JP2004239445A - 吸収式冷温水機 - Google Patents
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Abstract
【課題】吸収式冷温水機の構成要素を増やさずに信頼性を向上させる。
【解決手段】吸収式冷温水機1は、排ガス焚き再生器10と、流体流路22と、流体開閉手段30と、温度検出手段31と、バーナ12aの燃焼を熱源とする直焚き再生器12と、吸収器から排ガス焚き再生器に溶液を送液するポンプ38と、制御部72とを備え、直焚き再生器12のバーナ12aは燃焼用ブロワー12bを有し、制御部72は、流体流路22により流体流路を通流する排ガスが遮断されているとき、温度検出手段31により検出された温度が予め設定した温度以上になると、バーナ12aの燃焼が停止している状態で燃焼用ブロワー12bとポンプ38とを駆動する構成とする。
【選択図】 図1
【解決手段】吸収式冷温水機1は、排ガス焚き再生器10と、流体流路22と、流体開閉手段30と、温度検出手段31と、バーナ12aの燃焼を熱源とする直焚き再生器12と、吸収器から排ガス焚き再生器に溶液を送液するポンプ38と、制御部72とを備え、直焚き再生器12のバーナ12aは燃焼用ブロワー12bを有し、制御部72は、流体流路22により流体流路を通流する排ガスが遮断されているとき、温度検出手段31により検出された温度が予め設定した温度以上になると、バーナ12aの燃焼が停止している状態で燃焼用ブロワー12bとポンプ38とを駆動する構成とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、吸収式冷温水機に係り、特に、排ガス源からの排ガスを熱源とする排ガス焚き再生器とバーナを熱源とする直焚き再生器とを備えた吸収式冷温水機に関する。
【0002】
【従来の技術】
排ガスを熱源とする排ガス焚き再生器を備えた吸収式冷温水機は、流体流路を介して排ガスを発生する機器からの排ガスを排ガス焚き再生器に導き、排出流路によって排ガス焚き再生器から排ガスを排出している。
【0003】
このような吸収式冷温水機は、運転を停止しているとき、或いは、冷暖房負荷などといった負荷が小さく排ガスが不要であるとき、排ガス発生器からの排ガスが再生器に通流しないように、例えば排ガス発生器と排ガス焚き再生器を連結する流体流路に排ガスを遮断するダンパーを設けた構成としている。
【0004】
ところが、ダンパーは、その構造上シール性に限界がある。つまり、ダンパーを閉止して排ガスを遮断したとしても、完全に排ガスの流れを止めることはできない場合がある。したがって、遮断したダンパーの隙間から排ガスが漏洩して排ガス焚き再生器に流入し、流入した排ガスにより排ガス焚き再生器内の溶液が加熱される。その結果、排ガス焚き再生器内の溶液が濃縮されることによる晶析、さらに結露などが発生して排ガス焚き再生器を構成する部材に腐食などが生じる場合がある。それゆえ、保守点検を実施する頻度が増加するなど、吸収式冷温水機の信頼性が悪くなる。
【0005】
これに対して、従来の排ガス焚き再生器を備えた吸収式冷温水機では、排ガスを発生する機器からの排ガスを通流させて排出するバイパス管路を流体流路から分岐して設け、そのバイパス流路と流体流路との分岐部に、バイパス流路側のダンパーと排出流路側のダンパーとの2つのダンパーを設け、排ガスの流れをバイパス流路方向と排ガス焚き再生器方向とに切り換える構成としている。さらに、流体流路に設けられたダンパーと排ガス焚き再生器との間の部分に気体を吹き込むブロワーを含む送気手段を設けている。これにより、排ガスを発生する機器が排ガスを発生しているときに吸収式冷温水機が停止している場合、排ガス流路側のダンパーを閉じ、バイパス流路側のダンパーを開いて排ガスをバイパス流路に導くと共に、送気手段により、排出流路内に気体を送気することで排ガス焚き再生器内に排ガスが流入しないようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
また、流体流路に間隔をおいて2つのダンパーを、さらにバイパス管路と排出管路とに各々ダンパーを設けると共に、流体流路のこれら2つのダンパー間の部分に送気手段、そして、流体流路のこれらの2つのダンパー間の部分における圧力と、排ガスの流れに対して上流側に位置するダンパーよりも上流側の流体流路の部分における圧力との圧力差を検出するための圧力検出手段を設けた構成としているものもある。これにより、吸収式冷温水機が停止している場合、流体流路に設けられた2つのダンパー間の部分における圧力を送気手段により加圧することで、ダンパーの漏れによる排ガス焚き再生器への排ガスの流入を防いでいる(例えば、特許文献2参照)。
【0007】
さらに、流体流路にダンパーとエゼクターを排ガスの流れに対して順次設けた構成としているものもある。これにより、吸収式冷温水機が停止している場合、流体流路側のダンパーを閉じ、閉止したダンパーより下流側の部分内のガスをエゼクターにより吸引することで排ガス焚き再生器内に排ガスが流入することを防止している(例えば、特許文献3参照)。
【0008】
【特許文献1】
特開2002−168544号公報(第3―4頁、第1図)
【特許文献2】
実開昭57−30680号公報(第4―10頁、第2図)
【特許文献3】
特開平11−182974号公報(第2―3頁、第1図)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1乃至3のように、ブロワーやエゼクター或いは圧力検出手段等を設けると、吸収式冷温水機を構成する要素つまり部材や機器類の数が増加する。したがって、吸収式冷温水機の構成が複雑になるため、製造及び組立などのコストが増大するという問題がある。
