JP2004271597A - 演奏装置 - Google Patents

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JP2004271597A
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Shigeru Muramatsu
繁 村松
Yasutoshi Kaneko
保敏 兼子
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Abstract

【課題】簡単な構成で、メカノイズを抑えつつ、広い用途において正確なタイミングで良好に発音させる。
【解決手段】スイングアーム43にロータリーピック46の駆動爪46a2が当接することで、ピック46の回転が規制され、歯車52は反時計方向に常時空回りしている。フラットコイル44に通電されると、スイングアーム43が上方に回動してピック46の回転規制が解除され、カムスプリング45により、カム部53を介して受けている回転力によってピック46が時計方向に瞬時に回転して駆動爪46a1が空隙CA1に嵌入し(安定状態)、歯車52の歯先52a1によって駆動爪46a1が駆動され、駆動爪46a4がリード48の先端部を弾いた後、駆動爪46a3がスイングアーム43の自由端部43aに速やかに当接して、初期状態へ復帰することで、1回の発音動作が完了する。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術の分野】
本発明は、電気信号に応じてリード等の発音体を発音させるオルゴール等の演奏装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、バレルドラムを用いることなく、演奏データ等に基づく電気信号に応じて、リード等の発音体を発音させるようにしたオルゴール型等の演奏装置が知られている。
【0003】
例えば、下記特許文献1の発音装置では、発音体としてのリードに対応して複数のハンマを設けると共に、ソレノイドコイルをターンテーブル上に設け、プログラム制御によって、ターンテーブルを回転させてソレノイドコイルの打撃体で複数のハンマの被打撃部を選択的に打撃することで、ハンマを介してリードを駆動するようにしている。
【0004】
しかし、この装置では、ソレノイドコイルの動きが速いためハンマの動きも速く、ソレノイドコイルの打撃体とハンマの被打撃部との間、またはハンマとリードとの間で当接により生じるメカノイズが大きく、発音も良好でないという欠点がある。また、ハンマを介してリードを駆動するので、構成が複雑である。
【0005】
一方、下記特許文献2のオルゴールの弾鍵装置は、複数の振動弁が爪車の複数の爪で弾鍵されるように、回転駆動源によって前記爪車が回転自在に複数配設された正回転する軸と、回転駆動源により常時反回転し、歯車が固着された軸とから構成されている。そして、コントローラー部からの1パルス信号で前記爪車の回転域を進退運動源により進退運動するプランジャで、前記プランジャの先端部と爪車の爪との係合により爪車を回転制御することにより前記歯車が爪車の爪を強制的に間欠駆動することで弾鍵するようにしている。これによれば、爪車は、被駆動時には、歯車に連動して回転し、比較的ゆっくりした速度で弾鍵されるので、メカノイズが抑制される。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−219170号公報
【特許文献2】
特開2001−236061号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献2では、爪車は、正回転する軸から自重で回転力を得て回転するようになっているため、爪車の回転速度は通常、歯車の回転速度によって規定され、ゆっくりであり、爪車の爪と歯車の歯先とが係合するまでの爪の空走時間が長い。そのため、爪車の爪と歯車の歯先とを正確に係合させるために、歯車の歯先ピッチ、及びパルス信号の間隔に十分な余裕を設ける必要があり、例えば、同一音高の連弾に適さない等、適用可能な曲乃至演奏態様が限定され、用途が狭い。
【0008】
また、爪車が自重に依存して回転するため、正回転する軸との滑りを生じる場合は、爪が所期の歯先に係合せず、発音タイミングが狂うおそれがある。
