JP4041690B2 - 有機成分含有ガス、廃液の処理方法および処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、印刷工場や塗装工場等において発生する有機溶剤ガス、有機溶剤廃液等の有機成分含有ガス、有機成分含有廃液を処理する処理方法および処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、塗装工場等において塗装作業に伴って発生する低濃度の有機溶剤ガス(悪臭ガス)を除去処理するため、前記有機溶剤ガスを含む空気をダクトに集めてガスタービンのコンプレッサーに送って圧縮し、この圧縮された空気をガスタービンの燃焼器に供給し、燃焼器に投入された燃料油を燃焼させ、この燃料油の燃焼により発生した高温の燃焼ガスで前記有機溶剤ガス中の悪臭成分を分解、除去すると共に、燃焼ガスによってタービンを駆動させるようにした有機溶剤ガス処理装置が知られている(特開2002−4890号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の有機溶剤ガス処理装置は、ガスタービンの燃焼器において燃焼ガスによって有機溶剤ガス中の悪臭成分は分解、除去できるものの、塗装工場等において有機溶剤ガスと一緒に発生する有機溶剤廃液を同時に処理することができない。このため、前記有機溶剤廃液を処理するには別途に処理装置を設備する必要があり、この場合には、その処理装置のために余分な設置スペースや設備費用の発生を余儀なくされる問題がある。
【0004】
本発明は、前記事情に鑑みてなされたもので、有機成分含有ガスと有機成分含有廃液とを同時に効率的に処理することができる有機成分含有ガス、廃液の処理方法および処理装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を解決するために、以下の点を特徴としている。
すなわち、請求項1に係る有機成分含有ガス、廃液の処理方法は、燃料油と有機成分含有廃液のいずれか一方を選択して、ガスタービンの燃焼器に供給し、ガスタービンのコンプレッサーによって圧縮して前記燃焼器に供給された有機成分含有ガスで燃焼させてタービンを回転させる有機成分含有ガス、廃液の処理方法において、前記有機成分含有ガスの前記燃焼器の入口における温度が所定の設定温度以下であるときに前記燃料油を選択し、前記有機成分含有ガスの前記燃焼器の入口における温度が所定の設定温度を超えたときに前記有機成分含有廃液を選択することを特徴としている。
【0006】
また、請求項2に係わる有機成分含有ガス、廃液の処理装置は、ガスタービンと、該ガスタービンのコンプレッサーの空気入口に連絡され該コンプレッサーに有機成分含有ガスを供給するダクトと、前記ガスタービンの燃焼器に燃料油を供給する燃料油管と、前記燃焼器に有機成分含有廃液を供給する廃液供給管と、前記燃料油と有機成分含有廃液の前記燃焼器への供給を前記コンプレッサーで圧縮された有機成分含有ガスの前記燃焼器の入口における温度にもとづいて切り換える切換手段とを設けたことを特徴としている。
【0007】
さらに、請求項3に係る有機成分含有ガス、廃液の処理装置は、請求項2に記載の処理装置において、切換手段が、燃料油管と廃液供給管とに設けられ自動切替弁と、コンプレッサーで圧縮された有機成分含有ガスの燃焼器の入口における温度を検出する温度センサとを備え、該温度センサが検出する温度にもとづいて前記自動切替弁を切り換えて燃料油と有機成分含有廃液の前記燃焼器への供給を切り換えるようにしたことを特徴としている。
【0008】
また、請求項4に係る有機成分含有ガス、廃液の処理装置は、請求項2または請求項3に記載の処理装置において、コンプレッサーと燃焼器を連絡する通路に熱交換器が設けられ、コンプレッサーで圧縮された有機成分含有ガスがタービンからの排気によって加熱されるようになっていることを特徴としている。
【0009】
また、請求項5に係る有機成分含有ガス、廃液の処理装置は、請求項2〜4のいずれかに記載の処理装置において、廃液供給管には溶剤再生装置が連絡され、タービンの排気によって溶剤再生装置内の有機成分含有廃液が加熱、凝縮されて有機成分含有ガスと有機成分含有溶液が生成され、該有機成分含有溶液が前記廃液供給管へ取り出されるようになっていることを特徴としている。
