JP4162374B2 - 吸収冷凍機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、他の熱源機器から供給される高温排ガスを高温再生器の熱源とする吸収冷凍機に関する。
【0002】
【従来の技術】
発電用小型ガスタービンから出る排ガスを、吸収冷凍機を構成する高温再生器の熱源とし、電気と空調を行うための熱を同時に供給するコ・ジェネレーション・システムがある。
【0003】
発電を主、空調用熱供給を従としたコ・ジェネレーション・システムにおいては、小型ガスタービンなどによる発電に使用されて排出された高温の排ガスが、空調負荷がなく、したがって運転を停止している吸収冷凍機の高温再生器に供給されると、吸収液が濃縮され、結晶化するので、運転を停止している吸収冷凍機の高温再生器には、小型ガスタービンなどの他の熱源機器から供給される高温排ガスが供給されないようにする必要がある。
【0004】
このため、例えば図2に示したように、排ガス管1と排ガス導入管2との分岐部に流路切換手段である3方ダンパ4を設置し、吸収冷凍機の運転を行う時にはその3方ダンパ4を図2のように制御して、図示しない小型ガスタービンなどから排出され、図示しない排気口に向かって流れている排ガス管1の高温排ガスを排ガス導入管2の側に流して高温再生器100に取り込み、その取り込んだ高温排ガスにより高温再生器100内で図示しない吸収液を加熱して冷媒を蒸発分離し、加熱作用を終えて温度が低下した排ガスを排ガス導出管3を介して排ガス管1に戻して排気口から排気し、空調負荷がなく吸収冷凍機の運転を停止しているときには、3方ダンパ4により排ガス管1の上流側と下流側とを連通し、排ガス導入管2に至る側を封鎖して、図示しない小型ガスタービンなどから排出されている高温の排ガスが高温再生器100に取り込まれないようにしている。
【0005】
また、空調負荷がなく吸収冷凍機の運転を停止している高温再生器100に排ガス管1を流れる高温排ガスが排ガス導入管2を介して流入しないように3方ダンパ4を操作したときにも、3方ダンパ4が排ガス導入管2に至る側を完全には封鎖せず、したがって排ガス管1の高温排ガスが排ガス導入管2を介して高温再生器100に漏れ込む、あるいは3方ダンパ4が排ガス導入管2に至る側を完全に封鎖した場合にも排ガス導出管3を介する熱伝導により、高温再生器100内にある吸収液の温度が上昇し、吸収液が結晶化することがあるので、排ガス導入管2に送気管6を介して送風口が連通する送風機5を設置し、その送風機5を運転して排ガス導入管2に常温の大気を強制送気し、排ガス導入管2の内圧を高めて排ガス管1の高温排ガスが排ガス導入管2に漏れ込まないようにすると共に、送風機5が排ガス導入管2を介して高温再生器100に強制送気した常温の大気が排ガス導出管3から排ガス管1側に戻されるようにして、排ガス導出管3を介する熱伝導による高温再生器100内にある吸収液の温度上昇をも防止するようにした吸収冷凍機も周知である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記構成の送風機を備えた吸収冷凍機においては、排ガス管を介して供給される小型ガスタービンなどから出る高温排ガスを高温再生器に供給して吸収液を加熱し、冷媒を蒸発分離するときに、高温排ガスにより送風機が損傷を受けないように送気管にダンパを設けておいても、そのダンパから漏れ込む高温排ガスによる熱損傷を受けることがあるので、その熱影響を受けないように送風機を起動すると、常温の大気が排ガス導入管に供給され、その排ガス導入管から高温再生器に供給されている高温排ガスの温度を低下させるため、高温再生器における吸収液に対する高温排ガスの加熱作用を弱める、と云った問題点があり、その解決が課題となっていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記の課題を解決するため、
他の熱源機器から供給される高温排ガスを熱源として高温再生器の吸収液を加熱する吸収冷凍機において、
上記の高温排ガスを排気口に向けて通過させるための排ガス管を設けるとともに、上記の排ガス管に対して、上記の排ガス管の上流側から分岐されて上記の高温排ガスを上記の高温再生器に導くための排ガス導入管と、上記の高温排ガスが上記の高温再生器での吸収液の加熱を終えて排出された排出ガスを上記の排ガス管の下流側に導くための排ガス導出管とを設ける流路配置構成と、