【0010】
本発明の課題は、吸収式冷温水機の構成要素を増やさずに信頼性を向上させることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の吸収式冷温水機は、排ガスを発生する機器からの排ガスを熱源とする排ガス焚き再生器と、排ガス焚き再生器へ排ガスを通流させる流体流路と、流体流路に設けられて排ガスを通流または遮断するダンパーを含む流体開閉手段と、排ガス焚き再生器又は流路を通流する排ガスの温度を検出する温度検出手段と、バーナの燃焼を熱源とする直焚き再生器と、吸収器から排ガス焚き再生器に溶液を送液するポンプと、流体開閉手段とバーナとポンプを制御する制御部とを備え、直焚き再生器のバーナは、燃焼用空気をバーナに供給する燃焼用ブロワーを有し、制御部は、流体開閉手段により流体流路を通流する排ガスが遮断されているとき、温度検出手段により検出された温度が予め設定した温度以上になると、バーナの燃焼が停止している状態で燃焼用ブロワーとポンプとを駆動する構成とすることにより上記課題を解決する。
【0012】
このような構成とすることにより、ダンパーから漏洩した排ガスにより排ガス焚き再生器内の溶液例えば稀溶液又は濃溶液が設定温度以上に昇温された場合でも、制御部により燃焼用ブロワーとポンプが駆動されるので、排ガス焚き再生器内の溶液の温度上昇を防ぐことができる。すなわち、制御部が温度検出手段からの信号に基づいてポンプを駆動するので、吸収器内の溶液が排ガス焚き再生器に供給され、排ガス焚き再生器内の溶液が直焚き再生器に導かれ、直焚き再生器内の溶液が低温再生器に供給され、低温再生器内の溶液が吸収器に供給されて吸収式冷温水機内での溶液の循環が生じる。このとき、制御部はバーナを停止状態に維持しながら既存の燃焼用ブロワーも駆動するので、直焚き再生器においてポンプにより循環される溶液と燃焼用ブロワーから送気された周囲空気との間で熱交換が行われる。すなわち、溶液が装置回路内で循環されながら、熱交換用流路においてその溶液に内包した熱が燃焼用ブロワーからの周囲空気により大気に放出される。したがって、制御部により既存の燃焼用ブロワーとポンプのみを駆動させれば、排ガス焚き再生器内の溶液が、閉止状態の流体流路閉止手段から漏洩した排ガスによって昇温されるのを防ぐことができる。それゆえ、ブロワーやエゼクター等の新たな構成要素を増設することなく溶液の晶析や結露等の発生を防ぐことが可能になり、吸収式冷温水機の信頼性を向上させることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用してなる吸収式冷温水機の一実施形態について図1を参照して説明する。図1は、本発明を適用してなる吸収式冷温水機の概略構成を示す図である。
【0014】
本実施形態の吸収式冷温水機1は、図1に示すように、排ガス焚き再生器10、直焚き再生器12、低温再生器14、凝縮器16、蒸発器18、そして吸収器20などで構成されている。排ガス焚き再生器10は、燃焼による排ガスを発生する機器からの排ガスと稀溶液との間で熱交換を行い、排ガスが有する熱で稀溶液を加熱し冷媒蒸気を発生させるものである。このような排ガス焚き再生器10は、直焚き再生器12、低温再生器14、凝縮器16、蒸発器18、そして吸収器20などよりも上に設置されている。
【0015】
排ガス焚き再生器10は、図1に示すように、燃焼による排ガスを発生する機器類から排ガスを排ガス焚き再生器10内の排ガスの流路に導く導入流路となる導入ダクト22、そして、排ガス焚き再生器10内の排ガスの流路から排ガスを排出するための排出流路となる排出ダクト24が連結されている。導入ダクト22と排出ダクト24とは、導入ダクト22から分岐し、排出ダクト24に合流してバイパス流路となるバイパスダクト26で連結されている。導入ダクト22とバイパスダクト26との分岐部28には、導入ダクト22とバイパスダクト26とに排ガスの流れを切り換える流体開閉手段30が設けられている。流体開閉手段30は、第1ダンパー30a及び第2ダンパー30bの2つのダンパーを備えている。第1ダンパー30aは、分岐部30の導入ダクト22側に設けられている。第2ダンパー30bは、分岐部30のバイパスダクト26側に設けられている。バイパスダクト26と排出ダクト24との合流部32よりも排ガスの流れに対して上流側の排出ダクト24の部分には、流体開閉手段34が設けられている。流体開閉手段34には、第3ダンパー34aが備えられている。
【0016】
このような排ガス焚き再生器10には、図1に示すように、吸収器20で生成された稀溶液を排ガス焚き再生器10内の稀溶液の流路に導く稀溶液管路36が連結されている。稀溶液管路36の吸収器20からの出口部分には、稀溶液を送液するためのポンプ38が設けられている。排ガス焚き再生器10の底部には、排ガス焚き再生器10内の稀溶液または濃溶液が通流する溶液管路40の一端が連結されている。溶液管路40の他端は、直焚き再生器12に連結されている。排ガス焚き再生器10の上部には、排ガス焚き再生器10内で生成された冷媒蒸気が通流する冷媒蒸気管路42の一端が連結されており、冷媒蒸気管路42の他端は、冷媒蒸気と中間濃溶液とを分離する気液分離器であるセパレータ44に連結されている。そして、排ガス焚き再生器10には、排ガス焚き発生器10内の溶液の温度又は導入ダクト22内を通流する排ガスの温度を検出する温度センサ31が付設されている。
