JP3879550B2 - 演奏装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術の分野】
本発明は、ソレノイドコイル等を用いてリード等の発音体を発音させる演奏装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
オルゴール等の演奏装置は、発音用としての複数の発音体と、突起部を設けて成るバレルドラムとから構成され、バレルドラムが回転し、上記突起部が所定の発音体を順次駆動していくことで、曲を演奏するものが一般的である。しかし、演奏曲を変更するにはバレルドラムを交換しなければならず、最新の曲等、多種類の曲を演奏させることは困難である。そこで、近年、バレルドラムを用いることなく、演奏データに基づいて、ソレノイド等を用いて発音体駆動部を構成し、発音体駆動部を電気的に駆動制御して発音体を弾くようにしたオルゴール型等の演奏装置も既に知られている。
【0003】
例えば、第1の従来の演奏装置では、複数の発音体に対して共通に設けられた円柱状の回転シリンダの外周面に、各発音体に対応して穴を複数設け、これら複数の各穴にピンを挿入し、回転シリンダを回転させつつ、音楽データに基づいて電磁石でピンを選択的に突出させ、突出したピンで発音体を弾くことで発音させるようにしている。
【0004】
また、第2の従来の演奏装置では、ソレノイド、支点保持されたアーム、及び可変ロッド等の組み合わせを発音体(弁)の数の分だけ設け、ソレノイドに通電することでアームを介して可変ロッドが押し下げられることで、可変ロッドの先端により発音体が弾かれて発音するようにしている。そして、押し下げられた可変ロッドは、水平方向に回転することで、発音させた発音体を避け横に逃げて上昇し、元の初期状態に復帰するように構成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記第1の従来の演奏装置では、回転シリンダが複数の発音体に対して共通に設けられ、しかも同じ発音体に対応する複数の穴の間隔は定まっているため、発音タイミングが回転シリンダの回転速度及び穴間隔で規定されることから、各発音体を任意個別に発音させることができず、対応可能な曲が限定されてしまうという問題があった。
【0006】
また、発音体を発音させる機構として回転シリンダを採用しているので、回転シリンダの形状及び配置がほぼ定まってしまうことから、設計上の自由度が低く、自由なデザインを施す余地が少ない。
【0007】
一方、上記第2の従来の演奏装置では、可変ロッドは、発音動作の際には発音体に対して真っ直ぐ直線的に押し下げられるので、発音体の振動方向、すなわち可変ロッドの発音動作方向のストロークを十分にとる必要がある。また、可変ロッドが元の初期状態に復帰する際に、発音体を避け横に逃げるためのスペースが必要となる。そのため、発音動作方向または発音体の並び方向におけるスペースを有効に使うことができない等のように、設計上の制約が多く、例えば、装置の小型化を図る上でも不利である。
【0008】
さらに、良好な発音をさせるには、安定的で確実な発音動作機構が求められる。
【0009】
本発明は上記従来技術の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、各発音体を任意のタイミングで独立して発音させると共に、安定的かつ確実な発音動作により良好な発音を可能とし、さらに設計の自由度を高めることができる演奏装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の請求項1の演奏装置は、発音可能な複数の発音体と、前記複数の各発音体に対応して設けられた複数の回転部材と、前記複数の各回転部材の外周部に設けられ、対応する発音体に接触する発音動作によって該発音体を発音させることが可能な発音体駆動部と、前記複数の各回転部材に対応して設けられ、演奏データに基づいて往復運動し、その往行程において対応する回転部材の被駆動部に係合して該回転部材を所定方向に回転駆動する複数のアクチュエータと、前記複数の各回転部材に対応して設けられ、対応するアクチュエータの往復運動の復行程において、対応する回転部材が前記所定方向の反対方向に回転しないようにするための複数の逆転防止手段とを備えたことを特徴とする。
【0011】
この構成によれば、回転部材及びアクチュエータは発音体に対応して設けられるので、個別回転駆動によって各発音体を任意のタイミングで独立して発音させることができる。また、回転部材の発音体駆動部が発音体に接触する発音動作によって該発音体を発音させるので、発音体駆動部が直線的に移動する場合に比し、特に発音体からの離間の態様が好ましいものとなる。従って、発音動作が安定的かつ確実となり、適切な振動が起こって良好な発音が可能となる。さらに、アクチュエータは、発音体を、回転部材を介して発音させるので、発音体先端部に対する発音動作機構の配置方向の選択の幅が広がり、自由なデザインが可能になる。よって、各発音体を任意のタイミングで独立して発音させると共に、安定的かつ確実な発音動作により良好な発音を可能とし、さらに設計の自由度を高めることができる。なお、例えば、回転部材を薄板部材で構成すると共に、細いワイヤ等で回転駆動するように構成すれば、発音体のピッチが狭い場合でも各発音体を発音させる機構を容易に構成可能であり、狭い発音体のピッチにも対応が容易である。
また、前記複数の各アクチュエータは、往復運動し、その往行程において前記回転部材の被駆動部に係合して該回転部材を所定方向に回転させるように構成され、さらに、前記複数の各アクチュエータの往復運動の復行程において、前記回転部材が前記所定方向の反対方向に回転しないようにするための逆転防止手段を備えるので、発音体を正確に安定して発音させることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0018】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る演奏装置の制御機構の構成を示すブロック図である。
【0019】