【0009】
なお、進退運動源として円筒状のソレノイドコイルを用いているので、装置の特に発音体の並び方向における小型化を図る上で改善の余地もある。
【0010】
本発明は上記従来技術の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、簡単な構成で、メカノイズを抑えつつ、広い用途において正確なタイミングで良好に発音させることができる演奏装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の請求項1の演奏装置は、発音可能な複数の発音体と、軸支された係合部材と、前記係合部材を一方向に常時回転させる回転手段と、それぞれ固定的に設けられた発音体駆動部、カム部及び被駆動部を有し、前記被駆動部が前記係合部材に係合可能なように回転自在に軸支された、前記複数の各発音体に対応する複数の回転部材と、少なくとも前記回転部材の被駆動部が前記係合部材に係合可能な所定安定状態時以外で前記回転部材のカム部と常時当接することで、前記所定安定状態となる回転方向に前記回転部材を付勢する押圧部材と、前記複数の各回転部材に対応して設けられ、電気信号に応じて移動動作し、対応する回転部材の回転の規制及び規制の解除を行う複数の移動部材とを有し、前記回転部材が前記所定安定状態になったとき、前記回転部材の被駆動部が前記係合部材と係合し、該係合部材によって前記被駆動部が駆動されることで前記回転部材が前記係合部材に連動して回転し、該回転部材の発音体駆動部が対応する発音体に接触する発音動作によって該発音体を発音させるように構成されたことを特徴とする。
【0012】
この構成によれば、電気信号に応じて移動部材が移動動作し、回転部材の回転の規制が解除されると、押圧部材によりカム部を介して回転部材が所定安定状態となる回転方向に付勢されて回転する。回転部材は、押圧部材により付勢されるので、回転の規制が解除されたとき、瞬時に所定安定状態となる。被駆動部が係合部材に係合するまでの空走時間が短いため、被駆動部と係合部とが正確に係合する。また、その後、回転部材の被駆動部が、一方向に常時回転している係合部材と係合し、該係合部材によって前記被駆動部が駆動されることで前記回転部材が前記係合部材に連動して回転し、該回転部材の発音体駆動部が対応する発音体に接触する発音動作を行うことで、該発音体が発音する。回転部材は、係合部材に連動する速度で回転するので、速すぎず、発音体の発音動作が良好となり、メカノイズが少なく、澄んだ音が得られる。よって、簡単な構成で、メカノイズを抑えつつ、広い用途において正確なタイミングで良好に発音させることができる。
【0013】
一例として、前記係合部材は、前記回転部材の被駆動部と係合可能な複数の歯先を有する歯車として構成される。あるいは、前記係合部材は、弾性体を有して構成され、前記回転部材の被駆動部を弾性保持することで前記被駆動部を駆動するように構成される。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0015】
図1は、本発明の一実施の形態に係る演奏装置の制御機構の構成を示すブロック図である。
【0016】
本装置は、CPU11に、バス15を通じて、ROM12、メモリ13、MIDIインターフェイス(MIDII/F)14及びドライバ(PWM)17が接続されて構成される。CPU11は、本装置全体の制御を司る。ROM12は、不図示のプログラムROM、データROM及びワーキングROMで構成され、CPU11が実行する制御プログラムや各種データ等を記憶する。MIDII/F14は、不図示のMIDI機器等からの演奏データをMIDI(Musical Instrument Digital Interface)信号として入力する。メモリ13はRAM等で構成され、演奏データを記憶するほか、MIDII/F14から入力された演奏データも記憶することができる。ドライバ17は、後述するアクチュエータFLATを駆動制御する。
【0017】
図2は、本実施の形態に係る演奏装置の断面図である。本装置はオルゴール装置として構成される。なお、以降、同図左方を本装置の後方と呼称する。
【0018】
