JP2004237007A - 箸 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、箸に関し、箸を使い始めた幼児、力の弱い老人、身体の不自由な人、箸を使う習慣を有しない人等が、箸を持つ際の指の位置を支持しつつ、箸の使い方を習得することができる箸を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、指を挿入するための弾性を有する環状部材と、第1箸部、第2箸部とで構成され、該環状部材が、該箸部の矜持部にそれぞれ1または2以上配設されてなる、箸である。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明は、指を挿入するための弾性を有する環状部材と、第1箸部、第2箸部とで構成され、該環状部材が、該箸部の矜持部にそれぞれ1または2以上配設されてなる、箸である。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、箸に関し、箸を使い始めた幼児、力の弱い老人、身体の不自由な人、箸を使う習慣を有しない人等が、箸を持つ際の指の位置を支持しつつ、箸の使い方を習得することができる箸を提供する。
【0002】
【従来の技術】
わが国では、古来より、食事の際食物を口に運ぶ手段として箸が用いられ、日本料理は箸と密着し、箸を用いる箸文化として発達している。この文化を礎として、美しい箸の持ち方は、「しつけ箸」という用語があるように重視されている。箸は、2本の棒の組合せであり、基本的には、右手の親指、人指し指、中指、薬指で2本の箸を支持して、箸の先で食物をはさむ道具であるが、これらの指の箸の支持位置や、力の加重方法等、箸を使い始めた幼児に教えるのは難しく、各家庭において、箸の持ち方のしつけは、幼児のしつけのうちでも難しいものとなっている。また、指先に均等な力を加重させて箸を操ることが、力の弱い老人や身体の不自由な人にとっては困難な場合がある。さらに、箸を使う習慣を有しない国の人にとっても、箸の使い方は、習得しにくいものとなっている。
【0003】
美しい箸の持ち方を習得させるための練習用の箸や、その補助具が、種々開発されている。たとえば、指案内部材に箸を装着し、2本の箸の箸先が当接しつつ、挟持部の先端に空間を設ける態様が開示されている(例えば、特許文献1)。また、箸に指を通すための輪付の箸が提案されている(例えば、特許文献2)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、これらは、使用者の個々の手の大きさの相違が反映されていない点や、指の動きが制限され過ぎる等問題があった。従って、使用者の個々の手の大きさの相違に柔軟に適用され、使用者が指を制限されないで動作することができ、食物をつまむことが可能な箸使いを練習できる箸の開発が待たれていた。
【0005】
そこで、本発明者らは、幼児、老人、身体不自由者に応用することができ、美しい箸の持ち方を習得することができる箸を提供することを目指し鋭意研究の結果、上記目的を達し、新規な箸を発明するに至った。
【0006】
【特許文献1】特許公開公報平成10−228234号
【特許文献2】特許公開公報平成10−137101号
【0007】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明の箸は、指を挿入するための弾性を有する環状部材と、第1箸部、第2箸部とで構成され、環状部材が箸部の挟持部にそれぞれ1または2以上配設されてなる、箸である。
【0008】
また、挟持部に、環状部材を係合する係止部が設けられ得る。
【0009】
さらに、環状部材が、合成樹脂・織物・若しくは編物またはこれらの組合せからなる伸縮性コード、またはコイル状バネからなり、環状部材の手指に接触する部分が指に緩嵌し得る。
【0010】
また、環状部材が、親指に共に対応し、第1箸部と第2箸部のそれぞれの挟持部に配設され得る。
【0011】
また、第1箸部は、親指、人指し指、中指に対応する3個の環状部材を有し得る。
【0012】
また、第2箸部は、親指と薬指に対応する2個の環状部材を有し得る。
【0013】
ここで、環状部材が、コードからなり、挟持部に設けられた貫通孔にコードの両端各部が共に貫通され、コードの中央部が環状に形成され、環状部材の孔径が、貫通孔より突出されたコードの両端部の長さを変化させることにより、調節可能でありうる。