本装置は、CPU11に、バス15を通じて、第1ROM12、メモリ13、MIDIインターフェイス(MIDII/F)14、第2ROM18及びドライバ(PWM)17が接続されて構成される。CPU11は、本装置全体の制御を司る。第1ROM12は、不図示のプログラムROM、データROM及びワーキングROMで構成され、CPU11が実行する制御プログラムや各種データ等を記憶する。MIDII/F14は、不図示のMIDI機器等からの演奏データをMIDI(Musical Instrument Digital Interface)信号として入力する。メモリ13はRAM等で構成され、演奏データを記憶するほか、MIDII/F14から入力された演奏データも記憶することができる。第2ROM18は、パラメータテーブル等を記憶している。ドライバ17は、後述するアクチュエータFLAT(本実施の形態ではFLAT1)を駆動制御する。
【0020】
図2は、第1の実施の形態に係る演奏装置の要部を示す外観図、図3は、同装置の要部を示す側面図(同図(a))及び正面図(同図(b))である。
【0021】
本装置はオルゴール装置として構成され、図2に示すように、基端部47から発音音高の異なる複数本の発音体であるリード48が櫛歯状に延設される。また、リード48の先端部に近接してロータリーピック46が各リード48に対応して配設される。リード48の先端部の下方には、アクチュエータFLAT1が配設される。本装置は、アクチュエータFLAT1を電気的に駆動制御して、リード48を個々に弾く(乃至撥く)ように駆動して発音させる(以下、「弾奏」と表現する)ように構成される。なお、以降、リード48の先端方向を「前方」と称する。
【0022】
アクチュエータFLAT1は、マグネット41、ヨーク42、スイングアーム43及びフラットコイル44等で構成される。ネオジ系等の希土類磁石であるマグネット41とヨーク42とで、磁場形成手段が構成される。図3に一部を示すように、マグネット41は、装置本体に固定的なベース部55上に、リード48に対応してリード48の並び方向に配列固定される。ヨーク42は、マグネット41間に配設され、従って、マグネット41とヨーク42とが交互に配列されている。ヨーク42は、隣接するマグネット41間にその下端部42aが挟着されると共に、その上端部42bが上方に延出し、これにより、マグネット41の上方であって隣接するヨーク42の上端部42b同士の間に磁場が形成される。
【0023】
スイングアーム43は、回動軸49を中心として自由端部43aが上下方向に回動自在に構成される。フラットコイル44は板状に形成され、各スイングアーム43に取り付けられる。フラットコイル44は、上下方向及びリード48の長手方向の双方に対して略平行に設けられる。フラットコイル44は、ヨーク42の上端部42b間に形成された磁場に介在し、フラットコイル44に通電したとき、フレミングの左手の法則により、対応するスイングアーム43が上方に回動するようになっている。なお、各フラットコイル44への通電を解除すると、対応するスイングアーム43は自重により元の初期位置に復帰する。このような磁場形成手段の構成より、簡単な構成で磁場を各リード48に対応して容易に形成すると共に、スイングアーム43の上昇動作を確実にして発音動作を正確にしている。
【0024】
スイングアーム43には、その自由端部43aに金属製等の突き上げ部材45が取り付けられている。ロータリーピック46は、例えば金属製の薄板で略円形状に形成され、図3(b)に示すように、スペーサ50を挟んでリード48の並び方向に配列される。ロータリーピック46の外周部には、複数(例えば4つ)の駆動爪46aが一体に形成される(図3(a))。ロータリーピック46にはまた、ラチェット53が設けられており、ロータリーピック46は、回転軸54を中心に、実質的に一方向(図3(a)でいう反時計方向)にのみ回転可能になっている。図3(a)に示すように、駆動爪46aは、突き上げ部材45から駆動力を受ける被駆動部46a1と、リード48を直接弾くための略弧状のリード駆動部46a2とを有する。
【0025】
図3(a)に示すように、突き上げ部材45は上端部がややロータリーピック46側に屈曲しており、駆動爪46aに係合しやすいようになっている。他のリード48に対応するアクチュエータFLAT1及びロータリーピック46についても同様に構成される。
【0026】
図4は、本装置の動作状態を示す図2(a)に対応する側面図である。上記構成において、CPU11は、MIDII/F14から入力する等によってメモリ13に記憶されている演奏データに基づいて、その音高信号に対応したフラットコイル44に対して駆動電流を送るよう制御する。通電されたフラットコイル44は、形成されている磁場によって、フレミングの左手の法則に従って、上方に付勢力を受ける。これにより、対応するスイングアーム43が上方に回動すると、突き上げ部材45がロータリーピック46の駆動爪46aに係合し、ロータリーピック46を回転させる。そして、突き上げ部材45と係合している駆動爪46aとは対称位置にある駆動爪46aがリード48の先端部を弾く。突き上げ部材45は、スイングアーム43への取り付け部分で前方にやや屈曲する。
【0027】
そして、リード48が弾かれた後、フラットコイル44への通電が遮断されると、スイングアーム43が自重で下方に回動する。その際、突き上げ部材45はロータリーピック46乃至駆動爪46aに当接しているが、ラチェット53が働いて、ロータリーピック46を逆転させることなくスイングアーム43が初期位置に復帰する。
【0028】
本実施の形態によれば、スイングアーム43、ロータリーピック46等をリード48に対応して設けたので、各リード48を任意のタイミングで独立して発音させることができ、複数リードの同時駆動により和音の同時発音が可能になるだけでなく、複雑なメロディの演奏も容易となる。また、上記磁場形成手段により形成される磁場に板状のフラットコイル44を介在させ、該フラットコイル44に通電することで、対応するスイングアーム43が往復移動するように構成したので、スイングアーム43が無接触で往復移動可能であることから、耐久性が高い。さらに、これら磁場形成手段及びフラットコイル44等の発音動作機構を、リード48の下方に集中配置したことで、装置全体の省スペース化が図られる。よって、各リードを任意のタイミングで独立して発音可能にすると共に、耐久性を維持しつつ装置全体の小型化を図ることができる。さらには、アクチュエータFLAT1は演奏データに基づいて駆動制御されるようにしたので、演奏データを選択することで、多種類の曲を演奏させることができ、曲を変更することも容易である。
