JP2004237369A - ワーク搬送ツール - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明のワーク搬送ツール40によれば、ワーク保持ユニット42を吊り下げるチェーン43及びワイヤ80が、鉛直方向に対して斜めになってワーク保持ユニット42を水平方向で互いに引き合うので、ワーク保持ユニット42が上側ベース41に対して水平方向の所定の位置に安定して保持される。これにより、従来よりワーク50を安定して保持・搬送することができる。しかも、ワーク保持ユニット42にワーク50が保持される前は、ロックユニット60によるロックを解除して上側ベースに対する下側ベースの傾動を許容し、ワーク保持ユニット42にワークが保持された後は、ロックユニット60により、上側ベース41に対してワーク保持ユニット42がロック(固定)するので、ワーク50をより一層安定して搬送することができる。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、マニピュレータに取り付けられるワーク搬送ツールに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のワーク搬送ツールとして、ワーク保持盤を複数本のチェーンにて天板から吊り下げ、そのワーク保持盤の下面に備えた電磁石により鉄板を吸着して搬送可能としたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平7−237879号公報(第1図、第2図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来のワーク搬送ツールでは、複数のチェーンを天板から鉛直方向に真っ直ぐ垂らしてワーク保持盤を吊り下げた構造になっていたので、ワーク保持盤が天板に対して揺れ又は旋回した場合に、それら揺れ又は旋回の振幅が収束し難く、ワーク保持盤の位置が安定しなかった。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、従来よりワークを安定して保持することが可能なワーク搬送ツールの提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するためになされた請求項1の発明に係るワーク搬送ツールは、マニピュレータに取り付けられる上側ベースと、上側ベースに複数のワイヤ、チェーンその他の線状部材によって吊り下げられたワーク保持ユニットとを備えてなり、マニピュレータの作動により位置が変更されると共に、一の位置でワーク保持ユニットの下面に保持したワークを、他の位置で離脱させることでワークを搬送可能としたワーク搬送ツールであって、複数の線状部材は、鉛直方向に対して斜めになってワーク保持ユニットを水平方向で互いに引き合うように配されたところに特徴を有する。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載のワーク搬送ツールにおいて、ワークは、水平方向に延びた軸状をなし、ワーク保持ユニットは、ワークの軸方向に沿って延び、線状部材は、ワークの軸方向で見たときに、鉛直方向に対して斜めになるように配されたところに特徴を有する。
【0008】
請求項3の発明は、請求項2に記載のワーク搬送ツールにおいて、線状部材は、ワークの軸方向と直交する方向で見たときに、鉛直方向に対して斜めになるように配されたところに特徴を有する。
【0009】
請求項4の発明は、請求項2又は3に記載のワーク搬送ツールにおいて、線状部材は、ワーク保持ユニットの両端部に少なくとも1対ずつ設けられかつ、ワークの軸方向で見たときに、互いに交差するように配されたところに特徴を有する。
【0010】
請求項5の発明は、請求項4に記載のワーク搬送ツールにおいて、ワークの軸方向で見たときに、互いに交差するように配された線状部材は、ワークの軸方向と直交する方向で見たときに、鉛直方向に対して斜めになるように配されたところに特徴を有する。
【0011】
請求項6の発明は、請求項2乃至5の何れかに記載のワーク搬送ツールにおいて、線状部材には、上方又は下方に向かってワークの軸方向で間隔が広がるように対をなしかつ他の線状部材より強度及び占有空間が共に大きな高強度線状部材が備えられたところに特徴を有する。
【0012】
請求項7の発明は、請求項2乃至6の何れかに記載のワーク搬送ツールにおいて、上側ベースとワーク保持ユニットとの間に設けられて、オフ状態になると上側ベース及びワーク保持ユニットの相対的な傾動及び/又は旋回を許容し、オン状態になると傾動及び/又は旋回を規制するロックユニットを備えたところに特徴を有する。
