JP2004240210A - 演奏装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】自由な振動の確保と打撃位置の変更を可能として、きれいで多彩な音色での発音を実現する。
【解決手段】棒状響体BRDは、アーム61間に懸架された支持ピン68に揺動自在に支持される。駆動パルスが供給されると、鉄心62が棒状響体BRD上部の磁性体67を引き寄せるので、棒状響体BRDの下端部がターゲットバーTGDの下半部TGD2の当接部TGD2aに当接することで、振動して発音する。バーTGD内の直動モータ部120はリニアステッピングモータとして構成され、上半部TGD1が支持部材64に着脱自在に構成され、ユーザの操作により、下半部TGD2がシャフト123と共に上半部TGD1に対して移動して、バーTGDの全長が変わる結果、当接部TGD2aが棒状響体BRDと当接する棒状響体BRD上の打撃位置が変化し、音色が変化する。
【選択図】 図5
【解決手段】棒状響体BRDは、アーム61間に懸架された支持ピン68に揺動自在に支持される。駆動パルスが供給されると、鉄心62が棒状響体BRD上部の磁性体67を引き寄せるので、棒状響体BRDの下端部がターゲットバーTGDの下半部TGD2の当接部TGD2aに当接することで、振動して発音する。バーTGD内の直動モータ部120はリニアステッピングモータとして構成され、上半部TGD1が支持部材64に着脱自在に構成され、ユーザの操作により、下半部TGD2がシャフト123と共に上半部TGD1に対して移動して、バーTGDの全長が変わる結果、当接部TGD2aが棒状響体BRDと当接する棒状響体BRD上の打撃位置が変化し、音色が変化する。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術の分野】
本発明は、発音体を振動させて発音させるオルゴール等の演奏装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、オルゴール等の演奏装置は、発音体としての複数のリードをバレルドラム等の回転体に設けた突起部で順次駆動していくことで、曲を演奏するものが一般的であるが、下記特許文献1に示すように、ソレノイドコイルで駆動されるハンマで発音体を打撃して発音させるようにした演奏装置も知られている。
【0003】
この装置では、棒鈴台に、一端が固定され他端が自由端となる棒鈴を設け、棒鈴に対して直交する方向に移動自在の棒状ハンマをソレノイドコイルで駆動して、上記棒鈴をハンマで打つことで、棒鈴の振動により発音を得るようにしている。
【0004】
【特許文献1】
実開平7−8897号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1の演奏装置では、棒鈴はその一端が棒鈴台に固定されているので、自由端側が振動する際、固定部が棒鈴の自由な振動の妨げとなり、風鈴のような澄んだきれいな発音を得るには至らず、発音音色をより良好にする上で改善の余地があった。
【0006】
また、上記特許文献1の演奏装置では、棒鈴におけるハンマの打撃位置が固定的であるため、同一棒鈴については発音音色が常に同じであり、演奏表現力の向上の観点からは改善の余地があった。
【0007】
本発明は上記従来技術の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、自由な振動の確保と打撃位置の変更を可能として、きれいで多彩な音色での発音を実現することができる演奏装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の請求項1の演奏装置は、固定部に対して固定的にされた揺動支点部で支持され、該揺動支点部を中心に揺動自在にされた複数の発音体と、前記固定部に対して固定的に設けられた当接部材と、前記発音体を揺動させるべく駆動し、発音体を前記当接部材に当接させることで該発音体を発音させる揺動駆動手段とを有し、前記当接部材の前記発音体における当接位置を変更する当接位置変更手段を有することを特徴とする。
【0009】
この構成によれば、発音体が駆動されて揺動し、当接部材に当接することで振動して発音する。その際、発音体は揺動支点部を中心に揺動自在にされているので、当接直後に当接部材から離間する方向に移動でき、理想的な鋭い打撃と瞬時当接とが共に実現され、自由な振動により自然で澄み切ったきれいな音色で発音がなされる。しかも、当接位置変更手段により当接部材の発音体における当接位置を変更することで、発音体の発音音色を変更することができる。よって、自由な振動の確保と打撃位置の変更を可能として、きれいで多彩な音色での発音を実現することができる。
【0010】
上記目的を達成するために本発明の請求項3の演奏装置は、固定部に対して固定的にされた揺動支点部で支持され、該揺動支点部を中心に揺動自在にされた複数の発音体と、当接部材と、前記発音体を揺動させるべく駆動し、発音体を前記当接部材に当接させることで該発音体を発音させる揺動駆動手段とを有し、前記当接部材は、前記固定部に対して着脱自在に構成されたことを特徴とする。
【0011】
この構成によれば、発音体が駆動されて揺動し、当接部材に当接することで振動して発音する。その際、発音体は揺動支点部を中心に揺動自在にされているので、当接直後に当接部材から離間する方向に移動でき、理想的な鋭い打撃と瞬時当接とが共に実現され、自由な振動により自然で澄み切ったきれいな音色で発音がなされる。しかも、当接部材は、固定部に対して着脱自在に構成されるので、例えば、寸法の異なる他の当接部材に付け替えることで、発音体との当接位置を変えることができ、それによって、発音体の発音音色を変更することができる。よって、自由な振動の確保と打撃位置の変更を可能として、きれいで多彩な音色での発音を実現することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0013】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る演奏装置の制御機構の構成を示すブロック図である。
【0014】
