JP2018072706A - 鍵盤楽器 - Google Patents

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賢一 西田
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【課題】発音ユニットのサイズの自由度を高める。【解決手段】発音ユニット10におけるリード12の配設ピッチP2は、鍵盤KBにおける鍵Kの配設ピッチP1と異なり、配設ピッチP2は配設ピッチP1より狭い。そして、鍵Kとリード12との間に駆動機構部Mが介在し、駆動機構部Mは、鍵Kへの押下力によって対応するリード12を駆動して発音させる連動部材25を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、鍵に対応して設けられるリード等の発音体を発音させる鍵盤楽器に関する。
従来、演奏データ等に基づく電気信号に応じて、リード等の発音体を発音させるようにしたオルゴール型等の演奏装置が知られている。例えば、下記特許文献1の発音装置では、発音体としてのリードに対応して複数のハンマを設けると共に、ソレノイドコイルをターンテーブル上に設け、プログラム制御によって、ターンテーブルを回転させてソレノイドコイルの打撃体で複数のハンマの被打撃部を選択的に打撃することで、ハンマを介してリードを駆動するようにしている。また、オルゴール装置のリードを鍵盤の鍵の操作によって発音させる試みもなされている(下記非特許文献1)。非特許文献1では、スターホイールをモータで回転させ、鍵操作でリードを発音させる構造を開示している。
特開平11−219170号公報
"長島研究所-オルゴールと自動楽器"、[online]、オルゴール〔平成28年10月3日検索〕、インターネット<URL:http://www.nagashima-lab.com/?page_id=192>
鍵の操作によってリードを発音させる鍵盤楽器を考える場合、リードのピッチを鍵に合わせて特注すると、特別な工程が必要となったり、製造時の歩留まりが低くなったりしてコスト面で現実的でない。そのため、発音ユニットとして採用できるオルゴールの選択の自由度は高くない。なお、上記非特許文献1のように、リードを駆動するために、鍵からリードまでの間に電気的な動作をする構成を介在させると、電源、モータ、アクチュエータ、コントローラ等の補器類も必要となり、楽器が大型化するという不利がある。
本発明は上記従来技術の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、発音ユニットのサイズの自由度を高めることができる鍵盤楽器を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明の請求項1の鍵盤楽器は、複数の鍵と、基部(11)、及び、前記複数の各鍵に対応して前記基部から延設され発音可能な複数の発音体(12)を有し、前記複数の発音体の配設ピッチが前記複数の鍵の配設ピッチとは異なる発音ユニット(10)と、前記複数の各発音体に対応して設けられ、前記鍵への押下力によって対応する発音体を駆動して発音させる発音体駆動部(25、32)を有し、前記複数の各鍵の本体部(Ka)と該各鍵に対応する発音体との間に介在する駆動機構部(M)と、を有することを特徴とする。なお、上記括弧内の符号は例示である。
本発明の請求項1によれば、発音ユニットのサイズの自由度を高めることができる。
請求項2によれば、発音体のピッチの狭い発音ユニットの採用が容易になる。請求項3によれば、設計の自由度を高めることができる。請求項4によれば、逆回転をより確実に防止してより確実且つ適切な発音を行える。請求項5によれば、入手容易な発音ユニットを利用することができる。