【0010】
また、請求項6に係る有機成分含有ガス、廃液の処理装置は、前記ダクトにガス濃度検出手段が設けられると共に前記溶剤再生装置が連絡され、ガス濃度検出手段によって検出されるダクト内の有機成分含有ガスの濃度が所定値より低い場合に、前記溶剤再生装置内の有機成分含有ガスがダクト内に供給され、前記濃度が所定値を超えた場合に、溶剤再生装置内の有機成分含有ガスのダクト内への供給が停止されるようになっていることを特徴としている。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る有機成分含有ガス、廃液の処理装置の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明の第1の実施の形態に係る有機成分含有ガス、廃液の処理装置1を示す。
この実施の形態に係る有機成分含有ガス、廃液の処理装置1は、ガスタービン2と、該ガスタービン2のコンプレッサー3に有機溶剤ガス(有機成分含有ガス)を送るダクト4と、ガスタービン2の燃焼器5に燃料油を供給する燃料油管6と、ガスタービン2の燃焼器5に有機溶剤廃液(有機成分含有廃液)を供給する廃液供給管7と、燃料油管6から前記燃焼器5への燃料油の供給と廃液供給管7から前記燃焼器5への有機溶剤廃液の供給とを切り換える自動切替弁(切換手段)8と、廃液供給管7の端部に設けた溶剤再生装置9と、ガスタービン2のタービン10に連結された発電機11とを備えている。
【0012】
前記コンプレッサー3と燃焼器5を連絡する通路12には、再生器(熱交換器)13が設けられており、この再生器13に、燃焼器5から通路14を通って前記タービン10を駆動した後の燃焼ガスを排気として流す排気ダクト15が接続され、前記通路12を通る有機溶剤ガスが排気ダクト15を流れる排気によって加熱されるようになっている。なお、前記燃焼器5は、パイロット燃料とパイロット燃焼空気を導入して予混合するパイロット予混合管と、メイン燃料とメイン燃焼空気を導入して予混合するメイン予混合管とをそれぞれ複数有し、低NOx、高燃焼効率を有する型式のものとなっている。
前記ガスタービン2には、前記通路12における前記燃焼器5の入口近くに温度センサ16が設けられ、この温度センサ16によって前記有機溶剤ガスの燃焼器5へ導入時の温度が検出されるようになっている。
【0013】
前記自動切替弁8は、前記燃料油管6と有機溶剤廃液用の廃液供給管7との合流部に設けた三方弁からなり、前記温度センサ16の検出温度が所定温度以下のときは、廃液供給管7側を遮断して前記燃料油が燃料油管6によって前記燃焼器5に供給されるように管路を自動的に切り換え、また、前記所定の設定温度を超えるときは、燃料管6の上流側管6aを遮断し、前記有機溶剤廃液が廃液供給管7から燃料油管6の下流側管6bを経て燃焼器5に供給されるように管路を自動的に切り換える構成となっている。
【0014】
前記有機溶剤再生装置9は、図3に示すように、周囲と底部に回収溶剤eを貯留する貯留空間17aを設けた貯槽17と、該貯槽17の内部に有機溶剤廃液wを投入管7aから投入して収容する容器18と、前記貯槽17の上部に設けた断面円弧状のコンデンサ19と、前記タービン10からの排気ダクト15を温水箱20内に通してなる温水ヒータ21とを備えている。
前記コンデンサ19には冷却水コイル19aが設けられており、前記温水ヒータ21で容器18内の有機溶剤廃液wが加熱されて蒸発し、上昇した有機溶剤ガスの一部が冷却水コイル19aで冷却されて凝縮し、有機溶剤液となってコンデンサ19の天井に沿って流下し、前記貯槽17の貯留空間17a内に収容に貯留されるようになっている。前記廃液供給管7は前記貯槽17の上方で貯留空間17aに連通されている。
【0015】
また、前記ダクト4には、前記溶剤再生装置9の上部に吸引口24aを開口させ途中に自動開閉弁24bを設けたガスダクト24が連絡されると共に、該ガスダクト24のダクト4との接続部より下流側の位置にガス濃度計(ガス濃度検出手段)25が設けられている。そして、該ガス濃度計25により検出されたダクト4内の有機溶剤ガスのガス濃度が予め設定された所定値より低い場合には、前記自動開閉弁24bが開いて前記溶剤再生装置9内から有機溶剤ガスがダクト4内に供給され、前記ガス濃度が所定値を超えた場合には、前記自動開閉弁24bが閉じて溶剤再生装置9からダクト4への有機溶剤ガスの供給が停止するようになっている。
