JP2011128348A - オルゴール装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】シリンダーやディスク等の回転部材が交換されない場合においても、任意の曲を演奏することができるオルゴール装置を提供する。
【解決手段】オルゴール装置10は、複数の振動弁56を含む振動板54と、振動板54に含まれる振動弁56を弾く爪機構52と、演奏情報を受け付ける受付手段と、前記受付手段に受け付けられた演奏情報を駆動信号に変換するように制御する制御手段と、前記制御手段により変換された駆動信号に基づいて爪機構52を駆動する駆動部50とを有する。受付手段及び制御手段は、オルゴール装置10上で動作する制御プログラム100により実現される。
【選択図】図3

Description

本発明は、オルゴール装置に関する。
一般に、オルゴール装置は、振動弁を、回転される例えばシリンダー等に設けられた突起で弾くことにより、振動弁に対応する音を鳴らす。この種のオルゴール装置には、複数の振動弁が設けられている。したがって、これらの振動弁が、所定のタイミングで順次弾かれることにより、メロディーが奏でられる。また、オルゴール装置において、振動弁を弾く爪が設けられたディスク(爪車ともいう)等を、例えばソレノイド等の駆動装置で駆動することにより、所定のタイミングで振動弁を弾くことは公知である。
特許文献1では、機械的ノイズが少なく、回転体同士の異常接触、機械的干渉、異常停止がなく、音を発するための信号入力から振動弁が音を発するまでの遅延時間を短くした電子制御方式のオルゴールが開示されている。
特許文献2では、振動弁を弾くための機構における不要な摩擦を軽減することにより適正なタイミングで曲目を演奏することができるオルゴールが開示されている。
特許文献3では、機械的な動作音を低減することができるオルゴール制御装置が開示されている。
特開2003−241746号公報 特開2005−250198号公報 特開2007−65279号公報
しかしながら、特許文献1〜3に開示されたオルゴール装置は、予め決められた曲を演奏することしかできない。
本発明は、シリンダーやディスク等の回転部材が交換されない場合においても、任意の曲を演奏することができるオルゴール装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係るオルゴール装置は、複数の振動弁を含む振動板と、前記振動板に含まれる振動弁を弾く爪機構と、演奏情報を受け付ける受付手段と、前記受付手段に受け付けられた演奏情報を駆動信号に変換するように制御する制御手段と、前記制御手段により変換された駆動信号に基づいて前記爪機構を駆動する駆動手段と、前記爪機構が回転した場合に、外接して前記爪機構を回転させる少なくとも1つの回転部とを有する。このため、シリンダーやディスク等の回転部材が交換されない場合においても、簡易な構成で任意の曲を演奏することができる。
好適には、前記爪機構は、前記複数の振動弁に対応して設けられ、隣接する前記爪機構に対応する前記駆動手段は、前記振動弁の配列方向で隣り合うことなく設けられる。このため、振動弁の配列方向に対する駆動手段の幅の影響を低減でき、オルゴール装置の小型化が可能となる。
好適には、前記回転部の回転方向に対する位置を検知する検知部をさらに有する。このため、本構成を有さない場合と比較して、簡易な構成と爪機構を駆動する精度を向上することができる。
好適には、前記回転部は、エラストマーにより構成されている。このため、爪機構及び回転部の回転が阻害されるのを防止することができる。
本発明に係るオルゴール装置によれば、シリンダーやディスク等の回転部材が交換されない場合においても、任意の曲を演奏することができる。
