JP2004238665A - 双ドラム式連続鋳造法で得た低炭素鋼薄肉鋳片、低炭素薄鋼板およびその製造方法 - Google Patents

双ドラム式連続鋳造法で得た低炭素鋼薄肉鋳片、低炭素薄鋼板およびその製造方法 Download PDF

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勝浩 笹井
Wataru Ohashi
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Abstract

【課題】溶鋼中に殆ど介在物を生成させることなく、凝固時に酸化物を微細に析出させることにより、確実に表面疵を防止できる低炭素薄鋼板、低炭素鋼鋳片とその製造方法を提示すること。
【解決手段】溶鋼の炭素濃度を低炭素濃度域まで脱炭した後、該溶鋼にNbを添加し、さらに溶鋼中の溶存酸素濃度を0.02質量%以上、0.06質量%以下に調整した溶鋼を双ドラム式連続鋳造法で鋳造することを特徴とする低炭素鋼薄肉鋳片の製造方法、低炭素鋼薄肉鋳片および低炭素鋼薄鋼板。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、双ドラム式連続鋳造方法により製造された加工性、成形性に優れ、表面疵も発生し難い低炭素鋼薄肉鋳片、低炭素薄鋼板およびその製造方法に関するものである。なお、本発明における低炭素とは、炭素濃度の上限は特に規定するものではなく、他の鋼種と比較して相対的に炭素濃度が低いという意味である。特に、薄板用鋼板は、自動車用外板等の加工が厳しい用途に用いられるため、加工性を付与する必要から、C濃度を0.05質量%以下、好ましくは0.01質量%以下にするのが良い。C濃度の下限値は特に規定するものではない。
【0002】
【従来の技術】
近年、省工程・省エネルギーの観点から、最終品に近い薄板を鋳造段階で製造する技術、すなわちニア・ネット・シェイプ連続鋳造(Near Net Shape CC)の開発が行われている。この内、薄板系のニア・ネット・シェイプ連続鋳造として有力なものに双ドラム式連続鋳造方法が特許文献1に開示されている。双ドラム式連続鋳造装置を用いた薄肉鋳片の連続鋳造においては、図1に示すように互いに逆方向に回転する一対の冷却ロール1により区画された湯溜まり部2に、溶鋼3をノズル4を介してタンディッシュ5から供給することにより薄肉鋳片6を鋳造するようになっている。この双ドラム式連続鋳造において表面欠陥のない薄肉鋳片を安定的に鋳造するためには、湯溜まり部内の溶鋼流動を整流化し、湯面変動を防止することが重要である。
これに対し、特許文献2には、浸漬ノズル内にフィルターを内蔵させ、ノズル全幅にわたって乱れのない吐出流を生成させる方法が、また特許文献3にはスリット状ノズルに整流多孔ノズルを内装させ、ノズル吐出流を整流化する方法が、それぞれ開示されている。
【0003】
【特許文献1】
特開昭60−137562号公報
【特許文献2】
特開昭62−282753号公報
【特許文献3】
特開平8−164454号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記の特許文献2〜3の方法は、双ドラム式連続鋳造法で製造されるステンレス鋼(Al脱酸ではない)では或る程度の効果を発揮しているが、低炭素鋼の鋳造に際しては脱酸生成物であるアルミナ介在物が浸漬ノズル内のフィルターや整流多孔ノズルを目詰まりさせ、激しい場合には吐出孔全体を閉塞させる。その結果、吐出流は乱れ、湯面変動に起因する介在物の再巻き込みにより表面欠陥が多発するといった問題を生じる。また、双ドラム式連続鋳造法ではタンディッシュから注入された溶鋼は極めて短時間で凝固し、介在物の浮上時間が確保できないため、低炭素鋼では殆どの粗大なアルミナ介在物が薄肉鋳片内に捕捉される。このため、湯面変動がない安定鋳造状態であっても、表面欠陥が発生しない程度まで溶鋼中のアルミナ介在物を低減することは難しい。
【0005】
これらの問題を鑑み、本発明は低炭素溶鋼中の介在物をノズルに付着し難く、且つ凝集・合体して粗大化し難い組成に制御し、介在物の浮上除去が殆ど期待できない双ドラム式連続鋳造法で製造した薄肉鋳片内の介在物を微細分散させることにより、確実に表面疵を防止できる低炭素鋼薄肉鋳片、低炭素薄鋼板およびその製造方法を提示することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は以下の構成を要旨とする。即ち、
