JP2004238243A - 多孔質セラミック材及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の多孔質セラミック材は、ケイ素を主体とする非酸化物セラミックで構成された非晶質部分と、ケイ素を主体とする非酸化物セラミックで構成された結晶部分であって該非晶質部分に点在する結晶部分とから実質的に構成される多孔質部分を有し、該多孔質部分の細孔径分布のピーク値が2nm以下である。
【選択図】 図4
Description
【発明の属する技術分野】本発明は、ガス透過可能なサイズのミクロ細孔に富む多孔質セラミック材及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ミクロ細孔(孔径が概ね2nm以下のガス透過可能なサイズの開気孔をいう。以下同じ。)に富む多孔質セラミック材は、特定化学物質の分離、回収、精製のような種々の化学処理プロセスにおいて使用される。例えば、下記の特許文献1〜5(米国特許第5563212号、同第5643987号、同第5696217号、同第5872070号、同第5902759号)には、粒状の多孔質セラミック材が開示されている。
特に、非酸化物セラミック(酸素を含まない結合を主体とするセラミック体をいう。)から構成された多孔質セラミック材(以下「非酸化物系多孔質セラミック材」という。)は、比較的熱安定性に優れており、高温条件下における使用(例えばガス分離用途)に適する。例えば、特許文献6(特開2001−247385号公報)には、所謂クヌッセン的分離が可能な寸法(細孔径:10nm未満)の細孔を有する非酸化物セラミック膜が表面に形成された多孔質セラミック材が開示されている。
【0003】
従来、ミクロ細孔に富む非酸化物系多孔質セラミック材は、ポリカルボシラン、ポリシラン、ポリカルボシロキサン、ポリシラザン等の前駆体ポリマー(polymeric precursors)を熱分解することによって製造されている。すなわち上述したような前駆体ポリマーから実質的に構成された所定形状の被処理物を800℃又はそれ以上の高温で熱分解し、水素や有機化合物等のガス状分解産物を放出させると共に非晶質の非酸化物セラミック体を形成することによって、所定の形状のミクロ細孔に富む非酸化物系多孔質セラミック材が製造される(特許文献1〜6参照)。
【0004】
しかしながら、従来提供されてきた非晶質セラミック主体の非酸化物系多孔質セラミック材は、高温条件下における耐酸化性に関して改善すべき点があった。すなわち、従来の非晶質セラミック主体の非酸化物系多孔質セラミック材は、高温(例えば400℃以上)で水蒸気を多量に含む雰囲気のような過酷な条件下において、非酸化物セラミック構造の一部が酸化(例えば非酸化物セラミックを構成するSi−N結合の一部がSi−O結合となる。)し易かった。かかる酸化は、多孔質構造を変化させ、当該非酸化物系多孔質セラミック材の物理的特性(例えばガス分離性能)を変動させる要因となり得るため、好ましくない。
【0005】
【特許文献1】米国特許第5563212号明細書
【特許文献2】米国特許第5643987号明細書
【特許文献3】米国特許第5696217号明細書
【特許文献4】米国特許第5872070号明細書
【特許文献5】米国特許第5902759号明細書
【特許文献6】特開2001−247385号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した非酸化物系多孔質セラミック材に関する従来の課題を解決すべく創出されたものであり、その目的とするところは、耐酸化性、すなわち高温で酸化的な条件下における耐久性を向上させた非酸化物系多孔質セラミック材を提供することである。また、本発明の他の一つの目的は、そのような耐酸化性を有する非酸化物系多孔質セラミック材を製造する技術を提供することである。また、本発明の他の一つの目的は、かかる製造技術により製造された膜状の多孔質セラミック層を表面に有する多孔質セラミック材を提供することである。
また、本発明の関連する他の一つの目的は、酸化的雰囲気下においても水素の選択的透過性に優れるセラミック分離膜が形成されたガス分離材(水素分離材)及びそれを備えた装置(改質器等)を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】本発明によって提供される多孔質セラミック材は、ケイ素(Si)を主体とする非酸化物セラミックで構成された非晶質部分と、ケイ素を主体とする非酸化物セラミックで構成された結晶部分であって該非晶質部分に点在する結晶部分とから実質的に構成された多孔質部分を有する多孔質セラミック材(全体が当該多孔質部分であるものを包含する。)である。そして、当該多孔質部分における細孔径分布(ガス吸着法に基づく開気孔の細孔径分布をいう。以下同じ。)のピーク値は2nm以下(好ましくは0.1〜1nmの範囲内に細孔径分布のピーク値がある。)である。
【0008】
上記多孔質部分は、非晶質部分(マトリックス)中に結晶部分が点在している結果、実質的に非晶質セラミックのみから構成されたセラミック材よりも酸化的雰囲気中における耐酸化性に優れる。このため、本発明の多孔質セラミック材は、高温の水蒸気を含む雰囲気のような酸化条件下においても上記多孔質部分の三次元構造を維持しつつ、当該多孔質部分の物性(例えばガス選択透過性)を利用した使用が可能である。
特に、本発明の多孔質セラミック材における上記多孔質部分は2nm以下(好ましくは0.1〜1nmの範囲内に細孔径分布のピーク値がある。)のミクロ細孔(開気孔)に富む構造である。このため、本発明の多孔質セラミック材は、ガス分離用途や分子篩い等の高性能濾過用途に適するセラミック材である。
【0009】
かかる構成の多孔質セラミック材として好ましいものは、上記多孔質部分の細孔容積が0.05〜0.3cm3/g(例えば0.05〜0.2cm3/g)であることを特徴とする。あるいは上記多孔質部分の表面積が10〜400m2/g(例えば50〜300m2/g)であることを特徴とする。かかる細孔容積及び/又は表面積の多孔質部分は、高い機械的強度とガス分離性能を共に実現することができる。
【0010】