本装置は、CPU111に、バス115を通じて、第1ROM112、第2ROM113、メモリ114、MIDIインターフェイス(MIDII/F)116、ドライバ117、操作部118及び直動モータ部120が接続されて構成される。CPU111は、本装置全体の制御を司る。第1ROM112は、不図示のプログラムROM、データROM及びワーキングROMで構成され、CPU111が実行する制御プログラムや各種データ等を記憶する。第2ROM113は、パラメータテーブル等を記憶している。メモリ114はRAM等で構成され、演奏データ等の各種データを記憶するほか、MIDII/F116から入力された演奏データも記憶することができる。MIDII/F116は、不図示のMIDI機器等からの演奏データをMIDI(Musical Instrument Digital Interface)信号として入力する。
【0015】
ドライバ117は、後述するアクチュエータACT(ACTD)を駆動制御する。操作部118は、ユーザによって操作され、直動モータ部120の駆動や、各種入力操作に用いられる。直動モータ部120については後述する。
【0016】
図2は、本実施の形態に係る演奏装置の縦断面図である。図3は、図2のA−A線に沿う断面図を示す。図4(a)は発音組体CODの平面図、図4(b)は縦断面図である。
【0017】
本装置は例えばオルゴール装置として構成され、アクチュエータACTDを電気的に駆動制御して、後述する振り子型の棒状響体BRDを個々に駆動し、対応するターゲットバーTGDに当接させることで振動させ、それによって発音させるように構成される。
【0018】
1つの発音組体CODは、図4に示すように、アクチュエータACTD、ターゲットバーTGD及び棒状響体BRDを1つずつ組み合わせて構成される。発音組体CODは、図3に示すように、円状に複数(例えば16個)配設される。以降、個々に区別して述べるときは、連番を付し、発音組体COD(1)、COD(2)、・・・COD(16)、アクチュエータACTD(1)、ACTD(2)、・・・ACTD(16)、棒状響体BRD(1)、BRD(2)・・・BRD(16)のように記す。なお、図2では、見やすくするため、16個の発音組体CODのうち、発音組体COD(1)、COD(9)のみ図示している。なお、1つの演奏装置における発音組体CODの個数は16個に限られない。
【0019】
図2に示すように、共鳴台1上に支柱2が立設され、支持プレート3の中央部から垂下した垂下部3aが支柱2の上部に固着されている。各発音組体CODは、支持プレート3の外縁部下部にネジ5で固定されている。共鳴台1内には制御基板4が設けられている。なお、図2では、操作部118の図示は省略されている。
【0020】
図4に示すように、アクチュエータACTDは、ソレノイドコイル63内に鉄心62が内挿固定されて構成され、支持部材64に固定される。ソレノイドコイル63に電流が供給されると鉄心62が電磁石として機能するように構成されている。支持部材64には、2本のアーム61が固定される。棒状響体BRDは、2本のアーム61間に配設され、アーム61間に懸架された支持ピン68に揺動自在に支持される。すなわち、棒状響体BRDは、支持ピン68から吊り下げられ、下端部が揺動する状態になっている。本装置では、図2、図3に示すように、発音組体CODは、それぞれの棒状響体BRDの下端部が、本装置の中心方向(以下、「内周方向」と称する)及び外周方向に揺動可能に配設される。
【0021】
棒状響体BRDは、例えば、上部を除き、アルマイト処理された硬質アルミニウムや焼き入れ鋼等で構成され、上部には、鉄等の磁性体67が固着されている。また、棒状響体BRDは、音階演奏が可能なように、各発音組体COD毎に異なる長さを有している。また、ターゲットバーTGDは、ネジ69、70により支持部材64に着脱自在に構成されており、棒状響体BRDを挟んでアクチュエータACTDの反対側(同図左方)に位置するように取り付けられている。ターゲットバーTGDは、後述するように、支持部材64に取り付けられる取付部側部分である上半部TGD1と、棒状響体BRDに当接する当接部側部分である下半部TGD2とで成り、これら両部分が相対的に変位可能に構成されている。ターゲットバーTGDは、棒状響体BRDと同程度あるいはそれ以上に比重が高く、硬い金属で(あるいは少なくとも表面硬度が高く)構成される。ただし、材料は、発音させようとする音のアタックの強さや減衰特性に応じて適宜選択すればよい。
【0022】
さらに、各棒状響体BRDの下部は、質量極小の糸材8で共鳴台1に接続されている。例えば、図2に示すように、棒状響体BRD(1)は、糸材8(1)で共鳴台1に接続されており、その揺動可能範囲が過剰とならないよう、所定範囲内に規制されている。各発音組体CODは、棒状響体BRDの長さ以外は同様に構成される。
【0023】
なお、糸材8を設ける必要は必ずしもなく、例えば、棒状響体BRDの上部とターゲットバーTGDの根本部との間に十分なクリアランスを設けることで、実用上の適正振動による発音が得られるように構成することが可能である。
【0024】
かかる構成において、CPU111は、MIDII/F116から入力する等によってメモリ114に記憶されている演奏データに基づいて、不図示の駆動テーブルを用いて、パルス幅変調(PWM)により、その音高信号に対応したアクチュエータACTDに対して駆動(パルス)電流を送るよう制御する。駆動パルスが供給されたアクチュエータACTDでは、電磁石となった鉄心62が磁性体67を引き寄せるので、棒状響体BRDの下端部が、支持ピン68を中心にターゲットバーTGD方向に移動し、ターゲットバーTGDの下半部TGD2の当接部TGD2aに当接する(図4のBRD(P1)で示す位置)。これにより、棒状響体BRDが振動して発音する。
【0025】
図5は、ターゲットバーTGDの構成を示す断面図である。上述したように、ターゲットバーTGDは、上半部TGD1と下半部TGD2とで成る。ターゲットバーTGD内には、直動モータ部120が設けられる。直動モータ部120は、公知のリニアステッピングモータとして構成され、シャフト123、移動子121及び固定子122を備えて成る。
【0026】