(1)溶鋼の炭素濃度を低炭素濃度域まで脱炭した後、該溶鋼にNbを添加し、さらに溶鋼中の溶存酸素濃度を0.02質量%以上、0.06質量%以下に調整した溶鋼を双ドラム式連続鋳造法で鋳造することを特徴とする低炭素鋼薄肉鋳片の製造方法。
(2)溶鋼の炭素濃度を低炭素濃度域まで脱炭した後、該溶鋼にNbを添加して、溶鋼中のNb濃度を0.005質量%以上、0.4質量%以下にし、さらに溶鋼中の溶存酸素濃度を0.02質量%以上、0.06質量%以下に調整した溶鋼を双ドラム式連続鋳造法で鋳造することを特徴とする低炭素薄肉鋳片の製造方法。
(3)真空脱ガス処理により溶鋼の炭素濃度を低炭素濃度域まで脱炭した後、該溶鋼にNbを添加し、さらに溶鋼中の溶存酸素濃度を0.02質量%以上、0.06質量%以下に調整した溶鋼を双ドラム式連続鋳造法で鋳造することを特徴とする低炭素薄肉鋳片の製造方法。
(4)真空脱ガス処理により溶鋼の炭素濃度を低炭素濃度域まで脱炭した後、該溶鋼にNbを添加して、溶鋼中のNb濃度を0.005質量%以上、0.4質量%以下にし、さらに溶鋼中の溶存酸素濃度を0.02質量%以上、0.06質量%以下に調整した溶鋼を双ドラム式連続鋳造法で鋳造することを特徴とする低炭素薄肉鋳片の製造方法。
(5)低炭素溶鋼を双ドラム式連続鋳造法で鋳造して得られた薄肉鋳片を冷間圧延した薄鋼板であって、該薄鋼板中に直径0.5μmから30μmの微細酸化物が1000個/cm以上、1000000個/cm未満分散し、且つその酸化物の一部または全部に少なくともSi、Mn、Feを含んでいることを特徴とする低炭素薄鋼板。
(6)低炭素溶鋼を双ドラム式連続鋳造法で鋳造して得られた薄肉鋳片を冷間圧延した薄鋼板であって、該薄鋼板中に存在する酸化物の個数割合で40%以上が少なくともSi、Mn、Feを含んでいることを特徴とする低炭素薄鋼板。
(7)低炭素溶鋼を双ドラム式連続鋳造法で鋳造して得られた薄肉鋳片を冷間圧延した薄鋼板であって、該薄鋼板中に存在する酸化物の個数割合で40%以上が少なくともSi、Mn、Feを含んだ球状酸化物であることを特徴とする低炭素薄鋼板。
(8)低炭素溶鋼を双ドラム式連続鋳造法で鋳造して得られた薄肉鋳片を冷間圧延した薄鋼板であって、該薄鋼板中に存在する酸化物の個数割合で40%以上が少なくともSi酸化物、Mn酸化物、Fe酸化物の含有率で、20質量%以上であることを特徴とする低炭素薄鋼板。
(9)低炭素溶鋼を双ドラム式連続鋳造法で鋳造して得られた薄肉鋳片を冷間圧延した薄鋼板であって、該薄鋼板中に存在する酸化物の個数割合で40%以上が少なくともSi酸化物、Mn酸化物、Fe酸化物の含有率で、20質量%以上の球状酸化物であることを特徴とする低炭素薄鋼板。
(10)低炭素溶鋼を双ドラム式連続鋳造法で鋳造して得られた薄肉鋳片を冷間圧延した薄鋼板であって、該薄鋼板中に直径0.5μmから30μmの微細酸化物が1000個/cm以上、1000000個/cm未満分散し、且つその酸化物の個数割合で40%以上が少なくともSi、Mn、Feを含んでいることを特徴とする低炭素薄鋼板。
(11)低炭素溶鋼を双ドラム式連続鋳造法で鋳造して得られた薄肉鋳片を冷間圧延した薄鋼板であって、該薄鋼板中に直径0.5μmから30μmの微細酸化物が1000個/cm以上、1000000個/cm未満分散し、且つその酸化物の個数割合で40%以上が少なくともSi、Mn、Feを含んだ球状酸化物であることを特徴とする低炭素薄鋼板。
(12)低炭素溶鋼を双ドラム式連続鋳造法で鋳造して得られた薄肉鋳片を冷間圧延した薄鋼板であって、該薄鋼板中に直径0.5μmから30μmの微細酸化物が1000個/cm以上、1000000個/cm未満分散し、且つその酸化物の個数割合で40%以上が少なくともSi酸化物、Mn酸化物、Fe酸化物の含有率で、20質量%以上であることを特徴とする低炭素薄鋼板。
(13)低炭素溶鋼を双ドラム式連続鋳造法で鋳造して得られた薄肉鋳片を冷間圧延した薄鋼板であって、該薄鋼板中に直径0.5μmから30μmの微細酸化物が1000個/cm以上、1000000個/cm未満分散し、且つその酸化物の個数割合で40%以上が少なくともSi酸化物、Mn酸化物、Fe酸化物の含有率で、20質量%以上の球状酸化物であることを特徴とする低炭素薄鋼板。
(14)低炭素溶鋼を双ドラム式連続鋳造法で鋳造して得られた薄肉鋳片であって、該薄肉鋳片内に直径0.5μmから30μmの微細酸化物が1000個/cm以上、1000000個/cm未満分散し、且つその酸化物の一部または全部に少なくともSi、Mn、Feを含んでいることを特徴とする低炭素鋼薄肉鋳片。