【0013】
請求項8の発明は、請求項1乃至7の何れかに記載のワーク搬送ツールにおいて、マニピュレータに固定されるブラケットと、ブラケットに上下動可能に軸支され、下端部に上側ベースが固定された直動シャフトと、直動シャフトを上方及び下方の両方向に直動可能な位置に保持した弾性体と、ワークの自重による直動シャフトの降下量に基づいて、ワーク保持ユニットに正規にワークが保持されたか否かを検出するワーク保持検出手段とを備えたところに特徴を有する。
【0014】
【発明の作用及び効果】
<請求項1の発明>
請求項1のワーク搬送ツールでは、複数の線状部材が鉛直方向に対して斜めになってワーク保持ユニットを水平方向で互いに引き合うので、ワーク保持ユニットが上側ベースに対して水平方向の所定の位置に安定して保持される。これにより、従来よりワークを安定して保持・搬送することができる。
【0015】
<請求項2の発明>
請求項2のワーク搬送ツールに備えた線状部材は、ワークの軸方向で見たときに、鉛直方向に対して斜めになっているので、そのワークの軸方向との直交方向でワーク保持ユニットを安定させることができる。
【0016】
<請求項3の発明>
請求項3のワーク搬送ツールには、ワークの軸方向との直交方向で見て、鉛直方向に対して斜めになった線状部材が備えられているので、ワーク保持ユニットをワークの軸方向でも安定させることができる。
【0017】
<請求項4及び5の発明>
請求項4のワーク搬送ツールでは、ワーク保持ユニットの両端部に配した線状部材が、ワークの軸方向で見たときに互いに交差しているので、ワーク保持ユニットの旋回を規制することができる。また、これら交差した線状部材は、ワークの軸方向との直交方向で見ても斜めになるようにしてもよい(請求項5の発明)。
【0018】
<請求項6の発明>
請求項6のワーク搬送ツールに備えた高強度線状部材は、他の線状部材より強度及び占有空間が共に大きいので、高強度線状部材でワーク保持ユニットとワークの自重を受けることができ、他の線状部材でワーク保持ユニットの位置及び姿勢を安定させることができる。
【0019】
<請求項7の発明>
請求項7のワーク搬送ツールでは、ワーク保持ユニットがワークを保持してからロックユニットをオン状態にすることで、上側ベースに対するワーク保持ユニットの傾動及び/又は旋回を規制し、安定してワークを搬送することができる。
【0020】
<請求項8の発明>
請求項8のワーク搬送ツールを、ワークに押し付けるときには、直動シャフトが上方に直動して衝撃が吸収される。また、ワークが保持されると、直動シャフトが下方に直動する。ここで、ワーク保持ユニットに正規にワークが保持されている場合と、そうでない場合とでは、直動シャフトの降下量が異なるので、その降下量に基づいて、異常を検出することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態を図1〜図4に基づいて説明する。
図1に示すように、本実施形態のワーク搬送ツール40は、ワーク50を荷車51(パレット)から取り出してコンベア52に積載するまでの搬送工程に用いられる。ワーク50は、例えば、鍛造材としてのビレットであって、所定長の円柱形状をなしている。荷車51は上面が開放した箱形をなし、鍛造工程の前工程において、複数のワーク50が横向きの状態で荷車51に投入される。すると、荷車51の底面に備えた突条51Aの案内により、荷車51の底一面に横並びに複数のワーク50が整列して収容され、さらに、それら横並びに整列された複数のワーク50の凹凸に案内されて、それらの上方に複数のワーク50が複数層重ねて収容される。また、荷車51の内側空間の幅は、ワーク50が丁度収まる大きさになっている。
【0022】
図1における符号10は、本発明の「マニピュレータ」に相当するロボットであって、架台91の上に据え付けられている。ロボット10は、いわゆる6軸垂直多関節構造をなし、架台91の据え付け面に並行な面内で旋回するローテータ11に、垂直方向で回動する第1アーム12を連結し、さらに、その第1アーム12の先端部に、やはり垂直方向で回動する第2アーム13を連結して備える。そして、これら両アーム12,13及びローテータ11の各回転軸で、ロボット10の基本3軸が構成されている。
【0023】