本発明の実施形態に係るオルゴール装置10を含むオルゴールシステム1を示す図である。 本発明の実施形態に係るオルゴール装置10の構成を示す図である。 駆動部及び爪機構の構成を示す側面図である。 サンホイール軸の端部及びその周辺構造を示す概略図である。 スターホイール及びその周辺構造を示す斜視図である。 駆動部及び爪機構の動作を説明する説明図である。 本発明の実施形態に係るオルゴール装置10の制御方法を実現する制御プログラム100である。 制御プログラム100による駆動信号をオンに変換する場合の制御処理(S10)のフローチャートを示す。 制御プログラム100による駆動信号をオフに変換する場合の制御処理(S20)のフローチャートを示す。 本発明の実施形態係るオルゴール装置10の全体動作(S30)のフローチャートを示す。 第2の実施形態に係る駆動部及び爪機構の構成を示す側面図である。 第2の実施形態に係る駆動部及び爪機構の構成を示す上面図である。
[第1実施形態]
図1は、本発明の実施形態に係るオルゴール装置10を含むオルゴールシステム1を示す図である。
図1に示すようにオルゴールシステム1は、オルゴール装置10と、このオルゴール装置10に接続された鍵盤12及び端末装置14と、外部記録装置16と、ネットワーク20を介してオルゴール装置10に接続されたサーバ装置18とを有する。
オルゴール装置10は、鍵盤12又は端末装置14から演奏情報を受け付け、この演奏情報を駆動信号に変換することにより、演奏を行う。また、オルゴール装置10は、外部記録装置16から演奏情報を読み出し、又はサーバ装置18から演奏情報を取得する。なお、オルゴール装置10については、後で詳述する。
鍵盤12は、演奏情報をオルゴール装置10に対して出力する。鍵盤12は、複数の白鍵及び黒鍵を有する。白鍵又は黒鍵が押さえられると、鍵盤12は、押さえられた白鍵又は黒鍵に対応する音階に関する情報を含む演奏情報を、オルゴール装置10に対して出力する。なお、鍵盤12は、キーボードとも呼ばれる。
端末装置14は、例えば汎用のパーソナルコンピュータであり、図示しないCPU、メモリ、通信装置、キーボード及びマウスなどを有する。端末装置14には、演奏情報が記憶されている。端末装置14は、記憶されている演奏情報を、オルゴール装置10に対して出力する。また、端末装置14は、キーボード又はマウスにより指定された音階に関する情報を含む演奏情報を、オルゴール装置10に対して出力してもよい。
外部記録装置16は、例えば、CD、DVD、カード型記録装置などである。外部記録装置16には、演奏情報が記録されている。外部記録装置16がオルゴール装置10に装着されると、記憶されている演奏情報は、オルゴール装置10から読み取り可能になる。
ネットワーク20は、例えばLAN、WANなどにより構成されるネットワークである。ネットワーク20は、有線のネットワークであってもよいし、無線のネットワークであってもよい。
サーバ装置18は、例えばウェブサーバであり、端末装置14と同等の構成を有する。サーバ装置18には、演奏情報が記憶されている。サーバ装置18は、オルゴール装置10からのダウンロード要求を受け付けると、記憶されている演奏情報を、オルゴール装置10に対して送信する。
演奏情報は、例えば、MIDI(Musical Instruments Digital Interface)データである。演奏情報には、押さえられた鍵盤に対応する音階、鍵盤が押さえられた強さ、押さえられたタイミング等が含まれる。
図2は、本発明の実施形態に係るオルゴール装置10の構成を示す図である。
図2に示すように、オルゴール装置10は、制御部22、オルゴールユニット24、ACアダプタ26及び表示装置28を有する。制御部22には、CPU30、メモリ32、時計装置34、FET(Field Effect Transistor)スイッチ36、電源スイッチ38、アンプ装置40、MIDI−インタフェース(IF)42、外部記録装置IF44、通信IF45及び外部センサーIF46が含まれる。オルゴールユニット24には、モーター48、駆動部50、爪機構52、振動板54及びピックアップ58が含まれる。
制御部22において、CPU30は、メモリ32に記憶されている後述する制御プログラム100を実行する。また、CPU30は、制御部22に含まれる他の構成要素との間で信号の入出力を行う。
表示装置28は、例えば、液晶ディスプレイ、LED(Light Emitting Diode)であり、演奏情報に対応する楽譜、演奏状況等を表示する。
時計装置34は、操作者の設定した時刻に基づき、設定された時刻になるとCPU30に対して信号を出力し、所望の時刻にCPU30を動作させるように制御する。