【0014】
ここで、第1箸部において、親指と人指し指に対応する環状部材を係止する貫通孔の軸心が交差する角度、および人指し指に対応する環状部材を係止する貫通孔の軸心が交差する角度は、それぞれ60〜120度であり得る。
【0015】
さらに、第2箸部に配設されている2個の貫通孔の軸心が交差する角度は、相互に60〜120度であり得る。
【0016】
ここで、環状部材は支持部を有し、支持部が挟持部の係止部と勘合して、環状部材を挟持部に係合しうる。
【0017】
あるいは、環状部材は、挟持部に着脱自在でありうる。
【0018】
ここで、環状部材は、2以上の色彩で色分けされ得る。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の箸は、基本的には、指を挿入する孔部を含む弾性を有する環状部材と、第1箸部、第2箸部とで構成され、該環状部材が、該箸部の挟持部に1または2以上配設されてなる箸である。本明細書における「箸部」は、2本を組として箸を構成し、箸部は、把持部と挟持部で構成されている。箸部の「把持部」は、食物等を挟む箸の部分であり、「挟持部」は、使用者の手指により箸部を支持する部分に相当する。以下、図により、本発明の内容を説明する。
【0020】
図1に示すように、本発明の箸10は、第1箸部12および第2箸部14で構成され、これらの箸部の挟持部16には、それぞれ1または2以上の環状部材18が、配設されている。配設されている環状部材の数および位置により、第1箸部12および第2箸部14は、区別される。第1箸部12および第2箸部14には、それぞれ親指に対応する環状部材18が挟持部16上方に配設されている。
【0021】
使用の際には、この環状部材18を使用者の箸を用いる手の親指に第2箸部14、第1箸部12の順で一定の間隔を取って装着して用いる。これら第1および第2箸部12,14の挟持部16に配設されている親指に対応する環状部材18により、2本の箸部12,14を一定の間隔に保持しつつ、使用者の手のひらに添って、軟着固定させることができる。箸部12,14にそれぞれ配設された環状部材18を親指に緩嵌させ、箸部本体を親指以外の指で軽く握ることにより、自然に本来の箸の持ち方をすることができる。
【0022】
環状部材18は、コードからなり得る。このような、環状部材18は、例えば、合成樹脂・織物・若しくは編物またはこれらの組合せからなる伸縮性コード、あるいは、コイル状バネを例示することができる。この場合、環状部材18の材質は、伸縮性を有することが好ましい。伸縮性を有する材質を用いることにより、使用者の指を柔らかく締結しつつ外れにくく、さらに環状部材18を指に係止する位置等の微調整が可能であり、しかも環状部材18を指から取り外すことが容易に行える。
【0023】
箸部の挟持部16には、環状部材18を係合させる係止部が設けられ得る。
【0024】
第1箸部12には、親指のほか、さらに人指し指、中指にそれぞれ対応する環状部材18を有し得る。使用者は、第1箸部12の環状部材18を装着している親指を中心として、人指し指と中指で第1箸部12の挟持部16をはさみ、上下に操作する。この人指し指と中指に対応する第1箸部12の挟持部16に環状部材18を配設する。人指し指と中指に対応する環状部材18の配設位置は、使用者のバリエーションに適合するように箸部の長さ大きさに伴い種々選択し得る。例えば、幼児用、子供用、男性用、女性用等、箸の長さおよび使用対象者の手の大きさにより、種々製作し得る。
【0025】
また、第2箸部14は、親指の他、薬指に対応する環状部材を有し得る。使用者が用いる場合、第2箸部14を親指と薬指とで固定し、第1箸部12を人指し指と中指で操作するように使用すると、箸部の先端で食物を挟みやすく、箸を美しく持つことが可能である。このため、第2箸部を固定支持することを容易とするために、親指の他薬指に対応する環状部材を設け薬指に装着させる。
【0026】
箸部の挟持部16に環状部材18を係合させる手段として、図2に示すように、例えば、箸部の挟持部16の各指に対応する位置に係止部として貫通孔20を設け、環状部材18のコードの両端部22をこの貫通孔に通す。これにより、コードの中央部に環部24が形成される。この環部に対応する指を挿入することにより、箸部に各指が添うことになる。この環状部材18の孔径は、貫通孔20に貫通され突出した両端部22の長さを変化させることにより、使用者の指に最適の径に調節し得る。また、環状部材18が伸縮性を有すると好ましい。この場合、挟持部16の貫通孔20をこの環状部材18を収縮させて貫通させると、コードを最適の径を保持するようにコードの貫通孔20での係止を強固とすることができる。また、環状部材18の環部24の形成する面の向きの微調整も容易である。