【0016】
次に、前記実施の形態に係る有機成分含有ガス、廃液の処理装置の作用と共に、有機成分含有ガス、廃液の処理方法を説明する。
ガスタービン2の起動時には、温度センサ16による検出温度は自動切替弁8の流路を切り換える設定温度500〜600℃より当然低くなっており、自動切替弁8は前記燃料油管6(6a,6b)をガスタービン2の燃焼器5に連絡している。
この状態で、ガスタービン2の操作盤等のスイッチで始動指令が出されると、ガスタービン2のコンプレッサ3が回転されると共に、灯油等の燃料油のパイロット燃料が燃料油管6を介して燃焼器5の前記パイロット予混合管に送られて燃焼し、これにより、燃焼器5で発生した燃焼ガスでタービン10が回転してコンプレッサー3が回転し、処理装置1の暖機運転が行われる。
【0017】
パイロット燃料による暖機運転の後、ガスタービン10に前記発電機11が連結されて回転して電力Eが供給される。その際は、前記ガスタービン10は、パイロット燃料とメイン燃料が、それぞれ燃焼器5のパイロット予混合管とメイン予混合管に供給されて燃焼し、必要な電力量に応じて処理装置1を運転する。
続いて、例えば、印刷工場で印刷機(有機成分含有ガス、廃液の発生源)が運転されると、そこから発生する270ppm程度の低濃度の有機溶剤ガスであるトルエンガス(有機成分含有ガス)を含む空気(約50℃に加温されている)が、濃縮されることなく、ダクト4を介してコンプレッサ3に吸引されて圧縮され、150〜200℃に昇温される。昇温されたトルエンガスを含む空気は、再生器13で加熱された後前記燃焼器5に送られ、これにより、燃料油管6からの燃料油が燃焼器5で燃焼して高温の燃焼ガスが発生してタービン10が回転し、処理装置1によるトルエンガス、トルエン廃液(有機成分含有ガス、廃液)の処理の運転が開始される。
【0018】
処理装置1の運転が開始されても、ガスタービン2の負荷が全負荷の70%(有機溶剤ガスの燃焼器5の入口温度500〜600℃に相当)に満たない状態のときは、前記自動切替弁8は管路を廃液供給管7側に切り換えることがなく、前記燃焼器5では燃料油が燃焼され、この高温の燃焼ガスによって前記空気中の低濃度のトルエンガス(臭気成分)が分解、除去される。タービン10を出た燃焼ガスの排気は、排気ダクト15を通って再生器13で通路12からのトルエンガスを含む空気を加熱した後、前記溶剤再生装置9の温水ヒータ21に送られ、容器18内のトルエン廃液(有機溶剤廃液)wの加熱に利用される。溶剤再生装置9では、温水ヒータ21によって加熱された容器18内のトルエン廃液wが蒸発して、この蒸発で発生したトルエンガスの一部がコンデンサ19で冷却され、純度の高いトルエン溶液(回収溶剤)eとして貯槽17の貯留空間17a内に貯留され、残部がトルエンガスの状態のままで滞留している。
【0019】
ガスタービン2が起動されてその負荷が70%を超える運転状態になったときは、前記燃焼器5の入口におけるトルエンガスを含む空気の温度が温度センサ16の前記設定温度を超えるので、温度センサ16から指令で前記自動切替弁8が管路を廃液供給管7と燃料油管6の下流側と連絡するように切り換えるので、溶剤再生装置9の貯槽17の貯留空間17a内の回収トルエン(回収溶剤)eが廃液供給管7、燃料油管6の下流側管6bを通って前記燃焼器5に供給され、該燃焼器5における燃料として燃焼される。このため、ガスタービン2ではトルエンガスとトルエン溶液の両方が同時に燃焼処理されることとなる。
【0020】
前記処理装置1の運転中は、前記コンプレッサー3に送られるトルエンガスを含む空気中のトルエンガスの濃度が前記ガス濃度計25で検出されており、その検出値が所定の設定値よい低い場合には、ガス濃度計25からの信号により前記自動開閉弁24bが開いて、前記溶剤再生装置9内に滞留しているトルエンガスが抽気されダクト24を介してダクト4内に供給されて、ダクト4内のトルエンガスの濃度を所定の濃度まで高められる。また、ガス濃度計25での検出値が所定の設定値を超えた場合には、濃度検出計25からの指令で前記自動開閉弁24は閉じられる。