【0017】
直焚き再生器12は、排ガス焚き再生器10よりも低い位置に配設されており、排ガス焚き再生器10の底部に一端が接続した溶液管路40の他端が連結されている。直焚き再生器12には、燃焼空気と共に燃料を燃焼するバーナ12aと、バーナ12aに燃焼用空気を供給する燃焼用ブロワー12bと、バーナ12aの燃焼によって発生した燃焼ガスを排出する排出部12cと、溶液管路40の一部を形成して溶液管路40内を通流する溶液とバーナ12aの燃焼ガスとの間で熱交換を行う熱交換用流路12dが設けられている。そして、熱交換用流路12dには、直焚き再生器12内の中間濃溶液と冷媒蒸気の気液混合体が通流する揚液管路48が連結されている。揚液管路48の他端は、セパレータ44内で開口している。
【0018】
低温再生器14内には、セパレータ44内と連通し、セパレータ44内の冷媒蒸気が通流する熱交換用流路14aが設置されている。熱交換流路14aには、低温再生器14で液化された熱交換用流路14a内を通流する冷媒液を凝縮器16に導く第3冷媒蒸気管路50が連結されている。また、低温再生器14には、直焚き再生器12の熱交換器12d内から流入してきた中間濃溶液を、吸収液20に送るための濃溶液管路52の一端が連結されている。濃溶液管路52の他端は、吸収器20に連結されている。
【0019】
凝縮器16の内部には、冷却水が通流する冷却水管路54に連結されて、その冷却水管路54の流路の一部分を形成する熱交換流路16aが設けられている。凝縮器5の底部には、冷媒蒸気が凝縮して液化した冷媒が通流する冷媒管路56の一端が連結されている。冷媒管路56の他端は、蒸発器18の内部に設けられた図示していない冷媒散布部に連結されている。蒸発器18の内部には、蒸発器18内で冷却または加温されて空調用の室内機などに送られる室内機用冷媒、例えば水が通流する冷温水管路58が連結されて、その冷温水管路58の流路の一部分を形成する熱交換流路18aが設けられている。そして、図示していない冷媒散布部から、熱交換流路18aに対し冷媒を散布する。
【0020】
吸収器20は、図示していない連通路を介して蒸発器18と連通しており、蒸発器18で発生した冷媒蒸気が吸収器20に流入可能に構成されている。吸収器20の内部には、冷却水管路60に連結されて冷却水の流路の一部分を形成する熱交換流路20aが設けられている。また、吸収器20の内部には、濃溶液管路52が連結されて熱交換流路20aに濃溶液を散布する図示していない濃溶液散布部などが設けられている。吸収器20の底部には、蒸発器18で生成された冷媒蒸気を濃溶液が吸収することで生成された稀溶液を排ガス焚き再生器10に送るための稀溶液管路36の一端が連結されている。
【0021】
セパレータ44の底部には、セパレータ44内で分離され底部に溜まった中間濃溶液を低温再生器14に導く中間濃溶液管路62の一端が連結されている。中間濃溶液管路62の他端は、低温再生器14に連結されている。また、中間濃溶液管路62には、低温再生器14とセパレータ44との間に高温熱交換器64が設けられている。高温熱交換器64は、稀溶液管路36内を通流する稀溶液と中間濃溶液管路62内を通流する溶液との間で熱交換を行うものである。
【0022】
稀溶液管路36のポンプ38よりも稀溶液の流れに対して下流側の部分には、排熱回収器70との間に低温熱交換器68が設けられている。低温熱交換器68は、稀溶液管路36内を通流する稀溶液と濃溶液管路52内を通流する濃溶液との間で熱交換を行うものである。なお、冷却水管路60は、吸収器20から凝縮器16を通り冷却水管路54を経由し、図示していない冷却塔に冷却水が循環するように配管されている。また、稀溶液管路36内を通流する稀溶液の流れに対し低温熱交換器68の設置位置より下流側で高温熱交換器64の設置位置より上流側に位置する稀溶液管路36の部分には、排ガス焚き再生器10から排出される排ガスの余熱により稀溶液管路36内を通流する稀溶液を加熱する排熱回収器70が設けられている。その排熱回収器70は、排ガスの通流方向に対して排ガス焚き再生器10の下流側に位置されると共に、排ガス焚き再生器10と一体化されて設けられている。そして、温度センサ31に制御部72が電気的に接続されており、その制御部72にバーナ12a、燃焼用ブロワー16b、ポンプ38などが電気的に接続されている。
【0023】
このような構成の吸収式冷温水機1の排ガス焚き再生器10への排ガスを通流又は遮断する流体開閉手段30の第1ダンパー30aと第2ダンパー30bの動作について説明する。吸収式冷温水機1の運転を行うときで、排ガスを発生する機器類が排ガスを発生しているとき、流体開閉手段30の第2ダンパー30bは閉じ、第1ダンパー30aは開き、さらに、第3ダンパー34aも開くことで、排ガスが導入ダクト22に流れる。これにより、排ガスが排ガス焚き再生器10内に通流し、その排ガスの排熱により吸収式冷温水機1が駆動される。このとき、本実施形態の吸収式冷温水機1では、直焚き再生器12を備えているため、排ガス焚き再生器10において排ガス源からの排ガスによる入熱が所定量に満たない場合に、直焚き再生器12が駆動されるようにしている。したがって、排ガス源からの排ガスの排熱が少量の場合や排ガスが無い場合でも、直焚き再生器12に備えたバーナ12aの燃焼熱により冷媒蒸気を発生させることができる。
【0024】