台座20の後部20aには、基端部47が固定され、基端部47から発音音高の異なる複数本の発音体であるリード48が櫛歯状に延設される。図示はしないが、各リード48は音高に応じてその長さや幅が異なり、自由端部の位置は同じになっている。
【0019】
また、リード48の先端部に近接してロータリーピック46が各リード48に対応して配設される。各ロータリーピック46は、同一の支軸40に回転自在に軸支されており、支軸40を中心として各々独立して滑らかに回転することができる。また、台座20の中部20bには、板バネで構成されるカムスプリング45がロータリーピック46に対応して固定されている。
【0020】
ロータリーピック46は金属等で構成され、その外周部には、複数(例えば4つ)の駆動爪46a(46a1〜46a4)が一体に形成される。ロータリーピック46には、四角形のカム部53が両面に固定的に設けられると共に、カムスプリング45が近接している。カム部53は4つのほぼ平坦なカム面53a(53a1〜53a4、図4参照)を有する。
【0021】
カムスプリング45は金属等の板状弾性部材で構成され、例えば、各ロータリーピック46に個別に対応してコ字状に形成される。あるいは、カムスプリング45は、複数のロータリーピック46に対して1つの部材が対応するように櫛歯状に形成されてもよい。カムスプリング45は、その自由端部がロータリーピック46を挟むようにして、カム部53に常に当接し、カム部53を付勢している(図3も参照)。なお、カム部53の4隅は略弧状に処理されている。なお、カムスプリング45でなくても、カム部53を付勢できるものであればよく、上記のような形状等に限定されるものではない。
【0022】
カム部53及びカムスプリング45によって、カム機構が構成され、カムスプリング45とカム部53のいずれかのカム面53aとが略平行になったとき、ロータリーピック46は、安定状態(所定の安定状態)となり、それ以外の時には、ロータリーピック46は、カムスプリング45とカム面53aとの関係によって、いずれかの回転方向に回転力を受ける。
【0023】
ロータリーピック46の前方には、アクチュエータFLATが配設される。本装置は、後述するように、アクチュエータFLATを電気的に駆動して、ロータリーピック46の回転の規制及び規制解除を行うことで、ロータリーピック46がリード48を個々に弾く(乃至撥く)ように駆動して発音させる(以下、「弾奏」と表現する)ように構成される。
【0024】
ロータリーピック46の下方には、各ロータリーピック46に対応して歯車52が設けられている。各歯車52は、台座20の凹部20cにおいて、回転軸50に軸支されている。回転軸50は、モータ51によって回転駆動され、いずれの歯車52も回転軸50と共に図2の反時計方向に常時回転する。
【0025】
歯車52は、硬質ゴム等の弾性を有する材料で構成され、外周部近傍に複数(例えば8個)の歯先52aが一体に形成されている。全歯車52間で、歯先52aの回転方向の位置は揃っている。隣接する歯先52a間には、ロータリーピック46の駆動爪46aが遊嵌可能な大きさの空隙CA(CA1〜CA8)が形成される。後述するように、歯先52aは、回転方向前方の空隙CAに嵌入したロータリーピック46の駆動爪46aと係合し、該駆動爪46aを駆動することで、ロータリーピック46に同図時計方向への回転力を与える。この力によって、ロータリーピック46の他の駆動爪46aがリード48を発音させる。
【0026】
台座20の後部20dには、アクチュエータ取付板21が固定され、アクチュエータFLATは、このアクチュエータ取付板21に取り付けられている。
【0027】
図3は、アクチュエータFLATを図2に示すF1方向からみた部分図である。同図では、同じものが複数存在する構成要素についてはそれらの一部が示されている。また、アクチュエータ取付板21の図示は省略されている。
【0028】
アクチュエータFLATは、マグネット41、ヨーク42、スイングアーム43及びフラットコイル44等で構成される。また、スイングアーム43を駆動する力を発生させるための磁場形成手段は、ネオジ系等の希土類磁石であるマグネット41とヨーク42とで構成される。
【0029】