【0027】
これらの環状部材の相互の位置について説明する。図3は、箸部の端部側から見た貫通孔の相互の関係を示した図である。図3(a)に示すように、第1箸部12において、親指に対応する環状部材18を係止する貫通孔30の軸心32に対し、人指し指に対応する環状部材18を係止する貫通孔34の軸心36が交差する角度α、および人指し指に対応する環状部材を係止する貫通孔38の軸心40が交差する角度βが、それぞれ60〜120度を成して配設されうる。
【0028】
また、図3(b)に示すように、第2箸部14においては、親指に対応する環状部材18を係止する貫通孔42の軸心44に対し、人指し指に対応する環状部材18を係止する貫通孔46の軸心48が交差する角度γが、相互に60〜120度をなして配設され得る。
【0029】
このように互いに角度を保持するのは、各指が箸を保持する方向が異なるためであり、箸使いの基本型に則して、位置、角度を決定し得る。
【0030】
また、1図は、右利きの人をモデルとして、説明しているが、本発明の箸は、右利き左利きの人双方の応用することができ、例えば、図1の第1箸部の中指に相当する環状部材、および第2箸部の薬指に相当する環状部材の差し込む方向を逆にすれば、同じ箸であって左利き用に応用することができる。
【0031】
本発明の箸の他の態様としては、図4(a)に示すように、箸部に配設されている環状部材18が、挟持部に係合するための支持部50を有する態様であり得る。この場合、環状部材は、上記環状部材として好ましい伸縮性を有する材質である、合成樹脂・織物・若しくは編物またはこれらの組合せからなる伸縮性コード、またはコイル状バネを環状に曲げてなる環部52と、これを箸部に係合するための支持部50が連結した構成をとり、支持部50は箸部の挟持部16の適当な位置周囲全体に係止され得る。また、図4(b)に示すように、支持部が、クリップ状物54であってもよい。クリップ状物54により環状部材は箸部の挟持部16の所望の箇所の周囲の一部または全部に係止され得る。素材は、環状部材と同様であってもよいが、合成樹脂等の、挟持部の一部を挟持し得る弾性強度を有することが好ましい。
【0032】
ここで、環状部材が上記支持部を有しており、挟持部に設けられた係止部と嵌合して、環状部材を挟持部に係合する構成をとってもよい。この構成をとることにより、環状部材を安定に係止することができる。挟持部の係止部は、例えば、図4(c)に示すように、箸部の挟持部に凹部56を設けてもよい。または、係止部と勘合する部材を挟持部に設けても良い。
【0033】
使用者の各人の手の形状、大きさ、指の長さは、個々に相違するが、本願発明による箸によれば、各環状部材の環部の巡方向に平行な面の相互の位置関係を調整することができる。すなわち、貫通孔を通して環状部材を係合する態様、および環状部材に係止部を設けて箸部の挟持部に係止する態様であっても、相互の角度を変化させることが可能である。また、環状部材を弾性を有する材料を選択することにより、指を挿入した時点においても、環状部材の孔部の位置、互いの角度は、微調整し得る。
【0034】
さらに、本発明の箸に配設される環状部材は、2以上の色彩で、色分けされることが好ましい。例えば、親指を黒色、人指し指を黄色、中指を赤色、薬指を緑色など、各指に対応する環状部材を色分けする。これにより、幼児や外国の人でも、どの環状部材にどの指を挿入させるかの理解を容易とすることができる。
【0035】
図5に、本発明の箸を装着した図を示す。第1箸部12および第2箸部14の挟持部にある親指に対応する環状部材18の位置を調節することにより、装着した時点で、両箸部の把持部先端が自然に当接し合うように対峙した箸使いの基本型を形つくることができる。次に、環状部材18で箸部が指に固定されているので、箸部の操作が容易であり、親指と薬指で第2箸部14を支持しつつ、人指し指と中指で、第1箸部12を操作し、両箸部の把持部先端を開放させて、食物を挟む動作を行う。この動作を終えた後は、弾性を有する環状部材18が、指の位置を、箸部の先端が当接し合う基本型を形つくるように各指を誘導することができ、身体に障害があり自由に指の動作を行うことが困難な人にも、箸使いの基本動作を容易に行うことができる。また、前述したように、左利き、右利きの人双方に応用することができる。