第2アーム13の先端には、その第2アーム13を捻る方向に旋回するリストベース14が備えられ、そのリストベース14には、第2アーム13と直交する軸を中心にして回動するリスト15が備えられている。さらに、リスト15の先端には、リスト15を捻る方向に旋回するツール取付用フランジ16が備えられている。そして、これらリストベース14、リスト15及びツール取付用フランジ16の各回転軸で、ロボット10の手首3軸が構成されている。ツール取付用フランジ16は、常に下方を向けられており、そのツール取付用フランジ16に固定したブラケット17に、本発明に係るワーク搬送ツール40が対をなして取り付けられている。
【0024】
図2に示すように、ブラケット17は、ツール取付用フランジ16に上端面が固定された円筒体19の下端面にブラケット基板20を固定してなる。ブラケット基板20は、ツール取付用フランジ16の回転中心から一側方に延びており、ブラケット基板20の下面には、長手方向(図2の左右方向)に1対のリブ20L,20L(図3参照)が延びている。
【0025】
ブラケット基板20のうちリブ20L,20Lを挟んだ両側部分には、ブラケット基板20の長手方向に1対ずつ計4つの直動シャフト21が上下方向に貫通している。そして、ブラケット基板20の先端側でリブ20L,20Lを挟んで横並びになった直動シャフト21,21の下端部に1つのワーク搬送ツール40が固定され、残りの直動シャフト21,21の下端部にもう1つのワーク搬送ツール40が固定されている。これらワーク搬送ツール40,40は、同一構造になっており、ワーク搬送ツール40,40の間隔は、荷車51に収容されたワーク50,50同士の間隔に対応させてある。より具体的には、荷車51の突条51Aと同じ突条51Aを備えたマスター板90(図1参照)に2つのワーク50,50を載置した状態で、各ワーク搬送ツール40が、各ワーク50に上下方向で正対するように、ワーク搬送ツール40,40の間隔が調整されている。
【0026】
図2に示すように、リブ20L,20Lの先端には、平板20Hが差し渡され、ここにセンサユニット70が取り付けられている。センサユニット70は、図4に示すように、ワーク搬送ツール40の長手方向に1対の光学式のセンサ71,71を並べて備え、ワーク50の両端部の鉛直方向における位置を検出することができる。荷車51(パレット)の停止位置も確認し、荷車51のずれ量によりロボット把持姿勢の補正も行う。
【0027】
図3に示すように、各直動シャフト21は、ブラケット基板20を貫通したボール軸受22によって直動可能に軸支されている。直動シャフト21の上端部には鍔部23が固定され、鍔部23とブラケット基板20との間には、直動シャフト21の外側に貫通した第1のコイルバネ24が突っ張り状態になっている。
【0028】
また、直動シャフト21には下端部にも鍔部25が固定され、その鍔部25とボール軸受22との間には、直動シャフト21の外側に貫通した第2のコイルバネ26が突っ張り状態になっている。これらコイルバネ24,26により、ブラケット基板20が上下の両方向に直動可能な状態に保持されている。
【0029】
図3に示すように、ワーク搬送ツール40は、略直方体状のワーク保持ユニット42を、1対のチェーン43,43と4本のワイヤ80によって帯板状の上側ベース41から吊り下げてなる。そして、上側ベース41の上面のうち長手方向の両端部寄り位置に、直動シャフト21の下端面を当接させてボルト固定されている。上記したチェーン43及びワイヤ80に関しては、後に詳説する。
【0030】
上側ベース41及びワーク保持ユニット42の長手方向の中央部には、ロックユニット60が連結されている。ロックユニット60は、オフ状態では、上側ベース41及びワーク保持ユニット42の相対的な傾動及び旋回を許容し、オン状態になるとそれら傾動及び旋回を規制する。ロックユニット60は、例えば、上側ベース41に配設されて、ワーク保持ユニット42を磁力や負圧等により吸収するものである。
【0031】
ワーク保持ユニット42には電磁コイルが内蔵され、ワーク保持ユニット42の下面のうち幅方向の両縁部からは、1対の吸着突条62,62が下方に向かって突出している。そして、ワーク保持ユニット42の長手方向をワーク50の軸方向に沿わせ、ワーク保持ユニット42の電磁コイルを励磁する(以下、これを「ワーク保持ユニット42をオンする」という)と、ワーク50の周方向の2箇所に吸着突条62,62が吸着する。また、ワーク保持ユニット42は、ロボット10の制御装置によってオンオフされる。
【0032】
なお、図2に示すように、ワーク保持ユニット42は、径が異なる複数種類のワーク50を吸着することができる。また、本発明における「ワーク保持ユニット」は、必ずしも磁力によってワークを保持するものでなくてもよく、例えば、負圧によってワークを吸引するものであってもよい。