図2に示すように、スイングアーム43は、回動軸49を中心として自由端部43aが上下方向に回動自在に構成される。スイングアーム43の回動軸49近傍において、アクチュエータ取付板21には、スイングアームスプリング54が設けられ、スプリング54はスイングアーム43を同図反時計方向に常に付勢している。同図ではスイングアーム43の初期状態が示され、初期状態では、スイングアーム43は、スプリング54による付勢力により下限ストッパ23に当接している。上限ストッパ25は、スイングアーム43の回動の終了位置を規定する。
【0030】
また、マグネット41は、アクチュエータ取付板21の天井部21aの下面に、リード48に対応してリード48の並び方向に沿って配列固定される(図3参照)。ヨーク42は、マグネット41間に配設され、従って、マグネット41とヨーク42とが交互に配列されている。ヨーク42は、隣接するマグネット41間にその上端部42aが挟着されると共に、その下端部42bが下方に延出し、これにより、マグネット41の下方であって隣接するヨーク42の下端部42b同士の間に磁場が形成される。
【0031】
フラットコイル44は板状に形成され、各スイングアーム43に取り付けられる。フラットコイル44は、上下方向及びリード48の長手方向の双方に対して略平行に設けられる。フラットコイル44は、ヨーク42の下端部42b間に形成された磁場に介在し、フラットコイル44に通電したとき、フレミングの左手の法則により、対応するスイングアーム43が上方に回動するようになっている。なお、各フラットコイル44への通電を解除すると、対応するスイングアーム43はスイングアームスプリング54により元の初期位置に復帰する。
【0032】
かかる構成において、演奏時の動作を説明する。図4は、本装置の主要部を示す動作説明図である。
【0033】
CPU11は、MIDII/F14から入力する等によってメモリ13に記憶されている演奏データに基づいて、その音高信号に対応したフラットコイル44に対して駆動電流を送るよう制御する。
【0034】
演奏時には、歯車52が図2の反時計方向に常時回転している。また、フラットコイル44が通電されていない初期状態では、図2に示すように、カムスプリング45が少し下方に撓んで、その自由端部がロータリーピック46のカム部53に当接し、ロータリーピック46を同図時計方向に付勢している。しかし、初期状態では、スイングアーム43が下限位置にあるため、スイングアーム43の自由端部43aの当接部43aaにロータリーピック46の1つの駆動爪46a(例えば46a2)が当接し、これによって、ロータリーピック46の回転が規制された状態で維持される。この状態では、いずれの駆動爪46aも歯車52とは接触せず、歯車52は空回りしている。
【0035】
演奏データに基づきフラットコイル44に通電されると、そのフラットコイル44は、形成されている磁場によって、フレミングの左手の法則に従って、上方に付勢力を受ける。これにより、図4(a)に示すように、対応するスイングアーム43が上方に回動すると、スイングアーム43の自由端部43aがロータリーピック46の駆動爪46a(46a2)と離間するので、ロータリーピック46の回転規制が解除される。すると、カムスプリング45により、カム部53を介して受けている回転力によってロータリーピック46が同図時計方向に瞬時に回転し、カム部53のカム面53a1とカムスプリング45とが略平行に接する安定状態になる。このとき、空隙CA1にロータリーピック46の駆動爪46a(46a1)が嵌入し、歯車52の歯先52a(52a1)と係合するまでの短い時間、ロータリーピック46はその安定状態を維持する。
【0036】
そして、図4(b)に示すように、歯車52が回転して歯先52a(52a1)が駆動爪46a(46a1)と当接係合すると、歯先52a(52a1)によって駆動爪46a(46a1)が駆動され、ロータリーピック46が同図時計方向に回転する。すると、ロータリーピック46の駆動爪46a(46a4)がリード48の先端部を弾くことで、リード48が発音する。このとき、カムスプリング45の付勢力によりロータリーピック46に与えられる回転力の方向が、一時的に反時計方向となるが、リード48の発音後は再び時計方向となる。しかも、フラットコイル44への通電は一瞬であり、通電遮断によりスイングアーム43は初期位置に復帰している。従って、発音動作後は、駆動爪46a(46a3)がスイングアーム43の自由端部43aに速やかに当接する。これにより、再び図2に示す初期状態へ復帰する。このようにして、1回の発音動作が完了する。