【0036】
以上、本発明の箸について説明したが、本発明は、これらの実施の形態のみに限定されず、その趣旨を逸脱しない範囲内で、当業者の知識に基づき、種々の変更、修正、改変を加えた態様で実施しうる。
【0037】
【発明の効果】
本発明にかかる箸は、使用者の個々の手の大きさの相違に柔軟に適用され、使用者が指を制限されないで動作することができ、食物をつまむことが可能な箸使いを練習でき、幼児、老人、身体不自由者に応用することができ、美しい箸の持ち方を習得することができる。
【0038】
本発明にかかる箸は、指を挿入するための弾性を有する環状部材と、第1箸部、第2箸部とで構成され、環状部材が、該箸部の挟持部にそれぞれ1または2以上配設され、使用者の各指に対応して環状部材を装着することにより、箸使いの基本型を習得することができる。
【0039】
また、前記環状部材が、コードからなり、前記挟持部に設けられた貫通孔に該コードの両端各部が共に貫通された態様においては、コードの中央部が環状に形成され、貫通孔より突出されたコードの両端部の長さを変化させることにより、環状部材の孔径が調節可能である。
【0040】
前記環状部材が、合成樹脂・織物・若しくは編物またはこれらの組合せからなる伸縮性コード、またはコイル状バネ等の弾性を有する材質からなるため、環状部材が使用者の手指に緩嵌し得、また、調整が可能である。
【0041】
さらには、環状部材は、親指に共に対応し、さらには、第1箸部が、親指、人指し指、中指に対応する3個の環状部材を有し、あるいは、さらに、第2箸部が、親指と薬指に対応する2個の環状部材を有することにより、より、容易に箸使いを習得することができる。
【0042】
また、各環状部材の取り付け位置、角度を一定範囲とすることにより、本発明にかかる箸をより箸使いの基本型に沿った使用をすることができる。
【0043】
さらには、環状部材を、挟持部に着脱自在とすることにより、使用者個々の使用態様をすることができる。従って、左右の利き手を問わず、本発明の箸を応用することができる。
【0044】
また、環状部材を2以上の色彩で色分けすることにより、幼児や外国人等等に習得が容易とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の箸の1実施例である。
【図2】図2は、本発明の箸の軸心方向断面図であり、(a)は、第1箸部、(b)は、第2箸部の説明図である。
【図3】図3は、箸部の端部側から見た貫通孔の相互の関係を示した図である。(a)は、第1箸部の説明であり、(b)は、第2箸部の説明である。
【図4】図4(a)は、環状部材が、支持部を有する態様を示す。図4(b)は、支持部が、クリップ状物である態様を示す。
図4(c)は、挟持部が凹部を有する態様を示す。
【図5】図5は、本発明の箸を装着した説明図である。
【符号の説明】
10;本発明の箸
12;第1箸部
14;第2箸部
16;挟持部
18;環状部材
20;貫通孔
22;環状部材の両端部
30、34、38、42、46;貫通孔
32、36、40、44、48;貫通孔の軸心
50;支持環部
52;環部
54;クリップ状物
56;挟持部の凹部
【発明の属する技術分野】
本発明は、箸に関し、箸を使い始めた幼児、力の弱い老人、身体の不自由な人、箸を使う習慣を有しない人等が、箸を持つ際の指の位置を支持しつつ、箸の使い方を習得することができる箸を提供する。
【0002】
【従来の技術】
わが国では、古来より、食事の際食物を口に運ぶ手段として箸が用いられ、日本料理は箸と密着し、箸を用いる箸文化として発達している。この文化を礎として、美しい箸の持ち方は、「しつけ箸」という用語があるように重視されている。箸は、2本の棒の組合せであり、基本的には、右手の親指、人指し指、中指、薬指で2本の箸を支持して、箸の先で食物をはさむ道具であるが、これらの指の箸の支持位置や、力の加重方法等、箸を使い始めた幼児に教えるのは難しく、各家庭において、箸の持ち方のしつけは、幼児のしつけのうちでも難しいものとなっている。また、指先に均等な力を加重させて箸を操ることが、力の弱い老人や身体の不自由な人にとっては困難な場合がある。さらに、箸を使う習慣を有しない国の人にとっても、箸の使い方は、習得しにくいものとなっている。