本発明によって提供される多孔質セラミック材の好ましいものは、上記の特徴を有する多孔質部分が所定の支持体上に膜状に形成されたセラミック材である。すなわち、本発明は、多孔質支持体と、該支持体の表面上の少なくとも一部に形成された多孔質セラミック層であって、ケイ素を主体とする非酸化物セラミックで構成された非晶質部分と、ケイ素を主体とする非酸化物セラミックで構成された結晶部分であって該非晶質部分に点在する結晶部分とを有し、細孔径分布のピーク値が2nm以下(好ましくは0.1〜1nmの範囲内に細孔径分布のピーク値がある。)である多孔質セラミック層とを備える多孔質セラミック材を提供する。
かかる多孔質セラミック層を備える多孔質セラミック材は、ガス分離材として有用であり、特に酸化的雰囲気中(例えば高温の水蒸気雰囲気中)での使用に適する。例えば、高温型燃料電池用改質器の水素分離膜として好適に使用し得る。
【0011】
かかる構成の多孔質セラミック材のあるものは、上記多孔質セラミック層の細孔容積が0.05〜0.3cm3/g(例えば0.05〜0.2cm3/g)であり、あるいは、上記多孔質セラミック層の表面積が10〜400m2/g(例えば50〜300m2/g)であることを特徴とする。
【0012】
好ましくは、本発明の多孔質セラミック材における上記非晶質部分はケイ素(Si)と窒素(N)とを主体に構成される。一方、好ましくは、上記結晶部分は窒化ケイ素を主体に構成される。Si及びNを主体に構成される多孔質セラミック材は、特に耐酸化性及び耐熱性に優れる。
【0013】
また、本発明は、本明細書において開示した多孔質セラミック材を製造する方法を提供する。本発明によって提供される製造方法は、ケイ素を主体とする非酸化物セラミックの前駆体ポリマーを含む被処理物を用意する工程と、アンモニア及び/又は水素を含む非酸化的雰囲気中で上記前駆体ポリマーを熱分解することによって、ケイ素を主体とする非酸化物セラミックで構成された非晶質部分と、ケイ素を主体とする非酸化物セラミックで構成された結晶部分であって該非晶質部分に点在する結晶部分とを有する多孔質セラミック体(上記多孔質部分に相当する。)を形成する工程とを包含する。
本明細書において「ケイ素を主体とする非酸化物セラミックの前駆体ポリマー」とは、熱分解によって、基本骨格中に酸素を実質的に含まないセラミックが形成される種々のケイ素含有ポリマー及びオリゴマーをいう。
【0014】
本発明の製造方法では、上記前駆体ポリマーを熱分解することにより、非晶質セラミックと当該非晶質から成る部分に散在する結晶質セラミックとを生成させる。このことにより、上述したような耐酸化性に優れる多孔質部分から成るセラミック材あるいは当該多孔質部分を一部に含むセラミック材を製造することができる。
例えば、多孔質支持体の表面に上記前駆体ポリマーを付与し、熱分解によって該支持体の表面に膜状の多孔質セラミック体を形成することによって、上述した多孔質セラミック層を備える多孔質セラミック材を製造することができる。
【0015】
好ましくは、本発明の製造方法では、850〜1000℃の範囲に最高温度を設定して上記熱分解を行う。このことによって、ケイ素を主体とする非酸化物セラミックで構成された非晶質部分中に点在するようにして、ケイ素を主体とする非酸化物セラミックで構成された結晶部分の生成が容易に行える。また、上記最高温度において被処理物を0.5〜3時間程度保持することが好ましい。
【0016】
また、前駆体ポリマーを熱分解するにあたっては、200〜400℃の範囲に中間保持温度を設定し、加熱開始温度から該中間保持温度まで20℃/分以下の昇温速度で被処理物を加熱し、その被処理物を該中間保持温度で少なくとも1時間保持し、その後に被処理物を上記最高温度まで概ね20℃/分以下の昇温速度で加熱することが好ましい。
このような加熱プロセスを採用すると、前駆体ポリマーの焼分解過程においてミクロ細孔の孔径をより小さく(典型的には細孔径分布のピーク値が0.1〜1nmの範囲にある。)することができる。
【0017】
好ましくは、本発明の製造方法では、上記多孔質セラミック体の形成された被処理物を最高温度から5℃/分以下の冷却速度で100℃以下まで冷却する。これにより、多孔質セラミック材中の結晶部分の容積比率を比較的高く維持することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している内容以外の技術的事項であって本発明の実施に必要な事項は、従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書及び図面によって開示されている技術内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
【0019】
本発明の多孔質セラミック材は、非酸化セラミックから成る非晶質部分と、当該非晶質部分中に点在する非酸化セラミックから成る結晶質部分とから実質的に構成される多孔質部分であって、細孔径分布のピーク値が2nm以下である多孔質部分を有することによって特徴付けられる多孔質セラミック材である。
このような多孔質セラミック材は、本明細書において明示的に或いは暗示的に教示される製造方法によって製造することができる。かかる製造方法で好適に用いられる前駆体ポリマーは、基本骨格(又は主鎖)がSiを主体に構成された無機又は有機の化合物であって、非酸化的条件下で高温(例えば800〜1200℃)で熱分解され、Si−N結合、Si−C結合、Si−Si結合、Si−C−N結合、Si−N−B結合のようなSiを主体とする結合によってその基本骨格(主鎖)が構成される非酸化物セラミックを生成し得る化合物である。この種のポリマーとして、種々のポリシラザン、ポリカルボシラザン、ポリカルボシラン、ポリシラン、ポリ有機シロキサン、ポリシラスチレン等が挙げられる。
好ましくは、熱分解によって生成するセラミック中に存在するSi原子数に対するSi−N結合を形成しているSi原子数の割合が10%以上であり、好ましくは20%以上となるように、使用する前駆体ポリマーの種類やそれらの存在比を調節する。かかるSi−N結合の形成割合が10%よりも低すぎると、耐熱性又は高温条件下における化学的安定性が低下するため、好ましくない。特に高温且つ水蒸気雰囲気下での使用に適さなくなる虞がある。なお、使用する前駆体ポリマーは1種のみでもよく、或いは2種類以上の前駆体ポリマーを適宜組み合わせて用いてもよい。