一方、吸収式冷温水機の運転を行わない場合又は空調用の室内側の負荷が小さい場合に、排ガスを発生する機器類が排ガスを発生しているとき、流体開閉手段30の第2ダンパー30bは開き、第1ダンパー30aは閉じ、さらに、第3ダンパー34も閉じることで、排ガスがバイパスダクト26に流れるようにする。これにより、排ガスがバイパスダクト26を流れ、排ガス焚き再生器10内に通流しなくなる。しかし、第1ダンパー30aは、そのダンパーの構造上漏れが発生するため、排ガスが閉止した第1ダンパー30aの隙間から導入ダクト22を介して排ガス焚き再生器10内に流入する場合がある。流入した排ガスにより排ガス焚き再生器10内の溶液が加熱される。その結果、排ガス焚き再生器内の溶液が濃縮されることによる晶析、さらに結露などが発生して排ガス焚き再生器10を構成する部材に腐食などが生じる場合がある。
【0025】
そこで、本実施形態の吸収式冷温水機1では、排ガス焚き再生器10の温度又は排ガスダクト22内のガス温度を温度センサ31により検出し、その検出値に基づいてポンプ38と直焚き再生器12の燃焼用ブロワー12bを制御部72により駆動することで、排ガス焚き再生器10内の溶液の温度上昇を回避している。
【0026】
ここで、制御部72による制御の一例を説明する。吸収式冷温水機1が運転を停止しているとき、すなわち、バーナ12a及び燃焼用ブロワー12bが停止状態であるとき、排ガスが排ガス焚き再生器10に導入ダクト22を介して通流することを防ぐため、第1ダンパー30aが閉止されている。閉止された第1ダンパ−30aの隙間から排ガスが漏洩し、漏洩した排ガスが排ガス焚き再生器10に流入すると、その排ガスの排熱により排ガス焚き再生器10の温度或いは排ガス焚き再生器10内の溶液例えば稀溶液又は濃溶液の温度が上昇する。その上昇した温度が温度センサ31により検出され、検出された温度が予め設定された設定値以上であると制御部72により判定された場合、その制御部72は、バーナ12aを停止状態に維持すると共にポンプ38と燃焼用ブロワー12bを駆動する制御指令を出力する。
【0027】
すなわち、本実施形態によれば、温度センサ31により検出された温度に基づいて制御部72がポンプ38を駆動するので、吸収器20内の溶液が排ガス焚き再生器10に供給され、排ガス焚き再生器10内の溶液が直焚き再生器12に導かれ、直焚き再生器12内の溶液が低温再生器14に供給され、低温再生器14内の溶液が吸収器20に供給されて吸収冷凍機1内を溶液の循環が生じる。同時に、制御部72により燃焼用ブロワー12bも駆動されるので、熱交換用流路12dにおいて通流する溶液と燃焼用ブロワー12bから送気された周囲空気との間で熱交換が行われる。つまり、溶液を装置回路内で循環させながら、熱交換用流路12dにおいてその溶液に内包した熱を燃焼用ブロワー12bからの周囲空気により大気に放出するようにしている。このように、制御部72により既存の燃焼用ブロワー12bとポンプ38のみを駆動させれば、排ガス焚き再生器10内の溶液が、閉止状態のダンパー30aから漏洩した排ガスによって昇温されるのを防ぐことができる。それゆえ、ブロワーやエゼクター等の新たな構成要素を増設することなく、溶液の晶析や結露等の発生を防ぐことが可能になる。その結果、吸収式冷温水機1の信頼性を向上させることができる。
【0028】
以上、本実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明に係る吸収式冷温水機1は、これに限られるものではない。例えば、温度センサ31に代えて、導入ダクト22内の気体の圧力を検出するセンサ、或いは排ガス焚き再生器10内の溶液の圧力を検出するセンサを用いることができる。さらに、排ガス焚き再生器10内の溶液の濃度を検出するセンサを用いることもできる。要するに、溶液の晶析や結露の発生に起因する物理特性を表す信号の変化を検出できるものを用いればよい。
【0029】
また、分岐部28に2つのダンパー、つまり第1ダンパー30aと第2ダンパー30bを設けた例を説明したが、その2つのダンパーに代えて、1つの3方ダンパーを設けることができる。これにより、ダンパーの数を低減することができ、構成を簡素化することができる。
【0030】
また、本発明は、本実施形態の構成の吸収式冷温水機に限らず、ダンパーで排ガスの通流を制御する排ガス焚き再生器とバーナを有する直焚き再生器を備えた様々な構成の吸収式冷温水機に適用できる。
【0031】
【発明の効果】
本発明によれば、吸収式冷温水機の構成要素を増やさずに信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用してなる吸収式冷温水機の概略構成を示す図である。
【符号の説明】
1 吸収式冷温水機
12 直焚き再生器
12a バーナ
12b 燃焼用ブロワー
20 吸収器
22 導入ダクト
30 流体開閉手段
30a 第1ダンパー
31 温度センサ
38 ポンプ
72 制御部
【発明の属する技術分野】
本発明は、吸収式冷温水機に係り、特に、排ガス源からの排ガスを熱源とする排ガス焚き再生器とバーナを熱源とする直焚き再生器とを備えた吸収式冷温水機に関する。
【0002】
【従来の技術】
排ガスを熱源とする排ガス焚き再生器を備えた吸収式冷温水機は、流体流路を介して排ガスを発生する機器からの排ガスを排ガス焚き再生器に導き、排出流路によって排ガス焚き再生器から排ガスを排出している。
【0003】
このような吸収式冷温水機は、運転を停止しているとき、或いは、冷暖房負荷などといった負荷が小さく排ガスが不要であるとき、排ガス発生器からの排ガスが再生器に通流しないように、例えば排ガス発生器と排ガス焚き再生器を連結する流体流路に排ガスを遮断するダンパーを設けた構成としている。
【0004】