【0029】
本実施の形態によればまた、フラットコイル44が薄型で、しかもスイングアーム43の移動方向(上下方向)及びリード48の長手方向の双方に対して略平行に設けられたので、狭いリードピッチに容易に対応でき、リードの並び方向においても省スペース化を図ることができる。
【0030】
本実施の形態によればまた、ロータリーピック46の駆動爪46aが発音体駆動部の機能を果たし、駆動爪46aがリード48に接触して弾く発音動作を行い、その後回転移動によって速やかに離間していくようにしたので、発音体駆動部が直線的に移動して駆動する場合に比し、特にリード48からの離間の態様が好ましいものとなる。従って、発音動作が安定的かつ確実となり、リード48に適切な振動が起こって良好な発音が可能となる。さらに、発音動作機構であるアクチュエータFLAT1は、リード48を、ロータリーピック46を介して弾くようにしたので、アクチュエータFLAT1はロータリーピック46の外周に近接して、下方に限らず各種方向に配置することが可能である。従って、リード先端部に対する発音動作機構の配置方向の選択の幅が広がり、自由なデザインが可能になる。よって、安定的かつ確実な発音動作により良好な発音を可能とし、さらに設計の自由度を高めることができる。
【0031】
本実施の形態によればまた、ロータリーピック46には駆動爪46aを複数設け、突き上げ部材45に今回係合している駆動爪46a以外の駆動爪46aがリード48を弾くようにしたので、駆動爪46aが、リード駆動部とアクチュエータFLAT1からの駆動を受ける被駆動部とを兼用することで、構成を簡単にするという利点もある。
【0032】
なお、本実施の形態では、磁場形成手段を本体側であるベース部55上に設け、フラットコイル44を可動側である各スイングアーム43に設けたが、配置をこれとは逆にしてもよい。すなわち、スイングアーム43に設けた1組のマグネット(及びヨーク)間に、ベース部55上に設けた複数の各フラットコイルが介在するように構成してもよい。
【0033】
なお、本実施の形態では、1つのスイングアーム43に対応してフラットコイルが介在する1つの磁場を形成した。すなわち、1つのマグネット41に隣接する2つのヨーク42の上端部42b間に磁場がそれぞれ形成されるようにした。しかし、これに限るものでなく、複数のスイングアーム43に対応して1つの強力な磁場を形成し、その磁場内に複数のフラットコイルが介在するようにしてもよい。
【0034】
(第2の実施の形態)
次に、図1、図5を用いて本発明の第2の実施の形態を説明する。
【0035】
図5は、本発明の第2の実施の形態に係る演奏装置の要部を示す側面図(同図(a))及び正面図(同図(b))である。同図は図3(a)、(b)に対応している。本実施の形態では、リード48を弾く駆動部材が第1の実施の形態と異なり、突き上げ部材45及びロータリーピック46に代えて、ヘッド付きのピック部材51が採用される。アクチュエータFLAT1における、マグネット41、ヨーク42、スイングアーム43及びフラットコイル44の構成は第1の実施の形態と同様である。なお、制御機構の構成は第1の実施の形態と同様で図1の通りである。
【0036】
図5に示すように、スイングアーム43の自由端部43aにはピック部材51が取り付けられている。ピック部材51は、そのピックアッププレート部51aの下端部がスイングアーム43に軸支され、ヘッド部51bが回動軸56を中心に、同図時計及び反時計方向に回動可能に構成される。
【0037】
ピック部材51のヘッド部51bには、バネ52が取り付けられている。バネ52は、一端部が装置本体に対して固定され、他端部がヘッド部51bに固定されている。バネ52は、駆動開始位置である初期位置(同図(a)のピック部材51(P0)で示す位置)においては、引張力をほとんど有しないが、駆動後にピック部材51が上昇したときに延びて引張力を発生し、ピック部材51をリード48から前方に離間する方向に付勢するように構成されている。
【0038】
ピック部材51のヘッド部51bにはまた、被ガイドピン57が突設されている。図示はしないが、リード48の並び方向におけるヘッド部51bの両側には、装置本体に対して固定的なガイド溝が設けられており、被ガイドピン57は、このガイド溝に遊嵌されている。そして、ヘッド部51bが動作する際には、被ガイドピン57が上記ガイド溝に案内されることで、ヘッド部51bの軌道が規定される。上記ガイド溝により規定されるヘッド部51bの軌道は、往行程と復行程とで異なるように設定されており、復行程ではヘッド部51bがリード48に接触しないようになっている。また、バネ52の引張力によって、復行程において往行程と同じ軌道を逆行することが回避されている。なお、各ピック部材51は同様に構成されている。
【0039】
かかる構成において、フラットコイル44に通電され、スイングアーム43が上方に回動すると、ピック部材51のヘッド部51bがリード48の先端部を弾く。その後、ピック部材51は、バネ52により引っ張られつつ上記ガイド溝による案内に従って駆動終了位置である上昇端(同図(a)のピック部材51(P1)で示す位置)まで上昇する。次いで、フラットコイル44への通電が遮断されると、スイングアーム43が自重で下方に回動する。ピック部材51は、上記ガイド溝による案内に従って、リード48から離間した軌道を辿り、リード48に干渉することなく初期位置に復帰する。
【0040】
本実施の形態によれば、各リードを任意のタイミングで独立して発音可能にすると共に、耐久性を維持しつつ装置全体の小型化を図ること、及び狭いリードピッチに容易に対応でき、リードの並び方向においても省スペース化を図ることに関し、第1の実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0041】
(第3の実施の形態)
次に、図1、図6〜図8を用いて本発明の第3の実施の形態を説明する。
【0042】
本第3の実施の形態では、リードを放射状に配設した点、ロータリーピックをプランジャの上下移動を利用して駆動するようにした点等が第1の実施の形態と異なる。制御機構の構成は第1の実施の形態と基本的に同様で図1に示す通りであるが、アクチュエータFLATに代えてアクチュエータCYL(本実施の形態ではアクチュエータCYL1)を用いる点が異なる。