(15)低炭素溶鋼を双ドラム式連続鋳造法で鋳造して得られた薄肉鋳片であって、該薄肉鋳片内に存在する酸化物の個数割合で40%以上が少なくともSi、Mn、Feを含んでいることを特徴とする低炭素鋼薄肉鋳片。
(16)低炭素溶鋼を双ドラム式連続鋳造法で鋳造して得られた薄肉鋳片であって、該薄肉鋳片内に存在する酸化物の個数割合で40%以上が少なくともSi、Mn、Feを含んだ球状酸化物であることを特徴とする低炭素鋼薄肉鋳片。
(17)低炭素溶鋼を双ドラム式連続鋳造法で鋳造して得られた薄肉鋳片であって、該薄肉鋳片内に存在する酸化物の個数割合で40%以上が少なくともSi酸化物、Mn酸化物、Fe酸化物の含有率で、20質量%以上であることを特徴とする低炭素鋼薄肉鋳片。
(18)低炭素溶鋼を双ドラム式連続鋳造法で鋳造して得られた薄肉鋳片であって、該薄肉鋳片内に存在する酸化物の個数割合で40%以上が少なくともSi酸化物、Mn酸化物、Fe酸化物の含有率で、20質量%以上の球状酸化物であることを特徴とする低炭素鋼薄肉鋳片。
(19)低炭素溶鋼を双ドラム式連続鋳造法で鋳造して得られた薄肉鋳片であって、該薄肉鋳片内に直径0.5μmから30μmの微細酸化物が1000個/cm以上、1000000個/cm未満分散し、且つその酸化物の個数割合で40%以上が少なくともSi、Mn、Feを含んでいることを特徴とする低炭素鋼薄肉鋳片。
(20)低炭素溶鋼を双ドラム式連続鋳造法で鋳造して得られた薄肉鋳片であって、該薄肉鋳片内に直径0.5μmから30μmの微細酸化物が1000個/cm以上、1000000個/cm未満分散し、且つその酸化物の個数割合で40%以上が少なくともSi、Mn、Feを含んだ球状酸化物であることを特徴とする低炭素鋼薄肉鋳片。
(21)低炭素溶鋼を双ドラム式連続鋳造法で鋳造して得られた薄肉鋳片であって、該薄肉鋳片内に直径0.5μmから30μmの微細酸化物が1000個/cm以上、1000000個/cm未満分散し、且つその酸化物の個数割合で40%以上が少なくともSi酸化物、Mn酸化物、Fe酸化物の含有率で、20質量%以上であることを特徴とする低炭素鋼薄肉鋳片。
(22)低炭素溶鋼を双ドラム式連続鋳造法で鋳造して得られた薄肉鋳片であって、該薄肉鋳片内に直径0.5μmから30μmの微細酸化物が1000個/cm以上、1000000個/cm未満分散し、且つその酸化物の個数割合で40%以上が少なくともSi酸化物、Mn酸化物、Fe酸化物の含有率で、20質量%以上の球状酸化物であることを特徴とする低炭素鋼薄肉鋳片。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を詳細に説明する。
転炉や真空処理容器で脱炭処理された溶鋼中には、多量の溶存酸素が含まれており、この溶存酸素は通常Alの添加により殆ど脱酸される((1)式の反応)ため、多量のアルミナ系介在物を生成する。
2Al+3O=Al (1)
これらの介在物は脱酸直後からお互いに凝集合体し、数100μm以上の粗大なアルミナクラスターとなる。この溶鋼を双ドラム式連続鋳造法で鋳造すると凝固時間が非常に短いため、通常のスラブ用連続鋳造装置のように鋳型内での介在物浮上分離が殆ど期待できない。また、双ドラム式連続鋳造用浸漬ノズルは吐出流を整流化する目的で、スリット状ノズルを設ける等の複雑な構造となっているため、通常の連続鋳造用浸漬ノズルに比べて多量の介在物がノズル内壁や吐出孔に付着する。ノズル閉塞が発生すると、浸漬ノズルからの吐出流が不安定となり、ドラム間の湯溜まり部で湯面変動に起因する介在物の再巻き込みが生じる。このように、双ドラム式連続鋳造法で低炭素鋼を鋳造すると、表面欠陥の原因となる多量のアルミナクラスターが薄肉鋳片内に捕捉されるため、これまで高品質な低炭素鋼板を双ドラム式連続鋳造法で製造することは非常に難しかった。
【0008】
双ドラム式連続鋳造法は、非常に短時間で凝固を完了する急冷凝固プロセスであることが最大の特徴である。溶鋼中での凝集合体を防止して双ドラム式連続鋳造機内に溶鋼を注入できれば、その特徴である急冷効果により通常のスラブ連続鋳造法に比べて介在物をより均一微細に分散させることも可能となる。このため、双ドラム式連続鋳造方法を用いた際には、溶鋼中介在物の凝集合体防止効果が最大限に引き出され、表面欠陥を最も効果的に防止できることが利点である。
【0009】