一実施の形態に係る鍵盤楽器の要部の平面図である。 鍵盤楽器の要部の側面図(図(a))、駆動機構部の平面図(図(b)、(c))である。 第1の変形例におけるリードの先端付近の模式的な側面図である。 第2の変形例における駆動機構部び発音ユニットの模式的な側面図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る鍵盤楽器の要部の平面図である。この鍵盤楽器は、複数の鍵Kとして白鍵WK及び黒鍵BKを含む鍵盤KBを有する。この鍵盤楽器は、鍵Kに対応して設けられる発音体であるリード12を鍵Kの操作によって振動させて発音させるように構成される。鍵Kの並び方向を左右方向とし、鍵Kの長手方向を前後方向とする。鍵盤KBは、複数の鍵K(例えば、1オクターブ分)が一体となった鍵ユニットを複数有し、図1では2つの鍵ユニット(2オクターブ分)を図示する。また、鍵盤楽器は、発音ユニット10を複数有する。本実施の形態では、発音ユニット10は、例えば2オクターブを単位として構成される。なお、鍵盤KBの音域は例示の例に限定されない。また、発音ユニット10も2オクターブを単位することに限定されず、発音ユニット10の数も複数であってもよい。
図2(a)は、鍵盤楽器の要部の側面図である。複数の鍵ユニットの構成は同様であるので、1つの鍵ユニットについて説明する。図1、図2(a)に示すように、鍵ユニットは1つの共通基端部20を有する。共通基端部20は楽器本体に固定的な部分、例えば下ケース(不図示)に支持される。鍵Kの各々は、薄肉のヒンジ部21を有し、ヒンジ部21が共通基端部20に接続されている。非操作状態では、ヒンジ部21が撓まない状態であり、鍵Kの各々は非押鍵位置にある。ヒンジ部21が弾性によって撓むことで鍵Kは共通基端部20に対して回動(揺動)自在となっている。さらに、各鍵Kの押鍵方向の変位終了位置を規制するストッパ(図示せず)が下ケースに設けられている。押鍵操作されると各鍵Kの前端部が下方に揺動し、離鍵操作されると前端部が上方に揺動して非押鍵位置へ復帰する。
発音ユニット10は基部11を有し、基部11からは、発音音高の異なる複数本のリード12が櫛歯状に延設されている。基部11は、下ケースに固定される。発音ユニット10は、基部11及び複数本のリード12を含んで金属等で一体に形成される。各リード12は音高に応じてその長さや幅が異なり、前後方向における自由端部の位置はほぼ同じになっている。
図1に示すように、鍵盤KBにおける鍵Kの配設ピッチはP1である。発音ユニット10におけるリード12の配設ピッチはP2である。リード12の配設ピッチP2の方が鍵Kの配設ピッチP1より狭い。ここで、リード12についての配設ピッチは、リード12の幅方向(左右方向)中央位置同士の距離で定義される。一方、鍵Kについての配設ピッチは、鍵Kの長手方向(前後方向)の黒鍵BKの配設範囲における鍵Kの幅方向中央位置同士の距離で定義される。リード12の配設ピッチが均等でない場合、配設ピッチを平均ピッチで定義してもよい。
各鍵Kの本体部Kaと、対応するリード12との間には、鍵Kへの押下力によって対応するリード12を駆動して発音させるための駆動機構部Mが介在する(図2(a))。駆動機構部Mは、電気的でなくリンク機構等のメカニカルな機構である。この駆動機構部Mについて、図2(b)、(c)を加えて説明する。
図2(b)、(c)はいずれも、駆動機構部Mの平面図である。図2(b)、(c)では、代表して2つの異なる音高に関する駆動機構部Mを示している。各鍵Kの下方には、対応するリード12を弾くための連動部材25を有する駆動機構部Mが配置される。各鍵Kに対応する連動部材25の基本構成は共通であるが、音高によって主に平面視の形状が異なる。連動部材25は、回動軸24から後方へ真っ直ぐに伸びるが、それより後方の部分は対応するリード12へ向かうように屈曲している。連動部材25の屈曲部からの傾斜角度によって、連動部材25の先端位置をリード12の配設ピッチP2と合わせることができるので、リード12の配設ピッチP2の自由度が高い。従って、発音ユニット10としては市販のものを利用可能である。
各連動部材25は、回動軸24を中心に回動自在に配設される。回動軸24は下ケースに支持される。鍵Kの本体部Kaからは垂下部23が垂下形成され、垂下部23に連動部材25の前端部が係合しており、連動部材25は鍵Kと連動して回動する。鍵Kが押下操作されると、対応する連動部材25の先端が上昇し、対応するリード12を駆動する。これによりリード12が振動して発音する。