【0003】
美しい箸の持ち方を習得させるための練習用の箸や、その補助具が、種々開発されている。たとえば、指案内部材に箸を装着し、2本の箸の箸先が当接しつつ、挟持部の先端に空間を設ける態様が開示されている(例えば、特許文献1)。また、箸に指を通すための輪付の箸が提案されている(例えば、特許文献2)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、これらは、使用者の個々の手の大きさの相違が反映されていない点や、指の動きが制限され過ぎる等問題があった。従って、使用者の個々の手の大きさの相違に柔軟に適用され、使用者が指を制限されないで動作することができ、食物をつまむことが可能な箸使いを練習できる箸の開発が待たれていた。
【0005】
そこで、本発明者らは、幼児、老人、身体不自由者に応用することができ、美しい箸の持ち方を習得することができる箸を提供することを目指し鋭意研究の結果、上記目的を達し、新規な箸を発明するに至った。
【0006】
【特許文献1】特許公開公報平成10−228234号
【特許文献2】特許公開公報平成10−137101号
【0007】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明の箸は、指を挿入するための弾性を有する環状部材と、第1箸部、第2箸部とで構成され、環状部材が箸部の挟持部にそれぞれ1または2以上配設されてなる、箸である。
【0008】
また、挟持部に、環状部材を係合する係止部が設けられ得る。
【0009】
さらに、環状部材が、合成樹脂・織物・若しくは編物またはこれらの組合せからなる伸縮性コード、またはコイル状バネからなり、環状部材の手指に接触する部分が指に緩嵌し得る。
【0010】
また、環状部材が、親指に共に対応し、第1箸部と第2箸部のそれぞれの挟持部に配設され得る。
【0011】
また、第1箸部は、親指、人指し指、中指に対応する3個の環状部材を有し得る。
【0012】
また、第2箸部は、親指と薬指に対応する2個の環状部材を有し得る。
【0013】
ここで、環状部材が、コードからなり、挟持部に設けられた貫通孔にコードの両端各部が共に貫通され、コードの中央部が環状に形成され、環状部材の孔径が、貫通孔より突出されたコードの両端部の長さを変化させることにより、調節可能でありうる。
【0014】
ここで、第1箸部において、親指と人指し指に対応する環状部材を係止する貫通孔の軸心が交差する角度、および人指し指に対応する環状部材を係止する貫通孔の軸心が交差する角度は、それぞれ60〜120度であり得る。
【0015】
さらに、第2箸部に配設されている2個の貫通孔の軸心が交差する角度は、相互に60〜120度であり得る。
【0016】
ここで、環状部材は支持部を有し、支持部が挟持部の係止部と勘合して、環状部材を挟持部に係合しうる。
【0017】
あるいは、環状部材は、挟持部に着脱自在でありうる。
【0018】
ここで、環状部材は、2以上の色彩で色分けされ得る。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の箸は、基本的には、指を挿入する孔部を含む弾性を有する環状部材と、第1箸部、第2箸部とで構成され、該環状部材が、該箸部の挟持部に1または2以上配設されてなる箸である。本明細書における「箸部」は、2本を組として箸を構成し、箸部は、把持部と挟持部で構成されている。箸部の「把持部」は、食物等を挟む箸の部分であり、「挟持部」は、使用者の手指により箸部を支持する部分に相当する。以下、図により、本発明の内容を説明する。
【0020】
図1に示すように、本発明の箸10は、第1箸部12および第2箸部14で構成され、これらの箸部の挟持部16には、それぞれ1または2以上の環状部材18が、配設されている。配設されている環状部材の数および位置により、第1箸部12および第2箸部14は、区別される。第1箸部12および第2箸部14には、それぞれ親指に対応する環状部材18が挟持部16上方に配設されている。
【0021】
使用の際には、この環状部材18を使用者の箸を用いる手の親指に第2箸部14、第1箸部12の順で一定の間隔を取って装着して用いる。これら第1および第2箸部12,14の挟持部16に配設されている親指に対応する環状部材18により、2本の箸部12,14を一定の間隔に保持しつつ、使用者の手のひらに添って、軟着固定させることができる。箸部12,14にそれぞれ配設された環状部材18を親指に緩嵌させ、箸部本体を親指以外の指で軽く握ることにより、自然に本来の箸の持ち方をすることができる。