【0043】
図6は、第3の実施の形態に係る演奏装置の平面図である。図7(c)は図6のA−A線に沿う断面図を示す。図7(b)はアクチュエータCYL1上部の平面図、同図(a)は同図(b)のF1矢視図である。
【0044】
図6、図7(c)に示すように、各リード61の基端部62は、センターブロック63に固定され、各リード61は基端部62から延設される。各リード61は、外周方向に向かって平面的に放射状に複数(例えば20本)延びている。なお、本実施の形態では、アクチュエータCYL1の配列は、各リード61の長さの違いに起因して渦巻き状を成すが、基端部62の位置を個々に異ならせて、アクチュエータCYL1が円形状に配列されるように構成してもよい。
【0045】
アクチュエータCYL1は、リード61に対応して設けられ、図7(c)に示すように、ソレノイドコイル68、プランジャ70、プランジャスプリング69、フック部71、上下ヨーク64、65等を備える。なお、上下ヨーク64、65は全アクチュエータCYL1に共通のものとして構成され。構成が簡単になっている。すなわち、上下ヨーク64、65は、いずれも円盤状に形成され、センターブロック63にヨークスペーサ67で適当な間隔が保たれて略平行に配設される。
【0046】
ソレノイドコイル68は、上下ヨーク64、65間に配設される。プランジャ70は、ソレノイドコイル68内に内装され、上下方向に往復運動可能に構成されている。また、プランジャ70の下方にはプランジャスプリング69が取り付けられており、プランジャスプリング69はプランジャ70を常に上方に付勢している。ソレノイドコイル68に駆動電流が供給されると磁力が発生し、プランジャ70は下方に移動する。駆動電流が遮断されると、プランジャ70はプランジャスプリング69による付勢力によって上昇して元の初期位置に復帰する。
【0047】
プランジャ70の上部にはフック部71が取り付けられており、フック部71とプランジャ70との間に溝状段差部70aが形成される。溝状段差部70a内において、フック部71の下端部が後述する係合部71aを構成する。アクチュエータCYL1内の上部、下部にはそれぞれ、上、下クッション部72、73が設けられ、プランジャ70の上下運動の衝撃が吸収される。
【0048】
第1の実施の形態と同様に、リード61の先端部に近接してロータリーピック66が各リード61に対応して配設される。ロータリーピック66の外周部には、複数(例えば4つ)の駆動爪66a(66a1〜66a4)が一体に形成される。ただし、ロータリーピック66には、ラチェットが設けられる代わりに、四角形のカム部76が両面に固定的に設けられると共に、カムスプリング75が近接して設けられる。ロータリーピック66は、駆動爪66aが溝状段差部70aの係合部71aから駆動力を受けることで回転軸74を中心に回転する。後述するように、カム部76及びカムスプリング75の作用によって、ロータリーピック66は、実質的に一方向(図7(c)でいう時計方向)にのみ回転する。
【0049】
カムスプリング75は金属等の板状弾性部材で構成され、図7(a)に示すように、コ字状に形成される。カムスプリング75は、一端部が装置本体に対して固定的に取り付けられる一方、他端部がロータリーピック66を挟むようにして、カム部76を常にリード61から離間する方向に付勢する。なお、カム部76の4隅は略弧状に処理されている。
【0050】
図8は、アクチュエータCYL1の要部の動作の遷移を示す図である。まず、同図(a)に示すように、初期位置では、溝状段差部70a内にロータリーピック66の駆動爪66a1が入り込んでいる。次に、ソレノイドコイル68に通電されると、プランジャ70(及びフック部71)が下降を開始し、係合部71aが駆動爪66a1に当接し(同図(b))、ロータリーピック66が時計方向に回転して係合部71aに係合している駆動爪66a1とは対称位置にある駆動爪66a3がリード61の先端部を弾いて発音させる(同図(c))。このとき、カムスプリング75の反力によりカム部76を介してロータリーピック66に与えられる回転駆動力の方向が、一時的に反時計方向となるが、係合部71aによる時計方向への回転駆動力がそれに勝っているので、ロータリーピック66は反時計方向に回転することがない。
【0051】
プランジャ70がさらに下降していくと、リード61を弾いた駆動爪66a3はリード61から離間していき、やがて、カムスプリング75の反力によりロータリーピック66に与えられる回転駆動力の方向が、時計方向に戻る(同図(d))。そして、プランジャ70は下死点である下降端位置に到達する(同図(e))。
【0052】
次に、ソレノイドコイル68への通電が遮断されると、プランジャスプリング69による反力によってプランジャ70は上昇を開始する。しかし、ロータリーピック66には、カムスプリング75によって依然として時計方向への回転駆動力が付与されているから、プランジャ70が上昇しても、ロータリーピック66は反時計方向に回転することがない(同図(f))。
【0053】
プランジャ70が上昇し初期位置近傍まで戻って、ロータリーピック66の駆動爪66a4の位置に溝状段差部70aが来ると(同図(g))、カムスプリング75による時計方向への回転駆動力によってロータリーピック66が時計方向に回転し、駆動爪66a4が溝状段差部70aに入り込んで、元の初期状態に復帰する(同図(h))。このようにして、リード61を1回発音させるための発音動作行程が完了する。
【0054】
本実施の形態によれば、各リードを任意のタイミングで独立して発音可能にすること、安定的かつ確実な発音動作により良好な発音を可能とし、さらに設計の自由度を高めること、及び駆動爪がリード駆動部と被駆動部とを兼用することで構成を簡単にすることに関し、第1の実施の形態と同様の効果を奏する。それだけでなく、ロータリーピック66を直接駆動する部材がフック部71であって、往復動作するプランジャ70に固定的に設けられたものであるので、第1の実施の形態における弾性的な突き上げ部材45等を採用する場合に比し、ロータリーピック66の駆動動作が確実である。しかも、カムスプリング75によってロータリーピック66の逆転が防止される。よって、リードの発音動作を正確にし且つ安定させることができる。また、上記初期状態(図8(a)、(h))では、カムスプリング75による時計方向への回転駆動力によってロータリーピック66が常に同じ姿勢で待機するので、毎回の発音動作の均一性を確保することができる。