【0037】
本実施の形態によれば、演奏データに基づいて、スイングアーム43が上下移動することで、ロータリーピック46の回転の規制及びその解除を行うようにし、ロータリーピック46は、歯車52と係合すると、歯車52に連動する速度で回転してリード48を発音させるので、ソレノイドに直結したピックで弾奏する場合に比し、駆動爪46aの弾奏速度が速すぎず、リード48の発音動作が良好となり、メカノイズが少なく、澄んだ音が得られる。また、カムスプリング45を設けたことで、ロータリーピック46は、回転規制の解除後、瞬時に安定状態になり、駆動爪46aが空隙CA内に速やかに嵌入するだけでなく、発音動作後には、スイングアーム43に近接している駆動爪46aがスイングアーム43に瞬時に当接し、ロータリーピック46が回転規制状態に速やかに復帰する。すなわち、回転規制状態から歯車52に係合するまで、及び発音動作後、回転規制状態に復帰するまでの駆動爪46aの空走時間が短くて済むため、歯車52の歯先ピッチ、及び演奏データのオンイベント間隔に十分な余裕を設けなくても、ロータリーピック46の駆動爪46aを歯車52の所期の歯先52aに正確に係合させることが容易である。従って、例えば、同一音高の連弾にも適し、適用可能な曲乃至演奏態様が限定されず、用途が広い。さらに、ロータリーピック46に4つ設けた駆動爪46aが、スイングアーム43と当接してロータリーピック46の回転を規制する機能、被駆動部として歯車52と係合して駆動力を伝達する機能、及び発音体駆動部としてリード48を弾奏する機能を兼ねるように構成したので、構成が簡単である。よって、簡単な構成で、メカノイズを抑えつつ、広い用途において正確なタイミングで良好に発音させることができる。
【0038】
本実施の形態によればまた、上記磁場形成手段により形成される磁場に板状のフラットコイル44を介在させ、該フラットコイル44に通電することで、対応するスイングアーム43が往復移動するように構成したので、スイングアーム43が無接触で往復移動可能であることから、耐久性が高い。また、フラットコイル44が薄型で、しかもスイングアーム43の移動方向(上下方向)及びリード48の長手方向の双方に対して略平行に設けられたので、狭いリードピッチに容易に対応でき、リードの並び方向においても省スペース化を図ることができる。
【0039】
なお、歯車52は、歯先52aを有して構成されるので、耐久性が高く、歯先52aの数と歯車52の回転速度とに応じた分解能で連打を含む演奏が容易である。従って、本装置に用いる演奏データとしては、上記分解能で処理可能な音符配列のデータを用いるか、あるいは、回転速度の適当な設定、及び再計算によって、上記分解能で処理可能なようにデータを再生成して用いるようにしてもよい。
【0040】
なお、本実施の形態では、磁場形成手段を、固定側であるアクチュエータ取付板21の天井部21aに設け、フラットコイル44を可動側である各スイングアーム43に設けたが、配置をこれとは逆にしてもよい。すなわち、スイングアーム43に設けた1組のマグネット(及びヨーク)間に、天井部21aに設けた複数の各フラットコイルが介在するように構成してもよい。
【0041】
なお、本実施の形態では、1つのスイングアーム43に対応してフラットコイルが介在する1つの磁場を形成した。すなわち、1つのマグネット41に隣接する2つのヨーク42の下端部42b間に磁場がそれぞれ形成されるようにした。しかし、これに限るものでなく、複数のスイングアーム43に対応して1つの強力な磁場を形成し、その磁場内に複数のフラットコイルが介在するようにしてもよい。
【0042】
なお、歯車52は、各ロータリーピック46に対応する歯先に相当する機能部分を有していれば、ロータリーピック46毎に設けなくてもよく、例えば、全ロータリーピック46に共通の一体物として構成してもよい。
【0043】
なお、本実施の形態では、歯車52に代えて、次に示すような種々の変形例を採用可能である。
【0044】
図5は、ロータリーピック46を駆動するための機構の変形例を示す図である。図(a)は第1の変形例、同図(b)は同図(a)のA−A線に沿う断面図、同図(c)は第2の変形例を示す。
【0045】