固定子122は、上半部TGD1内に設けられ、軸方向に小歯122aを持つ複数の磁極を有し、向かい合った2つの磁極で相が形成される。シャフト123の下端部123aは、下半部TGD2に固定されており、上半部TGD1内を上下方向に移動可能になっている。移動子121は、不図示の永久磁石で軸方向に磁化されており、小歯121aを有する。固定子122において励磁する相を次々と切り替えることで、引き合わせる固定子122の小歯122aと移動子121の小歯121aとを順次切り替え、移動子121及びシャフト123を固定子122に対して上下方向にスライド移動させることができる。
【0027】
シャフト123の移動操作は、ユーザにより操作部118で行われる。シャフト123が移動することで、上半部TGD1と下半部TGD2との相対的位置が変化してターゲットバーTGDの全長が変わる。その結果、打撃位置、すなわち、当接部TGD2aが棒状響体BRDと当接する棒状響体BRD上の位置(当接位置)が変化するので、棒状響体BRDの回動軸である支持ピン68から上記打撃位置(当接位置)までの距離が変化することになり、その結果、ターゲットバーTGDと棒状響体BRDとの接触時間が変化することになる。これによって、発音音量や、発音音色が変化する。ユーザは、例えば、曲想に応じて、予め(あるいは曲の途中で)、シャフト123を移動させて演奏を行わせることができる。
【0028】
本実施の形態によれば、棒状響体BRDを、支持ピン68で揺動自在に支持したので、棒状響体BRDを片持ち状態のように一端固定した場合に比し、棒状響体BRDの振動が風鈴のように自然である。しかも、駆動パルスにて駆動電流の供給が瞬間的であることと、揺動自在にされた棒状響体BRD自身が当接直後にターゲットバーTGDから離間する方向に移動できる構成であることとから、理想的な鋭い打撃と瞬時当接とが共に実現される。従って、澄み切ったきれいな音色で発音させることができる。しかも、ターゲットバーTGDの長さを変更可能に構成し、棒状響体BRDにおけるターゲットバーTGDの当接位置を変更することで、棒状響体BRDの発音音色を変更することができる。よって、自由な振動の確保と打撃位置の変更を可能として、きれいで多彩な音色での発音を実現することができる。
【0029】
また、構成が簡単で、コスト上昇や装置の大型化も抑制されている。また、打撃動作を電磁的に行うので、演奏データに基づく楽曲演奏が容易に実現される。
【0030】
なお、本実施の形態では、発音組体CODは円状に配列したが、担当音高毎に発音組体CODが構成されることから、レイアウトは例示の態様に限定されず、直線的配列等、自由な配列が可能である。その意味で、良好な発音を確保しつつデザインの自由度を向上させることができる。また、支柱2に代えて、棒状響体BRD及びアクチュエータACTD全体を囲う外筒を設け、ターゲットバーTGDを上記外筒の壁に取り付け固定することも可能である。
【0031】
なお、正パルスと逆パルスを適当に組み合わせることで、発音後の棒状響体BRDの揺動を速やかに減衰させるようにしてもよい。
【0032】
なお、本実施の形態では、直動モータ部120の駆動はユーザの指示で行うようにしたが、例えば、演奏データ中の音色を規定するデータ等に基づいて直動モータ部120を駆動し、ターゲットバーTGDの全長が自動的に変化するように構成してもよい。
【0033】
なお、棒状響体BRDの長さ、太さ、材質等に応じて理想的な音量となるように、上記不図示の駆動テーブルを各種持ち替えて制御すれば、発音音量、音色のより自由な制御が可能となる。
【0034】
なお、本実施の形態では、演奏データに基づくアクチュエータACTDの駆動を例示したが、これに限定されず、例えば、操作部118や、MIDII/F116に接続されたMIDI楽器での指操作をトリガとして各アクチュエータACTDが駆動されるよう構成にすれば、リアルタイムでのマニュアル演奏も可能になる。
【0035】
なお、ターゲットバーTGDは、上半部TGF1と下半部TGF2との相対的位置を、リニアステッピングモータを用いて電磁的に変化させるようにしたが、これは例示であり、他の構成を用いてもよいし、全長を手動で可変にする機構を採用してもよい。
【0036】
なお、本実施の形態では、直動モータ部120を駆動して棒状響体BRDの打撃位置を変更するようにしたが、これに限るものでない。ターゲットバーTGDはネジ69、70により支持部材64に着脱自在であるので、例えば、図示はしないが、全長の異なるターゲットバーTGDを予め複数種類用意しておき、その中から所望の長さのターゲットバーTGDを選択して支持部材64に取り付けることで、打撃位置を変更可能に構成してもよい。あるいは、ターゲットバーTGDと支持部材64との間にスペーサを介装させ、このスペーサの厚みを各種変えることでターゲットバーTGDの当接部TGD2aの位置が実質的に変化するように構成してもよい。これらによっても同様の効果を得ることができる。
【0037】
(第2の実施の形態)
図6は、本発明の第2の実施の形態に係る演奏装置の1つの発音組体COFの構成を示す図である。同図(a)は発音組体COFの平面図、同図(b)は発音組体COFの縦断面図である。本実施の形態に係る演奏装置は、第1の実施の形態における発音組体CODに代えて発音組体COFを設けた点のみが相違する。発音組体COFは、第1の実施の形態における発音組体CODに対し、棒状響体及びアクチュエータの構成が異なり、棒状響体BRF、アクチュエータACT(ACTF)及びターゲットバーTGFを1つずつ組み合わせて構成される。なお、同図中、発音組体CODと同一構成要素には同一符号が付してある。
【0038】
その他、制御構成(図1)や、パルス幅変調による制御手法等については第1の実施の形態と同様である。発音組体COFの配列についても、第1の実施の形態(図2、図3参照)と同様、自由な配列が可能である。
【0039】
アクチュエータACTFは、ソレノイドコイル83内に鉄心82が内挿固定されて構成され、支持部材64に固定される。ソレノイドコイル83に電流が供給されると鉄心82が電磁石として機能するように構成されている。棒状響体BRFは、2本のアーム61間に懸架された支持ピン68に揺動自在に支持される。