本実施の形態によれば、リード12の配設ピッチP2が鍵Kの配設ピッチP1と異なる。そして、鍵Kの本体部Kaとリード12との間に駆動機構部Mが介在し、駆動機構部Mは、鍵Kへの押下力によって対応するリード12を駆動して発音させる連動部材25を有する。これにより、リード12の配設ピッチの制約が少なくなるため、採用する発音ユニット10のサイズの自由度を高めることができる。また、電気的な動作をする構成を設けなくてよいので、電源、モータ、アクチュエータ、コントローラ等の補器類も不要となり、楽器の大型化を回避することができる。特に、配設ピッチP1よりも配設ピッチP2の方が狭いので、発音ユニット10として、市販のオルゴール等の入手容易なものを利用することができる。
なお、発音ユニット10のサイズの自由度を高めるという観点に限れば、リード12の配設ピッチP2が鍵Kの配設ピッチP1と異なればよく、配設ピッチP2が配設ピッチP1より広くてもよい。
図3、図4で変形例を説明する。図3は、第1の変形例の鍵盤楽器におけるリード12の先端付近の模式的な側面図である。図1に示した例では、リード12を駆動する発音体駆動部として、鍵Kと連動する連動部材25を示した。しかし、発音体駆動部は、リード12に対応して設けられ、鍵Kへの押下力によって対応するリード12を駆動して発音させる構成であればよい。第1の変形例では、駆動機構部Mとして、図1の構成に対して鍵Kごとのロータリーピック30が加わる。その他の構成は図1で説明したのと同様である。
リード12の先端部に近接して回転体であるロータリーピック30が各リード12に対応して配設される。各ロータリーピック30は、共通の回転軸33の周りに回転可能に軸支されており、回転軸33を中心として各々独立して滑らかに回転することができる。台座18には、板バネで構成されるスプリング19の下端部がロータリーピック30に対応して固定されている。回転軸33及び台座18は下ケース(不図示)に支持される。
ロータリーピック30は金属製の薄板で側面視略円形状に構成され、その外周部には、複数(例えば4つ)の突起部32が一体に形成される。ロータリーピック30には、側面視形状が矩形(四角形)のカム部31が左右両側に固定的に設けられると共に、カム部31の外面にスプリング19の自由端部が圧接している。スプリング19は金属等の板状弾性部材で構成される。なお、カム部31を付勢できるものであればよく、スプリング19に限定されるものではない。カム部31とスプリング19との係合による逆回転防止の機能は、特開2003−280659号公報等に開示されているのと同様である。ロータリーピック30は、実質的に一方向(図3でいう時計方向)にのみ回転する。
通常の押鍵操作によって、ロータリーピック30は、図3の時計方向に回転する。突起部32は、連動部材25から駆動力を受ける被駆動部としての機能と、リード12を駆動する発音体駆動部としての機能とを併せ持つ。連動部材25は、突起部32を駆動してロータリーピック30を回転させる回転体駆動部としての機能を果たす。突起部32の、回転方向後ろ側のほぼ平坦な面が、連動部材25によって駆動される被駆動部としての機能を果たす。突起部32の、回転方向前側の側面視略弧状の面が、リード12を直接弾く発音体駆動部としての機能を果たす。押鍵行程において、連動部材25が突起部32の1つと係合し、係合した突起部32を駆動する。するとロータリーピック30が時計方向に回転していく。その際、係合した突起部32とは対称位置にある突起部32(別の突起部)がリード12の先端部を弾く。押鍵終了状態から離鍵操作すると、連動部材25は非押鍵位置に対応する初期位置へ復帰する。
この第1の変形例によれば、ロータリーピック30が薄板形状であることからリード12の配設ピッチP2の狭い発音ユニット10の採用が容易になる。また、カム部31とスプリング19とが、ロータリーピック30を、駆動による回転方向とは反対方向に回転しないようにするための逆転防止手段として機能するので、確実且つ適切な発音を行える。