【0022】
環状部材18は、コードからなり得る。このような、環状部材18は、例えば、合成樹脂・織物・若しくは編物またはこれらの組合せからなる伸縮性コード、あるいは、コイル状バネを例示することができる。この場合、環状部材18の材質は、伸縮性を有することが好ましい。伸縮性を有する材質を用いることにより、使用者の指を柔らかく締結しつつ外れにくく、さらに環状部材18を指に係止する位置等の微調整が可能であり、しかも環状部材18を指から取り外すことが容易に行える。
【0023】
箸部の挟持部16には、環状部材18を係合させる係止部が設けられ得る。
【0024】
第1箸部12には、親指のほか、さらに人指し指、中指にそれぞれ対応する環状部材18を有し得る。使用者は、第1箸部12の環状部材18を装着している親指を中心として、人指し指と中指で第1箸部12の挟持部16をはさみ、上下に操作する。この人指し指と中指に対応する第1箸部12の挟持部16に環状部材18を配設する。人指し指と中指に対応する環状部材18の配設位置は、使用者のバリエーションに適合するように箸部の長さ大きさに伴い種々選択し得る。例えば、幼児用、子供用、男性用、女性用等、箸の長さおよび使用対象者の手の大きさにより、種々製作し得る。
【0025】
また、第2箸部14は、親指の他、薬指に対応する環状部材を有し得る。使用者が用いる場合、第2箸部14を親指と薬指とで固定し、第1箸部12を人指し指と中指で操作するように使用すると、箸部の先端で食物を挟みやすく、箸を美しく持つことが可能である。このため、第2箸部を固定支持することを容易とするために、親指の他薬指に対応する環状部材を設け薬指に装着させる。
【0026】
箸部の挟持部16に環状部材18を係合させる手段として、図2に示すように、例えば、箸部の挟持部16の各指に対応する位置に係止部として貫通孔20を設け、環状部材18のコードの両端部22をこの貫通孔に通す。これにより、コードの中央部に環部24が形成される。この環部に対応する指を挿入することにより、箸部に各指が添うことになる。この環状部材18の孔径は、貫通孔20に貫通され突出した両端部22の長さを変化させることにより、使用者の指に最適の径に調節し得る。また、環状部材18が伸縮性を有すると好ましい。この場合、挟持部16の貫通孔20をこの環状部材18を収縮させて貫通させると、コードを最適の径を保持するようにコードの貫通孔20での係止を強固とすることができる。また、環状部材18の環部24の形成する面の向きの微調整も容易である。
【0027】
これらの環状部材の相互の位置について説明する。図3は、箸部の端部側から見た貫通孔の相互の関係を示した図である。図3(a)に示すように、第1箸部12において、親指に対応する環状部材18を係止する貫通孔30の軸心32に対し、人指し指に対応する環状部材18を係止する貫通孔34の軸心36が交差する角度α、および人指し指に対応する環状部材を係止する貫通孔38の軸心40が交差する角度βが、それぞれ60〜120度を成して配設されうる。
【0028】
また、図3(b)に示すように、第2箸部14においては、親指に対応する環状部材18を係止する貫通孔42の軸心44に対し、人指し指に対応する環状部材18を係止する貫通孔46の軸心48が交差する角度γが、相互に60〜120度をなして配設され得る。
【0029】
このように互いに角度を保持するのは、各指が箸を保持する方向が異なるためであり、箸使いの基本型に則して、位置、角度を決定し得る。
【0030】
また、1図は、右利きの人をモデルとして、説明しているが、本発明の箸は、右利き左利きの人双方の応用することができ、例えば、図1の第1箸部の中指に相当する環状部材、および第2箸部の薬指に相当する環状部材の差し込む方向を逆にすれば、同じ箸であって左利き用に応用することができる。
【0031】