特に好ましい前駆体ポリマーは、Si−N結合を主体に構成されたケイ素化合物であり、典型的には以下の一般式によって表されるポリシラザンである。好ましくは式中のR1,R2,R3は、それぞれ、水素または炭素数が1〜10である脂肪族系若しくは芳香族系の炭化水素基である。R1,R2およびR3は全て同じ基でもよく、相互に異なる基でもよい。また、市販されている種々のポリシラザン(例えばチッソ(株)から購入できる)を好適に使用することができる。ポリシラザンの熱分解によって、Si−N結合主体の繰返し構造を基本骨格とする耐熱性の高い多孔質セラミック材を容易に形成することができる。使用するポリシラザン等のケイ素化合物の分子量に特に制限はないが、粘性制御等の観点から、重量平均分子量で200〜100,000程度のものが好ましい。重量平均分子量が略1,000〜20,000のポリシラザン類が特に好ましい。
【0020】
【化1】
【0021】
本発明の製造方法で用いられる熱分解用材料は、その主成分としてケイ素を主体とする非酸化物セラミックの前駆体ポリマーを含むものであればよく、その形態について特に限定はない。用いる前駆体ポリマーの性状に応じて熱分解用材料の形態は適宜異なり得る。例えば、溶融した前駆体ポリマーのみから実質的に構成されたものであってもよい。典型的には、熱分解用材料は、前駆体ポリマーを所定の溶媒に溶解又は分散した形態に調製される。上述したようなポリシラザンを溶解するための溶媒として種々の有機溶媒が用いられる。ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジブチルエーテル等のエーテル系溶媒が適当である。溶液中のポリシラザンの濃度は特に限定されないが、粒状やフレーク状の多孔質セラミック材を製造する場合には、10質量%〜80質量%程度が適当であり、20質量%〜70質量%程度が好ましい。また、後述するようなディップコーティング法等によって支持体表面にポリシラザンから成る被膜を形成するには、溶液中のポリシラザンの濃度は0.5質量%〜40質量%程度が適当であり、1質量%〜25質量%程度が好ましい。
【0022】
所望する形状の多孔質セラミック材を製造するため、熱分解する前に被処理物を目的の形状に成形する。典型的には粒状や膜状(種々の多孔質支持体の表面に形成される)に製造されるが、これらの他にも用途に応じてシート状、プレート状、管状その他の立体的形状をとり得る。例えば本発明に従って製造された多孔質セラミック材をガス分離用モジュールとしてリアクター(反応器)に適用する場合、とり得る形状としては膜形状(支持体付き)、管形状、モノリス形状、ハニカム形状、多角形平板形状等が挙げられる。なお、かかる成形を行う手段は、当該分野で従来から普通に採用されている手段を適宜用いればよい。例えば、押出し成形、鋳込み成形、テープ成形、CIP成形のような周知の成形技法によって得ることができる。また、適当な押出機や紡績機を用いることによって、溶融状態の前駆体ポリマー或いはペースト若しくはスラリー状に調製された被処理物を繊維状に成形することができる。
また、ディップコーティング法等により適当な多孔質支持体の表面に前駆体ポリマー(熱分解用材料)を付与することによって、膜状に成形することができる。
【0023】
膜状多孔質部分を多孔質支持体の表面(典型的には表面に形成された開気孔の孔内壁を含む。)に形成する場合、当該支持体の好ましい材質として、α−アルミナ、γ−アルミナ、窒化ケイ素、炭化ケイ素、シリカ、ジルコニア、チタニア、カルシア、各種ゼオライト等が挙げられる。このうち、機械的強度の保持、低熱膨張係数等の観点から、アルミナ、窒化ケイ素および炭化ケイ素が好ましい。支持体の形状は特に限定されず、用途に応じて管形状、薄板形状、モノリス形状、ハニカム形状、多角形平板形状その他の立体形状であり得る。例えば、管形状の支持体は、ガス分離モジュール(特に水素分離モジュール)として改質器等のリアクターに適用し易く好適である。なお、所望する形状の支持体は、従来行われている周知の成形技法(押出し成形、鋳込み成形、テープ成形、CIP成形等)やセラミック焼成技法を実施することによって製造することができる。かかる成形技法自体は何ら本発明を特徴付けるものではなく、詳細な説明は省略する。
【0024】
また、多孔質支持体が有する細孔の孔径は特に限定されないが、製造した多孔質セラミック材を水素等のガス分離用途に用いる場合、その支持体の表面部に形成されるセラミック層(典型的には膜)の平均孔径よりも大きな平均孔径を有するものが適当である。例えば0.01μm〜10μm程度、特に0.01μm〜1μm程度の細孔径分布のピーク値及び/又は平均孔径を有するものが好ましい。また、機械的強度とガス透過性能とを高い次元で両立させるという観点から、支持体の孔隙率は30〜60%が適当であり、好ましくは35〜50%である。また、多孔質支持体(支持層)の厚みは、所定の機械的強度を保持しつつ表面部のセラミック層を支持し得る限り、限定されない。例えば、多孔質セラミック層(膜)の厚みが0.1〜5μmである場合には、100μm〜10mm程度の厚みが好適である。なお、多孔質セラミック体の機械的強度は形状によって変化するし、当該機械的強度に対する要求も用途に応じて異なるため特に限定するものではないが、600〜800℃における3点曲げ強度(JIS R1601に準じる)が30MPa以上(より好ましくは60MPa以上、さらに好ましくは90MPa以上)である機械的強度を具備するように、支持体の平均孔径や孔隙率を設定するのが好ましい。
【0025】
使用する多孔質支持体としては、その全体が所定の材質(例えばアルミナ)から形成されたもの(典型的には対称構造体)であってもよいし、かかる構造体(本体)の表面に中間セラミック層が形成された二層構造(典型的には非対称構造体)のもの又はそのような中間セラミック層が二層以上形成された多層構造のものであってもよい。特に支持体本体の平均孔径が比較的大きな場合(例えば1μm以上)には、それよりも平均孔径の小さい中間セラミック層を形成することが、ガス分離等に適する平均孔径の小さい表面セラミック層を形成するうえで好ましい。中間セラミック層は、支持体本体と同じ組成のもの、或いは、前駆体ポリマーの熱分解産物たる多孔質非酸化物セラミックと同じ組成のものが好ましい。
【0026】