【0055】
(第4の実施の形態)
次に、図1、図9、図10を用いて本発明の第4の実施の形態を説明する。
【0056】
図9は、第4の実施の形態に係る演奏装置の平面図である。図10は、同装置の側面図(同図(a))、要部を示す正面図(同図(b))、並びに、溝状段差部及びその近傍の部分拡大図(同図(c))である。本実施の形態では、制御機構の構成は第1の実施の形態と同様で図1の通りであるが、アクチュエータとしてフラットコイル型のアクチュエータFLAT(本実施の形態ではアクチュエータFLAT2)が採用される。
【0057】
アクチュエータFLAT2は、図10(a)に示すように、マグネット84、ヨーク85、スイングアーム88及びフラットコイル86を含み、これらはそれぞれ、第1の実施の形態における、マグネット41、ヨーク42、スイングアーム43及びフラットコイル44と形状は異なるが基本的構成は同様である。ただし、スイングアーム88には、突き上げ部材45に相当する部材は取り付けられず、第3の実施の形態における溝状段差部70aと同様の溝状段差部88bが自由端部88aに一体に形成される。
【0058】
図9に示すように、第1の実施の形態と同様に、ベースプレート81に対して固定された基端部82から、発音音高の異なる複数本の発音体であるリード83が櫛歯状に延設される。また、リード83の先端部に近接してロータリーピック92が各リード83に対応して配設される。
【0059】
図10(a)に示すように、スイングアーム88は、回動軸87を中心として自由端部88aが上下方向に回動自在に構成される。スイングアーム88の回動軸87近傍にはスイングアームスプリング89が設けられ、スプリング89はスイングアーム88を同図時計方向に常に付勢している。同図(a)ではスイングアーム88の回動途中が示されており(スイングアーム88(P1))、初期状態では、スイングアーム88は、スプリング89による付勢力により上限ストッパ90に当接している(スイングアーム88(P0)で示す位置)。下限ストッパ95はスイングアーム88の回動の終了位置を規定する。各スイングアーム88間には、横ガイド94が配設され(図9)、横ガイド94によってスイングアーム88の横方向(並び方向)への移動が規制される。
【0060】
第3の実施の形態と同様に、ロータリーピック92の外周部には複数(例えば4つ)の駆動爪92aが一体に形成され、四角形のカム部96が両面に固定的に設けられると共に、カムスプリング93が近接して設けられる。一方、図10(c)に示すように、溝状段差部88bは第3の実施の形態の溝状段差部70aと同の機能を果たす部分であり、フック部71の係合部71aに相当する係合部88cを有する。
【0061】
第3の実施の形態と同様に、ロータリーピック92は、駆動爪92aが溝状段差部88bの係合部88cから駆動力を受けることで回転軸91を中心に回転する。また、カム部96及びカムスプリング93の作用によって、ロータリーピック92は、実質的に一方向(図10(a)でいう時計方向)にのみ回転する。
【0062】
また、第3の実施の形態と同様に、図10(b)に示すように、フラットコイル86は、マグネット84を挟んで配置される両ヨーク85間に形成された磁場に介在し、通電されたとき、対応するスイングアーム88が下方に回動するようになっている。
【0063】
かかる構成において、第3の実施の形態におけるプランジャ70の往復動作に代わってスイングアーム88が上下方向に回動するが、溝状段差部88bとロータリーピック92との作用上の関係は、第3の実施の形態における溝状段差部70aとロータリーピック66との関係と同様であり、動作の遷移も図8に示すものと同様となる。
【0064】
本実施の形態によれば、各リードを任意のタイミングで独立して発音可能にすると共に、耐久性を維持しつつ装置全体の小型化を図ること、狭いリードピッチに容易に対応でき、リードの並び方向においても省スペース化を図ること、安定的かつ確実な発音動作により良好な発音を可能とし、さらに設計の自由度を高めること、及び駆動爪がリード駆動部と被駆動部とを兼用することで構成を簡単にすることに関し、第1の実施の形態と同様の効果を奏する。それだけでなく、リードの発音動作を正確にし且つ安定させ、さらに毎回の発音動作の均一性を確保することに関し、第3の実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0065】
なお、第1、第2、第4の実施の形態において、スイングアーム43、88は回動動作する移動部材として構成したが、回動動作に限定されず、例えば、フラットコイルへの通電により上下方向に直線的に往復する移動部材として構成してもよい。
【0066】
(第5の実施の形態)
次に、図1、図11を用いて本発明の第5の実施の形態を説明する。
【0067】
本実施の形態では、制御機構の構成は第1の実施の形態と基本的に同様で図1に示す通りであるが、アクチュエータFLATに代えてアクチュエータCYL(本実施の形態ではアクチュエータCYL2)を用いる点が異なる。
【0068】
図11は、第5の実施の形態に係る演奏装置の構成を示す図であり、同図(a)は部分平面図、同図(b)は部分断面図である。
【0069】
本装置では、円盤状の基端部113から複数本の発音体であるリード114が外周方向に向かって平面的に放射状に複数(例えば24本)延設されている。各リード114の先端部に近接してロータリーピック112が各リード114に対応して配設される。
【0070】
アクチュエータCYL2は、各リード114に対応し、各ロータリーピック112を挟んでリード114の反対側に配設される。ロータリーピック112の外周部には、複数(例えば4つ)の駆動爪112aが一体に形成される。ロータリーピック112にはまた、ラチェット115が設けられており、ロータリーピック112は、回転軸111を中心に、実質的に一方向(図11(b)でいう反時計方向)にのみ回転可能になっている。この他、リード114、ロータリーピック112については、配置関係は異なるが、個々の構成は第1の実施の形態におけるリード48、ロータリーピック46と同様である。
【0071】