このようにすると、印刷機で発生するトルエンガスの濃度が低下したときでも、ガスタービン10のコンプレッサー3に送られる空気中のトルエンガスの濃度を一定に維持することができて、ガスタービン10を安定に運転することができると共に、前記溶剤再生装置9のコンデンサ19においてトルエンガスを冷却するために消費するエネルギーを低減することができる。
【0021】
この実施の形態の有機成分含有ガス、廃液の処理装置1および処理方法によれば、トルエンガスを含む空気の燃焼器5の入口における温度が温度センサ16に設定した所定の設定温度500〜600℃より低いときは、灯油等の通常の燃料油を燃焼器5に送り、前記設定温度を超えたときは、トルエン廃液から回収したトルエン溶液eを燃焼器5に送って燃焼させるようにしたので、トルエンガス、およびトルエン廃液wから回収したトルエン溶液eまたはトルエンガスの両方をガスタービン2を含む1台の処理装置1で同時に効率よく処理することができる。
【0022】
しかも、処理装置1の起動時に、前記温度センサ16における前記設定温度より低く設定すると、タービン10からの排気中にトルエンガス等が未燃のまま含まれて排気ダクト15から排出されるおそれがあるが、前記のように温度センサ16の設定温度が適切に設定されているので、この実施の形態の処理装置1および処理方法ではそのようなおそれはない。
【0023】
また、タービン10からの排気によって、再生器13で燃焼器5に入るトルエンガスの温度を有効に高めることができると共に、溶剤再生装置9のトルエン廃液を前記燃焼器5での燃料(トルエン溶液)として有効に回収することができ、処理装置1を運転するための燃料を節約することができる。
また、燃焼器5で燃焼させる燃料油を灯油等とトルエン溶液とに使い分けができるので、処理装置1におけるトルエンガス、廃液の処理量が低下しても、ガスタービン2を一定の運転条件で運転できるので、発電機11で一定電圧を確保することができる。
【0024】
また、印刷機のように頻繁に運転、停止を繰り返す有機成分含有ガス、廃液の発生装置の運転、停止に合わせて処理装置1の運転、停止を頻繁に行うと、ガスタービン10や溶剤再生装置9の故障を起こしてそれらの寿命が短くなるが、前記実施の形態に係る有機成分含有ガス、廃液の処理装置1によれば、印刷機の運転の停止時には、前記自動切替弁8の切換によってガスタービン10を待機運転で運転を継続することができるので、前記問題を解決することができる。
【0025】
次に、図2は本発明の第2の実施の形態に係る有機成分含有ガス、廃液の処理装置22を示す。
この実施の形態に係る有機成分含有ガス、廃液の処理装置22は、前記第1の形態に係る有機成分含有ガス、廃液の処理装置1において、前記ダクト15における再生器13の下流側管15aが、溶剤再生装置9に連絡されているのに代えて、前記下流側管15aが温水器(熱交換器)23に連絡され、該温水器23に供給される水Sを加熱した後に排気がなされるようにしたもので、その他の構成は、前記発電機11がコンプレッサー3の軸に連結されている点、および前記有機溶剤ガスを燃焼器5に送る通路12と、タービン10から前記温水器23に排気を送る排気ダクト15とに、前記再生器13を,迂回させるバイパス管路12a,15bを設けている点を除いて、第1の実施の形態に係る有機溶剤ガス、廃液処理装置1と同一であるので、該処理装置1と同一の構成部分には同一の符号を付してそれらに関する説明は省略する。
【0026】
この実施の形態に係る有機溶剤ガス、廃液の処理装置22においては、タービン10から出た排気が再生器13を通って燃焼器5に送られるトルエンガスを加熱した後、温水器23で水管24から供給される水Sを加熱するのに有効に利用される。
この実施の形態に係る有機溶剤ガス、廃液の処理装置22および処理方法によれば、前記第1の実施の形態に係る有機成分含有ガス、廃液の処理装置1および処理方法と同様な作用効果が奏される。
【0027】
なお、前記各実施の形態に係る有機溶剤ガス、廃液の処理装置1,22では、燃料油管6と廃液供給管7と燃料油管6の途中で合流させ、この合流部に三方弁からなる自動切替弁8を設けたが、燃料油管6と廃液供給管7を合流させずに、前記燃焼器5に並列に接続し、それらの燃料油管6と廃液供給管7に個別に自動開閉弁(切換手段)を設け、一方の自動開閉弁が管路を前記燃焼器に連絡したとき、他方の自動開閉弁が管路を閉鎖するように、それらの自動開閉弁を連動切換えするようにしてもよい。