【0040】
棒状響体BRFは、全体がマグネットで構成され、鉄心82が電磁石となったとき、棒状響体BRFの上端部BRFaが鉄心82と引き合うように磁極が設定されている。棒状響体BRFの長さについては棒状響体BRDと同様に設定される。また、ターゲットバーTGFは上半部TGF1と下半部TGF2とで成り、ターゲットバーTGDと同様に、全長可変に構成される(図5参照)。
【0041】
本実施の形態における棒状響体BRF及びターゲットバーTGFの動作は第1の実施の形態と同様である。よって、第1の実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0042】
(第3の実施の形態)
図7は、本発明の第3の実施の形態に係る演奏装置の1つの発音組体COCの構成を示す図である。同図(a)は発音組体COCの平面図、同図(b)は発音組体COCの縦断面図である。本実施の形態に係る演奏装置は、第1の実施の形態における発音組体CODに代えて発音組体COCを設けた点のみが相違する。発音組体COCは、棒状響体BRC、アクチュエータACT(ACTC)及びターゲットバーTGCを1つずつ組み合わせて構成される。
【0043】
その他、制御構成(図1)や、パルス幅変調による制御手法等については第1の実施の形態と同様である。発音組体COCの配列についても、第1の実施の形態(図2、図3参照)と同様、自由な配列が可能である。
【0044】
図7(b)に示すように、アクチュエータACTCは、支持部材59に固定され、ソレノイドコイル53内にプランジャ52が内挿され、プランジャ52が同図左右方向に往復運動可能に構成されている。また、プランジャ52の同図右端部に固着された固着板54にスプリング55が取り付けられ、スプリング55は、プランジャ52を常に同図右方に付勢する。棒状響体BRCは、2本のアーム51間に懸架された支持ピン58に揺動自在に支持される。アーム51は、ターゲットバーTGCに取り付けられている。
【0045】
ターゲットバーTGCは、支持部材59にネジ57で固定されて、下方に延設され、アクチュエータACTCに対して固定的にされている。棒状響体BRCは、全体がアルマイト処理された硬質アルミニウムや焼き入れ鋼等で構成される。また、ターゲットバーTGCは、上半部TGC1と下半部TGC2とで成り、ターゲットバーTGDと同様に、全長可変に構成される(図5参照)。
【0046】
かかる構成において、駆動パルスがアクチュエータACTCに供給されると、プランジャ52が突出動作する。すると、プランジャ52の頭部52aが棒状響体BRCの上端部BRCaを突くので、棒状響体BRCの下端部が、支持ピン58を中心にターゲットバーTGC方向に移動し、ターゲットバーTGCの下半部TGC2の当接部TGC2aに当接する(BRC(P1)で示す位置)。これにより、棒状響体BRCが振動して発音する。一方、プランジャ52は、スプリング55の付勢力によって初期位置に速やかに復帰する。
【0047】
なお、プランジャ52の頭部52aと当接する棒状響体BRCの上端部BRCaには、緩衝材を貼着する等して、頭部52aとの当接時のメカノイズを抑制するようにしてもよい。
【0048】
本実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0049】
なお、第1〜第3の実施の形態においては、発音組体にターゲットバーを含ませた構成としたが、デザインの自由度が劣ることを許容するならば、ターゲットバーに相当する部材を発音組体とは別体として構成し、これを装置本体側に固定的に設けてもよいし、複数のアクチュエータに対して共通の部材として設け、この共通の部材に、各アクチュエータに対応する当接部を設けるようにしてもよい。
【0050】
なお、棒状響体を揺動支持するアームは、第1、2の実施の形態では支持部材に、第3の実施の形態ではターゲットバーに固定されたが、装置本体に対して固定的にできれば、アームの取り付け箇所はこれらに限定されるものではない。
【0051】
なお、第2、第3の実施の形態においても、第1の実施の形態と同様に、棒状響体の揺動範囲を規制する糸材8と同様の構成要素を設けてもよい。
【0052】
なお、第1〜第3の実施の形態において、発音体は、揺動自在に支持され振動して発音するものであれば、棒状の響体に限定されず、板状等、各種形状を採用可能である。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、自由な振動の確保と打撃位置の変更を可能として、きれいで多彩な音色での発音を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る演奏装置の制御機構の構成を示すブロック図である。
【図2】本実施の形態に係る演奏装置の縦断面図である。
【図3】図2のA−A線に沿う断面図である。
【図4】発音組体の平面図(図(a))及び縦断面図(図(b))である。
【図5】ターゲットバーの構成を示す断面図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係る演奏装置の発音組体の平面図(図(a))及び縦断面図(図(b))である。
【図7】本発明の第3の実施の形態に係る演奏装置の発音組体の平面図(図(a))及び縦断面図(図(b))である。
【符号の説明】
53、63、83 ソレノイドコイル(揺動駆動手段)、 58、68 支持ピン(揺動支点部)、 59、64 支持部材(固定部)、 120 直動モータ部(当接位置変更手段)、 BRD、BRF、BRC 棒状響体(発音体)、ACTD、ACTF、ACTC アクチュエータ、 TGD、TGF、TGCターゲットバー(当接部材)、 TGD1 上半部(取付部側部分)、 TGD2 下半部(当接部側部分)
【発明の属する技術の分野】
本発明は、発音体を振動させて発音させるオルゴール等の演奏装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、オルゴール等の演奏装置は、発音体としての複数のリードをバレルドラム等の回転体に設けた突起部で順次駆動していくことで、曲を演奏するものが一般的であるが、下記特許文献1に示すように、ソレノイドコイルで駆動されるハンマで発音体を打撃して発音させるようにした演奏装置も知られている。
