汚染せず、ウエーハWと高い密着性を保つことができ、また、耐熱性等にも優れるため好ましい。
【0028】
このような構成のウエーハ保持装置1としたことで、保持部リング3をウエーハWの外縁部に当接させたときに保持部本体2と保持部リング3とウエーハWにより形成される空間を吸引口4を通じて減圧状態とし、ウエーハWを保持部リング3に吸着保持することができる。このとき、保持部リング3がウエーハWの表面側Fの外縁部だけに接するので、ウエーハWの表裏両面を汚染せずに保持することができる。
【0029】
ウエーハ保持装置1の使用場面は特に限定されないが、例えば、シリコンウエーハを、切り欠き部の無いリング状または皿状のウエーハ支持部を有する熱処理用ボートに移載する時に好適に使用することができる。
例えば、図5(a)に示したような熱処理用ボート10の各支柱14の同じ高さの支持部12上に図3(b)に示したような切り欠き部の無いリング状サセプタ(ステージ)8を載置しておく。
【0030】
このような熱処理用ボートのサセプタ8上にウエーハWを移載するには、まず、保持装置1の保持部リング3がシリコンウエーハWの表面側F(鏡面研磨されている側)の外縁部と重なるようにアーム7を移動する。次いで図2に示されるようにウエーハWの外縁部に保持部リング3を当接あるいは近接させるとともに、吸引手段9による真空引きにより吸引口4を通じて吸引して減圧状態にし、ウエーハWの外縁部を保持部リング3に吸着させる。
【0031】
次に、図3(a)に見られるように吸着保持したウエーハWの裏面側Rの外周部全体が、熱処理用ボートにおけるサセプタ8上に位置するようにアーム7を移動させる。所定の位置まで移動させた後、吸引口4を通じての真空引きを解除する。このとき吸引管5内にエアーの流し圧力をかけて加圧することでウエーハWを保持部リングから確実に外すようにしても良い。これによりウエーハWをサセプタ8上に表面側Fを上にして載置することができる。
このようにウエーハWをサセプタ上に載置する際、ウエーハWも保持装置1も常にサセプタ8の上に位置したまま作業することができるので、サセプタ8に切り欠き部が形成されていなくても、ウエーハWを難なく載置することができる。
【0032】
同様の手順で各サセプタ8上にウエーハWをそれぞれ移載することができる。このような手順でサセプタ8上に移載された各ウエーハWは、保持装置1により保持されてから熱処理用ボート10に移載されるまでの間、ウエーハWの外縁部だけが保持部リング3に接するだけであり、表裏両面が保持部本体2や保持部リング3等に接しないので、汚染を防ぐことができる。
【0033】
熱処理用ボートのサセプタ(リング)8に各ウエーハWを移載後、熱処理用ボートを熱処理炉内にセットし、所定の条件(温度、時間、雰囲気等)下で熱処理を行う。このとき、各ウエーハWは、切り欠き部の無いリング8によりウエーハ外周部全体が均一な状態で支持されているので、大口径のウエーハを高温で熱処理する場合でも、スリップ転位の発生を効果的に抑制することができる。
熱処理後は、熱処理炉からボートを搬出し、保持装置1を用いてボートに移載したときと逆の手順でボートからウエーハWを順次取り出すことができる。
【0034】
【実施例】
以下、本発明の実施例について説明する。
(実施例)
図7に示したような構成の縦型熱処理装置を用意した。熱処理用ボートとしては、図5(a)に示すように4本の支柱14に所定の間隔で溝11を設けて形成した多数の支持部12を有し、さらに各支柱14の同じ高さの支持部12上に、図3(b)に示すような切り欠き部の無いリング状のサセプタ8をそれぞれ配置した。また、熱処理するシリコンウエーハとして、直径300mm、厚さ725μmの鏡面研磨されたウエーハを用意した。
【0035】
ウエーハを熱処理用ボートのサセプタ上に移載するため、図1に示したような本発明に係るウエーハ保持装置1を使用した。
具体的な手順としては、まず、保持装置1の保持部リング3がシリコンウエーハの表面側(デバイスが形成される側)の外縁部と重なるようにアーム7を移動した。図2に示されるようにウエーハの外縁部に保持部リング3を近接させ、吸引手段9による真空引きにより吸引口4を通じて吸引して減圧状態にし、ウエーハの外縁部を保持部リング3に吸着させた。吸着保持したウエーハの裏面側の外周部全体が熱処理用ボートのサセプタ(リング)上に位置するようにアーム7を移動させた。次いで、吸引口4を通じての真空引きを解除することでウエーハをサセプタ上に表面側を上にして移載した。
【0036】
同様の手順で、各支持部のサセプタ上にウエーハをそれぞれ移載した後、熱処理用ボートを熱処理炉内にセットし、熱処理を行った。なお、熱処理は、アルゴン雰囲気中、1200℃で1時間行った。
熱処理後、炉からボートを搬出し、保持装置1を用い、ボートに移載したときと逆の手順でボートからウエーハを取り出した。
熱処理後の各ウエーハについて、X線Lang法にてスリップ転位の発生状況を確認したところ、スリップ転位の発生は確認されなかった。
【0037】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は単なる例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0038】
例えば、前記実施形態では、縦型の熱処理炉の熱処理用ボート、特に切り欠き部の無い完全なリング状のサセプタを有するボートにウエーハを移載する例を示したが、本発明のウエーハ保持装置を用いれば、図4(a)(b)に示したような切り欠き部の無い皿状のサセプタ18を用いた場合でも同様にウエーハを移載することができる。また本発明のウエーハ保持装置は、バッチ式の熱処理炉に限らず、ウエーハを1枚ずつ処理する枚様式の熱処理装置などでも使用できるし、熱処理用ボートに移載する場合に限らず、リング状、皿状、台状、板状等のステージに移載する場合などに好適に適用することができる。