製造する多孔質セラミック材をガス分離用途に用いる場合、かかる中間セラミック層の細孔径分布のピーク値及び/又は平均孔径は0.01〜1μm程度(典型的には0.05〜0.5μm)が好ましい。また、気孔率は20〜60%程度が適当であり、好ましくは30〜40%程度である。また、中間セラミック層の厚みは特に制限はないが、製造した多孔質セラミック材をガス分離材として使用する場合には、0.5〜200μm程度(典型的には10〜100μm)の厚みが好ましい。
このような中間セラミック層が予め形成された二層又は多層構造の多孔質セラミック基材(支持体)を採用し、その表面に多孔質非酸化物セラミック層(表面セラミック層)を形成・積層することによって、多孔質セラミック材の細孔径を支持体中心から表面部にかけて傾斜的に小さくしていくことができる。かかる中間セラミック層は、従来と同様のプロセス(典型的には、セラミック材またはその前駆体材料を支持体に塗布し焼成する。)によって形成することができる。
【0027】
上述した多孔質支持体の表面部(支持体の外面及び表層部にある孔内面を包含する。)にポリシラザン等の前駆体ポリマーを付与する方法としては、従来の薄膜形成プロセスにおいて用いられる各種の方法を採用することができる。例えば、ディップコーティング法、スピンコーティング法、スクリーン印刷法、スプレー法が挙げられる。
特にディップコーティング法は、前駆体ポリマーを含む溶液(熱分解用材料)の多孔質支持体内部への浸透を抑制でき、キャピラリー圧力、焼成収縮等によるミクロ細孔構造の破壊を抑制するのに寄与し得る。このため、特にディップコーティング法は、実質的に欠陥の無いセラミック層(膜構造)を支持体表面部に直接的に形成するのに好適な手法である。
具体的には、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒、或いはジオキサン、テトラヒドロフラン、ジブチルエーテル等のエーテル系溶媒にポリシラザンを分散したコーティング液中にアルミナ、窒化ケイ素等の多孔質支持体をディップ(浸漬)する。ディップ時間は、数秒〜1分程度でよい。5〜30秒程度が好ましい。このことによって前駆体ポリマーを支持体の表面部に均等に付与することができる。
なお、コーティング液の前駆体濃度は特に限定されないが、例えばポリシラザン等から成る被膜を形成する場合には、溶液中のポリシラザン濃度は0.1〜40質量%程度が適当であり、1〜25質量%程度が好ましい。
【0028】
次に、粒状、フレーク状、その他所望する形状に成形された被処理物(上記熱分解用材料を含む)を焼成(熱分解)する。本発明では、焼成処理(即ち、熱分解のための加熱を開始したときから熱分解後に生成したセラミック体の冷却が完了するまでの期間)の間中、或いは、少なくとも最高温度(以下「最高焼成温度」という。)まで加熱して冷却を開始するまでの間、アンモニア(NH3)又は水素(H2)の存在する非酸化的雰囲気中に被処理物を配置しておくことが好ましい。かかる雰囲気中のアンモニア及び/又は水素の濃度は少なくとも30mol%であり、典型的には50mol%以上(50〜100mol%)である。70mol%以上が好ましく、90mol%以上(90〜100mol%)が特に好ましい。
【0029】
熱分解(焼成)処理を行う際の非酸化的雰囲気のアンモニア及び水素以外のガス成分としては不活性ガスが好ましい。例えば窒素(N2)、ネオン(Ne)、ヘリウム(He)、アルゴン(Ar)が挙げられる。例えば、アンモニアガス50〜90mol%、窒素、ヘリウム等の不活性ガス10〜50mol%の混合ガス雰囲気中でポリシラザン等のケイ素系セラミック前駆体ポリマーを焼成するのが好ましい。
【0030】
アンモニアガス又は水素ガス存在下で行う前駆体ポリマーの熱分解では、概ね850〜1000℃の範囲内で最高焼成温度を設定するのがよい。前駆体としてポリシラザン類を用いる場合には、好ましくは900〜950℃の範囲に最高焼成温度を設定することが好ましい。最高焼成温度が低すぎると結晶部分が生じない。他方、最高焼成温度が高すぎると結晶部分が増えるとともにメソ細孔(孔径が2nmよりも大きく50nm程度までの開気孔をいう。以下同じ。)の成長を促すため、好ましくない。
かかる範囲に最高焼成温度があると、非晶質部分をマトリックスとし、その中に結晶部分が散在する状態の多孔質セラミック体の形成が容易に行える。従って、耐酸化性能の高いミクロ細孔に富む(即ち細孔容積が大きい)多孔質セラミック材を形成することができる。このような多孔質セラミック材は、当該最高焼成温度付近又はそれ以下(例えば650〜700℃)で使用するガス分離材、濾過材又は触媒担体として好適である。特に高温且つ水蒸気雰囲気中で好適に使用し得る。
本発明によって提供される多孔質セラミック材として典型的なものは、セラミック材全体に対する結晶部分の容積割合(即ち、結晶部分/(非晶質部分+結晶部分))が1vol%以上である。好ましくは、かかる結晶部分の容積割合が1〜50vol%であり、さらに好ましくは1〜20vol%である。特にかかる結晶部分の容積割合が5vol%以上(例えば5〜20vol%)である多孔質セラミック材が上記ガス分離材等の用途に好適である。上記容積割合は、例えばX線回折図形(XRD)の解析により求めることができる。
【0031】
多孔質支持体上に本発明によって提供され得る膜状の多孔質セラミック層を備える多孔質セラミック材は、高温条件下における分子篩い等の高性能濾過或いはガス分離用途に好適に用いられる。特に限定するものではないが、ガス分離に用いる場合にはセラミック膜の厚さは100μm以下が適当である。かかる膜厚が0.01〜50μmのものが好ましく、0.05〜50μmのものが特に好ましい。
また、改質ガスその他の混合ガスから水素ガスを分離するのに使用する膜としては、400℃(好ましくは600℃、より好ましくは800℃)における水素/窒素分離係数が少なくとも2(好ましくは2.5以上、さらに好ましくは4以上、例えば4〜5)であり、同温度における水素透過率が少なくとも1×10−10モル/m2・s・Pa(特に好ましくは1×10−7モル/m2・s・Pa以上、例えば1〜5×10−7モル/m2・s・Pa)となる膜厚のものが好ましい。かかる性状の本発明によって提供される多孔質セラミック材によると、高温で水蒸気を多量に含む条件下においても比較的高い水素透過速度及び水素分離能(水素選択性)を保持しつつ、効率よく水素分離処理を行うことができる。