FETスイッチ36は、CPU30から出力される駆動信号に基づいて、後述する駆動部50に流れる電流を制御する。より具体的には、FETスイッチ36は、CPU30からオン信号(ハイ信号ともいう)を受け付けた場合、駆動部50に電流が流れるように制御し、CPU30からオフ信号(ロー信号ともいう)を受け付けた場合、駆動部50に電流が流れないように制御する。
FETスイッチ36には、n個のFETスイッチング回路(不図示)が含まれる。ここで、nは、後述する振動弁56の数であり、例えばn=33である。したがって、FETスイッチ36は、各FETスイッチング回路に対する駆動信号に基づいて、当該FETスイッチング回路に対応する振動弁56が弾かれるように、駆動部50に流れる電流を制御する。
電源スイッチ38は、オン状態である場合、ACアダプタ26から供給される所定の電圧を、制御部22に含まれる他の構成要素及び後述するオルゴールユニット24に含まれる構成要素に対して供給する。
なお、ACアダプタ26に換えて、電池27から電源スイッチ38に所定の電圧を供給するようにしてもよい。
アンプ装置40は、振動板54の下方に配置され共鳴音を電気信号に変換するピックアップ58からの出力信号を受け付け、この信号を増幅させる。また、アンプ装置40には信号を取出すラインアウト端子60が接続されている。
MIDI−IF42は、鍵盤12又は端末装置14から出力された演奏情報を受け付け、CPU30に対して出力する。外部記録装置IF44は、外部記録装置16から読み出された演奏情報をCPU30に対して出力する。通信IF45は、ネットワーク20を介してサーバ装置18から送信された演奏情報を受け付け、CPU30に対して出力する。
外部センサーIF46は、オルゴール装置10の外部に設けられた外部センサー47からの出力信号を受け付け、この出力信号をCPU30に対して出力し、CPU30の動作を制御する。外部センサー47には、例えば、マイクロフォン、人感センサー、温度センサー、湿度センサー、照度センサー、気圧センサー、加速度センサーあるいはジャイロセンサー等を用いることができる。
このため、外部センサー47の出力信号に基づいて、演奏の開始及び停止を制御することもできる構成となっている。
外部センサー47に基づいて演奏を制御するように設定した場合、例えば、外部センサー47に人感センサーを用いたとき、外部センサー47により人間が存在すると判断している間はオルゴール装置10が所定の曲目を演奏し、人間が存在しないと判断している間は演奏を停止する等のような制御が可能となる。
オルゴールユニット24において、モーター48は、後述する爪機構52を回転させるように駆動する。振動板54は、櫛歯状に形成された複数の振動弁56−1〜56−nを含む。振動弁56−1〜56−nの長さは互いに異なり、振動弁56−1〜56−nは弾かれると、対応する音階の音を発する。
駆動部50は、FETスイッチ36を介してCPU30から出力された駆動信号に基づいて後述する爪機構52を制御する。具体的には、駆動部50は、FETスイッチ36により電流が流されると、爪機構52が振動弁56を弾くように制御し、FETスイッチ36により電流が遮断されると、爪機構52が振動弁52を弾かないように制御する。
次に、駆動部50及び爪機構52について詳細に説明する。
図3乃至図6は、駆動部50及び爪機構52の詳細な構成を示す。
図3に示すように、駆動部50は、ソレノイド62を有する。ソレノイド62は、停止部材受け66内を貫通し進退移動可能に配置された停止部材64を長手方向に移動させる。停止部材64は、ソレノイド62の弾性部材63により、ソレノイド62と反対側(図3において右側)に付勢されている。
弾性部材63として円錐バネを用いることで、空間を有効に使用(コンパククト化)することができる。
また、停止部材の進退移動方向の前後にはそれぞれ、ノイズ吸収部材68、69が設けられている。ノイズ吸収部材68、69は、停止部材64の移動に伴って生じるノイズを吸収する。