【0003】
この装置では、棒鈴台に、一端が固定され他端が自由端となる棒鈴を設け、棒鈴に対して直交する方向に移動自在の棒状ハンマをソレノイドコイルで駆動して、上記棒鈴をハンマで打つことで、棒鈴の振動により発音を得るようにしている。
【0004】
【特許文献1】
実開平7−8897号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1の演奏装置では、棒鈴はその一端が棒鈴台に固定されているので、自由端側が振動する際、固定部が棒鈴の自由な振動の妨げとなり、風鈴のような澄んだきれいな発音を得るには至らず、発音音色をより良好にする上で改善の余地があった。
【0006】
また、上記特許文献1の演奏装置では、棒鈴におけるハンマの打撃位置が固定的であるため、同一棒鈴については発音音色が常に同じであり、演奏表現力の向上の観点からは改善の余地があった。
【0007】
本発明は上記従来技術の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、自由な振動の確保と打撃位置の変更を可能として、きれいで多彩な音色での発音を実現することができる演奏装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の請求項1の演奏装置は、固定部に対して固定的にされた揺動支点部で支持され、該揺動支点部を中心に揺動自在にされた複数の発音体と、前記固定部に対して固定的に設けられた当接部材と、前記発音体を揺動させるべく駆動し、発音体を前記当接部材に当接させることで該発音体を発音させる揺動駆動手段とを有し、前記当接部材の前記発音体における当接位置を変更する当接位置変更手段を有することを特徴とする。
【0009】
この構成によれば、発音体が駆動されて揺動し、当接部材に当接することで振動して発音する。その際、発音体は揺動支点部を中心に揺動自在にされているので、当接直後に当接部材から離間する方向に移動でき、理想的な鋭い打撃と瞬時当接とが共に実現され、自由な振動により自然で澄み切ったきれいな音色で発音がなされる。しかも、当接位置変更手段により当接部材の発音体における当接位置を変更することで、発音体の発音音色を変更することができる。よって、自由な振動の確保と打撃位置の変更を可能として、きれいで多彩な音色での発音を実現することができる。
【0010】
上記目的を達成するために本発明の請求項3の演奏装置は、固定部に対して固定的にされた揺動支点部で支持され、該揺動支点部を中心に揺動自在にされた複数の発音体と、当接部材と、前記発音体を揺動させるべく駆動し、発音体を前記当接部材に当接させることで該発音体を発音させる揺動駆動手段とを有し、前記当接部材は、前記固定部に対して着脱自在に構成されたことを特徴とする。
【0011】
この構成によれば、発音体が駆動されて揺動し、当接部材に当接することで振動して発音する。その際、発音体は揺動支点部を中心に揺動自在にされているので、当接直後に当接部材から離間する方向に移動でき、理想的な鋭い打撃と瞬時当接とが共に実現され、自由な振動により自然で澄み切ったきれいな音色で発音がなされる。しかも、当接部材は、固定部に対して着脱自在に構成されるので、例えば、寸法の異なる他の当接部材に付け替えることで、発音体との当接位置を変えることができ、それによって、発音体の発音音色を変更することができる。よって、自由な振動の確保と打撃位置の変更を可能として、きれいで多彩な音色での発音を実現することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0013】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る演奏装置の制御機構の構成を示すブロック図である。
【0014】
本装置は、CPU111に、バス115を通じて、第1ROM112、第2ROM113、メモリ114、MIDIインターフェイス(MIDII/F)116、ドライバ117、操作部118及び直動モータ部120が接続されて構成される。CPU111は、本装置全体の制御を司る。第1ROM112は、不図示のプログラムROM、データROM及びワーキングROMで構成され、CPU111が実行する制御プログラムや各種データ等を記憶する。第2ROM113は、パラメータテーブル等を記憶している。メモリ114はRAM等で構成され、演奏データ等の各種データを記憶するほか、MIDII/F116から入力された演奏データも記憶することができる。MIDII/F116は、不図示のMIDI機器等からの演奏データをMIDI(Musical Instrument Digital Interface)信号として入力する。
【0015】
ドライバ117は、後述するアクチュエータACT(ACTD)を駆動制御する。操作部118は、ユーザによって操作され、直動モータ部120の駆動や、各種入力操作に用いられる。直動モータ部120については後述する。
【0016】
図2は、本実施の形態に係る演奏装置の縦断面図である。図3は、図2のA−A線に沿う断面図を示す。図4(a)は発音組体CODの平面図、図4(b)は縦断面図である。
【0017】
本装置は例えばオルゴール装置として構成され、アクチュエータACTDを電気的に駆動制御して、後述する振り子型の棒状響体BRDを個々に駆動し、対応するターゲットバーTGDに当接させることで振動させ、それによって発音させるように構成される。
【0018】
1つの発音組体CODは、図4に示すように、アクチュエータACTD、ターゲットバーTGD及び棒状響体BRDを1つずつ組み合わせて構成される。発音組体CODは、図3に示すように、円状に複数(例えば16個)配設される。以降、個々に区別して述べるときは、連番を付し、発音組体COD(1)、COD(2)、・・・COD(16)、アクチュエータACTD(1)、ACTD(2)、・・・ACTD(16)、棒状響体BRD(1)、BRD(2)・・・BRD(16)のように記す。なお、図2では、見やすくするため、16個の発音組体CODのうち、発音組体COD(1)、COD(9)のみ図示している。なお、1つの演奏装置における発音組体CODの個数は16個に限られない。