上記の排ガス管と上記の排ガス導出管との合流部に設けられて、上記の加熱を行うときに、上記の排ガス管を流れる上記の高温排ガスを、上記の排ガス導入管、上記の高温再生器及び上記の排ガス導出管を経由して上記の排ガス管から上記の排気口に排気させる流路を開く第1の流路切換状態と、上記の加熱を行わないときに、上記の排ガス管を流れる上記の高温排ガスを、上記の高温再生器を経由することなく、そのまま上記の排気口に排気させる流路を開く第2の流路切換状態とに切換えるための流路切換手段と、
上記の排ガス導出管に空気を送るための送風機を設けるとともに、上記の送風機が送気管を介して上記の排ガス導出管に接続された空気送気構成と、
上記の第1の流路切換状態のときに、上記の送風機を運転する送風機運転構成と
を設けるようにした第1の構成の吸収冷凍機と、
【0008】
上記の第1の構成の吸収冷凍機において、
上記の第2の切換状態のときにも、上記の送風機を運転するようにした第2の構成の吸収冷凍機と、
【0009】
上記の第1の構成の吸収冷凍機における送風機運転構成に代えて、
上記の排ガス管に設けた温度センサにより上記の高温排ガスが供給されていることを確認し、または、上記の他の熱源機器から運転中を示す信号が出力されていることを確認したときに、上記の送風機を運転する送風機運転構成
を設けるようにした第3の構成の吸収冷凍機と、
【0010】
上記の第1の構成または第2の構成の吸収冷凍機において、
上記の第1の流路切換状態のときに上記の送気管を閉鎖するためのダンパを設けるとともに、上記の第2の流路切換状態のときに、上記の送気管が閉鎖されないように上記のダンパを制御するようにした第4の構成の吸収冷凍機と、
【0011】
上記の第1の構成〜第4の構成のいずれかの吸収冷凍機において、
上記の送風機が送る空気と、上記の排ガス導出管を流れる排ガスとが同一方向に流れるように上記の排ガス導出管と上記の送風機とを配置した第5の構成の吸収冷凍機と
を提供するものであ。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図1に基づいて詳細に説明する。なお、理解を容易にするため、この図1においても前記図2において説明した部分と同様の機能を有する部分には、同一の符号を付した。
【0013】
本発明の吸収冷凍機は、排ガス管1と、高温再生器100から延設された排ガス導出管3との合流部に流路切換手段である3方ダンパ4を備え、排ガス導出管3に送風機5が送気管6を介して接続されたものである。
【0014】
この吸収冷凍機においても、排ガス管1には図示しない小型ガスタービンなどから供給される高温の排ガスが矢印に示す方向に流れる。そして、空調負荷があり、吸収冷凍機を運転するときには、排ガス管1を流れる高温排ガスが排ガス導入管2を経由して高温再生器100に流入し、図示しない吸収液を加熱して冷媒を蒸発分離し、その後排ガス導出管3を経由して排ガス管1に戻り、図示しない排気口から排気されるように3方ダンパ4が制御される。
【0015】
その際、高温再生器100から排ガス導出管3を介して排ガス管1に戻されている排ガスにより送風機5が熱損傷を受けることがないように、ダンパ7により送気管6が封鎖される。
【0016】
また、送気管6がダンパ7によって完全には封鎖されず、したがって高温再生器100から排ガス導出管3を介して排ガス管1に戻されている排ガスが送気管6に漏れ込み、送風機5に熱損傷を与える懸念があるときには、ダンパ7による送気管6の封鎖と共に、送風機5を起動して常温の空気を送気管6排ガス導出管3に強制送気し、高温再生器100から排ガス導出管3を介して排ガス管1に戻されている排ガスが送気管6に漏れ込んで送風機5に熱損傷を与えることがないようにする。なお、送風機5をこのように起動するときには、ダンパ7による送気管6の封鎖は不要である。
【0017】
上記のように、小型ガスタービンなどから供給され、排ガス管1を流れている高温排ガスを排ガス導入管2から取り込んで排ガス導出管3から戻し、高温再生器100内の吸収液を加熱する際に送風機5を起動しても、送風機5が強制送気する常温の大気は高温再生器100に流入することがないので、図2に示した従来技術のように吸収液に対する高温排ガスの加熱作用が損なわれることがない。
【0018】
また、送風機5が送気管6を介して接続された排ガス導出管3を流れる排ガスは、高温再生器100で加熱作用を終えた排ガスであるので、その温度は加熱作用を行うために高温再生器100に向かって排ガス導入管2を流れている排ガスの温度より遥かに低い。このため、図2に示した従来技術における場合より、送気管6の長さを短くしても、また、強制送気する流量を少なくしても、送風機5は熱損傷を受け難い。
【0019】
一方、空調負荷がなく、したがって吸収冷凍機の運転を停止するときには、排ガス管1を流れる高温排ガスが、高温再生器100を経由することなくそのまま図示しない排気口に向かって流れるように3方ダンパ4が制御される。