本発明の箸の他の態様としては、図4(a)に示すように、箸部に配設されている環状部材18が、挟持部に係合するための支持部50を有する態様であり得る。この場合、環状部材は、上記環状部材として好ましい伸縮性を有する材質である、合成樹脂・織物・若しくは編物またはこれらの組合せからなる伸縮性コード、またはコイル状バネを環状に曲げてなる環部52と、これを箸部に係合するための支持部50が連結した構成をとり、支持部50は箸部の挟持部16の適当な位置周囲全体に係止され得る。また、図4(b)に示すように、支持部が、クリップ状物54であってもよい。クリップ状物54により環状部材は箸部の挟持部16の所望の箇所の周囲の一部または全部に係止され得る。素材は、環状部材と同様であってもよいが、合成樹脂等の、挟持部の一部を挟持し得る弾性強度を有することが好ましい。
【0032】
ここで、環状部材が上記支持部を有しており、挟持部に設けられた係止部と嵌合して、環状部材を挟持部に係合する構成をとってもよい。この構成をとることにより、環状部材を安定に係止することができる。挟持部の係止部は、例えば、図4(c)に示すように、箸部の挟持部に凹部56を設けてもよい。または、係止部と勘合する部材を挟持部に設けても良い。
【0033】
使用者の各人の手の形状、大きさ、指の長さは、個々に相違するが、本願発明による箸によれば、各環状部材の環部の巡方向に平行な面の相互の位置関係を調整することができる。すなわち、貫通孔を通して環状部材を係合する態様、および環状部材に係止部を設けて箸部の挟持部に係止する態様であっても、相互の角度を変化させることが可能である。また、環状部材を弾性を有する材料を選択することにより、指を挿入した時点においても、環状部材の孔部の位置、互いの角度は、微調整し得る。
【0034】
さらに、本発明の箸に配設される環状部材は、2以上の色彩で、色分けされることが好ましい。例えば、親指を黒色、人指し指を黄色、中指を赤色、薬指を緑色など、各指に対応する環状部材を色分けする。これにより、幼児や外国の人でも、どの環状部材にどの指を挿入させるかの理解を容易とすることができる。
【0035】
図5に、本発明の箸を装着した図を示す。第1箸部12および第2箸部14の挟持部にある親指に対応する環状部材18の位置を調節することにより、装着した時点で、両箸部の把持部先端が自然に当接し合うように対峙した箸使いの基本型を形つくることができる。次に、環状部材18で箸部が指に固定されているので、箸部の操作が容易であり、親指と薬指で第2箸部14を支持しつつ、人指し指と中指で、第1箸部12を操作し、両箸部の把持部先端を開放させて、食物を挟む動作を行う。この動作を終えた後は、弾性を有する環状部材18が、指の位置を、箸部の先端が当接し合う基本型を形つくるように各指を誘導することができ、身体に障害があり自由に指の動作を行うことが困難な人にも、箸使いの基本動作を容易に行うことができる。また、前述したように、左利き、右利きの人双方に応用することができる。
【0036】
以上、本発明の箸について説明したが、本発明は、これらの実施の形態のみに限定されず、その趣旨を逸脱しない範囲内で、当業者の知識に基づき、種々の変更、修正、改変を加えた態様で実施しうる。
【0037】
【発明の効果】
本発明にかかる箸は、使用者の個々の手の大きさの相違に柔軟に適用され、使用者が指を制限されないで動作することができ、食物をつまむことが可能な箸使いを練習でき、幼児、老人、身体不自由者に応用することができ、美しい箸の持ち方を習得することができる。
【0038】
本発明にかかる箸は、指を挿入するための弾性を有する環状部材と、第1箸部、第2箸部とで構成され、環状部材が、該箸部の挟持部にそれぞれ1または2以上配設され、使用者の各指に対応して環状部材を装着することにより、箸使いの基本型を習得することができる。
【0039】
また、前記環状部材が、コードからなり、前記挟持部に設けられた貫通孔に該コードの両端各部が共に貫通された態様においては、コードの中央部が環状に形成され、貫通孔より突出されたコードの両端部の長さを変化させることにより、環状部材の孔径が調節可能である。
【0040】
前記環状部材が、合成樹脂・織物・若しくは編物またはこれらの組合せからなる伸縮性コード、またはコイル状バネ等の弾性を有する材質からなるため、環状部材が使用者の手指に緩嵌し得、また、調整が可能である。
【0041】
さらには、環状部材は、親指に共に対応し、さらには、第1箸部が、親指、人指し指、中指に対応する3個の環状部材を有し、あるいは、さらに、第2箸部が、親指と薬指に対応する2個の環状部材を有することにより、より、容易に箸使いを習得することができる。
【0042】
また、各環状部材の取り付け位置、角度を一定範囲とすることにより、本発明にかかる箸をより箸使いの基本型に沿った使用をすることができる。