【0019】
図2に示すように、共鳴台1上に支柱2が立設され、支持プレート3の中央部から垂下した垂下部3aが支柱2の上部に固着されている。各発音組体CODは、支持プレート3の外縁部下部にネジ5で固定されている。共鳴台1内には制御基板4が設けられている。なお、図2では、操作部118の図示は省略されている。
【0020】
図4に示すように、アクチュエータACTDは、ソレノイドコイル63内に鉄心62が内挿固定されて構成され、支持部材64に固定される。ソレノイドコイル63に電流が供給されると鉄心62が電磁石として機能するように構成されている。支持部材64には、2本のアーム61が固定される。棒状響体BRDは、2本のアーム61間に配設され、アーム61間に懸架された支持ピン68に揺動自在に支持される。すなわち、棒状響体BRDは、支持ピン68から吊り下げられ、下端部が揺動する状態になっている。本装置では、図2、図3に示すように、発音組体CODは、それぞれの棒状響体BRDの下端部が、本装置の中心方向(以下、「内周方向」と称する)及び外周方向に揺動可能に配設される。
【0021】
棒状響体BRDは、例えば、上部を除き、アルマイト処理された硬質アルミニウムや焼き入れ鋼等で構成され、上部には、鉄等の磁性体67が固着されている。また、棒状響体BRDは、音階演奏が可能なように、各発音組体COD毎に異なる長さを有している。また、ターゲットバーTGDは、ネジ69、70により支持部材64に着脱自在に構成されており、棒状響体BRDを挟んでアクチュエータACTDの反対側(同図左方)に位置するように取り付けられている。ターゲットバーTGDは、後述するように、支持部材64に取り付けられる取付部側部分である上半部TGD1と、棒状響体BRDに当接する当接部側部分である下半部TGD2とで成り、これら両部分が相対的に変位可能に構成されている。ターゲットバーTGDは、棒状響体BRDと同程度あるいはそれ以上に比重が高く、硬い金属で(あるいは少なくとも表面硬度が高く)構成される。ただし、材料は、発音させようとする音のアタックの強さや減衰特性に応じて適宜選択すればよい。
【0022】
さらに、各棒状響体BRDの下部は、質量極小の糸材8で共鳴台1に接続されている。例えば、図2に示すように、棒状響体BRD(1)は、糸材8(1)で共鳴台1に接続されており、その揺動可能範囲が過剰とならないよう、所定範囲内に規制されている。各発音組体CODは、棒状響体BRDの長さ以外は同様に構成される。
【0023】
なお、糸材8を設ける必要は必ずしもなく、例えば、棒状響体BRDの上部とターゲットバーTGDの根本部との間に十分なクリアランスを設けることで、実用上の適正振動による発音が得られるように構成することが可能である。
【0024】
かかる構成において、CPU111は、MIDII/F116から入力する等によってメモリ114に記憶されている演奏データに基づいて、不図示の駆動テーブルを用いて、パルス幅変調(PWM)により、その音高信号に対応したアクチュエータACTDに対して駆動(パルス)電流を送るよう制御する。駆動パルスが供給されたアクチュエータACTDでは、電磁石となった鉄心62が磁性体67を引き寄せるので、棒状響体BRDの下端部が、支持ピン68を中心にターゲットバーTGD方向に移動し、ターゲットバーTGDの下半部TGD2の当接部TGD2aに当接する(図4のBRD(P1)で示す位置)。これにより、棒状響体BRDが振動して発音する。
【0025】
図5は、ターゲットバーTGDの構成を示す断面図である。上述したように、ターゲットバーTGDは、上半部TGD1と下半部TGD2とで成る。ターゲットバーTGD内には、直動モータ部120が設けられる。直動モータ部120は、公知のリニアステッピングモータとして構成され、シャフト123、移動子121及び固定子122を備えて成る。
【0026】
固定子122は、上半部TGD1内に設けられ、軸方向に小歯122aを持つ複数の磁極を有し、向かい合った2つの磁極で相が形成される。シャフト123の下端部123aは、下半部TGD2に固定されており、上半部TGD1内を上下方向に移動可能になっている。移動子121は、不図示の永久磁石で軸方向に磁化されており、小歯121aを有する。固定子122において励磁する相を次々と切り替えることで、引き合わせる固定子122の小歯122aと移動子121の小歯121aとを順次切り替え、移動子121及びシャフト123を固定子122に対して上下方向にスライド移動させることができる。
【0027】
シャフト123の移動操作は、ユーザにより操作部118で行われる。シャフト123が移動することで、上半部TGD1と下半部TGD2との相対的位置が変化してターゲットバーTGDの全長が変わる。その結果、打撃位置、すなわち、当接部TGD2aが棒状響体BRDと当接する棒状響体BRD上の位置(当接位置)が変化するので、棒状響体BRDの回動軸である支持ピン68から上記打撃位置(当接位置)までの距離が変化することになり、その結果、ターゲットバーTGDと棒状響体BRDとの接触時間が変化することになる。これによって、発音音量や、発音音色が変化する。ユーザは、例えば、曲想に応じて、予め(あるいは曲の途中で)、シャフト123を移動させて演奏を行わせることができる。
【0028】
本実施の形態によれば、棒状響体BRDを、支持ピン68で揺動自在に支持したので、棒状響体BRDを片持ち状態のように一端固定した場合に比し、棒状響体BRDの振動が風鈴のように自然である。しかも、駆動パルスにて駆動電流の供給が瞬間的であることと、揺動自在にされた棒状響体BRD自身が当接直後にターゲットバーTGDから離間する方向に移動できる構成であることとから、理想的な鋭い打撃と瞬時当接とが共に実現される。従って、澄み切ったきれいな音色で発音させることができる。しかも、ターゲットバーTGDの長さを変更可能に構成し、棒状響体BRDにおけるターゲットバーTGDの当接位置を変更することで、棒状響体BRDの発音音色を変更することができる。よって、自由な振動の確保と打撃位置の変更を可能として、きれいで多彩な音色での発音を実現することができる。