そこで、本発明者らは、転炉や電気炉等の製鋼炉で精錬して、或いはさらに真空脱ガス処理等を行って、炭素濃度を低炭素濃度域まで脱炭した溶鋼にNbを添加し、且つ溶存酸素濃度を0.02質量%以上、0.06質量%以下に調整した溶鋼を双ドラム式連続鋳造装置を用いて鋳造する方法を考案した。この方法の基本思想は、鋳造時に酸素と反応してCOガスを発生させない程度まで炭素濃度を低減し、その上でクラスター化により粗大化したり、ノズルに付着するアルミナ介在物を生成させないようにAlを殆ど添加せず、溶存酸素を多量に残すことにより、溶鋼中に殆ど介在物を生成させず、且つ脱酸力の極めて弱いNbを添加してCやNを固定することで、薄板用鋼板としての材質をも確保することにある。
【0010】
先に述べたように転炉や真空処理容器で脱炭処理された溶鋼中には、多量の溶存酸素が含まれているため、溶鋼中にAlを全く添加しないか、或いは添加する場合でも少量を添加し、殆ど脱酸しなければ、溶鋼中に介在物は殆ど生成せず、非常に清浄性の高い溶鋼が得られる。しかし、このような溶存酸素の高い溶鋼を鋳造すると、凝固時にCOガスが発生し、激しい突沸現象が生じると共に、鋳片内に多量の気泡が捕捉されるため、鋳造性が悪化するだけでなく、鋳片品質も大きく低下する。本発明では、Alを全く添加しない、あるいは殆ど添加せずに溶存酸素を残す代わりに、C濃度を極力低下させることにより、凝固時のCOガス発生を抑制する。実験的検討から急冷凝固できる双ドラム式連続鋳造装置を用いた場合、C濃度を0.05質量%以下、さらに好ましくは0.01質量%以下にすれば、凝固時のCOガス発生速度は極めて低下することが判明した。
【0011】
また、特に薄板用鋼板等においては加工性を高めるために、C濃度を極力低下させるとともに、鋼中に固溶したCとNを他元素の添加により固定することが重要である。通常、AlやTi等が鋼中のCとNを固定する元素として使用されるが、これらの元素をCやNを固定するに十分な量を添加すると溶鋼を強く脱酸してしまう。そこで、本発明ではNやCを十分に固定できる程度の量を添加しても、殆ど溶鋼を脱酸しないような、脱酸力が極めて弱い元素としてNbを添加することを見出した。
【0012】
上記の様にC濃度を0.05質量%以下、さらに好ましくは0.01質量%以下まで脱炭しても、溶鋼中の溶存酸素濃度が高過ぎると、凝固時のCOガス発生を抑制することはできないため、この場合溶存酸素濃度もある程度低くする必要がある。これら過剰な溶存酸素分だけであれば、AlやTi等で脱酸することは可能であるが、実験的な検討から溶存酸素濃度で0.02質量%よりも低下させると、アルミナやチタニア等の介在物が多くなり過ぎ、浮上除去されずに溶鋼中に残留してしまう。また、Nbを添加した際に、溶存酸素濃度が本発明の範囲の0.02質量%以上、0.06質量%以下であれば、AlやTi等を全く添加しなくても良い。反対に、溶存酸素濃度が0.06質量%を超えると、C濃度を0.05質量%以下、さらに好ましくは0.01質量%以下に下げても鋳片内にCO気泡が捕捉されてしまうため、圧延後に気泡系の欠陥が発生する。よって、溶鋼中の溶存酸素濃度は0.02質量%以上、0.06質量%以下にする必要がある。なお、溶鋼中の溶存酸素濃度は固定電解質を用いた酸素センサーにより、C濃度については溶鋼サンプリング法により分析することができる。
【0013】
次に、溶鋼に添加されたNbの好ましい溶鋼中の濃度について説明する。溶鋼中のNb濃度が0.005質量%未満ではC、Nを十分固定しにくくなり、0.4質量%超では加工性が低下し易くなることから、Nbの添加量は溶鋼中のNb濃度が0.005質量%以上、0.4質量%以下になる様にすることが好ましい。また、この範囲のNb添加量であれば、Nbと平衡する酸素濃度は0.02質量%以上であり、Nbを添加しても溶存酸素を0.02質量%以上確保できる。
また上記の様に、溶鋼のC濃度を0.01質量%以下まで脱炭する方法としては、通常は真空脱ガス装置を用いることで達成できる。
【0014】
次に、本発明の鋳片について説明する。
溶鋼中のC濃度を非常に低くすると、溶存酸素は鋳造中にFe酸化物系介在物として析出する。このFe酸化物系介在物は溶鋼中で生成するのではなく、凝固時に析出するため、凝集合体する時間が短く、鋳片内に微細に分散する。特に、双ドラム式連続鋳造法では従来のスラブ連続鋳造に比べて凝固時間が極めて短いため、析出したFe酸化物系介在物の凝集時間は無限小となり、鋳片内への微細分散効果が最大限に発揮される。なお、Fe酸化物系介在物とは純粋なFe酸化物だけでなく、Si酸化物やMn酸化物等と複合化した酸化物も含む。従って、本発明の様な低炭素鋼においては、少なくとも酸化物としてSi、Mn、Feが含まれている。言い換えれば、Si、Mn、Feの各酸化物の1種以上が含まれている。