【0020】
同時に、送気管6が封鎖されないようにダンパ7を制御して、送風機5を起動する。このため、送風機5が強制送気する常温の大気は、送気管6を介して排ガス導出管3に至り、この部分の圧力を上げ、高温再生器100、排ガス導入管2を経由して排ガス管1に流れ出るので、排ガス管1を流れている高温の排ガスが排ガス導入管2または排ガス導出管3を介して高温再生器100に漏れ込み、内部の吸収液を加熱凝縮し、結晶化すると云った問題が生じることがない。
【0021】
なお、図示しない小型ガスタービンなどの熱源機器から出る高温排ガスが排ガス管1を通過して図示しない排気口に向かって流れているときには、その高温排ガスを高温再生器100に取り込むか否かに拘わらず送風機5を起動するようにしたときは、排ガス導出管3のダンパ7は必ずしも設置する必要はない。
【0022】
その場合、送風機5は、排ガス管1の上流部分に設けた温度センサにより高温の排ガスが供給されている、図示しない小型ガスタービンなどの他の熱源機器から運転中の信号が出力されている、などを確認したときに、運転するようにすれば良いので、送風機5の運転制御が簡素化される。
【0023】
また、送気管6を、排ガス管1と排ガス導出管3との合流部に向かうように設置すると、排ガス管1を流れる高温排ガスを高温再生器100に排ガス導入管2を介して取り込み、排ガス導出管3を介して排ガス管1に戻す吸収冷凍機の運転時に、送風機5の熱損傷を回避しようとして送風機5を起動しても、送風機5が強制送気する常温の大気と、排ガス導出管3を流れる高温排ガスとが同じ方向に流れるので、送風機5による送気ロスがないと云った利点がある。
【0024】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、小型ガスタービンなどの他の熱源機器から供給され、排ガス管を流れている高温排ガスを排ガス導入管から取り込んで排ガス導出管から戻し、高温再生器内の吸収液を加熱する際に、排ガス導出管に接続した送風機の高温排ガスによる熱損傷を避ける目的で送風機を起動しても、送風機が強制送気する常温の大気は高温再生器に流入することがないので、従来技術のように吸収液に対する高温排ガスの加熱作用が損なわれることがない。
【0025】
また、送風機が接続された排ガス導出管を流れる排ガスは、高温再生器で加熱作用を終えた排ガスであるので、その温度は加熱作用を行うために高温再生器に向かって排ガス導入管を流れている排ガスの温度より遥かに低い。このため、従来技術における場合より、送気管の長さを短くしても、また、強制送気する流量を少なくしても、送風機は熱損傷を受け難い。
【0026】
また、排ガス管の高温排ガスが高温再生器を通過するように流路切換手段を操作したときに閉動作するダンパを、送風機の送風口と排ガス導出管との間に設けた構成によれば、排ガス管を流れる高温排ガスを排ガス導入管を介して高温再生器に取り込み、排ガス導出管を介して排ガス管に戻す吸収冷凍機の運転時に、送風機は排ガスから熱影響を受け難い。
【0027】
また、高温排ガスが排ガス管を通過するときに送風機を運転するようにした構成によれば、送風機の排ガスによる熱損傷が防止されると共に、排ガス管に設けた温度センサにより高温の排ガスが供給されている、小型ガスタービンなどの他の熱源機器から運転中を示す信号が出力されている、などが確認されたときに、運転するようにすれば良いので、送風機の運転制御が簡素化される。
【0028】
また、排ガス管の高温排ガスが高温再生器を通過するように流路切換手段が操作されたときに送風機を運転するようにした構成によれば、高温再生器で吸収液を加熱して冷媒を蒸発分離し、排ガス管に戻されている排ガスが送風機の側に至ることがないので、送風機の排ガスによる熱損傷が防止される。
【0029】
また、送風機から延設する送気管を、排ガス管と排ガス導出管との合流部に向かうように設けた構成によれば、排ガス管を流れる高温排ガスを高温再生器に排ガス導入管を介して取り込み、排ガス導出管を介して排ガス管に戻す吸収冷凍機の運転時に、送風機の熱損傷を回避しようとして送風機を起動しても、送風機が強制送気する常温の大気と、排ガス導出管を流れる高温排ガスとが同一方向に流れるので、送風機による送気ロスが生じないと云った利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になる吸収冷凍機の要部を示す説明図である。
【図2】従来技術を示す説明図である。
【符号の説明】
1 排ガス管
2 排ガス導入管
3 排ガス導出管
4 3方ダンパ
5 送風機
6 送気管
7 ダンパ