【0029】
また、構成が簡単で、コスト上昇や装置の大型化も抑制されている。また、打撃動作を電磁的に行うので、演奏データに基づく楽曲演奏が容易に実現される。
【0030】
なお、本実施の形態では、発音組体CODは円状に配列したが、担当音高毎に発音組体CODが構成されることから、レイアウトは例示の態様に限定されず、直線的配列等、自由な配列が可能である。その意味で、良好な発音を確保しつつデザインの自由度を向上させることができる。また、支柱2に代えて、棒状響体BRD及びアクチュエータACTD全体を囲う外筒を設け、ターゲットバーTGDを上記外筒の壁に取り付け固定することも可能である。
【0031】
なお、正パルスと逆パルスを適当に組み合わせることで、発音後の棒状響体BRDの揺動を速やかに減衰させるようにしてもよい。
【0032】
なお、本実施の形態では、直動モータ部120の駆動はユーザの指示で行うようにしたが、例えば、演奏データ中の音色を規定するデータ等に基づいて直動モータ部120を駆動し、ターゲットバーTGDの全長が自動的に変化するように構成してもよい。
【0033】
なお、棒状響体BRDの長さ、太さ、材質等に応じて理想的な音量となるように、上記不図示の駆動テーブルを各種持ち替えて制御すれば、発音音量、音色のより自由な制御が可能となる。
【0034】
なお、本実施の形態では、演奏データに基づくアクチュエータACTDの駆動を例示したが、これに限定されず、例えば、操作部118や、MIDII/F116に接続されたMIDI楽器での指操作をトリガとして各アクチュエータACTDが駆動されるよう構成にすれば、リアルタイムでのマニュアル演奏も可能になる。
【0035】
なお、ターゲットバーTGDは、上半部TGF1と下半部TGF2との相対的位置を、リニアステッピングモータを用いて電磁的に変化させるようにしたが、これは例示であり、他の構成を用いてもよいし、全長を手動で可変にする機構を採用してもよい。
【0036】
なお、本実施の形態では、直動モータ部120を駆動して棒状響体BRDの打撃位置を変更するようにしたが、これに限るものでない。ターゲットバーTGDはネジ69、70により支持部材64に着脱自在であるので、例えば、図示はしないが、全長の異なるターゲットバーTGDを予め複数種類用意しておき、その中から所望の長さのターゲットバーTGDを選択して支持部材64に取り付けることで、打撃位置を変更可能に構成してもよい。あるいは、ターゲットバーTGDと支持部材64との間にスペーサを介装させ、このスペーサの厚みを各種変えることでターゲットバーTGDの当接部TGD2aの位置が実質的に変化するように構成してもよい。これらによっても同様の効果を得ることができる。
【0037】
(第2の実施の形態)
図6は、本発明の第2の実施の形態に係る演奏装置の1つの発音組体COFの構成を示す図である。同図(a)は発音組体COFの平面図、同図(b)は発音組体COFの縦断面図である。本実施の形態に係る演奏装置は、第1の実施の形態における発音組体CODに代えて発音組体COFを設けた点のみが相違する。発音組体COFは、第1の実施の形態における発音組体CODに対し、棒状響体及びアクチュエータの構成が異なり、棒状響体BRF、アクチュエータACT(ACTF)及びターゲットバーTGFを1つずつ組み合わせて構成される。なお、同図中、発音組体CODと同一構成要素には同一符号が付してある。
【0038】
その他、制御構成(図1)や、パルス幅変調による制御手法等については第1の実施の形態と同様である。発音組体COFの配列についても、第1の実施の形態(図2、図3参照)と同様、自由な配列が可能である。
【0039】
アクチュエータACTFは、ソレノイドコイル83内に鉄心82が内挿固定されて構成され、支持部材64に固定される。ソレノイドコイル83に電流が供給されると鉄心82が電磁石として機能するように構成されている。棒状響体BRFは、2本のアーム61間に懸架された支持ピン68に揺動自在に支持される。
【0040】
棒状響体BRFは、全体がマグネットで構成され、鉄心82が電磁石となったとき、棒状響体BRFの上端部BRFaが鉄心82と引き合うように磁極が設定されている。棒状響体BRFの長さについては棒状響体BRDと同様に設定される。また、ターゲットバーTGFは上半部TGF1と下半部TGF2とで成り、ターゲットバーTGDと同様に、全長可変に構成される(図5参照)。
【0041】
本実施の形態における棒状響体BRF及びターゲットバーTGFの動作は第1の実施の形態と同様である。よって、第1の実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0042】
(第3の実施の形態)
図7は、本発明の第3の実施の形態に係る演奏装置の1つの発音組体COCの構成を示す図である。同図(a)は発音組体COCの平面図、同図(b)は発音組体COCの縦断面図である。本実施の形態に係る演奏装置は、第1の実施の形態における発音組体CODに代えて発音組体COCを設けた点のみが相違する。発音組体COCは、棒状響体BRC、アクチュエータACT(ACTC)及びターゲットバーTGCを1つずつ組み合わせて構成される。
【0043】
その他、制御構成(図1)や、パルス幅変調による制御手法等については第1の実施の形態と同様である。発音組体COCの配列についても、第1の実施の形態(図2、図3参照)と同様、自由な配列が可能である。
【0044】
図7(b)に示すように、アクチュエータACTCは、支持部材59に固定され、ソレノイドコイル53内にプランジャ52が内挿され、プランジャ52が同図左右方向に往復運動可能に構成されている。また、プランジャ52の同図右端部に固着された固着板54にスプリング55が取り付けられ、スプリング55は、プランジャ52を常に同図右方に付勢する。棒状響体BRCは、2本のアーム51間に懸架された支持ピン58に揺動自在に支持される。アーム51は、ターゲットバーTGCに取り付けられている。
【0045】