特に好適な水素分離膜は、600℃若しくは800℃における水素/窒素分離係数が3.0以上(典型的には3.0〜200,000の範囲にあり、好ましくは4.0以上)であり、且つ、同温度における水素透過率が1×10−10モル/m2・s・Pa以上(典型的には1×10−10〜1×10−6の範囲にある)のものである。また、20℃〜800℃の温度条件における水素/窒素分離係数がいずれも3.0以上(典型的には3.0〜200,000の範囲にあり、好ましくは4.0以上)、且つ、同温度範囲における水素透過率がいずれも1×10−10モル/m2・s・Pa以上(典型的には1×10−10〜1×10−6の範囲にある)のものが更に好ましい。本発明によると、これらの条件を満たす水素分離膜を提供することが可能である。
ここで「水素/窒素分離係数」とは、同条件下における水素透過率と窒素透過率との比率、即ち同条件下での水素ガス透過量の窒素ガス透過量に対する比(モル比)をいう。ここで「水素透過率(モル/m2・s・Pa)」及び「窒素透過率(モル/m2・s・Pa)」は、それぞれ、差圧(多孔質セラミック膜を挟んでガス供給側圧力とガス透過側圧力との差)が1Paであるときの単位時間(1秒)及び単位膜表面積(1m2)当りの水素ガス透過量(モル)および窒素ガス透過量(モル)で表される。
【0032】
前駆体ポリマーの熱分解は、アンモニアガス及び/又は水素ガス含有雰囲気中、好ましくは一定の昇温速度(典型的には20℃/分以下)で当該前駆体(成形体)を徐々に加熱することにより行われる。0.1〜5.0℃/分程度が好ましく、0.2〜1.0℃/分程度(多少の誤差は許容される)の昇温速度がさらに好ましい。昇温速度が速すぎると、メソ細孔の成長を促すため、好ましくない。他方、昇温速度が遅すぎると、焼成プロセスに時間がかかりすぎて効率的でない。
【0033】
また、例示したような昇温速度で被処理物の加熱を行っている途中において、最高焼成温度に達する以前の中間温度域で当該被処理物を一時的に保持することが好ましい。これにより、全体に均質にミクロ細孔に富むセラミック材を安定して製造することができる。
例えば、室温から900℃程度の最高焼成温度まで約0.5℃/分の昇温速度で被処理物を加熱する場合、200〜400℃(ポリシラザンの場合250±25℃が特に好適である。)の間で設定される中間保持温度で少なくとも1時間(好ましくは3〜12時間)当該被処理物を保持する。かかる焼成プロセスによると、非晶質部分中に結晶部分が点在するとともに、ミクロ細孔に富む多孔質セラミック材を製造することができる。なお、中温温度域での保持は、1回に限られない。2回又は3回以上行ってもよい。
【0034】
最高焼成温度に達した後は、その温度域(典型的には最高焼成温度±25℃)で対象物(即ち熱分解により生成したセラミックス)を所定時間保持する。これにより、熱分解の結果生じた生成物の緩やかな拡散を促すことができる。好ましい保持時間は、0.5〜5時間(典型的には1〜2時間)である。
最高焼成温度域で所定時間保持した後、100℃以下、典型的には室温域(5〜35℃)まで生成セラミックスを冷却する。実質的に欠陥の認められないミクロ細孔に富む多孔質セラミック材を得るためには、徐々に冷却するとよい。例えば、0.5〜5.0℃/分程度の冷却速度が適当であり、1〜2℃/分程度(多少の誤差は許容される)の冷却速度が好ましい。
【0035】
以下、図面を参照しつつ、多孔質セラミック材製造方法の一好適例を説明する。本実施形態に係る多孔質セラミック材製造方法を実施するための製造装置100を図1に模式的に示す。
この装置100は、円筒形状の焼成用加熱炉(マッフル炉)101を備えており、その炉内にはアンモニアガス又はアンモニアと窒素の混合ガスが連続的に所定の流量(流速)で供給される(図中の矢印参照)。すなわち、加熱炉101のガス導入側には、混合バルブ106を介して、窒素ガス供給源(ここでは窒素タンク)102とアンモニアガス供給源(ここではアンモニアタンク)104とが接続されている。これらガス供給源102,104にはそれぞれ電磁バルブ103a,103bと流量計108a,108bが接続されている。これら電磁バルブ103a,103bと流量計108a,108bは、制御部105と電気的に接続されている。一方、加熱炉101のガス排出側には、制御部105と電気的に接続されたポンプ110が接続されている。この構成によって本製造装置100では、制御部105を作動させ、流量計108a,108bからの入力データに基づいて各ガス供給源102,104からのガス流量を調整し(即ち電磁バルブ103a,103bの開閉制御を行う)、所定の流量(流速)のアンモニアガス又はアンモニアと窒素の混合ガスを加熱炉101内に導入することができる。また、制御部105は加熱炉101に装備される加熱器101a(典型的にはガス燃焼装置)とも電気的に接続されており、制御部105からの操作信号によって加熱器101aをオンオフ制御して炉内の温度を適宜調節することができる。
【0036】
このような製造装置100を用いて、多孔質セラミック材を製造する場合の一例を以下に説明する。
例えば、粒状の多孔質セラミック材を製造する場合、ポリシラザン等のケイ素を主体とする非酸化物セラミック形成用の前駆体ポリマーを適当な溶媒(トルエン等)中に溶解又は分散させて成る熱分解用材料(被処理物)120を加熱炉101内に収容する。あるいは、上述したような多孔質支持体の表面に前駆体ポリマーを付与した被処理物120を加熱炉101内に収容する。
熱分解処理(焼成処理)中はポンプ110を作動させ、アンモニアガス又はアンモニアを含む混合ガス(例えばNH350mol%、N250mol%)を所定の流量(典型的には5〜1000ml/分)で炉内に供給し続ける。
【0037】
そして、制御部105からの操作信号によって加熱器101aを作動し、その加熱の程度を制御する。例えば、室温状態にある加熱炉101内を略0.5℃/分の割合で250℃まで昇温する。その後、その温度で1〜5時間(例えば3時間)保持する。次いで、加熱炉101内を略0.5℃/分の割合で最高焼成温度(例えば900〜950℃)まで昇温し、炉内の被処理物120に含まれる前駆体ポリマーを熱分解する。好ましくは、最高焼成温度にて1〜2時間保持する。そして、略1℃/分の割合で炉内を徐々に冷却する。この冷却速度による冷却は、炉内が100℃以下(典型的には室温)になるまで行う。かかる熱分解処理は、大気圧条件又はそれよりも若干加圧した条件(例えば0.1〜0.2MPa)、或いは減圧条件下で行うことができる。
【0038】