【0033】
ところで、ワーク保持ユニット42にワーク50が吸着された状態と吸着されていない状態とでは、そのワーク50の自重によって直動シャフト21の降下量が異なる。そして、ワーク50の自重による直動シャフト21の降下量に基づいて、ワーク50が保持されたか否かを検出するために、図3に示すように第1及び第2の近接スイッチ72,73(本発明の「ワーク保持検出手段」に相当する)が、ブラケット17に取り付けられている。具体的には、第1の近接スイッチ72が、一方の直動シャフト21の上端の鍔部23に対応させて配置され、第2の近接スイッチ73が、他方の直動シャフト21の上端の鍔部23に対応させて配置されている。そして、第1の近接スイッチ72は、ワーク保持ユニット42がワーク50を保持していない状態で鍔部23と向き合い、第2の近接スイッチ73は、ワーク保持ユニット42がワーク50を保持した状態で、鍔部23と向き合うように配置されている。
【0034】
さて、上側ベース41のうち両直動シャフト21,21の取り付け位置より内側には、アジャストボルト44,44が上下方向に貫通しており、アジャストボルト44,44の下端部に備えた上側連結部44A,44Aに、前記した1対のチェーン43,43の上端が連結されている。そして、アジャストボルト44のうち直動シャフト21より下方の突出量を螺合調整することで、チェーン43の上端位置を調整することができる。なお、上側連結部44A及び次述する下側連結部45は共に、1対の対向壁の間にピンを架け渡した構造をなし、ピンがチェーン43に挿通されている。
【0035】
ワーク保持ユニット42の上面には、アジャストボルト44,44の間隔よりワーク保持ユニット42の長手方向でそれぞれ等距離だけ広くなった位置に下側連結部45,45が固定され、これら下側連結部45,45にチェーン43,43の下端部が連結されている。これにより、チェーン43,43は、ワーク搬送ツール40の短手方向で見ると、図3に示すように、上側ベース41とワーク保持ユニット42との間で、末広がり形状となっている。
【0036】
なお、アジャストボルト44,44及び下側連結部45,45は共に上側ベース41及びワーク保持ユニット42の幅方向の中央に配置されており、これにより、チェーン43は、ワーク搬送ツール40の長手方向で見ると、上側ベース41とワーク保持ユニット42との間で鉛直方向に真っ直ぐ延びた状態になっている。線状部材の一つであるチェーン43は、後述する他の線状部材であるワイヤ80よりも強度及び占有空間が共に大きな高強度線状部材である。
【0037】
ワイヤ80に関しては以下のようである。図2に示すように、上側ベース41及びワーク保持ユニット42の上面壁には、それぞれ幅方向の両側端面にワイヤ固定片81がボルトで固定されている。各ワイヤ固定片81は、山形に屈曲され、その一端側が上側ベース41及びワーク保持ユニット42の上面壁42Aの側端面に当接され、他端側が上側ベース41及びワーク保持ユニット42の間の空間に向かって延びかつ内側に傾いている。そして、各ワイヤ固定片81の先端部には貫通孔が形成され、その貫通孔にワイヤ80の先端を通して折り返しかつ金属片を圧着することで、ワイヤ固定片81にワイヤ80の端部が固定されている。
【0038】
上側ベース41に取り付けられたワイヤ固定片81,81は、ワーク搬送ツール40の長手方向で同じ位置に配置される一方、ワーク保持ユニット42に取り付けられたワイヤ固定片81,81は、ワーク搬送ツール40の長手方向で相互にずらした位置に配置されている。より具体的には、ワーク保持ユニット42に取り付けられた一方のワイヤ固定片81は、上側ベース41に取り付けられたワイヤ固定片81よりさらにワーク搬送ツール40の長手方向の端部側にずれて配置されかつ、他方のワイヤ固定片81は、上側ベース41に取り付けられたワイヤ固定片81よりワーク搬送ツール40の長手方向の中心側にずれて配置されている。これらのずれは等しく設定されており、図3に示すようにワーク搬送ツール40の長手方向で各ワイヤ固定片81,81,81は二等辺三角形の頂点に位置している。
【0039】
そして、図2に示すように、上側ベース41のうち同図の右側のワイヤ固定片81と、ワーク保持ユニット42のうち左側のワイヤ固定片81とを繋ぐようにワイヤ80が差し渡され、上側ベース41の左側のワイヤ固定片81と、ワーク保持ユニット42の右側のワイヤ固定片81とを繋ぐようにワイヤ80が差し渡されている。これにより、図2に示すように、ワイヤ80,80が交差した状態になっている。また、ワーク搬送ツール40を短手方向で見ると、図3に示すように、ワーク搬送ツール40の長手方向の両端部でワイヤ80,80が末広がり形状になっている。