【0015】
また、本発明の薄肉鋳片内にある介在物分散状態を評価したところ、直径0.5μmから30μmの微細酸化物が鋳片内に1000個/cm以上1000000個/cm未満分散しており、この様に介在物が微細に分散していることで、表面欠陥の防止を達成できる。
尚、上記微細酸化物の直径を0.5μmから30μmとしたのは、本発明の鋳片と鋼板における介在物の大きさがほぼ0.5μmから30μmの範囲にほぼ収まっており、且つこれより小さい介在物は表面欠陥の原因とはならないためである。
また、介在物分散状態として1000個/cm以上1000000個/cm未満としたのは、本発明における薄肉鋳片と鋼板の介在物がこの個数密度にある場合、表面欠陥が発生しなかったためである。
ここで、介在物の分散状態は、鋳片の研磨面を100倍と1000倍の光学顕微鏡で観察し、単位面積内の介在物粒径分布を評価した。この介在物の粒径、すなわち直径とは長径と短径を測定し、(長径×短径)0.5とした。
【0016】
また、薄肉鋳片内に存在する酸化物の個数割合で40%以上が少なくともSi、Mn、Feを含んでいれば、殆どの介在物が凝固時に生成し、凝集合体する時間が短いので、微細に分散でき、表面欠陥が発生しにくいためである。
さらに、通常このような介在物は球状酸化物である。
さらに、薄肉鋳片内に存在する酸化物の個数割合で40%以上が少なくともSi酸化物、Mn酸化物、Fe酸化物の含有率で20質量%以上、より好ましくは50質量%以上であれば、酸化物は殆ど凝固完了に近い時期に生成し、凝集合体する時間が非常に短いので、介在物が微細分散し、表面欠陥が発生し難いためである。
また、本発明の薄肉鋳片内にある介在物分散状態として、直径0.5μmから30μmの微細酸化物が鋳片内に1000個/cm以上1000000個/cm未満分散していて、且つ上記記載の酸化物の個数割合の両方を満足していると、さらに好ましいことは言うまでもない。
【0017】
上記の酸化物分散状態、組成および形状を有した薄肉鋳片を冷間圧延して得られる冷延鋼板等の、鋳片を加工して得られる薄鋼板を、本発明では薄鋼板と定義する。
鋳片と同様に、薄鋼板の介在物分散状態についても評価したところ、薄肉鋳片内の酸化物分散状態とほぼ同じであった。このような酸化物分散状態、組成および形状を有する鋳片を加工して得られる薄鋼板では、表面欠陥は発生しない。
【0018】
以上の結果から、本発明により溶鋼中で殆ど介在物を生成させることなく、凝固時にFe酸化物系の酸化物を主に析出させ微細に分散させることができるため、鋼板製造時に介在物は表面疵発生の原因とならず、薄板用鋼板の品質は大きく向上できる。
【0019】
薄鋼板は、自動車用外板等の加工が厳しい用途に用いられるため、加工性を付加する必要がある。薄鋼板の加工性を高めるためには、C濃度を極力低下させ、その上で鋼中に固溶したCとNを他元素の添加により固定することが重要である。C濃度に関しては、加工性の観点から0.05質量%以下、好ましくは0.001質量%以下にするのが良い。なお、C濃度の下限値は特に規定するものではない。
【0020】
また、薄鋼板中の成分の作用について言及する。
薄鋼板中のSi濃度は、0.005質量%以上、0.03質量%以下であることが好ましい。Si濃度は0.005質量%未満では板の強度が不足するため、またSi濃度が0.03質量%超では板の加工性が低下するためである。また、Si濃度が0.03質量%以下であれば平衡酸素濃度も0.02質量%以上とすることができ、すなわち溶存酸素濃度を0.02質量%以上確保することが可能である。
【0021】
薄鋼板中のMn濃度が0.08質量%未満になると熱間圧延時にへげ疵が発生し易くなり、またMn濃度は0.3質量%を超えると板の加工性が低下する。このため、薄鋼板中のMn濃度は0.08質量%以上、0.3質量%以下であることが好ましい。また、MnはSiに比べても非常に脱酸力が弱いため、Mn濃度を0.3質量%にしても平衡酸素濃度は0.1質量%超であり、溶鋼中に0.02質量%から0.06質量%の溶存酸素を確保できる。
【0022】