このような焼成プロセスの実施によって、ガス吸着法に基づく細孔径分布のピーク値が2nm以下(好ましくは0.5〜1nm)、表面積が10m2/g以上(好ましくは200m2/g以上)、細孔容積が0.05cm3/g以上の粒状多孔質セラミック材が得られ得る。また、そのような物性の多孔質セラミック層(膜)が支持体表面に形成された多孔質セラミック材が得られ得る。
なお、上記製造装置100のアンモニアガス供給源(アンモニアガスタンク104)に代えて水素ガス供給源(例えば水素ガスタンク)を採用しても、本発明の多孔質セラミック材製造方法を同様に実施することができる。
【0039】
【実施例】以下に説明する実施例によって、本発明を更に詳細に説明するが、本発明をかかる実施例に示すものに限定することを意図したものではない。
【0040】
<実施例1:粒状多孔質セラミック材の製造(1)>
市販のポリシラザン含有スラリー(チッソ(株)製品「NCP201」、ポリシラザン60質量%、トルエン40質量%、ポリシラザンの数平均分子量:1300)を使用して、粒状多孔質セラミック材(窒化ケイ素)を製造した。
すなわち、上述の図1に示す製造装置100の加熱炉101内に、アルミナ製容器に入れた上記ポリシラザン含有スラリーを配置し、室温で30分間保持した。なお、ポリシラザン含有スラリーを炉内に配置後、以下の焼成プロセスが終了するまで、加熱炉101内にはNH390mol%とN210mol%とから成る混合ガスを100ml/分の流量で供給し続けた。次いで、以下のスケジュールで炉内のポリシラザン含有スラリーを熱分解処理(焼成処理)し、トルエンを蒸発させると共にポリシラザンを熱分解した。すなわち、(1).室温から250℃まで1℃/分の昇温速度で加熱し(加熱所要時間:約3.5時間)、(2).250℃で3時間保持し、(3).250℃から910℃まで0.4℃/分の昇温速度で加熱し、(4).910℃(最高焼成温度)で1時間保持し、そして(5).910℃から室温まで1℃/分の冷却速度で冷却した。
これにより、ミクロ細孔に富み、非晶質部分(マトリックス)中に結晶部分が点在する状態の粒状多孔質セラミック材(窒化ケイ素)を製造した。
【0041】
<実施例2:粒状多孔質セラミック材の製造(2)>
最高焼成温度を930℃に設定し、実施例1と同じ焼成スケジュールによって、粒状多孔質セラミック材(窒化ケイ素)を製造した。
【0042】
<実施例3:粒状多孔質セラミック材の製造(3)>
最高焼成温度を950℃に設定し、実施例1と同じ焼成スケジュールによって、粒状多孔質セラミック材(窒化ケイ素)を製造した。
【0043】
<比較例1:粒状多孔質セラミック材の製造(4)>
最高焼成温度を650℃に設定し、実施例1と同じ焼成スケジュールによって、粒状多孔質セラミック材(窒化ケイ素)を製造した。
【0044】
<比較例2:粒状多孔質セラミック材の製造(5)>
最高焼成温度を800℃に設定し、実施例1と同じ焼成スケジュールによって、粒状多孔質セラミック材(窒化ケイ素)を製造した。
【0045】
<試験例1:表面積、細孔容積及び細孔径の測定ならびに構造解析>
実施例1〜3及び比較例1,2で得られた粒状多孔質セラミック材の表面積、細孔容積及び細孔径を次のようにして測定した。
すなわち、上記焼成スケジュールに従って熱分解処理を行った後、得られた粒状多孔質セラミック材100gを気密容器内に移し、いわゆるガス吸着法(ここではアルゴンを用いた。)を実施した。具体的には、極低温(概ね70〜100°K)でセラミック材の表面に単分子吸着したアルゴン分子のモル数を求め、その値に基づいて供試セラミック材の表面積(BET比表面積)および細孔容積を算出した。結果を表1に示す。また、ケルビンの式(毛細管凝縮理論)を用いて細孔径分布を明らかにし、そのピーク値を調べた。結果を図3(比較例2)、図4(実施例1)および図5(実施例3)に示す。
【0046】
【表1】
【0047】
表1から明らかなように、最高焼成温度が高くなるほど、表面積及び細孔容積が大きい多孔質セラミック材が生成される。また、図3〜5に示すように、各実施例及び比較例の多孔質セラミック材の細孔径ピーク値はいずれも0.5〜1.0nmにある。すなわち、ミクロ細孔に富む。また、孔径分布もシャープである。しかし、各比較例の多孔質セラミック材は、SiとNとを主体とする非晶質によって構成されており、結晶部分は実質上存在しなかった。一方、各実施例の多孔質セラミック材では、SiとNとを主体とする非晶質部分に点在するようにして主としてナノサイズ(即ち大まかにいって直径が1μmより小さいサイズ)の結晶部分(窒化ケイ素)が生成されていた。このことは、粉末X線回折解析によって確かめられた。図6には、実施例2の多孔質セラミック材について行った粉末X線回折の結果(上段の図はXRDパターンを示す。下段の図はXRDパターンから導き出された顕著なピークのみ示す。)を示す。この図に示されているいくつかのピーク(□)は、窒化ケイ素結晶体のXRDパターンにおけるピークとほぼ一致する。
【0048】
<試験例2:粒状多孔質セラミック材の水熱環境下における耐久性評価>
実施例2および比較例1で得られた粒状多孔質セラミック材を以下のように水熱処理し、当該処理前後の構造変化を調べた。すなわち、上記製造装置100の加熱炉101内に対象とする粒状多孔質セラミック材を入れ、当該加熱炉101内に所定流量の水蒸気含有窒素ガス(ここでは流速:100ml/分、トータル圧力:0.1MPa、水蒸気圧:17.5Torr≒2300Pa)を供給した。そして、炉内を600℃に加熱し、この状態で5時間保持した。かかる水熱処理の前後の多孔質セラミック材の構造をそれぞれFTIR(フーリエ変換型赤外分光法)によって調べた。
FTIRスペクトルの対比から、窒化ケイ素の結晶部分が非晶質部分(マトリックス)中に点在する実施例2の多孔質セラミック材は、上記水熱処理に対して安定であり、このような高温且つ水蒸気環境下での耐久性に優れることが確認された。一方、実質的に非晶質部分のみから成る比較例1の多孔質セラミック材は、上記水熱処理に対して構造不安定であることが確認された。
【0049】