【0043】
さらには、環状部材を、挟持部に着脱自在とすることにより、使用者個々の使用態様をすることができる。従って、左右の利き手を問わず、本発明の箸を応用することができる。
【0044】
また、環状部材を2以上の色彩で色分けすることにより、幼児や外国人等等に習得が容易とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の箸の1実施例である。
【図2】図2は、本発明の箸の軸心方向断面図であり、(a)は、第1箸部、(b)は、第2箸部の説明図である。
【図3】図3は、箸部の端部側から見た貫通孔の相互の関係を示した図である。(a)は、第1箸部の説明であり、(b)は、第2箸部の説明である。
【図4】図4(a)は、環状部材が、支持部を有する態様を示す。図4(b)は、支持部が、クリップ状物である態様を示す。
図4(c)は、挟持部が凹部を有する態様を示す。
【図5】図5は、本発明の箸を装着した説明図である。
【符号の説明】
10;本発明の箸
12;第1箸部
14;第2箸部
16;挟持部
18;環状部材
20;貫通孔
22;環状部材の両端部
30、34、38、42、46;貫通孔
32、36、40、44、48;貫通孔の軸心
50;支持環部
52;環部
54;クリップ状物
56;挟持部の凹部
Claims (12)
- 指を挿入するための弾性を有する環状部材と、第1箸部、第2箸部とで構成され、該環状部材が、該箸部の挟持部にそれぞれ1または2以上配設されてなる、箸。
- 前記環状部材が、合成樹脂・織物・若しくは編物またはこれらの組合せからなる伸縮性コード、またはコイル状バネを環状に曲げてからなり、該環状部材の手指に接触する部分が指に緩嵌し得る、請求項1記載の箸。
- 前記環状部材が、親指に共に対応し、前記第1箸部と第2箸部のそれぞれの挟持部に配設されている、請求項1又は請求項2に記載の箸。
- 前記第1箸部が、親指、人指し指、中指に対応する3個の環状部材を有する、請求項3に記載の箸。
- 前記第2箸部が、親指と薬指に対応する2個の環状部材を有している、請求項3または請求項4に記載の箸。
- 前記挟持部に、前記環状部材を係合させる係止部が設けられている、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の箸。
- 前記環状部材が、コードからなり、前記係止部が、前記挟持部に設けられた貫通孔であり、該貫通孔に該コードの両端各部が共に貫通され、該コードの中央部が環状に形成され、該中央部の孔径が、該貫通孔より突出された該コードの両端部の長さを変化させることにより、調節可能である、請求項2乃至請求項6のいずれかに記載の箸。
- 前記第1箸部において、親指と人指し指に対応する環状部材を係止する貫通孔の軸心が交差する角度、および人指し指に対応する環状部材を係止する貫通孔の軸心が交差する角度が、60〜120度の角度である、請求項7のいずれかに記載の箸。
- 前記第2箸部に配設されている2個の貫通孔の軸心が交差する角度が、60〜120度の角度である、請求項7または請求項8のいずれかに記載の箸。
- 前記環状部材が支持部を有し、該支持部と前記挟持部の係止部と嵌合して、該環状部材を該挟持部に係合する、請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の箸。
- 前記環状部材が、前記挟持部に着脱自在である、請求項10に記載の箸。
- 前記環状部材が、2以上の色彩で、色分けされている、請求項1乃至請求項11のいずれかに記載の箸。
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JP2003032032A JP2004237007A (ja) | 2003-02-10 | 2003-02-10 | 箸 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN107136863A (zh) * | 2016-11-09 | 2017-09-08 | 李欣 | 方便西方友人初学持筷的含辅助装置的易拿筷 |
-
2003
- 2003-02-10 JP JP2003032032A patent/JP2004237007A/ja not_active Withdrawn
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