本発明では、凝集合体し易いアルミナ系介在物を生成させないように、溶鋼中にAlを殆ど添加しない必要があるが、耐火物等から不可避的に侵入するアルミナ系介在物については問題とならない。これは、少量のアルミナ系介在物であれば、溶鋼中の溶存酸素が高いため、溶鋼とアルミナ系介在物の界面エネルギーは低下しており、凝集合体が殆ど生じないためである。また、鋼中のTiはCとNをTiNやTiCとして固定するため、加工性を向上させる上で有効であるが、Tiの添加量も多くなると、例えばTi濃度が0.003質量%以上になると平衡酸素濃度が0.02質量%未満になるため、十分な溶存酸素濃度を確保できない。よって、加工性をさらに高める必要からTiを添加する場合には、0.003質量%以下の範囲で添加しても良い。
【0023】
【実施例】
以下に、実施例及び比較例を挙げて、本発明について説明する。
実施例1
転炉での精錬と環流式真空脱ガス装置での処理により、C濃度を0.0018質量%とした溶鋼300tを溶製した。この溶鋼に合金を添加し、0.01質量%Si、0.15質量%Mn、0.015質量%Nb、0.045質量%溶存酸素とした。この溶鋼を双ドラム式連続鋳造法で厚み3mm、幅1200mmの薄肉鋳片を鋳造した。鋳造中は、浸漬ノズルへの介在物付着がなかったため、ドラム間の湯溜まり部における湯面変動はなく安定鋳造であった。薄肉鋳片内の介在物を調査したところ、直径0.5μmから30μmの微細酸化物が鋳片内に30000個/cm分散しており、その70%はSi酸化物、Mn酸化物、Fe酸化物を合計で60質量%以上含有する球状酸化物であった。このようにして得られた薄肉鋳片を、酸洗後、冷間圧延、焼鈍を実施し、0.7mm厚みの薄鋼板とした。薄鋼板の品質については、冷間圧延後の検査ラインで目視観察を行い、1コイル当たりに発生する表面欠陥の発生個数を評価した。その結果、表面欠陥は発生しなかった。また、鋳片と同様に、薄鋼板内の介在物を調査したところ、直径0.5μmから30μmの微細酸化物が鋳片内に33000個/cm分散しており、その70%はSi酸化物、Mn酸化物、Fe酸化物を合計で60質量%以上含有する球状酸化物であった。
【0024】
実施例2
転炉での精錬と環流式真空脱ガス装置での処理によりC濃度を0.009質量%とした溶鋼300tを溶製した。この溶鋼に合金を添加し、0.01質量%Si、0.15質量%Mn、0.015質量%Nb、0.001質量%Ti、0.035質量%溶存酸素とした。この溶鋼を双ドラム式連続鋳造法で厚み3mm、幅1200mmの薄肉鋳片を鋳造した。鋳造中は、浸漬ノズルへの介在物付着がなかったため、ドラム間の湯溜まり部における湯面変動はなく安定鋳造であった。薄肉鋳片内の介在物を調査したところ、直径0.5μmから30μmの微細酸化物が鋳片内に27000個/cm分散しており、その70%はSi酸化物、Mn酸化物、Fe酸化物を合計で60質量%以上含有する球状酸化物であった。このようにして得られた薄肉鋳片を、酸洗後、冷間圧延、焼鈍を実施し、0.7mm厚みの薄鋼板とした。薄鋼板の品質については、冷間圧延後の検査ラインで目視観察を行い、1コイル当たりに発生する表面欠陥の発生個数を評価した。その結果、表面欠陥は発生しなかった。また、鋳片と同様に、薄鋼板内の介在物を調査したところ、直径0.5μmから30μmの微細酸化物が鋳片内に29000個/cm分散しており、その70%はSi酸化物、Mn酸化物、Fe酸化物を合計で60質量%以上含有する球状酸化物であった。
【0025】
比較例1
転炉での精錬と環流式真空脱ガス装置での処理により炭素濃度を0.0015質量%とした取鍋内溶鋼をAlで脱酸し、Al濃度0.04質量%、溶存酸素濃度0.0002質量%とした。この溶鋼を連続鋳造法で厚み250mm、幅1800mmのスラブに鋳造した。鋳造中は、浸漬ノズルへの介在物付着が徐々に進行し、鋳造後半には鋳型内で20mm程度の湯面変動が生じた。鋳造した鋳片は8500mm長さに切断し、1コイル単位とした。このようにして得られたスラブは、常法により熱間圧延、冷間圧延し、最終的には0.7mm厚みで幅1800mmコイルの薄鋼板とした。薄鋼板の品質については、冷間圧延後の検査ラインで目視観察を行い、1コイル当たりに発生する表面欠陥の発生個数を評価した。その結果、スラブ平均で5個/コイルの表面欠陥が発生した。また、薄鋼板内の介在物を調査したところ、直径0.5μmから30μmの微細酸化物は鋳片内に700個/cm程度しか存在しておらず、その98質量%は塊状とクラスター状のアルミナ系介在物であった。
【0026】
比較例2