100 高温再生器
Claims (5)
- 他の熱源機器から供給される高温排ガスを熱源として高温再生器の吸収液を加熱する吸収冷凍機において、
前記高温排ガスを排気口に向けて通過させるための排ガス管を設けるとともに、前記排ガス管に対して、前記排ガス管の上流側から分岐されて前記高温排ガスを前記高温再生器に導くための排ガス導入管と、前記高温排ガスが前記高温再生器での吸収液の加熱を終えて排出された排出ガスを前記排ガス管の下流側に導くための排ガス導出管とを設ける流路配置構成と、
前記排ガス管と前記排ガス導出管との合流部に設けられて、前記加熱を行うときに、前記排ガス管を流れる前記高温排ガスを、前記排ガス導入管、前記高温再生器及び前記排ガス導出管を経由して前記排ガス管から前記排気口に排気させる流路を開く第1の流路切換状態と、前記加熱を行わないときに、前記排ガス管を流れる前記高温排ガスを、前記高温再生器を経由することなく、そのまま前記排気口に排気させる流路を開く第2の流路切換状態とに切換えるための流路切換手段と、
前記排ガス導出管に空気を送るための送風機を設けるとともに、前記送風機が送気管を介して前記排ガス導出管に接続された空気送気構成と、
前記第1の流路切換状態のときに、前記送風機を運転する送風機運転構成と
を設けたことを特徴とする吸収冷凍機。 - 前記第2の切換状態のときにも、前記送風機を運転することを特徴とする請求項1記載の吸収冷凍機。
- 他の熱源機器から供給される高温排ガスを熱源として高温再生器の吸収液を加熱する吸収冷凍機において、
前記高温排ガスを排気口に向けて通過させるための排ガス管を設けるとともに、前記排ガス管に対して、前記排ガス管の上流側から分岐されて前記高温排ガスを前記高温再生器に導くための排ガス導入管と、前記高温排ガスが前記高温再生器での吸収液の加熱を終えて排出された排出ガスを前記排ガス管の下流側に導くための排ガス導出管とを設ける流路配置構成と、
前記排ガス管と前記排ガス導出管との合流部に設けられて、前記加熱を行うときに、前記排ガス管を流れる前記高温排ガスを、前記排ガス導入管、前記高温再生器及び前記排ガス導出管を経由して前記排ガス管から前記排気口に排気させる流路を開く第1の流路切換状態と、前記加熱を行わないときに、前記排ガス管を流れる前記高温排ガスを、前記高温再生器を経由することなく、そのまま前記排気口に排気させる流路を開く第2の流路切換状態とに切換えるための流路切換手段と、
前記排ガス導出管に空気を送るための送風機を設けるとともに、前記送風機が送気管を介して前記排ガス導出管に接続された空気送気構成と、
前記排ガス管に設けた温度センサにより前記高温排ガスが供給されていることを確認し、または、前記他の熱源機器から運転中を示す信号が出力されていることを確認したときに、前記送風機を運転する送風機運転構成と
を設けたことを特徴とする吸収冷凍機。 - 前記第1の流路切換状態のときに前記送気管を閉鎖するためのダンパを設けるとともに、前記第2の流路切換状態のときに、前記送気管が閉鎖されないように前記ダンパを制御することを特徴とする請求項2記載の吸収冷凍機。
- 前記送風機が送る空気と、前記排ガス導出管を流れる排ガスとが同一方向に流れるように前記排ガス導出管と前記送風機とを配置したことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の吸収冷凍機。
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JP2000364964A JP4162374B2 (ja) | 2000-11-30 | 2000-11-30 | 吸収冷凍機 |
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JP4162374B2 true JP4162374B2 (ja) | 2008-10-08 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2000364964A Expired - Lifetime JP4162374B2 (ja) | 2000-11-30 | 2000-11-30 | 吸収冷凍機 |
Country Status (1)
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2000
- 2000-11-30 JP JP2000364964A patent/JP4162374B2/ja not_active Expired - Lifetime
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