例えば、同図(a)、(b)に示すように、モータ51によって回転駆動される金属製等の軸100に、滑りにくいゴム等の弾性部材で構成されたリング状部材152とリング状部材152より小径の金属製等のリング状スペーサ101とを交互に挿通配列する。リング状部材152は、ロータリーピック46の数より1だけ多い数が等間隔で並び、隣接するリング状部材152間に1つのロータリーピック46が位置するように配設される。隣接するリング状部材152の間隔は、ロータリーピック46の駆動爪46aの幅より狭く設定される。
【0046】
そして、演奏データに基づきスイングアーム43が上方に回動してロータリーピック46の回転規制が解除されると、ロータリーピック46が図5(a)の時計方向に瞬時に回転する。すると、ロータリーピック46の駆動爪46aが対応するリング状部材152間に瞬時に挟まれる。そして、両リング状部材152間に駆動爪46aが挟持されることで、両リング状部材152から駆動力を受け、ロータリーピック46が時計方向に回転する。その後の動作は、上記歯車52の場合と同様であり、回転方向において先行する駆動爪46aによってリード48が弾奏される。
【0047】
また、同図(c)に示すように、ゴムや発泡プラスチック等の弾性部材で、モータ51によって回転駆動される円筒状のローラ252を構成し、ロータリーピック46の回転規制が解除され、ロータリーピック46の駆動爪46aと係合したとき、ローラ252表面(外周部)が凹むように構成してもよい。ローラ252が凹むことで、駆動爪46aに回動力が伝わり、ロータリーピック46が時計方向に回転する。その後の動作は、上記歯車52の場合と同様であり、回転方向において先行する駆動爪46aによってリード48が弾奏される。
【0048】
このように、第1、第2の変形例を採用する場合は、耐久性の観点からは歯車52より劣るが、簡単な構成で、メカノイズを抑えつつ、広い用途において正確なタイミングで良好に発音させることに関し、歯車52の場合と同様の効果を奏することができる。それだけでなく、発音タイミングが、歯車52の歯先52aピッチに依存せず、演奏データに忠実な任意のタイミングで発音させることが可能であるので、歯車52を採用する場合に比し、適用される曲の範囲をさらに広げることができる。なお、駆動爪46aを弾性保持して駆動力を与える構成であれば、採用可能な構成は、これら変形例に限定されない。
【0049】
なお、本実施の形態では、ロータリーピック46を歯車52と係合する位置に付勢するために、カム部53及び板バネであるカムスプリング45を用いた構成を採用したが、これに限定されるものではない。例えば、板バネの代わりにコイルばねでカム部53のカム面53aを押圧する構成でもよい。あるいは、支軸40に代えて、円形ではなく駆動爪46aの数に合わせた多角形に形成した軸を採用すると共に、ロータリーピック46の内周に、ゴム等の弾性部材で上記多角形の軸よりやや大きめで相似形の多角形の穴を設け、この多角形の穴に上記多角形の軸を貫通させる。そして、多角形の穴と軸とが嵌合的な位置関係になったとき、ロータリーピック46が安定状態となるようにし、それ以外のときには、ロータリーピック46が、上記多角形の軸から、安定状態となる回転方向に回転力を受けるように構成してもよい。
【0050】
なお、本実施の形態では、ロータリーピック46の回転規制及び解除のための機構を、フラットコイル44とスイングアーム43とで構成したが、この構成に限定されるものでなく、例えば、ソレノイドでプランジャを駆動して、回転規制及び解除を行うように構成してもよい。
【0051】
なお、本実施の形態では、カム部53及びカムスプリング45とフラットコイル44及びスイングアーム43とで、ロータリーピック46と歯車52とが係合する状態と係合しない状態とを選択的に取るように構成したが、これに限るものでない。例えば、各ロータリーピック46にロータリーエンコーダと超音波モータとを設け、ロータリーピック46の回転位置を対応するロータリーエンコーダで検出し、スイングアーム43を駆動する信号とロータリーピック46の回転位置とに応じて、個々のロータリーピック46を、対応する超音波モータで回転させることで、ロータリーピック46と歯車52とが係合する状態と係合しない状態とを選択的に取るように構成してもよい。
【0052】