同図に示すように、アクチュエータCYL2は、ヨーク123、ソレノイドコイル121、プランジャ126及びピック部材122等を備える。プランジャ126は上下方向に往復運動可能に構成されており、ソレノイドコイル121に駆動電流が供給されると往復動作する。プランジャ126の上端部には、例えば角棒状のピック部材122が取り付けられ、ピック部材122は回動軸124を中心として同図時計方向及び反時計方向に回動自在にされる。
【0072】
ピック部材122の上部にはバネ125が取り付けられている。バネ125は、非駆動時である「初期状態」(ピック部材122(P0)で示す位置)においては、引張力をほとんど有しないが、駆動後にピック部材122が上昇したときに延びて引張力を発生し、ピック部材122をロータリーピック112から離間する方向に付勢するように構成されている。
【0073】
また、ソレノイドコイル121の周囲をカバーするヨーク123は、ロータリーピック112側がやや上方に突出して偏向ヨーク(乃至偏心ヨーク)となっている。これにより、電流供給状態では、ピック部材122がロータリーピック112側に常に付勢されて傾いている。
【0074】
ただし、ヨーク123によるピック部材122に対するロータリーピック112側への付勢力は、ピック部材122が上昇したときにおけるバネ125の引張力による反ロータリーピック112側(ロータリーピック112の反対側)への付勢力よりも小さい値に設定されている。これにより、ピック部材122は、ロータリーピック112の駆動後にバネ125によって反ロータリーピック112側に傾き、ピック部材122が下降する際にロータリーピック112に干渉しない。
【0075】
かかる構成において、CPU11による制御によって駆動電流を受けたアクチュエータCYL2では、まず、初期状態からプランジャ126が上昇して、ピック部材122が上端部でロータリーピック112の駆動爪112aを駆動すると、ロータリーピック112が反時計方向に回転し、駆動された駆動爪112aに対して回転方向でいう1つ前方にある駆動爪112aがリード114を弾く。なお、この他、ロータリーピック112とリード114との作用上の関係は、第1の実施の形態におけるロータリーピック46とリード48との関係と同様である。
【0076】
その後、ピック部材122は、プランジャ126が上昇端まで上昇したとき(ピック部材122(P1)で示す位置)、バネ125により引っ張られる(ピック部材122(P2)で示す位置)。
【0077】
次に、駆動電流が遮断されて、プランジャ126が自重及びバネ125の引張力によって下降する際、ピック部材122は反ロータリーピック112側へ傾いているので、ロータリーピック112乃至駆動爪112aに干渉することなく下降する(ピック部材122(P3)で示す位置)。駆動動作が連続的に行われる場合は、この状態から初期状態へと速やかに遷移する。なお、ラチェット115の作用により、ロータリーピック112の逆転がより確実に防止され、リード114に対する発音動作が正確、安定になっている。
【0078】
本実施の形態によれば、各リードを任意のタイミングで独立して発音可能にすること、安定的かつ確実な発音動作により良好な発音を可能とし、さらに設計の自由度を高めること、及び駆動爪がリード駆動部と被駆動部とを兼用することで構成を簡単にすることに関し、第1の実施の形態と同様の効果を奏する。なお、アクチュエータCYL2はロータリーピック112の外周方向であれば、リード114の反対側に限らず種々の方向に配置することが可能であり、リード先端部に対する発音動作機構の配置方向の選択の幅は広い。
【0079】
(第6の実施の形態)
次に、図1、図12〜図14を用いて本発明の第6の実施の形態を説明する。
【0080】
本実施の形態では、制御機構の構成は第1の実施の形態と基本的に同様で図1に示す通りであるが、アクチュエータFLATに代えてアクチュエータCYL(本実施の形態ではアクチュエータCYL3)を用いる点が異なる。
【0081】
図12は、第6の実施の形態に係る演奏装置の左側面図(同図(a))、及び平面図(同図(b))である。図13は、同装置の要部を示す外観図である。図14は、同装置の要部を示す断面図(同図(a))、及び同図(a)のEX1部の拡大図(同図(b))である。
【0082】
本装置は、アクチュエータ収容部130とリード収容部146とから構成される。リード収容部146では、図13に示すように、基端部137から複数本の発音体であるリード135が櫛歯状に延設される。以降、リード135の先端部方向を「前方」と呼称する。アクチュエータ収容部130には、リード135に対応して設けられる複数のアクチュエータCYL3の構成部分のほとんどが集中的に配設される。図13に示すように、アクチュエータCYL3は、ヨーク131、ソレノイドコイル132のほか、ソレノイドコイル131に駆動電流が供給されると往復動作するプランジャ133(図12参照)を備える。このプランジャ133に、プッシュワイヤ144が接続されている。プッシュワイヤ144は、例えば、ピアノ線等の可撓性及びある程度の剛性を有する部材で構成され、プランジャ133に伴ってワイヤチューブ134内を往復動作する。他のアクチュエータCYL3についても同様に構成される。
【0083】
リード収容部146では、基端部137の上部にワイヤガイドブロック136が設けられ、プッシュワイヤ144は途中湾曲してこのワイヤガイドブロック136まで延設、接続されている。ワイヤガイドブロック136には前方に向かってガイドプレート143が連設され、ガイドプレート143上の前部にプッシュプレートガイド145が全リード135幅に亘って配設される。プッシュワイヤ144は、ワイヤガイドブロック136内を摺動可能に貫通し、その先端部にはプッシュプレート139が各々接続されている。プッシュプレート139は、金属製等の弾性を有する平板で形成され、プッシュプレートガイド145内を前後方向に摺動可能に配設される。
【0084】
また、リード135の先端部に近接してロータリーピック140が各リード135に対応してリード135の並び方向に配列される。ロータリーピック140にはラチェット142が設けられており、回転軸141を中心に、実質的に一方向(図14(b)でいう時計方向)にのみ回転可能になっている。この他、ロータリーピック140及びその駆動爪140aは、第1の実施の形態におけるロータリーピック46及びその駆動爪46aと同様に構成される。