【0040】
なお、ワイヤ80は、ワーク保持ユニット42が上側ベース41と正対した状態では、ワイヤ固定片81の貫通孔にワイヤ80が若干の遊びをもって挿通された状態になっている。
【0041】
上記のように構成されたワーク搬送ツール40は、チェーン(高強度線状部材)43でワーク保持ユニット42とワーク50の自重とを受けることができ、ワイヤ(他の線状部材)80でワーク保持ユニット42の位置及び姿勢を安定させることができる。
【0042】
次に、上記構成からなる本実施形態の動作を説明する。
ワーク50は、荷車51内に例えば4層重ねにした状態(図1の右側の荷車51)で、ロボット10の下方に搬送される。このとき、ロボット10は、所定の待機姿勢に保持されている。荷車51による搬送が終了し、ロボット10の制御装置に備えた起動スイッチをオンすると所定のプログラムがランし、ロボット10が所定の位置にある荷車51に向けてワーク搬送ツール40を接近させる。ここで、例えば図1における横方向にワーク搬送ツール40を水平移動しならがセンサユニット70にて、荷車51内をスキャンすることで、荷車51内のワーク50の位置を一次記憶する。そして、その記憶に基づきワーク50を2つずつ荷車51から取り出す。具体的には以下のようである。
【0043】
各ワーク搬送ツール40を、それぞれワーク50の真上に位置決めする。そして、ロックユニット60をオフし、ワーク搬送ツール40をゆっくり降下させてワーク50に当接させる。このとき、ワーク保持ユニット42を吊り下げていたチェーン43及びワイヤ80が緩むので、ワーク保持ユニット42の吸着突条62,62と、ワーク50の軸方向とが非並行になっていた場合には、ワーク50の周面に吸着突条62,62が摺接して、ワーク保持ユニット42が傾動及び/又は旋回し、吸着突条62,62とワーク50の軸方向とが並行になる。そして、吸着突条62,62がワーク50の周面の2箇所で線当接した状態で、ワーク保持ユニット42を励磁する。これにより、各ワーク搬送ツール40にワーク50が吸着される。
【0044】
なお、ここまでの動作において、直動シャフト21の上端に備えた鍔部23(図3参照)と、ブラケット17に備えた第1の近接スイッチ72とは常に対面しており、これら鍔部23と第1の近接スイッチ72とが対面しなくなった場合には、ワーク搬送ツール40が過剰に押し下げられた等の何らかの異常があったものとしてロボット10が停止する。
【0045】
次いで、各ワーク搬送ツール40にワーク50を吸着した状態で、ワーク搬送ツール40が真上に引き上げられる。このとき、上側ベース41に対するワーク保持ユニット42のずれから、ワーク保持ユニット42が旋回又は水平方向で移動する場合が起こり得る。しかしながら、本実施形態のワーク搬送ツール40の両端部に備えたワイヤ80,80は、ワーク50の軸方向で見たときに、互いに交差して、ワーク保持ユニット42を水平方向で互いに引き合っているので、ワーク保持ユニット42の旋回及び移動を規制し、揺れを抑えることができる。また、ワーク保持ユニット42を吊り下げる1対のチェーン43,43が、末広がり状になっているので、ワーク保持ユニット42の揺れをより一層効果的に抑えることができる。
【0046】
ワーク50が持ち上げられると、ワーク50の自重により、ワーク搬送ツール40と共に直動シャフト21がブラケット17に対して下方に移動し、第2の近接スイッチ73が鍔部23に対面してオンする。これにより、ワーク保持ユニット42に正規にワーク50が保持されたことを確認する。このとき、第1の近接スイッチ72と第2の近接スイッチ73の何れもがオフした状態になったときには、ワーク搬送ツール40のワーク保持ユニット42に2つ以上のワーク50が吸着された等の異常があったものとしてロボット10が停止する。
【0047】
ワーク保持ユニット42に正規にワーク50が保持されたことが確認されると、ロックユニット60がオンされ、ワーク保持ユニット42は上側ベース41に対して傾動及び旋回が規制された状態となる。
【0048】
各ワーク搬送ツール40にワーク50を保持した状態でワーク搬送ツール40,40を荷車51から離し、一方のワーク搬送ツール40をコンベア52の真上に移動し、そのワーク保持ユニット42の励磁を解除してワーク50をコンベア52に載置する。次いで、他方のワーク搬送ツール40をコンベア52の真上に移動し、同様にしてワーク50をコンベア52に載置する。これにより、コンベア52には、長手方向に一列に複数のワーク50が並んだ状態で載置され、鍛造機にワーク50が1つずつ供給される。