さらに、被処理物も限定されず、シリコンウエーハ以外の半導体ウエーハ等の保持にも好適に適用することができる。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のウエーハ保持装置は、保持部リングをウエーハの外縁部に当接させて保持することができるので、ウエーハの表裏両面の汚染を防止することができる。また、ウエーハを上方から移載することができる。
従って、熱処理工程などでは、切り欠き部の無い完全なリング状あるいは皿状の支持部(サセプタ)を有する熱処理用ボートにウエーハを載置して熱処理を行うことができる。このような熱処理用ボートに移載されたウエーハは裏面側の外周部全体が均一な状態で支持されているので、荷重の集中が起こり難く、特に大口径のウエーハを高温で熱処理する場合であっても、スリップの発生を極めて効果的に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るウエーハ保持装置の一例を示す概略図である。
(a)断面図
(b)平面図
【図2】図1の装置でウエーハを保持した状態を示す概略図である。
(a)断面図
(b)平面図
【図3】ウエーハをリング状のサセプタ上に移載する場面を示す概略図である。
(a)断面図
(b)平面図
【図4】皿状のステージの概略図である。
(a)斜視図(皿状ステージ)
(b)断面図(ステージ上に載置したウエーハ)
【図5】従来の熱処理用ボートの一般的な形態を示す概略図である。
(a)正面図
(b)平面図(支持部にウエーハを載置した場合)
【図6】従来の熱処理用ボートにおけるウエーハ支持部を示す概略図である。
(a)半円形の支持部
(b)長方形の支持部
【図7】縦型熱処理炉の一例を示す概略図である。
【図8】熱処理後のスリップ発生状況を示す図である。
【図9】従来のウエーハ保持装置の一例を示す概略図である。
(a)断面図
(b)平面図
【図10】図9の装置によりウエーハを保持した状態を示す概略図である。
(a)断面図
(b)平面図
【図11】切り欠き部があるリング状のサセプタの概略図である。
(a)リング状のサセプタ(平面図)
(b)サセプタ上に載置したウエーハ(断面図)
【図12】従来のウエーハ保持装置を用いて図11のサセプタ上にウエーハを移載する場面を示す概略図である。
【図13】従来のウエーハ保持装置の他の例を示す概略図である。
(a)断面図
(b)平面図
【図14】図13の装置によりウエーハを保持した状態を示す概略図である。
(a)断面図
(b)平面図
【符号の説明】
1…ウエーハ保持装置、 2…保持部本体、 3…保持部リング、
4…吸引口、 5…吸引管、 6…ウエーハ当接面、 7…アーム、
8…リング状サセプタ(切り欠き部無し)、 9…吸引手段、
10…熱処理用ボート、 11…スリット(溝)、 12,13…支持部、
14,15…支柱、 16…板状部材(連結部材)、 18…皿状サセプタ、
20…熱処理炉、 22…反応室、 24…ヒータ、 26…ガス導入管、
28…ガス排出管、 51…リング状サセプタ(切り欠き部有り)、
52…切り欠き部、 W…ウエーハ、 F…表面側、 R…裏面側。

Claims (6)

  1. ウエーハを保持する装置であって、少なくとも、保持部本体と、該保持部本体に取り付けられた保持部リングと、吸引手段とを具備し、前記保持部本体が、前記保持部リングに囲まれた領域内において前記吸引手段に通じる吸引口を有しており、前記保持部リングを前記ウエーハの外縁部に当接させたときに前記保持部本体と保持部リングとウエーハにより形成される空間を前記吸引口を通じて減圧状態にすることにより前記ウエーハを前記保持部リングに吸着させて保持するものであることを特徴とするウエーハの保持装置。
  2. 前記保持部リングの前記ウエーハに当接させる面が、テーパ状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のウエーハの保持装置。
  3. 前記保持部リングが、フッ素樹脂製であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のウエーハの保持装置。
  4. ウエーハをリング状または皿状のステージに移載する方法であって、前記請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のウエーハの保持装置を用いて前記ウエーハを保持し、前記リング状または皿状のステージに移載することを特徴とするウエーハの移載方法。
  5. ウエーハを熱処理用ボートのウエーハ支持部上に移載する方法であって、前記請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のウエーハの保持装置を用い、前記ウエーハの表面側の外縁部に前記保持部リングを当接させて吸着保持し、該吸着保持されたウエーハを前記熱処理用ボートの支持部上に移動し、前記吸引口を通じて減圧状態を解除または加圧することにより前記ウエーハを表面側を上にして移載することを特徴とするウエーハの移載方法。
  6. 前記ウエーハを、切り欠き部の無いリング状または皿状のウエーハ支持部を有する熱処理用ボートに移載することを特徴とする請求項5に記載のウエーハの移載方法。
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