ターゲットバーTGCは、支持部材59にネジ57で固定されて、下方に延設され、アクチュエータACTCに対して固定的にされている。棒状響体BRCは、全体がアルマイト処理された硬質アルミニウムや焼き入れ鋼等で構成される。また、ターゲットバーTGCは、上半部TGC1と下半部TGC2とで成り、ターゲットバーTGDと同様に、全長可変に構成される(図5参照)。
【0046】
かかる構成において、駆動パルスがアクチュエータACTCに供給されると、プランジャ52が突出動作する。すると、プランジャ52の頭部52aが棒状響体BRCの上端部BRCaを突くので、棒状響体BRCの下端部が、支持ピン58を中心にターゲットバーTGC方向に移動し、ターゲットバーTGCの下半部TGC2の当接部TGC2aに当接する(BRC(P1)で示す位置)。これにより、棒状響体BRCが振動して発音する。一方、プランジャ52は、スプリング55の付勢力によって初期位置に速やかに復帰する。
【0047】
なお、プランジャ52の頭部52aと当接する棒状響体BRCの上端部BRCaには、緩衝材を貼着する等して、頭部52aとの当接時のメカノイズを抑制するようにしてもよい。
【0048】
本実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0049】
なお、第1〜第3の実施の形態においては、発音組体にターゲットバーを含ませた構成としたが、デザインの自由度が劣ることを許容するならば、ターゲットバーに相当する部材を発音組体とは別体として構成し、これを装置本体側に固定的に設けてもよいし、複数のアクチュエータに対して共通の部材として設け、この共通の部材に、各アクチュエータに対応する当接部を設けるようにしてもよい。
【0050】
なお、棒状響体を揺動支持するアームは、第1、2の実施の形態では支持部材に、第3の実施の形態ではターゲットバーに固定されたが、装置本体に対して固定的にできれば、アームの取り付け箇所はこれらに限定されるものではない。
【0051】
なお、第2、第3の実施の形態においても、第1の実施の形態と同様に、棒状響体の揺動範囲を規制する糸材8と同様の構成要素を設けてもよい。
【0052】
なお、第1〜第3の実施の形態において、発音体は、揺動自在に支持され振動して発音するものであれば、棒状の響体に限定されず、板状等、各種形状を採用可能である。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、自由な振動の確保と打撃位置の変更を可能として、きれいで多彩な音色での発音を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る演奏装置の制御機構の構成を示すブロック図である。
【図2】本実施の形態に係る演奏装置の縦断面図である。
【図3】図2のA−A線に沿う断面図である。
【図4】発音組体の平面図(図(a))及び縦断面図(図(b))である。
【図5】ターゲットバーの構成を示す断面図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係る演奏装置の発音組体の平面図(図(a))及び縦断面図(図(b))である。
【図7】本発明の第3の実施の形態に係る演奏装置の発音組体の平面図(図(a))及び縦断面図(図(b))である。
【符号の説明】
53、63、83 ソレノイドコイル(揺動駆動手段)、 58、68 支持ピン(揺動支点部)、 59、64 支持部材(固定部)、 120 直動モータ部(当接位置変更手段)、 BRD、BRF、BRC 棒状響体(発音体)、ACTD、ACTF、ACTC アクチュエータ、 TGD、TGF、TGCターゲットバー(当接部材)、 TGD1 上半部(取付部側部分)、 TGD2 下半部(当接部側部分)
Claims (4)
- 固定部(64)に対して固定的にされた揺動支点部(68)で支持され、該揺動支点部を中心に揺動自在にされた複数の発音体(BRD)と、
前記固定部に対して固定的に設けられた当接部材(TDG)と、
前記発音体を揺動させるべく駆動し、発音体を前記当接部材に当接させることで該発音体を発音させる揺動駆動手段(63)とを有し、
前記当接部材の前記発音体における当接位置を変更する当接位置変更手段(120)を有することを特徴とする演奏装置。 - 前記当接部材は、前記固定部に取り付けられる取付部側部分と前記発音体に当接する当接部側部分とで成り、これら両部分が相対的に変位可能に構成され、前記当接位置変更手段は、前記当接部材の前記取付部側部分と前記当接部側部分とを相対的に変位させることで、前記当接位置を変更可能であることを特徴とする請求項1記載の演奏装置。
- 固定部に対して固定的にされた揺動支点部で支持され、該揺動支点部を中心に揺動自在にされた複数の発音体と、
当接部材と、
前記発音体を揺動させるべく駆動し、発音体を前記当接部材に当接させることで該発音体を発音させる揺動駆動手段とを有し、
前記当接部材は、前記固定部に対して着脱自在に構成されたことを特徴とする演奏装置。 - 予め用意された形状の異なる複数の当接部材の中から所望の当接部材を選択して前記固定部に対して取り付けることで、前記当接部材の前記発音体における当接位置を変更可能に構成されたことを特徴とする請求項3記載の演奏装置。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2012000915A (ja) * | 2010-06-18 | 2012-01-05 | Maxell Sliontec Ltd | プラスチックレンズ成型用粘着テープおよびこれを用いたプラスチックレンズ成型方法 |
-
2003
- 2003-02-06 JP JP2003029811A patent/JP2004240210A/ja active Pending
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JP2012000915A (ja) * | 2010-06-18 | 2012-01-05 | Maxell Sliontec Ltd | プラスチックレンズ成型用粘着テープおよびこれを用いたプラスチックレンズ成型方法 |
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