また、前記各実施の形態に係る有機成分含有ガス、廃液の処理装置1,22および該処理装置1,22を用いた処理方法では、トルエンを処理対象としたが、本発明においては、有機成分含有ガス、廃液はトルエンに限らず、メタノール、メチルエチルケトン、イソプロピレンアルコール等の混合溶剤を処理対象とすることができる。
【0028】
また、前記各実施の形態に係る有機成分含有ガス、廃液の処理装置1,22および該処理装置1,22を用いた処理方法では、印刷機で発生されるトルエンガスを濃縮することなくガスタービン10のコンプレッサー3に送るようにしたが、これに限らず、吸着、冷却、脱着再生ゾーンを有する回転型濃縮装置等の適宜濃縮装置によって前記印刷機で発生されるトルエンガスを濃縮した後に、前記コンプレッサー3に送るようにしてもよい。
この場合には、前記濃縮装置ではトルエンガスの濃縮処理に際して加熱されるため、濃縮装置の出口でのトルエンガスの温度が高く、そのままコンプレッサー3に導入すると、ガスタービン10の出力、性能が低下してしまうので、温度の高くなったトルエンガスに冷却空気を混入させたり、トルエン溶液を噴霧してその蒸発熱で冷却し、ガスタービン10の運転に適したコンプレッサー3への吸入空気の温度、濃度が得られるように制御する必要がある。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば以下の優れた効果を奏する。
請求項1に記載の有機溶剤ガス、廃液の処理方法によれば、燃料油と有機成分含有廃液のいずれか一方を選択して、ガスタービンの燃焼器に供給し、ガスタービンのコンプレッサーによって圧縮して前記燃焼器に供給された有機成分含有ガスで燃焼させてタービンを回転させる有機成分含有ガス、廃液の処理方法において、前記有機成分含有ガスの前記燃焼器の入口における温度が所定の設定温度以下であるときに前記燃料油を選択し、前記有機成分含有ガスの前記燃焼器の入口における温度が所定の設定温度を超えたときに前記有機成分含有廃液を選択するようにしたので、有機成分含有ガスと有機成分含有廃液の両方をガスタービンを含む1台の処理装置よって同時に、効率よく、未燃の有機成分含有ガスを排出させることなく処理することができる。
【0030】
請求項2に記載の有機溶剤ガス、廃液の処理装置によれば、ガスタービンと、該ガスタービンのコンプレッサーの空気入口に連絡され該コンプレッサーに有機成分含有ガスを供給するダクトと、前記ガスタービンの燃焼器に燃料油を供給する燃料油管と、前記燃焼器に有機成分含有廃液を供給する廃液供給管と、前記燃料油と有機成分含有廃液の前記燃焼器への供給を前記コンプレッサーで圧縮された有機成分含有ガスの前記燃焼器の入口における温度にもとづいて切り換える切換手段とを設けたので、切換手段によって前記燃料油と有機成分含有廃液の前記燃焼器への供給の切り換えを確実に行うことができ、請求項1に記載の処理方法を的確に実施することができる。
【0031】
前記処理装置において、有機成分含有ガスの燃焼器の入口における温度を温度センサ検出しその検出温度にもとづいて前記自動切替弁を切り換えて燃料油と有機成分含有廃液の前記燃焼器への供給を切り換えるようにすると、燃料油と有機成分含有廃液の前記燃焼器への供給の切換の時期を適切に行うことができる。
【0032】
また、前記処理装置において、前記コンプレッサーと前記燃焼器を連絡する通路に熱交換器を設け、コンプレッサーで圧縮された前記有機成分含有ガスをタービンからの排気によって加熱すると、燃焼器に入る有機成分含有ガスの温度を効果的に高めることができ、処理装置を高効率に運転させることができる。
【0033】
また、前記処理装置において、廃液供給管に溶剤再生装置を連絡させ、タービンの排気によって溶剤再生装置内の有機成分含有廃液を加熱、凝縮して有機成分含有ガスと有機成分含有溶液を生成させ、該有機成分含有溶液を前記廃液供給管へ取り出すようにすると、タービンからの排気によって、溶剤再生装置の有機成分含有廃液を前記燃焼器での燃料として有効に回収することができ、処理装置を運転するための燃料を節約することができる。
【0034】