このようなソレノイド62及び停止部材64の組み合わせが、振動弁56及び後述するスターホイール92に対応するようにn個設けられている。この組み合わせは、FETスイッチ36に含まれる各FETスイッチング回路に対応する。ソレノイド62は、FETスイッチング回路から電流が流されると、弾性部材63の付勢力に抗して停止部材64をこのソレノイド62側(図3において左側)に移動させる。このようにして、駆動部50の停止部材64は進退移動する。これにより、後述するようにスターホイール92の回転の停止が解除され、このスターホイール92が回転(図3において反時計方向)する。
回転部70は、サンホイール72、サンホイール軸74により構成される。サンホイール72は、モーター48により駆動されるサンホイール軸74を中心に、このサンホイール軸74と一体で回転(図3において時計方向)するように設置されている。サンホイール72の外周には、複数(例えば9個)の係合歯76が等間隔に設けられている。サンホイール72は、係合歯76を後述するスターホイール92の爪96と係合させ、このスターホイール92を回転させる構成となっている。
サンホイール72は、例えばエラストマーにより構成される。サンホイール72に所定の柔軟性をもたせることにより、サンホイール72の係止歯76と、スターホイール92の爪96とが係合せず(噛み合わず)に衝突し、サンホイール72及びスターホイール92の回転が停止する状態となるのを防ぐことができる。
サンホイール72を構成するエラストマーが硬度60〜90(A60/S〜A90/S)である場合、硬度60〜90の範囲外である場合と比較して、効果的にサンホイール72及びスターホイール92の回転が停止する状態となるのを防ぐことができる。なお、エラストマーの硬度は、JIS K6253、デュロメータ、タイプA、スプリング式により測定される数値を表す。
また、サンホイール72を構成するエラストマーが硬度70〜80(A70/S〜A80/S)である場合、硬度70〜80の範囲外である場合と比較して、より効果的にサンホイール72及びスターホイール92の回転が停止する状態となるのを防ぐことができる。
図4に示すように、サンホイール軸74には、サンホイール72の回転位置を検知するための検知部77が設けられている。図4(a)は、サンホイール軸74の端部の側面図を示し、図4(b)は、検知部77に含まれる回転盤80の概略図を示す。検知部77は、フォトセンサー78と、サンホイール軸74の回転に従って回転する回転盤80とにより構成される。
フォトセンサー78は、透過型センサーであり、発光素子78aから発せられる検知光82が受光素子78bに受光されるように向かい合う構造となっている。フォトセンサー78の発光素子78aからの検知光82が遮断されると、受光素子78bの出力が変化する。フォトセンサー78は、回転盤80によって検知光82が遮断される位置、つまり回転盤80を挟むようにして配置されているが、この回転盤80に複数(例えば9個)設けられた穴84では検知光82が透過し、この検知光82が受光素子78bに入射する。
穴84は回転盤80の周方向の所定の位置に設けられている。このため、回転盤80の回転に同期した検知光82の遮断及び透過に伴い、受光素子78bの出力が変化する。この出力変化によって、回転盤80の回転、すなわちサンホイール72の回転及び回転による位置(係合歯76の位置)を検知することができる。なお、穴84をスリットとしてもよい。
図5に示すように、爪機構52は、n個のスターホイール92及びスターホイール軸94によって構成される。スターホイール92は、モーター48により駆動されるスターホイール軸94を中心として回転(図3において反時計方向)するように設置されている。スターホイール92の外周には、複数(例えば4個)の爪96(96a〜96d)が等間隔に設けられている。爪96が振動弁56を弾くことによって音が発せられる。
それぞれのスターホイール92は、スターホイール軸94の回転に従って回転するように設けられているが、停止部材64がスターホイール92側に移動し爪96と当接した場合、スターホイール軸94は回転した状態で、このスターホイール92の回転が停止する(空転する)構成となっている。