転炉での精錬と環流式真空脱ガス装置での処理により炭素濃度を0.0015質量%とした取鍋内溶鋼をAlで脱酸し、Al濃度0.04質量%、溶存酸素濃度0.0002質量%とした。この溶鋼を双ドラム式連続鋳造法で厚み3mm、幅1200mmの薄肉鋳片を鋳造した。鋳造中は、浸漬ノズルへの介在物付着が、鋳造前半で顕著に進行し、鋳造後半にはドラム間の湯溜まり部における湯面変動が20mm程度に達した。薄肉鋳片内の介在物を調査したところ、直径0.5μmから30μmの微細酸化物は鋳片内に600個/cm程度と少なく、その98%はSi酸化物、Mn酸化物、Fe酸化物を全く含まない塊状とクラスター状のアルミナ系介在物であった。このようにして得られた薄肉鋳片を、酸洗後、冷間圧延、焼鈍を実施し、0.7mm厚みの薄鋼板とした。薄鋼板の品質については、冷間圧延後の冷間圧延後の検査ラインで目視観察を行い、1コイル当たりに発生する表面欠陥の発生個数を評価した。その結果、スラブ平均で7個/コイルの表面欠陥が発生した。また、薄鋼板内の介在物を調査したところ、直径0.5μmから30μmの微細酸化物は鋳片内に640個/cm程度しか存在しておらず、その98質量%は塊状とクラスター状のアルミナ系介在物であった。
【0027】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明によると、ノズル閉塞が抑制され、薄肉鋳片内および薄鋼板内の介在物を微細分散させることができるため、確実に表面疵を防止できる加工性、成形性に優れた低炭素薄鋼板を、双ドラム式連続鋳造法を用いて鋳造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】双ドラム式連続鋳造装置の概要を示す図。
【符号の説明】
1 冷却ロール
2 湯溜まり部
3 溶鋼
4 ノズル
5 タンディッシュ
6 薄肉鋳片

Claims (22)

  1. 溶鋼の炭素濃度を低炭素濃度域まで脱炭した後、該溶鋼にNbを添加し、さらに溶鋼中の溶存酸素濃度を0.02質量%以上、0.06質量%以下に調整した溶鋼を双ドラム式連続鋳造法で鋳造することを特徴とする低炭素鋼薄肉鋳片の製造方法。
  2. 溶鋼の炭素濃度を低炭素濃度域まで脱炭した後、該溶鋼にNbを添加して、溶鋼中のNb濃度を0.005質量%以上、0.4質量%以下にし、さらに溶鋼中の溶存酸素濃度を0.02質量%以上、0.06質量%以下に調整した溶鋼を双ドラム式連続鋳造法で鋳造することを特徴とする低炭素薄肉鋳片の製造方法。
  3. 真空脱ガス処理により溶鋼の炭素濃度を低炭素濃度域まで脱炭した後、該溶鋼にNbを添加し、さらに溶鋼中の溶存酸素濃度を0.02質量%以上、0.06質量%以下に調整した溶鋼を双ドラム式連続鋳造法で鋳造することを特徴とする低炭素薄肉鋳片の製造方法。
  4. 真空脱ガス処理により溶鋼の炭素濃度を低炭素濃度域まで脱炭した後、該溶鋼にNbを添加して、溶鋼中のNb濃度を0.005質量%以上、0.4質量%以下にし、さらに溶鋼中の溶存酸素濃度を0.02質量%以上、0.06質量%以下に調整した溶鋼を双ドラム式連続鋳造法で鋳造することを特徴とする低炭素薄肉鋳片の製造方法。
  5. 低炭素溶鋼を双ドラム式連続鋳造法で鋳造して得られた薄肉鋳片を冷間圧延した薄鋼板であって、該薄鋼板中に直径0.5μmから30μmの微細酸化物が1000個/cm以上、1000000個/cm未満分散し、且つその酸化物の一部または全部に少なくともSi、Mn、Feを含んでいることを特徴とする低炭素薄鋼板。
  6. 低炭素溶鋼を双ドラム式連続鋳造法で鋳造して得られた薄肉鋳片を冷間圧延した薄鋼板であって、該薄鋼板中に存在する酸化物の個数割合で40%以上が少なくともSi、Mn、Feを含んでいることを特徴とする低炭素薄鋼板。
  7. 低炭素溶鋼を双ドラム式連続鋳造法で鋳造して得られた薄肉鋳片を冷間圧延した薄鋼板であって、該薄鋼板中に存在する酸化物の個数割合で40%以上が少なくともSi、Mn、Feを含んだ球状酸化物であることを特徴とする低炭素薄鋼板。
  8. 低炭素溶鋼を双ドラム式連続鋳造法で鋳造して得られた薄肉鋳片を冷間圧延した薄鋼板であって、該薄鋼板中に存在する酸化物の個数割合で40%以上が少なくともSi酸化物、Mn酸化物、Fe酸化物の含有率で、20質量%以上であることを特徴とする低炭素薄鋼板。
  9. 低炭素溶鋼を双ドラム式連続鋳造法で鋳造して得られた薄肉鋳片を冷間圧延した薄鋼板であって、該薄鋼板中に存在する酸化物の個数割合で40%以上が少なくともSi酸化物、Mn酸化物、Fe酸化物の含有率で、20質量%以上の球状酸化物であることを特徴とする低炭素薄鋼板。