より過酷な水熱処理を実施例2の多孔質セラミック材に対して行い、耐久性を評価した。すなわち、上記製造装置100の加熱炉101内に粒状多孔質セラミック材を入れ、当該加熱炉101内に所定流量の水蒸気含有水素ガス(ここでは流速:50ml/分、トータル圧力:0.4MPa、水蒸気圧:0.2MPa)を供給した。そして、炉内を600℃に加熱し、この状態で5時間保持した。かかる水熱処理後の多孔質セラミック材の構造を粉末X線回折解析によって調べた。結果(XRDパターンのピークのみ)を図7に示す。この図に示されるピークの位置は、同じ多孔質セラミック材についての水熱処理前の粉末X線回折を示す図6のピーク(下段のピークを示す図参照)とほぼ一致する。このことは、上記過酷な水熱処理に対しても実施例2の多孔質セラミック材の構造が安定していることを示すものである。
【0050】
<実施例4:ガス分離膜(ガス分離モジュール)の製造>
90重量部の窒化ケイ素粉末と、5重量部のアルミナ粉末と、5重量部のイットリア粉末と、60重量部の水をアルミナ製ポットに投入し、直径30mmの玉石を使用して24時間混合することによってスラリーを調製した。次いで、このスラリーに15重量部のワックス系有機バインダーと、2重量部のワックスエマルジョンを添加して16時間混合し、その後スプレードライにより顆粒体を作製した。
得られた窒化ケイ素を主体とするセラミック顆粒体をCIP(冷間静水圧プレスによる)成形し、管形状(外径:10mm、内径:7mm、長さ:250mm)に生加工した。そして、当該生加工チューブを脱脂後、空気中で1400℃(最終焼成温度)で焼成し、管形状の窒化ケイ素多孔質体、即ち本実施例に係る多孔質セラミック支持体を得た(後述する図2の符号14参照)。得られた窒化ケイ素多孔質体の平均孔径は約60nm(水銀圧入法による)であった。
【0051】
一方、ポリシラザン粉末をトルエンに溶解し、超音波攪拌処理を約1時間行い、固形分濃度が20質量%であるポリシラザン溶液(コーティング液)を調製した。次いで、上記窒化ケイ素多孔質体をディップ法に基づき上記コーティング溶液に約30秒浸漬した。なお、このディップ処理の際には管形状窒化ケイ素多孔質体の外周面にのみコーティング液が付着するように、当該管形状窒化ケイ素多孔質体の両端開放部を合成樹脂フィルムでラップしておいた。
ディップ処理後、一定の速度で窒化ケイ素多孔質体をコーティング溶液から引き上げ、60℃で乾燥した。その後、ポリシラザン被膜が外周面に形成された管形状窒化ケイ素多孔質体を上述の図1に示す製造装置100の加熱炉101内に収容した。そして、最高焼成温度を950℃に設定し、実施例1と同じ条件で熱分解(焼成)処理を行った。
【0052】
上記の一連の処理によって、管形状窒化ケイ素多孔質体(多孔質支持体)の外周面に膜状多孔質セラミック層が形成された多孔質セラミック材が得られた。
走査型電子顕微鏡(SEM)による測定では、この多孔質セラミック層は、非晶質部分に結晶部分(主としてナノレベルの大きさのもの)が点在した構造であり、少なくともサブミクロンオーダーの表面欠陥は認められなかった。また、一般的なアルゴン吸着法によって多孔質セラミック層に存在する細孔の孔径を測定したところ、その細孔径のピーク値は約0.7nm(図5に示す結果と同じ)であった。また、その膜厚は、約0.3μmであった。
【0053】
<実施例5:ガス分離膜(ガス分離モジュール)を備えた改質器の製造>
次に、実施例4で得られた管状多孔質セラミック材10(以下「ガス分離モジュール10」ともいう。)を用いて改質器1を構築した。
すなわち、図2に示すように、本実施例に係る改質器1は、大まかにいって、筒状のステンレス製チャンバー2と、ポリシラザン由来の膜状多孔質セラミック層(多孔質セラミック膜)12を備えた多孔質支持体(窒化ケイ素多孔質体)14を本体とするガス分離モジュール10と、改質用触媒18とから構成されている。
チャンバー2には、別途、ガス供給管3と、ガス排出管4とが設けられている。また、チャンバー2の周囲には図示しないヒーターおよび断熱材が設けられており、チャンバー2内部の温度を室温〜1200℃の範囲でコントロールすることができる。また、かかるチャンバー2の内部には、ガス分離モジュール10が配置されており、その周囲の空間部(改質器では水素生成部に相当する部位)20には、種々の改質用触媒18を充填することができる。
【0054】
図示されるように、ガス分離モジュール10の一端は金属製キャップ5によってシールされており、当該端部から中空部16へのガスの流入を防止している。また、ガス分離モジュール10の他端側には、ジョイント管30が取り付けられている。図示するように、ジョイント管30の開口先端部(透過ガス排出口6)はチャンバー2の外部に露出した状態で配置される。さらに、ガス分離モジュール10の外周面における膜状多孔質セラミック層(即ちガス分離膜)12の端の部分(即ちジョイント管取付部分の近傍)には、高温シール材を挿入してメカニカルシールする。
チャンバー2のガス供給管3は外部ガス又は水蒸気等の供給源に接続し、当該ガス供給管3を介してチャンバー内の空間部20にガスや水蒸気を供給することができる。なお、空間部20のガスはガス排出管4から外部に排出される。
【0055】
かかる構成の改質器1では、ガス供給管3から供給された原料ガス(典型的には水蒸気を含むメタン)が空間部(水素生成部)20に導入され、そこに充填されている触媒18の作用即ち水蒸気改質反応(CH4+H2O=CO+3H2、CO+H2O=CO2+H2)によって水素が生成する。生成した水素の一部は、水素分離膜に相当する上記多孔質セラミック層12および支持体14の細孔を透過して空間部(水素生成部)20側から中空部16側に分離され、さらに透過ガス排出口6を通ってチャンバー2の外部に排出される。一方、水素生成部20に導入されたガスであって水素分離膜を透過しなかったもの(排ガス)は、チャンバー2内からガス排出管4を介して外部に排出される。なお、本実施例に係る改質器1では、管状多孔質セラミック材10の一端が上記キャップ5によってシールされている結果、原料ガスが多孔質セラミック材10の内部16に直接混入することがない。
以上の構成の改質器1によると、改質反応に伴って水素分離膜たる管状ガス分離モジュール10を通して、反応生成物である水素が分離される。このことにより、水素生成反応側に平衡がシフトするため、メタンから水素への転化反応が促進される。そして、本発明によって提供される水素分離膜(上記多孔質セラミック層12)は、耐酸化性に優れ、高温で水蒸気を含む酸化条件下(例えば上記水蒸気改質反応を起こさせる雰囲気)で所望する性能を維持することができる。
【0056】
<試験例3:ガス分離モジュールのガス分離特性>