スターホイール92は、このスターホイール92が回転を停止している位置にある場合には、サンホイール72と当接しないように構成されている。つまり、スターホイール92の回転が停止部材64によって停止されている場合、このスターホイール92の爪96は、サンホイール72の係合歯76の回転軌道上から離れた位置にある(図3参照)。このように、停止部材64により回転を停止されたスターホイール92は、サンホイール72の回転に従うことなく、回転停止の状態を維持する構成となっている。
次に、駆動部50及び爪機構52の動作について説明する。
図6に示すように、停止部材64がソレノイド62側に移動すると、停止部材64と爪96aが当接しなくなる。このため、スターホイール92の回転の停止が解除され、このスターホイール92が回転する。スターホイール92が回転すると、停止部材64と当接していた爪96aに対向する爪96cが、サンホイール72の係合歯76と係合する位置に移動する。爪96cが係合歯76に係合し、スターホイール92がサンホイール72の回転に従って回転することで、爪96bが振動弁56を弾く。一方で、停止部材64がスターホイール92側へ移動し爪96dと当接することで、このスターホイール92の回転が停止される。
本実施形態においては、例えば、サンホイール軸74は、スターホイール軸94よりも速く回転するように制御されている。このようにすることで、爪96bが振動弁56に当接するよりも先に、爪96cを係合歯76で係合し、スターホイール92を介してサンホイール72の回転と同期させて音を発することができる構成となっている。
なお、上記実施形態に限らず、サンホイール72の係合歯76の数やスターホイール92の爪96の数、あるいはサンホイール軸74やスターホイール軸94それぞれの回転速度及び設置位置等は、目的に応じて適宜変更することができる。
図7は、本発明の実施形態に係るオルゴール装置10の制御方法を実現する制御プログラム100である。
図7に示すように、制御プログラム100は、駆動信号制御部102、データ受付部104、データ記憶部106、駆動信号出力部108、タイマー110及び継続時間判定部112を含む。
制御プログラム100において、データ受付部104は、CPU30に入力された演奏情報を受け付け、データ記憶部106に格納する。例えば、データ受付部104は、演奏情報がMIDI−IF38を介して入力されると、割込み処理により演奏情報をデータ記憶部106に格納する。
データ記憶部106は、データ受付部104により受け付けられた演奏情報を記憶する。データ記憶部106は、メモリ32に取られた記憶領域により実現される。データ記憶部106は、例えば、リングバッファである。
駆動信号制御部102は、データ記憶部106に記憶されている演奏情報を読み出し、この演奏情報を駆動信号に変換する。具体的には、駆動信号制御部102は、演奏情報に含まれる音階に関する情報に基づいて、当該音階に対応する駆動信号がオン信号となるように制御する。このようにして、駆動信号制御部102は、データ受付部104に受け付けられた演奏情報を駆動信号に変換するように制御する。また、駆動信号制御部102は、駆動信号をオン信号としたタイミングで、後述するタイマー110の計時を開始させる。
駆動信号出力部108は、駆動信号制御部102の制御により、演奏情報から変換された駆動信号を、FETスイッチ36に対して出力する。例えば、駆動信号出力部108は、FETスイッチ36に含まれる当該音階に対応するFETスイッチング回路に対してオン信号を出力する。
タイマー110は、駆動信号制御部102に制御されたタイミングで、計時を開始する。
継続時間判定部112は、タイマー110により計時された値が予め決められた閾値T1を超えたか否かを判定し、計時された値が閾値T1を超えた場合にはその旨を駆動信号制御部102に対して出力する。閾値T1は、駆動信号がオン信号である状態が継続しうる値である。例えば、閾値T1は、スターホイール92の爪96(図3において爪96b)が振動弁56を弾いてから、この爪96(同爪96b)と隣り合う爪96(同爪96a)がこの振動弁56を弾くまでの時間より小さい値である。
次に、制御プログラム100による制御処理を、より詳細に説明する。
図8は、制御プログラム100による駆動信号をオンに変換する場合の制御処理(S10)のフローチャートを示す。