ところが、ダンパーは、その構造上シール性に限界がある。つまり、ダンパーを閉止して排ガスを遮断したとしても、完全に排ガスの流れを止めることはできない場合がある。したがって、遮断したダンパーの隙間から排ガスが漏洩して排ガス焚き再生器に流入し、流入した排ガスにより排ガス焚き再生器内の溶液が加熱される。その結果、排ガス焚き再生器内の溶液が濃縮されることによる晶析、さらに結露などが発生して排ガス焚き再生器を構成する部材に腐食などが生じる場合がある。それゆえ、保守点検を実施する頻度が増加するなど、吸収式冷温水機の信頼性が悪くなる。
【0005】
これに対して、従来の排ガス焚き再生器を備えた吸収式冷温水機では、排ガスを発生する機器からの排ガスを通流させて排出するバイパス管路を流体流路から分岐して設け、そのバイパス流路と流体流路との分岐部に、バイパス流路側のダンパーと排出流路側のダンパーとの2つのダンパーを設け、排ガスの流れをバイパス流路方向と排ガス焚き再生器方向とに切り換える構成としている。さらに、流体流路に設けられたダンパーと排ガス焚き再生器との間の部分に気体を吹き込むブロワーを含む送気手段を設けている。これにより、排ガスを発生する機器が排ガスを発生しているときに吸収式冷温水機が停止している場合、排ガス流路側のダンパーを閉じ、バイパス流路側のダンパーを開いて排ガスをバイパス流路に導くと共に、送気手段により、排出流路内に気体を送気することで排ガス焚き再生器内に排ガスが流入しないようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
また、流体流路に間隔をおいて2つのダンパーを、さらにバイパス管路と排出管路とに各々ダンパーを設けると共に、流体流路のこれら2つのダンパー間の部分に送気手段、そして、流体流路のこれらの2つのダンパー間の部分における圧力と、排ガスの流れに対して上流側に位置するダンパーよりも上流側の流体流路の部分における圧力との圧力差を検出するための圧力検出手段を設けた構成としているものもある。これにより、吸収式冷温水機が停止している場合、流体流路に設けられた2つのダンパー間の部分における圧力を送気手段により加圧することで、ダンパーの漏れによる排ガス焚き再生器への排ガスの流入を防いでいる(例えば、特許文献2参照)。
【0007】
さらに、流体流路にダンパーとエゼクターを排ガスの流れに対して順次設けた構成としているものもある。これにより、吸収式冷温水機が停止している場合、流体流路側のダンパーを閉じ、閉止したダンパーより下流側の部分内のガスをエゼクターにより吸引することで排ガス焚き再生器内に排ガスが流入することを防止している(例えば、特許文献3参照)。
【0008】
【特許文献1】
特開2002−168544号公報(第3―4頁、第1図)
【特許文献2】
実開昭57−30680号公報(第4―10頁、第2図)
【特許文献3】
特開平11−182974号公報(第2―3頁、第1図)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1乃至3のように、ブロワーやエゼクター或いは圧力検出手段等を設けると、吸収式冷温水機を構成する要素つまり部材や機器類の数が増加する。したがって、吸収式冷温水機の構成が複雑になるため、製造及び組立などのコストが増大するという問題がある。
【0010】
本発明の課題は、吸収式冷温水機の構成要素を増やさずに信頼性を向上させることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の吸収式冷温水機は、排ガスを発生する機器からの排ガスを熱源とする排ガス焚き再生器と、排ガス焚き再生器へ排ガスを通流させる流体流路と、流体流路に設けられて排ガスを通流または遮断するダンパーを含む流体開閉手段と、排ガス焚き再生器又は流路を通流する排ガスの温度を検出する温度検出手段と、バーナの燃焼を熱源とする直焚き再生器と、吸収器から排ガス焚き再生器に溶液を送液するポンプと、流体開閉手段とバーナとポンプを制御する制御部とを備え、直焚き再生器のバーナは、燃焼用空気をバーナに供給する燃焼用ブロワーを有し、制御部は、流体開閉手段により流体流路を通流する排ガスが遮断されているとき、温度検出手段により検出された温度が予め設定した温度以上になると、バーナの燃焼が停止している状態で燃焼用ブロワーとポンプとを駆動する構成とすることにより上記課題を解決する。
【0012】
このような構成とすることにより、ダンパーから漏洩した排ガスにより排ガス焚き再生器内の溶液例えば稀溶液又は濃溶液が設定温度以上に昇温された場合でも、制御部により燃焼用ブロワーとポンプが駆動されるので、排ガス焚き再生器内の溶液の温度上昇を防ぐことができる。すなわち、制御部が温度検出手段からの信号に基づいてポンプを駆動するので、吸収器内の溶液が排ガス焚き再生器に供給され、排ガス焚き再生器内の溶液が直焚き再生器に導かれ、直焚き再生器内の溶液が低温再生器に供給され、低温再生器内の溶液が吸収器に供給されて吸収式冷温水機内での溶液の循環が生じる。このとき、制御部はバーナを停止状態に維持しながら既存の燃焼用ブロワーも駆動するので、直焚き再生器においてポンプにより循環される溶液と燃焼用ブロワーから送気された周囲空気との間で熱交換が行われる。すなわち、溶液が装置回路内で循環されながら、熱交換用流路においてその溶液に内包した熱が燃焼用ブロワーからの周囲空気により大気に放出される。したがって、制御部により既存の燃焼用ブロワーとポンプのみを駆動させれば、排ガス焚き再生器内の溶液が、閉止状態の流体流路閉止手段から漏洩した排ガスによって昇温されるのを防ぐことができる。それゆえ、ブロワーやエゼクター等の新たな構成要素を増設することなく溶液の晶析や結露等の発生を防ぐことが可能になり、吸収式冷温水機の信頼性を向上させることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用してなる吸収式冷温水機の一実施形態について図1を参照して説明する。図1は、本発明を適用してなる吸収式冷温水機の概略構成を示す図である。