  10. 低炭素溶鋼を双ドラム式連続鋳造法で鋳造して得られた薄肉鋳片を冷間圧延した薄鋼板であって、該薄鋼板中に直径0.5μmから30μmの微細酸化物が1000個/cm以上、1000000個/cm未満分散し、且つその酸化物の個数割合で40%以上が少なくともSi、Mn、Feを含んでいることを特徴とする低炭素薄鋼板。
  11. 低炭素溶鋼を双ドラム式連続鋳造法で鋳造して得られた薄肉鋳片を冷間圧延した薄鋼板であって、該薄鋼板中に直径0.5μmから30μmの微細酸化物が1000個/cm以上、1000000個/cm未満分散し、且つその酸化物の個数割合で40%以上が少なくともSi、Mn、Feを含んだ球状酸化物であることを特徴とする低炭素薄鋼板。
  12. 低炭素溶鋼を双ドラム式連続鋳造法で鋳造して得られた薄肉鋳片を冷間圧延した薄鋼板であって、該薄鋼板中に直径0.5μmから30μmの微細酸化物が1000個/cm以上、1000000個/cm未満分散し、且つその酸化物の個数割合で40%以上が少なくともSi酸化物、Mn酸化物、Fe酸化物の含有率で、20質量%以上であることを特徴とする低炭素薄鋼板。
  13. 低炭素溶鋼を双ドラム式連続鋳造法で鋳造して得られた薄肉鋳片を冷間圧延した薄鋼板であって、該薄鋼板中に直径0.5μmから30μmの微細酸化物が1000個/cm以上、1000000個/cm未満分散し、且つその酸化物の個数割合で40%以上が少なくともSi酸化物、Mn酸化物、Fe酸化物の含有率で、20質量%以上の球状酸化物であることを特徴とする低炭素薄鋼板。
  14. 低炭素溶鋼を双ドラム式連続鋳造法で鋳造して得られた薄肉鋳片であって、該薄肉鋳片内に直径0.5μmから30μmの微細酸化物が1000個/cm以上、1000000個/cm未満分散し、且つその酸化物の一部または全部に少なくともSi、Mn、Feを含んでいることを特徴とする低炭素鋼薄肉鋳片。
  15. 低炭素溶鋼を双ドラム式連続鋳造法で鋳造して得られた薄肉鋳片であって、該薄肉鋳片内に存在する酸化物の個数割合で40%以上が少なくともSi、Mn、Feを含んでいることを特徴とする低炭素鋼薄肉鋳片。
  16. 低炭素溶鋼を双ドラム式連続鋳造法で鋳造して得られた薄肉鋳片であって、該薄肉鋳片内に存在する酸化物の個数割合で40%以上が少なくともSi、Mn、Feを含んだ球状酸化物であることを特徴とする低炭素鋼薄肉鋳片。
  17. 低炭素溶鋼を双ドラム式連続鋳造法で鋳造して得られた薄肉鋳片であって、該薄肉鋳片内に存在する酸化物の個数割合で40%以上が少なくともSi酸化物、Mn酸化物、Fe酸化物の含有率で、20質量%以上であることを特徴とする低炭素鋼薄肉鋳片。
  18. 低炭素溶鋼を双ドラム式連続鋳造法で鋳造して得られた薄肉鋳片であって、該薄肉鋳片内に存在する酸化物の個数割合で40%以上が少なくともSi酸化物、Mn酸化物、Fe酸化物の含有率で、20質量%以上の球状酸化物であることを特徴とする低炭素鋼薄肉鋳片。
  19. 低炭素溶鋼を双ドラム式連続鋳造法で鋳造して得られた薄肉鋳片であって、該薄肉鋳片内に直径0.5μmから30μmの微細酸化物が1000個/cm以上、1000000個/cm未満分散し、且つその酸化物の個数割合で40%以上が少なくともSi、Mn、Feを含んでいることを特徴とする低炭素鋼薄肉鋳片。
  20. 低炭素溶鋼を双ドラム式連続鋳造法で鋳造して得られた薄肉鋳片であって、該薄肉鋳片内に直径0.5μmから30μmの微細酸化物が1000個/cm以上、1000000個/cm未満分散し、且つその酸化物の個数割合で40%以上が少なくともSi、Mn、Feを含んだ球状酸化物であることを特徴とする低炭素鋼薄肉鋳片。
  21. 低炭素溶鋼を双ドラム式連続鋳造法で鋳造して得られた薄肉鋳片であって、該薄肉鋳片内に直径0.5μmから30μmの微細酸化物が1000個/cm以上、1000000個/cm未満分散し、且つその酸化物の個数割合で40%以上が少なくともSi酸化物、Mn酸化物、Fe酸化物の含有率で、20質量%以上であることを特徴とする低炭素鋼薄肉鋳片。
  22. 低炭素溶鋼を双ドラム式連続鋳造法で鋳造して得られた薄肉鋳片であって、該薄肉鋳片内に直径0.5μmから30μmの微細酸化物が1000個/cm以上、1000000個/cm未満分散し、且つその酸化物の個数割合で40%以上が少なくともSi酸化物、Mn酸化物、Fe酸化物の含有率で、20質量%以上の球状酸化物であることを特徴とする低炭素鋼薄肉鋳片。
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