図8に示すように、ステップ100(S100)において、駆動信号制御部102は、演奏情報がオルゴール装置10において演奏されるものであるか否かを判定する。例えば、駆動信号制御部102は、MIDIデータの受信チャンネルと、予め設定されているオルゴール装置10の受信チャンネルとが一致するか否かを判定する。駆動信号制御部102は、演奏情報がオルゴール装置10において演奏されるものである場合にはS102の処理に進み、そうでない場合には制御処理を終了する。
ステップ102(S102)において、駆動信号制御部102は、演奏情報が、音を鳴らすための情報であるか否かを判定する。例えば、駆動信号制御部102は、MIDIデータのイベントが「ノートオン」であるか否かを判定する。駆動信号制御部102は、演奏情報が音を鳴らすための情報である場合にはS104の処理に進み、そうでない場合には制御処理を終了する。
ステップ104(S104)において、駆動信号制御部102は、鳴らされる音が、オルゴール装置10で発音可能であるか否かを判定する。例えば、駆動信号制御部102は、音階データが、オルゴール装置10で発音可能な範囲に含まれているか否かを判定する。駆動信号制御部102は、鳴らされる音がオルゴール装置10で発音可能である場合にはS106の処理に進み、そうでない場合には制御処理を終了する。
ステップ106(S106)において、駆動信号制御部102は、音階に対応する駆動信号が、既にオン信号であるか否かを判定する。駆動信号制御部102は、音階に対応する駆動信号が既にオンである場合にはS108の処理に進み、音階に対応する駆動信号がオフである場合にはS110の処理に進む。
ステップ108(S108)において、駆動信号制御部102は、閾値T1を増加させる。つまり、駆動信号制御部102は、駆動信号がオン信号である状態が、より長く継続するように制御する。例えば、駆動信号制御部102は、スターホイール92の爪96が振動弁56を1回弾くのに十分な時間を、閾値T1に加える。このため、スターホイール92が回転する時間が延ばされ、スターホイール92の爪96が振動弁56を弾く。
ステップ110(S110)において、駆動信号制御部102は、音階に対応する駆動信号がオン信号になるように、駆動信号出力部108を制御する。駆動信号出力部108は、FETスイッチ36に対して出力するこの音階に対応した駆動信号を、オン信号に変換する。
駆動信号がオンに変換されると、駆動部50のソレノイド62に電流が流れ、スターホイール92が回転するように制御される。スターホイール92が回転すると、このスターホイール92の爪96が、オンに変換された駆動信号に対応する音階の振動弁56を弾く。
ステップ112(S112)において、駆動信号制御部102は、タイマー110を制御して、計時を開始させる。タイマー110は、この音階に対応する駆動信号をオンにしてから経過した時間の計測を開始する。
図9は、制御プログラム100による駆動信号をオフに変換する場合の制御処理(S20)のフローチャートを示す。
図9に示すように、ステップ200(S200)において、駆動信号制御部102は、駆動信号がオン信号である状態が、T1時間継続しているか否かを判定する。より具体的には、駆動信号制御部102は、駆動信号がオン信号である状態がT1時間を超えた旨の信号を、継続時間判定部112から受け付けたか否かを判定する。駆動信号制御部102は、駆動信号がオン信号である状態が、T1時間継続している場合にはS202の処理に進み、そうでない場合には制御処理を終了する。なお、駆動信号制御部102は、この判定処理を、全ての音階に対応する駆動信号について行う。
ステップ202(S202)において、駆動信号制御部102は、当該音階に対応する駆動信号がオフ信号になるように、駆動信号出力部108を制御する。駆動信号出力部108は、FETスイッチ36に対して出力するこの音階に対応した駆動信号を、オフ信号に変換する。これにより、この音階に対応するスターホイール92の回転が停止される。
図10は、本発明の実施形態に係るオルゴール装置10の全体動作(S30)のフローチャートを示す。