【0085】
かかる構成において、ロータリーピック140は、プッシュプレート139によって駆動される。すなわち、CPU11による制御によって駆動電流を受けたアクチュエータCYL3では、図14に示すように、まず、初期状態からプランジャ133が前方(F2方向)に突出動作して、それに伴って、対応するプッシュワイヤ144及びプッシュプレート139が前方に移動する。そして、プッシュプレート139がロータリーピック140の駆動爪140aを駆動すると、ロータリーピック140が時計方向に回転し、駆動された駆動爪140aに対して回転方向でいう1つ手前にある駆動爪140aがリード135を弾く。なお、この他、ロータリーピック140とリード135との作用上の関係は、第1の実施の形態におけるロータリーピック46とリード48との関係と同様である。
【0086】
そして、リード135が弾かれた後、駆動電流が遮断されると、プランジャ133は不図示のスプリングで後方に移動して元の初期位置に戻ろうとする。その際、プッシュプレート139はロータリーピック140乃至駆動爪140aに当接しているが、ラチェット142が働いているので、プッシュプレート139の先端部が上方へ反り、ロータリーピック140乃至駆動爪140aに摺接しつつ後方移動が可能となる。従って、ロータリーピック140を逆転させることなくプランジャ133、プッシュワイヤ144及びプッシュプレート139が初期位置に円滑に復帰する。
【0087】
本実施の形態によれば、第5の実施の形態と同様の効果を奏する。しかも、可撓性のあるプッシュワイヤ144を用いてロータリーピック140を回転駆動するようにしたので、リードのピッチが狭い場合でも各リードを発音させる機構を容易に構成可能であり、狭いリードピッチにも対応が容易である。特にリード収容部146の小型化が図られている。
【0088】
なお、ヨーク131はソレノイドコイル132の外周に設けたが、これに限るものでなく、板状に形成してソレノイドコイル132の前側、後側に設けるようにしてもよい。また、ソレノイドコイル132の前側、後側のヨークをそれぞれ一体化し、第3の実施の形態のように、複数のソレノイドコイル132に共通のヨークとして構成してもよい。
【0089】
(第7、第8の実施の形態)
第7、第8の実施の形態では、第6の実施の形態とはリード収容部146の構成が異なるだけであり、アクチュエータ収容部130の構成は第6の実施の形態と同様である。ただし、第7の実施の形態では、アクチュエータCYL3による駆動方向が逆で、後述するワイヤ152は引張駆動される。
【0090】
まず、第7の実施の形態を説明する。図15(a)は、第7の実施の形態に係る演奏装置の要部を示す断面図であり、図14(a)に対応している。図15(a)は第7の実施の形態に係る演奏装置の初期状態、同図(b)はその動作途中の状態を示す。
【0091】
本装置では、リード155の先端部に近接してロータリーピック156が各リード155に対応して設けられる。ロータリーピック156は、第6の実施の形態におけるロータリーピック140と同様に構成され、ラチェット158により、実質的に図15(a)でいう反時計方向にのみ回転可能になっている。
【0092】
ワイヤガイドブロック136に相当するワイヤガイドブロック151を、プッシュワイヤ144に相当するワイヤ152が摺動可能に貫通し、ワイヤ152の先端部にピック軸153が固着されている。ピック軸153の先端部には、ピックレバー154が取り付けられている。ピックレバー154は、時計方向及び反時計方向に回動可能であるが、不図示のバネによって常に同図(a)の反時計方向に付勢されると共に、不図示のストッパによって、同図(a)に示す位置よりも反時計方向には回動しないようになっている。
【0093】
かかる構成において、ワイヤ152がF3方向(後方)に引張駆動されると、ピックレバー154がロータリーピック156の駆動爪156aを駆動し、駆動された駆動爪156aに対して回転方向でいう1つ手前にある駆動爪156aがリード155を弾く。なお、この他、ロータリーピック156とリード155との作用上の関係は、第1の実施の形態と同様である。
【0094】
そして、リード155が弾かれた後、駆動電流が遮断されると、ワイヤ152及びピック軸153がF2方向に戻ろうとする。その際、ピックレバー154がロータリーピック156に当接しているが、ラチェット158が働いているので、ピックレバー154が時計方向に少し回動してその姿勢を変えることで(同図(b))、初期位置に円滑に復帰する。
【0095】
第7の実施の形態によれば、第6の実施の形態と同様の効果を奏する。
【0096】
続いて第8の実施の形態を説明する。図15(c)は第8の実施の形態に係る演奏装置の要部を示す断面図である。
【0097】
本装置では、リード155の先端部に近接してロータリーピック156が各リード155に対応して設けられる。ロータリーピック156は、第6の実施の形態におけるロータリーピック140と同様に構成され、ラチェット159により、実質的に図15(c)でいう反時計方向にのみ回転可能になっている。ワイヤガイドブロック151、ワイヤ152は第7の実施の形態と同様に構成される。ワイヤ152の先端部にはピックレバー157が取り付けられている。
【0098】
ピックレバー157は、同図時計方向及び反時計方向に回動可能であるが、不図示のバネによって常に同図(c)の反時計方向に付勢されると共に、不図示のストッパによって、初期位置(ピックレバー157(P0)で示す位置)よりも反時計方向には回動しないようになっている。
【0099】
かかる構成において、ワイヤ152がF2方向(前方)に押圧駆動されると、ピックレバー157がロータリーピック156の駆動爪156aを駆動し、駆動された駆動爪156aに対して回転方向でいう1つ前方にある駆動爪156aがリード155を弾く。なお、この他、ロータリーピック156とリード155との作用上の関係は、第1の実施の形態と同様である。
【0100】
そして、リード155が弾かれた後、駆動電流が遮断されると、ワイヤ152がF3方向に戻ろうとする。その際、ピックレバー157がロータリーピック156に当接しているが、ラチェット159が働いているので、ピックレバー157が時計方向に少し回動してその姿勢を変えることで、初期位置に円滑に復帰する。