【0014】
本実施形態の吸収式冷温水機1は、図1に示すように、排ガス焚き再生器10、直焚き再生器12、低温再生器14、凝縮器16、蒸発器18、そして吸収器20などで構成されている。排ガス焚き再生器10は、燃焼による排ガスを発生する機器からの排ガスと稀溶液との間で熱交換を行い、排ガスが有する熱で稀溶液を加熱し冷媒蒸気を発生させるものである。このような排ガス焚き再生器10は、直焚き再生器12、低温再生器14、凝縮器16、蒸発器18、そして吸収器20などよりも上に設置されている。
【0015】
排ガス焚き再生器10は、図1に示すように、燃焼による排ガスを発生する機器類から排ガスを排ガス焚き再生器10内の排ガスの流路に導く導入流路となる導入ダクト22、そして、排ガス焚き再生器10内の排ガスの流路から排ガスを排出するための排出流路となる排出ダクト24が連結されている。導入ダクト22と排出ダクト24とは、導入ダクト22から分岐し、排出ダクト24に合流してバイパス流路となるバイパスダクト26で連結されている。導入ダクト22とバイパスダクト26との分岐部28には、導入ダクト22とバイパスダクト26とに排ガスの流れを切り換える流体開閉手段30が設けられている。流体開閉手段30は、第1ダンパー30a及び第2ダンパー30bの2つのダンパーを備えている。第1ダンパー30aは、分岐部30の導入ダクト22側に設けられている。第2ダンパー30bは、分岐部30のバイパスダクト26側に設けられている。バイパスダクト26と排出ダクト24との合流部32よりも排ガスの流れに対して上流側の排出ダクト24の部分には、流体開閉手段34が設けられている。流体開閉手段34には、第3ダンパー34aが備えられている。
【0016】
このような排ガス焚き再生器10には、図1に示すように、吸収器20で生成された稀溶液を排ガス焚き再生器10内の稀溶液の流路に導く稀溶液管路36が連結されている。稀溶液管路36の吸収器20からの出口部分には、稀溶液を送液するためのポンプ38が設けられている。排ガス焚き再生器10の底部には、排ガス焚き再生器10内の稀溶液または濃溶液が通流する溶液管路40の一端が連結されている。溶液管路40の他端は、直焚き再生器12に連結されている。排ガス焚き再生器10の上部には、排ガス焚き再生器10内で生成された冷媒蒸気が通流する冷媒蒸気管路42の一端が連結されており、冷媒蒸気管路42の他端は、冷媒蒸気と中間濃溶液とを分離する気液分離器であるセパレータ44に連結されている。そして、排ガス焚き再生器10には、排ガス焚き発生器10内の溶液の温度又は導入ダクト22内を通流する排ガスの温度を検出する温度センサ31が付設されている。
【0017】
直焚き再生器12は、排ガス焚き再生器10よりも低い位置に配設されており、排ガス焚き再生器10の底部に一端が接続した溶液管路40の他端が連結されている。直焚き再生器12には、燃焼空気と共に燃料を燃焼するバーナ12aと、バーナ12aに燃焼用空気を供給する燃焼用ブロワー12bと、バーナ12aの燃焼によって発生した燃焼ガスを排出する排出部12cと、溶液管路40の一部を形成して溶液管路40内を通流する溶液とバーナ12aの燃焼ガスとの間で熱交換を行う熱交換用流路12dが設けられている。そして、熱交換用流路12dには、直焚き再生器12内の中間濃溶液と冷媒蒸気の気液混合体が通流する揚液管路48が連結されている。揚液管路48の他端は、セパレータ44内で開口している。
【0018】
低温再生器14内には、セパレータ44内と連通し、セパレータ44内の冷媒蒸気が通流する熱交換用流路14aが設置されている。熱交換流路14aには、低温再生器14で液化された熱交換用流路14a内を通流する冷媒液を凝縮器16に導く第3冷媒蒸気管路50が連結されている。また、低温再生器14には、直焚き再生器12の熱交換器12d内から流入してきた中間濃溶液を、吸収液20に送るための濃溶液管路52の一端が連結されている。濃溶液管路52の他端は、吸収器20に連結されている。
【0019】
凝縮器16の内部には、冷却水が通流する冷却水管路54に連結されて、その冷却水管路54の流路の一部分を形成する熱交換流路16aが設けられている。凝縮器5の底部には、冷媒蒸気が凝縮して液化した冷媒が通流する冷媒管路56の一端が連結されている。冷媒管路56の他端は、蒸発器18の内部に設けられた図示していない冷媒散布部に連結されている。蒸発器18の内部には、蒸発器18内で冷却または加温されて空調用の室内機などに送られる室内機用冷媒、例えば水が通流する冷温水管路58が連結されて、その冷温水管路58の流路の一部分を形成する熱交換流路18aが設けられている。そして、図示していない冷媒散布部から、熱交換流路18aに対し冷媒を散布する。
【0020】
吸収器20は、図示していない連通路を介して蒸発器18と連通しており、蒸発器18で発生した冷媒蒸気が吸収器20に流入可能に構成されている。吸収器20の内部には、冷却水管路60に連結されて冷却水の流路の一部分を形成する熱交換流路20aが設けられている。また、吸収器20の内部には、濃溶液管路52が連結されて熱交換流路20aに濃溶液を散布する図示していない濃溶液散布部などが設けられている。吸収器20の底部には、蒸発器18で生成された冷媒蒸気を濃溶液が吸収することで生成された稀溶液を排ガス焚き再生器10に送るための稀溶液管路36の一端が連結されている。