ユーザが、鍵盤12の白鍵又は黒鍵を押さえると、演奏情報が、鍵盤12からオルゴール装置10に対して出力される。演奏情報が、オルゴール装置10に入力され、制御プログラム100のデータ受付部104により受け付けられると、例えば割込み処理により、データ記憶部106に格納される。なお、演奏情報は、端末装置14から送信されてもよいし、外部記録装置16又はサーバ装置18から取得されてもよい。
図10に示すように、ステップ300(S300)において、制御プログラム100の駆動信号制御部102は、受け付けられた演奏情報がデータ記憶部106に記憶されているか否かを判定する。演奏情報がデータ記憶部106に記憶されている場合、駆動信号制御部102は、S302の処理に進む。一方、演奏情報がデータ記憶部106に記憶されていない場合、制御プログラム100は、駆動信号をオフに変換する場合の制御処理(S20)に進む。
ステップ302(S302)において、駆動信号制御部102は、データ記憶部106に記憶されている演奏情報を読み出す。その後、制御プログラム100は、駆動信号をオンに変換する場合の制御処理(S10)を実行する。
また、制御プログラム100は、駆動信号をオフに変換する場合の制御処理(S20)を実行する。このようにして、オルゴール装置10は、演奏情報を受け付け、この演奏情報に基づいて音を発する。
[第2実施形態]
図11及び図12は、第2実施形態に用いられる駆動部50及び爪機構52を示す。図11は、駆動部50及び爪機構52の側面方向からの概略図を示し、図12は、駆動部50及び爪機構52の上面方向からの概略図を示す。
本実施形態においては、ソレノイド62は、上下及び停止部材64の移動方向に対して前後に設けられている。なお、それぞれのソレノイド62は同一の構成であるが、説明のため、それぞれをソレノイド62a〜62dとする。
具体的には、ソレノイド62aの上方で、幅方向(振動弁56の配列方向)にずらした位置にソレノイド62bが配置されている。また、ソレノイド62aの後方で、ソレノイド62bよりも幅方向にずらした位置にソレノイド62cが配置されている。さらに、ソレノイド62cの上方で、幅方向にずらした位置にソレノイド62dが配置されている。
このように、振動弁56に対応させて隣り合う位置にそれぞれのソレノイド62を配置しないため、ソレノイド62の幅方向の大きさによる影響を受けにくくなる。このため、振動弁56のピッチに対応させて、それぞれのソレノイド62を配置することができる。
1 オルゴールシステム
10 オルゴール装置
12 鍵盤
14 端末装置
16 外部記録装置
18 サーバ装置
20 ネットワーク
22 制御部
24 オルゴールユニット
26 アダプタ
28 表示装置
32 メモリ
34 時計装置
36 FETスイッチ
38 電源スイッチ
40 アンプ装置
42 MIDI−IF
44 外部記録装置IF
45 通信IF
46 外部センサーIF
47 外部センサー
48 モーター
50 駆動部
52 爪機構
70 回転部
76 検知部
100 制御プログラム
102 駆動信号制御部
104 データ受付部
106 データ記憶部
106 データ記憶部
108 駆動信号出力部
110 タイマー
112 継続時間判定部

Claims (4)

  1. 複数の振動弁を含む振動板と、
    前記振動板に含まれる振動弁を弾く爪機構と、
    演奏情報を受け付ける受付手段と、
    前記受付手段に受け付けられた演奏情報を駆動信号に変換するように制御する制御手段と、
    前記制御手段により変換された駆動信号に基づいて前記爪機構を駆動する駆動手段と、
    前記爪機構が回転する場合に、外接して前記爪機構を回転させる少なくとも1つの回転部と、
    を有するオルゴール装置。
  2. 前記爪機構は、前記複数の振動弁に対応して設けられ、隣接する前記爪機構に対応する前記駆動手段は、前記振動弁の配列方向で隣り合うことなく設けられている請求項1記載のオルゴール装置。
  3. 前記回転部の回転方向に対する位置を検知する検知部をさらに有する
    請求項1又は2記載のオルゴール装置。
  4. 前記回転部は、エラストマーにより構成されている請求項1乃至3いずれか記載のオルゴール装置。
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