次に、実施例4で得られたガス分離モジュール10を備えた上記改質器1を用いて、当該ガス分離モジュール10のガス分離特性、即ち水素透過率及び水素/窒素分離係数を評価した。なお、本評価試験では、触媒18をチャンバー2内に充填せずに行った。
すなわち、図示しない水素供給源および窒素供給源から所定の流量で水素及び窒素をチャンバー2内に供給した。このとき、ガス分離膜(多孔質セラミック層)12の内外の差圧が約2×104Pa(約0.2atm)となるようにした。なお、かかる評価試験はチャンバー2内の温度を800℃に上げて行った。このように温度を上げて試験することで、改質器1のガス分離モジュール10について高温時における水素分離特性を評価することができる。
【0057】
具体的には、適宜ヒーターを作動させてチャンバー2内の温度制御(室温〜800℃)を行いつつ、上記差圧を生じさせた状態で水素及び窒素をそれぞれチャンバー2内に供給した。而して、セッケン膜流量計(図示せず)によって透過側(即ち透過ガス排出口6と接続するガス排出側流路)の流速を測定した。なお、水素および窒素それぞれのガス透過率は次の式「Q=A/((Pr−Pp)・S・t)」から算出した。ここでQはガス透過率(permeation:モル/m2・s・Pa)、Aは透過量(mol)、Prは供給側即ちチャンバー2内の空間部20の圧力(Pa)、Ppは透過側即ちガス分離モジュール10の中空部16の圧力(Pa)、Sは断面積(m2)、tは時間(秒:s)を表す。また、水素/窒素分離係数(H2/N2 selectivity)は、水素透過率と窒素透過率との比率すなわち式「α=QH2/QN2」から算出できる。ここでαは水素/窒素分離係数(透過率比)、QH2は水素透過率、QN2は窒素透過率を表す。
上記評価試験の結果、実施例4で得られたガス分離モジュール10は、1×10−7モル/m2・s・Paを上回る水素透過率(約4×10−7モル/m2・s・Pa)を示すとともに、4以上の水素/窒素分離係数(約4.2)を示した。なお、この分離係数は、理論上のクヌッセン流れによる分離係数(細孔径:10nm未満)である3.7を上回る値である。この結果は、本発明に係る多孔質セラミック材が800℃のような高温条件下でも高い水素ガス分離特性を有する分子篩い膜として有用であることを示すものである。
【0058】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法を実施する為の製造装置の一例を模式的に示すブロック図である。
【図2】本発明の多孔質セラミック材を用いて構築した改質器の構造を模式的に示す断面図である。
【図3】一比較例に係る多孔質セラミック材についての細孔径分布を示すグラフである。横軸は孔径(Å)であり、縦軸は細孔容積(cm3/g)である。
【図4】一実施例に係る多孔質セラミック材についての細孔径分布を示すグラフである。横軸は孔径(Å)であり、縦軸は細孔容積(cm3/g)である。
【図5】一実施例に係る多孔質セラミック材についての細孔径分布を示すグラフである。横軸は孔径(Å)であり、縦軸は細孔容積(cm3/g)である。
【図6】一実施例に係る多孔質セラミック材の粉末X線回折図形(XRDパターン)及びピーク値を示すグラフである。横軸は2θ/deg.であり、縦軸は回折強度(cps)である。
【図7】水熱処理後の一実施例に係る多孔質セラミック材の粉末X線回折図形(XRDパターンのピーク値)を示すグラフである。
【符号の説明】
1 改質器
2 チャンバー
10 ガス分離モジュール(管状多孔質セラミック材)
12 ガス分離膜(多孔質セラミック層)
14 多孔質支持体
100 製造装置
101 加熱炉
101a 加熱器
110 ポンプ
120 被処理物
Claims (11)
- ケイ素を主体とする非酸化物セラミックで構成された非晶質部分と、ケイ素を主体とする非酸化物セラミックで構成された結晶部分であって該非晶質部分に点在する結晶部分とから実質的に構成される多孔質部分を有し、
該多孔質部分の細孔径分布のピーク値が2nm以下である、多孔質セラミック材。 - 多孔質支持体と、
該支持体の表面上の少なくとも一部に形成された多孔質セラミック層であって、ケイ素を主体とする非酸化物セラミックで構成された非晶質部分と、ケイ素を主体とする非酸化物セラミックで構成された結晶部分であって該非晶質部分に点在する結晶部分とを有し、細孔径分布のピーク値が2nm以下である多孔質セラミック層と、
を備える多孔質セラミック材。 - 前記非晶質部分はケイ素と窒素とを主体に構成され、前記結晶部分は窒化ケイ素を主体に構成されている、請求項1又は2に記載の多孔質セラミック材。
- 前記多孔質部分の細孔容積が0.05〜0.3cm3/gである、請求項1に記載の多孔質セラミック材。
- 前記多孔質部分の表面積が10〜400m2/gである、請求項1に記載の多孔質セラミック材。
- 多孔質セラミック材を製造する方法であって、
ケイ素を主体とする非酸化物セラミックの前駆体ポリマーを含む被処理物を用意する工程と、
アンモニア及び/又は水素を含む非酸化的雰囲気中で前記前駆体ポリマーを熱分解することによって、ケイ素を主体とする非酸化物セラミックで構成された非晶質部分と、ケイ素を主体とする非酸化物セラミックで構成された結晶部分であって該非晶質部分に点在する結晶部分とを有する多孔質セラミック体を形成する工程と、
を包含する製造方法。 - 多孔質支持体の表面上に前記前駆体ポリマーを付与し、前記熱分解によって該支持体の表面に前記多孔質セラミック体を膜状に形成する、請求項6に記載の製造方法。
- 850〜1000℃の範囲に最高温度を設定して前記熱分解を行う、請求項6又は7に記載の製造方法。
- 200〜400℃の範囲に中間保持温度を設定し、加熱開始温度から該中間保持温度まで20℃/分以下の昇温速度で被処理物を加熱し、その被処理物を該中間保持温度で少なくとも1時間保持し、その後に被処理物を前記最高温度まで20℃/分以下の昇温速度で加熱する、請求項8に記載の製造方法。
- 前記多孔質セラミック体の形成された被処理物を最高温度から5℃/分以下の冷却速度で100℃以下まで冷却する、請求項9に記載の製造方法。
- 前記前駆体ポリマーはSi−N結合を主体に構成されたケイ素化合物である、請求項6〜10のいずれかに記載の製造方法。
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