図4は、第2の変形例の鍵盤楽器における駆動機構部M及び発音ユニット10の模式的な側面図である。この第2の変形例は、第1の変形例(図3)に対し、ロータリーピック30を回転駆動する回転体駆動部として、連動部材25に代えてフレキシブルワイヤ35を設ける。この第2の変形例では、駆動機構部Mにおいて、管体34が、鍵Kの垂下部23の近傍からロータリーピック30の近傍まで配設されている。管体34の位置や姿勢は固定されている。管体34内に、撓むことができるフレキシブルワイヤ35が挿通して延設されている。フレキシブルワイヤ35の一端は垂下部23に押圧されるように配置され、フレキシブルワイヤ35の他端である先端35aは、ロータリーピック30の突起部32を駆動できる位置に配置される。
鍵Kの移動に伴って、フレキシブルワイヤ35は管体34内を摺動し、すなわち延設方向に変位する。鍵Kが押下操作されると、その押下力によって対応するフレキシブルワイヤ35が変位し、フレキシブルワイヤ35の先端35aが突起部32を駆動してロータリーピック30を回転させる。別の突起部32によりリード12の先端部を弾く動作については図3の例と同様である。この第2の変形例によれば、管体34及びフレキシブルワイヤ35を所望の配設経路で実装でき、フレキシブルワイヤ35の先端35aの位置も自由に設定できるので、設計の自由度を高めることができる。
なお、駆動機構部Mとしては、例示した構成に限定されず、油圧、気圧等を用いた構成であってもよい。また、駆動機構部Mに含まれる発音体駆動部は、連動部材25やフレキシブルワイヤ35のように鍵Kと連動する部材に限定されず、鍵K自身の部位であってもよい。
なお、発音体としてリードを例示したが、これに限定されるものではなく、アコースティックな発音をするもの、例えば金属製や木製等の板状発音体も発音体に含まれる。
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。
10 発音ユニット、 11 基部、 12 リード(発音体)、 25 連動部材(発音体駆動部、回転体駆動部)、 30 ロータリーピック(回転体)、 32 突起部(発音体駆動部)、 33 回転軸、 35 フレキシブルワイヤ、 35a 先端、 KB 鍵盤、 K 鍵、 Ka 本体部、 M 駆動機構部、 P1、P2 配設ピッチ

Claims (5)

  1. 複数の鍵と、
    基部、及び、前記複数の各鍵に対応して前記基部から延設され発音可能な複数の発音体を有し、前記複数の発音体の配設ピッチが前記複数の鍵の配設ピッチとは異なる発音ユニットと、
    前記複数の各発音体に対応して設けられ、前記鍵への押下力によって対応する発音体を駆動して発音させる発音体駆動部を有し、前記複数の各鍵の本体部と該各鍵に対応する発音体との間に介在する駆動機構部と、を有することを特徴とする鍵盤楽器。
  2. 前記駆動機構部は、回転軸の周りに回転可能に前記複数の各発音体に対応して設けられた複数の回転体と、前記複数の各鍵に対応して設けられ対応する鍵によって駆動される回転体駆動部とを有し、
    前記発音体駆動部の機能は、前記回転体に設けられた複数の突起部が果たし、
    前記各鍵が押下操作されると、前記各鍵を押下する押下力によって前記回転体駆動部が対応する前記回転体の前記突起部の1つを駆動して前記回転体を回転させ、駆動された前記突起部とは別の突起部が、対応する発音体を駆動することを特徴とする請求項1に記載の鍵盤楽器。
  3. 前記駆動機構部は、前記複数の各鍵に対応する前記回転体駆動部として、前記各鍵の移動に伴って延設方向に変位するフレキシブルワイヤを有し、
    前記各鍵が押下操作されると、押下力によって前記フレキシブルワイヤの先端が前記回転体の前記突起部を駆動して前記回転体を回転させることを特徴とする請求項2に記載の鍵盤楽器。
  4. 前記回転体を、駆動による回転方向とは反対方向に回転しないようにするための逆転防止手段を有することを特徴とする請求項2または3に記載の鍵盤楽器。
  5. 前記複数の発音体の配設ピッチの方が前記複数の鍵の配設ピッチより狭いことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の鍵盤楽器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN111862907A (zh) * 2019-04-08 2020-10-30 宋陈亿 一种电动音乐发声装置

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