【0101】
第8の実施の形態によれば、第6の実施の形態と同様の効果を奏する。
【0102】
なお、本発明は、リードを弾いて発音する演奏装置であれば適用可能であり、装置の態様は、オルゴールに限定されない。
【0103】
なお、上記各実施の形態において、発音体としてリードを例示したが、これ限定されるものではなく、アコースティックな発音をするもの、すなわち、接触動作によって、機械的に励振されて発音する「弦」や「音板」のような延設発音体であれば本発明を適用可能である。例えば、金属製や木製等の板状発音体も含まれる。従って、本発明が適用される場合の「弾奏」には、「弾く」、「撥く」のほか、「打撃する」等、接触動作を介して励振させるための各種動作が含まれる。
【0104】
なお、上記演奏データは、ROM等から読み出されたものに限定されず、例えば、鍵盤やパッド等の入力操作部の操作によって発生したデータであってもよい。
【0105】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、各発音体を任意のタイミングで独立して発音させると共に、安定的かつ確実な発音動作により良好な発音を可能とし、さらに設計の自由度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態に係る演奏装置の制御機構の構成を示すブロック図である。
【図2】 同装置の要部を示す外観図である。
【図3】 同装置の要部を示す側面図(同図(a))及び正面図(同図(b))である。
【図4】 同装置の動作状態を示す図2(a)に対応する側面図である。
【図5】 第2の実施の形態に係る演奏装置の要部を示す側面図(同図(a))及び正面図(同図(b))である。
【図6】 第3の実施の形態に係る演奏装置の平面図である。
【図7】 本図(b)のF1矢視図(同図(a))、アクチュエータCYL1上部の平面図(同図(b))、及び図6のA−A線に沿う断面図(同図(c))である。
【図8】 アクチュエータCYL1の要部の動作の遷移を示す図である。
【図9】 第4の実施の形態に係る演奏装置の平面図である。
【図10】 同装置の側面図(同図(a))、要部を示す正面図(同図(b))、並びに、溝状段差部及びその近傍の部分拡大図(同図(c))である。
【図11】 第5の実施の形態に係る演奏装置の構成を示す部分平面図(同図(a))及び部分断面図(同図(b))である。
【図12】 第6の実施の形態に係る演奏装置の左側面図(同図(a))、及び平面図(同図(b))である。
【図13】 同装置の要部を示す外観図である。
【図14】 同装置の要部を示す断面図(同図(a))、及び同図(a)のEX1部の拡大図(同図(b))である。
【図15】 第7の実施の形態に係る演奏装置の要部を示す初期状態の断面図(同図(a))及び動作途中の状態の断面図(同図(b))、並びに第8の実施の形態に係る演奏装置の要部を示す断面図(同図(c))である。
【符号の説明】
11 CPU、 43、88 スイングアーム(往復部材)、 45 突き上げ部材(連結駆動部材)、 46 ロータリーピック(回転部材)、 46a 駆動爪(発音体駆動部)、 48、61、83 リード(発音体)、 53、115、142、159、158 ラチェット(逆転防止手段)、 70 プランジャ(往復部材)、 71a、88c 係合部、 75 カムスプリング(逆転防止手段の一部)、 76 カム部(逆転防止手段の一部)、 FLAT、CYL アクチュエータ

Claims (4)

  1. 発音可能な複数の発音体と
    前記複数の各発音体に対応して設けられた複数の回転部材と
    前記複数の各回転部材の外周部に設けられ、対応する発音体に接触する発音動作によって該発音体を発音させることが可能な発音体駆動部と
    前記複数の各回転部材に対応して設けられ、演奏データに基づいて往復運動し、その往行程において対応する回転部材の被駆動部に係合して該回転部材を所定方向に回転駆動する複数のアクチュエータと、
    前記複数の各回転部材に対応して設けられ、対応するアクチュエータの往復運動の復行程において、対応する回転部材が前記所定方向の反対方向に回転しないようにするための複数の逆転防止手段とを備えたことを特徴とする演奏装置。
  2. 前記逆転防止手段は、実質的に前記回転部材の前記所定方向への回転のみを許容するラチェット機構であり、前記複数の各アクチュエータは、往復運動する往復部材と、該往復部材に対して姿勢可変に連結された連結駆動部材とを備えると共に、前記連結駆動部材が前記回転部材の前記被駆動部に当接係合することで該回転部材を前記所定方向に回転させるように構成され、前記連結駆動部材は、前記逆転防止手段の作用により、前記往復部材の往復運動における復行程において、対応する回転部材を前記所定方向の反対方向に回転させることなく、次回の発音動作で回転駆動のために係合する被駆動部に対して当接することで往行程とは異なる姿勢をとって、次回の発音動作のための初期状態に復帰できるように構成されたことを特徴とする請求項記載の演奏装置。
  3. 前記逆転防止手段は、発音動作直後の前記回転部材を前記所定方向へのみ付勢するカム機構であり、前記複数の各アクチュエータは、往復運動する往復部材と、該往復部材に対して固定的に設けられた係合部とを備えると共に、前記係合部は、前記往復部材の往復運動における往行程においてのみ、前記回転部材の前記被駆動部に当接係合することで該回転部材を前記所定方向に回転させるように構成され、前記逆転防止手段による付勢と、前記係合部が次回の発音動作で回転駆動のために係合する被駆動部の前記往復部材に対する当接との協働によって、対応する回転部材の前記所定方向の反対方向への回転が規制されるように構成されたことを特徴とする請求項記載の演奏装置。
  4. 前記複数の各回転部材には、前記発音体駆動部が複数設けられ、前記複数の各アクチュエータは、対応する回転部材の複数の発音体駆動部のうち、今回の発音動作に用いられる発音体駆動部以外の発音体駆動部に係合して前記回転部材を回転駆動するように構成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の演奏装置。
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