【0021】
セパレータ44の底部には、セパレータ44内で分離され底部に溜まった中間濃溶液を低温再生器14に導く中間濃溶液管路62の一端が連結されている。中間濃溶液管路62の他端は、低温再生器14に連結されている。また、中間濃溶液管路62には、低温再生器14とセパレータ44との間に高温熱交換器64が設けられている。高温熱交換器64は、稀溶液管路36内を通流する稀溶液と中間濃溶液管路62内を通流する溶液との間で熱交換を行うものである。
【0022】
稀溶液管路36のポンプ38よりも稀溶液の流れに対して下流側の部分には、排熱回収器70との間に低温熱交換器68が設けられている。低温熱交換器68は、稀溶液管路36内を通流する稀溶液と濃溶液管路52内を通流する濃溶液との間で熱交換を行うものである。なお、冷却水管路60は、吸収器20から凝縮器16を通り冷却水管路54を経由し、図示していない冷却塔に冷却水が循環するように配管されている。また、稀溶液管路36内を通流する稀溶液の流れに対し低温熱交換器68の設置位置より下流側で高温熱交換器64の設置位置より上流側に位置する稀溶液管路36の部分には、排ガス焚き再生器10から排出される排ガスの余熱により稀溶液管路36内を通流する稀溶液を加熱する排熱回収器70が設けられている。その排熱回収器70は、排ガスの通流方向に対して排ガス焚き再生器10の下流側に位置されると共に、排ガス焚き再生器10と一体化されて設けられている。そして、温度センサ31に制御部72が電気的に接続されており、その制御部72にバーナ12a、燃焼用ブロワー16b、ポンプ38などが電気的に接続されている。
【0023】
このような構成の吸収式冷温水機1の排ガス焚き再生器10への排ガスを通流又は遮断する流体開閉手段30の第1ダンパー30aと第2ダンパー30bの動作について説明する。吸収式冷温水機1の運転を行うときで、排ガスを発生する機器類が排ガスを発生しているとき、流体開閉手段30の第2ダンパー30bは閉じ、第1ダンパー30aは開き、さらに、第3ダンパー34aも開くことで、排ガスが導入ダクト22に流れる。これにより、排ガスが排ガス焚き再生器10内に通流し、その排ガスの排熱により吸収式冷温水機1が駆動される。このとき、本実施形態の吸収式冷温水機1では、直焚き再生器12を備えているため、排ガス焚き再生器10において排ガス源からの排ガスによる入熱が所定量に満たない場合に、直焚き再生器12が駆動されるようにしている。したがって、排ガス源からの排ガスの排熱が少量の場合や排ガスが無い場合でも、直焚き再生器12に備えたバーナ12aの燃焼熱により冷媒蒸気を発生させることができる。
【0024】
一方、吸収式冷温水機の運転を行わない場合又は空調用の室内側の負荷が小さい場合に、排ガスを発生する機器類が排ガスを発生しているとき、流体開閉手段30の第2ダンパー30bは開き、第1ダンパー30aは閉じ、さらに、第3ダンパー34も閉じることで、排ガスがバイパスダクト26に流れるようにする。これにより、排ガスがバイパスダクト26を流れ、排ガス焚き再生器10内に通流しなくなる。しかし、第1ダンパー30aは、そのダンパーの構造上漏れが発生するため、排ガスが閉止した第1ダンパー30aの隙間から導入ダクト22を介して排ガス焚き再生器10内に流入する場合がある。流入した排ガスにより排ガス焚き再生器10内の溶液が加熱される。その結果、排ガス焚き再生器内の溶液が濃縮されることによる晶析、さらに結露などが発生して排ガス焚き再生器10を構成する部材に腐食などが生じる場合がある。
【0025】
そこで、本実施形態の吸収式冷温水機1では、排ガス焚き再生器10の温度又は排ガスダクト22内のガス温度を温度センサ31により検出し、その検出値に基づいてポンプ38と直焚き再生器12の燃焼用ブロワー12bを制御部72により駆動することで、排ガス焚き再生器10内の溶液の温度上昇を回避している。
【0026】
ここで、制御部72による制御の一例を説明する。吸収式冷温水機1が運転を停止しているとき、すなわち、バーナ12a及び燃焼用ブロワー12bが停止状態であるとき、排ガスが排ガス焚き再生器10に導入ダクト22を介して通流することを防ぐため、第1ダンパー30aが閉止されている。閉止された第1ダンパ−30aの隙間から排ガスが漏洩し、漏洩した排ガスが排ガス焚き再生器10に流入すると、その排ガスの排熱により排ガス焚き再生器10の温度或いは排ガス焚き再生器10内の溶液例えば稀溶液又は濃溶液の温度が上昇する。その上昇した温度が温度センサ31により検出され、検出された温度が予め設定された設定値以上であると制御部72により判定された場合、その制御部72は、バーナ12aを停止状態に維持すると共にポンプ38と燃焼用ブロワー12bを駆動する制御指令を出力する。
【0027】
すなわち、本実施形態によれば、温度センサ31により検出された温度に基づいて制御部72がポンプ38を駆動するので、吸収器20内の溶液が排ガス焚き再生器10に供給され、排ガス焚き再生器10内の溶液が直焚き再生器12に導かれ、直焚き再生器12内の溶液が低温再生器14に供給され、低温再生器14内の溶液が吸収器20に供給されて吸収冷凍機1内を溶液の循環が生じる。同時に、制御部72により燃焼用ブロワー12bも駆動されるので、熱交換用流路12dにおいて通流する溶液と燃焼用ブロワー12bから送気された周囲空気との間で熱交換が行われる。つまり、溶液を装置回路内で循環させながら、熱交換用流路12dにおいてその溶液に内包した熱を燃焼用ブロワー12bからの周囲空気により大気に放出するようにしている。このように、制御部72により既存の燃焼用ブロワー12bとポンプ38のみを駆動させれば、排ガス焚き再生器10内の溶液が、閉止状態のダンパー30aから漏洩した排ガスによって昇温されるのを防ぐことができる。それゆえ、ブロワーやエゼクター等の新たな構成要素を増設することなく、溶液の晶析や結露等の発生を防ぐことが可能になる。その結果、吸収式冷温水機1の信頼性を向上させることができる。