なお、本実施の形態において、カムスプリング45とカム部53のカム面53aとが略平行になる安定状態時においては、カムスプリング45はカム部53に必ずしも当接していなくてもよい。
【0053】
なお、本発明は、発音体を弾いて発音する演奏装置であれば適用可能であり、装置の態様は、オルゴールに限定されない。
【0054】
なお、発音体としてリードを例示したが、これ限定されるものではなく、アコースティックな発音をするもの、すなわち、接触等で作用して、機械的に励振されて発音する「弦」や「音板」のような延設発音体であれば本発明を適用可能である。例えば、金属製や木製等の板状発音体も含まれる。従って、本発明が適用される場合の「弾奏」には、「弾く」、「撥く」のほか、「打撃する」等、接触動作を介して励振させるための各種動作が含まれる。
【0055】
なお、上記演奏データは、ROM等から読み出されたものに限定されず、例えば、鍵盤やパッド等の入力操作部の操作によって発生したデータであってもよい。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、簡単な構成で、メカノイズを抑えつつ、広い用途において正確なタイミングで良好に発音させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る演奏装置の制御機構の構成を示すブロック図である。
【図2】本実施の形態に係る演奏装置の断面図である。
【図3】アクチュエータを図2に示すF1方向からみた部分図である。
【図4】本装置の主要部を示す動作説明図である。
【図5】ロータリーピックを駆動するための機構の変形例を示す図である。
【符号の説明】
11 CPU、 41 マグネット(磁場形成手段の一部)、 42 ヨーク(磁場形成手段の一部)、 44 フラットコイル、 43 スイングアーム(移動部材)、 45 カムスプリング(押圧部材)、 46 ロータリーピック、 46a 駆動爪(発音体駆動部、被駆動部)、 48 リード(発音体)、51 モータ(回転手段)、 52 歯車(係合部材)、 52a 歯先、 53 カム部、 FLAT アクチュエータ

Claims (2)

  1. 発音可能な複数の発音体(48)と、
    軸支された係合部材(52)と、
    前記係合部材を一方向に常時回転させる回転手段(51)と、
    それぞれ固定的に設けられた発音体駆動部(46a)、カム部(53)及び被駆動部(46a)を有し、前記被駆動部が前記係合部材に係合可能なように回転自在に軸支された、前記複数の各発音体に対応する複数の回転部材(46)と、少なくとも前記回転部材の被駆動部が前記係合部材に係合可能な所定安定状態時以外で前記回転部材のカム部と常時当接することで、前記所定安定状態となる回転方向に前記回転部材を付勢する押圧部材(45)と、
    前記複数の各回転部材に対応して設けられ、電気信号に応じて移動動作し、対応する回転部材の回転の規制及び規制の解除を行う複数の移動部材(43)とを有し、
    前記回転部材が前記所定安定状態になったとき、前記回転部材の被駆動部が前記係合部材と係合し、該係合部材によって前記被駆動部が駆動されることで前記回転部材が前記係合部材に連動して回転し、該回転部材の発音体駆動部が対応する発音体に接触する発音動作によって該発音体を発音させるように構成されたことを特徴とする演奏装置。
  2. 前記複数の各移動部材または装置本体のいずれか一方に固定的に設けられ、磁場を形成し得る少なくとも1つの磁場形成手段と、前記複数の各移動部材に対応して前記各移動部材または前記装置本体の他方に固定的に設けられ、前記移動部材の移動方向及び前記発音体の長手方向の双方に対して略平行に設けられた板状の複数のフラットコイルとを有し、前記磁場形成手段により形成される磁場に前記フラットコイルを介在させ、該フラットコイルに通電することで、対応する移動部材が往復移動するように構成されたことを特徴とする請求項1記載の演奏装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011128348A (ja) * 2009-12-17 2011-06-30 Sric Corp オルゴール装置

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