また、前記処理装置において、ダクトにガス濃度検出手段を設けると共に溶剤再生装置を連絡させ、ガス濃度検出手段によって検出される前記ダクト内の有機成分含有ガスの濃度が所定値より低い場合に、溶剤再生装置内の有機成分含有ガスを前記ダクト内に供給させ、前記濃度が所定値を超えた場合に、溶剤再生装置内の有機成分含有ガスのダクト内への供給を停止するようにすると、有機成分含有ガス、廃液の発生源で発生するトルエンガスの濃度が低下したときでも、ガスタービンのコンプレッサーに送られる空気中の有機成分含有ガスの濃度を一定に維持することができて、ガスタービンを安定に運転することができると共に、前記溶剤再生装置において有機成分含有ガスを冷却するために消費するエネルギーを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態に係る有機成分含有ガス、廃液の処理装置を示す系統図である。
【図2】 本発明の第2の実施の形態に係る有機成分含有ガス、廃液の処理装置を示す系統図である。
【図3】 有機溶剤再生装置の縦断面図である。
【符号の説明】
1,22 有機成分含有ガス、廃液の処理装置
2 ガスタービン
3 コンプレッサー
4 有機成分含有ガスの供給管
5 燃焼器
6 燃料油管
7 廃液供給管
8 自動切替弁(切換手段)
9 溶剤再生装置
10 タービン
11 発電機
12,14 通路
13 再生器(熱交換器)
15 排気ダクト
16 温度センサ
23 温水器(熱交換器)
24 ガスダクト
24b 自動開閉弁
25 ガス濃度計(ガス濃度検出手段)
Claims (6)
- 燃料油と有機成分含有廃液のいずれか一方を選択して、ガスタービンの燃焼器に供給し、ガスタービンのコンプレッサーによって圧縮して前記燃焼器に供給された有機成分含有ガスで燃焼させてタービンを回転させる有機成分含有ガス、廃液の処理方法において、
前記有機成分含有ガスの前記燃焼器の入口における温度が所定の設定温度以下であるときに前記燃料油を選択し、前記有機成分含有ガスの前記燃焼器の入口における温度が所定の設定温度を超えたときに前記有機成分含有廃液を選択することを特徴とする有機成分含有ガス、廃液の処理方法。 - ガスタービンと、該ガスタービンのコンプレッサーの空気入口に連絡され該コンプレッサーに有機成分含有ガスを供給するダクトと、前記ガスタービンの燃焼器に燃料油を供給する燃料油管と、前記燃焼器に有機成分含有廃液を供給する廃液供給管と、前記燃料油と有機成分含有廃液の前記燃焼器への供給を前記コンプレッサーで圧縮された有機成分含有ガスの前記燃焼器の入口における温度にもとづいて切り換える切換手段とを設けたことを特徴とする有機成分含有ガス、廃液の処理装置。
- 前記切換手段は、前記燃料油管と廃液供給管とに設けられ自動切替弁と、前記コンプレッサーで圧縮された有機成分含有ガスの前記燃焼器の入口における温度を検出する温度センサとを備え、該温度センサが検出する温度にもとづいて前記自動切替弁を切り換えて燃料油と有機成分含有廃液の前記燃焼器への供給を切り換えるようにしたことを特徴とする請求項2に記載の有機成分含有ガス、廃液の処理装置。
- 前記コンプレッサーと前記燃焼器を連絡する通路に熱交換器が設けられ、コンプレッサーで圧縮された前記有機成分含有ガスが前記タービンからの排気によって加熱されるようになっていることを特徴とする請求項2または3に記載の有機成分含有ガス、廃液の処理装置。
- 前記廃液供給管には溶剤再生装置が連絡され、タービンの排気によって溶剤再生装置内の有機成分含有廃液が加熱、凝縮されて有機成分含有ガスと有機成分含有溶液が生成され、該有機成分含有溶液が前記廃液供給管へ取り出されるようになっていることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の有機成分含有ガス、廃液の処理装置。
- 前記ダクトには、ガス濃度検出手段が設けられると共に前記溶剤再生装置が連絡され、ガス濃度検出手段によって検出されるダクト内の有機成分含有ガスの濃度が所定値より低い場合に、前記溶剤再生装置内の有機成分含有ガスがダクト内に供給され、前記濃度が所定値を超えた場合に、溶剤再生装置内の有機成分含有ガスのダクト内への供給が停止されるようになっていることを特徴とする請求項5に記載の有機成分含有ガス、廃液の処理装置。
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