【0028】
以上、本実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明に係る吸収式冷温水機1は、これに限られるものではない。例えば、温度センサ31に代えて、導入ダクト22内の気体の圧力を検出するセンサ、或いは排ガス焚き再生器10内の溶液の圧力を検出するセンサを用いることができる。さらに、排ガス焚き再生器10内の溶液の濃度を検出するセンサを用いることもできる。要するに、溶液の晶析や結露の発生に起因する物理特性を表す信号の変化を検出できるものを用いればよい。
【0029】
また、分岐部28に2つのダンパー、つまり第1ダンパー30aと第2ダンパー30bを設けた例を説明したが、その2つのダンパーに代えて、1つの3方ダンパーを設けることができる。これにより、ダンパーの数を低減することができ、構成を簡素化することができる。
【0030】
また、本発明は、本実施形態の構成の吸収式冷温水機に限らず、ダンパーで排ガスの通流を制御する排ガス焚き再生器とバーナを有する直焚き再生器を備えた様々な構成の吸収式冷温水機に適用できる。
【0031】
【発明の効果】
本発明によれば、吸収式冷温水機の構成要素を増やさずに信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用してなる吸収式冷温水機の概略構成を示す図である。
【符号の説明】
1 吸収式冷温水機
12 直焚き再生器
12a バーナ
12b 燃焼用ブロワー
20 吸収器
22 導入ダクト
30 流体開閉手段
30a 第1ダンパー
31 温度センサ
38 ポンプ
72 制御部
Claims (1)
- 排ガスを発生する機器からの排ガスを熱源とする排ガス焚き再生器と、該排ガス焚き再生器へ排ガスを通流させる流体流路と、該流体流路に設けられて前記排ガスを通流または遮断するダンパーを含む流体開閉手段と、前記排ガス焚き再生器又は前記流路を通流する排ガスの温度を検出する温度検出手段と、バーナの燃焼を熱源とする直焚き再生器と、吸収器から前記排ガス焚き再生器に溶液を送液するポンプと、前記流体開閉手段と前記バーナと前記ポンプを制御する制御部とを備え、
前記直焚き再生器のバーナは、燃焼用空気を該バーナに供給する燃焼用ブロワを有し、
前記制御部は、前記流体開閉手段により前記流体流路を通流する排ガスが遮断されているとき、前記温度検出手段により検出された温度が予め設定した温度以上になると、前記バーナの燃焼が停止している状態で前記燃焼用ブロワーと前記ポンプとを駆動してなる吸収式冷温水機。
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---|---|---|---|
JP2003025716A JP2004239445A (ja) | 2003-02-03 | 2003-02-03 | 吸収式冷温水機 |
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JP2003025716A JP2004239445A (ja) | 2003-02-03 | 2003-02-03 | 吸収式冷温水機 |
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JP2004239445A true JP2004239445A (ja) | 2004-08-26 |
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Country Status (1)
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010007908A (ja) * | 2008-06-25 | 2010-01-14 | Tokyo Gas Co Ltd | 空調システム |
KR100981977B1 (ko) | 2008-03-26 | 2010-09-13 | 산요덴키가부시키가이샤 | 흡수식 냉온수기 |
JP2011127857A (ja) * | 2009-12-21 | 2011-06-30 | Kawasaki Thermal Engineering Co Ltd | 分散型発電システムの排ガスを利用する吸収冷温水機の制御方法及び装置 |
KR101130872B1 (ko) | 2009-12-01 | 2012-03-28 | 엘지전자 주식회사 | 폐열이용 냉난방 시스템 및 그의 구동 제어 방법 |
CN107328133A (zh) * | 2017-07-17 | 2017-11-07 | 昊姆(上海)节能科技有限公司 | 直燃型开式吸收机组 |
-
2003
- 2003-02-03 JP JP2003025716A patent/JP2004239445A/ja active Pending
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