【0049】
ロボット10は、各ワーク搬送ツール40からワーク50をコンベア52上に載置後、最初の動作に戻り、これを繰り返す。
【0050】
このように本実施形態のワーク搬送ツール40によれば、ワーク保持ユニット42を吊り下げるチェーン43及びワイヤ80が、鉛直方向に対して斜めになってワーク保持ユニット42を水平方向で互いに引き合うので、ワーク保持ユニット42が上側ベース41に対して水平方向の所定の位置に安定して保持される。これにより、従来よりワーク50を安定して保持・搬送することができる。しかも、ワーク保持ユニット42にワーク50が保持される前は、ロックユニット60によるロックを解除して上側ベースに対する下側ベースの傾動を許容し、ワーク保持ユニット42にワークが保持された後は、ロックユニット60により、上側ベース41に対してワーク保持ユニット42がロック(固定)するので、ワーク50をより一層安定して搬送することができる。
【0051】
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、上記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るワーク搬送ツールを備えたロボットの側面図
【図2】ワーク搬送ツールの側面図
【図3】ワーク搬送ツールの正面図
【図4】センサユニットの正面図
【符号の説明】
10…ロボット(マニピュレータ)
17…ブラケット
21…直動シャフト
24,26…コイルバネ(弾性体)
40…ワーク搬送ツール
41…上側ベース
42…ワーク保持ユニット
43…チェーン(線状部材)
50…ワーク
60…ロックユニット
72,73…近接スイッチ
80…ワイヤ(線状部材)
Claims (8)
- マニピュレータに取り付けられる上側ベースと、前記上側ベースに複数のワイヤ、チェーンその他の線状部材によって吊り下げられたワーク保持ユニットとを備えてなり、前記マニピュレータの作動により位置が変更されると共に、一の位置で前記ワーク保持ユニットの下面に保持したワークを、他の位置で離脱させることでワークを搬送可能としたワーク搬送ツールであって、
前記複数の線状部材は、鉛直方向に対して斜めになって前記ワーク保持ユニットを水平方向で互いに引き合うように配されたことを特徴とするワーク搬送ツール。 - 前記ワークは、水平方向に延びた軸状をなし、
前記ワーク保持ユニットは、前記ワークの軸方向に沿って延び、
前記線状部材は、前記ワークの軸方向で見たときに、鉛直方向に対して斜めになるように配されたことを特徴とする請求項1に記載のワーク搬送ツール。 - 前記線状部材は、前記ワークの軸方向と直交する方向で見たときに、鉛直方向に対して斜めになるように配されたことを特徴とする請求項2に記載のワーク搬送ツール。
- 前記線状部材は、前記ワーク保持ユニットの両端部に少なくとも1対ずつ設けられかつ、前記ワークの軸方向で見たときに、互いに交差するように配されたことを特徴とする請求項2又は3に記載のワーク搬送ツール。
- 前記ワークの軸方向で見たときに、互いに交差するように配された線状部材は、前記ワークの軸方向と直交する方向で見たときに、鉛直方向に対して斜めになるように配されたことを特徴とする請求項4に記載のワーク搬送ツール。
- 前記線状部材には、上方又は下方に向かって前記ワークの軸方向で間隔が広がるように対をなしかつ他の線状部材より強度及び占有空間が共に大きな高強度線状部材が備えられたことを特徴とする請求項2乃至5の何れかに記載のワーク搬送ツール。
- 前記上側ベースと前記ワーク保持ユニットとの間に設けられて、オフ状態になると前記上側ベース及び前記ワーク保持ユニットの相対的な傾動及び/又は旋回を許容し、オン状態になると前記傾動及び/又は旋回を規制するロックユニットを備えたことを特徴とする請求項2乃至6の何れかに記載のワーク搬送ツール。
- 前記マニピュレータに固定されるブラケットと、
前記ブラケットに上下動可能に軸支され、下端部に前記上側ベースが固定された直動シャフトと、
前記直動シャフトを上方及び下方の両方向に直動可能な位置に保持した弾性体と、
前記ワークの自重による前記直動シャフトの降下量に基づいて、前記ワーク保持ユニットに正規に前記ワークが保持されたか否かを検出するワーク保持検出手段とを備えたことを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載のワーク搬送ツール。
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